令和6年度 第7回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和6年12月23日(月) 14:00~16:32

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール 14E
東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング14階

議事内容

午後2時00分 開会

○長山環境改善・ばく露対策室長 本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、定刻になりましたので、令和6年度第7回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。どうぞよろしくお願いします。
本日は、前半の部分で濃度基準値の検討、後半に濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について検討することとしております。
そのため、開催要綱別紙の構成員名簿の全ての先生方に参集いただいております。
現在の出席者は17名で、うち、大前構成員、高田構成員、武林構成員、津田構成員がオンライン参加となっております。山室構成員については測定方法の議題から参加となります。また、武林構成員におかれては15時めどで所用により退席されると伺っております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しておりますので、会場参加の皆様は、御発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いいたします。
オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きましてマイクをミュートに設定いただきますようよろしくお願いいたします。
また、御発言の際に、あらかじめチャットで御発言の旨を入れていただくか、又はお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてから発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、御承知置きください。
また、本日の会議は公開としており、一般傍聴者につきましてはWebでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長 城内です。よろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 資料としては、議事次第と配付資料一覧があり、資料としては資料1から資料4-2まで、参考資料としては参考1から参考5まで御用意しております。それぞれタブレットに格納しておりますが、検討対象物質の一覧の資料3-1と3-2と4-2は印刷した資料も配付しております。
会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては資料に抜けなどございませんでしょうか。
オンラインで参加いただいている先生にも資料を事前にメールで送付させていただいておりますけれども、何かありましたら事務局までお知らせください。
本日の資料は、厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらを御覧いただきたいと思います。
資料の確認は以上でございます。

(1)濃度基準値の検討について

○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
議事1「濃度基準値の検討について」ですが、本日は31物質について検討する予定としております。事務局から資料の説明をお願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、議事1の「濃度基準値の検討」につきまして、化学物質対策課の小永光から説明させていただきます。
説明させていただいた後、個別の物質ごとに御議論いただければと思います。
また、検討に必要な一次文献につきましてはタブレットに格納してございますので、必要に応じて御確認いただければと思います。
それでは、資料を説明させていただきます。
まず資料1-1ですけれども、こちらが本年度の濃度基準値検討対象物質のリストとなっておりまして、このリストのうち、本日検討いただく物質は、○がついております31物質となっております。また、資料1-2ですけれども、こちらは令和5年度再審議分のリストとなっておりまして、このリストから、本日は○がついている2物質について検討いただくことになっております。
それでは、個別の検討資料の資料2を御覧いただければと思います。
まずページ番号1番のダラポンから説明させていただきます。
こちらは詳細調査不要で初期調査となっておりまして、ダラポンの8時間濃度基準値としましては5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文のところに記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、腎重量の増加を臨界影響としたNOAELを15 mg/kg bw/day と判断し、不確実係数等を考慮した5 mg/m3 を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、3ページのヘキサクロロシクロペンタジエンでございます。
こちらは詳細調査を行っておりまして、ヘキサクロロシクロペンタジエンの8時間濃度基準値としましては0.005 ppmを提案いたします。
根拠論文はこちらに記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりで、長いですけれども、まとめとして、動物実験の結果から、体重増加抑制及び呼吸器の扁平上皮化生を臨界影響としたNOAELを0.04 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.005 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも御確認いただければと思います。
続きまして、6ページのジメチルカルバモイル=クロリドでございます。
こちらは初期調査となっておりまして、ジメチルカルバモイル=クロリドの8時間濃度基準値は「設定できない」を提案いたします。
根拠論文は根拠論文欄に記載の4文献となっておりまして、提案の理由としましては記載のとおりですけれども、まとめとして、本物質は発がんが認められており、また遺伝毒性があることが指摘されていることから、濃度基準値は「設定できない」と判断すると記載しております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、8ページの2-ニトロプロパンでございます。
2-ニトロプロパンは初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としては「設定できない」を提案いたします。
根拠文献等は根拠論文欄の4文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄のとおりですけれども、まとめとして、本物質は動物試験での発がんが認められており、また遺伝毒性があることが指摘されていることから、濃度基準値は「設定できない」と判断するとなっております。
続きまして、10ページのビスフェノールAでございます。
こちらは初期調査となっておりまして、ビスフェノールAの8時間濃度基準値は2 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の3文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、粘膜下層の慢性炎症・上皮過形成及び親動物の体重増加抑制、肝臓・腎臓重量の減少を臨界影響としまして、NOAEL をそれぞれ10 mg/m3及び5 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した2 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントとしては、近年生殖毒性と発生毒性の知見があることから、今後は早期に確認・検討が必要であると記載させていただいております。
続きまして、12ページ、α-ピネンでございます。
こちらも初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として5 ppmを提案いたします。
根拠論文等はこちらに記載の1文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、マウスの膀胱及び精巣上体への影響を臨界影響としてNOAELを50 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した5 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、14ページのアセトフェノンを御覧ください。
こちらも初期調査となっておりまして、アセトフェノンの8時間濃度基準値としましては20 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文欄に記載の1文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物実験の結果から、刺激性及び神経毒性を臨界影響としたNOAELをそれぞれ75及び225 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した20 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントとしては、記載のとおりですけれども、近年生殖毒性及び発生毒性の知見があることから、今後早期に確認・検討が必要であると記載しております。
続きまして、16ページのアクリル酸2-エチルヘキシルでございます。
こちらの物質も初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値としては2 ppmを提案いたします。
根拠論文等は根拠論文欄に記載の1文献になっておりまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物実験の結果から、体重及び体重増加量の減少、肝機能障害を臨界影響とした10 ppmをNOAELとして、不確実係数等を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続いて、18ページのノルマル-ブチルベンゼンについて御説明いたします。
こちらも初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としましては10 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、提案の理由としましては記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、親動物の腎臓重量の増加を臨界影響としたNOAELを100 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した10 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、20ページのテトラヒドロチオフェンについて御説明いたします。
テトラヒドロチオフェンにつきましても初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値として25 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、提案の理由ですけれども、コメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、皮膚粘膜刺激症状を臨界影響としたLOELを50 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した25 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、22ページのジエチレングリコールでございます。
