第24回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会 議事録

日時

令和7年1月28日(火)

場所

厚生労働省 医薬局 局議室

議事録

○衞藤座長
 皆様、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより第24回「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」を開催いたします。皆様にはお忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 今年度は、対面とオンラインのハイブリッド開催とさせていただきます。会場の参加者としては、勝村委員、栗原委員、後藤委員、花井委員、坂本委員と私、衞藤でございます。オンラインでは高町委員、高橋寛委員、館委員、樋口委員、望月委員が御参加でございます。
 また、本日はオブザーバーとして厚生労働科学研究「薬害資料データ・アーカイブズの基盤構築・活用に関する実践的研究」の研究代表者を務めておられます桃山学院大学の本郷准教授にも御参加いただいております。
 前回の検討会から事務局に人事異動がありましたので、事務局から報告をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 事務局でございます。
 事務局の人事異動について御報告をいたします。
 大臣官房審議官、医薬担当の佐藤でございますが、大変申し訳ございません。用務のため遅れての参加となります。
 それから、国会対応業務等で総務課長の重元は欠席をさせていただきます。申し訳ございません。
 他の職員につきましては、前回から引き続き対応させていただきます。よろしくお願いいたします。
 冒頭、局長から一言御挨拶申し上げます。
○厚生労働省医薬局長
 医薬局長の城でございます。開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本日はお忙しいところ、座長をはじめ委員の皆様方にはお時間をいただきまして誠にありがとうございます。
 本検討会は、若年層が医薬品に関する基本的な知識を習得し、薬害事件を学ぶことにより、医薬品に関する理解を深め、健康被害の防止等にも資するよう、有識者の皆様に御参集いただき、文科省の御協力もいただきながら開催をしてまいりました。
 高等学校学習指導要領の見直しを踏まえまして、昨年度に引き続き「薬害を学ぼう」を全国の高校1年生に配布をしております。アンケートやモデル授業の状況につきましては、後ほど御紹介をさせていただきます。
 また、学校現場における1人1台端末の普及の状況を踏まえまして、新たにデジタル版教材「薬害を学ぼう」というものを作成して、来年度から活用するということを考えております。紙のパンフレットを含めまして、教材の配布方法の在り方などについて御議論をいただければと存じます。
 また、教員向けのアンケートの結果からは、特別支援教育における「薬害を学ぼう」の活用に課題があるようでございますので、こちらについても委員の皆様に御意見をいただければと考えております。
 薬害の資料の関係につきましては、今年度から「薬害資料管理等法人活動支援事業」を開始いたしております。さらに補助額を拡充すべく、令和7年度予算案に計上いたしておりますが、一般社団法人「薬害研究資料館」と密に連携をしてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 本日は、オブザーバーといたしまして桃山学院大学社会学部の本郷正武准教授にも御参加を賜り、厚生労働科学研究「薬害資料データ・アーカイブズの基盤構築・活用に関する実践的研究」の実施状況について御報告をいただくことといたしております。
 本日は限られた時間ではございますが、活発な御議論を賜りますよう何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○衞藤座長
 また、本日は薬害教育教材に関する議題がありますので、前回に引き続き、文部科学省の方にも御参加いただいています。事務局から御紹介をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 文部科学省からの御出席者について報告をさせていただきます。
 初等中等教育局教育課程課課長補佐の山本様に御出席をいただいております。よろしくお願いいたします。
○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐
 よろしくお願いします。
○衞藤座長
 次に、事務局から本日の進行方法の御説明をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 それでは、説明をさせていただきます。
 議題の内容につきまして質疑応答の時間を順次設けさせていただきますけれども、御発言されたい場合、オンライン参加の委員の皆様におかれましてはZoomの「手を挙げる」リアクションボタンなど、それ以外にも声をかけていただいても構いませんので、お知らせいただければと思います。
 会場参加の皆様におかれましては、挙手いただければと存じます。
 その後、座長のほうから順に発言者を御指名いただきまして進めていければと思っております。
 また、オンラインの方で御発言いただく場合には、マイクがミュートになっていないことを確認していただいて御発言いただければと存じます。
 なお、オンラインや会場にて、今日も会場にも傍聴の方がいらっしゃいますが、事前に傍聴登録の際にも御案内しておりますとおり、写真撮影、ビデオカメラ、テープレコーダー等の使用、録音・録画については御遠慮いただければと存じます。
 また、オンライン傍聴の方につきましては、マイク、カメラをオフにしていただいて傍聴いただければと思います。会議中の御発言はお控えいただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長
 それでは、本日の検討会の議題と資料について事務局から説明をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 まず、本日の検討会の議題についてです。お手元、または画面にもお示しをしております議事次第にありますとおり、「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」、2点目が「特別支援教育における「薬害を学ぼう」の活用について」、3点目が「高等学校における薬害教育について(報告)」、4点目が「薬害資料に関する研究班の今年度の活動状況について(報告)」、5点目は「その他」となっております。
 資料につきましてはお手元にございますとおり、議事次第、座席表、それから検討会の開催要綱が1枚ずつございまして、その後、議題1から3に沿って資料1「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」、資料2「特別支援教育における「薬害を学ぼう」の活用について」、資料3「薬害教育教材に関するアンケート調査(令和6年度)の結果について」、資料4「高等学校における薬害教育について」、資料5といたしまして本郷先生から御提出いただいております「薬害ポータルサイトの概要-薬害アーカイブ研究班事業報告」です。
 また、参考資料といたしまして参考資料1「デジタル版教材「薬害を学ぼう」」、それから参考資料2といたしまして栗原委員から御提出いただいております「国が保有する資料について」となっておりまして、以上10点御用意をいたしております。オンライン参加の委員の方がおられますので、事前に委員にはメールで資料を送らせていただきました。
 不足等がございましたら、事務局までお申しつけいただけければと思います。
○衞藤座長
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 最初の議題は1番目、「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」です。事務局から資料について説明をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 事務局です。医薬品副作用被害対策室の谷です。よろしくお願いいたします。私からは、資料1についてまず御説明をさしあげます。
 資料1ですけれども、まずスライドの1枚目です。
 「これまでの取組と今年度・次年度の取組について」ということで、これは例年出させていただいていますけれども、全体像を示したものになります。基本的には、令和6年度やっていたことを令和7年度も引き続き実施をするというところでございます。詳細については、次のスライド以降で御説明をいたします。
 次にスライドの2ですけれども、次年度の取組(案)についてということでございます。
 まず「継続する取組」として挙げさせていただいていますけれども、こちらについては全高等学校の高校1年生の人数分、または全中学校への各1部の教材の配布というものは継続して来年度も続けさせていただくということ。また、高校、中学校でのモデル授業の募集でありますとか、それを踏まえた実践事例集の充実というものについても引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 今年度、次年度の取組につきまして、先ほど局長からの挨拶にもありましたが、デジタル版の教材を作成するということをしたいと考えております。こちらも詳細は次ページ以降で御説明をしますけれども、文科省さんから事務連絡が昨年発出されたということも踏まえて、この「薬害を学ぼう」のデジタル版の教材を新たに作成してはどうかと考えております。
 こういうことを含めて、特に今日議論をいただきたい点について主に2つ挙げさせていただきました。
 まず1点目は、先ほど御説明をしましたデジタル版の教材について、次年度における現行の紙のパンフレットとデジタル版の教材の配布の在り方について御議論をいただければと思っております。
 もう一つはそれにも関係することでございますけれども、毎年やっている教員向けアンケートの質問項目を少し改善してはどうかと考えておりますので、そちらについても御議論いただければと考えております。
 次のスライドですけれども、デジタル版の教材の作成についてということでございます。
 こちらについては上にも書いてありますけれども、1人1台端末というものが既に整備をされていて、児童生徒におけるそうした教材の1人1台端末上での活用が進展をしつつあるということを踏まえまして、先ほども言及しましたが、文部科学省さんの事務連絡によってそうした教材作成に当たっていわゆる「横版」のデジタルコンテンツの作成であるとか、作成に当たっての留意事項というものがこのスライドの下半分にあるような形で示されたということがありますので、これを踏まえましてデジタル版の教材、参考資料としても挙げさせていただいていますけれども、そういったものを作成して来年度から配布をすることにしたいと考えているということでございます。
 次の4ページですけれども、これは高校において1人1台端末というものが整備をされているというのがデータ上でも合計の数でいくと100%を超えているという部分がありますというようなところでございます。
 これについてでございますけれども、続いてのスライドの5になりますが、御議論いただきたい事項として挙げさせていただいています。
 まず「課題」というところで<配布する教材>で挙げさせていただいておりますが、これは先ほども御説明したとおり1人1台端末の導入が進んでいるという中で、以前より、教員向けアンケートにおいても紙の従来のパンフレットではなくてPDF等のデータによる配布を望む声があったということがあります。今回、このデジタル版の教材を新たに作成したということで、その要望に応えられる状況にはあるのかなと考えております。
 ただ、一方で、紙のパンフレットの配布を引き続き求める声があるというのも事実でございますし、また1人1台端末といってもその使用方法も様々でございまして、端末はウェブ上での検索であるとかスライド作成に用いて、パンフレットはパンフレットで、紙で使うというような併用する使い方というのも考えられるのではないかと考えています。
 また、このデジタル版の教材というものは次年度から初めて開始をするということでございますけれども、いきなりその全てをデジタル版に切り替えるというのはかえって現場に混乱を招く可能性は十分にあるのかなと考えています。
 また、配布をする時期ということですけれども、こちらについてはどこの学校でも同様だと思いますが、次年度の年間の授業計画というものを早期に立てる必要があるという理由から、こちらも教員向けのアンケートで以前より教材の早期発送というものを望む声が多く挙げられていたということがあります。
 他方で、紙のパンフレットというところは物価高騰等もありますが、予算が成立した後に調達をしていかないといけない。我々は役所ですので、そういった手続を踏まないといけないということがありますので、どれだけスムーズにいっても結局夏頃の配布にならざるを得ないというのが実情としてあります。
 ただ、このデジタル版の教材というものは別に印刷であるとか梱包発送ということは必要ありませんし、調達をすることもありませんので、この教材自体を送付すればすぐに配布が可能になるということがあります。
 そういうことを踏まえて「対応案」ということで書かせていただいていますけれども、まず1つ目の○ですが、令和7年度、次年度も教材配布については学校現場において多様な使い方を担保できるように、この新たなデジタル版の教材の配布というものを開始しつつ、紙のパンフレットもこれまで同様に継続をしてはどうかと考えております。
