2025年5月14日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第69回議事録

日時

令和7年5月14日(水)10:00~

場所

全国都市会館大ホール 2階

出席者

構成員等
事務局

議題

  • 部会長代理の指名について
  • 費用対効果評価制度の見直しに向けた今後の議論の進め方について

議事

議事内容

○飯塚部会長 
ただいまより、第69回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。費用対効果評価専門部会のキックオフとなります。どうぞよろしくお願いします。 
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。 
まず、委員の出欠状況について御報告します。 
本日は鈴木委員が御欠席です。 
また、今回は参考人として、福田参考人、池田参考人が参加しております。 
それでは、まず、費用対効果評価専門部会に属する委員に異動がございましたので、御報告します。 
4月9日の総会においても御報告がございましたので簡単に御報告させていただきますが、末松委員、安川委員が御退任され、後任として、伊藤委員、城山委員が発令されております。 
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。 
(カメラ退室) 
○飯塚部会長 
それでは、議事に入ります。 
まず初めに、部会長代理の指名を行いたいと思います。 
部会長代理については、社会保険医療協議会令第1条第9項の規定によりまして、部会長があらかじめ指名する者が、部会長代理をすることとされております。 
城山委員に部会長代理をお願いすることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。 
(異議なしの意思表示あり) 
○飯塚部会長 
ありがとうございます。 
それでは、部会長代理は、城山委員にお願いいたします。 
次に「費用対効果評価制度の見直しに向けた今後の議論の進め方について」を議題といたします。 
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 
○木下医療技術評価推進室長 
事務局、医療技術評価推進室長でございます。 
それでは、資料費-2を御覧ください。「費用対効果評価制度の見直しに向けた今後の議論の進め方(案)」について御説明いたします。 
2ページ目をお開きください。 
2ページ目は、費用対効果評価の検討に係る主な経緯をまとめてございます。2012年5月に費用対効果評価専門部会が設置され、2016年より試行的導入、2019年より本格導入となっております。 
それ以降、令和4年度、令和6年度の診療報酬改定のタイミングでお示しのような見直しを行ってきたところでございます。 
3ページ目にお進みください。 
この間の品目指定数の推移を示しております。指定数は平均いたしますと、年11品目で推移しております。 
続きまして、4ページ目を御覧ください。 
こちらには参考といたしまして、費用対効果評価の対象品目の指定基準の区分をおつけしているところでございます。 
5ページ目にお進みください。 
5ページ目と6ページ目には、令和6年度費用対効果評価制度の見直しの概要をつけております。 
大きく6項目ございまして、項目名のみを御紹介いたしますと、令和6年度の改定に合わせまして「(1)分析対象集団及び比較対照技術の設定」「(2)費用対効果の品目指定」。 
6ページにお進みいただきまして「(3)分析プロセスについて」「(4)価格調整の対象範囲のあり方について」「(5)介護費用の取扱いについて」「(6)費用対効果評価の結果の活用について」といった辺りの見直しを行っているところでございます。 
(4)と(5)につきましては、レケンビに関する特例的な扱いを踏まえた見直しという位置づけとさせていただいているところでございます。 
7ページにお進みください。 
令和6年度の診療報酬改定以降の費用対効果評価に関する政府の方針等を御紹介したいと思います。 
昨年6月の骨太の方針におきまして、記載のとおり、引き続き迅速な保険収載の運用を維持した上で、イノベーションの推進や現役世代等の保険料負担に配慮する観点から、費用対効果評価のさらなる活用の在り方について、医薬品の革新性の適切な評価も含め、検討するとされたところでございます。 
また、下段になりますが、昨年末の大臣折衝の中におきましても、我が国の費用対効果評価のさらなる活用に向け、引き続き対象範囲の拡大に向けた検討を進めるとともに、費用対効果評価の実施体制の強化や適切な評価手法の検討と併せ、薬価制度上の活用方法、診療現場での活用の方策など、今後の在り方について具体的な検討を進めるといった事項が盛り込まれているところでございます。 
8ページにお進みください。 
