2025年5月14日 中央社会保険医療協議会 総会 第608回議事録

日時

令和7年5月14日(水)10:20~

場所

全国都市会館大ホール 2階

出席者

構成員等
  • 小塩隆士会長
  • 佐保昌一委員
  • 池端幸彦委員
  • 飯塚敏晃委員
  • 髙町晃司委員
  • 太田圭洋委員
  • 本田文子委員
  • 奥田好秀委員
  • 林正純委員
  • 笠木映里委員
  • 森昌平委員
  • 永瀬伸子委員
  • 伊藤徳宇委員
  • 木澤晃代専門委員
  • 城山英明委員
  • 茂松茂人委員
  • 鳥潟美夏子委員
  • 江澤和彦委員
  • 小松和子専門委員
  • 松本真人委員
  • 長島公之委員
事務局
  • 鹿沼保険局長
  • 木下医療技術評価推進室長
  • 清原薬剤管理官
  • 林医療課長
  • 米田保険医療企画調査室長
  • 和田歯科医療管理官 他

議題

  • 費用対効果評価専門組織からの報告について
  • 医療機器及び臨床検査の保険適用について
  • 医薬品の新規薬価収載等について
  • 最適使用推進ガイドラインについて
  • 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
  • 条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品の保険適用について
  • DPC における高額な新規の医薬品等への対応について
  • 在宅自己注射について
  • 令和7年度における DPC/PDPS の現況について

議事

○小塩会長
 それでは、ただいまより第608回「中央社会保険料協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、鈴木委員、岡本専門委員が御欠席です。
 会議冒頭のカメラの頭撮りは、このあたりで終了させていただきます。よろしくお願いします。
(カメラ退室)
○小塩会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
 本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田参考人、池田参考人にお越しいただいております。田倉委員長より御説明をお願いいたします。
○田倉委員長
 費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。よろしくお願いいたします。
 中医協総-1の資料を御覧ください。
 医薬品の費用対効果評価案についてですが、フォゼベル錠、レクビオ皮下注、ウゴービ皮下注について、費用対効果評価案を策定いたしましたので、御報告をさせていただきます。
 なお、当面の間は専門組織での検討状況についても資料に記載をしております。
 2ページ目を御覧いただきますでしょうか。
 対象品目はフォゼベル錠であります。
 効能または効果は、透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善となっております。
 上段に、費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。
 下段に、補足として、分析対象集団のICERの区分を記載しております。
 続いて、3ページ目からは、参考としてフォゼベル錠の費用対効果評価案策定に関わる主な検討事項を記載しております。
 続きまして、6ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 対象品目は、レクビオ皮下注となります。
 効能または効果は、家族性高コレステロール血症または高コレステロール血症のうち、心血管イベントの発症リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果が不十分なもの、またはHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さないものとなっております。
 上段に、費用対効果専門組織で決定した費用対効果案を記載しております。
 下段に、補足として、分析対象集団のICERの区分を記載しております。
 7ページ目からは、参考として、レクビオ皮下注の費用対効果評価案策定に関わる主な検討事項を記載しております。
 最後に、12ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 こちらの対象品目は、ウゴービ皮下注となります。
 効能または効果は肥満症となっております。
 上段に、費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。
 下段に、補足として、分析対象集団のICERの区分を記載しております。
 13ページ目からは、参考として、ウゴービ皮下注の費用対効果評価案策定に係る主な検討事項を記載しております。
 御説明は以上となります。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 ありがとうございます。
 ウゴービ皮下注の費用対効果に関連して質問させていただきます。
 同様の肥満症薬としてゼップバウンドが3月に保険収載された際には、リポジショニング特例を用いて、類似薬効比較方式(Ⅰ)ではなく、より薬価が低い原価計算方式で算定されたという説明がありました。
 ウゴービもゼップバウンドも費用対効果のカテゴリーはH1のため、別々に費用対効果評価が行われたかと思います。
 このような場合、将来的にどちらかが市場拡大再算定になった場合も別々に評価されるものなのでしょうか、それとも共連れといった現象が起きて同時に評価されるものなのでしょうか、お教えください。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの高町委員からの御質問については、いかがでしょうか。事務局、お願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先ほど類薬ということで、肥満症の薬について2種類のことについて、市場拡大再算定になったときに、類似薬としてともに下がるのかというお話でございますが、ゼップバウンドのときにもお話をしましたが、薬理作用が多少異なるというところで、この後の報告でもございますが、類似薬選定のための薬剤分類表のところでは線引きとして、類似薬ではないと評価をしておりますので、いわゆる共連れというものにはならないという整理になっております。
 以上でございます。
○小塩会長
 高町委員、いかがでしょうか。
○高町委員
 ありがとうございます。
 今後もこのような肥満薬は出てくると思いますので、取扱いにつきましては、慎重に対処いただきますよう、よろしくお願いします。
 ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかには特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 田倉委員長、福田参考人、池田参考人、どうもありがとうございました。
○田倉委員長
 失礼いたします。
(田倉委員長、福田参考人、池田参考人 退室)
○小塩会長
