第19回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録

日時

令和7年3月17日(月) 13:00~15:00

場所

厚生労働省専用第21会議室(WEB会議併用)

出席者

出席委員(五十音順)

(会議室)
(テレビ会議)

※◎委員長 ○委員長代理

行政関係出席者

厚生労働省
(会議室)
大臣官房厚生科学課        
  • 眞鍋 馨(厚生科学課長)
  • 水野 嘉郎(医薬品等行政評価・監視委員会室室長)
  • 江田 美沙子(医薬品等行政評価・監視委員会室室長補佐
医薬局
  • 森川 大輔(総務課長補佐)
  • 中矢 雄太(監視指導・麻薬対策課課長補佐)
  • 福田 悠平(医薬安全対策課課長補佐)
  • 浦 克彰(医薬品審査管理課課長補佐)
国立医薬品食品衛生研究所
  • 花尻 瑠理(医薬安全科学部長)
  • 青木 良子(医薬安全科学部主任研究官)
 

議題

  1. 1.委員の求めに応じた薬事制度・施策の実施状況について
  2. 2.委員の求めに応じた個別事項への対応
  3. 3.医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査
  4. 4.医薬局からの定期報告
  5. 5.その他 

議事

○水野室長 ただいまから第19回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開催いたしたいと思います。
 委員の皆様には、御多用の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員会につきましては、ウェブ形式と併用して実施しております。会場にお越しいただいている委員の皆様方と、厚生労働省外からウェブにて御参加いただいている委員の皆様がいらっしゃいます。
 また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っております。事務局や担当部局からの説明、回答は、できるだけゆっくり、はっきり御発言いただくようにお願いいたします。
 なお、資料は随時投映させていただきますが、通信環境が悪くなった場合は、通信負荷軽減の観点から資料の投映を中断して、音声配信を優先する等の対応を取ることがございますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは、以後の議事進行は委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 磯部です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、事務局から委員の出席状況の報告と、利益相反の取扱い規程に基づく各委員の申告内容の報告をお願いいたします。
○水野室長 御説明いたします。
 まず、委員の皆様方の出席状況をお知らせいたします。
 本日は、9名の委員全員に御出席いただいております。ありがとうございます。委員会開催の定足数に達していることを御報告いたします。
 続きまして、利益相反について御報告いたします。
 まずは、利益相反の取扱い規程に基づく、個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございますが、本日は、議事次第にございますとおり、制度や施策の概要をはじめといたしまして、全般的な議論が中心でございます。特定の医薬品について議論を行うことは予定しておりませんので、個別の医薬品に関する利益相反の申告は頂いておりません。御報告いたします。
 なお、本委員会では、個別の医薬品の利益相反のほか、全般的な利益相反の定期的な開示を行っております。各委員の皆様方からの申告書につきましては、厚生労働省のホームページで掲載しておりますので、併せて御報告させていただきます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議題としては、今、スクリーンに出ている「その他」を除けば4点です。
 議題1「委員の求めに応じた薬事制度・施策の実施状況について」として「医薬品医療機器制度部会のとりまとめ等について」、議題2「委員の求めに応じた個別事項への対応」として「後発医薬品の製造販売承認書と製造方法及び試験方法の実態の整合性に係る点検等について」、議題3「海外調査について」、議題4「医薬局からの定期報告について」を取り扱います。
 まず、これらの議題に先立ちまして、前回の第18回の委員会の資料3-2に修正が生じたということですので、参考資料6を御覧いただきながら、この点、事務局から説明を簡潔にお願いいたします。
○江田室長補佐 前回第18回の資料3-2で御報告しましたFDA、EMAにおける患者・市民参画の取組について、4ページのアメリカのPRP(患者代表プログラム)は、医薬品の開発段階のみならず、市販後においても意見を述べる委員会であるため、現在の資料では誤解を招くとの指摘がありました。より正確な資料とするため、参考資料6のとおり修正させていただきたいと考えております。
 参考資料6を御覧ください。修正箇所は3か所です。
 まずは4ページ目のオレンジの枠囲みの中です。前回の資料では「この諮問委員会が開催されるのは、NDAが提出されたタイミング」とあったのを、こちらにありますとおり「患者代表が参画する諮問委員会は、医薬品ライフサイクルの全ての期間において開催される」と修正します。また、4ページ目から6ページ目でタイトルの下に記載されていた「医薬品開発パイプライン上の参画タイミング」という記載を削除しています。
 これらの内容について御了承いただけましたら、明日以降、第18回のホームページの掲載資料も本日の参考資料6の内容に差し替えさせていただきたいと考えております。
○磯部委員長 いかがでしょうか。この点、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○磯部委員長 では、そのようにさせていただきます。
 では、本日の議題に入りたいと思います。まずは「医薬品医療機器制度部会のとりまとめ等について」、医薬局総務課から資料1に基づいて、20分程度ということでお願いしておりますが、御説明をお願いいたします。
○医薬局総務課 医薬局総務課でございます。
 私のほうから「医薬品医療機器制度部会のとりまとめ等について」という資料を御説明させていただきます。
 まず、2枚目からです。令和元年に薬機法の大きな改正がございまして、その検討規定に基づいて、改正法の施行状況を踏まえたさらなる制度改善に加え、人口構造の変化や技術革新等により新たに求められる対応を実現する観点から、令和6年4月以降、関係業界へのヒアリングを含めて計10回にわたり検討を行い、今年の1月に取りまとめを公表させていただきました。
 具体的な方策としまして、大きく4つの柱、マル1医薬品等の品質確保及び安全対策の強化、マル2品質の確保された医療用医薬品等の供給、マル3ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備、マル4薬局機能・薬剤師業務のあり方の見直し及び医薬品の適正使用の推進について、それぞれ次のような見直しを行うことが必要とされました。以下、それぞれの柱について御説明させていただきます。
 マル1医薬品等の品質確保及び安全対策の強化についてです。
 まず、報告書本体の記載から背景を簡単に御紹介させていただきます。令和元年改正法以降も、後発医薬品の製造業者等を中心とした不適正な製造事案の発生が続いており、薬事監視の質的な向上の必要性が指摘されているということがございます。また、さらなる法令遵守や品質確保、違法行為の抑止に向けた包括的な取組が必要であるというような指摘もありまして、また、さらに市販後に収集された情報に基づく安全確保措置に加えて、リスクベースの市販後安全対策を効果的に実施する必要があるといったようなことが指摘されました。
 そのような背景を踏まえまして、個別の項目に入りますが、まず、1の部分で、製造販売業者等に対し、責任役員が原因で薬事に関する法令違反が生じた場合等、保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するために特に必要な場合には、当該責任役員の変更を命じることができるようにすべきであるとされました。また、医薬品の製造販売業者に対し、製造所における製造管理及び品質管理の定期的な確認及び情報の収集や、品質保証責任者の設置を法律上義務づけるべきであるとされました。また、医薬品の製造業者に対し、承認申請時に限らず、製造管理・品質管理上の基準の遵守を義務づけるべきであるというふうに取りまとめられました。
 続いて、2の製造販売後安全管理の関係でございます。この点は、医薬品のリスク管理計画の作成や安全管理責任者の設置というのが現在は省令上の位置づけでありますが、特にリスク管理計画の関係については、承認条件が解除された後はそれに基づく安全対策が一律に終了してしまうというようなことがございますので、今回、法改正によって製造販売業者に対してリスク管理計画の作成や計画に基づくリスク管理の実施、安全管理責任者の設置を法律上義務づけるべきであるとされました。また、リアルワールドデータのみによる再審査または使用成績評価の申請が可能であることを法律上明確化すべきであるとされました。
 3のGMP適合性調査の見直しの関係です。こちらは、定期適合性調査に関して実施頻度を現行の5年に一度から3年に一度に見直すとともに、製造所のリスク評価を事前に行いまして、低リスクと評価された場合には調査を不要として、製造管理・品質管理上のリスクの高い製造所に対しては高頻度で実地調査を行えるようにするというような、メリハリをつけてGMP調査を行えるようにするという内容でございます。
 4の国家検定制度の合理化です。こちらは、企業の技術の向上等を背景としまして、実地検査によらずに書面審査のみによる検査に合格した場合であっても医薬品等の販売等を可能とするというふうに取りまとめがされました。
 5の感染症定期報告制度の見直しです。こちらは、定期的な報告というふうに現行制度上されていますけれども、再生医療等製品、生物由来製品のリスクが高い場合に速やかに評価・検討結果の報告を求めるとともに、他方で報告対象がない場合には報告を不要とする、必ずしも定期の報告を求めないということでよいのではないかとされました。
 6の体外診断用医薬品の関係ですけれども、こちらは、ウイルス等の変異への対応を可能とするとともに、市販後の性能を担保するために、製造販売業者に対して情報収集、評価、報告を義務づけるとともに、市販後の性能が担保されない場合には承認を取り消す仕組みを導入すべきであるとされました。
 7は、あくまで例外的、特例的な扱いということでありますけれども、医薬品及び体外診断用医薬品の製造管理者について、薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合は、薬剤師以外の技術者をもって代えることができる特例を設けるべきであるとされました。