令和7年度の費用対効果評価に関する予算をお示ししているところでございます。 
前年度と比較いたしまして、1.8億円多い11.5億円となっております。 
その内容といたしましては、諸外国での費用対効果評価による医療費削減効果や医療の質向上に関する調査等を行う。また費用対効果評価の結果を臨床現場で活用するため、疾患別の診療ガイドラインへの掲載を含め、臨床現場への普及啓発の方法に関する調査・研究を行うといった内容となっております。 
9ページにお進みください。 
こうした背景等を踏まえまして、次期改定に向けた今後の議論の進め方として、費用対効果評価専門部会において、今後、関係業界や費用対効果評価専門組織からの意見聴取を行いつつ、検討項目を整理した上で、議論を深めることとしてはどうかとさせていただいているところでございます。 
10ページ目には「令和8年度診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール」を総会でお示しした内容と同じものをおつけしているところでございます。 
11ページにおきましては、本専門部会の検討スケジュール(案)をお示ししているところでございます。 
本日5月14日から「改定の進め方について」の御議論をスタートしていただきまして、以降月1回ぐらいのペースにおきまして、専門組織からの意見、関係業界からのヒアリング、個別論点についての議論等々を経まして、年末に骨子、年明けに見直し(案)という形で議論を進めていただければと思っているところでございます。 
12ページ以降は、関係する参考資料をおつけしておりますので、議論の際に参照いただければと思っております。 
事務局からの説明は以上となります。 
○飯塚部会長 
ありがとうございました。 
それでは、ただいまの説明に関して、御質問などがありましたらお願いいたします。 
では、長島委員、お願いいたします。 
○長島委員 
ありがとうございます。 
費用対効果評価につきましては、腰を据えた検討が行われ、資料に示されたように、2019年4月の本格運用以降、事例を確実に積み重ねている状況にあります。 
本制度は、保険償還の可否に用いない、一旦保険収載した上で価格調整に用いるという、薬価制度などを補完する観点から活用するのが大原則であり、今後もこれを守っていくべきであると考えます。 
そして、さらなるあるべき日本型の制度にするために、まずは令和6年度に行われた制度の見直しについて検証を進めることが重要です。 
また、諸外国におけるその後の取組状況についても把握し、学ぶべきところは学ぶことも肝要です。 
加えて、これから積み重ねる一つ一つの費用対効果評価を行う際に出現した課題について、どのような工夫ができるのか、検討していくべきです。 
以上を踏まえて、9ページに示された今後の議論の進め方に異論ありません。 
なお、以前にも申し上げましたが、検討に当たり、人材育成の視点もさることながら、より実用的に、つまり、特定の研究者しか取り扱えないようなものではなく、費用対効果評価自体の費用対効果も考える時期に来ているのではないかということを申し添えます。 
私からは以上です。 
○飯塚部会長 
ありがとうございました。 
それでは、ほかの方からも御質問等ございましたら。 
では、森委員、お願いいたします。 
○森委員 
ありがとうございます。 
御説明いただき、ありがとうございました。 
示された今後の議論の進め方やスケジュール(案)について、異論はありません。 
現行の費用対効果評価は、医療費策削減を目的とした制度設計となっており、対象となった医薬品のほとんどで薬価が下がる結果となっています。医薬品などの価値を客観的に評価し、費用と効果のバランスを適切に見極めることが、費用対効果評価の本質であると考えます。 
令和6年度診療報酬改定では、価格引上げ条件について見直しが行われておりますが、次期制度改革においては、薬価を適切に評価できる仕組みに見直すことが重要であると思います。 
そのため、例えば、市販後の実臨床でのデータは重要で、リアルワールドでのデータを活用した評価を検討すべきと考えます。 
また、ドラッグ・ラグ/ロスの解消に向けて、これまで、薬価制度上、様々な見直しが行われてきましたが、今後の費用対効果評価制度の見直しの方向によっては、ドラッグ・ラグ/ロスを悪化させてしまう可能性があるため、検討を進めるに当たっては、留意すべきと考えます。 
さらに、企業にとってデータ提出がかなり負担となっているとの声があります。分析に必要な最小限のデータとするなど、企業負担を減らすことも検討すべきと考えます。 
9ページに示されている今後の議論の進め方(案)については異論ありません。 
これらの点を踏まえ、制度の見直しに向けては、関係業界からの意見をしっかりと踏まえた検討を行うべきと考えます。 
関係業界におかれましては、ヒアリングの際には、現行制度への懸念や問題点、ドラッグ・ラグ/ロスへの影響などについて、関係業界としての意見を賜れればと思います。 