 続きまして「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の渡邉委員長にお越しいただいております。渡邉委員長より御説明をお願いいたします。
○渡邉委員長
 それでは、説明いたします。中医協総-2の資料を御覧ください。
 今回の医療機器の保険適用はC1が1製品と、C2が1製品です。
 2ページ目を御覧ください。
 販売名は、COOK Hemospray 内視鏡的非吸収性止血材です。
 4ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は内視鏡的に消化管内へ挿入し、非静脈瘤性消化管出血の止血に使用する医療機器です。
 2ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。
 この結果、最終的な価格を1g当たり2,640円といたしました。
 外国平均価格との比は0.43です。
 次に、5ページ目を御覧ください。
 販売名は、軟質実物大3D心臓モデルです。
 8ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、既存の画像診断では診断や術式決定が困難な複雑先天性心疾患患者に対し、マルチスライスCT画像情報を基に作製された実物大心臓3Dモデルです。
 5ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
 続きまして、1ページ目を御覧ください。
 今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
 9ページ目を御覧ください。
 販売名は、OncoGuideTM EpiLightTMメチル化検出キットです。
 測定項目は、DNAメチル化検出検査です。
 測定方法は、定性リアルタイムPCR法です。
 11ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、がん組織から抽出したDNAをバイサルファイト変換処理した検体中のメチル化状態の検出を行う臨床検査です。
 9ページ目にお戻りください。
 保険点数につきましては「D004-2 悪性腫瘍組織検査」「1 悪性腫瘍遺伝子検査」「イ 処理が容易なもの」「(1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの2,500点」を参考点数としています。
 私からの説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、事務局から補足説明はございますでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 事務局より1点補足させていただきます。中医協総-2の参考の資料をお開きください。
 「特定保険医療材料の基準材料価格の算定における原価計算方式の係数の更新」となります。
 特定保険医療材料の原価計算を行う際に用いる係数について、算出する際に使用する統計データが昨年度末更新されたことに伴い、令和7年度の係数を再計算させていただきました。
 補足の御説明は以上となります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 渡邉委員長、どうもありがとうございました。
○渡邉委員長
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして「医薬品の新規薬価収載等について」及び「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
 この2つの議題は関連いたしますので、併せて審議したいと思います。
 本日は薬価算定組織の弦間委員長にお越しいただいておりますので、最初に「医薬品の新規薬価収載等について」を、弦間委員長より御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
○弦間委員長
 薬価算定組織の委員長の弦間でございます。よろしくお願いします。
 私から、今回検討しました新医薬品の算定結果について御報告いたします。
 資料総-3-1を御覧いただきたいと思います。
 今回報告する新医薬品につきましては、1ページの一覧表にありますように、10成分18品目でございます。
 それでは、算定内容について御説明いたします。
 まず、1品目目でございますけれども、2ページ目~3ページ目を御覧いただきたいと思います。
 カムザイオスカプセルでございます。
 本剤につきましては、閉塞性肥大型心筋症を効能・効果としており、原価計算方式により算定いたしました。
 本剤につきましては、新規作用機序医薬品であること、本疾患の治療に用いる薬剤において、長期間新規作用機序の新薬の収載がなかったこと、既存の治療で効果が不十分な患者群に対して有効性が期待できることなどから、有用性加算(Ⅰ)の45%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤につきましては、希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 補正加算について、合計の加算率55%に対して、換算係数0を適用して0%の補正加算を適用いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で2.5mg1カプセル、7,264.80円となりました。
 2品目目、ビヨントラ錠でございます。
 4ページ~5ページ目を御覧いただきたいと思います。
 本剤は、トランスサイレチン型心アミロイドーシスを効能・効果としておりまして、ビンマックカプセル61mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、400mg1錠、8,995.90円となりました。
 続きまして、3品目目でございます。
 リブマーリ内用液でございます。
 6ページ~7ページを御覧いただきたいと思いますけれども、本剤につきましては、アラジール症候群、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症における、胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能・効果としております。
 原価計算方式により算定いたしました。
 標準的治療法が確立していない重篤な疾患であり、本剤は、胆汁うっ滞に伴うそう痒に対する効果が認められていることから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていること等から、市場性加算(Ⅰ)の15%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 補正加算につきましては、合計の加算率25%に対して加算係数0を適用しまして、0%の補正加算を適用いたしました。
 算定した薬価は外国平均価格の0.75倍を下回っていることから、外国平均価格調整によって引上げを行いました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、1%30mL1瓶、388万8,640.70円となりました。
 続きまして、4品目目でございます。
