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2025年2月7日 第30回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
日時
令和7年2月7日(金)18:00~20:00
場所
オンライン会議
(オンライン会議場)
AP虎ノ門 Aルーム(11階)
東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル(NS虎ノ門ビル)
(オンライン会議場)
AP虎ノ門 Aルーム(11階)
東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル(NS虎ノ門ビル)
出席者
出席構成員
- 五十嵐構成員
- 磯部構成員
- 小野寺構成員
- 笠貫構成員
- 佐藤構成員
- 宗林構成員
- 髙野構成員
- 富永構成員
- 橋本構成員
- 原構成員
- 平野構成員
- 堀構成員
- 松野構成員
- 間藤構成員
- 宮川構成員
- 宮園構成員
- 矢口構成員
- 湯浅構成員
- 渡邊構成員
- 和田構成員
出席参考人
- 外園参考人
議題
- 開催要綱の改正について
- パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策について
- 候補成分のスイッチOTC化について
- その他
議事
○医薬品審査管理課長 定刻になりましたので、ただいまより、第30回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。本日の出欠状況について御報告申し上げます。上村構成員から御欠席との連絡をいただいております。また、高野構成員、間藤構成員は、まだ到着されておりませんが、しばらくしてから到着されると思います。現在のところ、18名の構成員に御出席いただいております。本日は、議題3の候補成分のスイッチOTC化の議論をするに当たり、関係する学会より参考人の先生に御出席いただいておりますので、御紹介いたします。日本眼科学会より、外園千恵先生です。
○外園参考人 よろしくお願いします。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いします。会議を開催するに当たって注意事項を御説明いたします。Web参加の方が発言される際は、システム上で挙手をいただき座長に指名された後、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上で、お名前をおっしゃっていただき御発言をいただきますようお願いします。また、発言されないときはマイクをミュートにしておいていただきますようお願いします。会議中、接続トラブル等が発生しましたら、会議の途中でも結構ですので、あらかじめお伝えしています事務局の連絡先まで御連絡ください。また、会場参加の方が発言される際には、挙手をしていただき、座長の指名をお待ちいただけますか。それでは、笠貫座長、以降の議事進行をお願いいたします。
○笠貫座長 座長の笠貫です。またよろしくお願いします。それでは、まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。資料につきましては、ペーパーレス化を実施しておりまして、オンライン参加の方におかれましては、事前にお送りしております電子媒体の資料を、会場での参加者におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。タブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付をしております。ほかの資料を画面に表示するには、画面左上のファイルを指で1回軽くタップした上で御覧ください。本日の資料として、ファイルに表示されている上から順に、会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては、資料を1つのPDFファイルとしておりまして、議事次第、配付資料一覧、開催要綱の改正に関する資料として資料1-1及び資料1-2、パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策に関する資料として資料2-1から資料6-2、候補成分のスイッチOTC化に関する資料として資料7-1から資料8-3、緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗に関する資料として資料9となります。また、参考資料は1~3となります。タブレットには、各個別の会議資料及び参考資料を個別資料のフォルダに保存しております。適宜、御活用ください。本日の資料関係の説明は以上となります。御不明な点等ございましたら、事務局までお申しつけください。事務局からは以上となります。
○笠貫座長 ありがとうございます。 それでは、本日の議題に入ります。開催要綱の改正について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。開催要項の改正について御説明いたします。
1ページ、資料1-1を御覧ください。前回の評価検討会議において検討の進め方の変更を御了承いただいたことに伴い、今後、候補成分の議論に際し、希望する場合には、企業及び/又は推薦する専門家が新たに評価検討会議に出席し、意見を述べることができるようになりました。従前は、候補成分の要望者又は申請者は非公表の情報としておりましたが、今後は、企業等が評価検討会議に出席をされる場合にはそれがおのずと開示されることになるため、企業等が評価検討会議に出席する場合に限り、評価検討会議に出席する構成員及び参考人に対して、利益相反の有無を確認し、新たにその結果を公表する規定を開催要綱に追加したいと考えてございます。
3ページ、資料1-2を御覧ください。利益相反の確認方法に際してはこちらの様式を用い、薬事審議会審議参加規程第18条を準用しまして、当該議論により影響を受ける企業(要望・申請企業及び影響企業3社)について、企業ごとに、申告対象期間中で委員等の寄附金・契約金受取り状況を確認しまして、その申告書を評価検討会議の参考資料として厚生労働省ホームページ上で公開することをもって、当該委員等は議論に加わることができるものとしたいと考えております。構成員の先生方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明について御意見・御質問がありましたら、お願いします。いかがでしょうか。お願いします。
○佐藤構成員 ありがとうございます。産経新聞、佐藤です。寄附金・契約金受取申告書についてお伺いします。500万円と、薬事の検討会としては、かなり高額になっておりますが、それについて理由を教えてください。
○笠貫座長 事務局のほうからお願いします。
○事務局 ありがとうございます。薬事審議会規程のほうでも、500万円というところで線を切って対応をしてございまして、それとの並びを取ってその額にしているところでございます。
○佐藤構成員 薬事のほかの審議会・検討会等は、500万円以下の刻みもあったかと思いますけれども。
○事務局 恐らく、競合あるいは影響企業のものだと思うのですけれども、500万円というところの閾値がいいのかなということで、今回設けているものですけれども、それ以外の値のほうがいいのではないかという御意見であれば、それはいただければと思います。
○佐藤構成員 多分、この検討会で、承認するとかしないとかを決定する検討会ではないのでということだと思いますが、そういう理解でいいでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、この場はスイッチOTC化の可否を決める会議でもございませんし、そういう意味でその値がよろしいのかなと考えてございます。
○笠貫座長 ただいまのお答えに対しても、御質問をお願いします。
○宗林構成員 詳細なところの確認ですけれども、この「企業等」と囲ってあるところですが、別に希望を出した企業に限るわけでもなく、または、誰が推薦する専門家ということなのか、どのぐらいまでの範囲。例えば、私は出たいよと言ったら、どの企業も出られるとも読み取れるのですが、少し明確に御説明をお願いします。
○笠貫座長 事務局お願いします。
○事務局 ありがとうございます。今回、参考の1ページ目のところに載せているフローがございますけれども、検討のフローの中で、左上ですと要望が入ってくる、あるいは右上ですと承認・申請から入ってくる。そこで、要望の中では学会・団体・企業あるいは消費者の4つのパターンがありますけれども、この企業が出してきたパターン、あるいは右上はおのずと企業になるのですけれども、その企業が申請を出してきたパターン、これらの場合には、評価検討会議で御議論いただく際に、企業が特に御意見をこの場で伝えたいという御希望があれば、その企業に出ていただくということになります。 あるいは、その企業だけではなくて、関係する専門家の先生にもぜひ入っていただきたいということであれば、その企業が推薦をされる専門家の先生も一緒に入っていただいて、この場でヒアリングをするということを考えてございます。
○宗林構成員 実質そうだと思って聞いているのですが、この文章だけ読むと、申請成分に関与することが明確になっていないので、例えば、申請は直接してないけれども、同じようなものをつくっている企業とか、そういった企業も「等」の中には含まれるということでしょうか。
○笠貫座長 事務局お願いします。
○事務局 ありがとうございます。それは含まれません。あくまで、その要望あるいは承認申請をされた企業がこの場に出てこられるということになります。
○宗林構成員 分かりました。ただ文章だけを見ると、ちょっとその辺が読み切れないなという感じがいたします。以上です。
○笠貫座長 文章については、検討をしていただくということですね。それと、関与する企業の方がお呼びする有識者の方も入るということですね。
○事務局 御理解のとおりです。
○笠貫座長 そのほかにはありますか。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、先ほどの500万円の話も御説明いただいたと思いますので、特にございませんでしたら、「開催要綱の改正」に関して、本日、合意いただきましたので、次回以降は、案のとおりとさせていただきます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策についてです。デキサメタゾンシペシル酸エステルについて、事務局からの説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。デキサメタゾンシペシル酸エステルについて御説明いたします。
4ページ、資料2-1を御覧ください。デキサメタゾンシペシル酸エステルにつきましては、前々回の7月の評価検討会議におきまして一度御検討をいただいており、その内容をまとめた資料がこちらになってございます。
続いて、6ページ、資料2-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた7件の御意見について、いずれもデキサメタゾンシペシル酸エステルのスイッチOTC化については、肯定的な御意見をいただいてございます。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、先ほどの資料の2-1に反映させるべき御意見は特段ないと事務局としては考えてございますけれども、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。パブリックコメントの結果を含めまして、構成員の方々から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。先ほどパブリックコメントから、特段、改めて議論があれば、記載することはないだろうという御意見でしたが、それにつきまして、御意見ありますか。それでは、前回の議論も踏まえて、スイッチOTC化の方向ということでの御意見が多かったと思います。事務局で、検討会議結果案を作成していただき、そちらを構成員の先生方に御確認するという形で進めてもよろしいでしょうか。
○橋本構成員 耳鼻咽喉科の橋本でございます。以前の評価検討会議で、笠貫座長あるいは和田構成員等からも御指摘いただきましたように、鼻腔の粘膜から吸収されるようなバイオアベイラビリティが決して低くない薬剤でございますので、その点はやはり注意深く御配慮いただいて、最終的な結論を導いていただければと思います。以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。その点につきましては、使用上の話としても書いてあったと思いますし、薬剤の特性についてもお書きいただき、強調されたと思いますが、ほかにはございますか。よろしいでしょうか。それでは、次に、ツロブテロールについて事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。ツロブテロールについて御説明いたします。
8ページ、資料3-1を御覧ください。ツロブテロールにつきましては、前々回の7月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいておりまして、その内容をまとめた資料がこちらになってございます。
続いて、11ページ、資料3-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた35件の御意見について、簡単に御紹介をいたします。いずれの御意見も、ツロブテロールのスイッチOTC化に対して、肯定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、1つ目、薬剤の特性の項に、ガイドラインに基づく本剤の使用方法に関する御意見を2つ、2つ目、疾患の特性の項に、効能・効果の記載案を2つ、使用期間に関する御意見を1つ、また、小児の使用上の注意に関する御意見を1つ、3つ目として、適正使用の項に、販売規格数に関する御意見を1つ、4つ目として、OTCを取り巻く環境の項に、医療用医薬品にて報告された重篤な副作用報告症例に基づく販売資材の整備方法に関する御意見を1つ、最後、その他の項に、ブルーブックに関する御意見を1つ、計9つの御意見を資料3-1に取り込んでございます。追加した御意見を踏まえまして、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。また、ほかに資料3-1に反映させるべき御意見ございましたら、御意見いただければと思います。 事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ツロブテロールに関わるスイッチOTC化の課題点とその対応策について、個別の御意見がありましたら、お願いします。
○湯浅構成員 ツロブテロールをスイッチOTC化するに際して、気管支喘息患者の使用を、できる限り除外できればという気持ちがございます。薬のパッケージに、気管支喘息が疑われる方は、速やかに医療機関を受診してくださいというような、使用者向けのメッセージを入れることを提案いたします。また、我々は、本成分をスイッチOTC化して販売する場合、対象患者群として急性気管支炎を想定しております。急性気管支炎の症状の中にも「喘鳴」を呈する場合がございますが、「喘鳴」を効能・効果から削除すべきと考えております。喘鳴を呈する疾患は、気管支喘息をはじめ、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全や肺がんなど、多岐にわたっており、これを効能・効果に加えることは、これらの疾患を見落とすことにも繋がりかねないと思います。
1回に何日分販売するかについて、できれば短いほうがいいと思いますが、1週間ぐらいであれば許容できるのではないかと思います。要指導医薬品として、本薬を購入して、それを常備薬のような形で取っておいて、購入者以外の家族の人に咳などの症状が出たときに使うようなケースも考えられますので、他のスイッチOTCと同様に、販売する枚数の制限は必要と思います。
最後に、規格ですけれども、最初は、2mgで大人を対象に、医療用医薬品では9歳以上が対象になりますが、1規格で販売し、その後のいろいろな御意見を踏まえ、必要に応じ規格を増やしていくことを考慮すればよいと思います。スイッチOTC化することによって、使用者に不利益が生じるようでは困るわけですから、そういった懸念を、一つ一つ潰していくために、医師の立場として繰り返しお話させていただく必要があると考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員お願いします。
○平野構成員 既にここに書かれていることではあるのですが、実際、OTCの店頭を預かる立場からしまして、買いに来られる方が本当に必死の形相で助けを求めてくる。これがお子さんの高熱と咳なのですよね。これが圧倒的に多い。もちろん先生方おっしゃるように、間違いがない、あるいは分かりやすい表記は当然ですけれども、お子さんに向けてこの薬剤が使えるということによって助かる方が非常に多いんだ。では、そのためにはどうすればいいのかということを主に今後の議論を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、お願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀です。先ほど、湯浅構成員、それから、平野構成員からのお話もあったのですけれども、今回の当該薬に関しては、お子様を持つ母親がどのように使うかということが一番大切なことだと思います。効能・効果のところにどのように記載するかということは、私は小児用と大人用は分けるべきではないかと、OTCになったときに思っております。そういたしますと、小児用と大人用ですと、サイズも異なりますし、また、枚数もそこで異なるようにすることで、先ほど湯浅構成員がおっしゃっていましたけれども、大人のものを子供が使ったり、子供のものを大人が使ったりするようなことは避けられるのではないかと思います。また、子供用に関しましても、この効能・効果で、今ですと、咳又は喘息、ぜーぜー、ひゅーひゅーというふうなことだけですと、親は、今までどおりのただの小児のせき止めという形でしか、そういう把握でこれを使うことが、非常に私は危惧しております。ですので、パブリックコメントからもあったのですけれども、あくまでも、これは気管支を拡張する薬であり、今までこういう薬を投与された方ができれば使ってもらいたいということというような、この効能・効果に関しては、また、ちょっと御検討いただけたら、ありがたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。先ほど平野構成員から、お子さんの高熱や咳で非常に窮して来店する保護者の話がありましたけれども、それは受診勧奨が必要な状況なのか、また、販売現場の薬剤師さん等が責任を取れるのかも含めて、しっかりと御検討いただきたいと思います。法的な責任を負わないで、ただ単にどこか悪かったら受診してください、というような受診勧奨では、それは、患者さんや保護者に対して、十分な責任を取っていることにならないと思います。その点を検討していただいて、どのような販売方法や受診勧奨出あれば要件を満たすかについての議論をしていただくのが一番適切ではないかと思います。このような薬を販売する際には法的なものも含めた責任というものが生じることを御理解いただければ、幸いです。以上です
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員お願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。私も、湯浅構成員や宮川構成員から言われたことは本当に大事なことだと思います。その上で、今回は、特にパブリックコメントを受けてどう考えるかということでございますので、私もつぶさにたくさんのコメントをいただいて、本当にありがたいなと思っておりますが、特に26番ですね。101分の13ページで、多分、お母様のコメントでお子さんが保育園に通われていて、ちょっとせきが出て、保育園のお迎えの後だとどうしても医師にかかれる時間が遅くなり、普段より夜寝かしつける時間が遅くなってしまうというようなことが非常につぶさに書いてあります。こういった本当に切実な声にどう応じていくのかというのが、また、このOTCとしての大事な部分だと思います。湯浅構成員がおっしゃったこと、宮川構成員がおっしゃったこと、十分大事なことですから、それをどういうふうに反映させながら、こういった小さいお子さんを抱えながら苦労されている皆さんに応えていくのか。それを、また、安全に、適切に使っていけるようにするのか。また、我々企業としても、現場の方がスムーズにできるような形でいろいろな情報提供や資材やいろいろな工夫ということも含めて、総合的に、また、こういったパブリックコメントの内容も踏まえて、承認審査の段階では、適切に検討していただければと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございませんか。五十嵐構成員、お願いします。
○五十嵐構成員 少し発言させていただきますけれども、私は呼吸器の専門ではないのですけれども、一般消費者の立場から言うと、この薬をやると助かるお薬だなと思っています。パブリックコメントにもそのような御意見もありますし、湯浅構成員もおっしゃったように、これはOTCとして必要なので、かなり個人的には思っています。ただ、湯浅構成員がおっしゃっているように、喘鳴という言葉は難しいですよね。医者の私が聞いても、喘鳴って何なのかと思ってしまうところがあるので、一般の方は理解しにくい用語なので、喘鳴という言葉はちょっと外したほうがいいかなと思っていました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員お願いします。
○富永構成員 日本薬剤師会の富永です。いろいろ御意見を聞かせていただいて、確かに、薬剤師が要指導医薬品を出す責任を感じるところですが、実際、前回の評価検討会議でも申しましたように、使用者目線といいますか、母親目線で考えると、この集められたパブリックコメントから、多くの必要な時になくて困っている、スイッチOTC化して欲しいという気持ちがよく分かります。ただ、私ども薬剤師は、長い間ホクナリンテープを子供さんに出しているという、実績がありますし、それもただ出しているのではなくて、気管支拡張剤を出すということで、β作動薬として、副作用はないかというのは気をつけているところです。「今日は咳止めのテープ出てないのですか」とお母さんがおっしゃると、ドクターに電話して、「ホクナリンテープを欲しがっているということをおっしゃっていますけど」と言うと、「ああ、ごめん、ごめん。出しておいてね」という話に小児科医との会話でもよくなるところです。それが現場での状態かなとは思っているところです。よろしくお願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。今、この薬は単なるせき止めではなくて、β作動薬、気管支拡張薬であるとお話があったことが全てだと思います。薬理作用をきちんと知っていただくことが大事で、それをどのように正しく使うのかということです。日常診療の中で、誤用や間違った対応をする医療機関があるかもしれませんが、だから転用して良いということにはなりません。ですから、その薬のあり方が正しくはどうあるべきかを十分に理解いただいた上で、議論していくことが必要です。その議論では、使用者が間違った使い方をしないよう、薬剤師や薬局の販売者が適切に説明し、製造販売業者が適切なパッケージを作成すること等が前提であることは申すまでもないことです。保護者が単に困っているからという感情的な議論は、本来の薬学・医学上の必要な議論ではないということも含めて、落ち着いて十分に検討していかなければいけません。私は決して、OTC等を全部否定しているわけではなく、必要なものはスイッチOTC化すべきと考えます。ただし、十分な情報や、何かあったときの対策の仕方、そして、どこに相談すればいいのかということまで立てつけをつくっていくことが必要であり、落ち着いた議論が必要だと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宗林構成員お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科大学の宗林です。ここの個人のコメントもそうですし、今、皆様方は、これまで医療用医薬品で使ってきているから、そのものがOTCになっていたら、すごく便利だよねということが前提だと思うのですね。それは大変よく分かるのですが、OTCになったら、初めて使う人が出てくるわけで、そのときの、どこにどのぐらい貼るのかとか使用方法は、結構丁寧に御説明していただくことが必要なお薬かと思います。あるいは、今、ほかの構成員がおっしゃったように、使用した経験のある者とつけるか、あるいは、最初であれば指導が、書くだけでなくて、口頭で薬剤師さんからこうやって使ってください、このぐらいで剥がしてくださいみたいなことをやっていくことが必要かと思います。ここに書いてあるとおりで、今まで使っていたものがOTCになったら、それはすごく便利、それはそれで、もう使い方を知っている方はいいと思いますけれども、初めて使われる方については、少し検討というか、慎重に御指導をお願いしたいなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 医師は薬を適正に使用しているのかという御意見を伺うことがございますが、保険収載されてから、長い時間、医療用医薬品として安全性を重視し、適正な使用を心掛けているからこそ、日常診療に貢献できたと考えています。「育薬」という言葉がございますが、我々が医療の現場の中で、薬を適正に使用してきたからこそ、こうしてスイッチOTC化に向けての議論ができると考えております。我々は医療用医薬品のスイッチOTC化に際し、安全に使用していただくためにどのような工夫をすればよいかノウハウを持っているということです。
○笠貫座長 分かりました。佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 ありがとうございます。産経新聞、佐藤です。今日の議論は、パブリックコメントを経ての議論ということで、パブリックコメントが非常に多数のものがあり、そして、なおかつ、それがいずれも賛成であるということは、大変大きな要素だと思っています。少し分けて考えたほうがいいのでと思うのは、この薬を使ったことのある人に絞ってスイッチOTC化するのか、そうではないのか、そういうことができるのかできないかも含めて、分けて考えるべきだと思います。パブリックコメントの中にも、実際に一度使ったことのある人が、医療機関で7日分ぐらい出してもらえるのに、どうしてOTCだと3日なのですかという意見もありました。使った経験のある人が使うという前提であれば、もう少し包装を多くしていいよねという考え方があるでしょうし、そうではなくて、初めての方に出すのであれば、3日程度で出してもらいましょうという考え方もあると思います。ごっちゃではなくて、どういう位置づけで販売できるのかということとセットになると思います。その上でですが、御専門の先生方は、「これはメカニズムが違うから」という言い方をよくおっしゃられて、これは気管支を広げる薬であって、気管支を広げることによって、短期的にせきを止める効果も狙うことがありますよということをおっしゃられて、そういうことなんだろうと思いますけれども、市販する場合には、メカニズムが違うということではなくて、メカニズムが違うことによって、どのような注意をしなければいけないのか、どのように使うべきなのかということを表記するほうが分かりやすいので、無用に表記を難しくすることのないようにお願いしたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。この議論は、前回、そして、パブリックコメントを含めて、今日も議論されましたが、このスイッチOTC化に当たっての環境をどうするかについては医療側も、消費者側、薬剤師側、企業側の方も納得がいくというか、調整するという意味で、非常に難しいケースだと感じています。そういう意味で、医学的には、この薬のメカニズムも、疾患の特性もしかりです。一方ニーズからみれば、消費者の方から、症状を寛解するという意味での利便性について、医師側がどうするか、あるいは、薬剤師側がどうするか、消費者側がどうするか、企業はどうするか。この評価検討会議で課題を抽出して、その対応策をそれぞれ議論してまとめることは、この評価検討会議のミッションです。例えば、佐藤構成員と宗林構成員からは、以前に、医師に診断を受けて、薬はこういうふうに使ってもいいよという場合にはどうだろうかという具体的な話も出ています。それらを踏まえて、次の可否をどう決めるかという会議で検討をすることになります。可と出た場合には、その条件についてもっと具体的に詰めていただき、進めていただきたいと思います。そういう意味で、今日いただいた、医療側、薬剤師側、そして、消費者側のニーズ、企業側の課題を含めて、この評価検討会議の2回目と、パブリックコメントの結果を踏まえて、事務局でまとめて、再度、構成員の方々に御確認するという形で、次に進めていきたいと思います。ありがとうございました。続きまして、トリプタン系について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。トリプタン系について御説明をいたします。