ジエチレングリコールにつきましても初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値としましては10 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、提案の理由ですけれども、コメントに記載のとおり、まとめとしましては、動物試験の結果から、ラットにおける腎機能障害を臨界影響としたNOAELを105 mg/kg/dayと判断し、不確実係数等を考慮した10 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、24ページのジエチレングリコールジメチルエーテルでございます。
こちらも初期調査のみとなっておりまして、ジエチレングリコールジメチルエーテルの8時間濃度基準値としまして1 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の6文献となっておりまして、提案理由はコメントに記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、生殖毒性を臨界影響としたLOAELを25 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、シクロナイトでございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、シクロナイトの8時間濃度基準値としまして0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の5文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物実験の結果から、化膿性炎症を伴う前立腺肥大を臨界影響としたNOAELを0.3 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、29ページのシマジンでございます。
こちらは初期調査となっておりまして、シマジンの8時間濃度基準値として0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりでございますけれども、まとめとして、動物試験の結果から、体重増加抑制を臨界影響としたNOAELを0.52 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントですけれども、こちらの物質につきましては近年生殖毒性が認められていることから、今後引き続き情報の収集が必要であると記載しております。
続きまして、31ページの2-アミノ-2-メチルプロパノールでございます。
こちらの物質は初期調査となっておりまして、2-アミノ-2-メチルプロパノールの8時間濃度基準値として1 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、提案の理由はコメントに記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、有害影響を認めない2.98 mg/kg bw/dayをNOAELと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、33ページのフタル酸ジメチルでございます。
フタル酸ジメチルにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の4文献となっておりまして、提案の理由はコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、血清テストステロン値の減少、精子の形態異常を臨界影響としたNOAELを40 mg/kg bw/dayと判断し、5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントにつきましても御確認いただければと思います。
続きまして、別名でジラムでございます。
ジラムについては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.01 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の3文献となっておりまして、提案の理由ですけれども、コメント欄に記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果から、気道と肺への局所影響を臨界影響としたNOAECを0.1 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.01 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、乳酸ノルマル-ブチルでございます。
こちらの物質ですけれども、初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として10 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の1文献となっておりまして、提案の理由はコメントに記載のとおりですけれども、動物試験の結果から、皮膚の粘膜の刺激症状を臨界影響としたNOAELを200 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した10 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
次の物質に参ります。
次は、2-アミノピリジンでございます。
2-アミノピリジンにつきましては初期調査となっておりまして、短時間濃度基準値として0.2 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、提案の理由はコメントに記載のとおりですけれども、まとめとして、ヒトの症例報告の知見から、中枢神経の刺激症状を臨界影響としたLOAELを5.2 ppmと判断し、不確実係数を考慮した0.2 ppmを短時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、テトラニトロメタンでございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、テトラニトロメタンの8時間濃度基準値として0.005 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、動物試験の結果から、肺胞と気管支の腺腫又はがんを臨界影響としたLOAECを0.5 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.005 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントでは、発がん性に係る遺伝毒性の知見が十分ではないことから、現時点では閾値のある有害性として評価した、なお、引き続き発がん及び遺伝毒性についての最新の情報を収集・評価する必要があると記載しております。
すみません、今日は33物質と物質数が多いので、これまで20物質の説明をさせていただきました。まずこの20物質につきまして個別に議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○城内座長 事前に頂いた質問等はありませんか。
○小永光有害性調査機関査察官 事前の質問はございませんでした。
○城内座長 分かりました。
それでは、資料2の最初の物質から1物質ずつ検討していきたいと思います。
最初の物質、2,2-ジクロロプロピオン酸、別名ダラポンについてですけれども、8時間濃度基準値5 mg/m3という提案がされていますが、これについて御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、2,2-ジクロロプロピオン酸につきましては、8時間濃度基準値5 mg/m3といたします。
続きまして、ヘキサクロロシクロペンタジエンにつきまして、8時間濃度基準値0.005 ppmについて御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 値のことではないのですけれども、その他のコメントのところで皮膚吸収性有害物質というのが幾つか出ております。例えば皮膚刺激性有害物質ももちろんこの中にたくさん出てきているのですけれども、そこについては特に記載する必要はないということでよろしいのですか。確かに吸収のほうが値を決めるときには重要かなとは思うのですけれども、一応確認のためにお伺いしました。
○城内座長 事務局、お願いします。
○藤田化学物質評価室長 事務局、藤田でございます。御質問ありがとうございます。
皮膚刺激性有害物質につきましては、GHSの分類を見ていただくと分かるので、特段書いていないのですが、皮膚吸収性有害物質については、厚生労働省がこれが吸収性有害物質ですよと決めている表を見ていただくしか分からないので、こちらにも記載しているという整理にしてございます。
○宮内構成員 分かりました。ありがとうございます。
○城内座長 そのほかにコメント等ございますでしょうか。
それでは、ヘキサクロロシクロペンタジエンにつきましては、8時間濃度基準値0.005 ppmといたします。
続きまして、ジメチルカルバモイル=クロリドにつきまして、これは8時間濃度基準値は「設定できない」ということですが、コメント等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、ジメチルカルバモイル=クロリドにつきましては、8時間濃度基準値は「設定できない」といたします。
続きまして、2-ニトロプロパンにつきまして、こちらも8時間濃度基準値は「設定できない」となっていますが、御意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、2-ニトロプロパンにつきましては、8時間濃度基準値は「設定できない」といたします。
続きまして、ビスフェノールAにつきましては、8時間濃度基準値2 mg/m3ということですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、ビスフェノールAにつきましては、8時間濃度基準値2 mg/m3といたします。
続きまして、α-ピネンにつきましては、8時間濃度基準値5 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いします。
それでは、α-ピネンにつきましては、8時間濃度基準値5 ppmといたします。
続きまして、アセトフェノンにつきまして、8時間濃度基準値20 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、アセトフェノンにつきましては、8時間濃度基準値20 mg/m3といたします。
続きまして、アクリル酸2-エチルヘキシルにつきましては、8時間濃度基準値2 ppmですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 基準値については別に問題ないと思うのですけれども、コメントの2行目の22.5 mg/m3というのは「225」の間違いではないでしょうか。「75、22.5、750」と書いてあるのですが、「75、225、750」ですよね。
○小永光有害性調査機関査察官 そうだと思いますので、確認して修正させていただきたいと思います。
○城内座長 そのほかに何かございますでしょうか。
それでは、アクリル酸2-エチルヘキシルにつきましては、8時間濃度基準値2 ppmといたします。
続きまして、ノルマル-ブチルベンゼンにつきまして、8時間濃度基準値10 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
お願いいたします。
○宮本構成員 宮本です。
