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第16回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(議事録)
日時
令和7年2月27日(木)10:00~12:00
場所
オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1会議室)
議題
○北里地域就労支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会 第16回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の作業部会は、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催いたします。開催に当たり、簡単ではありますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明させていただきます。作業部会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があった後に、マイクをオンにして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名のってから御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。なお、本作業部会は、御希望の方に傍聴いただいておりますので、あらかじめ御了承ください。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2-1及び参考資料2-2の合わせて6点です。
それでは、議事に入ります。以後の進行は、小川主査にお願いしたいと思います。小川主査、よろしくお願いいたします。
○小川主査 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。本日の議題は、(1)「ジョブコーチなどの障害者就労を支える人材の資格化に向けた検討について」、(2)「職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会とりまとめ(案)について」、(3)「その他」となっております。いよいよ、とりまとめの段階に入ってまいりました。それでは、議題(1)について、事務局より御説明をお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 それでは、試験科目(案)について御説明させていただきます。お手元の資料1を御覧ください。前回から見え消しで修正させていただいています。赤字は科目の加除修正に関するもの、青字はレベル感の変更に関するもの、緑字は場所の変更に関するものです。まず、赤字については、職業リハビリテーションや障害者の権利条約、ジョブコーチ支援等について、記載を追記してはどうかとの御意見があったことを踏まえて変更しています。青字については、制度や施策について「詳細な」としてはどうかとの御意見があったこと等を踏まえて変更しています。緑字は2ページですが、後段の9のアセスメントの部分にあった「相談を行う上での技法」を、2の就労支援のプロセスの冒頭へ移動しています。「相談を行う上での技法」については、就労支援のプロセス全体に関するものですので、後段から前段に移動しています。資料に関する説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、質疑応答に入りたいと思います。ただいま事務局より御説明いただきましたモデル試験科目及びその範囲並びにその細目について、これは、修正がなされている案ですが、御意見や御質問があればお願いいたします。御発言のときには「手を挙げる」ボタンをクリックして、私が指名した後に、お名前を名のって御発言いただくようにお願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。JEEDの井口委員、お願いいたします。
○井口構成員 JEEDの井口です。資料1の4ページの細かい表現の話で大変恐縮なのですが、赤字になっています「職場適応援助のための支援」という部分が、「援助」と「支援」がダブっていて、前後の例えば「就職のための支援」とか「職場定着のための支援」に合わせると、「職場適応のための支援」でいいのではないかと思います。細かい話で恐縮ですが、以上です。
○小川主査 職場適応援助のための支援、資料の4ページの赤字の所ですが、援助と支援が重複するので「職場適応のための支援」でいかがかという御提案でした。その隣の試験科目及びその範囲の細目の所では、職場適応援助(ジョブコーチ支援に関し)ということで、ここの内容については、私たちがジョブコーチ支援として慣れ親しんでいるというか、制度名として、ふだん使っている「職場適応援助」、この言葉がここには出ていますので、内容的には職場適応援助、ジョブコーチのものだということが読み取れるのではないかとは思います。試験科目及びその範囲の所のタイトル名としては援助、支援の重複を避けて、「職場適応のための支援」とすると。この御提案ですが、皆さん、いかがでしょうか。厚労省から何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 頂いた御意見を踏まえて、必要な修正をさせていただきたいと思います。
○小川主査 では、皆さんからも御異論がないようであれば、その方向で修正していきたいと思います。若尾委員、どうぞ。
○若尾構成員 若尾です。今の件については賛成というか、そのほうがいいと思っています。私からは、これも可能かどうかの検討も含めてなのですが、9番のアセスメントの所です。一般的に、私などが職業リハビリテーションで学ばせていただいた流れでいくと、就労支援のプロセスの前半の部分に、アセスメントを項目として持ってきていることが多いのではないかと思うのです。9番目の所はかなりボリュームを持ってアセスメントが入ってきているのですが、就労支援のプロセスの中に、後段から前段のほうに移すことに関しては意味があるのかどうかということと、9番目に入っていることに何か意図があるのであれば、その件に関しても教えていただけたらと思いました。よろしくお願いいたします。
○小川主査 最後、8ページでアセスメントがかなりボリュームを持って、試験科目及びその範囲の所で、9として位置付けられていることについて、厚労省よりお考えを御説明いただけると有り難いのですが。
○安蒜地域就労支援室長 アセスメントに関しては、項目を多く設定させていただいております。そのため、特出しして後ろに整理させていただいております。大きな変更になるので、どういった変更が行えるのか検討させていただきたいと思います。
○小川主査 若尾委員の御意見ですと、2ページの就労支援のプロセス(インテーク~職業準備性の向上のための支援)支援に当たっての基本的姿勢という所で、相談から就労に関する方向付けのための支援の所で、(1)インテーク、アセスメント、プランニング、その下に(2)アセスメントから一般就労への移行の過程、ここで「アセスメント」が出てくるわけですが、項目としては現在8ページの9のボリュームをここに移行したほうがいいのではないかと。具体的に作業をするとなると、そういったことになりますが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○若尾構成員 そうです。これを大項目になっている順番の所に入れたほうがいいのか、それとも試験科目及びその範囲の細目の中に、そういったものをちょっと入れていただくのがいいのか。どちらがいいのかはよく分からないのですが、一番最後にパラッとアセスメントが出てきてしまっていたので、こちらに入れたらどうだろうかとは思いました。ただ、安蒜室長がおっしゃったように、大分大幅な変更になってしまうことや、学びをする側のことを考えたときに、特に影響がないということであれば、大幅な修正ではないのですが、そのようなつもりで発言させていただきました。
○小川主査 分かりました。若尾委員のおっしゃっている趣旨は、よく理解いたしました。3ページの就労支援のプロセス全体のバランスから言うと、一つ一つの項目をどこまで更に下位項目として設けていくかについては、ほかとのバランスが違ってくるかなと思いますので、アセスメントについては特に重要視して、具体的な内容まで規定するということで、恐らく最後の所に9として別途に取り上げているのではないかと理解いたします。最終的に、ここの取扱いについては全体を調整して決めていくということで、少し検討させていただいてよろしいでしょうか。
○若尾構成員 異論はありません。よろしくお願いいたします。
○小川主査 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。では、この基準(案)については、これ以上は特に御意見がないと理解させていただいてよろしいですか。分かりました。
それでは、今回頂いた御意見を「障害者就労支援士検定モデル試験科目及びその範囲並びにその細目」に反映させていただきます。頂いた御意見で、修正をどのようにするかということについては、私に御一任いただいて、厚労省とも相談しながら、最終的に御一任いただくということで御理解いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。次に、議題(2)職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会とりまとめ(案)について、事務局より御説明をお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 それでは、とりまとめ(案)について御説明をさせていただきます。お手元の資料2を御覧ください。まず、「はじめに」として、障害者雇用の進展により、就労支援ニーズが多様化して、障害者就労を支える人材の質、量の不足が課題となっている。そして、その課題に向けた検討を、検討会と作業部会で議論してきた。資格化については、検討会で何らかの資格が急務とされ、作業部会で幅広い障害者就労支援人材を対象に議論するとしている。そして、今年度の作業部会で想定される資格のスキーム、ロードマップ、試験科目などをとりまとめたとしております。