19ページ、資料4-1を御覧ください。トリプタン系につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめたものがこちらになります。
続いて、資料23ページ、資料4-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた7件の御意見について、簡単に御紹介をいたします。御意見のうち6件は、トリプタン系のスイッチOTC化に賛成との御意見でしたが、1件はスイッチOTC化のベネフィットより自己判断で薬を飲むことのリスクのほうが大きいと思われるとの否定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、1つ目、疾患の特性の項に、高齢者の使用に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、包装単位に関する御意見を1つ、3つ目、販売体制の項に、インターネット販売に関する御意見を1つ、計3つの御意見を資料4-1に反映をしてございます。これら追加した御意見も含めまして、構成員の方から何か御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、トリプタン系につきまして、御意見はいかがでしょうか。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。先ほどから何度も申し上げておりますけれども、このパブリックコメントの6番で、法的な責任をどうするのかということも書いてあるわけですね。それと同時に、製造販売業者にも同じように、販売のためのパッケージを検討する場合は、相応の十分な検討がなければいけないということを第一に考えるべき点です。それから、宗林構成員が貴重な意見をおっしゃっていて、パブリックコメントというものは、過去に使ったことのある方や見識を持っている方が、コメントを寄せておられます。しかし、OTCは、初めてお薬に出会う使用者もおられ、そのときに、薬剤師の先生たちがどれだけ十分に御説明されて、そして、使用者がそれを理解できるのか。そして、万が一のことがあったときに、医療機関を速やかに受診できるようにつなげる体制が整えられるのかの段階も含めて、この評価検討会議で議論を練り上げられるのかということが非常に重要です。パブリックコメントを見るときにも、そういう視点で見ていくことが重要です。OTCの「育薬」という話を何度もしていますけれども、薬を正しく使い続けることで、その薬によって長く社会全体で恩恵が受けられるところまで持っていけるようにすることが非常に重要と考えてございます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。先ほどの宮川構成員がおっしゃっていた、6の個人のところで、インターネットの販売はやめるべきと書いてありまして、乱用対策に関しましても、スイッチOTC化されたときに、どのように歯止めをするかということも検討いただきたいと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 この薬剤をスイッチOTC化すると仮定した場合、薬を購入する前に、必ず医療機関を受診し、片頭痛の診断を受け、トリプタン系の薬を服用し、処方された薬が効いているかを医師が確認するという流れが必要になります。したがって、効果判定の期間を含め、少なくとも半年から1年程度医療機関に通院していただく必要があります。ただし、本来であれば、スイッチOTC化する薬剤ではないと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。トリプタンについても、医学的な判断とニーズの問題をどう取り扱うのか問題だと思います。薬剤師の法的責任の話が毎回出るのですが、これも制度上の問題としてここで挙げさせていただき、ほかの会議で検討していただくことになるだろうと思います。インターネットの話も、乱用の話も、その具体的な制度やシステムをどうするかについては、他の会議にお願いし、本評価検討会議では、その問題点を指摘しておくことが大事だと思います。具体的なことについては、こきちんと医師の診断を受けること、あるいは、薬の有効性と安全性についても確認をしてから、スイッチOTC化をしていくということも、重要だと思います。また、こういった薬を、最初から、自己責任ということは難しいということも御指摘いただいたと思います。宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。今の構成員のお話とそれほど違いはないのですが、もともとOTCが、短期間症状を軽減するというようなことが、あると思いますが、今まで出てきたお薬として、これのように、診断を受けて、トリプタン系のものでちょうど調子がいいと。それが効いているということがきちんと分かったものについて、お医者さんではなくて、スイッチ化したOTCで賄っていくというようなものも結構出てきているのではないかなとこの評価検討会議の中でも思いますので、そういった分類の一つということでいくと、また、逆に、ほかのもののスイッチOTC化の広がりもできるかなと思いますので、この薬も、同じく、自分で診断して、一時痛いからこれだけスイッチ化したOTCで済ませようということではなくて、効くことが確認できたなというものに対して、OTCで賄えるというような分類の一つではないかなと思います。そして、そういう分類が、OTCの中でも、これから先増えていく可能性があるのではないかなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。当初、本評価検討会議で可否を決めていたときに、それぞれの薬剤や疾患の特性、適正使用、環境の問題という課題をカテゴリー毎にまとめました。現在は、可否を決めませんが、それぞれの課題と対応策について、カテゴリーがつくれてくるだろうと思っています。そういう意味で多くの対応策の整理のプロセスにあるのだと思いますし、課題抽出だけではなく、課題の対応策までカテゴリーを作ることで、この評価検討会議の一つのミッションを終えてくるのではないかという、目標を立てて進めていきたいと思います。それでは、これまでの御指摘も踏まえて、事務局で、会議結果案を作成していただき、構成員の先生方に再度御確認するという形で進めさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。続きまして、エピナスチン塩酸塩について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。エピナスチン塩酸塩について御説明いたします。
26ページ、資料5-1を御覧ください。エピナスチン塩酸塩につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめた資料がこちらになっています。
29ページ、資料5-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた6つの御意見について、いずれもエピナスチン塩酸塩のスイッチOTC化に肯定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見のうちから、1つ目、疾患の特性の項に、海外での使用状況に基づく受診目安に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、既承認のOTC類薬に関する御意見を2つ及び1日の使用回数が異なる2つの製剤に関する御意見を1つ、計4つの御意見を資料5-1に反映をしてございます。これら追加した御意見も含めまして、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。個別の御意見について、お願いいたします。パブリックコメントを踏まえた上で御意見をいただけたらと思います。原構成員、お願いします。
○原構成員 ありがとうございます。おおむねパブリックコメントも拝見しましたけれども、私どもは、エピナスチン塩酸塩に関しては、薬剤自体は比較的安全性の高い薬だと認識しておりますので、スイッチOTC化はある程度問題がないと考えております。ただ、書きましたとおり、1つ懸念しておりますのは、それが本当にアレルギーなのかという判断は、眼科専門医でもちょっと難しい場合が実際はありまして、目のかゆみとか充血と言って、アレルギーですと来られる方の中には、ぶどう膜炎とか、結膜炎の中でも、それが細菌性なのか、ウイルス性なのか。中にはクラミジアみたいなものが混じってきますので、そこのところはしっかり鑑別をして、使うなら使っていただきたいという意見で出させていただいております。もしも、そういうアレルギー以外のものだったときに、悪化するまでの時間を考えると、我々としては、2日間は妥当な時間で、それ以上こじらせると角膜に目やにが残ったりしますので、その辺も含めたニュアンスの2日は妥当かなと考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ございませんでしょうか。どうぞ。
○宗林構成員 1点、スイッチOTC化するときに明確にしていただきたいなと思っているのは、コンタクトレンズ使用時のあり方ですが、1日に4回ということなので、原則、コンタクトレンズしている時間帯にも差さなくてはいけないことから、コンタクトレンズしたままは好ましくないということでコンタクトレンズを禁止するのか、あるいは、よくあるのですけれども、ソフトコンタクトレンズの色素が材質によっての問題ということであるのか、つけている人はいろいろな人がいるので、それが明確になるようにパッケージに、購入時に分かるようにしていただければなと思います。ハードコンタクトレンズでも駄目なのかということです。よろしくお願いします。
○笠貫座長 堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。今の宗林構成員の意見に私も賛同なのですけれども、特にカラーコンタクトレンズを若い方が装着しており、そのカラーコンタクトレンズの上から点眼をする機会が非常に多いと若い方から聞いております。その場合、カラーコンタクトレンズを実際に企業さんが装着をしての使用をしているデータがあるのかどうかということも、そこはとても大切なことだと思いまして、特にカラーコンタクトレンズを装着しているときには絶対にしてはいけないということであるのならば、その文言も入れていただきたいと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員どうぞ。
○佐藤構成員 私も今のお二人の意見に追加して、コンタクトレンズを以前長いこと使っていたので、コンタクトレンズについてなのですけれども、使い捨てコンタクトレンズを使う場合は、ほとんどの目薬はオーケーだと眼科医から言われたことがありまして、そういうことであるなら、ハードコンタクトレンズはどう、ソフトコンタクトレンズはどう、使い捨てコンタクトレンズはどうというふうに書いていただけると助かると思います。お願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにはございませんか。今の御指摘のように、適正使用として、コンタクトレンズの対応策については、可否を決める際に具体的に詰めて書いていただくことが、大事だという御指摘だと思います。また、今回の議論には出ませんでしたが、1日2回という回数については、消費者の選択肢を増やすという意味での利便性の話ですが、それに対するより十分な薬剤師対応を含めた対応をどうするかについても、この成分で新たに指摘されたことだと思います。
○外園参考人 よろしいですか。日本眼科学会の外園です。コンタクトレンズにつきましては、様々な企業のものが出ていて、しかも、劣悪品などもありますので、これを全て網羅する形で説明するというのは、薬剤を処方する場合にはほとんど不可能です。ワンデータイプというもの、終日装用型のものであれば、例えばコンタクトレンズが変質したとしても、その日のうちに捨ててしまうので問題ないということで使っていいだけであって、レンズが変形したりレンズの質が変わったり、酸素透過性が変わったりというリスクは大なり小なりあり得ますので、コンタクトレンズを入れていて使うというのも自己責任ということにするしか仕方がないのかなと。カラーコンタクトレンズで企業が分からないようなものも患者さんが持ってきて、手でこすったら色が落ちるようなものまで出回っていますので、それはコンタクトレンズの規制のほうが非常に難しいということもありますので、度なしのコンタクトレンズは日本眼科学会のほうで規制ができません。そういったことがありますから、コンタクトレンズに関しては、基本的には使わないほうがいいので、使う場合には何かあったらやめるということを自己責任でするということで仕方がないのではないかと思います。
○笠貫座長 御指摘は、コンタクトレンズをどうするかという、新たな対応策ですね。
○外園参考人 そのとおりです。
○笠貫座長 今の御指摘も追加させていただいて、カラーコンタクトレンズの場合どうするか、度の入ってないコンタクトレンズですね。そういった場合、消費者の自己責任だけで全て行くのか。あるいはそうではなく、さらに細やかな対応ができるかについては、可否を決めていただくことになります。
○外園参考人 そのとおりでございます。眼科医が診たら、ある程度大丈夫かどうかは言えるのですけれども、薬剤師さんでは、それはもう求められないだろうということになりますと、点眼そのものに安全性は高いのですが、おかしかったらやめてくださいということでよろしいかと思います。
○笠貫座長 それでは、ただいまの御意見も踏まえまして、事務局で、検討会議結果案を作成して、再び構成員の先生方に御確認をいただくことで進めてよろしいでしょうか。ありがとうございました。続きまして、オロパタジン塩酸塩について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。オロパタジン塩酸塩について御説明いたします。
33ページ、資料6-1を御覧ください。オロパタジン塩酸塩につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめた資料がこちらとなっております。
続いて、資料35ページ、資料6-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた6つの御意見について、いずれもオロパタジン塩酸塩のスイッチOTC化には肯定的な御意見をいただいてございます。パブリックコメントでいただいた御意見の中から、1つ目、疾患の特性の項に、海外での使用状況に基づく受診目安に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、既承認のOTC類薬に関する御意見を2つ、計3つの御意見を資料6-1に反映をしてございます。これら追加した御意見を含めまして、構成員の方から御意見がございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。本成分につきまして、課題と対応策について御意見をお願いします。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。このパブリックコメントにありますように、薬をスイッチOTC化する際には、配合薬とするのは絶対避けていただきたいです。その薬剤の単一成分でなければ、副作用等の区別もつかなくなります。パブリックコメントの中に点眼薬もそうですが、OTC業界は配合薬をつくり過ぎではないか、というコメントが入っているわけですね。つまり、単剤であればある程度使用者の方もこれが悪かったんだということが分かりますけれども、複数成分が入っている場合だと、どの成分が悪かったのか分からないということもあります。業界団体が十分な対応を取っていかないと、そのようなことに対する責任を免れないといのではないかと思いますので、ぜひそういう考え方も持っていただきたいと思います。このパブリックコメントで貴重な御意見をいただいたのだなと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 日本OTC医薬品協会、磯部でございます。いつも宮川構成員からそういう御指摘をいただいております。我々も肝に銘じて考えていかないといけない問題だと思います。もしスイッチOTC化を認めていただければ、当然、単剤から始めていくということでございますが、私どもは、配合剤も、結局、医療の現場での併用の実態がどうなっているか。つまり、例えばこれとこれをいつも多く併用されている場合が多いとか、そういう場合に、OTCの場合はなるべく一つの製品対応したほうが生活者の方にいい場面もあるということもありまして、そういった実際の併用の状況とか、生活者の方がどうしても2つ買うよりこの1つでまとまっていればいいのになというような声を踏まえまして、考えていきたいと思います。ただ、いつも宮川構成員からお話があります、このパブリックコメントでも、そんなのばかりだということについては、どのように考えていくのかということも肝に銘じてやっていきたいと思いますので、これからも、ぜひ御指導をいただければ、ありがたいと思います。
○笠貫座長 宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。今、磯部構成員のご発言がありましたが、私は正しいことは正しいこととして何度も申し上げます。日本OTC医薬品協会がしっかりとした方針を定めることが国民の利益につながります。例えば100人が使って70人までは使って問題が無いとしても、あとの30人に悪影響が生じたら駄目なのです。つまり、医療においては患者さんごとの個別対応であり、その人の症状に合わせて薬を処方します。薬剤師の方もそれをフォローしてくださっています。この医師と薬剤師の信頼関係の中で、院外処方が広く行われているわけですけれども、その中で安全弁がつくられているというところなので、使用者がその薬を初めて使う可能性から考えなければいけません。そして、要指導医薬品になりますと、ある程度時間がたっていくと、一般用医薬品に移ってしまうという現状制度の中で、登録販売者の方に法的な責任があったときにどこまでお守りできるのかを考えることが重要です。これが検討されないままに進んでいくと、使用された方に問題があったときの責任として、その登録販売者の方、あるいは薬剤師の方、そして、製造販売業者が、責任を追求されてもいいのかということもなってしまいます。そういうことも含めて、しっかり考えないといけないことだろうと思いますので、製品の有効成分はシンプルな形にしたほうが、より責任も明確化しすいでしょうし、作用も副作用も分かりやすいので、しっかりとした方針を検討していただきたいと思います。だから、私は先ほどから何度も申し上げているとおり、薬剤師の方、登録販売者の方、そして、製造販売業者のことを守りたいから言っているので、決してスイッチOTC化を否定しているというわけではありません。正しい使い方をするために何度でも私は発言したいと思います。以上です。
○笠貫座長 堀構成員に続いて、平野構成員にお願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。今、宮川構成員のお話をお聞きしていて思ったのですけれども、薬局で販売するときに、アレルギー性結膜炎の消費者がもしいた場合、結局、その単剤、1個買っただけでなくて、1日2回ぐらいつけてみて駄目だったら、また違うものを買ってみようとかと思ってしまうようなことがあるのではないかと、それが非常に不安です。ですので、あくまでも販売の際に、例えばアレルギー性結膜炎で、例えばオロパタジンを売った場合においては、その際に、必ず、ほかにお薬を使っていないかどうか。つまり、併用をしていないかどうか。または、点眼薬であったらば、ほかにお医者様からもらっているようなお薬があるかないか。そういうふうなことも確認することがすごく必要だと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員どうぞ。
○平野構成員 ありがとうございます。日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。企業の肩を持つわけではないのですが、実際、売り手の立場から見ても、配合薬の中にはこんな古い成分がというものが多々あるのは、私もそう思っているわけです。ただ、なぜそうなっているかということを考えてみると、結局、いわゆる切れ味の鋭い、安全なスイッチ成分が上から供給されてこない。したがって、古い成分の中ですごい工夫をして、一生懸命商品をつくっているというのが、企業の実態であるなということを思います。したがって、この成分の話だけではないのですが、本当にこの評価検討会議の役割が改めて重要だな、その企業側の背景も踏まえながら、私たちはしっかり仕事していかなければいけないなと思う次第でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮園構成員、お願いします。
○宮園構成員 ありがとうございます。前回も申し上げたかなと思うのですが、日頃、仕事をしながら生活をして、週末があったりとかいう中で、2日間でやめるというのは、あっという間に2日間来るような気がします。それで、お店をやめるときの目安は、目のかゆみとか目が痛い、目やみはたくさんあるとか、具体的にしないといけないというので、分かりやすいとは思うのですけれども、できれば、もし、これをこのまま使い続けたらどんなリスクがあるのかを、もう少し具体的にこういったリスクがありますというようなのは、中学生ぐらいが分かるような、何かイラストなり何なりそういったことで、怖いというのをあれで与えるのもどうかとは思うのですが、どんなリスクが起こるというのを消費者が知るような、そういった情報提供を、2日でやめようとか、病院へ行こうという気持ちに近づくのではないかと思いますので、御検討いただければ、幸いです。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員、お願いします。
○富永構成員 日本薬剤師会、富永です。薬剤師の役割についていろいろ御指摘をいただいているところですが、医薬分業の長い歴史の中で、薬剤師も結構育ってきたといいますか、私が言うのはおかしいですが、最初、初診で来局なさった患者さんに対しては、他科受診の有無とか、併用薬とか、副作用歴、アレルギー歴等々、全て聞き取りをするわけです。そして、先ほど宮川構成員がおっしゃったように、どういうお薬が出ていて、この効能がある、それでどういう症状なのかということを確認しながら、一つずつ出していくわけです。決して、ただ処方箋どおりあるものをぱっと渡すのではありません。ツロブテロールのときもあったように、お医者さんが適切に使っていった歴史の上で、そういう副作用がなかったというお話がありましたけれども、それは、医薬分業の中で、薬剤師もそれを適正使用するために、初めて貼る方に対しては、その貼り方から適正使用について、慎重に丁寧に確認を取るわけです。そういう歴史もある中で、結局、医薬品の中に乱用の恐れのある成分が入っていて、様々な成分を含んでいる総合感冒薬の中でその成分を見つけるわけです。そうすると、これを狙ってオーバードーズ問題になっているのだなということが分かります。我々は医薬品の専門家の目で、そういうふうに配合剤にしても、今まである分は見ます。ただ、先ほどおっしゃったように、なるべく単味にしていただいたほうが、これによる副作用とか受診勧奨もできるかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○笠貫座長 ただいまの配合薬については、ここで具体的に詰める話ではないと思います。配合薬については、日本薬剤師会あるいは企業側で、配合薬についてのガイダンス的な基準を作成し、それに則ってやっていただくということが、指摘されたということであり、お願いしたいと思います。基準が作成され、ガイダンスができたら、ここで皆さんにお話しいただき、そのガイダンスをさらにバージョンアップするというようなこともできれば、本評価検討会議の一つの成果になると思います。この件については、今日の評価検討会議で、新たに出された、大きなテーマだと思います。外園参考人、お願いします。
○外園参考人 一言だけ。2日でやめてほしいとした理由ですが、ほとんどの人は安全に使われるのですけれども、AHC結膜炎の中に重症アレルギーで失明するような人がどうしても含まれてしまうのですね。大きな傷ができていると。特に子どもさんなんか上手に症状が言えません。ですので、2日使って効かないときには、ちょっとおかしいぞと思ってほしいと。そういうメッセージですので、2日で直ちにやめろと。薬そのものの安全性を言っているわけではないのですが、そのニュアンスをあまり強く言うとみんな怖がってしまうというところで、非常に難しいので、2日使っておかしかったら、ちょっとそれは眼科に行ったほうがいいよという、そういうメッセージだと思ってください。なかなか難しいところです。
○笠貫座長 先ほどの成分もそうでしたが、2日間という期間については、具体的に可否が決まった時点で、細やかな説明の仕方も含めて、対応策として考えていただくことになるかと思います。それでは、本日いただきました御意見を踏まえて、事務局で検討会議結果案を作成していただき、再度、構成員の先生方に御確認いただくという形で進めてもよろしいでしょうか。ありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。候補成分のスイッチOTC化について、ジクアホソルナトリウムについて、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。ジクアホソルナトリウムについて御説明いたします。
38ページ、資料7-1を御覧ください。ジクアホソルナトリウムのスイッチOTC化した際の効能・効果としては「眼の乾燥感、異物感」となってございます。対応する医療用医薬品は、1日6回製剤のジクアス点眼液3%及び1日3回製剤ジクアスLX点眼液3%でございまして、効能・効果はドライアイとなってございます。要望者は、本成分の主な要望理由として、「長期で使用しても特段の問題が感じられないから」を挙げてございます。39ページを御覧ください。ジクアス点眼液3%は2010年、ジクアスLX点眼液3%は2022年に承認されてございまして、再審査期間はジクアス点眼液3%にのみ指定されており、その再審査結果は承認拒否事由のいずれにも該当しないとして2020年に通知されてございます。
42ページを御覧ください。安全性に関する情報です。本剤は禁忌に、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されております。また、高頻度の副作用として眼刺激感が設定されています。推定使用者数等として、日本におけるドライアイ患者数は2,200万人いるといわれ、また増加傾向にあるとなっております。次に、同種同効薬についてです。同様の効能・効果を持つ点眼薬として、精製ヒアルロン酸ナトリウムがスイッチOTC化されております。
43ページを御覧ください。海外での承認状況について、本成分は海外で一般用医薬品及び医療用医薬品いずれも承認されてございません。
51ページ、資料7-2を御覧ください。日本眼科学会、日本眼科医会及び日本OTC医薬品協会から見解が提出されてございますので、御紹介いたします。まず、日本眼科学会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、本成分は類薬よりも重症のドライアイ患者を対象としていること、ドライアイは慢性疾患であるため、薬剤を継続して使用することになり、眼科医による継続的な経過観察が必要であること、ドライアイに類似する症状をきたす眼疾患が多くあるため、適正使用のためには眼科医による的確な診断が必要であること、自己判断での使用による不要な点眼や他疾患の見落とし等が懸念されることとの御意見をいただいてございます。
53ページを御覧ください。日本眼科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、比較的安全性の高い成分ではあるものの、頻回の点眼によって角膜上皮障害が生じる可能性があるが、その障害は薬剤由来であるかドライアイの症状であるかの判別が難しいため、点眼後に刺激感、目やに、流涙等が見られるため、使用者が適切に作用を理解していないと継続困難な点眼薬であること、ヒアルロン酸点眼液とは異なり、ドライアイのサブタイプの中でも、涙液分泌減少型並びに水濡れ性低下型のドライアイに特化して効果のある点眼液のため、ドライアイを感じる患者全てに効果があるわけではないこと、本剤は「涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること」とされていること、との御意見をいただいてございます。
55ページを御覧ください。最後に、日本OTC医薬品協会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については賛成との御意見をいただいてございます。その根拠として、再審査報告書において、副作用発現割合は承認時までの臨床試験における副作用発現割合に比べて高くないことが報告されていること及び「使用上の注意」から予測できる重篤な副作用は1例1件であり、予測できない副作用で本剤との関連性が明確な症例の集積がないこと、同様の使われ方を期待する「精製ヒアルロン酸ナトリウム」のスイッチOTC化された際の効能・効果と本成分の効能・効果も同様の症状であることから、セルフメディケーションの選択肢の一つとなり得ること、精製ヒアルロン酸ナトリウムは第2類医薬品に分類されていることから、本成分がヒアレインSと同様の症状に対してスイッチ化されても、適正に使用できると考えられること、との御意見をいただいてございます。