 その上で、令和8年度以降、次々年度以降の配布の在り方の検討に資するように、次に御説明しますけれども、教員向けアンケートの設問の改訂をした上で、また学校現場における各教材の使い方についても細かくニーズであるとか状況を確認する。それを踏まえて、次々年度以降どういうような形で配布等をするかということを検討してはどうかというふうに考えております。
 また、配布時期については先ほどもありましたけれども、年間授業計画を早期に立てることができるように、毎年度やっておりますが、例えば次年度の話であれば今年度末に送付する事務連絡において紙のパンフレットの発送開始時期を予告しつつ、先行してデジタル版の教材というものを発送してはどうかと考えているということでございます。
 具体的には次のスライド6のところですけれども、こういった形で3月めどに事務連絡で以下のような案内を同封してはどうかと考えているというところです。
 もう一つの論点ですけれども、スライドの7になりますが、「教員向けアンケートの質問項目の改善」ということです。
 こちらの教員向けアンケートについては、平成24年度からは中学校の教員向け、令和5年度からは高校の教員向けとして実施をしていたというところでございます。
 設問については、これまでも改良は加えてきたところですけれども、主に教材の「見やすさ」であるとか「難易度」であるとか、どれくらい参考にしていったかというところを中心に把握をしていたところでございますが、なかなかその回答の状況の傾向というのは毎年あまり変わらないということがありますので、これらの項目については一定程度、教育現場での認識というのは確認できたのかなと考えております。
 その一方で、またこれはアンケートを御紹介するときに御説明をしますけれども、今年度はより公民科、公共での活用の促進というものを図るように発送などの工夫をしたのですが、いざアンケートの結果を見ると、公民科よりも保健体育での活用がむしろ増えているという状況が見られました。
 また、先ほども御説明したとおり、来年度からデジタル版の教材の配布というものも開始をするというところで、紙のパンフレットであるとか視聴覚教材を含めて、授業で各教材を具体的にどのように活用しているかということも把握する必要があるのかなと考えています。そういったことなど、状況に変化があるということがありますので、来年度以降の検討に資するようにアンケートの項目、来年度実施する項目の見直しが必要ではないかと考えております。
 具体的に「対応案」というところを下にお示しさせていただいていますけれども、学校現場での活用状況というものをより詳細に把握できるように、新たに「教材が届いた経路」であるとか「使用教科の決定に際して参考としたもの」、また「各教材の具体的な活用状況」を把握する設問を追加してはどうかというふうに考えております。
 ただ、その際に、学校現場での負担を増加させないように、状況が一定程度確認できた質問項目を削るなど、分量についてはこれまでのアンケートとおおむね同程度の分量になるように調整をしてはどうかと考えています。
 具体的には次のスライドの8ページのように、設問を少し変えるというところ、変更する部分は赤で書いていますが、その変更した箇所は先ほど御説明したとおりになっております。
 以下は(参考資料)というところですけれども、今年度我々が実施をした取組ですので簡単に紹介をさせていただければと思います。
 まずスライドの10ですけれども、パンフレットを発送するときに工夫をしましたということで、昨年の検討会ではリーフレットを御紹介しましたが、発送したときの事務連絡にこのリーフレットを添付するであるとか、また送り状に学校名だけではなくて「公民科担当教諭」宛てという形で明記をしたというような工夫をさせていただきました。
 また、次のスライドの11ページ目ですけれども、こちらは「薬害を学ぼう」のホームページがあるのですが、より必要な情報にアクセスができるように昨年の7月にリニューアルをしました。古いホームページと新しいホームページということで比較をさせていただいていますけれども、例えば一々リンクを踏んで飛ばなければ情報が見られないような状況になっていたりとか、なかなか視覚的にも見にくい部分がありましたので、そういったところでいろいろ工夫をさせていただいたりとか、学習指導要領との関係であるとか、モデル事業とか講師派遣の案内というものもこのホームページ上で追加をさせていただいたということです。
 スライドの12ページは、視聴覚教材についての改訂も行っておりまして、パンフレットも昨年改訂しましたので、それに合わせてこの医薬品等行政評価・監視委員会に係る解説も追加をしてナレーションを再度録音したということもありますし、またはYouTubeチャンネルに掲載するに当たって、よりこの動画が検索されやすいようにハッシュタグであるとか、いろいろ工夫をさせていただいたところでございます。
 次に13ページ目ですけれども、こちらも先ほど局長の挨拶でも少し言及がありましたが、「薬害研究資料館」の関係で活動支援をする事業というものを今年度から開始をさせていただきましたけれども、来年度も引き続き実施をさせていただく予定で現在予算の要求をしているところでございます。
 最後に14ページ目ですけれども、こちらは昨年のこの検討会で少し御質問があった事項ですが、PMDA、医薬品医療機器総合機構の中にあります「薬害の歴史展示室」の実際の活用状況というか、どういった人が来るのかというような御質問がありましたので、少し我々のほうで調べさせていただいてその結果をお示ししているところです。
 来館者数はコロナもありましたので増減がいろいろありますけれども、少しずつ利用者、来館者というものは増えているのかなと思いますし、属性としては学生が最も多くて、大学の授業で見学する団体であるとか、または職場体験としてPMDAに来たときに併せて見学するケースとか、そういったものが見られた。
 ただ、その次に多かったのが、製薬企業の方々がPMDAに相談をしに来るとか、そういったときに併せて見学をするケースというものが多かったというような結果が出ておりました。
 アンケートも主なものを御紹介させていただいていますので、御参照いただければと思います。
 取りあえず、資料の説明については以上でございます。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、資料1につきまして御質問や御意見がありましたらお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。
 では、坂本委員お願いします。
○坂本委員
 ありがとうございます。
 これからの話の前提になることなので最初に伺わせていただきます。デジタル版教科書というのは確かに今、社会の流れとしても使う方向に向かっていますし、実際にQRコードを使って関係者の方々の声を聴くことができるというのはとてもよいことだと思います。
 ただ、一方、デジタル版教科書の場合、どのくらいの期間、読むことができるのかということがあります。例えばその授業をやっている1学期間だけ読めるというケースもあるみたいですし、学校で使っているタブレットを返却したらもう見ることができないケースもあるようです。紙の教科書ですと実際に手元に持っておくことはできると思うのですが、デジタルだとその辺の難しさもあります。そのあたりのことを、念のため教えていただければと思います。お願いします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 このデジタル版の教材ですけれども、基本的にデータをお送りするので、別に使用期限というのはございません。
 あとは、動画とかというのも基本的にはリンクを飛ばしている形になりまして、ホームページの「薬害を学ぼう」の関係の動画サイトとか、そういったところに飛ぶようになっていますので、そういう意味では使用期限はありませんので、ずっと使えるということになります。
 ただ、タブレット端末を返却してしまうとそのデータをそこでは見られないというのはそのとおりではありますけれども、学校にそのデータをお送りしますから、そのデータをどう活用いただくのかというのは基本的に自由になるので、そういう意味では何か制限がかかって見られなくなるというのは基本的にはないというふうに御理解いただければと思います。
○衞藤座長
 そのほか、いかがですか。
 では、花井委員どうぞ。その次に、勝村委員お願いします。
○花井委員
 今の御説明なのですけれども、ダウンロードできるとかということにはしないというイメージなのでしょうか。ダウンロードできるのであれば、中学校の段階でスマートフォン所持率が95%を超えていて、高校生はほぼ100%持っているので、御自分のスマートフォンでも閲覧できるということもあり得るかと思うのですが、その辺はどうなのですか。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 同じようにデータですので、ホームページにも掲載するようにしますから、それをダウンロードしていただければいつでも見られるような形になります。
○花井委員
 ですよね。逆に言えば、スマートフォンでも見られるということですね。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 そういうことです。
○花井委員
 ありがとうございます。
○衞藤座長
 ありがとうございます。
 では、勝村委員どうぞ。
○勝村委員
 デジタル化とかも含め、いろいろ対応していただいてありがとうございます。毎年資料を見させてもらって、よい方向で進めていただいているなと思っております。ありがとうございます。
 それで、2つ目のアンケートのほうなのですけれども、この検討会が年に1回なので毎年同じようなそもそも論的な話をさせてもらっているかもしれませんが、私たちの原点というか、全国薬害被害者団体連絡協議会が26年前にできたときに設立の日に文部科学省さんに行かせてもらったということがあります。
 それはなぜかというと、そのとき薬害エイズを小学校の4年生の社会科の教科書に載せようとしていた教科書会社があったけど、検定意見がついて載らなくなったということが新聞で報道されたのですけれども、そのときに当時のスモンのもう今は亡くなられている方々ですが、実は昔は高校の公民の教科書で公害と並んで薬害が同じようなページ幅で同じように教えられていたんだと。つまり、4大公害訴訟と同じようにスモン、サリドマイドというものが教えられていたんだけれど、それがいつの間にかなくなってしまっている。やはりこれが自分たちのこれからやらなければいけない課題ではないかということであって、教育のほうで子供たちを将来薬害の被害者にも加害者にもしたくないということでやってきたということがあります。
 そういうことを考えると、これは本当にアンケートを取っていただいて現場の声を聞いていただくということは非常に大事なことでありがたいことなのですけれども、やはり現状のままでアンケートをとったらこうなってしまうんですという難しさがあるなと思って、最初の頃でも薬害は保健体育で教えるんでしょうと言われていて、つまり保健の教科書には薬のことは書いてある。
 だけど、そこでは薬には副作用もありますよと教えるのであって、それは薬害という社会の問題とは違うでしょうというのが私たちの思いで、公民で習って、いろんな背景なり、経済との問題であったり、倫理との問題であったり、人権との問題であったり、いろいろな現代社会として、今だったら公共という科目ですけれども、そういう中でしっかりと、副作用のようにどうしても起こってしまうものではなくて、公害と同じようにうまく社会の仕組みの中で防いでいけるものとして薬害というものを教えてほしいということがある。
 ただ、私も今、大阪の高校の現場にいますけれども、公民の担当をしている先生方に聞いても、学習指導要領で薬害を教えることに新カリキュラムでなったという事実は知らないし、教科書に載っていないことを教えるというのは難しいという言い方は誰に聞いても言われてしまうという状況があって、載っているはずだけれども実は載っていない教科書も確かにあったりすることもある。
 なかなかこれは難しいところで、現場感覚で使うとしたら保健体育でしょうと言って保健体育科のほうに段ボールごと渡されていたと、中学校でも高校でも放っておくとそうなってしまう。
 だけど、本当は公共で教えてほしいんだということであって、そういう思いがいかに伝わってそれが形になっていくのかというのが私の願いであって、例えばなのですけれども、アンケートをしてもらうときに、新カリキュラムで公共の教科の中で、学習指導要領で薬害という言葉を教えるということが新たに入ったけれども、現場感覚としてこれまで教えていなかった薬害を教えるのには難しさがあると思いますが、そういう意味でこのパンフレットは役立つかとか、そういうふうに現状を聞くというよりはこういうふうになったんだよということを伝える役割のアンケートという位置付けで、半分は実は今はもうこうなっています、御存じないかもしれないですけれども、こういうふうになっている。それで、今は薬害を教えなければいけなくなっているけれども、これまで教えていなかったことだから、現場で戸惑いがあるし、どうやって教えたらいいかという声があるからこういうものを配布していますが、その意味において使いやすいかどうか、というようなアンケートの聞き方とか。