次に、2の「資格のスキーム」ですけれども、資格の名称は障害者就労支援士(仮称)とする。合格者の人物像は中級レベルの障害者就労支援人材とする。受検資格は障害者就労支援の実務経験3年以上の者、又はジョブコーチ養成研修を修了し、障害者就労支援に従事している者とする。想定する受検者は、以下に記載しておりますように、幅広い障害者就労支援に携わる機関で働く者とする。そして、検定の内容は学科試験とする。試験の運営は障害者就労支援分野の関係者が参画した業界団体を運営の主体と想定する。そして、厚生労働省がモデル試験基準に準拠して行う検定として指定する。また、まずは中級レベルの資格を設け、その後、上級、初級レベルの資格の創設を検討する。資格の効果・目的は、障害者就労支援人材の認知度、プレゼンスを向上させ、人材確保につなげること。スキルアップ、キャリアプランニングツールとして、障害者就労支援人材の円滑な人材育成、キャリアプランニングにつなげるということ。そして、技術、技能を評価する「ものさし」として、障害者就労支援人材の円滑な勤務評価、処遇改善につなげるということ。以上を通じて、障害者就労支援の体制を強化し、障害者雇用を推進することとしております。
そして、3の「資格の創設のロードマップ」につきましては、まず、厚生労働省は、令和6年度に資格のスキーム、創設のロードマップ、試験科目などをとりまとめる。令和7年度以降、モデル問題を作成し、その後、検定の指定を行う。そして、業界団体は、令和7年度以降、設立の準備を進める。その後、検定の指定を受け、検定を実施し、それを継続して実施する。そして、その検定が安定的に運営できるようになった段階で、厚生労働省が国家資格への移行を検討するとしております。そして、4の試験科目につきましては、先ほど御議論いただいた資料1の最終版を添付する予定としております。
5の研修、検定を組み合わせたスキルアップにつきましては、検定の創設によって、能力習得のルートを多様化させて、効率的な人材育成、人材確保につなげる。障害者就労支援人材に階層的な研修・検定の受講・受検を積極的に働きかけて円滑なスキルアップにつなげるとしています。
そして、6の今後につきましては、1ポツとして、資格は行政改革の答申に従い、民間団体が運営するものとしている。対象者は、幅広い障害者就労支援人材であり、運営は、障害者就労支援分野の広範な関係者が参画した業界団体によることが望ましい。そして、2ポツとして、資格を運営する業界団体には、採算を踏まえた運営が求められる。安定的な受検者の確保が、政策目的の達成とともに、運営団体の財政を安定させ、継続した資格制度を確立する観点から重要となる。そして、3ポツとして、資格創設に向けた準備は、業界団体と厚生労働省が連携を図りながら進める必要がある。両者が取組を着実に進め、できる限り早期に資格が創設されることを期待するとしております。資料の説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明いただいた、とりまとめ(案)について議論をしていきたいと思います。御意見があれば先ほどのように、「手を挙げるボタン」を押して、私が指名した後にお名前を名のって御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野です。よろしくお願いいたします。今御説明いただいた点の6番の「今後について」に関わってくると思いますが、資格化された後、企業でニーズを高めていくに当たっては、例えば配置を義務付けるとか、配置をすると助成金の受給が受けられるといったような枠組みがあると、導入に効果的な点があるかと思いますが、その点について御検討はいかがでしょうか。
○小川主査 それでは、厚生労働省からお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。受検のインセンティブは重要と思っております。査定官庁との調整などがありますので、これからそれを進めていきたいと考えておりますけれども、検定を受検した場合の受検費用を助成する助成金や、今、委員がおっしゃったような処遇改善につながった場合の助成措置なども検討していきたいと考えております。
○青野構成員 ありがとうございます。今の御返答に絡んでですが、もう1点、加えてよろしいでしょうか。
○小川主査 続けてお願いいたします。
○青野構成員 ありがとうございます。今は、既存の枠組みでの障害者職業生活相談員の配置が義務付けられていると思いますが、これが本当に、この講習を受講している方なのかどうかといった確認は、ハローワークや労働局から入ることがないと思っています。こういった枠組みを活用して、配置を義務付けしていくことも考えられるのかなと個人的には思っておりまして、その辺りも含めて御検討いただければ有り難いと思います。以上です。
○小川主査 厚生労働省からお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。職業生活相談員の方の受検に関しましては、現段階では、まだ未整理となっておりますけれども、今後、検討の準備を進めていく中で、受検資格に、どのように位置付けていくかなどをしっかり検討していきたいと考えております。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは、JEED、お願いいたします。
○市川構成員 JEEDの市川です。3ページ目の資格の効果・目的の1つ目のポツですが、技術、技能を評価する「ものさし」としてということですけれども、この試験は学科試験となっているわけであり、知識を評価するということは言えると思うのですが、技術、技能の評価というのは、どのように評価できるのかをお考えなのか、教えていただければと思います。それから、ものさしとして、障害者就労支援人材の円滑な勤務評価、処遇改善につなげることとありますが、「円滑な勤務評価、処遇改善」というのは、どのようなイメージなのか、具体的に教えていただければと思います。以上です。
○小川主査 では2点、厚生労働省よりお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。今回の検定は、学科試験のみによる検定としておりますけれども、技能につきましては、技能の裏打ちとなる知識を評価することによって技能を評価するという考え方にしております。一方、実技試験によって技能を直接評価することも重要となりますので、今までも御議論されてきましたけれども、今後検定の準備を進めていく中で、どこかのタイミングで実技試験を実施するべきかどうかを検討していきたいと考えております。
そして、円滑な勤務評価、処遇改善につなげることのイメージですが、勤務評価につきましては、この資格を取得した場合に昇進の基準にしていただくことや、処遇改善につきましては、この資格を取得した場合に資格手当をお支払いしていただくと、そのようなことにつなげていけないかと考えております。
○小川主査 市川構成員、よろしいでしょうか。
○市川構成員 ありがとうございます。
○小川主査 そのほかに、いかがでしょうか。若尾構成員、お願いいたします。
○若尾構成員 私からは、質問というか意見として、2点ほどあります。1つ目というか、この2つが恐らく重なっていくのではないかと思うのですが、4ページの5番の「研修、検定を組み合わせたスキルアップ」の○の2つ目、それから、4ページの6番の「今後について」の○の1つ目の所と少し関連して、意見というか質問をさせていただければと思います。
私のほうからは、この作業部会、第1次といっていいのか、令和4年度からスタートした作業部会の中でも、上級ジョブコーチというか、経験豊富なジョブコーチというか、現場で働いている実践家にとって目指せるような資格を作ろうというところが根幹にあって、第2次の部会に移ってきました。今は広く広範囲な人たちに就労支援を実践していただけるようにということで、この資格化にスライドしてきたことについては十分理解したところです。ただ、やはり実践の場を抱えている側からすると、ただの資格を取得させるような流れではなく、実践者にとって影響力のあるものにしていってほしいと思っていますので、5番の○2つ目に書いてあるような、制度の研修体系と資格というのは常に連動して動いていくようにしていただきたいと考えています。これも、コメントとして書いていただいているのですが、改めてそのことについてお願いしたいと思っています。
さらに、もし、そこを検討しながら進めていくということであれば、新たに作られるであろう業界団体が、「広範な関係者が参画した」となっているのですけれども、是非、そういった知見をもっているような関係機関が、この業界団体の中に含まれていることを期待したいと思っております。また、中小企業の中で障害者雇用がなかなか進まないというような現状も、よく表現されていますけれども、一方では、半分近くの中小企業の皆さんは、障害者雇用をやっていらっしゃいますので、そういったところも含めて考えたときに、現場で働いている方たちが何を求めていて、どのようなことに期待しているのか。どういった人材を障害者雇用の担当者に据えていきたいのかも、吸い上げていただけるような業界団体の設立を是非お願いしたいと思っていますので、意見というか、発言をさせていただいたところです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。御意見ということですね。何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。1つ目の件に関しましては、御指摘のとおりと思っております。研修と検定をしっかりと連動させて全体をブラッシュアップすることが重要だと思っておりますので、そのように進むように、取組を進めていきたいと思います。
