- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 健康・生活衛生局が実施する検討会等 >
- 院内感染対策サーベイランス運営会議 >
- 院内感染対策サーベイランス運営会議 議事録
院内感染対策サーベイランス運営会議 議事録
健康・生活衛生局感染症対策課
日時
令和7年3月21日(金)10:00~11:30
場所
WEB開催
出席者
- 菅井議長
- 荒川委員
- 四柳委員
- 大曲委員
- 柴山委員
- 大毛委員
- 坂本委員
- 早川委員
- 山岸委員
- 針原委員
- 矢原参考人
- 梶原参考人
- 平林参考人
- 保阪参考人
- 遠藤参考人
- 田島参考人
- 松永参考人
議題
(1)検査材料別アンチバイオグラムの検査部門 公開情報年報への追加について
(2)検査部門 「特殊な耐性を示す菌」のカテゴリAおよびカテゴリBへの追加事項について
(3)感染症発生動向調査(MRSA、PRSP、CRE感染症)の届出基準変更に伴うJANIS「特定の耐性菌」の変更点について
(4)JANIS検査部門における外来部門の還元情報の追加について
(2)検査部門 「特殊な耐性を示す菌」のカテゴリAおよびカテゴリBへの追加事項について
(3)感染症発生動向調査(MRSA、PRSP、CRE感染症)の届出基準変更に伴うJANIS「特定の耐性菌」の変更点について
(4)JANIS検査部門における外来部門の還元情報の追加について
議事
- 議事内容
- ○上地課長補佐 ただいまから「院内感染対策サーベイランス運営会議」を開催いたします。
本日、司会進行をさせていただきます、厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課の上地と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
構成員の皆様方におかれましては、本日は御多用のところ、本会議に御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日、ウェブ会議となっておりますが、まず、本会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡いたします。
御発言される場合は、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが御了承願います。
会議の途中で、長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、院内感染対策サーベイランス運営会議に加わられた構成員を御紹介いたします。こちらからお名前を申し上げますので、音声の確認も兼ねまして、一言お返事いただければと思います。
針原康構成員です。
○針原構成員 針原です。よろしくお願いいたします。
○上地課長補佐 よろしくお願いいたします。
次に、構成員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の構成員につきましては、通信状況の確認も踏まえて、構成員のお名前をこちらから五十音順に申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
荒川構成員。
○荒川構成員 荒川でございます。よろしくお願いいたします。
○上地課長補佐 大毛構成員。
○大毛構成員 広島大学の大毛です。よろしくお願いします。
○上地課長補佐 大曲構成員。
○大曲構成員 大曲です。よろしくお願いします。
○上地課長補佐 坂本構成員。
○坂本構成員 坂本です。よろしくお願いします。
○上地課長補佐 菅井構成員。
○菅井構成員 菅井です。よろしくお願いいたします。
○上地課長補佐 早川構成員。
○早川構成員 早川です。よろしくお願いいたします。
○上地課長補佐 山岸構成員。
○山岸構成員 山岸です。よろしくお願いいたします。
○上地課長補佐 四柳構成員。
○四柳構成員 四柳です。よろしくお願いいたします。
なお、本日は、大曲構成員から途中退席の御連絡を、清祐構成員から御欠席の御連絡をいただいております。
本日の議題に関しまして、参考人として、JANIS事務局の国立感染症研究所から、矢原様、梶原様、平林様、保阪様に、国立国際医療研究センターから、遠藤様、田島様、松永様にお越しいただいております。
現在、運営会議構成員11名のうち10名に御出席いただいておりますので、会議が成立しましたことを御報告いたします。
次に、資料の確認をいたします。
議事次第、配付資料一覧、構成員名簿のほか、資料1、参考資料1を御用意しております。資料の不足がございましたら、事務局にお申し出ください。
申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りに関しましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降の写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることができませんので御留意ください。
