- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 健康・生活衛生局が実施する検討会等 >
- がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ >
- 第6回 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)
第6回 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
日時
令和7年6月16日(月)13:00~15:00
議題
(1)座長の選任について
(2)がんゲノム医療の推進について
(3)その他
(2)がんゲノム医療の推進について
(3)その他
議事
- 議事内容
- ○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第6回「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。事務局を務めます厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課の千葉でございます。
本ワーキンググループはYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日は菱木構成員から欠席の御連絡をいただいておりまして、9名の構成員と1名の参考人の方に御出席いただいております。今回のワーキンググループから、国立がん研究センター中央病院病院長の瀬戸泰之構成員に新たに御参画いただいています。
続いて、参考人の御紹介をいたします。京都大学大学院医学研究科腫瘍内科学講座 武藤学先生です。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1から3及び参考資料1から6までございますので、御確認ください。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
本日の議題としては、座長の選任について、がんゲノム医療の推進について、その他を予定しております。
それでは、議題1「座長の選任」に移りたいと思います。本ワーキンググループの開催要綱にて、座長は構成員の互選によりおくこととされておりますので、御推薦がございましたらお願い申し上げます。
織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 もしよろしければ、国立がん研究センター中央病院の瀬戸泰之先生にお願いできればと思います。御推薦申し上げます。
○事務局 ありがとうございます。御推薦いただきました。
それでは、瀬戸構成員に座長をお願いすることでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○事務局 特に問題ございませんということですので、瀬戸構成員におかれましては、座長席に御移動の上、一言御挨拶をお願いいたします。
○瀬戸座長 皆さん、こんにちは。ただいま御紹介いただきました国立がん研究センター中央病院の瀬戸でございます。
このたびは、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループの座長に御指名いただきました。ありがとうございます。私は、前任のところでもこういった会議にはいろいろ関与しておりまして、そのこともあって御推挙いただいたものと思っております。
がん遺伝子パネル検査ですけれども、皆さん御承知のように、2019年に保険適用になって、がんの医療にとっては非常に重要な役割を果たしているということで、現時点では中核拠点病院が13か所、拠点病院が32か所、医療連携病院が237か所ということで、徐々に裾野が広がっているのでございますけれども、まだまだ課題もありますし、進歩途上といいますか、発展途上ということだと思います。今回のこのワーキンググループは、そのような役割を担っている重要な会議体だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○事務局 座長、ありがとうございました。
この後の進行は瀬戸座長にお願いいたします。
○瀬戸座長 それでは、議題に沿って進めたいと思います。議題2「がんゲノム医療の推進について」に移ります。初めに、事務局から資料1を用いて、これまでの我が国におけるがんゲノム医療に係る取組の振り返りをしたいと思います。続いて、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会及び日本癌学会の3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース、ワーキンググループ代表を務めていらっしゃる武藤先生より、現状の課題と将来のがんゲノム医療に関する考え方を提示いただきます。それを受けて、本日は資料3にて、事務局から今後の方針が提案されるという構成で進行してまいりたいと思います。
○事務局 それでは、資料1を事務局より説明いたします。
1枚目、「これまでのがんゲノム医療に係る取組について」というところで御説明さしあげます。
続いて、2ページ目でございますけれども、がんゲノム医療というところで、こちらは平成30年の会議資料からの抜粋でございますけれども、ゲノム情報に基づいたがんの医療ということで書かせていただいております。
例えば、同じ「肺がん」でありましても、原因となる遺伝子は様々でありまして、対応する薬剤も異なるところでございます。
がんゲノム医療におきましては、原因となる遺伝子を特定して、より効果が高い治療薬を選択することが可能となりまして、患者一人一人に合った「個別化医療」につながるというふうにしております。
続いて、3ページ目ですけれども、遺伝子検査の発展とともに、分子標的薬等の開発薬は増加し、治療成績が向上してきた中、がんゲノム医療の体制整備を進めてきたというところでございます。
上段におきましては、IV期非小細胞肺癌治療の進歩というところで、主な分子標的薬の国内承認や単一遺伝子検査薬の国内承認、また遺伝子パネル検査の国内承認というところで、年を追って増えてきたというところを示しているものでございます。
下のほうに参りまして、がんゲノム医療体制の整備というところでございまして、各通知の発出とか関係機関の設置といったところを記載しているものでございます。
次、4ページ目、お願いいたします。こちら、現行のがんゲノム医療提供体制となりますが、がんゲノム医療を必要とするがん患者さんが、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を構築することを目指し、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備を進めたものでございます。
がんゲノム医療中核拠点病院及びがんゲノム医療拠点病院は、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会の意見を踏まえまして厚生労働大臣が指定するものでございます。また、がんゲノム医療連携病院は、がんゲノム医療中核拠点病院またはがんゲノム医療拠点病院により指定されるものでございます。
厚生労働省でありましたり、がんゲノム情報管理センターでありましたり、会議体でありましたりの関係というところは、下の図で示しているところでございます。がんゲノム医療連携病院の中にも、一部、エキスパートパネル実施可能がんゲノム医療連携病院というところを設けているものでございます。
続けて5ページ目に参りますが、がんゲノム医療中核拠点病院等、先ほど座長からのお話にもありましたが、がんゲノム医療を受けることのできる医療提供体制というところですけれども、中核拠点病院は13か所、拠点病院は32か所、また連携病院は現在237か所となっております。
次、6ページ目、お願いいたします。がん遺伝子パネル検査(固形がん)の概要でございます。
がん遺伝子パネル検査とは、生検や手術などで採取されたがん組織等を用いまして、高速で大量のゲノムの情報を読み取る「次世代シークエンサー」という解析装置で、1回の検査で多数の遺伝子を同時に調べる検査でございます。その調査結果を用いたエキスパートパネルにより使用する薬剤等の治療方針が提示され、主治医が決定するものでございます。
実際に下のフローでは、検体が提出されてから患者さんに説明があり、治療というところまでの流れを示しているものでございます。エキスパートパネルにおきましては、C-CATからの調査結果も返ってきているものでございまして、右側にはC-CAT調査結果の説明もさせていただいているものでございます。
続けて、7ページ目、お願いいたします。先ほどお話にありましたエキスパートパネルと、そこで検討されるべき内容について挙げているものでございます。
令和4年8月1日付の健康局長通知「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針」におきまして、エキスパートパネルの定義というものが示されているものでございます。
また、検討されるべき内容については、関連学会の見解が示されているところでございます。
上には、エキスパートパネルというところで、がん遺伝子パネル検査の結果を医学的に解釈するための多職種による検討会のことというふうにしております。
下の関連学会見解については、記載のとおりとなっております。
続けて、8ページ目、お願いいたします。がん遺伝子パネル検査実績でございますけれども、がんゲノム医療を受けることのできる医療提供体制の整備や、利用可能ながん遺伝子パネル検査の開発及びそれらを取り扱う医療従事者の尽力によりまして、検査実績は現在、10万例を超えているところでございます。