57ページ、資料7-3を御覧ください。御意見募集において寄せられた御意見について、簡単に御紹介をいたします。20件はジクアホソルナトリウムのスイッチOTC化に賛成との御意見でしたが、6件は反対との御意見でした。特に取り上げるべきと考えられる御意見として、長く使用され安全性は確認されているため、年一度眼科検診で検査を受けている場合に限り、軽症ドライアイも含めて市販で販売可能にしてはどうか、との御意見がございました。また、本成分については、評価検討会議への企業出席要件が満たされなかったため、企業の出席はございません。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、日本眼科学会からの御見解について、外園参考人から御意見の補足ありましたら、お願いします。
○外園参考人 自覚症状が渇きということで、大丈夫だろうという理論ですが、ドライアイの症状は様々で、見えにくい、痛いというようないろいろな症状があります。それを自己判断で使った場合に、後戻りできない、眼科疾患のものとして、特に緑内障など、眼科医師しか診断できないものもありますので、これをスイッチOTC化する懸念があります。もう一つは、日本眼科医会が書かれていましたが、決して差し心地の良い点眼ではありませんので、必要な人に今度届かないリスクというのもございます。専用品とは大分違います。差して気持ちがいいのではないということもございまして、基本的に反対ということで出させていただきました。
○笠貫座長 ありがとうございました。次に日本眼科医会からの見解について、原構成員からお願いします。
○原構成員 今、外園参考人がお話しになったとおりですけれども、これは実際に臨床で使っていますと、外園参考人がおっしゃるように、点眼の差し心地があんまりいい目薬ではありませんので、このあたりは、もしスイッチOTC化されるということになれば、薬剤師の先生からきちんと説明をいただかないと、ちょっと使いにくい薬かなというのが一つ気になります。それから、書きましたとおり、日本はドライアイの研究が結構進んでいまして、ドライアイのいろいろな原因があるというのが分かって、我々はふだんお薬を出していますけれども、このお薬は一部のものにしか効果がないということで、要らない薬というか、効果のない薬を点眼し続けてしまうというリスクが一般の方にはあるのかなと思いますので、その点は、もしスイッチOTC化されるのではあれば、懸念として考えておりますので、現時点では反対という意見を出させていただきました。また、これは比較的安全性が高い薬ではありますので、もしスイッチOTC化されるのであれば、補足の件になりますけれども、角膜障害などがないかどうかというのは、半年から1年に1回は眼科医のチェックをしっかり受けたほうがいいというのが一つ。それから、コンタクトレンズも先ほどから出ていますけれども、装用中にそれを使うということになりますと、防腐剤などが入っていると、コンタクトレンズによっては眼障害につながってしまいますので、もしスイッチOTC化されるのであれば、防腐剤がフリーであるということが必要だろうと考えています。もう一つ、アレジオンのときと同じ点眼回数は、時間数に関しては、LXとそうでない点眼回数の違うものが医療用医薬品で使われていますので、この辺は多分、LACの点眼回数を6回までにもともと発売されているもののほうがいいのではないかというのが補足意見として加えさせていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会からの見解について、磯部構成員お願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会、磯部でございます。私どもは、このジクアホソルナトリウムについては、スイッチOTC化について賛成の意見であります。なぜかということで記載もさせていただいております。特に再審査報告書に記載されていることを、つぶさに拝見をしておりますと、かなり安全性が高い医薬品である、製剤であることが内容から読み取れます。その上で、今、要望された効能はドライアイという効能ではありませんが、ヒアルロン酸ナトリウムがそういった近い症状の方に使われているという状況も考えると、これをスイッチOTC化できないという理由はなかなかないのではないかと思っております。その上で、この見解書には書いてございませんが、いろいろ情報シートなどを拝見して思っておりますことも申し上げたいと思います。1つは、ドライアイの患者さんは、日本眼科学会の推定によりますと、日本国内では2,200万人ぐらいいると。そのほかにも、40歳以上の推計で、女性の20%以上、男性でも12%ぐらいの方が、ドライアイの方がおられるだろうと。レセプトで我々もいろいろ調べたところ、実際に医療機関を受診されて、ドライアイの治療に入られている方は1,000万人ぐらいではないか。つまり、半分ぐらいの方はOTCを使われているか、そのまま放置しているかというのが現実だという理解であります。このぐらい患者数が多くて、潜在の方も多いという方で、先ほど外園参考人もおっしゃっておりましたが、放置をすることが必ずしもいいことではなく、また、ほかの重篤な眼疾患につながっていくことでもありますので、私どもとしては、この医療機関を受診されていない方々に、どのように手を差し伸べて、必要な方に実際に眼科の受診につなげていくのか。実は、眼科の先生方とよくお話しすることがありまして、OTCは国民と医療をつなぐ大切な存在ですということも言っていただきました。まさしくそういう役回りをできるような形で、このドライアイに関しては非常に潜在患者さんも多いこともありまして、この今のヒアレインSが使われている中で、作用機序の違う水分やムチンを放出することによって、確かに差し心地はよくないことはよく理解をしておりますが、こういう選択肢をつくることによって、また、それを適切に使いこなすことによって、なるべく潜在で何も治療されていない、それも使っていないような方を減らし、薬局の薬剤師のお力も使わせていただきながら、必要な方にきちんと眼科の受診につなげていくような流れを、ぜひ私はつくっていくべきだと思っております。その上でもう一つ、日本眼科医会の原構成員からもお話ございました。このドライアイは研究が進んでいて、幾つかのサブタイプがあるというお話でございます。私もこういった御意見がありましたので、ここで聞かれております、ドライアイの診療ガイドラインが100ページ以上にわたる令和元年に改正されたものですが、それも拝見させていただき、また、現行のジクアホソルナトリウムの添付文書も拝見をさせていただいて、今の添付文書の使い方では、タイプ別にきちんと診断をした上で使うべきということは、特に効能・効果上はなっておりません。その上で、現在の令和元年の診療ガイドラインを拝見して、ジクアスはどういう方に使うのかということを考えてみると、必ずしもそういった形になっていないということで、御指摘はよく分かりますし、病態の研究の中ではそういうことも出てまいりますので、刻々といろいろこういう疾病の研究も進み、そういうサブタイプを分けながら治療方針をつくっていくことは、当然、医学の進歩の上では大事なことだと思いますけれども、現状の医療用医薬品の効能・効果の範囲でもそういうふうになっておりますし、令和元年のガイドラインでもそうなっていることも考えますと、そこについてはまだまだそういう状況なのではないかと。そういうことがあるからOTCでは難しいということは、私としてはちょっと理解がしにくいところでございます。その上で、先ほども事務局からお話があったように、ドライアイについては診断のことにいろいろございますけれども、例えばこういった1年に1度とか、ドライアイの診断がついている方とか、そういったことも考えながら、今、治療も受けられていない潜在の方々にどのような形でアプローチをして、対応をしていくのかということについて、眼科の先生方たちと、また議論ができていけばいいなと私は思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。この成分のスイッチOTC化につきまして、御意見をお願いします。外園参考人。
○外園参考人 御意見ありがとうございます。まず、これは、シェーグレン性で効かない患者さんに使うことを考慮するもので、それを見分けられるのが眼科ということになります。涙液層破壊時間を見て、そのパターンを見て、層別解析をするということはまだ十分に普及しておりません。ですので、日本眼科学会の中でも、また、教育的なセミナーなどをやっている段階ですので、眼科の先生がみんな理解しているとは言えない中で、いい形で広まってきているのです。ドライアイの研究は、ドライアイの診療ガイドライン100ページは、それは眼科の研究者が非常に苦労してまとめたもので、それが普及している途中、OTCで使われてしまうとぐちゃぐちゃになると。要するに、車の運転はできる。車でどこでも行ってくださいという中で、交通整理しないでどうするんだという話になりますので、日本眼科学会といたしましては、これは反対でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、個別に、御意見をお聞きしたいと思います。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。今、お話しになったように、ファーストラインで使っているのではなくて、セカンドチョイスの中で、診断がある程度ついた中で使っているからこそ、日本OTC医薬品協会が出された資料のような安全性の解析データができているわけです。だから、仮に、診断もつかない場合のファーストチョイスで使ったときの副作用報告では、前提条件が全く異なってくることを理解しなければいけません。この安全性の数値を出して、それを基に議論すること自体がおかしな話であることをということを私たちは理解しながら、この報告を読んでいかなければいけません。先ほど、外園参考人がおっしゃったように、専門の医師による診断と治療がされている状況の中で調査をして、このくらいの副作用です。ファーストラインで使った場合と、医師が診断して使った場合では全く異なります。医薬品に関する情報とはそういうものであることをきちんと理解して、この記述は誤ったものであると認識すべきではないかと思っております。以上です。
○笠貫座長 富永構成員、どうぞ。
○富永構成員 日本薬剤師会、富永です。今、外園参考人がおっしゃったように、実際、ドライアイと診断された患者さんが薬局にいらして、それまでヒアレインを点眼していて、これでは効かないと。それで、倍量にするとか濃度を上げるとかいう話になると、浸透圧が上がって、また目に悪い影響がある。そこで、このジクアスが重ねて出されるというのはよく理解できます。我々が、例えば目がかすむとか痛いとか、発赤した、ごろごろするとか、違和感があるとか、そういうときに眼科への受診勧奨をします。診断の結果として、初めてドライアイの診断を受けるということがよくあります。本人の自覚なしにドライアイになっていた。それで、先ほど言ったような療法に移っていくということで、結構改善はされるのです。でも、1日6回点眼してくださいとか、点眼時の刺激感があるとか、そこで脱落する患者さんもいらっしゃるというのが現状だということです。これは、スイッチOTC化の賛否は別にして現場で起こっていることではあります。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。今日は、厳しい意見をたくさんいただいておりますが、私が申し上げたかったことは、診療ガイドラインもつぶさに読みますと、ドライアイ、つまり、目がかゆかったり乾燥していたりするということで、診療ガイドラインにも書いてございますが、目薬を使い始める。大体ヒアレインが多いと思います。そういったところで、どうもうまくないときに行かれているというときに、そういう意味では眼科に行かれた場合には、ファーストチョイスもかなりおられるのではないかと思います。先ほど、ほかのテーマのときに、湯浅参考人から、医師が必ずしも適切に使ってないからどうだというようなお話もありましたが、私は、ある程度安全に使えるものであれば、しかも、一定のサブタイプ分けが必ずしもはっきりしていないのであれば、こういった選択肢も示すことによって、先ほどから私が申し上げている潜在の患者さん、全く何もしてなくて眼科にたどり着いてもいないような方が、1,000万人単位でおられるような場合については、今の眼科医の中でどう整理するかも大事だと思いますけれども、ほかのアプローチも考えていかないと、この残った1,000万人の方々をどうしていくのかと、こういった問題についての答えはなかなか出ないのではないかと私は思いますので、私としては、先ほどの賛成の立場は変えませんし、また、当然、この場は可否を決める場ではありませんので、外園参考人の言っているコメントが私は理解できないわけでもありませんし、真っ当な臨床医としての御判断だと思いますが、そういったことについても、どう対応していくのかということも含めて、この場では論点を出して、次のステージに行っていただきたいなと私は思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。松野構成員、お願いします。
○松野構成員 先生方のそのような御意見を聞いて、大変勉強になっております。ただ、私が薬剤師として現場で感じるのは、ジクアスをずっと継続して使っていらっしゃる、長い間で使っていらっしゃる患者さんが多くいらっしゃると思いますので、もし、これをスイッチOTC化できるのであれば、先ほど、別の医薬品のほうでもあったと思うのですけれども、今まで経験されている、ずっと使っていらっしゃる方が、スイッチOTC化されたジクアスを店舗で求めて、継続して使っていけるということができれば、そうすれば、先ほど磯部構成員がおっしゃっているように、2,000万人以上いらっしゃる、必要な治療が受けられる環境のほうに結びついていくと思いますので、そういう意味で、薬剤師がそこに貢献できるのではないかなと思いますので、そういう点も考えていただければと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。外園参考人お願いします。
○外園参考人 最後に一言。1,000万人がみんなジクアスが要るわけではないのです。必要なのに届いていない人もいれば、必要ないのに入れてしまう人まで出てきてしまうと、そこを懸念いたします。ジクアスではなくて、ヒアルロン酸だけでいい人のほうがはるかに多いのではないかなと、そう思います。あと、慢性疾患ですので、高血圧とか糖尿病と一緒で、ずっと処方を続けるのは当たり前のことで、だから要らないという理屈にはなりません。私は、ドライアイの診療がぐちゃぐちゃになることを懸念いたします。
○笠貫座長 ほかにありませんか。それでは、日本眼科医会、日本眼科学会、それに対しての日本OTC医薬品協会からの御意見をお聞きしました。その中で、課題と対応策を考える際には、現在の1,000万人の潜在患者をどう捉えるかについても、消費者・国民目線と医学・医師側からの目線は、それぞれ違った観点も当然あってしかるべきだろうと思います。そういう意味で整理をしていくことになるかと思います。いずれにしろ、具体的な対応策として、一度診断された方という形で進めていくことも一つの方法かと感じますが、そでを含めて、今日いただいた御意見をこの方向性でまとめていただきたいと思います。
ここでは議決をとることではありませんが、本成分から前回合意したスキームでの運用になるため、パブリックコメント及び2回目の評価検討会議で議論するかは、必要に応じということになっています。そういう意味で、本成分について必要と言う方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いできたらと思います。日本OTC医薬品協会側と日本眼科学会側との意見について、皆さんがどう考えるか、パブリックコメントという形で皆さんの御意見をお聞きするということは、国民消費者のリテラシーを上げるという意味でも大事なことかと思います。どうでしょうか。必要と考える方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いします。必要なしと考える方も挙手をお願いします。いかがでしょうか。必要なしという方もいらっしゃらない。必要あるという方は3名しかいなかったということですが、皆さんいろいろなお考えがあるのだろうと思います。そういう場合には、座長として基本的にはパブリックコメントをして、もう一度議論すべきだろうと思いますが、異論がございますか。
○堀構成員 すみません、座長。ありがとうございます。私は、前回の評価検討会議における検討の進め方が変更したことによって、まず最初にこのパブリックコメント、つまり、今回で言いますと、候補成分のスイッチOTC化に関する御意見などについてということで、国民から意見を募ったことは非常によかったことだと思っております。こういうところから私たちも気づくことが非常にあると思いますので、私は、この後の2回目のパブリックコメントを募集することは非常に必要ではないかと思っております。以上です。
○笠貫座長 必要だと座長として判断させていただきまして、進めたいと思います。
○渡邊構成員 すみません、渡邊ですが、ちょっと画面が映らないのですけれども、賛成でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局で検討会議結果案を作成し、構成員の先生方に御確認いただき、パブリックコメントを行い、さらにパブリックコメントを整理して、皆さんに確認するということですね。
○事務局 事務局でございます。前回から新しいフローに変わっているのですけれども、これについては2回目を行うということなので、今までと全く同じように、今回取りまとめたものを見ていただいて、それをパブリックコメントにかけるということにしたいと思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、レバミピドについて、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。レバミピドについて、御説明をいたします。
61ページ、資料8-1を御覧ください。レバミピドのスイッチOTC化した際の効能・効果は、「眼の乾燥感、異物感」です。対応する医療用医薬品はムコスタ点眼液UD2%でございまして、効能・効果はドライアイです。要望者は、本成分の主な要望理由として、長期で使用しても特段の問題が感じられないからを挙げています。
62ページ御覧ください。ムコスタ点眼液UD2%は2011年に承認され、再審査結果は2019年に通知されておりまして、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されてございます。
63ページ御覧ください。安全性に関する情報です。本剤は禁忌に、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されております。また、重大な副作用として、涙道閉塞及び涙嚢炎が、高頻度の副作用として苦味が設定されています。
64ページを御覧ください。推定使用者数等として、日本におけるドライアイ患者数は2,200万人いると言われ、また増加傾向にあるとなっております。次に、同種同効薬についてです。同様の効能・効果を持つ点眼薬として、精製ヒアルロン酸ナトリウムがスイッチOTC化されております。
65ページ御覧ください。海外での承認状況について、本成分は海外で一般用医薬品及び医療用医薬品いずれも承認されておりません。
70ページ、資料8-2を御覧ください。日本眼科学会、日本眼科医会、日本OTC医薬品協会から、それぞれ見解が提出されてございますので、御紹介をいたします。まず、日本眼科学会の見解を紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、ドライアイの病型は多様であり、薬剤を選択するに当たっては眼科医による眼所見の確認と的確な診断が重要であること、ドライアイは慢性疾患であるため、薬剤を継続して使用することになり、眼科医による継続的な経過観察が必要であること、ドライアイに類似する症状をきたす眼疾患が多くあるため、適正使用のためには眼科医による的確な診断が必要であること、自己診断での使用による、不要な点眼や他疾患の見落とし等が懸念されること、との御意見をいただいてございます。
72ページ御覧ください。次に、日本眼科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、懸濁液であることから、点眼時に霧視があること、本剤は「涙液異常に伴う角血膜上皮障害は認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること」とされていること、目の乾き、異物感はドライアイ以外でも広く見られる症状であり、また、レバミピド点眼液の副作用としても報告されているため、医師の診察なしに使用された場合、疾患の発見が遅れ、中間秀光体に混濁が残ることにより、恒久的な視力障害を生じる可能性が強く危惧されること、ドライアイには複数の型があり、その病態には角結膜上皮・眼瞼の異常が密接に関わっていることが知られているため、原因に基づいて適切な点眼が選択される必要があるが、その決定には必要な検査と医師の診察が不可欠であること、との御意見をいただいてございます。
85ページ御覧ください。日本OTC医薬品協会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については賛成との御意見をいただいております。その根拠として再審査報告書において、予測できない副作用で本剤との関連性が明確な症例の集積はないこと、同様の使われ方を期待する「精製ヒアルロン酸ナトリウム」のスイッチOTC化された際の効能・効果と本成分の効能・効果も同様の症状であることから、セルフメディケーションの選択肢の一つとなり得ること、精製ヒアルロン酸ナトリウムは第2類医薬品に分類されていることから、本成分がヒアレインSと同様の症状に対してスイッチ化されても、適正に使用できると考えられること、との御意見をいただいてございます。
87ページ、資料8-3を御覧ください。御意見募集において寄せられた御意見について、簡単に御紹介いたします。19件はスイッチ化に賛成との御意見でしたが、5件は反対との御意見でした。特に取り上げるべきと考えられる御意見として、苦味の副作用があることを強調し、液滴が鼻腔や口腔に入らないように、適切な手技にて点眼する旨の注意書きが必要であるとの御意見がありました。また、本成分については、評価検討会議への企業出席要件が満たされなかったため企業の出席はございません。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、日本眼科学会からの見解について、外園参考人から補足をお願いします。
○外園参考人 先ほどの話ともつながってきますが、使い分けが診察なしでは、まず無理ということがあります。2つ目に、副作用が出る薬剤であると。先ほどのジクアホソルナトリウムは、しみたり、目やにが出たりですが、これは見えにくくなったり、苦いという作用がございますので、それが分かった上で、必要な方に処方していると。必要な方に処方していると、副作用が少ないからスイッチOTC化ということではないということで、非常にきめ細やかなドライアイ診療ができているのが実態であるのもかかわらず、副作用が少ないからスイッチOTC化というのは違うと考えております。副作用はあるということです。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本眼科医会の見解について、原構成員からお願いします。
○原構成員 今、外園参考人がお話になったとおりですけれども、ヒアレインSと違って、我々眼科医からしても、決してファーストタッチで使う薬ではないと考えております。なぜなら、ヒアレインのレジクラスを使って、それでも駄目なときには使うという目のお薬として、我々は捉えています。というのは、書いてありますとおり、懸濁液でありますので、使い心地が悪いというのが1つ。それから、さっきと違って、涙道閉塞とかでMRIの文献を付けさせていただいておりますけれども、こういったことには十分注意する必要があるということで、我々は、患者さんには決してヒアレインとは同列には考えて使っていないという現状がありますので、それも含めて反対ということで、意見を出させていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会からの見解について、磯部構成員にお願いします。
○磯部構成員 日本OTC医薬品協会、磯部でございます。これについて賛成ということでございます。ただ、先ほどのジクアホソルナトリウムに比べますと、今、外園参考人、原構成員からお話があったように、実際の涙嚢炎、涙道閉塞の症例が多いと。これは懸濁剤なので、懸濁している薬剤が詰まっているのではないかという指摘もあるのですが、必ずしもそれが検出されないけれども、そういうような症状が起こると。最終的には、本当に何が原因なのかはよく分からないのですが、ちょうど涙が流れていく先のところが詰まったり炎症を起こしたりしてしまうので、それについては、そこを、実際にパイプを通して流すようにするとか、一旦、この薬の投与をやめて、外科的な治療もするというようなことになっているということでございます。その関係の症例が出たことによりまして、本剤については、承認後、添付文書の改定が行われまして、重要な基本的注意に、涙嚢炎や涙道閉塞に注意せよと、そういう状況があったら、投与を中止して、適切な処置をするということが入っております。これまでもそういった症例が、全部合わせますと300例以上出ているということもございますので、私としては、何とかうまく使っていけるのではないかという部分はありますが、先ほどのジクアスのものに比べますと、この安全性の部分をかなりケアをしながらやらなければいけないということがありますので、先ほどのものより少し難しさが残っている薬だと理解をした上で、賛成という意見をさせていただいております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、この成分のスイッチOTC化について、御意見をいただきたいと思います。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。今、磯部構成員の御意見を聞きますと、やはり安全性の面において100%オーケーという形ではないということ。それから、今おっしゃっていたように、例えば点眼後、一時的に目がかすむという懸濁性があるということ、それから、重大の副作用として、涙道閉塞や涙嚢炎が考えられるということ。あと、苦味を感じるということ。それらのことを、例えばファーストタッチの患者様に説明をする。つまり、消費者に薬局が説明するのは、非常に時間もかかりますし、かなり大変ではないかなと思いました。やはりこれは非常に難しいのではないかということは消費者側から感じた次第です。あと一点ちょっと質問させていただきたいのですけれども、日本眼科医会の見解で、原構成員にお願いしたいのですが、このスイッチOTC化の妥当性、101ページ分の72ページを拝見しておりますと、コンタクトレンズの種類によっては、懸濁性があるために吸着することがあるということが心配と書かれていたのですけれども、これはどのようなコンタクトレンズが吸着する可能性があるとか、教えていただけたらありがたいです。私ども消費者ですと、2ウィークの使い捨てコンタクトレンズを使っている方もいらっしゃる場合、この懸濁性があることで、2ウィークで、果たしてそれがずっと使い続けるかどうかということもちょっと一つ不安だしたので、教えていいただけたらありがたいです。
○原構成員 ありがとうございます。これは、御指摘のとおり、懸濁液でありますので、例えばワンデイであれば毎日使い捨てにしてしまうので、それほど問題はないと思うのですが、2ウィークであると、濁った粉みたいな成分がコンタクトレンズ自体についてしまって、コンタクトレンズが濁ってしまうということが起こる可能性がありますので、これもちょっと続くといっても、コンタクトレンズの種類にいっぱい素材があるものですから、この種類が駄目というのは、ちょっとなかなか一言で説明ができないのですけれども、一般には、2ウィークに関しては避けたほうがいいと思っています。こちらでよろしいでしょうか。
○堀構成員 どうもありがとうございました。大変参考になりました。以上です。
○笠貫座長 渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 点眼薬の形状をお伝えいたします。こちらの点眼薬は細い使い捨てプラスチック点眼容器に入っていまして、1本は0.35mLで、1箱112本、28本入りが4つという形入っていて、遮光性が求められます。それをどれだけ消費者の方がきちんとやっていけるか、私たち薬局で渡すときにもかなり丁寧に御説明しながら、眼科の処方を受けたときにはお渡しするようにしていますが、結構かさばるのですね。そんな困難もありまして、今後、どういうふうにOTCを販売していけるか、私も悩ましいところでございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 堀構成員から私のコメントを少しレスポンスしていただいて、ありがとうございます。私も、ちょっとそこまで調べ切れなかったのですが、先ほど、重篤な症例300例ぐらい今まで報告されているということを申し上げました。添付文書改訂のときの涙嚢炎と涙道閉塞を重大な副作用として入れたときの代表症例が、どれも70代の方なのですね。どうしても年がいきますと、涙道が狭くなって、そういう方が非常に多くなってきていると思うので、こういった副作用を起こしやすいのではないかと思うのですが、若い方でも起こるのかとか、そこら辺は、ある程度年齢層が、この年齢層が出るけれども、もう少し若い人はそうでもないのであれば、もう少しスイッチOTC化の議論もしやすいかなと思うのですけれども、ちょっと私もそこまで知識がなくて、副作用の全症例をレビューできなかったので、少なくとも添付文書改訂のときの代表症例は、3症例挙がっていまして、全部女性の70代だったのですね。そういう方に起こったということなので、そこら辺の区分けができてくると、もう少し考える余地が出てくるのかなと思ってございます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○外園参考人 返答させてもらってよろしいですか。
