令和6年度 第8回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和7年1月21日(火) 14:00~15:47

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール 14E
東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング14階

議事内容

午後2時00分 開会

○長山環境改善・ばく露対策室長 本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、定刻になりましたので、令和6年度第8回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は濃度基準値の検討について検討することとしており、その他のところで濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について御報告等をさせていただくこととしております。
そのため、開催要綱別紙の構成員名簿の全ての先生方に参集いただいております。
現在、予定として17名で、うち、津田構成員がオンライン参加となっております。また、武林構成員が欠席となっております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しておりますので、会場参加の皆様は、御発言の際にマイクを使用していただきますようお願いいたします。
オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きましてマイクをミュートに設定していただきますようよろしくお願いいたします。
また、御発言の際には、あらかじめチャットで御発言の旨を入れていただくか、又はお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、御承知置きください。
本日の会議は公開としておりまして、一般傍聴者につきましてはWebでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長 城内です。本日もよろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 資料は、まず議事次第と配付資料一覧というものがありまして、資料としては資料1から資料3-2まで、参考資料としては参考1から参考5までということで御用意しております。いずれもタブレットに格納しておりますけれども、検討対象物質の一覧の資料3-1と3-2については印刷した資料も配付しております。
会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては資料に抜けなどございませんでしょうか。
本日の資料は、厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらを御覧ください。
資料の確認は以上でございます。

(1)濃度基準値の検討について

○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
議事1「濃度基準値の検討について」ですが、本日は、再審議対象物質2物質、新規検討対象物質37物質について検討する予定としております。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 議事1の「濃度基準値の検討」につきましては、対策課の小永光から御説明させていただきます。
また、個別の御質問、御意見を頂いたものにつきましては、個別の回答も含めてした上で個別物質ごとに御議論いただきたいと思っております。
また、検討に必要な一次文献につきましてはタブレット内に格納しておりますので、必要に応じて御確認いただければと思います。
まず資料の説明から参ります。
資料1-1、こちらは本年度の濃度基準値設定対象検討リストでございますけれども、このリストのうち、本日の検討対象物質は、○がついている38物質となっております。このうち、○のマークと保留というところが両方書かれた物質2物質でございますけれども、そちらが再審議対象物質となっております。また、資料1-2は令和5年度までの積み残し物質の対象リストでございますけれども、これらの対象リストのうち本日御検討いただく物質は、○がついている1物質となっております。
また、資料2-1でございますけれども、資料2-1が再審議対象物質の物質別の調査結果となっておりまして、前回保留となりました2物質について掲載しております。また、資料2-2ですけれども、こちらが新規検討対象物質の物質別の調査結果となっておりまして、今回は37物質掲載しております。そのため、本日は、最初に2-1の2物質、その後、2-2の37物質を20物質と17物質に分けて御議論いただきたいと考えております。
それでは、まず資料2-1について御説明させていただきたいと思います。
資料2-1の2ページ目を御覧ください。
すみません、こちらはページが振ってなくて申し訳ございません。まず2-アミノピリジンでございます。
こちらは、前回の検討会において保留となった物質でございます。
前回は短時間濃度基準値として0.2 ppmを提案したものでございますけれども、今回再検討いたしまして、8時間濃度基準値、短時間濃度基準値ともに「設定できない」を提案いたします。
前回からの変更点等を御説明いたします。
根拠論文につきましては、改めて濃度基準値設定に有用な文献を調査いたしましたが、新たな文献等はございませんでした。そのため、知見としては記載の約5時間の1症例のみの文献となっております。記載は変更しておりません。そのため、前回の議論等も踏まえまして結論部分について修正しておりますけれども、有害性に係る知見はあるが濃度基準値を設定する根拠としては十分とは言えないと判断し、「設定できない」を提案させていただきます。
その他のコメントについては変更はございません。
続きまして、赤りんについて御説明させていただきます。
赤りんにつきましても、前回の検討会において保留となった物質でございます。
前回、8時間濃度基準値として0.5 mg/m3を提案したものでございますけれども、8時間濃度基準値、短時間濃度基準値ともに、こちらも「設定できない」を提案いたします。
前回からの変更点を申し上げます。
根拠論文につきましては、改めて濃度基準値設定に有用な文献を調査いたしましたが、こちらも新たな文献等はございませんでした。
また、次のページの5の職業ばく露限界値の有無について、こちらはOELが記載されているところですけれども、改めて確認したところ、記載のとおり、全て黄りんの値であったということでございましたので、「(黄りん)」という記載を追記しております。
戻っていただきましてコメントのところでございますけれども、そのため根拠論文等の記載は変更ありませんが、前回御確認いただきましたとおり、赤りんの知見については煙による知見のみとなっているところでございます。そのため、前回の御議論も踏まえまして、結論部分ですけれども、赤りんの反応物の有害性の知見はあるが、濃度基準値を設定する根拠としては十分とは言えないと判断し、現時点では濃度基準値は「設定できない」を提案させていただきます。
以上となります。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの提案も含めまして、2物質ですが、1物質ずつ議論していきたいと思います。
まず2-アミノピリジンについてですが、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値「設定できない」ということですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、2-アミノピリジンにつきましては、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、赤りんについてですが、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値「設定できない」という提案ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、赤りん、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、資料2-2の検討を行います。
