第33回アルコール健康障害対策関係者会議 議事録

社会・援護局障害保健福祉部企画課アルコール健康障害対策推進室

日時

令和7年4月28日(月) 15:00~17:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(501会議室+502会議室)
(東京都港区新橋1-18-1)

議題

1.第3期アルコール健康障害対策推進基本計画に向けた検討について
2.第2期アルコール健康障害対策推進計画の評価について
3.その他

議事内容

○小野室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第33回「アルコール健康障害対策関係者会議」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本検討会はオンライン併用ですので、一部の構成員はオンラインでの参加となっております。
 ペーパーレス化の取組として、資料は原則としてタブレットで御覧いただきたく存じますが、操作等で御不明点や紙による資料の御希望等がございましたら、適宜事務局までお申しつけください。
 また、本日の会議は、あらかじめ傍聴を希望された方を対象に音声の配信を行っておりますので、御発言の際はマイクを近づけていただいた上で、お名前を名乗ってできるだけ大きな声で発言いただき、発言時はマイクを御使用いただき、発言されない際はマイクを切るよう御協力をお願いいたします。
 傍聴される方におかれましては、開催案内の際に御連絡している「傍聴される皆様へのお願い」事項の遵守をお願いいたします。また、会場設備の関係で音声に不具合が生じる可能性がありますので、聞き取れなかった箇所については、後日、議事録を公開させていただきますので、そちらで御確認をお願いいたします。
 本日、社会・援護局障害保健福祉部の野村部長は国会関係の用務で遅れての出席となります。
 本日の出席状況について御報告いたします。会場での御出席が、小野里委員、勝嶋委員、渋木委員、志田委員、塚本委員、林委員、松下会長、山口委員となっております。オンラインでの御出席が、石井委員、上村真也委員、江澤委員、金城委員、小松委員、長嶺委員、稗田委員、平川委員、米山委員となっております。白石委員については、オンラインでの御出席ですが、遅れての参加となります。また、本日、上村敬一委員は御欠席となっております。現在、19名中17名出席しておりますので、会議が成立することを御報告申し上げます。
 さらに、本日は関係省庁より、法務省、国税庁、文部科学省、警察庁、こども家庭庁、国土交通省よりオブザーバーとして参加いただいております。
 以上、よろしくお願いいたします。
 撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 この後の進行は、松下会長にお願いしたいと思います。
○松下会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○小野室長補佐 お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料1 志田委員提出資料「精神保健福祉センターにおけるアルコール健康障害対策関連の取り組み」
 資料2 林委員提出資料「アルコール健康障害対策 断酒会の取り組み~アルコール依存症対策を中心に~」
 資料3 今後のアルコール健康障害対策関係者会議の進め方について
 資料4-1 第2期アルコール健康障害対策基本計画の取組状況(概要)
 資料4-2 第2期アルコール健康障害対策推進基本計画(基本的施策等)の取組状況(令和6年度)
 資料5 アルコール健康障害対策基本計画の構成について
 参考資料1 アルコール健康障害対策基本法
 参考資料2 アルコール健康障害対策関係者会議令
 参考資料3 アルコール健康障害対策推進基本計画
 参考資料4 委員名簿
 参考資料5 アルコール健康障害対策関係者会議(第30回~第32回)において出された御意見等
 不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 以上となります。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。議事次第2「第3期アルコール健康障害対策推進基本計画に向けた検討について」です。本日は2名の委員に御発表いただきたいと思います。一人当たり15分でお願いしておりますので、時間に御留意いただいてお話しいただきたいと思います。13分になるとベルが鳴ります。あと2分ということで、まとめていただければと思います。
 本日はお二人からの御発表ですので、お二人から続けて御発表いただいて、その後に質疑応答の時間を10分ほど取りたいと思います。
 まず、志田委員より御発表、よろしくお願いいたします。
○志田委員 よろしくお願いいたします。
 15分程度で、精神保健福祉センターにおけるアルコール健康障害対策関連の取組についてお話しさせていただきます。
 次のスライドお願いします。お話しさせていただくのは以上のような内容になります。最後の「むすびに」のところで少し提言的なことを申し上げたいと思っております。
 次のスライドお願いします。まず、全国の精保センターでの相談件数の推移についてですが、アルコール相談は精保センターでは年4000件程度で横ばいというのが現状です。ギャンブル依存症については、ほかに相談支援が整備されていないことと、精保センターではSAT-Gという簡易の認知行動療法プログラムを実施していることなどもあり、ここ6年で3370件から7776件へと倍増しています。治療という意味では、適応がある薬物がないギャンブル依存は、医療機関ではなかなか関わりにくいということも影響していると思います。
 また、右にありますように、保健所のほうでは断トツでアルコール依存症の相談があるような現状がございます。アルコール関連問題は、依存症の中では医療機関が入院治療を含め、一番積極的に介入できる分野のため、医療機関と身近な保健所での連携が受診につながっているのかなというふうに考えております。
 次のスライドお願いします。山梨県における推移を別に示します。全国的には横ばいとお伝えしたアルコール依存症の相談も、山梨県では増加傾向にあります。ギャンブル依存症の相談が倍増しているのは同様なのですけれども、こちらは3年間でのデータになりますので、より顕著な増加傾向にあるというのが私の印象でございます。
 次のスライドお願いします。各精保センターにおける取組ですが、自治体の規模や人員の数にもよりますので、差があるのが実情でございます。ただ、電話相談に始まりまして、来所相談などの相談事業や家族教室などは多くのセンターで実施されています。そのほか、関係団体との連携、市町村や保健所が抱える困難事例を一緒に検討したり、刑務所や保護観察所の依存症プログラムに対しスタッフを派遣するなど、サポートしています。また、偏見解消のための研修会を開催したり、学校への出前授業やSBIRTSセミナーを断酒会の方と共催したりしています。
 それ以外に、例えば山梨県では日中に当事者グループミーティングを所内で行っていたりします。当事者が自助グループに行くと、お酒を飲んで帰ってくるのではみたいな家族の不安がどうしても治療導入の当初はありますので、そういった場に公務員がいる場所を設定することで家族の不安を解消し、そこから地域の自助グループへとつながっていただくような橋渡しなども行っています。
 私も中高で孤立・孤独の解消をメインにした依存症関連問題の出前授業をしておりますが、反応を見ている限りでは、高校生年代にやるのでは少し遅いかなという印象を持っています。また、学校からは、これは一例ですけれども、夏休み前にうちの生徒に一発気合を入れてください的な、依存症の実態を全く理解していない依頼というのも正直、来ますので、ある意味学校サイドのニードというよりは、子供たちには私たちが考える必要なお話しをさせていただいているというのが現状であったりします。
 次のスライドお願いします。山梨県では、各種依存症の情報発信や相談増を目的としたターゲッティング広告や専用のホームページの開設を行っています。こういった活動も相談増につながっていると考えていますが、費用対効果を考えますと、一元的に国で行ったりということのほうが効果的なのではないかなという印象も持っています。
 次のスライドお願いします。そのほか山梨県では、依存症サポーター養成研修として、100万人を目標にここサポというものを厚生労働省が設定してやっているところではありますが、このここサポの部分はいじれないので、それにプラス30分、当事者のメッセージを追加することで、多分当事者の声を初めて聞くことになる方が多いのかなというところがありますが、半分強制的にというか、そういった当事者の声を聞く機会を増やしていくことで、少しでもスティグマの解消につなげられればなという活動を行っています。
 ここ2年間、昨年度、一昨年度とやっておりますが、私も1回ずつ研修の講師をしたりしました。その中での感想がここに記載されていますが、やめれば解決だと思っていたけれども、そうじゃないことに気がついたとか、昔、今日の知識があればよかったなと思ったとか、自分と重なり合う部分もあったので、ちょっとどきっとしたとか、共感が持てたとか、感想的にはおおむね良好なものが多いかなと思っています。もともと、ここサポとか、こういったものの研修を受けようという意識が高い方をターゲットにしたほうが、より効果的に依存症の偏見の解消とか、そういったものにつなげていけるのではないかというふうに私なんかは考えています。
 次のスライドお願いします。そのほか、全国センター長会の取組といたしましては、調査研究とか、久里浜医療センターやNCNPが行う研修等に講師として協力しています。また、32回の会議で青山参考人もトラウマケアの重要性について言及されていたと思いますが、トラウマ解消のための取組というのも行っています。
 精神疾患というのは、非常に簡単に申し上げますと、遺伝的負因を含めた持って生まれた心のパワー的な部分と、その後の環境因子がどうであったかというものの掛け算で発症するかどうかということが決まると私は考えておりますが、その持って生まれた心のパワー、環境要因、どちらにも悪影響が及ぶのがトラウマというふうに考えています。ACE、逆境的小児期体験を持つことは、平均寿命にも影響するなど、その後の人生に多大なマイナスになることが明らかになっています。そのため、トラウマインフォームドケアの視点で子供たちを見ていくことの重要性は、教育分野でも広がっているところかなと思います。
 Trauma and Violence Informed Careは、このトラウマインフォームドケアの概念をさらに拡大し、暴力や社会構造的な不公平が二次的に依存行動を維持しているという視点を提供し、社会環境の改善も依存症の解消には必要であるということを示しています。ちょっと見にくいかもしれないですけれども、緑色の個人的要因の中にアルコール使用問題があるのは当然ですが、赤い社会的要因の中には適切な法制度の必要性というものが示されていますし、青いコミュニティ要因の中にはアルコールがもたらす様々な暴力に対する寛容さというものがマイナスであるということも示されているのかなというふうに私は考えています。
