第380回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2025年(令和7年)3月24日(月) 14時00分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員

議題

  1. (1)特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について(公開)
  2. (2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  3. (3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容
○山川部会長 それでは時間になりましたので、ただいまから「第380回労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は、永井委員が所用により御欠席、原委員、小野委員、坂爪委員、佐久間委員、田尻委員、村田委員がオンラインでの御参加となっております。
 本日は、議題(1)として、「特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について」の報告があります。その後、許可の諮問に係る審査を行います。このうち、許可の諮問に係る審査については、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開となっております。では、議事に入りますので、カメラの頭撮りがありましたら、ここまでとさせていただきます。
 では、議題(1)特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について、事務局から説明をお願いします。
○小川需給調整事業課長補佐 それでは、資料1の「特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果」について御説明いたします。募集情報等提供事業のうち、労働者になろうとする者に関する情報を収集して行う特定募集情報等提供事業者につきましては、毎年、8月31日までにその年の6月1日時点における事業の実施の状況について「特定募集情報等提供事業概況報告書」を作成し、厚生労働大臣に提出することとなっております。この「事業概況報告書」の提出状況等につきましては、昨年9月17日に開催されました本部会において御報告させていただきましたが、今般、別添のとおり、その主な内容について取りまとめましたので御報告させていただきます。
 なお、より広く周知広報する観点から、同様の内容につきまして、部会終了後に記者発表を予定しております。また、資料の後ろのほうには参考資料といたしまして、特定募集情報等提供事業の1号から4号までの各事業類型の説明資料及び概況報告書の様式を御用意しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 それでは、資料を御覧ください。1ページ目です。まず、1ページ目の四角に囲んだ「概要」についてですが、1の事業概況報告書を提出した特定募集情報等提供事業者の数は1,154事業者で、前年比27.9%増となっており、提出対象事業者の全てから提出されております。
 次に、2の「特定募集情報等提供事業者が提供するサービス数について」です。報告があったサービスの総数は1,597サービスで、前年比7.4%増となっておりますが、これは※1にありますとおり、1つの事業者が複数のサービスを提供したり、1つのサービスが2つ以上の事業類型に該当する場合があることに御留意ください。
 それでは、戻りまして1号から4号までの各事業のサービス数につきまして、(1)第1号事業、つまり求人企業等から依頼を受けて、求人情報を求職者等に提供するサービスは1,467サービスで、前年比7.9%増、(2)第2号事業、つまり求人企業等から依頼を受けず、いわゆるクローリングにより収集した求人情報を求職者等に提供するサービスは139サービスで、前年比11.2%増、(3)第3号事業、つまり求職者等からの依頼を受けて求職者情報を求人企業等に提供するサービスは613サービスで前年比3.9%増、(4)第4号事業、つまり求職者等から依頼を受けず、クローリングにより収集した求職者情報を求人企業等に提供するサービスは6サービスで前年比同となっており、前回と同様、第1号サービスを提供する特定募集情報等提供事業者が大半を占めている状況です。また、第2号や第4号のように、クローリングにより情報収集を行っている特定募集情報等提供事業者は現時点では少数の状況となっております。
 次に3の「提供した求人情報等について」です。これは報告された各サービスにおいて把握した各概数を足し上げた累計となっております。まず(1)求人情報を提供しているサービスについては、いわゆる1号及び2号事業の実績となりますが、①提供した求人情報(概数)の合計は、約1億4,500万件で前年比15.1%増、②収集した求職者情報、ここではサービスごとに登録されたアカウントの概数の合計は、約1億8,500万件で前年比15.5%増となっております。なお、①の求人情報については、1件の求人が複数の求人サービスに掲載され、重複掲載されている場合があり、また2号事業者がハローワークの求人情報をクローリングしている場合がありますので、内数としてハローワークの求人情報も含まれております。
 次に(2)求職者情報を提供しているサービスについては、いわゆる3号及び4号事業の実績となりますが、①提供した求職者情報、これはアカウントの概数の合計ですが、約1億1,600万件で前年比21.8%増、②提供先の求人企業(概数)の合計が約200万件で前年比3.5%減となっております。この3の各計数につきましては、次のページ以降で詳しく説明いたします。
 それでは、2ページ目を御覧ください。まず、1と2につきましては、先ほど概要として御説明させていただきましたので割愛させていただき、3以降について御説明いたします。