次のページ、お願いいたします。また、先ほど申し上げましたがんゲノム情報管理センター(C-CAT)データの二次利用につきましては、令和4年1月から実施されたところでございまして、54のがんゲノム医療中核拠点病院等や16の企業等が研究・開発に利用しているものでございます。
実際に、右下には薬事利用された例というところで挙げているものでございます。
次のスライド、お願いいたします。こちら、まとめというところで記載させていただいております。
第4期がん対策推進基本計画の個別目標の中で、「がん患者が、全国どこにいても、質の高いがん医療を受けられ、がんゲノム医療へのアクセシビリティが確保されていることを目指す。」としております。
がんゲノム医療につきましては、平成29年12月に「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針」を策定し、がんゲノム医療中核拠点病院及びがんゲノム医療連携病院の整備が進められました。その後、令和元年7月の一部改正によってがんゲノム医療拠点病院の類型が新設されたところでございます。
令和7年6月現在、計282施設の指定医療機関でがんゲノム医療中核拠点病院等が整備されまして、がん遺伝子パネル検査を中心としたがんゲノム医療が提供されております。
また、ゲノム情報及び臨床情報等の集約・管理・利活用を目的として、平成30年6月にがんゲノム情報管理センターが開設されまして、関連情報の収集、利活用に向けた取組等を開始しております。こちらのデータの二次利用につきましても令和4年1月より実施されているところでございます。
令和元年度には、がん遺伝子パネル検査の保険収載によりまして、保険診療下でのがんゲノム医療が実装されまして、保険診療下でがん遺伝子パネル検査を受けた延べ患者数は、この3月までに10万例を超えたところでございます。C-CATデータの二次利用が医薬品の開発につながった例もございまして、この他、医療現場や製薬企業の尽力によりまして、多くの分子標的薬等の開発が進んできたところでございます。
さらに、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がるとともに、標準治療の中にそれらの治療薬が組み込まれてきているところでございます。実際に、遺伝子変異に着目した薬事承認薬の数が増えまして、またがん遺伝子パネル検査の薬事審査の過程を経て、検査の分析性能が担保された遺伝子変異の項目数も増えてきているところでございます。これらについては、エキスパートパネルでの検討を経ずとも、質の高いがんゲノム医療を提供することが可能となりつつあると考えられます。
さらに、がんの標準治療を実施することが求められる医療機関として位置づけられておりますがん診療連携拠点病院等において、がんゲノム医療が実施できるよう、関連学会等と連携し、その運用面の改善を図りながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制を構築していくことが重要であると考えられます。
資料1の事務局からの説明は以上となります。
○瀬戸座長 ありがとうございました。
次に、資料2を参考人の武藤先生に御説明をお願いします。なお、資料1と2につきましては、武藤先生の御発表が終わったら、まとめて質疑応答したいと思いますので、よろしくお願いします。それでは、武藤先生、お願いします。
○武藤参考人 よろしくお願いします。
資料2は、日本癌治療学会・日本臨床腫瘍学会・日本癌学会による次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づく固形がん診療に関するブリーフィングレポートが6月11日に発出されましたので、これに基づいてがんゲノム医療の将来のあるべき姿について考え方を述べたいと思います。なお、このブリーフィングレポートは、この癌関連3学会のガイダンスが2017年に第1版が出て、2020年5月にバージョン2.1が発出されて以来、5年間改定されておりませんでした。ガイダンスというよりも、既にリテラシーも向上し、実施経験もありますので、ブリーフィングレポートとして、これまでの課題とあるべき姿についてまとめたものになります。全28ページになります。
次のページ、お願いします。タスクフォースのメンバーとワーキンググループのメンバーは、御覧のとおりになります。
次、お願いします。まず、この背景ですけれども、既に御説明がありましたように、固形がんに対するがん遺伝子パネル検査が保険適用になってから6年が経過し、既に10万例以上の患者さんに検査が実施されています。
しかし、医療政策としての精密医療(Precision Medicine)を実現するために開発されたがん遺伝子パネル検査が、本来の効果を十分に発揮するためにはまだ課題が残されており、解決すべき点が多くあると考えています。
第4期がん対策推進基本計画が掲げるように、多くの患者が真に恩恵を得るがんゲノム医療としてさらに発展し、継続することは、現在のがん遺伝子パネル検査に関連する制度及び体制を最適化することが必要と考えます。
次、お願いいたします。全12項目あるのですけれども、本日は、その中で固形がんにおけるエキスパートパネル省略可能な症例の考え方、そしてエキスパートパネル開催に関する考え方とエキスパートパネル構成員の役割に関する考え方。がん遺伝子パネル検査が実施できる医療機関を拡大するための考え方、そしてC-CAT調査結果の改訂と入力項目の見直しに関する考え方を抜粋して御説明したいと思います。
次、お願いします。まず、固形がんにおけるエキスパートパネル省略可能な症例の考え方ですが、ここは少し複雑なので丁寧に説明させていただきますけれども、現在の診療報酬算定要件では、当該がん種に対して、がん遺伝子パネル検査をプロファイル検査として実施した場合、当該がん遺伝子パネル検査に搭載されているコンパニオン対象のバリアントがあったとしても、主治医判断でコンパニオン診断に基づく薬剤提供はできず、必ずエキスパートパネルでの検討を経て治療の可否を判断する必要があります。
また、がん遺伝子パネル検査におけるコンパニオン診断はエビデンスレベルAに分類されますが、特定のがん遺伝子パネル検査にひもづいて承認されているため、当該コンパニオン診断が搭載されていないがん遺伝子パネル検査で実施した場合は、そのコンパニオン診断対象のバリアントが検出されていてもエキスパートパネルでの検討を経て治療の可否を判断する必要があります。
なお、コンパニオン診断が存在する遺伝子の異常をがん遺伝子パネル検査で検出した場合、そのエキスパートパネルが適切であると判断した場合であって、主治医も当該医薬品投与について適切であると判断した場合は、改めてがん遺伝子パネル検査以外のコンパニオン診断を行うことなく当該医薬品を投与しても差し支えない。いわゆるみなしコンパニオンが厚労省の疑義解釈通知で発されております。
また、エビデンスレベルAのバリアントは「エキスパートパネル簡略化」の対象として認められておることから、その解釈においては、がんゲノム医療実施施設におけるコンセンサスがある程度得られていると考えられます。
そこで、改善案としては、これまで多くの症例の経験がありますので、まずエビデンスレベルAのバリアントは、主治医の判断で「その質を担保した上で、エキスパートパネルを省略」可能とすることで、結果の返却が早くなるとともに治療を速やかに実施できるため、患者のメリットにつながると期待できます。
そのためには、主治医が適切に判断できるように、先ほどのブリーフィングレポートの中には、「エキスパートパネルを省略可能なバリアント」についてリスト化しておりまして、これを調査結果等に反映させることによって、どの担当医もその判断を間違わないところで質を担保できると考えております。
次、お願いいたします。この主治医判断でエキスパートパネルが省略可能なバリアントの考え方ですけれども、この表にあります。ちょっと複雑なのですけれども、まず、当該がん種において、一番上段でコンパニオン診断対象のバリアントがあった場合、そして薬剤がある場合には、これはコンパニオン診断として使えますので、主治医判断で診断ができるわけです。
コンパニオン診断対象のバリアントが薬事承認された遺伝子パネル検査に搭載されているコンパニオン診断がなくても、エビデンスレベルAのバリアントがあった場合で、分析性能が薬事承認の範囲であって薬剤が提供できる場合においては、先ほどの3学会のブリーフィングレポートにあるリストに基づいて、一部可能ではないか。
一方で、薬剤が提供できない、治験などがない場合もエキスパートパネルは省略しても構わないのではないかという表になっております。
次、お願いいたします。エキスパートパネル開催に関する考え方ですが、エキスパートパネルの開催に当たっては、開催要件の構成員と主治医、または担当医が参加することが求められています。
そして、参加者がリアルタイムで協議可能な方法とされています。
実際のエキスパートパネルでは、コロナも明けて出張等があったり、一堂に会してエキスパートパネルを開催することが困難な場合もあります。
そこで、解決案としましては、エキスパートパネルの検討の質というのは非常に重要でありますが、その質を担保するためには十分な検討がされていることが重要であって、リアルタイム性よりも十分な検討ができることが最重要視されると考えます。そのため、エキスパートパネル構成員がそれぞれの見解が一致していることが担保できれば、エキスパートパネル要件を満たすと考えられます。
実際のエキスパートパネルの運用では、持ち回り協議で見解を共有している場合が%あることから、全ての症例において持ち回り協議の運用を活用することで、エキスパートパネルの質を担保できるとともに、患者さんへの速やかな結果返却も可能となります。また、患者さんの不利益にはならず、医療者にとってもリアルタイムで協議する時間的拘束が緩和できると考えます。
