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第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録
健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課
日時
令和7年3月13日(木) 16:00~18:00
場所
Web会議
厚生労働省 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
議題
(1)「開発優先度の高いワクチン」の選定について
(2)ワクチンの研究開発支援について(報告)
(3)その他
(2)ワクチンの研究開発支援について(報告)
(3)その他
議事
- 議事内容
- ○福澤ワクチン開発専門官 定刻となりましたので、ただいまより「第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会」を開催いたします。本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開となります。議事の様子はYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しているYouTube配信用以外のカメラ撮りについては、議事に入るまでとさせていただきますので、報道関係の方々については御理解、御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本日は、対面とWeb会議のハイブリッドで開催いたします。まずWeb会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡いたします。Web会議から御参加されております委員及び参考人の皆様は、カメラをオンに切替えをお願いいたします。御発言される場合は、Web会議システムの挙手機能などを用いて、委員長から御指名を頂いてから、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。会議の途中で長時間音声が聞こえないなどのトラブルが発生した場合は、あらかじめお知らせしております電話番号まで御連絡をお願いいたします。
続いて、委員の出欠状況について報告いたします。本日、笹本委員、福島委員から御欠席の連絡を受けております。また、坂元委員については、途中からの御出席の予定との御連絡を頂いております。現在7名の委員にWebで御参加いただいており、委員10名中7名に御参加いただいておりますので、定足数を満たしており、厚生科学審議会の規定により、本日の会議が成立しておりますことを御報告いたします。なお、事務局の鷲見感染症対策部長、前田予防接種課長については、用務の都合により途中からの出席とさせていただく予定となっておりますので、御承知おきいただければと思います。冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることができませんので、御留意ください。
それでは議事に先立ち、本部会の資料について説明いたします。本部会資料については、通信負荷軽減の観点から、基本的に画面には投影いたしませんので、傍聴されている方々を含めて本部会のWebサイトに掲載しております資料にアクセスして、お手元に御用意いただければと思います。
それでは、ここからの進行については、伊藤部会長にお願いいたします。
○伊藤部会長 皆様、御出席いただきまして、ありがとうございます。岩田先生、岡田先生におかれましては、御参加いただきありがとうございます。それでは、事務局から審議参加に関わる遵守事項などについて、報告をお願いいたします。
○福澤ワクチン開発専門官 審議参加の取扱いについて報告いたします。本日御出席いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取状況、申請資料への関与について御申告いただきました。各委員及び参考人からの申告内容については、利益相反関係書類を御覧いただければと思います。本日の議事内容においては、個別に調査審議される品目はありませんので、議事への不参加に該当する方はおりません。以上です。
○伊藤部会長 それでは、早速議事に入ります。本日の議題は、(1)「開発優先度の高いワクチン」の選定について、(2)ワクチンの研究開発支援について(報告)になります。まずは、「開発優先度の高いワクチン」の選定について、事務局から資料1の説明をお願いいたします。
○眞中予防接種課課長補佐 事務局です。それでは、資料1「開発優先度の高いワクチン」の選定についての資料を御準備ください。2枚目が、本日の内容となります。本日は、検討の経緯、開発優先度の高いワクチンの選定方針、開発優先度の高いワクチンの選定(案)をお示しいたします。
4ページは、昨年9月に御議論いただきました予防接種基本計画に係る記載内容の方針についてです。下の枠ですが、まず基本計画の記載に係る考え方です。今までは基本計画本体に、開発優先度の高いワクチンを記載しておりましたが、基本計画本体には開発優先度の高いワクチンに関する考え方や選定目的等を記載することとし、ワクチンの具体的なリストは別途作成することといたしました。
具体的な進め方として、2つ目の○ですが、本日参考人として御出席いただいておりますが、予防接種推進専門協議会に対し、企業から提出いただいたパイプラインリストの詳細及び選定評価項目の情報をお示しし、まず協議会における優先順位付け後に本部会において総合的に評価して、開発優先度の高いワクチンを選定することといたしました。
なお、重点感染症に対するワクチンについては、引き続き、診断薬、治療薬、ワクチンの3本セットで、ワクチン戦略に基づく重点感染症の見直しの中で対応することとなっております。
