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令和6年度 第9回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録
労働基準局安全衛生部化学物質対策課
日時
令和7年2月10日(月) 14:00~15:11
場所
TKP新橋カンファレンスセンター ホール 14E
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング14階)
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング14階)
議事内容
午後2時00分 開会
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、定刻になりましたので、令和6年度第9回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。よろしくお願いいたします。
本日は令和6年度報告書案について検討することとしております。
そのため、開催要綱別紙の構成員名簿の全ての先生方に参集いただいております。
現在の出席者は16名で、うち、髙田構成員、鷹屋構成員、武林構成員、宮本構成員がオンライン参加となっており、宮内構成員については所用により15時めどでオンラインにより参加されると伺っております。また、上野構成員が欠席となっております。さらに、鷹屋構成員、武林構成員については終了時刻によっては途中で退席されると伺っております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しておりますので、会場参加の皆様は、御発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いします。
オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きましてマイクをミュートに設定していただきますようよろしくお願いいたします。
また、御発言の際には、あらかじめチャットで御発言の旨を入れていただくか、又はお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、御承知置きください。
本日の会議は公開としており、一般傍聴者につきましてはWebでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長 城内です。本日もよろしくお願いいたします。
まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日、資料としては、まず議事次第と配付資料一覧、資料としては資料1-1から資料2、参考資料としては参考1から参考5までということで御用意しております。
会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては資料に抜けなどございませんでしょうか。
また、本日の資料は、厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらを御覧ください。
資料の確認は以上でございます。
○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
初めに、事務局から資料1-1、資料1-2の濃度基準値設定対象物質検討状況リストについて説明があるとのことですので、事務局から説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 資料1-1、1-2につきまして、化学物質対策課の小永光より御説明させていただきます。
それでは、まず資料1-1のファイルを御覧いただければと思います。
こちらが濃度基準値設定対象物質検討状況リストの令和6年度のものになっております。
今年度検討いただきました承認状況につきまして更新しております。
※印のところを御覧いただければと思います。
令和6年度に承認された物質数は、濃度基準値が139物質、測定方法については、「-を含む」と書いていますけれども、こちらは、現時点では十分な情報がないとして濃度基準値が設定できないとされたもので、測定方法も現時点では測定する必要がないものを「-」としておりますけれども、そちらを含んで99物質となっております。
そのうち、1ポツ目ですけれども、濃度基準値及び測定方法の両方が承認された物質が76物質になっております。
さらに、この76物質のうち2物質は、発がん性が明確であるとして濃度基準値は設定できないとされた物質となっております。
また、今回の資料から、一番下のポツのところですけれども、十分な文献データがないとして濃度基準値が設定できないとされた物質、この令和6年度のリストでは7物質ございましたけれども、そちらにつきましては「承認」の前に「☆」をつけさせていただいております。濃度基準値の十分なデータがないとなったものについて「☆」をつけておりまして、その物質が7物質あるということで、記載を修正させていただいております。
以上になります。
その次の資料1-2を御覧いただければと思います。
こちらも同じような考え方でございますけれども、こちらは前年度まで、令和4年、令和5年度に検討を開始して、積み残しとなって今年度検討いただいたもののリストになっております。
このうち承認された物質数は、今年度、濃度基準値としては48物質、測定方法につきましては、「-」となっているものを含めて18物質となっております。
そのうち、濃度基準値及び測定方法の両方がこれまでに承認されている物質が12物質となっております。
また、下のポツは、同じですけれども、十分な文献データがないために濃度基準値が設定できないとされた物質は、この中で2物質でございます。
続きまして、こちらの資料を測定方法の観点で御説明したいと思います。
○田上中央労働衛生専門官 環境改善・ばく露対策室の田上より御説明いたします。
資料1-1と1-2それぞれ、測定方法のところで承認の横に「⇒P」となっている物質が、資料1-1の場合は6物質、資料1-2の場合は4物質ございます。これらは、濃度基準値が測定方法を検討したときのOELよりも大分下がってしまったことによって再度検証が必要になる物質で、測定方法を一旦取り下げるというものになりますので、改めて検証後、次年度以降の検討会で再度御提案するというような形になる物質でございます。
御説明としては以上です。
○城内座長 今の事務局からの説明について何か御質問や御意見等あれば、お願いいたします。―いかがでしょうか。
私から確認なのですが、資料1-1の表のすぐ上のポツのところで、「うち、2物質は発がん性が明確であるとして濃度基準値は設定できないとされた物質」は、濃度基準値は設定されないけれども承認された物質の中には含みますよという意味でよろしいですか。
○小永光有害性調査機関査察官 はい、そのとおりでございます。
○城内座長 分かりました。ありがとうございます。
そのほかに御質問等ございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。
(1)令和6年度報告書案について
○城内座長 それでは、続きまして、議事(1)「令和6年度報告書案について」ですが、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、資料2に基づきまして、令和6年度報告書案について、化学物質対策課の小永光より御説明させていただきます。
なお、資料の補足ですけれども、格納させていただいたタブレットについては、一覧を見ていただきますと分かるとおり、資料2については、03の本文、04の別表1-1、別表1-2、別表1-3、別表2、別表3、例えば別紙の目次、別紙1、別紙2という形で、ホームページ上では統合しておりますけれども、今回説明をする上でいろいろ資料が飛びますので、タブレットのほうでは分けて格納させていただいております。
それでは、まず03の資料2、報告書案の本文を御覧いただければと思います。
まず、ページ数で言いますと1ページ目の目次を御覧ください。
本検討会報告書では、ローマ数字のⅠとしまして「検討の趣旨及び経緯等」を記載しているところでございます。その次に、ローマ数字のⅡとしまして、今年度御議論いただきました「濃度基準値及び測定方法」について記載しております。また、その次のローマ数字Ⅲでは、中間とりまとめを頂きました「危険有害性情報の通知関係」について記載しております。このローマ数字Ⅲの危険有害性情報に関しましては中間とりまとめの内容のとおりとなっておりますので、本日の説明ではローマ数字Ⅱの「濃度基準値及び測定方法」のところを中心に御説明させていただければと思います。
それでは、早速でございますけれども、6ページのローマ数字Ⅱの濃度基準値等について御説明させていただきたいと思います。
本年度、濃度基準値につきましては個別の物質の基準値及び測定方法について御議論いただきましたので、第1の検討結果というところで記載させていただいているところでございます。ただ、これまで、昨年度、一昨年度のところで濃度基準値につきまして整理していただいた内容として、7ページに参考として令和4年度に整理させていただいた事項を載せさせていただいておりますので、まずは、本年度から構成員になっていただいた方もいらっしゃいますので、簡単に御説明させていただきたいと思います。
7ページの参考の1でございますけれども、「混合物への濃度基準値の適用」でございます。
(1)として、混合物に含まれる複数の化学物質が、同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用する場合、それらの物質の相互作用による複合的な生物学的影響が単一物質による影響の合算と同じ場合や単一物質による影響の合算より大きい場合によって毒性が増大するおそれがあることについては、各国の職業ばく露限度策定機関で一致した見解になっています。しかしながら、複数の化学物質による相互作用については、個別の化学物質の組合せに依存するため、その限度値の適用を単純な相加式で一律に行うことについては十分な科学的根拠があるとは言えず、各機関で判断が分かれているということでございます。
このため、混合物に対する濃度基準値の適用におきましては、混合物に含まれる複数の化学物質が、同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用することが明らかな場合には、下に記載がございます相加式を活用してばく露管理を行うことに努めるべきであるとされております。
こちらは告示で定めさせていただいているところでございます。
続きまして、2の「濃度基準値の単位」でございます。
(1)はIFVの関係の記載でございますけれども、室温において蒸気とエアロゾル粒子が同時に存在する物質については、空気中濃度の測定に当たり、濃度の過小評価を避けるため、蒸気と粒子の両者を捕集する必要がある。蒸気によるばく露がばく露評価に与える影響は、物質の濃度基準値が当該物質が飽和蒸気圧に達した場合の濃度と比較して相対的に小さいほど大きくなります。そのため、蒸気と粒子の両方を捕集すべき物質は、原則として、当該物質が飽和蒸気圧に達した場合の濃度の濃度基準値に対する比が0.1から10までの物質とすべきとしております。これは、当該比率が0.1より小さい場合は粒子によるばく露が支配的となり、10より大きい場合は蒸気によるばく露が支配的になると考えられるからとされております。
(2)ですけれども、こういった物質の濃度基準値の単位につきましては、複数の単位の基準値があることによる測定及び分析における混乱を避けるために、管理濃度と同様に、ppmかmg/m3のいずれかの単位を採用するとしております。ただし、技術上の指針で定める予定の物質ごとの標準的な測定方法においては、当該物質については蒸気と粒子の両方を捕集すべきであることを明記するとともに、蒸気と粒子の両者を捕集する方法を規定するべきであるとされております。