全ての症例において持ち回り協議が可能となれば、現在の運用上で必要な構成員が不在であった場合に、リアルタイムでの協議において疑義が発生しても事後的に速やかに再度持ち回り協議を実施することで、その質も担保できると考えられます。
次、お願いいたします。エキスパートパネル構成員の役割ですが、これまで役割が重複することに関して明確な定義がありませんでした。そこで、エキスパートパネルの構成員、アからキまでありますが、専門領域において異なる構成員が参加して意見交換できることが重要でありますが、重複を許容することも可能と思います。具体的には、薬物療法の専門医、または遺伝に関する遺伝カウンセラー、エとして病理の先生、小児に関しては小児の先生。イとウについては兼ねることができないとなっていますが、例えばアとイに関しては重複することも可能と考えられますし、オに関してもア、イ、エに重複することも考えられますので、このように重複することも明確にする必要があるかなと考えております。
次、お願いします。がん遺伝子パネル検査が実施できる医療機関を拡大するための考え方としましては、先ほども厚労省から御説明がありましたように、遺伝子変異に基づく治療薬の開発が広がってきて、標準治療の中にその治療薬が組み込まれています。これまでは単一もしくは少数の遺伝子変異を調べるだけで十分であったものの、多数の遺伝子変異を同時に調べることで遺伝子パネル検査のニーズが高まってきております。
現在、我が国でがん遺伝子パネル検査が実施できる医療機関は、6月1日現在で施設です。これはがん診療連携拠点病院の%にしかすぎません。
がんの標準治療を実施することが求められる医療機関として位置づけられているがん診療連携拠点病院において、がんゲノム医療が実施できるようにすることは非常に重要だと思います。
一方で、実施医療機関の拡大においては、遺伝カウンセラーの数が少ないので、自施設でできる体制を構築するのは難しいと聞いております。また、へのデータ登録、エキスパートパネルの開催なども負担になると聞いております。
そこで、がんゲノム医療連携病院の要件を緩和するために、遺伝カウンセリングを自施設で実施する体制から連携して実施できる体制も許容する。これにおいては、既にの中ではそのような体制も構築されておりますし、遺伝カウンセリングに関しましては自施設でできなくても、必ず中核拠点・拠点病院と連携しておりますので、そちらに患者さんを紹介することによって、患者さんの不利益にはつながらないと考えられます。
また、へのデータ登録の最適化と効率化を進めることで負担軽減になるとともに、エキスパートパネルの省略も可能になれば、より負担軽減につながると考えられます。
次、お願いいたします。調査結果の改訂につきましては、へのデータ登録は、日本人のゲノムデータ収集によって、我が国における創薬などの産業振興への貢献が期待できるということで高い保険点数がついたと聞いております。
一方で、医療機関におけるへのデータ登録は、がんゲノム医療を実施する上で負担になっているのは事実です。
現状では、へのデータ入力が実際の患者さんへの還元である一次利用としてのメリットが生かされていません。
もしへの臨床情報の入力が医療現場における直接的なメリットにつながるようになれば、へのデータ登録がより進むと期待できます。
そのためには、調査結果において、入力した臨床情報が一次利用として臨床現場に還元できる内容にすることも必要と考えられます。
そこで、解決案としましては、治療ライン別で制限される治験においては、登録された治療ライン数で自動的にフィルタリングして必要な治験だけを提示することも必要だと思います。
また、様々なバイオマーカーをに登録しておりますが、調査結果に記載されている治験情報は、それらによって選別された情報ではなく、バイオマーカーに関係ない治験情報が全て報告されています。医療ニーズに合う情報にするためには、既に入力したバイオマーカーでフィルタリングをした結果を報告すべきだろうと思います。
また、新薬が承認された場合においても、過去に既に実施したがん遺伝子パネル検査で適応となる患者さんへのリコンタクトが、から定期的にレポートされれば、医療従事者も患者さんもそのメリットを受けると考えられます。
次のページ、お願いします。入力項目の見直しに関する考え方ですが、へのデータ登録において、ゲノムデータは検査会社から直接登録されることが多いため、医療機関側の負担は少ないです。一方で、臨床情報の登録は、項目が多いことに加え、追跡調査が必要なことが課題です。
登録される各臨床情報が、がんゲノム医療の質の確保や向上、そして大学などの研究機関や製薬会社などの企業で行われる研究開発のための基盤として利活用されるためには、そのデータの入力率と質を担保することが重要でありますが、一方で、入力側の負担も検討する必要があります。
特に、がんゲノム医療実施医療機関においては、通常診療でも業務で多忙を極めている上に、治療につなげるための治験や臨床研究への参加でさえ負担となっている状況もあり、へのデータ入力が負担となり適切な入力が困難であることも懸念されます。
利活用に資するデータを担保するためには、必須入力項目を精査し、最適化することを整理した上で、必要度に関して、ゲノム医療実施施設の要件に合わせて現実的に対応可能な内容となるよう、入力項目の必要度に差をつけることなども検討してはいかがかと考えます。
また、がんゲノム医療を実施していない医療機関から実施機関への「がん遺伝子パネル検査のみのための紹介」が双方の医療機関にとって負担となっておりますが、がん遺伝子パネル検査実施医療機関が拡充され、「がん遺伝子パネル検査のみのための紹介」が減ることは、結果的に一施設当たりのへの臨床情報入力の負担を軽減し、データ登録を持続可能な形に最適化する上でも有用と考えます。
以上です。
○瀬戸座長 ありがとうございました。
それでは、資料1と資料2につきまして、委員の方々から御質問等あればお願いいたします。ある委員の方は挙手機能を使っていただければ幸いですが、土原先生、お願いします。
○土原構成員 よろしくお願いいたします。今、武藤先生から御発表がありました3学会の提言ですけれども、私も中のメンバーの1人でしたので、若干が存在することは御容赦ください。
この数か月、武藤先生をリーダーとして非常に濃密な議論を我々としても続けてきたという自負がございます。その中で私自身の個人的な意見ということになりますけれども、重視すべきは、過去6年間、保険収載以降、この会も含めまして厳密な非常にしっかりとした議論の上で実施してきた。その結果、患者さんの不利益につながるような非常に大きな問題はなかったということ自体は、これは我が国のがんゲノム医療の制度において非常に喜ばしいというか、我々自身が自信を持ってよいことだったのではないかと思います。
その中で、特にがん診療拠点病院、つまり、日本におけるがんの標準的な医療を実施できる病院であったとしても、実際のところ、がん遺伝子パネル検査に対してハードルがあるというか、参加しづらいということを、私自身は現時点での課題としては非常に大きなものであるというふうに危惧しております。先ほど武藤先生の発表にもあったとおり、エキスパートパネルの要件とか、実際にどのタイミングで検査を実施するかとか、コンパニオン診断との併用の考え方というのは、これからさらにがんの標準治療としてがんゲノム医療が進展していくためには、ぜひこのタイミングできちんとした議論をした上で、要件を決めていくべき問題であると感じます。
ですので、特にその観点で我々自身が非常にしっかりとしたがんゲノム医療をこれまで提供してきたということと、将来に向けて、今のこのタイミングが、この議論をするにまさにふさわしい時期ではないかと思いました。
○瀬戸座長 ありがとうございます。土原構成員の御指摘は、一方で、がん診療拠点病院等々があって、一方でがんゲノムの医療に関して、こういった指定要件等々があると。その辺の整合性をどうしていくかということかなと思います。これはどうですか。
○事務局 事務局でございます。土原構成員、ありがとうございます。
御認識のとおり、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループでございますけれども、がんの標準治療としてがん診療連携拠点病院等でどうやってゲノム医療をやっていくかというところは、重要な課題かと思っております。いろいろな調査や議論を踏まえまして検討していきたいというふうに考えています。ありがとうございました。
○瀬戸座長 今後重要な課題になるということでよろしいですかね。
ほかの委員の方々、何か御質問、御意見ございますか。
まず、織田先生、行きましょう。お願いします。
○織田構成員 よろしくお願いいたします。
詳細な御説明ありがとうございます。また、武藤先生におかれましては、非常に難しい課題について、詳細に緻密におまとめいただきまして、ありがとうございます。私もワーキンググループのメンバーに入れていただいておりますので、直接的な内容についてのコメントを控えさせていただく部分もありますが、今回示されました検査のタイミングに関して少しコメントさせていただければと思います。
土原先生がおっしゃったように、今、見直すというのは、時期として非常に重要かと考えています。1つには、持続可能性という点が大事だと思っております。ヘムサイトの承認によって、造血器パネルの体制構築が、今、それぞれの施設で進んでいると認識しています。これによって、がんゲノム医療を実施する施設の負担がさらに増えるのではないかという懸念もあります。今、実際に準備体制をしている立場からすると、通常のエキスパートパネルを回しながら、ヘムサイトの準備もしているという状況にあります。