 ティブソボ錠でございます。8ページ~9ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、IDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病を効能・効果としておりましてベネクレクスタ錠100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、新規作用機序の医薬品でございまして、IDH1遺伝子変異陽性の患者を対象とする臨床試験成績から本剤の有効性が期待できることなどから、有用性加算(Ⅰ)の35%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 算定した薬価は、外国平均価格の0.75倍を下回っていることから、外国平均価格調整により、引上げを行いました。
 その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で250mg1錠、3万7.60円となりました。
 続きまして、5品目目、ラズクルーズ錠でございます。10ページ~11ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果としており、類似薬効比較方式(Ⅱ)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で240mg1錠、1万2,354.70円となりました。
 続きまして、6品目目、プレバイミス顆粒分包でございます。12ページ~13ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、同種造血幹細胞移植、臓器移植におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制を効能・効果としており、プレバイミス錠240mgを最類似薬とした、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、小児に係る用法・用量が明示されていることなどを踏まえ、小児加算20%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、120mg1包、1万6.20円となりました。
 続きまして、7品目目でございます。
 トレムフィア点滴静注でございます。14ページ~15ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法を効能・効果としており、オンボー点滴静注300mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、200mg20mL1瓶、25万3,045円となりました。
 続きまして、8品目目でございます。
 トレムフィア皮下注でございます。16ページ~17ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法を効能・効果としており、トレムフィア皮下注100mgシリンジを最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、シリンジ製剤で200mg2mL1筒、33万9,733円となりました。
 続きまして、9品目目でございます。
 テビムブラ点滴静注でございます。18ページ~19ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、根治切除不能な進行・再発の食道癌を効能・効果としており、キイトルーダ点滴静注100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、100mg10mL1瓶、21万4,498円となりました。
 続きまして、テブダック点滴静注用でございます。20ページ~21ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌を効能・効果としております。
 リブタヨ点滴静注350mgを最類似薬としました類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、組織因子を標的とする初めての薬剤であり、臨床試験成績から有効性が示され、ペムブロリズマブを含む化学療法歴のある患者に対して本剤は比較薬よりも優先されることなどから、有用性加算(Ⅰ)の40%加算を適用とすることが妥当と判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価でございますけれども、40mg1瓶、25万2,241円となりました。
 続きまして、11品目目のハイキュービア10%皮下注でございます。22ページ~23ページを御覧いただきたいと思います。
 本剤は、無又は低ガンマグロブリン血症を効能・効果としており、キュービトル20%皮下注8g/40mLを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、比較薬に比べて利便性の向上が期待できることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で1セット(20mg200mL)、22万1,382円となりました。
 続いて、資料総-3-2の説明に移ります。
 市場拡大再算定について御報告いたします。
 効能追加等があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大があった場合は、年4回、新薬収載の機会を活用して、再算定の規定を適用し、薬価を見直すこととされております。
 今般、令和6年12月診療分のNDBデータを確認しましたところ、アイリーア硝子体内注射について市場拡大再算定の特例の要件に、ジャディアンス錠については市場拡大再算定の要件に該当すると判断いたしました。
 また、類似品につきまして、ベオビュ硝子体内注射用及びバビースモ硝子体内注射液については、アイリーアの薬理作用類似薬であり、薬価収載の際の比較薬が当該特例拡大再算定対象品目または特例拡大再算定類似品であることから、類似品に該当すると判断いたしました。
 スーグラ錠、フォシーガ錠、ルセフィ錠及び同ODフィルム、デベルザ錠並びにカナグル錠については、ジャディアンスの薬理作用類似薬であることから類似品に該当すると判断いたしました。
 その結果、改定価格は、資料の表の中ほどの改定薬価の欄に示した額となりました。
 以上で私からの説明は、終わらせていただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続き、事務局から補足と説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料に関しまして補足説明をさせていただきます。
 資料総-3-1の1ページにお戻りいただければと思います。
 1番目のカムザイオスカプセルにつきましては、用量調節が必要な医薬品でありまして、1mgカプセル、2.5mgカプセル、5mgカプセルの収載を予定しております。
 原価計算方式により算定した結果、どの含量でも算定薬価にあまり違いがありませんが、本剤は添付文書の用法・用量関連注意にも明記されておりますが、用量の増減は、原則1mg、2.5mg、5mg、それから10mg、15mgの5段階で1日1回投与されるものであるため、例えば1mgカプセルを4カプセル投与といった使用は想定されていないというものでございます。