 8は、登録認証機関の調査能力の維持向上や均一化を図るために、登録認証機関が製造販売業者に対して行う実地調査にPMDAが立ち会って助言を行えるようにするとともに、業務の休廃止に関する規定を整備すべきであるとされました。
 3枚目に行きまして、マル2品質の確保された医療用医薬品等の供給についてです。
 まず、背景といたしましては、海外での製造トラブルを発端とした医薬品の供給の不足や製造販売業者等の品質管理に係る行政処分が相次ぐとともに、品質の確保された医薬品の安定的な供給が困難となっているという状況がございます。また、後発医薬品産業における一部非効率な生産構造や過当競争等の問題もあることが指摘されています。このような状況を踏まえまして、製造販売業者における供給体制の整備等を通じて品質の確保された医療用医薬品の適切な供給を図る必要があるとされました。また、薬事規制の面でも、グローバルサプライチェーンが複雑化する中、迅速な薬事承認を可能とする体制の確保や、国際的に整合したリスクベースの管理が実現できる手続の明確化を図る必要があるというような背景がございまして、1から6までの内容を説明していきます。
 まず、1の安定供給確保に向けた体制整備です。医療用医薬品の製造販売業者に対して供給体制管理の責任者の設置を義務づけるとともに、安定供給のための必要な措置を遵守事項として規定すべきであるとされました。
 2の医療用医薬品の供給不安の迅速な把握等についてです。マル1供給状況報告や供給不安報告の大臣への届出の義務化、マル2供給不足のおそれがある場合に大臣が製造販売等の状況の報告を求めることができる旨の規定を整備する、マル3供給不足のおそれがある場合に大臣が必要な協力の要請ができる旨の規定を設けるべきであるとされました。次は麻薬の関係で、麻薬の譲渡についていろいろな制限が法律上かかっているところを、安定供給の観点から、麻薬卸売業者が一定の場合に隣接する都道府県の区域内にある麻薬小売業者等に麻薬を譲渡できるようにするとともに、麻薬の回収等のための譲渡をできるようにすべきであるとされました。
 3の安定供給確保医薬品の供給確保策ですが、安定供給確保医薬品について専門家の意見を聴いた上で大臣が指定するとともに、生産の促進その他の安定的な供給の確保のために必要な措置の要請、需給状況の把握のための製造販売業者等に対する報告徴収等の規定を設けるべきであるとされました。
 4の海外代替品の関係ですけれども、既承認の医薬品等の供給の不足により医療上の著しい影響が生じる場合に、外国で流通している代替品について、優先的な承認審査や一定期間の外国語表示による包装の容認等を可能とすべきであるとされました。
 5の製造方法の変更の関係ですが、品質に与える影響が大きくない中リスク事項に係る変更について、一定期間内で迅速に承認するとともに、軽微変更のうち品質に与える影響が少ないものについては、随時の軽微変更届ではなくて、当該変更内容を1年に1回大臣に報告することで足りるというような新たなスキームとすべきではないかということが取りまとめられました。次は日本薬局方の関係ですが、薬局方に不適合な品目であっても個別に承認できる余地を与えるべきであるとされました。また、生物学的製剤や放射性医薬品等の保管のみを行う医薬品の製造所や外国製造業者の製造所について、認定制から、よりハードルの低い登録制にすべきであるとされました。
 6のモニタリングの実施ですが、電子処方箋管理サービスのデータについて、医療用医薬品の需給状況の把握の観点から、厚生労働大臣が調査・分析できる旨の規定を設けるべきであるとされました。
 続いて、マル3ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備です。
 背景といたしましては、近年、医薬品の製造の基盤技術の方法が多様化、複雑化していること、アカデミア、ベンチャー企業等との連携による創薬が一般化していること、リアルワールドデータの利活用への期待の高まりなど、もろもろの創薬環境が変化しているということがございまして、そのような変化を踏まえて、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの解消に向けて、薬機法上の各種制度等の改善を通じて創薬環境や規制環境を整備する必要があるということが言われております。
 まず、1の小児用医薬品の関係です。小児用医薬品の開発の計画策定を努力義務として課すとともに、再審査期間の上限を現行の10年から12年に引き上げるべきであるということが言われました。
 2の条件付き承認制度についてですが、取消し規定を設けた上で、探索的試験の段階で臨床的有用性が合理的に予測可能な場合に承認を与えることができるようにすべきであるとされました。
 3のリアルワールドデータを薬事申請に利活用できる旨を明確化すべきであるということも取りまとめられました。
 4で自家細胞を用いた再生医療等製品のうち規格外品について、安全性が確保されていることを前提に、規格外であることにより推定される効果の低下に比して治療を受ける機会の損失の影響が多大である等の場合に限って、授与等を例外的に許容すべきであるというようなことが取りまとめられました。
 続いて、4枚目に入りますが、マル4薬局機能・薬剤師業務のあり方の見直し及び医薬品の適正使用の推進の関係でございます。
 背景といたしましては、医療需要が増大する中、対物業務を効率化することによって、より対人業務に注力できる環境を整備すべきであるとか、地域における薬局機能の見直しを行う必要があるというようなことが言われております。また、情報通信技術の進展も踏まえまして、要指導医薬品や一般用医薬品へのアクセスを進めるとともに、濫用等の課題に対して迅速かつ適切に取り組む必要があるというようなことが言われております。
 このような背景を踏まえまして、まず、1の部分ですけれども、薬剤師等が常駐しない受渡店舗において、当該店舗に紐づいた薬局や店舗販売業の薬剤師等による遠隔での管理の下、医薬品を購入者へ受け渡すことを可能とすべきであるということが取りまとめられました。
 続いて、2の外部委託の関係で、患者さんの安全確保を大前提としまして、都道府県知事等の許可により調剤業務の一部の委託を可能とすべきであるということが言われました。
 3ですけれども、まず、地域連携薬局について、居宅等における情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を主要な機能として位置づけるということや、現行では省令上の位置づけである健康サポート薬局について、都道府県知事の認定を受けて当該機能を有する薬局であることを称することができるように法律上すべきであると取りまとめられました。
 4の薬局機能情報提供制度の見直しの関係です。薬局機能情報の報告先に保健所設置市の市長や特別区の区長を含めるといったこと、あと、都道府県知事から大臣への報告義務を課して、大臣から必要な場合に助言等を行えるようにする、そのような権限を設けるべきであるというようなことが取りまとめられました。
 5の医薬品の販売区分及び販売方法の見直しです。まず、マル1ですが、医療用医薬品については処方箋に基づく販売を原則とした上で、やむを得ない場合にのみ薬局での販売を認めるべきであるということが言われました。こちらは、現行では通知上の扱いであるものを法律上明確にするという位置づけのものでございます。
 マル2、要指導医薬品の関係です。オンライン服薬指導により必要な情報提供等を行った上で販売することを可能とするとともに、適正使用のための必要事項等の確認について対面で行うことが適切である品目については、オンライン服薬指導のみにより販売可能な対象から除外できるようにするべきであるということが取りまとめられました。また、医薬品の特性を踏まえて、必要な場合には要指導医薬品から一般用医薬品に移行しないことを可能とするとともに、一般用医薬品に一度移行した後であっても、個別の品目についてリスク評価を行って適切な区分への移行を可能とすべきであるということが取りまとめられました。
 マル3、濫用の関係です。濫用等のおそれのある医薬品を販売する際、薬剤師等に必要な事項を確認させ、情報提供を行わせること等を義務づけるべきであるということや、販売方法については、年齢や数量に制限をかけた上での販売を義務づけるべきであるという内容が取りまとめられました。また、商品の陳列をする際には、顧客の手の届かない場所への商品陳列または専門家が配置される場所から目の届く範囲内への陳列で対応すべきであるということが取りまとめられました。また、薬局開設者や店舗販売業者において、販売業務に関する手順書に頻回購入に対する適切な業務手順を整備して、当該業務手順に基づいた実施を行うべきであるというようなことも取りまとめられました。
 マル4の一般用医薬品の分類と販売方法の関係です。1類、2類、3類といったリスク分類に基づく現行の区分は維持するという結論になりましたけれども、販売における専門家の関与のあり方については、販売区分に応じた留意事項も含めて、指針等により明確化すべきであるということが取りまとめられました。
 6の処方箋等の保存期間の見直しですが、診療録の保存期間との整合を図るため、調剤済みの処方箋や調剤録について保存期間を現行の3年間から5年間に改めるべきであるということが取りまとめられました。
 5枚目は、先月閣議決定されまして、現在国会に提出されている改正法案の概要です。この1枚に全ての項目を網羅できておりませんけれども、今まで御紹介しました制度部会で御議論いただいた内容の全てを法律の条文の形にしたものでございます。
 改正の趣旨の部分ですけれども、不正事案の発生等に伴う医薬品の供給不足や創薬環境の変化等の状況に対応し、引き続き、品質の確保された医薬品等を国民に迅速かつ適正に提供していくためということで、法案の4つの柱ですけれども、「1.医薬品等の品質及び安全性の確保の強化」「2.医療用医薬品等の安定供給体制の強化等」「3.より活発な創薬が行われる環境の整備」「4.国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化等」といった必要な措置を講ずる内容となっております。
 概要の部分は、繰り返しになりますので、説明は割愛させていただきますが、施行期日の部分ですけれども、安定供給の関係や濫用のおそれのある医薬品の関係など速やかに施行すべきものは、改正法案の成立、公布後6月以内または1年以内の施行とさせていただいておりまして、また、製造販売業者や都道府県の準備に時間を要するものについては、公布後2年以内または3年以内の施行とさせていただいています。
 以上が資料の説明です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問があればお願いいたします。