一方で、造血器のパネルではという形で、いち早く結果を患者さんにお届けする仕組みもでき上がっているところです。そういった点も踏まえて、固形がんにおいても、いち早く患者さんに結果を届けられるようなスキームは非常に重要ではないかと思います。
そして、トータルで固形がんあるいは造血器がん、いずれに関わる人であっても、持続可能な労務負担量にしながら、がんゲノム医療を質の高い形で続けていくことが重要と思っております。
すみません、コメントになりますけれども、以上となります。
○瀬戸座長 ありがとうございました。織田先生から、持続可能性が重要であって、現在、ヘムサイトも入ってきて現場の負担感が増しているのではないか。これを患者さんに迅速に届けるための体制をどうやって構築していくかという御意見だったと思いますけれども、どうでしょう。
○がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長です。
この後、3つ目の論点のところでどのように見直していくのかということを議論させていただければと思っておりますので、その際にお願いできればと思います。
○瀬戸座長 はい。
それでは、坂田先生、お願いします。
○坂田構成員 筑波大学の坂田麻実子です。私は、造血器腫瘍パネルのほうの準備に関わっていますが、ヘムサイトはまだかなり状況も違いますし、エキスパートパネルの要件も結構違うということで、これは別の場面で発言したいと思います。
まずは、拠点連携だけで検査できたものを広げていくということですけれども、これまで非常に地域格差ということがございました。がん医療は様々な意味で地域格差ということが課題となっておりまして、私、茨城県におりますので、当県のがん診療の質をどう上げていくかということを課題に感じているのですけれども、そうした点についても、より広いところへ間口を広げていただくというのは非常にいい点かなと考えております。
それに併せて、これは以前のワーキンググループでも申し上げたのですけれども、拠点病院・中核拠点病院と連携病院とのひもづけ関係の在り方です。つまり、今、非常に遠いところと連携してしまうという関係が結構あるのでけれども、例えば実際に遺伝的なカウンセリングを受けるのに、近くのところに行けるというのでないと、そこがなかなか難しいので、大きいところと連携するというよりは、地域性ということを十分考えて連携ということを考えていただきたいというのが1点目です。
また、2点目については、への入力の負担ということが言われていまして、私もこれからヘムサイトを準備するに当たって、そのことは大きく課題と考えている点でございます。そちらについては、このワーキンググループ対象ではないのですけれども、政府として医療ということを非常に前向きに頑張っていこうというふうに考えておられると認識しております。ですので、今回の取組としては、項目数を減らすとか、そういったことが実際的な対応と考えられると思うのですけれども、カルテ情報からシームレスにそうしたみたいなところへの入力、臨床研究データへのスムーズな移行ということが、例えば、病院間で結構違うシステムを入れていたりということがありまして、開発の状況もちょっと様々かなと思います。
ですので、もちろん競争はないといけませんけれども、その辺は大きな力で医療ということをしっかり入れていっていただいて、つまり、研究するということは患者さんにメリットのあるような還元ということも結構あったかなと思うので、当座の問題ということと、少し長期的な国としての作戦ということも考えていただきたいなと思います。
以上です。
○瀬戸座長 ありがとうございました。後半の云々については、また資料3のほうでも議論させていただきたいと思いますけれども、地域格差、地域の連携という観点はどうでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
がん診療連携拠点病院等において、いわゆるがんゲノム医療ができるようにというところで検討してまいりたいと思いますが、また、ひもづけ等に関しましては、次回以降のワーキンググループ等で検討できたらと考えております。また資料3で御説明さしあげます。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。
続きまして、中島先生、西垣先生の順で、取りあえず、ここはそれでちょっと切らせていただきます。では、中島先生、お願いします。
○中島構成員 ありがとうございます。
細かいそれぞれの各論は、また後のセッションでコメントさせていただきたいと思いますが、私も日本臨床腫瘍学会のメンバーですので、その辺りのはあるというふうに御了承いただきたいと思いますが、基本的に武藤先生から御提案いただいた内容は、全て現在のがんゲノム医療における課題を適切にピックアップされて、よりよい方向に行くような提案になっていると思います。ただ、それらを細かく医療保険に盛り込んでいく際に、総論的には、ゲノム医療が患者さんやその御家族に与えるアウトカムが、少なくとも維持もしくはよくなる方向への改定になるように、付随するところをちょっと調整していく必要があるかなと思っています。
例えば、先ほども話題に出ました遺伝カウンセリングの話ですけれども、関連病院でできるようにすることでゲノム検査自体は普及する確率は高くなりますが、遺伝カウンセリングの受診率ですとか遺伝学的検査の受検率が下がってしまっては意味がないと思いますし、あとは、のデータも、現場の負担を考えるともちろん簡略化が望ましいと思いますが、それによって二次利用の率が下がってしまったり、もしくは患者さんにオンタイムに一次利用することを将来的に考えるときに、果たして十分なデータ入力項目になるのかどうかというところの落としどころも重要になってきます。
また、エキスパートパネルの簡略化は大いに賛成ではございますが、エキスパートパネルにかかることによって、必ずしも実際に患者さんに見つかった遺伝子異常に基づくマッチドセラピーの推奨された後期相治験に参加することだけではなくて、早期相治験などに御紹介する機会を提供することもできますので、そのような機会が患者さんにとって減らないような医療従事者の治験に関するリテラシーの向上というところも、付随して検討していく必要があるかなというふうに考えて拝聴しておりました。ありがとうございます。
○瀬戸座長 ありがとうございます。
これについて、武藤先生、少しお願いします。
○武藤参考人 中島先生、ありがとうございます。
後半の部分ですけれども、エキスパートパネルを省略することによって質が下がらないように。まさに、それはそのとおりなのですけれども、これまでがんゲノム医療は、イコール、プロファイル検査というような認識になっていて、難しいバリアントを専門的な解釈でいろいろディスカッションして提案しても、基本的には適応外の薬剤になっていて使えないのですね。その使えないことに関しては、我が国では別なコンパッショネートユースとかオフラベルユースをもう少し柔軟にということも考えているのですけれども、今回のこの議題には乗らないので、そこは少し割愛いたしますけれどもね。
これまでの遺伝子パネル検査の考え方を大きく変えて、コンパニオン診断もしくはエビデンスレベルAのようなものが本当は一番重要であるのです。そこがこれまであまり議論されずに、プロファイル検査でさんざんいろいろな専門的な解釈をしていたのですけれども、そうではなく、本来あるべきコンパニオン診断やエビデンスレベルAのところをきちんと判断する、もしくは治験に登録できるかどうかという、そこはある程度高い水準で、施設間の差もあまりなく判断できると思うのですね。
細かいプロファイル検査の解釈に関しては、これは各医療機関の専門性によりますので、そこは現場に任せる。これまで我々が非常に細かいところを議論していたところ、コンパニオン診断もしくはエビデンスレベルAもしくは治験に入れると、本来の役割をもっと重要視しましょうということが今回の目的になっています。
○瀬戸座長 議論が尽きないところではあると思いますけれども、よろしいですか。
時間の関係もありますので、西垣先生、お願いします。
○西垣構成員 ありがとうございます。認定遺伝カウンセラー協会理事長の西垣です。こちらのタスクフォースに関しては、私はがある立場ではございません。
私、このタスクフォースのほうで挙げていらっしゃる、少しでも早く薬剤を患者さんにお届けするために省略をという基本的な考え方に関しては、全く同意しております。その前提の上で、私の立場としては二次的所見の専門として入らせていただいているという認識でおりますけれども、今回の主治医のみの省略というような形を取るときに、現在の持ち回り協議では、遺伝医学の専門家、エキスパートパネル要件のイに該当する医師の目というのは必ず通っているという前提で、今まで協議が可能になっていると認識しております。
そうなったときに、この主治医による判断で省略となると、二次的所見の可能性がある場合にそれが見逃されてしまうということは危惧するところであります。こちらのタスクフォースの中では、レポートに書かれているかどうかで判断するとありますけれども、レポートによって、どのようなバリアントを出してくるかの差があるというところのコントロールをどうするかという問題がありますので、どこかで遺伝医学の専門の医師の目が入るような形は、省略するにしても必要なのではないかなと思った次第です。
