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- 第193回社会保障審議会医療保険部会 議事録
第193回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和7年4月3日(木)15:59~17:51
場所
全国都市会館 大ホール
議題
- マイナ保険証の利用促進等について
- 被用者保険における予防・健康づくりの推進について
- 第3期医療費適正化計画の実績評価及び第4期全国医療費適正化計画について(報告)
- 年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整について
- 医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について(報告)
議事
- 議事内容
- ○姫野課長 それでは、定刻前ではありますが、皆様、お集まりいただきましたので、ただいまより第193回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
まず、前回の医療保険部会開催以降、事務局に人事異動がございましたので、私より紹介いたします。
保険課全国健康保険協会管理室長の片谷でございます。
医療介護連携政策課医療費適正化対策推進室長の長江でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、内堀委員、河野委員、原委員、村上委員、横本委員より、御欠席の御連絡をいただいております。
また、伊奈川委員より、途中から御出席との御連絡をいただいております。
本日の会議も、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに出席なさる方についてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、原委員の代理といたしまして池田俊明参考人、村上委員の代理として小林司参考人、以上3名の出席につき御承認を賜ればと思いますが、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速、議事のほうに入ってまいりたいと思います。
本日は、「マイナ保険証の利用促進等について」、「被用者保険における予防・健康づくりの推進について」、「第3期医療費適正化計画の実績評価及び第4期全国医療費適正化計画について(報告)」、「年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整について」、「医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について(報告)」、以上の5つを議題といたします。
まず、「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。
では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料1「マイナ保険証の利用促進等について」の1ページをお開きください。
真ん中の図でありますが、今年2月のマイナ保険証の利用率は26.62%となっております。<参考>の下段に記載しておりますがこの2月にマイナ保険証を持って受診した方の約6割、57.9%がマイナ保険証を利用したという推計でございます。
めくっていただきまして、目次でございます。マイナ保険証関係で本日は7点、御報告、御審議をいただきたいと思っております。1点目がスマホ対応について、2点目がカードリーダーの運用改善について、3点目がカードリーダーの故障時などにおけるモバイル端末の活用について、4点目が後期高齢者の資格確認書の交付について、5点目が療養費について、6点目がマイナ救急について、7点目が診察券との一体化に向けた対応についてとなっております。
1点目、「外来診療等におけるスマホ搭載対応」でありますが、4ページでございます。
現在、iPhoneへの電子証明書の搭載の準備をしております。搭載後、Androidも含めましてスマホ搭載されたマイナ保険証の使用について、まずは10施設ほどの医療機関などで実証事業を実施予定でございます。
実証事業におきましては、窓口での動作確認や、スマホ保険証を用いた資格確認時に生じるエラーなどの検証を行いたいと思っております。その後、導入を希望する医療機関などに、順次、スマホ保険証の利用を開始していただくという想定でございます。
4ページの右側の赤字でございますが、環境が整った医療機関などから徐々に運用を開始いただくことになります。全医療機関に導入を義務づけるものではございません。
5ページでございます。スマートフォンでのマイナ保険証は、スマホ用の電子証明書の搭載をしていただいた上で、医療機関・薬局で、顔認証付カードリーダーで操作した上で、汎用カードリーダーにかざして利用していただくこととなります。右側の写真がイメージでございますが、顔認証付カードリーダーの横に汎用カードリーダーを置いていただきます。
患者側の事前準備でありますが、iPhoneのみ、まずは生体認証の登録をしていただきます。その後、スマホ用電子証明書の利用申請をしていただき、スマートフォンへの電子証明書を登録していただきます。
下段は、医療機関・薬局での窓口での操作手順であります。「マイナンバーカードを置いてください」という画面に「スマホの方はこちら」という文言が入ります。そこを押していただきますと「iPhone」、「Android」を選ぶようになっておりまして、iPhoneでは端末の生体認証をしていただきます。Androidでは4桁の暗証番号を入力していただいて、スマホを汎用カードリーダーに置いていただく。
初めて受診する医療機関では、汎用カードリーダーがある場合、ない場合がございますので、初めて受診する医療機関ではマイナンバーカードもお持ちくださいということを併せて周知していきたいと思っています。
2点目、「顔認証付きカードリーダーの運用改善」でございます。
2月1日より、医療機関ごとに前回の同意状況を引き継げるという運用改善をしております。「全て同意する」、「個別に同意する」という画面の中で、「個別に同意する」を押していただきますと、「現在の同意状況を引き継ぐ」というボタンがあります。ここを押していただきますと、医療機関ごとに同意した内容を引き継ぐことができます。
8ページでございます。マイナポータルを活用して、医療機関ごとに事前に自分の同意情報を設定することができます。
9ページ、目視確認モードの改善であります。4月6日から目視確認モードの運用を改善いたします。今は資格確認端末からの操作が必要でしたが、顔認証付カードリーダーの操作のみで利用できるように改善したいと思います。
医療機関にはパスコードを発行させていただき、医療機関ではパスコードが必要になりますので、まずは医療機関にこの運用をしっかりと周知していきたいと思っております。
次のページは、次期顔認証付カードリーダーでございます。現行の顔認証付カードリーダーはおおむね全ての医療機関などで導入が完了しておりますが、次の規格のカードリーダーの仕様を2月17日に公表し、メーカーを公募しているところであります。
左側が現行のカードリーダーの課題でありますが、「スマホに対応していない」、「視覚障害者が操作を行うことが難しい」、「端末によって画面がばらばら」、このような課題がございましたので、右側の対応でございますが、顔認証付カードリーダー単体でスマホが使えるようにする、認証状況やエラーの発生に関して音声案内をする。また、要件としてメーカーへの推奨となっておりますが、操作手順に関する音声案内やテンキーの搭載なども強く推奨していきたいと思っています。そのほか、画面レイアウトの統一や顔認証精度の向上を図ってまいります。
3点目、「顔認証付きカードリーダーの故障時等における居宅同意取得型の活用」でございます。
現在、訪問診療などでモバイル端末を使ってのオンライン資格確認、いわゆる居宅同意取得型の仕組みを活用しております。この4月より、顔認証付カードリーダーが故障した場合、車椅子の利用者、高齢者・障害者など、顔認証付カードリーダーの操作が困難な場合などに、この仕組みを使いましてオンライン資格確認を行っていきたいと思っております。
13ページでありますが、それに対する補助もさせていただきたいと思っております。
4点目は、「マイナ保険証を基本とする仕組みへの円滑な移行に向けた対応」でございます。
15ページ、後期高齢者につきましては、令和7年7月末の年次更新までの間は、暫定的にマイナ保険証の有無にかかわらず、保険証が失効した被保険者に対しまして、申請を待たずに資格確認書を交付するという運用をしております。
高齢者のマイナ保険証の利用率は上昇しているものの、相対的に低い状況であります。後期高齢者の発行済み保険証は今年の7月末に一斉に有効期限を迎えるため、そのタイミングで、資格確認書の交付を求める申請が市町村の窓口に集中するにおそれがございます。
つきまして、下段でございますが、後期高齢者につきましては、円滑に移行する観点から、令和8年夏までの1年間、マイナ保険証の保有状況にかかわらず、資格確認書を交付するという暫定運用を継続するということでございます。あわせて、高齢者も含めたマイナ保険証の利用環境の整備、利便性向上の観点から、周知広報、利用環境の整備などを図ってまいりたいと思います。
16ページがそのイメージ図でありますけれども、マイナ保険証がある後期高齢者は1300万人、マイナ保険証がない後期高齢者は700万人でございます。7年7月末までの運用としまして、75歳に到達した方、転居した方などには、マイナ保険証を持っている方にも資格確認書を職権交付しておりますが、7年8月から8年7月末までも、マイナ保険証を持っている方にも資格確認書を職権交付していくということでございます。
5点目、療養費に関するオンライン資格確認でございます。
昨年12月2日に、訪問看護ステーション、柔整、あはきにつきましてもオンライン資格確認が義務化されております。その導入状況でございますが、訪看は申請済み施設が87%、柔整は85%、あはきは54%となってございます。
19ページは、訪看における導入の促進についてであります。未導入施設におきましては、保険医療機関などでの今までの対応も参考にしつつ、以下のように進めたいと考えております。
6年12月にオンライン資格確認の導入が義務化されておりますが、この4月に導入の要請を実施するとともに、導入に向けた支援を実施していきたいと思います。7年8月頃には、集団指導に移行する旨の通知をいたします。未導入施設に対しまして改めて速やかな導入を要請するとともに、今後も未導入の状態が続きますと、12月をめどに集団指導に移行する旨を通知したいと考えております。7年12月に、未導入施設に対し、厚生局から集団指導の案内を行い、8年1月をめどに集団指導を実施し、それ以降、未導入施設に対しては随時個別に働きかけを実施する予定でございます。