 まず、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございます。
 4点ほどあるのですが、具体的な方策のマル1、マル3に関する質問です。
 マル1の「2.医薬品安全管理責任者の設置とその他の製造販売後安全管理」の最初の丸のところでリスク管理計画の実施を義務づけるということなのですが、具体的にどのように実施されたかという確認をどのように行われる御予定か、教えていただけますでしょうか。それが1点目です。
 2点目の質問は、その下の丸に、リアルワールドデータのみによる再審査が可能と書いてあるのですが、既に現在そうですよねという確認です。従来型の比較群のない使用成績調査を紙ベースの調査票で収集する場合もデータはリアルワールドデータですが、ここはデータベース調査という意味なのでしょうかというのが質問の趣旨です。
 それから、マル3の「ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの解消に向けた」というところの「2.希少・重篤な疾患に対する医薬品等に係る条件付き承認の見直し」の希少疾患については理解できるのですが、「希少・重篤」の読み方は、希少かつ重篤というふうに理解していいのか、希少ではなくても重篤ならばいいのかという辺りを御説明いただければと思います。
 その次の3もリアルワールドデータのところで、ここに書いてあることの意味がよく分からないのですが、「添付資料の規定を一般的なものに改める」の「一般的なもの」というのは何を意味するのでしょうか。
 以上、4点です。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 お願いいたします。
○医薬安全対策課 医薬安全対策課でございます。
 まず、1点目ですけれども、RMPの作成・実施の義務づけに関して、その実施状況の確認をどのように行うのかという御質問を頂きました。これについては、定期的に実施状況を製造販売業者のほうからPMDAに報告していただくことにしております。具体的には再審査期間中のものは安全性定期報告のタイミングに合わせて御報告いただく。それをPMDAのほうで確認するというようなことにしております。
 2点目ですけれども、リアルワールドデータを再審査に活用できるようすることについてですが、リアルワールドデータと書いてありますけれども、ここで具体的に想定しておりますのは、御指摘のとおり、医療情報データベース等のデータの活用でございます。これは既にGPSP省令上、明確化されていますので、現状でも可能ではあるのですけれども、法律上明確にすることでより利用を促進したい、そういう意図でございます。
 以上でございます。
○医薬品審査管理課 続きまして、医薬品審査管理課のほうから、3点目、4点目について御回答させていただきます。
 3点目は、条件付き承認について、重篤と希少、2つ書いてあるけれども、「かつ」なのかどうなのかということなのですが、こうした条件付き承認制度というのは、あくまで新たな治療法を必要とする患者さんに対して早期にお薬を届けるための仕組みだと考えております。そうした意味では、単に患者数が少ないだけということに限らず、どうしてもそういった治療が必要な重篤な患者さんも含まれると思っておりますので、ここは「または」という意味合いで捉えていただければと思います。
 4点目のリアルワールドデータについては、一般的な規定に改めるという部分なのですけれども、承認申請資料は、現在は臨床試験の試験成績に関する資料、その他の資料という形で法律上規定されておりまして、あたかも臨床試験に関する資料を必ずしも提出しなければいけないというような意味合いで読み取れるような形になっております。それに関しまして、より平易な形で品質、有効性、安全性に関する資料を提出してくださいというような形に改めることによって、現在、様々なデータのつくり方ができるようになってきていますので、それに応えられるような形にしていきたいということでございます。
 以上でございます。
○佐藤委員 よく分かりました。ありがとうございました。
 リスク管理計画の実施の確認に関しては、これは意見なのですが、今後の課題として、実際にリスク管理計画を実施した結果がうまくいったのかということの評価に関する何らかのガイダンス的なものをつくっていただければと思っております。今後の課題ということで、意見として申し上げておきます。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、泉さん、どうぞ。
○泉委員 泉です。ありがとうございます。
 私からは質問と意見を述べさせていただきます。
 まず、質問は、1枚目の背景等のところに「令和6年4月以降、関係業界へのヒアリングを含め計10回にわたり検討」と書いてありますが、この関係業界とはどこなのか、お示しください。
 そのまま質問させてもらいます。マル1の医薬品等品質管理の1の2つ目の丸に「品質保証責任者の設置を義務付ける」と書いてありますが、この義務づけに関しては、どのように確認して、必ず責任者が設置されているというふうにその義務を確認するのでしょうか。ほかにもあると思うのです。GMPでいろいろ。こちらのほうは条件を法律を変えてしても、それを守ってこなかったから今日があるのであって、その確認を今後はどのようにしていくのかということを聞きたいです。
 質問を続けます。マル2の4は「医薬品等の供給不足時の海外代替品のアクセス改善」と書いてありますが、これに関しては何か条件とか担保をつけているのか、それを聞きたいです。
 質問としてではなくて最後に意見としては、マル3の3の「リアルワールドデータの薬事申請への利活用の明確化」と書いてあります。その前のページにもリアルワールドデータの薬事申請を簡易化するように書いてありますけれども、このリアルワールドデータの管理はPMDAがするのだと思いますが、PMDAは今、人材がいっぱいいっぱいの状況だと思います。ここでこのリアルワールドデータのための人材を増やす、そういう予定はあるのかどうか、ぜひ増やしてもらいたいと思います。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、お答えいただけますか。
○医薬局総務課 医薬局総務課でございます。御質問ありがとうございます。
 まず最初のところを私から御回答させていただきます。医薬品医療機器制度部会の中で関係業界へのヒアリングをどのような団体に対して行ったのかということですけれども、こちらは、日本薬剤師会、製薬業界から日薬連、実際に販売の現場を担っているチェーンドラッグストア協会、もっといろいろあるのですけれども、そのような団体にヒアリングを行ったところでございます。
○監視指導・麻薬対策課 続きまして、監視指導・麻薬対策課の中矢と申します。
 御質問いただきましたマル1の1の2つ目の丸の後半、品質保証責任者設置の義務づけについて回答させていただきます。こちらは、医薬品製造販売業者が製造業に対する監督責任をしっかり果たすように新たに法的に位置づけて、義務づけを行うというものでございます。この義務づけをどうやって確認するかということにつきましては、GQPに係る許可申請や更新申請の際にこの品質保証責任者が設置されているかということを確認する、そういった方向で進めていくことを考えております。
 以上です。
○泉委員 建前はそうだと思いますが、10年前に化血研でああいう違反があって、その後、数年前からGMP違反がいっぱい出ているのです。当然として今までも品質保証責任者を義務づけるとしていましたが、それでは甘いと思うのですが、どうでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
 品質保証責任者の設置の件につきまして、御質問を頂いたところですが、GMPや品質関連の法改正として、ほかに、1.の1つ目の丸にあるような責任役員の変更命令ですとか、同じページの3.のGMP適合性調査の見直し、そういったことをセットにして、品質確保、安全対策について対応してまいりたいと思っております。また、法改正以外でも、無通告立入検査の強化や、予算でカバーできる面も併せまして、この問題に対応してまいりたいと思います。
○磯部委員長 言いたいことがあるでしょうけれども、3つ目、4つ目のお答えを頂いてからにしましょう。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 3つ目の点、海外代替品について何か条件、担保があるのかということですけれども、これは、国内で供給が逼迫したときなどに海外で流通しているお薬を日本に導入することについて速やかな審査ができるよう規定を設けたいというものでございます。この際には、日本と同等の審査の枠組みを持っている国で承認されていることを条件といたしまして、その上で日本においても当然、急ぎはしますけれども、品質、有効性、安全性の観点から審査を行うということにしておりますので、そういった中で適切に対応してまいりたいと思っております。
 また、リアルワールドデータの薬事利用の明確化に関しまして、頂いた御意見として、リアルワールドデータの管理をPMDAがするのかということなのですけれども、あくまでこの文脈でいきますと、リアルワールドデータなどを通じて創出されたデータを薬事申請・承認の際にも使っていきたいということになりますので、そういった意味合いでは、きちんと適切にそのデータを評価できる人材がいるか、審査することができるかどうかという観点になってくるのかと思っております。その文脈におきましては、PMDAの審査体制等は適切に評価ができるように今後とも留意しながら、十分な体制で審査ができるように努めてまいりたいと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 よろしいですか。
○泉委員 先ほど責任役員の交代等のそういう措置も考えたとおっしゃっているけれども、当たり前なのです。人が亡くなるのです。知らないで使った者が亡くなっていくのに、刑事事件に属してもいいぐらいな責任を負うべきだというような企業が、それを交代するような形で安易にそこ止まりでは困るから、今後またその先を考えてください。よろしく。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
 今後の法改正を国会でお認めいただいた場合、その先の法施行状況も踏まえて、さらなる制度改正を検討していく必要があると思いますので、頂いた御意見を踏まえて、対応してまいりたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 令和元年の改正で様々な改革、課徴金制度を導入したり、ガバナンス強化を図ったりといったことを行い、しかし、それでもなお十分ではないということからこの検討が始まったわけですね。ですので、いろいろやれることをやろうとしているのは分かるのですが、それが実効性ある改革になっているのかというところは厳しく見ていきたいということですので、頑張っていただければと思います。