○笠貫座長 どうぞ、外園参考人先生。
○外園参考人 日本眼科医会からつけていただいた参考資料の3ページにある写真が真ん中辺にあるのですけれども、涙嚢炎の中に薬物の結晶のようなものができてしまうのです。ですので、高齢の方がたまたま発症する涙嚢炎とか涙道閉塞とかとは全く違いまして、涙道を使って行った薬剤、要するに懸濁液、水分が溶けないものが涙道の中で固まってしまうような、これが涙嚢炎の副作用ですので、たまたま起こる涙嚢炎とは全く質が違います。 高齢の女性にドライアイが多いから、副作用症例が女性ということであって、使うと一定頻度で起こってくる。これは摘出しないといけないということが問題ですので、分かりやすい図としては、参考資料の3ページの真ん中の写真の白いところ、これが結晶物となります。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 今のお話を聞く限り、様々な限界が見えてきたように思います。何が限界かというと、磯部構成員は、多方面のお薬についてお話しされるわけですけれども、この評価検討会議に申請企業が、十分な資料を持って出席するということが非常に重要なので、座長にお願いしたいのは、申請企業が自ら出てきて、スイッチOTC化の必要性や、どのように国民に寄与するのかということも含めて、お話しされるのが妥当ではないかと思います。日本OTC医薬品協会が矢面に立って会員企業を守ることも結構ですが、護送船団方式にする必要はないので、個々の企業の在り方も含めて、ここで議論されることが重要です。磯部構成員いろいろは様々な知識を持たれているとは思いますけれどもオールマイティというわけにもいかず、企業の主張を代弁しているのでなければ、できる限り企業が出席して構成員の御質問に対して直接お答えするのが、この評価検討会議の趣旨に沿う近いのではないかと思います。一生懸命やっている企業を逆に守るためにも、企業が出てきて御説明されるのが私は妥当だと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。逆に言うと、今回は、私の理解は必ずしも企業の方が要望しているのかどうかがはっきりしないというところなのだろうと思います。現実に、そういう場合は、ここで、私もこのために大分何時間も勉強しており、審査報告書から再審査報告書から、添付文書から副作用報告から、診療ガイドラインまでいろいろなものを見て、外園参考人から大変御指摘もいただきましたけれども、実際それが、申請企業がいれば、それを踏まえてどうするのかというふうにつながっていくので、まさしく宮川構成員のお話につながっていくのですが、そうでない場合は、この意見、この議論がどういうふうに現実に反映できていくのかということもあるので、私としては、なるべく企業の方の意見もあり、私なりにどういうふうに考えるかという意見もあり、宮川構成員がおっしゃってくれたように、そういうほうがより意味のある議論になると思うので、個人の方からの要望と思われるものを本当にどうしていくのかということについては、今後、事務局サイドでも少し考えていただいて、取扱いをどうしていくのかということについて、ぜひ御検討いただければありがたいなと思います。
○医薬品審査管理課長 事務局でございますけれども、確かに、今回の件はどうかということではありませんけれども、我々としては、個人の方からももちろん受け止めるわけです。ただ、それが、実際、個人の方と言いながら、実際、企業の方なのかもしれませんけれども、全く開発の予定もなくてということだとすると、学会・医会の先生方にいろいろな意見を聞くのも大変かなと、御迷惑をかけるかなというのも若干ありまして、どうしても我々の作業の量もありますけれども、そこは整理をさせていただきたいなと思っています。
○宮川構成員 宮川です。そこを私は危惧したわけですけれども、開発をしたいという企業がないのに、各構成員も、学会・医会の先生も含めて、これは何のためにやっている会議なんですかということになるわけですね。開発意欲のある企業があったらば、それを助けるためにどうすべきか、国民への影響を含めて、検討をすべきであり、またパブリックコメントを求めていくということも必要となってきます。しかしながら、開発計画が無い又は開発が不可能にもかかわらず、ここで検討することに意味があるのかということを、私は申し上げています。ですから、当該企業がなければ議論の俎上に上げるのは難しいという判断になるのではないかと思います。私たち構成員や専門家の先生方がこれだけの時間を使って議論するというのはおかしいとなってしまうのではないかなと思います。開発意欲のある企業が出てきたときに、検討していくのがよろしいのではないかなと思った次第です。以上です。
○笠貫座長 御指摘のように、今回の場合は、個人の方から出たのか、まだ分からないのですね。申請企業が出ていなくても、緊急避妊薬のように、個人から出たものが社会を動かし、それを必要とする方々に前向きな進み方ができているというケースもあると思います。しかし、今度の場合は、どういう過程で要望され、この議題に出てきたのか把握ができていないところがあります。宮川構成員のご指摘のように、あらかじめ事務局でチェックができないのかということを踏まえて、少なくとも議題に上げないときには、座長が見させていただくようにしたいと思います。できるだけ事務局と座長のほうで、入り口をどのようにするかは、落とし穴であったかもしれないと思いますので、これはスキームとして検討させていただくことにしたいと思います。どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。今、座長におまとめ頂いたわけですけれども、緊急避妊薬とて、やはり国民がそれだけ望んでいるのであれば、責任を持てる企業に開発していただきたいと思います。評価検討会議の中で、どのようにしていったらいいのか、どういう立てつけになっていったらいいのかという議論は、企業も交えて十分にやっていくべきだろうと私も思います。そういう企業があるのであれば、最初から手を挙げていただいて、国民の期待に応えられるようなOTCとなるように、販売制度もイメージしながら検討していかないと、スイッチOTC化はなかなか進んでいかないと思います。現状のままでは育薬を見据えたスイッチOTC化にならないと思います。これは緊急避妊薬とても同じだろうと私は思っております。
○笠貫座長 医薬品・医療機器でも、医療ニーズの高い医薬品・医療機器等の早期導入に関する評価検討会議があり、日本の企業がなかなか出ない場合には、厚生労働省から国内企業を探していくというケースもあります。いろいろなケースを考えながら、最終的には、患者、そして、OTCに対しても、ニーズの高い人たちにどのように届けていけるのかということを考えていくのも使命だと思いますし、この評価検討会議では、OTCをどう考えるかということになるのだろうと思います。非常に大切なお話がまた出ましたことを、この評価検討会議としては非常に意義があったと思います。それでは、この成分についてパブリックコメント及び2回目の評価検討会議の議論が必要かについて皆さんに御意見をいただきたいのですが、その前に。
○宗林構成員 すみません。ずっと手を挙げていたのですけれども。
○笠貫座長 気がつきませんでした。
○宗林構成員 座長がまとめていただいたので、追加でという。座長のお話の前に手を挙げていたので、実は、宮川構成員のおっしゃることももっともなのですが、この評価検討会議自体は、消費者の利便性、そして、安全性に関しては、専門家からの意見をいただきながら、スイッチOTC化することとして妥当性があるのを推進していくために検討する会議だと思っていますので、今、座長からも緊急避妊薬の話が出ましたけれども、閣議決定もされ、消費者からも望まれ、やはり必要だということで、そのときには、承認申請が出ていなかったのかもしれませんけれども、医療用医薬品としてはつくっているところあるものにスイッチOTC化ということでありますので速やかな対応ができると思います。場合によっては、個人から出たというようなものであっても、もともと同成分の医療用医薬品をつくっているところは有識者がいるわけなので、そういった方に今専門家あるいは関係するもともとつくっている製造販売業者にお答えもいただくという形での出席になるかと思っていましたので、企業がどこまでを指すのか質問していたところです。
○笠貫座長 時間が大分押してまいりましたので、この成分についてパブリックコメントが必要かどうかについて御意見を聞きたいと思います。必要なしという方が6名いらっしゃいます。必要という人は、お一人でよろしいですか。では、この成分については必要なしと判断させていただきます。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局でこの検討会議結果案を作成し、再び、構成員の先生方に御確認をいただくということで進めさせていただきます。この2つの成分については、ドライアイの患者さんが非常に多いことが大前提にあり、医療側からは、きちんと診断をしないといけないという意見があると思いますが、その中で、患者さんが多くて、1,000万の人が診られていないという状況にあるときに、受診をしていない人たちへの対応策をどう考えていくことが大事と思いました。ムコスタのほうは安全性に問題あり、ヒアルロン酸の後にはジクアスという考え方もあるとのこと。一方、医学的には危険だというお考えがあったと思います。そうすると、国民サイドで考えたときに、1,000万の人たちにどのように医療側から情報を提供して、その人たちへの対応の仕方を示すことも非常に大事になると思います。眼科の専門医あるいは専門医以外に、かかりつけ医機能を持つ人たちが、どう対応していくのかということを踏まえて、これは医療提供体制側の問題としても考えていただきたいと思います。そういう意味で、ジクアスの前の点眼薬についてのパブリックコメントでは、国民の人たちがどうお考えになるかということについてぜひ御意見をいただきたいと思いました。今日の議題は以上ですね。事務局から何かありましたら、お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。時間長過しているところ、申し訳ございません。緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗について、簡単に御報告をさせていただきます。
95ページ、資料9を御覧ください。緊急避妊薬のスイッチOTC化については、平成29年及び令和3年から5年にかけて議論された結果を踏まえ、令和5年11月よりモデル的調査研究事業を実施してございます。
96ページ御覧ください。令和5年11月末から令和6年1月末までのモデル的調査研究事業では、都道府県により販売個数にばらつきがあり、特に販売個数が少ない地域では地域の実情に見合った対応等を考察することが困難なこと、薬剤師が販売の可否を判断するために使用する資料において、既に購入希望者が妊娠をしている可能性の判断に係る項目に改善の余地があること、購入者の85%において、避妊の正比が確実に判断できる3~5週間後に産婦人科医を受診していないこと、が課題として挙げられてございます。
98ページ御覧ください。これらの点に対して、各地域における研究協力薬局数を増やす、「妊娠の可能性」に関する聞き取り項目・説明項目を中心に、薬剤師向け資料を改訂する、購入者全員に対して、服用後3週間を目途に、産婦人科医を受診するか、あるいは妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を確認するよう指導を徹底する、販売する薬剤師に対して、「妊娠の可能性」についてより理解を深めるための追加的な研修を実施する、販売する薬剤師と連携する産婦人科医の顔の見える環境を構築すべく、改めて書面等を用いて連携体制の確認をする、これらの対応をしまして、令和6年9月末より新たな研究計画にて、モデル的調査研究事業を実施してございます。
99ページ御覧ください。令和5年11月末より実施をしております先ほどの調査研究事業とは別に、厚生労働科学特別研究事業として「緊急避妊薬の薬局販売に備えた薬剤師研修用資材の作成」をしてございます。これは、日本産婦人科医会、日本薬剤師会及び薬剤師研修センターの御協力を得て、緊急避妊薬がスイッチOTC化された場合に備え、薬剤師が受講する研修を作成するものですが、実際にスイッチ化の際に研修を義務づけるかどうかは現時点では未定でございます。なお、作成に当たっては、令和5年度研究事業結果で得られた課題を踏まえ、内容を検討してございます。
100ページ御覧ください。令和6年度モデル的調査研究事業においては、令和7年1月末販売分までのデータに基づく報告がなされる予定となっております。また、令和7年度以降のモデル的調査研究事業の実施については、現時点では未定となっておりますけれども、継続を見据えて政府予算案の中には盛り込んでございます。
101ページ御覧ください。過去の評価検討会議において、緊急避妊薬のスイッチOTC化の課題とされた「一定期間後、要指導医薬品から一般用医薬品に自動的に移行しない制度を創設する必要があるのではないか」との御指摘に関する状況について御説明いたします。本指摘については、薬機法の改正が必要となるため、昨年、医薬品医療機器制度部会において議論をしており、その際の資料がこちらにお示しをしたものでございます。この中で、下の2ポツ目ですけれども、医薬品の特性に応じ、必要な場合には、一般用医薬品に移行しないことを可能とすることを掲げていただいており、現在、この方向で法改正に向けた検討を進めているところでございます。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ただいまの御説明に御質問ございますか。平野構成員、どうぞ。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。この調査研究事業は、1つ目は、当然、安全性の担保ということが大きな目的にあるわけですが、一方で、利用者の課題とかニーズを探るという側面もあるかと思います。その中で、私、非常に違和感を覚えていますのが、6ページですけれども、来局時期及び曜日については大きなばらつきは見られない。おおむね9時から19時に集中という記述があるわけですが、利用者はホームページ等で営業時間を確かめたり、事前に薬局に電話をかけたりしてから薬局に行くため、一般的な調剤薬局が閉店している時間帯や曜日では、夜遅くや曜日を問わず営業しているドラッグスストア併設薬局に来局が偏っている可能性がある。全ての薬局を足すとこのような平坦なデータになるので、薬局の属性も解析要因に入れた方がよいのではないか。あるいは、利用者の属性の観点で、本剤の販売対象は女性であるものの、男性からの相談があるのであれば、その中にひょっとすると隠れたニーズがあるかもしれないので、そのような内容を解析するのが良いのではないか。あるいは、今、非常に店舗数が限られているがために、遠方から来ている方もいるかもしれないのですね。そういう利用者の分布を見てみると、実際、どんなニーズがあるのかということがもう少し見えてくるのではないのかなと思います。そういったせっかくの調査ですので、本当にその利用者の姿を見られるようなものにしていただければと願うところです。
○医薬品審査管理課長 御意見どうもありがとうございます。この調査に関して言いますと、如何にして適正使用を確保するかという目的で調査をしているわけですが、店舗ごとの属性を分類しているわけではありません。また、通常の9時から19時に集中しているというのは、これは一応24時間受け付けるという前提のもとの方で解析をしたということになります。プロトコールが以上のようになっていることから、そういう解析をした結果ということを報告しているということになっているということであります。それから、どこをどのように調査をするかということに関して言いますと、それは調査可能ではありますけれども、どれだけどのように調査をすることは、調査対象にも業務量をかけるかということに比例するわけでありまして、調査の精度とは反比例することになります。一方、今回に関して言いますと、2月以降の調査については、困った事例があったら、それをより深掘りしていこうということで、御指摘については、一定程度は調査結果が明らかになるものと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員。
○堀構成員 すみません、磯部構成員、お先に失礼いたします。私からの質問ですけれども、8ページ、101ページ分の98ページの研究計画変更のところの2ポツ目です。購入者全員に対し、服用後3週間をめどに、妊娠の有無を確認するよう徹底と書いてあります。「徹底」と書いてあって、受診又は検査薬と書いてあるのですけれども、これは受診を促すように徹底する又はこの検査薬というのを購入させるという徹底という理解でよろしいでしょうか。質問させていただきます。
○笠貫座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。今の御質問の点について、プロトコールを改訂する前から、受診については、3週間後に行ってくださいねということで御案内をしているところでございまして、それについては、引き続き、そのようにお願いをするというのと、検査薬については、やはり3週間後に戻って来ていただける方、産婦人科医に行っていただける方が14%程度にとどまることも踏まえまして、もし、妊娠検査薬を自宅にお持ちであれば、買っていただく必要はないのですけれども、持っていない、そして、3週間後に産婦人科医にもどうしても行きたくないということが販売時に確認ができれば、それは妊娠検査薬ももしよければ一緒に御購入いただけませんかといった形で案内をするということをしてございます。
○堀構成員 よろしいでしょうか。
○笠貫座長 堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 私としましては、検査薬を購入させるように薬局で勧めていただけたら非常にありがたいなと感じました。私からの意見です。以上です。
○笠貫座長 磯部構成員どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会、磯部でございます。1つが、前から申し上げているのですが、6ページの薬局の要件ですが、夜間及び土・日・祝日の対応、あとは個室導入するということで、この点はなるべく柔軟にぜひやってもらいたいなと思います。この問題は、前のときにも申し上げたのですが、今現在、婦人科クリニックが全国で3,200ぐらいで、どちらかというと違う部分でかなり努力されておられて、こちらのほうが、土・日の対応も含めて、なかなかアクセス・拠点として、数的になかなか限られているということが一つのポイントになっていて、私が申し上げた、実際に緊急避妊薬をOTC化した場合には、でき得れば2万軒ぐらいの薬局で扱っていただくと、必要な方の手に届くのではないかと思っております。夜間及び土・日・祝日の対応ということに関しても、実際、24時間対応できなければいけないということで、結構勉強されている方もこの要件で入れないとか、個室のこともあるので、できる限り、どういう人がやっていて、その人に寄り添えて、産婦人科の先生とやれるのかとあるので、もう少し実際に緩めたこともぜひ考えてもらいたいなと。あとは、なるべく数も多くしてやっていただきたいと思います。最終的に、いつ、どうするのかということは、あえて聞きませんけれども、ぜひ、早くスイッチOTC化を考えてもらいたいなと思います。それからもう一つが、9ページの日本産婦人科医会のコメントで、令和5年度の調査結果だと、購入者の多くが、服用後の産婦人科受診は見込めないと言っているのですが、現実に、どれぐらい理解して説明していても、こういう結果は出てしまうのではないかと思うので。だから、薬局・薬剤師は駄目なんだ、だからどうだというのは、やめてほしいなと私は思います。実際に、非常に真面目にやっておられる。特に145薬局ですか、私もずっとそういう薬局を見てきましたけれども、かなり真面目に勉強もして、やっておられる方も多いので、こういうことで非難をされるのは、私はどうかなと思っておりますので、そんなことも現場でやっておられる方の気持ちも考えていただきたいなと思います。以上です。
○笠貫座長 事務局、どうぞ。
○医薬品審査管理課長 先ほど24時間対応というのは、相談、対応を含めてということであります。若干間違っていました。それから、磯部構成員について、コメントに一々反応する気は全くないですけれども、1点だけ。日本産婦人科医会のコメントにこう書いてあるのは、101分の97ページに書いてある結果でありまして、販売が、「産婦人科を受診しましたか」と言うのは、「いいえ」が85.6%であります。これが今回の販売です。右側には調剤。これはいわゆる処方箋を受けて調剤した場合も同じように85.7%でありました。この結果について、日本産婦人科医会の先生方とも議論したのは、これはもうこういうものだと、こういう前提のもとにどうあるべきなのかということを考えるべきだというのが日本産婦人科医会の先生方の意見でありました。また、日本産婦人科医会の先生方が言っていたのが、薬剤師の先生方が改善すべきものとして、妊娠の可能性ということに対して、その教育、研修がうまく十分できていないという御指摘があったのと同じような意見でありまして、妊娠をしているかどうかというのをなかなか薬剤師の先生方が分かるかというと、これはかなり微妙だろうということで、そういう前提のもとに、再度、研修をきちんとしっかりやるべきだということを御指摘いただいたので、今回、こういう研修資材をつくったという経緯になっているということであります。以上です。
○笠貫座長 宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 岐阜医療科大学の宗林です。2点ございます。1つは、6ページにはDのところで、近隣の産婦人科医等との連携体制というのが赤字で書いておりますけれども、結果として、使用者側のその後はどうだったのかというのはあるのですが、全容をちょっと細かく見てないので分からないのですが、その販売した薬局と、その近隣の産婦人科医との連携ということについては、どのぐらいのことがきちんとできたのかということをぜひ知りたいと思います。それが1点。もう一点は、今回、いろいろな要件でこの特別な研修を受けた云々でこういうところということで、トライアルから始まっていますけれども、今後、要指導医薬品で止め、そして、説明とか、個室が必要であるとか、そういう難しい薬の承認を下ろしていくという仕組みを、今、構築中であるとすれば、それは薬よってばらばらの違うところというよりは、例えば健康サポート薬局とか、その上の健康サポート薬局でも何かマークがついているところで一律対応する等消費者側も、どこで売っているかがぜひ分かりやすいような形の一律感があったほうがいいかなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。松野構成員、どうぞ。
○松野構成員 日本保険薬局協会の松野です。そもそも数として売られた数が2,181件。そこから様々な課題が見えてきて、改善に努めているという点は評価できるかなと思うのですけれども、それがまた足りないからということで、対象薬局数を増やされた。恐らく、また、そこで様々な課題が出てくると思うのですけれども、そうなってくると、どうしてもどこがゴールなのかというところが見えにくいというところがありますので、そこがある程度データがそろった時点で、必ずそこを評価の終わりとして、だから、そこなどを課題にしながらスイッチOTC化するという方向にぜひ持っていっていただきたいなと思う点が1点。あと、先ほどもあったと思うのですけれども、購入者の多くが、服用後、産婦人科医を受診していない。やはりこれは現実的には、検査薬でチェックするというのが第一段階が妥当だなと思うのですね。その中で、もし妊娠が成立していれば、必ず産婦人科医を受診してくださいという流れのほうが、今後は主流となっていくだろうという点を考えると、その流れも変えていっていただければありがたく思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。この議論はつきませんので短くお願いします。
○富永構成員 もちろんです。日本薬剤師会としては、各都道府県の薬局で手を挙げてもらって、一生懸命この研究事業に取り組んできているわけです。もちろん、日本産婦人科医会ともお話をして、地域の産婦人科を受診するようにということを必ず申し添えております。それで、もし妊娠なさったということが分かれば、必ず地域の産科を受診していただくことを必ず申しておりますので、もっともっと研究事業をやれというなら、一生懸命やりますけれども、これだけやって、まだやるのかという意見もあるということは御理解いただきたい。
○笠貫座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 2つ。1つは、宗林構成員と全く同じことを思ったのですけれども、近隣の産婦人科医等との連携体制という課題が上がっていて、服用後に、産婦人科医を受診したことをもって、連携があるかないかを見ているのだろうかという疑問を持ちました。事後に受診をしていただくことのみが連携ではなく、日頃からの相談であるとか、そういったことをしていただきたいわけで、地域の中の薬局は、専門医療機関ときちんと協力して地域の患者さんなり利用者さんなりのサポートができる体制を作っていただきたいので、そういう連携体制が見えるようにしていただきたいというのが1点です。もう一点は、いつまでこの調査をするのかという感じはやはりあると思いますので、期限を切って、OTCにしていくということを考えていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。事務局から答えはありますか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。宗林構成員、佐藤構成員からいただいている連携について、具体的にどのようなことという御指摘をいただいていましたけれども、具体的には、販売をするときに、何かあったらこの先生のところに行ってくださいという紙を一緒に購入者の方にお渡しをしています。その先生のところときちんと連携をとっておいてくださいということになっています。そのときは、協力薬局と実際にその医療機関との間で紙を交換していただきまして、そのような形でちゃんと顔の見える関係を、お互いに信頼関係を構築していただいているという状況でございます。以上です。
○笠貫座長 それでは、時間を切って申し訳なかったのですが、令和5年度報告書については、この評価検討会議で一度きちんと議論したいと思っています。2017年に緊急避妊薬をこの評価検討会議で検討を始めてから、のべ7年間9回の会議において議論してきました。この緊急避妊薬については、消費者の立場、薬局の立場、専門医の立場、そして、かかりつけ医の立場も含めて、さらに性暴力支援センター、行政も含めて、日本全体として、性教育のあり方を含めて現状を俯瞰した上で、十分に議論してきたと思っています。そういう意味で、多くの望まない妊娠で悩む方々、あるいは性暴力を受けた方、その方たちに私どもがどのように対応できるのかについて真剣に考えてきたこの評価検討会議の座長として、ぜひ、この初年度の報告書について皆様と議論をしたいと思っています。そして、2年間にわたる調査として、どこまで続けるべきなのか、どこにそれを要望して、ニーズとして求めている方々に対して、我々が応えることができるのか考えたいと思います。「骨太の方針」にも取り上げられ、社会問題としてなったことを踏まえた上で、その問題を提起したこの評価検討会議としての任を果たしたいと思っています。可能であれば、今後出される報告書や本件の結果についてもご報告頂ければと思います。
○事務局 次回の報告書は、昨年と同様に5月前後の見込みになりますので、それらを踏まえて報告いたします。
○笠貫座長 今後、本件をどのように扱うかについては、行政的判断もあるかと思いますし、また、様々なところでの議論があると思います。しかしながら、この評価検討会議としても、一応、端を発している会議でもありますし、可能な限り議論をして行きたいと思います。その上で、それらも踏まえて、今後の対応を検討して頂ければと思います。
○医薬品審査管理課長 分かりました。そこはちょっと考えさせていただきたいと思いますが、この評価検討会議について、その役割も踏まえつつ、この評価検討会議にどういうふうにフィードバックするかということの観点で、座長と御相談させていただければと思います。
○笠貫座長 そのほかに、事務局からお伝えすることはありますか。