 次のスライドお願いします。以上を踏まえまして、今後、取り組むべきことについて少しお話ししたいかなと思います。
 次のスライドお願いします。31回、32回の会議の中でも発表者の方がおっしゃっていましたが、トラウマ対策をきちんと行い、世代間伝達を断ち切る対策は重要だというふうに考えています。そのためには、児童虐待防止法など介入権のある法律を適切に運用していくことが必要かと思われます。一般の精神科は、精神保健福祉法の下、成人期まで積み残された問題を少ない資源で一手に担わされているのが現実です。成人の精神科に持ち越された時点で既に遅いのは、発達障害がよい例で、その年代までの対策に実効性が伴っていない結果と認識する必要があるのではと僕は考えています。
 本来、成人の精神科に持ち込まれてよい問題は、思春期以降に発症する統合失調症や鬱病など内因性疾患が中心です。生来性の問題が成人期まで半ば放置されて持ち込まれているとすれば、そこは改善する必要があるのではないかと思います。そのため、現行法制度の中で既に強制権のある児童相談所などが積極的に介入し、少なくとも義務教育年代までに適切な介入がなされることが、一部の依存症問題の解消には重要なファクターになるかなと思います。そのためには、私は県の会議などに出ているのですけれども、関係機関ができない理由を探すことをやめること、根本的な意識改革が必要ではないかなと思っています。
 次のスライドお願いします。こういったトラウマの問題等をきちんと扱ってもらえないまま成長してしまうと、次のスライドお願いします。様々な依存の問題が顕在化してきます。下の台形は植木鉢だと思っていただければと思うのですけれども、そういったトラウマとかがきちんと扱われないことで、生きづらさ、孤独、人間不信、自分が嫌いとか自己肯定感が低いといったものが栄養になって、私はよく依存の木があるという話をしているのですけれども、依存の木が生えてきます。モノに対する依存とかヒトに対する依存とかコト(行為)に対する依存みたいなものが出てくるのかなと思っています。
 左下にある強迫的性行動症は、ICD-11では衝動制御の問題のところに入っておりますが、基本的にはむくむくとこういった依存の木が育ってきてしまいます。そして、クロスアディクションという言葉もありますが、アディクションの問題は、重複しているのではなく、この木のように枝葉の問題に別の名前がついているだけなのではないかなというふうに、私が患者さんを診ている限りでは思っています。そのため、例えばアルコールの枝を切ったとしても、一時的には収まるかもしれないですが、別の依存症の問題が顕在化したり、また枝が伸びてきてしまうことが起こります。
 そういった繰り返す依存症の問題を解消するためには、根から枯らすということだと思うのですけれども、自助グループを中心とした活動でギブアンドテイクの関係性を維持できる相互依存という健全な自立を達成し、それを維持していく努力を常に怠らないようにしていかなければならないのではないかなと考えています。
 次のスライドお願いします。最後に、過去の回の記録を拝見させていただきますと、数値目標を設定すべきだという意見が多数出ていたと思うのですが、そういったことについて私見を述べたいと思います。
 次のスライドお願いします。既に副流煙では、健康被害などから路上禁煙は半ば常識化したと思いますが、文化という言葉を隠れみのにして、まだ飲酒に関しては甘い風土があるように思います。どのぐらい飲んでもよいのかという点につきましては、32回の会議で白石委員が示された2018年の「ランセット」の論文には、健康でいたいならアルコールはゼロにという言葉がはっきり書かれています。ただ、私も山梨県で本会と同じような会議体を座長として運営しておりますが、様々な関係者の方が入っており、数値目標を設定するのはなかなか難しいということも理解しております。
 でも、例えば町なかで嘔吐している人をスルーしているというのは、文化人というか、文明国というか、そういった面でどうなのかなということを常々思っています。そして、吐くまで飲んでいいということは、どういった方もオーケーとは言わないのではないかなというふうに僕は思っています。そんな中、嘔吐を放置するということは、例えばノロウイルス感染症、最近も食中毒の問題がいろいろなところで起こっていますが、これは嘔吐物からの蒸気を吸入するだけで感染するリスクも指摘されておりますので、公衆衛生的な問題があることも事実であったりします。
 そのほか、嘔吐している人が本当に過量飲酒によるものなのか、頭蓋内病変とかはないのかといった急性の病気の問題がないのかということの生命倫理的な問題はあると思いますし、また観光立国を目指す国として環境問題にもよくないですし、そのほか、嘔吐している人の横を通り過ぎる子供の倫理教育的にもどうなのかなと思います。そして、法律の専門家ではないので、間違っているかもしれませんが、路上で嘔吐することは軽犯罪法第1条26号に該当し、拘留や科料に処される場合がある。つまり、前科者になるリスクがあるということのようです。前科者になるリスクは避けようということで、健康な飲み方にとどめていただけるのは、僕はよいことなのではないかなと思っています。
 自由市場と業界の自主規制ではなかなかうまくいかないため、数値目標の設定が求められていることが実情だと思いますので、まずは嘔吐するまで飲むのは駄目ということを現行の法制度の中で示せないか、検討していただければと思っている次第です。
 以上が私の発表になります。御清聴ありがとうございました。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、林委員より御発表をよろしくお願いいたします。
○林委員 全日本断酒連盟事務局の林和博と申します。不慣れです。よろしくお願いします。
 全日本断酒連盟のアルコール健康障害対策の取組についてお話しさせていただきます。
 2枚目です。アルコール健康障害対策推進基本計画策定後の施策として出された、2017年度の厚労省による受診後の患者支援に係るモデル事業の構築、そして拡充があります。
 2020年度の地域連携による依存症患者の早期発見、早期対応から継続的なサポートに至る一貫した形でのモデル事業創設があります。
 第2期基本計画では、内科、救急等の一般医療、一般の精神科医療機関、専門医療機関、相談拠点、自助グループ等の関係機関の連携体制(SBIRTS)の構築を推進すると明記されました。
 これら施策に従い、各都道府県においては、地域の実情に即した推進計画が策定されています。策定に当たっては、各都道府県断酒会も参画しています。
 次のスライドお願いします。全断連のアルコール健康障害対策への対応として、全断連が主催、地方自治体より受託・共催し、あるいは厚労省、警察庁から後援をいただいて市民公開型のイベント等を行っています。
 アルコール関連問題市民公開セミナーは、全国の主要都市で年間50回。
 アルコール依存症からの回復を祝う全国大会を年1回。
 同じく、全国9ブロックに分けたブロック大会を年9回。ちなみに、関東ブロックでは昨年、千葉県の主管で世代間連鎖をテーマに700名の参加で開催されました。今年は5月に埼玉県の主管にて、春日部市で行われます。
 全国一斉アルコール関連問題啓発街頭キャンペーンを、アルコール関連問題啓発週間に合わせて、47都道府県主要都市で、昨年は2500人の参加で行っています。
 SBIRTSの普及促進事業を全国展開しています。顔の見える地域連携の構築、医療・行政・断酒会の三位一体となったSBIRTS普及促進事業に努めています。
 次のスライドお願いします。これは昨年、大阪の堺市との共催で行われました全国大会の様子です。1995名の参加です。内訳は、行政45、医療174、その他の機関76、一般参加が141、断酒会会員・家族が1519名です。
 次のスライドお願いします。昨年11月のアルコール関連問題啓発全国一斉街頭キャンペーンの様子です。写真は沖縄県です。全国47都道府県で実施しています。
 次のスライド。基本法成立後10年の断酒会の現状です。
 活性化の兆しが見えてきません。国や地方公共団体の施策が打ち出される中、自助グループ、断酒会は苦しんでいます。会員数も、新しく入会する人の数も断酒例会参加者数も著しく減少し、高齢化現象だけが目立っています。
 SBIRTS普及促進事業の効果を拒んだ新型コロナ感染症問題は、断酒会に大きなダメージを与えました。酒害相談の場所でもある例会場が使用できなくなり、例会の開催ができない状態が長く続くなど、現在もその後遺症に悩まされています。地域連携の分断現象も大きく影響しました。
 次、スライドお願いします。断酒会は苦しんでいます。
 会員数・家族会員数の減少、10年で64%に減少。
 新入会員数も10年で58%に減少しました。
 深刻な高齢化。10年で70歳以上が27.8%から32.6%に。
 全国で開催される例会数、4万1000回から3万2000回、78%に減少。例会参加者数、10年で63万6000人が30万6000人に。
 新型コロナ感染問題による地域連携の分断が、この傾向に拍車をかけたと思います。
 スライドお願いします。会員数減少のグラフです。
 次、スライドお願いします。新入会員数の推移です。
 次のスライド。例会開催の推移です。
 次のスライドお願いします。例会参加者数の推移です。10年で63万6000から30万6000です。この中には一定数の家族参加者が含まれます。ちなみに、私の妻は27年間、ほとんど私と一緒に参加しています。酒をやめている年数も女房のほうが長いです。
 次のスライドお願いします。SBIRTSはアルコール依存症対策の切り札と考えています。関係者会議の中で、SBIRTSの重点課題は最初のS、スクリーニングになるかと思われますが、全断連の課題は最後のS、自助グループへの接続が重要な課題になります。
 スライドお願いします。最後のSの実現に向けて、断酒会はSBIRTS普及促進3事業を展開しています。
 2018年からSBIRTS普及促進セミナーの全国展開を開始。
 2022年から地域資源(自助グループ)に対するSBIRTS実践の研修会を行っています。これは自助グループによるアルコール依存症者、問題飲酒者の受入態勢の整備をするものです。
 2020年から依存症対策全国一斉啓発キャンペーンを、アルコール関連問題啓発週間に合わせて、アルコール依存症の早期発見・早期対応、地域での継続支援を念頭に、「アルコール依存症からの回復をめざして」と「飲酒運転根絶」をスローガンに47都道府県街頭キャンペーンを実施しています。
 次のスライド。SBIRTSの展開は、厚生労働省依存症民間団体支援事業補助金の交付を受けて、2018年から行っています。