 花井さん、どうぞ。
○花井委員 私は議論に参加していたので、質問はないのです。ただし、当該委員会でやはりここは注目すべきではないかというところ、個人的な意見を委員の皆様に申し上げたいと思います。今回の改正は、規制緩和部分と強化部分が結構入り組んでいます。それから、かなり実務的な、技術的な問題等、大きな問題も含んでいて非常に多岐にわたっているので、ここで全部監視し続けるのは難しいと思うのですが、これまでここで議論されたことの関連を含めて、この辺を注目したいというところ、個人的意見を申し上げたいと思います。
 まず、1ページ目ですけれども、いわゆる安責と品責が法律要件になって、今までは総責だけだったわけですね。それが要件になって、RMPが今までは承認条件だったのが法律事項として分離したということで、ここに関しましては、ここで議論していた、つまり市販直後の安全対策がMR任せだと、本来メディカルのリエゾンがやるべきではないかみたいな議論で、リエゾンとMRの関係をずっと議論したと思うのです。今回も同様で、それをいろいろ法制化しようという試みはあったのですけれども、結局、キャリアパスが違うから、リエゾンが病院で先行して医師とアポイントをとってしまうとMRの販売機会が失われるということがありうるわけです。そうすると、MRがリエゾンに格上げになって、結局、リエゾンが同じような、メディカルなのか、営業なのか分かりませんけれども、同じような活動をされてはもうどうしようもないというところがあります。その話が果たしてこの安責、品責の法制化とRMPの新たな運用によって改善されるのだろうかというのが大きなテーマだと思いますので、この辺はこことして注目すべきではないかということだと思います。
 特にRMPをつくっても、今までは承認条件だったのだから、本来それをやっていなければ承認条件違反だったはずなのだけれども、それもさっきおっしゃられたように、ちゃんと守っているかどうか分かるのですかと言ったら、それは誰も監視していなかったですね。今回はそこを改正したのだから、当然こちらが注目していた今の点について、改善されたかどうかということを注目すべきかと思いました。
 次のページですけれども、品質確保された医薬品の供給です。これは、ある種、かなりの規制強化というか、安定供給に関することをかなり入れ込んでいるということで、血液並みとはいかないのですけれども、かなりやっているところだと思いますが、ここはそもそも保険局と医薬局と健康局があるわけですね。ところが、保険局ベースの強力な診療報酬の政策誘導の影響というのがこれまで大きく出ていて、それでいろんなことで医薬局が右往左往するという形になっています。はっきり言うと、やはりここは各局連携が足りないと思います。
 ちょっと興味本位で聞きたいのは、大臣が高額医療費を引き上げるみたいな話をして、ひんしゅくを買ったじゃないですか。あれは保険局がレクチャーしているのではないのかと思うわけです。健康局とも話をちゃんとしていれば、あんなことは起こらないわけです。がんの患者さんに面と向かってですね。いわゆるオフラベルとか早期承認とかやってきたことが全体の中にあるのだから、ちゃんとレクを受ければ、あんな失態はなかったはずなのに、保険療養と安全というのは医政も健康も医薬も連携して全体になっているから、縦割りによって首相も恥をかいているみたいな形になっていますし、そこのところはちゃんと連携してほしい。
 診療報酬全体についてはもちろん保険局マターですけれども、高額療養費だけ絞ればいいというものではない。誰もが知っている話なわけで、それを首相がああいうふうに言ってしまったというのは、厚生労働省側が不親切だったというか、一部のセクションが言った話がそのまま上がったように見えます。ここでは言えないのかもしれないですけれども、厚労省として、政府が、大臣とか首相が政策をちゃんと言えるように、縦割りではない形で、あの局が勝手にやっているのだみたいな話はやめて、特に健康、安全を含めるところは横のつながりを密にしていただきたいというのが2です。
 それから、3ですが、さっき言った条件付き早期承認、これは実は規制緩和しているのですね。というのは、結局、前回の緩和部分だった訳です。ところが、あまり利用されていなかった。もっと利用してほしいということでさらなる緩和ともいえます、ただし、それだけ言ったら問題だから、その代わり、駄目だったら取り消しますと言っている。ここでも議論していたけれども、日本は一回承認したら取消ししないじゃないか。FDAの、EMAとの比較のときもそうじゃないですか。日本は承認するからという、緊急承認のゾフルーザでも議論があるでしょう。そういうところがあって、今回、取り消しますと明確に書いたから、いいことのように思えるのだけれども、本当にできるのですかということです。つまり、単なる条件付き早期承認の有効性の推定とか確認とか、そのレベルでやって割と間口を広げる、政策誘導する条文だと思うけれども、その代わり取り消しますよと言っているのだから、その取消しについてここで監視が必要だと思います。条文上は取消し条項をつくったことでいいように思えるけれども、実際の運用でそうなるのかと、今までの歴史から見ると、というところを注視する必要があるかなと思いました。
 それから、4ページ目ですけれども、これは関係者といっても、つまりステークホルダーというと、日本医師会、薬剤師会、そういうことで医療をやっているのですけれども、ここに関して言えば、大手流通小売業がステークホルダーに入っているわけですね。その話と、そういうところの圧力というか現実とこっちの規制が相克したというのがここの議論の大きな理由で、ドラッグストアは医薬品を売っているけれども、半分スーパーマーケットみたいな業態もあるから、そうした要望と本当の医薬の安全性というところは整合がなかなかしにくいので、もめたというのが実態だと思います。
 ここでちょっと言いたいのは、都道府県の役割です。若干議論になったのですが、査察体制で都道府県の役割を強化すべきみたいな議論がありました。そもそもPMDAがそれをちゃんとするというところを僕は言っているのですが、多くの委員は、都道府県、もっと頑張れみたいな話になっているのです。そもそもグローバルな感じから言えば、PMDAを強化しなければいけない。都道府県の役割を強化するためにPMDAの職員が研修に行くと言っているのです。研修するPMDAの役員は一級のインスペクターが行くわけです。本末転倒だと思います。
 ここで議論しているのは、そもそも薬局、薬剤師、その他、いわゆる売り方ですね。それを監視するのは都道府県の役割で、そもそもそれが十分できていなかったから違法状態、専門家の関与の販売がなかったわけで、それをちゃんとしようとしているのだから、まずそこの仕事をちゃんと都道府県がやった上で、さらに余力があるなら査察もあるのだけれども、査察体制について、先ほど泉委員からあったように、PMDAの職員不足、専門家不足が大きな問題だから、そこの強化を中心にすべきとあそこでも主張したのですが、多勢に無勢で少数派でした。ここではグローバルに通用する査察体制、PIC/Sとかいろいろあるわけで、もちろん都道府県は何も仕事をするなとは言いませんけれども、一般用医薬品販売の監視は仕事であるのだから、まずそこを都道府県がちゃんとやるというところを前提として、それで査察の連携とか、もちろん都道府県は査察しなくていいとは言いませんが、やるべきことをちゃんとやれているかどうかということを考えた上で、リソースの配分を考えてほしいというのが私の考えです。今、言った点はこの監視委員会でこれまで議論してきたことで重要なので、委員の皆様にそこのところを注視していただけたらと思いました。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 予定の時間を大幅に超えておりますが、ウェブで参加の先生方、何かあればお願いします。奥田先生、どうぞ。
○奥田委員 一点だけ教えてください。マル1の安全対策の強化の項目で、7の「医薬品製造管理者等の要件の見直し」、これは花井委員の御説明で規制緩和の流れをくんだ項目に該当するのだと理解しておりますけれども、安全対策の強化という項目だと、一見、逆方向の話だろうというふうに思えますが、これは安全対策の強化になるという議論になっているのかどうかを教えていただきたいとの、あと、著しく薬剤師の確保が困難な場合に薬剤師以外の技術者をもって代えることで品質管理の機能が低下する可能性が、あくまでも可能性があるかなと懸念されるのですけれども、この場合、品質管理を維持するための方策あるいは見込みについて教えてください。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 御回答をお願いします。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 今、頂いた点、製造所の製造管理者について薬剤師以外がやると規制緩和ではないかということなのですけれども、ある側面、奥田先生がおっしゃるとおりの部分があるかと思います。
 制度部会で出た御意見を御紹介させていただきますと、まず、製薬業界のほうから、薬剤師の確保に努めているけれども、薬剤師の確保が難しい、特に若手の薬剤師の確保が非常に難しいということが指摘されまして、その上で、現状では職位の高くない薬剤師を管理者として置かざるを得ない状況があるのだということが問題意識として提示されたところでした。こういったことを踏まえて、例外的な規定として薬剤師以外の技術者を置くということを、総括販売責任者と同様の規定を設けて例外的な対応をしてはどうかということで御議論いただいたところです。いずれにしても、薬剤師がしっかりと関わりながらやっていくような方向で全体的な方針としてやっていかなければいけないということにはなっておりますので、この辺りもしっかりフォローアップしながら対応していければと考えているところでございます。
○奥田委員 ありがとうございます。
 安全対策の強化という意味でいうと、今のお話だと必ずしも強化になっていないように思うので、その辺り、今後の方策の中でいかに確保していくのかというのはもう少し具体的にしていただく必要があるのかと思いました。
 以上です。
○医薬品審査管理課 ありがとうございます。御指摘を踏まえて、引き続き対応していきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○監視指導・麻薬対策課 監視指導・麻薬対策課でございます。
 先ほどの花井委員から頂いたコメントにつきまして、返答させていただきたく、査察体制の強化について、PMDAと都道府県の関係についてお話しいただきましたが、この点、マル1の3のGMP適合性調査の見直しについて御議論いただいた内容であると承知しております。委員から頂きました指摘も踏まえまして、PMDAと都道府県、両方の査察体制を強化すべく、研修や人員の強化、そういったところを進めさせていただきたいと思います。
 