 私が聞く範囲では、やはりもっと教科書に書いてほしい。その上で副読本があれば教えやすいんだけれども、教科書にあまり書いていないものを副読本で教えるのはすごく難しいという感じのニュアンスを聞くので、私たちももうちょっと、教科書会社自体に圧力をかけるという意味ではなくて、教科書会社自体が学習指導要領がそういうふうに変わっているということに気づかれていない可能性もあるので、私たちもそういうふうな説明はできればいいなと思っているのですけれども、そういう感じのアンケートで、もちろん保健体育で教えてもらうのもすごくいいことだと思いますし、副作用に加えて薬害を教えてもらうこともいいと思うのですが、社会の問題として教えなければいけないと学習指導要領になっているんだけれども、教えるのに苦労されていませんかとか、そもそも学習指導要領に載っているということを御存じでしたかとか、そういうふうに聞きながら載っているんだよということを伝えて、教えなければいけないのであれば、やはりこういう教材はありがたいなというふうになっていくというか、配られても、教科書に載っていないことを教えろと言われているけれども難しいなというニュアンスでまだまだ受け取られている中でアンケートがされているとしたら、アンケートにそういう役割も持たせていってもらえたらありがたいかなと思いますという感想です。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 趣旨はよく理解をいたしましたので、我々も先ほど御紹介したとおり、そもそも学校で放置をされないように、昨年の議論もありましたので、公民科の先生にきちんと届くように宛先で工夫をするであるとか、当然、昨年も議論をさせていただきましたけれども、指導の手引の中で学習指導要領が変わって公共の中でこういうふうに位置づけられたということもしっかり明記をさせていただいたということもありますが、指導要領が変わったタイミングというのはまだ時期が浅いということもありますし、周知はいろいろな形でやっていく必要があるのだろうと考えておりますので、勝村委員がおっしゃったようなアンケートの中でもそういったことをしっかり伝えるべきではないかということは我々のほうでも受け止めて検討させていただければと思います。
 また、後のアンケートでも出てきますけれども、実際にデジタル版をどのように教えたらいいのか。やらなければいけないことは分かるけれども、どうやればいいか分からないというところもあるかと思いますので、指導の手引でも書いておりますが、これまでの歴史というか、指導要領に書いてからの時期も短いというのがあって、いわゆる実践事例集みたいなものも公共についてはなかったので、この後にまた御説明しますけれども、そういったことも充実させることで、より現場で実際に教育していただきたい環境というのを我々としてもしっかりバックアップしてつくっていきたいと考えています。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 そのほかございますでしょうか。オンライン参加の方でもいらっしゃいませんか。
 では、栗原委員がお手をお挙げになっていますのでお願いいたします。
○栗原委員
 1点目は、1枚目ですね。これまでの取組、これからの取組の一番右下ですが、被害者団体の一員としてここに来ているわけですが、PMDAの展示室の薬害で1つ、ヤコブが今年度追加されて5つになるのでしょうか。薬被連構成団体の薬害で言ったらまだ半分で、たしか海老室長さんのときにこれが開設されて、海老さんもこれから数を増やしていく方向だということははっきりおっしゃっていたと思うのですが、今後の見通しなどはいかがなものなのでしょうかというのが1点です。
 それから、紙の教材と、今は高校生ですか、配布総費用はどれくらいかかるのか。そして、それが完全にデジタルに移行した場合にその費用がかなり減ってくるというわけですから、その辺の数字がもしお手元にありましたら伺いたい。
 まとめて言ってしまっていいですか。
○衞藤座長
 はい。
○栗原委員
 後ろのほうの参考資料の中の法人の活動支援事業のところですけれども、昨日まで予想していたのですが、今年度600万の支出が既に済んでいるのではないかと思うのですが、あるいはもう来年度の予算要求の額も明示されていますけれども、それらの根拠としての法人の事業計画であるとか、予算書であるとか、そういったものが当然添付されて出てくるのではないかと思っていたのですけれども、ここに代表理事さんもいらっしゃるわけですから、お話を伺えたらこの場の委員の方々の理解が深まるのではないかと思います。
 それで、法人の事業に関してですけれども、持続可能性はいかがお考えなのか。つまり、現在の理事の方々、60代、70代、20年後はどうなるのだろうか。そういう辺りで、この後どんどん薬害が起こって団体が組織されて、被害者団体としてどんどん薬被連の新メンバーが補充されていくような状況というのは誰も望まないわけですよね。
 例えば、国立ハンセン病資料館ですか。ああいう形でぼんとつくられたら、今回の法人が活動していくスタイルよりは持続可能性はかなりレベルが高いだろうと普通考えられると思うのですが、そういった辺りは法人のほう、あるいは副対室のほうのお考えをお聞かせいただけたらと思います。
○衞藤座長
 では、順番にお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 順番にお答えをさせていただければと思いますけれども、まず薬害の歴史展示室につきましては先ほど栗原委員がおっしゃったとおり、今年度ヤコブのパネルを追加させていただいたというところがありますが、今後の見通しというところではもちろんこれで全てが終わりだと考えてはおりませんけれども、今、具体的に次にどれをやるというようなものが計画としてあるわけではありませんので、そこはいろいろ御意見を伺いながら引き続き取り組んでいきたいと考えています。
 次の、紙の教材の配布の費用ですが。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 契約がそれぞれ印刷と梱包と分かれていて、総額が今ぱっとは出ないのですけれども、それなりの額はかかっておりまして、特に、今は中学だけではなくて高校への配布もしている状況になっているので、その分費用が増えているのと、あとは最近どうしても資材価格も高騰していることもあって、調達価格はやはり年々上がっている。なるべく抑えつつとは思っておりますけれども、上がっている状況にはあります。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 それなりの費用がかかっているということです。
 また、法人の支援事業のお話をいただきましたけれども、600万の今年度の予算についてはもう支出をさせていただいているので、当然その根拠となる法人のほうの活動計画というものに基づいて今年度は支出をしておりますし、来年度以降もそれに基づいて支出をしていくという形になりますので、来年度もある程度、法人とも相談をした上で必要な額ということで、我々が要求できる額というところで来年度の予算額という形で1400万の予算要求を現在しているところですので、今後どういう形でやっていくかというのは、それぞれの年度の資料館での活動はこちらの法人の活動状況次第かと考えております。
 持続可能性というところですけれども、なかなか難しい質問でもあるのですが、当然、永続的に薬害があった事実、それから得られる教訓というところを伝えていかなければいけないということは認識として我々も共有しておりますので、途中で終わればいいというわけでは当然ありません。
 ただ、今年度からこの資料館法人というものを薬被連を中心に立ち上げていただいたということもありますので、そちらともよく御相談をさせていただきながら、その資料館というものを今どういう仕上がりにするかというのはまだ現実には見えていないところもありますので、そういったところで将来的にどういったものをつくっていくかというところを見据えて一緒に相談しながらやっていくということがあります。
 それで、栗原委員からもおっしゃっていただいたとおり、今その中心になって活動いただいている方が大体50代、60代とか、そういう中で年月がたつごとに高齢化していくというのは事実でありますし、我々としても時間がたくさんあるとは思っていませんので、できるだけ早期に道筋をつけて持続可能性がしっかり担保できるような形で進めていきたいと思います。大臣協議でも大臣から毎度申し上げていますけれども、国がしっかり主体的に責任を持って取り組んでいくというところは変わらないというふうに考えています。
○衞藤座長
 栗原委員、よろしいですか。
○栗原委員
 この場では副対室からのお話で終わるんですか。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 特段そういう決まりはないので、もし資料館法人の代表でもあります花井さんから補足等があればお願いします。
○花井委員
 今、室長から御説明があったとおりですが、もちろん何分にも立ち上がったところなので今、体制整備というか、そういうことに着手しているのですけれども、持続可能性ということに関して言えば、事実上この法人は単なる民間の一法人でしかないわけですが、やはり大切な資料等々をお預かりする限り、なくなってしまうというか、その資料が廃棄されるということ、事実ほかの資料館ではそういうことが起こっていますので、運営にかかわる人間の高齢化に対応するために新陳代謝が円滑に進むような体制ということも考える必要があります。
 それで、先行事例として4大公害のいわゆる水俣病というのがありますし、その他いろいろ栃木県の足尾銅山などいろいろな先行的なものがあって、様々な資料館を私も見てきていますし、当然被害者という人たちが全部いなくなってもその資料館は残していくという取組は先行事例がありますので、もし長期にわたって、国立でつくってくれれば非常にうれしいですけれども、そうでなくてもあくまでも民間事業者としては新陳代謝として人を入れ替えていかなければいけないし、若い人の支援も必要というところです。
 幸いにして、アカデミアとの連携はここ30年近くやって、今日の本郷先生もそうですけれども、研究者というのは新陳代謝がそもそもあるので、そういう方々にいかに薬害を御理解いただくかという活動はこれまでも続けていますし、それは当時者がいなくなっても、ちょうど80年前のアウシュビッツもそうですけれども、事実あそこの銃殺の壁の前に花を供えている人も数が今後いなくなるわけですが、だからといってあれがなくなるということは許されないと思いますので、そういう観点から民間としては最大限努力をしていく。
 当然、国からの今の補助金というのは大変ありがたく思っているのですけれども、国の予算の都合上、単年度主義というのがありますので、そういう意味では資金繰りが長期的にどうかと言われれば、それは必ずしも当てがあるわけではありませんが、しかしながら一応事業者としては最大限努力をしていくということになると思います。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 どうぞ。
○栗原委員
 ありがとうございます。
 受け入れた資料が廃棄されるなどということがあってはならないというお話が今ありましたけれども、そういうことにならないような何か仕組みというか、絶対回避できるという辺りを担保しておく方法はないものかなと今、思ったりしております。
 現状、法人が所有しているものはないと思うんです。これから受け入れていくのだろうと思うのですが、だけど今、研究班のほうに整理委託されているものがある。それの量がどれくらいであって、今年度、3月末までにどういう場所が確保されて、それが引っ越しされていくのか。どれくらいのスペースをお考えであるとか、そういう辺りをもし情報があれば伺いたいと思います。
○花井委員
 現状、量の件は完全に確認していなくて今、手元に資料がないのでまた別途お答えしますけれども、場所についてはまだ完全には移動していないので、年度内に新しい場所に移動するという計画となっていて、ぎりぎりあと2か月しかないのですけれども、一定程度、厚生労働省が行った事業も引き受けることになっていますので、それについて今、段取りをしているところです。
 ですから、1年に1回かは分かりませんけれども、次回までにはそれぞれ体制整備した内容を、写真などを交えて御紹介するということは可能だと思いますが、現状はここでまだ紹介できるような、この場所ですとか、こうなりますと申し上げることはございません。
○衞藤座長
 後藤委員、どうぞ。
○後藤委員
 今の資料館の話についてになってくるのですが、私たちもずっと資料館は言い続けてきたところで、昨年こういう取組があるということで厚労省からも補助金をつけていただいてという話があったところで、去年の本会議でも私のほうももっとこちらの法人のほうを支援してもらえればということを発言したと記憶しておりますけれども、やはりハンセンの資料館みたいにぼんと箱物ができればそれが一番いいのですが、現実としてこのこと以外も私たちも原告団として様々な協議をさせていただいておりますが、今の国の財政事情とか、いろいろなことも踏まえて、それが難しいという中で、一番いい方法としてこういうものができてきたのかなということは承知しているところです。
 とはいえ、この資料館というものをつくった肝炎の和解のときのお約束とか、そんなことを踏まえて、そこは国がしっかりと責任というか、その上で法人であったり、あるいは研究班もそうですし、様々に取り組んでいただいていることをしっかり管理というか、指揮していただいて、正直いらっしゃる前で言うのもあれなのですけれども、研究班の成果についてももう少し頑張ってもらえないかなと率直に私は思っているところがあって、いろいろやっていただいているのは分かるのですが、例えばスモンの資料とか集めていただいたものが今どうなっていて、どういうふうに活用されていくのかがある程度見えてくる形を私たちは期待していたところで、ずっと続けてきていただいた中でもそこが私個人としてはもう少し頑張っていただけるとよかったかなと思うところはあります。