 続きまして、11番目のハイキュービア10%皮下注セットにつきましては、昨年の12月に承認された品目でございます。
 企業の収載希望により、今回の収載になったものでございますが、企業からは発売後の安定供給確保及び収載後の供給開始に万全を期すため、今回の収載希望となったと聞いております。
 また、令和6年度、薬価制度改革でイノベーション評価に関する内容の制度改正を行いましたが、今回の収載品目において該当するものがありましたので、御紹介させていただければと思います。
 1番目のリブマーリ内用液10mg/mLは、7ページにありますように、市場性加算(Ⅰ)が15%となっております。
 患者数が極めて少なく、開発が難しいと想定される中、本適用に対する治療薬としては初めて承認された薬剤であること等から、加算率は、これまでより大きく評価したものでございます。
 4番目のティブソボ錠につきましては、9ページの有用性加算(Ⅰ)にありますように、有用性評価の③-eに該当しております。
 こちらは、作用機序に基づく特定集団での効果と、令和6年度の制度改革におきまして新しく評価ポイントに加えたものでございますが、この点を新しく評価したものでございます。
 6番目のプレバイミス顆粒分包につきましては、13ページにございますように、小児加算が20%となっております。
 造血幹細胞移植におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制に対する小児用量の承認を取得した初めての製剤であること。それから、国際共同治験での日本人の試験組み入れ数、本邦における承認は、米国と比べて大きく遅れていないことなどから、加算率はこれまでより大きく評価したものでございます。
 続きまして、14日処方制限解除についてでございますが、資料3-3を御覧ください。
 今回、薬価収載予定の新薬のうち、14日処方制限ルールの例外的な取扱いに関する御提案でございます。
 対象品目は、リブマーリ内用液10mg/mLでございます。
 2ページの別添を御覧ください。
 「(2)製剤上の特性」に記載されておりますが、本剤は、包装単位が30mL1瓶であり、製剤の特性上、遮光保存であることから、小分けせずに1瓶のまま患者に渡す必要があるというものでございます。
 臨床試験におきましても、14日を超える投薬における安全性が確認されておりますため、例外的に処方日数制限を設けないこととしてはどうかという提案でございます。
 新薬に関する説明は以上でございます。
 引き続きまして、参考資料等の御説明に移りたいと思います。
 資料をお戻りいただき、恐縮ですが、資料総-3-1参考の1を御覧ください。
 こちらは、薬価改定ごとに新薬創出等加算の平均的な加算率をお示ししているものでございます。
 令和7年度改定における新薬創出等加算の平均的な加算率は0%となりましたので、御報告いたします。
 続きまして、総-3-1参考の2を御覧ください。
 こちらは、原価計算方式における標準的な係数につきまして、毎年度更新しているものでございます。
 本年度の算定に用いる労務費単価、一般管理販売費率、営業利益率、流通経費率に係る係数につきまして、それぞれ統計指標に基づいて決定いたしましたので、御報告いたします。
 なお、今回の算定からこちらを採用しております。
 次に、資料総-3-4を御覧ください。
 こちら、類似薬選定のための薬剤分類につきまして毎年更新しているものでございます。
 昨年5月から本年4月までに薬価収載された新薬59成分につきまして、薬価算定組織において検討を進め、新たに分類表に追記したもので、御報告いたします。
 御参考といたしまして、3ページ目~4ページ目に、今回新たに追加した成分名を記載しており、6ページ目以降の表において、該当箇所に水色のマーカーを示しております。
 なお、先ほど御質問ありました高町委員からのゼップバウンドにつきましては、82ページに記載がございますので、御確認いただければと思います。
 私からの説明は以上でございます。
○中井医薬品審査管理課長
 続きまして、医薬品審査管理課長でございます。
 最適使用推進ガイドライン、総-4-1について御説明申し上げます。
 チスレリズマブ(遺伝子組換え)についてでございます。
 本製品テビムブラについて、2月の医薬品第二部会を経て、3月27日に承認されています。根治切除不能な進行・再発の食道癌を効能・効果としてございます。
 その際、医薬品第二部会におきまして、最適使用推進ガイドラインについても、確認を受けているということで報告させていただきたいと思います。
 このガイドラインの構成は、既に発出されている他剤の最適ガイドラインとほぼ同じです。2ページ目でありますけれども、先ほど申し上げたとおり、効能・効果は根治切除不能な進行・再発の食道癌でございます。
 対象となる用法・用量については、四角囲みの中に記載のあるとおりです。
 4ページ~12ページに臨床試験成績を記載していますが、2つの臨床試験成績を説明させていただきます。4ページ~7ページ、1つ目、化学療法歴のない根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、本剤と化学療法併用群はプラセボと化学療法併用群と比較して、全生存期間について有意な延長が示されています。
 また、7ページ~8ページにおきましては、化学療法歴のある根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、全生存期間について、化学療法群と比較して有意な延長が示されています。
 安全性プロファイルについては、他の類薬とほぼ同じということでございます。
 13ページ~14ページが「施設について」ということでありますけれども、これも食道癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置するよう記載しています。
 投与対象となる患者は、15ページでございますが、有効性に関する事項に、このたび試験成績が得られました臨床試験における対象患者に関する内容を記載しています。
 説明は以上でございます。
○清原薬剤管理官
 続きまして、薬剤管理官でございます。資料総-4-2を御覧ください。
 先ほど御説明がございました、テビムブラ点滴静注100mgの最適使用推進ガイドラインに基づく、保険適用上の留意事項についてでございます。
 「3 留意事項の内容」につきまして、(1)に基本的考え方、対象品目について、最適使用推進ガイドラインに従って使用する旨を明記しております。
 また「(2)の診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」につきましては、1ページ目に記載をしているとおりでございます。
 最後に、2ページ目の「4 留意事項通知の発出日及び適用日」につきましては、5月20日付で発出、翌21日付で適用と考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 すみません、ハイキュービアについてですが、4月にイムデトラが収載されたときに、薬事承認から保険収載まで110日間かかった理由について御説明をお願いしたところ、今回は御説明いただきまして、ありがとうございました。