(3)ですけれども、さらに、この技術上の指針においては、ppmからmg/m3への換算式を示すとされておりまして、指針に記載しているとなっております。
続きまして、3の「濃度基準値の検討の進め方」でございます。
濃度基準値設定対象物質の検討に当たっては、まず安衛研における専門家会議で文献調査等を行いまして、報告書を作成しております。提案値は、有害性に係る一次論文に基づきまして、初期調査と詳細調査の2段階で検討することとしておりまして、初期調査で提案値を決定することができない場合には詳細調査を行い、その情報に基づき提案しているところでございます。
この濃度基準値の提案値及びその根拠論文については、こちらの本検討会において妥当性を検討いただきまして濃度基準値を決定しているところでございます。また、濃度基準値の検討に当たっては、①測定方法が定められていること、②有効な呼吸用保護具があることを考慮することとしておりまして、測定方法又は有効な呼吸用保護具がない場合には、これらが確立するまでの間、濃度基準値は設定しないとされているところでございます。
続きまして、4でございます。「 発がん性物質への濃度基準値の設定の考え方」でございます。
(1)ですけれども、各職業ばく露限度策定機関においては、ヒトへの発がん性の確からしさの分類に応じて、ヒトへの発がん性が明確な場合につきましては、安全な閾値が設定できないということから、限度の設定は行っていないということが分かります。このような物質については、事業者に対し、ばく露を最小化することを強く求めているとされています。
(2)です。この各基準策定機関においては、ヒトへの発がん性が明確ではない物質に対しては、非がんの疾病を対象に、安全な閾値として限度を定めているところでございます。閾値を設定する理由としては、ヒトや動物への遺伝毒性がない、又はあったとしても非常に少ない、かつ、発がんリスクへの寄与が小さいことを挙げています。
(3)です。このため、濃度基準値の設定においては、主としてヒトにおける証拠によりヒトに対する発がん性が知られている物質―これはGHS 分類で1Aの物質ですけれども―については、発がんが確率的影響であることから、長期的な健康影響が発生しない安全な閾値である濃度基準値を設定することは困難であるとして、設定しないこととしております。この場合、濃度基準値を設定しないことで安全な物質であるという誤解が生じないよう、検討結果において安全な閾値が設定できない物質であることを明示するべきであるとされております。具体的には、技術上の指針においてこれら物質の一覧を掲載することとしまして、事業者に対して、労働者がこれらの物質にばく露される程度を最小限度にしなければならないことを周知しているということでございます。
続きまして、(4)です。発がん性区分が1B に分類される物質につきましては、発がん性の証拠の強さの観点からヒトに対して恐らく発がん性があるとされている物質でございまして、ヒトへの発がん性が明確であるとまでは言えないとしております。この場合、ヒトに対する生殖変異原性などの遺伝毒性が明らかではない、又は十分に小さい、かつ、発がんリスクへの寄与がない又は小さいことが評価できる物質であって、非がん疾病について無毒性量等が明らかなものについては濃度基準値を定めるべきであるとしております。濃度基準値を設定すべきか否かの判断につきましては、個別の物質ごとに、発がんが見つかったばく露濃度のレベルや遺伝毒性等に関する根拠論文の評価によって判断されるべきであるとされております。
最後に(5)ですけれども、発がん性区分2に分類される物質につきましては、ヒトに対する発がん性が疑われる物質となっております。このうち、非がん疾病について無毒性量等が明らかなものにつきましては濃度基準値を定めるべきであるとされております。ただし、生殖細胞変異原性が区分1に分類されるなど、遺伝毒性が知られている物質については、遺伝毒性に関する根拠論文の評価によって、濃度基準値の設定をするかしないか個別に判断するべきであるとされております。
以上が参考のところの御説明でございました。
それでは、6ページに戻っていただきまして、第1の「令和6年度の濃度基準値及び測定方法の検討結果」について御説明させていただきます。
まず1の「令和6年度の濃度基準値設定候補物質」でございます。こちらはタブレットのほうでは、ファイルとしては04、05ですけれども、別表1-1、別表1-2のとおりとなっておりまして、資料1-1と資料1-2で御説明させていただいた一覧のとおりになっておりますので、こちらは参考までに御確認いただければと思います。
続きまして、2の「令和6年度の濃度基準値及びその測定方法の検討結果」でございます。こちらはファイルの07、資料2別表2を御覧いただければと思います。横になっている一覧になっていまして、別表2「物質ごとの濃度基準値の案及び測定方法」という表題の別表2でございます。
こちらは、物質ごとの濃度基準値の案及び測定方法について、今年度両方承認いただきました88物質について列挙させていただいております。こちらの中には、発がん性が明確であるため、長期的な健康障害が生じない安全な閾値として濃度基準値を設定しないとされた物質も含まれているところでございます。
また、こちらの個別の検討した物質の詳細調査結果につきましては、後ほど御説明いたしますけれども、別紙1に記載しているところでございます。
また、測定方法についてですけれども、こちらは標準的な手法として示しているものでございまして、同等以上の精度が確保できる場合はその他の方法で行っても差し支えないということで本文に記載しております。
また、なお書きで、令和5年度に濃度基準値を設定した物質の個別具体の測定法については別紙2として報告書につけさせていただいております。
続きまして、3の「濃度基準値を設定しなかった物質とその理由」でございます。こちらはファイルの08の別表3を御覧いただければと思います。
こちらは、まず別表3-1として2物質記載がございますけれども、この2物質が、発がん性が明確であるため、長期的な健康障害が生じない閾値として濃度基準値を設定しなかった物質となっております。
その下の別表3-2は、発がん性以外の理由で設定しなかった物質となっておりまして、こちらは本年度9物質となっておりますが、理由としましては、全て現時点では十分な文献データがないという理由となっております。
続きまして、4の「令和7年度以降に再度検討する物質とその理由」でございます。こちらは別表4、すみません、ファイルが分かれていなかったですね。先ほど見ていただいた別表3が載っているファイルの次のページにございます。
別表4は、令和4年度以降に再度検討する物質とその理由となっておりまして、今年度又は昨年度からの再度検討する物質のリストの中に入っていた物質のうち、今年度濃度基準値と測定方法の両方の承認が得られなかった物質につきまして、来年度に先送りになりますので、こちらの物質について列挙しているところでございます。また、その理由についても、一番右の項目に記載しているところでございます。現時点の検討状況につきましては、後ほど御説明します別紙1に個別の物質の検討状況を記載しているところでございます。
続きまして、第2の「令和7年度以降の濃度基準値の検討対象物質」についてでございます。こちらは本文の6ページを見ていただければと思います。
本文6ページの一番下の段落でございますけれども、令和7年度以降の濃度基準値の検討対象物質でございますけれども、こちらは、既に報告書を頂いております令和4年度の検討会報告書に記載があるのですけれども、こちらの報告書に基づきまして、リスクアセスメント対象物質のうち、リスク評価対象物質、特化則などで物質追加を念頭に国がその当時行っていた化学物質のリスク評価の対象物質なのですけれども、こちらは既に令和4年度の検討対象に入っていますので、そちら以外の物質で吸入による職業性ばく露限界値があって、かつ、測定・分析方法がない物質を来年度以降検討するとなっておりまして、約350物質になっているところでございます。こちらの物質は別表1-3に記載しているところでございます。ファイル数で言うと06の別表1-3でございます。こちらに350物質ほど列挙させていただいております。今回はその350ほどありますので、こちらが令和7年、令和8年の濃度基準値検討対象物質として挙げさせていただいておりまして、令和7年度、令和8年度それぞれの内訳については、令和7年度の検討会で早期に検討するということで記載させていただいております。
以上が本文の御説明でございます。
それでは、次に、報告書の別紙1の対象物質別の調査結果についても御説明させていただきたいと思います。これはファイルで見ていただきますと、別紙1なので、10番の資料2別紙1というところでございます。
これを開いていただくと、冒頭に今年度検討いただきました物質を載せておりまして、まず目次と、ずらっと記載がございます。350ページぐらいありますので、本日は誤字等の軽微な修正は割愛させていただきまして、御意見を頂いて修正させていただいた点についてのみ御説明させていただければと思います。
それでは、会場の委員の皆様におかれましては、その次のファイル名20というところに抜粋という形で別紙1が格納されていますので、そちらを見ていただければと思います。別紙1の70ページの1-メチルナフタレンが1ページ目に来ているものを見ていただければと思います。
それでは、70ページの1-メチルナフタレンでございます。
1-メチルナフタレンにつきましては、8時間濃度基準値0.3 mg/m3を提案しているところでございます。
こちらの物質は、検討会で御議論いただいた際に最初に御提示した資料においては0.05 ppmで、ppm表示で提案させていただいたところでございまして、単位について御指摘を頂いたところでございます。確認させていただいたところ、当該物質は常温で液体でございまして、蒸気圧が7.2 Paと揮発しにくい物質であることから、単位をmg/m3に修正させていただいております。
また、コメント欄にも記載させていただいておりますけれども、根拠論文1の記載が、もともとppmでしかこの論文も記載がなかったところでございましたので、その他のコメントに記載のとおり、GHS政府分類ガイダンスに記載されている方法に基づきまして、mg/m3に単位を変換して記載を追記しているところでございます。
次の物質に送っていただきまして、74ページと書いてある2-メチルナフタレンでございます。
こちらにつきましても修正の趣旨は一緒でございますけれども、2-メチルナフタレンにつきましては、8時間濃度基準値として0.3 mg/m3を提案しているところでございます。
こちらも検討会で御議論いただいた際に提示した資料では0.05 ppmを提案させていただいていたところでございますけれども、こちらについても単位について御指摘を頂きまして、確認させていただいたところ、当該物質は常温で固体でありますし、蒸気圧が9 Paと揮発しにくい物質であることから、単位をmg/m3に修正させて頂いているところでございます。根拠論文の単位についてはもともとこのような記載でしたので、修正はしておりません。
続きまして、101ページの酢酸sec-ブチルでございます。
この物質ですけれども、8時間濃度基準値として20 ppm、短時間濃度基準値として150 ppmを提案しているところでございます。