 そういったところも国もしっかりと関与していただいて、ではどういう研究の在り方がいいのかとか、もっと予算が必要ならばどういうふうにつけるのかというようなところも考えていただきたかったというところです。
 また、この資料館についても予算を増やすというのはありがたいことなのですけれども、その予算がどのように使われて、どのように成果としてなっていくのかというところは国もしっかり見ていただいて、そしてまたこういった検討会とかで御報告いただいたり、あるいはこれは税金から出ているものなので国民の皆さんにどう還元していくかというところもぜひ考えていただきたいと思うので、そういった方向性で資料館は法人だけではなくて一体のものとして進めていくところだと理解しているので、そういう形の決意というか、国としてのお覚悟を述べていただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 先ほども少し言及しましたけれども、この資料館の関係は当然、薬害肝炎の検討委員会の流れでこの事業につながっているというふうに理解していますし、そもそも国が主体的に取り組む事項であるということは十分認識をしておりますので、そちらはこれまでもこれからも変わらないと考えております。
 その上で、実際の活動がなかなか進んでこなかったというのも事実としてありますし、この資料館の補助事業というのはあくまでもその方策の一つというふうに捉えていますから、これをやったから国としての責任を果たしたとは当然と思っていませんので、そこについては法人ともしっかり連携をして、国としてしっかりグリップをしていく。それは研究班についてもこれまでもそうですけれども、本郷先生は今、代表として務めていただいていますが、意見交換等をしながら全体を見て厚労省としてしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○衞藤座長
 資料1につきまして、そのほか御発言ございますか。
 それでは、望月先生お願いいたします。
○望月委員
 ありがとうございます。
 今のお話とはちょっと違うのですけれども、今ちょうどこの画面に出ております薬害の歴史展示室の利用状況で、現在順調に増加しているということで結構だと思って聞いておりましたが、もう少し伸びてもいいのかなとも、コロナが終わりましたし、そう思って聞いておりました。
 それで、この歴史展示室の中には薬害に関連する書籍とか、それから報告書とか、患者さんの言葉などが展示されているということで、学校で学んだことをより深める学習にも適用できる、使っていってもらえるのかなと思いまして、今、学生というのが大学生中心の来館者になっているようなのですけれども、高校生とかが修学旅行で東京に出てくるときなどに、来訪してもらえると良いと思いました。というのも、私が大学の教員をしておりました時に、私のところを訪問したいとか、そういうアプローチをしてくる高校生さんなどもいたりするのですね。
 それで、この歴史展示室の御案内があまり十分周知されるルートになっていないのかなと思いまして、例えば刷り物としてはお金が余計にかかってしまうのでなかなかできないかもしれないのですけれども、今回パンフレットのデジタル版をおつくりになるときに、デジタル版に御案内を入れていただくとか、あるいはパンフレットを御案内するリーフレットを配布されていたように先ほどの御報告の中で聞いておりますが、そちらのほうでも教員の皆さんにも御案内をするとか、できないでしょうか。展示室のホームページを見ますといろいろなパネルを動画で紹介したり、調べ学習のときに参考になる部分もあるように思いましたので、せっかくつくった歴史展示室はもっとさらに御活用いただけるような御案内の仕方を工夫していただけないかと思いました。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、この展示室をより活用していただくということは非常に重要だと思います。ここの資料にもありますけれども、これを設立してすぐコロナ禍になったということもありまして、学校への周知というのを当初やるつもりではいたのですが、少しコロナ禍もあって控えていた部分があるのですけれども、そのコロナ禍というのももう去っているので、望月委員の御意見も踏まえていろいろな形で学校のほう、中学も高校も含めて周知する方策をしっかり検討して周知に努めていきたいと考えております。
○衞藤座長
 そのほか、いかがでしょうか。御意見はございますか。
 後藤委員、どうぞ。
○後藤委員
 今の薬害の歴史展示室について、先日私も拝見させていただいて、特に証言映像がパソコンで見られるようになっているところがすごくよいかなと思っていて、人数が証言映像を撮っている数に比べて、なかなか同意いただかないと載せられないというところもあるので難しいかなとはと思いつつ、せっかくあれだけ皆さん長い間しゃべっていただいているし、すごく背景も含めてよく分かるコンテンツだと思うので、ダイジェストというか、短いバージョンというか、そういったものをつくってもらって、続きは実際に行ってもらってというような形で広報というか、宣伝に使ってもらえると興味を引くのではないかと私は個人的には思ったので、そういったところの取組もぜひお願いできればと思います。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 御意見を踏まえて、こちらでもどういったことができるか、検討させていただければと思います。
○衞藤座長
 では、栗原委員どうぞ。
○栗原委員
 この展示室のアンケートの中で、今、後藤さんからお話があった証言映像ですね。これが非常によかったという感想が2つあるわけですが、あれは証言者が思うように長い時間、かなりの時間しゃべっていますから、恐らく研究班のほうで映像担当の先生がその辺を今、研究されているんだろうと思うのですけれども、後で本郷先生のほうからもし可能でしたら、あそこで視聴できる映像に対して何らかの研究者の手が加わって、より効果的な視聴ができるようになるのか、あるいはそれとは別に何かお考えになっているのか、そういったこともお聞きできたらありがたいと思います。
○衞藤座長
 では、本郷先生からは後ほど御発表の中でそれをおっしゃっていただければと思います。
 坂本委員、どうぞ。
○坂本委員
 今のことに関連した内容になります。私もこの展示室に伺って、あの場でしか見られない映像に非常に感銘を受けました。心に残った言葉も数多くありました。
 ただ、ホームページを見ると、その証言映像が非常に貴重なものであるということをもっと強調したほうがよいように思いました。ホームページのつくり方が丁寧なので、ホームページを見ると、その場に行ったような気持ちになれるみたいなことがありえます。でも実際に行ってそこで証言を聞くと、さらに理解が深まるのではないかと考えます。実際に足を運ばないと分からないことが、ここにはまだありますというようなことを、さらに広報していただくといいのではないかと思いました。
 なお、確かに映像は長めなのですが、長さゆえに、お話をされている方のお気持ちのより細部などが伝わってきます。私も時間が足りなくなって、本当はもっと見たいのにと思うこともありましたので、どのくらい時間がかかるのかが事前にわかるなど、今後工夫していただくといいのではと思いました。
 以上です。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 広報の仕方はお話がありましたけれども、工夫して、より多くの人に見てもらえるように、あとは今まで撮ったものについてはそれぞれの御本人様の同意の関係もあるので、なかなか一般に広く見せるということはちょっとできないのですけれども、ただ、栗原委員からのお話もありましたが、映像の撮り方とか、その見せ方であるとか、そういったところもいろいろ研究をした上で、より効果的に伝える伝え方であるとか、そういうこともあると思いますので、周知広報等を含めて効果的にさらに興味を持って見ていただけるような形というのはさらに突き詰めてやっていきたいと考えています。
○衞藤座長
 それでは、議題1についてはこの辺りで閉じてよろしいでしょうか。
 事務局におかれましては、各委員からいただいた御意見を踏まえて来年度の教材配布等の対応に生かすようにお願いしたいと思います。
 それでは、2つ目の議題、「特別支援教育における「薬害を学ぼう」の活用について」に移ります。では、資料2について事務局から御説明をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 資料2について御説明をいたします。
 資料2は「特別支援教育における「薬害を学ぼう」の活用について」ということでございます。
 スライドの1枚目ですけれども、「課題」として書かせていただいておりますが、現在特別支援学校にはほかの高等学校と同様に毎年高校1年生用の教材というものを配布しているところでございますけれども、教員向けのアンケート等を見ると、なかなか特別支援学校の「生徒の実態に合わない」であるとか「教え方が難しい」といった声が多く、対応に苦慮しているというケースが多く見受けられるということが挙げられます。
 実際にこの学習指導要領の解説の公民編については、薬害に係る記載がされておりまして、視覚、聴覚、肢体不自由、病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校では、その指導要領における各教科の目標の内容に準ずる教育課程を編成するということになっておりますけれども、この実践事例集というものをつくっておりますが、そこには特別支援学校における薬害教育の実践事例というものを現状はまだ示せていないというところであります。
 このページの1つ目に書いておりますけれども、主に知的な障害のある生徒に対する教育を扱う特別支援学校においては知的障害の特性を踏まえた各教科であるとか自立活動で教育課程を編成しているという実態があるということでございます。
 また、昨年のこの検討会の中でも少し議論になりましたけれども、「薬害を学ぼう」のパンフレットの表紙、特に写真についてもこの令和5年度のアンケートにおいては、一部に障害のある生徒への配慮からこのパンフレットを配りにくいというような声もあったということがあります。こういった状況、現場でも苦慮されているという状況を踏まえて、特別支援教育におけるパンフレットの活用であるとか教材の配布方法、またはパンフレットの表紙、特に写真等についてですけれども、どのように考えるかということをこの検討会は様々な立場の委員がおられますので、この場でこうしようという方針を決めるというよりは、いろいろ御意見をいただいて、その意見であるとか、または教員向けのアンケートの結果も踏まえてどのようにしていくかということの方向性というものをある程度御意見をいただければという趣旨で今回挙げさせていただきました。
 2ページ目は、先ほど少し紹介をした教員向けアンケートの比較です。
 全体と特別支援学校との比較ですが、例えば「パンフレットの難易度」の回答を見ていただくと、特別支援学校の教員の方々から返ってきた回答は「難しい」という割合が非常に多いというようなところが見受けられるということでございます。
 次のスライドの3ですけれども、これは議論の一つの材料として御覧いただければと思いますが、例えば今後この特別支援学校において、特別支援教育においての薬害教育、このパンフレットの配布の活用方法等について、幾つか考えられるのかなというふうに事務局から挙げさせていただいたのがこの例の3つです。この例の3つのどれかに決めてくれという趣旨ではないのですけれども、例えばパンフレットを配布するというのは維持をしつつも、中学校と同様に各校1部の参考配布として、実際にどういう形で教育をしていただくかというところは現場の判断にある程度お任せするという考え方もあるのかなと考えております。
 また、例2、例3にあるように、今の通常のパンフレットは配布をせずに新たに特別支援学校用の教材を配布するであるとか、現行のパンフレットの簡易版をつくるであるとか、そういった取組をして現場のニーズに合うような形にしてはどうかと考えておりますが、そういうような例2、例3というようなものの採用をすると、本来薬害教育でお伝えしたいということの一部が伝わらないというようなデメリットも考えなければいけないのかなと考えておりまして、例えばこういう方向性は考えられるのではないかということですので、繰り返しですけれども、ここで何か決めていただきたいというよりは、この特別支援学校での「薬害を学ぼう」の活用についていろいろお立場はあると思いますので、御意見をいただければ幸いですということでございますので、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長
 それでは、資料2につきまして、今の御説明に基づき内容に関して御質問や御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、勝村委員お願いいたします。
○勝村委員
 ありがとうございます。