 今後は、このような口頭での説明だけではなく、文章でも記載いただけますと幸いです。よろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 事務局いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 検討させていただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 まず、新規薬価収載ですけれども、いずれの新薬に関して異論はありません。
 その上で、4番目のティブソボ錠と、3番目のリブマーリ内用液についてコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、4番目のティブソボ錠についてですが、これは、包装が乾燥剤入りのプラスチックボトル入り、ばら14錠として販売されることになります。
 添付文書の注意事項の中で、薬剤交付時の注意として、製剤上の特性からボトル包装のまま投与することとなっておりますので、このことは現場に周知をお願いできればと考えます。これが1点目でございます。
 次に、3番目のリブマーリ内用液についてですが、1瓶約390万円ということで、かなり高額な薬剤になります。
 今後、革新的新薬の開発により、このように、かなり高額な薬剤が外来で使用される機会が増加することが予想されます。
 こうした超高額の薬剤については、薬局において在庫となって、最終的に期限切れで廃棄となってしまった場合、薬局では直ちに経営が立ち行かなくなる事態となると考えます。これに関しては、特に規模の小さい医療機関でも同様であると考えます。特にこのような超高額なものについては、投与実態に合わせた包装とするよう、製造販売業者に指導するとともに、適切な販売包装単位で薬価収載することをお願いしたいと考えます。
 もう一点、市場拡大再算定に関してなのですけれども、薬価の見直しに関しては異論がありません。
 3-2の資料の2ページ目を御覧いただければと思いますけれども、今回見直しの対象となったSGLT2製剤は、いずれも広く一般的な薬局で取り扱われて、在庫を多く抱えている医薬品であります。うちの薬局でもそこにある製剤を全部そろえています。
 1錠130円~280円と比較的薬価が高い薬剤で、今回の見直しにより、納入価格よりもかなり安い薬価となり、薬局の在庫の資産価値が一気に下がることになります。
 これまで、このような影響はある程度薬価差の中でなんとか対応してきたところですが、乖離率が5.2%まで縮小したため対応し切れずに、薬局経営に大きな影響を与えています。
 中間年改定のみならず、市場拡大再算定も薬局、医療機関にとって影響は深刻です。これは報酬上のみで解決できることではないかもしれませんけれども、今後、薬局、医療機関で何かしらの対応を検討していく必要があると考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 ほかには特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 弦間委員長、どうもありがとうございました。
○弦間委員長
 どうもありがとうございます。
○小塩会長
 続きまして「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 事務局でございます。薬剤管理官でございます。資料の総-5を御覧ください。
 4月の中医協において御承認いただきました医薬品の費用対効果評価結果に基づく価格調整について御説明をいたします。
 エプキンリ皮下注につきましては、4月23日の中医協で承認していただきました費用対効果評価結果に基づきまして、上の表のとおり、価格調整係数をお示ししております。
 下の表の改定薬価の欄に、患者割合に基づき見直しを行いました価格調整の結果を記載しております。
 また、エプキンリ皮下注の類似品でありますルンスミオ点滴静注については、エプキンリの評価に準じることとされており、下の表の2番目にお示しした改定薬価となっております。
 適用は令和7年8月1日でございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品の保険適用について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料総-6を御覧ください。
 背景にも記載がございますが、有効性評価が十分でない再生医療等製品つきましては、令和6年の新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画におきまして、国民皆保険の堅持とイノベーションの推進を両立させつつ、希望する患者が保険診療の対象となるまで待つことなく利用できるよう、保険外併用療養費制度の対象範囲の拡大や、患者負担軽減、円滑なアクセスの観点から民間保険の活用も考慮することとされているところでございます。
 また、昨年の7月3日及び同年8月7日の中医協総会におきまして、条件及び期限付き承認を受けた、再生医療等製品2品目が本承認に至らず、薬価基準または材料価格基準から削除されることについて御報告した際、条件及び期限付き承認受けた再生医療等製品の保険適用の在り方について、次期制度改正に向けて検討が必要である旨、御指摘をいただいていたところでございます。
 2のところでございますが、今般、5月13日付で2に示しますような再生医療等製品、エレビジス点滴静注が条件及び期限付きで薬事承認をされております。
 適応症は、指定難病でありますデュシェンヌ型筋ジストロフィーでありまして、3歳から8歳未満の歩行可能な患者を対象とした単回投与の注射剤でございます。
 3ページの中ほどを御覧いただければと思います。
 主な有用性でございますが、プラセボを対象といたしました、無作為化二重盲検比較試験、日本人症例を含む国際共同試験でございますが、こちらが実施されました。
 本試験の主要評価項目では、プラセボに対して統計的に有意な差が認められなかった一方、複数の運動機能の副次評価について、プラセボに対して改善が認められたことなどから、総合的に臨床的な有用性が推定されるとして承認されたものでございます。
 1ページ目にお戻りいただければと思います。
 下から2つ目の外国価格でございますが、既に米国で承認されており、その価格は製薬企業が卸に販売する価格でありますWAC、こちらが公表されているのですが、320万ドル、1ドル150円換算でいたしますと4.8億円となっております。
 また、開発企業による推定患者数は、待機患者を想定いたしまして、2年度はピークの約100人、その後、落ち着いて年間約30人程度としております。
 2ページを御覧ください。
 3に、本剤の保険適用を考える上での課題を2つ挙げております。
 これまで条件、期限付き承認を受けた再生医療等製品につきましては、保険適用を認めてきたところでございますが、昨年の中医協での御指摘、それから本製剤の薬価は、米国の価格を参考に見ますと、本邦の価格も相当な金額になることが予想されているところ、保険適用についてどのように考えるのかでございます。
 また、条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品の保険適用の一般的な在り方につきましては、今秋以降に次期制度改革において議論することとしてはどうかという御提案でございます。