教えていただきたいのですけれども、19ページで、ちょっとデータが古いのかもしれませんが、GHS分類は「分類できない」がずらっと並んでいて、一つも分類1、2、3、4、5、数字がついたものがないのです。今調べたら、これは令和8年のリスクアセスメント対象物になるということですけれども、もともとこういうところに何か分類がついたときに対象物にするということだったと思うのですが、何もないのに対象物になるというのは、一般の国民から見てこれが対象物だと認識できるものなのでしょうか。今回の数値自体ではなくて、この入り口のところの不安があるので、教えていただければと思います。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 今確認しますので、少々お待ちいただいてもよろしいですか。
○藤田化学物質評価室長 お待たせいたしました。事務局、藤田でございます。
こちらは危険性がついておりまして、引火性液体の区分3というのがついております。GHS分類の危険性又は有害性がついているものがリスクアセスメント対象物になるということが規定されておりますので、今回は危険性のところで令和8年度の対象となるということでございます。
○宮本構成員 すみません、追加です。危険性のほうで対象になるという場合、危険性のほうで何か濃度、ppmとかいうのは言わなくても大丈夫なのですか。これはそれよりもずっと低い値が出ているということでよろしいのですか。
○小永光有害性調査機関査察官 まず前提として、リスクアセスメント対象物質は、今室長から説明がありましたとおり、危険性又は有害性のどちらか、両方で有害性が一つでもつけばリスクアセスメント対象物質にするという方針で、今年、来年、再来年で順次、全部追加させていただいておりまして、その物質の一覧につきましては、ホームページでもこれがリスクアセスメント対象物質ですという形で周知させていただいております。
その上で、このリスクアセスメント対象物質のうち海外でOELが設定されている物質を優先して濃度基準値を設定できないかということで、こちらの場で議論していただいております。
○宮本構成員 分かりました。では、危険、有害の危険のほうがついていればリスクアセスメント対象物だということで周知がされていくから大丈夫という理解でよろしいですね。
○小永光有害性調査機関査察官 はい。
○宮本構成員 ありがとうございます。
○城内座長 そのほかに御意見等ございますか。
小野委員、お願いします。
○小野構成員 今のとの関連なのですけれども、確かに危険性しかないというか、GHS分類がないのは分かります。にもかかわらず、ドイツだけがばく露限界値を設定しています。というところで、有害性について分類できない、評価のしようがないというGHSの基準があるところでわざわざ濃度基準値を設定する必要があるという御判断は、MAKがあるからという考え方でよろしいですか。それとも予防的に設定しているという理解になりますでしょうか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。
当初どの物質に基準値を設定するかというのを決めたときに、リスクアセスメント対象物のうちで海外で基準値が決まっているものということで設定してございます。つまり、ACGIHだけではなくてDFGなどで決めているものから選んでいるということで決めているということです。当初の選び方に従い、文献上も設定値ができる試験結果が出ているということで、濃度基準を提案させていただいているところでございます。
○小野構成員 何となく納得はいかないのですけれども、そういうふうに決めたから決めているし、有害性データも探せばあったから決めているということで、次々ということはないですけれども、幾つかそういう物質がこれから、あとまだ400物質ぐらい残っていますので、そういうときにも前例を踏襲するという考え方で、もちろん有害性データがなければできないでしょうけれども、あるときには設定を考えるというのが現在の基本方針であるという理解でよろしいですか。
○藤田化学物質評価室長 はい、そのとおりでございます。
○城内座長 宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 このGHS分類ですけれども、2010年ですか。古いんですよね。なので、SDSをつくるときに5年以内に見直しをしろということになっているのに、政府モデル分類が古いのはちょっと残念ではありますけれども、古いものしかない場合には新しいデータが出ている可能性もあります。ただ、今回採用した論文も実は2010年よりも古くて、2005年に出ているのです。恐らく古いGHS分類のときにはかなり急いでたくさんの物質をやりましたので、全部原著を探してということはしていなくて、適切なレビューの文書を選んで、そこではっきりしたことが書いてあるやつを採用するという分類の仕方をしていたと思いますので、取りこぼしもあるのかなと。それで、今回はこの2005年の論文が基になっているので、GHS分類があるやつをやるというのは取りこぼさないためにいいと思いますけれども、そこである分類の結果が必ずしも最新ではない場合もありますので、そこは今回の濃度基準の原案をつくる際にはきちんと見ていただいているということだと思います。
以上、コメントです。
○小野構成員 この物質はまだいいのですけれども、有害性の方は文献があればそれで評価をして濃度基準値を設定なさいますけれども、こちらの測定法についてはデータがなくてもそういうものを探して設定していかなくてはいけないという作業が勝手に増えていくというような印象になりますので、そういう面では、データが古いのでここでは設定しないとか持ち越しにするという判断もあってよいのではないかと思います。
以上です。
○城内座長 事務局、ありますか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。
分析法のほうでは大変御苦労をおかけして申し訳ございません。これまでも分析できないというのが結構たくさんありまして、それについては分析法が決まるまで濃度基準値を設定しないという整理にしておりますので、今回こちらは濃度基準値を提案させていただいておりますけれども、今後分析方法がなかなか定まらないということであれば、それが定まるまでは正式に政府として濃度基準値は設定できないということになろうかと思います。申し訳ございません。
○小野構成員 分かりました。以上ですと言いましたけれども、そうなると、決められるまで永遠に分析法を探さなければいけないという事態が生じる可能性がありますので、そこら辺につきましては、あと濃度基準値が低過ぎる場合とか、そういうときに実際にどう進めていくかというようなことについても、また次の段階として御検討いただきたいと思います。
以上です。
○城内座長 そのほかにございますでしょうか。
今の議論はどちらが先かという話なので非常に難しいのですけれども、少なくとも濃度基準値を決めましょうというときには、今日の資料にもありますけれども、最初につくったオレンジ色のパワーポイントに従ってやっていると思いますので、いろいろばく露限界値等が決められているところについては決めていこうということで作業が進んでいるのだろうと思います。
○宮本構成員 すみません、教えてください。宮本です。
こういうのが出たらGHS分類のほうに入れてよと国として働きかけとか何かするのですか。
○小永光有害性調査機関査察官 19ページに記載の分類自体は政府GHS分類の結果でございまして、こちらのGHS分類対象物質につきましては、例えば海外のOELの変更情報等、政府GHSガイダンスに記載の情報リストに基づき情報収集をした上で、どの物質を来年度分類対象とするか検討しているところです。今御指摘いただいたような、濃度基準値が設定されて、GHS分類された年がかなり古いというようなところも考慮に入れて、物質の選定を考えていきたいと思います。
○宮本構成員 ありがとうございました。
○城内座長 実は私もGHS分類との関係で基準値設定を今回見比べたのですけれども、GHS分類のほうでは出てこないものがまだいろいろあります。ただ、それは分類のほうが、宮川委員からも意見があったように、遅れているとか、探っている文献が違うとか、いろいろありますけれども、その辺も、今後、政府分類に基づいたGHSとかというところでは改善していくものだろうと考えています。
それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それで、ノルマル-ブチルベンゼンについてですけれども、8時間濃度基準値は10 ppmにしたいと思います。
続きまして、テトラヒドロチオフェンにつきましては、8時間濃度基準値25 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、テトラヒドロチオフェンにつきましては、8時間濃度基準値25 ppmにしたいと思います。
続きまして、ジエチレングリコールにつきましては、8時間濃度基準値10 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、ジエチレングリコールにつきましては、8時間濃度基準値10 ppmにしたいと思います。
続きまして、ジエチレングリコールジメチルエーテルにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmとなっていますが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、ジエチレングリコールジメチルエーテルにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、シクロナイト、8時間濃度基準値0.5 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、シクロナイトにつきましては、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、シマジンにつきまして、8時間濃度基準値0.5 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、シマジンに関しましては、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、2-アミノ-2-メチルプロパノールにつきまして、8時間濃度基準値1 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
では、2-アミノ-2-メチルプロパノールにつきまして、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
○宮本構成員 すみません、ちょっと教えてください。宮本です。
2018年のGHS分類が何も入っていないけれども、2018年度とここにわざわざ書いてあるというのはどういう意味に考えればいいのでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 これも確認しますけれども、恐らくこれは有害性の部分は変更がなくて、それ以外の環境か危険性のどちらかが変わったということではないかなと思うのですけれども、ちょっと確認します。少々お待ちください。
そうですね。2018年は環境に対する有害性のみの再分類となっておりますので、こういった表記になっているということになります。
○宮本構成員 ありがとうございました。
○宮川構成員 すみません、1点、この基準値の設定には異存はないのですけれども、先ほど別の物質でもって宮本先生から御質問がありました皮膚等障害化学物質ですか、あれは法令で指定されている場合に注意してくださいと書くことになっていると以前事務局から説明を受けたと思うのですけれども、今後検討して、指定したほうがいいものというのに時々気づくことがありますので、先ほど宮本先生が御指摘したやつ、名前を忘れてしまいましたけれども、あれは経皮での急性毒性で区分3がついていますので、気をつけなければいけない物質だと思いますし、今のこの物質も眼の重篤な損傷性で区分1ですので、将来は皮膚等障害というところに入れなければいけない物質かなと思います。毎回全部チェックしているわけではないのですけれども、この原案をつくる会議でもってそういうのがあったときには厚労省のほうに上げていくというようなことを考えてもいいのかなという気がいたしましたので、コメントいたします。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。すみません、お待たせいたしました。