そして、業界団体につきましては、これも御指摘のとおりだと思っております。資格の運営のためには、障害者就労支援に関する専門的な知識や経験の蓄積が大切になっていくと考えておりますので、一定の経験を有する障害者就労支援機関と障害者雇用企業の団体に参画していただくことが望ましいと考えております。団体は民間団体になりますので、構成は関係者の皆様の御意向によると思いますけれども、そのような方向になると良いと思っております。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。JEEDの市川構成員、お願いします。
○市川構成員 資格の取得促進とか、就労支援に携わる方の底上げ、据野を広げるというような考え方はよいと思うのですけれども、試験と、試験のための研修ということも業界団体の運営に出てくると思うのですが、検定試験そのものについては国が関与してモデルを示すということですけれども、業界団体ができて、検定試験を受けるための研修も始めるとなった場合に、その研修についても、国が関与して、モデルカリキュラムなり議論をして、モデルとして提示するという計画なのか、それとも今、現段階では、これから検討するということなのか、その辺りを教えていただければと思います。
○小川主査 それでは、厚生労働省よりお願いします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。試験の運営団体による研修に関しては、今のところは具体的なビジョンがないのですけれども、例えば、技能検定でありますと、試験の実施団体が事前の試験対策セミナーといった、事前講習を行うことは認められておりません。ですので、ここも整理が必要ですけれども、試験団体にどのようなことをしていただけるか、しっかり考えていきたいと思います。
○小川主査 よろしいですか。
○市川構成員 ありがとうございました。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。私から1点お願いと質問があります。お願いとしましては、先ほど若尾構成員からも、お話がありましたが、業界団体の設立ですが、是非、業界団体の関係者に企業も巻き込んでいただければ有り難いと思います。
もう1点が、ロードマップの所の国家資格への移行ですが、安定的に運営できるようになった段階で国家資格へ移行を検討するとされていますけれども、例えば安定的というのは、何名ぐらいの受験者や合格者が見込まれること、あるいは、何年程度といったような目安があれば教えていただけますか。
○小川主査 厚生労働省、お願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。業界団体に企業をとの御意見に関しましては、そのとおりだと思います。先ほど申しましたとおり、可能であれば障害者を雇用する企業の団体などに、この業界団体に参画していただけると望ましいと考えております。そして、国家資格の移行につきましては、明確なめどがありませんので、状況を見ながら、しかるべきタイミングで検討を進めていきたいと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。全部で16回の会議の最後のとりまとめですので、是非、御発言いただければと思います。景山構成員、お願いします。
○景山構成員 株式会社東海化成の景山です。先ほど青野委員からも御意見がございましたように、業界団体に企業を巻き込んでいただく、本当に私もそう思っております。更に私からのお願いとしましたら、何度も申し上げて本当にしつこく申し上げて申し訳ございません。99.7%の中小・小規模企業の取組の底上げをすることも含め、中小・小規模で障害者雇用を頑張っていらっしゃる団体もあるはずですので、そういう所との連携も是非、探っていただければと思っております。この資格が、現場の数としては圧倒的に多い中小・小規模の企業に、この資格に近づいていきたいと思うような検定を是非とも実施していただきたい。その検定を受けるために学んだこと、検定を通して身に付けたことが自分たちの職場できちんといかせるような、そういったフィードバックというか、PDCAが回っていけば、企業にとっても大変有益な検定になっていくのではないかと期待しております。よろしくお願いします。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。厚労省よりお願いします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。この資格につきましては、業界の標準として普及していく必要があると考えております。それを進めていく中で、中小企業の従業員の皆様に、企業から受講を推薦していただくことが大変重要だと思っておりますので、その流れを作っていきたいと思います。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。では、とりまとめについての御意見は以上で、頂いたこととさせてよろしいですか。
それでは、今回頂きました御意見を、とりまとめに反映させていただくようにいたします。また、修正がもし必要な場合には、どのように取りまとめて修正するかについては、先ほどと同様に、私、主査のほうに御一任を頂ければと思いますが、御了承いただけますでしょうか。ありがとうございます。それでは、修正した作業部会のとりまとめは、障害者雇用福祉施策の連携強化に関する検討会会長に報告をさせていただきます。
それでは、最後に議題3「その他」として、事務局から何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 とりまとめにつきましては、検討会に報告した後、厚生労働省ホームページに掲載いたします。今後は、とりまとめに従い、資格創設に向けた準備を進めてまいります。構成員の皆様には、長年にわたって御議論いただき、誠にありがとうございました。事務局からは以上でございます。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、議題は以上となりますが、少し時間の余裕があるようです。全部で16回にわたる議論をしてまいりましたので、最後に、皆様に一言ずつ、何か期待なり、まとめなり、御感想なり、御発言を頂ければと思います。それでは、國﨑構成員からお願いしてよろしいでしょうか。
○國﨑構成員 Bridgeの國﨑と申します。今回、このような部会に長く関わらせていただいたことに、まずお礼申し上げます。この中で、自分自身がやっていることとか、私どもが職場適応援助の事業を中心に法人を運営しておりますが、その中での課題や、これからのニーズを改めて気付かせていただいたと思っております。また、今回の資格化につきましては、まず、これも何度もお伝えしたところですが、これをきっかけに早期に実現して、そして国家資格化を是非、目指してということと、併せて、幅広く初級検定も出てくると思いますので、そういう意味では、皆さん多くの方が障害者雇用に関して関心を持ち、また、基本的な理解が進んでいくことをとても期待しているところです。なかなか意見を出すことができなかったり、うまく言葉にできなかったことが多々ありましたが、本当にこの作業部会に参加できましたことに、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 木村です。いつもお世話になっております。私も、この16回の作業部会に参加させていただいて、ナカポツセンターの立場からであったり、地域の就労支援に関して深みを持った考えをいろいろと考えさせていただいた、とても良い機会となりました。立場からということはあるのですが、ナカポツセンターも大分質を求められる状況がある中で、こういう人材の確保であったり資格化をしっかり考えていくことで、やはり地域になくてはならないナカポツセンターづくりのきっかけにはなったのではないかと思っております。どうしても、地域資源が余りない地域での活動を強いられていますので、是非、地方の困っている現状なども少し踏まえたところで、今後の資格化という視点であったり、運営がスムーズにいくような中身になっていけたらいいなと思っております。
私も、なかなかうまく伝えられることができなかったり、現状の部分で食い違いが起きていたりなどということもあったりで、非常に悩みながら就労支援を行っていますが、方向性はただ1つで、やはり障害のある方々も大切な人材だということを含めて再確認できた良い機会となりました。今後も皆様方とつながっていきながら、障害者雇用をしっかり支えていける人材に私自身がなっていけたらと思っております。本当にありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、JEED、お願いできますか。
○市川構成員 市川です。私は、参加させていただいたのは昨年度からで、石井研修課長から引き継いで参加させていただいたわけですが、これまでの議論は、相当やはり就労支援の分野の支援者の質の向上をどうしていくのかということが熱心に議論されたのだと思います。今、混沌としているような状況を個人的には感じておりまして、就労支援に携わる方々の質の向上に本当につながっていけば良いなと思っております。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。井口構成員、どうぞ。
○井口構成員 JEEDの井口です。キャリアの終盤に、こういう貴重な経験をさせていただきましてありがとうございました。これから、どこまでお役に立てるかよく分かりませんが、私の立場でもう少し頑張っていきたいと思います。もう一度この部会の原点に立ち返ると、訪問型ジョブコーチの活性化という課題は、引き続き注視していく必要があるのではないかと思います。小川先生はじめ、構成員の皆様、お世話になりました。事務局の方々にもお世話になりました。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。田村構成員、お願いします。