20ページ以降は、柔整、あはきでございます。今般、導入状況の調査を実施しました。上段の柔整は約4万5000の施設数に対しまして、未導入施設はこの時点で6,600、その中で高齢であるなどのやむを得ない事由に該当するという回答があったものを除きますと、6,200ぐらいが今後対応が必要な施設でございます。同様に、あはきにつきましても、全施設数3万3000のうち、1万4500施設ほどが今後対応が必要な施設となっております。
21ページ以降、今後の取組状況のスケジュールのイメージであります。訪看とほぼ一緒でございますが、6年12月に導入の原則義務化、7年4月に導入の要請を実施する。7年8月には、今後も未導入である場合には集団指導に移行する旨の通知を行います。
22ページでありますが、7年12月をめどに未導入施設に対しまして厚生局などから集団指導の案内を行い、8年1月をめどに集団指導を実施。8年の夏をめどに受領委任の取扱いが中止となり得る旨の通知をいたしまして、それまでに未導入施設であってやむを得ない事由に該当しない場合には、8年12月をめどに受領委任の取扱いを中止。こういったスケジュールで進めていきたいと思います。
23ページは、御参考ですが、保険医療機関・薬局に対する今までのスケジュールを記載しております。
24ページは、訪看ステーションに対します協力金事業についてであります。積極的にマイナ保険証の利用勧奨に取り組んでいただいた訪看ステーションには、施設当たり5万円の協力金を支払いたいと考えております。利用促進に係るチラシの配布、声かけをしていただきたいと思っております。この事業は、5月以降をめどに開始予定であります。
25ページは、柔整・あはきへの協力金でありますが、訪看と同様でございます。
続きまして、6つ目が「マイナ救急の実証事業の取組」であります。
27ページ、消防庁の事業ではありますが、マイナ救急について御紹介いたします。救急隊員が傷病者のマイナ保険証を活用し、病院選定等に資する情報を把握する取組でありまして、自分の病歴や飲んでいる薬を救急隊に正確に伝えることができる、円滑な搬送先の病院の選定や応急処置ができる、こういったメリットがございます。令和6年度は660隊で実証事業を行っておりましたが、令和7年度は5,300隊ということで、大幅に規模を大きくしまして実証事業を進めてまいります。
7点目、「診察券とマイナンバーカードの一体化に向けた対応」であります。
令和6年度も行っておりましたが、診察券とマイナンバーカードの一体化のための医療機関のシステム改修費用の補助につきましては、令和7年度も継続して実施したいと考えております。これによりまして、患者はマイナンバーカード1枚で保険証・診察券の受付が可能になるというものであります。
以下、参考資料でありますが、最後の53ページだけ紹介させていただきたいと思います。資格確認方法・目視モード改修に関する周知であります。左側は、「医療機関・薬局では、以下のいずれかで受付をお願いします」、「マイナ保険証」、「健康保険証」、「資格確認書」と書いたポスターであります。今までもメールなどで医療機関・薬局には配布しておりましたが、今般、印刷をして各医療機関・薬局に郵送をさせていただきます。こちらは4月7日ぐらいから順次行いますので、この場を借りて御報告させていただきます。
私からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願い申し上げます。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
マイナ保険証については、本年12月の既存保険証廃止に向けて利用促進をさらに加速させるとともに、資格確認書の交付をいかに少なくするかというのが、健保組合としても業務負担の軽減の観点からも極めて重要だと考えております。そのためには、利用者の利便性向上とメリットの拡大がポイントになると思うのですが、本日は個別具体的な事項として4点要望させていただくとともに、1点質問をさせていただければと思っています。
まず1点目の要望です。資料にはないのですが、電子証明書の期限切れの対応の問題です。利用促進については、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れに係る対応は極めて重要だと思っております。
現時点、有効期限が切れた後、2か月経過してから保険者のほうに情報連携されて、資格確認書を職権交付することになっていますが、やはり期限切れ前に更新を勧奨することは極めて重要だと思います。そういう意味で、有効期限の情報を保険者にも提供していただけるように、関係省庁間でもぜひ連携をお願いしたいと思っております。
要望の2点目は、資料にございましたが、スマホ搭載対応についてです。マイナ保険証の利便性向上のためには、特に現役世代はスマホ保険証を基本として考えるべきだと思っています。そういう意味では、全医療機関に導入を義務づけることも含めて、ぜひ国として強力に取組をお願いしたいと思います。
3点目は、マイナ救急の実証事業のところです。本件については、傷病者もしくは病院からもマイナ救急の有用性は極めて高いという声があったと理解しておりますが、救急対応におけるマイナ保険証のメリットは世代を問わず大変大きなアピールポイントだと思いますので、国からもしっかりと周知をお願いしたいと思います。
4点目は、柔整・あはきのオンライン資格確認の導入状況についてです。これは今までも申し上げておるのですが、国民・患者から見た場合には、実際にマイナ保険証が使えるかどうかが極めて重要ですので、資料では準備完了施設数になっていますが、ぜひ導入が完了した施設数も明示をいただきたいと思います。義務化された後も多くの施設が未導入になっているというのは大変残念であって、義務が履行されるように国としても適正な指導をお願いしたいと思っています。
最後に、1点質問です。オンライン資格確認の利用状況について、利用率の速報値は先ほども26.62%という数字があったのですが、健保組合について見ますと、速報値と確定値の間に乖離がございます。理由の一つとしては、例えば、同じ月に複数回受診する場合に、2回目以降はマイナ保険証を使わないで、慣例的に診察券でやっている可能性があるのではないかと思うのですが、この辺りについて厚労省としてどのようにお考えになっておられるのかをお伺いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
1点御質問がございましたので、回答をお願いいたします。
○河合室長 ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
佐野委員からの御質問でありますけれども、保険者のほうにお知らせしている速報値と確定値につきましては、オンライン資格確認の確認件数ベースとレセプトベースということでお伝えをしているところでありまして、そちらの中で乖離が生じているのではないかというお話だと理解しております。
その際、厚生労働省といたしましては、毎回受診していただく際に資格確認を行っていただくことを原則と考えておりますけれども、今、医療DXが進展しているさなか、移行期間でありますので、あくまで暫定的な対応として、2回目以降につきましては、マイナ保険証ではなく、診察券の提示と被保険者番号などを基にオンライン資格確認システムに照会して確認することでもやむを得ない対応である旨をお伝えしているところでありますので、この場を借りてお伝えいたします。
以上です。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○佐野委員 当然ながら、各健保組合は利用率の向上に向けて取り組んでおりますので、データの提供はよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
今の佐野委員のお話と重なる部分もございますけれども、マイナ保険証の円滑な移行に向けた取組をさらに進めるという観点からは、スマホへのマイナ保険証搭載というのが非常に大きな鍵だと考えております。ぜひ国におかれても、国民への周知広報や、特にインフラの整備、この辺りにもさらに加速して取り組んでいただきたいなと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。発言させていただきます。
丁寧な説明をありがとうございました。また、順調に拡大というか、普及してきているなというのをデータで見せていただいて、少し安堵しつつも、もっと加速していかなければいけないなという思いを強くしたところです。
それと、特に今回感じたのは、スマホ搭載についてはぜひ的確で、正確でミスがないように、そして、トラブルならないようなことを事前に予測していただきながら十分に対応していただくと、より活用も広がっていくだろうと思っています。多くの方々がスマホを日常的に使っておられるし、スマホ決済、あるいはスマホでのいろいろな対応とか受付とか申込みをされていますので、ぜひそうなっていくことを願っています。
また、項目で言うと6つ目にマイナ救急の実証事業のことが書かれておりました。恐らく実証事業の中でたくさんの経験があると思うのですね。例えば、急患で運ばれてきて、御本人は意識がないけれども、マイナ保険証によって投薬とか治療の履歴が分かって、救急隊並びに搬送先の病院との連携で対応が早くできてよかったとか、そういったものが幾つもあると思うのですけれども、そういったものを具体的に分かりやすく示していただけるようになっていますので、ぜひこういったことより広く、多くの国民の皆さんに共有をしていただくことが物すごく大切だと思っています。
マイナ保険証を活用することにより、デジタルを使った行政サービスのイノベーションが的確に進むことが最も重要なことだろうと思っています。
今日は傍聴の方がいらっしゃるということですけれども、ユーチューブでも拝見されている方が多いと思いますが、報道関係の皆様とか識者の皆様におかれましては、ぜひこういった趣旨に御共感いただく場合は応援をしていただくこともとても大切ではないかなと思うのですよね。
もちろんいろいろな議論があります。ただ、これだけ命に関わる、健康を自らチェックできる、そのことを医療や健康の対応に生かしていける、そういうツールが具体的にできてシステム化されているわけですので、このことがパフォーマンスといいますか、より効果的に広がっていくようになることをぜひ願っています。
厚生労働省を軸にこういった調整をいただくとともに、政府の広報の枠とか厚生労働省の広報の枠の中で、こういった取組のよさ、今後必要なこと、そして、それがデジタルガバナンス、ソサエティ5.0による新しい時代に対応できる日本の行政の刷新につながるのだということをぜひ発信をしていただきたいと思っています。現場のほうでもそのことをしっかり伝えていきたいと思います。