 進め方といたしましては、本日は主に御意見をいただきまして、次回以降、事務局で御意見に対する整理をお示しして検討を進めていただこうと考えております。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 本剤は、難病で有効な治療法が乏しいデュシェンヌ型筋ジストロフィーを効能・効果とする再生医療等製品で海外でも承認されています。
 したがって、治療を待っている患者さんにとって、これが承認されたことは朗報であり、また、治療する医師にとっても大きく期待をするものであります。
 ただし、本剤の保険適用をこの中医協で検討する前提として、事務局で整理していただきたい重要な事項があります。
 本剤は、条件期限付き承認制度で承認された再生医療等製品であり、その有効性は推定で承認されています。
 昨年度、同じ承認制度で承認され、保険適用されていた2品目が相次いで本承認に至らず、取消しとなり、保険適用からも削除されました。そもそもこの制度は、希望する患者さんが保険診療の対象となるまで待つことなく利用できるものでありますが、これまでの2つの製品は、結局、保険適用できませんでした。有効性の検証は難しいものであるとはいえ、これは、2品目の見極めが甘かったと言わざるを得ないのではないでしょうか。
 医療保険で患者さんに使用している以上、最終的に、有効性が確認されずに保険適用から除外されるようなケースは、可能な限り避けるべき事態であります。
 したがって、将来のことを確約することは難しいものの、過去の事例を踏まえて、有効性など、本剤の本承認に至る見通しが一定程度高いということを示していただく必要があると考えます。
 同じ失敗を繰り返すことがないよう、また、医療保険の持続性の観点から適切な対応となるよう、コラテジェン及びハートシートで判明した課題を踏まえて、丁寧で慎重な検討が必要と考えます。
 また、本剤の米国での価格を踏まえますと、日本国内での価格が相当高くなると見込まれます。仮に保険適用に当たり、相当に高い価格が算定された場合は、当然ながら、その価格の妥当性についても、きちんとした説明が今まで以上に必要になると考えます。
 事務局におかれては、しっかりとした検討が可能となるような適切に対応をお願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 次期制度改革に向けての議論において、条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品の保険適用の在り方について議論するということについて、再生医療等製品は細胞や遺伝子を用いることから製品が均質でないことや、疾患の希少性により、少数の治験症例で評価せざるを得ないことがあり、早期の患者アクセスを実現するため、安全性が確認され、有効性が推定されれば、条件及び期限付き承認されることになったものと理解をしています。
 患者アクセスの点から、条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品については、保険適用とすべきと考えますが、先ほど長島委員からもありましたように、過去に条件及び期限付き承認された品目が、薬価削除となった事例がありますので、有効性・安全性が確認できない場合は、速やかに薬価削除を行うような対応が必要だと考えます。
 また、事務局におかれましては、以前発生した問題点なども整理していただき、再生医療等製品の特性などを踏まえた議論が今後必要だと考えます。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 どうもありがとうございます。
 まず、事務局のほうに3点質問を差し上げたいと思います。
 1つ目は、長島委員とか森委員の御発言にも関係いたしますけれども、昨年度、本承認に至らず、保険から削除されるケースが2件連続で発生した際、薬事のほうでしっかり審査をしていただきたいということ要望いたしました。
 同様の事例を可能な限り防ぐために、条件付き、期限付き承認の製品の取扱いについて、審査当局において、どのような対応をなされたのか、しているのか、教えていただきたいというのが1つ目でございます。
 2つ目は、3ページの主な有用性のところにも記載がございますが、今回の製品は、主要評価項目を達成できなかったと理解しておりますけれども、一部の運動機能でプラセボと比較した改善が認められたこと、また、海外のデータで運動機能の低下を遅らせた効果があったということをもって、この製品に効果が期待できるのか、この確からしさの程度について事務局の認識を教えていただきたいということが2つ目でございます。
 3つ目は、3ページの主な使用方法に関係いたしますが、この製品は3歳以上8歳未満の患者が対象になっておりますけれども、使用方法には体重が70kg以上の患者に関する記載がございます。
 今後、対象年齢を拡大していくという意図があるのか、確認させていただきたいというのが、質問の3つ目でございます。
 この質問の回答を受けた後、コメントを差し上げたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいま、松本委員から3点質問がございましたが、事務局いかがでしょうか、お願いします。
○高江医療機器審査管理課長
 医療機器審査管理課長でございます。
 ただいま、皆様からいただいた御質問、御意見について御回答のほうをさせていただければと思います。
 まず、松本委員からございました、薬事のほうにおいて、どのような対応がなされているのかという点でございます。
 昨年度、2品目について、残念ながら本承認に至らなかったということを受けまして、こちらのほうで再生医療等製品に関しまして、条件及び期限付き承認並びにその後の有効性評価計画策定に関するガイダンスのほうを、令和6年の3月に出させていただいているところでございます。
 こちらは、条件及び期限付き承認制度の適用に係る予見性のほうを高めて、また、再生医療等製品のさらなる開発の促進に資することを目的に定めているものでございまして、結局、検証的試験をどのような形で行うことにより、きちんと本承認に値する有効性の評価のほうができるのかというところを、条件期限付き承認を与える際に、きちんと企業とPMDAのほうで、事前にそこを入念に、きちんと議論のほうをさせていただくことを、きちんと徹底のほうをしているところでございます。
 また、現在検討中でございますが、この中医協におきまして、様々な手続に関しても御意見のほうをいただいたと理解してございます。
 最終的な審査報告書のほうが公開されないという問題がいろいろあったということもいただいてございますので、その手続に関しましても予見性を持った形で、どのようにさせていただくかということについて検討のほうをさせていただいてございまして、そちらのほうも夏までには、きちんとお示しできる形にしたいと考えてございます。
 また、この品目の有効性の検証ができる確度についてでございます。御指摘のとおり、主要評価項目でございますNSAAの総スコアのベースラインからの投与後52週までの変化量について、プラセボ群と比較して優越性のほうが示されていないという結果ではございます。
 ただ、こちらの考察といたしまして、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんの自然歴の報告のほうを踏まえますと、4歳から8歳までの患者さんに投与する場合に、身体的成長に伴います運動機能の向上と、この疾患の進行に伴う運動機能低下がちょうど拮抗するというところでございまして、この時点で、投与後52週までの変化量のみでは、本品の有効性を評価することが困難であるという可能性が、第Ⅲ相試験の結果から推察されてございます。
