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第3回障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会議事録
人材開発統括官付特別支援室
日時
令和7年4月25日(金)10:00~
場所
厚生労働省 共用第6会議室
議題
(1)障害者職業能力開発校の在り方について
(2)その他
(2)その他
議事
○松爲座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、菅沼構成員が欠席となります。
それでは、議題に入る前に、本日の注意事項等につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 事務局、特別支援室の内藤でございます。
本日の検討会はこちらの会場とオンラインで開催いたします。このため、皆様方からの発言についてお願いがございます。会場の方は挙手、オンラインの方は手を挙げる機能を使用していただければと思います。御発言される方を指名させていただきますので、指名された後に、まず、お名前を名乗っていただき、御発言いただくようお願いいたします。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしていただきますようお願いいたします。
オンライン出席の方で、操作などで御質問がある場合は、事務局まで、チャット、メール、電話等で御連絡いただくようお願いいたします。
また、参考資料2をつけておりますけれども、令和7年度に入りまして構成員の交代がございますので御紹介させていただきます。
東京労働局職業安定部 職業対策課長の湯地幹彦様。
大阪障害者職業能力開発校 副校長の有賀英昭様。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 職業リハビリテーション部次長の吉岡治様。
加えて。事務局とオブザーバーにおいても人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
特別支援室長の山口でございます。
障害保健福祉部 障害福祉課課長補佐の脇坂でございます。
よろしくお願いいたします。
報道関係者の方々の撮影はここまでとなりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。
本日の資料は、議事次第。
資料1として、特別支援室資料。
資料2として、障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書(骨子案)。
参考資料1として、本検討会の第2回までの構成員の御意見等。
参考資料2として、検討会の参集者名簿。
参考資料3として、公共職業訓練(障害者訓練)の実施状況。
参考資料4として、令和5年度の都道府県別障害者委託訓練実施状況を御用意しております。
これらの資料に不備等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
最初に資料1の特別支援室資料及び参考資料の3、4の公共職業訓練(障害者訓練)の実施状況等につきまして、事務局より説明いただきたくお願いいたします。
○山口特別支援室長 それでは、資料1、参考資料3、4につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
まず、参考資料3のほうから御説明をさせていただきたいと思います。障害者委託訓練に係る実績の訂正についての説明でございます。
厚生労働省では、定例業務統計として障害者訓練の実施状況の実態を把握し、訓練実施主体である全国47都道府県を対象に毎年度調査を実施しているところですが、今般複数の県におきまして当該統計の障害者委託訓練における就職者数について、本来訓練修了後3か月以内の就職者を計上するところ、3か月を経過した方につきましても計上してしまっていたことが判明いたしました。このことから、各県におきまして再度確認を行いましたところ、お配りした資料のとおり、令和元年度以降の就職率の欄のところに括弧書きのところがございます。こちらのところに訂正の必要が生じて、厚生労働省のホームページで訂正後の実績を掲載しているところでございます。
都道府県別の委託訓練の実施状況につきましては、参考資料4として添付させていただいております。
本検討会におきまして、委託訓練の就職率等をお示しして御議論いただいていたところ、実績の訂正が生ずることとなりまして誠に申し訳ございません。集計齟齬の確認された複数の県におきましては適正な集計、それから、再発防止等の徹底を求めたところでありまして、併せて今後、同様の計上区分の齟齬が生じることがないよう、障害者委託訓練実施要領の改正を行うとともに、全都道府県に対しまして本事案の共有と注意喚起を目的とした文書を発出したところでございます。引き続き再発防止の徹底をしてまいりたいと思っております。
それでは、資料1につきまして御説明をさせていただきたいと思います。前回、各構成員から提供依頼をいただいたものについて、2点用意をさせていただいております。
障害者校における入寮状況等についてというところでございます。前回、小幡構成員から、障害者校について地方の状況も資料として提供をいただきたいという御意見をいただきまして、入寮状況等について各障害者校の状況を資料にしております。
続きまして、障害者校と一般校の合築についてということで、前回、山脇構成員から御依頼をいただいておりまして、障害者校と一般校の合築の例を挙げさせていただいております。
2ページ、障害者校における入寮者の状況ということでございまして、こちらは第1回検討会でも御紹介をした資料でございます。全体の入寮率は右下に赤字で書いてありますが、21.1%となっております。全障害、障害限定ありというところでも差が出ているという状況でございます。
3ページ、各障害校の県外の受講者の状況ということで、受講者がどの程度県内・県外から来ているかという状況を見たものでございます。3ページは国立県営校ということでまとめさせていただいております。県内の割合が89.9%でございまして、県内の方が多いという状況でございます。
4ページ、機構営校と県立県営校の状況をまとめたものでございます。機構営校では全体で34.7%が県内の方、県立県営校では96.8%が県内の方になっておりまして、機構営校では県外の方も多くいらっしゃっておりますが、県立県営校は高い割合で県内の方が入校されているという状況でございます。
5ページ、各障害者校のアクセスの状況を見た資料となります。鉄道の最寄り駅からの交通手段と所要時間、それから、参考までに都道府県庁最寄り駅からの所要時間ということで記載させていただいております。
5ページが国立校の状況でございます。
6ページが同様に県立校の立地の状況を示した資料となっております。
7ページが一般校の合築の例といたしまして、京都校の状況について資料としたものでございます。こちらの真ん中のほうにございますように、平成22年に訓練校の再編を機に障害者校を一般校の校舎内に同居させるという形で新設しまして、それまで障害者校として運営してきた校舎は知的障害者専門の訓練校として存続させるといった形となっております。訓練科目の見直し状況についても併せてまとめさせていただいております。
8ページが京都校の配置図を参考としてつけさせていただいているものでございます。赤色の枠が障害者校、緑色のところが一般校で使用しているという状況でございます。御覧のとおり、同一フロア内に障害者校、一般校の訓練科が共存する形となっております。
9ページ、前回、室長の稲田からも触れましたが、障害者校と一般校の合築のメリットにつきまして、京都校へのヒアリングの内容も踏まえて記載をしたものでございます。障害者訓練のノウハウを一般校にも共有しやすくなるなど、職員間の連携によるソフト面での効果も期待できるのではないかと考えております。
資料1につきましての説明は以上でございます。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、皆さんの御意見・御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 連合の山脇でございます。資料1の関係についてお伺いしたいと思います。
まずもって、前回の発言を踏まえ資料を御準備いただいたこと、関係各校を含めて御礼を申し上げたいと思います。
資料1の2ページで、各障害者校の入寮対象者、あるいは入寮率が示されておりますが、入寮対象について伺いたいと思います。
記載のとおり、全障害、身体のみ、あるいは知的のみということで、各校によって入寮対象が異なっていますが、例えば障害者の幅広いニーズに対応するということや、寮の効率的な運用、稼働率を上げるという観点に立つと、入寮対象は全障害とする方向で検討することが望ましいのではないかと私自身は思っています。現状、この入寮対象が異なっているのは、厚生労働省で何らか指針を示していないことによるのか、あるいはほかの要因があるのかということについて、厚労省の御認識を伺いたいというのが1点です。
○松爲座長 ありがとうございます。
事務局、よろしいですか。
○山口特別支援室長 入寮対象につきましては、厚生労働省から障害者校の運営を各都道府県のほうに委託しておりますので、各都道府県のほうで御判断をいただいているところでございます。
○松爲座長 ほかに何かありますか。
○山脇構成員 厚生労働省として今後どうしていきたいと考えているのか考えがあれば伺いたいと思います。
○山口特別支援室長 入寮対象については、様々な皆さんの御意見等がございますので、それを踏まえまして、いろいろな御意見を参考にさせていただきたいと思っております。
○松爲座長 吉岡構成員、どうぞ。
○吉岡構成員 私ども機構営校としては、吉備高原職業リハビリテーションセンターのほうでは寮を持っていまして全障害を受け入れているということもありますので、専門訓練コース設置・運営サポート事業の中で、各障害者訓練校のいろいろなお困りごとの相談を受けさせていただいて対応しているという状況の中で、寮に関わる運営管理についての御相談、特に新たな障害種類の方の入寮についてどうしたらいいかというようなことでの御相談も受けておりまして、直近で言いますと、複数の訓練校の方々から、大きく分けて3つの課題を挙げられております。
新たな障害の種類の方を受け入れることについての3つの課題ということで共通しているところとしては、1つ目が入所者間のトラブルについて懸念をされているということ、それから、2つ目が入寮者の緊急時のトラブル対応についてどうしたらいいか、例えば土日や夜間、早朝のトラブルについてどうしたらいいだろうかですとか、あと3つ目が寮ですので寮監、舎監さんがいらっしゃるわけですけれども、このような方たちと入寮生とどのようにして関わるのがいいのかというようなことです。このようなことで皆さん懸念をされていらっしゃることが分かっております。
そういう中で、これらの課題について各訓練校で様々な知恵や工夫を出していただきながら検討を重ねて、それを乗り越えた訓練校が異なる障害種類の受け入れを実現されているということがありますので、「現状の体制でできるのかどうか」という話もありますし、「専門のスタッフを配置したほうがいいのか」というような議論もなされる中で、特に成功した先行事例があるのであれば、その情報を得ながら慎重に取り組まれたらいいのかなと思っております。
○松爲座長 ほかに何か質問はありますか。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
3ページの資料によりますと、受講者701名に対して県内からの受講者が630名、県外からは71名ということで入寮率も少なくなっている。一般的に考えれば、県内であれば、交通の手段として車を利用するとかによって、そのニーズが満たされる。一方において県外からはなかなかということかもしれません。あるいは障害者の方も含めて、寮のような管理された中における訓練は嫌だという方がいらっしゃるかもしれません。あるいは前も出ていた訓練校が古くなっていて魅力ある建物になっていないわけです。見栄えというのは非常に重要なテーマなので、入ってみたいというインセンティブに欠けていることがあるかもしれません。
その原因を突き詰めることと、それから、訓練校が全国に偏在していて、全ての地域にないわけですので、積極的にこれから県外の方も受け入れて入所率を高める。そのためには寮を活用していただきたいというのが一つの方策かもしれません。そのため先ほど言った見栄えをよくするとか、食事をきちんと出すとかということも含めて考えていただければと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
小幡構成員、どうぞ。
○小幡構成員 小幡です。よろしくお願いいたします。