なお、私ども全国後期高齢者医療広域連合協議会でもこういったことに注目していまして、もちろんデジタルが苦手な方がおられますけれども、一般の行政、いわゆる市町村あるいは都道府県とも連携をしながら、そういったことに馴染めるセミナーとか、ちょっとしたおけいこができるとか、説明をする機会を設けるといったことを重ねながら、問題を解消していって、より多くの方々が安心して健康・医療のアクセス、自らの健康のチェック、そして、自ら健康をよくしていく、そういうことができるように是非していただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
今回、事務局のほうから、マイナ保険証の利用促進ということで7点ほど取組みの提示をしていただいておりますが、4点ほどコメントさせていただきたいと思います。
まず、資料の4ページですけれども、スマホ対応についての記載がございます。赤字で「環境が整った医療機関等から徐々に運用開始」と記載されておりますが、そうなりますと、特に運用開始直後は、医療機関ごとに導入されていたり、導入されていなかったりということで、導入状況にばらつきがかなり出ることが予想されます。
したがいまして、これは事務局もお話をされておられましたけれども、まず国民の皆さんに、初めての医療機関を受診する場合は現場で滞りなく正確に資格確認を行うことができるように、スマホだけではなくて、マイナ保険証あるいは保険証を併せて持参していただくように周知徹底をお願いしたいと思います。
2点目は、資料の9ページと12ページでございますが、モードの切替えに手間がかかっておりました目視確認モードですが、これが改善されること、さらにはカードリーダーの故障時に居宅同意取得型を柔軟的に活用できるということについては評価させていただけるなと思います。
このような改善、柔軟な対応というものは有用でありますし、私どもも周知広報に協力してまいりますので、現場に混乱が生じることがないように、国のほうでは、まずしっかりと医療機関から正確な周知をしていただいて、その後、国民の方々にその周知をしていただくというふうにしていただくと混乱を生じにくいかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
3点目ですが、少し戻りまして、10ページでございますが、次期顔認証付カードリーダーが令和8年の夏頃から販売開始見込みということで資料にも掲載されているとおり、これまでの課題等がかなり改善されて、患者さんや医療機関の両方にとっても利便性の向上を図っておられるということで、これは非常によい取組をしていただいているなと考えております。しかしながら、医療機関においてはこうした新しい機器を導入することに関しては一定のコストもかかりますし、昨今の医療機関の運営状況も大変厳しいということもございますので、ここの導入の補助に関してはしっかりとしたものを強くお願いしたいと思います。
最後になりますが、資料の18ページから20ページ、柔道整復師施術所とあん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認の導入状況が示されておりますが、特にあん摩マッサージ指圧師等の施術所においては様々障害のある施術者もいらっしゃいますので、やむを得ない事由に該当する場合はオンライン資格確認の義務化対象外となる旨の周知など、丁寧な対応をお願いできればなと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 私から申し上げたいのは、ちょうど今年は10年目のマイナンバーカードの更新の時期に当たりますね。私もそうなのですが。もう一つ、5年目のICチップの更新というかチェックも重なりますね。そして、7月末で後期高齢者の現在の保険証が駄目になって、資格確認書を発行しなければならないということで、自治体は非常に多忙になるのではないかと思いますので、それに対する支援策のようなものをお考えになっているかどうか。できれば支援できないかと個人的に思っておりますので、その辺のところをお伺いしたいと思います。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○河合室長 まず、カードの更新とか電子証明書の更新の部分につきまして、今、袖井委員がおっしゃられたように電子証明書の更新の時期が今年度に入ってから大分増えてきていると報道でも出ておりますし、数として我々も把握しているところであります。
その部分につきましては、しっかりとまず国民向けの周知、切れる前に役所のほうで更新をお願いしたいといったことをお伝えするとともに、自治体のほうにも、これは厚労省のみならず、デジタル庁とか総務省、関係省庁と連携して支援という形をやっていきたいと考えております。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますでしょうか。
○袖井委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
今、袖井委員がおっしゃった点は、自治体の窓口で非常に大きな課題として受け止めておりまして、デジタル庁さんとか総務省さんからもいろいろな御支援をいただきながら、窓口を拡充していくということで、津市役所なんかもロビーの部分まではみ出してきてマイナンバー窓口を置いたりしておりますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
私からは、資料の16ページ、後期高齢者医療制度の資格確認書の職権交付についてであります。この点、横尾委員からは特に御発言がございませんでしたが、各県の後期高齢者医療広域連合の構成員である都市自治体の立場から一言発言をさせていただきたいと思います。
冒頭に佐野委員がおっしゃったように、資格確認書の交付を今後、なるべく少なくしていくということが必要であることを前提として、この7月末ということなので、後期高齢者のところを職権交付で資格確認書を出すこと自体はやむを得ないのかなとも思っております。
一方で、もう既にマイナ保険証を利用できる状況にある後期高齢者が全体の65%ぐらい、1300万人と16ページにも資料が出ておりますので、そういう状況においては、この先、どこかのタイミングで職権交付を継続しないという判断が必要になってくるのではないかと思っております。ただ、7月末に資格確認書が交付されたときに、被保険者から、これはどうすればいいの、どっちを使ったらいいのというお尋ねが出てくる可能性がございます。このことによって現場で混乱をすることが懸念されます。
ぜひ国におかれては、国民及び現場に対して、今回もう一回資格確認書を職権交付する、継続するということの経緯、それから、マイナ保険証の利用促進の取組との整合性など、丁寧な御説明をお願いできればと思っております。その上で、さらに先のことはしっかりとまた議論をしていただければと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
27ページにございますマイナ救急のところでございますけれども、令和7年度に5,334隊ということは、全国の消防隊に展開するということでよろしいのでしょうか。
それから、救命センターを運営していた立場としては、非常に有意義なシステムだなと感じておるところでございますが、あくまでもマイナンバーカードを所持して情報を持っている人だけが対象になりますので、なるべく普及をさらに推し進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございます。
1点、全国規模展開なのかという御質問です。
○山田課長 7年度で5,334隊というのは、ほとんど全ての救急隊となります。ただ、全ての救急車かと言われるとまた別でありまして、全ての救急車ではありませんけれども、ほぼ全て救急隊でこういった取組を行うということでございます。
○田辺部会長 島委員、よろしゅうございますか。
○島委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用率は右肩上がりではございますが、昨年12月からマイナ保険証を基本とする仕組みへと移行したことを考えますと、まだまだ普及しているとは言い難い状況かと思います。
これをさらに普及させるためには、資料でお示しいただいたような利便性の向上だけではなく、これまで何回も申し上げていますが、より踏み込んだ広報が必要ではないかと考えます。特に、災害時とか救急搬送時にマイナ保険証の有無で運命が大きく変わってしまうかもしれないということをしっかり打ち出す、要するに危機感を持っていただく。人間の行動を変えるには、恐れや危機感を持つことがとても効くので。ぜひそういうところは御検討いただきたいと思います。
また、広報の方法ですが、一度だけでは人は忘れてしまいます。忘却曲線にもあるように、一度目にしてからしばらくして忘れた頃にもう一度目にする、何度も波状的にやることによって記憶に残るようになります。
もう一つの提案として、例えば、災害が起きたときに、企業が何らかの理由で広告を打てないと判断した場合は、自動的にACジャパンの広告に切り替わります。何度も広告が流れますし、媒体費が不要など低コストで流すことが可能です。
広告内容は公益性が高くないといけませんが、本件は十分公益性や公共性も確保できると思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用につきましては、同意状況の引継ぎであったり、目視モードの操作の方法であったり、適宜システムの改善を行っていただいていることに関しては感謝を申し上げたいと思います。
その上で、今後さらに利用を進めていく上でコメントをしておきたいと思います。1点目が、スライドの4にもありますように、スマホ搭載されたマイナ保険証に関してです。これに関しては、各施設で設置環境等も違いますので、可能な限り早い段階で導入に関する広報をしていただいて、これは医療機関・薬局だけではなくて、ベンダーも巻き込んで、スマホで提示された状態に対応可能な環境をつくっていく必要があると思っております。
先ほど城守委員からもありましたが、スマホ搭載のマイナ保険証が利用できるところとできないところが混在した状況が生まれますので、これに関しては、あまりこの状態がネガティブに拡散するとまたマイナス方向に動いてしまいますので、ここはぜひ一律に進められるように、かつ、汎用のカードリーダーの導入の部分に関しては、ぜひ医療機関・薬局への必要な支援をお願いしておきたいと思います。