 支援学校でこういう状況になっているということはすごく理解ができるというか、ちゃんと議論しなければいけないことだなということはよく分かりました、ということで、例1、例2、例3、どれがいいのかなということだと思うのですけれども、一方で私も30年以上前になりますが、自分の子供の被害で提訴したときに、自分の家に最初に取材に来た新聞記者の人が医療担当ではなくて教育担当で、当時養護学校と言っていましたけれども、そこを回っている人で、彼の見立てなんだけれども、障害がある子のうちの少なくない人が陣痛促進剤の被害者ではないかとずっと思っていたと言われたのが非常に私は衝撃的でした。
 自分だけが非常にまれな被害に遭ったのではなくて、同じような被害がいっぱいあるのではないか。裁判でも数が多いし、この被害というのは低酸素脳症で脳の障害で体が不自由になったりということになるので、その重症度はありますけれども、そういう昔のことをちょっと思い出したり、実際にサリドマイドの人は障害を持って生きてきているということがありますし、筋短縮症の人の足が動かないとか、スモンの人も目が不自由であるとか、いろいろあって、人権教育をするときにその当時者がその場にいたときに教育が非常にデリケートで難しいということの問題も一方には常にあるのかなと思いますが、だけどだからといって避けるということもどうなのかということですね。
 それから、私ももう20年以上前ですけれども、自分たちの被害を本にまとめたときに、障害の教育を各地でやっているようなところに講演で呼ばれましたが、意外と障害のある当事者もそういうところにたくさん来られていて、私の話が終わったら、自分も薬害ではないかとか、薬が原因で脳性麻痺になったのではないかということを泣きながら質問に来られるということで、私もそこですぐこうだろうとはとても情報がないので分からないのですけれども、可能性としてはあり得るとは思うので、否定もできないというか、そういうこともあったりしました。
 ですから、教育をするという観点で非常に難しいという場であることも分かるんだけれども、何らかの形で将来の子供たちが薬害被害者にも加害者にもならないようにということであれば、支援教育の学校にもいろいろなタイプの学校があると思います。障害者であったり、盲ろうであったりとか、いろいろあると思いますけれども、何らかの形で検討していただいているとおり伝えるという努力はできるだけ、特に先生方にもまず見ていただいて、先生方がそれぞれの生徒に応じて教えてもらうというところではもちろん裁量があるわけですから、先生方にはできるだけ同じような情報を伝えてもらうことができればよいのかなと思いました。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 そのほか、御意見ございますでしょうか。
 高橋委員、お願いいたします。
○髙橋(寛)委員
 高橋です。
 いわゆる特別支援学校の生徒さんといいますか、支援学校の子供たちに薬害を教えるのはもしかしたら難しいと思うのですけれども、これ(支援学校で薬害を教える)の趣旨とはちょっと違うのですが、やはり薬害を特別支援学校の先生にも学んでもらいたいなと思います。
 結局、養護の先生は特別支援学校に行ったり来たりしていますので、教える側を増やすという意味で特別支援学校は非常に大事な役割の位置づけになるのではないかと思います。新しい教材をつくらなければいけないのですけれども、生徒に教えるというよりもやはり障害者を見守るというときにこういった要素も考えなければいけないということで、支援学校の先生のほうですね。先生の教育ができるような形にされたらいかがでしょうか。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 先生に教えるということに目を向けたらどうかという御意見だったかと思います。ちょっと音声が小さくて聞き取りにくかったかもしれませんけれども、そういった趣旨だったかと思います。
 そのほかございますか。
 どうぞ、後藤委員お願いいたします。
○後藤委員
 まず、知的障害とそれ以外の生徒さんとはちょっと違うというか、観点が違うところがあるかなと、このお話を聞いて思いました。知的障害の方にどのようにこの薬害の様々なことを伝えていくかというのは難しいところかとは思いますが、障害を持って生きている方にとってはそういった意味で特に病弱とか身体虚弱の方とかは薬を使っている方も多いと思うので、その方こそまたこういった薬害というか、薬の持つ二面性というか、そういったところが社会とどう関わっているかというようなところはぜひ御理解というか、まさに伝えていただきたいターゲットかなと、私は思うので、そういったところの区分けもしながらどういう対処法があるかというところも考えていただければと思います。
 それと、ここにあるパンフレットの表紙が障害のある生徒への配慮から配りにくいというようなお話もあるのですが、実情としてそういう御意見というか、そういったところは分からなくはないのですが、やはり私たち障害というか、病気を生まれつき持ってきた者からすると、何か隠されているような感じになって、この表現を見たときにちょっと嫌な気持ちになるところはあります。
 現場で頑張っていただいている先生方は実際の対応の中では難しいところもあるとは思うのですが、やはり理想というか、我々もHIV感染というものをどう受け入れるかということで、実際にそういう状況にあることをどう受け入れて、どう社会の中で生きていくかということも最近考えたこともあって、そういったところで皆さんのお話を聞いていくのも重要なんだけれども、国としてこういうことなんだよと言っていくということもぜひ考えて、このことに限らず取り組んでいただけるとありがたいかなと、ちょっと感想めいた話になりますが、そのようなところでお願いします。
○衞藤座長
 ありがとうございます。
 では、栗原委員お願いいたします。
○栗原委員
 先ほど勝村さんから、ひょっとしたら促進剤の被害で現状があるんじゃないか、そういう子がかなりいるんじゃないかというお話の付け足し的ですが、やはりワクチンですね。予防接種の後に異常が起きて障害を来すケースというのはかなりあります。もちろんそれが薬害性を持っているとはあまり言えないケースが多いと思うのですが、はっきり言えるのはMMRのワクチンの後に被害認定されたケースは薬害と言い切れますけれども、そういう区別はともかく、そういうワクチンの問題もあるということ。
 それから今、高橋先生のほうからお話があった、担当の先生に理解を深めてもらう意味、これは私の息子も完全に知的にやられまして、おまえの被害はワクチンの副作用被害だったよと言っても全く理解してもらえない。障害児教育の中で、当然先生たちと子供の保護者との間でいろいろとかなり深い経緯を共有されていることだろうと思いますけれども、保護者の中には全く気づかない、外的要因があったことに気づかないようなケースもあるだろうと思います。そういう点で、教員のほうに理解を深めてもらうということが、ちょっとこれは抽象的ですけれども、やはり子供を理解する上で必要なことだろう。実際、知的障害者の親としては先ほどの高橋先生のお話は非常に響いたという感想です。
○衞藤座長
 ありがとうございます。
 そのほか、資料2についての御発言はございますか。
 それでは、議題2につきましてはここまでとしたいと思います。事務局におかれましては、各委員からいただいた御意見を踏まえ、引き続き検討を深めていただきますようお願いいたします。
 それでは、3つ目の議題、「高等学校における薬害教育について」に移ります。事務局から資料についての御説明をお願いいたします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 それでは、資料3と4について御説明をいたします。
 資料3は、昨年度に引き続き、高校に向けて教員向けのアンケートを実施した結果をまとめたものでございます。5,863校に御協力の案内を送らせていただきました。
 回収率については、昨年は初年度ということで大分低かったのですけれども、今年も高いとは決して言えない数字ではありますが、昨年よりは少し集めることができたところです。
 左下を見ていただきますと、回答者の担当科目が去年は地歴公民、要は社会科系が多かったわけですけれども、今年については保健体育のほうが多くなるという逆転の現象が起きました。
 次の3ページで難易度、見やすさ、参考の程度を書かせていただいておりますが、こちらは令和5年度と比較しましてもほとんど傾向としては変わっておりませんで、基本的に見やすさとか難易度については一定程度、現場でも適切だというふうに判断をいただいているのかなと思っております。
 次のスライド4に移りますけれども、こちらは使用状況ですね。パンフレットと視聴覚教材について、使用状況は上のほうのグラフ2つになりますけれども、こちらはあまり昨年度と傾向は変わらなかったのですが、先ほども申し上げたとおり、実際に使用した科目を見ていただきますと、昨年度は公民科のほうが多かったわけですけれども、今年はいろいろ公民科にたどり着くようなアプローチをしたのですが、結果的には保健体育のほうが回答としては非常に多くなったというような現状がございます。
 ただ、今のアンケート項目だとそれがなぜなのかというのが分からないところが正直ありますので、来年度アンケート項目を少し改善して、なぜこういうふうになっているのかというのが確認できればと思っております。
 次のページは自由記述が非常に細かいですけれども、5ページでございます。
 実際に使用しなかった方に使用しなかった理由を聞いているものになりますけれども、こちらも昨年度と同様に時間が取りにくいというようなお声が多かったことは現状としてございますが、自由記述の中を見ますと、一定程度、薬物乱用教育であるとか、オーバードーズの話とか、医薬品をめぐる薬の関係ということで、ややごっちゃに理解されているような先生方の感想、要は「薬害を学ぼう」自体が薬物乱用防止教育のための教材かのように誤解されている方も中にはいらっしゃるというような状況です。昨年度、指導の手引には、混同しないようにという注意文を書かせていただいていたのですけれども、まだそこの部分が浸透しきれていないかなとは思っております。
 その次のページからは、自由記述ですので参考になりますけれども、教材の使用状況として保健体育とか社会科、公民でやったもの、それから学校薬剤師会に少し御協力を依頼して講演とかもさせていただきましたけれども、学校薬剤師と連携をしたというような御回答もございました。
 また、学校現場で実際に教材の使用に課題を感じているという声の中には、先ほど申し上げたような使用時間の確保が難しいというようなお声のほかに、そもそも今の高校の担当科目の中でどうやって薬害教育を落とし込んでいったらいいのかというところにまだ少し迷いがあるというか、分からないというような御回答も中にはございました。
 また、デザイン、配布方法などについてですけれども、こちらは議題1でもありましたとおり、なるべくデータで送ってほしいというようなお声も中にはございました。他方で、やはり紙の配布も引き続き行ってほしいというようなお声も中にはございましたし、モデル事業などをやっていただきますと併用して使っているようなパターンもありましたので、その辺りは来年度少しアンケートを見ながら実態がどうなっていくかというのは見ていきたいと思っております。
 資料3については以上になりまして、続きまして資料4でモデル事業を今年も行っておりますので、その状況について御報告をいたします。
 資料4ですが、今年は高校3つで実践をしていただきまして、いずれも公民科(公共)で実施をしていただきました。
 1校目が山梨県立甲府城西高校で、こちらはその公共の中でもより消費者問題で薬害を取り上げるというような形のコンセプトで取り組んでいただきました。
 それで、1時間目に消費者行政の中で、特に消費者の4つの権利というのが教科書にも載っておりますけれども、この4つの権利を学んでいただいた上で、そこから薬害問題を考えてみたときにどうなのかというグループワークをしていただいて、最後は自分たちでグループごとにスライドを作成し、発表するというようなことをやっていただいたところになります。
 次のページに、先生がつくっていただいたワークシートを参考にいただきましたので御紹介をさせていただきます。左下にありますとおり、消費者の4つの権利などを少しキーワードにしつつ、グループワークにおいて、それを薬害に当てはめつつ、消費者として、国民としてどうしていったらいいのかという課題を少し深掘りしていくというような形の構成をされていました。
 スライド3に、グループワークで実際に生徒さんがつくられたスライドもいただきましたので参考に出させていただいております。中には事実誤認も多少あるかもしれませんけれども、生徒さんたちが自分でどうしたらいいのかというのを自発的に考えて、最後にスライドにまとめていくというようなことをやっていただいたところです。
 昨年度の検討会の中で、授業を実践した前と後で生徒さんたちがどういうふうに認識が変わっていったのかが少し見えたらいいのではというお声がありましたので、学校に御協力をいただいて授業前と後でアンケートを生徒さんにも取らせていただきました。それが4ページからになります。
 4ページは授業の実施前でございますけれども、授業の実施前は薬害に関するニュースであるとか、薬害についての知識というのは「あまりない」「全くない」というような回答が非常に多かったです。
 また、知っている薬害として思いつく例を挙げてくださいという中にも、「薬害エイズ事件」などを挙げていただいている方ももちろんいるのですが、食品の「紅麹」の話であるとか、オーバードーズとか、薬物乱用とか、そういったものがやはり混同として見られるというところもございました。
 それが授業の実施後になりますと、資料5でございますけれども、自由記述も多くて非常に見にくいところで恐縮ですが、授業を受ける前と後ではやはり認識としては「大きく変わった」ということで、薬害そのものの知識ですね。単なる副作用ではなくてというところもそうですし、そこから得られた教訓や対応がどうなっているのかというところへの学びにつながったということがございました。