○事務局 ありがとうございます。本日も長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。本日は以上となります。次回の評価検討会議ですけれども、先ほどフローの扱いについて御意見をいただきましたが、それとは別の論点で、少しメールで御審議をいただきたい点がございまして、第31回目は、座長とも御相談をさせていただき、メール審議ということで、また、近くメールをお送りさせていただければと思います。その次の評価検討会議については、詳細が決まり次第、御連絡をさしあげます。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○笠貫座長 調査結果のことについては、単独ではなくても、検討する成分が少ないときに、1時間ぐらい議論できる時間を取らせていただくよう検討しいただきけたらと思います。本日は課題に対する新たな対応策についてのカテゴリーを考えていく中で、新たな貴重な御意見をいただいたことを感謝いたしまして、評価検討会議を終わらせていただきます。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
※外園参考人は「エピナスチン塩酸塩」及び「オロパタジン塩酸塩」の議題では参考人ではないものの、座長により事後的に発言が許可された。
○外園参考人 よろしくお願いします。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いします。会議を開催するに当たって注意事項を御説明いたします。Web参加の方が発言される際は、システム上で挙手をいただき座長に指名された後、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上で、お名前をおっしゃっていただき御発言をいただきますようお願いします。また、発言されないときはマイクをミュートにしておいていただきますようお願いします。会議中、接続トラブル等が発生しましたら、会議の途中でも結構ですので、あらかじめお伝えしています事務局の連絡先まで御連絡ください。また、会場参加の方が発言される際には、挙手をしていただき、座長の指名をお待ちいただけますか。それでは、笠貫座長、以降の議事進行をお願いいたします。
○笠貫座長 座長の笠貫です。またよろしくお願いします。それでは、まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。資料につきましては、ペーパーレス化を実施しておりまして、オンライン参加の方におかれましては、事前にお送りしております電子媒体の資料を、会場での参加者におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。タブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付をしております。ほかの資料を画面に表示するには、画面左上のファイルを指で1回軽くタップした上で御覧ください。本日の資料として、ファイルに表示されている上から順に、会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては、資料を1つのPDFファイルとしておりまして、議事次第、配付資料一覧、開催要綱の改正に関する資料として資料1-1及び資料1-2、パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策に関する資料として資料2-1から資料6-2、候補成分のスイッチOTC化に関する資料として資料7-1から資料8-3、緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗に関する資料として資料9となります。また、参考資料は1~3となります。タブレットには、各個別の会議資料及び参考資料を個別資料のフォルダに保存しております。適宜、御活用ください。本日の資料関係の説明は以上となります。御不明な点等ございましたら、事務局までお申しつけください。事務局からは以上となります。
○笠貫座長 ありがとうございます。 それでは、本日の議題に入ります。開催要綱の改正について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。開催要項の改正について御説明いたします。
1ページ、資料1-1を御覧ください。前回の評価検討会議において検討の進め方の変更を御了承いただいたことに伴い、今後、候補成分の議論に際し、希望する場合には、企業及び/又は推薦する専門家が新たに評価検討会議に出席し、意見を述べることができるようになりました。従前は、候補成分の要望者又は申請者は非公表の情報としておりましたが、今後は、企業等が評価検討会議に出席をされる場合にはそれがおのずと開示されることになるため、企業等が評価検討会議に出席する場合に限り、評価検討会議に出席する構成員及び参考人に対して、利益相反の有無を確認し、新たにその結果を公表する規定を開催要綱に追加したいと考えてございます。
3ページ、資料1-2を御覧ください。利益相反の確認方法に際してはこちらの様式を用い、薬事審議会審議参加規程第18条を準用しまして、当該議論により影響を受ける企業(要望・申請企業及び影響企業3社)について、企業ごとに、申告対象期間中で委員等の寄附金・契約金受取り状況を確認しまして、その申告書を評価検討会議の参考資料として厚生労働省ホームページ上で公開することをもって、当該委員等は議論に加わることができるものとしたいと考えております。構成員の先生方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明について御意見・御質問がありましたら、お願いします。いかがでしょうか。お願いします。
○佐藤構成員 ありがとうございます。産経新聞、佐藤です。寄附金・契約金受取申告書についてお伺いします。500万円と、薬事の検討会としては、かなり高額になっておりますが、それについて理由を教えてください。
○笠貫座長 事務局のほうからお願いします。
○事務局 ありがとうございます。薬事審議会規程のほうでも、500万円というところで線を切って対応をしてございまして、それとの並びを取ってその額にしているところでございます。
○佐藤構成員 薬事のほかの審議会・検討会等は、500万円以下の刻みもあったかと思いますけれども。
○事務局 恐らく、競合あるいは影響企業のものだと思うのですけれども、500万円というところの閾値がいいのかなということで、今回設けているものですけれども、それ以外の値のほうがいいのではないかという御意見であれば、それはいただければと思います。
○佐藤構成員 多分、この検討会で、承認するとかしないとかを決定する検討会ではないのでということだと思いますが、そういう理解でいいでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、この場はスイッチOTC化の可否を決める会議でもございませんし、そういう意味でその値がよろしいのかなと考えてございます。
○笠貫座長 ただいまのお答えに対しても、御質問をお願いします。
○宗林構成員 詳細なところの確認ですけれども、この「企業等」と囲ってあるところですが、別に希望を出した企業に限るわけでもなく、または、誰が推薦する専門家ということなのか、どのぐらいまでの範囲。例えば、私は出たいよと言ったら、どの企業も出られるとも読み取れるのですが、少し明確に御説明をお願いします。
○笠貫座長 事務局お願いします。
○事務局 ありがとうございます。今回、参考の1ページ目のところに載せているフローがございますけれども、検討のフローの中で、左上ですと要望が入ってくる、あるいは右上ですと承認・申請から入ってくる。そこで、要望の中では学会・団体・企業あるいは消費者の4つのパターンがありますけれども、この企業が出してきたパターン、あるいは右上はおのずと企業になるのですけれども、その企業が申請を出してきたパターン、これらの場合には、評価検討会議で御議論いただく際に、企業が特に御意見をこの場で伝えたいという御希望があれば、その企業に出ていただくということになります。 あるいは、その企業だけではなくて、関係する専門家の先生にもぜひ入っていただきたいということであれば、その企業が推薦をされる専門家の先生も一緒に入っていただいて、この場でヒアリングをするということを考えてございます。
○宗林構成員 実質そうだと思って聞いているのですが、この文章だけ読むと、申請成分に関与することが明確になっていないので、例えば、申請は直接してないけれども、同じようなものをつくっている企業とか、そういった企業も「等」の中には含まれるということでしょうか。
○笠貫座長 事務局お願いします。
○事務局 ありがとうございます。それは含まれません。あくまで、その要望あるいは承認申請をされた企業がこの場に出てこられるということになります。
○宗林構成員 分かりました。ただ文章だけを見ると、ちょっとその辺が読み切れないなという感じがいたします。以上です。
○笠貫座長 文章については、検討をしていただくということですね。それと、関与する企業の方がお呼びする有識者の方も入るということですね。
○事務局 御理解のとおりです。
○笠貫座長 そのほかにはありますか。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、先ほどの500万円の話も御説明いただいたと思いますので、特にございませんでしたら、「開催要綱の改正」に関して、本日、合意いただきましたので、次回以降は、案のとおりとさせていただきます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策についてです。デキサメタゾンシペシル酸エステルについて、事務局からの説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。デキサメタゾンシペシル酸エステルについて御説明いたします。
4ページ、資料2-1を御覧ください。デキサメタゾンシペシル酸エステルにつきましては、前々回の7月の評価検討会議におきまして一度御検討をいただいており、その内容をまとめた資料がこちらになってございます。
続いて、6ページ、資料2-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた7件の御意見について、いずれもデキサメタゾンシペシル酸エステルのスイッチOTC化については、肯定的な御意見をいただいてございます。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、先ほどの資料の2-1に反映させるべき御意見は特段ないと事務局としては考えてございますけれども、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。パブリックコメントの結果を含めまして、構成員の方々から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。先ほどパブリックコメントから、特段、改めて議論があれば、記載することはないだろうという御意見でしたが、それにつきまして、御意見ありますか。それでは、前回の議論も踏まえて、スイッチOTC化の方向ということでの御意見が多かったと思います。事務局で、検討会議結果案を作成していただき、そちらを構成員の先生方に御確認するという形で進めてもよろしいでしょうか。
○橋本構成員 耳鼻咽喉科の橋本でございます。以前の評価検討会議で、笠貫座長あるいは和田構成員等からも御指摘いただきましたように、鼻腔の粘膜から吸収されるようなバイオアベイラビリティが決して低くない薬剤でございますので、その点はやはり注意深く御配慮いただいて、最終的な結論を導いていただければと思います。以上でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。その点につきましては、使用上の話としても書いてあったと思いますし、薬剤の特性についてもお書きいただき、強調されたと思いますが、ほかにはございますか。よろしいでしょうか。それでは、次に、ツロブテロールについて事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。ツロブテロールについて御説明いたします。
8ページ、資料3-1を御覧ください。ツロブテロールにつきましては、前々回の7月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいておりまして、その内容をまとめた資料がこちらになってございます。
続いて、11ページ、資料3-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた35件の御意見について、簡単に御紹介をいたします。いずれの御意見も、ツロブテロールのスイッチOTC化に対して、肯定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、1つ目、薬剤の特性の項に、ガイドラインに基づく本剤の使用方法に関する御意見を2つ、2つ目、疾患の特性の項に、効能・効果の記載案を2つ、使用期間に関する御意見を1つ、また、小児の使用上の注意に関する御意見を1つ、3つ目として、適正使用の項に、販売規格数に関する御意見を1つ、4つ目として、OTCを取り巻く環境の項に、医療用医薬品にて報告された重篤な副作用報告症例に基づく販売資材の整備方法に関する御意見を1つ、最後、その他の項に、ブルーブックに関する御意見を1つ、計9つの御意見を資料3-1に取り込んでございます。追加した御意見を踏まえまして、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。また、ほかに資料3-1に反映させるべき御意見ございましたら、御意見いただければと思います。 事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ツロブテロールに関わるスイッチOTC化の課題点とその対応策について、個別の御意見がありましたら、お願いします。
○湯浅構成員 ツロブテロールをスイッチOTC化するに際して、気管支喘息患者の使用を、できる限り除外できればという気持ちがございます。薬のパッケージに、気管支喘息が疑われる方は、速やかに医療機関を受診してくださいというような、使用者向けのメッセージを入れることを提案いたします。また、我々は、本成分をスイッチOTC化して販売する場合、対象患者群として急性気管支炎を想定しております。急性気管支炎の症状の中にも「喘鳴」を呈する場合がございますが、「喘鳴」を効能・効果から削除すべきと考えております。喘鳴を呈する疾患は、気管支喘息をはじめ、慢性閉塞性肺疾患、うっ血性心不全や肺がんなど、多岐にわたっており、これを効能・効果に加えることは、これらの疾患を見落とすことにも繋がりかねないと思います。
1回に何日分販売するかについて、できれば短いほうがいいと思いますが、1週間ぐらいであれば許容できるのではないかと思います。要指導医薬品として、本薬を購入して、それを常備薬のような形で取っておいて、購入者以外の家族の人に咳などの症状が出たときに使うようなケースも考えられますので、他のスイッチOTCと同様に、販売する枚数の制限は必要と思います。
最後に、規格ですけれども、最初は、2mgで大人を対象に、医療用医薬品では9歳以上が対象になりますが、1規格で販売し、その後のいろいろな御意見を踏まえ、必要に応じ規格を増やしていくことを考慮すればよいと思います。スイッチOTC化することによって、使用者に不利益が生じるようでは困るわけですから、そういった懸念を、一つ一つ潰していくために、医師の立場として繰り返しお話させていただく必要があると考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員お願いします。
○平野構成員 既にここに書かれていることではあるのですが、実際、OTCの店頭を預かる立場からしまして、買いに来られる方が本当に必死の形相で助けを求めてくる。これがお子さんの高熱と咳なのですよね。これが圧倒的に多い。もちろん先生方おっしゃるように、間違いがない、あるいは分かりやすい表記は当然ですけれども、お子さんに向けてこの薬剤が使えるということによって助かる方が非常に多いんだ。では、そのためにはどうすればいいのかということを主に今後の議論を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、お願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。COMLの堀です。先ほど、湯浅構成員、それから、平野構成員からのお話もあったのですけれども、今回の当該薬に関しては、お子様を持つ母親がどのように使うかということが一番大切なことだと思います。効能・効果のところにどのように記載するかということは、私は小児用と大人用は分けるべきではないかと、OTCになったときに思っております。そういたしますと、小児用と大人用ですと、サイズも異なりますし、また、枚数もそこで異なるようにすることで、先ほど湯浅構成員がおっしゃっていましたけれども、大人のものを子供が使ったり、子供のものを大人が使ったりするようなことは避けられるのではないかと思います。また、子供用に関しましても、この効能・効果で、今ですと、咳又は喘息、ぜーぜー、ひゅーひゅーというふうなことだけですと、親は、今までどおりのただの小児のせき止めという形でしか、そういう把握でこれを使うことが、非常に私は危惧しております。ですので、パブリックコメントからもあったのですけれども、あくまでも、これは気管支を拡張する薬であり、今までこういう薬を投与された方ができれば使ってもらいたいということというような、この効能・効果に関しては、また、ちょっと御検討いただけたら、ありがたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。先ほど平野構成員から、お子さんの高熱や咳で非常に窮して来店する保護者の話がありましたけれども、それは受診勧奨が必要な状況なのか、また、販売現場の薬剤師さん等が責任を取れるのかも含めて、しっかりと御検討いただきたいと思います。法的な責任を負わないで、ただ単にどこか悪かったら受診してください、というような受診勧奨では、それは、患者さんや保護者に対して、十分な責任を取っていることにならないと思います。その点を検討していただいて、どのような販売方法や受診勧奨出あれば要件を満たすかについての議論をしていただくのが一番適切ではないかと思います。このような薬を販売する際には法的なものも含めた責任というものが生じることを御理解いただければ、幸いです。以上です
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員お願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。私も、湯浅構成員や宮川構成員から言われたことは本当に大事なことだと思います。その上で、今回は、特にパブリックコメントを受けてどう考えるかということでございますので、私もつぶさにたくさんのコメントをいただいて、本当にありがたいなと思っておりますが、特に26番ですね。101分の13ページで、多分、お母様のコメントでお子さんが保育園に通われていて、ちょっとせきが出て、保育園のお迎えの後だとどうしても医師にかかれる時間が遅くなり、普段より夜寝かしつける時間が遅くなってしまうというようなことが非常につぶさに書いてあります。こういった本当に切実な声にどう応じていくのかというのが、また、このOTCとしての大事な部分だと思います。湯浅構成員がおっしゃったこと、宮川構成員がおっしゃったこと、十分大事なことですから、それをどういうふうに反映させながら、こういった小さいお子さんを抱えながら苦労されている皆さんに応えていくのか。それを、また、安全に、適切に使っていけるようにするのか。また、我々企業としても、現場の方がスムーズにできるような形でいろいろな情報提供や資材やいろいろな工夫ということも含めて、総合的に、また、こういったパブリックコメントの内容も踏まえて、承認審査の段階では、適切に検討していただければと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございませんか。五十嵐構成員、お願いします。
○五十嵐構成員 少し発言させていただきますけれども、私は呼吸器の専門ではないのですけれども、一般消費者の立場から言うと、この薬をやると助かるお薬だなと思っています。パブリックコメントにもそのような御意見もありますし、湯浅構成員もおっしゃったように、これはOTCとして必要なので、かなり個人的には思っています。ただ、湯浅構成員がおっしゃっているように、喘鳴という言葉は難しいですよね。医者の私が聞いても、喘鳴って何なのかと思ってしまうところがあるので、一般の方は理解しにくい用語なので、喘鳴という言葉はちょっと外したほうがいいかなと思っていました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員お願いします。
○富永構成員 日本薬剤師会の富永です。いろいろ御意見を聞かせていただいて、確かに、薬剤師が要指導医薬品を出す責任を感じるところですが、実際、前回の評価検討会議でも申しましたように、使用者目線といいますか、母親目線で考えると、この集められたパブリックコメントから、多くの必要な時になくて困っている、スイッチOTC化して欲しいという気持ちがよく分かります。ただ、私ども薬剤師は、長い間ホクナリンテープを子供さんに出しているという、実績がありますし、それもただ出しているのではなくて、気管支拡張剤を出すということで、β作動薬として、副作用はないかというのは気をつけているところです。「今日は咳止めのテープ出てないのですか」とお母さんがおっしゃると、ドクターに電話して、「ホクナリンテープを欲しがっているということをおっしゃっていますけど」と言うと、「ああ、ごめん、ごめん。出しておいてね」という話に小児科医との会話でもよくなるところです。それが現場での状態かなとは思っているところです。よろしくお願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。今、この薬は単なるせき止めではなくて、β作動薬、気管支拡張薬であるとお話があったことが全てだと思います。薬理作用をきちんと知っていただくことが大事で、それをどのように正しく使うのかということです。日常診療の中で、誤用や間違った対応をする医療機関があるかもしれませんが、だから転用して良いということにはなりません。ですから、その薬のあり方が正しくはどうあるべきかを十分に理解いただいた上で、議論していくことが必要です。その議論では、使用者が間違った使い方をしないよう、薬剤師や薬局の販売者が適切に説明し、製造販売業者が適切なパッケージを作成すること等が前提であることは申すまでもないことです。保護者が単に困っているからという感情的な議論は、本来の薬学・医学上の必要な議論ではないということも含めて、落ち着いて十分に検討していかなければいけません。私は決して、OTC等を全部否定しているわけではなく、必要なものはスイッチOTC化すべきと考えます。ただし、十分な情報や、何かあったときの対策の仕方、そして、どこに相談すればいいのかということまで立てつけをつくっていくことが必要であり、落ち着いた議論が必要だと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宗林構成員お願いします。
○宗林構成員 岐阜医療科大学の宗林です。ここの個人のコメントもそうですし、今、皆様方は、これまで医療用医薬品で使ってきているから、そのものがOTCになっていたら、すごく便利だよねということが前提だと思うのですね。それは大変よく分かるのですが、OTCになったら、初めて使う人が出てくるわけで、そのときの、どこにどのぐらい貼るのかとか使用方法は、結構丁寧に御説明していただくことが必要なお薬かと思います。あるいは、今、ほかの構成員がおっしゃったように、使用した経験のある者とつけるか、あるいは、最初であれば指導が、書くだけでなくて、口頭で薬剤師さんからこうやって使ってください、このぐらいで剥がしてくださいみたいなことをやっていくことが必要かと思います。ここに書いてあるとおりで、今まで使っていたものがOTCになったら、それはすごく便利、それはそれで、もう使い方を知っている方はいいと思いますけれども、初めて使われる方については、少し検討というか、慎重に御指導をお願いしたいなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 医師は薬を適正に使用しているのかという御意見を伺うことがございますが、保険収載されてから、長い時間、医療用医薬品として安全性を重視し、適正な使用を心掛けているからこそ、日常診療に貢献できたと考えています。「育薬」という言葉がございますが、我々が医療の現場の中で、薬を適正に使用してきたからこそ、こうしてスイッチOTC化に向けての議論ができると考えております。我々は医療用医薬品のスイッチOTC化に際し、安全に使用していただくためにどのような工夫をすればよいかノウハウを持っているということです。
○笠貫座長 分かりました。佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 ありがとうございます。産経新聞、佐藤です。今日の議論は、パブリックコメントを経ての議論ということで、パブリックコメントが非常に多数のものがあり、そして、なおかつ、それがいずれも賛成であるということは、大変大きな要素だと思っています。少し分けて考えたほうがいいのでと思うのは、この薬を使ったことのある人に絞ってスイッチOTC化するのか、そうではないのか、そういうことができるのかできないかも含めて、分けて考えるべきだと思います。パブリックコメントの中にも、実際に一度使ったことのある人が、医療機関で7日分ぐらい出してもらえるのに、どうしてOTCだと3日なのですかという意見もありました。使った経験のある人が使うという前提であれば、もう少し包装を多くしていいよねという考え方があるでしょうし、そうではなくて、初めての方に出すのであれば、3日程度で出してもらいましょうという考え方もあると思います。ごっちゃではなくて、どういう位置づけで販売できるのかということとセットになると思います。その上でですが、御専門の先生方は、「これはメカニズムが違うから」という言い方をよくおっしゃられて、これは気管支を広げる薬であって、気管支を広げることによって、短期的にせきを止める効果も狙うことがありますよということをおっしゃられて、そういうことなんだろうと思いますけれども、市販する場合には、メカニズムが違うということではなくて、メカニズムが違うことによって、どのような注意をしなければいけないのか、どのように使うべきなのかということを表記するほうが分かりやすいので、無用に表記を難しくすることのないようにお願いしたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。この議論は、前回、そして、パブリックコメントを含めて、今日も議論されましたが、このスイッチOTC化に当たっての環境をどうするかについては医療側も、消費者側、薬剤師側、企業側の方も納得がいくというか、調整するという意味で、非常に難しいケースだと感じています。そういう意味で、医学的には、この薬のメカニズムも、疾患の特性もしかりです。一方ニーズからみれば、消費者の方から、症状を寛解するという意味での利便性について、医師側がどうするか、あるいは、薬剤師側がどうするか、消費者側がどうするか、企業はどうするか。この評価検討会議で課題を抽出して、その対応策をそれぞれ議論してまとめることは、この評価検討会議のミッションです。例えば、佐藤構成員と宗林構成員からは、以前に、医師に診断を受けて、薬はこういうふうに使ってもいいよという場合にはどうだろうかという具体的な話も出ています。それらを踏まえて、次の可否をどう決めるかという会議で検討をすることになります。可と出た場合には、その条件についてもっと具体的に詰めていただき、進めていただきたいと思います。そういう意味で、今日いただいた、医療側、薬剤師側、そして、消費者側のニーズ、企業側の課題を含めて、この評価検討会議の2回目と、パブリックコメントの結果を踏まえて、事務局でまとめて、再度、構成員の方々に御確認するという形で、次に進めていきたいと思います。ありがとうございました。続きまして、トリプタン系について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。トリプタン系について御説明をいたします。
19ページ、資料4-1を御覧ください。トリプタン系につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめたものがこちらになります。