5ページを御覧ください。こちらが、現在パブコメが終わって、パブコメに対する回答を作成中であります、改正予防接種基本計画となります。第5が、研究開発の推進及び安定供給の記載項目になりますが、前回の部会で御議論いただいたとおり、1の基本的な考え方の所には、「感染症の発生及びまん延の予防のため、現に我が国に存在する疾病に対し、疾病負荷の軽減が図れる等、医療ニーズ及び疾病負荷等の情報を踏まえ、疫学情報等を基に定期接種化を目指した公衆衛生上必要なワクチンの研究開発を推進する」旨が記載されております。
2の開発優先度の高いワクチンの所でも、「上記の通り、定期の予防接種の対象とすることを目指し、現に我が国に存在し、疾病負荷が高い感染症を対象とした公衆衛生上必要性の高いワクチンについて、研究開発の推進を図る」旨が記載されております。
7ページを御覧ください。こちらも、昨年9月に議論いただきました開発優先度の高いワクチンと、重点感染症に対するワクチンの整理となっております。開発優先度の高いワクチンの赤囲みの所になりますが、その目標・目的としては、「感染症の発生及びまん延防止のために、定期接種の対象とすることを目指した公衆衛生上必要性の高いワクチン開発」が、開発優先度の高いワクチンの目的となっております。
8ページを御覧ください。こちらは、9月にお示しした選定評価項目となります。御案内のとおり、開発優先度の高いワクチンは、定期接種化を目指すというところで、その選定評価項目としては、定期化を議論するワクチン小委における評価項目を参考として、記載にありますとおり、疾病負荷の大きさ、国民の免疫保有状況、ワクチンの有効性・安全性、費用対効果及びその他の情報といったところから評価する観点で整理しております。
続いて、9ページを御覧ください。こちらが、開発優先度の高いワクチンの評価フローの概要となります。まず、厚労省からワクチン4団体、下の※1ですが、日本製薬工業協会、日本ワクチン産業協会、PhRMA、EFPIA、こちらのワクチン4団体に対して、国内外において第Ⅰ相の臨床試験以降から薬事申請まで開発が進んでいるワクチンについて、対象疾病と対象集団ごとに選定評価項目の情報を聴取いたしました。開発状況は機密性が高い情報になりますので、団体に所属する各企業からワクチンごとに評価項目の情報を回答いただいております。※2としては、開発の進捗状況によっては該当データがない場合がありますので、該当データがない場合は「データ:無」という回答となっております。
続いて、③ですが、厚労省がまず各企業の回答情報を取りまとめ、そして④の予防接種推進専門協議会に対し、③で整理した内容を提供させていただき、対象疾病・対象集団ごとにワクチンの評価を依頼しております。また、協議会に対しては、第Ⅰ相臨床試験以前も含め未開発ではあるが、今後開発を望む対象疾病・対象集団のワクチンを聴取しております。⑤は、予防接種推進専門協議会からは、③厚労省が取りまとめた整理に基づいて、協議会に所属する27の学会が評価を実施していただいております。評価方法としては、※3に記載しておりますが、まず疾病負荷については「大」「中」「小」「評価できない」の4段階で評価いただき、そして各評価項目を踏まえた「開発優先度の高いワクチン」の該当性評価を「高」「中」「低」「評価できない」の4段階で評価していただいております。また、未開発ではあるが開発を望む対象疾病・対象集団のワクチンについても、疾病負荷の根拠情報を併せて提供いただいております。⑥として、協議会が評価を取りまとめて整理し、厚労省に提出いただいております。具体的な整理方法としては、※4に記載しておりますとおり、まず疾病負荷の「大」「中」「小」及び該当性評価の「高」「中」「低」をそれぞれ3点、2点、1点とし、その点数の合計を、「評価できない」と回答した学会を除いた学会数で割って平均化したという形で整理いただいております。そして、⑦の各ワクチンについて、協議会の回答を以下の1)か2)の観点で整理しております。まず1)は、対象疾病・対象集団が定期接種化されていないワクチンは、品目によって評価項目に未回答が含まれているために、疾病負荷の観点で整理いたしました。また2)ですが、対象疾病・対象集団が既に定期化されているワクチン、すなわち既存ワクチンの改良については、開発優先度の高いワクチンの該当性評価の観点で整理しております。その整理した表が、次の10ページになります。
10ページを御覧ください。上の表が、定期接種化されていないワクチンに対する疾病負荷評価の表で、下の表が既存ワクチンの改良に対する該当性評価の表となっております。左側が、対象又は対象疾病を記載し、真ん中が対象集団、そして右側がそれぞれ学会に評価いただいた点数を平均化した疾病負荷評価となっております。下の表の見方も同じように、一番右の該当性評価を学会数で割った平均値となっております。
続いて11ページを御覧ください。こちらが、未開発であるが協議会が開発を望むワクチンとして挙げられたものとなります。表は同じように、一番左が対象又は対象疾病、真ん中が対象集団、一番右が御提案いただいた学会となっております。
続いて12ページを御覧ください。こちらが、開発優先度の高いワクチンの判断要素・考慮すべき事項として整理しております。一番上の箱ですが、開発優先度の高いワクチンの選定評価項目を踏まえた判断要素としては、まず予防接種推進専門協議会の評価として、定期化されていないワクチンに対する評価については疾病負荷評価を、既存ワクチンの改良に対する評価については該当性評価から、それぞれ評価の高い2.0以上のワクチンについて、開発優先度の高いワクチンの選定対象といたしました。真ん中の箱ですが、開発優先度の高いワクチンの目的を踏まえた考慮すべき事項として、1つ目の○として重点感染症との関係として、今年度中に見直しを行って更新を予定しております重点感染症リストに記載された感染症を対象とするワクチンについては、開発優先度の高いワクチンから除外すると整理いたしました。