○田村構成員 今回、こういう会議に参加させていただきましてありがとうございました。就労支援とかという立場ではないので、なかなか意見できるとか、お話できることは少なかったのですが、我々、雇用側の企業として考えると、やはりもっと制度としてできていって、企業としても知っていくという。小さい企業のほうが世の中に多いので、そういうところで障害者の就労ということを考えていくと、もう少し色々な制度ができるだけではなくて、認知も含めて進んでいくところが、我々企業側としては非常に有り難いことなので、是非、今後、制度化して広げていってもらえることを期待しておりますので、よろしくお願いします。本当に長い間、ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございました。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。まず私も、全16回ということで、この貴重な場に参加させていただきましたこと、厚生労働省の皆様、小川主査、それから構成員の皆様に感謝申し上げます。私は、企業の中の特例子会社とか、企業の一般事業会社の中で、障害のある方の活躍推進とか雇用推進に取り組んでまいりました。企業の中には、本当に一生懸命に、この分野に取り組んでいる方々がいるのですが、どうしても、自分たちのスキルとか知識、ノウハウを言語化して説明することが難しかったり、それから効果を説明することも難しくて、専門家として認知されづらいような側面があったところを、このように専門人材として認めていただけるような道ができて、資格が整備されていくことは本当に有り難く思いますし、感謝しています。この結果として、社会の中の様々な障害を含め、多様な特性を持った皆さんと一緒に働ける社会が作られていくのだろうということで、本当にうれしく思っております。ありがとうございます。
ちょっと、最後に、皆様のお話を聞いていて、検討に含めていただきたいことが1つありまして、もし時間がありましたら、最後にお願いできると有り難いです。後のほうがよろしいでしょうか。
○小川主査 続きで御発言いただいてよろしいかと思います。お願いします。
○青野構成員 ありがとうございます。試験科目の所なのです。就労支援士が幅広く障害のある方とともに働くという、社会づくりに貢献していくことを考えたときに、ビジネスと障害の融合という視点も取り入れてもらったほうがよろしいのではないかと思ってお話を聞いていました。試験科目に障害者の雇用対策とか福祉施策は入っていると思うのですが、例えば、ビジネスと人権の視点で情報アクセシビリティですとか、物理アクセシビリティ、それから障害者差別解消法の中で、ビジネス場面においても合理的配慮の提供が義務付けられているのだということを、この就労支援士の資格を取得していく皆さんがきちんと認識をされて、ビジネスの中に障害の視点を取り組むことが世の中に効果をもたらすのだということを、きちんと話せる人材になっていただけるといいのかなと思いまして、そういう視点も、ちょっと遅ればせながらなのですが、試験科目への取り込みを御検討いただければ有り難いです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。検討させていただきます。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは、若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 若尾のほうも、全16回参加させていただきまして本当にありがとうございました。純粋にジョブコーチを養成したり、自分の本業の中では、自分の所でもジョブコーチを稼働させて、それから就業・生活支援センターも運営してという中での、人材の確保や育成について考える機会となりました。改めて、知識だけではやはり、実践の場で質を維持することは難しいと、私は思っていますし、ただ経験すればいいということでもない、経験の裏付けがやはり知識であるとも感じました。
もう1点、今回、この作業部会に参加させていただいてものすごく学べた、学べたというか、課題として感じているところが、やはりそういう土壌をどうやって作っていったらいいのかということがすごく大事なのだろうと思っています。この資格ができたからといって、就業・生活支援センターの業務に携わる人たちが果たして増えるのだろうかという疑問や、ジョブコーチが本当に増えていくのだろうかということ。それから、中小企業の中で障害者の雇用が進むための担当者が増えていくのだろうかということについては、また別のベクトルで考えなくてはいけないのだろうとも思っています。この資格化に向けたこの部会を出発点にして、私もそれほど長いキャリア、この後に長いキャリアが残っているわけではないのですが、少しそういうところにも貢献していけるように頑張りたいなと改めて思ったところです。長い期間お付き合いさせていただきまして本当にありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。景山構成員、お願いします。
○景山構成員 景山です。私は途中からの参加でしたが、この作業部会に参加させていただき、企業側の立場にいるだけでは知り得なかった様々な御意見を、本当に驚きをもって聞かせていただいておりました。驚きというのは、大変な学びという点での驚きです。本当に地方の一企業だけでは見えないような世界を見せていただいたという点で本当に感謝しております。一貫して、この作業部会に参加する中で強く思ったのは、やはり、地域資源が限られている地方の中小・小規模が、どうやって、この地域で一緒に障害のある方と働きながら生きていくのかという、そこを常に思っておりました。今回は、資格というところで、とりまとめが行われておりますが、この資格をきっかけに、中小・小規模が、このような障害者雇用という、決して平坦な道ではない、そこに寄り添っていただけるような人たちがより多く増えていただくことを期待しております。どうもありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございました。皆様より一言ずつ頂きました。本当に、様々な立場の作業部会の構成員の方たちに積極的に御発言いただきましたことによって、障害者雇用や就労支援と言っても、都市部と地方では違いますし、それから企業の規模によっても様々な側面がありますが、皆様、様々な背景を持つ中で御意見を頂きましたことで、資格に関する議論も、ある程度まとまりを持てたのではないかと思っております。
最後、私も少し発言をさせていただきます。この議論は、本当に長い道程で、一番最初、職場適応援助者養成研修のあり方に関する検討会、2020年、この辺から人材育成に関する議論がスタートしました。その後、障害者雇用福祉施策の連携強化に関する検討会の第2ワーキングで、人材育成に関して焦点を当てた議論が、またスタートしました。
この資格化に関しては、議論に2つの軸があったと記憶しております。1つは、第2ワーキングで、かなり就労支援に携わる人材の裾野が広がった。ただ、質について、やや心配があるので、きちんと質を担保することと、それから、労働人口の減少の中で、どのように障害者雇用や就労支援の領域で人材を確保したらいいのか。これは、就労支援側と、それから企業側と両方から意見が出され、そこで何らかの資格化も検討していこうとなりました。そのときに、最もポピュラーなというか、比較的認知度の高いキーワードとして、ジョブコーチというキーワード、これを中心に考えたらどうかという意見もあったことを記憶しております。
この作業部会では、先ほど井口構成員に御発言を頂いたように、前半については、やはり助成金についてどうするのか、訪問型、企業在籍型、この助成金をどのようにして、ジョブコーチを活性化していったらいいのかという重要な議論が行われました。後半で、人材育成に議論が移って、それこそジョブコーチの作業部会で、ジョブコーチということを中心に一時、議論が進みました。やはり2つの軸がある中で、幅広い障害者雇用、就労支援全般の人材の問題と、それから、どちらかというと実践知の蓄積の上で成り立つジョブコーチの人材、それの資格化をどのようにするかという、この2つの軸がある中で、どのように最後、とりまとめていくのかということで、議論にやや時間が掛かった。そこで丁寧な議論が必要であったと記憶しております。ただ、様々な、今日もカリキュラム、試験の基準について取りまとめましたが、障害者雇用や就労支援に求められる知識や技術は、最低限、こういった内容が必要であろうというところを取りまとめられたというのは、1つの大きな成果であったのではないかと思います。
ただ、現場は本当に実践知の蓄積です。障害のモデルで言うと、社会モデル、個人因子と環境因子、ここの調整を行っていくのが就労支援の一番の中心的な課題で、そこをとにかく現場でやっていくのがジョブコーチの考え方だと思います。正直、これについては、この作業部会でも御発言させていただきましたが、問題にするのが難しい。知識としての正解を求めるエビデンスをベースにして正解を準備した問題を作るのが難しいという課題があります。これについては、やはり、これから資格化を進める中で段階的に目指していく重要な課題であると思っています。そこについて積み重ねていくためには、実践領域の方たちが、やはり実践について言語化していくことも必要ですし、それから、学術団体等が協力をして、言語化、体系化を更に進めていくことも必要になるかと思います。ようやく、そういった第一歩の道程に、私たちが進んだということであるかと考えております。
これまで、社会福祉士や精神保健福祉士や、あるいは公認心理師や作業療法士や様々な国家資格がありますが、そこが国家資格に辿り着くまでの道程を考えますと、やはり障害者雇用や就労支援の領域は、まだスタートラインの段階にいるのではないかと考えられます。今回のとりまとめで、最後のほうで、業界団体と厚生労働省が協力しながら資格創設に向けた取組を着実に進め、できる限り早期に資格が創設されることを期待するとまとめられておりますが、業界団体も非常に努力をしていく必要があると思います。ただ、単なる民間の資格ではなく、これは我が国の障害者雇用や就労支援のあり方はこうあるべきだ、それを支える人材はこういった考え方や知識を持つべきだという、その方向性を示す資格という意味合いもあると思いますので、是非、厚生労働省の今後の引き続きの御協力もお願いしたいところです。