続きまして、会長の選任に入ります。
2022年の本会議より、会長を菅井構成員にお願いしております。引き続き、菅井構成員にお願いすることで御異議はありませんでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○上地課長補佐 それでは、菅井構成員に会長をお願いいたします。 運営会議の会長が議長を行うこととなっておりますので、菅井議長に以降の進行をお願いしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
○菅井議長 改めまして、薬剤耐性研究センターの菅井です。
議長を指名していただきましたので、議事に入りたいと思います。
本日は、議題として4つございます。なるべく時間内に収めるように進めたいと思います。
まず1番目「検査材料別アンチバイオグラムの検査部門 公開情報年報への追加について」。
2番目「検査部門『特殊な耐性を示す菌』のカテゴリAおよびカテゴリBへの追加事項について」。
3番目「感染症発生動向調査(MRSA、PRSP、CRE感染症)の届出基準変更に伴うJANIS『特定の耐性菌』の変更点について」。
4番目「JANIS検査部門における外来部門の還元情報の追加について」が用意されています。では、よろしくお願いいたします。
まず、議題の1ですが「検査材料別アンチバイオグラムの検査部門 公開情報年報への追加について」ということです。参考人の矢原様から資料1の説明をお願いいたします。
○矢原参考人 画面の共有をいたします。
議題1です。
こちらは、検査材料別のアンチバイオグラムを検査部門の公開情報の年報に追加するというものです。
従来、JANISの検査部門の公開情報年報に掲載されているアンチバイオグラムは、検査材料別にはなっておりません。ただ、皆様御存じのように、2023年から2027年のAMR対策アクションプランの成果指標の中に、例えば「黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率」、これは血液由来の黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率を算出することというように書かれています。大腸菌に関しては尿検体由来、緑膿菌は血液検体由来となっています。
これらの新アクションプランの成果指標の値を、JANISの公開情報年報の中から見て取れるようにする必要がありますので、今回新たに、JANISの検査部門の公開情報の中に、これらの成果指標に対応する血液検体由来及び尿検体由来のアンチバイオグラムを追加するというものが議題の1です。
JANISの検査部門の公開情報のアンチバイオグラムは、入院の公開情報と外来の公開情報、2種類がございますけれども、どちらも公開情報にも検査材料別のアンチバイオグラムを追加したいと思います。
これは、現在、ワンヘルス動向調査報告書の策定が進んでおりますけれども、その成果報告書の中に、成果指標の現在までの値が記載されているテーブルがございまして、その中に、計算されている値というのが、入院と外来を合算した値になっているためです。
以上が議題1の説明になります。
○菅井議長 追加されたものというのは、検査部門の公開情報年報にどんな形で出るかというのは、例がありますか。
○矢原参考人 例がこちらです。
菌種別のアンチバイオグラムのセクションがあります。そのアンチバイオグラムのセクションの一番最後に、「血液検体」の黄色ブドウ球菌、それから、緑膿菌、そして、「尿検体」の大腸菌のアンチバイオグラムが追加になる予定です。
○菅井議長 ありがとうございます。
ただいまの議題ですけれども、検査材料別のアンチバイオグラムの検査部門の追加ということで、新しいアクションプランに応じて、非常に小さい字で少し見にくいのですけれども、「拡大」と書いてあるところですけれども、実際のJANISの場合には、検体として捉えたものに、感染症を起こしたもの以外にもキャリアのものが入っているということで、そういったものを除くという観点から、血液検体、MRSAとカルパペネム耐性緑膿菌については血液検体、大腸菌のフルオロキノロンについては尿検体というのを使いましょうということになっています。それを、実際に、JANISのほうのデータに、公開情報に追加するという提案ですけれどもいかがでしょうか。皆さんのほうで、御異議あるいは御発言はありますでしょうか。
柴山先生、お願いします。
○柴山構成員 名古屋大学の柴山です。
これは非常にいいことだと思いますけれども、これは、既に、国際医療センターのほうで公開されているワンヘルスのほうに公開されたあのデータと一部重複というか、同じものをJANISでも公開するという形になるのでしょうか。
○矢原参考人 お答えします。