2つ目の○として、薬事申請及び定期接種化に係る検討の進捗状況として、開発優先度の高いワクチンの目的である感染症の発生及びまん延防止のため定期化を目指すということを考えますと、薬事申請中及び薬事承認済み及びワクチン小委で議論されているワクチンというのは、対象から除外すると整理いたしました。そして一番下の箱ですが、目的を踏まえた判断要素として、疾病負荷との関係性です。先生方、御案内のとおり、疾病負荷というのは重症化率と国内のまん延状況を掛け合わせた評価となります。罹患すると重症化するとか後遺症が残るなどの罹患した場合の重症化率は高いのですが、国内でまん延しているとは言えない疾病、又はまん延状況が不明な疾病、そして罹患した場合の重症化率が必ずしも高いとは言えない疾病に対するワクチンについては、開発優先度の高いワクチンの対象から除外すると整理いたしました。
13ページは、先ほど紹介しました開発優先度の高いワクチンの選定評価項目を踏まえた判断要素として、疾病負荷評価、該当性評価の中で、それぞれ2.0以上付いたワクチンの対象疾病と対象集団を示しております。下の箱が、ワクチンの目的を踏まえて考慮すべき事項です。重点感染症との関係で赤で記載しております新型コロナウイルス(COVED-19)、季節性インフルエンザ、RSウイルス感染症、デング熱に対するワクチンは、重点感染症の関係から除外することといたしました。そして、薬事申請及び定期接種化に係る検討の進捗状況として、まずワクチン小委で議論いただいている百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオ混合ワクチンの5回目接種、MMRワクチンは薬事申請中、HPVワクチンも薬事申請中で、RSウイルスワクチンについてはワクチン小委で議論いただいているところです。
続いて14ページを御覧ください。こちらは、目的を踏まえた判断要素として、必ずしもまん延しているとは言えない疾病として、こちらに記載しております。まん延状況が不明な疾病として、ヒトメタニューモウイルス肺炎の小児や高齢者、ノロウイルス感染症の成人に対するワクチン、重症化率が必ずしも高いとは言えない疾病として、HHV-6の突発性発疹、ヒトパルボウイルスB19の伝染性紅斑とマイコプラズマ肺炎に対するワクチンを挙げております。なお、先生方も御案内のとおり、ARIサーベイランスやSARIサーベイランス等がこれから整備されて進んでまいりますので、まん延状況が不明な疾病等については、そういった情報が集まってくれば、また判断は変わってくるかと思います。
続いて15ページを御覧ください。こちらが、先ほど紹介した開発優先度の高いワクチンの選定プロセスとなります。各プロセスでハイライトが付いた対象又は対象疾病、対象集団が、次のプロセスに進むようにまとめております。まず、一番左側の協議会による評価の選定で黄色く付いたものが、次のプロセスに進み、重点感染症との関係による選定で緑色のハイライト、こちらが量が増えておりますが、※1に記載しているとおり、未開発であるが協議会が開発を望むワクチンを追加しているため、数が増えております。続いて紫の箱ですが、薬事申請、定期化に関する検討の進捗として、残ったものが紫色で書いております。最後に、一番右側のブルーのハイライトの所が、国内のまん延状況等による選定として、残ったものが、開発優先度の高いワクチン候補として挙げております。
17ページは、開発優先度の高いワクチン案として、論点として挙げさせていただきました。開発優先度の高いワクチンについては、選定の目的及び評価等を踏まえて、下の表に示すワクチンを選定することとしてはどうかと考えております。以降は参考資料となりますので、必要に応じて御参照ください。事務局からの説明は以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。岩田先生は御存じのとおり、前に感染症学会の理事長もされていますし、岡田先生もワクチンの泰斗です。選定に当たり、御尽力いただき、本当にありがとうございました。決める過程においていろいろな御議論があったと思いますが、何か私どもにお伝えいただけることをまず聞いてから、その後で、委員の方々からの質問を受けたいと思います。まず、岩田先生、いかがでしょうか。
○岩田参考人 岩田でございます。どうも、御指命いただきまして、ありがとうございます。今回、予防接種専門協議会は私が委員長をさせていただいていますが、そちらのほうに、臨床の現場での意見、希望をまとめていただきたいということで御依頼を受けました。パイプラインに乗っているもの、あるいはパイプラインに乗ってないけれども開発優先度が高いと考えるものということで、今、事務局から御紹介いただいたように、リストを出させていただきました。
その中から4つ、今回、開発優先度の高いワクチンとして選定をいただきましたが、本当にたくさんのワクチンの候補の中で、かなり厳密に絞っていって、正に最後に挙げられた4つのワクチンというのは、本当に必要なものかと思っています。ただ一方で、それぞれの学会によっていろいろ特徴がありますが、それぞれからいろいろ挙げていただき、かなり短期間の間にたくさんのワクチンについて評価いただきました。必ずしもまん延しているかどうかという疾病負荷のところが、かなり微妙で評価が難しいものもあるかと思いますが、率直に言うと、もう少したくさん選定していただいてもいいのかなとは思っています。
というのは、実際、臨床の現場で、かなりこれは疾病負荷が高いかなということで、高い点数が付けられているものも除外されたものの中に入っていますし、また、メーカーのほうからしてみれば、この開発優先度の高いワクチンに指定されることで、かなりグローバルにも開発が進んでいく中で、国内の開発も進められるのかなということもあります。感じたことはそういうことです。この作業はすごく大変だったと思いますが、最終的にこういったワクチンを選んでいただいて大変感謝をしております。ただ、将来的にもう少し状況が変わってきたり、新たなファクトがあれば、一応5年に1回見直すということだったかと思いますが、もう少しその辺、途中でも、もしこれが必要だということが出てきたら、開発優先度の高いワクチンに加えていただけると有り難いかなと思います。以上でございます。