最後に、大変長い間、御協力いただきました構成員の皆様に、改めて御礼を申し上げるとともに、非常に長い間、様々な検討会で人材育成について真摯に取り組んでくださいました厚生労働省にも、改めて御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の作業部会を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
本日の作業部会は、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催いたします。開催に当たり、簡単ではありますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明させていただきます。作業部会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があった後に、マイクをオンにして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名のってから御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。なお、本作業部会は、御希望の方に傍聴いただいておりますので、あらかじめ御了承ください。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2-1及び参考資料2-2の合わせて6点です。
それでは、議事に入ります。以後の進行は、小川主査にお願いしたいと思います。小川主査、よろしくお願いいたします。
○小川主査 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。本日の議題は、(1)「ジョブコーチなどの障害者就労を支える人材の資格化に向けた検討について」、(2)「職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会とりまとめ(案)について」、(3)「その他」となっております。いよいよ、とりまとめの段階に入ってまいりました。それでは、議題(1)について、事務局より御説明をお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 それでは、試験科目(案)について御説明させていただきます。お手元の資料1を御覧ください。前回から見え消しで修正させていただいています。赤字は科目の加除修正に関するもの、青字はレベル感の変更に関するもの、緑字は場所の変更に関するものです。まず、赤字については、職業リハビリテーションや障害者の権利条約、ジョブコーチ支援等について、記載を追記してはどうかとの御意見があったことを踏まえて変更しています。青字については、制度や施策について「詳細な」としてはどうかとの御意見があったこと等を踏まえて変更しています。緑字は2ページですが、後段の9のアセスメントの部分にあった「相談を行う上での技法」を、2の就労支援のプロセスの冒頭へ移動しています。「相談を行う上での技法」については、就労支援のプロセス全体に関するものですので、後段から前段に移動しています。資料に関する説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、質疑応答に入りたいと思います。ただいま事務局より御説明いただきましたモデル試験科目及びその範囲並びにその細目について、これは、修正がなされている案ですが、御意見や御質問があればお願いいたします。御発言のときには「手を挙げる」ボタンをクリックして、私が指名した後に、お名前を名のって御発言いただくようにお願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。JEEDの井口委員、お願いいたします。
○井口構成員 JEEDの井口です。資料1の4ページの細かい表現の話で大変恐縮なのですが、赤字になっています「職場適応援助のための支援」という部分が、「援助」と「支援」がダブっていて、前後の例えば「就職のための支援」とか「職場定着のための支援」に合わせると、「職場適応のための支援」でいいのではないかと思います。細かい話で恐縮ですが、以上です。
○小川主査 職場適応援助のための支援、資料の4ページの赤字の所ですが、援助と支援が重複するので「職場適応のための支援」でいかがかという御提案でした。その隣の試験科目及びその範囲の細目の所では、職場適応援助(ジョブコーチ支援に関し)ということで、ここの内容については、私たちがジョブコーチ支援として慣れ親しんでいるというか、制度名として、ふだん使っている「職場適応援助」、この言葉がここには出ていますので、内容的には職場適応援助、ジョブコーチのものだということが読み取れるのではないかとは思います。試験科目及びその範囲の所のタイトル名としては援助、支援の重複を避けて、「職場適応のための支援」とすると。この御提案ですが、皆さん、いかがでしょうか。厚労省から何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 頂いた御意見を踏まえて、必要な修正をさせていただきたいと思います。
○小川主査 では、皆さんからも御異論がないようであれば、その方向で修正していきたいと思います。若尾委員、どうぞ。
○若尾構成員 若尾です。今の件については賛成というか、そのほうがいいと思っています。私からは、これも可能かどうかの検討も含めてなのですが、9番のアセスメントの所です。一般的に、私などが職業リハビリテーションで学ばせていただいた流れでいくと、就労支援のプロセスの前半の部分に、アセスメントを項目として持ってきていることが多いのではないかと思うのです。9番目の所はかなりボリュームを持ってアセスメントが入ってきているのですが、就労支援のプロセスの中に、後段から前段のほうに移すことに関しては意味があるのかどうかということと、9番目に入っていることに何か意図があるのであれば、その件に関しても教えていただけたらと思いました。よろしくお願いいたします。
○小川主査 最後、8ページでアセスメントがかなりボリュームを持って、試験科目及びその範囲の所で、9として位置付けられていることについて、厚労省よりお考えを御説明いただけると有り難いのですが。
○安蒜地域就労支援室長 アセスメントに関しては、項目を多く設定させていただいております。そのため、特出しして後ろに整理させていただいております。大きな変更になるので、どういった変更が行えるのか検討させていただきたいと思います。
○小川主査 若尾委員の御意見ですと、2ページの就労支援のプロセス(インテーク~職業準備性の向上のための支援)支援に当たっての基本的姿勢という所で、相談から就労に関する方向付けのための支援の所で、(1)インテーク、アセスメント、プランニング、その下に(2)アセスメントから一般就労への移行の過程、ここで「アセスメント」が出てくるわけですが、項目としては現在8ページの9のボリュームをここに移行したほうがいいのではないかと。具体的に作業をするとなると、そういったことになりますが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○若尾構成員 そうです。これを大項目になっている順番の所に入れたほうがいいのか、それとも試験科目及びその範囲の細目の中に、そういったものをちょっと入れていただくのがいいのか。どちらがいいのかはよく分からないのですが、一番最後にパラッとアセスメントが出てきてしまっていたので、こちらに入れたらどうだろうかとは思いました。ただ、安蒜室長がおっしゃったように、大分大幅な変更になってしまうことや、学びをする側のことを考えたときに、特に影響がないということであれば、大幅な修正ではないのですが、そのようなつもりで発言させていただきました。
○小川主査 分かりました。若尾委員のおっしゃっている趣旨は、よく理解いたしました。3ページの就労支援のプロセス全体のバランスから言うと、一つ一つの項目をどこまで更に下位項目として設けていくかについては、ほかとのバランスが違ってくるかなと思いますので、アセスメントについては特に重要視して、具体的な内容まで規定するということで、恐らく最後の所に9として別途に取り上げているのではないかと理解いたします。最終的に、ここの取扱いについては全体を調整して決めていくということで、少し検討させていただいてよろしいでしょうか。
○若尾構成員 異論はありません。よろしくお願いいたします。
○小川主査 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。では、この基準(案)については、これ以上は特に御意見がないと理解させていただいてよろしいですか。分かりました。
それでは、今回頂いた御意見を「障害者就労支援士検定モデル試験科目及びその範囲並びにその細目」に反映させていただきます。頂いた御意見で、修正をどのようにするかということについては、私に御一任いただいて、厚労省とも相談しながら、最終的に御一任いただくということで御理解いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。次に、議題(2)職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会とりまとめ(案)について、事務局より御説明をお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 それでは、とりまとめ(案)について御説明をさせていただきます。お手元の資料2を御覧ください。まず、「はじめに」として、障害者雇用の進展により、就労支援ニーズが多様化して、障害者就労を支える人材の質、量の不足が課題となっている。そして、その課題に向けた検討を、検討会と作業部会で議論してきた。資格化については、検討会で何らかの資格が急務とされ、作業部会で幅広い障害者就労支援人材を対象に議論するとしている。そして、今年度の作業部会で想定される資格のスキーム、ロードマップ、試験科目などをとりまとめたとしております。