 地域行政・地域医療機関と顔の見える連携の構築に努めています。
 次のスライドお願いします。セミナーの趣旨です。
 1.地域行政、地域医療、自助グループの連携により医療・相談から自助グループによる長期的な回復への円滑な移行を目指しています。
 2.自助グループの活性化を図り、アルコール健康障害対策、依存症対策における自助グループの役割の遂行能力強化を目的に行っております。
 3.各地域において、地域連携によるアルコール依存症の早期発見・早期対応、地域資源による継続支援を実施する。
 次のスライドお願いします。SBIRTS普及促進セミナーの展開です。
 主催者は、公益社団法人全日本断酒連盟、地域行政機関、地域拠点病院、地域医師会等。
 主管者を開催地域断酒会が担い、後援者は猪野亜郎、辻本士郎、菅沼直樹、和気浩三の4名の先生に献身的に務めていただいています。
 参加対象者は、地域自治体担当職員、地域行政職員、医師、コメディカル等70~150名。
 オンライン配信併用のハイブリッド方式を2022年から始めています。
 次のスライド。2018年から2024年までの累計です。28地域で55回開催。参加者数4349名。参加者内訳は、行政関係が24%、医療関係が35%。
 次のスライドお願いします。断酒会会員として、SBIRTS実践の研修会を2022年度から年1回、1泊2日で行っています。
 参加者は、基調講演講師を1名から2名、自助グループ中堅会員60~70名、自助グループの家族20~30名。
 テーマとして、SBIRTSによる受入態勢の整備。
 基調講演の題材は、SBIRTS実践の課題と展望。
 ワークショップは、アルコール依存症者と回復者を結びつけるロールプレイになっています。
 分科会も行って、本人を4班に分けて、家族1班。以下のテーマで行っております。
 スライドお願いします。アルコール関連問題啓発週間、全国一斉街頭キャンペーンに使用したチラシです。昨年は17万枚作成し、全国47地域に配布しています。1地域平均が3500枚です。
 次のスライドお願いします。自助グループの役割についてまとめてみたいと思います。
 次のスライドお願いします。
 まず、医療関係者に自助グループの存在を知ってもらう。一般医療、総合病院への働きかけが重要になると思います。
 関係機関と自助グループの信頼関係、顔の見える関係の構築を目指します。
 関係機関スタッフを自助グループの例会・ミーティングに招待し、回復者の声と姿を実地に体験してもらうよう努めます。
 関係機関と自助グループがSBIRTSの意義を共有する。双方がSBIRTSのスキルを身につけることを目指します。
 関係機関からの紹介を受け止め、応える体制を整えたいと準備しています。
 次のスライドお願いします。顔の見える地域連携を推進し、紹介された皆様に大切に寄り添い、アルコール依存症からの真の回復を目指していきます。
 以上です。御清聴ありがとうございました。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 それでは、お二人からの御発表について、御意見あるいは御質問をお願いしたいと思います。発言時は、会場参加の委員は挙手の上、オンライン参加の委員は挙手機能を使用していただいて、私が指名させていただきますので、御発言いただくよう御協力のほどお願いいたします。
 それでは、いかがでしょうか。
 塚本委員、お願いします。
○塚本委員 志田委員、林委員にそれぞれ1つずつ質問があります。
 まず1つ、志田委員へ質問です。依存症サポーター養成研修の話の中で、サポーター養成講座に30分、依存症当事者のメッセージを追加しているという話がありました。私も依存症の予防教育へ行くときに、受講者に依存症当事者の話を聞いてもらうというのはとても意義があって、反応もよいことなので、これ自身、とてもいいことだなと思います。どういう人が当事者として参加しているのか教えてください。
○志田委員 御質問ありがとうございます。
 アルコールに関しましては、断酒会の方に来ていただいています。AAの方は、こういったものは主義が合わないというところがございますので、私がやった回は毎回断酒会の方とギャンブルの方ですね。ギャンブルの方も当事者の場合と、家族の会の方から家族のお話を聞いていただくのも重要かなと思いましたので、私がやった2回は断酒会、断酒会と、ギャンブルの当事者とギャンブルの家族の方に来ていただいていました。あと、山梨県にはゲームの施設があったりしますので、そこで元当事者の方で、今、スタッフをやっている方にも参加していただいたりして、2人の方に15分ずつお話ししていただいて30分という形になっています。
○委員 ありがとうございます。
 全国で参考にしてほしいなと思ったときに、地域によっては依存症の当事者で体験談をしてくれる人を探すのは結構大変だろうなと思ったので質問しました。
 もう一つ、林委員なのですけれども、断酒例会の参加者数がすごく減っていて大変ですという話がありました。1点だけ、2022年度から23年度にかけて、ここだけ増えているのです。3万8000人ぐらい増えている。これだけ増えているのはなぜかなと思って質問しました。それこそ例会の開催も22年から23年のところだけちょっと増えていたりするのは、コロナ禍以降なのか。今、その分析ができているのであれば、気になったので聞かせていただきました。分からなかったら、大丈夫です。
○林委員 ちょっと分からないです。すみません。
○塚本委員 分かりました。ここが増えているのは何でだろうなと思って、素朴な疑問でした。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインのほうで米山委員から挙手いただいております。米山委員、お願いします。
○米山委員 林委員に質問です。地域自治体職員向けにSBIRTSの研修を行って、そのうち4349名が受講されて、24%が行政で35%、医療関係者ということだったのですけれども、その細かい内訳は分かりますでしょうか。
○林委員 細かい内訳は分からないですけれども、多いのは窓口担当、直接電話相談を受けたり、そういう方が多いですね。お偉いさんは少ないですね。直接窓口で担当される方が結構多いです。
○米山委員 ありがとうございます。
 私は、行政職に向けての研修というのは、トップセミナーと直接窓口を担当する実務の関係者向けの研修と、両方が重要だと思うのですね。というのは、実務家は大体2~3年ごとに転勤で代わりますので、研修をしても定着というところがなかなか難しいのではないかと思うのです。ですので、これは断酒会の皆様だけではなくて、こういった研修を後押しする厚労省の皆様にも、研修の実施の方向性みたいなところで、ぜひそういったところを盛り込んでいただけたらなと思いました。
 それから、35%の医療関係者の内訳も分からないでしょうか。
○林委員 申し訳ないです。医者ということだけで、分からない。
○米山委員 分かりました。これも医師なのか、看護師なのか、ソーシャルワーカーなのかというところで変わってくるのかなと思ったことと。私は看護職ですので、看護系の職員の依存症の理解というのがなかなか進んでいないのではないかというところが非常に気になっております。全国でももっと力を入れて研修を進めていく必要があるのではないかなと思っておりました。
 以上です。ありがとうございました。
○松下会長 ありがとうございました。
 オンラインのほうで石井委員、小松委員から挙手をいただいていますので、石井委員、小松委員の順でお願いします。では、石井委員、お願いします。
○石井委員 当事者として参加させていただいている石井と申します。
 先ほど塚本委員のほうから質問がありました、志田委員の発表の中での当事者のお話をここサポ養成研修で行われている中に、断酒会の方とかの参加のほかに、AAの参加は難しいのでというお話がありました。私は、ここに参加しているのは当事者としての参加で、自助グループの代表では全くありません。しかし私の住んでいる地域では、県の精神保健福祉センターとか保健所からAAのほうに当事者として経験談をというような要請があり、それに対応している例が結構数多くあるものですから、そちらのほうでのAAへの声かけのときに参加が難しいというような返答でのお断りがあったのでしょうか。
 実際、断酒会の方たちと同じように、AAのほうでも当事者としての体験談を、御本人の方、もしくは家族の方や関係者の方たちの中でお伝えしていきたいということの活動はさせてもらっていると思いますので、その辺の御事情が分かりましたらお願いいたします。
○志田委員 すみません、正直なところ、私たちの精神保健福祉センターでやっている、先ほどの公務員が同席してという自助グループにはAAの方も参加していただいております。この辺がちょっと難しくて、私が前、県立病院に勤めていたときの個人的なお願いみたいなものであれば、行けるのかなということでやっているところがございまして、AAというところの成り立ちが、あまり組織に属することがどうなのかとか、ある一定の組織と同調することがどうなのかみたいなことが、私が本を読んでいても書かれていたりするところがあるので、もしかするとすみません、お願いの部分が健康増進課というところから行っているところがあります。
 あとは、どういった経過でなっているのか分からないところもあるのですが、そんな感じなので、個別にお願いすることは多分できると思うのですけれども、AAというところに県から団体にお願いするというのがちょっと難しいというのは、僕の認識だけなのかもしれないですが、その辺は県の担当者とお話しして、AAの方にも御参画いただけるか、今年度もまたやる予定でおりますので、県のほうと調整したいと思います。御指摘ありがとうございました。
○松下会長 それでは、小松委員、お願いします。
○小松委員 電波状態が不安定で、1回入り直したりしているので、ビデオオフで参加させていただきます。
 志田委員の発表で非常に重要な指摘、トラウマに向き合い、世代間伝播を断ち切るというところで、児童相談所も今の枠組みでもかなり関われるのではないですかという御提案がありました。
 私も全く賛成で、この頃、特に女性のアルコール依存症の方で、子育て世代も身体合併症で結構入院されます。総合病院に入院されると、かなり体がシビアなので、2週間とか、そのぐらいは入院されているのですね。それまでは子育てが大変だからとか、いろいろおっしゃって、逆に治療的介入を拒む場合も、入院したら、要するにあなたがお留守の間、どうしましょう。あなたもちゃんと体を治さなければいけないね。そうすると、もっといろいろ手を借りたほうがいいのではないだろうかという形で、かなりひどいネグレクトとか虐待も考えられるようなケースだと要対協(要保護児童対策地域協議会)まで開いたり、うちの病院ではしております。そこまで行かなくても、子育て。
○小野室長補佐 小松先生、事務局です。音声、今、途切れているようですけれどもね。
○小松委員 すみません、どこまで音が入っていましたかね。