ワンヘルス動向調査報告書の中にはテーブルが1つあって、そのテーブルの中に、新アクションプランの成果指標の現時点での値が年ごとに載っています。その年ごとに計算された値のローデータが、JANISの公開情報の中で見て取れるようになるということです。
○柴山構成員 分かりました。ありがとうございました。
○菅井議長 柴山先生、ワンヘルスプラットフォームのほうではないですよね。NCGMが公開しているワンヘルスプラットフォームがありますけども、そちらではなくて、今、矢原さんからお答えされたのは、ワンヘルス動向調査年次報告書のことだと思うのですけれども。
○柴山構成員 ありがとうございます。
私、プラットフォーム、あちらの、NCGMのほうがホームページで公開しているあちらのほうのデータと重複するというか、データとしては同じものなのかなと、そういうつもりでお伺いしました。
○矢原参考人 失礼しました。質問の意図を取り違えておりました。
お答えします。結論としてはと同じデータになります。
データの出どころというのは、WHO GLASSに、毎年、JANISのデータベースからデータを抽出して、WHO GLASSの仕様に基づいて、検査材料別に集計したデータをGLASSに提出しています。そのGLASSに提出しているデータを都道府県別に分割して、ワンヘルスプラットフォームに提供して、ワンヘルスプラットフォームのほうで見て取れるようにしています。全くそれと同じデータを使って、JANISのアンチバイオグラムのページにアンチバイオグラムを追加するという話ですので、データとしては同じデータになります。
○柴山構成員 ありがとうございます。
以前に、JANISのほうのデータと、医療センターのホームページに出ているデータと、元はJANISで同じなのに、少し数値が違うじゃないかという、ちょっとその誤解もあったことがありましたので、こういう形で出していただけると非常にいいと思いました。ありがとうございます。
○菅井議長 ありがとうございます。
ほかに質問、コメント等はございますでしょうか。
大曲先生、よろしいですか。
○大曲構成員 大丈夫です。
○菅井議長 ありがとうございます。
それでは、皆様、お認めいただけたということで、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、次の議題に参ります。
議題2「検査部門『特殊な耐性を示す菌』のカテゴリAおよびカテゴリBへの追加事項について」ということで、続きまして、この議題について矢原先生から説明をお願いいたします。
○矢原参考人 前回の運営会議で、セフトリアキソンを一部の菌種のアンチバイオグラムに追加するという決定をいただきました。その際、セフトリアキソンと同じ第3世代セファロスポリンであるセフォタキシムに関して、A群溶連菌のセフォタキシムの非感性株が検出された場合には、国内で過去に例がない薬剤耐性菌、カテゴリーAとしてJANISでは扱っておりまして、責任者と担当者に警告メールが送られるという仕組みになっておりました。
セフォタキシムもそのようにしていますので、セフトリアキソンについても全く同じようにA群溶連菌のセフトリアキソン非感性株が検出された場合には、カテゴリーAとして扱って責任者と担当者に警告メールを送ると。そして、医療機関での確認をお願いしますという扱いにさせていただきたいというのがこの2点目です。
肺炎球菌に関しましても、髄液由来肺炎球菌について、中間耐性も含みますけれども、セフォタキシム耐性株については、国内での報告が比較的まれな薬剤耐性菌カテゴリーBという扱いになっています。セフォタキシムがそういう扱いになっておりますので、セフトリアキソンも全く同じ扱いにさせていただきたいというシンプルな内容が議題の2です。
以上です。
○菅井議長 ありがとうございます。
特殊な耐性菌ということで、たくさんのデータがJANISに上がってきますけれども、年に本当に1例あるかないかですが、β-ラクタムに耐性を示すS.pyogenesというのが登録されたりすることがあって、その場合には直ちにその確認をするということで、こういうカテゴリーA、カテゴリーBというのが設けられていると理解しています。
前回、セフトリアキソンを追加したということで、それに伴うカテゴリーA、カテゴリーB、本当は前回のときに一緒にしておけばよかったのですけれども、1年遅れになりましたが、カテゴリーA、カテゴリーBへのそれぞれ追加をお願いしたいということであります。御意見はございますでしょうか。
荒川先生、どうぞ。
○荒川構成員 追加することは大事なことだと思うのですけれども、レンサ球菌のβ-ラクタムの感受性試験というのは、菌の培養条件ですね。どのフェーズの増殖をしている菌なのかとか、接種菌量とか、そういうものによって微妙に変化するので、その辺の試験法を、ある程度きちんと精度管理しないと、エラーデータがいっぱい出てくる可能性はあるのかなと。