実際に神奈川の訓練校などの入寮の状況を見ると、利用されているお部屋はきれいでしたけれども、結構殺風景な中にあったと思います。定員があっても入っている方が1人とか、本当に少ないと、その状況を見ただけで本当は入寮しようかと思っていたけれども、正直入寮するのはどうなのかなと、人の感覚として大丈夫なのかと不安になってしまうような要素もあると思うのです。ハードの面での施設ということももちろんありますが、これは中長期の検討になると思いますけれども、今後民間のアパートみたいなところを一定数借り上げておいて、そちらに入ってもらうみたいなことの体制を取ってもいいのではないか。
要は実際に入寮希望があることと利用に至っていることのギャップがあるのだとすれば、それについても調査などをしておくといいのではないかと思いました。
先ほどトラブルの懸念について、吉岡さんのからお話がありましたけれども、既に過去の実績からすれば、時代の変容はあるにしても、入寮されていて、利用者の方が複数いるという環境は多くのところが持っていたはず。そのときにトラブルがあったのであれば、どんな要因があったのかということを振り返っておいたほうが、より適切な判断ができるのではないかと思います。私としては障害種別を超えて、希望者の環境が整って利用できるというところをどのようにつくり上げるかということが必要かということと、前にも言っていますけれども、施設維持のところでコストの課題があるのだとすれば、民間の借家を一定数借り上げる。適正なニーズに合わせて多少変容ができるという体制を取ったほうがいいこともあるのではないかと意見として思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 リモートで参加させていただいております大谷です。
皆さんが言われる内容がメインかなとは思うのですけれども、私は鳥取なので、地方で特別支援学校の卒業生が次に向かう先の中で、専攻科というのがあるので、そこは本当に枠を超えるぐらいの申し込みがあるわけですので、それを考えたときに、訓練校の在り方の中で一つの専攻科的なものもあるわけですから、入寮生を求めることも大事なことですので、そこも先ほど皆さんが言われたように整備をするとか、外のアパートを借り上げするなりのきれいな部分もあれば、県外の方の受け入れも可能になるのではないかなと思います。本人の意向もありますし、親御さんの意向としても高等部を卒業してから、次へすぐ就労という考えの方もあるのですけれども、もう1年なりどこかにというお宅もありますので、そこのところの合致が上手にできていないと思います。
ですので、各県に同じような施設があるわけではないですので、その部分として、ない県に対してのアピールというのも一つの方法であって、入寮体制をきっちり取れば、そこからの方もかなり受け入れができる可能性もあるのではないかなと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど、全障害を対象とすることが望ましいと考えていると申し上げましたが、それを検討するに当たっては、合築ということも先々選択肢になるのではないかと思っております。集中化することでより多くの障害種別を受け入れるということにつながるのであれば、合築ということもメリットがあると考えます。
合築を考えた場合、障害者の利便性、立地の話もここの資料に載せていただいていますが、交通の便がいい場所に統合していくということでなければ、望ましい方向にならないのではないかと思っております。仮に合築に関して何らか記載していくのであれば、合築するに当たっての基本的な考え方、方向性を示しておくことが必要ではないかと思っております。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 酒井です。寮についてですけれども、入寮体制を考えたときに、以前にも申し上げましたが、民間の職業訓練施設では寮とセットで職業訓練と生活の場の支援ということで、セットで行われているところもありまして、入寮の対象が全障害といったときに、知的障害の方には何らかの生活支援の要素が必要かなと思います。職業訓練側でそれを考えるというよりは、福祉との連携で、せっかく生活の場も含めて、住まいの場も含めて提供するということであれば、そこを生活支援の場、本人が将来的に自立できる場の支援ということも併せて考えていく必要があるのではないかなと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。
ほかはどうでしょうか。
質問ですが、吉岡構成員のところで、先ほど言いました全障害を相手にするときのトラブルはどんなものが大きいですか。例えば寮の場合、全障害と知的と身体、精神でうまくいくのかどうか、全障害対応のときのトラブルは何かあったのですか。どこが問題になるのでしょうか。
○吉岡構成員 こういったサポート事業をするに当たって、吉備リハでは身体障害の寮生について発生しやすい事例とか、知的障害の方についての発生する事例、障害別に発生しそうなことに対する対応を決めているということで、例えば身体障害の方であれば、体調面とか、身体的な部分がどうしても不調になったときに対応が必要になりますので、こちらは医療面の対応でカバーできるような形で進めていったり、知的障害の方であれば、本当に日常生活の部分、金銭管理だとか、それから、誤って指を切ってしまうとか、こういうようなことがあります。こうした事柄については、事前に決めておけば何とか対応が可能になるだろうと。
このような形で過去事案から想定できるものをある程度考えておいて、それに対してはこのように対応していこうというのをスタッフ間で共有して実施しているというところを皆さんが御相談に来られた場合は御説明をさしあげているような状況になります。
○松爲座長 もう一つ、吉備の場合ですと、全障害で入寮者が多いのですけれども、その担当をする指導員は何人くらいの構成でやっているのですか。
○吉岡構成員 今、生活指導においては、宿舎の生活支援員が3名いまして、この方たちがシフトで動いています。それから、夜間に対応するということで、これも3名シフト、これは外部委託のほうでさせていただいております。また、健康管理については、保健相談員や、健康管理員という看護資格を持っているスタッフを置いて対応しているという状況です。
○松爲座長 全障害ですと、それなりの非常勤・常勤を含めてマンパワーはある程度必要ということになるかもしれません。
○吉岡構成員 専門のスタッフを配置して、それぞれの役割をしっかり決めるということが重要かと思われます。
○松爲座長 ありがとうございました。
ほかにこれに関して御質問・御意見等はございますか。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 知的面でグループホームでの生活ということ、過去に1例、変わった事例の方がおられて、県外から県内の特別支援学校に来られた方で、グループホームでの生活をしながらという、それと、通常の青年期においてグループホームの利用というのはかなり普通にあるわけです。という感覚でいけば、寮内を考えるのか、グループホーム的なものをうちの方にお願いをして設置するというのも一つの方法である。
だから、考え方の変更として少し考えると、グループホームを通常的に知的障害の方、精神の方が使われていることを考えれば、そういうシステムを使えばと思いますので、一つの案としてお伝えします。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
酒井構成員がおっしゃるように、そういった生活支援に関する施設を十分利用してもいい感じがします。
ほかに何か、これに関して御意見・御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、次の話に行きたいと思います。資料2、障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書、この骨子案ですけれども、これにつきまして事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○山口特別支援室長 それでは、資料2につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
これまで各構成員からいただいた御意見等を踏まえまして、報告書の取りまとめに向けた骨子案としてお示しをさせていただいております。
全体の構成といたしましては、1つ目として障害者職業訓練をめぐる状況、2つ目として障害者職業訓練の課題、3つ目としまして課題に対する今後の具体的対応方針としております。
まず1番目として、障害者職業訓練をめぐる状況でございますが、これまで事務局資料などでお示しをしてきたとおり、障害者職業訓練は受講者の減少と障害者種別構成の変化が見られるところです。
受講者の減少につきましては、法定雇用率引き上げに伴い、職業訓練を経ずとも就職に至るケースが増加していること。就労系の障害福祉サービスの利用者が増加していることによるものと考えられるところでございます。
もう一つの障害種別構成の変化につきましては、精神・発達障害を持つ方が占める割合が上昇しており、一般校や委託訓練での精神・発達障害者の受け入れも進展しているところでございます。
こうした状況を踏まえ、障害者職業訓練の課題としまして、1つ目として、障害者訓練校の在り方、2つ目として訓練科目の見直し及び障害者特性に応じたクラス編成について、3つ目として関連施策との関係、4つ目として委託訓練の活性化、5つ目としてその他として在職者訓練についてという5つの柱立てで構成員の皆様に御議論をいただいているところでございます。
各課題の内容につきましては、これまでお示ししてきた内容ですので、ここでは御説明を省略させていただきたいと思います。
続きまして、各課題について皆様からいただいた御意見等を踏まえまして、3番目として、課題に対する今後の具体的対応方針として整理をしております。
まず、障害者校の在り方についてでございます。障害者校における施設内訓練の強みや特色の周知に関する内容として、成果検証のため、受講生の属性、就職状況、定着状況などの把握、分析を強化していくことと、障害者訓練の認知度向上のため、地域のネットワークへの関与を強めていくということ、入校手続の簡便化等を通じた受講機会の拡大を図っていくことを挙げております。
また、一般校との役割分担や連携については、障害者訓練のノウハウを一般校に共有する取組を強化していくことで、能力開発施策全体の底上げを図っていくということと、障害者訓練の受講が効果的と考えられる者に対して、ハローワークが的確な相談、受講あっせんを行えるように連携強化を図っていくこととしております。
また、施設等に関する在り方については、障害者校の施設や寮については、現行の取組が後退することがないよう、一般校との合築などの先行事例も参考に検討を進めていくとしております。
続きまして、訓練科目の見直し及び障害者特性に応じたクラス編成についてでございますが、訓練科目の設定に関する内容としまして、障害者特性に応じた訓練科目や運営、特別支援障害者の対象範囲について、求職者の動向などを踏まえ、必要な検討を行っていくということと、地域職業能力開発促進協議会や障害者支援機関が集まる会議などにおいて障害者訓練を議題として取り上げることにより、訓練ニーズに係る議論を活発化させていくことを挙げております。
また、訓練指導員の配置などについては、効果的な個別対応・支援も視野に入れた訓練指導員の配置方針などの在り方を示すとともに、各種研修の充実や好事例を共有する場の設定などを通じた訓練指導員の専門性向上に向けた取組を強化していくとしております。
オンライン訓練の在り方については、オンライン訓練は通校困難な者の受講機会の拡大につながり得ることから、対象の訓練科目について幅広く検討を行いつつ普及を図っていく。支援体制や訓練時間等も留意しつつ、障害者校の施設整備に係る課題と併せて考えていくこととしております。
次の関連施策との関係については、福祉等との連携について、今後、障害福祉サービスにおいて就労選択支援に係る取組が開始されることも留意しながら、福祉から雇用へつなぐ際の重要な役割を果たせるよう、地域の関係機関のネットワークにおいて存在感を高めていくこととしております。
また、定着支援に係る連携については、求職障害者の障害が多様化していく中では、定着支援への取組も重要であることから、ハローワークや障害者就業生活支援センターなどの定着支援を行う関係機関との連携を訓練実施期間中から密に図っていくこと。企業の障害者訓練に対する理解を促すべく、受講生のプロフィール情報を労働局やハローワークへ提供し、効果的な雇用指導、求人開拓、就職支援の強化につなげることを挙げております。
次の委託訓練の活性化については、比較的就職率の高い実践能力習得訓練コースの重点化や、委託先選定の厳格化など、質の向上を図っていくこととしております。
最後に、在職者訓練の活性化として、障害者雇用が進展していく中で、今後ニーズが高まることが見込まれることから、障害者のキャリア形成支援が十分でない企業への支援など、地域の実情を踏まえたさらなる普及・活性化を図っていくということと、メンタル不調等による休職者に対するリワーク支援訓練の普及を図っていくことを挙げております。