事務局から説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、続きまして、資料2-2を御覧いただければと思います。
2-2の1ページ目のアセトアミドを御覧いただければと思います。
こちらにつきましては詳細調査となっておりまして、アセトアミドの8時間濃度基準値としては10 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文に記載の3文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、肝障害を臨界影響としたNOAELを394 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した10 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、3ページ目の臭化エチルでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、臭化エチルの8時間濃度基準値としては5 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、提案理由としましてはコメントの記載のとおりですけれども、まとめとして、動物実験の結果から、子宮腫瘍を臨界影響としたLOAELを100 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した5 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、5ページのブロモ(クロロ)メタンでございます。
ブロモ(クロロ)メタンにつきましては詳細調査不要で初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として100 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の3文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、肝相対重量増加を臨界影響としたLOELを370 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した100 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも御確認いただければと思います。
続きまして、7ページの弗化ビニリデンでございます。
弗化ビニリデンにつきましては詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値として250 ppmを提案いたします。
根拠文献等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましては濃度基準値の提案の理由のところに記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、血液学的異常を臨界影響としたNOAELを500 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した250 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、9ページのジブロモジフルオロメタンでございます。
こちらについては、8時間濃度基準値、短時間濃度基準値ともに「設定できない」を提案いたします。
こちらは根拠論文等はございません。コメント欄を見ていただければと思いますけれども、本物質に係る知見を収集したが、濃度基準値の設定に資する長期ばく露による影響に係る知見に乏しいことから、8時間濃度基準値は「設定できない」を提案するとしております。
続きまして、11ページのロテノンでございます。
ロテノンにつきましては詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.3 mg/m3提案いたします。
こちらの根拠論文としましては記載のとおり2文献となっておりまして、提案の理由としましては記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、児の体重減少を臨界影響としたNOAELを0.38 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.3 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、13ページのプロピレングリコールメチルエーテルアセタートでございます。
こちらの物質は初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として50 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の1文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物実験の結果から、呼吸上皮化生を臨界影響としたLOELを300 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した50 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、ジイソブチルケトンでございます。
こちらの物質は初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として15 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、病理学的変化を伴わない肝・腎重量増加を臨界影響としたLOELを250 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した15 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、17ページのチオフェノールでございます。
こちらの物質は詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としては0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、母動物の組織学的異常を伴う肝・腎相対重量増加を臨界影響とした9 mg/kg bw/dayをLOAELと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、19ページの1-ペンタナールでございます。
こちらの物質も詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として30 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、感覚刺激を臨界影響として提案されたRD50値1,121 ppm から導出した30 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、21ページのN-メチルホルムアミドでございます。
こちらの物質は詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値として1 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましては理由の欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、母動物に認められた軽度の呼吸困難及び胎児の体重減少を臨界影響としたNOAECを15 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、23ページのアゾジカルボンアミドでございます。