だから、サーベイランスでこういう形で、状況を把握していくのも大事なのですけれども、やはり報告があったら、AMR研究センターのほうに菌株を取り寄せて再確認をするとか、あるいは、自動検査装置などで判定している場合は、機種間の結構ばらつきとか差はあるようにも思いますので、その辺のところも併せて、研究班なのかAMRセンターの事業ベースでやるのか、どちらか決めていただければいいと思うのですけれども、菌株を取り寄せてきちんと確認する作業も並行して行っていく必要があるのではないかなと思います。
○菅井議長 ありがとうございます。
ちょうど昨年、こういうケースが1つありまして、その際にはAMRセンターのほうで受け入れて、それについてのさらに詳しい解析を行ったという経緯がありますけれども、矢原さんのほうで追加はありますか。
○矢原参考人 JANISのデータは、1月のデータを2月15日までに提出するという、細菌検査をした時点からデータ提出までにタイムラグがあります。JANISにデータを提出するまでの、そのタイムラグの間に菌株が保存されているかというと、血液由来ではないと菌株は医療機関には保存されていないというケースがほとんどであるというのが実情です。
今朝、カテゴリーA、カテゴリーBの菌が検出された場合に、2023年ですけれども、それは血液由来であったケースというのを見直してきましたけれども、トータルで1件しかございませんでした。ですので、菌株が保存されている場合に、感染研AMRセンターのほうで菌株を受け入れて精査するというのは、もちろん積極的にやっていけるのであればやっていきたいと思うのですけれども、医療機関のほうでそもそも菌株が保存されていない場合には、それはできないというのが現実だと考えます。
○菅井議長 もう一つは、啓蒙をしていくことは大事なのかなと思いますけれども、荒川先生、いかがですか。
○荒川構成員 やはり、そういう特殊な耐性菌が、臨床上も問題だし、サーベイランスをしていく価値もある、そういう菌が見つかった場合は、菌株の保存を、あるいは早めにAMR研究センターに届けるというか報告というか連絡をしてもらうようなことを、お願いベースでホームページかどこかに出されてもいいような気がしますけれども。数がそんなにないわけですから。1,000株とか2,000株あったら、これは大変なことになりますので。そちらの対応も大変なことになります。数株ぐらいの状況であれば、お願いベースでそういうアナウンスをされてはどうでしょうか。
○菅井議長 ありがとうございます。
矢原先生、どうですか。
○矢原参考人 いただいた御意見に基づいて、例えば、血液からカテゴリーA、カテゴリーBの菌株が検出された場合には、JANIS事務局のほうに御連絡くださいと。その場合には菌株を精査させていただきますという一斉メール通知を、参加医療機関の皆様に送らせていただくことは可能です。今回の運営会議での御意見に基づいて、ほかに構成員の先生方から御反対がないようでしたら、そのような扱いにさせていただきたいと思います。
○菅井議長 ありがとうございます。
皆さん、いかがでしょうか。
柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 現在、そういう特殊な耐性菌が検出された場合というのは、精度管理の一環として問合せはされているのではなかったでしょうか。
○矢原参考人 問合せをしていて、問合せ過程で菌株が残っていない場合には、未確認データとしてデータを修正していただいています。
○柴山構成員 問合せをして、あえてそこでは、菌株をこちらに送ってくださいとか、そういったことは依頼をしていないということですか。
○矢原参考人 そうです。問合せをする時点で、現実問題として菌株が残っていないケースが現在の運用ではほとんどです。ですので、荒川先生がおっしゃった、年報を集計する過程でのデータ精度管理の時点まで待たずに、あらかじめ参加医療機関の皆様に、血液からカテゴリーA、カテゴリーBの菌株が出た場合にはJANIS事務局まで御一報方くださいという一斉メール通知を差し上げておくというのが、荒川先生のコメントの御趣旨だと思います。
○柴山構成員 分かりました。
○菅井議長 早川先生、どうぞ。
○早川構成員 ありがとうございます。
菌株を集めることには賛成です。先ほど、血液検体は1例しかないと。感染症法に基づき、侵襲性A群レンサ球菌感染症であれば届出をするので注意も向きやすいし、細菌検査室でも菌株をある程度の期間保存しておいて頂けることも多いかと思います。これまでに検出されている検体というのは咽頭などが多いのですか?もしくは喀痰とか。どの辺りから実際に検出されているのかなと思いました。
○矢原参考人 A群溶連菌でしょうか。
○早川構成員 そうです。
○矢原参考人 検体その他というのもあります。
今、今朝確認していたエクセルファイルを開かせていただきますが、A群溶連菌、検査材料、実は「その他」というのが95%ぐらいです。呼吸器系検体が残り数%という状況です。
○早川構成員 「その他」なのですね。ありがとうございます。
○菅井議長 ほかに。