 まず、構成について御説明いたします。表は、表1から表4まであり、それぞれ表1及び表2は、1ページ目の「概要」の3の(1)の①②に対応し、表3及び表4は同じく1ページ目の3の(1)の①②に対応いたします。また、各表の計数をそれぞれ図にしております。例えば、表1の図は、図1が表1の①に対応し、次のページの図2が表1の③に対応いたします。その他、表1の②及び④に対応する図はございません。これは前回と同様、提出された「事業概況報告書」を取りまとめるに当たっては、できる限り詳細に集計結果を報告するということを目指す一方で、すべて図にしてしまうことで別に公表されている情報等と照らし合わせることにより、個者が特定される恐れがあるものについては公表を控えるということで、可能な範囲で詳細にお示ししつつ、個者の特定を避けるということの両立を基本的な考え方としております。このため、表1については、①と③を図にしたところです。
 同じく、4ページの表2についても同様の考えに基づき、図にする項目を絞って図にしております。また、5ページ目の表3及び6ページ目の表4につきましては、第3号事業及び第4号事業を行うサービスのみを記載しておりますが、前回記載しておりました3号事業を行うサービスとか4号事業を行うサービス、3号事業と4号事業の両方を行うサービスの欄につきましては、それを記載することで個者が特定されてしまう恐れがあるため、今回はこのような記載といたしました。
 次に、前回からの主な変更点について御説明いたします。まず1点目は、図1から図6について、棒グラフにサービス数を明記いたしました。2点目は各図の横軸について層を統一し、また実態をより分かりやすくするため、前回資料で示しました0~100件ないし、0~1,000件の棒グラフを、0件と1~100件に分けております。
 それでは、2ページに戻っていただきまして、まず3の「特定募集情報等提供事業が労働者の募集に関する情報を提供している場合」について、表1で、いわゆる提供した求人情報について御説明いたします。図1は、1号事業を行うサービスにおける募集情報等提供事業者が提供した労働者の募集に関する情報の概数の分布で、表1の①に対応いたします。横軸は、提供した「労働者の募集に関する情報(いわゆる求人情報)の概数」で、縦軸はサービス数を表したものです。また、棒グラフの左側が前回(令和5年)の実績、右側が今回(令和6年)の実績となります。御覧の横軸が0件となっているのは、6月1日時点で「準備中」又は「実績がなかった」サービスとなり、図2以降についても同様です。
 一番サービス数が多い層につきましては、横軸の「1件以上100件以下」の396サービスで、次いで、「101件以上1,000件以下のサービス」は373サービスとなっており、1号事業のサービスの多数は1,000件以下の小規模でサービスを展開していることが伺えます。また、横軸が10万1件以上の大きなサービスは、前回より5サービス増加して48サービスあり、上位のサービスが取り扱う求人件数は事業全体において大きな割合を占めていることが分かります。
 次の3ページの図2は、1号事業と2号事業の両方を行うサービスで、表1の③に対応いたします。一番サービス数が多い層は、横軸が1,001件以上1万件以下のサービスが30サービスとなっており、一方、横軸が10万1件以上の比較的大きなサービスは前回より3サービス増加して23サービスあります。これは2号事業者が、クローリングという求人情報を大量に収集することが可能な手段を用いていることから、1号事業のみ実施しているサービスに比べて、小規模に展開しているサービス数が少なくなっているのではないかと推測されます。
 次の4ページを御覧ください。表2は、特定募集情報等提供事業者が収集した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」で、いわゆる収集した求職者のアカウントの合計について御説明いたします。図3は、第1号事業を行うサービスにおける特定募集情報等提供事業者が収集した労働者となろうとする者に関する情報の概数の分布で、表2の①に対応いたします。
 なお、図3と図4につきましては、労働者となろうとする者に関する情報として、アカウント数を集計しております。前回は、アカウント数が不明なサービスについてはアカウント数0件として計上しておりましたが、より実態を分かりやすくするため、アカウント数が不明のサービスを0件の棒グラフから除外し、図の下部に※印で記載しています。横軸は、収集した労働者となろうとする者に関する情報(いわゆる求職者の概数)で、縦軸は、サービス数を表しています。一番サービス数が多い層は、0件を除いて1,001件以上1万件以下のサービス(183サービス)、次いで1万1件以上10万件以下のサービス166サービスとなっており、比較的多くの求職者が利用しているサービスが多いことが伺えます。また、一方、横軸が10万1件以上の比較的大きなサービスは、前回よりも10サービス増え、102サービスがあり、図1と同様、上位のサービスを利用する求職者の数が事業全体において大きな割合を占めていることが分かります。
 図4は1号事業と2号事業の両方を行うサービスであり、表2の③に対応いたします。一番サービス数が多い層は、1万1件以上10万件以下のサービスが14サービスとなっており、一方、横軸が10万1件以上の比較的大きなサービスは、前回より1サービス減少して10サービスです。これは図3と同様に、比較的多くの求職者が利用しているサービスが多いことが伺えます。
 次の5ページを御覧ください。4の「特定募集情報等提供事業者が労働者となろうとする者に関する情報を提供している場合」については、表3で、いわゆる提供した求職者情報の合計について御説明いたします。図5は、3号事業及び4号事業を行うサービスにおける特定募集情報等提供事業者が提供した「労働者となろうとする者に関する情報の概数」の分布となり、表3に対応するものです。横軸は提供した労働者となろうとする者に関する情報の概数、縦軸はサービス数を表したものです。一番サービス数が多い層は、1,001件以上1万件以下のサービスで122サービス、次いで、1万1件以上10万件以下のサービスで117サービスとなっております。一方で、横軸が10万1件以上の比較的大きなサービスは前回よりも7サービス増えて81サービスでした。