 そこで、探索的試験の結果のほうで、本品投与後3年時点の総スコアですとか、様々なデータを比較した場合に、本品群での運動機能の低下は、外部対象のデータと比較して緩徐であるところがございまして、その群間差は、時間経過に伴っても大きくなるという傾向が既に示されてございます。
 このことから、今回のこの試験、52週時点では有効性のほうが示されてございませんが、探索的試験の長期データの結果も併せますと、本品の有効性は推定されたと、また、この本品を条件及び期限付き承認とした上で、長期の有効性データをきちんと追うことによって検証することができるのではないかと、そこの確証が高いのではないかと判断のほうをしてございます。
 条件及び期限付きは、先ほど申し上げましたガイダンスにおきましても、自然経過による改善が認められず、リハビリテーションなどのバイアスを排除しても、なお、自然歴と比較するなどをして、当該製品の投与群の一部に、当該疾患に対して一定程度の臨床的意義のある情報が得られているというところに該当するものと考えてございます。
 また、各委員からも御指摘がございましたけれども、こちらは米国でも既に承認されていることもございますので、今後、企業のほうでも、きちんとこちらのほうの検証がなされる形で、対応のほうをしていきたいと考えてございます。
 また、松本委員から御指摘がございました使用方法で、70kg以上の患者で、投与対象の拡大を考えているのかという点でございますけれども、こちらですが、103試験という探索的試験の中で、一例のみ体重70kg超でございまして、これは、年齢は8歳ではございません。
 ただ、そういった事例がある中で、様々なベクターのゲノムのコピー数ですとか、血清中のCK値ですとか、そういったデータを合わせますと、現時点で70kg以上の患者で、この投与で有効性が減弱することを示唆する結果が得られていないということを踏まえて、使用方法のところに記載しているものでございまして、8歳までの患者さんで70kgの患者さんがいらっしゃるというのも、ほとんど想定されないということでございますし、また、現時点で企業のほうで、どんどん年齢が上がったところまで、対象の患者を拡大する予定があるということも聞いてございません。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
 どうも丁寧な御説明をありがとうございました。
 少なくとも先の2品目とは状況あるいは手続等が異なっていること、また、対象患者が直ちに拡大するものではないという前提で確認いたしましたので、引き続き、2ページの課題について、コメントを差し上げたいと思います。
 この製品は、治療をしなければ、死に至る可能性もある極めて重度な指定難病の治療薬であり、一定の有効性が推定されるということで、患者さんや御家族にとって大きな期待があると思います。
 また、医療保険制度の役割としても、有効性と安全性が確立された治療法を速やかに患者さんに届けることは大変重要だと考えております。
 以前にも発言いたしましたが、患者さんに新しい治療の選択肢をなるべく早く届けるという条件付き、期限付き承認制度の意義を否定するつもりは毛頭ございません。
 一方で、有効性が推定された段階の、言わば仮免許の製品について、保険適用上の取扱いが本承認されたものと同じということは疑問があり、現行ルールに基づく限り、市場規模が1500億円を超える可能性がある医薬品の場合には、特例的な取扱いになると理解しております。
 一方、資料の1ページの概要にもありましたし、長島委員からも言及がありましたが、アメリカでの価格が、日本円に換算いたしますと、5億円に近いということで、仮に日本で保険適用する場合、過去最高額を超えるようなかなりの高額になり、保険財政に相当大きな影響があるということも予測されます。
 保険適用について検討する場合には、有効性が確認されて、本承認に至る確度が相当高いことを示していただく必要がありますし、価格の妥当性についても、極めて慎重に検討していただき、その結果をできる限り示していただきたいと考えております。
 最後に、この一般的な条件及び期限付き承認製品の保険適用の在り方につきましては、限りある医療資源を適切に配分する観点を踏まえて、ぜひ議論をさせていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 オンラインで、伊藤委員がお手を挙げていらっしゃいます。伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員
 伊藤です。
 この案件につきまして、自治体の長として、市民の生命を守る立場から申し上げますと、やはり難病に直面する患者さんや御家族に対して、この医薬が希望の光となるのであれば、反対の理由は見当たらないと思います。
 ただ、その反面、やはり国保運営の立場としては、先ほどからもありますけれども、かなり高額であるというところは、慎重に判断をせざるを得ないところもありますので、ぜひとも、今後さらなる調査検討をお願いしたいということを、意見として述べさせていただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私から2点ほど質問をさせていただければと思います。
 1点目は、先ほど事務局の回答の中にもありました、本品投与後の患者について、外部対象と比較して運動機能の低下は緩徐であり、その時間経過に伴い大きくなる傾向が認められたと言われた話なのですが、その状況についてデータ等が今後示されるのかどうかを、1点目お聞きしたいと思います。
 2点目は、1ページに外国価格として、アメリカが参考として掲載されておりますが、ほかの国ではどうなのか、取扱いや使用実態などが分かれば、補足いただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 佐保委員から2点御質問をいただきましたが、事務局いかがでしょうか。
○高江医療機器審査管理課長
 医療機器審査管理課長でございます。
 まず、1点目につきましては、今、佐保委員から御指摘がありましたので、データのほうを、今あるデータで、こちらのほうで判断させていただいている根拠のほうは、次回お示しさせていただければと思っております。
○小塩会長
 続きまして、お願いします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 アメリカ以外の価格につきましても、また次回に、改めてどういう資料が出せるのか検討して、できるだけお示ししたいと思います。
 ちなみに承認されている国は、今、アラブ首長国連邦、カタール、クウェート、バーレーン、オマーン、それから、イスラエル、ブラジルとなっております。限り調査したいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 佐保委員、よろしいですか。
 ほかに、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 先ほどの松本委員からの質問に対する事務局の回答に、再度質問させていただければと思います。
