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第51回労働政策審議会人材開発分科会 議事録
人材開発総務担当参事官室
日時
令和7年3月27日(木)12:30~13:30
場所
会場:中央合同庁舎5号館 共用第6会議室(3階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
議題
- (1) 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
- (2) その他
議事
- 議事内容
- ○武石分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第51回労働政策審議会人材開発分科会」を開催いたします。本日、本分科会はオンライン併用での開催といたします。本日の出欠状況ですが、公益代表の石﨑委員、使用者代表の瀬田委員が御欠席です。また、公益代表の勇上委員は所要により途中退席される予定となっています。
それでは議事に入ります。議題1「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。内容について企業内人材開発支援室長、主任職業能力検定官の順に資料の御説明をお願いいたします。
○永島企業内人材開発支援室長 企業内人材開発支援室長の永島でございます。私からは議題1の省令案要綱のうち、人材開発支援助成金の改正内容につきまして御説明をさせていただきます。
資料1-2の6ページを御覧いただきたいと思います。改正内容につきましては大きく2点ございまして、1つ目が人材育成支援コースほか2コースの拡充ということで、こちらの内容といたしましては、賃金助成額の時間単価の引上げとなっております。2つ目は人材育成支援コースの見直しということで、非正規雇用労働者向けの支援メニューの整理・重点化といった内容になっています。
まず、1つ目の人材育成支援コースほか2コースの拡充から御説明させていただきます。内容は賃金助成額の増額ということになるのですが、表に記載しております賃金助成額の設定がなされているコースメニュー、こちらが記載されておりますけれども、こちらのメニューについて、昨今の賃金上昇を踏まえまして、1人1時間当たりの賃金助成額を、拡充前の金額から右側の拡充後の金額に引上げを行うといった内容になっています。現行の賃金助成額と比較いたしまして、5%程度の引上げとなっています。これが1点目です。
続きまして2点目ですけれども、人材育成支援コースの見直しということで、中身は非正規雇用労働者に対する助成メニューの整理・重点化です。非正規雇用労働者の助成メニューにつきましては、2つテーマがございまして、1つは非正規雇用労働者の訓練機会の確保、もう1つは非正規雇用労働者の正社員転換の促進ということです。
まず、非正規雇用労働者の訓練機会の確保というテーマでいきますと、現行では、人材開発支援助成金は非正規雇用労働者向けの支援メニューといたしまして人材育成訓練、こちらは10時間以上のOFF-JTの訓練を助成対象としている訓練です。それから有期実習型訓練、こちらは2か月以上(142時間以上)のOFF-JTとOJTの組み合わせ訓練を助成対象としたメニューとなっています。こちらは、いずれも非正規雇用労働者に対して訓練を実施していただいた場合に、訓練経費の60%を助成率として適用させていただいております。正規の訓練実施の場合には45%ということで、15%ほど高率助成となっています。
ただ、一方で、令和5年度の「能力開発基本調査」によりますと、企業内における非正規雇用労働者のOFF-JTの受講率は、いまだ2割を下回っているという状況です。こういった状況もありまして、訓練機会が十分に確保されていない状況ということで、それを踏まえまして、この非正規雇用労働者に訓練を実施した場合の訓練助成率を、現行の60%から70%に引き上げさせていただくというのが1つです。
それから、もう1つが正社員転換に係る助成メニューです。現行制度におきましては人材育成訓練、有期実習型訓練について、正社員転換していただいた場合には、70%の経費助成を行っているところです。
今回は、この経費支援助成メニューの助成率の引上げ等の重点化を行う内容になっています。まず、人材育成訓練の改正についてですが、こちらは先ほど申し上げましたとおり、人材育成訓練は最低10時間と比較的短時間のOFF-JTを実施していただいた場合、その後に正社員転換がなされた時に70%の経費助成をするというものです。もう一方、有期実習型訓練のほうでは、2か月以上(142時間以上)のOFF-JTとOJTの組み合わせ訓練を実施して、結果、正社員転換を実施した場合、こちらも70%という経費助成率を適用させていただいております。
ここで、人材育成訓練の正社員転換のメニューが、必ずしも正規雇用労働者の転換、インセンティブになっていないというような状況がございます。資料の正社員転換等見直しの下のほうに、小さく※を付しておりますが、こちらのほうに、令和5年度における人材育成訓練と有期実習型訓練における正社員転換数を比べてみました。この中では人材育成訓練、これは10時間のOFF-JT訓練ですが、こちらのほうで訓練修了された方のうち、非正規の方が8,000人いらっしゃいました。そのうち、正社員転換された方は2,600人ということで、約3割の方が正規転換をしているということです。
一方で有期実習型訓練、こちらは2か月以上(142時間以上)のOFF-JT、OJT訓練ですが、こちらにつきましては訓練修了者6,000人のうち4,400人、約7割の方が正規雇用転換をされているということです。このような状況を踏まえまして、正規転換の支援メニューにつきましては、正規転換率のより高い有期実習型訓練のほうに重点化をさせていただき、更に正規転換を支給要件として設定して、助成率を現行の70%から75%に引き上げることによって、正規雇用労働者の転換をより一層促進してまいりたいということで、このような改正の内容となっています。
以上の改正につきまして、令和7年度の予算成立以降、省令案が改正をされました場合に公布・施行を予定しております。私からの説明は以上です。
○増岡主任職業能力検定官 続きまして、主任検定官をしております増岡です。私から「技能五輪国際大会の開催団体への補助について」ということで御説明申し上げます。