本日は、こちらの骨子案を基に御議論いただきますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、報告書の取りまとめに向けた意見交換を行いたいと思います。
骨子案ですから、最終的な報告書はこれに付け加えていろいろな議論の中身が入ってくると思いますけれども、骨子案全体の構造につきまして、皆さんの御質問・御意見等を伺いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。どの場面からでも結構ですから、特に項目を立てないで自由に御発言をよろしくお願いいたします。
小幡構成員、どうぞ。
○小幡構成員 骨子案の流れや構成について特に異論はないのですけれども、この辺りは中長期の課題と比較的取組を早めにやることがあるかと思います。その表記の中で、具体的対応等のところではそこを比較して読み込んでいかないと分からなくなってしまうというか、分かりにくくなるので、表記していくときには中長期の課題であるということと、それ以外のところが分類して理解が進みやすく表現していただくといいのかなと思います。
とりわけ議題の最初にあった寮の問題などは、どちらかと言えば中長期の課題であるので、中長期の課題は今後どこで議論したり、さらに深めていくのかというところも示していただけるといいのではないかと感じました。
細かいところで言うと、訓練科目については時間の不足感が加速しておりまして、それこそ生成AIなども含めてやってきたときに、そういうものを使うことによって障害をお持ちの方が逆にリカバリーできる部分が相当あるのではないかと思います。ですから、単純に科目の在り方だけではなく、その習得のスタイル自体も求職者が思っているより提供する側が示してあげると、より飛躍することもあるかと思いますので、ぜひ求職者のニーズの中には、御本人たちが経験値の中から導くものだけではなくて、合理的配慮も含めたところで整備していけば、利用者がつかみ得るだろうニーズについても予測していただきたいと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
阿部構成員、よろしくお願いいたします。
○阿部(一)構成員 そもそものことなのですけれども、障害者校が19校で、47都道府県ということを考えると、それぞれの配置というのは、それぞれの地域ブロックのようなところに配置されているものかなと思います。そうすると、疑問というか、どうなのかなと思うのは、設置されている19の県とそれ以外のところでの障害者雇用の現状はどうなのか。
もう1点は、この19校でのノウハウといいますか、例えば具体的対応指針の(1)のところで見ると、4つ目の○にありますように、障害者訓練のノウハウを一般校に共有する取組を強化していくというような点は、障害がある人の就職に対する希望も種別という言葉で言っていいのかどうか分かりませんけれども、変わってきていますし、企業の求めることも変わってくるようなときに、この19校がそれぞれのブロックで中核的な役割をしていき設置されていない地域の一般校において障害がある人、またはグレーゾーンという言葉なのでしょうか、学ばれる方に関しての支援体制を整えていくためにも、この19校の障害者校はとても大事な役割を担っていくことが求められるのかなと思いながら、それも大事なことかなと思って発言させていただきました。
それから、今年の10月から就労選択支援ということが始まるときに、いわゆるアセスメントをする方々に十分に訓練校、障害者校の在り方をお伝えしていただくように、選択肢が一般企業、福祉的就労、そして、もっと専門的なこと、議論でもありましたけれども、人との関わりを身に着けるためにも訓練校がその選択肢のうちの一つに入っているということを十分に認知していただくようになっていくのが大切なのかなと思います。
○松爲座長 まさにそのとおりです。ありがとうございました。
先ほど特別支援学校の高等部を出た後のコースとして、本当はもっと訓練校の新しい支援コース、専門コースと同じような意味合いで強調していくことが望ましいと思います。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 職業大の深江です。今の内容に関連するような話ではあるのですけれども、まず、骨子案については私も今までの議論をよくまとめられた非常にいいものだと思っております。その上で、今までの議論の中で見落としがないか振り返ったときに、精神・発達障害の方の割合が増えているにもかかわらず、精神・発達障害の方が主に在籍している通級指導とか、あるいは一般大学の学生支援センターの職員の方向けへの周知、あるいは連携というものが議論として抜けていたと感じました。ですので、今のお話と同じことなのですけれども、そういった通級指導や学生支援センター等に障害者校をもっと知ってもらう取組をすべきではないかと考えております。
○松爲座長 ありがとうございます。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 少々門外漢なので誤解があるかもしれません。職業能力開発の幾つかの今まで議論が、例えば平成28年8月とか、24年7月とか、27年3月、能力開発校についてのいろいろな報告も出ているのですけれども、今回の報告が今までと違って時代に応えた何かというポイントがあったほうが、今までの時代と違うのだと、私はかなり時代の変化とともにパラダイムがチェンジしていて異なるところがあるのではないかという気がします。
その意味では、この章立てでいいのですけれども、特に2の(2)の訓練科目の見直し及び障害特性ということで、訓練校であるとか、その下にある職業訓練指導員の専門性の確保というのが非常に重要なテーマかと思っています。職業訓練指導員というのは、指導員という言葉はこの時代には合っていないので、まさに指導というのは職種があって、それに応じた能力開発をしていくというパラダイムでやっているのだとすれば、それはもう止めましょう。
むしろ職業能力開発支援員のほうが、今の時代にあってこれから、それはまさに発達のことも含めて精神のこともありますけれども、障害の多様性とか、個々の障害者の多様性ということを考えれば、むしろ職種に当てはめるのではなくて、本人に合った職業であるとか、あるいは職種を開発していく、領域を開発していくような指導支援員の能力開発、そのための能力開発だと考えておりますので、単なる指導ということではもうないかなと思っています。
そういう時代のニーズに合った、上にも地域ニーズに対応した効果的な障害種別と書いてありますけれども、それだけではなくて、時代のニーズに対応した効果的な障害種別と訓練科目の設定、そうなると、発達や精神の方に対応したコースをつくっていただきたい。それとともに柔軟に変えながら、先ほどITの話がありましたけれども、そういうものは今までと違うわけですから、そういうコースをきちんとつくっていただいて、柔軟に変えながらやっていただきたい。そういう思いがしました。
最後に、そうなると、訓練校、あるいは職業指導員の専門性とは何かということをもう一度考えると、職業リハビリテーションをきちんと職業能力開発校の専門性として、あるいは職業指導員の専門性として最前線でやる、職業リハビリテーションの基地なのだと、そういうことを規定していただきたいと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがたいお言葉で、私がいつも考えている話です。
今おっしゃる話に付け加えますと、今まさに時代はキャリアを自分でつくっていく時代です。だから、指導という格好で上から目線ではなくて、キャリア開発になってきますと本人が自分で開発できるように、それを支えていくという意味では、名称をどうするかは別にしまして面白い意見かなと思いました。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 私はふだん職業訓練施設で仕事をしておりますが、今、大塚構成員がおっしゃったように、まさしく私たちは指導員ではなくて支援員だという話を日頃からしています。指導というと、ここまでのラインがあって、ここに引き上がってきなさいみたいな支援なのですが、支援だと、下りていく支援という言葉をいつも言っているのです。一人一人に寄り添う支援をしていかないといけないということで、職業訓練は地域の相談支援事業所をはじめ、福祉機関から見たらすごくハードルが高いのです。
すごくハードルが高く映っているのは、指導というところがあるからかなと思っていて、地域の中に職業訓練におけるニーズがまだまだたくさんあると思うのです。そのニーズと職業訓練をやっている場とマッチングしていくためには、もっと地域の福祉サイドにも入っていくという意味で、この2ページのところに書いてある就労選択支援は一つの大きなチャンスかなと思っています。障害福祉課のほうから出された3月31日の通知文にも、きっちりと職業訓練とか委託訓練と連携を図っていくということを明記していただいていますので、そういう意味では、私たち職業訓練をしている人たちが、そういう意識を変えていくこともとても大事になると思っています。私たち自身がもっと福祉サイドのことを知って、そちらの資源と連携を図るという体制をつくっていくことが必要かなと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど大塚構成員のほうから、この時代の中でどういうことを打ち出していくべきかというお話をいただきました。私は今回の打ち出しの項目の1つとして、「就職支援」や「定着支援」の強化を打ち出していくべきではないかと思っています。
そういう意味では、現在は2ページの最後のところ、就職支援や定着支援は関連施策という位置づけになってしまっていますが、私は独立の項目を設けて、就職支援及び定着支援の強化ということを前面に出して項目立てを行っていただいてはどうかと思っているところです。
ここに書いてあるとおり、ハローワークや中ポツセンターなどと連携することは大変重要なのですが、障害者校に入校された方に関しては、講師の方との人間関係が長期にわたってつくられておりますので、障害者校が定着支援までしっかりサポートしていくということが、今の時代にふさわしい在り方ではないかと思っております。これを基本的な姿勢として位置づけてもらえないかと思っているところです。
次に、この関連で質問をさせてもらいたいのが、3ページの○の2つ目、プロフィールに関して記載をいただいております。大変重要なことだと思っております。現在、全障害者校でこのようなプロフィールをつくっているのか、あるいはつくられていないのであれば、全校で取り組むようなことをこの中で記載してはどうかと思っております。
○松爲座長 プロフィールに関して、事務局、どうぞ。
○山口特別支援室長 プロフィールにつきましては、以前つくられていたところもあるのですけれども、現在つくられていないところもございますので、全校でつくられているような状況ではございません。
○松爲座長 プロフィールを含めて、例えばハローワークで就労パスポートみたいなものがあります。ああいう格好で個人情報をきちんとして、それをつなぐという、聞いていると、それが結構大事かもしれません。
もう一つ、今、山脇構成員がおっしゃいました特に就労支援、定着支援という格好で(3)の名称を変えたほうがアピール性は高いのではないかという話ですけれども、皆さん、これはどうでしょうか。何かありますでしょうか。
私は今の話を聞いていて、もう1回全体を見直しますと、実は関係機関との関係とか、ネットワークというのは(1)から(4)まで、あちこちにあることはあるのです。私が今もう1回全部調べてみますと、例えば(1)の訓練校の在り方のマル2の地域ネットワーク、これはネットワークとしての連携をつくりましょうというイメージになります。さらに3つ下に下がりまして、ハローワークの的確な相談・受講、これもいわゆる相談・受講との間の関係とネットワーク、また、2番目のクラス編成につきましても、例えば(2)訓練ニーズに係る議論の活発化という意味ではネットワークのイメージが入ります。
つまり、連携ということが結構あちこちにあるので、となってくると、逆に、むしろ就労支援、定着支援ということを先ほどおっしゃったように、全体の報告書のアピールとして前面に出しても悪くはない感じもします。つまり、ほかのところに関係とか、関連とか、連携ということが結構出てくるので、そうすると、特にここにおいてはそういった関係、連携があるものを前提として、なおかつ就労支援、定着支援をどこまで強調するか。そういった考え方もあるのではないかなと、今、私は伺いながら感じるのですけれども、ほかの方々はどうでしょうか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 就労支援、定着支援について、私どもの学校は指導員の養成を行っておりますので、その観点から発言させていただきます。まず、就労支援、定着支援に名前を変えたほうがいいのではないかというのは私も賛成だと思います。ただ、懸念がありまして、私どもの学校ではキャリア形成支援についての科目もありまして、それで指導員になる前に教えていますが、指導員になるルートというのは私たちの学校以外にも幾つかあって、特に都道府県でよくありがちな、企業で活躍されていた熟練技能者の方が指導員になる場合は、こういうキャリア形成支援については全く学んでない状態で免許を取得しているのがあります。ですので、そういった場合に果たしてできるのかどうか、そのためにはそれをできるような研修をするのか、もしくはキャリア形成支援をできる専門的な人材を増やすのか、そういった施策もセットでやるべきだと思います。