○小野室長補佐 2~3分ぐらい前までは入っていたのですが、途中で切れてしまったので。それ以降があまり聞こえない。
○小松委員 必ずお子さんの状態を調査して、そこで入院中にいろいろ関わりを始めるということが大事なのではないかという、志田先生のお尻に乗って提案したという話です。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょう。
 では、山口さん、お願いします。
○山口委員 保健所長会からの山口です。
 志田委員に伺いたいことがあります。精神保健センターと保健所は、各都道府県でかなり密接に連携してやっていると思っております。そういう中で、特に県型保健所は、どうしても当事者の方との接点が希薄になりつつあって、精神保健センターのほうに紹介するというパターンが多いのではないかなと思っているのですけれども、そういう中で、精神保健センターの立場から保健所に求めるものがありましたら、お聞かせいただければと思います。
○志田委員 御質問ありがとうございます。
 山梨県は4つ、県型の保健所がありまして、あと甲府市に市の保健所があるのですけれども、本当に小さい、80万人を切っている県ですので、行政のスタッフ、私、みんな顔見知りのような状況がありますので、それは病院にいたときからそのような状況が続いています。なので、今、保健所のスタッフも、措置入院とかが起こると退院に向けて病院に行かなければいけないとか、あとは地域によってはよく分からないですけれども、医療観察法の患者さんなんかの退院のときにも関わっていくみたいなことがありますので、そういった形のときに病院のスタッフとか患者さんに接することがいや応なしにあるのかなというふうに思います。
 その中で、アルコールの問題がどこかにあるような方が少なくないと思いますし、正直、山梨県なんかは保健所のワーカーが結構頑張ってアルコールの相談。特に地方に行くと、どうしても高齢者のアルコール問題が本当に問題になっていたりしますので、そういったところには地域保健課の保健所のスタッフが訪問したりということもやってくれていますので、そこで本当に困ったときに私たちの精神保健福祉センターに事例検討みたいな形で持ち込んでいただくと、医者に相談するという場面が、保健所のスタッフはお金の問題もあったりしてなかったりするのですけれどもね。私のところに御相談いただく分には、業務の中でやっていることだったりしますので、そういった形で保健所のスタッフが前面に出て山梨県は頑張ってくれているかなと思っています。
 なので、若い方はどうしても難しいと思うのですけれども、僕ぐらい、40代、50代ぐらいの保健師さんは昔の保健所の保健師さん的な機能を担っていた方だと思いますので、そういう方は地域で訪問とかをやっていらっしゃったかなと思います。そうすると、東京にいたときに勤めていた病院から中野区の保健所に行かされていたのですけれども、歩いていくと酒瓶がごろごろしている人のところに地域の保健師さんと一緒に行って、あの人、どうやって病院につなぐかねみたいな相談をしていたりしていたのですけれども、そんなことをやっていくようなことをやらなければならないのではないかなということで。
 1人で行くのは怖いし、どういった状況判断というのも、医者の言うことだとあれだけれども、ということもあったりするので、私は保健所のスタッフもそうですし、市町村の保健師さんなんかにもぜひそういった予算を獲得してくださいみたいなお話しをしていて、訪問したときに相談できるお医者さんを見つけるとか、一緒に訪問していただくような日をつくるような予算を獲得していただくとか、そういったことをやっていただくと、保健所のスタッフもかなりストレスが軽減されるのかなと思いますし、アルコール病棟を持っている病院のお医者さんを雇っていただくと、自然とうちで受け入れるよみたいな話になってくるのかなと思いますので、最後の病院を紹介するときの抵抗が少し減るのかなと思います。
 本人も1回会ったことがある人だと、かなり抵抗が減るということもあると思いますので、ぜひそういった予算を獲得していただいて、精神科のアルコール病床を持っているお医者さんとコミュニケーションがうまく取れるような関係性を築いていくことが、アルコール依存症の場合には、先ほども申し上げましたように、入院治療がほかの依存症に比べると枠組みが昔からあるものですので、そういった形でつなげるようなことをやっていただくといいのかなと思っております。
 以上です。
○山口委員 ありがとうございました。まだ医療に結びついていない人をどう医療に結びつけるかについて、先生たちと顔が見える関係があると説得力も増すだろうということと、アウトリーチということに対する予算があるとやりやすいのではないかという提案だと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。
 あともう一つ、世代間連鎖を断ち切るという点について教えてください。保健所は家族全体をケースとして捉えて、市町村と一緒に対応しています。世代間連鎖を断ち切ることの大切さは実感しています。しかし、そこを断ち切るのがとても難しいです。こうすれば断ち切れるとか、断ち切る方法があったら教えていただきたい。
○志田委員 本当に難しい問題だと思うのですが、どうしても日本の医療体制は予防のところにお金がなかなかついていなくて、治療のところにはある程度お金がついていると思うのですけれども、治療のところに行っても本当に後手後手に回っているというのが現実としてあるのかなと思っています。今回の会では違いますが、例えばゲームネット依存の問題なんかも、ゼロ歳児から30%が持っているという現状があったりするので、そういった会議のところでは、お母さんが子供にスマホを持たせようとしたら、スマホを渡すのではなくて、保健所の保健師さんに、悩んでしまって、私、そういうふうになってしまいそうなのだけれどもみたいな相談体制をつくらないと、10年選手、15年選手になってから外来にいらっしゃっても、もう遅いという状況があると思うのですね。
 アルコール依存症なんかは、さすがにゼロ歳児に飲ませている人なんていないのですけれども、30代で来る重症の人というのは、中学生ぐらいからお酒を飲んでいて、30代なのですけれども、15年選手みたいな人が病院で一番本当にどうしたらいいか分からない難治例みたいな感じになってしまっていると思うのです。なので、そういった人たちが今後、いろいろな依存症で病院に来ることに多分なるのではないかということを僕は危惧しているのですが、そうならないためには、ゼロ歳児健診の前の健診から、普通のお母さんたちは何回も行くわけですね。一番まずいのは、突然産気づいていらっしゃって、今まで全然健診を受けていない方というのも完全にハイリスクな方だと思いますので、そういった人たちに手厚いサポートが入らなければならないと思いますし。
 そうじゃない方にも、産前のスクリーニングの状態のときからアルコールの問題もあると思いますし、各種いろいろな問題がそこにないかということを助産師さんとかがチェックしていくというようなことが重要なのかなと。そこで、助産師さんのところで見つけた情報を、きちんと次の新生児科とか、そういったところにつないでいったりということをやっていかないと、どこかで情報が途切れてしまうととんでもないことになっていてみたいな話になるのかなと思います。こういった話をいろいろなところで言っても、山口県で話をしたときに、山口県の産婦人科の先生が1人だけ連絡をしてきてくださったのですけれども、そういったところにも皆さん、なかなかぴんときてくれないので難しいのですが。
 まずはそういうお話をいろいろなところでしていって、世代間連鎖というものがあって、先ほどの私のスライドにもありましたけれども、アルコール依存症は、この人が飲み始めてアルコール依存症になったというよりも、外来をやっている方は分かると思いますが、親もアルコール依存症という人は結構いますし、女性の場合であれば、お父さんみたいな人とは絶対結婚しないと思っていたのに、お父さんみたいな人と結婚して、お父さんみたいな人というのはアルコール依存症で、また旦那さんに暴力を振るわれているといったことが起こるということを、きちんと世の中に知らしめていくというところからかなと思います。
 ですので、そういったことをSBIRTSセミナーじゃないですけれども、まず知っていただくところからやらないと、知らないと多分そんなことに興味も湧かないし、必要性も感じないと思いますので、知っていただくところからかなと思っています。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、ウェブのほうで稗田委員から挙手いただいていますので、お願いします。
○稗田委員 ソーシャルワーカーの立場で稗田です。よろしくお願いいたします。
 お二方のセンターさんと断酒会さんの長年の取組と成果に敬意を表しているという前提の下で、すみません、今後のことについてそれぞれにお伺いしたいなと思っております。
 まず、今後のことに関連してですけれども、精神保健福祉センターの相談のケースが増えていかないということについてですけれども、その大きな理由をちょっと教えていただきたいということと。
 それから、私も精神保健福祉センターさんと連携して研修などをやらせていただいていますけれども、例えばコロナ以降、世の中のいろいろな情報の取り方とか相談の仕方が随分と変わってきているという流れの中で、オンラインの相談を行政さんがなかなかできないという、予算の関係とかがあると思いますけれども、今後、そういう相談者を増やしていくということ。相談件数が増えないということは、ある種のトリートメントギャップの一つなのかなというふうに私は思っているのですけれども、その辺りの今後の新しい対応というか、そういうことのどんな話がセンターさん、全国で出ているのかどうかということをお尋ねしたいのが1つです。
 もう一つは、私はソーシャルワーカーの立場ですけれども、福祉の領域で、今回はヤングケアラーのことをちょっと取り上げさせていただいたりしているのですけれども、最近の調査、233名のアンケートの中で、依存症の元ヤングケアラーの方たちですけれども、その方たちが心情的に情緒的なケアをすごくやっているということが突出して出てきているというところでは、カウンセリングでもそうですけれども、個別の相談というのはすごく大事なのだなと考えています。
 そういったときに、去年、こども家庭庁さん、児童福祉法の改正によって、こども家庭ソーシャルワーカーという新しい任用資格ができたのです。それで、今年初めて、その認定資格を取ったソーシャルワーカーが誕生しているのですけれども、どこと連携していくかというと、ヤングケアラーの問題等で精神保健福祉センターさんとか行政さんとか、そういう関係機関さんと連携していくということを視野に入れているようなのですね。そういうところで、センターさんが、新しい資格なのですけれども、そういう人たちと連携していくことはどうなのかとか、そういう辺りも教えていただきたいと思います。