本物質の濃度基準値の根拠としましては、コメント欄に記載のとおり、本物質の異性体である酢酸tert-ブチルの試験結果から濃度基準値を提案しているところでございますけれども、検討に際しまして、当該物質の異性体の知見から提案した検討経緯等を記載したほうがよいという御意見を頂いたところでございます。そのため、その他のコメント欄に「本物質を用いた信頼性のある知見に乏しいことから、有害性等に係る他の酢酸ブチルの異性体の知見等から総合的に判断して濃度基準値を提案した」という記載を追加させていただいております。
続いて、103ページのp-トルイジンでございます。
こちらの物質は、8時間濃度基準値として4 mg/m3を提案しております。
本年度は、本物質のp-トルイジンと、異性体でありますm-トルイジンも併せて御検討いただいたところでございますけれども、この2つの物質につきましては同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用するとされておりますので、濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理の必要があるということを明記したほうがよいというところで検討会で御議論いただいたところでございます。そのため、その他のコメントのところに「本物質の異性体であるm-トルイジンについても濃度基準値が設定されており、本物質と同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用すると考えられることから、濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理に留意する必要がある」という旨のコメントを追加しております。
次に、116ページのm-トルイジンについても同様の趣旨でございます。
こちらも8時間濃度基準値4 mg/m3を提案しておりまして、先ほど御説明させていただいたとおり、こちらの物質もp-トルイジンと同様のコメント、「濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理に留意する必要がある」という旨のコメントをその他のコメントの欄に記載させていただいているところでございます。
続きまして、個別の説明の最後でございますけれども、284ページのモリブデンでございます。
この物質につきましては、8時間濃度基準値として、水に溶解する化合物についてはモリブデンとして0.5 mg/m3を提案しております。また、金属及び不溶性化合物については「設定できない」を提案しているところでございます。
その他のコメントのところを見ていただければと思いますけれども、この水に溶解する化合物についてどういったものが対象になるかということについては、御検討いただいた際もその他のコメントの欄に記載しておりまして、対象物質の範囲としては変更しておりません。
どのように記載しているかと申しますと、濃度基準値の設定対象となる物質については、2023年度までのGHS分類において、モリブデン及びその化合物としてはこの7物質が分類されているところでございまして、これらのうち、①、③、⑦は水に不溶とされている物質でございます。それ以外の水に溶解する物質、ここで言うと②、④、⑤、⑥については濃度基準値を提案するとなっているところでございます。
この物質の特定に当たっては変更がないのですけれども、どのように修正させていただいたかと申しますと、検討会で御議論いただいた際には、この「水に溶解する化合物」というところを「水溶性化合物」という文言にさせていただいておりました。
この「水溶性化合物」の定義ですけれども、濃度基準値として水溶性化合物の定義を示しているものはございません。ただ、同じ安全衛生法の中で、ラベル表示・SDSの通知等の物質を列挙している安衛令別表9では、例えば銀であれば「銀及び水溶性化合物」と規定されておりまして、その「水溶性化合物」の定義としては、通達において、「物質を1グラムを溶かすのに必要な水の量が100ミリリットル未満であるもの」とされているところでございます。この定義の「水溶性化合物」ということではないということで、この定義と混同することを避けるため、文言の修正をさせていただきまして、「水に溶解する化合物」という形にさせていただいているところでございます。
別紙1の説明は以上になります。
続きまして、測定法について御説明させていただきたいと思います。
○田上中央労働衛生専門官 それでは、資料2の別表2を御覧いただければと思います。資料で言うと07になります。
測定法の関係で内容について大きく変更があるものはないのですけれども、まず下の通しページの65ページ、66ページを御覧いただければと思います。65ページの後段のフッ化亜鉛と66ページの一番上の弗化カリウムです。こちらは、測定法を御提案したときの資料では、捕集方法が「ろ過+ろ過(反応)」ということで、2つ組み合わせるような形で記載していたのですけれども、こちらは組合せではなくて単純に「ろ過」という記載に変更しております。そのほかの中身としては変更はございません。
そのほか、通しページで言うと54ページです。前回、小野委員から御指摘があった点でございますけれども、ろ過と固体捕集を組み合わせているものでIFV評価値が0.1を下回っているもの、すなわち基本的には粒子状で存在しているようなもので固体捕集を組み合わせているものについて、基本的には農薬が多いものになるのですけれども、もともとは使用方法を考慮して固体捕集を組み合わせるというような記載としていたのですけれども、こちらは記載が不正確ではないかということで御指摘を頂いたものでございます。
エンドスルファンにつきましては、通しページの54ページの一番下です。R6_63というものでございますけれども、こちらにつきましては、固体であると評価されるものの、実際の測定でガスの揮散が認められたということで、記載を変更しております。
そのほか、通しページで言うと57ページと63ページ、キャプタンとカルボフラン。こちらにつきましても同様の性格の物質で、もともとの記載と趣旨としてはあまり変わらないかもしれないですけれども、農薬の散布であり、ろ過捕集だと捕集効率が落ちてしまうということで固体捕集を組み合わせるということで、散布の可能性があるためということで記載を変更しているものでございます。
そのほか、通しページで言うと58ページの一番下の物質、R6_85、メチルパラチオンの備考に「測定範囲は濃度基準値の1/3~10倍である」という補足がございます。こちらはもともと測定法を提案した際には、濃度基準値が定められていなかったものについてはOELの何倍から何倍といった記載となっていたのですけれども、今の時点では濃度基準値が決まっておりますので、濃度基準値ということで一律記載を変更しております。
別表2については以上となります。
また、事前にお送りすることができなくて大変恐縮ではあったのですけれども、第6回のときに測定法の個票の様式を御提示させていただいたかと思います。その様式に沿って、令和5年度に濃度基準値が設定された物質、昨年度濃度基準値と測定法が両方承認された物質の個票が、資料2(別紙2)です。こちらは全部で112物質ございますけれども、こちらを作成しております。今後、職場のあんぜんサイトで公表していきたいと思っております。
先ほど小永光査察官からも説明があったとおり、測定法についてはあくまでもこれでなければいけないというものではなくて、個票上もあくまでも「測定法の一例」というような記載をしておりまして、そういった形で同定しているものになりますので、一旦報告書の別紙という形でセットさせていただければとは思いますけれども、新たな知見等があれば随時更新等していきたいと考えております。それはあくまでもホームページ上で随時更新といった形でできればと考えております。この個票で示す測定法に絶対に縛られるものではないというものでございます。
測定法に関しては以上でございます。
○小永光有害性調査機関査察官 報告書の説明につきましては以上になります。よろしくお願いします。
○城内座長 ありがとうございました。
今までの事務局からの説明について何か御質問や御意見があれば、お願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 今、資料がうまく開かないのでですけれども、1-メチルナフタレンはmg/m3に直されたという話だったと思うのです。2-メチルナフタレンは固体ですけれども、1-メチルナフタレンは液体です。それでもmg/m3のほうがよろしいのでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 こちらは固体又は液体ですので、気体ではないということでmg/m3にさせていただいたところです。
○保利構成員 液体でばく露される可能性がどれだけあるのか、我々は分からないのですけれども。
○小永光有害性調査機関査察官 常温常圧で液体ですし、常温で蒸気圧がそんなに高くない物質で、噴霧したときにばく露する可能性がある物質でもございますので、mg/m3で記載させていただいたところでございます。
○保利構成員 蒸気でばく露する可能性のほうが高いかなと思いますが、定義は定義なので、分かりました。
○城内座長 そのほかにいかがでしょうか。
山室委員、お願いします。
○山室構成員 山室です。
些細なところではありますけれども、別表2の44ページ、R6_11、プロパンの捕集剤ですが、Carbosieve SIIIなのですけれども、これは「I」が3つ並んでいてちょっと見にくくて、ほかのところはローマ数字の「Ⅲ」と書いてあるので、「Ⅲ」にしていただいたほうがいいかなというところです。
○田上中央労働衛生専門官 御指摘ありがとうございます。
○山室構成員 5か所ほど些細なところがありました。
次は52ページ、R5_61、2-プロピン-1-オールは「固体捕集-ガスクロマトグラフ分析方法」ですけれども、これは反応を使って誘導体化して補修していますので、「(反応)」と入れていただくところが多分抜けたのだと思います。
それから、55ページですが、これも本当に些細なことですけれども、R6_69、ろ過+固体、ガスクロマトグラフということで、捕集剤が「Tenax TA+石英フィルター」という並び順になっていますが、ほかのところはこういった場合については「石英フィルター」が先に入って、その後に「Tenax TA」と入っていますので、そのように直したほうがいいのではないかと思います。
それから、次は65ページ、R6_141、フッ化亜鉛ですが、先ほどろ過捕集方法のところで反応というのがあったということで、ろ過捕集法だけになったということなのですが、捕集剤が、前のは「炭酸ナトリウム処理ろ紙」がまだ残っていますが、こちらはこれが多分消えるということで、消し忘れで残っているのだと思います。
次のページ、66ページの弗化カリウムも同じように、捕集剤で「炭酸ナトリウム処理ろ紙」が残っていますので、こちらも消えるということだと思います。消し忘れで残っているのだと思います。
以上5か所、気づいたところでした。
○城内座長 ありがとうございます。
事務局、大丈夫ですか。
○田上中央労働衛生専門官 はい。御指摘ありがとうございました。セットする際には御指摘いただいた箇所を整理して修正したいと思います。
○城内座長 保利委員、何かございますか。
○保利構成員 もう一つ、本文のほうで、これは直接関係ないのですけれども、本文の最初の3ページのところかな、検討会の記録といいますか、あれがありますけれども、令和6年度第8回、第9回は、「令和6年1月」と書いてあるのは「令和7年」ですよね。
○小永光有害性調査機関査察官 大変申し訳ございません。修正いたします。
○城内座長 そのほかに何かございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