○松爲座長 先ほど何人か言われたように、指導員の研修とか、育成もどこかで項目を立てていかないと今の話につながってこないです。
もう一つ、例えば定着支援といったときに、全体の制度を考えていくと、マンパワーとか人材があって、どこまでできるかどうか、であるがゆえに、余計にほかの機関とのネットワーク、生活も含めてネットワークを強調することを(1)(2)で逆にむしろ強調していく感じ、それとの連携で、就労支援、定着支援、ただし、今度はそれに絡んだ人材育成をどこへ組み込むか。そういうところの関連性もすごくありそうな気がします。
ほかの方々はどうですか。反対意見でもどんなことも結構ですけれども、何かありますでしょうか。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 職業選択支援は重要なテーマなので。書いていただくかどうか分からないですが、職業能力開発校の権利条約以降、今本人の意思をきちんと確認しながらやっていくことが非常に大きな話になっています。無視できない。例えば成年後見制度、今、民法改正が始まっていて、従来の後見人による代理代行決定から意思決定支援の大きな転換になります。障害分野においても意思決定は非常に大きなもの、本人の話を聞きながら能力開発をするのは必須なものだと思っておりますので、もし、選択ということであれば、よく聞いてやっていくのだということをきちんとここで出していただきたいと思います。
以上です。
○松爲座長 ほかはどうでしょうか。何かありますでしょうか。
吉岡構成員、どうぞ。
○吉岡構成員 やや細かいところですけれども、(5)の「在職者訓練の活性化」のところ○の2つ目ですが、私ども機構としては地域障害者職業センターにてリワーク支援もやっておりますので、この辺り、私がこれを読ませていただいたときに、趣旨としては恐らくメンタル不調等から回復して訓練受講が可能となった在職者について、職場復帰後の学び直しとか、レベルアップの選択肢の一つとして職業訓練の活用について検討していく、といった趣旨かと思われますけれども、この文面ですと、障害者訓練校がメンタル疾患等による休職者の職場復帰のためのプログラムを一から実施していくと誤読されるような恐れがあるかもしれませんので、この表現については御留意いただければと思っております。
○松爲座長 誤解されるということですね。分かりました。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 今、委託訓練の話が出ましたので、私もこの関連で改めて申し上げたいと思います。委託訓練の見直しの必要性については、この間、繰り返し申し述べてきたところです。先ほど事務局のほうから御説明いただいた就職率の下方修正、特に令和5年の状況で言うと10%ポイント以上、低下をしていることもあります。相当改善が必要ではないかと申し上げておきたいと思います。
委託先の選定の厳格化ということだけでなく、参考資料4を見せていただくと、都道府県によって委託訓練の率が10%を切るようなところから100%のところまで相当開きがありますので、何に原因があるのかしっかりと分析をして、都道府県ごとの取組の底上げを図っていくということも、この中でしっかりと打ち出していくことが必要ではないかと思います。
○松爲座長 分かりました。
ほかに何かどうですか。
今回の話を踏まえて報告書に入ってきますので、次回は全般に関してのディスカッションになりますので、細かいことでも気づいたことなどありましたら、ご発言をお願いします。
阿部構成員、どうぞ。
○阿部(博)構成員 基本的にこの骨子案の内容でよいかと思います。神奈川の視察のときにも申したのですが、せっかく入校されたのに途中で辞められる方も一定数いるということで、本人が希望しているところでしたら特に問題はないかとは思うのですが、せっかく入ったのだから、就労準備性をしっかり身に着けた上で就職したほうが、そこはいいのかなと思いますので、課題というわけではないのですけれども、現状のところで、そういったこともあると若干触れることもあるのかなと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
大塚構成員、どうぞ。
〇大塚構成員 一般校との連携のお話が出ていましたけれども、先ほどの阿部(一)構成員の発言と同じようなことを考えていて、都道府県に偏在があって全ての県をカバーしていない。そういう中においては、一般校における障害のある方を受け入れる、発達障害の方などは一般校のほうがいいという方もいらっしゃるかもしれない。そういうニーズに応えていくということはあります。
では、一般校において、その専門性が確保されるかというと、今後高めていっていただきたいわけですけれども、そのために障害者職業能力開発校が、まさに連携しながら、サポートしていただきながら一緒にやっていく。そうすると、先ほどの阿部(一)構成員の話だと、能力開発校というのはブロックにおける基幹的な機能を持つ、そこまで専門性を持たせられるかどうかよく分からないですけれども、でも、全てではなくて、少なくとも能力開発校に発達障害の専門家がいる。その方がきちんと一般校を見ていたり、あるいは地域のほかのいろいろなところをサポートしていく。そのくらいのシステムはそんなにお金がかからないと思うので、そういうことであれば、非常に専門性が確保されて、能力開発校に行こうという、国立機構営校の2つだけでは多分全部をカバーできないです。ブロックにおける能力開発校の専門的機能の発揮に期待しています。
以上です。
○松爲座長 確かにおっしゃるとおり、今まではブロック的な考え方もなかったような気がするのだけれどもね。特に19校しかないものですから、委託訓練を補完的な格好で、訓練校のないところに関しては委託訓練で増やそうという視点があったので、そこは議論としては聞いていたのですけれども、地域のブロックの中核的な機能として能力開発校を考えていくというのはあまり聞いたことがないのです。
事務局、そういう考え方は今までありましたか。
○内藤特別支援室長補佐 高障求機構で運営いただいている2校、それぞれ東日本、西日本を中心にノウハウを提供いただいているという体制はあって、あとは障害者校がどこまでブロックの中でやっていけるかというのは、今後考えていく必要あると思います。
○松爲座長 ありがとうございました。
ほかに何か御意見等はございますか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 これは質問になるのかもしれないのですけれども、委託訓練の話が出ておりましたが、委託訓練での指導員、あるいは支援する者はどこで学ばれているのかというのが、私どもがやっている研修には参加されていないので、きちんと場が用意されているのか、実は用意されていないのか、それを質問したいと思います。
○松爲座長 委託訓練の場合は委託先をどうやって決めていくかという問題があります。つまり、中の指導員とか訓練員が資格を持っているような者がどこまで存在しているかどうか、そういったところも範疇に入るのかなと思います。
事務局、どうですか、委託訓練の委託のやり方は。
○内藤特別支援室長補佐 障害者訓練について指導員の方とか、いろいろな方に対する研修をやっているのですけれども、そのプログラムの中で、委託訓練の実施機関の方向けのものもございますので、そちらに参加していただいて学んでいただくという仕組み自体はございます。
○松爲座長 私が知っている経験ですと、委託訓練は例えばあるNPOでいうと、会社のOBの方々が集まって会社をつくって、会社の状況をよく知っているから我々は委託訓練を受けることできるのだということで委託を受けていたところもあったりします。だから、委託を受ける側がどんな資質を持っているかどうかということを決めていくかが大事かもしれません。その中の能力、指導力をどこまで持っているかどうか。そこがまだはっきり分からないところがあります。
高山構成員、どうぞ。
○高山構成員 今の話ですけれども、うちのほうでは福祉関連の専門学校を持っていまして、その中でPSWの方が委託訓練のほうに入ってカウンセリングをそこでするというのが増えている状況だそうです。それが今の背景で、精神障害者の増加に対応して、職業訓練の現場においても精神保健福祉士(PSW)による心理的支援・カウンセリングの必要性が高まっている。それに応じてPSWの関与が広がっており、訓練内容に福祉的視点を取り入れる重要性が増しています。
○松爲座長 それはいろいろな条件で決めているのかな。ありがとうございました。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど深江先生が触れられた指導員の育成のところについてです。3の(2)の書きぶりですが、育成については県営校内でのローテーションのみを対象としているように読めます。国立機構営校の指導員の専門性というのはかなり高いものがあって、その方々の知識を県営校に移していくことが大変重要だと思います。そういう意味では、例えば、県営校のほうに国立機構営校の指導員に出向していただいて取り組むという視点があってもいいのではないかと思いますので御検討いただければと思います。
また、せっかく発言の機会をいただいたので、オンライン訓練についても申し上げておきたいと思います。資料上では中長期の課題みたいな形で整理されているのですが、オンライン訓練は待ったなしではないかと思っています。一般校では既にオンライン訓練ができるところが多くある中で、中長期に位置づけるのは遅すぎるのではないかと思っております。
○松爲座長 確かにオンラインはもう一般校でやっています。先ほどのように全国で19校しかない場合にはオンラインでできるのだったらできる体制をつくったほうがいいかもしれません。そのための中長期的かどうか、すぐやらなくてはいけないけれども、予算的なこととかをいろいろ考えなければ、設備体制等々が結構あったりするかもしれません。でも、恐らくコースとしてはやっておかなくてはならない感じがすごくあります。
もう一つ、先ほど御指摘のありました指導員の一般校への出向です。あれも一つ関連してくるのは、先ほどの合築をどう進めていくかという、それもセットして考えていけるかもしれません。それだけ一般校との間で情報共有するとか、障害者校が一般校に対しノウハウを提供するような、全体的な体制の枠の中で、例えば指導員の派遣とか、あるいは合築、そういった戦略もありますといったまとめ方になるかもしれません。
ほかにどうでしょうか。御質問・御意見等がございますか
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 能力開発校が一般校をサポートするようなことも含めて考えていたのは、職員の交流であるとか、あるいは研修を一緒にやるとか、研究を一緒にやるとか、そういう人事交流、それから、職員は嫌かもしれませんけれども、少し動いたほうがいいです。ほかのところを知るということは全然違うので、その中でやるというのは限界があるので、いろいろなところを見ていただくことによって職員の能力も伸びると思いますので、そういう仕組みも必要かな。異動も必要かと思います。
○松爲座長 この前、神奈川を見にいったときには、あれは一般校一般から障害者校障害者へ赴任されたのでしたか。
もう一つ、あのときに見たのは、特別支援の先生方が非常勤で入ってらっしゃいました。ああいう格好で、それぞれの関係資源の中でもっと交流的なものがあったほうがお互いにメリットが大きいという感じがいたします。
ありがとうございました。
ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、ないようですので、これにて議題1については以上とさせていただきます。
本日の議論を踏まえまして、事務局において整理を進めていただきます。
そして、次回の検討会では、報告書のまとめの議論を深めていきたいと思います。
それでは、時間となりましたので、本日の検討会はここまでといたします。
最後に、全体を通じまして何か御意見・御質問等はございますか。よろしいですか。
ないようでしたら、本日の検討会はここで終了といたします。
では、事務局にお返しいたします。
○内藤特別支援室長補佐 松爲座長、ありがとうございました。
また、本日御参加の皆様におかれましては、長時間にわたりありがとうございました。
本日の議事録につきましては、構成員の皆様に御確認いただいた後、資料とともにホームページで公開することとしております。