 1つ目が、令和6年3月にガイダンスが策定されたということで、これは昨年課題となった2つの品目の問題点等を解析して、それを踏まえた内容となっているのでしょうか。
 2つ目です。長期的あるいは探索的な調査をすることで、検証の精度が上がるということは分かりましたが、精度が上がるのであって、有効性が上がるわけではないですね。
 以上、御確認をお願いいたします。
○小塩会長
 長島委員から2点御質問ございましたが、事務局いかがでしょうか、お願いします。
○高江医療機器審査管理課長
 医療機器審査管理課長でございます。
 まず、1点目でございますが、令和6年3月でございますので、既に、承認ができなかったというところが、まだ決まっていた段階ではございません。ですが、いろいろ検証的試験を受けるに当たって、きちんと示すべきところを示しておかないと結果が出ないというところの、そこの予見性を高めることが重要だというところで、こちらのほうをつくってございます。
 なお、先ほど申し上げましたが、手続を含めた形で、また新たなガイダンスのほうを、今、業界のほうと詰めさせていただいてございますが、そちらの内容につきましては、今回2品目不承認になったことも踏まえて、今、検討のほうを進めさせていただいているところでございます。
 2点目でございます。そこの推定のところが、有効性が上がるわけではないというところは、確かにそこはおっしゃるとおりかと思いますが、その検証をする中で、そもそも有効であるものがきちんと検証できるのかどうかというところが、その試験のデザインとして非常に重要なところだと考えてございまして、そこのところが今回、口頭でございますけれども、お話しさせていただいた形で、きちんと検証ができるのではないかというところをPMDAの審査を通じて、検討のほうをさせていただいたというのが状況でございます。
○小塩会長
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 そのガイダンスが、課題となった2製品の問題を踏まえていないということを踏まえれば、やはり今回は、そこのところの課題が何かということをきちんと整理していただいて、それを踏まえて、この製品はどうだったかという説明が必要かと思っております。
 また、特に有効性に関して、より確度の高い検証を行うことは必要ですけれども、そのために十分な計画を進めていくということも、恐らく前回の課題ではないかと思いますので、その辺りもしっかりと御説明いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局、お願いいたします。
○高江医療機器審査管理課長
 医療機器審査管理課長でございます。
 先ほど佐保委員からも、データも示して、そこのところをきちんとお示しするということがございますので、今の長島委員の御指摘も踏まえて、次回お示しのほうをさせていただければと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 非常に多くの委員の方々から御意見を頂戴いたしました。本件に係る質疑は、取りあえずこのあたりといたしますが、今後、事務局におかれましては、委員の方々から本日いただいた御意見、御質問も踏まえて慎重に検討していただくようにお願いいたします。
 続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題といたします。
 事務局より、資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
 医療課長です。総-7「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を御覧ください。
 新規に薬価収載された医薬品等につきましては、参考資料でお示ししている一定の基準に該当する高額な医薬品等を使用した患者について、その入院全体を包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとしております。
 今般、先に御審議いただきました薬価収載を予定している品目、その他直近に対象となった医薬品のうち、資料に掲げるものにつきましては、この基準に該当すると考えてございますので、次期診療報酬改定までの間、出来高算定とすることについてお諮りをさせていただきます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか、特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして「在宅自己注射について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
 医療課長でございます。総-8を御覧ください。
 在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加等について、お諮りをするものでございます。
 この在宅自己注射指導管理料との対象薬剤に関しましては、運用基準を満たしていること、また、学会からの要望書があるといったものをお諮りしておりますけれども、今般、クロバリマブという製品つきまして、こうした要件を満たすものと考えてございますので、在宅自己注射の対象とすることについてお諮りをさせていただきます。
 説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして「令和7年度におけるDPC/PDPSの現況について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
 医療課長です。総-9を御覧ください。
 令和7年度におけるDPC/PDPSの現況につきまして、定例的に御報告をさせていただくものでございます。
 まず、DPC対象病院の現況についてでございます。
 再編や退出等につきまして、個別にこれまで御報告をしておりますが、1年分をまとめさせていただいております。
 令和6年度中には再編が2件、退出が23件あり、令和7年6月1日時点で1,761病院となる見込みでございます。個々の病院名については、掲載しているとおりでございます。
 2ページの下のほう「令和7年度機能評価係数Ⅱ等について」でございます。
 令和7年度の機能評価係数Ⅱ及び救急補正係数については、令和7年度分として再設定を行わせていただきました。
 その際、令和5年10月から令和6年9月までのデータを反映させていただいております。また、以前に御承認いただきましたとおり、複数の災害に係る特例的な取扱いについても反映をさせていただきました。
 資料総-9参考の1につきましては、対象病院の数あるいは対象病床数の変遷等につきまして、過去のものも含めてまとめたものでございます。
 総-9参考2と参考3につきましては、機能評価係数(Ⅱ)、その他の係数、指数につきまして、個々の病院の数値をお示しするものでございます。
 参考4は、その分布などについて、全体の状況をお示しするものでございます。
 資料の説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 まずもって事務局には、DPC対象病院全体の状況、医療機関数や病床数などをお示しいただきまして、感謝申し上げます。
 今後も全体感について把握し、適宜情報共有をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。