こちらの物質は詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.02 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、疫学研究結果から、皮膚粘膜刺激症状を臨界影響としたLOAELを36.1 μg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.02 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、酢酸ベンジルでございます。
こちらの物質も初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として10 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、ヒトでの気道刺激作用を臨界影響とした81 ppmをLOAELと判断し、不確実係数を考慮した10 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、27ページのりん酸ジメチル=(E)-1-(N,N-ジメチルカルバモイル)-1-プロペン-2-イル、ジクロトホスでございます。
こちらの物質は初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.005 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりでございますけれども、まとめとしましては、動物実験の結果から、赤血球、脳コリンエステラーゼ活性抑制を臨界影響としたLOELを0.02 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.005 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、2-メルカプトベンゾチアゾールでございます。
こちらの物質につきましては詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として10 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の3文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、動物試験の結果から、下垂体の腫瘍性変化を有害影響とした188 mg/kg bw/dayをLOAELと判断し、不確実係数等を考慮した10 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
続いて、31ページのジメチル-パラ-ニトロフェニルチオホスフェイト、メチルパラチオンでございます。
こちらの物質につきましては詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値として 0.02 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の5文献となっておりまして、提案の理由としましては理由の欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとしましては、動物実験の結果から、赤血球系の異常を臨界影響としたNOAELを0.025 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.02 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、34ページの3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、ジウロンでございます。
こちらの物質につきましては初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の6文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、赤血球系の異常を臨界影響としたLOAELを1 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、37ページのジアゾメタンでございます。
こちらの物質につきましては詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として「設定できない」を提案いたします。
こちらの物質につきましては、根拠論文としては1文献でございます。また、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、8時間濃度基準値の設定に資する情報が不十分であることから、現時点では8時間濃度基準値は「設定できない」と判断するとしております。
続いて、39ページの1,1-ジクロロ-1-ニトロエタンでございます。
こちらの物質も初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値については「設定できない」を提案いたします。
根拠論文は1文献ございますけれども、内容としてはコメントに記載のとおりでございます。まとめとしましては、動物試験の結果から、有害性に係る知見はあるが、8時間濃度基準値の設定に資する情報が不十分であり、現時点では濃度基準値は「設定できない」と提案するとしております。
続きまして、41ページのN,N-ジメチルエチルアミンでございます。
こちらの物質につきましては詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として2 ppm、短時間濃度基準値として5 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、ヒトの報告から、視覚障害を臨界影響としたNOAELを5 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。また、ヒトの報告から、短時間ばく露で視覚障害等を認めなかった最大値が5 ppmであることにより、短時間濃度基準値として5 ppmを提案するとしております。
すみません、ここまでで20物質となりますので、一区切りさせていただいて、一物質ずつ御議論いただければと思います。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
それでは、今の事務局案を踏まえまして一物質ごとに議論していきたいと思いますが、まず1番目、アセトアミド、8時間濃度基準値10 mg/m3ということですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、アセトアミド、8時間濃度基準値10 mg/m3といたします。
続きまして、臭化エチル、8時間濃度基準値5 ppm、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。―よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、臭化エチル、8時間濃度基準値5 ppmといたします。
続きまして、ブロモ(クロロ)メタン、8時間濃度基準値100 ppm、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、ブロモ(クロロ)メタン、8時間濃度基準値100 ppmといたします。
続きまして、弗化ビニリデン、8時間濃度基準値250 ppm、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、弗化ビニリデン、8時間濃度基準値250 ppmといたします。
宮本委員、お願いします。
○宮本構成員 すみません、意見というか、教えていただきたいことだけです。
この数値自体に異議があるわけではないのですけれども、NIOSHが1 ppmという数字で、随分と差があるのですが、これは何でこんな差が出るのか、もし御存じでしたら教えていただきたいと思ったのです。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 これは我々も気がつきまして、何でこんななのだということで、NIOSHのほうを調べていただいたのですが、NIOSHのドキュメンテーションがなくて、残念ながら1 ppmの理由が分からないのです。それが今の現実でございます。何で1 ppmなのか、僕らも全然分かりません。