次回の開催につきましては、別途事務局から御連絡をさせていただきます。
本日はありがとうございました。
○松爲座長 お疲れさまでした。ありがとうございました。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、菅沼構成員が欠席となります。
それでは、議題に入る前に、本日の注意事項等につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 事務局、特別支援室の内藤でございます。
本日の検討会はこちらの会場とオンラインで開催いたします。このため、皆様方からの発言についてお願いがございます。会場の方は挙手、オンラインの方は手を挙げる機能を使用していただければと思います。御発言される方を指名させていただきますので、指名された後に、まず、お名前を名乗っていただき、御発言いただくようお願いいたします。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしていただきますようお願いいたします。
オンライン出席の方で、操作などで御質問がある場合は、事務局まで、チャット、メール、電話等で御連絡いただくようお願いいたします。
また、参考資料2をつけておりますけれども、令和7年度に入りまして構成員の交代がございますので御紹介させていただきます。
東京労働局職業安定部 職業対策課長の湯地幹彦様。
大阪障害者職業能力開発校 副校長の有賀英昭様。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 職業リハビリテーション部次長の吉岡治様。
加えて。事務局とオブザーバーにおいても人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
特別支援室長の山口でございます。
障害保健福祉部 障害福祉課課長補佐の脇坂でございます。
よろしくお願いいたします。
報道関係者の方々の撮影はここまでとなりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。
本日の資料は、議事次第。
資料1として、特別支援室資料。
資料2として、障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書(骨子案)。
参考資料1として、本検討会の第2回までの構成員の御意見等。
参考資料2として、検討会の参集者名簿。
参考資料3として、公共職業訓練(障害者訓練)の実施状況。
参考資料4として、令和5年度の都道府県別障害者委託訓練実施状況を御用意しております。
これらの資料に不備等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
最初に資料1の特別支援室資料及び参考資料の3、4の公共職業訓練(障害者訓練)の実施状況等につきまして、事務局より説明いただきたくお願いいたします。
○山口特別支援室長 それでは、資料1、参考資料3、4につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
まず、参考資料3のほうから御説明をさせていただきたいと思います。障害者委託訓練に係る実績の訂正についての説明でございます。
厚生労働省では、定例業務統計として障害者訓練の実施状況の実態を把握し、訓練実施主体である全国47都道府県を対象に毎年度調査を実施しているところですが、今般複数の県におきまして当該統計の障害者委託訓練における就職者数について、本来訓練修了後3か月以内の就職者を計上するところ、3か月を経過した方につきましても計上してしまっていたことが判明いたしました。このことから、各県におきまして再度確認を行いましたところ、お配りした資料のとおり、令和元年度以降の就職率の欄のところに括弧書きのところがございます。こちらのところに訂正の必要が生じて、厚生労働省のホームページで訂正後の実績を掲載しているところでございます。
都道府県別の委託訓練の実施状況につきましては、参考資料4として添付させていただいております。
本検討会におきまして、委託訓練の就職率等をお示しして御議論いただいていたところ、実績の訂正が生ずることとなりまして誠に申し訳ございません。集計齟齬の確認された複数の県におきましては適正な集計、それから、再発防止等の徹底を求めたところでありまして、併せて今後、同様の計上区分の齟齬が生じることがないよう、障害者委託訓練実施要領の改正を行うとともに、全都道府県に対しまして本事案の共有と注意喚起を目的とした文書を発出したところでございます。引き続き再発防止の徹底をしてまいりたいと思っております。
それでは、資料1につきまして御説明をさせていただきたいと思います。前回、各構成員から提供依頼をいただいたものについて、2点用意をさせていただいております。
障害者校における入寮状況等についてというところでございます。前回、小幡構成員から、障害者校について地方の状況も資料として提供をいただきたいという御意見をいただきまして、入寮状況等について各障害者校の状況を資料にしております。
続きまして、障害者校と一般校の合築についてということで、前回、山脇構成員から御依頼をいただいておりまして、障害者校と一般校の合築の例を挙げさせていただいております。
2ページ、障害者校における入寮者の状況ということでございまして、こちらは第1回検討会でも御紹介をした資料でございます。全体の入寮率は右下に赤字で書いてありますが、21.1%となっております。全障害、障害限定ありというところでも差が出ているという状況でございます。
3ページ、各障害校の県外の受講者の状況ということで、受講者がどの程度県内・県外から来ているかという状況を見たものでございます。3ページは国立県営校ということでまとめさせていただいております。県内の割合が89.9%でございまして、県内の方が多いという状況でございます。
4ページ、機構営校と県立県営校の状況をまとめたものでございます。機構営校では全体で34.7%が県内の方、県立県営校では96.8%が県内の方になっておりまして、機構営校では県外の方も多くいらっしゃっておりますが、県立県営校は高い割合で県内の方が入校されているという状況でございます。
5ページ、各障害者校のアクセスの状況を見た資料となります。鉄道の最寄り駅からの交通手段と所要時間、それから、参考までに都道府県庁最寄り駅からの所要時間ということで記載させていただいております。
5ページが国立校の状況でございます。
6ページが同様に県立校の立地の状況を示した資料となっております。
7ページが一般校の合築の例といたしまして、京都校の状況について資料としたものでございます。こちらの真ん中のほうにございますように、平成22年に訓練校の再編を機に障害者校を一般校の校舎内に同居させるという形で新設しまして、それまで障害者校として運営してきた校舎は知的障害者専門の訓練校として存続させるといった形となっております。訓練科目の見直し状況についても併せてまとめさせていただいております。
8ページが京都校の配置図を参考としてつけさせていただいているものでございます。赤色の枠が障害者校、緑色のところが一般校で使用しているという状況でございます。御覧のとおり、同一フロア内に障害者校、一般校の訓練科が共存する形となっております。
9ページ、前回、室長の稲田からも触れましたが、障害者校と一般校の合築のメリットにつきまして、京都校へのヒアリングの内容も踏まえて記載をしたものでございます。障害者訓練のノウハウを一般校にも共有しやすくなるなど、職員間の連携によるソフト面での効果も期待できるのではないかと考えております。
資料1につきましての説明は以上でございます。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、皆さんの御意見・御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 連合の山脇でございます。資料1の関係についてお伺いしたいと思います。
まずもって、前回の発言を踏まえ資料を御準備いただいたこと、関係各校を含めて御礼を申し上げたいと思います。
資料1の2ページで、各障害者校の入寮対象者、あるいは入寮率が示されておりますが、入寮対象について伺いたいと思います。
記載のとおり、全障害、身体のみ、あるいは知的のみということで、各校によって入寮対象が異なっていますが、例えば障害者の幅広いニーズに対応するということや、寮の効率的な運用、稼働率を上げるという観点に立つと、入寮対象は全障害とする方向で検討することが望ましいのではないかと私自身は思っています。現状、この入寮対象が異なっているのは、厚生労働省で何らか指針を示していないことによるのか、あるいはほかの要因があるのかということについて、厚労省の御認識を伺いたいというのが1点です。
○松爲座長 ありがとうございます。
事務局、よろしいですか。
○山口特別支援室長 入寮対象につきましては、厚生労働省から障害者校の運営を各都道府県のほうに委託しておりますので、各都道府県のほうで御判断をいただいているところでございます。
○松爲座長 ほかに何かありますか。
○山脇構成員 厚生労働省として今後どうしていきたいと考えているのか考えがあれば伺いたいと思います。
○山口特別支援室長 入寮対象については、様々な皆さんの御意見等がございますので、それを踏まえまして、いろいろな御意見を参考にさせていただきたいと思っております。
○松爲座長 吉岡構成員、どうぞ。
○吉岡構成員 私ども機構営校としては、吉備高原職業リハビリテーションセンターのほうでは寮を持っていまして全障害を受け入れているということもありますので、専門訓練コース設置・運営サポート事業の中で、各障害者訓練校のいろいろなお困りごとの相談を受けさせていただいて対応しているという状況の中で、寮に関わる運営管理についての御相談、特に新たな障害種類の方の入寮についてどうしたらいいかというようなことでの御相談も受けておりまして、直近で言いますと、複数の訓練校の方々から、大きく分けて3つの課題を挙げられております。
新たな障害の種類の方を受け入れることについての3つの課題ということで共通しているところとしては、1つ目が入所者間のトラブルについて懸念をされているということ、それから、2つ目が入寮者の緊急時のトラブル対応についてどうしたらいいか、例えば土日や夜間、早朝のトラブルについてどうしたらいいだろうかですとか、あと3つ目が寮ですので寮監、舎監さんがいらっしゃるわけですけれども、このような方たちと入寮生とどのようにして関わるのがいいのかというようなことです。このようなことで皆さん懸念をされていらっしゃることが分かっております。
そういう中で、これらの課題について各訓練校で様々な知恵や工夫を出していただきながら検討を重ねて、それを乗り越えた訓練校が異なる障害種類の受け入れを実現されているということがありますので、「現状の体制でできるのかどうか」という話もありますし、「専門のスタッフを配置したほうがいいのか」というような議論もなされる中で、特に成功した先行事例があるのであれば、その情報を得ながら慎重に取り組まれたらいいのかなと思っております。
○松爲座長 ほかに何か質問はありますか。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
3ページの資料によりますと、受講者701名に対して県内からの受講者が630名、県外からは71名ということで入寮率も少なくなっている。一般的に考えれば、県内であれば、交通の手段として車を利用するとかによって、そのニーズが満たされる。一方において県外からはなかなかということかもしれません。あるいは障害者の方も含めて、寮のような管理された中における訓練は嫌だという方がいらっしゃるかもしれません。あるいは前も出ていた訓練校が古くなっていて魅力ある建物になっていないわけです。見栄えというのは非常に重要なテーマなので、入ってみたいというインセンティブに欠けていることがあるかもしれません。
その原因を突き詰めることと、それから、訓練校が全国に偏在していて、全ての地域にないわけですので、積極的にこれから県外の方も受け入れて入所率を高める。そのためには寮を活用していただきたいというのが一つの方策かもしれません。そのため先ほど言った見栄えをよくするとか、食事をきちんと出すとかということも含めて考えていただければと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
小幡構成員、どうぞ。
○小幡構成員 小幡です。よろしくお願いいたします。
実際に神奈川の訓練校などの入寮の状況を見ると、利用されているお部屋はきれいでしたけれども、結構殺風景な中にあったと思います。定員があっても入っている方が1人とか、本当に少ないと、その状況を見ただけで本当は入寮しようかと思っていたけれども、正直入寮するのはどうなのかなと、人の感覚として大丈夫なのかと不安になってしまうような要素もあると思うのです。ハードの面での施設ということももちろんありますが、これは中長期の検討になると思いますけれども、今後民間のアパートみたいなところを一定数借り上げておいて、そちらに入ってもらうみたいなことの体制を取ってもいいのではないか。