また、6ページ(6)にあるように、費用対効果評価の結果の活用において関係学会等の連携が求められているところですので、もし可能であれば、リアルワールドでのデータの活用を含めて、関係学会との連携は今後重要な視点となりますので、関係学会からの意見も伺う機会があればと思います。 
私からは以上です。 
○飯塚部会長 
御意見ありがとうございました。 
続きまして、よろしくお願いいたします。 
では、松本委員、お願いいたします。 
○松本委員 
どうもありがとうございます。 
9ページに示されているとおり、令和8年度の見直しに向けて議論を進めることには、異論はございません。 
その議論に際しましては、今、森委員からもお話がございましたけれども、6ページの(6)に記載のあります国立保健医療科学院による検討や、関係学会と連携した取組についても、議論の参考になると思いますので、その形式については事務局にお任せいたしますけれども、資料の10ページ、11ページに示されている日程も念頭に置いて、ぜひ情報提供をお願いしたいと考えております。 
少し戻りますけれども、平成28年12月の大臣合意においては、薬価の引上げを含めた費用対効果評価の本格導入について、真に有効な医薬品を適切に見極めてイノベーションを評価し、研究開発投資の促進を図ると記載されております。 
この制度は、試行的な導入を含めますと、次回の見直しは開始からちょうど10年目の節目に当たります。 
この間に薬価制度においては、国民皆保険の持続可能性とイノベーション評価のメリハリを強化してきたところですが、費用対効果については、まだまだメリハリが不十分だという認識をしております。 
前回の制度改正で引上げ調整の条件を緩和したことや、認知症治療薬の特例的な取扱いを踏まえ、7ページにある政府方針にも沿う形で、令和8年度は踏み込んだ見直しについて議論させていただきたいと考えております。 
私からは以上でございます。 
○飯塚部会長 
どうもありがとうございます。 
それでは、鳥潟委員、お願いできますでしょうか。 
○鳥潟委員 
ありがとうございます。 
まず、今後の議論の進め方には異論ございません。 
価格調整の対象範囲の在り方など、令和6年度議論の結論として、今後、引き続き議論となっているものもございます。 
レケンビの取扱いも踏まえた上で、医療保険制度の持続可能性の観点からも、しっかりと議論をさせていただけたらと思っております。 
以上です。 
○飯塚部会長 
どうぞよろしくお願いいたします。 
それでは、ほかにはございますでしょうか。 
高町委員、お願いいたします。 
○高町委員 
ありがとうございます。 
ただいま御説明いただきました議論のスケジュールを見ますと、今回も同じように個別事項を、機械的に議論を進めていくにとどまるように思います。しかし、ただ同じように進めるのではなく、より根本的なことや方向性についても議論する時期に来ているように思いますので、この点について御配慮いただければ幸いかと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。 
○飯塚部会長 
では、引き続きよろしくお願いいたします。 
会場からは、いかがでしょうか。 
ありがとうございます。 
ほかには御意見あるいは御質問等はないでしょうか。 
ありがとうございました。 
それでは、専門委員からも御意見などがありましたら、お願いできますでしょうか。 
石牟禮専門委員、お願いいたします。 
○石牟禮専門委員 
専門委員の石牟禮でございます。ありがとうございます。 
先ほど森委員の御発言もございましたように、関係業界といたしまして、御指摘いただいた点を含め、御準備をさせていただき、ヒアリングに備えたいと存じます。ぜひ、業界からの意見についても、この場で御議論を賜れればと考えております。 
以上でございます。よろしくお願いいたします。 
○飯塚部会長 
ありがとうございます。ヒアリング等を考えていきたいと思います。 
ほかには、専門委員からございますでしょうか。 
ありがとうございます。 
では、引き続き、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 
ほかに、まだ御質問等ございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 
ありがとうございます。 
では、ほかに御質問等もないということのようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしまして、今後、事務局において、本日いただいた御意見も踏まえて、御対応いただくようお願いいたします。 
本日の議題は以上です。 
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡をいたします。 
それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。