○城内座長 よろしいでしょうか。
○宮本構成員 はい。
○城内座長 ありがとうございます。
続きまして、ジブロモジフルオロメタン、8時間濃度基準値「設定できない」、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 文献がないということなのですけれども、ACGIHとかOSHA、NIOSHにはTLVとかあるのです。これは使えないということなのでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 ACGIHの知見等の設定根拠とかも確認していただいたのですけれども、ACGIHの知見を見ると、動物の系統であるとか雌雄であるとか匹数であるとか、詳細が分からないというところがありまして、今回、専門検討会でも議論いただき実際に根拠にできる文献はないと判断したということでございます。
○保利構成員 分かりました。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 ACGIHが使っているのは1文献なのですが、それが1濃度試験で、影響なしという結果の試験なのです。さすがにそこから8時間は持ってこられないということで、「設定できない」といたしました。
○城内座長 よろしいでしょうか。―ありがとうございます。
それでは、ジブロモジフルオロメタンにつきましては、8時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、ロテノン、8時間濃度基準値0.3 mg/m3、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、ロテノンにつきましては、8時間濃度基準値0.3 mg/m3といたします。
続きまして、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、8時間濃度基準値50 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 この物質は産業界で結構たくさん使われていて、半導体関係の洗浄剤で私もよく見てきたのですけれども、外国で短時間ばく露を定めているものがたしかあるのです。眼とか気道に刺激があるというので。こういう短時間の刺激というのは今回、論文の中ではこの辺は出ていなかったと思うのですけれども、そういうことで特に定めないということでよろしいのでしょうかという確認です。
○城内座長 事務局、ありますでしょうか。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 今の刺激の件は、GHS分類の眼に対する重篤な刺激等々が区分2Bということなので、あるのは間違いないと思います。ただ、集めた文献からは短時間濃度基準値をつくるような情報はなかったということです。
○宮内構成員 分かりました。
○大前構成員 それからもう一つ、同じようにMAKも50 ppmがTWAで、ピークリミットが1ですから、刺激のあることは認めているということにはなります。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほかに御意見等はございませんでしょうか。
それでは、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、8時間濃度基準値50 ppmといたします。
続きまして、ジイソブチルケトン、8時間濃度基準値15 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 これはエンドポイントとしてラットで肝細胞肥大を伴う肝重量増加というようなことですよね。肝・腎重量増加ということなのですけれども、確かにラットで上がっていますけれども、もう一方では雄のモルモットで肝重量が低下したとかいうことがあって、一定の傾向ではないような感じもします。それと、ヒトボランティアで50 ppmと100 ppmで刺激が見られたというのがありますので、こちらのほうを根拠にしたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○城内座長 事務局、いかがでしょうか。
○藤田化学物質評価室長 ヒトボランティアのほうは蒸気3時間なので、短時間であれば刺激をエンドポイントにすることはできると思いますけれども、今回は8時間のほうの濃度基準なので、エンドポイントは長期試験から取ってきているところでございます。どの試験を取るかというのは専門家会議で検討されて、肝重量を取るとなったのかなと理解しております。
すみません、大前先生、もし補足等ありましたら、お願いいたします。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 今の8時間のデータは8時間濃度基準値にしか使えないということはおっしゃられたとおりです。
それから、3時間のデータを短時間濃度基準値としてつくるかつくらないかというのは判断の問題だと思うのですけれども、一応短時間濃度基準値は15分の話なので、どうしようかといつも議論になるところなのです。今回はそれを専門家会議では取らなかった、そういう判断をしたということです。
それから、肝臓の話は、最後のところで、「以上より、動物試験の結果から、病理学的変化を伴わない」と、そういうタイプの肝臓に対する影響なので、そんなに大した影響ではないということで、数字をLOAELという形で取っております。
○保利構成員 変化があったということは確かにそうだと思いますので、それは了解しました。
○城内座長 そのほかに御意見等いかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、ジイソブチルケトンにつきましては、8時間濃度基準値15 ppmといたします。
続きまして、チオフェノール、8時間濃度基準値0.5 mg/m3、これについて御意見等ありましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、チオフェノール、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、1-ペンタナール、8時間濃度基準値30 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、1-ペンタナール、8時間濃度基準値30 ppmといたします。
続きまして、N-メチルホルムアミド、8時間濃度基準値1 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、N-メチルホルムアミド、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、アゾジカルボンアミド、8時間濃度基準値0.02 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 先ほどと同じような話になりますけれども、外国では短時間のばく露濃度、ピーク値等が定められていて、今回は特にないのですけれども、呼吸器感作性と皮膚感作性が区分1だということ、あとは、特に刺激等はないと思うのですけれども、こういう場合も論文等で明確な短時間の影響等がないのでということが根拠で特に定められているということでよろしいのかなという確認であります。
○城内座長 事務局、お願いします。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。事務局でございます。
御指摘のとおり、今回得られた論文からは短時間濃度を設定するようなものがなかったということで、8時間を設定しているということでございます。ありがとうございます。
○宮内構成員 分かりました。結構古い論文だったのもあって、新たな形で出てくれたらきちんと設定できるかなと思っていたのですが、了解いたしました。
○城内座長 そのほかはよろしいでしょうか。
では、アゾジカルボンアミド、8時間濃度基準値0.02 mg/m3といたします。
続きまして、酢酸ベンジル、8時間濃度基準値10 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、酢酸ベンジル、8時間濃度基準値10 ppmといたします。