 それから、断酒会さんのほうですけれども、こちらもSBIRTSのことは本当にすごいな、5000人もの方が受けられたということで、すばらしいと思っている反面、率直に申し上げますと、依存症の課題というのは、医療モデルはもちろん重要ですけれども、心理・社会的な側面もやっていかないと、最後のSのところにたどり着くのに、最初のSBIRTSのSの前の発見というところが私は大事だなと思っているのですね。
 だとしたら、例えば講師の先生たちは本当にすばらしい先生たちなのですけれども、そこに社会系の専門家とか、例えば地域包括とか、いろいろな関係機関がその発見のところの役割を果たしていると思うのですね。そういうところがまだまだ知られていないという現状が本当にありますので、そういうところとの連携を今後どうされるのかとか、そういうお考えがあれば教えていただきたいのと。
 あと、断酒会さんの伝統もあると思うし、家族という中の特に子供に対しては、何か今後取組をされるようなお考えがあるのかどうか。1つは、断酒会の家族の方のお話を聞きますと、子供さんを連れて断酒会に行く。そうすると、御家族の立場でもお話しをするのだけれども、子供さんは別の会員さんが見てくださっていて、でも、実は自分の親からネガティブな対応をされているけれども、断酒会の方たちに子供さんがお世話をされることによって、すごくいい心理的な影響を受けているということも聞いておりますので、そういう現状みたいなものもぜひ何か前向きなことがあれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○松下会長 それでは、志田委員からお願いします。
○志田委員 御質問ありがとうございます。
 大変申し訳ないのですが、私たちのところは増えていて、全国的な統計を取ったときの精保センターのアルコールの相談数が横ばいということに関して何も考えておりませんでした。今度、総会があるので、そこでちょっと聞いてきたいと思います。申し訳ございません。
 ということで、多分、地域でいろいろ試行錯誤しながら相談先を、例えば私たちのところで言えば、ターゲッティング広告で検索すると一番上に出るような形のことをやっていたりということも、もしかしたら山梨県では相談増につながっていることもあるのかなと思っているところなので、そういったことをやっているところとやっていないところで相談数の増減があるのかということは、ちょっと考えなければいけないなと、今、聞いていて思いました。
 オンライン相談に関しましては、ひきこもりなどでは、例えば私たちの山梨県もメタバースを利用して相談の対応なんかもやっているのですが、そういったところにいらっしゃる方が、ひきこもりもほとんど利用されていないような状況がありますので、オンライン相談というのを果たしてどういった形でやるのがいいのかなというのは、アルコールに関してもなかなか難しいところがあるかなと、今、聞いていて思いました。
 あと、新しいソーシャルワーカーとの連携ということで、ヤングケアラーのお話があったと思うのですけれども、例えばお母さんの心理的サポートをかなりしていらっしゃる高校生の娘さんみたいなものがイメージとしてあるのかなと思います。そういった方から御相談いただければ、私たちのところにお電話いただいたりということがあれば、それは本当に心理的な相談を受けるということはやっています。依存症の出前授業のときに、今年から名刺サイズの子供向けの相談窓口の電話番号を書いた紙を渡して、最初、匿名でもいいから電話してきてねみたいなことを出前授業の中では言っていたりします。そういった中で、ぽつぽつと未成年の方の相談が増えているかなという、相談記録を見る限りではそういった印象が出てきています。
 ただ、連携というお話になってきますと、どうしても行政というのは、多分ヤングケアラーのことはこども家庭局がやっていたりみたいなことがあったりします。あと、精保センターというところには、基本的にお金をつけるような権限がなかったりします。例えば、ソーシャルワーカーの方が精保センターに、先ほど申し上げましたような事例検討という形でお持ち込みいただければ、私たちのところに精神科医とかワーカーとか保健師とか心理職もいたりしますので、ソーシャルワーカーの方と一緒に考えることはできますので、そういった形の連携はできるかなと思っております。
 以上です。
○松下会長 続いて、林委員、お願いします。
○林委員 断酒会の林です。
 最初のSの前の段階というお話もあったのですけれども、それは当然みんな考えていて、公益法人法が今年の4月から変わったのですね。そこの中に、外部理事を1人と外部監事を1人入れなさいという、これが法制化されたのです。その中に外部監事の方。それは地域支援センターの方にお願いして、そのつながりの中で監事の役割をお願いした経緯がございます。そういうふうに、断酒会とは直接じゃないのですけれども、支援する方とは積極的に関わろうという動きではあります。その成果がすんなりと監事を引き受けてもらえたということにつながったのだろうと思いますけれどもね。
 実際、お酒を飲んでいる本人、依存症の方というのは何も困っていないのです。早い段階のアルコール依存症の方というのは、困ったことは何もないのです。困っているのは家族の方。私は千葉県千葉市なのですけれども、市が行うアルコールに関する相談というのを定期的にやっています。それに断酒会は参加して、来られる方は主に家族です。本人は困っていませんので、来ません。そういう活動は行っております。早期発見ということで、相談があるのは家族ですね。家族が多い。本人から直接来るということは滅多にない。それはよほど進んだ段階ですね。
 それと、世の中の流れなのですか、最近入会される方は単身者が多くて、単身者も早期発見というのはなかなか難しくて、かなり進んだ状態が多いですね。最近入ってこられる若い方というのは、単身者が非常に多く見受けられます。
 子供のこと。私は自分のことしかしゃべれないですけれども、私もそうでした。私が入会したときには子供は小学生が3人いたのですけれども、本人は自分の断酒で精いっぱいで、自分の子供に対して、人として、あるいは親として接してこられたかというと、これは難しいですね。私は子供だけじゃなくて、配偶者に対しても、人として、旦那として接してこれたか。自分が断酒することに手いっぱいで、振り返ったことはございません。できなかったです。実際、断酒も進んで安定してくれば、小さいお子様を連れてこられる。これは自分も経験したことですので、そのことには十分に配慮して、周りもそうですけれども、家族の方も協力してくれて、小さい方には手厚くやっているはずです。つもりです。
 喜びというのは、昨日は千葉県でソフトボールがあったのですけれども、中学生の頃、連れてこられた男の子ですけれども、大学2年生になって準硬式を始めたという元気な姿を見せてくれて、活発に動いてもらいましたけれども、断酒会の中では私たちの励みになります。私たちが逆に励まされるという関係ですね。社会が言っている、子供たちをどうするのだというようなことに、私たち断酒会はなかなか応えられない。私の場合は断酒する後ろ姿を子供たちに見せることしかできなかったというのが実情でございます。よろしいでしょうか。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 次の議事もございますので、御質問等、まだあるかもしれませんが、質疑応答はこれまでとさせていただきたいと思います。そのほか、もし御意見等ございましたら、後日、個別に事務局まで御連絡いただければと思います。
 続きまして、議事次第3「第2期アルコール健康障害対策推進計画の評価について」、議論させていただきたいと思いますので、まずは資料について事務局から説明をお願いいたします。
○羽野推進官 事務局の羽野でございます。
 資料3から5に沿って御説明したいと思います。
 まず、資料3「今後のアルコール健康障害対策関係者会議の進め方について」ということでございます。
 第33回、本日の議題は、今、ヒアリング、お二方、御発表いただきましたが、その後、これからということで、第2期の評価、それから第3期に向けた総論についての御意見をいただくという回で今日のところは考えております。
 その上で、第34、35、36、37ということで、今年は6月、9月、11、12月ということで、あと4回程度御議論いただくというような感じで考えてございます。6月以降は、必要に応じ、総論についても御意見いただきながら、各論の議論もお願いしたいと考えておりまして、その上で年末には報告書(案)の議論もお願いできればと考えてございます。
 資料3は以上でございまして、次、資料4-1を御覧いただければと思います。資料4-1は2期計画の取組状況についてでございます。主要なデータについて取組状況をまとめた資料でございます。詳細は資料4-2にもございますけれども、時間の関係もございますので、資料4-1に沿って御説明したいと思います。
 まず、1ページ、発生予防のところでございます。
 発生予防については、達成状況のところを御覧いただければと思いますけれども、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合について、男性は減少しておりますけれども、女性は9.1から9.5というところで増加している状況でございます。女性の社会進出が影響しているのではないかという御意見もありますけれども、この辺りはよく分析が必要だと考えてございます。
 その下の20歳未満の飲酒者の割合についても、基本的には改善しているところでございますが、中3の女子だけは減少していないという辺りも留意する必要があるのではないかと考えてございます。
 それから、右側の妊娠中の飲酒者の割合は、若干ですけれども、改善しているという状況でございます。
 下の評価のところでございますけれども、女性については数字がまだ増加しているというところもございますので、引き続き女性の飲酒問題も含めて、取組について重視していく必要がある。また、取組が引き続き必要だというふうな考えでございます。
 続いて、2ページをお開きいただければと思います。2ページは、重症化予防、再発予防・回復支援でございます。
 真ん中の達成状況を御覧いただければと思いますけれども、都道府県・政令市における関係者連携会議につきましては、全自治体で設置済みになっている状況でございますけれども、複数回開催については、まだ改善の余地があるというような状況でございます。
 その下のアルコール依存症に対する認識のところでございますけれども、例えば①の3つ目のポツのところ、「本人の意志が弱いだけであり、性格的な問題である」というような回答をしている割合が減っているとか、正しい認識をしていただいている方が増えてきているような状況でもあるということが言えるのかなと思います。
