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技能実習評価試験の整備に関する専門家会議(第87回)議事要旨
人材開発統括官海外人材育成担当参事官室
日時:令和7年3月13日(木) 10:00~11:15場所:Web会議
出席者:市田委員、岩崎委員、漆原委員、大迫委員、後藤委員、當間委員、堀委員、花山委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(クリーニング職種(リネンサプライ仕上げ作業)関係)日本リネンサプライ協会、厚生労働省生活衛生課
(農産物漬物製造業職種関係)全日本漬物協同組合連合会、農林水産省食品製造課
(介護職種関係)シルバーサービス振興会、厚生労働省福祉基盤課
議題
(1)クリーニング職種(リネンサプライ仕上げ作業)の試験の実施・運営状況の報告について
(2)農産物漬物製造業職種の試験の実施・運営状況の報告について
(3)介護職種の試験の実施・運営状況の報告について
【概要】
(1)クリーニング職種(リネンサプライ仕上げ作業)の試験の実施・運営状況の報告について
○ クリーニング職種(リネンサプライ仕上げ作業)の試験の実施・運営状況について、日本リネンサプライ協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・実習実施者が、ホテルリネン関係の施設であるか病院寝具関係の施設であるかによって求められる衛生基準が異なるとの説明があったが、技能実習生が修得する技能等に差は生じないのかとの質問があった。これに対し、リネンの取扱作業については、両方の施設間で大きな差は無く、同じ作業をする。衛生基準は別々に定められているが、ともに「クリーニング所における衛生管理要領」を基にしている。例えば消毒の基準や一定の面積当たりの一般細菌数など一部の基準は、ホテルリネン関係と病院寝具関係とで異なるが、基本的に衛生基準の内容は同じであるとの回答があった。
○ 報告の結果、日本リネンサプライ協会の技能実習評価試験について、引き続き、適切な実施に努めることとされた。
(2)農産物漬物製造業職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 農産物漬物製造業職種の試験の実施・運営状況について、全日本漬物協同組合連合会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・令和3年度から5年度まで同じ試験問題を使用していたことについて、試験実施機関としてどのように考えているのかとの質問があった。これに対し、試験問題を決定する委員会の主要メンバーが事情により出席できなかったため、新たな試験問題の作成作業が滞っていたが、令和7年度には試験問題の修正及び追加をできるよう事業計画を立て、体制を整備し、今後は同様のことが無いようにしたいとの回答があった。これに対し、試験問題を一定程度作り置きをしておいて、毎年変えるという運用をしている試験実施機関が多い中で、作り置きをしていなかった理由は何か。また、委員会の主要メンバーが出席できない状況が継続する場合には代理を立てるようにする等、委員会開催要綱を変更する予定があるのかとの質問があった。これに対し、当該職種の試験問題は漬物の種類によって内容を変えており、試験問題の見直すことができなかった。委員会開催要綱については、御指摘の内容は規定しており、試験の合否判定等については出席したメンバーで判定できていたが、新しい試験問題の作成は対応できなかったとの回答があった。
・技能実習で学んだ漬物製造の技能等が帰国後どのように活かされているのか質問があった。これに対し、送出し国は現在ベトナムが非常に多いが、漬物の一次加工(塩蔵工程)に係る現地の日本企業に勤めている方が多い。また、東南アジアでは、機械化、企業による生産が進んでおり、地元の漬物製造に従事する方も増えてきているとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、視察した試験において、床に置いていた爪ブラシを使う前に洗浄せずに使用している受検者が多く、衛生管理の点で気になった。また、包丁の置き方について、刃先を自分に向けない、縦にしないといった基本的なことをせずにテーブルの端に置いている受検者が数名いた。試験における衛生管理、安全管理の採点は、どのように行っているのかとの質問があった。これに対し、爪ブラシについては、試験実施会場が公共施設であり、限られたスペースであるため、通常とは異なり、床に置かざるをえなかった。また、受検生は自分たちが最初に爪ブラシを使用するため、衛生上問題はないという意識だったと考えている。また、安全管理については採点上考慮するとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、視察した試験において、受検生の中には仲間同士のような方々がいたが、同じ工場や企業で勤務している技能実習生が試験を一緒に受けに来たのかとの質問があった。これに対し、視察時の試験では、同じ会社から7~8名来ているところもあった。一方で、違う企業の技能実習生同士は普段つながりが無いので、同じ会場にいても接することはないとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、受検生により手際の善し悪しの差が大きく、試験を終える時間が受検生によりばらばらだったが、そのばらつきがなぜ生じるのかとの質問があった。これに対し、基本的には個人の技量の差だが、出身国の国民性によっても異なるという話も聞く。ゆっくり丁寧に行う技能実習生もいれば、手際が良いが丁寧さに欠ける技能実習生もいるとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、初級の実技試験について、試験官の指示に従って作業を行っていく中で、試験官が手順を説明した上で全員で一緒に作業を進めており、試験というよりも実習をしているような雰囲気があった。また、一つ一つの手順を進めていく中で、手際の悪い受検生が終わるまで、他の受検生も次の手順に進まず待つように試験官から指示されていたが、待たずに次々に手順を進める受検生もいた。その場合に、試験官が全ての受検生を正しく採点できているのか疑問に思ったとの報告があった。これに対し、試験官の指示を待たずに先に進んでしまう受検生については、試験官が制止するが、試験官の指示に従わない場合には減点対象となる場合もある。通常の技能実習においても、工場の監督者の指示、特に技能実習生が何か間違ったことをしようとしたときの制止は、すぐ対応することが技能実習生に求められる。その観点を試験において確認しているとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、技能実習生が視察に行った我々に挨拶する等、非常に礼儀正しかった。試験でも全体的にはスムーズに作業を進めており、日々の技能実習で訓練をされていると感じたとの報告があった。
○ 報告の結果、全日本漬物協同組合連合会の技能実習評価試験について、会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(3)介護職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 介護職種の試験の実施・運営状況について、シルバーサービス振興会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・介護サービス業界は11兆円の市場規模であり、約215万人が働いていると聞いている。技能実習生は1万5,000人近く、特定技能でも3万6,000人近くが働いており、急成長している。利用者の方のサービスの満足度向上に向けて、より尽力していただきたい。業界が急成長すると、利用者の満足度が疎かになりがちだと感じている。また、DX等のイノベーションに取り組んでいただきたい。これから東南アジア諸国も少子高齢化が数十年後には訪れると言われている中で、国際協調に資すると思っているとの意見があった。これに対し、我々は試験実施機関として、実際の介護現場等の状況を見ながら試験運営を行っている。特にご指摘のあった介護利用者のサービス向上は大事だと思っているので、技能実習生の保護と併せて、適切に技能実習制度が運営されるように、試験実施機関として注視していきたいとの回答があった。
○ 報告の結果、シルバーサービス振興会の技能実習評価試験について、引き続き、適切な実施に努めることとされた。
(以上)