続いて、資料23ページ、資料4-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた7件の御意見について、簡単に御紹介をいたします。御意見のうち6件は、トリプタン系のスイッチOTC化に賛成との御意見でしたが、1件はスイッチOTC化のベネフィットより自己判断で薬を飲むことのリスクのほうが大きいと思われるとの否定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見の中から、1つ目、疾患の特性の項に、高齢者の使用に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、包装単位に関する御意見を1つ、3つ目、販売体制の項に、インターネット販売に関する御意見を1つ、計3つの御意見を資料4-1に反映をしてございます。これら追加した御意見も含めまして、構成員の方から何か御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、トリプタン系につきまして、御意見はいかがでしょうか。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。先ほどから何度も申し上げておりますけれども、このパブリックコメントの6番で、法的な責任をどうするのかということも書いてあるわけですね。それと同時に、製造販売業者にも同じように、販売のためのパッケージを検討する場合は、相応の十分な検討がなければいけないということを第一に考えるべき点です。それから、宗林構成員が貴重な意見をおっしゃっていて、パブリックコメントというものは、過去に使ったことのある方や見識を持っている方が、コメントを寄せておられます。しかし、OTCは、初めてお薬に出会う使用者もおられ、そのときに、薬剤師の先生たちがどれだけ十分に御説明されて、そして、使用者がそれを理解できるのか。そして、万が一のことがあったときに、医療機関を速やかに受診できるようにつなげる体制が整えられるのかの段階も含めて、この評価検討会議で議論を練り上げられるのかということが非常に重要です。パブリックコメントを見るときにも、そういう視点で見ていくことが重要です。OTCの「育薬」という話を何度もしていますけれども、薬を正しく使い続けることで、その薬によって長く社会全体で恩恵が受けられるところまで持っていけるようにすることが非常に重要と考えてございます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。先ほどの宮川構成員がおっしゃっていた、6の個人のところで、インターネットの販売はやめるべきと書いてありまして、乱用対策に関しましても、スイッチOTC化されたときに、どのように歯止めをするかということも検討いただきたいと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。湯浅構成員、どうぞ。
○湯浅構成員 この薬剤をスイッチOTC化すると仮定した場合、薬を購入する前に、必ず医療機関を受診し、片頭痛の診断を受け、トリプタン系の薬を服用し、処方された薬が効いているかを医師が確認するという流れが必要になります。したがって、効果判定の期間を含め、少なくとも半年から1年程度医療機関に通院していただく必要があります。ただし、本来であれば、スイッチOTC化する薬剤ではないと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。トリプタンについても、医学的な判断とニーズの問題をどう取り扱うのか問題だと思います。薬剤師の法的責任の話が毎回出るのですが、これも制度上の問題としてここで挙げさせていただき、ほかの会議で検討していただくことになるだろうと思います。インターネットの話も、乱用の話も、その具体的な制度やシステムをどうするかについては、他の会議にお願いし、本評価検討会議では、その問題点を指摘しておくことが大事だと思います。具体的なことについては、こきちんと医師の診断を受けること、あるいは、薬の有効性と安全性についても確認をしてから、スイッチOTC化をしていくということも、重要だと思います。また、こういった薬を、最初から、自己責任ということは難しいということも御指摘いただいたと思います。宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 岐阜医療科学大学の宗林です。今の構成員のお話とそれほど違いはないのですが、もともとOTCが、短期間症状を軽減するというようなことが、あると思いますが、今まで出てきたお薬として、これのように、診断を受けて、トリプタン系のものでちょうど調子がいいと。それが効いているということがきちんと分かったものについて、お医者さんではなくて、スイッチ化したOTCで賄っていくというようなものも結構出てきているのではないかなとこの評価検討会議の中でも思いますので、そういった分類の一つということでいくと、また、逆に、ほかのもののスイッチOTC化の広がりもできるかなと思いますので、この薬も、同じく、自分で診断して、一時痛いからこれだけスイッチ化したOTCで済ませようということではなくて、効くことが確認できたなというものに対して、OTCで賄えるというような分類の一つではないかなと思います。そして、そういう分類が、OTCの中でも、これから先増えていく可能性があるのではないかなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。当初、本評価検討会議で可否を決めていたときに、それぞれの薬剤や疾患の特性、適正使用、環境の問題という課題をカテゴリー毎にまとめました。現在は、可否を決めませんが、それぞれの課題と対応策について、カテゴリーがつくれてくるだろうと思っています。そういう意味で多くの対応策の整理のプロセスにあるのだと思いますし、課題抽出だけではなく、課題の対応策までカテゴリーを作ることで、この評価検討会議の一つのミッションを終えてくるのではないかという、目標を立てて進めていきたいと思います。それでは、これまでの御指摘も踏まえて、事務局で、会議結果案を作成していただき、構成員の先生方に再度御確認するという形で進めさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。続きまして、エピナスチン塩酸塩について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。エピナスチン塩酸塩について御説明いたします。
26ページ、資料5-1を御覧ください。エピナスチン塩酸塩につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめた資料がこちらになっています。
29ページ、資料5-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた6つの御意見について、いずれもエピナスチン塩酸塩のスイッチOTC化に肯定的な御意見でした。パブリックコメントで寄せられた御意見のうちから、1つ目、疾患の特性の項に、海外での使用状況に基づく受診目安に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、既承認のOTC類薬に関する御意見を2つ及び1日の使用回数が異なる2つの製剤に関する御意見を1つ、計4つの御意見を資料5-1に反映をしてございます。これら追加した御意見も含めまして、構成員の方から御意見ございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。個別の御意見について、お願いいたします。パブリックコメントを踏まえた上で御意見をいただけたらと思います。原構成員、お願いします。
○原構成員 ありがとうございます。おおむねパブリックコメントも拝見しましたけれども、私どもは、エピナスチン塩酸塩に関しては、薬剤自体は比較的安全性の高い薬だと認識しておりますので、スイッチOTC化はある程度問題がないと考えております。ただ、書きましたとおり、1つ懸念しておりますのは、それが本当にアレルギーなのかという判断は、眼科専門医でもちょっと難しい場合が実際はありまして、目のかゆみとか充血と言って、アレルギーですと来られる方の中には、ぶどう膜炎とか、結膜炎の中でも、それが細菌性なのか、ウイルス性なのか。中にはクラミジアみたいなものが混じってきますので、そこのところはしっかり鑑別をして、使うなら使っていただきたいという意見で出させていただいております。もしも、そういうアレルギー以外のものだったときに、悪化するまでの時間を考えると、我々としては、2日間は妥当な時間で、それ以上こじらせると角膜に目やにが残ったりしますので、その辺も含めたニュアンスの2日は妥当かなと考えております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ございませんでしょうか。どうぞ。
○宗林構成員 1点、スイッチOTC化するときに明確にしていただきたいなと思っているのは、コンタクトレンズ使用時のあり方ですが、1日に4回ということなので、原則、コンタクトレンズしている時間帯にも差さなくてはいけないことから、コンタクトレンズしたままは好ましくないということでコンタクトレンズを禁止するのか、あるいは、よくあるのですけれども、ソフトコンタクトレンズの色素が材質によっての問題ということであるのか、つけている人はいろいろな人がいるので、それが明確になるようにパッケージに、購入時に分かるようにしていただければなと思います。ハードコンタクトレンズでも駄目なのかということです。よろしくお願いします。
○笠貫座長 堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。今の宗林構成員の意見に私も賛同なのですけれども、特にカラーコンタクトレンズを若い方が装着しており、そのカラーコンタクトレンズの上から点眼をする機会が非常に多いと若い方から聞いております。その場合、カラーコンタクトレンズを実際に企業さんが装着をしての使用をしているデータがあるのかどうかということも、そこはとても大切なことだと思いまして、特にカラーコンタクトレンズを装着しているときには絶対にしてはいけないということであるのならば、その文言も入れていただきたいと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。佐藤構成員どうぞ。
○佐藤構成員 私も今のお二人の意見に追加して、コンタクトレンズを以前長いこと使っていたので、コンタクトレンズについてなのですけれども、使い捨てコンタクトレンズを使う場合は、ほとんどの目薬はオーケーだと眼科医から言われたことがありまして、そういうことであるなら、ハードコンタクトレンズはどう、ソフトコンタクトレンズはどう、使い捨てコンタクトレンズはどうというふうに書いていただけると助かると思います。お願いします。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにはございませんか。今の御指摘のように、適正使用として、コンタクトレンズの対応策については、可否を決める際に具体的に詰めて書いていただくことが、大事だという御指摘だと思います。また、今回の議論には出ませんでしたが、1日2回という回数については、消費者の選択肢を増やすという意味での利便性の話ですが、それに対するより十分な薬剤師対応を含めた対応をどうするかについても、この成分で新たに指摘されたことだと思います。
○外園参考人 よろしいですか。日本眼科学会の外園です。コンタクトレンズにつきましては、様々な企業のものが出ていて、しかも、劣悪品などもありますので、これを全て網羅する形で説明するというのは、薬剤を処方する場合にはほとんど不可能です。ワンデータイプというもの、終日装用型のものであれば、例えばコンタクトレンズが変質したとしても、その日のうちに捨ててしまうので問題ないということで使っていいだけであって、レンズが変形したりレンズの質が変わったり、酸素透過性が変わったりというリスクは大なり小なりあり得ますので、コンタクトレンズを入れていて使うというのも自己責任ということにするしか仕方がないのかなと。カラーコンタクトレンズで企業が分からないようなものも患者さんが持ってきて、手でこすったら色が落ちるようなものまで出回っていますので、それはコンタクトレンズの規制のほうが非常に難しいということもありますので、度なしのコンタクトレンズは日本眼科学会のほうで規制ができません。そういったことがありますから、コンタクトレンズに関しては、基本的には使わないほうがいいので、使う場合には何かあったらやめるということを自己責任でするということで仕方がないのではないかと思います。
○笠貫座長 御指摘は、コンタクトレンズをどうするかという、新たな対応策ですね。
○外園参考人 そのとおりです。
○笠貫座長 今の御指摘も追加させていただいて、カラーコンタクトレンズの場合どうするか、度の入ってないコンタクトレンズですね。そういった場合、消費者の自己責任だけで全て行くのか。あるいはそうではなく、さらに細やかな対応ができるかについては、可否を決めていただくことになります。
○外園参考人 そのとおりでございます。眼科医が診たら、ある程度大丈夫かどうかは言えるのですけれども、薬剤師さんでは、それはもう求められないだろうということになりますと、点眼そのものに安全性は高いのですが、おかしかったらやめてくださいということでよろしいかと思います。
○笠貫座長 それでは、ただいまの御意見も踏まえまして、事務局で、検討会議結果案を作成して、再び構成員の先生方に御確認をいただくことで進めてよろしいでしょうか。ありがとうございました。続きまして、オロパタジン塩酸塩について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。オロパタジン塩酸塩について御説明いたします。
33ページ、資料6-1を御覧ください。オロパタジン塩酸塩につきましては、前回10月の評価検討会議におきまして一度御検討いただいており、その内容をまとめた資料がこちらとなっております。
続いて、資料35ページ、資料6-2を御覧ください。パブリックコメントで寄せられた6つの御意見について、いずれもオロパタジン塩酸塩のスイッチOTC化には肯定的な御意見をいただいてございます。パブリックコメントでいただいた御意見の中から、1つ目、疾患の特性の項に、海外での使用状況に基づく受診目安に関する御意見を1つ、2つ目、適正使用の項に、既承認のOTC類薬に関する御意見を2つ、計3つの御意見を資料6-1に反映をしてございます。これら追加した御意見を含めまして、構成員の方から御意見がございましたら、いただければと思います。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。本成分につきまして、課題と対応策について御意見をお願いします。宮川構成員、お願いします。
○宮川構成員 宮川でございます。このパブリックコメントにありますように、薬をスイッチOTC化する際には、配合薬とするのは絶対避けていただきたいです。その薬剤の単一成分でなければ、副作用等の区別もつかなくなります。パブリックコメントの中に点眼薬もそうですが、OTC業界は配合薬をつくり過ぎではないか、というコメントが入っているわけですね。つまり、単剤であればある程度使用者の方もこれが悪かったんだということが分かりますけれども、複数成分が入っている場合だと、どの成分が悪かったのか分からないということもあります。業界団体が十分な対応を取っていかないと、そのようなことに対する責任を免れないといのではないかと思いますので、ぜひそういう考え方も持っていただきたいと思います。このパブリックコメントで貴重な御意見をいただいたのだなと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 日本OTC医薬品協会、磯部でございます。いつも宮川構成員からそういう御指摘をいただいております。我々も肝に銘じて考えていかないといけない問題だと思います。もしスイッチOTC化を認めていただければ、当然、単剤から始めていくということでございますが、私どもは、配合剤も、結局、医療の現場での併用の実態がどうなっているか。つまり、例えばこれとこれをいつも多く併用されている場合が多いとか、そういう場合に、OTCの場合はなるべく一つの製品対応したほうが生活者の方にいい場面もあるということもありまして、そういった実際の併用の状況とか、生活者の方がどうしても2つ買うよりこの1つでまとまっていればいいのになというような声を踏まえまして、考えていきたいと思います。ただ、いつも宮川構成員からお話があります、このパブリックコメントでも、そんなのばかりだということについては、どのように考えていくのかということも肝に銘じてやっていきたいと思いますので、これからも、ぜひ御指導をいただければ、ありがたいと思います。
○笠貫座長 宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。今、磯部構成員のご発言がありましたが、私は正しいことは正しいこととして何度も申し上げます。日本OTC医薬品協会がしっかりとした方針を定めることが国民の利益につながります。例えば100人が使って70人までは使って問題が無いとしても、あとの30人に悪影響が生じたら駄目なのです。つまり、医療においては患者さんごとの個別対応であり、その人の症状に合わせて薬を処方します。薬剤師の方もそれをフォローしてくださっています。この医師と薬剤師の信頼関係の中で、院外処方が広く行われているわけですけれども、その中で安全弁がつくられているというところなので、使用者がその薬を初めて使う可能性から考えなければいけません。そして、要指導医薬品になりますと、ある程度時間がたっていくと、一般用医薬品に移ってしまうという現状制度の中で、登録販売者の方に法的な責任があったときにどこまでお守りできるのかを考えることが重要です。これが検討されないままに進んでいくと、使用された方に問題があったときの責任として、その登録販売者の方、あるいは薬剤師の方、そして、製造販売業者が、責任を追求されてもいいのかということもなってしまいます。そういうことも含めて、しっかり考えないといけないことだろうと思いますので、製品の有効成分はシンプルな形にしたほうが、より責任も明確化しすいでしょうし、作用も副作用も分かりやすいので、しっかりとした方針を検討していただきたいと思います。だから、私は先ほどから何度も申し上げているとおり、薬剤師の方、登録販売者の方、そして、製造販売業者のことを守りたいから言っているので、決してスイッチOTC化を否定しているというわけではありません。正しい使い方をするために何度でも私は発言したいと思います。以上です。
○笠貫座長 堀構成員に続いて、平野構成員にお願いします。
○堀構成員 ありがとうございます。今、宮川構成員のお話をお聞きしていて思ったのですけれども、薬局で販売するときに、アレルギー性結膜炎の消費者がもしいた場合、結局、その単剤、1個買っただけでなくて、1日2回ぐらいつけてみて駄目だったら、また違うものを買ってみようとかと思ってしまうようなことがあるのではないかと、それが非常に不安です。ですので、あくまでも販売の際に、例えばアレルギー性結膜炎で、例えばオロパタジンを売った場合においては、その際に、必ず、ほかにお薬を使っていないかどうか。つまり、併用をしていないかどうか。または、点眼薬であったらば、ほかにお医者様からもらっているようなお薬があるかないか。そういうふうなことも確認することがすごく必要だと思いました。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。平野構成員どうぞ。
○平野構成員 ありがとうございます。日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。企業の肩を持つわけではないのですが、実際、売り手の立場から見ても、配合薬の中にはこんな古い成分がというものが多々あるのは、私もそう思っているわけです。ただ、なぜそうなっているかということを考えてみると、結局、いわゆる切れ味の鋭い、安全なスイッチ成分が上から供給されてこない。したがって、古い成分の中ですごい工夫をして、一生懸命商品をつくっているというのが、企業の実態であるなということを思います。したがって、この成分の話だけではないのですが、本当にこの評価検討会議の役割が改めて重要だな、その企業側の背景も踏まえながら、私たちはしっかり仕事していかなければいけないなと思う次第でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮園構成員、お願いします。
○宮園構成員 ありがとうございます。前回も申し上げたかなと思うのですが、日頃、仕事をしながら生活をして、週末があったりとかいう中で、2日間でやめるというのは、あっという間に2日間来るような気がします。それで、お店をやめるときの目安は、目のかゆみとか目が痛い、目やみはたくさんあるとか、具体的にしないといけないというので、分かりやすいとは思うのですけれども、できれば、もし、これをこのまま使い続けたらどんなリスクがあるのかを、もう少し具体的にこういったリスクがありますというようなのは、中学生ぐらいが分かるような、何かイラストなり何なりそういったことで、怖いというのをあれで与えるのもどうかとは思うのですが、どんなリスクが起こるというのを消費者が知るような、そういった情報提供を、2日でやめようとか、病院へ行こうという気持ちに近づくのではないかと思いますので、御検討いただければ、幸いです。
○笠貫座長 ありがとうございます。富永構成員、お願いします。
○富永構成員 日本薬剤師会、富永です。薬剤師の役割についていろいろ御指摘をいただいているところですが、医薬分業の長い歴史の中で、薬剤師も結構育ってきたといいますか、私が言うのはおかしいですが、最初、初診で来局なさった患者さんに対しては、他科受診の有無とか、併用薬とか、副作用歴、アレルギー歴等々、全て聞き取りをするわけです。そして、先ほど宮川構成員がおっしゃったように、どういうお薬が出ていて、この効能がある、それでどういう症状なのかということを確認しながら、一つずつ出していくわけです。決して、ただ処方箋どおりあるものをぱっと渡すのではありません。ツロブテロールのときもあったように、お医者さんが適切に使っていった歴史の上で、そういう副作用がなかったというお話がありましたけれども、それは、医薬分業の中で、薬剤師もそれを適正使用するために、初めて貼る方に対しては、その貼り方から適正使用について、慎重に丁寧に確認を取るわけです。そういう歴史もある中で、結局、医薬品の中に乱用の恐れのある成分が入っていて、様々な成分を含んでいる総合感冒薬の中でその成分を見つけるわけです。そうすると、これを狙ってオーバードーズ問題になっているのだなということが分かります。我々は医薬品の専門家の目で、そういうふうに配合剤にしても、今まである分は見ます。ただ、先ほどおっしゃったように、なるべく単味にしていただいたほうが、これによる副作用とか受診勧奨もできるかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○笠貫座長 ただいまの配合薬については、ここで具体的に詰める話ではないと思います。配合薬については、日本薬剤師会あるいは企業側で、配合薬についてのガイダンス的な基準を作成し、それに則ってやっていただくということが、指摘されたということであり、お願いしたいと思います。基準が作成され、ガイダンスができたら、ここで皆さんにお話しいただき、そのガイダンスをさらにバージョンアップするというようなこともできれば、本評価検討会議の一つの成果になると思います。この件については、今日の評価検討会議で、新たに出された、大きなテーマだと思います。外園参考人、お願いします。
○外園参考人 一言だけ。2日でやめてほしいとした理由ですが、ほとんどの人は安全に使われるのですけれども、AHC結膜炎の中に重症アレルギーで失明するような人がどうしても含まれてしまうのですね。大きな傷ができていると。特に子どもさんなんか上手に症状が言えません。ですので、2日使って効かないときには、ちょっとおかしいぞと思ってほしいと。そういうメッセージですので、2日で直ちにやめろと。薬そのものの安全性を言っているわけではないのですが、そのニュアンスをあまり強く言うとみんな怖がってしまうというところで、非常に難しいので、2日使っておかしかったら、ちょっとそれは眼科に行ったほうがいいよという、そういうメッセージだと思ってください。なかなか難しいところです。
○笠貫座長 先ほどの成分もそうでしたが、2日間という期間については、具体的に可否が決まった時点で、細やかな説明の仕方も含めて、対応策として考えていただくことになるかと思います。それでは、本日いただきました御意見を踏まえて、事務局で検討会議結果案を作成していただき、再度、構成員の先生方に御確認いただくという形で進めてもよろしいでしょうか。ありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。候補成分のスイッチOTC化について、ジクアホソルナトリウムについて、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。ジクアホソルナトリウムについて御説明いたします。
38ページ、資料7-1を御覧ください。ジクアホソルナトリウムのスイッチOTC化した際の効能・効果としては「眼の乾燥感、異物感」となってございます。対応する医療用医薬品は、1日6回製剤のジクアス点眼液3%及び1日3回製剤ジクアスLX点眼液3%でございまして、効能・効果はドライアイとなってございます。要望者は、本成分の主な要望理由として、「長期で使用しても特段の問題が感じられないから」を挙げてございます。39ページを御覧ください。ジクアス点眼液3%は2010年、ジクアスLX点眼液3%は2022年に承認されてございまして、再審査期間はジクアス点眼液3%にのみ指定されており、その再審査結果は承認拒否事由のいずれにも該当しないとして2020年に通知されてございます。
42ページを御覧ください。安全性に関する情報です。本剤は禁忌に、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されております。また、高頻度の副作用として眼刺激感が設定されています。推定使用者数等として、日本におけるドライアイ患者数は2,200万人いるといわれ、また増加傾向にあるとなっております。次に、同種同効薬についてです。同様の効能・効果を持つ点眼薬として、精製ヒアルロン酸ナトリウムがスイッチOTC化されております。
43ページを御覧ください。海外での承認状況について、本成分は海外で一般用医薬品及び医療用医薬品いずれも承認されてございません。
51ページ、資料7-2を御覧ください。日本眼科学会、日本眼科医会及び日本OTC医薬品協会から見解が提出されてございますので、御紹介いたします。まず、日本眼科学会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、本成分は類薬よりも重症のドライアイ患者を対象としていること、ドライアイは慢性疾患であるため、薬剤を継続して使用することになり、眼科医による継続的な経過観察が必要であること、ドライアイに類似する症状をきたす眼疾患が多くあるため、適正使用のためには眼科医による的確な診断が必要であること、自己判断での使用による不要な点眼や他疾患の見落とし等が懸念されることとの御意見をいただいてございます。
53ページを御覧ください。日本眼科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、比較的安全性の高い成分ではあるものの、頻回の点眼によって角膜上皮障害が生じる可能性があるが、その障害は薬剤由来であるかドライアイの症状であるかの判別が難しいため、点眼後に刺激感、目やに、流涙等が見られるため、使用者が適切に作用を理解していないと継続困難な点眼薬であること、ヒアルロン酸点眼液とは異なり、ドライアイのサブタイプの中でも、涙液分泌減少型並びに水濡れ性低下型のドライアイに特化して効果のある点眼液のため、ドライアイを感じる患者全てに効果があるわけではないこと、本剤は「涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること」とされていること、との御意見をいただいてございます。
55ページを御覧ください。最後に、日本OTC医薬品協会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については賛成との御意見をいただいてございます。その根拠として、再審査報告書において、副作用発現割合は承認時までの臨床試験における副作用発現割合に比べて高くないことが報告されていること及び「使用上の注意」から予測できる重篤な副作用は1例1件であり、予測できない副作用で本剤との関連性が明確な症例の集積がないこと、同様の使われ方を期待する「精製ヒアルロン酸ナトリウム」のスイッチOTC化された際の効能・効果と本成分の効能・効果も同様の症状であることから、セルフメディケーションの選択肢の一つとなり得ること、精製ヒアルロン酸ナトリウムは第2類医薬品に分類されていることから、本成分がヒアレインSと同様の症状に対してスイッチ化されても、適正に使用できると考えられること、との御意見をいただいてございます。
57ページ、資料7-3を御覧ください。御意見募集において寄せられた御意見について、簡単に御紹介をいたします。20件はジクアホソルナトリウムのスイッチOTC化に賛成との御意見でしたが、6件は反対との御意見でした。特に取り上げるべきと考えられる御意見として、長く使用され安全性は確認されているため、年一度眼科検診で検査を受けている場合に限り、軽症ドライアイも含めて市販で販売可能にしてはどうか、との御意見がございました。また、本成分については、評価検討会議への企業出席要件が満たされなかったため、企業の出席はございません。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、日本眼科学会からの御見解について、外園参考人から御意見の補足ありましたら、お願いします。