もう一点ですけれども、がんゲノムを実施する連携病院等の指定の条件として遺伝カウンセリングがある。連携の下にと同じモデルでできないかという点に関しましては、先ほど坂田先生からもありましたように、ちょっと遠いところと連携しているような病院もあるかと思います。医療圏をまたいでというのはざらにあると思うのですけれども、そのような場合に、患者さんがどちらで遺伝カウンセリングを受けるのかということを考えると、ほかの難病領域でやられているように、遠隔遺伝カウンセリングといった形も可能にしないと、同じグループの中でゲノム診療と遺伝カウンセリングを同時にやっていくのは少し難しいのではないかと思います。
それと、遺伝カウンセリングというのは、あくまでその後の患者さんであったり、血縁者の遺伝性腫瘍に関するリスク管理のサーベイランスであったり、予防的なプロシージャーであったりといったようなものを進めていく、それについて進めていくかどうかについて話し合うといったところの遺伝診療への入口なので、遺伝診療もできるような環境がないと、その後の医学的なアクションに結びつかないということが、地理的な制約が生じてしまうと、本当にカウンセリングをしただけになってしまいますので、その点も踏まえまして、実際の遺伝性腫瘍が分かった後の医学的なサーベイランス、予防的な先制医療といったようなものの体制も踏まえて、連携病院等は指定するのが本筋なのではないかなと思っております。
以上です。
○瀬戸座長 ありがとうございました。主治医の判断云々であるとかは、後でまた議論させていただくということで、地域のことについて、また課題が出ましたので、それもちょっと今後の課題とさせていただいて、申し訳ございません。時間の関係で次に進めさせていただいてよろしいでしょうか。西垣先生、いいですか。すみません、また議論させていただきます。
○西垣構成員 お願いします。
○瀬戸座長 本当にいろいろ議論いただきまして、ありがとうございました。
それでは、資料3を事務局から説明お願いします。
○事務局 事務局でございます。
資料3で「今後のがんゲノム医療の方向性について」というところで、事務局より案を示させていただきます。
まず、2ページ目ですけれども、こちらは固形がんのエキスパートパネル標準化の検討事項についてとさせていただいております。
先ほど武藤参考人にいただいた見解というところも含めまして、現状と関連学会の見解という2つの箱でまとめています。
今後の方針としては、大きく分けて2つ書かせていただいております。
上のほうには、主治医の判断の下、エキスパートパネルを実施すべきかどうかについて、判断可能な症例の考え方を明確化して、今後の見直しに向けて検討を進めてはどうかとさせていただいています。これについては、次のスライドで後ほど説明いたします。
2つ目ですけれども、患者がアクセス可能な臨床試験の情報等、調査結果に掲載するエキスパートパネルの議論に有用な情報について、がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議のサブを中心に議論・検討し、調査結果の改訂を進めてはどうかとさせていただいております。
3ページ目ですけれども、固形がんのエキスパートパネル省略可能な症例の考え方についてとさせていただいております。
関連学会の見解を受けまして、薬事承認により品質が担保された検査を用いて有効性が認められている薬剤へ到達する範囲または到達可能な薬剤がないことが明らかな場合においては、「薬剤アクセス」及び「二次的所見の有無」の観点を考慮し、「主治医判断でエキスパートパネル省略可能な症例」とする考え方を以下のとおり整理してはどうかとさせていただいております。
こちらの表でございますけれども、左より、検査、薬剤アクセス、の実施とさせていただいておりますが、一番上の箱でございますけれども、がん遺伝子パネル検査に搭載されている薬事承認されたコンパニオン診断機能の結果が返ってきているような場合。そして、治療薬も国内で薬事承認されている適応内の医薬品にアクセス可能な場合というものは、主治医判断で省略可としてはどうかとしています。
下の箱ですけれども、薬事承認された遺伝子パネル検査ではありますけれども、遺伝子変異がコンパニオン診断としては適応外の検査結果であった場合。ただ、国内で薬事承認されている医薬品に結びついており、アクセス可能な場合。こちらは、主治医判断の下、学会の示すリストに基づいて、検査の分析性能が担保されている場合は、省略可にしてはどうかとしています。
下の箱でございますけれども、がん遺伝子パネル検査の結果、国内で薬事承認されている医薬品、ただし適応外のものにアクセス可能な場合は、こちらはで議論する必要があるかと思いまして、を実施としています。
さらに下の箱でございますけれども、がん遺伝子パネル検査の結果、国内で薬事承認されている医薬品がそもそもなくてアクセスできない場合。ただ、治験等にアクセスが可能な場合はを実施としています。治験等にもアクセスが全然できないような場合は、主治医判断で省略化というふうにさせていただいております。
また、欄外に※印を2つつけさせていただいております。
1つは、先ほど申し上げた二次的所見の観点ですけれども、二次的所見を疑う病的変異が検出されない又は疑われない症例は「主治医判断で省略可」としますけれども、二次的所見を疑う病的変異が検出される又は疑われるような症例は、の実施が必要であるというふうにさせていただいております。
また、上のように整理した中で、省略可に該当する症例であっても、主治医の要請があればを実施することは可能とするというふうにさせていただいております。判断に迷う場合は、基本的にはを実施するといった趣旨でございます。
続いて、4ページ目でございます。4ページ目には、エキスパートパネル開催に関する考え方についてというところで上げさせていただいておりました。先ほど関連学会の見解として、での検討結果は、その質を担保するためには、リアルタイム性よりも十分な検討がなされていることを最重要視すべきであるというふうにいただいております。
こちらの方針としましては、エキスパートパネルは、持ち回り協議にて構成員の意見の一致ができる場合には、リアルタイム開催を必ずしも必要としない運用となるように、課長通知等の一部改正で明確化してはどうかとさせていただいております。
続いて、5ページ目、エキスパートパネルの構成員の要件についてでございます。
こちら、関連学会の見解として、構成員の要件を次のとおり明確化してはどうか。以下4者については、独立した見解が望ましいため、(ア)がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医師、(ウ)遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者、(エ)がん遺伝子パネル検査に関連する病理学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、(キ)は小児症例の場合ですけれども、小児がんに専門的な知識を有し、かつエキスパートパネルに参加したことがある医師。これらにおいては、独立した構成員とし、他は兼務を可能とするというふうに御意見をいただいているところでございます。
今後の方針(案)としまして、固形がんを対象とするがん遺伝子パネル検査におけるエキスパートパネルの構成員につきましては、関連学会の示す運用につきまして、課長通知の一部改正で明確化してはどうかとしています。
また、造血器腫瘍又は類縁疾患を対象とするがん遺伝子パネル検査におけるの構成員につきましても、同様に関連学会の意見を参考にしながら、課長通知の一部改正で今後明確化してはどうかとさせていただいております。
6ページ目には、現行のエキスパートパネル構成員の要件についてというところで、参考までに記載させていただいております。
続きまして、7ページ目、がん遺伝子パネル検査を行える施設についてというところです。
先ほど実施医療機関の拡大のお話もありましたが、我々としての今後の方針(案)として記載させていただいておりますものを述べさせていただきますと、令和8年度に改定を予定しております「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針」の指定要件におきまして、今後、本ワーキンググループで議論する際は、関連学会や医療機関等の意見も参考にしながら、質の高いがんゲノム医療の提供体制の構築を前提としつつ、指定要件を検討してはどうかというふうにさせていただいております。
続きまして、最後、8ページ目になりますけれども、入力項目の見直しに関する考え方というふうにさせていただいております。
こちら、関連学会の見解を受けまして、最後、今後の方針のところですが、関連学会の意見や二次利用者の活用実績等を参考にしながら、がんゲノム医療中核拠点病院連絡会議等において臨床情報収集項目の見直しを検討、実施してはどうかというふうにさせていただいております。
資料3につきましては、以上になります。
○瀬戸座長 ありがとうございました。
それでは、資料3に沿って具体的な論点について議論を行いたいと思います。2ページ目、今、御覧いただいております「固形がんのエキスパートパネル標準化の検討事項について」ということで、論点を2つに分けて議論させていただきたい。下のほうに今後の方針(案)というのがありますので、その2点ということになります。まず、1つ目が「固形がんのエキスパートパネルの省略可能な症例の考え方について」ということになります。今、説明がありましたけれども、これについて、委員の先生方から御意見、御質問ございますでしょうか。
今度は中島先生から行きましょう。
○中島構成員 ありがとうございます。