 また、この学校は特に消費者教育という目線でやっていただきましたので、次の6ページになりますけれども、薬害が起こらない社会にするためにどのようなことが必要だと考えるかというところについては、やはり自分が消費者としてだったらどうするかというようなことを考えた生徒さんが非常に多いような回答結果が出ておりまして、最後に問6にありますけれども、授業実施後に「積極的に伝えたい」とか「機会があれば伝えたい」というような学生さんが多くなったというようなことになります。
 実施いただいた2校目が清水南高校、静岡県の学校になります。こちらも公民科(公共)で実施をしていただきまして、こちらは消費者教育というよりは割とオーソドックスに薬害教育を実践していただいたということです。
 静岡県の学校ということもありまして、静岡出身でスモンを発症された方のエピソードを先生が過去の新聞記事とかも調べて掘り起こしていただいて、それを読みながら実際にその被害を見て、どうしていくか、どうしていくべきだったのか、どういった制度になっているのかというのを考えていただくというような形になっております。
 あとは、公共でやるということもありましたので「展開」の左下にありますけれども、先生が問いを設定して、例えばこういう新薬が開発されたけれども、0.1%不確かな部分があったときに国の立場だったらどうすべきかということを一つの考察として考えてみましょうというような設定をして考察をするというようなことに取り組んでいただきました。
 こちらも授業実施前と後でアンケートを取っておりまして、授業実施前はやはりあまり見聞きしたことがないというような回答、または薬害として挙げている例も「紅麹」とか「オーバードーズ」といったものが非常に多かったというところでございますけれども、授業の実施後になりますと、特にスモンの被害のエピソードを見ていただいた上で授業を実践していただいたので、そういった心理的な問題や差別、偏見も含めて、薬害というのが非常に大きな影響を及ぼすものなのだというようなことについての理解が深まったという回答が非常に多く見られたところでございます。
 また、こちらは消費者教育というよりはもうちょっとオーソドックスにやっていただいたので、消費者としての回答も多かったところですけれども、国や製薬会社、医療機関、いろいろな立場からだと薬害をどうするかということを考えたような回答が非常に多く見られたというところでございます。
 最後に3校目につきましては、実際の授業が1月31日を予定しているので、こういった授業をやる予定ということでございますけれども、国立の東京学芸大学附属高校のほうでこちらも公民科(公共)で実施をしていただく予定です。3時間の授業、①、②、③とやっていただく予定でして、③が1月31日にやる予定です。
 昨日、授業の②をやっていただいたということで、先生のほうから少し御報告をいただきましたけれども、スモンやサリドマイド、こちらは視聴覚教材を使っていただいて、そこをつかんでいただいて、具体的に薬害の発生原因についてロジックツリーを生徒さんがホワイトボードに書きながら、どういったことが原因で起きていって、何が足りなかったのかということを少しつくっていただいています。
 授業③ではそのロジックツリーを踏まえて、これも公共でやるということもあって、医薬品を巡るジレンマがあるということを設定していただいた上で、ではどう考えるかというのを最後にアウトプットとして生徒さんに考えさせるような授業を仕立てていただいているというところになります。
 資料4については以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました資料3と資料4につきまして、御質問や御意見がありましたら御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 樋口委員、お手をお挙げのようですので先にお願いできますか。
○樋口委員
 樋口です。
 私は協議会で警視庁とか学校薬剤師の先生方など薬乱防止教室を実践している方との意見交換をする機会があります。この1年、学校の要望として薬乱防止教室でオーバードーズを取り入れてくれと言われることが増えていて、学校の先生方の意識が高まっているようです。あとは学校薬剤師の先生参加の学会でブース展示にしても、オーバードーズ関係の資材というのはほかの資材と比較しても興味を持たれ、それを実感しています。
 オーバードーズ関係の関心が高まるということは、それはそれで喜ばしいことなのですけれども、一方でさっきのアンケートにもありましたが、公民と保健体育の先生の割合が変わってきているということです。
 公民の先生はアンケートの結果を見ると減ってはいなかったですし、むしろ増えています。ただ、保健体育はもっと増えている。ひょっとしたら、オーバードーズ関係で興味を示して薬乱防止教室と混同している可能性は高いのかなとも思いました。
 それで、先ほど高橋先生から、先生の教育指導や教育資材というのが必要だとおっしゃられましたが、ひょっとしたら一般の高校でもそういったものも必要なのかもしれません。資材に目を通してもらえれば学校の先生であればそれはオーバードーズとは全く違う問題なのだというのは分かるとは思いますが、目を通す前に「薬害を学ぼう」という文字から判断してオーバードーズとか薬乱防止と混同している可能性があると思います。
 中に書くだけではなくてもっと目立つように、これは薬乱防止教室で使うものではないとか、それとは違うとか意図するところのメッセージを目立つように書くなど開けて表紙で判断してしまうという方に向けて、訴えるような工夫をすればどうかなと思います。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、栗原委員お願いします。
○栗原委員
 資料4の3校が、こういった授業に取り組んでいただくことになった経緯を教えていただきたいのと、3校の授業現場にどなたかもし行かれたのであれば、その教室でいろいろ子供たちの表情であるとか、発言であるとかからの感想がおありでしたらお聞かせいただければということです。
○衛藤座長
 事務局からお願いします。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 3校の経緯でございますが、毎年モデル授業については挑戦してみませんかということで手挙げもオープンにしてはいるのですけれども、今年は残念ながらなかったということと、あとは公民科(公共)の実践例がなるべく我々としても欲しいなというところがありましたので、文部科学省さんにも少し御協力をいただきまして、公立校2校につきましてはこういった学校はいいんじゃないかと御紹介をいただいて、こちらからアプローチをさせていただきました。
 国立につきましては、学校の教員の方が目指す大学ということもございますし、○○教育というときにこの学校がモデルになってやっているという事例もあるということは承知しておりましたので、ぜひ御協力いただければ、全国への普及のときに役に立つかなと思ってこちらから声をかけさせていただきました。
 あとは、生徒の様子ということで、私は今度の学芸大のほうに行く予定なので、他の2校に実際に行った現場の職員はおりませんけれども、学芸大につきましては、実際の様子の写真や動画を撮っていただいて私も見させていただいたところ、非常に活発で思った以上に生徒さんたちが自分ごととして、ああでもないこうでもないと話していて真剣にやっていただいているという様子は見て取れましたし、発表ももちろん粒度はグループによってまちまちなところはありますけれども、かなり深く調べて発表していただいているような事例もありました。また、モデル授業を実践していただいた他の先生方とお話をしていても、公民科の中で消費者教育の単元をどうやって扱っていこうか、自分も悩んでいたけれども、薬害というものを一つ題材として、これを基にこの授業の単元をどういうふうに構成していけばいいかという学びにもなりましたというようなお声もいただきましたし、ぜひ来年度もというような声もありました。そういった意味では、非常に意味のあったことかなと思っております。
○衞藤座長
 よろしいでしょうか。
 館委員、お願いいたします。
○館委員
 今のことにも少し関係するのですけれども、先ほどアンケートのところで学習指導要領で既に書かれている内容理解、これを促すためにもアンケート内容を少し工夫してはどうかということがあったのですが、それは私も賛成です。
 学習指導要領の変化というもの自体も知らないことがあるからです。では広く知らせるためにどうするのかなといったときには、タブレットも大事だと思うのですが、手に取ってぱらぱらと見られるパンフレットを持つ効果は教員にとってやはり大きいかなと思うのです。興味、関心を持っている方は、タブレットの教材に対してもアクセスできると思うのですけれども、全く今まで扱ってこなかった先生にとってみると、パンフレットで見たときに、ああこういうものかと比較的気軽に気づくことができると思うからです。
 それからもう一点、先ほどちょっと出てきました薬害の歴史展示室のところで発言しようかと思ったのですが、薬学部の学生さんが何名か来ているというようなことを厚生労働省の方からお伺いしたいのですが、これは結構大事なところなのかもしれないなと思いました。小中高、あるいは特別支援学校での薬害教育を中心に話していることは分かってはいるのですけれども、やはり直接的に薬害の現実を薬学部の学生さんたちが知る機会というのはもっとあってもいいのかなと思ったときに、薬学部の先生方へのパンフレットの配布などということもあるのかなということも考えましたので発言させてもらいました。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 そのほかございますか。
 では、勝村委員お願いいたします。
○勝村委員
 ありがとうございました。
 この資料4の内容は、限られた時間の中で教えていただくのに非常になるほどと思えるよい見本というか、実践例をつくっていただいたなと思って、私としては、こういうことを具体的にイメージできた一つの答えだなと思って広く広がればいいなと思いました。ありがとうございました。
 アンケートの結果なのですけれども、先ほどの資料1のときの話とちょっとかぶってしまうかもしれないのですが、やはり保健の授業で薬について教えてもらうということはもちろんどんどんしていくべきだし、それはそれでオーバードーズの話もあれば、一方で薬物乱用に関しては必ず毎年全校生徒にということで、それはされていますし、それも大事な話だと思いますし、薬の副作用は怖いよということに関して薬害ということが一つの例として提示されるということももちろんあって全然問題ないと思うのですけれども、やはり公民で扱ってもらうというのはこの資料4にあるように、重篤な副作用被害が出たんだけれども、実はここまで被害が拡大してしまう前に、もっと早期に社会の仕組みで止められたのではないか。それなのに、なぜこんなに拡大してしまったのかという辺りですよね。
 その辺りまで含めて、自分たちに消費者として、また国として、企業として何ができるのかを考えてもらうということの観点での公民科だと思いますので、今回デジタルで副読本をみてもらうこともできるからパンフレットが1つであっても、保健でももちろん教えてもらってもいいんだけれども、やはりあくまでも公民でこの資料4のような観点でこれからの子供たちに教えてもらうということでいかに広げていけるかということで、先ほどから意見が出ていますように、取りあえずとにかく先生方ですね。
 私もそうですけれども、被害に遭っていなかったら多分知らなかっただろうし、先生方自身が教わらずに先生になってしまっていたという空白の時期があったわけですから、そこは非常に難しいところだと思うのですけれども、先生方にちょっと読んでもらったら、そういうことか、ではこういうふうに教えたらいいんだなということはこの資料4ですごく分かってもらえると思いますし、特に公民科の先生は日頃から新聞とか、そういうことでいろいろな情報を持っておられると思いますので、こういう形で進めてもらうのは本当にありがたいと思っています。
 それで、先ほどの話もありましたけれども、私の教え子で中学校の社会科の教員になっている先生に聞いても、やはり中学校に配ったときは段ボールごと保健室に行く、段ボールごと体育教官室に行ってしまうということで、社会科の先生のところに届いていなかった。実際、私の高校でも1年目に私が聞かなければ保健室とか体育教官室に行っていただろうなという感じになっていたので、送り先にも今は工夫していただいているところですけれども、非常に悩ましい問題がある意味、逆に言うとはっきりしてきていると思うので、公民科の先生にこの資料4のような授業をやっていってもらうことをいかに広げていくかということで、引き続き御尽力いただければありがたいと思います。
 以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、議題3についてはここまでにしてよろしいでしょうか。
 議題の4つ目、「薬害資料に関する研究班の今年度の活動状況について」に移りたいと思います。
 冒頭に御紹介いたしましたように、本日は研究代表者である本郷先生にオブザーバーとして参加いただいておりますので、本郷先生から研究班の活動状況について御紹介いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○本郷オブザーバー
 御紹介にあずかりました桃山学院大学の本郷と申します。