皮膚刺激性有害物質を分類するときに、皮膚腐食性/刺激性とともに、眼の重篤な損傷性/刺激性も考慮して決めていますので、恐らくこの物質は、吸収性にはなっていないですけれども、刺激性物質には該当していると思います。
付け加えまして、今後、皮膚吸収性有害物質の追加も検討しておりまして、文献上こういうのが皮膚吸収性ですよというのがあるものについて、来年度から徐々に毎年度新たに追加するものを検討していただこうかと考えておりますので、そういう文献とか物質がありましたら、また教えていただいて、そちらの俎上に載せていければと思います。ありがとうございます。
○城内座長 法令の立てつけ上は、政府が不浸透性の手袋・保護衣等をつけなさいの1,000物質のほかに、事業者が分類して皮膚腐食性/刺激性とかに該当したものについては、たしか義務がそのままかかるのですよね。リストアップしようがしまいが。
○小永光有害性調査機関査察官 はい。法令が規則で2つ分かれていたと思います。
○城内座長 確認です。ありがとうございます。
では、今の2-アミノ-2-メチルプロパノールにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmにしたいと思います。
続きまして、フタル酸ジメチルですけれども、8時間濃度基準値5 mg/m3、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
○大前構成員 大前ですけれども、よろしいですか。
○城内座長 お願いいたします。
○大前構成員 その他のコメントのところに書いてありますように、この物質の最終的な数字は、コメントのところの一番最後の実験でフタル酸ジエチルで決めているのです。物はフタル酸ジメチルなので、違う物質で決めていることになりますけれども、これは、ジメチル、ジエチルを分析してみると、構造類似性とかトレンド分析の結果より、ジメチルに関してはジエチルのデータを当てはめるのが適当だろうというような見解があるものですから、それを使ってジエチルで決めております。
以上です。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほかにコメント等ございますでしょうか。
では、フタル酸ジメチルにつきましては、8時間濃度基準値5 mg/m3といたします。
続きまして、別名ジラムにつきましては、8時間濃度基準値0.01 mg/m3とありますが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、ジラムにつきましては、8時間濃度基準値0.01 mg/m3といたします。
続きまして、乳酸ノルマル-ブチル、8時間濃度基準値10 mg/m3ですが、これについてコメント等ありましたら、お願いいたします。
それでは、乳酸ノルマル-ブチルにつきましては、8時間濃度基準値10 mg/m3といたします。
続きまして、2-アミノピリジン、短時間濃度基準値0.2 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
お願いいたします。
○川本構成員 川本です。
今回2つの急性中毒事例から短時間の濃度基準値を決められまして、これについて特に異論はありませんけれども、次のページを見ますと、各国の職業ばく露の限界値は8時間濃度基準値が4カ所で出ていて、短時間は英国だけということですが、他国の8時間濃度基準値はこの文献から出たのでしょうか。それともほかの文献があったのでしょうか。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 ちょっとお待ちください。確認します。
○藤田化学物質評価室長 お待たせいたしました。申し訳ございません。
ACGIHはこの2文献、同じ文献を基に設定しているようでございます。
○川本構成員 これから8時間の限界値をつくられたということですね。分かりました。
○宮本構成員 宮本です。すみません。ちょっと似通ってしまうのですが、古い1950年と1951年の2文献でということで、実際の中毒事例の1番のほうはコメントの上のパラグラフだと思うのですが、これは濃度が分からないようですので、2文献目のほうが第2パラグラフに入っていて、こちらが5.2 ppmで、これをLOAELとして採用されていますが、これは中毒は5時間事例なので、5時間のばく露を8時間ばく露に置き換えて安全域を取ってという形でやるのか、それとも15分。15分ばく露だと、短時間は1/20の時間にしていますので、既に相当の安全域が入るのではないかと思うのですけれども、そこからさらにLOAELからだというので物すごく下げて0.2とやってしまっていますが、実際に短時間が0.2だと、8時間にするなら例えばその1/3とか、各国と比べて物すごく低い値で、短時間ばく露もUKと比べて1/10になっているので、実行可能性の面でどうなのでしょうかというのと、この算出の仕方は恐らく他国と違うと思うのですが、今回このかなり古い文献を基に何か考えることがあってこうされたのでしょうか。教えていただければと思います。
○藤田化学物質評価室長 すみません、しばしお待ちください。
すみません、詳しくは大前先生にサポートいただければと思いますけれども、これは5時間のばく露ですけれども、症状が中枢神経ということで、8時間濃度基準というのはその濃度を毎日毎日浴びたら影響が出るようなものについてやりますけれども、短時間というのは急に症状が出るようなものについて危ないよということで設定しているものと思います。この5時間の5.2 ppmから症状の重大性を考慮して安全係数を多めに取りましたというコメントが残っていますので、その辺ではないかと思います。
申し訳ありません、サポートを大前先生にお願いできればと思います。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 この導出の仕方は、5.2から0.2にするという数字の計算の仕方は十分妥当だと思うのですけれども、今、宮本先生がおっしゃったのは、それを短時間にするのか、あるいは8時間にするのかというお話ですよね。
○宮本構成員 はい。
○大前構成員 そうしますと、8時間にすると0.2よりも相当低い数字になります。当然短時間ばく露基準値は8時間濃度基準値よりも高い値なので、もしこれを8時間にするとしたら、0.2をさらに時間で割る。どの時間を使うかは別として、そうなるので、1桁ぐらい低い数字になるのですけれども。
○宮本構成員 同じ70年以上前の文献を使って各国がずっと出している中で、0.5という数字、8時間の0.5なのですけれども、それが短時間で0.2というと随分と下げているような気もするのですがというところが質問です。
○大前構成員 さっき言いましたように、5.2から0.2を導出する部分は全然問題ないと思っているのです。今出ましたLOAELが5.2ですから、例えばLOAELのあれで10を取る。それから影響の重大性、これは病態が24時間以内に回復ですから、結構重症だと思うのです。その病態の重要性から見て、10を取るか、5を取るかは別にして、5.2から0.2を取るのは妥当であろうと。それを8時間にしたって構わないという考え方もあると思いますが、でも、やはりこれは短時間のほうがいいのではないか、安全方向でいいのではないかと思いますけれどね。
それからもう一つは、基本的な問題として、1951年とか1950年の文献の数字が信用できるのかというのはいつも出てくる問題ですけれども、ACGIHが同じ文献を使っているように、こういう文献しか今のところないので、やむを得ないのです。だから使わざるを得ないという大きな問題点は基本的に内蔵している問題点ではありますけれども、仮に5.2をLOAELとして、ここから8時間を持ってくるとしたら、5時間のばく露ですから、どういうふうに計算するのですかね。いつもLOAEL/NOAELは少なくとも10は要るので0.5ぐらいになって、それを8時間に延ばすと、単準に5/8にするぐらいで8時間濃度基準値をつくるというような方針であれば、それでも構わないと思うのですけれども、その割には出てきている影響が強いと思うのです。血圧の上昇、四肢の紅潮、吐き気、これは結構重症なので、短時間のほうがベターだと僕は思いましたし、多分、安衛研の中の議論では、そのほうがいいよね、8時間よりも短時間でやるべきだよねという議論になっていたと思います。
すみません、ちょっと聞きにくかったかもしれませんけれども。
○城内座長 保利委員、お願いします。
○保利構成員 これはばく露は5時間ですよね。短時間の場合は15分なので、5時間のばく露で15分間の基準にするとすると、過剰なばく露ということになるのではないでしょうか。逆に言うと5時間を15分値に直さないといけないのか。
○大前構成員 5時間を15分値に直すときはどうするのだっけ。
○保利構成員 8時間と同じように時間で。
○大前構成員 この5.2 ppmが平均濃度だとすると、これはさっき言いましたように古いやつなので濃度の精度は別として、一応5.2 ppmを5時間ずっとばく露したという前提で考えざるを得ないのです。出てくる影響が神経系への影響なので、影響の出方が結構早いと思うのです。だから、ここのところは本当にどういうふうに判断するかというだけの問題で、例えば8時間に延ばすためにさっき言いましたLOAELの5.2を、少なくともLOAEL/NOAELは10、影響が結構強いので最低10ですから、0.5 ppmでの5/8か。5時間ばく露ですからね。5/8ぐらいにするというような考え方もあると思います。0.5を5/8にすると0.2とか0.3とか、そのぐらいになるのかな。あまり大した差はないのですけれども。それで8時間としても構わないのですけれども、この影響の出方から見るとそれはまずいと思うのです。24時間以内に回復したということは、少なくとも24時間続いているわけですよね。24時間ぴったりではないかもしれませんけれども、相当長い時間続いているわけですよね。そうすると結構重症中毒だと思うのです。というようなことで、15分値にしましょうと安衛研のワーキングではなっていると思います。さっきACGIHが同じ文献でと藤田さんがおっしゃったので、そのACGIHの提案理由自体は全然覚えていないのですけれども、ACGIHは割り切ったのでしょうね。5.2 ppmがLOAELだから、単純に1/10にして、それを8時間にしましょうという割り切りをしたのだと思います。それはどちらでも、考え方の問題、判断の問題だと思うのですけれども、安衛研の委員会は15分間にしましょうという判断をしたということになります。
それから、実際の測定の可能性に関しては全然理解できていないのですけれども、アミノピリジンだと、構造的に言ったら15分間ではサンプリングするのは無理なのかなと。測定法はあると思います。
○宮本構成員 宮本です。大前先生、教えてくださってありがとうございます。
保利先生が今言われたのと同じところだと思うのですが、私が申し上げたのは、5時間を15分にすると、時間だけで1/20になっているので、同じ5時間で、安全域を取って例えば0.2という数字が出たとして、15分にすると時間が物すごく短くなるというので、これは過剰な制限になっていないですかというのが質問だったのですが、それも含めてですか。
○大前構成員 それも含めてです。過剰な制限だという意見も当然あり得ると思います。だから、あとは、過剰だという意見を取るか、あるいは中枢神経系への影響が早く出そうだから相当重症だということで、じゃあ短くしようかというふうに取るか、どっちかの判断だけで、今回決めているのは8時間か短時間の2つだけなので、どっちかに寄せなくてはいけないのですよね。
○城内座長 宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 私も安衛研のときの議論はよく記憶していないのですけれども、これは元のデータが1回だけのばく露5時間ですよね。これを基に8時間のほうを決めようというときに、LOAELからNOAELへの変換だけではなくて、ばく露期間ですね。通常、8時間ばく露を決めるときには180日ばく露を基準に考えていますので、逆にそこで無理やり当てはめると、1/180が8時間ばく露で、その3倍が短時間ばく露というと、今の提案よりも相当厳しいものがかえって出てくる可能性もある。あるいは、短時間だけ掛けて5時間を15分にというともっと緩くてもいいというのと、両方あると思うので、その辺を総合するとこの提案のあたりが無難なところかなというような気がしております。あまりサイエンティフィックな議論ではないかもしれませんけれども。