○伊藤部会長 ありがとうございます。岩田先生、何が心残りですか。
○岩田参考人 心残りですか。
○伊藤部会長 具体的にあれば、今お話いただかないと、多分、議論の俎上に乗らないので。
○岩田参考人 なるほど。また後で岡田先生にも追加してもらいますが、私のほうからは、一番気になるのは、やはりGBSのワクチンです。こちらは重症化して死亡したり後遺症が残るということで、そういう意味での疾病負荷は大きいのです。多分、新生児や乳児期早期の感染症なので、n数はそんなに多くないため除かれたのかなと思うのですが、実際、小児の細菌性髄膜炎で、ヒブと肺炎球菌によるものはかなりワクチンによって減ってきていて、その中で、GBSの髄膜炎だけは、妊婦さんへの抗菌薬の予防などもされていますが、それではなかなかレイトオンセットのものが防げないので、実際、GBSによる小児の細菌性髄膜炎の数はずっと変わってないのです。そこのところが、やはり小児科医としては何とかしてほしいかなとは思っています。
○伊藤部会長 先生、海外で使われているワクチンなのでしょうか。
○岩田参考人 そうですね。使用されている国もあると理解しています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。岡田先生、いかがでしょうか。
○岡田参考人 御指名ありがとうございます。岡田でございます。岩田先生が今言われたことで全て含まれていると思いますが、1点だけ。委員の先生方から御意見を頂いた後に、最後に申し上げようと思っていたのですが、この基本計画の中で、予防接種ワクチンで防げる疾病は、予防することというこの基本的な考え方の中では、開発された、あるいは開発途中のワクチンに関しては、できれば、ほとんどのワクチンを定期接種化の道筋に導いていただければと思います。
そういう意味では、最終的にまだ決まっていませんが、先ほど事務局から御提案があった4つのワクチン以外でも、今後、基本計画の中に具体的なワクチン名は盛り込まないと言われていましたから、随時、疾病負荷が分かってきたり、いろいろな事実が分かってきた時点でこの4つのワクチンに追加して、先ほど岩田先生が言われましたように、GBSのワクチンなど、多くの関連する学会が自分たちの領域で必要と思って評価をしていただいたワクチンは、他にも幾つかありますから、随時、検討していただければと思います。以上でございます。
○伊藤部会長 ありがとうございます。それでは、選定をいただいた協議会からの最後の御意見と理解しますが、ここまで選定が進んで、事務局が比較的きれいに片付けてくれたと思いますが、委員の先生方から意見を伺いたいと思います。どなたかいかがでしょうか。大丈夫でしょうか。基本的に、前から言われているように、重点感染症のワクチンは、この委員会から外れて、将来の定期接種になりそうで、まだ開発が遅れているものを、定期接種化を目指して開発してほしいというメッセージを、メーカーの人たちに伝えることが目的で、もちろん、今後疾病負荷が明らかになってきたり、使ったほうがよさそうだという、より有効性が高い新たなワクチンの開発が出てきた段階では、早めに取り上げるのだろうと思っていますが。当初は、ある程度選定が挙がってきて、その後、この委員会の人たちで投票して作るのかなと思っていましたが、事務局が丁寧に最後まで走り切ってくれたので、介入する余地がないように見えておりますただ、手続上はこの委員会で最終的にオーソライズするということですので、事務局で作った案をそのまま丸のみしなければいけないということではないと認識しています。皆さんからの御意見を頂きたいと思います。どちらかというと、この委員会は内科系の人たちが多く、ワクチンを専門でやられている内科の意見が多いので、小児科でお困りいただいている内容についての理解が、十分かについては難しい点もあるかと思います。坂元先生、いかがでしょうか。
○坂元委員 遅れて参加して申し訳ございません。川崎市の坂元でございます。1つお伺いしたいのですが、肺炎球菌で価数の変更というのが書いてあるのですが、素人で申し訳ないのですが、これはどれぐらいの価数、つまり、ものすごい母集団があって今の価数ではとても駄目というのか、目安としてどれぐらいの価数があれば今の流行しているものに十分対応できるという、その辺のところをお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤部会長 まず、事務局からは皆さんからの御質問を全部まとめて回答したいと聞いております。ほかの委員の方々からいかがでしょうか。大丈夫ですか。なければ、事務局から、若しくは、岩田先生、岡田先生から聞くのが本当はいいかもしれませんが、いかがですか。
○岩田参考人 では、岩田です。今の肺炎球菌ワクチンのことでよろしいですか。結合型の肺炎球菌ワクチンは、20価のものが既に小児の定期接種に用いられており、それが導入されることで、それまでの13価や15価のものを使っていたときよりは、かなりカバーできる肺炎球菌の莢膜血清型は増えるとは思います。
ただ、やはり肺炎球菌ワクチンを使っていると、ワクチンに入っている莢膜血清型の肺炎球菌の侵襲性感染症自体は、必ず接種率が高ければ減ってくるので、そうするとまた別の血清型が出てくるということで、若干いたちごっこのようになっています。多分、20価が普及してくると、20価に含まれてないものが増えてくることが予想され、そういう意味では、更にカバー率の高いものの開発が望まれるというところが、臨床の先生方の一般的な考え方かなと思います。