 今日はスライドを使って現状について、特に今日は1つ新しい話でお伝えできるかなと思うのは、薬害のポータルサイトというのを3か年の最終の一つの成果ということで、そのデモ版をお見せすることができるかと思っているところです。
 簡単に自己紹介ですが、こういうふうな人間で、私は今は大阪にある桃山学院大学というところの前は医科大の教養のほうで医療社会学を教えていたというもので、一応基本のベースにはHIVエイズの話がありまして、おととしになりますけれども、2023年の4月にこのテキスト、基本は大学生向け、一般向けなのですが、『薬害とはなにか』という本を共著というか、編者の一人として出版したところです。
 それで、この調査事業班の概要についてですけれども、厚生労働行政調査事業というふうなことで、この課題については2013年から継続していて、私が代表として多分4代目ということになるかと思います。私が与えられた期間では、私からは研究期間が3か年になりまして、この3月で一旦切れて、また2025年4月から改めて仕切り直すという状況です。私が研究代表者で、研究分担者はあと2人おりますが、今日はこの2人に代わって私が報告させていただくということです。
 この事業について私が今回というか、この3か年で代表を引き受けるに当たって、一応スローガンというか、どういうふうなスタンスでやっていくかと考えたときに、それまでずっと先ほど事業の内容というか、成果がよく見えないという話があったと思うのですけれども、記録する。要は、資料の目録をつくるとか、そういうふうなことはされてきたとは思うのですけれども、そこをもっと現実的に捉え直すということと、あとは展示ですね。その教育資材、薬害教育に資するような形でどういうふうに展示していくか。そこを考えるという両輪で考えていこうということをやっております。
 ですので、資料のアーカイブ化ですとか、あとはこれまで全然されていなかったんですけれども、例えば中性紙箱にちゃんと収めるとか、そういう保全の作業ですね。防虫とか、そういうふうなことですとか、あとは先ほども話が出ましたけれども、映像資料ですね。今どきTik TokとかYouTubeとかでもすごく短いものが好まれるというのもあるかもしれませんけれども、我々のほうで映像資料で10分とか短いものをプロに任せたからそれで本当に魂がこもったものになるのかというか、本旨から外れないのかとか、そういったことを考えるということもやっていますし、それ以外にも動画だけではなくて肖像写真みたいなものですね。以前、日本エイズ学会というところでパネル展をやったときに結構好評だったというのもあって、静止画というふうなものに役割もあるのではないか。
 あとは、特にこの3か年で薬害ポータルサイト、要はウェブサイトなのですけれども、こういうふうなものを開設して、例えば私は大学で教えていると変なサイトから薬害情報を引っ張ってきて変なレポートを書いて不可になるという学生が続出するわけなのですが、せめてちゃんとまともなサイトで勉強してくれと、そういうふうな意味合いのサイトをつくる。それをこの後お見せしますので御覧いただきたいと思うのですが、各薬害の紹介ですとか、資料の公開も順次していければと思います。
 あとは、特に海外への発信ですね。薬害は日本だけでしかなくて海外ではないので、大体海外で学会報告をすると、それは何ですかと言われてしまって、そこから説明しなければいけないという話なのですけれども、でもこういうホームページがあって、こういうふうなものですよと言うと、多少は話が通じますし、または海外の問題とかを考える、また日本の固有の問題とか、そういったものを浮かび上がらせることにもなるかなと思います。
 こういうふうな「記録」と「展示」というふうに言うときに、要はただ一人のよく分からないけれども薬害被害者がいて大変だというだけではなくて、身近で等身大の当事者というふうな言い方をしますけれども、この人は薬害の被害でどういうふうな人生が奪われたのかとか、またはどういうふうに人生が変わってしまったのかとか、そういうパーソナルなところをしっかり見せていく。そういうふうな資料館はたくさんあると思うのですけれども、そこを重視して作業をしているところです。
 簡単にうちの調査事業は大きく3つの柱がありまして、「薬害研究チーム」というのは一番の柱で、私が一応管轄していて、そこに専門のアーキビストの方に関わっていただいて、これまでの資料のデータベース化ですとか、あとはここに載せていなかったですが、薬害資料の保全は先ほど紹介しましたけれども、それを一手に引き受けていただいて、もうほぼ完了する。来月で完了するということです。
 それで、「映像チーム」の話で、先ほど短い時間で、例えば2時間、3時間とか、それをずっと見続けられる人はいいんですけれども、そうもいかないという場合に、かいつまんで見ていくものをデジタル・ストーリー・テリングと言うのですが、そういうふうなものをどういうふうに効果的に見せるか、またはそれをどうやってつくっていくかということを今、検討中です。
 あとは、「薬害教育チーム」というのは先ほども「薬害を学ぼう」とかありましたけれども、大学で、または高校、中学とか、いろいろなところで薬害を教えていくときに、どういう資材が必要なのかということを考えていくというチームも昨年度から立ち上げております。
 そういうことで、ではどれが薬害資料館かということで、今のところこれはまだデモなのですけれども、本当は細かく見ていくと文字とか化けているわけではないのですが、中身は入っていなくて、これは例えば各薬害概要でこういうふうに並んでいるとか、こういうものですね。年表は今朝、案が出てきましたけれども、今はまだつくっているところです。
 こういうホームページで、この画像とかもこれで本当にいいのか。これはちょっと花井さんが若過ぎるのではないかとか、そういうクレームもあるかと思いますけれども、もっと若いものもこちらにありますが、こういうふうにサイトをつくって、ここからたどっていけば分かってもらえる。
 また、先ほど「薬害を学ぼう」もデジタル化、PDF化という話もありましたけれども、こういったところから飛ぶということももちろんあっていいと思いますし、こういうホームページを考えてございます。
 このD.I.S.というのはDrug-Induced Suffering、これは当然海外にはなくて日本初の日本で発信している言葉というか、英単語なのですけれども、ディスるとか、ディスというのはあまりいい言葉ではないですよね。ですから、D.I.S.とピリオドを打ってということで、このような表記になっています。これの英語版もつくれたらいいでしょうし、そうすると例えば薬害研究資料館も英語で何と言うんだとか、そういったところからいろいろ考えなければいけないところもあるかなと思います。
 一応これはデモですけれども、今年度中には一旦公開して、来年度からは研究資料館のほうに管理を委託してという形になるかと思います。
 では、スライドのほうに戻りまして、今後の課題について、もう時間もあれなので、一応「薬害研究資料館の事業」としてやっているものにどういうふうに研究的な内実を与えるかというのが我々に与えられた使命と考えておりますが、特にポータルサイトを継続的に持続的、安定的に運営するというのもそうですし、あとは展示の実績をつくる必要があって、今度移るところでも多分常設展示のスペースはないか、小規模なものにとどまると思うので、私は「移動展示」と呼んでいますけれども、時限的な、例えば学会の製薬メーカーのサイトのところの脇に何か資料を置くとか、写真を飾るとか、そういうふうな時限的な展示企画展みたいなものができたらいいかと思っております。
 特に今『グラフィック・ドキュメントスモン』というスモンのすごく大部な写真集というか、資料集がありますけれども、あれの現物のデータをいただいたので、それを使ってスモンの移動展示みたいなことを企画できたらよいのかなと、それが次の3年間のうちのどこかで確実にできればよいかなということを考えております。
 あとは、これもキュレーターとか言いますけれども、そういう展示のことを考えるプロフェッショナルですが、我々は社会学者なのでプロフェッショナルではないのでそういう方のいろいろなお話を聞くのですが、そうすると図版みたいなものがあってもいいだろう、と。要は、薬害とは何かというあのパンフ自体も図版みたいな感じですけれども、それこそ先ほどの等身大の当事者を見せるということを考えたら、何かこれを読んだら薬害の被害というのはよく分かりますというものをつくれたらよいのかなということも今後の課題に当ててございます。
 あとは、資料を展示すると言ってもただ並べるだけでは全然うまくいかないし、ポップをつくるとか、先ほどもあったガイドとか図版をつくるというようなことも必要だと思います。そこに関して、例えばどういう資料が使えるというか、展示に向いているとか、または展示に向かなくても何か専門家の方、研究者とかが見たらすごく垂涎のものだとか、そういうふうなものをちゃんとしっかりアーカイブ化するということをやっていきたいと考えております。
 それは今後の3年間の課題ですが、まずは薬害研究資料館の事業としてどうなっていくのかというところをしっかり連携をしながら取り組んでいくという状況です。
 私からは以上です。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 ただいまの本郷先生の御報告に関しまして、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。
 後藤委員、お願いいたします。
○後藤委員
 詳細な報告ありがとうございます。
 最初のほうで、研究班はどうかなという発言も私はしたのですが、いろいろやっていただいていることは十分分かりましたし、またこれを深めていっていただければと思います。
 お願いと質問が1つずつあるのですけれども、1つはお願いのほうで、デジタル・ストーリー・テリングとか、肖像写真とか、そういう形で等身大の当時者というようなお話もありましたが、私たち被害者の方をいろいろ見ていて、やはり自分たちのことを知ってもらいたいという人たちと、あまり関わってほしくないという人たちと、それそのものが私たち被害だったというふうに思っているのですが、そういった全体ですね。個別に活躍されている方々とか、この被害によってどういうことがあったかということを語れる人と、そうでない人が被害者の中にはいるわけで、そういったところも分かるというか、説明していただけるようなデジタル・ストーリー・テリングな形をぜひ模索というか、していただきたいと思います。これがお願いです。
 もう一つは教えていただきたいところで、ポータルサイトはすごく見やすいというか、いいものができていると思うのですが、一方で、薬害資料のアーカイブ化を進めていただいたというところで、その辺りはアーカイブ化を進めていただいた資料の目録というか、どんな資料があって、中身までは公開しないにしても、目録的なところはどういう形になるか分かりませんけれども、見られるような形にしていただけるとすごく成果が分かりやすいかなと思うので、そういったものがホームページに上がれば一番いいかと思うのですが、そういった今後の予定とか、方向性とかを教えていただければと思います。お願いいたします。
○本郷オブザーバー
 ありがとうございます。
 2つ目の質問のほうからですけれども、現在目録は、要は国際標準的な目録をつくり直していてそれが終わるところで、それがエクセルでデータ化されていて、それをどういうふうな形でホームページ上から見られるようにするか。私はそこは詳しくまで分からないですけれども、でも制限つきになるとは思いますけれども、取りあえずホームページから何らかの形で閲覧して、例えばもしどうしても見たいとか、そういったときにまたそこで手続とか、そういうものをちゃんと定めてから公開できるようにということを来年度考えていくということです。
 あとは、やはり公開できるとか、語れる人とそうでない人と、こういうふうな分断と言ってはいけないですけれども、そういう違いが出るのは別にそれぞれの方の問題ではなくて、それは社会の問題というか、その差別の問題なので、そういうふうなスタンスでこうやって声を奪われてしまうとか、自分の秘密をずっと保持したまま生き続けるとか、何も言えなくてというのがそれだけ重いんだということを伝えるというのもまた一つの大きな課題かなと思ったので、単に声を出せる人だけ、どうしても私も専門が社会運動論なので声を上げる人ばかり我々は見てしまうのですけれども、上げられない人がいるというところをすごく強調しなければいけないと、ここ2、3年くらい自問自答というか、そういうテイストで講義もしたりとか、ちょっと気をつけるというか、考慮して考えてみたいテーマかなと思いました。重要なテーマをありがとうございます。
○衞藤座長
 そのほかに御発言ございますか。
 ありがとうございました。それでは、議題4につきましてはここまでにしたいと思います。本郷先生、ありがとうございました。
 それでは、5つ目の議題「その他」に移りたいと思います。参考資料2が出ておりますので、栗原委員から御説明いただけますでしょうか。
○栗原委員
 この検討会のかなり早い時期に同じような発言をしたか、はっきり記憶がないのですけれども、国が保有している薬害の関係の資料が現状どうであって、これからどうなっていくのか。今までここの場では被害者団体が保有するというくくりで話が進んできたわけですが、薬害の実相とか、より確かな、より真実に近いものを明らかにしていくには企業の資料も本来たくさんあるわけですが、それと行政の問題との資料が保管されて、公開されて研究に活用されていくということが望ましいわけです。