もう一点、スライドの10ページに次期の顔認証付カードリーダーのところですが、システムの稼動の初期の頃から対応してきた医療機関・薬局は導入から4年目を迎えて、来春以降に一斉にシステムの保守の時期に入ってしまいます。このスケジュール等で動けるのかどうか、もう目前のことですけれども、次期型への交換が集中する時期が、もし保守の期限までに間に合わないようであれば、そのまま使い続けなければならないという状況が生まれますので、これに関しては、マイナ保険証を使う環境を維持し続けないといけないので、次期型が間に合わないようであれば、その辺の保守状況を延ばしてもらうことも考慮に入れていただきたいと思います。
それと、次期型の稼動が決まった場合、次期型の稼働時期が目の前に決まっているときに開院・開局される病院や薬局が出てきた場合、次期型を目の前にして、一旦、旧型、今の型を入れて動かすのか等々の部分は何らかの検討をしておかないと、ここもブランクが生まれてしまうのではないかなと思います。
最後になりますけれども、現場感覚なのですが、今、パーセンテージがどんどん上がっているところではあるのですけれども、来局される方々全員に聞いていますが、感覚としてはマイナンバーカードを持っていないと言われる方がまだまだおられます。
その方々の話を聞いていると、本当に必要なものであれば、保険証のように送ってきてほしいと言われたり、もしくは資格確認書が使えるならそれでいいやと言われたりするので、この辺りに関しては、随分進んできましたが、どこかで効果検証なり、施策に関する効果検証をして、今後どのようにつなげていくのかということを検討する時期でもあるのかなと思っていますので、あわせてお願いしておきたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
今回、後期高齢者の関係の資格確認書の職権交付ということで、高齢者の方、特に後期高齢の年代の方がどの程度スマホとかインターネットを使っているかと思って調べてみたのですけれども、やはりまだ使われていない状況だと思います。
そういう点から言いますと、1点目としては、いろいろなリーフレットの送付とか周知広報ということですけれども、その辺りもマイナンバー保険証自体も含めていろいろと工夫しないといけないのかなと思います。
そういう点で言うと、高齢者の方は介護とか医療とかいろいろなところのサービスを利用されている方でもありますので、そういう点ではよくアウトリーチと言いますけれども、単にリーフレットを配るだけではなくて、双方向的な取組が必要なのかなというのが1点目であります。
2点目としては、今日、スマホ搭載という話が出ておりまして、これも時代の流れだと思いますけれども、今回、高齢者の方に対する資格確認書の交付が一種の過渡的な状況だとすれば、その間にどういう取組をしていくかということが重要でありますので、何でもこういった制度はそうなのですけれども、一定の猶予期間がどんどん続いていきますと、かえっていつまでかという話にもなりますので、この辺りをどううまく活用していくかという視点も重要かなと思いました。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用につきましては、1ページ目に2月分までの実績が示されており、昨年11月の18.52%より、2月においては26.62%と、わずか8%ほど伸びておりますけれども、依然として2割台と少なく、やはりマイナ保険証の利用率の促進が喫緊の課題であると感じております。
昨年12月には、従来の保険証の新規発行を廃止するアナウンスがあり、国民への周知も進んだのではないかと感じておりましたが、全人口に対するマイナンバーカードの保有者は78%であり、そのうちマイナ保険証利用登録者は84.5%と、まだ3人に1人の方がマイナ保険証利用登録をされておらず、さらなる方策も必要だと考えております。
また、4ページ目から示されています外来診療におけるスマホ搭載におきましては、利用者のメリットもある部分ですので、ぜひとも進めていただきたく考えております。
ただ、7年9月頃より環境が整った医療機関等から徐々に運用を開始するということですが、先ほど城守委員からもございましたけれども、移行期におきましては、受入れ先の医療機関の環境、患者さん方のスマホ用電子証明書の搭載準備等、混乱も予想されますので、多様な視点からの実証事業を行い、その結果をフィードバックしていただくとともに丁寧な周知をお願いいたします。
特に、医療機関では、5ページ目にあるようにカードリーダーの整備も必要となっており、便利な機能を次々と追加していただけることはありがたいですけれども、補助金等の活用も含めた普及促進を図ることで、導入する医療機関の裾野が広がっていくものと考えていますので、ぜひとも検討いただきたくお願いを申し上げます。
16ページ目からの後期高齢者医療制度における取扱いでございますが、過去にも発言させていただいておりますけれども、資格確認書の職権交付を令和8年夏までさらに1年間延長していただくことで、高齢者が安心して受診できるようになると考えておりますが、マイナ保険証と資格確認書と2枚持つことになり、疑問を持たれる方々も少なからずおられると思いますので、引き続き丁寧な周知をお願いいたします。
最後に、マイナ救急についてですけれども、広報活動をしっかりとしていただき、好事例等を紹介し、マイナンバーカードを活用した救急業務の円滑化が図られるよう努めていただき、保険証のスマホ搭載とはすみ分けが難しいですけれども、マイナ保険証を携帯することの重要性の周知をよろしくお願いいたしたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、菊池委員、よろしくお願いします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
10ページなのですが、私は障害者部会の部会長を仰せつかっている関係で、その職責上、1点申し上げさせていただきます。
まさに課題として保険局も認識していただいていますが、障害者部会でもこのテーマを取り上げた際に、視覚障害者団体の方からカードリーダーの操作ができないという切々とした訴えがございました。少数者かもしれませんが、障害のある方が取り残されることのないように、一番下の行に「強く推奨」と書いてございますけれども、十分な御配慮を私らお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
次に、「被用者保険における予防・健康づくりの推進について」及び「第3期医療費適正化計画の実績評価及び第4期全国医療費適正化計画について」を議題といたします。
この2つの議題につきましては、共に予防・健康づくりに関するもので、御意見、御質問等は2つの説明が終わった後、まとめていただければと思います。
それでは、事務局から、資料2、資料3の順番で御説明をお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
資料2から先にお開きいただければと存じます。「被用者保険における予防・健康づくりの推進について」でございます。医療保険部会におきましても、保険者としての予防・健康づくりの重要性を多々御指摘いただいております。したがいまして、この間の取組とか今後の方向性について、本日御報告をさせていただければと考えてございます。
1ページ目、「医療保険者における予防・健康づくりの重要性」でございます。これは改めて申し上げるまでもございませんけれども、保険者には保険の給付という当然大切な役割がございますけれども、それと併せて予防・健康づくりという重要な責務も負っていただいております。
右側に、データヘルスのPDCA推進、総合的な保健事業の推進、コラボヘルスの推進、こういう観点から保険者に対して様々な取組を進めていただきたいということで、私どもとしてもお願いをしてございます。
2ページ目、「データヘルス計画と予防・健康づくりに関する施策の全体像」でございます。今、被用者保険の保険者は1,400弱ございますけれども、全ての保険者に対してデータヘルス計画の作成をお願いしてございます。データヘルス計画第1期が平成27年度、現在は第3期のデータヘルス計画に入ってございますけれども、それぞれの保険者において、例えば性差、年齢構成、いろいろと違いますので、保険者ごとの課題をしっかりと分析をしていただいた上で、PDCAを回していただくという観点から、データヘルス計画をつくっていただくという取組をお願いしてございます。
3ページ目、「データヘルス計画の構造」でございます。STEP1、STEP2、STEP3と下のほうに並んでおります。先ほど申し上げましたとおり、データヘルス計画はそれぞれの健保組合の基本の情報、加入者の属性、事業所の概要、業種によってもまた様々違ってくると思います。あるいは、既存の保健事業の実施状況等々、こういったものをそれぞれ保険者ごとに分析をしていただいて、どういう課題があるのかということをピックアップしていただいて、これを回していくという取組をお願いしております。
4ページ目でございます。こういう各保険者の取組を応援していくための取組として、共通評価指標に基づくデータの提供、データヘルス計画の集計・可視化というものを行っております。
どうしても各保険者はいろいろな業務がございますものですから、自分たちがそれぞれの保険者で取組をしていただいているわけでありますけれども、客観的に見て、あるいは他の業種、同業種の方もそうでありますけれども、全体的に見て自分たちがどういう立ち位置にあるのか、例えば、特定健診・特定保健指導についても実施率が全国と比較して高いのか、低いのか、同業他社と比べてどうなのかというものを見て分かっていただきやすいような、視覚に訴えるような様々なグラフとか一覧性のある資料をポータルサイトで提供しております。
5ページ目、「健康スコアリングレポートの活用によるコラボヘルスの推進」でございます。各保険者の取組ももちろん大事でありますけれども、事業主の皆様は労働安全衛生法に基づく様々な取組という責務も課されているわけでありますので、最終的には事業主の皆様としっかりとコミュニケーションを取る対話をしていただいて、保険者の立場から見てこういう課題があるよということを事業主の皆様にお伝えして、事業主の皆様の立場からもしっかりと労務管理に役立てていただく必要があるだろうと思っておりますけれども、保険者の皆様と事業主の皆様の対話のツールとして、スコアリングレポートというものを各保険者の皆様にお渡しするということを行っております。
この取組は、2018年度から、日本健康会議、経産省、厚労省の3者が連携して取組を開始しておりまして、5ページ目の右側にありますとおり、フローチャートとか、あるいは一目見て自社の取組が足りている、足りていない、あるいは事業者別でもこういう取組を一覧性を持って見られるような取組も進めております。