どこまで増やしたらというのは難しいのですが、余りたくさん一遍に血清型の数を増やすと、どうしても免疫原性が悪くなってしまうということがあるので、ある程度は制限はあると思うのですが、少なくとも肺炎球菌の侵襲性の小児への感染症は6割ぐらいは減りましたが、まだカバーできていないところもありますので、そういうところで、価数を増やしたものが更にまだ開発できるのだったらしていただきたいということだと思います。以上です。岡田先生、何か追加があったらお願いいたします。
○岡田参考人 特にありませんが、先生方が御存じのように、侵襲性の肺炎球菌感染症は、血清型として今は100種類以上あると言われています。それらを全て入れるわけにもいきませんし、グローバルも含めて、流行している血清型も国によってもかなり違うようですから、日本に多い血清型をいれるのが理想的だと思います。ただ、ワクチンは海外で作られていますので、グローバルに合わせた形で価数を増やしていって、一つずつ減らしていくということしか、今のところ大きな目標は立てにくいかなと思いました。以上でございます。
○伊藤部会長 大変ありがとうございます。この議論は基本方針部会でもよく出るのですが、トータルの量をスプリットして分けていきますから、余り価数を増やすと、一個一個の血清型の免疫原性が落ちてしまうという問題がでます。全体として100ある血清型を、どれが一番よくて、どれをカバーするのかというのはなかなか難しい判断で、海外で実際に使われているものをそのまま日本に持ってきて使っているという今の現状で、各国で最適化するというのは、考え方としてはありなのでしょうが、難しいのだろうなというのが今の現状だろうと認識しています。
ただ、この23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを今後どうするのかとか、改良の余地があるワクチンだろうとは思うので、今後、改善される領域ということで肺炎球菌ワクチンが入っていると認識しています。現実的には、子供の肺炎球菌ワクチンを打つことによって大人の肺炎球菌の数が減ってますので、大変いい効果が出ているのだろうと思っています。事務局から、何か御回答、御説明などはありますか。
○眞中予防接種課課長補佐 事務局です。岩田先生から最後に御提案いただいたGBSワクチンについて、コメントさせていただきます。協議会の先生方に御提案いただきましたGBSワクチンは、海外フェーズ2で開発中となっております。岩田先生がおっしゃっていただいたとおり、侵襲性のGBSというのは全例報告でして、大体年間200例程度の報告数となっております。こういった数で現在の予防接種法に基づく定期接種の、例えばA類ですと、まん延の防止という観点からすると、まん延しているというところまでは言い切れないということで、今回、整理をさせていただきました。
また、岡田先生から御提案の、4つ以外も随時追加していただきたいということですが、先ほども御説明しましたとおり、基本計画については、定期的に見直すことと記載させていただいておりますとおり、新たなワクチン開発や疫学情報が得られれば、必要に応じて改めて検討させていただくということはあると思います。事務局からは以上です。
○伊藤部会長 委員の先生方から御意見等はありませんでしょうか。個人的には、前から、おたふくはどうにかしてほしいと言い続けているのですが、今回、この4つの中に、おたふくが入っているのでいいかなと思っておりますが、今後も引き続きウォッチしていかなければいけないと思っております。あと、小児の所で出てきているのが、今は5価ですが、6価などの多種類のワクチンを含む混合ワクチンについても、引き続き開発の要請をしていくと書かれていると思いますが、それ以外、ノロに関しては前回から引き続き入ってきており、なかなか出てきてないワクチンの1つだろうと思いますが、感染性胃腸炎として日本で一番多い患者数ではあるので、重篤度が高いかどうかは別にして、どうにかする方法はないのかというのは残ると思っています。個人的な意見ではあります。
ほかに何か先生方から御意見はありますか。特段なければ、事務局提案の開発優先度の高いワクチンということで、今回少なくても5か年、途中で変更することはあるかもしれませんが、紙に書き込んでいくワクチンの種類としてはこの形となりますが、よろしいでしょうか。
皆さん首肯していただいていますので、適切に判断した結果がこうなったという理解をさせていただきます。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移らせていただきます。次に、ワクチンの研究開発支援についての報告を事務局から、資料2についてお願いいたします。
○福澤ワクチン開発専門官 資料2を御覧ください。ワクチンの研究開発支援について、昨年2月に御報告していますが、それ以降の更新されたアップデートがあった点について、中心に御説明させていただきたいと思います。
2ページ目を御覧ください。まず健康・医療戦略についてです。健康、医療に関する政策の基本となる健康・医療戦略ですが、現行の第2期健康・医療戦略が本年度まで5か年の戦略となっていまして、それを改定した第3期健康・医療戦略が今年の2月に閣議決定されたところです。
3ページです。こちらは健康・医療戦略の案段階で示された概要ですが、ワクチンに関するところで大きな点としては、赤枠で囲ませていただいている8つの統合プロジェクト、現行の第2期では6つの統合プロジェクトがあり、ワクチンであれば医薬品に感染症関係のものも含まれていたのですが、今回、コロナ禍の経験も踏まえて統合プロジェクトを8つに増やして、そのうちの1つに感染症というものが特出しされて盛り込まれました。