○荒川構成員 荒川ですけれども、その場合、このJANISは、もともと院内感染対策のサーベイランスということで、血液から出た場合は一大事ですね。これは治療にも影響しますので。血液以外で、例えば喀たん材料から出るような場合も、院内感染というか施設内感染の伝播を防ぐためには、侵襲性ではない検体から出た場合も把握していくほうが、要するに、患者から患者へ広がったり、病棟の中で広がったりするという、感染症を起こしてなくても、そういう状態になっているというのは、感染対策上は非常に問題だと思います。
そういうものが増えてくると、当然、血液に侵入したり、髄膜炎とかを起こすような場合もあると思うので、やはり、JANISというのは、もともとは院内感染対策のサーベイランスなので、もう少し裾野を広く把握できるようなことも検討したほうがいいのではないかなという気はしますけれども。
○早川構成員 私も、珍しい菌を集めるというのは、別に検体にかかわらずやってもいいのではないのかなと思います。一方で、現場からすると、「その他」は、小児などの喉頭検体も多いのかと思います。そうすると、菌株を保存していないことも多いかもしれません。アナウンスが来て、検査室が「JANISに送らないといけないんだ」というのをどれぐらい把握してもらえるかが、やってみてのところになるのかもしれないなとは思いました。侵襲性であれば、届出で動いていくので、少し菌株が集まりやすいところがある一方で、非常にレアなシチュエーションになるのかなと思いました。集めるということ自体に関しては、別に検体種別にかかわらずというのは、それでいいのかなとは思います。
○矢原参考人 少しだけ補足させていただきますと、95%が「その他」というのは、A群溶連菌のセフトリアキソン非感性株でして、具体的に少し補足申し上げますと、A群溶連菌ペニシリン非感性株は、検査材料、咽頭粘膜、その他呼吸器、喀たん、創部という4件がありました。
セフォタキシム非感受性は、創部1件、その他呼吸器1件、咽頭粘膜1件。
それから、その他のカテゴリーAの菌に関しては、尿1件、創部1件、喀たん2件といった状況です。
○菅井議長 ありがとうございます。
○荒川構成員 荒川ですけれども、いいですか。
その場合、特定の医療施設とか特定の検査機器に集積傾向が見られるというようなことはありますか。
○矢原参考人 特定の医療機関ですか。
○荒川構成員 そうですね。そういう届出をしている機関で、2件、3件と同じような非感性株を届け出ているような施設があるのかということと、特定の検査装置、たしかJANISの検査部門の場合は、検査機器のコードもあったと思うので、その特定の機器で測定すると、そういう、少し非感性に出てしまう傾向が強いとか、そういうような傾向はあるのですか。
○矢原参考人 まず、医療機関に関しましては、カテゴリーA菌の検出状況について、医療機関の偏りはございません。そもそも、もともと検出量が非常に少ないので、少ない中で、特定の医療機関に偏っているということはございません。
特定の測定機器にそれが偏っているのではないかという点に関しては、今までそこを確認したことがありません。少し確認にお時間をいただくと思いますが、正確に確認したことがまだないのが実情です。
○荒川構成員 分かりました。
また何か分かったら教えてもらえればと思います。
○菅井議長 ありがとうございます。
では、この、検査部門の「特殊な耐性を示す菌」のカテゴリーA・Bへのセフトリアキソンの追加についてはお認めいただいたということで、また、荒川先生の御意見を反映して、医療施設のほうで出た場合に、菌株を保存してJANISまで連絡していただくような一斉メールをJANIS事務局のほうから差し上げるという点を追加したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○菅井議長 ありがとうございます。
では、議題3に参りたいと思います。
「感染症発生動向調査(MRSA、PRSP、CRE感染症)の届出基準変更に伴うJANIS『特定の耐性菌』の変更点について」ということです。矢原先生、お願いいたします。
○矢原参考人 本日の議題の中で一番議論の必要な点になると思います。
先生方、御存じのように、来月、感染症発生動向調査の届出基準の変更の施行が予定されています。これに伴って、JANISで特定の耐性菌の分離患者数というのを数える場合の基準をそれに対応させる必要があるという内容です。
少しだけ背景の説明をさせていただきますと、JANISに関する背景ですけれども、JANISでは、各菌種のアンチバイオグラムを作成する場合には、CLSIの基準しか用いていません。CLSI2012の基準を長らく用いています。一方で、特定の耐性菌、例えばMRSA、VRE、PRSP、MDRP、MDRA、CREの分離された患者さんの数を数える場合には、感染症発生動向の調査の届出基準とCLSIの基準を組み合わせておりまして、おおむね感染症発生動向調査の届出基準を優先する基準になっております。