6ページ目、「後期高齢者支援金の加算・減算制度」でございます。これは、金銭的な観点からの取組でございます。保険者ごとの特定健診・特定保健指導の実施率によって、後期高齢者の支援金の額に対して一定の率を加算あるいは減算を行うという仕組みを進めております。
加算というのは本来の支援金よりも少し多めにお支払いいただくというもの、他方で、減算というものは本来の支援金よりも少しディスカウントした額をお支払いいただくという仕組みでございますけれども、特定健診の実施率が低い、あるいは特定保健指導の実施率が低い組合に対して、本来の支援金よりはプラスアルファで支援金をお支払いいただく一方で、減算基準というところで青く書いてございますけれども、様々な取組を実施している組合を評価いたしまして、それぞれの取組を数値化した上で、取組が進んでいる組合に対しては支援金の額を若干ディスカウントするという取組を進めているところでございます。
7ページ目、「被用者保険における予防・健康づくりの表彰」でございます。先ほど申し上げた加算・減算で取組を数値化してございますけれども、合計点数が上位の減算対象の保険者、様々な取組をしていて減算の対象になっている保険者に対して表彰するという取組を昨年の10月に実施させていただきました。保険者種別、単一・総合・共済ごとに上位5つの組合を表彰するということでございます。
最後、8ページ目、「今後のデータヘルス計画を通じた予防・健康づくりの方向性」でございます。文字ばかりで恐縮でございますけれども、予防・健康づくりの推進の重要性は、この場でも皆様にいろいろと御指摘いただいておりますが、極めて重要である。それは保険者の本来業務であることもさることながら、企業の新たな社会的価値の創造にもつながってくるものでございます。
特に、近年では、上から4つ目のポツ、メンタルヘルス対策、性差に応じた健康支援、プレコンセプションケア、ロコモ対策とか、いろいろな新しい課題が生じております。そういう中において、データもたくさん集積をされているものですから、データに基づいてしっかり定量的な評価を行っていく、改善を行っていくということを進めていきたいと思っております。
それから、下から3つ目のポツ、後期高齢者支援金の加算・減算制度です。これは特定健診・特定保健指導の実施率の向上という観点から取組を進めてきたものでございますけれども、こういう取組が本当に保険者の取組を後押しする制度設計になっているのかどうか、今後検証していきたいと考えてございます。
また、下から2つ目でございますけれども、保険者別に様々な課題がございます。保険者別に、自分たちにどういう課題があるのかというものをしっかり分析をしていく、自分たちで考えていただくという保険者を評価していく取組とか、あるいはお金に頼らないインセンティブ設計も大変大事だと思っておりますので、こういう取組も応援していけるような仕組みを今後検討していきたいと思っております。
以上でございます。
○山田課長 続きまして、医療介護連携政策課長でございます。
資料3「第3期医療費適正化計画の実績評価及び第4期全国医療費適正化計画について」を御説明させていただきます。
1ページでございます。国と都道府県が医療費適正化計画を定めております。計画期間は6年。今は第4期でありまして、2024年から2029年度の6年間でございます。
主な記載事項といたしまして、①医療費の見込み、②住民の健康の保持の推進に関する目標・取組などを記載させていただいております。
2ページは、「医療費適正化計画のスケジュール」でございます。第4期の計画につきまして、国においては令和5年7月20日に基本方針をお示しさせていただきまして、令和5年度に各都道府県において各都道府県の医療費適正化計画を策定していただいております。令和6年度は、各県の計画を踏まえまして、全国の医療費適正化計画を作成し、計画を推進してまいります。今、6年度から7年度に移ったところでありますので、第3期の実績の評価と第4期の計画の策定を行う段階となっております。
次からのスライドは第3期の実績評価でございます。
4ページは第3期の計画の概要でありますので、説明は省略させていただきます。
5ページは実績評価の概要ですが、3月31日に公表しております。例えば、真ん中の第三の一でありますけれども、特定健康診査の目標値を70%以上としておりましたが、実績値は58.1%、特定保健指導の目標を45%以上としておりまして、実績値は26.5%でありました。メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率を25%以上という目標としておりましたが、実績値は16.1%でございました。
6ページでありますけれども、後発医薬品の使用割合を目標値として80%以上のところ、実績値は81.2%でございました。
第四のところには、計画に掲げる施策による効果のという一覧表がございます。例えば、特定健診・保健指導は約200億円、生活習慣病の重症化予防は約1000億円など、合計で6000億円でございます。
続きまして、第4期の計画でございます。
8ページでございます。第4期医療費適正化計画を定めるに当たって、事前に見直しの方向性というものを定めておりました。新たな目標を設定し、既存目標も効果的にするということであります。
例えば、新たな目標の設定でございますが、医療資源の効果的・効率的な活用などで、効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療、具体的には急性気道感染症に対する抗菌薬の処方、医療資源の投入量に地域差がある医療、具体的には白内障手術や化学療法の外来での実施、こういったところを新たな目標として設定してはどうか。
また、既存目標の効果的な取組で、特定健診・特定保健指導にはアウトカム評価の導入、ICTの活用などを図ってはどうか。こういった見直しの方向性を示させていただきました。
9ページでありますが、この見直しを踏まえて各都道府県で計画を定めていただきまして、第4期の全国医療費適正化計画を3月31日に大臣のほうから告示させていただいております。
9ページの真ん中辺りに主な目標としまして、特定健診実施率70%、特定保健指導実施率45%などを記載しておりまして、後発医薬品使用割合では後発医薬品の金額シェアを65%以上にするといった目標を立てさせていただいております。
10ページでありますが、今般、都道府県に計画をつくっていただいて、それをまとめて告示をさせていただき、適正化効果額を算出してございます。特定健診・保健指導での適正化効果額は約120億円、生活習慣病の重症化予防は678億円、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進は2186億円のほかに、多剤投与の適正化、重複投薬の適正化、効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療への適正化などを合わせまして4336億円という計画になってございます。
参考資料は、その効果額を策定するときの式を参考までに載せております。
以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
それでは、資料2と資料3の両方にコメントをさせていただきます。
まず資料2について、8ページに今後の方向性の記載があるのですが、下の3つのポツの後期高齢者支援金の加算・減算制度について意見を申し上げます。これは健保組合と公務員の共済組合しか対象ではないのですが、この制度は、まさに特定健診や特定保健指導の実施率向上に一定の貢献をしてきたのは確かだと思っております。一方で、この仕組みは、先ほども御説明がありましたが、取組が遅れている加算対象保険者から、取組が進んでいる減算対象保険者にお金を回すという仕組みになっております。
直近の状況を健保組合について申し上げますと、全体で1,370の健保組合がある中で、加算対象は77組合です。一方で、減算対象は376に増えてきております。当然ながら、全体的に取組が進んで減算対象組合が増えれば、減算による財政的なインセンティブ効果は大変薄れてくる、なくなってくることになります。そう考えれば、この制度自体、抜本的な見直しが必要ではないかと思います。
先ほど御説明がありました最後のポツにありますように、特に減算保険者に対しては、非金銭的なインセンティブを強化する方向も含めてぜひ検討をお願いしたいと思っております。
以上が資料2についてです。
次に資料3に対する意見です。特定健診・保健指導については、制度開始から15年以上経過をして実施率は順調に上昇しておりますが、先ほど御説明がありました第3期の評価の中で言いますと、6ページに特定健診・保健指導に基づく適正化効果額は約200億円と出ております。正直申し上げて、我々健保組合を含めて、特定健診・保健指導に投じている事業費から考えれば、この効果額はあまり高くないと感じざるを得えません。健保組合では、事業主をはじめ関係者に費用対効果を説明する際に苦しい思いをしているのが正直なところです。実際には、適正効果はもっと大きいのではないかと思っていますので、ここは効果検証の手法も含めて、検討や効果のフィードバックをお願いしたいと思います。
また、今回、第3期の実績評価が示されたわけですが、既に第4期も2年目に入っております。本来、実績評価や効果検証の結果は、次の期の計画に反映することが重要であると思うので、今後、例えば第4期の中間評価や第5期に向けての検討の際に、第3期の結果の反映といったことについても検討する体制の整備をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
まず議題2のほうでございますけれども、データヘルス計画に基づく取組の実施に当たりましては、市町村国保をはじめとするほかの保険者のデータヘルス計画や、都道府県健康増進計画、医療費適正化計画等に基づく取組との調和を図って、私どもとしては地域と職域が連携して健康課題の解決に取り組むことが極めて重要であると考えております。協会の各支部においては、都道府県や国民健康保険団体連合会等に対して、各支部のデータヘルス計画の目標及び取組等についても情報提供をしているところであります。
協会におきましては、各支部での地域の健康課題を踏まえたデータヘルス計画を作成して取り組んでいるところでありまして、働く人へのサポートの観点はもちろんですが、地域、職域という広がりと併せて、世代を超えて、次世代を担うお子さんたち、これは被扶養者ということでもあるのですけれども、お子さんたちを対象にした健康教育にも取り組んでいるところであります。
議題3のほうですけれども、医療費適正化計画の進捗は私どもも全力で取り組んでいるところでございます。特に、今回の中では、地域フォーミュラリの策定支援やバイオシミラーの促進、これらについては適正化について今後非常に大きな成果が期待できるものと考えており、協会としても保険者としてできる限りの取組を進めてまいりたいと考えています。