要は実際に入寮希望があることと利用に至っていることのギャップがあるのだとすれば、それについても調査などをしておくといいのではないかと思いました。
先ほどトラブルの懸念について、吉岡さんのからお話がありましたけれども、既に過去の実績からすれば、時代の変容はあるにしても、入寮されていて、利用者の方が複数いるという環境は多くのところが持っていたはず。そのときにトラブルがあったのであれば、どんな要因があったのかということを振り返っておいたほうが、より適切な判断ができるのではないかと思います。私としては障害種別を超えて、希望者の環境が整って利用できるというところをどのようにつくり上げるかということが必要かということと、前にも言っていますけれども、施設維持のところでコストの課題があるのだとすれば、民間の借家を一定数借り上げる。適正なニーズに合わせて多少変容ができるという体制を取ったほうがいいこともあるのではないかと意見として思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 リモートで参加させていただいております大谷です。
皆さんが言われる内容がメインかなとは思うのですけれども、私は鳥取なので、地方で特別支援学校の卒業生が次に向かう先の中で、専攻科というのがあるので、そこは本当に枠を超えるぐらいの申し込みがあるわけですので、それを考えたときに、訓練校の在り方の中で一つの専攻科的なものもあるわけですから、入寮生を求めることも大事なことですので、そこも先ほど皆さんが言われたように整備をするとか、外のアパートを借り上げするなりのきれいな部分もあれば、県外の方の受け入れも可能になるのではないかなと思います。本人の意向もありますし、親御さんの意向としても高等部を卒業してから、次へすぐ就労という考えの方もあるのですけれども、もう1年なりどこかにというお宅もありますので、そこのところの合致が上手にできていないと思います。
ですので、各県に同じような施設があるわけではないですので、その部分として、ない県に対してのアピールというのも一つの方法であって、入寮体制をきっちり取れば、そこからの方もかなり受け入れができる可能性もあるのではないかなと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど、全障害を対象とすることが望ましいと考えていると申し上げましたが、それを検討するに当たっては、合築ということも先々選択肢になるのではないかと思っております。集中化することでより多くの障害種別を受け入れるということにつながるのであれば、合築ということもメリットがあると考えます。
合築を考えた場合、障害者の利便性、立地の話もここの資料に載せていただいていますが、交通の便がいい場所に統合していくということでなければ、望ましい方向にならないのではないかと思っております。仮に合築に関して何らか記載していくのであれば、合築するに当たっての基本的な考え方、方向性を示しておくことが必要ではないかと思っております。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 酒井です。寮についてですけれども、入寮体制を考えたときに、以前にも申し上げましたが、民間の職業訓練施設では寮とセットで職業訓練と生活の場の支援ということで、セットで行われているところもありまして、入寮の対象が全障害といったときに、知的障害の方には何らかの生活支援の要素が必要かなと思います。職業訓練側でそれを考えるというよりは、福祉との連携で、せっかく生活の場も含めて、住まいの場も含めて提供するということであれば、そこを生活支援の場、本人が将来的に自立できる場の支援ということも併せて考えていく必要があるのではないかなと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。
ほかはどうでしょうか。
質問ですが、吉岡構成員のところで、先ほど言いました全障害を相手にするときのトラブルはどんなものが大きいですか。例えば寮の場合、全障害と知的と身体、精神でうまくいくのかどうか、全障害対応のときのトラブルは何かあったのですか。どこが問題になるのでしょうか。
○吉岡構成員 こういったサポート事業をするに当たって、吉備リハでは身体障害の寮生について発生しやすい事例とか、知的障害の方についての発生する事例、障害別に発生しそうなことに対する対応を決めているということで、例えば身体障害の方であれば、体調面とか、身体的な部分がどうしても不調になったときに対応が必要になりますので、こちらは医療面の対応でカバーできるような形で進めていったり、知的障害の方であれば、本当に日常生活の部分、金銭管理だとか、それから、誤って指を切ってしまうとか、こういうようなことがあります。こうした事柄については、事前に決めておけば何とか対応が可能になるだろうと。
このような形で過去事案から想定できるものをある程度考えておいて、それに対してはこのように対応していこうというのをスタッフ間で共有して実施しているというところを皆さんが御相談に来られた場合は御説明をさしあげているような状況になります。
○松爲座長 もう一つ、吉備の場合ですと、全障害で入寮者が多いのですけれども、その担当をする指導員は何人くらいの構成でやっているのですか。
○吉岡構成員 今、生活指導においては、宿舎の生活支援員が3名いまして、この方たちがシフトで動いています。それから、夜間に対応するということで、これも3名シフト、これは外部委託のほうでさせていただいております。また、健康管理については、保健相談員や、健康管理員という看護資格を持っているスタッフを置いて対応しているという状況です。
○松爲座長 全障害ですと、それなりの非常勤・常勤を含めてマンパワーはある程度必要ということになるかもしれません。
○吉岡構成員 専門のスタッフを配置して、それぞれの役割をしっかり決めるということが重要かと思われます。
○松爲座長 ありがとうございました。
ほかにこれに関して御質問・御意見等はございますか。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 知的面でグループホームでの生活ということ、過去に1例、変わった事例の方がおられて、県外から県内の特別支援学校に来られた方で、グループホームでの生活をしながらという、それと、通常の青年期においてグループホームの利用というのはかなり普通にあるわけです。という感覚でいけば、寮内を考えるのか、グループホーム的なものをうちの方にお願いをして設置するというのも一つの方法である。
だから、考え方の変更として少し考えると、グループホームを通常的に知的障害の方、精神の方が使われていることを考えれば、そういうシステムを使えばと思いますので、一つの案としてお伝えします。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
酒井構成員がおっしゃるように、そういった生活支援に関する施設を十分利用してもいい感じがします。
ほかに何か、これに関して御意見・御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、次の話に行きたいと思います。資料2、障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会報告書、この骨子案ですけれども、これにつきまして事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○山口特別支援室長 それでは、資料2につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
これまで各構成員からいただいた御意見等を踏まえまして、報告書の取りまとめに向けた骨子案としてお示しをさせていただいております。
全体の構成といたしましては、1つ目として障害者職業訓練をめぐる状況、2つ目として障害者職業訓練の課題、3つ目としまして課題に対する今後の具体的対応方針としております。
まず1番目として、障害者職業訓練をめぐる状況でございますが、これまで事務局資料などでお示しをしてきたとおり、障害者職業訓練は受講者の減少と障害者種別構成の変化が見られるところです。
受講者の減少につきましては、法定雇用率引き上げに伴い、職業訓練を経ずとも就職に至るケースが増加していること。就労系の障害福祉サービスの利用者が増加していることによるものと考えられるところでございます。
もう一つの障害種別構成の変化につきましては、精神・発達障害を持つ方が占める割合が上昇しており、一般校や委託訓練での精神・発達障害者の受け入れも進展しているところでございます。
こうした状況を踏まえ、障害者職業訓練の課題としまして、1つ目として、障害者訓練校の在り方、2つ目として訓練科目の見直し及び障害者特性に応じたクラス編成について、3つ目として関連施策との関係、4つ目として委託訓練の活性化、5つ目としてその他として在職者訓練についてという5つの柱立てで構成員の皆様に御議論をいただいているところでございます。
各課題の内容につきましては、これまでお示ししてきた内容ですので、ここでは御説明を省略させていただきたいと思います。
続きまして、各課題について皆様からいただいた御意見等を踏まえまして、3番目として、課題に対する今後の具体的対応方針として整理をしております。
まず、障害者校の在り方についてでございます。障害者校における施設内訓練の強みや特色の周知に関する内容として、成果検証のため、受講生の属性、就職状況、定着状況などの把握、分析を強化していくことと、障害者訓練の認知度向上のため、地域のネットワークへの関与を強めていくということ、入校手続の簡便化等を通じた受講機会の拡大を図っていくことを挙げております。
また、一般校との役割分担や連携については、障害者訓練のノウハウを一般校に共有する取組を強化していくことで、能力開発施策全体の底上げを図っていくということと、障害者訓練の受講が効果的と考えられる者に対して、ハローワークが的確な相談、受講あっせんを行えるように連携強化を図っていくこととしております。
また、施設等に関する在り方については、障害者校の施設や寮については、現行の取組が後退することがないよう、一般校との合築などの先行事例も参考に検討を進めていくとしております。
続きまして、訓練科目の見直し及び障害者特性に応じたクラス編成についてでございますが、訓練科目の設定に関する内容としまして、障害者特性に応じた訓練科目や運営、特別支援障害者の対象範囲について、求職者の動向などを踏まえ、必要な検討を行っていくということと、地域職業能力開発促進協議会や障害者支援機関が集まる会議などにおいて障害者訓練を議題として取り上げることにより、訓練ニーズに係る議論を活発化させていくことを挙げております。
また、訓練指導員の配置などについては、効果的な個別対応・支援も視野に入れた訓練指導員の配置方針などの在り方を示すとともに、各種研修の充実や好事例を共有する場の設定などを通じた訓練指導員の専門性向上に向けた取組を強化していくとしております。
オンライン訓練の在り方については、オンライン訓練は通校困難な者の受講機会の拡大につながり得ることから、対象の訓練科目について幅広く検討を行いつつ普及を図っていく。支援体制や訓練時間等も留意しつつ、障害者校の施設整備に係る課題と併せて考えていくこととしております。
次の関連施策との関係については、福祉等との連携について、今後、障害福祉サービスにおいて就労選択支援に係る取組が開始されることも留意しながら、福祉から雇用へつなぐ際の重要な役割を果たせるよう、地域の関係機関のネットワークにおいて存在感を高めていくこととしております。
また、定着支援に係る連携については、求職障害者の障害が多様化していく中では、定着支援への取組も重要であることから、ハローワークや障害者就業生活支援センターなどの定着支援を行う関係機関との連携を訓練実施期間中から密に図っていくこと。企業の障害者訓練に対する理解を促すべく、受講生のプロフィール情報を労働局やハローワークへ提供し、効果的な雇用指導、求人開拓、就職支援の強化につなげることを挙げております。
次の委託訓練の活性化については、比較的就職率の高い実践能力習得訓練コースの重点化や、委託先選定の厳格化など、質の向上を図っていくこととしております。
最後に、在職者訓練の活性化として、障害者雇用が進展していく中で、今後ニーズが高まることが見込まれることから、障害者のキャリア形成支援が十分でない企業への支援など、地域の実情を踏まえたさらなる普及・活性化を図っていくということと、メンタル不調等による休職者に対するリワーク支援訓練の普及を図っていくことを挙げております。
本日は、こちらの骨子案を基に御議論いただきますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、報告書の取りまとめに向けた意見交換を行いたいと思います。