続きまして、別名ジクロトホス、8時間濃度基準値0.005 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、別名ジクロトホス、8時間濃度基準値0.005 mg/m3といたします。
続きまして、2-メルカプトベンゾチアゾール、8時間濃度基準値10 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、2-メルカプトベンゾチアゾール、8時間濃度基準値10 mg/m3といたします。
続きまして、別名メチルパラチオン、8時間濃度基準値0.02 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、別名メチルパラチオン、8時間濃度基準値0.02 mg/m3といたします。
続きまして、別名ジウロン、8時間濃度基準値0.5 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 2か所修正をお願いします。
1か所目は、コメントの3行目、「生存率」とありますけれども、これは「生存数」。数なので、「数」と直していただきたいと思います。
それから、もう一カ所は、その次のページの4番の文献の一番最初の行、Wistarラットのスペルが違っているので、よろしくお願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 はい、承知しました。修正いたします。
○城内座長 そのほかに御意見等はございますでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野構成員 すみません、本題とは違うのですけれども、測定法の一番右の備考の内容で、IVFの計算値からすると固体の評価なのですけれども、物質が固体なのでフィルターだけでいいのですが、実際には固体捕集のガスも捕集できるようなシステムになっています。その根拠が「使用方法を考慮して」と。「使用方法を考慮して」というときは基本フィルターをつけるかどうかという判断をするところなので、この表現では両方を捕集するシステムを採用していることの説明として不適切だなと今になって思っております。気温の変化等によって、温かいところで使うとか、そういう場合に気化する可能性も。温度が高いところでの蒸気圧での評価とかはしていませんので、「使用方法を考慮して」でいいのかな。間違いではないけれども、いつもの根拠とは違うことになるので、どうしようかな。いいのかな。固体捕集を組み合わせるという書き方はしないで、使用方法を考慮して、作業環境では相補型という2段組合せの方法、ろ過捕集と固体捕集を組み合わせる。結局同じかな。ちょっと書きぶりが気になりましたので、どうしましょう。
○田上中央労働衛生専門官 次回までに。またこの資料も次回出てくると思いますので、それまでに文言については相談させていただければと思います。いずれにせよ、固体捕集と組み合わせるということについては変わりはないと思いますので。
○小野構成員 この根拠の部分だけ気になるということです。よろしくお願いします。
○城内座長 では、次回に向けて修正等をお願いします。
そのほかに御意見等ございませんでしょうか。
では、ジウロンにつきましては、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、ジアゾメタン、8時間濃度基準値「設定できない」、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、ジアゾメタン、8時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、1,1-ジクロロ-1-ニトロエタン、8時間濃度基準値「設定できない」、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、1,1-ジクロロ-1-ニトロエタン、8時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、N,N-ジメチルエチルアミン、8時間濃度基準値2 ppm、短時間濃度基準値5 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、N,N-ジメチルエチルアミン、8時間濃度基準値2 ppm、短時間濃度基準値5 ppmといたします。
以上で前半の検討課題が終わりましたが、ここで休憩いたしますか。
○長山環境改善・ばく露対策室長 それでは、残りの17物質を検討する前に一旦10分ちょっと休憩したいと思います。15時5分から再開いたしますので、それまでにお席にお戻りいただきますようお願いいたします。

午後2時53分 休憩

午後3時05分 再開

○城内座長 それでは、後半の議事を再開いたします。
濃度基準値について、続いて残りの17物質の検討を行います。
事務局から説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 残りの17物質につきまして、先ほどの資料2-2で御説明したいと思います。
ページ数としましては、43ページを御覧いただければと思います。
まず43ページのメトキシ酢酸でございます。
こちらの物質につきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の3文献となっておりまして、根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物実験の結果から、発達毒性を臨界影響としたNOAELを2.5 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、45ページです。N-イソプロピルアニリンでございます。
こちらの物質は詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、メトヘモグロビン血症を臨界影響としたLOELを5.3 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.5 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、47ページでございます。エチルメチルケトンペルオキシドでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として1 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の3文献となっておりまして、根拠等はコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとしては、動物試験の結果から、皮膚粘膜刺激及び体重増加抑制を臨界影響とした50 mg/kg bw/dayをNOAELと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。また、この値は、急性ばく露による臨床症状が遅発性の角膜炎の防止にも有効と考えられると記載しております。
続きまして、49ページの別名でカルボフランでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として 0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の6文献となっておりまして、根拠等はコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、赤血球及び脳のコリンエステラーゼ活性阻害を臨界影響としたNOAELを5 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した 0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、52ページのトリグリシジルイソシアヌレートでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として 0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物実験の結果から、雄の受精能を臨界影響としたNOELを2.5 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、54ページの別名でクロルピリホスでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として 0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の5文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験での赤血球コリンエステラーゼ活性抑制を臨界影響とした0.1 mg/kg bw/dayをNOAELと判断し、不確実係数等を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、57ページ、塩素化カンフェンでございます。別名トキサフェンです。