先ほどもちょっとコメントさせていただいたのですけれども、現状のゲノムのエキスパートパネルで、特にフェーズ1なんかは推奨には上がってこない。つまり、エキスパートパネルの結果には上がってこないですが、レポートには治験の一つとして掲載されていたり、もしくはそこにも掲載されていない場合もございますが、必ずしも自分の結果に載っている遺伝子異常に対するマッチドセラピーの後期相治験でなくても、マッチドセラピーの治験やそれ以外の治験に患者さんを御紹介することが現場では多くあります。つまりエキスパートパネルにそのような患者さんがいらっしゃると、主治医に治験情報をこちらから提供して、実際に治験に登録させていただいている患者さんが結構いるというのが現状であります。
そういうような方が、今回の改訂によるとエキスパートパネル省略可になりますね。その場合に、主治医側の治験に関するリテラシーや、もしくは患者さんの治験に対する情報の検索能力が高い場合は、推奨されなくても、御自身や医療関連者同士でのネットワークで治験の情報を得るということはできると思うのですけれども、そうじゃない場合、ゲノム検査がより広い医療施設で行われるようになる将来をイメージすると、簡単に治験の情報を得ることができない主治医もしくは患者さんが増えてしまうのではないかというのがちょっと懸念されるところであります。
ですので、この基準に対する考え方としては同意するのですけれども、一方で、新薬や治験に対するアクセシビリティとか、患者さんや主治医に対する情報提供のプラットフォームを、もう少し日本も並行して充実していかないといけないかなというふうに少し懸念しております。
以上です。
○瀬戸座長 それでは、事務局お願いします。
○事務局 中島構成員、御指摘、御質問ありがとうございました。
御指摘のとおりかと思います。なお、調査結果等の改訂を踏まえて、なるべく主治医が御自身で判断できるようにというような形を考えております。
一方で、御指摘の点もございますとおり、判断に迷うとかリテラシーの問題等ございます。我々の案としましては、主治医の要請があればを開催することというところでして、必ずしも省略に向かうことを是としているものではないというところで考えております。
○瀬戸座長 よろしいですか
では、織田先生。
○織田構成員 ありがとうございます。
このエビデンスレベルAの省略の部分について、質問、コメントさせていただければと思います。資料を見ると、主治医の判断というのが極めて重要になるという書きぶりになっているかと思います。例えばこのエビデンスレベルAで表にリストで挙げていただいているものの中でも、の遺伝子増幅であったり、あるいはの変異のタイプであったり、あるいはの変異などが挙げられています。
各論になりますが、の増幅に関しては、どこをカットオフにするかというのが少し議論になるところがあると思います。また、の変異のように、変異の部位によってどの薬剤を勧めるかが変わる遺伝子があるかと思います。また、の変異に関しては、リバージョンミューテーション、機能回復型の変異が入ってくる場合もあります。調査結果でカバーできる部分ももちろんあるかと思いますが、よくよく見てみると、エビデンスレベルAであっても注意が必要なものが生じ得ると思います。
そうした場合に、主治医に完全に任せるというよりは、状況によってエキスパートパネル実施医療機関において、注意が必要なレベルAであると判断した場合に、エキスパートパネルの必要性をフィードバックする仕組みも少し考慮いただいたほうが、質の担保という点ではよいように思ったので、コメントさせていただきました。お願いいたします。
○瀬戸座長 どうでしょうか。精度ということになるかと思います。
○事務局 織田構成員、御意見ありがとうございます。
まさに質の担保というところで、ポジティブリストがあって、かつ主治医判断の下でも、一定そういったものがあるかというところの御指摘かと思いました。こちら、落としどころというところでつけていくに当たっては、よく関連各所と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。ありがとうございました。
○瀬戸座長 よろしいですか。
○織田構成員 ありがとうございます。
○瀬戸座長 では、武藤先生、どうぞ。
○武藤参考人 中島先生と織田先生の御懸念は、まさにそのとおりだと思います。我々も3学会のこのブリーフィングレポートに関しましては、エキスパートパネル省略ということについては、このように概念としては書いているのですけれども、実際の運用についてはガイダンス的なものを書いて、もう少し丁寧に説明して、先生方が御懸念されているようなところがないような、ちゃんとサポートするようなものを作成する予定にはしています。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。確かに、主治医もいろいろな主治医が。ちょっとあれですけれども、日本の医療は外科医がいろいろ携わっているところも多々あると思いますし、いろいろなことを考えていかなければいけないかなというところかなと思います。
ということで、今、御覧いただいている省略可能な症例の考え方について、まずは皆さん、これでよろしいでしょうかということで、確認です。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 ありがとうございます。それでは、これで進めさせていただきます。
それでは、先ほど言った2つ目でありますけれども、「調査結果の改訂を進めることについて」ということになりますが、今の今後の方針(案)の下のほうですね。これについて何か御意見ございますか。患者がアクセス可能な臨床試験の情報等、調査結果に掲載するエキスパートパネルの議論に有用な情報についてがんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議のサブを中心に議論・検討し、調査結果の改訂を進めてはどうかという提案です。
土原先生。
○土原構成員 すみません、全くよろしいという意見だけだったのですけれども、特に最後のポツのところは完全に運用面ということになると思いますので、実際の拠点病院等で実務を担っているサブワーキングで現実的な議論と、それから適宜の改訂を継続的に行うということを、むしろただし書きとして書いていただければ、十分に機能するのではないかと思いました。
○瀬戸座長 ありがとうございました。よろしいですか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 それでは、こちらもお認めいただいたということで進めさせていただきます。ありがとうございます。
それでは、4ページ目の「エキスパートパネル開催に関する考え方について」はいかがでしょうか。先生方、何か御質問、御意見ございましたら。
中島先生、どうぞ。
○中島構成員 すみません、こちらも%同意しますというコメントだけなのですけれども、数が少ない職種の方が毎回のエキスパートパネルにリアルタイムに出席しなければいけないというのは、そういう職種の方にとっては本当に働き方改革に真っ向から反するような状況になっていますので、同意しますという意見です。
○瀬戸座長 ありがとうございます。力強い同意をいただいたということでございますけれども、よろしいですか。ほかの先生方、よろしいですか。
坂田先生、お願いします。
○坂田構成員 ありがとうございます。
私も全体的には同意なのですけれども、例えば治験などの場合にも、見ましたとか了解したというレスポンスを必ずしているのですけれども、つまり、メールはすごくたくさん来ますので、ちゃんとレスポンスした、見たということを各病院のところでも努力目標のようなものを定めていただく必要はあるかと思います。
○瀬戸座長 事務局、どうでしょうか。
○事務局 坂田構成員、ありがとうございます。
御指摘のとおりかと思います。各病院の運用におきまして実施いただけたらというふうに思います。ありがとうございます。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 では、こちらもお認めいただいたということで進めさせていただきます。ありがとうございます。
それでは、5ページ、「エキスパートパネルの構成員の要件について」です。こちらは先ほども議論になっておりますが、御意見、御質問ございますでしょうか。
金井先生、お願いします。
○金井構成員 私、構成員のエの立場からこのワーキンググループに入れていただいていると理解しております。検体の品質の担保と形態学的な解釈について、代替不能な専門性があるということを認めていただいてありがたいと思いますし、この「がん遺伝子パネル検査に関連する病理学に関する専門的な知識及び技能を有する医師」というものが、分子病理専門医というのを指しているというふうに理解されますけれども、日本病理学会において分子病理専門医の数は着々と増えておりますので、この体制に継続的に貢献できると思っております。
○瀬戸座長 ありがとうございます。病理ということですかね。ありがとうございます。
ほかの先生方、何かよろしいですか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 では、こちらもお認めいただいたということで、かなり進行がスムーズになってきましたけれども、ありがとうございます。
続きまして、今度は7ページ目、「がん遺伝子パネル検査を行える施設について」ということです。これも先ほどの地域性とか、いろいろな問題をはらんでいるかなと思いますけれども、御意見、御質問ございますでしょうか。
平沢先生、お願いします。
○平沢構成員 第三者認定を受けた臨床検査室と病理検査室のことでコメントさせていただきます。現在の指定要件では、がんゲノム医療中核拠点病院と拠点病院だけが第三者認定が必須とされています。一方、がんゲノム医療連携病院については、望ましいという状況であるわけです。臨床検査と病理検査室の第三者認定が指定要件の最初、一丁目一番地、一丁目二番地で書いてあるということの意義は大きいと考えています。がん遺伝子パネル検査の保険診療化から6年目になっていることを考えますと、今後は連携病院でも必須とすることを検討してもよいのではないでしょうか。