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、そういうことで今後も実施状況を関心を持って見ていくということにして、議論はまた続けましょう。ありがとうございました。
 それでは、続いて議題の2に行きたいと思います。「委員の求めに応じた個別事項への対応」として「後発医薬品の製造販売承認書と製造方法及び試験方法の実態の整合性に係る点検等について」ということで、本件は泉委員から取扱いの御要望を頂いたものです。
 資料2について監視指導・麻薬対策課から御説明をお願いいたします。10分ほどでお願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課 監視指導・麻薬対策課の中矢と申します。
 それでは、本議題につきまして、説明させていただきたいと思います。
 1番が「後発医薬品の製造販売承認書と製造方法及び試験方法の実態の整合性に係る点検について」、2番が「医薬品の品質確保に向けた取組について」でございます。
 まず、1の点検についてお話をさせていただきます。
 点検の経緯でございますが、スライドに示しております後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会報告書、昨年5月に出ましたこちらの報告書の中で後発医薬品産業の在るべき姿、そして検討の方向性について示されたものです。
 その中の1の「製造管理・品質管理体制の確保」というところで徹底した自主点検の実施をするべきだということが示されました。詳細は次のスライドにございます。
 課題として挙げられたのが、品質が確保された後発医薬品を安定的に供給し続けるに当たり、製造管理、品質管理の徹底は当然の前提である。後発医薬品企業においては、自らの襟を正し、産業全体が一丸となって信頼回復と供給不安の解消、再発防止に取り組むべきとされました。
 具体策として点検の実施ですが、JGA会員企業以外も含めた全企業で徹底した自主点検を早急に実施すること、第三者である外部機関の活用も推奨されること、書面点検と従業員のヒアリングをすること、点検結果を公表し、所管の都道府県や厚労省へ確実に報告することとされました。
 点検の詳細でございます。今までも何度か自主点検されておりますが、見逃されているものがあるのではないか、または意図的、無意識にかかわらず、隠している、隠れているものは見つからないのではないか、JGA会員以外はどうするかというような課題が示されました。
 方向性として、これまでの課題を踏まえ、より実効性のあるものとするために業界に対して下に挙げたような点検の実施を求めたところです。実施主体としては、JGAの加盟・非加盟によらず、後発医薬品の製造販売承認を持つ全企業、方法は、製造や試験等に従事している従業員等へのヒアリングも実施することや、公益通報窓口の社内周知も同時に実施することとされました。また、行政による実効性の担保でございますが、都道府県においても、全後発医薬品製造施設を対象範囲として、自主点検の内容を踏まえて、リスクを評価の上、無通告立入検査を計画、実施するとともに、自主点検後に行政による無通告立入検査が続くことを事前に周知することで、企業による自主点検の実効性を担保するとしました。さらに、都道府県の検査につきましては、その状況に応じてPMDAが支援していくものといたしました。
 それでは、この点検の結果でございます。まず、令和6年11月に速報値が出されまして、その後、整理して令和7年1月24日に最新の値として出しているところでございます。結果を申しますと、品質や安全性等の影響から、回収対応も検討する必要がある重大な相違が確認された品目はゼロ品目であった。それ以外の相違として3281品目、全体の37.6%が報告されたところでございます。時間の関係上、詳細は割愛いたしますが、製造方法欄、試験方法欄の中身によって相違の分類がなされています。承認書と表記の不一致、追加・省略があった、口頭伝承、転記ミス、試薬適合性の未確認などといった分類分けがされておりまして、その分類による表が8ページでございます。
 承認書と製造実態との相違として報告された品目数が、承認書と表記の不一致であれば35.2%、承認書からの追加・省略が33.5%、そして、承認書と試験実態との相違として報告された品目数が、同じく承認書と表記の不一致だと31.9%、承認書からの追加・省略だと24.3%というように報告されております。
 日薬連、業界団体による認められた相違の要因分析でございますが、(1)の承認書との表記の不一致事例でしたら、承認書と手順書で製造パラメーター値が異なるといったような分析がなされました。ほか幾つかございますが、時間がございませんので、割愛させていただきます。
 行政の対応、14ページに参ります。自主点検の結果を受けた行政としての今後の取組についての御説明です。点検を実施した製造所に対する無通告立入検査の実施を行ってまいります。すなわち、点検が適切に実施されたか、確認を進めてまいります。立入検査等において、製造所における相違が発生した原因分析の結果や再発防止等の実施状況を確認してまいります。また、上記の過程において、品質、安全性等に重大な影響を及ぼす相違が確認された場合には、回収等の必要な措置を講じます。引き続き、今後も無通告による立入検査等を行い、後発医薬品を含む各製造所に対する監視指導の継続を行ってまいります。
 次に、2の「医薬品の品質確保に向けた取組について」でございます。
 このスライドは、小林化工の事案以降、医薬品の品質確保に係るこれまでの取組についてまとめたものでございます。今お話しした自主点検の実施につきましても、この中の(1)の1の管理の徹底のところに含めております。
 次に、予算事業による品質確保に関する取組について御説明いたします。監視指導・麻薬対策課では、GMP管理体制強化等事業としまして、令和7年度予算を計上しております。内容としましては、事業の目的の一番下にありますように、医薬品医療機器総合機構及び都道府県の調査員の調査能力の向上や均てん化を進め、巧妙な法令違反行為を発見できるようにするとともに、医薬品メーカーにおける製品品質確保やGMP適合性遵守に係るコンプライアンスを向上させることを目的とするものです。
 具体的に何をするかというと、国内のGMP査察能力を向上させるために教育訓練や講習会などを実施していくというものです。今年度の拡充としては、GMPに関する講習会の回数を増やしまして、医薬品メーカーにおける品質確保に係るコンプライアンス意識や品質文化のさらなる醸成等を図るというものです。また、令和6年度の補正予算におきましては、GMP調査における不備事項の収集・分析や、無通告立入検査の実施に重要な製造管理・品質管理上リスクの高い製造所の抽出作業をシステム化して迅速化を図るとともに、複雑な分析を可能とすることをやってまいります。
 最後に、医薬品審査管理課のジェネリック医薬品等の承認申請に係るデータの適合性調査の体制強化事業でございます。今回の品質不良、供給不安の背景に、共同開発や外部への製造委託などの導入・活用による多数企業の参入が進み、少量多品目生産構造が生じたことが一因としてあり、これに対応するために、後発品の承認申請に当たり、以下の事項、つまり、委託元(申請者)が委託先における製品データの信頼性や製造・品質管理の状況を確認するための体制や実際の確認状況について確認する、こういった事業を実施してまいります。
 以上でございます。
○磯部委員長 手短にしていただいて、ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問があればお願いいたします。
 戸部委員、どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
 幾つか質問があります。まず、6ページのところで、自主点検の実施はとても興味深い結果が得られたと思っております。その中で、承認書との相違があったものというのが、これは品目で分析されているのですが、例えば事業者別で分類するとどのくらいになるのか、要するに管理の問題なのか、それとも製造する品目の特徴によるものなのか、そこを知りたいということがまず1つ目です。
 あとは、13ページのところと、GMP管理体制強化のところにつながっていくのですが、人員の教育が不十分であるということが言われていたり、17ページ、安全文化というような視点からコンプライアンスを向上させるような教育というところ、また先ほどの議題1のところにも関わってくるのかもしれませんが、教育の対象をどのように設定するのか。現場で働いている人だけではなくて、例えばミドルマネジメント、トップマネジメントに近い方々への教育も大事なのではないかと思っておりますので、その辺りを聞きたいです。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 お願いいたします。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 1つ目、御指摘いただきました自主点検について、事業者単位で見たときにどうなのかということなのですけれども、現状、つまびらかに事業者単位でどういう数字になっているというのは持ち合わせていないのですが、今回の齟齬というのが、簡単に言いますと、誤記のようなものから様々なパターンがございますので、いずれにしても、それぞれ必要な是正の措置は適切に図っていきたいと思っています。事業者単位の情報は、今、持ちあわせておらず、申し訳ございません。
○監視指導・麻薬対策課 教育に関する御質問についてですが、監視指導・麻薬対策課のほうで、企業、都道府県、PMDAの職員を含めて研修会を実施しているところでございます。どういったレベルに対して研修しているかということにつきましては、会社の上層部の方から実際の現場の方まで対象とした様々な内容を実施しております。
○戸部委員 分かりました。ありがとうございます。
 教育のプログラムだとか、あるいは今後また自主点検の結果を踏まえて無通告立入検査というようなことも計画されているようですけれども、まず、なぜこういう承認書との不整合が起こっているのかということ、それと安全性への影響というようなところの分析がないと、その後の立入りや教育というところの計画にインプットできないと思うので、実態をもうちょっと分析していただくといいかなと思っております。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 伊豆津先生、お願いします。
○伊豆津委員 私からは担当部門に御検討をお願いしたいことなのですけれども、今回の自主点検の後に適合性調査などをしっかりやっていくということになると思います。その際、一定以上の問題が出たところに関しては、行政機関、県なのか、PMDAなのか、厚労省なのか、そこは分からないですけれども、そこから何があったかという報告をしっかり出していただきたいと思っています。今、いわゆる第三者機関という名前で企業が依頼した先から報告書が出てくるという、それしか情報が出てこない場合も結構あったり、あと、行政処分を受けたということしか分からないことが多くなってきていますので、本当の意味での原因がどこにあったかということまではなかなか難しいと思いますが、いわゆる違反事項、何があったということだけでも公表していただくことの御検討をお願いできればと思っています。
 以上です。
○磯部委員長 お願いします。
○監視指導・麻薬対策課 監視指導・麻薬対策課でございます。
 今、頂きました御質問、御意見でございますが、違反事項の公表につきましては、国際的にも他国で実施されている現状がございますので、日本においても同様に、今、頂いたような違反の内容についての詳細を公表していくことができるかどうか、検討を進めておりますので、また御報告させていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、花井さん、どうぞ。
○花井委員 御説明ありがとうございます。