地域フォーミュラリへの取組につきまして一言を申し上げたいのが、私どもが全国を見てまいりますと、都道府県によって取組に濃淡があると感じております。国におかれては、ぜひ各地域の取組状況を把握した上で、特に取組が薄い地域に関しては、都道府県等の関係者へ理解をお願いしたいという働きかけをお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
今回、第4期の医療費適正化計画について、特に特定健診や特定保健指導など、第3期の目標を達成できていなかった点に関して継続して行うという目標設定になっていることに対しては、関係者一同、これにしっかり対応してまいりたいと思っております。
その中で、後発医薬品の使用割合に関しては、第3期の実績評価において、特に実績値が目標値を上回っているという結果も出ておりますので、これはしっかりとした適正化の対応がなされているのであろうと思いますけれども、今回の第4期においては、副次的な目標として、バイオ後続品の置き換わり、また、数量シェアではなくて、後発医薬品の金額シェアの目標設定も入れられております。これはしっかりと進めていく内容であろうと思いますが、御案内のとおり、現在、後発医薬品の供給に関しては安定性を著しく欠いている品目が多いという状態でございますので、厚労省におかれましては安定供給の体制支援をしっかりお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、任委員、よろしくお願いいたします。
○任委員 ありがとうございます。
資料2の8ページで、今後のデータヘルス計画等を通じた予防・健康づくりの方向性をお示しいただきました。4ポツ目につきましては特に詳しく御説明いただいたところですが、エビデンスに基づく予防・健康づくりは大変重要であり、実態を量的に評価して取組の改善につなげるという方向性について賛同をいたします。
本会では、2024年度に産業保健師等を対象とした「事業場における保健師等の活動実態の把握」調査を実施し、現在、結果を取りまとめているところですが、企業、事業場においては、メンタルヘルスの不調を抱えている人が多いことを最重要課題と捉えていることが分かりました。
予防・健康づくりの重要性が増している産業保健の現場と保険者の連携を深め、効果的・効率的なメンタルヘルス対策やプレコンセプションケアといった、これまでの生活習慣病等に限らない、取組の幅を広げたデータヘルス計画を策定し、実行することはあるべき姿であると思っております。
また、従業員50人未満の事業場でのストレスチェック実施が今後義務化されることに伴いまして、メンタルヘルス対策に関するデータ量も格段に増加することが見込まれます。この実効性を高めるための実施体制の整備においては、当該の膨大なデータをデータヘルス計画にも活用できる可能性は十分あると考えます。
被保険者である国民の健康づくりにつながるデータ活用の仕組みを保険者の取り組むべきこととして、ぜひ一歩踏み出して進めていただきますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
議題3についてでございます。医療費適正化の必要性については申すまでもございません。後発医薬品の使用促進が適正化に貢献していることも十分理解しております。しかしながら、原材料の価格の高騰、コストを下回るような薬価の引下げ、多品目少量生産といった構造的な問題など、後発医薬品の供給体制は極めて厳しい状況が続いておりまして、現に供給停止や出荷調整といった形で国民の暮らしに大きな影響が出ていると思います。
今後も医療費適正化を進めていくのであれば、緊急性や重篤性の高い治療に関わる医薬品、特にOTC類似薬以外の生産を優先あるいは重点化するなど、供給体制の見直しを行うとともに、日頃から健康づくりを心がけ、軽微な疾病であればOTC医薬品を活用したセルフメディケーションの推進、自助を推進していくことが重要だと考えます。
医療保険を持続可能な制度としていくためにも、今後も議論を重ねていただくようお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、小林参考人、よろしくお願いします。
○小林参考人 ありがとうございます。
資料2について2点述べます。
健康スコアリングレポートの活用によって、保険者と事業主のコラボヘルスを推進し、ひいては被保険者の健康づくりへの関心を高めていくことにつながるよう期待しています。
その上で、人数規模が小さい事業所ではレポートの内容と個人との関係が比較的結びつきやすいでしょうから、個人が特定され、ハラスメントにつながらないよう、個人の特定リスクなどへの十分な配慮については、実施計画を通知する中で徹底することを要望いたします。
それから、8ページ目に、「インセンティブ設計の在り方や評価手法について、保険者や事業主等の意見を聴きながら、見直しの検討を進めていく」とあります。被保険者の意見についても聴いていただきたいと思っていますので、その点も要望いたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
資料等の説明をありがとうございました。いろいろな意見も参考になっております。
1つはデータヘルスで、もう一つは医療費適正化ということです。
以前からも少し申し上げているように、本質のところを早く押さえてしっかり啓発をしていかなければいけないなという思いを強くしています。
例えば、自動車を利用する時、車検をパスしないと車は走れません。けれども、人間ドックや健康診断に行って健診を受けて、ちょっと異常だとか要注意と言われても、痛みもなければ自覚症状がないと、そのまま人間は車ではないですけれども、走りつづけることができますよね。でも、いずれどこかで不調になって、ガタンとなって、大きな病気が分かったり、命に関わることになるのです。それぐらい健診というのは自分の現状を理解するために必要で、そのデータがまさにデータヘルスであり、自分自身の臓器や血管、血圧その他の数値などの状態が分かるわけですね。こういったことの意味をもっと広く啓発する必要があると思います。
あわせて、それを何とか正しくしながら、改善をしながらやることで健康になっていくわけです。その健康が、一つは個人個人にとってのウェルビーイング、いろいろな意味での幸せ感の根底になるものですし、もう一つは社会あるいは国として全体で、健康というか健全な財政のもとになりますよね。
これだけ多くの新薬が保険適用され、また透析をはじめとした様々な医療的処置に関する対応があります。それらは必要なものであり、費用も大きくなってきていて、医療財政が逼迫してきている状況にもあります。それらのことを、いろいろな会議でデータで見せられると、何とかしなければ、改善しなければいけないなと思う訳です。
そのときに、いろいろな対策や、経済的モチベーションという方法もありますでしょうけれども、根本は一人一人の国民が自分の健康を自分で守るということをしっかり認識、自覚をして努力をしていくような自発性をしっかり涵養しなければいけないと思うのですね。
一方で、医療の専門の方とお話をしたりするのですが、がんについて考えていくと、やはりメタボが大きな原因になっていると改めて教えられます。私どもの関係で言いますと、佐賀県内に佐賀大学医学部附属病院があります。病院長の野口先生ともお話をしたり、医学部長の野出先生ともお話をしたりします。先般も前立腺がんのミーティングに出たのですが、やはりメタボを何とかすることががん予防にもなるし、いろいろな効果が出てくるということを専門の方々がお話をされ、私も同席をして、そうだなと改めて認識をしました。
例えば、血管も動脈硬化という問題発生などがありますけれども、これもやはり食べ過ぎとかカロリーの過多、あるいは運動不足によるもので不調が出てきて、そうなっていく。片方では、がんのリスクもいずれ高まっていくということになりまして、心臓等についての心疾患の原因にもつながっているわけですね。
そうすると、メタボが本当に重要な項目であり、車の車検で言うならば、これを見過ごすといずれガタンと大きな事故になりますよということですから、こういったことの意味をより啓発をする必要があると思います。
今、新規採用の季節ですけれども、若いとき、スタートのときから、こういった意義を知らせていくことを政府の広報の中でもしっかりしていかなければいけないし、我々自治体や保険者もそういったことを皆さんにお伝えをしていかなければいけないと思います。
具体的に、食事を改善する習慣、運動の習慣をはじめとしたものをよりよくしていく、インプルーブメントしていく、そのことによって健康をいかに高めていくかということをみんなで取り組んでいくことがもう常識になって、データヘルスは当たり前、医療費適正化も片方で考えておかなければいけないよねと、そういった状況をぜひつくっていただきたいと心から願っています。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
データヘルスの関係の資料の8ページ、方向性ということですので、その点から発言をさせていただきたいと思います。
今回拝見しまして、事業主の予防・健康づくりの関与に関して重要な視点は、今、定年の延長などもあって国民の働く期間が長くなってきた中で、働いている間に人生のいろいろなライフイベントが起きることに遭遇するということだと思います。
資料では、加入者の特性、メンタルヘルスなど、いろいろ書いていただいていますけれども、若い世代、例えば子育て世代の妊娠・出産、あるいは若い時代からのロコモ対策なども書かれていますので、考えてみますと、ある意味でこの間、医療保険の性格というものが少し変わってきているのかなと。一般に短期保険といいますけれども、ある意味では長期保険化している面もあるのではないかということでありますので、こういった事業主のコラボヘルスや加入者へのインセンティブも、短期的な成果を狙うということもありますけれども、人生を通じて、事業主も含めて加入者やその家族を支援するという視点が入って、より強く出てくるといいかなと思いました。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。厚生労働省におかれましては、本日の御意見も参考に取組を進めていただければと思います。
ほかに御意見がなければ、次に「年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整について」を議題といたします。
資料説明の前に、まず事務局より高額療養費の見直しに関わる状況について口頭での説明事項があるということでございますので、よろしくお願いいたします。