私から、本文で気になったところがあって、10ページの最初の4の「発がん性物質への濃度基準値の設定の考え方」というところで、(2)の上から3行目、「ヒトや動物への遺伝毒性がない、又は、あったとしても非常に少ない」と書いてあるのです。(4)の下から5行目では、「遺伝毒性が明らかでない、又は、十分に小さい」と書いてあって、「少ない」と「小さい」が出てきて、なおかつ、遺伝毒性が直接小さいとか少ないという言い方でいいのかなというのが私自身が分からなかったので、これでいいのでしょうかという質問です。その下の発がんだと「リスクへの寄与がない、又は、小さい」と書いてあるので、これはすっと読んでいったのですけれども、遺伝毒性のところについては「少ない」と「小さい」が両方出てきて、なおかつ、遺伝毒性が少ないと言うのかなというのが疑問だったものですから、御検討いただければ。また、ほかの先生方の御意見も頂戴できればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 ありがとうございます。
(4)のところの御指摘、下線部の「ヒトに対する生殖細胞変異原性などの遺伝毒性が明らかでない、又は、十分に小さい」というところかと思いますけれども、御指摘のとおり、「十分に小さい」というところは(2)のところと整合性も取れていないですし、主語というか、何が十分小さいのか分かりづらいというところもあるかと思いますので、例えば、「十分に小さい」の前に、「遺伝毒性を有する可能性」が「十分に小さい」なのか、「非常に少ない」なのか、どちらかに合わせるというような御提案ではいかがでしょうか。
○城内座長 どうでしょうか。「小さい」なのか、「少ない」なのか。
○小永光有害性調査機関査察官 「少ない」に合わせたほうがいいでしょうか。
○城内座長 可能性は大きい・小さいかと思いますけれども。
○小永光有害性調査機関査察官 「遺伝毒性を有する可能性が十分に小さい」という形でよろしいですか。
○城内座長 と私は思いますけれども、皆さん、いかがでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 では、そこは主語を明確にして追記させていただいて修正させていただきたいと思います。
○城内座長 委員の皆さん、よろしいでしょうか。何か御意見があれば。文章の意味、気持ちは何となく分かるのですけれども、あれっ?と思ったものですから、よろしくお願いいたします。
そのほかに御意見等ございますでしょうか。最終的な報告書ですので。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤構成員 全体でいいですよね。
中身がどうのこうのという話ではないのですけれども、本文の14ページの終わりの「履行確保の方法」のところで、15ページの(3)の「より使い勝手の良い保護手袋の開発等に対する国の支援」のところはアとイという形でまとめていただいているのですけれども、特にこのアとイに決められているところはぜひ実現させていただきたいと思っています。
というのは、私はこの会議に今年度から参加しているのですけれども、今年度一番最初のところで冒頭お話ししたと思うのですけれども、我々建設業は、今まで素手もしくは軍手で仕事をしていた文化だったのですけれども、建災防さんをはじめ、対応策をいろいろ検討していった中で、我々建設業では化学物質にどぶ漬けするというような作業はないのだということで、一昨年前の12月にできた皮膚等障害のマニュアルの中でも「×」以外のものについては材質としてはいいのでしょうという話になって、最終的には使い勝手のいいニトリル製の手袋を使おうということで今進んでいるのです。実際問題、そうやってやっていこうとなると、ニトリルゴムの化学防護手袋というのは製品としてはあまり数がないのです。よくホームセンターとかで皆さんも見られると思うのですけれども、ニトリル製の手袋というのは食品衛生法に合格していますよというのは山ほどあるわけです。これはやはり、コロナの関係でそういうニーズがあったのでそういうものができたと思うのです。厚み自体は薄いのですけれども、あれを使っては駄目なのですかという話をすると、メーカーの方たちの話を聞くと、あれはまだ透過試験をしていないので何とも言えないんですよという話をされるのです。我々にとってはその辺に売っているニトリル製の手袋を使って、万が一手についたときにはすぐそれを外して捨てる。廉価ですからそれも可能なのです。ですから、そういう測定方法、検証方法を国がきちんとバックアップしていっていただければ実現可能性も非常に高くなってくるのかなと思いますので、ここのところはぜひ実現させていただきたいと思って御意見さし上げます。
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。
事務局から何かございますか。
○長山環境改善・ばく露対策室長 今の使い勝手のよい保護手袋のお話ですけれども、国の研究開発、バックアップということで、研究については進める準備をしているところでございます。こういった研究の成果を、先般出した保護具のマニュアルなどと相まって、建設業に限らず皆さんによりよく使っていただきたいということで、国としても研究をバックアップしていきます。研究もある程度の時間がかかりますので、すぐに成果が還元できるというわけではないですけれども、こういったものもやりながら、よりよい方向に進んでいくように国としてもやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員 ぜひよろしくお願いします。
○城内座長 そのほかにございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。報告書案について。
それでは、意見も出尽くしたということですので、報告書に関する御意見等はここで締め切りたいと思いますが、本日の御意見を踏まえた修正版を事務局から各委員に確認いただきたいと思います。その上で、令和6年度報告書としての最終案の確定は私に一任いただくということでよろしいでしょうか。―ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
(2)その他
○城内座長 それでは、最後に「その他」ということですが、佐藤委員と森委員が今年度いっぱいで本検討会の委員を退任されます。順に一言御挨拶を頂ければと思いますが、まずは佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤構成員 建設労務安全研究会の佐藤でございます。
今年度の最初からこの検討会に参加させていただきました。前半部分は我々もいろいろ思うところがあってお役に立てたかなと思うのですが、後半部分につきましては、何しろ私は門外漢なもので、全然お役に立てなかったなと反省しているところでございます。来年度以降も引き続きこの検討会は開催されるやに聞いておりますし、ぜひ、省令改正も含めて、最前線で実際に化学物質を取り扱う方々が病気等々にならないことが大前提ということを踏まえて、何が言いたいかというと、先ほども申し上げましたけれども、実現可能性を今後もきちんと検討していってくだされば非常によい検討会になってくるのかなと思いますので、ぜひその辺のところを忘れずにお願いしたいと思っております。
1年間、どうもありがとうございました。
○城内座長 佐藤委員、ありがとうございました。
続いて、森委員、お願いいたします。
○森構成員 日本印刷産業連合会の森でございます。
私も本年度から参加させていただきました。何分、私も門外漢でありまして、ここで議論されていたことに対しての知見が全くなくて、お役に立てることがなかった。むしろ私はこういった検討会に参加させていただきまして非常にいい経験をさせていただきました。
新しい化学物質管理の規制が昨年4月から本格的に始動したということで、我々印刷業界もこういった化学物質を日々使っているということで、我々印刷業界としては非常に苦い経験、20年前に胆管がんの問題がありまして、それをきっかけに、現場で使う化学物質、特に有機溶剤については使っている量も非常に多く、頻度も高いので、そういったところの管理を徹底していこうということで活動してまいりましたけれども、今回、そういった現場で使う化学物質の規制の対象も非常に増えてまいりましたし、ばく露濃度の限界値もこの検討会の場でいろいろ設定していただきました。ぜひこれを現場に落とし込んで、ひいては健康障害がないような職場にしたいと思っております。そういった意味では、今回、先生方の皆様のいろいろな議論で化学物質のこういった限界値を決定していただいて、これを我々は現場に落とし込んできっちり守るような形で指導できたらと思っております。
今年1年、いろいろありがとうございました。
○城内座長 森委員、ありがとうございました。
では、事務局、お願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 今年度報告書のとりまとめに当たりまして、化学物質対策課長の土井から一言御挨拶申し上げます。
○土井化学物質対策課長 化学物質対策課長の土井でございます。
委員の皆様におかれましては、本日も様々な御指摘等を頂きまして、ありがとうございます。
本来であれば安全衛生部長の井内から御挨拶申し上げるところでございますが、所用がございましてどうしても参加できないということで、代わって御挨拶申し上げたいと思います。
この検討会は、昨年1月に前回の報告書をまとめたところでございますが、それ以降本日まで11回にわたりまして危険有害性情報の通知制度や化学物質の濃度基準値について、それぞれ専門的な見地から御審議いただいたところでございます。そして本日、令和6年度の報告書としてとりまとめが行われました。
このうち、危険有害性情報の通知制度に関しましては、現行の通知制度に関する課題、それから営業上の秘密に関する課題につきまして御議論いただきまして、昨年8月に中間とりまとめということで公表しております。これにつきましては、現在、労働政策審議会におきまして御議論いただいており、先月の27日に労働安全衛生法の一部を改正する法律案の要綱ということで御審議いただいて、妥当というような御答申を頂いたところでございます。厚生労働省におきましては、今後、この答申を踏まえて、法律案につきまして通常国会に提出していく予定としております。
また、本日も御議論いただきました濃度基準値につきましては、濃度基準値157物質、測定法108物質という膨大な数の物質につきまして御審議いただきました。その結果、本年度、86物質につきまして、濃度基準値、測定法について結論を得ることができました。短時間におきまして非常にたくさんの資料を御確認いただきまして、的確な御指摘も頂いたところ、この場をお借りしまして改めて感謝を申し上げたいと思います。
厚生労働省としましては、本日とりまとめられた報告書を踏まえて、危険有害性情報の通知制度につきましては法令改正に必要な手続を進めてまいりますとともに、濃度基準値につきましては、次年度、必要な告示改正を速やかに行ってまいりたいと考えております。
また、濃度基準値に関しましては、今後、これまでの積み残しや、次年度以降検討することとしている約350物質について検討を進めてまいります。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ恐縮ではございますが、引き続き御協力を頂きたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。
簡単ではございますけれども、私からの閉会の挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
○城内座長 議事は以上になります。
事務局から連絡等ございましたら、お願いします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日議事として御用意したものとしては以上になります。