 この点は泉委員からも何度かテーマに上がっていると思うのですけれども、本委員会としては、海外と比較して日本の査察体制がどうなのかというところを非常に気にしているところだと思います。今回もいろいろ、私も分からないのは、例えば各地域で都道府県であった場合、改善命令は大臣名で出すのか、知事名で出るのですかね。つまり、監麻課のスタッフがどれだけ現場に行っているか、一緒に行く場合もあると思いますが、そういった本省内の経験知とか、PMDA内の経験知とか、都道府県にある経験知とか、いろいろあって、それが完全に一つのガバナンスで一体化してうまく動いているように見えなかったので、非常に危惧しています。
 一つはPMDAが、僕らは昔から、医薬食品庁をつくって、そこで一括してやるべきと言っていたのです。日本はFDAと違うわけですけれども、かといって、いろんな事情で、独法でやったほうがいいということで、今の体制になっているのですが、それでいい部分もあるのだけれども、連携についてぎくしゃく感があるのであれば、せっかくのリソースとか、いい人材が教育してはどこかに行ってしまって、都道府県だったら異動したらいなくなるわけですね。そういったところがどうも分からないので、今回でなくてもいいですが、一回、この委員会でそういうことが分かるように、特に現場の話は恐らく医薬局内でも知らない人がいるぐらい現場感覚の話でもあるし、委員会に実態が分かるような機会をつくってほしいと思います。それによって、アメリカとここが違う、ヨーロッパと違うとか、ここは日本がいい部分だとかいうことを評価できるので、ぜひお願いしたいと思いました。
 参考までに、知事名で改善命令を出せるのですか。やはり大臣名で出しているのですか。
○監視指導・麻薬対策課 知事名で出せます。
○花井委員 知事名になっているのですね。多くの場合、知事名で出ているということですね、現場では。
○監視指導・麻薬対策課 はい。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 泉さん、どうぞ。
○泉委員 4ページに具体策が書かれています。ガバナンスの強化、薬事監視の向上、これは当たり前のことであります。厚労省はPIC/Sの加入の団体の一つでもありますから、こんな状態にいることは本当に恥ずかしい。最初、PIC/Sが日本で開かれたとき、たしか富山で開かれたと思いますが、そのときに厚労省が言った話、PMDAのそのときは近藤理事長でしたけれども、話されたこと、そういうことを考えると、絵空事というか、言葉だけの話でここまで来てしまっていたのだなと思ったりします。ですから、もっときちんとやるということをしないと、例えば8ページ、マル5の試薬の適合性の未確認、これは承認書と試験実態との相違として報告された品目数と書いてあります。19.1%、少ないようではありますが、表記の不一致などの誤記や単位のミスにも劣らない。本当に適合性の未確認のまま出ているなんてことはあってはいけない話です。ですから、もうちょっとしっかりと管理をしてください。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 今のはコメントということかと思いますが、何かありますか。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
 厚生労働省としては、この報告をもらって終わりということではなくて、都道府県とも協力して入っていく、査察していくということを進めていき、問題のある状況にないかどうかをこれからも確認してまいりたいと思います。
○泉委員 都道府県と一緒にやるということは大変なことです。都道府県はそれぞれ色が違います。私もその実態を一回見たことがありますが、彼らはやはり地元をよくしたいからということで、どうしても甘く見てしまうところもなきにしもあらずなのです。そこを管理監督するのは厚労省であり、PMDAなのです。それがどんなに大変かというのは分かります。人と人との付き合いとか、地元によっても違うわけなので、でもそれをやらないとやはり事故が起こって、人が亡くなるようなことがもう起きているわけですから、それは皆さんで注意してもらうようにぜひよろしくお願いします。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
 PMDAと都道府県との会議や調整も定期的にやっておりますので、今、御指摘いただいたような事情というのがもしかしたらあるのかと思いますが、PMDAのほうでも随時、査察に入れるようにしておりますので、進めてまいります。ありがとうございます。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課から一点だけ。今、御指摘いただきました8ページ目の試薬の適合性の未確認のところですけれども、これは駄目は駄目なので、それを是とするつもりは全くないのですが、中には、試薬の関係でいきますと、適合性はちゃんと確認しているのだけれども、承認書に反映できていなかったというような事例があるということで聞いておりまして、そういったものも入っているということで御理解いただければと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 各都道府県にもいろいろ言いたいこともあるでしょうが、国と地方の関係がそもそもどうあるべきかという大きな問題もあったりして、大きな制度思想みたいなものがどうあるべきなのかを一度、海外との比較も含めて検討するべきかと思いますし、企業の自主点検の実効性にどのぐらい重みを置いていいのか、都道府県の監督を同じぐらい重要な柱と見るべきではないかとか、その辺りも課題かと思いました。
 ほか、よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、時間の関係もございますので、議題2はここまでということにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、進行の関係上、議題の順番を変更させてください。海外調査のうち、個別医薬品の承認状況と医薬局からの定期報告を先に取り扱いたいと思います。資料5と資料6について事務局から説明をお願いいたします。
○江田室長補佐 事務局から、資料5の個別医薬品の欧米での承認状況調査に関する海外調査と、資料6の医薬局からの定期報告について、まとめて御説明いたします。
 まず、資料5を御覧ください。こちらは、新たに承認された医薬品の成分で国内での承認審査時に海外で承認がなかったものや特例承認等の対象品目について、欧米での承認状況を調査した結果をお示しするものです。
 調査対象品目は、資料の2ページから7ページに一覧表として示しております。63品目です。
 今回、更新があった項目は赤字にしています。更新があった項目を御説明していきます。
 まず、4ページ目のR3-23、ミチーガ皮下注用は、2022年3月に日本でアトピー性皮膚炎に対して承認され、その後2024年3月に結節性痒疹に対しても承認された医薬品です。FDAにおいては2024年8月に先に結節性痒疹に対して承認され、同年12月にアトピー性皮膚炎に対しても承認されました。また、EMAでは、2025年2月に両方の適応症に対して承認されました。FDAの結節性痒疹に対する承認及びEMAの承認に関して詳細情報がまだ公開されていませんので、次回の委員会で詳細を調査して御報告させていただきます。
 5ページ目に行きまして、R5-3、アレモ皮下注は、FDA及びEMAで承認されましたが、FDAの詳細情報がまだ公開されていませんので、FDAに関しては次回御報告します。EMAに関しては今回で調査終了となります。
 6ページ目に行きまして、R5-9、コスタイベ筋注用は、EMAで承認されましたが、詳細情報がまだ公開されていませんので、次回、詳細を御報告します。
 同じく6ページ目のR6-1、ブイタマークリームは、これまでFDAでは尋常性乾癬にのみ承認されていましたが、2024年12月にアトピー性皮膚炎に対しても承認され、日本と適応症が同じになりましたので、今回でFDAの調査は終了となります。
 R6-11、オータイロカプセルは、EMAで条件付き承認されました。
 7ページ目に行きまして、オレンジ色の3品目が今回新しく追加された品目です。
 R6-12、ヒムペプジ皮下注は、FDA及EMAで承認されましたので、今回、調査終了となります。
 R6-13、ガビゲイル注射液がEMAで、R6-14、ダトロウェイ点滴静注用がFDAで承認されましたが、共に詳細情報がまだ公開されていませんので、次回の委員会で詳細を調査して御報告させていただきます。
 続きまして、資料6の医薬局からの定期報告を御覧ください。
 医薬局からの定期報告としましては「1 製造販売された医薬品の情報」「2 国内における市販後の安全対策の措置状況」「3 外国での新たな措置の報告状況」の3点を御報告しているところです。2点目と3点目の市販後安全対策に関する報告に関しましては、薬事審議会医薬品等安全対策部会に報告された事項のうち、監視委員会の報告対象となる事項を抽出して御報告していますが、前回の監視委員会以降、新規の該当がありませんでしたので、今回の監視委員会での御報告はありません。次回の監視委員会で該当する情報をまとめて御報告させていただく予定です。このため、今回は承認審査関係の報告として、1の製造販売された医薬品の情報のみの御報告でございます。また、12月の第18回監視委員会以降、緊急安全性情報や安全性速報、いわゆるイエローレターやブルーレターについて新たな発出はされておりませんことを併せて御報告いたします。
 それでは、2ページ目の製造販売承認された医薬品の情報を御覧ください。前回の委員会で御報告した後、新たに承認されたもののうち、米印1でマル1からマル5の要件に該当するものがこの監視委員会への定期報告の対象となります。今回は、要件に該当する3品目の情報が記載されております。いずれの品目も海外で未承認という要件に該当し、2024年12月27日に承認されたものです。
 事務局からの御説明は以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 伊豆津先生、お願いします。
○伊豆津委員 この資料には入らないと思うのですけれども、この期間中に天然痘の治療薬テコビリマトの承認があって、それが少し特殊な例だと思うので、そちらについて少し教えていただけますでしょうか。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 先生からご質問いただいた、テポックスカプセルと呼ばれるお薬でございますが、痘瘡(天然痘)、エムポックス、牛痘、そういったものに対する効能・効果を持つ薬剤として承認しております。この薬剤に関しましては、実はエムポックスに関して国際的に試験が行われているところなのですけれども、ネガティブな結果も出ているという状況でございます。この背景といたしまして、もともとクレードIと呼ばれるある程度重症化しやすいようなエムポックスが古くは流行していたものから、クレードIIという比較的症状の軽いエムポックスに感染の流行が移ってきたということがございまして、そうしたことを背景として、対照群と比べてこのお薬を投与したときに有効性が認められなかった、そういったデータが出てきているというところでございます。
 他方、審議会の中ではそうした最新の情報も踏まえて評価を頂いた形になっておりまして、このお薬は、現状では他に治療法がないということ、それから、こうした薬剤の承認というのは危機管理上、非常に重要ではないか、例えばクレードIのエムポックスがはやった場合にやはりこうしたお薬が使えるのではないか、そういったことも兼ね合わせながら検討してきたところでございます。最終的には、このお薬は、国内のガイドラインでもお示ししておりますとおり、重症例や重症化リスクの高い方に対して投与することという注意喚起をつけた上で承認することになったところでございます。いずれにしましても、非常に難しい薬剤の承認であったことに違いございませんので、引き続き、有効性・安全性の情報については注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
○伊豆津委員 ありがとうございます。
 こういった医薬品の供給法そのものを確保しておくというのは重要だと思います。ただ、非常に分かりにくい形なので、海外のように特殊な例での使用という枠があればいいなと思っています。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 そのほかはよろしいですか。