次に、2の「資格のスキーム」ですけれども、資格の名称は障害者就労支援士(仮称)とする。合格者の人物像は中級レベルの障害者就労支援人材とする。受検資格は障害者就労支援の実務経験3年以上の者、又はジョブコーチ養成研修を修了し、障害者就労支援に従事している者とする。想定する受検者は、以下に記載しておりますように、幅広い障害者就労支援に携わる機関で働く者とする。そして、検定の内容は学科試験とする。試験の運営は障害者就労支援分野の関係者が参画した業界団体を運営の主体と想定する。そして、厚生労働省がモデル試験基準に準拠して行う検定として指定する。また、まずは中級レベルの資格を設け、その後、上級、初級レベルの資格の創設を検討する。資格の効果・目的は、障害者就労支援人材の認知度、プレゼンスを向上させ、人材確保につなげること。スキルアップ、キャリアプランニングツールとして、障害者就労支援人材の円滑な人材育成、キャリアプランニングにつなげるということ。そして、技術、技能を評価する「ものさし」として、障害者就労支援人材の円滑な勤務評価、処遇改善につなげるということ。以上を通じて、障害者就労支援の体制を強化し、障害者雇用を推進することとしております。
そして、3の「資格の創設のロードマップ」につきましては、まず、厚生労働省は、令和6年度に資格のスキーム、創設のロードマップ、試験科目などをとりまとめる。令和7年度以降、モデル問題を作成し、その後、検定の指定を行う。そして、業界団体は、令和7年度以降、設立の準備を進める。その後、検定の指定を受け、検定を実施し、それを継続して実施する。そして、その検定が安定的に運営できるようになった段階で、厚生労働省が国家資格への移行を検討するとしております。そして、4の試験科目につきましては、先ほど御議論いただいた資料1の最終版を添付する予定としております。
5の研修、検定を組み合わせたスキルアップにつきましては、検定の創設によって、能力習得のルートを多様化させて、効率的な人材育成、人材確保につなげる。障害者就労支援人材に階層的な研修・検定の受講・受検を積極的に働きかけて円滑なスキルアップにつなげるとしています。
そして、6の今後につきましては、1ポツとして、資格は行政改革の答申に従い、民間団体が運営するものとしている。対象者は、幅広い障害者就労支援人材であり、運営は、障害者就労支援分野の広範な関係者が参画した業界団体によることが望ましい。そして、2ポツとして、資格を運営する業界団体には、採算を踏まえた運営が求められる。安定的な受検者の確保が、政策目的の達成とともに、運営団体の財政を安定させ、継続した資格制度を確立する観点から重要となる。そして、3ポツとして、資格創設に向けた準備は、業界団体と厚生労働省が連携を図りながら進める必要がある。両者が取組を着実に進め、できる限り早期に資格が創設されることを期待するとしております。資料の説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明いただいた、とりまとめ(案)について議論をしていきたいと思います。御意見があれば先ほどのように、「手を挙げるボタン」を押して、私が指名した後にお名前を名のって御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野です。よろしくお願いいたします。今御説明いただいた点の6番の「今後について」に関わってくると思いますが、資格化された後、企業でニーズを高めていくに当たっては、例えば配置を義務付けるとか、配置をすると助成金の受給が受けられるといったような枠組みがあると、導入に効果的な点があるかと思いますが、その点について御検討はいかがでしょうか。
○小川主査 それでは、厚生労働省からお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。受検のインセンティブは重要と思っております。査定官庁との調整などがありますので、これからそれを進めていきたいと考えておりますけれども、検定を受検した場合の受検費用を助成する助成金や、今、委員がおっしゃったような処遇改善につながった場合の助成措置なども検討していきたいと考えております。
○青野構成員 ありがとうございます。今の御返答に絡んでですが、もう1点、加えてよろしいでしょうか。
○小川主査 続けてお願いいたします。
○青野構成員 ありがとうございます。今は、既存の枠組みでの障害者職業生活相談員の配置が義務付けられていると思いますが、これが本当に、この講習を受講している方なのかどうかといった確認は、ハローワークや労働局から入ることがないと思っています。こういった枠組みを活用して、配置を義務付けしていくことも考えられるのかなと個人的には思っておりまして、その辺りも含めて御検討いただければ有り難いと思います。以上です。
○小川主査 厚生労働省からお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。職業生活相談員の方の受検に関しましては、現段階では、まだ未整理となっておりますけれども、今後、検討の準備を進めていく中で、受検資格に、どのように位置付けていくかなどをしっかり検討していきたいと考えております。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは、JEED、お願いいたします。
○市川構成員 JEEDの市川です。3ページ目の資格の効果・目的の1つ目のポツですが、技術、技能を評価する「ものさし」としてということですけれども、この試験は学科試験となっているわけであり、知識を評価するということは言えると思うのですが、技術、技能の評価というのは、どのように評価できるのかをお考えなのか、教えていただければと思います。それから、ものさしとして、障害者就労支援人材の円滑な勤務評価、処遇改善につなげることとありますが、「円滑な勤務評価、処遇改善」というのは、どのようなイメージなのか、具体的に教えていただければと思います。以上です。
○小川主査 では2点、厚生労働省よりお願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。今回の検定は、学科試験のみによる検定としておりますけれども、技能につきましては、技能の裏打ちとなる知識を評価することによって技能を評価するという考え方にしております。一方、実技試験によって技能を直接評価することも重要となりますので、今までも御議論されてきましたけれども、今後検定の準備を進めていく中で、どこかのタイミングで実技試験を実施するべきかどうかを検討していきたいと考えております。
そして、円滑な勤務評価、処遇改善につなげることのイメージですが、勤務評価につきましては、この資格を取得した場合に昇進の基準にしていただくことや、処遇改善につきましては、この資格を取得した場合に資格手当をお支払いしていただくと、そのようなことにつなげていけないかと考えております。
○小川主査 市川構成員、よろしいでしょうか。
○市川構成員 ありがとうございます。
○小川主査 そのほかに、いかがでしょうか。若尾構成員、お願いいたします。
○若尾構成員 私からは、質問というか意見として、2点ほどあります。1つ目というか、この2つが恐らく重なっていくのではないかと思うのですが、4ページの5番の「研修、検定を組み合わせたスキルアップ」の○の2つ目、それから、4ページの6番の「今後について」の○の1つ目の所と少し関連して、意見というか質問をさせていただければと思います。
私のほうからは、この作業部会、第1次といっていいのか、令和4年度からスタートした作業部会の中でも、上級ジョブコーチというか、経験豊富なジョブコーチというか、現場で働いている実践家にとって目指せるような資格を作ろうというところが根幹にあって、第2次の部会に移ってきました。今は広く広範囲な人たちに就労支援を実践していただけるようにということで、この資格化にスライドしてきたことについては十分理解したところです。ただ、やはり実践の場を抱えている側からすると、ただの資格を取得させるような流れではなく、実践者にとって影響力のあるものにしていってほしいと思っていますので、5番の○2つ目に書いてあるような、制度の研修体系と資格というのは常に連動して動いていくようにしていただきたいと考えています。これも、コメントとして書いていただいているのですが、改めてそのことについてお願いしたいと思っています。
さらに、もし、そこを検討しながら進めていくということであれば、新たに作られるであろう業界団体が、「広範な関係者が参画した」となっているのですけれども、是非、そういった知見をもっているような関係機関が、この業界団体の中に含まれていることを期待したいと思っております。また、中小企業の中で障害者雇用がなかなか進まないというような現状も、よく表現されていますけれども、一方では、半分近くの中小企業の皆さんは、障害者雇用をやっていらっしゃいますので、そういったところも含めて考えたときに、現場で働いている方たちが何を求めていて、どのようなことに期待しているのか。どういった人材を障害者雇用の担当者に据えていきたいのかも、吸い上げていただけるような業界団体の設立を是非お願いしたいと思っていますので、意見というか、発言をさせていただいたところです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。御意見ということですね。何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。1つ目の件に関しましては、御指摘のとおりと思っております。研修と検定をしっかりと連動させて全体をブラッシュアップすることが重要だと思っておりますので、そのように進むように、取組を進めていきたいと思います。
そして、業界団体につきましては、これも御指摘のとおりだと思っております。資格の運営のためには、障害者就労支援に関する専門的な知識や経験の蓄積が大切になっていくと考えておりますので、一定の経験を有する障害者就労支援機関と障害者雇用企業の団体に参画していただくことが望ましいと考えております。団体は民間団体になりますので、構成は関係者の皆様の御意向によると思いますけれども、そのような方向になると良いと思っております。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。JEEDの市川構成員、お願いします。