4ページです。健康・医療戦略の本文についても、感染症に関して特出しして、次なる感染症有事に備えてというものがあり、研究開発体制の整備について記載が盛り込まれまして、ワクチン・診断薬・治療薬の研究開発・研究支援の推進といった項目が盛り込まれています。また、右側の9の成果目標でも赤枠で囲んでいますが、平時から感染症領域での産業振興や研究開発などの取組を行いまして、感染症有事が発生した際にも迅速に国産ワクチン・診断薬・治療薬を含めた危機対応の医薬品についての研究開発を行って、利用ができるような体制を構築していくということが目標の1つとして掲げられました。
続きまして、5ページです。これ以降については、先ほど御議論いただいた開発優先度の高いワクチンではないほうの重点感染症に関するワクチンに関しての研究開発の状況を御報告させていただきます。
6ページです。こちらは重点感染症に関して、ワクチン開発に関しての全体像をお示ししたものです。このうちSCARDAで取り組んでいる内容と、右下側にある新型コロナワクチンに関する臨床研究といった点がアップデートされています。
7ページです。こちらはAMED、SCARDAで実施していますワクチン・新規モダリティの研究開発事業での採択課題の一覧となっています。赤枠で囲ませていただいている高病原性のインフルエンザに関するワクチンの有効性、安全性の評価の研究が、昨年9月に新たに採択されたというところになっています。また、緑で囲んでいますデングワクチン、鳥インフルエンザワクチン、季節性インフルエンザ/新型コロナ混合ワクチンについては、後ほど御説明しますワクチンの大規模臨床試験の支援事業で採択されています。
9ページです。こちらはワクチンの開発の中でも、新規モダリティの研究開発に関する枠です。その中でも下に示しています5つの新規のモダリティに関する研究課題が、昨年、採択されたところです。
10ページです。こちらも新規モダリティに関して、昨年の12月から1月にかけて、これら6つの課題が新規モダリティの課題として採択されたところです。
11ページです。新型コロナワクチンの厚生労働省で支援している開発の進捗状況です。昨年10月1日に定期接種が始まり、その時点での情報を更新したものです。第一三共で開発されたmRNAワクチン、Meiji SeikaファルマでのmRNAワクチン(レプリコンワクチン)ですが、こちらについて直近の定期接種に用いるべきとされたJN.1系統に対応するワクチンとしての薬事承認を昨年10月までに取得して、定期接種にこれらの2つのワクチンが用いられているという状況になっています。それ以外の塩野義製薬、KMバイオロジクス、VLPセラピューティクスジャパンについても、引き続き研究開発支援を行っているところです。
12ページです。こちらも厚生労働省で行っていますワクチンの大規模臨床試験等支援事業です。上の枠の3点目にありますとおりSCARDAで、ワクチン・新規モダリティ開発研究事業で支援をしているところですが、こちらについてワクチンの開発支援は第Ⅱ相試験までを対象にするということにされていて、この事業を通じて開発が進められたワクチンのうち、第Ⅲ相試験に進めるというもので、こちらの事業で支援を行うことによって、基礎研究から実用化まで研究開発を切れ目なく支援するということでこの事業を行っています。一番下の枠に示していますが、昨年6月に採択されて、先ほどお示ししましたKMバイオロジクス社のデングワクチンと第一三共社の高病原性鳥インフルエンザのmRNAワクチン、季節性鳥インフルエンザ/新型コロナ混合のmRNAワクチン、これらの3つの課題について採択がされたというところになっています。
13ページ以降は参考資料です。14ページからは現在、進捗している感染症部会の下にあります小委員会、またその下にある作業班で作業が進捗しています重点感染症の見直しについての資料です。15ページ、16ページまでが重点感染症の定義や分類についての更新案やリストの更新案が今年の3月5日に御議論されて、引き続き御議論されているところです。17ページ目以降については、ワクチン開発・生産体制強化戦略に関する一連の事業について、昨年以降、更新がない部分ですが、参考資料として付けているところです。資料の説明は以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。今回、提示いただいているのは、現在、厚生労働省だけではなくSCARDAやほかの部局も含めたワクチン全体で進行中の研究開発体制について、報告を頂いていると思っています。重点感染症の開発がやはり中心になってきていると思いますが、定期接種につながるような技術が含まれています。インフルエンザや新型コロナなどに関しては重点感染症に区分けされているものですが、定期接種につながるものですので、いろいろと意見を述べていただけると有り難いと思います。まずはどなたか御質問はありませんか。大丈夫ですか、巨額の投資がされていますが、ワクチンは今回のコロナ禍を見てもそうですが、安全保障上重要な代物なので国内で需給ができる、生産できることを前提に用意しなければいけないでしょうし、次のパンデミックが出てきたときはmRNAワクチンというスキームだけではない、レプリコンやほかのモダリティも含めて全てに対応ができるように、開発が進んでいると認識していますが、御意見や御質問などはありませんか。事務局が一生懸命に調べてくれていますし、厚生労働省として、こうした発信をするのは、この研究開発及び生産・流通部会しか基本的にはないと認識していますので、本部会を通じて皆さんに情報を共有していただければと思っています。坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 すみません、川崎市の坂元です。1つだけ教えていただきたいのですが、このコロナワクチンの開発に関して、ちょっと私の理解が悪いのかもしれないのですが、今後、新しく開発するときに、例えば1番、2番、3番、東大医研、それからMeiji Seikaファルマと塩野義さんの場合は、起源株でやられていて、その下を見るとオミクロン株XBB.1.5でやられているということなのですが、考え方として、いずれの変異株で臨床試験をやれば、その後、新たな変異が起こってきても、それは一変でいけるという考え方というのは変わりがないということで、こういうやり方をしているのでしょうか。よろしければお教えください。