本日の議事録は、後日構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
次回の日程でございますけれども、来年度を予定しておりますので、追って調整させていただきたいと思います。
○城内座長 以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。今日は非常にありがとうございました。
午後3時11分 閉会
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、定刻になりましたので、令和6年度第9回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。よろしくお願いいたします。
本日は令和6年度報告書案について検討することとしております。
そのため、開催要綱別紙の構成員名簿の全ての先生方に参集いただいております。
現在の出席者は16名で、うち、髙田構成員、鷹屋構成員、武林構成員、宮本構成員がオンライン参加となっており、宮内構成員については所用により15時めどでオンラインにより参加されると伺っております。また、上野構成員が欠席となっております。さらに、鷹屋構成員、武林構成員については終了時刻によっては途中で退席されると伺っております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しておりますので、会場参加の皆様は、御発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いします。
オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きましてマイクをミュートに設定していただきますようよろしくお願いいたします。
また、御発言の際には、あらかじめチャットで御発言の旨を入れていただくか、又はお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、御承知置きください。
本日の会議は公開としており、一般傍聴者につきましてはWebでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長 城内です。本日もよろしくお願いいたします。
まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日、資料としては、まず議事次第と配付資料一覧、資料としては資料1-1から資料2、参考資料としては参考1から参考5までということで御用意しております。
会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては資料に抜けなどございませんでしょうか。
また、本日の資料は、厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらを御覧ください。
資料の確認は以上でございます。
○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
初めに、事務局から資料1-1、資料1-2の濃度基準値設定対象物質検討状況リストについて説明があるとのことですので、事務局から説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 資料1-1、1-2につきまして、化学物質対策課の小永光より御説明させていただきます。
それでは、まず資料1-1のファイルを御覧いただければと思います。
こちらが濃度基準値設定対象物質検討状況リストの令和6年度のものになっております。
今年度検討いただきました承認状況につきまして更新しております。
※印のところを御覧いただければと思います。
令和6年度に承認された物質数は、濃度基準値が139物質、測定方法については、「-を含む」と書いていますけれども、こちらは、現時点では十分な情報がないとして濃度基準値が設定できないとされたもので、測定方法も現時点では測定する必要がないものを「-」としておりますけれども、そちらを含んで99物質となっております。
そのうち、1ポツ目ですけれども、濃度基準値及び測定方法の両方が承認された物質が76物質になっております。
さらに、この76物質のうち2物質は、発がん性が明確であるとして濃度基準値は設定できないとされた物質となっております。
また、今回の資料から、一番下のポツのところですけれども、十分な文献データがないとして濃度基準値が設定できないとされた物質、この令和6年度のリストでは7物質ございましたけれども、そちらにつきましては「承認」の前に「☆」をつけさせていただいております。濃度基準値の十分なデータがないとなったものについて「☆」をつけておりまして、その物質が7物質あるということで、記載を修正させていただいております。
以上になります。
その次の資料1-2を御覧いただければと思います。
こちらも同じような考え方でございますけれども、こちらは前年度まで、令和4年、令和5年度に検討を開始して、積み残しとなって今年度検討いただいたもののリストになっております。
このうち承認された物質数は、今年度、濃度基準値としては48物質、測定方法につきましては、「-」となっているものを含めて18物質となっております。
そのうち、濃度基準値及び測定方法の両方がこれまでに承認されている物質が12物質となっております。
また、下のポツは、同じですけれども、十分な文献データがないために濃度基準値が設定できないとされた物質は、この中で2物質でございます。
続きまして、こちらの資料を測定方法の観点で御説明したいと思います。
○田上中央労働衛生専門官 環境改善・ばく露対策室の田上より御説明いたします。
資料1-1と1-2それぞれ、測定方法のところで承認の横に「⇒P」となっている物質が、資料1-1の場合は6物質、資料1-2の場合は4物質ございます。これらは、濃度基準値が測定方法を検討したときのOELよりも大分下がってしまったことによって再度検証が必要になる物質で、測定方法を一旦取り下げるというものになりますので、改めて検証後、次年度以降の検討会で再度御提案するというような形になる物質でございます。
御説明としては以上です。
○城内座長 今の事務局からの説明について何か御質問や御意見等あれば、お願いいたします。―いかがでしょうか。
私から確認なのですが、資料1-1の表のすぐ上のポツのところで、「うち、2物質は発がん性が明確であるとして濃度基準値は設定できないとされた物質」は、濃度基準値は設定されないけれども承認された物質の中には含みますよという意味でよろしいですか。
○小永光有害性調査機関査察官 はい、そのとおりでございます。
○城内座長 分かりました。ありがとうございます。
そのほかに御質問等ございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。
(1)令和6年度報告書案について
○城内座長 それでは、続きまして、議事(1)「令和6年度報告書案について」ですが、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、資料2に基づきまして、令和6年度報告書案について、化学物質対策課の小永光より御説明させていただきます。
なお、資料の補足ですけれども、格納させていただいたタブレットについては、一覧を見ていただきますと分かるとおり、資料2については、03の本文、04の別表1-1、別表1-2、別表1-3、別表2、別表3、例えば別紙の目次、別紙1、別紙2という形で、ホームページ上では統合しておりますけれども、今回説明をする上でいろいろ資料が飛びますので、タブレットのほうでは分けて格納させていただいております。
それでは、まず03の資料2、報告書案の本文を御覧いただければと思います。
まず、ページ数で言いますと1ページ目の目次を御覧ください。
本検討会報告書では、ローマ数字のⅠとしまして「検討の趣旨及び経緯等」を記載しているところでございます。その次に、ローマ数字のⅡとしまして、今年度御議論いただきました「濃度基準値及び測定方法」について記載しております。また、その次のローマ数字Ⅲでは、中間とりまとめを頂きました「危険有害性情報の通知関係」について記載しております。このローマ数字Ⅲの危険有害性情報に関しましては中間とりまとめの内容のとおりとなっておりますので、本日の説明ではローマ数字Ⅱの「濃度基準値及び測定方法」のところを中心に御説明させていただければと思います。
それでは、早速でございますけれども、6ページのローマ数字Ⅱの濃度基準値等について御説明させていただきたいと思います。
本年度、濃度基準値につきましては個別の物質の基準値及び測定方法について御議論いただきましたので、第1の検討結果というところで記載させていただいているところでございます。ただ、これまで、昨年度、一昨年度のところで濃度基準値につきまして整理していただいた内容として、7ページに参考として令和4年度に整理させていただいた事項を載せさせていただいておりますので、まずは、本年度から構成員になっていただいた方もいらっしゃいますので、簡単に御説明させていただきたいと思います。
7ページの参考の1でございますけれども、「混合物への濃度基準値の適用」でございます。
(1)として、混合物に含まれる複数の化学物質が、同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用する場合、それらの物質の相互作用による複合的な生物学的影響が単一物質による影響の合算と同じ場合や単一物質による影響の合算より大きい場合によって毒性が増大するおそれがあることについては、各国の職業ばく露限度策定機関で一致した見解になっています。しかしながら、複数の化学物質による相互作用については、個別の化学物質の組合せに依存するため、その限度値の適用を単純な相加式で一律に行うことについては十分な科学的根拠があるとは言えず、各機関で判断が分かれているということでございます。
このため、混合物に対する濃度基準値の適用におきましては、混合物に含まれる複数の化学物質が、同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用することが明らかな場合には、下に記載がございます相加式を活用してばく露管理を行うことに努めるべきであるとされております。
こちらは告示で定めさせていただいているところでございます。
続きまして、2の「濃度基準値の単位」でございます。
(1)はIFVの関係の記載でございますけれども、室温において蒸気とエアロゾル粒子が同時に存在する物質については、空気中濃度の測定に当たり、濃度の過小評価を避けるため、蒸気と粒子の両者を捕集する必要がある。蒸気によるばく露がばく露評価に与える影響は、物質の濃度基準値が当該物質が飽和蒸気圧に達した場合の濃度と比較して相対的に小さいほど大きくなります。そのため、蒸気と粒子の両方を捕集すべき物質は、原則として、当該物質が飽和蒸気圧に達した場合の濃度の濃度基準値に対する比が0.1から10までの物質とすべきとしております。これは、当該比率が0.1より小さい場合は粒子によるばく露が支配的となり、10より大きい場合は蒸気によるばく露が支配的になると考えられるからとされております。
(2)ですけれども、こういった物質の濃度基準値の単位につきましては、複数の単位の基準値があることによる測定及び分析における混乱を避けるために、管理濃度と同様に、ppmかmg/m3のいずれかの単位を採用するとしております。ただし、技術上の指針で定める予定の物質ごとの標準的な測定方法においては、当該物質については蒸気と粒子の両方を捕集すべきであることを明記するとともに、蒸気と粒子の両者を捕集する方法を規定するべきであるとされております。