○市川構成員 資格の取得促進とか、就労支援に携わる方の底上げ、据野を広げるというような考え方はよいと思うのですけれども、試験と、試験のための研修ということも業界団体の運営に出てくると思うのですが、検定試験そのものについては国が関与してモデルを示すということですけれども、業界団体ができて、検定試験を受けるための研修も始めるとなった場合に、その研修についても、国が関与して、モデルカリキュラムなり議論をして、モデルとして提示するという計画なのか、それとも今、現段階では、これから検討するということなのか、その辺りを教えていただければと思います。
○小川主査 それでは、厚生労働省よりお願いします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。試験の運営団体による研修に関しては、今のところは具体的なビジョンがないのですけれども、例えば、技能検定でありますと、試験の実施団体が事前の試験対策セミナーといった、事前講習を行うことは認められておりません。ですので、ここも整理が必要ですけれども、試験団体にどのようなことをしていただけるか、しっかり考えていきたいと思います。
○小川主査 よろしいですか。
○市川構成員 ありがとうございました。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。私から1点お願いと質問があります。お願いとしましては、先ほど若尾構成員からも、お話がありましたが、業界団体の設立ですが、是非、業界団体の関係者に企業も巻き込んでいただければ有り難いと思います。
もう1点が、ロードマップの所の国家資格への移行ですが、安定的に運営できるようになった段階で国家資格へ移行を検討するとされていますけれども、例えば安定的というのは、何名ぐらいの受験者や合格者が見込まれること、あるいは、何年程度といったような目安があれば教えていただけますか。
○小川主査 厚生労働省、お願いいたします。
○安蒜地域就労支援室長 御質問ありがとうございます。業界団体に企業をとの御意見に関しましては、そのとおりだと思います。先ほど申しましたとおり、可能であれば障害者を雇用する企業の団体などに、この業界団体に参画していただけると望ましいと考えております。そして、国家資格の移行につきましては、明確なめどがありませんので、状況を見ながら、しかるべきタイミングで検討を進めていきたいと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。全部で16回の会議の最後のとりまとめですので、是非、御発言いただければと思います。景山構成員、お願いします。
○景山構成員 株式会社東海化成の景山です。先ほど青野委員からも御意見がございましたように、業界団体に企業を巻き込んでいただく、本当に私もそう思っております。更に私からのお願いとしましたら、何度も申し上げて本当にしつこく申し上げて申し訳ございません。99.7%の中小・小規模企業の取組の底上げをすることも含め、中小・小規模で障害者雇用を頑張っていらっしゃる団体もあるはずですので、そういう所との連携も是非、探っていただければと思っております。この資格が、現場の数としては圧倒的に多い中小・小規模の企業に、この資格に近づいていきたいと思うような検定を是非とも実施していただきたい。その検定を受けるために学んだこと、検定を通して身に付けたことが自分たちの職場できちんといかせるような、そういったフィードバックというか、PDCAが回っていけば、企業にとっても大変有益な検定になっていくのではないかと期待しております。よろしくお願いします。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。厚労省よりお願いします。
○安蒜地域就労支援室長 御意見ありがとうございます。この資格につきましては、業界の標準として普及していく必要があると考えております。それを進めていく中で、中小企業の従業員の皆様に、企業から受講を推薦していただくことが大変重要だと思っておりますので、その流れを作っていきたいと思います。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。では、とりまとめについての御意見は以上で、頂いたこととさせてよろしいですか。
それでは、今回頂きました御意見を、とりまとめに反映させていただくようにいたします。また、修正がもし必要な場合には、どのように取りまとめて修正するかについては、先ほどと同様に、私、主査のほうに御一任を頂ければと思いますが、御了承いただけますでしょうか。ありがとうございます。それでは、修正した作業部会のとりまとめは、障害者雇用福祉施策の連携強化に関する検討会会長に報告をさせていただきます。
それでは、最後に議題3「その他」として、事務局から何かございますか。
○安蒜地域就労支援室長 とりまとめにつきましては、検討会に報告した後、厚生労働省ホームページに掲載いたします。今後は、とりまとめに従い、資格創設に向けた準備を進めてまいります。構成員の皆様には、長年にわたって御議論いただき、誠にありがとうございました。事務局からは以上でございます。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、議題は以上となりますが、少し時間の余裕があるようです。全部で16回にわたる議論をしてまいりましたので、最後に、皆様に一言ずつ、何か期待なり、まとめなり、御感想なり、御発言を頂ければと思います。それでは、國﨑構成員からお願いしてよろしいでしょうか。
○國﨑構成員 Bridgeの國﨑と申します。今回、このような部会に長く関わらせていただいたことに、まずお礼申し上げます。この中で、自分自身がやっていることとか、私どもが職場適応援助の事業を中心に法人を運営しておりますが、その中での課題や、これからのニーズを改めて気付かせていただいたと思っております。また、今回の資格化につきましては、まず、これも何度もお伝えしたところですが、これをきっかけに早期に実現して、そして国家資格化を是非、目指してということと、併せて、幅広く初級検定も出てくると思いますので、そういう意味では、皆さん多くの方が障害者雇用に関して関心を持ち、また、基本的な理解が進んでいくことをとても期待しているところです。なかなか意見を出すことができなかったり、うまく言葉にできなかったことが多々ありましたが、本当にこの作業部会に参加できましたことに、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 木村です。いつもお世話になっております。私も、この16回の作業部会に参加させていただいて、ナカポツセンターの立場からであったり、地域の就労支援に関して深みを持った考えをいろいろと考えさせていただいた、とても良い機会となりました。立場からということはあるのですが、ナカポツセンターも大分質を求められる状況がある中で、こういう人材の確保であったり資格化をしっかり考えていくことで、やはり地域になくてはならないナカポツセンターづくりのきっかけにはなったのではないかと思っております。どうしても、地域資源が余りない地域での活動を強いられていますので、是非、地方の困っている現状なども少し踏まえたところで、今後の資格化という視点であったり、運営がスムーズにいくような中身になっていけたらいいなと思っております。
私も、なかなかうまく伝えられることができなかったり、現状の部分で食い違いが起きていたりなどということもあったりで、非常に悩みながら就労支援を行っていますが、方向性はただ1つで、やはり障害のある方々も大切な人材だということを含めて再確認できた良い機会となりました。今後も皆様方とつながっていきながら、障害者雇用をしっかり支えていける人材に私自身がなっていけたらと思っております。本当にありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、JEED、お願いできますか。
○市川構成員 市川です。私は、参加させていただいたのは昨年度からで、石井研修課長から引き継いで参加させていただいたわけですが、これまでの議論は、相当やはり就労支援の分野の支援者の質の向上をどうしていくのかということが熱心に議論されたのだと思います。今、混沌としているような状況を個人的には感じておりまして、就労支援に携わる方々の質の向上に本当につながっていけば良いなと思っております。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。井口構成員、どうぞ。
○井口構成員 JEEDの井口です。キャリアの終盤に、こういう貴重な経験をさせていただきましてありがとうございました。これから、どこまでお役に立てるかよく分かりませんが、私の立場でもう少し頑張っていきたいと思います。もう一度この部会の原点に立ち返ると、訪問型ジョブコーチの活性化という課題は、引き続き注視していく必要があるのではないかと思います。小川先生はじめ、構成員の皆様、お世話になりました。事務局の方々にもお世話になりました。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。田村構成員、お願いします。