○福澤ワクチン開発専門官 御質問ありがとうございます。薬事のほうでの取扱いになりますが、この定期接種になって年に1回株を変更しなければならないということになり、その際に臨床試験でその株を確かめてから承認審査という形になりますと、すごく時間が掛かって、それこそ定期接種の期間の1年を過ぎてしまってからの承認という形になりますので、株変更についてはほかの株2種類において臨床試験での有効性、あとは製造上、同じような特性のままで変わらないということが確認されれば、それ以降の株については株変更の製造上のデータで、それもほかのデータと変わりがないということが確認された上で、迅速に承認していただけるという形で薬事で対応されているところですので、起源株にかかわらず2種類の株で、そうした変化がないということが確認されれば、その後は迅速な手続を進められるという制度になっていると理解しています。
○伊藤部会長 坂元先生、よろしいですか。多分、今年というか来年度、定期接種になるかどうかよく分かりませんが、その際の株設定に関しては、坂元先生の小委員会でいろいろと議論されることだと認識していますが、よろしいですか。
ほかに、どなたか御意見や御質問はありませんか。大丈夫ですか。では、事務局からは何かそれ以降のコメントはありますか。
○福澤ワクチン開発専門官 こちらの資料2については以上です。それ以降はその他事項になります。
○伊藤部会長 本日、予定していた議題は以上で終了ということなのですが、一昨日ぐらいにワクチンの生産流通に関して、いろいろな話題があったということも含めて、その他として御説明いただけるということですので、事務局からよろしくお願いいたします。
○福澤ワクチン開発専門官 それでは御説明させていただきます。一部報道などもありましたが、麻しんと風しんの定期接種について、通常とは異なる取扱いにするということになりました。それに関して供給関係のことも言及されていますので、その点を中心に御説明させていただければと思います。
一応、参考資料としてホームページに上げさせていただいている事務連絡、文字で申し訳ないのですが、また来週開催されます基本方針部会で制度的な面の取扱いで、基本方針部会で改めて御報告はさせていただきますが、この部会では供給状況を中心に御説明したいと思います。
1段落目の事務連絡の第1段落の後ろのほうですが、武田薬品工業で生産されているMRワクチンについて、12月に出荷停止ということが公表されました。これのより細かい経緯としては、昨年の1月の時点でMRワクチンのうち麻しんのほうの成分について、もともと承認を受けている有効期間の間に力価が低下して、承認規格を下回る可能性がある、若しくは実際に下回ってしまうということが確認されたことを踏まえて、自主回収と交換という対応がされたところです。ただ、交換をするということで、その時点では順次出荷されているということだったので、生産出荷自体は継続されていたという状況でした。
その後、10月に入り、今度はその出荷する前の時点で承認規格に適合しないようなことがあるということで、1回出荷が停止されるというような事態がありました。それまでの間にほかの製造している第一三共株式会社と阪大微生物病研究会で、出荷がまた停止になる可能性があるということで、御検討いただいていまして、代替供給を、出荷の前倒しなど、そういうことを含めて出荷の対応を頂きまして、その武田薬品工業の出荷停止を受けた出荷量の減少分については、ほかの2社から出荷量を増やすということで御対応いただきました。その後に、ここで記載しています12月にその出荷停止がもう一度起こり、かつそれが長期間にわたるという形で公表されたということです。
これを踏まえまして、その前に書いてあります12月の事務連絡のほうで、第一三共と阪大微研から今年度内の供給の見通しというところ、供給量について御報告いただき、それを事務連絡で周知させていただいて、例年と同程度の供給量が今年度内も確保できるということでお知らせをしたというところです。
また、それを踏まえて、安定的な供給の確保の観点から医療機関や卸業者に、定期接種を実施する医療機関への供給を優先する、あとは適切な発注など、そういったことをお願いするという形に事務連絡をさせていただきました。
一方で、3段落目ですが、現在でも一部の自治体や医療機関から、まだ供給が行き渡っていない、自分の手元に届いていないというような御報告を受けているところです。マクロでの生産量としては、需要を満たせるような量ではあると思いますが、その末端の所までの供給がうまくいっていない部分があるということです。また、定期接種で3月末に一旦、期限としては区切ることになるというところで、この3月末にかけて、これまでそういった形で接種が受けられていない方に関して、駆け込みでの需要が短期間で発生し得るということで、それを考慮すると医療機関でもそういう大人数を一度に接種する体制を確保することが困難なことがあり得るため、今年度内の接種が受けられないと見込まれる方については、事務連絡の後ろのほうに細かいことを記載していますが、来年度以降も定期接種の対象者として扱っていい、来年度、再来年度について対象として差し支えないということで、各自治体に周知をしたというのが、この事務連絡ということになっています。具体的な対象疾患の取扱いについては、また基本方針部会で御説明する予定となっています。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。今回、行政サイドで特例的に発令をして、法令に基づいて2年間延長するという通知が出されたとは思っていますが、こういった生産流通上の問題が発生しないようにするのが、この委員会の本来の役割だと思っていますので、多少ゆとりのある生産体制と国内の自給体制というのは、やはり持っていないと危険なのだろうなと改めて思っています。本来は来週の基本方針部会で細かい取決めをするのだろうとは思いますが、一応、その法律上の考え方に基づいて、こういった通知を出されたことについて、その部分について説明いただけますか。いきなり2年と言われて、その2年という数字がちょっと気になったので、説明をお願いできますか。