なお臨床検査の精度管理については、決してがんゲノム医療だけの話ではなく、医療全般に関わることであります。
○瀬戸座長 事務局。
○事務局 平沢構成員、ありがとうございます。
事務局でございますが、いただいたのは臨床検査やそのような検査室の認証といったところの観点でございました。今後の方針というところで書かせていただきましたが、まさにいろいろな御意見あると思います。本ワーキンググループ、今後も続けてというところで考えておりまして、令和8年度のまさにがんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針の指定要件を、令和8年以降でまたやっていこうというところでございますので、そこでいろいろといただいた意見や、また調査もしなければいけないことがあるかと思いますけれども、そういったところを踏まえて議論できたならというふうに考えております。ありがとうございました。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。今後の課題とさせていただきたいということですけれども、ほかの構成員の方々から。
織田先生。
○織田構成員 ありがとうございます。
これもすぐの解決というのではないのですけれども、1点、主治医として、また人材育成の点からコメントさせていただきます。施設を増やしていくことによって、どこの地域にいても確実にがんゲノム医療にアクセスできる点を担保していくのは、とても大事だと思っています。一方で、簡略化、持ち回りという症例が今後増えていく方向性の中で、新たに加わる施設の質の担保ということも大事になるかと思います。また、これまでがんゲノム医療の経験が非常に浅い主治医が参加する場合であっても、適切な質の高いがんゲノム医療を提供できるようにすることが求められているかと思います。
そのため、主治医であったり、あるいは要件が緩和される中で入ってくるようながん診療連携拠点病院のスタッフに対して、がんゲノム医療への教育・人材育成をどうするかというところは、長期的な点で考えていく必要があるかと思い、コメントさせていただきました。
○瀬戸座長 人材育成という観点です。
○事務局 事務局でございます。織田構成員、ありがとうございます。
まさにおっしゃるように、質の高いがんゲノム医療の提供体制の構築を前提としつつと我々も書かせていただきました。当然、その中には、教育とか人材育成といったところを踏まえながらということも考えているところでございます。また次回以降のワーキンググループで、その辺りは議論できたらというふうに考えております。ありがとうございました。
○瀬戸座長 西垣先生、どうぞ。
○西垣構成員 ありがとうございます。
先ほど申し上げたところのより詳細という形になりますけれども、こちらの医療連携病院の要件の解釈というところの、遺伝カウンセリングを自施設で実施する体制から連携して実施できる体制というところで、現在の遺伝カウンセリングを自施設で実施する体制というのは、既存の決まりとしては遺伝カウンセリング加算の施設基準があると思うのですけれども、遺伝カウンセリング加算というのは、基本的には検査があって、そこに遺伝を専門としている医師がいるということで、検査後の遺伝診療をしっかりできる施設というふうに考えられると思います。
なので、遺伝診療に関しては、未発症者の方のサーベイランスであるとかカスケードスクリーニングを含めてですけれども、そういったものを自費診療でできるかどうかとか、それぞれの遺伝性腫瘍に関してサーベイランス計画をちゃんと立てられるかどうかというところも含めての、現状の診療報酬体系では遺伝カウンセリング加算という形になっていると思います。
ただ、そういったことになると、リモートではなかなか難しい。実際に患者さんがいらっしゃって、患者さんの御家族がいらっしゃって、サーベイランスを受ける、予防的な処置を受けるといったことになりますので、そのことも踏まえて、連携して実施できるというところをどこまでで捉えるのか。本当にカウンセリングの部分だけなのか、その後のサーベイランス等々も含めて、実際に患者さん、御家族がいらっしゃって、適切な遺伝医療を受ける体制なのかというところも踏まえて、それが整備されているということで病院の要件とするという考え方が重要かと思いますので、発言させていただきました。
以上です。
○瀬戸座長 ありがとうございました。遺伝カウンセリングを有機的にどうやってつなげていくかということですね。
事務局。
○事務局 事務局でございます。西垣構成員、御意見ありがとうございました。
まさに、遺伝カウンセリング、サーベイランス、また診療報酬の件など、そういったところも含めて考えていく必要があるなというふうに考えております。今後、また議論できたらというふうに考えています。ありがとうございました。
○瀬戸座長 重要な課題と思います。ありがとうございました。
それでは、若尾先生、お願いします。
○若尾構成員 ありがとうございます。患者の立場から参加させていただいている若尾直子です。
今回、この箱の中で、がんゲノムファイリングとがん遺伝子パネル検査を行える施設というふうに書いてあるのですけれども、患者の立場で見ると、この要件に対する中身が見えないのです。どういった形で自分の受診している病院は行っているのか、もしくは受診を検討しているほかの病院は、どんな形でがんゲノムプロファイリング検査に対する施設基準が満たされているのか。そういったことに対してなのですけれども、今後、なかなか難しいかと思いますけれども、そういった患者の立場で見えやすい、見える化というか、方向性が分かるといいなというふうに思うのですけれども、これに関してはいかがでしょうか。
○瀬戸座長 御指摘ありがとうございます。患者さんの視点からということですね。
事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。若尾構成員、いつもありがとうございます。
患者さん目線で見える化というところで御指摘いただきました。いわゆるがん診療連携拠点病院やがんゲノム医療中核拠点病院というところは、年1回、現況報告書という形で厚労省に提出いただいておりまして、それを国立がん研究センター内のホームページで公開しているところではございます。ただ、見にくいといったところもございますし、ぜひその辺の見える化というところで、よりよくできたらというふうに考えております。御意見ありがとうございました。
○瀬戸座長 ありがとうございます。患者さんからのアクセスがよりイージーになる方向性ということですかね。御指摘ありがとうございました。
平沢先生ですね。
○平沢構成員 よろしくお願いします。
人材育成と遺伝カウンセリングのことでお話ししたいと思います。年2月、日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」というのが出まして、遺伝カウンセリングに関する基礎知識・技能については、すべての医師が習得しておくことが望ましいということがあります。そしてまた、遺伝学的検査・診断を担当する医師および医療機関は、必要に応じて、専門家による遺伝カウンセリングを提供するか、または紹介する体制を整えておく必要がある。この日本医学会のガイドラインの本来の趣旨というのは、遺伝カウンセリングというのは、全ての医師が基本的なスキル・知識として持っておくべきでしょうという考えだったと思います。
その後、年に、・2遺伝学検査が出たときにも、この議論があって、がん診療をする者というのは、こういった知識が必要だねということになったわけです。
そして、年、がん遺伝子パネル検査、ここでは人材育成ということを国を挙げてやったわけで、がんゲノム医療中核拠点病院を中心に人材育成をやったわけですが、実は、ここにあります遺伝カウンセリングを自施設で連携して実施できる体制も許容するということは、正直言いまして、この人材育成というのが十分でなかった。がんゲノム医療中核拠点病院に籍を置く者としては、自戒を込めて、このような議論が出てきたということは非常に冷静に考えないといけないなというふうに考えています。
そういった意味で、次のところで、さらにゲノム医療、遺伝カウンセリングというのは、平成年からでしたか、医学部のコアカリキュラムになってきていますので、こちらのほうは、もう一度がんゲノム医療中核拠点病院の人材育成ということで、ここを載せていただくということももう一つ大事なのではないかなというふうに私は考えます。
以上です。
○瀬戸座長 施設要件の中に入れ込んでいけるかどうかということですかね。どうでしょう、事務局。
○事務局 事務局でございます。平沢構成員、ありがとうございました。
いわゆるがんゲノム医療中核拠点病院におきまして、人材育成というところは必須の要件になっているところでございます。こういったカウンセリング体制も含めて、人材育成というところは非常に重要な課題だというふうに認識しておりますので、また次の指針改定の際には、いろいろと考慮しながらいきたいと考えております。ありがとうございました。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。
ほかの先生方、よろしいですか。
それでは、基本的には、今、御覧になっていただいていることについてお認めいただいたということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 ありがとうございます。
それでは、進めさせていただきます。次が8ページ目、「入力項目の見直しに関する考え方」についてです。いかがでしょうか。皆さんのほうから御意見、御質問。
土原先生。