 それで、ちょっと見ていただきたいのが1ページ、2ページ、3ページ、これは2010年、平成22年6月11日の質問主意書なのですが、その関係のところで5番、6番だけ抜粋して、答弁も同様、一体ざっと数えて国にどれくらいの資料があるのでしょうかという質問があったわけです。それで、1ページの5番の点線の囲みのところが国の答弁で出てきた省庁別の簿冊の数です。
 ただし、2ページの下の5番の最後の段落にただし書があって、必ずしも中身を見たら薬害の資料ではなかったとか、あるいはここにピックアップされなかったもので実は薬害に関する重要な資料であるとか、そういうケースが十分あり得るという前提でのことなのですが、(1)のジフテリアから(12)のC型肝炎まで、ジフテリアの件とMMRの件だけ答弁はなかったのですけれども、この省庁別の簿冊の数を厚労省だけピックアップしてみると669冊というふうな答弁がありました。
 答弁がなかった、(1)番、(8)番のジフテリアとMMRに関しては、これは実はほとんど同じ時期だったと思うのですが、私自身が開示請求をして最終的には3ページの上半分がジフテリアの件です。これは1948年、49年の京都市の事件ですが、こういった簿冊がこれだけきちんと製本されて9冊ほどありまして、裁判になっていますので刑事事件ですけれども、判決謄本があって合計10冊、きれいに厚生労働省の地下書庫にあるんです。
 それから、(8)番のMMR事件は了解を得て外観を見せてもらってこれだけあるということと、写真を撮らせてもらったのですが、旧医薬食品局と旧健康局にこれだけあった。これは2010年から18年、19年くらいの状況ですが、こういったものが今どうなっているだろうか。
 今日資料は提出しませんでしたけれども、HIVの刑事事件のほうで東京地検が証拠資料を大量に持っていかれた。それで、2003年、平成15年の1月8日に地検から返ってきた。その文書が数的には行政文書ファイルが2,435、医薬局、医政局、健康局、官房総務課、これは全部厚労省のことですが、その他、カセットテープとかビデオとかフロッピー162点ということで、これはいまだに厚労省のサイトで情報室からの情報として公開されているわけですが、こういったものが今どうなっているのだろうか。
 例えば、先ほどの質問主意書で議員が、今後当面廃棄を凍結してほしいということを質問したわけですが、これについては答弁がなされていません。一体、副対室というか、厚労省のほうで行政資料をどんなふうに考えているのか、考えていないのか。あるいは、今後の見通しはどうなのかという辺りを今日即刻というわけにもいかないかもしれませんが、これはやはり重要な問題として御検討いただきたいということです。
 以上です。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 まず最初にどのように考えているのかということで、当然、行政が所有する文書について何も我々は考えていないというわけではもちろんございませんので、一般論をまず申し上げると、公文書管理法というものがしっかりできていますので、その法令に基づいた手続をしっかりやる。そして、厚生労働省にも文書管理規程というものがございますので、その規程にのっとってしっかり必要なものについては残す。それで、当然文書の保存期限というものをその規程等に基づいて設定をして、そこの中でしっかり検討していくというところは変わりません。
 その上で、薬害に関する資料というものですけれども、公文書管理法ができたのがたしか2009年で、施行されたのが2年後か3年後だったと思うのですが、少なくともそれ以降に我々が保有している薬害、それが本当に薬害の資料なのかどうかというのも実はあるのですけれども、それ以降、その規程に基づかずに勝手に我々が廃棄したという事実は少なくともありません。
 ですので、きっちりと規程ができた後の文書については我々は責任を持って、必要なものについては保管をして、歴史上重要なものについては国立公文書館に移管をするという手続を順次進めております。
 ただ、先ほど栗原委員からも御指摘がありましたとおり、非常に資料が膨大でもありますから、そこはなかなかすぐにできるというわけではないので、数年単位でしっかり区分をして移管をする手続というのは進めているところです。
 他方で、我々のリストというか、そもそも規程、内規はあったのですけれども、それ以前の非常に古いものについては、もちろんそれを勝手に廃棄しているということは現状ないのですが、当時どのような形で保管をしていて、その保管期限が何に基づいてやっていたのかというところが定かではないので、それも我々は法律がなかったからといって何もしないわけではなくて、今できている法律上の規定であるとか、我々の内規に照らしてきちんとそれも整理をして、必要なものについては保管をしていくという手続を進めてはいるところですけれども、何分なかなか判断材料がないですし、それも一つ一つ見ながらやっていかなければいけませんので、これもなかなか長い年月がかかるのですけれども、きっちり残っているものについては何も考えずに廃棄をするというわけではなくて、きちんと中身を確認した上でしっかり必要なものについては管理をし、保存をしていきたいと考えています。
○衞藤座長
 栗原委員、お願いします。
○栗原委員
 参考資料の3ページの写真の4枚、これは確認していませんが、恐らく公文書館のほうに行ったのではないかと、そういう意向を聞いております。
 下のほうなどは、そもそも公文書管理法施行直前に、特に健康局のほうは件名目録的なものを見ると、審議会関係の記録をこの時点で持っていなかったんですね。つまり、廃棄している。訴訟の過程でだと思いますが、その写しが医薬のほうのファイルの中に入っていることを確認したりして新事実が見えてきたりということがあるわけですが、おっしゃったように公文書管理法なり厚生労働省の文書管理規程にのっとって対応しておられるのは事実なのでしょうけれども、この間、相当やはり保存年限がきて、保存しておきたかったけれども廃棄されたものというのは相当量あるという理解でよろしいですね。
 漠然とした質問ですが、結論として今後何か具体的な方針をお示しいただけたらありがたいなということが結論なんですけれども。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 今後の方針は、先ほど申し上げたとおりしっかり規程にのっとって対応するということですし、我々が適正にと言うのも変ですけれども、きちんと法整備なり規程整備なりができた後に保存年限を定めて、その保存年限がきたものについては廃棄をしているものもありますけれども、そもそもなぜ例えば10年保存にしたのかというのが分からないものについては、これはもう保存年限が来ているからということで何も確認せずに廃棄をしたという事実はありませんので、知らない間に廃棄をしたり、どこかに散逸してしまったということはありません。
 散逸については昔々の資料までは分かりませんが、何かそこに年限が書いてあるから機械的に捨てるような運用は少なくともしていませんので、そこについては適正にまた遡って見なければいけない部分はありますけれども、資料の中身を確認して適正に対応するということはこれからも今後の方針としてはしっかりやっていきたいと考えています。
○衞藤座長
 よろしいでしょうか。
 その他の議題として、事務局から何かございますか。
○勝村委員
 すみません。時間がオーバーしている中で、一言だけ別件でお願いしたいことがあるのですけれども、公教育ではなくて高等教育の話なのですが、文科省さんのほうからもいろいろアンケートを取ってもらって、医学部、薬学部、看護学部で薬害の被害者の声を聞く授業とかを進めてもらっているところなのですが、特にいろいろな意味で薬の勉強をする薬学部卒業の人たちにはやはり薬害について誰よりも詳しいというか、リーダーシップを取ってもらえたらいいなと思っていたところ、今年になってこの1月なのですけれども、和歌山県立医大と大阪大学の薬学部の先生たちが15時間、つまり2単位物の授業として薬害をきちんと教えるというカリキュラムを一つつくれないかということを検討してくれているということがあります。
 全部が講義ではなく、学生さんが調べ学習もしたり、発表する場もあるのですが、そういう授業を1人の被害者の声を聞くだけではなくて複数の薬害を学び15時間、15回を通して2単位物として必修科目か選択課目かは分からないですけれども、そういうものをつくるということで、文科省のモデルの調査研究に申し込んでそういうものをつくれないかということをされているということを聞きました。せっかくこういう薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会があって、高等教育の担当の方ではないですけれども、文科省の課長補佐の方にも来ていただいていますので、そういう動きを私としてはこういう場でご紹介して後押ししていければと思います。
 薬学部などで、選択であれ何であれ、しっかりといろんな薬害があり、自分たちで調べ学習をして発表してというような、1回被害者の話を聞くだけではなくて、それを深めていく授業が定着していって、場合によっては医学部、看護学部、または社会学部などでも選択科目としてそういう一つの15時間を通して考えていくようなものが高等専門教育などでなされていったら、より公教育の高校とかで1時間、2時間で教えるということとの連携もいい形になっていくのではないかと思ったので、そういう動きがあるということをできるだけ御支援いただけたらありがたいということを要望しておきます。
○衞藤座長
 ありがとうございました。この場でも共有したいと思います。
 文部科学省の方から何か御発言はございますか。
○文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐
 恐らく、こういう場でそういう実践を共有していただいたりとか、今回の検討会の資料をホームページで出すときに一緒にそういう資料も載せていくというのが一番いいのかなと思いますので、ぜひそういう実践ができた段階で共有いただければと思っております。よろしくお願いします。
○衞藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、事務局からその他の議論で必要なものがありますか。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 事務局からは、今のところ特段ございません。
○衞藤座長
 ありがとうございます。
 それでは、各委員から全体を通して何かほかに御発言、御質問、御意見とかございますか。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員
 すみません。時間が押していますが、このパンフレットなんですけれども、医薬局は薬害という言葉は当初やはり訴訟との兼合いが強くて、それは薬害の一面でしかないのですが、勝ったほうは薬害で、負けたほうは薬害じゃないからという単純な論点で語られることが多かったのですが、それからの研究とかいろいろな経緯で、やはり薬害というコンセプト自体がそれなりの意味、世界をちゃんとつくってきていて、今そこに審議官も局長もおられますけれども、医薬においては非常に浸透しているというふうに感謝申し上げるのですが、とはいえ、今、厚労省に入省してくる若い2000年代生まれの人たちが医薬に関わる医政とか、いろいろなところで動くときに全く分からない。
 むしろ大学生よりも、職員に入省のときにこれは全員に配ってくれてもいいかなとちょっと思ったのですが、参考までにです。今やれという話ではないです。薬害というのは何だかよく分からない厚生省の官僚がいるということがないほうがいいかなと、医薬はそれはないと思います。多分、他の局だとちょっとはいるかなと思います。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室長
 ありがとうございます。
 現状の取組として、これは最近の取組ですけれども、新規採用職員に対しては研修の一環として薬害について講義をさせていただいていまして、昨年も私が分かりやすく講義をしたつもりではあります。
 また、毎年薬被連さんが行っている薬害根絶デーのときにも事務次官が全職員に向けてメッセージを出すであるとか、また今年度も開催させていただきましたけれども、薬害の被害者の方を招いた省内の勉強会というものも幅広く声をかけてさせていただいているので、認識としては花井委員がおっしゃるとおり、なかなかこの厚労省の中でも風化している、そもそも知らない職員も多数いますので、そういったところでしっかり取組は進めさせていただいていますし、「薬害を学ぼう」のパンフレットをどうするかというのは部数の問題もありますのでちょっと検討させていただきたいと思いますが、少なくとも内容についてはしっかり省内で周知できるように引き続きやりたいと思います。ありがとうございます。
○衞藤座長
 御発言ありがとうございます。
 それでは、時間が大分過ぎてしまいましたけれども、議題5はこれでおしまいにしたいと思います。
 以上で、本日の議題は全て終了いたしました。
 次回の日程等について、事務局からお願いいたしたいと思います。
○厚生労働省医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
 ありがとうございました。
 次回につきましては、また事務局より追って御連絡をさしあげたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長
 それでは、本日の検討会を終了いたします。長時間にわたり、大変お疲れさまでございました。
 ありがとうございました

配布資料

議事