○外園参考人 自覚症状が渇きということで、大丈夫だろうという理論ですが、ドライアイの症状は様々で、見えにくい、痛いというようないろいろな症状があります。それを自己判断で使った場合に、後戻りできない、眼科疾患のものとして、特に緑内障など、眼科医師しか診断できないものもありますので、これをスイッチOTC化する懸念があります。もう一つは、日本眼科医会が書かれていましたが、決して差し心地の良い点眼ではありませんので、必要な人に今度届かないリスクというのもございます。専用品とは大分違います。差して気持ちがいいのではないということもございまして、基本的に反対ということで出させていただきました。
○笠貫座長 ありがとうございました。次に日本眼科医会からの見解について、原構成員からお願いします。
○原構成員 今、外園参考人がお話しになったとおりですけれども、これは実際に臨床で使っていますと、外園参考人がおっしゃるように、点眼の差し心地があんまりいい目薬ではありませんので、このあたりは、もしスイッチOTC化されるということになれば、薬剤師の先生からきちんと説明をいただかないと、ちょっと使いにくい薬かなというのが一つ気になります。それから、書きましたとおり、日本はドライアイの研究が結構進んでいまして、ドライアイのいろいろな原因があるというのが分かって、我々はふだんお薬を出していますけれども、このお薬は一部のものにしか効果がないということで、要らない薬というか、効果のない薬を点眼し続けてしまうというリスクが一般の方にはあるのかなと思いますので、その点は、もしスイッチOTC化されるのではあれば、懸念として考えておりますので、現時点では反対という意見を出させていただきました。また、これは比較的安全性が高い薬ではありますので、もしスイッチOTC化されるのであれば、補足の件になりますけれども、角膜障害などがないかどうかというのは、半年から1年に1回は眼科医のチェックをしっかり受けたほうがいいというのが一つ。それから、コンタクトレンズも先ほどから出ていますけれども、装用中にそれを使うということになりますと、防腐剤などが入っていると、コンタクトレンズによっては眼障害につながってしまいますので、もしスイッチOTC化されるのであれば、防腐剤がフリーであるということが必要だろうと考えています。もう一つ、アレジオンのときと同じ点眼回数は、時間数に関しては、LXとそうでない点眼回数の違うものが医療用医薬品で使われていますので、この辺は多分、LACの点眼回数を6回までにもともと発売されているもののほうがいいのではないかというのが補足意見として加えさせていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会からの見解について、磯部構成員お願いします。
○磯部構成員 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会、磯部でございます。私どもは、このジクアホソルナトリウムについては、スイッチOTC化について賛成の意見であります。なぜかということで記載もさせていただいております。特に再審査報告書に記載されていることを、つぶさに拝見をしておりますと、かなり安全性が高い医薬品である、製剤であることが内容から読み取れます。その上で、今、要望された効能はドライアイという効能ではありませんが、ヒアルロン酸ナトリウムがそういった近い症状の方に使われているという状況も考えると、これをスイッチOTC化できないという理由はなかなかないのではないかと思っております。その上で、この見解書には書いてございませんが、いろいろ情報シートなどを拝見して思っておりますことも申し上げたいと思います。1つは、ドライアイの患者さんは、日本眼科学会の推定によりますと、日本国内では2,200万人ぐらいいると。そのほかにも、40歳以上の推計で、女性の20%以上、男性でも12%ぐらいの方が、ドライアイの方がおられるだろうと。レセプトで我々もいろいろ調べたところ、実際に医療機関を受診されて、ドライアイの治療に入られている方は1,000万人ぐらいではないか。つまり、半分ぐらいの方はOTCを使われているか、そのまま放置しているかというのが現実だという理解であります。このぐらい患者数が多くて、潜在の方も多いという方で、先ほど外園参考人もおっしゃっておりましたが、放置をすることが必ずしもいいことではなく、また、ほかの重篤な眼疾患につながっていくことでもありますので、私どもとしては、この医療機関を受診されていない方々に、どのように手を差し伸べて、必要な方に実際に眼科の受診につなげていくのか。実は、眼科の先生方とよくお話しすることがありまして、OTCは国民と医療をつなぐ大切な存在ですということも言っていただきました。まさしくそういう役回りをできるような形で、このドライアイに関しては非常に潜在患者さんも多いこともありまして、この今のヒアレインSが使われている中で、作用機序の違う水分やムチンを放出することによって、確かに差し心地はよくないことはよく理解をしておりますが、こういう選択肢をつくることによって、また、それを適切に使いこなすことによって、なるべく潜在で何も治療されていない、それも使っていないような方を減らし、薬局の薬剤師のお力も使わせていただきながら、必要な方にきちんと眼科の受診につなげていくような流れを、ぜひ私はつくっていくべきだと思っております。その上でもう一つ、日本眼科医会の原構成員からもお話ございました。このドライアイは研究が進んでいて、幾つかのサブタイプがあるというお話でございます。私もこういった御意見がありましたので、ここで聞かれております、ドライアイの診療ガイドラインが100ページ以上にわたる令和元年に改正されたものですが、それも拝見させていただき、また、現行のジクアホソルナトリウムの添付文書も拝見をさせていただいて、今の添付文書の使い方では、タイプ別にきちんと診断をした上で使うべきということは、特に効能・効果上はなっておりません。その上で、現在の令和元年の診療ガイドラインを拝見して、ジクアスはどういう方に使うのかということを考えてみると、必ずしもそういった形になっていないということで、御指摘はよく分かりますし、病態の研究の中ではそういうことも出てまいりますので、刻々といろいろこういう疾病の研究も進み、そういうサブタイプを分けながら治療方針をつくっていくことは、当然、医学の進歩の上では大事なことだと思いますけれども、現状の医療用医薬品の効能・効果の範囲でもそういうふうになっておりますし、令和元年のガイドラインでもそうなっていることも考えますと、そこについてはまだまだそういう状況なのではないかと。そういうことがあるからOTCでは難しいということは、私としてはちょっと理解がしにくいところでございます。その上で、先ほども事務局からお話があったように、ドライアイについては診断のことにいろいろございますけれども、例えばこういった1年に1度とか、ドライアイの診断がついている方とか、そういったことも考えながら、今、治療も受けられていない潜在の方々にどのような形でアプローチをして、対応をしていくのかということについて、眼科の先生方たちと、また議論ができていけばいいなと私は思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。この成分のスイッチOTC化につきまして、御意見をお願いします。外園参考人。
○外園参考人 御意見ありがとうございます。まず、これは、シェーグレン性で効かない患者さんに使うことを考慮するもので、それを見分けられるのが眼科ということになります。涙液層破壊時間を見て、そのパターンを見て、層別解析をするということはまだ十分に普及しておりません。ですので、日本眼科学会の中でも、また、教育的なセミナーなどをやっている段階ですので、眼科の先生がみんな理解しているとは言えない中で、いい形で広まってきているのです。ドライアイの研究は、ドライアイの診療ガイドライン100ページは、それは眼科の研究者が非常に苦労してまとめたもので、それが普及している途中、OTCで使われてしまうとぐちゃぐちゃになると。要するに、車の運転はできる。車でどこでも行ってくださいという中で、交通整理しないでどうするんだという話になりますので、日本眼科学会といたしましては、これは反対でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、個別に、御意見をお聞きしたいと思います。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。今、お話しになったように、ファーストラインで使っているのではなくて、セカンドチョイスの中で、診断がある程度ついた中で使っているからこそ、日本OTC医薬品協会が出された資料のような安全性の解析データができているわけです。だから、仮に、診断もつかない場合のファーストチョイスで使ったときの副作用報告では、前提条件が全く異なってくることを理解しなければいけません。この安全性の数値を出して、それを基に議論すること自体がおかしな話であることをということを私たちは理解しながら、この報告を読んでいかなければいけません。先ほど、外園参考人がおっしゃったように、専門の医師による診断と治療がされている状況の中で調査をして、このくらいの副作用です。ファーストラインで使った場合と、医師が診断して使った場合では全く異なります。医薬品に関する情報とはそういうものであることをきちんと理解して、この記述は誤ったものであると認識すべきではないかと思っております。以上です。
○笠貫座長 富永構成員、どうぞ。
○富永構成員 日本薬剤師会、富永です。今、外園参考人がおっしゃったように、実際、ドライアイと診断された患者さんが薬局にいらして、それまでヒアレインを点眼していて、これでは効かないと。それで、倍量にするとか濃度を上げるとかいう話になると、浸透圧が上がって、また目に悪い影響がある。そこで、このジクアスが重ねて出されるというのはよく理解できます。我々が、例えば目がかすむとか痛いとか、発赤した、ごろごろするとか、違和感があるとか、そういうときに眼科への受診勧奨をします。診断の結果として、初めてドライアイの診断を受けるということがよくあります。本人の自覚なしにドライアイになっていた。それで、先ほど言ったような療法に移っていくということで、結構改善はされるのです。でも、1日6回点眼してくださいとか、点眼時の刺激感があるとか、そこで脱落する患者さんもいらっしゃるというのが現状だということです。これは、スイッチOTC化の賛否は別にして現場で起こっていることではあります。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。今日は、厳しい意見をたくさんいただいておりますが、私が申し上げたかったことは、診療ガイドラインもつぶさに読みますと、ドライアイ、つまり、目がかゆかったり乾燥していたりするということで、診療ガイドラインにも書いてございますが、目薬を使い始める。大体ヒアレインが多いと思います。そういったところで、どうもうまくないときに行かれているというときに、そういう意味では眼科に行かれた場合には、ファーストチョイスもかなりおられるのではないかと思います。先ほど、ほかのテーマのときに、湯浅参考人から、医師が必ずしも適切に使ってないからどうだというようなお話もありましたが、私は、ある程度安全に使えるものであれば、しかも、一定のサブタイプ分けが必ずしもはっきりしていないのであれば、こういった選択肢も示すことによって、先ほどから私が申し上げている潜在の患者さん、全く何もしてなくて眼科にたどり着いてもいないような方が、1,000万人単位でおられるような場合については、今の眼科医の中でどう整理するかも大事だと思いますけれども、ほかのアプローチも考えていかないと、この残った1,000万人の方々をどうしていくのかと、こういった問題についての答えはなかなか出ないのではないかと私は思いますので、私としては、先ほどの賛成の立場は変えませんし、また、当然、この場は可否を決める場ではありませんので、外園参考人の言っているコメントが私は理解できないわけでもありませんし、真っ当な臨床医としての御判断だと思いますが、そういったことについても、どう対応していくのかということも含めて、この場では論点を出して、次のステージに行っていただきたいなと私は思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。松野構成員、お願いします。
○松野構成員 先生方のそのような御意見を聞いて、大変勉強になっております。ただ、私が薬剤師として現場で感じるのは、ジクアスをずっと継続して使っていらっしゃる、長い間で使っていらっしゃる患者さんが多くいらっしゃると思いますので、もし、これをスイッチOTC化できるのであれば、先ほど、別の医薬品のほうでもあったと思うのですけれども、今まで経験されている、ずっと使っていらっしゃる方が、スイッチOTC化されたジクアスを店舗で求めて、継続して使っていけるということができれば、そうすれば、先ほど磯部構成員がおっしゃっているように、2,000万人以上いらっしゃる、必要な治療が受けられる環境のほうに結びついていくと思いますので、そういう意味で、薬剤師がそこに貢献できるのではないかなと思いますので、そういう点も考えていただければと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。外園参考人お願いします。
○外園参考人 最後に一言。1,000万人がみんなジクアスが要るわけではないのです。必要なのに届いていない人もいれば、必要ないのに入れてしまう人まで出てきてしまうと、そこを懸念いたします。ジクアスではなくて、ヒアルロン酸だけでいい人のほうがはるかに多いのではないかなと、そう思います。あと、慢性疾患ですので、高血圧とか糖尿病と一緒で、ずっと処方を続けるのは当たり前のことで、だから要らないという理屈にはなりません。私は、ドライアイの診療がぐちゃぐちゃになることを懸念いたします。
○笠貫座長 ほかにありませんか。それでは、日本眼科医会、日本眼科学会、それに対しての日本OTC医薬品協会からの御意見をお聞きしました。その中で、課題と対応策を考える際には、現在の1,000万人の潜在患者をどう捉えるかについても、消費者・国民目線と医学・医師側からの目線は、それぞれ違った観点も当然あってしかるべきだろうと思います。そういう意味で整理をしていくことになるかと思います。いずれにしろ、具体的な対応策として、一度診断された方という形で進めていくことも一つの方法かと感じますが、そでを含めて、今日いただいた御意見をこの方向性でまとめていただきたいと思います。
ここでは議決をとることではありませんが、本成分から前回合意したスキームでの運用になるため、パブリックコメント及び2回目の評価検討会議で議論するかは、必要に応じということになっています。そういう意味で、本成分について必要と言う方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いできたらと思います。日本OTC医薬品協会側と日本眼科学会側との意見について、皆さんがどう考えるか、パブリックコメントという形で皆さんの御意見をお聞きするということは、国民消費者のリテラシーを上げるという意味でも大事なことかと思います。どうでしょうか。必要と考える方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いします。必要なしと考える方も挙手をお願いします。いかがでしょうか。必要なしという方もいらっしゃらない。必要あるという方は3名しかいなかったということですが、皆さんいろいろなお考えがあるのだろうと思います。そういう場合には、座長として基本的にはパブリックコメントをして、もう一度議論すべきだろうと思いますが、異論がございますか。
○堀構成員 すみません、座長。ありがとうございます。私は、前回の評価検討会議における検討の進め方が変更したことによって、まず最初にこのパブリックコメント、つまり、今回で言いますと、候補成分のスイッチOTC化に関する御意見などについてということで、国民から意見を募ったことは非常によかったことだと思っております。こういうところから私たちも気づくことが非常にあると思いますので、私は、この後の2回目のパブリックコメントを募集することは非常に必要ではないかと思っております。以上です。
○笠貫座長 必要だと座長として判断させていただきまして、進めたいと思います。
○渡邊構成員 すみません、渡邊ですが、ちょっと画面が映らないのですけれども、賛成でございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局で検討会議結果案を作成し、構成員の先生方に御確認いただき、パブリックコメントを行い、さらにパブリックコメントを整理して、皆さんに確認するということですね。
○事務局 事務局でございます。前回から新しいフローに変わっているのですけれども、これについては2回目を行うということなので、今までと全く同じように、今回取りまとめたものを見ていただいて、それをパブリックコメントにかけるということにしたいと思います。
○笠貫座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、レバミピドについて、事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。レバミピドについて、御説明をいたします。
61ページ、資料8-1を御覧ください。レバミピドのスイッチOTC化した際の効能・効果は、「眼の乾燥感、異物感」です。対応する医療用医薬品はムコスタ点眼液UD2%でございまして、効能・効果はドライアイです。要望者は、本成分の主な要望理由として、長期で使用しても特段の問題が感じられないからを挙げています。
62ページ御覧ください。ムコスタ点眼液UD2%は2011年に承認され、再審査結果は2019年に通知されておりまして、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されてございます。
63ページ御覧ください。安全性に関する情報です。本剤は禁忌に、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されております。また、重大な副作用として、涙道閉塞及び涙嚢炎が、高頻度の副作用として苦味が設定されています。
64ページを御覧ください。推定使用者数等として、日本におけるドライアイ患者数は2,200万人いると言われ、また増加傾向にあるとなっております。次に、同種同効薬についてです。同様の効能・効果を持つ点眼薬として、精製ヒアルロン酸ナトリウムがスイッチOTC化されております。
65ページ御覧ください。海外での承認状況について、本成分は海外で一般用医薬品及び医療用医薬品いずれも承認されておりません。
70ページ、資料8-2を御覧ください。日本眼科学会、日本眼科医会、日本OTC医薬品協会から、それぞれ見解が提出されてございますので、御紹介をいたします。まず、日本眼科学会の見解を紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、ドライアイの病型は多様であり、薬剤を選択するに当たっては眼科医による眼所見の確認と的確な診断が重要であること、ドライアイは慢性疾患であるため、薬剤を継続して使用することになり、眼科医による継続的な経過観察が必要であること、ドライアイに類似する症状をきたす眼疾患が多くあるため、適正使用のためには眼科医による的確な診断が必要であること、自己診断での使用による、不要な点眼や他疾患の見落とし等が懸念されること、との御意見をいただいてございます。
72ページ御覧ください。次に、日本眼科医会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については反対との御意見をいただいております。その根拠として、懸濁液であることから、点眼時に霧視があること、本剤は「涙液異常に伴う角血膜上皮障害は認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること」とされていること、目の乾き、異物感はドライアイ以外でも広く見られる症状であり、また、レバミピド点眼液の副作用としても報告されているため、医師の診察なしに使用された場合、疾患の発見が遅れ、中間秀光体に混濁が残ることにより、恒久的な視力障害を生じる可能性が強く危惧されること、ドライアイには複数の型があり、その病態には角結膜上皮・眼瞼の異常が密接に関わっていることが知られているため、原因に基づいて適切な点眼が選択される必要があるが、その決定には必要な検査と医師の診察が不可欠であること、との御意見をいただいてございます。
85ページ御覧ください。日本OTC医薬品協会の見解を御紹介いたします。スイッチOTC化については賛成との御意見をいただいております。その根拠として再審査報告書において、予測できない副作用で本剤との関連性が明確な症例の集積はないこと、同様の使われ方を期待する「精製ヒアルロン酸ナトリウム」のスイッチOTC化された際の効能・効果と本成分の効能・効果も同様の症状であることから、セルフメディケーションの選択肢の一つとなり得ること、精製ヒアルロン酸ナトリウムは第2類医薬品に分類されていることから、本成分がヒアレインSと同様の症状に対してスイッチ化されても、適正に使用できると考えられること、との御意見をいただいてございます。
87ページ、資料8-3を御覧ください。御意見募集において寄せられた御意見について、簡単に御紹介いたします。19件はスイッチ化に賛成との御意見でしたが、5件は反対との御意見でした。特に取り上げるべきと考えられる御意見として、苦味の副作用があることを強調し、液滴が鼻腔や口腔に入らないように、適切な手技にて点眼する旨の注意書きが必要であるとの御意見がありました。また、本成分については、評価検討会議への企業出席要件が満たされなかったため企業の出席はございません。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございました。それでは、日本眼科学会からの見解について、外園参考人から補足をお願いします。
○外園参考人 先ほどの話ともつながってきますが、使い分けが診察なしでは、まず無理ということがあります。2つ目に、副作用が出る薬剤であると。先ほどのジクアホソルナトリウムは、しみたり、目やにが出たりですが、これは見えにくくなったり、苦いという作用がございますので、それが分かった上で、必要な方に処方していると。必要な方に処方していると、副作用が少ないからスイッチOTC化ということではないということで、非常にきめ細やかなドライアイ診療ができているのが実態であるのもかかわらず、副作用が少ないからスイッチOTC化というのは違うと考えております。副作用はあるということです。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本眼科医会の見解について、原構成員からお願いします。
○原構成員 今、外園参考人がお話になったとおりですけれども、ヒアレインSと違って、我々眼科医からしても、決してファーストタッチで使う薬ではないと考えております。なぜなら、ヒアレインのレジクラスを使って、それでも駄目なときには使うという目のお薬として、我々は捉えています。というのは、書いてありますとおり、懸濁液でありますので、使い心地が悪いというのが1つ。それから、さっきと違って、涙道閉塞とかでMRIの文献を付けさせていただいておりますけれども、こういったことには十分注意する必要があるということで、我々は、患者さんには決してヒアレインとは同列には考えて使っていないという現状がありますので、それも含めて反対ということで、意見を出させていただきます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会からの見解について、磯部構成員にお願いします。
○磯部構成員 日本OTC医薬品協会、磯部でございます。これについて賛成ということでございます。ただ、先ほどのジクアホソルナトリウムに比べますと、今、外園参考人、原構成員からお話があったように、実際の涙嚢炎、涙道閉塞の症例が多いと。これは懸濁剤なので、懸濁している薬剤が詰まっているのではないかという指摘もあるのですが、必ずしもそれが検出されないけれども、そういうような症状が起こると。最終的には、本当に何が原因なのかはよく分からないのですが、ちょうど涙が流れていく先のところが詰まったり炎症を起こしたりしてしまうので、それについては、そこを、実際にパイプを通して流すようにするとか、一旦、この薬の投与をやめて、外科的な治療もするというようなことになっているということでございます。その関係の症例が出たことによりまして、本剤については、承認後、添付文書の改定が行われまして、重要な基本的注意に、涙嚢炎や涙道閉塞に注意せよと、そういう状況があったら、投与を中止して、適切な処置をするということが入っております。これまでもそういった症例が、全部合わせますと300例以上出ているということもございますので、私としては、何とかうまく使っていけるのではないかという部分はありますが、先ほどのジクアスのものに比べますと、この安全性の部分をかなりケアをしながらやらなければいけないということがありますので、先ほどのものより少し難しさが残っている薬だと理解をした上で、賛成という意見をさせていただいております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。それでは、この成分のスイッチOTC化について、御意見をいただきたいと思います。堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。今、磯部構成員の御意見を聞きますと、やはり安全性の面において100%オーケーという形ではないということ。それから、今おっしゃっていたように、例えば点眼後、一時的に目がかすむという懸濁性があるということ、それから、重大の副作用として、涙道閉塞や涙嚢炎が考えられるということ。あと、苦味を感じるということ。それらのことを、例えばファーストタッチの患者様に説明をする。つまり、消費者に薬局が説明するのは、非常に時間もかかりますし、かなり大変ではないかなと思いました。やはりこれは非常に難しいのではないかということは消費者側から感じた次第です。あと一点ちょっと質問させていただきたいのですけれども、日本眼科医会の見解で、原構成員にお願いしたいのですが、このスイッチOTC化の妥当性、101ページ分の72ページを拝見しておりますと、コンタクトレンズの種類によっては、懸濁性があるために吸着することがあるということが心配と書かれていたのですけれども、これはどのようなコンタクトレンズが吸着する可能性があるとか、教えていただけたらありがたいです。私ども消費者ですと、2ウィークの使い捨てコンタクトレンズを使っている方もいらっしゃる場合、この懸濁性があることで、2ウィークで、果たしてそれがずっと使い続けるかどうかということもちょっと一つ不安だしたので、教えていいただけたらありがたいです。
○原構成員 ありがとうございます。これは、御指摘のとおり、懸濁液でありますので、例えばワンデイであれば毎日使い捨てにしてしまうので、それほど問題はないと思うのですが、2ウィークであると、濁った粉みたいな成分がコンタクトレンズ自体についてしまって、コンタクトレンズが濁ってしまうということが起こる可能性がありますので、これもちょっと続くといっても、コンタクトレンズの種類にいっぱい素材があるものですから、この種類が駄目というのは、ちょっとなかなか一言で説明ができないのですけれども、一般には、2ウィークに関しては避けたほうがいいと思っています。こちらでよろしいでしょうか。
○堀構成員 どうもありがとうございました。大変参考になりました。以上です。
○笠貫座長 渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 点眼薬の形状をお伝えいたします。こちらの点眼薬は細い使い捨てプラスチック点眼容器に入っていまして、1本は0.35mLで、1箱112本、28本入りが4つという形入っていて、遮光性が求められます。それをどれだけ消費者の方がきちんとやっていけるか、私たち薬局で渡すときにもかなり丁寧に御説明しながら、眼科の処方を受けたときにはお渡しするようにしていますが、結構かさばるのですね。そんな困難もありまして、今後、どういうふうにOTCを販売していけるか、私も悩ましいところでございます。
○笠貫座長 ありがとうございます。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 堀構成員から私のコメントを少しレスポンスしていただいて、ありがとうございます。私も、ちょっとそこまで調べ切れなかったのですが、先ほど、重篤な症例300例ぐらい今まで報告されているということを申し上げました。添付文書改訂のときの涙嚢炎と涙道閉塞を重大な副作用として入れたときの代表症例が、どれも70代の方なのですね。どうしても年がいきますと、涙道が狭くなって、そういう方が非常に多くなってきていると思うので、こういった副作用を起こしやすいのではないかと思うのですが、若い方でも起こるのかとか、そこら辺は、ある程度年齢層が、この年齢層が出るけれども、もう少し若い人はそうでもないのであれば、もう少しスイッチOTC化の議論もしやすいかなと思うのですけれども、ちょっと私もそこまで知識がなくて、副作用の全症例をレビューできなかったので、少なくとも添付文書改訂のときの代表症例は、3症例挙がっていまして、全部女性の70代だったのですね。そういう方に起こったということなので、そこら辺の区分けができてくると、もう少し考える余地が出てくるのかなと思ってございます。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
○外園参考人 返答させてもらってよろしいですか。
○笠貫座長 どうぞ、外園参考人先生。