 一方、その下の○、アルコール健康障害の重症化予防ですけれども、アルコール性肝疾患で受診した患者数につきましては、平成29年が3万7000人に対して、直近のR5年が7万1000人となってございます。こちら、※3に注釈がございまして、推計方法を変更しているため平成29年と単純な比較はできませんと書いてあります。もう少し補足いたしますと、具体的にどういうふうに変更しているかといいますと、令和2年のときに外来患者数の推計をするときに、算定対象期間を30日間から98日間に変更していまして、端的に申し上げますと、受診間隔が1か月よりも長いような患者さんが含まれるような計算方法になった。
 これはアルコール性肝疾患に限った話じゃなくて、全体としてそういうふうに変わったということですけれども、そういったことがあるので増える傾向の変更があったということでございます。なので、患者数が上振れしたということではあるのですけれども、それを差し引いても大きな数値ではございますので、この辺りのところはまだなかなか分析し切れているところではございませんが、よく分析する必要があるのではないかと考えております。
 続いて、その右側のアルコール性肝疾患による死亡数者についても、残念ながら増加しているところで、こちらもよく見ていく必要があるだろうというふうに思っております。
 続きまして、3ページをお開きいただければと思います。こちらからは基本的施策でございます。
 1番の教育の振興等のところでございます。学校教育などにおける普及啓発の取組とか、飲酒ガイドラインの話とか、アルコール問題の啓発週間の話など、様々取組を行っているところでございますけれども、さらなる普及啓発として、どういう取組が必要かということで御意見をいただきたいと思っております。
 その下の不適切な飲酒の誘引の防止のところですけれども、1つ目の○の2行目以降では、酒類業界では、酒類の容器へのアルコール量の表示について、現在、ワーキングを立ち上げて検討いただいているというふうに伺っておりますので、その辺りのところを記載しているところでございます。今後、さらなる防止にはどういうものがいいかというのを御意見いただきたいと思います。
 続きまして、4ページを御覧ください。3.健康診断及び保健指導、4.アルコール健康障害に係る医療の充実等というところで、地域における連携会議の開催、それから、専門医療機関も含めた医療体制の整備の辺りをまとめているところでございます。いずれも一定程度進んでいると思っておりますけれども、さらなる取組としてどのような方策が必要か、御意見をお願いしたいと思っております。
 続いて、5ページをお開きください。
 上のところですけれども、飲酒運転等をした者に対する指導でございます。飲酒取消講習における相談機関の紹介といったところを記載しております。
 それから、6番は相談支援の取組、研修の話なども書いておりますけれども、この辺り、どのような対応が必要か、これらも御意見いただきたいと思っております。
 続いて、6ページを御覧ください。7が社会復帰支援、8が民間団体の支援でございまして、社会復帰支援のところは、例えばハローワークによる就労支援の話。それから、民間団体支援のところは自助グループなど、民間団体支援の実績などを記載させていただいておりますが、この辺り、さらにどうしていくかというところは御意見をいただきたいということで資料をまとめてございます。
 資料4-2に細かいデータなども含めてまとめておりますので、時間の関係上、説明は省略させていただきますが、こちらも引き続き御参照いただきながら御意見いただければと思っております。
 続きまして、資料5を御覧ください。資料5は、アルコール健康障害対策基本計画の柱立てについてまとめた資料でございます。現行の計画についてまとめた資料でございます。柱立てのレベルで見直すべきところがあるかについて、ちょっと大括りの柱立てなので、柱立てとしてはこの程度というところもあるかもしれませんが、もしあれば御意見をいただきたいと思っております。
 それから、最後になりますが、参考資料5というものがございます。こちらは、これまで30回から32回において、委員の皆様から、もしくは御発表いただいた中でいただいた御意見を、便宜上、事務局のほうでまとめさせていただいたものになります。これまでの議論を振り返っていただく際の参考としていただければということで御用意させていただいておりますので、こちらも必要に応じて御活用いただければと思っております。
 簡単ですが、私からは以上です。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問、お願いしたいと思います。発言時は挙手の上、私が指名してから御発言いただくよう御協力お願いいたします。まず、ウェブのほうで小松委員から挙手いただいています。また、上村委員、米山委員と挙手いただいていますので、小松委員、上村委員、米山委員の順でお願いいたします。まず、小松委員、お願いします。
○小松委員 すみません、引き続き電波状態が悪いので、ビデオオフです。
 まず、資料4-1に沿って、ちょっとお話ししますが、必要に応じて、要するに5年間が基本計画なのですけれども、中間年度で進捗のチェックをする必要があるのではないかと思うのです。4-1の重点課題の一番最初で、例えば3年目には必ず進捗チェックをする。計画見直しも考えるというのを、今度の第3期計画にはぜひ入れていただきたい。それはどうしてかというと、コロナでもろもろ吹っ飛んだとき、2年間、私ども委員は何もお仕事がございませんでしたけれども、お仕事がないぐらい、めでたくいろいろなものが進んでいたかというと、全然そうではなくて、先ほど断酒会の委員のほうからもかなりのダメージがあったとか、いろいろあるわけですから、3年目とかに進捗チェック、計画見直し、これは絶対に入れていただきたい。
 次に行きます。重点課題の2、進行・重症化予防、再発予防・回復支援なのですけれども、ここの重点目標なのですが、もうちょっと細かい数値目標を入れたらいいのではないかと思います。例えば、援助職がどのぐらいの知識を持っているか。重点目標の○には、依存症に対する正しい知識・理解を持つ者、これは一般市民も全部含めてなのですけれども、依存症については援助職がまだまだ知らないどころか、一般市民よりもまずい人も多いので、例えばアルコール関連の3学会がまとめたeラーニングがございますね。ああいうものの受講者数をモニタリングしていくと違うのではないだろうか。
 あるいは、受診している患者さんの数も、例えばこころの連携指導料がどのぐらいカウントされたかとか、AUDITはどうだとか、そういうのでカウントしたら、これは大分違うのではないか。ですから、重点目標の中の数値目標をもうちょっと細かく持つといいのではないかと思います。
 それから、重点課題のその次です。基本的施策の取組の1の教育の振興のところですけれども、医学等の専門教育。ここは医学等となっていますけれども、これも援助職で、先ほどもありました体験談とセットのレクチャーというのはとてもインパクトがある。本当にそうだと思うのです。私も沖縄で臨床研修病院群なんかでもやったりしていますけれども、体験談とセットはとても大きい。
 あと、実習です。いろいろな援助職、精神保健福祉士さんとか社会福祉士さんとか看護師さんとか、みんな実習がありますね。もちろん医学部、医師もありますけれども、そこの実習の対象疾患に依存症を入れるというふうにしないと、カリキュラムには入っているけれども、実際のことは何も知らないという形で卒業していく人たちが多いのではないかといまだに思うので、そこを何とかしていただきたい。
 それから、教育ということで言えば、ちょっと広いですけれども、先ほど志田委員がおっしゃったようなターゲッティング広告に近いような動画と、それから、これでお酒をやめたくなったなと思ったら、ここに電話してくださいみたいな。オーストラリアなんかだと、禁煙でQuitlineというのがあって、動画をやった後、そこに電話してみたいに、それこそ子供の虐待の全国共通の番号がございますね。あんな感じでできたらいいのではないか。
 2番、不適切な飲酒の誘引の防止で、先ほど純アルコール量表示についてはワーキンググループが立ち上がったと。大変ありがたいことなのですが、例えばコカ・コーラさんも酎ハイとか出しているのですけれども、今のところは酒造業界でということになっているので、そこに含まれていないのですけれども、栄養成分表示ということになれば、すべからく全部出るのではないかと思うのですね。全ての食品にカロリーとかたんぱく質とか糖質とか脂質とか出ていますね。あれと同じように、1パッケージ当たり表示すればいいのではないかと思います。
 それから、3番、健康診断及び保健指導のところです。後の就労のところとも関係してくるのですが、仕事がなくなってから初めて自助グループにつながる方が多い。先ほど林委員もおっしゃっていました。本人は最初、全然困っていない。そうなのです。仕事がなくなってから慌てて自助グループにつながる。でも、そうではなくて、仕事がまだあるうちに職域での減酒指導。例えば、集団でS-HAPPYと言ってHAPPYプログラムを応用したりするとかなりお酒が減るのです。こういうようなことをやったらどうだろうか。
 それから、4番目、医療の充実です。ここもさっき言いましたけれども、どこの病院であっても、精神科の病院であれ、一般病院であれ、アルコールの問題を持っている方が入院したら、とにかくお子さんの状況を調査するというところに何らかお手当てがついて、スクリーニングをせん妄のようにすると大分違うのではないかと思います。
 5番目は飲酒運転の話です。今まであまり出てこなかったのですが、私、去年の厚労省のシンポジウムに登壇させていただいて少しお勉強して、インターロックはそろそろ導入していいのではないかと思うのです。それから、受診の罰則つきの義務化をやっている自治体というのは、明らかに飲酒運転を契機に治療につながっている方が増えているのです。これは吉本先生の研究でもはっきり出ていますので、そういうことを考えていただきたい。
 それから、6番、相談支援なのですが、精保センターと保健所でなかなか増えないのはどうしてなのでしょう。志田先生のところは物すごくアクティブにやっていらっしゃるから増えるけれども、今の人員で今までどおりのやり方でやると、これでも目いっぱいなのではないかと思うのですね。そうすると、病院に勤めているソーシャルワーカーさん、地域連携室は今、どこでもございますので、ここでの相談支援をアルコールについてはどのぐらいやっているのだというのをカウントすると、大分違うのではないかと思うのですね。そういうふうなことで、行政がカウントしている、ウオッチしているとなると大分違ってくるということはいろいろなところであるようですから、ぜひそういうふうな数値目標も含めて入れていただければと思います。
 以上です。
○松下会長 たくさんいただきましたが、事務局、よろしいですか。
○羽野推進官 御意見ありがとうございました。ぜひ様々な委員の皆様から御意見いただいて、まずはそれを受け止めてから対応を検討したいと思いますので、取りあえず今のところは。
○小松委員 もちろんそうだと思います。よろしくお願いいたします。
○松下会長 ありがとうございました。