骨子案ですから、最終的な報告書はこれに付け加えていろいろな議論の中身が入ってくると思いますけれども、骨子案全体の構造につきまして、皆さんの御質問・御意見等を伺いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。どの場面からでも結構ですから、特に項目を立てないで自由に御発言をよろしくお願いいたします。
小幡構成員、どうぞ。
○小幡構成員 骨子案の流れや構成について特に異論はないのですけれども、この辺りは中長期の課題と比較的取組を早めにやることがあるかと思います。その表記の中で、具体的対応等のところではそこを比較して読み込んでいかないと分からなくなってしまうというか、分かりにくくなるので、表記していくときには中長期の課題であるということと、それ以外のところが分類して理解が進みやすく表現していただくといいのかなと思います。
とりわけ議題の最初にあった寮の問題などは、どちらかと言えば中長期の課題であるので、中長期の課題は今後どこで議論したり、さらに深めていくのかというところも示していただけるといいのではないかと感じました。
細かいところで言うと、訓練科目については時間の不足感が加速しておりまして、それこそ生成AIなども含めてやってきたときに、そういうものを使うことによって障害をお持ちの方が逆にリカバリーできる部分が相当あるのではないかと思います。ですから、単純に科目の在り方だけではなく、その習得のスタイル自体も求職者が思っているより提供する側が示してあげると、より飛躍することもあるかと思いますので、ぜひ求職者のニーズの中には、御本人たちが経験値の中から導くものだけではなくて、合理的配慮も含めたところで整備していけば、利用者がつかみ得るだろうニーズについても予測していただきたいと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
阿部構成員、よろしくお願いいたします。
○阿部(一)構成員 そもそものことなのですけれども、障害者校が19校で、47都道府県ということを考えると、それぞれの配置というのは、それぞれの地域ブロックのようなところに配置されているものかなと思います。そうすると、疑問というか、どうなのかなと思うのは、設置されている19の県とそれ以外のところでの障害者雇用の現状はどうなのか。
もう1点は、この19校でのノウハウといいますか、例えば具体的対応指針の(1)のところで見ると、4つ目の○にありますように、障害者訓練のノウハウを一般校に共有する取組を強化していくというような点は、障害がある人の就職に対する希望も種別という言葉で言っていいのかどうか分かりませんけれども、変わってきていますし、企業の求めることも変わってくるようなときに、この19校がそれぞれのブロックで中核的な役割をしていき設置されていない地域の一般校において障害がある人、またはグレーゾーンという言葉なのでしょうか、学ばれる方に関しての支援体制を整えていくためにも、この19校の障害者校はとても大事な役割を担っていくことが求められるのかなと思いながら、それも大事なことかなと思って発言させていただきました。
それから、今年の10月から就労選択支援ということが始まるときに、いわゆるアセスメントをする方々に十分に訓練校、障害者校の在り方をお伝えしていただくように、選択肢が一般企業、福祉的就労、そして、もっと専門的なこと、議論でもありましたけれども、人との関わりを身に着けるためにも訓練校がその選択肢のうちの一つに入っているということを十分に認知していただくようになっていくのが大切なのかなと思います。
○松爲座長 まさにそのとおりです。ありがとうございました。
先ほど特別支援学校の高等部を出た後のコースとして、本当はもっと訓練校の新しい支援コース、専門コースと同じような意味合いで強調していくことが望ましいと思います。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 職業大の深江です。今の内容に関連するような話ではあるのですけれども、まず、骨子案については私も今までの議論をよくまとめられた非常にいいものだと思っております。その上で、今までの議論の中で見落としがないか振り返ったときに、精神・発達障害の方の割合が増えているにもかかわらず、精神・発達障害の方が主に在籍している通級指導とか、あるいは一般大学の学生支援センターの職員の方向けへの周知、あるいは連携というものが議論として抜けていたと感じました。ですので、今のお話と同じことなのですけれども、そういった通級指導や学生支援センター等に障害者校をもっと知ってもらう取組をすべきではないかと考えております。
○松爲座長 ありがとうございます。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 少々門外漢なので誤解があるかもしれません。職業能力開発の幾つかの今まで議論が、例えば平成28年8月とか、24年7月とか、27年3月、能力開発校についてのいろいろな報告も出ているのですけれども、今回の報告が今までと違って時代に応えた何かというポイントがあったほうが、今までの時代と違うのだと、私はかなり時代の変化とともにパラダイムがチェンジしていて異なるところがあるのではないかという気がします。
その意味では、この章立てでいいのですけれども、特に2の(2)の訓練科目の見直し及び障害特性ということで、訓練校であるとか、その下にある職業訓練指導員の専門性の確保というのが非常に重要なテーマかと思っています。職業訓練指導員というのは、指導員という言葉はこの時代には合っていないので、まさに指導というのは職種があって、それに応じた能力開発をしていくというパラダイムでやっているのだとすれば、それはもう止めましょう。
むしろ職業能力開発支援員のほうが、今の時代にあってこれから、それはまさに発達のことも含めて精神のこともありますけれども、障害の多様性とか、個々の障害者の多様性ということを考えれば、むしろ職種に当てはめるのではなくて、本人に合った職業であるとか、あるいは職種を開発していく、領域を開発していくような指導支援員の能力開発、そのための能力開発だと考えておりますので、単なる指導ということではもうないかなと思っています。
そういう時代のニーズに合った、上にも地域ニーズに対応した効果的な障害種別と書いてありますけれども、それだけではなくて、時代のニーズに対応した効果的な障害種別と訓練科目の設定、そうなると、発達や精神の方に対応したコースをつくっていただきたい。それとともに柔軟に変えながら、先ほどITの話がありましたけれども、そういうものは今までと違うわけですから、そういうコースをきちんとつくっていただいて、柔軟に変えながらやっていただきたい。そういう思いがしました。
最後に、そうなると、訓練校、あるいは職業指導員の専門性とは何かということをもう一度考えると、職業リハビリテーションをきちんと職業能力開発校の専門性として、あるいは職業指導員の専門性として最前線でやる、職業リハビリテーションの基地なのだと、そういうことを規定していただきたいと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがたいお言葉で、私がいつも考えている話です。
今おっしゃる話に付け加えますと、今まさに時代はキャリアを自分でつくっていく時代です。だから、指導という格好で上から目線ではなくて、キャリア開発になってきますと本人が自分で開発できるように、それを支えていくという意味では、名称をどうするかは別にしまして面白い意見かなと思いました。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 私はふだん職業訓練施設で仕事をしておりますが、今、大塚構成員がおっしゃったように、まさしく私たちは指導員ではなくて支援員だという話を日頃からしています。指導というと、ここまでのラインがあって、ここに引き上がってきなさいみたいな支援なのですが、支援だと、下りていく支援という言葉をいつも言っているのです。一人一人に寄り添う支援をしていかないといけないということで、職業訓練は地域の相談支援事業所をはじめ、福祉機関から見たらすごくハードルが高いのです。
すごくハードルが高く映っているのは、指導というところがあるからかなと思っていて、地域の中に職業訓練におけるニーズがまだまだたくさんあると思うのです。そのニーズと職業訓練をやっている場とマッチングしていくためには、もっと地域の福祉サイドにも入っていくという意味で、この2ページのところに書いてある就労選択支援は一つの大きなチャンスかなと思っています。障害福祉課のほうから出された3月31日の通知文にも、きっちりと職業訓練とか委託訓練と連携を図っていくということを明記していただいていますので、そういう意味では、私たち職業訓練をしている人たちが、そういう意識を変えていくこともとても大事になると思っています。私たち自身がもっと福祉サイドのことを知って、そちらの資源と連携を図るという体制をつくっていくことが必要かなと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど大塚構成員のほうから、この時代の中でどういうことを打ち出していくべきかというお話をいただきました。私は今回の打ち出しの項目の1つとして、「就職支援」や「定着支援」の強化を打ち出していくべきではないかと思っています。
そういう意味では、現在は2ページの最後のところ、就職支援や定着支援は関連施策という位置づけになってしまっていますが、私は独立の項目を設けて、就職支援及び定着支援の強化ということを前面に出して項目立てを行っていただいてはどうかと思っているところです。
ここに書いてあるとおり、ハローワークや中ポツセンターなどと連携することは大変重要なのですが、障害者校に入校された方に関しては、講師の方との人間関係が長期にわたってつくられておりますので、障害者校が定着支援までしっかりサポートしていくということが、今の時代にふさわしい在り方ではないかと思っております。これを基本的な姿勢として位置づけてもらえないかと思っているところです。
次に、この関連で質問をさせてもらいたいのが、3ページの○の2つ目、プロフィールに関して記載をいただいております。大変重要なことだと思っております。現在、全障害者校でこのようなプロフィールをつくっているのか、あるいはつくられていないのであれば、全校で取り組むようなことをこの中で記載してはどうかと思っております。
○松爲座長 プロフィールに関して、事務局、どうぞ。
○山口特別支援室長 プロフィールにつきましては、以前つくられていたところもあるのですけれども、現在つくられていないところもございますので、全校でつくられているような状況ではございません。
○松爲座長 プロフィールを含めて、例えばハローワークで就労パスポートみたいなものがあります。ああいう格好で個人情報をきちんとして、それをつなぐという、聞いていると、それが結構大事かもしれません。
もう一つ、今、山脇構成員がおっしゃいました特に就労支援、定着支援という格好で(3)の名称を変えたほうがアピール性は高いのではないかという話ですけれども、皆さん、これはどうでしょうか。何かありますでしょうか。
私は今の話を聞いていて、もう1回全体を見直しますと、実は関係機関との関係とか、ネットワークというのは(1)から(4)まで、あちこちにあることはあるのです。私が今もう1回全部調べてみますと、例えば(1)の訓練校の在り方のマル2の地域ネットワーク、これはネットワークとしての連携をつくりましょうというイメージになります。さらに3つ下に下がりまして、ハローワークの的確な相談・受講、これもいわゆる相談・受講との間の関係とネットワーク、また、2番目のクラス編成につきましても、例えば(2)訓練ニーズに係る議論の活発化という意味ではネットワークのイメージが入ります。
つまり、連携ということが結構あちこちにあるので、となってくると、逆に、むしろ就労支援、定着支援ということを先ほどおっしゃったように、全体の報告書のアピールとして前面に出しても悪くはない感じもします。つまり、ほかのところに関係とか、関連とか、連携ということが結構出てくるので、そうすると、特にここにおいてはそういった関係、連携があるものを前提として、なおかつ就労支援、定着支援をどこまで強調するか。そういった考え方もあるのではないかなと、今、私は伺いながら感じるのですけれども、ほかの方々はどうでしょうか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 就労支援、定着支援について、私どもの学校は指導員の養成を行っておりますので、その観点から発言させていただきます。まず、就労支援、定着支援に名前を変えたほうがいいのではないかというのは私も賛成だと思います。ただ、懸念がありまして、私どもの学校ではキャリア形成支援についての科目もありまして、それで指導員になる前に教えていますが、指導員になるルートというのは私たちの学校以外にも幾つかあって、特に都道府県でよくありがちな、企業で活躍されていた熟練技能者の方が指導員になる場合は、こういうキャリア形成支援については全く学んでない状態で免許を取得しているのがあります。ですので、そういった場合に果たしてできるのかどうか、そのためにはそれをできるような研修をするのか、もしくはキャリア形成支援をできる専門的な人材を増やすのか、そういった施策もセットでやるべきだと思います。