○田村構成員 今回、こういう会議に参加させていただきましてありがとうございました。就労支援とかという立場ではないので、なかなか意見できるとか、お話できることは少なかったのですが、我々、雇用側の企業として考えると、やはりもっと制度としてできていって、企業としても知っていくという。小さい企業のほうが世の中に多いので、そういうところで障害者の就労ということを考えていくと、もう少し色々な制度ができるだけではなくて、認知も含めて進んでいくところが、我々企業側としては非常に有り難いことなので、是非、今後、制度化して広げていってもらえることを期待しておりますので、よろしくお願いします。本当に長い間、ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございました。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。まず私も、全16回ということで、この貴重な場に参加させていただきましたこと、厚生労働省の皆様、小川主査、それから構成員の皆様に感謝申し上げます。私は、企業の中の特例子会社とか、企業の一般事業会社の中で、障害のある方の活躍推進とか雇用推進に取り組んでまいりました。企業の中には、本当に一生懸命に、この分野に取り組んでいる方々がいるのですが、どうしても、自分たちのスキルとか知識、ノウハウを言語化して説明することが難しかったり、それから効果を説明することも難しくて、専門家として認知されづらいような側面があったところを、このように専門人材として認めていただけるような道ができて、資格が整備されていくことは本当に有り難く思いますし、感謝しています。この結果として、社会の中の様々な障害を含め、多様な特性を持った皆さんと一緒に働ける社会が作られていくのだろうということで、本当にうれしく思っております。ありがとうございます。
ちょっと、最後に、皆様のお話を聞いていて、検討に含めていただきたいことが1つありまして、もし時間がありましたら、最後にお願いできると有り難いです。後のほうがよろしいでしょうか。
○小川主査 続きで御発言いただいてよろしいかと思います。お願いします。
○青野構成員 ありがとうございます。試験科目の所なのです。就労支援士が幅広く障害のある方とともに働くという、社会づくりに貢献していくことを考えたときに、ビジネスと障害の融合という視点も取り入れてもらったほうがよろしいのではないかと思ってお話を聞いていました。試験科目に障害者の雇用対策とか福祉施策は入っていると思うのですが、例えば、ビジネスと人権の視点で情報アクセシビリティですとか、物理アクセシビリティ、それから障害者差別解消法の中で、ビジネス場面においても合理的配慮の提供が義務付けられているのだということを、この就労支援士の資格を取得していく皆さんがきちんと認識をされて、ビジネスの中に障害の視点を取り組むことが世の中に効果をもたらすのだということを、きちんと話せる人材になっていただけるといいのかなと思いまして、そういう視点も、ちょっと遅ればせながらなのですが、試験科目への取り込みを御検討いただければ有り難いです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。検討させていただきます。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは、若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 若尾のほうも、全16回参加させていただきまして本当にありがとうございました。純粋にジョブコーチを養成したり、自分の本業の中では、自分の所でもジョブコーチを稼働させて、それから就業・生活支援センターも運営してという中での、人材の確保や育成について考える機会となりました。改めて、知識だけではやはり、実践の場で質を維持することは難しいと、私は思っていますし、ただ経験すればいいということでもない、経験の裏付けがやはり知識であるとも感じました。
もう1点、今回、この作業部会に参加させていただいてものすごく学べた、学べたというか、課題として感じているところが、やはりそういう土壌をどうやって作っていったらいいのかということがすごく大事なのだろうと思っています。この資格ができたからといって、就業・生活支援センターの業務に携わる人たちが果たして増えるのだろうかという疑問や、ジョブコーチが本当に増えていくのだろうかということ。それから、中小企業の中で障害者の雇用が進むための担当者が増えていくのだろうかということについては、また別のベクトルで考えなくてはいけないのだろうとも思っています。この資格化に向けたこの部会を出発点にして、私もそれほど長いキャリア、この後に長いキャリアが残っているわけではないのですが、少しそういうところにも貢献していけるように頑張りたいなと改めて思ったところです。長い期間お付き合いさせていただきまして本当にありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。景山構成員、お願いします。
○景山構成員 景山です。私は途中からの参加でしたが、この作業部会に参加させていただき、企業側の立場にいるだけでは知り得なかった様々な御意見を、本当に驚きをもって聞かせていただいておりました。驚きというのは、大変な学びという点での驚きです。本当に地方の一企業だけでは見えないような世界を見せていただいたという点で本当に感謝しております。一貫して、この作業部会に参加する中で強く思ったのは、やはり、地域資源が限られている地方の中小・小規模が、どうやって、この地域で一緒に障害のある方と働きながら生きていくのかという、そこを常に思っておりました。今回は、資格というところで、とりまとめが行われておりますが、この資格をきっかけに、中小・小規模が、このような障害者雇用という、決して平坦な道ではない、そこに寄り添っていただけるような人たちがより多く増えていただくことを期待しております。どうもありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございました。皆様より一言ずつ頂きました。本当に、様々な立場の作業部会の構成員の方たちに積極的に御発言いただきましたことによって、障害者雇用や就労支援と言っても、都市部と地方では違いますし、それから企業の規模によっても様々な側面がありますが、皆様、様々な背景を持つ中で御意見を頂きましたことで、資格に関する議論も、ある程度まとまりを持てたのではないかと思っております。
最後、私も少し発言をさせていただきます。この議論は、本当に長い道程で、一番最初、職場適応援助者養成研修のあり方に関する検討会、2020年、この辺から人材育成に関する議論がスタートしました。その後、障害者雇用福祉施策の連携強化に関する検討会の第2ワーキングで、人材育成に関して焦点を当てた議論が、またスタートしました。
この資格化に関しては、議論に2つの軸があったと記憶しております。1つは、第2ワーキングで、かなり就労支援に携わる人材の裾野が広がった。ただ、質について、やや心配があるので、きちんと質を担保することと、それから、労働人口の減少の中で、どのように障害者雇用や就労支援の領域で人材を確保したらいいのか。これは、就労支援側と、それから企業側と両方から意見が出され、そこで何らかの資格化も検討していこうとなりました。そのときに、最もポピュラーなというか、比較的認知度の高いキーワードとして、ジョブコーチというキーワード、これを中心に考えたらどうかという意見もあったことを記憶しております。
この作業部会では、先ほど井口構成員に御発言を頂いたように、前半については、やはり助成金についてどうするのか、訪問型、企業在籍型、この助成金をどのようにして、ジョブコーチを活性化していったらいいのかという重要な議論が行われました。後半で、人材育成に議論が移って、それこそジョブコーチの作業部会で、ジョブコーチということを中心に一時、議論が進みました。やはり2つの軸がある中で、幅広い障害者雇用、就労支援全般の人材の問題と、それから、どちらかというと実践知の蓄積の上で成り立つジョブコーチの人材、それの資格化をどのようにするかという、この2つの軸がある中で、どのように最後、とりまとめていくのかということで、議論にやや時間が掛かった。そこで丁寧な議論が必要であったと記憶しております。ただ、様々な、今日もカリキュラム、試験の基準について取りまとめましたが、障害者雇用や就労支援に求められる知識や技術は、最低限、こういった内容が必要であろうというところを取りまとめられたというのは、1つの大きな成果であったのではないかと思います。
ただ、現場は本当に実践知の蓄積です。障害のモデルで言うと、社会モデル、個人因子と環境因子、ここの調整を行っていくのが就労支援の一番の中心的な課題で、そこをとにかく現場でやっていくのがジョブコーチの考え方だと思います。正直、これについては、この作業部会でも御発言させていただきましたが、問題にするのが難しい。知識としての正解を求めるエビデンスをベースにして正解を準備した問題を作るのが難しいという課題があります。これについては、やはり、これから資格化を進める中で段階的に目指していく重要な課題であると思っています。そこについて積み重ねていくためには、実践領域の方たちが、やはり実践について言語化していくことも必要ですし、それから、学術団体等が協力をして、言語化、体系化を更に進めていくことも必要になるかと思います。ようやく、そういった第一歩の道程に、私たちが進んだということであるかと考えております。
これまで、社会福祉士や精神保健福祉士や、あるいは公認心理師や作業療法士や様々な国家資格がありますが、そこが国家資格に辿り着くまでの道程を考えますと、やはり障害者雇用や就労支援の領域は、まだスタートラインの段階にいるのではないかと考えられます。今回のとりまとめで、最後のほうで、業界団体と厚生労働省が協力しながら資格創設に向けた取組を着実に進め、できる限り早期に資格が創設されることを期待するとまとめられておりますが、業界団体も非常に努力をしていく必要があると思います。ただ、単なる民間の資格ではなく、これは我が国の障害者雇用や就労支援のあり方はこうあるべきだ、それを支える人材はこういった考え方や知識を持つべきだという、その方向性を示す資格という意味合いもあると思いますので、是非、厚生労働省の今後の引き続きの御協力もお願いしたいところです。
最後に、大変長い間、御協力いただきました構成員の皆様に、改めて御礼を申し上げるとともに、非常に長い間、様々な検討会で人材育成について真摯に取り組んでくださいました厚生労働省にも、改めて御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の作業部会を終了とさせていただきます。ありがとうございました。