 次の6ページを御覧ください。表4は、「労働者となろうとする者に関する情報の提供先の概数」の合計で、いわゆる提供先の求人企業の合計について御説明いたします。図6は、3号事業及び4号事業を行うサービスにおける労働者になろうとする者に関する情報の提供先の概数の分布で、表4に対応するものです。横軸が労働者となろうとする者に関する情報の提供先の概数、縦軸がサービス数を表したものです。一番サービス数が多い層は、1件以上100件以下のサービスで246サービスですので、求職者情報の提供先の求人者数が少ないサービスが多いことが伺えます。また、横軸が10万1件以上の比較的大きなサービスは、前回よりも2サービス増えて4サービスあります。以上、資料1の御説明です。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御質問等がありましたら挙手をお願いいたします。Zoomで参加の委員はZoom内の「手を挙げる」機能を使うか、画面上に映るように挙手をお願いいたします。御質問等はありますでしょうか。
○冨髙委員 まず、全事業所から報告書が提出されているということを含め、丁寧に対応いただいていると認識しています。今回の結果からも雇用仲介事業の広がりが見てとれます。令和4年の職業安定法の改正の際には、募集情報等提供と職業紹介の区分について議論し、一定整理はしたわけですけれども、依然として、分かりづらさは残っているように思います。今後、雇用仲介事業がますます多様化していく中で、自らの事業がどちらに該当するか判断に困るようなケースが出てくる場合も想定されますが、新たな事業形態の把握も含めて、適切に法律の規制の網が掛かるよう、引き続き指導等をお願いしたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。御意見を頂きましたが、事務局から何かありますか。
○中嶋需給調整事業課長 御指摘、大変ありがとうございます。施行の部分については、正にどの区分に当たるのかということに関しては、私どもに専門の室がありますので、今回の報告徴収のプロセスなども含めてコミュニケーションをする中で適切に施行してまいりたいと思います。また、現行のものを超えて、この分野は新たな業態と事業のビジネスモデルというところについて、しっかりと把握していくようにという御指摘でした。その点については今、報告をいたしましたような事業報告、これを愚直にやっていくということもそうなのですが、事務局としてもアンテナを高く、御指摘の部分を考えながら把握のほうも努めていきたいと存じます。ありがとうございます。
○山川部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。
○平田委員 御説明ありがとうございました。届出制となって間もないということもあって、特殊な要因があるのかもしれないのですが、ご説明のあった資料を見ていますと、特定事業者の数の伸びが顕著だと認識しております。まず質問ですけれども、今後、事務局として、特定事業者の伸びをどのように予想しているのか教えてください。次に、感想ですけれども、たくさん数が伸びているということもあって、今後、事業者の創意工夫によって新しいサービスが生まれていくのだろうと推測し、期待もしているところです。人手不足ということもあり、求職と求人の双方のニーズが複雑化し、マッチングの難易度が上がっており、その解決策の1つとなり得るのが、デジタル技術を活用したマッチングの高度化で、とりわけ募集情報等提供事業への期待は高いと考えております。職業安定法関連の諸制度には様々な規制があると認識しておりますが、技術の進展による新たなサービスの創出に応じて実態に適った形で、適宜整備をしていく必要があると思っております。実態に適ったと申し上げましたけれども、実態に合わせて単純に規制緩和すべきということを言っているわけではなくて、都度、規制の目的、趣旨に立ち返って、事業者の育成、健全な労働市場の発展ということにつなげていただければと思っております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。御質問も含まれていましたので、事務局からお願いいたします。
○千原労働市場基盤整備室長 ありがとうございました。まず、1点目の今後の伸びの部分です。これは毎月、特定募集情報等提供事業者について、一覧を厚労省ホームページで公表しております。直近で申しますと、3月1日現在で1,275社ありまして、今回御報告した数より100社余り増えているところで、今後も数が増えていくものだと認識しているところです。
○中嶋需給調整事業課長 それから2点目、委員からの御指摘ですが、大きくは、人手不足という状況の中で、ただ、そういうマクロの話もそうなのですが、同時に求人と求職がそれぞれニーズも多様化し、働く方にも制約がいろいろ生まれてくる中でマッチングの難易度が上がっているのだと。そうした中で、労働市場のいわゆる需給調整機能の強化が大事だよねという御指摘だと存じます。正に、そういう認識を持っておりまして、7月に今回の省令、指針の改正の議論を頂いたときにも、大きなコンセプトとしては労働市場の需給調整機能を強化すると、その中でそういう役割を担う業態が幾つかあるので、それぞれについて共通するところもあるし、それから各業態ならではの部分もあると、よく全体像を頭に入れた上で、労働市場の機能を高めるためには、各論として何をやったらいいのかという発想でお諮りしたところです。そういった基本コンセプトは忠実に頭の中に入れながら、御指摘のあった、趣旨に立ち返って育成とか競争環境の整備をしっかりとやっていくべしということを心に留めて運んでまいりたいと存じます。ありがとうございます。
○山川部会長 平田委員、何かありますか。よろしいですか。ありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。よろしいでしょうか。特になければ、以上は報告事項となります。公開の議題はここまでとさせていただきます。冒頭にお話しましたとおり、これから非公開になりますので、傍聴の方々には御退席をお願いいたします。