こちらも詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としまして0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の7文献となっておりまして、根拠につきましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、神経毒性及び肝細胞がんを臨界影響としたLOAELを99 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、60ページの臭化水素でございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値として「設定できない」、短時間濃度基準値として1 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましては理由欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、ヒトの知見から、鼻の刺激性を臨界影響としてNOAELを2 ppmと判断し、不確実係数を考慮した1 ppmを短時間濃度基準値として提案するとしております。なお、長期ばく露による知見がないこと等から8時間濃度基準値は「設定できない」と判断するとしております。
続きまして、62ページの二酸化塩素でございます。
こちらの物質については初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.05 ppm、短時間濃度基準値として0.1 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の5文献となっておりまして、根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、皮膚粘膜及び肺の影響を臨界影響としたLOELを1 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.05 ppmを8時間濃度基準値として提案するとしております。また、本物質の吸入での致死濃度がGHS急性毒性区分1相当であること等を考慮し、0.1 ppmを短時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、別名でカルベンダジムでございます。
こちらの物質は詳細調査不要で初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として 5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとしては、動物試験の結果から、体重増加抑制を臨界影響としたNOAELを3.8 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、67ページのトリシクロヘキシルすず=ヒドロキシドでございます。
こちらの物質は初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として、スズとして0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の3文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、胆管の過形成及び網膜の萎縮を臨界影響としたNOAELを0.34 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.05 mg Sn/m3を8時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、70ページの別名でDOTEでございます。
こちらの物質は詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値としてスズとして0.1 mg/m3を提案するといった内容になっております。
根拠論文としましては3文献となっておりまして、設定の根拠としましては理由の欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物実験の結果から、胸腺の重量減少を臨界影響としたNOAELを0.55 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.1 mg Sn/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、72ページ、こちらも別名でメソミルでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の4文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物における試験結果から、雄ラットで認められた生殖毒性を臨界影響としたLOAELを0.5 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するという内容になっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、74ページのシアナジンでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としては0.1 mg/m3を提案するといった内容になっております。
根拠論文等は記載の5文献となっておりまして、設定の根拠としてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の知見より、乳腺がん及び線維腺腫を臨界影響としたNOAELを0.259 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.1 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するという内容になっております。
続きまして、77ページのジニトロトルエン(異性体混合物)でございます。
こちらの物質は詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として0.2 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の3文献となっておりまして、設定の根拠としてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、肝障害及び肝胆管系等の腫瘍性病変を臨界影響としたLOAELを3.5 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.2 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するという内容になっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、79ページのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートでございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として20 ppmを提案します。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、設定の根拠としてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、中枢神経系への影響、外部刺激に対する反応の低下を標的影響としたNOAELを100 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した20 ppmを8時間濃度基準値として提案するといった内容になっております。