 続いて、上村委員、お願いします。
○上村(真)委員 読売新聞の上村です。よろしくお願いします。
 時間もあるので、端的に3点意見があるのですけれども、主に正しい知識の周知広報について意見を言います。
 1点目ですけれども、2月に飲酒ガイドラインが出たと思います。これをどういうふうにより実効的な形で周知するのかという方策を、まず考えてほしいと思っています。一般の人ももちろんそうなのですけれども、医療機関の方とか、生活保護のケースワーカーの方とか、福祉系の自治体の職員の方とか、あるいは酒販店とか居酒屋とか、こういったアルコールを扱う店舗の関係者といった人たちを含めて、どのように周知していくのか。これを例えば印刷物の枚数とか配布先とかも含めて、しっかりと議論してほしいというのがまず1点。
 2点目ですけれども、これは難しい問題なのですけれども、今までのイベント中心の啓発の在り方というのはどうなのかという問題意識を持っていまして、特に依存症問題については、毎年、薬物とギャンブルを併せる形で音楽のイベントを開いたり、シンポジウムを開いたりして、啓発活動にこれまで取り組んできたと思うのですが、もちろんこれがこれまで一定の成果を上げてきたことは間違いないと思うのですけれども、一方で、ここ数年、前例踏襲といいますか、そういったものになってしまっている側面が否めないような気がしていて、実際、イベント会場に行っても、参加者の多くは自助グループとか医療分野の関係者が多くて、本来リーチすべき予備軍の方とか家族に届け切れていないという現状があるように思います。
 もちろん、イベントの開催を否定するものでは全然ないのですけれども、そろそろイベント中心の啓発活動を見直す時期に来ているのではないかというふうに思っていて、その数年先を見据えて、基本計画にこういった観点で検討を加えてみてはどうかなと思っています。
 最後、3点目ですけれども、先ほどの断酒会の活性化の話とも関連してくる話なのですけれども、当事者とか回復者といった方の声を発信する後押しを厚生労働省としてしっかりしてほしいなということがあります。啓発活動では、今までタレントとかお笑い芸人とかミュージシャンを起用してきたのですけれども、今の時代は趣味とか嗜好が非常に細分化していて、タレントさんの名前だけで人を集めたり、耳目を集めたりというのがちょっと厳しくなってきているような気がするのですね。
 我々が1つ頭に入れておいたほうがいいと思うのは、ここ数年、性的マイノリティー、いわゆるLGBTQと呼ばれる方々への社会の理解というのが飛躍的に高まったと思うのですけれども、それは当事者とかAllyと呼ばれる支援者の方による発信が大きかったと思うのですね。アルコールとか薬物、ギャンブルとか、こういったアディクション問題でも、こうした回復者というのは本当にたくさんいます。もちろん積極的に発信したいと思っている当事者の方もたくさんいますので、こういった回復者とか当事者の声というのをより広く国民に届けていくというのが、依存症、広くアルコール問題についての理解あるいは予防の局面でも啓発につながっていくと僕は思っているので、その辺りの観点を啓発のほうにも盛り込めないかなと思っています。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 続いて、米山委員、お願いします。
○米山委員 よろしくお願いいたします。
 私も4点ほど申し上げたいと思います。
 まず1点目は重点目標の1で、女性の飲酒問題が横ばいで、それほど改善していないというところなのですけれども、これは特に若い世代に向けては、FASDと呼ばれる胎児性アルコールスペクトラム障害の発生するリスクが上がるとか、生まれた後の子育てが大変になるというところも見据えた啓発活動をしていく必要があるのではないかと思っています。生まれた後、大変な子供というふうに見るのではなくて、親も子供も地域で支えていくという視点と子育て支援がリンクした形ですね。こども家庭庁のサポートと、こういった依存症対策をリンクさせて保健所中心で進めていくというのが適切なのではないかなと考えています。
 先ほど山口委員ですか、保健所の依存症対策がなかなか難しいというようなお話もあったのですが、私、実は30年以上になりますけれども、東京の中野区で仕事をしておりまして、志田委員が中野区で保健師さんといろいろお話ししたり、連携したりという体験があったというのを聞いて大変うれしく思いました。昔のお話になりますけれども、アルコール依存症対策を縦割りで保健所の中でするのではなくて、全てつながっていると理解して関わるということが重要だと思うのですね。ですから、保健所の職員の依存症理解ということももっと底上げしていく必要があるのかなと思いました。
 それから、2点目ですが、重点目標の2番、小松委員の意見に本当に賛成です。依存症について援助職の理解が進んでいないことで、特に地方では、当事者・家族が継続的な支援に繋がることができないばかりか、孤立や疎外感を強めてしまうことがまだまだあります。結果的には当事者の早期の死に繋がり、地域に対して依存症は治らない病気であるというネガティブなイメージがさらに拡散してしまうことに繋がりかねません。
 それから、3点目、施策のところでは、私も体験談とセットというのは非常に効果があるのではないかと思っております。これは、いろいろなところで、学校もそうですし、職域でもそうですし、それから、先ほど重点目標の5番でしょうか、飲酒運転のところでも、ぜひ体験談をセットにして受講プログラムの中に入れるということをしていくといいのではないかなと思いました。相談機関を紹介しているけれども、なかなかつながる人が少ないというお話も聞いております。これは御本人があまり必要性を感じていないといいますか、まだ否認のレベルにいらっしゃる方が多いのではないかと思いますので、受講プログラムの中に御本人の話を入れるのと、もう少しプログラム時間数を増やすということも必要なのではないかなと思いました。
 それから、4点目です。施策の不適切な飲酒の誘引の防止で、企業の方たちが自主規制をしていらっしゃるということで、それはそれでいいのですけれども、自主規制だけでは私は駄目だと思います。ですので、きちんとした罰則を伴うような基準をつくっていくことが重要なのではないかなというふうに思いました。
 ちょっとばらばらしてしまいましたが、以上です。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続いて、オンラインのほうでは、江澤委員、平川委員、金城委員、長嶺委員から挙手いただいております。それでは、江澤委員からお願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 資料4-1の2ページでございます。アルコール健康障害の重症化予防ですけれども、統計の手法が変わったので受診患者数が大幅に伸びているように見えていますけれども、ベースラインももともとかなり高いので、こういった受診患者数とか、さらに死亡例が増えており、この辺り、臨床的な分析をして、それぞれの対応も必要じゃないかなと思っております。特に死亡例が増えておりまして、最近では初発の肝がんの原因の過半数が既に非ウイルス性になっておりまして、アルコールが原因のものも一定割合あります。もちろん御承知のとおり、アルコールは他の複数のがんの原因にもなっているところであります。
 また、例えばアルコール性脂肪肝であれば、受診しないでそのまま放置している事例や、依存症の前段階になっているような潜在リスクとなっている可能性もあります。そういった中で、最近では、非アルコール性のものも多いですけれども、アルコールが原因による脂肪肝で繊維化が進行して、最終的にはがんが発生するということもありますので、特に肝臓の繊維化というのは着目していくべきではないかと思っております。例えば、血液検査の結果の入力が要りますけれども、簡単にできるFIB-4 indexという繊維化を予測するものもありますし、血液検査では繊維化マーカーが幾つかあります。また、超音波検査ではフィブロスキャンというものもあります。
 ですので、こういったものを一般のかかりつけ医にも研修等で周知していく必要がありますし、また一般の国民の方にもいろいろ知っていただくことが必要ではないかなと思います。有名なところでは、お酒を飲んで顔が赤くなる人が飲酒を習慣的に行っていると、食道の扁平上皮がんのリスクが高くなるというのはよく知られておりますけれども、そういった方においては、少なくとも年1回は内視鏡で胃カメラ等の検査が必要だと思いますし、そういったことを周知して、食道の扁平上皮がんであれば早期に発見すると非常に予後もいいかと思います。
 今後、第3期の基本計画においては、そういったアルコール健康障害の特に内科的なところ、あるいは臨床知見に基づいたところはぜひ入れ込んでいただいて、医療従事者向けの研修の充実であったり、あるいは一般国民向けへの情報提供といったものを拡充していくのも必要ではないかなと思います。
 また最近では、減酒・治療を補助するアプリみたいなものも幾つか出てきておりますので、そこはもう少し有用性の検討が必要になりますけれども、そういった形で、いわゆるアルコールの健康障害について、情報提供によってかなり意識を高揚できたり、重度化を防止できることはまだまだあろうかと思いますので、その辺りはぜひ第3期の計画において、また御検討いただければと要望したいと思います。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 続いて、金城委員、長嶺委員の順で、まず金城委員からお願いします。
○金城委員 ありがとうございます。金城です。
 私のほうからは、資料4-1の1.アルコール健康障害の発生予防についてです。こちらの重点目標と達成状況を見ると、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合が、ほぼ目標を達成できていない状況と考えられます。第2期では、様々な対策というものが目標に対して行われてきたと思いますが、あまり達成できなかった、効果がなかったことをある程度振り返るというか、検証して、次回、第3期の計画を立てるときに、この目標に対して何をすれば指標を達成できるのかどうかということを、ぜひ第3期の計画の中に入れていただければなと思います。
 20歳未満の飲酒に関しては減少傾向が続いているのですけれども、成人に関しては20g、40gという女性・男性の値に関して達成しないというところについては、20歳未満では飲酒をしてはいけないということが浸透している一方で、成人や、特に女性に関しても、社会規範の中で飲酒をしてもよい、飲酒の良い点のほうが、マイナスの面よりも比較的強調されやすいという部分があるのかなと思いますので、その辺り、どういった施策を今後展開していくのか、どういった指標に対して何をやるのかというのを具体的に第3期の計画の中に入れられるといいのかなというふうに思いました。