以上でございます。
○城内座長 保利委員、お願いします。
○保利構成員 ですから、短時間ばく露の基準でいいと思うのです。だけど、短時間ばく露にしても、5時間を15分間での基準にするのはちょっと強過ぎるのではないかという気がします。
○城内座長 そのほかの委員の皆様、御意見はございますでしょうか。
事務局、どうぞ。
○藤田化学物質評価室長 事務局でございます。
これは単純に5時間を15分にするだけだったら、5/0.25になりますので、それとLOAELの間の変換と症状の重大性を考えると、決して過剰な数字になっているわけではないと思います。0.2を出発にして計算していただくと。
○保利構成員 5.2そのものであればそうなのですけれども、0.2にしたということは、そこに安全率が既に入っているわけです。ですから、あとは時間だけの問題ではないかと思うのです。
○大前構成員 あとは時間だけの問題ではなくて、影響の大きさの問題がありますよね。
○城内座長 これは今日決めないほうがいいかなと私は感じていますが、もう一度、文献が1つしかないのですけれども、今出た意見も参考にしながらどうでしょうか。
宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 もう一言だけ追加いたしますと、0.2というのが仮に短時間ばく露、あるいはもっと緩いのが決まったとします。そうすると、当然8時間平均でもそれでいいということになるわけですね。
○城内座長 それはどなたが答えられるか分かりませんけれども、そこも含めてもう一度議論したほうがいいかなと。
○宮川構成員 仮にそうなってしまうと、その濃度でもって毎日8時間40年働くのが安全かどうかというところまで考えないと。だから、短時間だけ決めるというときには、8時間のほうをどう考えるかということをよく考える必要があるような気がいたします。
○保利構成員 短時間から8時間に外挿することはないのではないですか。短時間はあくまで短時間のばく露であって、別物だと思います。
○城内座長 そこも含めてもう一度皆さんで議論するということではいかがでしょうか。―うなずいていただいて、ありがとうございます。
○小野構成員 0.2の15分は測定が厳しいかもしれないというのも考慮いただければ。濃度基準値については考慮しない前提になっていますけれども、その辺も御検討いただければと思います。
○城内座長 それでよろしいですか。
○大前構成員 今のことですが、この物質は15分間でどれぐらいまで測定できそうかというのは、想像といいますか、今回答はありますか。
○小野構成員 この物質については、0.5 ppmを8時間というか、8時間ではやっていないですけれども、4時間ぐらいのサンプリングで確実に測れる方法かどうかという評価はしております。その240分が15分になるということですから、1/15ぐらいになってしまうので、その感度までいけるかどうか。もともとピリジンはそこら辺にくっついてしまうので測定が難しくて、全部をやり直ししないと方法は提案できない可能性があります。全くできないか、やっていないのでどちらとも言えませんけれども、測定法は考慮しないでとにかくサイエンスベースドで決めると2年前に決めていますので、決めていただくのは結構だと思います。測れるかどうかについては、現実を見ながら、現場の方とお話ししながら進めていくしかないかなと思います。
以上です。
○藤田化学物質評価室長 事務局でございます。
サイエンスベースドでいくと、同じ文献を基に同じメンバーが議論すると同じ結論にしかならないはずなのです。とすると、新たな文献があるかどうかを探すということになります。探してはもらいますが、今はこの1950年の古い文献しかないということなので、もしかすると文献がなくて、新たな文献がないので結論は変わりませんということになる可能性もあるということを御承知置きいただければと思います。
○城内座長 それでもう一度検討しましょうということでよろしいでしょうか。
では、同じ文献だから同じ結論ということでもないと思いますけれども、よく検討していただいて、分析のほうも考慮いただいて、もう一度検討していただければと思います。
では、これはペンディングということで、前半最後の物質で、テトラニトロメタンにつきましては8時間濃度基準値0.005 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、テトラニトロメタンにつきましては0.005 ppmといたします。
ここから10分休憩したいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、皆様、15時30分から始めたいと思います。よろしくお願いいたします。

午後3時19分 休憩

午後3時29分 再開

○城内座長 では、リフレッシュした頭で、続いて残りの13物質の検討を行います。
事務局から説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、引き続き資料2の44ページ以降から御説明させていただきたいと思います。
44ページのm-ジクロロベンゼンでございます。
m-ジクロロベンゼンにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として2 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の1文献となっておりまして、提案理由はコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、甲状腺及び下垂体への有害影響を臨界影響としたNOAELを9 mg/kg  bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、46ページのブロモエチレンでございます。
ブロモエチレンにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として「設定できない」を提案いたします。
根拠論文は記載の4文献ですけれども、提案理由はコメントに記載のとおりですが、本物質は動物試験での発がん性が認められており、また遺伝毒性があることが指摘されていることから、濃度基準値は「設定できない」と判断するとなっております。
続きまして、48ページのエチル=3-エトキシプロパノアートでございます。
こちらは初期調査となっておりまして、当該物質の8時間濃度基準値として100 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の1文献でございまして、提案の理由はコメントに記載のとおりですけれども、動物実験の結果から、体重増加抑制及び刺激症状(流延、流涙)を臨界影響としたNOAELを250 ppm と判断し、不確実係数等を考慮した100 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、50ページのアクリル酸2-ヒドロキシプロピルでございます。
こちらの物質も初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 ppmを提案いたします。
根拠論文は1文献でございまして、提案の理由としましてはコメントに記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、鼻腔及び呼吸器の刺激症状を臨界影響としたLOELを5 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、1-エチルピロリジン-2-オンでございます。
当該物質につきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値10 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメントに記載のとおりですが、動物試験の結果から、嗅覚上皮の変性/再生を臨界影響としたNOAECを62.6 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した10 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントですけれども、近年生殖毒性・発生毒性の知見があることから、今後早期に確認・検討が必要であると記載しております。
続きまして、54ページのテメホスでございます。
テメホスにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の2文献でございまして、設定の根拠としましてはコメントに記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果から、赤血球コリンエステラーゼ活性阻害作用を臨界影響としたNOAELを0.3 mg/kg  bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、56ページの1,2-エポキシ-3-イソプロポキシプロパンでございます。
こちらの物質につきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として1 ppmを提案いたします。
根拠論文は記載の3文献となっておりまして、提案の理由はコメントに記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果から、性機能及び生殖能に対する有害影響を臨界影響としたLOAELを100 mg/kg  bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、別名でd-リモネンでございます。
d-リモネンにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として20 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の1文献でございまして、提案の理由はコメント欄に記載のとおりですが、動物試験の結果から、肝と腎の重量の増加を臨界影響として30 mg/kg/dayをNOAELと判断し、不確実係数等を考慮した20 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、60ページの別名でモノクロトホスでございます。
こちらの物質につきましては、8時間濃度基準値として0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文としましては2文献でございまして、設定の根拠はコメントに記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果で、赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性低下を臨界影響としたNOAELを0.04 mg/kg  bw/dayと判断し、不確実性係数等を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、62ページの赤りんでございます。
こちらの物質につきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として0.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、提案の理由はコメント欄に記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果から、肺うっ血を臨界影響としたLOAELを111 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
続きまして、64ページのピレトラムでございます。