(3)ですけれども、さらに、この技術上の指針においては、ppmからmg/m3への換算式を示すとされておりまして、指針に記載しているとなっております。
続きまして、3の「濃度基準値の検討の進め方」でございます。
濃度基準値設定対象物質の検討に当たっては、まず安衛研における専門家会議で文献調査等を行いまして、報告書を作成しております。提案値は、有害性に係る一次論文に基づきまして、初期調査と詳細調査の2段階で検討することとしておりまして、初期調査で提案値を決定することができない場合には詳細調査を行い、その情報に基づき提案しているところでございます。
この濃度基準値の提案値及びその根拠論文については、こちらの本検討会において妥当性を検討いただきまして濃度基準値を決定しているところでございます。また、濃度基準値の検討に当たっては、①測定方法が定められていること、②有効な呼吸用保護具があることを考慮することとしておりまして、測定方法又は有効な呼吸用保護具がない場合には、これらが確立するまでの間、濃度基準値は設定しないとされているところでございます。
続きまして、4でございます。「 発がん性物質への濃度基準値の設定の考え方」でございます。
(1)ですけれども、各職業ばく露限度策定機関においては、ヒトへの発がん性の確からしさの分類に応じて、ヒトへの発がん性が明確な場合につきましては、安全な閾値が設定できないということから、限度の設定は行っていないということが分かります。このような物質については、事業者に対し、ばく露を最小化することを強く求めているとされています。
(2)です。この各基準策定機関においては、ヒトへの発がん性が明確ではない物質に対しては、非がんの疾病を対象に、安全な閾値として限度を定めているところでございます。閾値を設定する理由としては、ヒトや動物への遺伝毒性がない、又はあったとしても非常に少ない、かつ、発がんリスクへの寄与が小さいことを挙げています。
(3)です。このため、濃度基準値の設定においては、主としてヒトにおける証拠によりヒトに対する発がん性が知られている物質―これはGHS 分類で1Aの物質ですけれども―については、発がんが確率的影響であることから、長期的な健康影響が発生しない安全な閾値である濃度基準値を設定することは困難であるとして、設定しないこととしております。この場合、濃度基準値を設定しないことで安全な物質であるという誤解が生じないよう、検討結果において安全な閾値が設定できない物質であることを明示するべきであるとされております。具体的には、技術上の指針においてこれら物質の一覧を掲載することとしまして、事業者に対して、労働者がこれらの物質にばく露される程度を最小限度にしなければならないことを周知しているということでございます。
続きまして、(4)です。発がん性区分が1B に分類される物質につきましては、発がん性の証拠の強さの観点からヒトに対して恐らく発がん性があるとされている物質でございまして、ヒトへの発がん性が明確であるとまでは言えないとしております。この場合、ヒトに対する生殖変異原性などの遺伝毒性が明らかではない、又は十分に小さい、かつ、発がんリスクへの寄与がない又は小さいことが評価できる物質であって、非がん疾病について無毒性量等が明らかなものについては濃度基準値を定めるべきであるとしております。濃度基準値を設定すべきか否かの判断につきましては、個別の物質ごとに、発がんが見つかったばく露濃度のレベルや遺伝毒性等に関する根拠論文の評価によって判断されるべきであるとされております。
最後に(5)ですけれども、発がん性区分2に分類される物質につきましては、ヒトに対する発がん性が疑われる物質となっております。このうち、非がん疾病について無毒性量等が明らかなものにつきましては濃度基準値を定めるべきであるとされております。ただし、生殖細胞変異原性が区分1に分類されるなど、遺伝毒性が知られている物質については、遺伝毒性に関する根拠論文の評価によって、濃度基準値の設定をするかしないか個別に判断するべきであるとされております。
以上が参考のところの御説明でございました。
それでは、6ページに戻っていただきまして、第1の「令和6年度の濃度基準値及び測定方法の検討結果」について御説明させていただきます。
まず1の「令和6年度の濃度基準値設定候補物質」でございます。こちらはタブレットのほうでは、ファイルとしては04、05ですけれども、別表1-1、別表1-2のとおりとなっておりまして、資料1-1と資料1-2で御説明させていただいた一覧のとおりになっておりますので、こちらは参考までに御確認いただければと思います。
続きまして、2の「令和6年度の濃度基準値及びその測定方法の検討結果」でございます。こちらはファイルの07、資料2別表2を御覧いただければと思います。横になっている一覧になっていまして、別表2「物質ごとの濃度基準値の案及び測定方法」という表題の別表2でございます。
こちらは、物質ごとの濃度基準値の案及び測定方法について、今年度両方承認いただきました88物質について列挙させていただいております。こちらの中には、発がん性が明確であるため、長期的な健康障害が生じない安全な閾値として濃度基準値を設定しないとされた物質も含まれているところでございます。
また、こちらの個別の検討した物質の詳細調査結果につきましては、後ほど御説明いたしますけれども、別紙1に記載しているところでございます。
また、測定方法についてですけれども、こちらは標準的な手法として示しているものでございまして、同等以上の精度が確保できる場合はその他の方法で行っても差し支えないということで本文に記載しております。
また、なお書きで、令和5年度に濃度基準値を設定した物質の個別具体の測定法については別紙2として報告書につけさせていただいております。
続きまして、3の「濃度基準値を設定しなかった物質とその理由」でございます。こちらはファイルの08の別表3を御覧いただければと思います。
こちらは、まず別表3-1として2物質記載がございますけれども、この2物質が、発がん性が明確であるため、長期的な健康障害が生じない閾値として濃度基準値を設定しなかった物質となっております。
その下の別表3-2は、発がん性以外の理由で設定しなかった物質となっておりまして、こちらは本年度9物質となっておりますが、理由としましては、全て現時点では十分な文献データがないという理由となっております。
続きまして、4の「令和7年度以降に再度検討する物質とその理由」でございます。こちらは別表4、すみません、ファイルが分かれていなかったですね。先ほど見ていただいた別表3が載っているファイルの次のページにございます。
別表4は、令和4年度以降に再度検討する物質とその理由となっておりまして、今年度又は昨年度からの再度検討する物質のリストの中に入っていた物質のうち、今年度濃度基準値と測定方法の両方の承認が得られなかった物質につきまして、来年度に先送りになりますので、こちらの物質について列挙しているところでございます。また、その理由についても、一番右の項目に記載しているところでございます。現時点の検討状況につきましては、後ほど御説明します別紙1に個別の物質の検討状況を記載しているところでございます。
続きまして、第2の「令和7年度以降の濃度基準値の検討対象物質」についてでございます。こちらは本文の6ページを見ていただければと思います。
本文6ページの一番下の段落でございますけれども、令和7年度以降の濃度基準値の検討対象物質でございますけれども、こちらは、既に報告書を頂いております令和4年度の検討会報告書に記載があるのですけれども、こちらの報告書に基づきまして、リスクアセスメント対象物質のうち、リスク評価対象物質、特化則などで物質追加を念頭に国がその当時行っていた化学物質のリスク評価の対象物質なのですけれども、こちらは既に令和4年度の検討対象に入っていますので、そちら以外の物質で吸入による職業性ばく露限界値があって、かつ、測定・分析方法がない物質を来年度以降検討するとなっておりまして、約350物質になっているところでございます。こちらの物質は別表1-3に記載しているところでございます。ファイル数で言うと06の別表1-3でございます。こちらに350物質ほど列挙させていただいております。今回はその350ほどありますので、こちらが令和7年、令和8年の濃度基準値検討対象物質として挙げさせていただいておりまして、令和7年度、令和8年度それぞれの内訳については、令和7年度の検討会で早期に検討するということで記載させていただいております。
以上が本文の御説明でございます。
それでは、次に、報告書の別紙1の対象物質別の調査結果についても御説明させていただきたいと思います。これはファイルで見ていただきますと、別紙1なので、10番の資料2別紙1というところでございます。
これを開いていただくと、冒頭に今年度検討いただきました物質を載せておりまして、まず目次と、ずらっと記載がございます。350ページぐらいありますので、本日は誤字等の軽微な修正は割愛させていただきまして、御意見を頂いて修正させていただいた点についてのみ御説明させていただければと思います。
それでは、会場の委員の皆様におかれましては、その次のファイル名20というところに抜粋という形で別紙1が格納されていますので、そちらを見ていただければと思います。別紙1の70ページの1-メチルナフタレンが1ページ目に来ているものを見ていただければと思います。
それでは、70ページの1-メチルナフタレンでございます。
1-メチルナフタレンにつきましては、8時間濃度基準値0.3 mg/m3を提案しているところでございます。
こちらの物質は、検討会で御議論いただいた際に最初に御提示した資料においては0.05 ppmで、ppm表示で提案させていただいたところでございまして、単位について御指摘を頂いたところでございます。確認させていただいたところ、当該物質は常温で液体でございまして、蒸気圧が7.2 Paと揮発しにくい物質であることから、単位をmg/m3に修正させていただいております。
また、コメント欄にも記載させていただいておりますけれども、根拠論文1の記載が、もともとppmでしかこの論文も記載がなかったところでございましたので、その他のコメントに記載のとおり、GHS政府分類ガイダンスに記載されている方法に基づきまして、mg/m3に単位を変換して記載を追記しているところでございます。
次の物質に送っていただきまして、74ページと書いてある2-メチルナフタレンでございます。
こちらにつきましても修正の趣旨は一緒でございますけれども、2-メチルナフタレンにつきましては、8時間濃度基準値として0.3 mg/m3を提案しているところでございます。
こちらも検討会で御議論いただいた際に提示した資料では0.05 ppmを提案させていただいていたところでございますけれども、こちらについても単位について御指摘を頂きまして、確認させていただいたところ、当該物質は常温で固体でありますし、蒸気圧が9 Paと揮発しにくい物質であることから、単位をmg/m3に修正させて頂いているところでございます。根拠論文の単位についてはもともとこのような記載でしたので、修正はしておりません。
続きまして、101ページの酢酸sec-ブチルでございます。
この物質ですけれども、8時間濃度基準値として20 ppm、短時間濃度基準値として150 ppmを提案しているところでございます。
本物質の濃度基準値の根拠としましては、コメント欄に記載のとおり、本物質の異性体である酢酸tert-ブチルの試験結果から濃度基準値を提案しているところでございますけれども、検討に際しまして、当該物質の異性体の知見から提案した検討経緯等を記載したほうがよいという御意見を頂いたところでございます。そのため、その他のコメント欄に「本物質を用いた信頼性のある知見に乏しいことから、有害性等に係る他の酢酸ブチルの異性体の知見等から総合的に判断して濃度基準値を提案した」という記載を追加させていただいております。