技能五輪国際大会ですけれども、こちらは原則22歳以下の成年技能者を対象とする国際的な技能競技大会でございまして、隔年で実施されております。その2028年大会ですが、日本の愛知での開催が決定されたところです。現在、その愛知大会に向けて開催準備、運営を行うための組織委員会を財団法人として設立することを予定しております。
また、開催に当たっては、厚生労働省及び地元の県であります、愛知県から財団法人に対して支援を行っていくということで、そのために国からの補助金を支給するということですけれども、そのために雇用保険法施行規則第138条を改正しまして、「2028年技能五輪の国際大会の開催及び準備を目的とする法人に対して、その業務に要する経費の補助を行うこと。」、この一言を付け加えようとしているところです。私からは以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいま、2つの点に関しまして御説明を頂きました。御説明に関して御質問や御意見がございましたら、こちらで参加されている方は挙手、オンライン参加の方はZoom機能のリアクションから「手を挙げる」マークを押していただき、指名されてからマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 御説明、ありがとうございました。賃金の助成額の増額については、昨今の賃金上昇を踏まえたものということで異論はありません。これを通じて、企業における人材育成の積極的な実施を支援していただきたいと思っております。
正社員化要件の見直しにつきましても、メニューを絞りつつ助成率を引き上げて、より効果的な制度にする趣旨だと認識しました。有期の方の処遇改善につなげていただければと思っております。
○武石分科会長 ありがとうございます。御意見として頂戴したいと思います。ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 御説明ありがとうございました。私も人材育成支援コースの見直しについて、一言申し上げたいと思っております。今ほど、平田委員のほうからもございましたけれども、今回の見直しは高い正社員転換率を維持している有期実習型訓練を整理・重点化を図っていくのだと承知しており、その点については一定理解するところです。
ただ、非正規雇用で働く方たちが正規雇用の労働者と比べて、能力開発の機会が少ないという課題については解消に至っておりませんので、非正規で働く方たちの能力開発を更に推進する上で、今回のような見直しも含めて、助成措置の更なる拡充や職業訓練の充実について、引き続き検討を行っていただきたいと考えております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。御要望もあったと思いますが、事務局からもしあればお願いいたします。
○永島企業内人材開発支援室長 御意見、ありがとうございます。私どもといたしましても、非正規雇用労働者の皆様方の訓練機会の確保というのは、非常に重要なテーマだと認識しておりまして、助成金による支援、在り方等につきましても、今後の状況を踏まえまして、更なる充実や必要な見直しは、引き続き検討してまいりたいと思っております。
○武石分科会長 貴重な御意見、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。オンラインで御参加の方、御意見はございますか。よろしいですか。
それでは、ほかに御質問等がないようであれば、この案件はこれまでとさせていただき、議題1の「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」は本分科会として「妥当」と認める旨を、労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、御意見はございますでしょうか。
(異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、御意見が特にないようですので、事務局から報告文(案)の共有をお願いいたします。
ただいま、報告文(案)が共有されております。この報告された報告文(案)により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただくこととし、この議題についてはここまでといたします。
次に議題2、「その他」です。内容について、人材開発政策担当参事官より、資料の御説明をお願いいたします。
○松瀬人材開発政策担当参事官 それでは、私から参考資料について御説明いたします。右肩に「参考資料」と書いてあります「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」に、「別冊」と書いておりますけれども、この別冊についての御説明です。「令和7年4月改訂版」と書いています。
このガイドラインですけれども、この分科会におきまして、労使の皆様の熱心な御議論を経まして、令和4年6月にリリースさせていただいたところです。この別冊につきましては、1ページの柱書きの2段落にありますように、学び・学び直しに関します公的な支援策を省庁横断的に紹介させていただいているところです。毎年度、施策の細かな見直し等がございますので、その修正を反映したものを、この4月にまた更新してリリースさせていただくものです。
例えばですけれども、恐縮ですが5ページ、ここでは職業能力検定認定制度がありますが、四角囲みの右側に「団体等検定」ということで、新しくロゴマークを追加させていただいております。例えばこういったことです。
次の6ページの一番下ですけれども、団体等検定を導入している企業・団体ということで、4月1日現在3団体・3職種ありますので、こういった情報を追加したものです。こういった細かな修正を反映させたものを、この4月版としてリリースさせていただくものです。説明は以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。公的な支援策が一覧できるので、非常に便利な内容になっておりまして、その内容を更新していただきましてありがとうございました。それでは、議題については以上となりますが、全体を通して委員の皆様から何かございますでしょうか。よろしいですか。では、ほかにないようであれば、本日の議論は以上といたします。次の開催日程については、決まり次第、事務局から御連絡をさせていただきます。
それでは、以上をもちまして「第51回労働政策審議会人材開発分科会」を終了いたします。どうもお疲れ様でした。ありがとうございました。