ピレトラムにつきましては初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として2 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりですが、まとめとして、動物試験の結果から、呼吸器刺激症状を臨界影響としたNOAELを11 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した2 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントには、近年生殖毒性・発生毒性の知見があることから、早期に確認・検討が必要であると記載してございます。
続きまして、66ページのクロロメタンでございます。
こちらは初期調査の後、詳細調査も行っておりまして、8時間濃度基準値として10 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の5文献となっておりまして、提案の理由としましては提案理由の記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、神経毒性及び生殖毒性を臨界影響としたNOAELを150 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した10 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
最後の物質でございますけれども、70ページの2-メチルペンタンでございます。
こちらの物質は初期調査となっておりまして、8時間濃度基準値として200 ppmを提案いたします。
根拠論文等は記載の2文献となっておりまして、設定の根拠としましてはコメント欄に記載のとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、尿細管の嚢胞性変化及び再生を臨界影響としたNOAELを1,160 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した200 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
説明は以上になります。御検討をよろしくお願いいたします。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
これも事前には御質問等はないですか。―ありがとうございます。
それでは、また一物質ごとに議論していきたいと思いますが、44ページ、m-ジクロロベンゼンにつきまして、8時間濃度基準値2 ppmということですが、コメント等ございましたら、お願いいたします。―よろしいでしょうか。
それでは、m-ジクロロベンゼンにつきましては、8時間濃度基準値2 ppmといたします。
続きまして、ブロモエチレン、8時間濃度基準値「設定できない」ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
では、ブロモエチレン、8時間濃度基準値「設定できない」といたします。
続きまして、エチル=3-エトキシプロパノアートにつきまして、8時間濃度基準値100 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
○宮内構成員 エチル=3-エトキシプロパノアートですよね。これが出てきているのは、有害性だけれども、危険性のほうもあるのですか。私は調べていなくて申し訳ないのですけれども、結構引火性があるようなもので、防爆の機器等を使えみたいな話になっていると思うのです。なおかつ皮膚吸収性物質でもあるということなのですけれども、どちらから出てきているのかを教えてもらえたらいいかなと思いました。
○藤田化学物質評価室長 御質問の趣旨は、これは危険性もあるはずだが濃度基準は有害性で決めているのかということですか。
○宮内構成員 そうです。というか、ここで出ている情報は有害性のことなのですけれども、その中で危険性も今回問題となっていて議論になっているのかということをお聞きしたかったのですけれども。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。分かりました。
安衛研のほうで御議論いただいているのは、あくまでも有害性の文献のみに基づいて議論していますので、危険性については全く議論されてございません。
○宮内構成員 分かりました。ありがとうございます。
○城内座長 そのほかはよろしいでしょうか。
それでは、エチル=3-エトキシプロパノアートにつきましては、8時間濃度基準値100 ppmといたします。
続きまして、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルにつきまして、8時間濃度基準値0.5 ppmですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルにつきましては、8時間濃度基準値0.5 ppmといたします。
続きまして、1-エチルピロリジン-2-オンにつきまして、8時間濃度基準値10 mg/m3ですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、1-エチルピロリジン-2-オンにつきましては、8時間濃度基準値10 mg/m3といたします。
続きまして、テメホス、8時間濃度基準値0.5 mg/m3ですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、テメホスにつきましては、8時間濃度基準値0.5 mg/m3といたします。
続きまして、1,2-エポキシ-3-イソプロポキシプロパンにつきまして、8時間濃度基準値1 ppmですが、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、1,2-エポキシ-3-イソプロポキシプロパンにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、d-リモネンにつきまして、8時間濃度基準値20 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、d-リモネンにつきましては、8時間濃度基準値20 mg/m3といたします。
続きまして、モノクロトホス、8時間濃度基準値0.05 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
それでは、モノクロトホス、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、赤りん、8時間濃度基準値0.5 mg/m3ですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
宮本委員、お願いします。
○宮本構成員 宮本です。
先ほどと同じで、GHSのほうに何もないという状況になってしまうので、今回は健康影響についてのリスクアセスメントをするはずですので、こういったものもリスクアセスメント対象物ですよというのを何かどこかにちゃんとうたっていただきたいということと、これで値が出ること自体は問題ないと思っていて、産業衛生学会もあることなのですけれども、職場の安全サイトのモデルSDSを見ると、急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候症状というところに毒性はほとんどないと書かれてしまっていて、不特定の経路でヒトに対して毒性ありですから、今回はそれを基にしているのだろうと思うのですが、一般の事業者あるいは労働者が触れることができる情報としては毒性がないという書き方だったり、整合性が取れていないような気がするので、この辺は今後修正していっていただきたいということと、こういうのもリスクアセスメント対象物だというのが何か分かるようにどこかでうたっていただければと思うところです。よろしくお願いいたします。
○城内座長 山室委員、どうぞ。
○山室構成員 山室です。
数値については特に何も意見はないのですが、日本産業衛生学会の許容濃度は赤りんではなく黄りんと書いてありまして、違う物質です。CASナンバーは赤りんの番号が書いてあったりして、測定手法のほうでも調べていたのですけれども、黄りんと赤りんがごちゃごちゃになっているような文献もあったりしてありました。、ばく露限界値についてはもう一回調べ直していただいたほうがいいのかなとのではないかと思いました。
○城内座長 宮川委員、どうぞ。
○宮川構成員 先ほどにも関係するのですけれども、これもGHS分類は2006年で一番古いほうのやつで、しかも、現状、政府分類は全部総合で文献検索をしてやっているわけではないと思いますので、ガイダンスで公表されているように、その時点でリスト1と書いてあったレビューの文章に載っていないとない、情報がなければないということになってしまうと思いますので、古いやつについては、それこそここで今つくっているような評価書をきちんとまとめて役所のほうで公表していただいて、今度それを政府分類で使っていただくというように持っていっていただくのがよろしいかなという気がしております。
以上でございます。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 宮本委員と宮川委員から御意見を頂きましたとおり、今回、濃度基準値についてもGHS分類の物質選定にあたり考慮していきたいと考えております。
また、山室委員から御意見を頂きました職業ばく露限界値の有無のところに書いてある衛生学会の根拠につきましては、確認させていただきまして、黄りんということであれば追記等を検討したいと思います。
○城内座長 そのほかにコメント等。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 このコメントのほうの、事前に聞いたときもred phosphorusとは何ぞやという話で、でもこの文章には燃焼酸化した煙ということで、今さらながら頂いた文献を読んでみると、燃やしているのです。だから、ばく露はそもそもりんをばく露していないので、これで数字を決めるのはおかしいと思うのです。つまり、これはあくまでも酸化りんの影響であって、赤りんの影響ではないと思うのです。
○大前構成員 大前です。よろしいですか。
○城内座長 お願いします。
○大前構成員 まず最初に、山室委員のおっしゃった産衛の0.1 mg/m3は黄りんです。それから、ACGIHの0.1 mg/m3も黄りんです。だから、ここにあるのは赤りんではありません。そこは修正してください。
それから、今、鷹屋委員のおっしゃった話は、難しい話といいますか、議論になった話で、では赤りんの情報はどこにあるのだといって探したのですけれども、ないのです。だからどうしようかというところで、とはいっても、一応評価しなくてはいけない物質に赤りんが入っている。なぜ赤りんを入れたかは分からないのですけれども、そういう状況なので、鷹屋委員のおっしゃることもまあまあ納得できるところではあります。ただ、今言いましたように、赤りんの情報は、僕が探した範囲ですからもっと探せばあるかもしれませんけれども、PubMedを見ても何もないので、これはどうするんだろうなと思っているところではあります。
おっしゃるようにこれは赤りんの酸化物ですから、十酸化五りんとか、十酸化五りんだけではなくてほかの酸化物もできるので、いろいろなタイプの赤りんの燃焼酸化物のばく露実験になります。これから持ってきて0.5 mg/m3というのはどんな意味があるのかということですけれども、先ほど言いましたように黄りんは0.1 mg/m3で、これは大した根拠ではないのですが、許容濃度等を見るとそれなりに根拠が書いてある。それよりも5倍高い。りん酸は1 mg/m3なのです。これはACGIHでも産衛でも同じです。ただ、りん酸が1 mg/m3で、黄りんが0.1 mg/m3で、では赤りんはどうするのだということで、りん酸の場合は、りんだけの分子量を考えて計算すると0.3 mg/m3ぐらいになるのです。だからいい線なのだろうと思うのだけれども、鷹屋委員がおっしゃったように、これは赤りんの燃焼酸化物のデータだから、赤りんの濃度基準値としてはまずいのではないかという御意見は納得できないことはないという状況ですが、そうしますと、赤りんは情報がないので提案できないというような結論になるのではないかと思います。
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。
情報が錯綜していると思うのですけれども、ばく露限界値の有無のところで、産業衛生学会は黄りんだというお話だったのですけれども、ほかのOSHAとかNIOSHの値は赤りんでよろしいのですか。