最後、81ページでございます。ニトリロ三酢酸でございます。
こちらは詳細調査不要で初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として3 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、根拠としましてはコメント欄に記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、膀胱移行上皮の過形成を臨界影響としたLOELを200 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した3 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
御説明は以上になります。
○藤田化学物質評価室長 続きまして、事前に質問を頂いておりますので、事務局から御説明させていただきたいと思います。
質問自体は机上配付されていると思いますけれども、一応読み上げさせていただければと思います。
物は62ページの二酸化塩素でございます。
8時間濃度基準が0.05 ppm、短時間濃度基準が0.1 ppmの設定が検討されております。この化学物質は常温・常圧において気体状であり、CREATE-SIMPLE等の簡易な数理モデルによるばく露推定ができない化学物質であります。
この化学物質の用途は、特に消毒・殺菌等であると思われ、その用途への規制は各国様々であると思われるが、例えば日本においては事業場において水の殺菌等の用途でこの物質が一定量含まれるものを使用することはあり得ると思われる。
この化学物質へのばく露のおそれがある場合、それぞれの濃度基準について測定・評価が必須となり、その結果によってはばく露低減措置の実施や健康診断等の対応が要求されることとなると思われる。
このように、常温・常圧で気体状の化学物質で広く一般の用に供されるものであって濃度基準値が設定される化学物質については、CREATE-SIMPLE等の数理モデルが使えず、現実的な対応が難しいと思われるケースが出てくると思われる。何らか、このようなケースにおいてばく露状況を簡易に判断できるガイド文書等が必要ではないか。
といった御意見を頂いております。
今回、御意見、御質問で頂きましたとおり、二酸化塩素は常温・常圧で気体でございます。CREATE-SIMPLEですが、常温・常圧で気体のものは数理モデルによるばく露推定の対象外となってございます。したがいまして、現在できることといたしましては、簡易に確認する方法として、検知管等によって気中濃度を測定する方法がございます。これらによって、濃度によってはリスクアセスメントに御活用いただくことは可能と考えております。
なお、主として一般消費者の用に供される製品であり、これに基づく表示がなされているような製品、例えば、その他一般消費者が家庭等において私的に使用することを目的として製造又は輸入されているような製品ですね、このようなものについてはリスクアセスメント及びその結果に基づく措置の対象外でございますので、そのような場合は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の対象外であるとなってございます。
以上、御質問への回答でございます。
○城内座長 それぞれの物質に対する事務局からの説明、それから御質問に対する回答がありました。
これから一物質ずつ議論していきたいと思います。
まず最初に43ページのメトキシ酢酸から参りますので、よろしくお願いします。
メトキシ酢酸、8時間濃度基準値0.5 ppmにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
平林委員、お願いいたします。
○平林構成員 基準値のお話ではなくて、細かいところで恐縮ですが、根拠のところで「発達毒性」と書かれていたかと思いますが、これは胎児の状況で奇形が出たというようなお話だったかと思いますので、「発生毒性」のほうが適当ではないかと思います。
○城内座長 事務局から。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。修正いたします。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほかに御意見等ございますでしょうか。
それでは、メトキシ酢酸、8時間濃度基準値0.5 ppmといたします。
続きまして、N-イソプロピルアニリン、8時間濃度基準値0.5 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、N-イソプロピルアニリン、8時間濃度基準値0.5 ppmといたします。
続きまして、エチルメチルケトンペルオキシド、8時間濃度基準値1 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、エチルメチルケトンペルオキシド、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、別名カルボフラン、8時間濃度基準値0.05 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、別名カルボフラン、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、トリグリシジルイソシアヌレート、8時間濃度基準値0.05 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、 トリグリシジルイソシアヌレート、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、クロルピリホス、8時間濃度基準値0.05 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、クロルピリホス、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、塩素化カンフェン、8時間濃度基準値0.5 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、塩素化カンフェン、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、臭化水素、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値1 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、臭化水素、8時間濃度基準値「設定できない」、短時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、先ほど御質問に対する回答もありましたが、二酸化塩素、8時間濃度基準値0.05 ppm、短時間濃度基準値0.1 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、二酸化塩素、8時間濃度基準値0.05 ppm、短時間濃度基準値0.1 ppmといたします。
続きまして、別名カルベンダジム、8時間濃度基準値5 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、カルベンダジム、8時間濃度基準値5 mg/m3といたします。
続きまして、トリシクロヘキシルすず=ヒドロキシド、8時間濃度基準値0.05 mg Sn/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
宮本委員、お願いします。