 危機管理上、確かにそういうのは重要だというのは分かりますが、何か新しい追加のデータが承認後出てきたときにどうするかというところですね。何か特別な条件とかがあるわけではないのですか。
○医薬品審査管理課 特別の承認条件のようなものを付しているということはなかったかと思いますけれども、いずれにしても通常どおり、今後の情報に注意していくということに変わりはないと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 伊豆津先生、よろしいですか。
○伊豆津委員 ちょっと言い忘れたというか、実際のデータがそれほどそろわずにという形での承認になりますので、やはりこの後、出てきたデータでの判断をしっかりやっていただけるといいと思っています。
 以上です。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 そういった意味では、この薬剤は全例調査ということで、使用した全例について有効性・安全性について確認していくということになっておりますので、そうした情報も含めてしっかりとフォローしていきたいと思います。ありがとうございます。
○伊豆津委員 お願いします。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 では、定期報告は、次回以降も引き続き御報告をお願いするということで、資料の5と6に関する議論はここまでとさせていただきます。
 では、続いて、議題3「医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査について」ということで、前回に引き続き、令和6年度に実施した薬事制度に関する調査について御報告いただきます。
 今回は「医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組について」、その結果を御報告いただけるということです。調査の背景等については前回委員会で事務局より説明済みです。今回は、調査を御担当いただいた国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部より、資料3についての御説明を20分程度ということでお願いいたします。
○国立医薬品食品衛生研究所 磯部先生、ありがとうございました。
 国立衛研の青木と申します。今年度のテーマについて御報告いたします。
 本日お話しする内容です。1番目として「医薬品の使用に関する基本的な注意」、2番目に「個々の医薬品に関する患者向け情報の提供」についてお話しいたします。最後に「新しい取組」についても御説明いたします。
 まず、医薬品の使用全般に関する基本的な注意についてです。
 最初に、WHO(世界保健機関)についてです。WHOでは、2019年に「世界患者安全の日」を設けまして、定期的に医薬品の安全性に関する情報を提供しています。2022年には、キャッチフレーズとして「知ろう、チェックしよう、尋ねよう」ということで、患者向けあるいは医療従事者向けにポスターを掲示して啓発活動を行っています。さらに「Medication Without Harm」、害のない医薬品使用をしようということでパンフレットを作りまして、その中で、患者が自身の治療に関与できるようになるための患者支援ツールとして、医薬品を安全に使うための5つの場面それぞれについてQ&A方式で分かりやすい情報提供を行っています。
 次に、各国規制機関の取組についてです。アメリカのFDAは、ウェブサイト上で医薬品を安全に購入あるいは使用するためにということで、購入するときあるいは使用するときの注意点を提供しています。英国のNHSでは、これもやはりウェブサイト上で医薬品情報として一般的な注意を提供しています。日本の厚生労働省も、最近提供されたパンフレットとして「知っておきたい薬の知識」あるいは「薬は正しく使いましょう!」というパンフレットを提供していて、イラストも用いた親しみやすく分かりやすい内容となっております。
 それから、準公的機関の取組についてですけれども、欧州のEUPATIは、EUが支援する官民パートナーシップを推進する非営利機関です。そこでは、患者向けの情報提供として患者教育資材などもウェブ上で提供しています。その中で、服薬アドヒアランスについてということで医薬品使用上の注意なども提供しています。
 アメリカのMedlinePlus(米国国立医学図書館)のウェブサイトにおきましても「医薬品とは」ということで全般的な注意が提供されております。
 オーストラリアのNPSには「MedicineWise」というページがありまして、そこではYouTubeを使った分かりやすい動画の配信を行っております。それから、「複数の薬と共に生きる」ということで、ポリファーマシーに関するような情報提供も行っております。NPSは政府から独立した公的な機関でありまして、そういう立場で医療情報を提供しておりましたが、現在は更新業務を終了しております。但しこの情報サイトは見ることができます。
 次に、準公的機関の取組として日本でウェブサイト上で提供しているものについてです。一般社団法人くすりの適正使用協議会は、様々な年齢層、子供用、中高生用、妊婦・授乳婦用、高齢者用、それぞれに適したパンフレットを配布しています。それから、日本製薬協は、ウェブサイト上でかなり詳細な患者向けの情報をQ&A方式で提供しています。
 以上が薬の使用全般に関する情報提供でした。
 次に、個々の医薬品に関する患者向けの情報提供について調べましたので、御説明いたします。
 まず、各国の規制機関がウェブサイト上で公開している情報です。日本では、PMDAのサイトで医薬品名で検索しますと、その薬に関する患者向け情報として、患者向け医薬品ガイドあるいは患者向けRMP資材、これは全ての医薬品についてではありませんが、ある場合にはそこで見ることができます。
 それに対応するような各国の情報ですが、欧州のEMAでは、医薬品概要(Medicine Overview)、添付文書情報(Package Leaflet)、それから、必ずしも患者向けのみとは限りませんけれども、必要に応じて安全性通知(Safety Communications)なども見ることができます。
 アメリカのFDAでは、Medication Guide、Patient Package Insert、Instruction for useを現在、提供しています。アメリカでは動きがありまして、これらを総合して新しいPMIというものに移行する段階にありますので、この後のスライドで御説明いたします。
 オーストラリアのTGAですが、消費者向けの医薬品情報(CMI)を提供しています。
 これら、欧州、米国、オーストラリアに共通していますけれども、特徴として、まず、患者代表あるいは患者によるレビューを行っているということです。それから、患者によるユーザビリティー評価も行っているということが特徴です。
 先ほど申しましたように、アメリカで、今、過渡期というか、情報提供の体制を変えようとしております。ここにありますのは、現行のアメリカの主な患者向け医薬品情報です。それぞれ、Medication Guide、患者向けの添付文書、使用説明書があります。注意していただきたいのは、全ての処方箋医薬品に作られて添付されるわけではないということです。それぞれを製薬企業、製造会社が作成し、FDAが承認したものが配布されます。どういうものかというのは下に写真が貼ってあります。
 もう一つ、後でオーストラリアのCMIの情報を出しますけれども、米国にも同じ名前のConsumer Medicine Informationというものがあります。注意していただきたいのは、同じ名前であるのですけれども、米国のほうはFDAの承認は必要なくて、規制機関以外が作って配布している、出回っているということです。オーストラリアは、TGA、規制機関が発行しているということで、かなり性質が異なりますので、注意していただきたいということでここに挙げております。FDAは承認していないけれども、CMIはアメリカ内に広く認識されていて、これを目にする機会もあります。患者及び介護者向け情報として提供されているのですが、小さい薬局単位で作られたり様々でして、情報の質も様々であるということが問題になっています。
 現行の患者向け医薬品情報がアメリカには様々あるというお話をしましたが、これまでの情報の中で、理解が難しい内容であったり、情報によっては矛盾する内容だったり、情報が欠けているとか、情報が重複してしまっているということで、混乱があるということが問題になりました。それで、下の年表にありますように、2008年ごろから市民の請願をきっかけとして公聴会が開かれたりして、この患者向け情報をどうしていくかについて話合いが行われてまいりました。それが最近まとまって形になりつつあるという状態です。
 作られようとしているPMI(Patient Medication Information)ですけれども、特徴としては、1ページにまとまったものを作ろうとしているということです。それから、紙で配布されますが、ウェブサイトで電子的にも取得可能です。外来調剤で薬を受け取る際には必ず配布されます。文章の読解力の前提として6学年から8学年ぐらいの読解力、つまり11歳から14歳ぐらいの読解力を基準とした平易な文章で作成されています。それから、FDAが管理するレポジトリに入りますので、一般からアクセス可能になります。
 まず、官報にドラフト案が掲載されて、パブコメを募集しましたが、2023年5月に開始、11月に終了して、その間に5万7000件以上のコメントがありました。現在、まだレビュー中とアナウンスされています。右側はPMIの実際のサンプルです。このような形のものを作ろうとしています。
 今後の予定ですけれども、患者向け医薬品ガイドと患者向け添付文書及び患者向け血液成分情報、これは血液製剤に特化されますけれども、それらをまとめて一つのものにする予定です。予定としては2026年5月に最初のPMIが発効する予定です。
 特徴としましては、処方箋医薬品、生物学的製剤、外来で輸血される血液、血液成分の全てにこの情報(PMI)が提供されるということです。今までの特殊な使い方について必要とされる使用上の注意については変更ありません。
 以上がアメリカの情報でした。
 次に、オーストラリアは、TGAがウェブ上で公開している情報として、CMIがあります。CMIは、まず特徴として、1ページ目に要約版のページがありますので、ここを見ればこの薬はどんなものかというのが一通り分かるようになっています。患者さん、消費者によっては、もっと詳しい情報を知りたければ、2ページ目以降を読めば、さらに詳しい情報を得られるというようなつくりになっております。
 今までが規制機関が提供している情報です。
 今度は、公的にルール化されていて、製造会社、製造販売業者に作成が義務づけられているものについてです。そういうものについて、欧州でも米国でもガイドラインやガイダンスがありまして、それに従って情報提供資材を作って提供するというふうになっています。これは細かく書いてありますけれども、読んでいただければと思います。
 次は、準公的機関が提供する患者向けの、ここはスマートフォンを利用した情報提供です。左側は日本の「くすりのしおり」、右側はオーストラリアの「healthdirect」、こちらはスマホのアプリです。どちらも目次のところを見ていただきますと、医薬品名で引いたときに、その薬について、用法・用量とか、どういうことに気をつけていただきたいかというようなことが出てきます。
 特徴ですけれども、まず、医薬品数は日本では1万7000件、オーストラリアでは2500ぐらいの一般名・有効成分と7500ぐらいのブランド名での検索情報数があります。
 先ほど問題となっていました読解力レベルですが、日本では高校生レベル、オーストラリアでは12歳から14歳を想定しています。
 オーストラリアで特徴的なのが赤字で書いた部分です。「healthdirect」は、最寄りの医療機関検索GPS機能があって、緊急時に現在地付近で医療機関を見つけることができるとか、My Health Recordというものと連携して、個人の医療情報とアプリの情報を連携させることができるなどの機能が搭載されています。