○大前構成員 ACGIHは、これは書いていませんけれども、黄りんで0.1 mg/m3です。OSHAやNIOSHもみんな同じだと思うので、これはみんな黄りんの数字ではないかと思うのです。
○城内座長 分かりました。ありがとうございます。
そうするとこれはちょっとまずいですよね。どうしましょうか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。
行政のほうでもこれはどうかなと議論はしたところでございますが、赤りんというのは結構使っている物質だと思うのです。マッチ箱の横とかに使う物質なので、リスクアセスメント対象物として重要であろうと。ではそれはどういった状況でばく露するのかというと、赤りんは固体ですから、吸うとなったら、何かしら燃えてしまったとか、そういうことかなと思います。それで、例えば酸化りんというふうに濃度基準をほかの物質は決めてありますが、もし赤りんの濃度基準をなくしてしまうと、SDSとかを見たときに赤りんと書いてあって、これは濃度基準値なしになってしまいますので、あまり化学が分からない人がSDSを受け取って、赤りんって濃度基準値ないんだとかいうふうに思ってしまうと危ないのかなと思いまして、赤りんにばく露する機会があったら危険かもしれないので、根拠は難しいのですけれども、基準値を設定したほうが安全ではないかと思った次第でございます。
○城内座長 これは危険性のほうから入ってきているということはないですか。
○藤田化学物質評価室長 危険性というか、有害性ですね。赤りんにばく露する可能性がないとは言えないので。それが赤りんと書いていなかったら、使う人は五酸化りんほかの酸化りん等と区別がつかない、赤りんが危険かどうか分からないと思ったので、これを設定しておいたほうがいいのかなと思った次第です。
○城内座長 西村委員、お願いします。
○西村構成員 この物質を選定した経緯がよく分からなくなったのですけれども、政府分類では有害性がついていないといった点からはリスクアセスメントの対象ではまずない。もう一個、濃度基準値を決める対象を選びます、海外で指定のあるものを選びますといったときに、赤りんはございませんでした、全て黄りんでしたと、そういう点からもこれは濃度基準値を設定する物質ではなかったということになるので、そもそも赤りんを挙げる必要がないということではないでしょうか。逆に言うと、黄りんについて濃度基準値を設定すべきであり、アセスメント対象だという認識があるということではないかと感じられたのですが、いかがでしょうか。
○藤田化学物質評価室長 黄りんは別途、来年度以降に濃度基準値を検討する予定としています。
○西村構成員 なるほど。そういう意味で赤りんは今回必要なかった。
○藤田化学物質評価室長 そうですね。この産衛とOSHAとNIOSHが全部黄りんであるとすると、赤りんと黄りんでCAS番号は違うはずで、そうすると違う物質なので、そもそも選定のところが間違っていたという可能性はございます。
○城内座長 宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 今モデルSDSを見たら、可燃性固体区分2となっていたのですけれども、そちらから対象になったのではないでしょうか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。
リスクアセスメント対象物ではあるのですけれども、その中でどれに濃度基準値を設定するかというのを選定したときに、海外等で基準値が設定されているものというふうな根拠で選んでおりますので、海外で設定されているのが赤りんではなくて黄りんだとすると、その設定根拠から外れるのではないかという御指摘だったかと思います。確かにそうかなと思った次第でございます。
○城内座長 結論から言うと、リスクアセスメント対象物ではあるけれども、濃度基準値を定めてはいけない物質かもしれないということで、これは差し戻しというか、もう一度値等を確認していただくということでよろしいでしょうか。―では、そのようにお願いします。
続きまして、ピレトラム、8時間濃度基準値2 mg/m3ですが、これについて御意見等ございましたら、お願いします。―よろしいでしょうか。
それでは、ピレトラム、8時間濃度基準値2 mg/m3といたします。
続きまして、クロロメタン、塩化メチル、8時間濃度基準値10 ppmですが、これについてコメント等ございましたら、お願いいたします。
宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 細かいことですみません。この設定採用根拠論文の一番最後の「<理由>生殖毒性」云々というのは、メモが残ってしまっているのではないですか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。
これは、追加で収集した根拠論文の有無というところが「有」になっておりますが、こういった追加で論文を収集したものについてはその採択理由を書くことになっていて、ほかの物質でも詳細調査が「有」のものについてはこういったコメントがついてございます。今回当初なかった論文を追加した理由として、生殖毒性に係る知見があったということで追記させていただいております。
○宮川構成員 ありがとうございます。分かりました。もしよければ、詳細評価とした根拠はこれだというのが初めて見る人が分かるように御検討いただければと思います。
○城内座長 そのほかに御意見等ございませんでしょうか。
それでは、クロロメタンにつきましては、8時間濃度基準値10 ppmといたします。
濃度基準値の最後の物質ですが、2-メチルペンタン、8時間濃度基準値200 ppm、これについて御意見等ございましたら、お願いいたします。
それでは、2-メチルペンタン、8時間濃度基準値200 ppmといたします。
これで本日予定の全ての物質の濃度基準値の審議が終わりましたが、今日は問題のあるものもありました。事務局からまとめをお願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 本日は33物質検討いただきまして、31物質の濃度基準値について皆様の御了解を得られたところでございます。御意見を頂きました2物質につきましては再検討になっておりますので、追加で文献を収集したり、記載の内容を確認したりなどして、信頼性を加味した上で新たな提案をさせていただきたいと思います。
以上になります。
○城内座長 ありがとうございました。
○長山環境改善・ばく露対策室長 ありがとうございました。
時間も時間なので、そのまま後半に進みたいと思いますので、よろしくお願いします。

(2)濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について

○城内座長 それでは、議事2の「濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について」ということで、事務局から資料4-1、4-2の説明をお願いいたします。
○田上中央労働衛生専門官 環境改善・ばく露対策室の田上から御説明いたします。
資料4-1につきましては、これまでお出ししてきている測定法の採否に関する考え方でございます。こちらは前回から変更はございませんので、説明は省略させていただきます。
資料4-2を御覧いただければと思います。
資料4-2が今回新たに測定法を提案する物質でございます。今回は17物質ございます。一番左の欄外に通し番号で1~17と振っております。
今回の物質はいずれも令和6年度の濃度基準値設定対象となっている物質でございまして、令和5年度までの継続検討の物質はございません。
物質名の色分けですけれども、こちらはこれまでどおり分析方法で色分けしております。今回はこれまでと異なって金属が何個か出てきておりまして、青色のものが分析方法がICP-AESか又はICP-MSのものということと、あとは、金属ではないのですけれども、緑が分析方法が原子吸光を使っているものということで、新たに色が追加されております。
今回、事前にお送りしていた内容から変更がある点から先に御説明させていただければと思います。
通し番号5番のしゅう酸ですけれども、これはろ過捕集ということで、破過はNDということですけれども、IFV評価値については1.0ということで、本来であれば組合せ捕集ということになってくるのですけれども、OSHAの方法を参照しておりまして、記載の捕集条件では回収率が良好であるということで、破過はNDということなのですが、それでろ過捕集ということなので、この方法であれば問題ないということで、総合評価の実用上の判断は○としておりますけれども、この条件を超えるサンプリングが必要な場合には確認が必要ということで、備考を変更しております。
そのほか、14番目、紙で御覧いただいる方に関しましては裏面の14、赤りんです。先ほども御議論があった物質でございますけれども、こちらはもともとは○ということで、ろ過捕集ということで、普通に固体を捕集すればよいというような形で提案していたものですけれども、IFV評価値を先ほど提案されていた濃度基準値と比較すると80とかになりまして、IFV評価値上だとガスということになってしまいますので、念のため、ろ過捕集のみで本当に問題ないかというのは要検証、文献調査とかも含めて改めて検証して、再度御提案するような形を取らせていただければと思いますので、こちらは事前にお送りしていたときは○でしたけれども、Pに変更しております。
そのほかでございますけれども、そのほかの破過がNDとなっているようなものは、基本的には金属で固体ということで、基本的に破過については特段考慮しなくても問題ないだろうという物質と、あとは組合せ捕集になっているものにつきまして、また表面、前後して恐縮ですけれども、2番目のエンドスルファンにつきまして、こちらはIFV評価値は0.1下回っていますけれども、農薬として用いられるということで、使用方法を考慮して固体捕集も組み合わせるということ。
あと、4番目、2 -フェノキシエタノール、こちらは逆にIFV評価値が10を上回るものですけれども、こちらは有害性評価の際に蒸気とエアロゾルの混合物で試験をしているということで、実際に両方の混合物であるという分析結果があるため、ろ過捕集も組み合わせることとしております。
その次に6番、ジウロンにつきまして、こちらはIFV評価値は0.1を下回っていますけれども、参考文献がNIOSHの有機窒素系農薬の測定法ということで、使用方法を考慮して固体捕集を組み合わせることとしております。
最後、17番目、メトリブジンにつきまして、こちらはIFV評価値は1.22ということで、0.1~10の範囲内ですので、ろ過と固体を組み合わせることとしております。
また、今回、通し番号で言うと11番~14番とか16番とか、金属類につきましては、捕集した後の溶解法につきまして、ほかの物質と異なって、特定の方法について何か提案はできないということで、NIOSH7300~7303を参照するとか、そういった記載にしております。こちらは粒子の状態によって一概にどの方法で溶かせるかというのが変わってくるかなということで、このような記載にしております。ただ、安全面を考慮すると、この中ですと7300で溶けるのであればこちらの方法がいいのではないかということで、備考も付しております。
簡単ですが、説明としては以上となります。
○城内座長 ありがとうございます。
ただいま事務局から説明いただきました資料4-1、4-2に関して御質問、御意見等ありましたら、お願いいたします。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 個別のことではないのですけれども、分析法の種類によって大雑把に色分けして、多分使う人の便利がいいというようなことの色分けで、ICP-AESとICP-MSが同じ色なのがちょっと悩ましいところで、最近はICP-MSの装置が発展してきて、昔は必ずしもそうではなかったのですけれども、今はほぼICP-AESの上位互換、より性能のいい分析方法としてICP-MSが使えるので、例えばここでICP-AESでやりましたというのを持ってきてICP-MSで測れる方法が大半だと思うのですけれども、幾つかの物質は、物の溶かし方とか原子の周期表のどちら側にあるかとかで、元の文献がICP-AESと書いてあったらICP-AESでしかできなくてICP-MSではできないというようなことがあって、この同じ色に分けているのは、例示として、皆さんが持っている装置で両方できるかも、MSで測ってくださいというところでは普通AESでやらないと思うのですけれども、例えばその逆も試してくださいという意図を持って一緒の色にしているのか、そうでないのか。それでいいと思うのですけれども、AESだとできるけれどもMSではできないというようなものについては何かしら注釈を入れておいたほうが親切かなと思います。