○福澤ワクチン開発専門官 事務連絡の3枚目の所の(2)に記載していますが、こちらの予防接種法の施行令の規定で、特別な事情が生じて、それが解消されてから2年間の間は本来の予防接種の対象の期間に加えて特例的に接種を行って差し支えないという扱いになることが、法令上、規定されているというものです。この特別な事情に関しては、先ほど御説明しました接種体制の限界は、3月末にかけての駆け込みが終わると 、一旦、解消されるということと、また流通に関しても改善傾向にあると伺っていまして、こちらのこともありまして3月末で期間を区切って、それ以降の来年度、再来年度、法令に規定されている2年間ということで対象として、定期接種として使って差し支えないという形で取り扱うことになります。
○伊藤部会長 ありがとうございます。この枠組みは、基本方針部会など、そういうものを含めて方針が変わるということはあるのでしょうか。それとも1回、こういう事務連絡を出されているので、基本路線はこのとおりに進むという整理なのでしょうか。
○前田予防接種課長 予防接種課長です。今、御説明しましたこれは事務連絡として既に発出していまして、こういったものは基本的には法令に基づいて実施しているものですので、ワクチン施策に関係するということで改めてワクチン分科会の皆様に御披露するということはありますが、改めて協議をするという性質のものではありませんので、基本的には御報告という形で御説明をさせていただきたいと思っています。私からは以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。この事務連絡が急に出てきたときに、少しびっくりしたので御説明いただきましたが、ありがとうございました。ほかの先生方から、坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 どうもありがとうございました。1つのお願いは事務連絡を発出するときには、やはり予防接種分科会の委員にも同時に出していただきたい。これが1つのお願いです。いろいろお忙しいことは、重々承知していますが、いきなりニュースで知って何が起こったかわからないのということがないように、そこは願いたいと思います。
それから、自治体のほうに、つまり市町村のほうに御説明いただけるということなのですが、先ほど19日の基本方針部会でも再度、説明したいということなのですが、これは自治体への説明というのはおおよそいつぐらいになるのでしょうか。私のほうにいろいろ問合せが来て、いろいろ何か疑問を持っている市町村もあるようなので、その説明会をできるだけ急いでくれないかという要望が来ていますので、その辺のおおまかな日程、いつぐらいにやるということがお分かりになったら教えてください。これはもちろん既にある細則に従ってやるので、新たに審議事項にはならないということは重々承知していますので、その辺の日程がもし、おおよそでいいですからお分かりになったら、お教えいただきたいということです。以上です。
○前田予防接種課長 予防接種課長です。ちょっと部会のその他の議題になっていますので、部会の所掌を越えて御説明しますと、今回、そういう形で報告を予定しているという事実と、こういった事務が実際に生じるのが4月以降ということですので、これは月内に一度、自治体の皆さんには御説明をする機会を設けさせていただこうと思っています。既に幾つか、実際の実務の進め方について御懸念も頂いているところもありますので、そういったところも改めて御説明をしようと思っています。私からは以上です。
○坂元委員 ありがとうございます。よく分かりました。
○伊藤部会長 ほかに何か、石井先生、どうぞ。
○石井委員 御説明いただき、どうもありがとうございました。私から聞きたいのは、武田のMR、麻しんワクチンのほうです。この力価が低下しているということで、この理由の解析というのは進んでいるのかということと、出荷停止の解除というか、出荷が再開できる見通しはどういうものなのかということが、もしお分かりだったら教えていただければと思います。
○眞中予防接種課課長補佐 事務局です。石井先生からの武田の力価低下の理由についてご質問いただきましたが、以前、武田から示された見解では保存方法の逸脱というところで御報告を頂いていました。一方で、その保存方法を改善したロットにおいても、同様に力価低下が生じていることから、武田で原因究明に努めているところです。状況については逐次、我々と共有いただきながら原因究明に向けた解析を進めているところです。
2点目の供給見通しについては、武田から2025年の12月以降に供給再開を目指しているという旨を御報告いただき、そちらは武田からも公表された情報となっています。事務局からは以上です。
○石井委員 どうもありがとうございました。
○伊藤部会長 ほかにはありませんか。生産・流通部会として、国内生産に関することですので、確認しておかないといけないので、ちょっとしつこく聞いていますが、よろしいでしょうか。
それでは、今日の予防接種・ワクチン分科会の研究開発及び生産・流通部会を終わらせていただきます。皆さん、今日はどうもありがとうございました。
○坂元委員 ありがとうございました。失礼します。
○岩田参考人 ありがとうございました。
○岡田参考人 ありがとうございました。