では、お願いします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
高額療養費に関しましては、昨年の11月から4回にわたりまして医療保険部会において御議論をいただきまして、年末の厚労大臣、財務大臣の折衝において最終的に決着をし、その結果を前回1月の医療保険部会に御報告を申し上げたところでございます。
その後、報道等も様々ございましたとおり、国会の場、あるいは患者団体の皆様方から、例えば、長期療養の方への配慮が不十分ではないだろうか、検討プロセスに丁寧さを欠いたのではないかという御指摘をいただきました。その上で、国会審議の過程で、私どものほうから2度にわたり修正案をお示ししたところでございます。
簡単に申し上げますと、まず1回目の修正案としては、多数回該当の金額を現行の水準からは引き上げない、平均的な所得の方であれば4万4400円に据え置くというのが1回目の修正案でございます。2回目については、令和7年度からの定率改定のみを実施し、令和8年度以降の取扱いについては改めて検討するという修正案をお示ししたわけでございますけれども、その上で、なお患者団体の皆様方から御理解をいただけなかったこともございまして、最終的には、先月の7日に総理から、高額療養費の見直しについては実施を見合わせた上で、本年秋までに改めて検討し決定をするという旨が表明されました。
この間、昨年の11月以降4回にわたりまして医療保険部会において熱心に御議論をいただきまして、様々な御意見もいただいたわけでございますけれども、これは私ども事務方の物事の進め方に足らざる部分があったことで、結果的に審議会の委員の皆様にも御迷惑をおかけしたことにつきましては、改めておわびを申し上げたいと思っております。
今後、秋までに検討して決定をしていくことになるわけでございますけれども、今後の進め方については現在検討中でございますので、今後、検討した上で、また部会長ともよく御相談をしながら、どういうふうに進めていくのかというのを考えていきたいと思っておりますが、先ほど申し上げたように、患者団体の皆様方からの御意見の聴き方、また、医療保険部会でもいろいろと御意見がございましたけれども、いろいろな課題はあるわけですが、できる限りのデータを集めて御用意をしていく、こういった点に留意をしながら、今後御議論いただけるような環境をつくっていきたいと考えてございます。
冒頭、私のほうからの説明は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、保険局長も何か御発言がございましたらお願いいたします。
○鹿沼局長 保険局長の鹿沼でございます。
委員の先生方には、医療保険部会におきまして、我が国のまさに世界に誇るべき医療保険制度の持続可能性、また、その運営の改善、もろもろにつきまして貴重な御意見を賜っております。ありがとうございます。
また、高額療養費制度の話につきましても、保険課長から話がありましたが、昨年の11月から約1か月間という期間ではございましたが、毎週会議を開催いたしまして、制度の見直しに向けた議論に必要な様々な資料に関する御示唆、それらを踏まえた有意義な御意見をいただくなど、4回にわたり大変精力的な御議論をいただいたと思っております。
しかしながら、これも先ほど説明をさせていただきましたが、政府として検討プロセスに丁寧さを欠いたという指摘を重く受け止め、見直し全体について実施を見合わせるという決断に至ったことにつきまして、医療保険部会の運営を担う事務局の責任者として、また、医療保険制度の見直しに関する厚生労働省の事務方の責任者として、審議会の皆様方に対して心からおわびを申し上げます。
あわせまして、これまで様々な状況変化があり、本日に至るまで委員の皆様方に対して十分な御説明ができなかったことにつきましてもおわびを申し上げます。
そうした中で、大変申し訳ございませんが、引き続き医療保険部会において改めて御議論をお願いしたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
私からも一言発言させていただければと存じます。
拙速な議事運営の結果といたしまして、患者の皆様方の不安を惹起したことに関しては深くおわびを申し上げたいと思います。今後、丁寧な議事運営を図ってまいりたいと思います。
また、見直しの議論におかれましては、必要なデュープロセスと併せまして詳細なデータが必要になってまいりますので、その準備を事務局におかれましてはお願い申し上げる次第でございます。
以上、この点をおわびかたがたお願い申し上げる次第でございます。
それでは、続きまして事務局より、「年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整について」の資料に関しまして説明をお願いいたします。
○安中課長 高齢者医療課長でございます。
資料4を御覧ください。「年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整について」でございます。
次のページを御覧ください。
下のほうに、70歳以上の高額療養費の自己負担額の表を掲載しております。70歳以上の自己負担額につきましては、一番下のところに、住民税非課税のうち所得が一定以下の方についてさらに自己負担額を低く抑えるという措置がございます。この際、所得が一定以下という基準の一つとして、年金収入については80万円以下という基準が設定されております。
上の「見直しの方向性」というところを御覧ください。この80万円の基準につきましては、これまで介護保険の基準額を参考に、老齢基礎年金の満額相当といたしまして年金収入80万円という基準が設定をされております。その後、物価の上昇などに伴いまして、老齢基礎年金の満額の金額が引き上げられてきております。
今般、70歳以上に適用されます老齢基礎年金の満額につきましては、令和6年1月から12月の金額を合計いたしますと80万6700円となりまして、80万円を超えることになりました。これを踏まえまして基準を見直しまして、年金収入の基準額を80万6700円としたいと考えております。この見直しにつきましては、年次更新に合わせまして令和7年8月からの施行を予定しております。
その下の※印にありますように、高額療養費の自己負担限度額だけではなくて、入院時の食事療養費あるいは入院時生活療養費や高額介護合算療養費におきましても同様の基準がございますので、同じ見直しを行いたいと考えております。
また、介護保険制度やほかの公費負担医療制度においても同様の基準がございますので、こちらについても同じような考え方で見直しが行われることになってございます。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございます。
それでは、御意見等がございましたらよろしくお願いします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
まず、冒頭にお話がございました高額療養費の見直しについては、これまでの医療保険部会における議論の中で、患者団体の皆様に思いが至らなかったことについて、委員として反省をしております。
高額療養費の取扱いについては、医療保険制度の中でもまさに制度の根幹に関わる部分であるため、慎重な検討はもちろん必要ですし、今後もさらに丁寧な議論をお願いしたいと思います。
一方で、少子高齢化がさらに進んでいくことを考えると、現役世代の負担軽減は、全世代型社会保障構築のために避けては通れない課題です。高額療養費の見直しに限らず、高齢者医療制度の在り方を含めて不断の見直しを進めていただきたいと思います。
最後に、本日御説明がありました年金額の改定を踏まえた自己負担の所得区分における基準額の調整については、異論ございません。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
まず、今回の老齢基礎年金の支給額にあわせた見直しでございますが、これに関しては特に異論はございません。
私も、冒頭に局長、保険課長からお話がございました高額療養費制度の見直しということと、医療保険部会との関係について、その経緯も含めて少しコメントをさせていただきたいと思います。
まずは、私のほうからも、この部会においてしっかりとした議論が継続して行われなかったことに対してはおわびを申し上げたいと思います。
その上で、その経緯をもう一度確認させていただきたいわけですが、医療保険部会において自己負担の限度額などが決められたということではないことは、委員の先生方は皆さん共有していただいているものだろうと思います。
思いますに、昨年の12月12日の第4回目の部会のときに、賃金の上昇等、様々な要因もあるということで、事務局のほうから自己負担の引上げをしてはどうかという御提案があったと思います。この提案に関しては、賛成の意見もございましたし、慎重に検討すべきという御意見など、様々な意見があったと思います。
その中で、結局、何かをその会議において決定をしたということではなくて、その後、先ほど事務局から説明がございましたように、年末の予算編成過程の中において自己負担の限度額などが国によって決定をされたということであろうと思います。
そして、年が明けて1月23日の5回目の部会において、協議事項ではなくて報告事項として事務局から報告があったと思います。報告事項ということで、決定事項ということでございましたので、私のほうからは、基本的には、物価も上昇しているから手取りが実際に増えているかどうかというのは甚だ不明であるという点もありますので、制度が施行された際には、しっかりとした影響調査をしてくださいということはお話をさせていただきました。医療保険部会としてはこの制度が極めて重要なセーフティーネットであるということは委員の皆さん共通に認識をしていて、その認識の下に議論をして、その結果、我々としては、最初の議論のときから、制度変更をすることによって医療にアクセスをすることができない人が生ずることがないように丁寧な議論をしていただきたいということは繰り返しお願いをしてきたと思います。
そういったことから、患者団体、関係者の団体の方々ともしっかりと当然調整をしていただいているものであろうと思っていただけに、その経緯を後ほど聞くことによって大変困惑しているというのは、私だけではなくて、ここの委員の皆さん全員であろうと思います。
今後、この制度の持続可能性ということを考えるのであれば、まず、自己負担限度額の議論の前に、医療費財源そのものの議論がやはり必要になるのではないかと考えております。そういう議論を経た上で、もしこの部会において見直し論というものをもう一度されるのであれば、そのときは関係者の方々の御意見等もしっかりとお聴きいただいて、十分なデータに基づいて丁寧な議論をしていただき、医療にアクセスできない人が出ないような議論にしていただきたいということを強く求めたいと思います。