○松爲座長 先ほど何人か言われたように、指導員の研修とか、育成もどこかで項目を立てていかないと今の話につながってこないです。
もう一つ、例えば定着支援といったときに、全体の制度を考えていくと、マンパワーとか人材があって、どこまでできるかどうか、であるがゆえに、余計にほかの機関とのネットワーク、生活も含めてネットワークを強調することを(1)(2)で逆にむしろ強調していく感じ、それとの連携で、就労支援、定着支援、ただし、今度はそれに絡んだ人材育成をどこへ組み込むか。そういうところの関連性もすごくありそうな気がします。
ほかの方々はどうですか。反対意見でもどんなことも結構ですけれども、何かありますでしょうか。
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 職業選択支援は重要なテーマなので。書いていただくかどうか分からないですが、職業能力開発校の権利条約以降、今本人の意思をきちんと確認しながらやっていくことが非常に大きな話になっています。無視できない。例えば成年後見制度、今、民法改正が始まっていて、従来の後見人による代理代行決定から意思決定支援の大きな転換になります。障害分野においても意思決定は非常に大きなもの、本人の話を聞きながら能力開発をするのは必須なものだと思っておりますので、もし、選択ということであれば、よく聞いてやっていくのだということをきちんとここで出していただきたいと思います。
以上です。
○松爲座長 ほかはどうでしょうか。何かありますでしょうか。
吉岡構成員、どうぞ。
○吉岡構成員 やや細かいところですけれども、(5)の「在職者訓練の活性化」のところ○の2つ目ですが、私ども機構としては地域障害者職業センターにてリワーク支援もやっておりますので、この辺り、私がこれを読ませていただいたときに、趣旨としては恐らくメンタル不調等から回復して訓練受講が可能となった在職者について、職場復帰後の学び直しとか、レベルアップの選択肢の一つとして職業訓練の活用について検討していく、といった趣旨かと思われますけれども、この文面ですと、障害者訓練校がメンタル疾患等による休職者の職場復帰のためのプログラムを一から実施していくと誤読されるような恐れがあるかもしれませんので、この表現については御留意いただければと思っております。
○松爲座長 誤解されるということですね。分かりました。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 今、委託訓練の話が出ましたので、私もこの関連で改めて申し上げたいと思います。委託訓練の見直しの必要性については、この間、繰り返し申し述べてきたところです。先ほど事務局のほうから御説明いただいた就職率の下方修正、特に令和5年の状況で言うと10%ポイント以上、低下をしていることもあります。相当改善が必要ではないかと申し上げておきたいと思います。
委託先の選定の厳格化ということだけでなく、参考資料4を見せていただくと、都道府県によって委託訓練の率が10%を切るようなところから100%のところまで相当開きがありますので、何に原因があるのかしっかりと分析をして、都道府県ごとの取組の底上げを図っていくということも、この中でしっかりと打ち出していくことが必要ではないかと思います。
○松爲座長 分かりました。
ほかに何かどうですか。
今回の話を踏まえて報告書に入ってきますので、次回は全般に関してのディスカッションになりますので、細かいことでも気づいたことなどありましたら、ご発言をお願いします。
阿部構成員、どうぞ。
○阿部(博)構成員 基本的にこの骨子案の内容でよいかと思います。神奈川の視察のときにも申したのですが、せっかく入校されたのに途中で辞められる方も一定数いるということで、本人が希望しているところでしたら特に問題はないかとは思うのですが、せっかく入ったのだから、就労準備性をしっかり身に着けた上で就職したほうが、そこはいいのかなと思いますので、課題というわけではないのですけれども、現状のところで、そういったこともあると若干触れることもあるのかなと思いました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。
大塚構成員、どうぞ。
〇大塚構成員 一般校との連携のお話が出ていましたけれども、先ほどの阿部(一)構成員の発言と同じようなことを考えていて、都道府県に偏在があって全ての県をカバーしていない。そういう中においては、一般校における障害のある方を受け入れる、発達障害の方などは一般校のほうがいいという方もいらっしゃるかもしれない。そういうニーズに応えていくということはあります。
では、一般校において、その専門性が確保されるかというと、今後高めていっていただきたいわけですけれども、そのために障害者職業能力開発校が、まさに連携しながら、サポートしていただきながら一緒にやっていく。そうすると、先ほどの阿部(一)構成員の話だと、能力開発校というのはブロックにおける基幹的な機能を持つ、そこまで専門性を持たせられるかどうかよく分からないですけれども、でも、全てではなくて、少なくとも能力開発校に発達障害の専門家がいる。その方がきちんと一般校を見ていたり、あるいは地域のほかのいろいろなところをサポートしていく。そのくらいのシステムはそんなにお金がかからないと思うので、そういうことであれば、非常に専門性が確保されて、能力開発校に行こうという、国立機構営校の2つだけでは多分全部をカバーできないです。ブロックにおける能力開発校の専門的機能の発揮に期待しています。
以上です。
○松爲座長 確かにおっしゃるとおり、今まではブロック的な考え方もなかったような気がするのだけれどもね。特に19校しかないものですから、委託訓練を補完的な格好で、訓練校のないところに関しては委託訓練で増やそうという視点があったので、そこは議論としては聞いていたのですけれども、地域のブロックの中核的な機能として能力開発校を考えていくというのはあまり聞いたことがないのです。
事務局、そういう考え方は今までありましたか。
○内藤特別支援室長補佐 高障求機構で運営いただいている2校、それぞれ東日本、西日本を中心にノウハウを提供いただいているという体制はあって、あとは障害者校がどこまでブロックの中でやっていけるかというのは、今後考えていく必要あると思います。
○松爲座長 ありがとうございました。
ほかに何か御意見等はございますか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 これは質問になるのかもしれないのですけれども、委託訓練の話が出ておりましたが、委託訓練での指導員、あるいは支援する者はどこで学ばれているのかというのが、私どもがやっている研修には参加されていないので、きちんと場が用意されているのか、実は用意されていないのか、それを質問したいと思います。
○松爲座長 委託訓練の場合は委託先をどうやって決めていくかという問題があります。つまり、中の指導員とか訓練員が資格を持っているような者がどこまで存在しているかどうか、そういったところも範疇に入るのかなと思います。
事務局、どうですか、委託訓練の委託のやり方は。
○内藤特別支援室長補佐 障害者訓練について指導員の方とか、いろいろな方に対する研修をやっているのですけれども、そのプログラムの中で、委託訓練の実施機関の方向けのものもございますので、そちらに参加していただいて学んでいただくという仕組み自体はございます。
○松爲座長 私が知っている経験ですと、委託訓練は例えばあるNPOでいうと、会社のOBの方々が集まって会社をつくって、会社の状況をよく知っているから我々は委託訓練を受けることできるのだということで委託を受けていたところもあったりします。だから、委託を受ける側がどんな資質を持っているかどうかということを決めていくかが大事かもしれません。その中の能力、指導力をどこまで持っているかどうか。そこがまだはっきり分からないところがあります。
高山構成員、どうぞ。
○高山構成員 今の話ですけれども、うちのほうでは福祉関連の専門学校を持っていまして、その中でPSWの方が委託訓練のほうに入ってカウンセリングをそこでするというのが増えている状況だそうです。それが今の背景で、精神障害者の増加に対応して、職業訓練の現場においても精神保健福祉士(PSW)による心理的支援・カウンセリングの必要性が高まっている。それに応じてPSWの関与が広がっており、訓練内容に福祉的視点を取り入れる重要性が増しています。
○松爲座長 それはいろいろな条件で決めているのかな。ありがとうございました。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先ほど深江先生が触れられた指導員の育成のところについてです。3の(2)の書きぶりですが、育成については県営校内でのローテーションのみを対象としているように読めます。国立機構営校の指導員の専門性というのはかなり高いものがあって、その方々の知識を県営校に移していくことが大変重要だと思います。そういう意味では、例えば、県営校のほうに国立機構営校の指導員に出向していただいて取り組むという視点があってもいいのではないかと思いますので御検討いただければと思います。
また、せっかく発言の機会をいただいたので、オンライン訓練についても申し上げておきたいと思います。資料上では中長期の課題みたいな形で整理されているのですが、オンライン訓練は待ったなしではないかと思っています。一般校では既にオンライン訓練ができるところが多くある中で、中長期に位置づけるのは遅すぎるのではないかと思っております。
○松爲座長 確かにオンラインはもう一般校でやっています。先ほどのように全国で19校しかない場合にはオンラインでできるのだったらできる体制をつくったほうがいいかもしれません。そのための中長期的かどうか、すぐやらなくてはいけないけれども、予算的なこととかをいろいろ考えなければ、設備体制等々が結構あったりするかもしれません。でも、恐らくコースとしてはやっておかなくてはならない感じがすごくあります。
もう一つ、先ほど御指摘のありました指導員の一般校への出向です。あれも一つ関連してくるのは、先ほどの合築をどう進めていくかという、それもセットして考えていけるかもしれません。それだけ一般校との間で情報共有するとか、障害者校が一般校に対しノウハウを提供するような、全体的な体制の枠の中で、例えば指導員の派遣とか、あるいは合築、そういった戦略もありますといったまとめ方になるかもしれません。
ほかにどうでしょうか。御質問・御意見等がございますか
大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 能力開発校が一般校をサポートするようなことも含めて考えていたのは、職員の交流であるとか、あるいは研修を一緒にやるとか、研究を一緒にやるとか、そういう人事交流、それから、職員は嫌かもしれませんけれども、少し動いたほうがいいです。ほかのところを知るということは全然違うので、その中でやるというのは限界があるので、いろいろなところを見ていただくことによって職員の能力も伸びると思いますので、そういう仕組みも必要かな。異動も必要かと思います。
○松爲座長 この前、神奈川を見にいったときには、あれは一般校一般から障害者校障害者へ赴任されたのでしたか。
もう一つ、あのときに見たのは、特別支援の先生方が非常勤で入ってらっしゃいました。ああいう格好で、それぞれの関係資源の中でもっと交流的なものがあったほうがお互いにメリットが大きいという感じがいたします。
ありがとうございました。
ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、ないようですので、これにて議題1については以上とさせていただきます。
本日の議論を踏まえまして、事務局において整理を進めていただきます。
そして、次回の検討会では、報告書のまとめの議論を深めていきたいと思います。
それでは、時間となりましたので、本日の検討会はここまでといたします。
最後に、全体を通じまして何か御意見・御質問等はございますか。よろしいですか。
ないようでしたら、本日の検討会はここで終了といたします。
では、事務局にお返しいたします。
○内藤特別支援室長補佐 松爲座長、ありがとうございました。
また、本日御参加の皆様におかれましては、長時間にわたりありがとうございました。
本日の議事録につきましては、構成員の皆様に御確認いただいた後、資料とともにホームページで公開することとしております。
次回の開催につきましては、別途事務局から御連絡をさせていただきます。
本日はありがとうございました。
○松爲座長 お疲れさまでした。ありがとうございました。