続いて、103ページのp-トルイジンでございます。
こちらの物質は、8時間濃度基準値として4 mg/m3を提案しております。
本年度は、本物質のp-トルイジンと、異性体でありますm-トルイジンも併せて御検討いただいたところでございますけれども、この2つの物質につきましては同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用するとされておりますので、濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理の必要があるということを明記したほうがよいというところで検討会で御議論いただいたところでございます。そのため、その他のコメントのところに「本物質の異性体であるm-トルイジンについても濃度基準値が設定されており、本物質と同一の毒性作用機序によって同一の標的臓器に作用すると考えられることから、濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理に留意する必要がある」という旨のコメントを追加しております。
次に、116ページのm-トルイジンについても同様の趣旨でございます。
こちらも8時間濃度基準値4 mg/m3を提案しておりまして、先ほど御説明させていただいたとおり、こちらの物質もp-トルイジンと同様のコメント、「濃度基準告示で定める相加式を活用したばく露管理に留意する必要がある」という旨のコメントをその他のコメントの欄に記載させていただいているところでございます。
続きまして、個別の説明の最後でございますけれども、284ページのモリブデンでございます。
この物質につきましては、8時間濃度基準値として、水に溶解する化合物についてはモリブデンとして0.5 mg/m3を提案しております。また、金属及び不溶性化合物については「設定できない」を提案しているところでございます。
その他のコメントのところを見ていただければと思いますけれども、この水に溶解する化合物についてどういったものが対象になるかということについては、御検討いただいた際もその他のコメントの欄に記載しておりまして、対象物質の範囲としては変更しておりません。
どのように記載しているかと申しますと、濃度基準値の設定対象となる物質については、2023年度までのGHS分類において、モリブデン及びその化合物としてはこの7物質が分類されているところでございまして、これらのうち、①、③、⑦は水に不溶とされている物質でございます。それ以外の水に溶解する物質、ここで言うと②、④、⑤、⑥については濃度基準値を提案するとなっているところでございます。
この物質の特定に当たっては変更がないのですけれども、どのように修正させていただいたかと申しますと、検討会で御議論いただいた際には、この「水に溶解する化合物」というところを「水溶性化合物」という文言にさせていただいておりました。
この「水溶性化合物」の定義ですけれども、濃度基準値として水溶性化合物の定義を示しているものはございません。ただ、同じ安全衛生法の中で、ラベル表示・SDSの通知等の物質を列挙している安衛令別表9では、例えば銀であれば「銀及び水溶性化合物」と規定されておりまして、その「水溶性化合物」の定義としては、通達において、「物質を1グラムを溶かすのに必要な水の量が100ミリリットル未満であるもの」とされているところでございます。この定義の「水溶性化合物」ということではないということで、この定義と混同することを避けるため、文言の修正をさせていただきまして、「水に溶解する化合物」という形にさせていただいているところでございます。
別紙1の説明は以上になります。
続きまして、測定法について御説明させていただきたいと思います。
○田上中央労働衛生専門官 それでは、資料2の別表2を御覧いただければと思います。資料で言うと07になります。
測定法の関係で内容について大きく変更があるものはないのですけれども、まず下の通しページの65ページ、66ページを御覧いただければと思います。65ページの後段のフッ化亜鉛と66ページの一番上の弗化カリウムです。こちらは、測定法を御提案したときの資料では、捕集方法が「ろ過+ろ過(反応)」ということで、2つ組み合わせるような形で記載していたのですけれども、こちらは組合せではなくて単純に「ろ過」という記載に変更しております。そのほかの中身としては変更はございません。
そのほか、通しページで言うと54ページです。前回、小野委員から御指摘があった点でございますけれども、ろ過と固体捕集を組み合わせているものでIFV評価値が0.1を下回っているもの、すなわち基本的には粒子状で存在しているようなもので固体捕集を組み合わせているものについて、基本的には農薬が多いものになるのですけれども、もともとは使用方法を考慮して固体捕集を組み合わせるというような記載としていたのですけれども、こちらは記載が不正確ではないかということで御指摘を頂いたものでございます。
エンドスルファンにつきましては、通しページの54ページの一番下です。R6_63というものでございますけれども、こちらにつきましては、固体であると評価されるものの、実際の測定でガスの揮散が認められたということで、記載を変更しております。
そのほか、通しページで言うと57ページと63ページ、キャプタンとカルボフラン。こちらにつきましても同様の性格の物質で、もともとの記載と趣旨としてはあまり変わらないかもしれないですけれども、農薬の散布であり、ろ過捕集だと捕集効率が落ちてしまうということで固体捕集を組み合わせるということで、散布の可能性があるためということで記載を変更しているものでございます。
そのほか、通しページで言うと58ページの一番下の物質、R6_85、メチルパラチオンの備考に「測定範囲は濃度基準値の1/3~10倍である」という補足がございます。こちらはもともと測定法を提案した際には、濃度基準値が定められていなかったものについてはOELの何倍から何倍といった記載となっていたのですけれども、今の時点では濃度基準値が決まっておりますので、濃度基準値ということで一律記載を変更しております。
別表2については以上となります。
また、事前にお送りすることができなくて大変恐縮ではあったのですけれども、第6回のときに測定法の個票の様式を御提示させていただいたかと思います。その様式に沿って、令和5年度に濃度基準値が設定された物質、昨年度濃度基準値と測定法が両方承認された物質の個票が、資料2(別紙2)です。こちらは全部で112物質ございますけれども、こちらを作成しております。今後、職場のあんぜんサイトで公表していきたいと思っております。
先ほど小永光査察官からも説明があったとおり、測定法についてはあくまでもこれでなければいけないというものではなくて、個票上もあくまでも「測定法の一例」というような記載をしておりまして、そういった形で同定しているものになりますので、一旦報告書の別紙という形でセットさせていただければとは思いますけれども、新たな知見等があれば随時更新等していきたいと考えております。それはあくまでもホームページ上で随時更新といった形でできればと考えております。この個票で示す測定法に絶対に縛られるものではないというものでございます。
測定法に関しては以上でございます。
○小永光有害性調査機関査察官 報告書の説明につきましては以上になります。よろしくお願いします。
○城内座長 ありがとうございました。
今までの事務局からの説明について何か御質問や御意見があれば、お願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 今、資料がうまく開かないのでですけれども、1-メチルナフタレンはmg/m3に直されたという話だったと思うのです。2-メチルナフタレンは固体ですけれども、1-メチルナフタレンは液体です。それでもmg/m3のほうがよろしいのでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 こちらは固体又は液体ですので、気体ではないということでmg/m3にさせていただいたところです。
○保利構成員 液体でばく露される可能性がどれだけあるのか、我々は分からないのですけれども。
○小永光有害性調査機関査察官 常温常圧で液体ですし、常温で蒸気圧がそんなに高くない物質で、噴霧したときにばく露する可能性がある物質でもございますので、mg/m3で記載させていただいたところでございます。
○保利構成員 蒸気でばく露する可能性のほうが高いかなと思いますが、定義は定義なので、分かりました。
○城内座長 そのほかにいかがでしょうか。
山室委員、お願いします。
○山室構成員 山室です。
些細なところではありますけれども、別表2の44ページ、R6_11、プロパンの捕集剤ですが、Carbosieve SIIIなのですけれども、これは「I」が3つ並んでいてちょっと見にくくて、ほかのところはローマ数字の「Ⅲ」と書いてあるので、「Ⅲ」にしていただいたほうがいいかなというところです。
○田上中央労働衛生専門官 御指摘ありがとうございます。
○山室構成員 5か所ほど些細なところがありました。
次は52ページ、R5_61、2-プロピン-1-オールは「固体捕集-ガスクロマトグラフ分析方法」ですけれども、これは反応を使って誘導体化して補修していますので、「(反応)」と入れていただくところが多分抜けたのだと思います。
それから、55ページですが、これも本当に些細なことですけれども、R6_69、ろ過+固体、ガスクロマトグラフということで、捕集剤が「Tenax TA+石英フィルター」という並び順になっていますが、ほかのところはこういった場合については「石英フィルター」が先に入って、その後に「Tenax TA」と入っていますので、そのように直したほうがいいのではないかと思います。
それから、次は65ページ、R6_141、フッ化亜鉛ですが、先ほどろ過捕集方法のところで反応というのがあったということで、ろ過捕集法だけになったということなのですが、捕集剤が、前のは「炭酸ナトリウム処理ろ紙」がまだ残っていますが、こちらはこれが多分消えるということで、消し忘れで残っているのだと思います。
次のページ、66ページの弗化カリウムも同じように、捕集剤で「炭酸ナトリウム処理ろ紙」が残っていますので、こちらも消えるということだと思います。消し忘れで残っているのだと思います。
以上5か所、気づいたところでした。
○城内座長 ありがとうございます。
事務局、大丈夫ですか。
○田上中央労働衛生専門官 はい。御指摘ありがとうございました。セットする際には御指摘いただいた箇所を整理して修正したいと思います。
○城内座長 保利委員、何かございますか。
○保利構成員 もう一つ、本文のほうで、これは直接関係ないのですけれども、本文の最初の3ページのところかな、検討会の記録といいますか、あれがありますけれども、令和6年度第8回、第9回は、「令和6年1月」と書いてあるのは「令和7年」ですよね。
○小永光有害性調査機関査察官 大変申し訳ございません。修正いたします。
○城内座長 そのほかに何かございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
私から、本文で気になったところがあって、10ページの最初の4の「発がん性物質への濃度基準値の設定の考え方」というところで、(2)の上から3行目、「ヒトや動物への遺伝毒性がない、又は、あったとしても非常に少ない」と書いてあるのです。(4)の下から5行目では、「遺伝毒性が明らかでない、又は、十分に小さい」と書いてあって、「少ない」と「小さい」が出てきて、なおかつ、遺伝毒性が直接小さいとか少ないという言い方でいいのかなというのが私自身が分からなかったので、これでいいのでしょうかという質問です。その下の発がんだと「リスクへの寄与がない、又は、小さい」と書いてあるので、これはすっと読んでいったのですけれども、遺伝毒性のところについては「少ない」と「小さい」が両方出てきて、なおかつ、遺伝毒性が少ないと言うのかなというのが疑問だったものですから、御検討いただければ。また、ほかの先生方の御意見も頂戴できればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 ありがとうございます。