ちなみに、その財源論の議論に関しては、当然、医療保険部会の所掌ではございませんので、しかるべきところで議論していただくことが肝要かなと思いますので、併せて申し述べたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございますか。
では、小林参考人、お願いします。
○小林参考人 今回の提案に異論はございませんが、私も高額療養費制度について申し上げます。
今後改めて検討するとされていますが、例えば、患者の意見を広く聴くためにメンバー構成をどうするのか、いつまでに議論していくのかなど、前広に示していただくよう要望いたします。
また、検討に当たっては、家計への影響などデータの提示、見直しの目的の明確化、傾斜の在り方など、丁寧に議論していく必要があると考えています。
年齢で区切っている現在の医療保険制度、高齢者医療制度の見直しを含めた根本的な議論が必要ですし、「上手な医療のかかり方」を啓発するとともに、患者の状態像に応じた入院医療の在り方など、納得性、公平性の確保に向けた議論を進めていただきたいと考えています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見がなければ、本議題に関しましてはこれまでとしたいと存じます。
最後に、「医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」を議題といたします。こちらは報告事項でございます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○梶野課長 医政局総務課長です。
12月の医療保険部会で、医師偏在是正対策について御議論をいただきました。それらを含めまして、医療法等の一部を改正する法律案としてまとめていますので、御報告を申し上げます。
資料の1ページになります。改正の趣旨としては、1行目にありますとおり、高齢化に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据えて、地域で良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を構築するという目的で、大きく3つの改正をしております。
「改正の概要」というところで、1の太字のところ、「地域医療構想の見直し等」ということで、2040年、特に85歳以上の高齢者を中心として増加し、介護も含めた複合ニーズの高齢者が増えるということで、2040年頃を見据えた医療提供体制を確保するため、病床のみならず入院・外来・在宅医療、介護との連携を含む将来の医療提供体制全体の構想とする。それから、地域医療構想調整会議の構成員として市町村を明確化する。それから、医療機関機能報告制度を創設する。高齢者救急・地域急性期機能や在宅医療等連携機能など、こういった機能の報告制度を創設します。
オンライン診療について、医療法に定義して、オンライン診療を受ける場所を提供する施設に関する規定を整備します。
美容医療について、医療機関における定期報告義務を設ける。
2点目、「医師偏在是正に向けた総合的な対策」ということで、ここは特に医療保険部会で御議論をいただいたところです。
①都道府県知事が医療計画において「重点的に医師を確保すべき区域」を定めることができる。保険者からの拠出によるこの区域の医師の手当の支給に関する事業を設ける。
②外来医師過多区域の無床診療所への対応強化ということで、新規開設の場合の事前届出制、要請勧告公表ができる仕組み、それから、保険医療機関の指定期間の短縮等を入れています。
③保険医療機関の管理者について、保険医として一定年数の従事経験を持つ者であることを要件として、責務を課す。
それから、大きな3点目として「医療DXの推進」ということで、必要な電子カルテ情報の全国医療機関での共有、後段は、感染症発生届の電子カルテ情報共有サービス経由の提出を可能とする。
2点目は、医療情報の二次利用、研究利用の推進のため、医療・介護関係のデータベースの匿名化だけでなく仮名化情報の利用・提供を可能とする。
それから、支払基金を医療DXの運営に係る母体として見直しを行います。厚労大臣は医療DXを推進するための「医療情報化推進方針」を策定する。その他公費負担医療に係る規定ということで、これはマイナ保険証で医療保険に加えて公費負担医療についても資格確認ができるようにする。
施行期日は、令和9年4月1日を中心として、そのほか各種、施行日が異なります。
国会に提出しておりまして、本日、衆議院本会議でも質疑をいただいたところであります。
説明は以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
本件は報告事項ではございますけれども、御意見、御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
これまでコメントしたことと重なる部分もございますが、御容赦いただければと思います。
今回の改正案は、医療提供体制の全般について、限られた医療資源を最適に配置するとともに、電子カルテ情報共有サービスなど医療DX、また、オンライン診療を適切に推進することによって、医療の質を維持・向上しつつ効率化するものであって、これは国民・患者の安全と安心につながるものだと受け止めております。
ただ、今御説明がありました医師偏在対策については、多数地域の規制と少数地域の支援をセットで実施することが不可欠だとこれまでも繰り返し申し上げておりますが、健保組合から、多数地域における規制の実効性を高めてほしいという声とともに、少数地域の支援に保険料を充当することには納得感がないという声が依然として強いのも事実です。
今後、医療保険財政の中心的な支え手である現役世代が急激に減少することを踏まえ、くれぐれも保険料負担の上昇につながることのないよう、進捗状況のチェックを含めて丁寧な対応をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
私のほうからは、医療DXの推進について、これはやはり医療の質の向上や効率化に資するものであり、大変重要な取組だと認識しております。
その中で、特に電子カルテ情報共有サービスについては、加入者にとっても、緊急搬送時などの医療機関における検査情報や薬剤情報が把握できる、迅速に的確な医療を受けるなど、非常にメリットが大きいと考えております。保険者にとっても、事業所健診データとの連携において極めてメリットの大きいサービスだと認識しております。したがいまして、ぜひ国におかれても医療機関への働きかけと、この推進に当たっての一層の取組をお願いしたいと考えております。
なお、この費用負担につきましても法律の条文に書かれておりますけれども、今後、費用負担の在り方を議論する際には、国においてまず全体像を示していただき、利活用場面、あるいは医療機関における事務効率化等の受益者負担の観点等も踏まえた上で、関係者間で十分な協議を行っていただきたいと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
医療DXの推進について、参考資料に公的データベースにおける仮名化情報の利用や提供についての御報告がございました。データを連結して仮名化情報を研究者が利用できるようになるというのは本当にすばらしいことで、これで重要な問題についての研究が可能になると思います。
例えば、先ほどお話にもございましたが、高額療養費の制度変更案について非常に社会的な議論が巻き起こったわけですけれども、そのときに挙げられた懸念として、がん患者の医療費の自己負担額が過大になるのではないかとか、自己負担額が非常に大きいことで医学的に適切な治療が受けられなくなった結果、亡くなる方が出るのではないかということが非常に社会的に問題視されました。
こういった懸念をきちんと検証していくためには、まずいろいろなデータを連結しなければいけませんし、同じ方を長期間追跡しなければいけません。そうしますと、匿名化では不十分で、仮名化が必要になると思います。
データをどんどん利用していくことは、個人情報保護の懸念を持たれる方もいらっしゃいます。それから、仮に保護が万全であったとしても、自分の情報を使われることに嫌悪感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。けれども、まず個人情報の保護に関しては、クラウド上で利用されるために、データがどういう利用されたかという研究者の一つ一つの動作が全てきっちり監視される仕組みになっておりますから、完全にデータの利用が追跡されるために不正利用のリスクは小さくなるということを社会に向けて発信していただければと思います。
それから、高額療養費の問題でまさしく明らかになったように、公的データベースで可能になるのは人の生死に関わる、人生を左右する切実な問題についての研究なので、その点は自分の情報が利用されることに対して不快だと感じる方にも御理解いただければと思います。ぜひそういったことを社会に発信していただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いいたします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
医療法等の一部を改正する法律案は、新たな地域医療構想や医師偏在対策、医療DXなど、都道府県の新たな業務や財政負担に係る内容が多く盛り込まれた内容となっております。
この法案に対し、本年2月13日付で、全国知事会として厚生労働大臣に意見書を提出しておりますが、都道府県等をはじめ関係者との丁寧な調整や、技術的・財政的支援など、意見書の内容を踏まえた対応をよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、小林参考人、お願いします。
○小林参考人 医師偏在の是正に向けて、今回、地域の医療機関の支え合いの仕組みとして規制的手法が導入されたことは一歩前進と考えています。
他方、経済的インセンティブとして行う派遣医師、従事医師への手当増額の財源が保険者からの拠出となっていることについては、保険給付との関連性が乏しい施策の財源に保険料を充てるものであり、問題であると考えています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、御意見等がなければ、本日はこれまでとしたいと存じます。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡を申し上げます。
本日は、御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。これで閉会いたします。