○宮本構成員 また教えてください。スズとしてというのが出ているので、その影響だろうと思うのですけれども、ほかのACGIHとかNIOSHだと5 mg/m3になっていて、また2桁違うのですが、これはスズとしてだからという理解でよろしいですか。
○城内座長 事務局、お願いします。
○藤田化学物質評価室長 事務局でございます。
まず1つは、ACGIHの設定年度が1996年とちょっと古くなっておりまして、今回用いた論文は新しいものも採用されてございます。さらに、ACGIHのほうはスズとしてではなくて全体としてと設定されているところ、我々としては、今までもスズ化合物はたくさんあったと思いますので、それと同様、スズとしてということで設定しているということでございます。
○宮本構成員 分かりました。ありがとうございます。
○城内座長 そのほかに御意見等ございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、トリシクロヘキシルすず=ヒドロキシド、8時間濃度基準値、0.05 mg Sn/m3といたします。
続きまして、別名DOTE、8時間濃度基準値、0.1 mg Sn/m3、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、別名DOTE、8時間濃度基準値、0.1 mg Sn/m3といたします。
続きまして、別名メソミル、8時間濃度基準値0.05 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 別紙2-1の化学物質名のところに「別名:メソミル」というのも入れていただきたい。お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 分かりました。一覧のほうにも追記するようにします。
○城内座長 そのほかに御意見等ございますでしょうか。
では、別名メソミル、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、シアナジン、8時間濃度基準値0.1 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、シアナジン、8時間濃度基準値0.1 mg/m3といたします。
続きまして、ジニトロトルエン(異性体混合物)、8時間濃度基準値0.2 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、ジニトロトルエン(異性体混合物)、8時間濃度基準値0.2 mg/m3といたします。
続きまして、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、8時間濃度基準値20 ppm、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、8時間濃度基準値20 ppmといたします。
続きまして、最後の物質ですが、ニトリロ三酢酸、8時間濃度基準値3 mg/m3、これにつきまして御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、ニトリロ三酢酸、8時間濃度基準値3 mg/m3といたします。
これで本日予定の全ての物質の濃度基準値の審議が終わりましたが、最終結果はいかがでしょうか。事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 本日御検討いただきました物質、保留となっていた2物質と新規で御検討いただきました37物質でございますけれども、こちらの物質については全て皆様の御了解が得られましたので、今後取りまとめをさせていただきたいと思います。
以上になります。
○城内座長 ありがとうございます。
修正等はよろしくお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 はい。
○川本構成員 すみません、1点よろしいでしょうか。
○城内座長 はい。
○川本構成員 本日の濃度基準値について特に意見はないのですけれども、今回プロピレングリコール系の溶剤が2題出まして、ちょっと名称が気になったもので。1つが、前半に出てきますけれども、「プロピレングリコールメチルエーテルアセタート」です。それから、最後から2つ目が「プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート」なのです。前のほうは「モノ」がつかずに、「アセテート」を「アセタート」と呼ぶ。最後から2番目のほうは「モノエチル」で「モノ」がついている。先ほどのも「モノ」という名称はついていないけれども、物質としてはモノメチルなのですけれども。そして次のは「アセテート」ということで、日本語読みの関係で、これはリスクアセスメント対象物としてこういう名称になっているのか、できたらある程度同じように統一したほうがいいかなと思います。そして、「アクリル酸」も「アクリラート」と書かれているのがありますので、その辺も考えてみられたらと思いました。
以上です。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 こちらの物質名に記載しているのは、整理としてはGHS分類の名称にしておりますので、内容を確認し、整理を統一したいと思います。また、法令名称というか、告示するときにはまた法令名称に合わせて、リスクアセスメント対象物質の名前とひもづけて命名することとされております。
○川本構成員 ありがとうございます。
○城内座長 よろしくお願いいたします。
あとはよろしいですか。

(2)その他

○城内座長 続きまして、最後に「その他」ということで、事務局からよろしくお願いします。
○田上中央労働衛生専門官 「その他」のところでございます。環境改善・ばく露対策室の田上でございます。
今回、測定法で新規に提案するものはないのですけれども、資料1-1を御覧いただければと思います。No.125のテメホスにつきまして、前回、濃度基準値が承認されていて、測定法につきましては第5回で承認されているものでございましたけれども、測定法を事前に検討していたOELと比べて濃度基準値が大分下がってしまいましたので、測定法につきまして改めて、濃度基準値に対して有効な測定法について検証する必要があるということで、こちらは承認というステータスからペンディングということでPに引き戻すというような形とさせていただければと思います。
あと、資料1-2もほぼ同様の理由から、マラチオンが第5回で承認されているのですけれども、Pに引き戻すという形で、こちらは濃度基準値は設定されていないのですけれども、農薬系ということで、OELと比べて濃度基準値のほうが低く設定されがちということですので、低い濃度でも測定可能かというところを再度検証するということで、こちらも一旦Pに引き戻すというような形とさせていただければと思います。
また、本日濃度基準値が承認された物質で、測定方法が先行して検討会で承認されたものにつきましても、恐らく同じような形で一部要検証というような形になる物質が発生する見込みですので、そちらにつきましては次回の検討会の際に整理して御報告させていただければと考えております。
御説明は以上となります。
○長山環境改善・ばく露対策室長 事務局として「その他」としては今の測定方法の報告のほかは用意しておりませんので、本日の議事としては以上となります。
本日の議事録については、後日構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
次回の日程でございますけれども、2月10日の月曜日、午後2時から5時ということで予定しております。構成員名簿のうち、前半で「全般に関する事項」、「毒性に関する事項」の先生方、後半に「全般に関する事項」と「ばく露防止対策に関する事項」の先生方に御参集いただく予定としております。検討事項としては、個別に検討いただく物質があれば前半は濃度基準値の検討について、後半は今年度の検討会報告書案についてを予定しております。正式な開催案内などは後日お送りさせていただきたいと思います。
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。
以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。今日は余裕を持って終わることができました。誠にありがとうございます。

午後3時47分 閉会