 先ほども上がっていましたが、その中の一つとしては、昨年度策定された飲酒ガイドラインをどう実装していくのかということと、あとは、例えば健診機関や医療現場等で実際にスクリーニングや介入をどれぐらいしているのかどうか。20g、40gという飲酒をしている人に対して介入を行っているのかどうかということを、ある程度把握できるといいのかなというふうに思います。
 あと、資料5の枠組みに関して1つ。今回、参考人からの発表で様々な家族からの視点というのがたくさん入っていたかと思います。現在、第2期の枠組みの中には、家族への支援というのは柱としてはないのですけれども、基本的施策の中、もしくはどこかのところで、1つ、当事者だけではなく、家族の支援というものがあってもいいのかなというふうに、これまでの参考人からの発表を聞いて思ったところです。
 以上、意見でした。ありがとうございます。
○松下会長 どうもありがとうございました。
 続いて、長嶺委員、お願いします。
○長嶺委員 ありがとうございます。長嶺です。時間がないので、私も手短に行かせていただきます。
 まず、基本的施策取組状況についての2番の不適切な飲酒の誘引の防止のところです。こちら、アルコール飲料でイメージされてつくられていることも多いかと思うのですが、とても細かい話になりますが、昨年、アルコール成分を含んだお菓子のグミとかを、小さいお子さんが取れるようなところに陳列されている製菓さんがあったのですね。しかもコンビニという、あまり深く考えずにぽんぽんと購入できるところであったりして、私、これは大変危険だなと思って、自分の周りですごく啓発させていただいたりしたのですけれども、酒類の飲料メーカーだけじゃなく、製菓、お菓子関係にもその辺は周知を盛り込めないかなというところを意見として申し上げたいと思っております。
 もし、そういうお菓子などで作るのであれば、おつまみコーナーなど、成人が確認できる、成人が取るというイメージのある列に陳列するなどの申し送りを、できればしてほしいなと考えております。
 もう一点、基本的施策の取組状況に続いての5番、6番のところ。先ほど家族に対しての言葉が前施策よりは入っているということだったのですけれども、私は家族の立場として、もう少し踏み込んだ言葉が欲しいなと思っている次第です。例えば、当事者を医療につなげるという目線だけじゃなくて、家族をケアすることで、それが回り回って当事者が医療につながるという、遠回りのようで、それが一番近道だったという経験を私のほうは多くしておりまして、そういった目線での介入を支援者、保健師さんでしたり、ソーシャルワーカーさんとかに持っていただくような研修なども、どこかで盛り込んでいただければいいなというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 すみません、平川委員を飛ばしてしまったようです。平川委員、お願いします。
○平川委員 私のほうは、まず女性の飲酒についての1番目の話ですけれども、私、診ていて、最近増えているのですけれども、精神疾患との合併例です。例えば、知的障害とか発達障害系の方がかぶっていて、アルコールの治療がなかなか入らないというような問題が出てきています。子育てとか親御さんの介護とか、生活の中でたくさん負担が増えてくると、こういう方々は結局、そのはけ口として飲酒を選ぶことになってしまうような気がいたしますので、その辺の女性の場合の精神疾患との併存については調査をしていただきたいと思います。
 それから、同じようなことですけれども、2番目の不適切な飲酒については、女性にお酒を飲ませようという業界のイメージがどうしてもあって、甘くてアルコール度数の低いお酒を女優さんに飲ませて、非常においしいようなイメージでコマーシャルをしていますのは、そういうつらい思いをされている女性に対して、お酒をどうですかというような結果になってしまうように思いますので、この辺についての広告の在り方、また商品の開発についても何らかの見直しが必要かと思います。
 それから、5番目の飲酒運転の問題ですけれども、これについては、取消講習にはアルコール医療機関とのつながり、家族の支援、この辺をぜひ入れていただきたいと思いますし、最後の6番目の就労支援ですけれども、精神障害者全般で今やっています就労支援事業ですと、アルコール依存症患者さんは飲まない状態ですと全く普通の方と同じなので、精神障害者と一緒に扱われることは非常にプライドが許さないということで、それを契機にまた飲酒してしまうということが出てきます。アルコールの就労支援については、また別の意味で考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、会場の塚本委員から挙手いただいています。ウェブのほうで白石委員が挙手されていますので、まず塚本委員からお願いします。
○塚本委員 短く3つあります。
 1つは、先ほどから家族の課題という話がたくさん出ていましたけれども、第3期の目玉の一つとして、ヤングケアラーを含めた子供たちの状況をつかんで支援に取り組むということを入れてほしいなというのがまず1つの意見です。
 もう一つは、飲酒運転について。前回のときにも言わせていただいたのですけれども、国土交通省と法務省と警察庁、その3つの省にもまたがることだと思うので、3つの省がアルコール依存症について、どのような認識、課題として捉えているのかというのを、意見を聞かせてほしいなというふうに感じました。
 もう一つ、先ほど上村委員のお話にもあったように、啓発イベントの在り方について。続ける大切さというのはあると思うのですけれども、それこそ届けたい人にリーチをしている内容かということに関して言えば、私も出演者の1人でもあったわけですけれども、長く続いている内容として、もうちょっと考えてもいい状況に今あると思うので、それを意見の一つとして言わせてください。【ありがとうございました。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、白石委員、お願いします。
○白石委員 まず、内科の立場からというか、臨床の立場からしますと、身体的な障害についてのもっともっと詳しい調査が必要かもしれません。東海大学の救命救急で調査したところ、救急で入院した患者さんの血中アルコール濃度が20%から30%、陽性の人が入院している。それ以外に、整形外科に緊急で入院している、脳外で入院しているという外傷の人たちもアルコール関連が非常に多いということは、統計に出ていないのですけれども、けががかなりあります。事故もあります。この辺がもっともっと社会的な問題になると思いますので、今、医療の救急の切迫に関しては、そのアルコール問題というのは東海大の救命救急でも言われております。全国でもそうだと思います。
 それから、昨年、ガイドライン、非常にいいものをつくっていただいたので、前回の私の発表のときにドクターたちの認知度についての統計が、オンラインですけれども、ありました。そうすると、非常に低い。研修医だと50%以下ということで、あれもこれもと言うと難しいので、何か1つ簡単に入手できる情報を持ってもらう。そして、それを中心に、あれは非常にエビデンスをしっかり出してくれていますので、それを活用してくれるということがとても大切だと思いますので、医療現場ですぐ使えるような方策ができないかと思いました。
 以上であります。ありがとうございます。
○松下会長 ありがとうございました。
 それでは、会場から勝嶋委員、お願いします。
○勝嶋委員 資料4-1の基本的施策の取組状況、教育の振興等というところでは、学校教育も非常に大きいところで、アルコール依存症に対する正しい知識の普及啓発というところで、現状とか現場のことを簡単にお伝えしたいと思います。中学生・高校生の現場では、飲酒・薬物・喫煙の教育はしているのですが、実際に学校生活を送っていると、アルコールのところが一番手を出しやすいのかなというところです。意識としては、喫煙なんかであればすぐに指導も入りますし、薬物というとかなり特殊であるので、例えば行事の打上げ等で、もちろん学校では禁止しているものの、手を出しやすいという現状もあります。
 実際に教育的な指導の内容では、学習指導要領に基づいて、中学生も高校生も1単位物と言って、飲酒・アルコールについては、1学年で35時間中、できて2時間ぐらいというところですね。だから、なかなか時間数が取れないというのもがあります。実際にこの中でポスター等の啓発というふうに書いてあるのですが、これも学校現場で言いますと、学校では課題が満載ですので、自殺予防とか交通安全のヘルメット着用、振り込め詐欺のもの、ICT、ネット依存、金融教育、薬物ということで、月に1回ぐらいはポスターが配布されているような状況で、正直なところ埋もれてしまうというのが現状です。
 私の記憶の中でよかったなと思うのは、私も中野区の富士高校附属中学校という進学校で管理職、校長を担っていたのですけれども、オリンパスさんがやりました内視鏡の体験型学習、非常に効果がありました。中学生も高校生も内視鏡を実際に自分で見てみて、ちょっと時間がかかるのですけれども、そういう体験型のアルコールのもので何かできると、すごく自分のこととして捉えるような体験ができるのではないかなと思います。
 あと、カードの配布もあるのですが、教育委員会のほうから配ってほしいという依頼もあるので、自殺予防とか相談宛てのカードを配るのですが、そういう御家庭の状況にあっても、カードのところに電話するかというと、なかなかそういう実態はなく、教師と生徒とのつながり、人とのつながりの中で解決していくことが多いかなと感じます。実際の事例ですが、学歴の高いお父様、大学教授の方がお酒に酔ってお子さんに虐待をしているという事例もあって、児相でお世話になった案件もありましたけれども、そういったものを解決するのは、先生方が中に入っていって解決していくというところがあるので、実際のリアルの体験をしながら教育していくのが一番だと私は考えております。
 以上です。
○松下会長 ありがとうございました。
 そろそろ終了の予定の時間が近づいているのですけれども、最後にこれだけはということがございましたら、お願いしたいと思います。もしないようでしたら、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。事務局におかれましては、本日の御意見を踏まえて必要な資料修正をお願いします。また、委員の皆様におかれましては、本日の御発言以外に御意見などございましたら、事務局まで御意見をいただければと思います。
 なお、次回以降は各論の議論も進めていきたいと思いますので、各論に関わる御意見はその際にお願いしたいと思います。
 最後に、事務局から何かございますでしょうか。
○小野室長補佐 本日はありがとうございました。
 次回の開催日程については、決まり次第、御連絡をさせていただきます。
○松下会長 それでは、第33回「アルコール健康障害対策関係者会議」を閉会いたします。本日は御多忙のところ御参集いただきまして、どうもありがとうございました。