(4)のところの御指摘、下線部の「ヒトに対する生殖細胞変異原性などの遺伝毒性が明らかでない、又は、十分に小さい」というところかと思いますけれども、御指摘のとおり、「十分に小さい」というところは(2)のところと整合性も取れていないですし、主語というか、何が十分小さいのか分かりづらいというところもあるかと思いますので、例えば、「十分に小さい」の前に、「遺伝毒性を有する可能性」が「十分に小さい」なのか、「非常に少ない」なのか、どちらかに合わせるというような御提案ではいかがでしょうか。
○城内座長 どうでしょうか。「小さい」なのか、「少ない」なのか。
○小永光有害性調査機関査察官 「少ない」に合わせたほうがいいでしょうか。
○城内座長 可能性は大きい・小さいかと思いますけれども。
○小永光有害性調査機関査察官 「遺伝毒性を有する可能性が十分に小さい」という形でよろしいですか。
○城内座長 と私は思いますけれども、皆さん、いかがでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 では、そこは主語を明確にして追記させていただいて修正させていただきたいと思います。
○城内座長 委員の皆さん、よろしいでしょうか。何か御意見があれば。文章の意味、気持ちは何となく分かるのですけれども、あれっ?と思ったものですから、よろしくお願いいたします。
そのほかに御意見等ございますでしょうか。最終的な報告書ですので。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤構成員 全体でいいですよね。
中身がどうのこうのという話ではないのですけれども、本文の14ページの終わりの「履行確保の方法」のところで、15ページの(3)の「より使い勝手の良い保護手袋の開発等に対する国の支援」のところはアとイという形でまとめていただいているのですけれども、特にこのアとイに決められているところはぜひ実現させていただきたいと思っています。
というのは、私はこの会議に今年度から参加しているのですけれども、今年度一番最初のところで冒頭お話ししたと思うのですけれども、我々建設業は、今まで素手もしくは軍手で仕事をしていた文化だったのですけれども、建災防さんをはじめ、対応策をいろいろ検討していった中で、我々建設業では化学物質にどぶ漬けするというような作業はないのだということで、一昨年前の12月にできた皮膚等障害のマニュアルの中でも「×」以外のものについては材質としてはいいのでしょうという話になって、最終的には使い勝手のいいニトリル製の手袋を使おうということで今進んでいるのです。実際問題、そうやってやっていこうとなると、ニトリルゴムの化学防護手袋というのは製品としてはあまり数がないのです。よくホームセンターとかで皆さんも見られると思うのですけれども、ニトリル製の手袋というのは食品衛生法に合格していますよというのは山ほどあるわけです。これはやはり、コロナの関係でそういうニーズがあったのでそういうものができたと思うのです。厚み自体は薄いのですけれども、あれを使っては駄目なのですかという話をすると、メーカーの方たちの話を聞くと、あれはまだ透過試験をしていないので何とも言えないんですよという話をされるのです。我々にとってはその辺に売っているニトリル製の手袋を使って、万が一手についたときにはすぐそれを外して捨てる。廉価ですからそれも可能なのです。ですから、そういう測定方法、検証方法を国がきちんとバックアップしていっていただければ実現可能性も非常に高くなってくるのかなと思いますので、ここのところはぜひ実現させていただきたいと思って御意見さし上げます。
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。
事務局から何かございますか。
○長山環境改善・ばく露対策室長 今の使い勝手のよい保護手袋のお話ですけれども、国の研究開発、バックアップということで、研究については進める準備をしているところでございます。こういった研究の成果を、先般出した保護具のマニュアルなどと相まって、建設業に限らず皆さんによりよく使っていただきたいということで、国としても研究をバックアップしていきます。研究もある程度の時間がかかりますので、すぐに成果が還元できるというわけではないですけれども、こういったものもやりながら、よりよい方向に進んでいくように国としてもやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員 ぜひよろしくお願いします。
○城内座長 そのほかにございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。報告書案について。
それでは、意見も出尽くしたということですので、報告書に関する御意見等はここで締め切りたいと思いますが、本日の御意見を踏まえた修正版を事務局から各委員に確認いただきたいと思います。その上で、令和6年度報告書としての最終案の確定は私に一任いただくということでよろしいでしょうか。―ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
(2)その他
○城内座長 それでは、最後に「その他」ということですが、佐藤委員と森委員が今年度いっぱいで本検討会の委員を退任されます。順に一言御挨拶を頂ければと思いますが、まずは佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤構成員 建設労務安全研究会の佐藤でございます。
今年度の最初からこの検討会に参加させていただきました。前半部分は我々もいろいろ思うところがあってお役に立てたかなと思うのですが、後半部分につきましては、何しろ私は門外漢なもので、全然お役に立てなかったなと反省しているところでございます。来年度以降も引き続きこの検討会は開催されるやに聞いておりますし、ぜひ、省令改正も含めて、最前線で実際に化学物質を取り扱う方々が病気等々にならないことが大前提ということを踏まえて、何が言いたいかというと、先ほども申し上げましたけれども、実現可能性を今後もきちんと検討していってくだされば非常によい検討会になってくるのかなと思いますので、ぜひその辺のところを忘れずにお願いしたいと思っております。
1年間、どうもありがとうございました。
○城内座長 佐藤委員、ありがとうございました。
続いて、森委員、お願いいたします。
○森構成員 日本印刷産業連合会の森でございます。
私も本年度から参加させていただきました。何分、私も門外漢でありまして、ここで議論されていたことに対しての知見が全くなくて、お役に立てることがなかった。むしろ私はこういった検討会に参加させていただきまして非常にいい経験をさせていただきました。
新しい化学物質管理の規制が昨年4月から本格的に始動したということで、我々印刷業界もこういった化学物質を日々使っているということで、我々印刷業界としては非常に苦い経験、20年前に胆管がんの問題がありまして、それをきっかけに、現場で使う化学物質、特に有機溶剤については使っている量も非常に多く、頻度も高いので、そういったところの管理を徹底していこうということで活動してまいりましたけれども、今回、そういった現場で使う化学物質の規制の対象も非常に増えてまいりましたし、ばく露濃度の限界値もこの検討会の場でいろいろ設定していただきました。ぜひこれを現場に落とし込んで、ひいては健康障害がないような職場にしたいと思っております。そういった意味では、今回、先生方の皆様のいろいろな議論で化学物質のこういった限界値を決定していただいて、これを我々は現場に落とし込んできっちり守るような形で指導できたらと思っております。
今年1年、いろいろありがとうございました。
○城内座長 森委員、ありがとうございました。
では、事務局、お願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 今年度報告書のとりまとめに当たりまして、化学物質対策課長の土井から一言御挨拶申し上げます。
○土井化学物質対策課長 化学物質対策課長の土井でございます。
委員の皆様におかれましては、本日も様々な御指摘等を頂きまして、ありがとうございます。
本来であれば安全衛生部長の井内から御挨拶申し上げるところでございますが、所用がございましてどうしても参加できないということで、代わって御挨拶申し上げたいと思います。
この検討会は、昨年1月に前回の報告書をまとめたところでございますが、それ以降本日まで11回にわたりまして危険有害性情報の通知制度や化学物質の濃度基準値について、それぞれ専門的な見地から御審議いただいたところでございます。そして本日、令和6年度の報告書としてとりまとめが行われました。
このうち、危険有害性情報の通知制度に関しましては、現行の通知制度に関する課題、それから営業上の秘密に関する課題につきまして御議論いただきまして、昨年8月に中間とりまとめということで公表しております。これにつきましては、現在、労働政策審議会におきまして御議論いただいており、先月の27日に労働安全衛生法の一部を改正する法律案の要綱ということで御審議いただいて、妥当というような御答申を頂いたところでございます。厚生労働省におきましては、今後、この答申を踏まえて、法律案につきまして通常国会に提出していく予定としております。
また、本日も御議論いただきました濃度基準値につきましては、濃度基準値157物質、測定法108物質という膨大な数の物質につきまして御審議いただきました。その結果、本年度、86物質につきまして、濃度基準値、測定法について結論を得ることができました。短時間におきまして非常にたくさんの資料を御確認いただきまして、的確な御指摘も頂いたところ、この場をお借りしまして改めて感謝を申し上げたいと思います。
厚生労働省としましては、本日とりまとめられた報告書を踏まえて、危険有害性情報の通知制度につきましては法令改正に必要な手続を進めてまいりますとともに、濃度基準値につきましては、次年度、必要な告示改正を速やかに行ってまいりたいと考えております。
また、濃度基準値に関しましては、今後、これまでの積み残しや、次年度以降検討することとしている約350物質について検討を進めてまいります。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ恐縮ではございますが、引き続き御協力を頂きたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。
簡単ではございますけれども、私からの閉会の挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
○城内座長 議事は以上になります。
事務局から連絡等ございましたら、お願いします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日議事として御用意したものとしては以上になります。
本日の議事録は、後日構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
次回の日程でございますけれども、来年度を予定しておりますので、追って調整させていただきたいと思います。
○城内座長 以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。今日は非常にありがとうございました。
午後3時11分 閉会