 これは、患者教育資材の比較です。ロンサーフ(Lonsurf)について日米で比較しております。アメリカのほうが生活に寄り添った情報までもカバーしているような印象があります。
 レナリドミドについても、これは催奇形性が問題になりますので、それについての注意喚起のウェブサイト、小冊子、動画、キットなどが配布されています。アメリカのほうも同様なのですけれども、日本が避妊に特化しているのに対して、アメリカでは緊急避妊薬の商品紹介までカバーしているという特徴がありました。
 最後に、新しい取組ですけれども、英国では、患者の意思決定を支援するツールがNICEとNHS、両方で作成されて配布されています。このページはNICEの例で、よくある疾患にかかったときにどうするかということが分かりやすく書かれています。
 これはNHSとNICEの比較ですけれども、NHSは地域に根づいた情報提供になっていて、NICEはイギリス全国版のガイドラインに準じた情報提供になっています。
 もう一つの取組としてPharmacy Firstという取組がなされています。2024年1月に開始された取組で、左上の表にありますような7種類の疾患について、医師に行かなくても薬剤師が医療用医薬品、普通は処方箋が必要な医薬品の処方ができるようにということを始めています。右下のチェックシートにありますように、患者自身がチェックシートでチェックしていくことによって、どういう医療を選べるかということもできるようになっています。
 以上です。ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問等ございますでしょうか。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
 日本でのことなのですけれども、日本での公的なものというと、患者向けの医薬品情報がいろいろあるのですが、この中で患者向け医薬品ガイドに関する御説明があまりなかったので、この場で申し上げて大変申し訳ないのですが、本来、患者向け医薬品ガイドと比較していただけるとよかったのではないかということがあります。
 それから、準公的機関というのが日本の場合には企業の団体がつくっているものが紹介されていますが、準公的機関というと、ちょっと誤解を招くのではないかと思います。質問というよりコメントです。この辺り、分かっている人が見る分にはあまり誤解がないと思いますが、この委員会の資料というときには、全くそういうことを御存じない一般の方も御覧になるかと思いますので、その辺りの言葉の使い方、細かい点ですけれども、コメントさせていただきました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 何かお答えを。
○国立医薬品食品衛生研究所 佐藤先生、どうもありがとうございました。
 まず、製薬協を準公的機関と言ったことについてですけれども、配慮が足りませんでした。一般社団法人のくすりの適正使用協議会のほうは準公的と言っていいのかなと思っていますが、言えないですか。
○佐藤委員 加盟団体が製薬企業ですから、あまり変わらないと思いますが。
○国立医薬品食品衛生研究所 では、タイトルを手直しして、準公的機関の後ろに。
○江田室長補佐 例えば準公的機関と書いていたところを業界団体とするなど、適切な言い回しに修正させていただければと思います。
○花井委員 位置づけとしては民間ということになるので、準公的というとややこしいから、そこは整理したらいいと思います。
 それから、医薬品ガイドの検討を今、やっている最中なので、またそこも考えて、あれは公的なものとして作ろうとしているのですね。一応、PMDAのリンクにはお薬ガイドを貼ってある、リンクしているのですけれども、そういう意味では準公的かもしれないとか、その辺、検討していただいて、整理していただきたいと思います。
○国立医薬品食品衛生研究所 ありがとうございました。
○磯部委員長 アメリカでこそ準公的という言葉で言いやすいのかどうかとか、それは事情によって使っていただければいいと思いますが、規制機関ではない非規制機関という中で多分いろんなタイプのものがあるということだと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、戸部委員、どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
 8ページに関して教えていただけたら助かるのですが、表のユーザビリティー評価のところです。URLを貼ってくださっているので、これは自分で調べればいいのかもしれないのですが、すみません。このユーザビリティー評価というのはどのタイミングで評価しているのか。例えば医薬品の発売前の、いわゆる試験のときにするのか、それとも販売後にユーザーからのコメントなどというか、ユーザーが使ってみてどうかというようなところを位置づけているのか、そこを教えてください。
○国立医薬品食品衛生研究所 調べた限りでは、販売前、資料が完成して患者によるウェブレビューを受けて、完成した後に実際に患者さんに読んでいただいてどうかというテストをするということだと思います。
○戸部委員 ありがとうございます。
 資料を作ってそれからということですね。設計の段階に評価をするのではなくて、資料を作って出来上がったものに関しての評価、そういう位置づけですか。
○国立医薬品食品衛生研究所 はい。
○戸部委員 ありがとうございました。
 使う前に患者が関与するタイミングがあるのかどうかというところに関心があったのでお伺いしました。
○国立医薬品食品衛生研究所 作った後に、患者が評価して、そのできたものについてユーザビリティーテストをして、それでオーケーが出たものについて実際に公開される、そういう段階になります。
○磯部委員長 佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 私、多少専門ですので、補足させていただきますと、要は、こういう作成が義務づけられているものは、当然、新薬が承認されて世に出るときには患者向けのものも同時に世に出る必要がありますから、その前にユーザビリティーテストをして、それに合格しないと世に出ることができないという仕組みになっています。国によって少しずつユーザーテストの基準が違うのですけれども、やり方もある程度決まっていて、例えば10人中9人以上が基準をクリアしないと駄目とか、もしそこをクリアしなければ改善してもう一回やり直す、最終的に合格するまでそれを繰り返すというやり方が取られているということです。
○戸部委員 ありがとうございました。
 そういうのは国によって違いとかあったりするのですか。
○国立医薬品食品衛生研究所 同じではなくて、国によって違います。なので、そこは示したほうがよかったかなと思います。
○磯部委員長 そうですね。ガイドが見やすいかということと、作られ方も大事だということですね。
○戸部委員 ありがとうございます。
○佐藤委員 これに関してはオーストラリアと英国は比較的進んでいるのですけれども、アメリカが今回、全ての医薬品についてそれを義務づけることに変わるということですので、日本でもそうすべきと、これはちょっと厚労省に対する意見として言わせていただきますが、患者向け医薬品ガイドが本来全ての医薬品について作られていなければいけないのですね。これは患者向けの添付文書としての位置づけで、医薬品リスク管理計画上も通常のリスク最小化活動に位置付けられています。「通常の」となっていながら、全ての医薬品について作られていないという、制度上も矛盾した位置づけになっていますので、これは全ての医薬品について患者向け医薬品ガイドが作られるということをぜひ急いで検討していただきたいというのが私からのお願いです。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、これでよろしいでしょうか。
 では、花井さん、手短に。
○花井委員 一番衝撃を受けたのは11ページのパブコメが5万7000件というところです。今、患者向け医薬品ガイドは基本的には全てを作るという方向性で検討が進んでおり、ただし、作って使ってもらえるのかというのが一番重要な問題なのですけれども、関心の高さというところでアクセス件数とか使用実態が一番知りたいことで、作っても使ってもらえないではないかみたいな議論が下手したら起こるのが日本の状況としてあります。患者向け医薬品ガイドについてパブコメを出しても、こうは来ないのではないかと思いますので、国民の関心の高さに驚くのですけれども、アクセス数とか、そういうのは分かるのですか。
○国立医薬品食品衛生研究所 各情報に対するアクセス数ですか。
○花井委員 国民からどれだけ見られているかというのは、多分ウェブであればデータが分かるのですが、それは公開されてはいないのですね。
○国立医薬品食品衛生研究所 現在、調査はそこまで行っていないです。
○花井委員 そういう比較をしたいと思いました。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 それでは、ここまでにさせてください。時間が押しておりますので、調査結果に関する議論はここまでといたします。
 来年度の海外調査の方針についてということで、事前に委員の皆様の御意見を頂き、その内容を整理したものが資料4で、事務局に作成いただいています。この御説明をお願いいたします。
○江田室長補佐 事務局より資料4について御説明します。
 こちらの資料は、本委員会における令和7年度の海外調査の方針(案)についてまとめたものです。
 「1 目的」につきましては、記載のとおり、本委員会における議論に活用するため、欧米における薬事制度や個別医薬品の承認状況等の調査・整理を行うものでございます。
 「2 調査テーマ」のうち「(1)欧米の薬事制度」につきまして、基本的な考え方は従前のとおりです。令和7年度の調査内容につきまして、事前に委員の皆様から頂いた御意見を基に記載しております。来年度の調査項目としては、欧米における医薬品に係る広告規制について、FDA及びEMAにおいて患者・市民参画に関与する部署の規模、FDA及びEMAにおけるGMP査察官の官民人材交流の実態の3項目を予定しております。いずれも調査結果の報告については例年と同様、まとまり次第、監視委員会に報告する予定です。さらに、これまで様々なテーマについて海外調査を実施してきましたが、令和7年度はこれまでの海外調査の内容の整理を行う予定としています。
 続いて「(2)個別医薬品の欧米での承認状況等」についてです。こちらは、毎回の監視委員会において医薬局から定期報告とセットで御報告しているものです。引き続き、同様の調査を実施していきたいと考えております。
 「3 調査の実施体制」については、今年度に引き続き、国立医薬品食品衛生研究所に御協力をお願いするほか、民間の調査研究機関への委託を含めて実施することを予定しております。
 最後に「4 その他」の部分です。薬事制度調査に関して令和8年度以降の調査テーマの候補として事前に委員の皆様から頂いたものとして「薬事以外の広告規制として、医薬品の使用を伴う診療行為に関するルール(医療保険制度の違い等の背景情報も含めて調査する)」「欧米における市販後の安全性監視計画策定の考え方について」と記載しております。これらの内容につきまして、御了承いただけましたら、新年度の調査実施に向けて手続等を進めてまいりたいと考えております。
 事務局からの説明は以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 ということで、こちらは皆さん大体御了解いただいている内容だと思いますので、今、特段、御意見がなければ、資料4の内容で調査に向けた手続を事務局に進めてもらおうと思います。ありがとうございます。
 それでは、以上で本日の議題は終了となります。
 その他、本日の議題なり監視委員会の全般について何か委員から御発言があればということですが、よろしいですか。
 最後に事務局から何かございますか。
○水野室長 次回の委員会の日程、議題につきましては、また委員の先生方と御相談させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 それでは、本日の委員会はこれで終了します。長時間ありがとうございました。