○土原構成員 この点、非常に議論が難しい点だと思います。これまでも何度も話題になってきて、なかなかよい解決策が見つからないなと私も思っているところです。
1つは、の二次利用が非常に盛んになってきているところですので、実際にどのようなデータが使われているのかということも、側にも経験が大分集まってきていると認識しております。ですので、これの合理化というところに関しましては、そういった実際の使われ方であるとか、それから、今後の開発動向ということも踏まえて、より専門的なところで議論した上で、できるだけ過不足のない収集項目にするという形で進めるということであれば、全体としてはこの考え方に私は賛成いたします。
○瀬戸座長 ありがとうございます。どのような使われ方、どのようなデータが使われているかをちょっと議論した上でということですかね。これはそれでいいですか。はい。
それでは、中島先生。
○中島構成員 ありがとうございます。
1つ目はシンプルな質問なのですけれども、の二次利用の内容というのは、当然私ども一般の人間は知り得ないわけですけれども、側のみに蓄積されていっているデータだと思いますが、そのようなに蓄積されている二次利用内容は、こちらの今後の方針に書いてあるがんゲノム医療中核拠点病院の連絡会議などにおいて、もちろん詳細をつまびらかにすることはできないと思いますが、そちらのに蓄積された経験・情報をもとに具体的に検討の見直しがされていくという前提での方針ということでよろしいでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
基本的には、おっしゃっているとおりの前提で構わないと思います。また、のホームページ上には、理解が異なっていたら申し訳ないですけれども、二次利用に関しましては、どのようなところと契約しているかとか、そういったところは記載あるところでございます。実際の中身の詳細についてまでは記載がないというところでございました。
○中島構成員 ありがとうございます。項目を検討するとなると、詳細な活用内容が必要になってくるのかなというふうに思いましたので、公開されているデータだけでは検討の限界があるかなと思った上での質問でした。
もう一つは、先ほどの3学会の提案の中に、患者さんへの一次利用として還元していくことを検討していくかどうかというところがコメントされていましたが、今回のこの見直しの方針には一次利用については記載がございませんけれども、これは将来的には検討していくべき項目として捉えているけれども、今回の見直しには時期的にまだ尚早という理解で記載がないということでよろしいでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
一次利用を考慮しないというわけではなくて、関連学会の御意見等も踏まえてというところで読んでいるものでございます。一次利用、二次利用というところを併せて、その辺りも含めて、がんゲノム医療中核拠点病院等の連絡会議のサブワーキンググループ等で議論していくというところでございます。
○中島構成員 分かりました。ありがとうございます。
○事務局 すみません、補足ですけれども、の調査結果の2ページ目の今後の方針の案の2つ目というところで、患者がアクセス可能な臨床試験の情報等というところも書いてありますので、調査結果、入力項目、どちらもそうですけれども、患者がアクセス可能な臨床試験なのかといったところが正しく反映されるように検討していきたいと考えております。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。
ほか、委員の先生方から御質問ございますか。よろしいですか。
それでは、この8ページ目もお認めいただいたということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○瀬戸座長 ありがとうございます。
ということで、用意された議題は以上ということになりますけれども、最後、全体を通して先生方から御意見等。
土原先生、どうぞ。
○土原構成員 2点ございます。
1点目は、先ほどのの省略化のところに関連はするのですけれども、あそこで議論するのが適切ではないと思ったので控えていたところになります。1つは、が省略されたときの診療報酬の取扱いをどのようにするのかということは、現場としては非常に大きな問題かなと思っております。を合理化してもいいという議論は、これは決して医療側のほうの省力化ということが第一義であったのではなくて、1番は、にかけるために2週間から3週間ぐらいタイムラグが生じてしまって、本来、すぐに治療が開始できる患者さんに対しては不利益になっているということがそもそもの議論の前提にありましたので、決して医療側のほうのコスト削減のためだけにが省略されるのではないということは強調しておきたいと思います。
それから、あそこの議論でもあったとおり、中島先生からの御意見にもあったとおり、その後、実際にはファーストラインの治療として、まさに標準治療としてゲノム医療が行われていた後、再び次の治療を考えるというときに、この検査の結果が利用されるべきということになりますので、恐らく主治医判断でがお願いできるということは、時間を置いた後にも十分実施できるようなものなのかなと思いますので、その辺り、特に診療報酬に関してはちょっと慎重な議論が、この後、しかるべき場所で行われることを期待します。これはコメントです。
もう一点のコメントが全体を通してのコメントなのですが、このワーキンググループにいろいろな背景の専門家の先生たちが集まっていらっしゃるとはいうものの、今、がんゲノム医療の裾野が非常に大きくなってきて、関連する団体であったり、専門職種というのも増えてきていると思います。
それから、今、若尾さんが今日も入っていらっしゃいますけれども、これまで我々は患者さんとか患者さんの家族に対しては、御意見を伺うということは若干なりともできてきたと思いますけれども、こういったいわゆるの面というのは今後も非常に大事になってくると思います。今回、パネル検査の対象が血液にも広がる、あるいは小児への拡大ということもこれから進む中で、どうやって幅広い意見を集めるかということが問題になるかと思います。
さらには、直接患者さんがお身内にいらっしゃらないような一般市民の方に対する啓蒙であったり、あるいは意見というものも非常に大事かと思いますので、今後の8年度の次の改定のときのタイミングになるかと思いますけれども、より広い関連学会とか市民団体も含めたというところに関して、どのような形で幅広く意見を集めるかということについても、事務局のほうでぜひ御検討いただけるとよいかなと思います。
以上でございます。
○瀬戸座長 2点ですね。診療報酬との関連と、患者さん並びに一般的な方々との接点をいかに広げていくかということかと思います。
○事務局 土原構成員、ありがとうございました。事務局でございます。
1つ目の点に関しましては、診療報酬を含めて、現段階では未定ではございますけれども、関係各所と連携しながら対応時期等については検討してまいりたいというふうに考えております。
2つ目に関しましては、患者さんを含めたの重視というところで、第4期のがん対策基本計画にも書き込んでいるところでございます。我々としても門戸を閉ざしているとか、そういったわけではございませんので、ぜひいろいろと御意見頂戴しながら進めていけたらというふうに考えております。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。はい。
ほかの委員の方々、織田先生、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
これは本日の議論でどうというわけではないのですけれども、がん遺伝子パネル検査を行える施設に関しての要件緩和といいましょうか、指定要件の検討という点に関するコメントです。これまでがんゲノム医療連携病院も指定要件がしっかりと定められていて、がん遺伝子パネル検査を例程度行っているとか、あるいは遺伝カウンセリングを例以上実施しているであるとか、連携病院としての要件を満たすための努力というのは、どの施設もされていたところかと思います。
今後施設を拡充していく、すなわちがん診療連携拠点病院に広げていくという方向性はいいのですが、そうすると連携病院として一生懸命実績を積んで、非常にすばらしい実績・体制をつくられている施設と、がん診療連携拠点病院で必要最小限の条件のみを満たしている連携病院との間で、連携病院の格差が生じる懸念もあるかと思いました。同じがんゲノム医療連携病院となっていても、地域差であったり、施設間格差というものが生じる懸念もあるかと思います。そういった点も留意しながら、指定要件に関しては検討していく必要があるかと思ったので、コメントさせていただきました。
○事務局 織田先生、ありがとうございます。事務局でございます。
御指摘のとおりかと思います。次に指定要件を検討する際は、いただいた点を踏まえつつ検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○瀬戸座長 よろしいでしょうか。
ほか、御意見、御質問ございませんか。いいですか。
それでは、改めまして、本当に今日は活発な御議論いただきまして、ありがとうございました。本日の議論の内容は、こちらのほうで取りまとめを行いまして、今後開催予定のがん診療提供体制の在り方に関する検討会にて報告させていただきます。改めまして、構成員の皆様には御協力に御礼申し上げます。
それでは、これをもちまして本ワーキンググループを終了いたします。ありがとうございました。
照会先
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
代表 03-5253-1111(内線4607)