○田上中央労働衛生専門官 ありがとうございます。
今回、結果的にMSを使っているものはジルコニウムで、低濃度域で感度を出すためにはMSという方法ですけれども、基本的に高濃度側だとICP-AESが利用可能ということで、そういう意味で割と一緒くたにしていたのですけれども、御指摘の場合もあると思いますので、その場合には色分けをもう少し細かくするなり注釈をつけるなりで資料上は工夫したいと思います。ありがとうございます。
○城内座長 小野委員、お願いします。
○小野構成員 色は、本音を言いますと、一番最初、どういう順番でこの作業をしていくかというときに、金属は青くしておいて、黄色から最初に攻めていこうということがあったので、公表するときには色はなくなるのが正しい形でございます。
あと、基本的に今回の物質はICP発光が基本です。ジルコニウムだけがICP-MSになっているのは、低濃度で測る検証をあるところでやったときに、そこは多分MSのほうが使いやすいということでMSで検証してしまったデータを載せています。
ということで、今一番悩んでいるのは、検証したときにほかの方法でもできるというときに、ここに載せて個票を出すときに、これはICP発光、これはICP-MSというふうに丁寧に個票を分けていくのか、それをどこまで書いていくのか。間違いなくできるICP発光で、ジルコニウムは感度が足りないかもしれないのでMSを検討してください、その場合にはこの付属書が使えますよという形にしていくのがいいのか、そこは悩んでいるところではあります。
溶解法のところも、マイクロウェーブを使った酸分解をするか、ホットプレートを使った酸分解をするかで選ぶ酸も違ってきますし、そういうところはどう書こうかというのもあって、最後の注釈のところで、NIOSHはこういうのを提案しているけれども、こういうのを使ったらできますよという書きぶりにしていますので、一番心配しているのは、うちはこれを持っていないのにこれで分解しろと言うのかという苦情が来るとか、そういったところを懸念はしております。
ですから、MSについて、MSでないと本当に感度が出ないのかどうか、発光のほうでもう一つ検証してそろえたほうがいいのかなという気もしております。
鷹屋委員からの御質問への回答になっているかどうかはあれですけれども。
○鷹屋構成員 ありがとうございました。
ついでにコメントさせていただきますと、ここは例示としてNIOSHの幾つかの方法でヒートブロックとかマイクロウェーブとか載っていますけれども、僕がいつも、自分が関わったことがあるので、推しているのは、国際規格ISO15202というのが労働環境中の有害金属類をICP発光で測る。もう一つはISO30011だったかな、番号が間違っていたらごめんなさい、30000台なのですけれども、これはICP-MSでやるということで、ISO15202-2というのが試料分解法で、これは実は本体側は検量線の引き方しか書いていなくて、分解法はAnnex、附属書でたしかAからGまであって、そこに過塩素酸を使えとか、ヒートブロックでやれとか、マイクロウェーブを使えというのがずらっと並んでいる。ただ、その個別の引用元はNIOSHの7000何百番とかHSLの方法という形で、そちらは割と網羅された形で、今何が言いたいかというと、実はISOの30000台のICP-MSのほうは、試料分解法はそのままISO15202のICP発光の分解法を使えと明確に書いてあるので、そういった立てつけで、こちらでもICP発光とICP-MSの使い分けの整理はそれに似た形でできるのではないかなという気はしています。
○小野構成員 その辺は悩んでいるところで、有機系の物質は個票1枚でこういうのができますというのが出せるのですけれども、金属に関してはおっしゃっていただいたISOを使うほうが説明はしやすくなるのです。ですけれども、個票としてこれですというのを提案することができなくなってしまうのです。ですから、金属に関しては別枠で手引を。今、手引も原案をつくって、もんでいるところなのですけれども、そういった形で、金属は同じようにはできませんということが世間的に了承されるのかどうか、そこについても今検討しておりますので、その際にはISOも引用するという形は若干考えております。また相談させていただくこともあるかと思いますけれども、ワーキングからもそういう相談が行く可能性はございます。
あと、別件の追加をしても構いませんでしょうか。
14番の赤りんのところなのですけれども、先ほどから基準値も黄りんと混乱しているということで、実際にNIOSHの測定法はろ過捕集なので、間違いなく赤りんの固体を集めるという形にはなっていると思います。そういうことをするときに、IFV、飽和蒸気圧を求めて計算していくのですけれども、飽和蒸気圧の値自体が、1から180℃のときに何百とか、桁違いの飽和蒸気圧が出てきて、どれを採用してもやはり気体だよねということになって、飽和蒸気圧の値自身が赤りんで出ていない可能性がありますので、先ほどおっしゃっていただいたように、赤りんの濃度基準値をつくらないというすっきりとした形で進めていただくと余計な混乱がないのかなとは思っております。
あともう一つ、15番の臭化水素は破過がNDとなっています。固体ではないのでNDでは○にできないのですけれども、その前の添加回収実験に載せたものに空気を通気して、その後定量的に回収できているという添加回収率からの類推というところで○にできておりますので、これは○に修正した形で出し直させていただきたいと思っております。
私からの追加は以上です。
○城内座長 そのほかにコメント等ございますでしょうか。
○大前構成員 大前ですけれども、よろしいですか。
○小野構成員 お願いします。
○大前構成員 4番の2-フェノキシエタノールですが、これは加熱脱着ということで、僕はこれはよく分かっていなくて質問したら、加熱脱着の方法を教えていただきました。これはサンプリングしたテナックスとフィルターのガラス管だと思うのですが、それを280℃ぐらいに熱してガス化させて、-30℃ぐらいに急速冷凍して、さらにもう一回高温で脱着してGC-MSに入れるという方法だということで、やり方は納得したのですが、これはもうちょっと簡単にならないですか。要するにそういう加熱脱着装置があまり広まっていないのではないかと思うのですけれども、そういうものでもないですか。
○小野構成員 JNIOSHは加熱脱着が大好きなのですけれども、溶媒を使わないで測定ができるというので、好き。あと、感度も高くなるのでいいと思っているのですけれども、恐らく大前先生から頂いたような溶媒脱着の方法をつくって、それを提案してほしいという意見が出てくるかなとは思っております。それに備えて測定法をつくるかどうかというのを考え、ただ、ここでやりますと言うと、加熱脱着のものは全部検証し直しのグループに入ってしまいますので、今の検証のスピード感からいくと、全体的に間に合うようになるかなというのは心配なところであります。
○大前構成員 加熱脱着というのは今回初めてではなかったでしたっけ。前にもありましたっけ。
○小野構成員 あったと思います。1個ぐらいはすっと通していたと思います。
○大前構成員 これは構造式を見るとエタノールとフェノキシですから、水溶性もありそうですし、脂溶性もありそうなので、何かの溶媒で溶けるのではないかと思ったものですから、もし溶媒でダイレクトにGCに入れるような方法があればと思いました。その要望があったときに誰が検討するかは分からないですけれども、そっちに行くと一般的に広まるかなと思います。おっしゃるように、溶媒を使わないから測定手法としては非常にいいと思うのですけれども。
○小野構成員 どういうシステムで、誰がお金を出して、どう検証していくかというシステムづくりも次の段階に入るべきだと私は思っているのですけれども、そういうところにもお知恵を頂きながら、どう検証を進めて測定士の方が今までやっていた方法に近い形でできるものをつくっていくかというのは考えていくべきだと思っております。すみません、現状では、今検証して次に公表するときまでに間に合うようにつくるというような時間軸でいけるかどうかはまた検討したいと思います。
○大前構成員 ありがとうございました。
それからもう一個、先ほどの赤りんの話ですけれども、赤りんの測定法があるということは、測定法のほうから生態影響のほうの情報が出てくるなんていうことはありますか。
○小野構成員 測定法は実は何も書いていないです。ろ紙でサンプリングして溶かして測れしか書いていないので。そういう状態でございます。
○大前構成員 分かりました。ありがとうございます。
○城内座長 そのほかに御意見等ございますでしょうか。
私の役目としては、提案された分析法は取りあえずこれはこれで承認いただけるかということなのですが、使うか使わないかは別として、赤りんとか、今、大前委員からも御意見があったフェノキシエタノールの加熱脱着とか、いろいろありますけれども、これはこれで分析法としていいのではないか、いや除いたほうがいいのではないかという御意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
山室委員、お願いします。
○山室構成員 山室です。
作業環境測定のガイドブックの中にも加熱脱着法は入っておりますので、測定機関が全くできないわけではないありません。できないところも当然あるでしょうけれども、そういった扱いになろうかと思います。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほかに御意見等ございますでしょうか。
一応分析法としては認めてもいいということであれば、少し修正もありましたけれども、1から17までは認めるということになりますが、どういたしましょうか。これは反対という意見が特にあればお聞きしたいと思いますが。―よろしいでしょうか。
では、どう使うかもありますけれども、それは隣に置いておいて、分析方法としてはこれは認めるということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。―ありがとうございます。
これで濃度基準設定対象物質ごとの測定方法についてということで、今日の議題は一応終了いたしました。
変更点等について事務局から何かありますか。よろしいですか。
○田上中央労働衛生専門官 資料のほうで、臭化水素は後ほど表記を変更させていただければと思います。
赤りんは、この資料のとおり、一応Pというような状態ですので、濃度基準値の動向を見ながらということになるかと思いますけれども、確認して、出せる状態になってからまたお出しできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

(3)その他

○城内座長 それでは、最後ですが、「その他」ということで、事務局からあれば、お願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 本日、「その他」として事務局からは用意しておりませんので、本日の議事としては以上でございます。
本日の議事録については、後日構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
次回の日程として、1月21日、火曜日、午後2時から5時ということで予定しております。構成員名簿のうち、前半のほうで「全般に関する事項」と「毒性に関する事項」の欄の先生方、後半には「全般に関する事項」と「ばく露防止対策に関する事項」の欄の先生方に御参集いただく予定としております。議事としては、同じように、前半に濃度基準値の検討、後半に対象物質ごとの測定方法ということで予定しております。正式な開催案内などは後日お送りさせていただきたいと思っております。
事務局からは以上でございます。
○城内座長 以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

午後4時32分 閉会