○外園参考人 日本眼科医会からつけていただいた参考資料の3ページにある写真が真ん中辺にあるのですけれども、涙嚢炎の中に薬物の結晶のようなものができてしまうのです。ですので、高齢の方がたまたま発症する涙嚢炎とか涙道閉塞とかとは全く違いまして、涙道を使って行った薬剤、要するに懸濁液、水分が溶けないものが涙道の中で固まってしまうような、これが涙嚢炎の副作用ですので、たまたま起こる涙嚢炎とは全く質が違います。 高齢の女性にドライアイが多いから、副作用症例が女性ということであって、使うと一定頻度で起こってくる。これは摘出しないといけないということが問題ですので、分かりやすい図としては、参考資料の3ページの真ん中の写真の白いところ、これが結晶物となります。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員 今のお話を聞く限り、様々な限界が見えてきたように思います。何が限界かというと、磯部構成員は、多方面のお薬についてお話しされるわけですけれども、この評価検討会議に申請企業が、十分な資料を持って出席するということが非常に重要なので、座長にお願いしたいのは、申請企業が自ら出てきて、スイッチOTC化の必要性や、どのように国民に寄与するのかということも含めて、お話しされるのが妥当ではないかと思います。日本OTC医薬品協会が矢面に立って会員企業を守ることも結構ですが、護送船団方式にする必要はないので、個々の企業の在り方も含めて、ここで議論されることが重要です。磯部構成員いろいろは様々な知識を持たれているとは思いますけれどもオールマイティというわけにもいかず、企業の主張を代弁しているのでなければ、できる限り企業が出席して構成員の御質問に対して直接お答えするのが、この評価検討会議の趣旨に沿う近いのではないかと思います。一生懸命やっている企業を逆に守るためにも、企業が出てきて御説明されるのが私は妥当だと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。逆に言うと、今回は、私の理解は必ずしも企業の方が要望しているのかどうかがはっきりしないというところなのだろうと思います。現実に、そういう場合は、ここで、私もこのために大分何時間も勉強しており、審査報告書から再審査報告書から、添付文書から副作用報告から、診療ガイドラインまでいろいろなものを見て、外園参考人から大変御指摘もいただきましたけれども、実際それが、申請企業がいれば、それを踏まえてどうするのかというふうにつながっていくので、まさしく宮川構成員のお話につながっていくのですが、そうでない場合は、この意見、この議論がどういうふうに現実に反映できていくのかということもあるので、私としては、なるべく企業の方の意見もあり、私なりにどういうふうに考えるかという意見もあり、宮川構成員がおっしゃってくれたように、そういうほうがより意味のある議論になると思うので、個人の方からの要望と思われるものを本当にどうしていくのかということについては、今後、事務局サイドでも少し考えていただいて、取扱いをどうしていくのかということについて、ぜひ御検討いただければありがたいなと思います。
○医薬品審査管理課長 事務局でございますけれども、確かに、今回の件はどうかということではありませんけれども、我々としては、個人の方からももちろん受け止めるわけです。ただ、それが、実際、個人の方と言いながら、実際、企業の方なのかもしれませんけれども、全く開発の予定もなくてということだとすると、学会・医会の先生方にいろいろな意見を聞くのも大変かなと、御迷惑をかけるかなというのも若干ありまして、どうしても我々の作業の量もありますけれども、そこは整理をさせていただきたいなと思っています。
○宮川構成員 宮川です。そこを私は危惧したわけですけれども、開発をしたいという企業がないのに、各構成員も、学会・医会の先生も含めて、これは何のためにやっている会議なんですかということになるわけですね。開発意欲のある企業があったらば、それを助けるためにどうすべきか、国民への影響を含めて、検討をすべきであり、またパブリックコメントを求めていくということも必要となってきます。しかしながら、開発計画が無い又は開発が不可能にもかかわらず、ここで検討することに意味があるのかということを、私は申し上げています。ですから、当該企業がなければ議論の俎上に上げるのは難しいという判断になるのではないかと思います。私たち構成員や専門家の先生方がこれだけの時間を使って議論するというのはおかしいとなってしまうのではないかなと思います。開発意欲のある企業が出てきたときに、検討していくのがよろしいのではないかなと思った次第です。以上です。
○笠貫座長 御指摘のように、今回の場合は、個人の方から出たのか、まだ分からないのですね。申請企業が出ていなくても、緊急避妊薬のように、個人から出たものが社会を動かし、それを必要とする方々に前向きな進み方ができているというケースもあると思います。しかし、今度の場合は、どういう過程で要望され、この議題に出てきたのか把握ができていないところがあります。宮川構成員のご指摘のように、あらかじめ事務局でチェックができないのかということを踏まえて、少なくとも議題に上げないときには、座長が見させていただくようにしたいと思います。できるだけ事務局と座長のほうで、入り口をどのようにするかは、落とし穴であったかもしれないと思いますので、これはスキームとして検討させていただくことにしたいと思います。どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。今、座長におまとめ頂いたわけですけれども、緊急避妊薬とて、やはり国民がそれだけ望んでいるのであれば、責任を持てる企業に開発していただきたいと思います。評価検討会議の中で、どのようにしていったらいいのか、どういう立てつけになっていったらいいのかという議論は、企業も交えて十分にやっていくべきだろうと私も思います。そういう企業があるのであれば、最初から手を挙げていただいて、国民の期待に応えられるようなOTCとなるように、販売制度もイメージしながら検討していかないと、スイッチOTC化はなかなか進んでいかないと思います。現状のままでは育薬を見据えたスイッチOTC化にならないと思います。これは緊急避妊薬とても同じだろうと私は思っております。
○笠貫座長 医薬品・医療機器でも、医療ニーズの高い医薬品・医療機器等の早期導入に関する評価検討会議があり、日本の企業がなかなか出ない場合には、厚生労働省から国内企業を探していくというケースもあります。いろいろなケースを考えながら、最終的には、患者、そして、OTCに対しても、ニーズの高い人たちにどのように届けていけるのかということを考えていくのも使命だと思いますし、この評価検討会議では、OTCをどう考えるかということになるのだろうと思います。非常に大切なお話がまた出ましたことを、この評価検討会議としては非常に意義があったと思います。それでは、この成分についてパブリックコメント及び2回目の評価検討会議の議論が必要かについて皆さんに御意見をいただきたいのですが、その前に。
○宗林構成員 すみません。ずっと手を挙げていたのですけれども。
○笠貫座長 気がつきませんでした。
○宗林構成員 座長がまとめていただいたので、追加でという。座長のお話の前に手を挙げていたので、実は、宮川構成員のおっしゃることももっともなのですが、この評価検討会議自体は、消費者の利便性、そして、安全性に関しては、専門家からの意見をいただきながら、スイッチOTC化することとして妥当性があるのを推進していくために検討する会議だと思っていますので、今、座長からも緊急避妊薬の話が出ましたけれども、閣議決定もされ、消費者からも望まれ、やはり必要だということで、そのときには、承認申請が出ていなかったのかもしれませんけれども、医療用医薬品としてはつくっているところあるものにスイッチOTC化ということでありますので速やかな対応ができると思います。場合によっては、個人から出たというようなものであっても、もともと同成分の医療用医薬品をつくっているところは有識者がいるわけなので、そういった方に今専門家あるいは関係するもともとつくっている製造販売業者にお答えもいただくという形での出席になるかと思っていましたので、企業がどこまでを指すのか質問していたところです。
○笠貫座長 時間が大分押してまいりましたので、この成分についてパブリックコメントが必要かどうかについて御意見を聞きたいと思います。必要なしという方が6名いらっしゃいます。必要という人は、お一人でよろしいですか。では、この成分については必要なしと判断させていただきます。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局でこの検討会議結果案を作成し、再び、構成員の先生方に御確認をいただくということで進めさせていただきます。この2つの成分については、ドライアイの患者さんが非常に多いことが大前提にあり、医療側からは、きちんと診断をしないといけないという意見があると思いますが、その中で、患者さんが多くて、1,000万の人が診られていないという状況にあるときに、受診をしていない人たちへの対応策をどう考えていくことが大事と思いました。ムコスタのほうは安全性に問題あり、ヒアルロン酸の後にはジクアスという考え方もあるとのこと。一方、医学的には危険だというお考えがあったと思います。そうすると、国民サイドで考えたときに、1,000万の人たちにどのように医療側から情報を提供して、その人たちへの対応の仕方を示すことも非常に大事になると思います。眼科の専門医あるいは専門医以外に、かかりつけ医機能を持つ人たちが、どう対応していくのかということを踏まえて、これは医療提供体制側の問題としても考えていただきたいと思います。そういう意味で、ジクアスの前の点眼薬についてのパブリックコメントでは、国民の人たちがどうお考えになるかということについてぜひ御意見をいただきたいと思いました。今日の議題は以上ですね。事務局から何かありましたら、お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。時間長過しているところ、申し訳ございません。緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗について、簡単に御報告をさせていただきます。
95ページ、資料9を御覧ください。緊急避妊薬のスイッチOTC化については、平成29年及び令和3年から5年にかけて議論された結果を踏まえ、令和5年11月よりモデル的調査研究事業を実施してございます。
96ページ御覧ください。令和5年11月末から令和6年1月末までのモデル的調査研究事業では、都道府県により販売個数にばらつきがあり、特に販売個数が少ない地域では地域の実情に見合った対応等を考察することが困難なこと、薬剤師が販売の可否を判断するために使用する資料において、既に購入希望者が妊娠をしている可能性の判断に係る項目に改善の余地があること、購入者の85%において、避妊の正比が確実に判断できる3~5週間後に産婦人科医を受診していないこと、が課題として挙げられてございます。
98ページ御覧ください。これらの点に対して、各地域における研究協力薬局数を増やす、「妊娠の可能性」に関する聞き取り項目・説明項目を中心に、薬剤師向け資料を改訂する、購入者全員に対して、服用後3週間を目途に、産婦人科医を受診するか、あるいは妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を確認するよう指導を徹底する、販売する薬剤師に対して、「妊娠の可能性」についてより理解を深めるための追加的な研修を実施する、販売する薬剤師と連携する産婦人科医の顔の見える環境を構築すべく、改めて書面等を用いて連携体制の確認をする、これらの対応をしまして、令和6年9月末より新たな研究計画にて、モデル的調査研究事業を実施してございます。
99ページ御覧ください。令和5年11月末より実施をしております先ほどの調査研究事業とは別に、厚生労働科学特別研究事業として「緊急避妊薬の薬局販売に備えた薬剤師研修用資材の作成」をしてございます。これは、日本産婦人科医会、日本薬剤師会及び薬剤師研修センターの御協力を得て、緊急避妊薬がスイッチOTC化された場合に備え、薬剤師が受講する研修を作成するものですが、実際にスイッチ化の際に研修を義務づけるかどうかは現時点では未定でございます。なお、作成に当たっては、令和5年度研究事業結果で得られた課題を踏まえ、内容を検討してございます。
100ページ御覧ください。令和6年度モデル的調査研究事業においては、令和7年1月末販売分までのデータに基づく報告がなされる予定となっております。また、令和7年度以降のモデル的調査研究事業の実施については、現時点では未定となっておりますけれども、継続を見据えて政府予算案の中には盛り込んでございます。
101ページ御覧ください。過去の評価検討会議において、緊急避妊薬のスイッチOTC化の課題とされた「一定期間後、要指導医薬品から一般用医薬品に自動的に移行しない制度を創設する必要があるのではないか」との御指摘に関する状況について御説明いたします。本指摘については、薬機法の改正が必要となるため、昨年、医薬品医療機器制度部会において議論をしており、その際の資料がこちらにお示しをしたものでございます。この中で、下の2ポツ目ですけれども、医薬品の特性に応じ、必要な場合には、一般用医薬品に移行しないことを可能とすることを掲げていただいており、現在、この方向で法改正に向けた検討を進めているところでございます。事務局からの御説明は以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。ただいまの御説明に御質問ございますか。平野構成員、どうぞ。
○平野構成員 日本チェーンドラッグストア協会の平野でございます。この調査研究事業は、1つ目は、当然、安全性の担保ということが大きな目的にあるわけですが、一方で、利用者の課題とかニーズを探るという側面もあるかと思います。その中で、私、非常に違和感を覚えていますのが、6ページですけれども、来局時期及び曜日については大きなばらつきは見られない。おおむね9時から19時に集中という記述があるわけですが、利用者はホームページ等で営業時間を確かめたり、事前に薬局に電話をかけたりしてから薬局に行くため、一般的な調剤薬局が閉店している時間帯や曜日では、夜遅くや曜日を問わず営業しているドラッグスストア併設薬局に来局が偏っている可能性がある。全ての薬局を足すとこのような平坦なデータになるので、薬局の属性も解析要因に入れた方がよいのではないか。あるいは、利用者の属性の観点で、本剤の販売対象は女性であるものの、男性からの相談があるのであれば、その中にひょっとすると隠れたニーズがあるかもしれないので、そのような内容を解析するのが良いのではないか。あるいは、今、非常に店舗数が限られているがために、遠方から来ている方もいるかもしれないのですね。そういう利用者の分布を見てみると、実際、どんなニーズがあるのかということがもう少し見えてくるのではないのかなと思います。そういったせっかくの調査ですので、本当にその利用者の姿を見られるようなものにしていただければと願うところです。
○医薬品審査管理課長 御意見どうもありがとうございます。この調査に関して言いますと、如何にして適正使用を確保するかという目的で調査をしているわけですが、店舗ごとの属性を分類しているわけではありません。また、通常の9時から19時に集中しているというのは、これは一応24時間受け付けるという前提のもとの方で解析をしたということになります。プロトコールが以上のようになっていることから、そういう解析をした結果ということを報告しているということになっているということであります。それから、どこをどのように調査をするかということに関して言いますと、それは調査可能ではありますけれども、どれだけどのように調査をすることは、調査対象にも業務量をかけるかということに比例するわけでありまして、調査の精度とは反比例することになります。一方、今回に関して言いますと、2月以降の調査については、困った事例があったら、それをより深掘りしていこうということで、御指摘については、一定程度は調査結果が明らかになるものと思っております。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。堀構成員。
○堀構成員 すみません、磯部構成員、お先に失礼いたします。私からの質問ですけれども、8ページ、101ページ分の98ページの研究計画変更のところの2ポツ目です。購入者全員に対し、服用後3週間をめどに、妊娠の有無を確認するよう徹底と書いてあります。「徹底」と書いてあって、受診又は検査薬と書いてあるのですけれども、これは受診を促すように徹底する又はこの検査薬というのを購入させるという徹底という理解でよろしいでしょうか。質問させていただきます。
○笠貫座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。今の御質問の点について、プロトコールを改訂する前から、受診については、3週間後に行ってくださいねということで御案内をしているところでございまして、それについては、引き続き、そのようにお願いをするというのと、検査薬については、やはり3週間後に戻って来ていただける方、産婦人科医に行っていただける方が14%程度にとどまることも踏まえまして、もし、妊娠検査薬を自宅にお持ちであれば、買っていただく必要はないのですけれども、持っていない、そして、3週間後に産婦人科医にもどうしても行きたくないということが販売時に確認ができれば、それは妊娠検査薬ももしよければ一緒に御購入いただけませんかといった形で案内をするということをしてございます。
○堀構成員 よろしいでしょうか。
○笠貫座長 堀構成員、どうぞ。
○堀構成員 私としましては、検査薬を購入させるように薬局で勧めていただけたら非常にありがたいなと感じました。私からの意見です。以上です。
○笠貫座長 磯部構成員どうぞ。
○磯部構成員 ありがとうございます。日本OTC医薬品協会、磯部でございます。1つが、前から申し上げているのですが、6ページの薬局の要件ですが、夜間及び土・日・祝日の対応、あとは個室導入するということで、この点はなるべく柔軟にぜひやってもらいたいなと思います。この問題は、前のときにも申し上げたのですが、今現在、婦人科クリニックが全国で3,200ぐらいで、どちらかというと違う部分でかなり努力されておられて、こちらのほうが、土・日の対応も含めて、なかなかアクセス・拠点として、数的になかなか限られているということが一つのポイントになっていて、私が申し上げた、実際に緊急避妊薬をOTC化した場合には、でき得れば2万軒ぐらいの薬局で扱っていただくと、必要な方の手に届くのではないかと思っております。夜間及び土・日・祝日の対応ということに関しても、実際、24時間対応できなければいけないということで、結構勉強されている方もこの要件で入れないとか、個室のこともあるので、できる限り、どういう人がやっていて、その人に寄り添えて、産婦人科の先生とやれるのかとあるので、もう少し実際に緩めたこともぜひ考えてもらいたいなと。あとは、なるべく数も多くしてやっていただきたいと思います。最終的に、いつ、どうするのかということは、あえて聞きませんけれども、ぜひ、早くスイッチOTC化を考えてもらいたいなと思います。それからもう一つが、9ページの日本産婦人科医会のコメントで、令和5年度の調査結果だと、購入者の多くが、服用後の産婦人科受診は見込めないと言っているのですが、現実に、どれぐらい理解して説明していても、こういう結果は出てしまうのではないかと思うので。だから、薬局・薬剤師は駄目なんだ、だからどうだというのは、やめてほしいなと私は思います。実際に、非常に真面目にやっておられる。特に145薬局ですか、私もずっとそういう薬局を見てきましたけれども、かなり真面目に勉強もして、やっておられる方も多いので、こういうことで非難をされるのは、私はどうかなと思っておりますので、そんなことも現場でやっておられる方の気持ちも考えていただきたいなと思います。以上です。
○笠貫座長 事務局、どうぞ。
○医薬品審査管理課長 先ほど24時間対応というのは、相談、対応を含めてということであります。若干間違っていました。それから、磯部構成員について、コメントに一々反応する気は全くないですけれども、1点だけ。日本産婦人科医会のコメントにこう書いてあるのは、101分の97ページに書いてある結果でありまして、販売が、「産婦人科を受診しましたか」と言うのは、「いいえ」が85.6%であります。これが今回の販売です。右側には調剤。これはいわゆる処方箋を受けて調剤した場合も同じように85.7%でありました。この結果について、日本産婦人科医会の先生方とも議論したのは、これはもうこういうものだと、こういう前提のもとにどうあるべきなのかということを考えるべきだというのが日本産婦人科医会の先生方の意見でありました。また、日本産婦人科医会の先生方が言っていたのが、薬剤師の先生方が改善すべきものとして、妊娠の可能性ということに対して、その教育、研修がうまく十分できていないという御指摘があったのと同じような意見でありまして、妊娠をしているかどうかというのをなかなか薬剤師の先生方が分かるかというと、これはかなり微妙だろうということで、そういう前提のもとに、再度、研修をきちんとしっかりやるべきだということを御指摘いただいたので、今回、こういう研修資材をつくったという経緯になっているということであります。以上です。
○笠貫座長 宗林構成員、どうぞ。
○宗林構成員 岐阜医療科大学の宗林です。2点ございます。1つは、6ページにはDのところで、近隣の産婦人科医等との連携体制というのが赤字で書いておりますけれども、結果として、使用者側のその後はどうだったのかというのはあるのですが、全容をちょっと細かく見てないので分からないのですが、その販売した薬局と、その近隣の産婦人科医との連携ということについては、どのぐらいのことがきちんとできたのかということをぜひ知りたいと思います。それが1点。もう一点は、今回、いろいろな要件でこの特別な研修を受けた云々でこういうところということで、トライアルから始まっていますけれども、今後、要指導医薬品で止め、そして、説明とか、個室が必要であるとか、そういう難しい薬の承認を下ろしていくという仕組みを、今、構築中であるとすれば、それは薬よってばらばらの違うところというよりは、例えば健康サポート薬局とか、その上の健康サポート薬局でも何かマークがついているところで一律対応する等消費者側も、どこで売っているかがぜひ分かりやすいような形の一律感があったほうがいいかなと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。松野構成員、どうぞ。
○松野構成員 日本保険薬局協会の松野です。そもそも数として売られた数が2,181件。そこから様々な課題が見えてきて、改善に努めているという点は評価できるかなと思うのですけれども、それがまた足りないからということで、対象薬局数を増やされた。恐らく、また、そこで様々な課題が出てくると思うのですけれども、そうなってくると、どうしてもどこがゴールなのかというところが見えにくいというところがありますので、そこがある程度データがそろった時点で、必ずそこを評価の終わりとして、だから、そこなどを課題にしながらスイッチOTC化するという方向にぜひ持っていっていただきたいなと思う点が1点。あと、先ほどもあったと思うのですけれども、購入者の多くが、服用後、産婦人科医を受診していない。やはりこれは現実的には、検査薬でチェックするというのが第一段階が妥当だなと思うのですね。その中で、もし妊娠が成立していれば、必ず産婦人科医を受診してくださいという流れのほうが、今後は主流となっていくだろうという点を考えると、その流れも変えていっていただければありがたく思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。この議論はつきませんので短くお願いします。
○富永構成員 もちろんです。日本薬剤師会としては、各都道府県の薬局で手を挙げてもらって、一生懸命この研究事業に取り組んできているわけです。もちろん、日本産婦人科医会ともお話をして、地域の産婦人科を受診するようにということを必ず申し添えております。それで、もし妊娠なさったということが分かれば、必ず地域の産科を受診していただくことを必ず申しておりますので、もっともっと研究事業をやれというなら、一生懸命やりますけれども、これだけやって、まだやるのかという意見もあるということは御理解いただきたい。
○笠貫座長 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 2つ。1つは、宗林構成員と全く同じことを思ったのですけれども、近隣の産婦人科医等との連携体制という課題が上がっていて、服用後に、産婦人科医を受診したことをもって、連携があるかないかを見ているのだろうかという疑問を持ちました。事後に受診をしていただくことのみが連携ではなく、日頃からの相談であるとか、そういったことをしていただきたいわけで、地域の中の薬局は、専門医療機関ときちんと協力して地域の患者さんなり利用者さんなりのサポートができる体制を作っていただきたいので、そういう連携体制が見えるようにしていただきたいというのが1点です。もう一点は、いつまでこの調査をするのかという感じはやはりあると思いますので、期限を切って、OTCにしていくということを考えていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長 ありがとうございます。事務局から答えはありますか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。宗林構成員、佐藤構成員からいただいている連携について、具体的にどのようなことという御指摘をいただいていましたけれども、具体的には、販売をするときに、何かあったらこの先生のところに行ってくださいという紙を一緒に購入者の方にお渡しをしています。その先生のところときちんと連携をとっておいてくださいということになっています。そのときは、協力薬局と実際にその医療機関との間で紙を交換していただきまして、そのような形でちゃんと顔の見える関係を、お互いに信頼関係を構築していただいているという状況でございます。以上です。
○笠貫座長 それでは、時間を切って申し訳なかったのですが、令和5年度報告書については、この評価検討会議で一度きちんと議論したいと思っています。2017年に緊急避妊薬をこの評価検討会議で検討を始めてから、のべ7年間9回の会議において議論してきました。この緊急避妊薬については、消費者の立場、薬局の立場、専門医の立場、そして、かかりつけ医の立場も含めて、さらに性暴力支援センター、行政も含めて、日本全体として、性教育のあり方を含めて現状を俯瞰した上で、十分に議論してきたと思っています。そういう意味で、多くの望まない妊娠で悩む方々、あるいは性暴力を受けた方、その方たちに私どもがどのように対応できるのかについて真剣に考えてきたこの評価検討会議の座長として、ぜひ、この初年度の報告書について皆様と議論をしたいと思っています。そして、2年間にわたる調査として、どこまで続けるべきなのか、どこにそれを要望して、ニーズとして求めている方々に対して、我々が応えることができるのか考えたいと思います。「骨太の方針」にも取り上げられ、社会問題としてなったことを踏まえた上で、その問題を提起したこの評価検討会議としての任を果たしたいと思っています。可能であれば、今後出される報告書や本件の結果についてもご報告頂ければと思います。
○事務局 次回の報告書は、昨年と同様に5月前後の見込みになりますので、それらを踏まえて報告いたします。
○笠貫座長 今後、本件をどのように扱うかについては、行政的判断もあるかと思いますし、また、様々なところでの議論があると思います。しかしながら、この評価検討会議としても、一応、端を発している会議でもありますし、可能な限り議論をして行きたいと思います。その上で、それらも踏まえて、今後の対応を検討して頂ければと思います。
○医薬品審査管理課長 分かりました。そこはちょっと考えさせていただきたいと思いますが、この評価検討会議について、その役割も踏まえつつ、この評価検討会議にどういうふうにフィードバックするかということの観点で、座長と御相談させていただければと思います。
○笠貫座長 そのほかに、事務局からお伝えすることはありますか。
○事務局 ありがとうございます。本日も長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。本日は以上となります。次回の評価検討会議ですけれども、先ほどフローの扱いについて御意見をいただきましたが、それとは別の論点で、少しメールで御審議をいただきたい点がございまして、第31回目は、座長とも御相談をさせていただき、メール審議ということで、また、近くメールをお送りさせていただければと思います。その次の評価検討会議については、詳細が決まり次第、御連絡をさしあげます。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○笠貫座長 調査結果のことについては、単独ではなくても、検討する成分が少ないときに、1時間ぐらい議論できる時間を取らせていただくよう検討しいただきけたらと思います。本日は課題に対する新たな対応策についてのカテゴリーを考えていく中で、新たな貴重な御意見をいただいたことを感謝いたしまして、評価検討会議を終わらせていただきます。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
※外園参考人は「エピナスチン塩酸塩」及び「オロパタジン塩酸塩」の議題では参考人ではないものの、座長により事後的に発言が許可された。
( 了 )
照会先
厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)