今回、来月から、感染症発生動向調査の届出基準が、赤字で書かれてあるとおり変更になります。これに伴いまして、JANISで特定の耐性菌というのが、ここにリストアップされているものですけれども、これらの特定の耐性菌が分離された患者数を数える場合に、このスライドで、現在お示ししているものが現時点の基準になるのですが、この赤い部分が感染症法の届出基準の変更の影響を受ける部分になります。この赤い部分について、それぞれ具体的にどのように、JANISのほうで変更対応をするのがよいかというのが次のスライド以降の内容です。
まず、MRSAについてです。
これは、ただ記載を変更するのみになります。判定基準表の中にディスク拡散法、オキサシリン10ミリ以下という記載がありますけれども、これは記載を削除するというシンプルな内容です。
次が、恐らく一番重要なCREです。
CREに関しては、メロペネムが耐性という基準と、イミペネムが耐性かつセフメタ耐性という二本立てでこれまで感染症法は運用されてきたのですけれども、このイミペネム耐性かつセフメタ耐性の基準が削除されます。これに応じて、JANISのほうでもこの基準を削除して、メロペネム耐性基準だけにします。
なお、改訂予定の感染症発生動向調査の届出基準では、メロペネムが感性であっても、カルバペネマーゼ産生(遺伝子)が確認された場合には届出基準、届出対象とするとなっていますが、JANISのほうでは、上記のMICのデータのみを対象として、遺伝子情報を収集対象とはしない方針です。これは、遺伝子情報は手入力を必要とし、検査の有無、結果の入力法など、病院ごとのばらつきが大きくて、正確な統計を取っていくことは困難だと考えるためです。
次がPRSPです。
PRSPに関しては、今までは、感染症法のほうで検査材料の場合分けがなされていなかったのですけれども、来月施行予定の新しい基準では、無菌検体と無菌検体以外で場合分けされます。JANISのほうでも、それと全く同じように、無菌検体とそれ以外を場合分けしてPRSPの分離患者数を数えるというのが案1です。
具体的には、無菌検体の場合に、ペニシリンのMIC0.125以上。または、無菌検体以外の場合に、ペニシリンのMIC4以上というのを、JANISでのPRSP分離患者数をカウントする場合の基準とするというものです。
この案に関する補足としまして、CLSIのほうでは、無菌検体と無菌検体以外という場合分けはしていなくて、髄液と髄液以外という場合分けで整理がされています。もし、このCLSI基準に準じる場合には、こちらが案2になりますけれども、無菌検体と無菌検体以外という場合分けではなくて、髄液検体と髄液検体以外という場合分けになってきます。その場合に、CLSIの基準で髄液検体以外のペニシリンの耐性、MIC8以上になりますので、感染症法の場合には無菌検体以外でペニシリンMIC4以上となっていますけれども、髄液、髄液外でCLSIの基準に準じて場合分けする場合には、髄液以外はペニシリンMIC8以上という場合分けになると思います。
今、ここで場合分けして申し上げているのは、特定の耐性菌の分離患者数を数える場合のJANISの基準に関するものです。各菌種のアンチバイオグラムに関しては、先ほど少し背景のところで説明させていただきましたが、従来どおりCLSIの基準だけを用います。
以上が議題3の説明になります。
○菅井議長 ありがとうございます。
では、順番に行きたいと思います。
まず、最初にMRSAについてですけれども、最初のページに戻っていただけますか。5ページです。MRSAに関しては、セフォキシチンの基準が加わってディスクの拡散法のオキサシリンの基準が削除されました。これに合わせて、JANISのほうの提案としては、7ページですけれども、上のほうで、オキサシリンの基準を削除するということですが、これについては皆さんいかがでしょうか。お認めいただけますでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○菅井議長 ありがとうございます。
では、2番目のCREについてですけれども、CREについては、今までメロペネム基準とイミペネムとセフメタゾールの基準の2つの基準がありました。これは、微量液体希釈法もディスク拡散法も両方ですけれども、そのうちの両方削られましたので、7ページの下にありますように、同じようにイミペネムとセフメタゾール基準を削除、微量液体希釈法、ディスク拡散法についても削除するという方向でいかがでしょうかということですが、この点についていかがでしょうか。すなわち、メロペネム基準だけが残るということになります。
柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 ありがとうございます。
技術的というか、実際、既にこれまでのデータで試行されましたでしょうか。というのは、実際、医療現場で、そもそも、これはイミペネムとセフメタゾールを入れたというのは、この基準を最初に作ったときに、メロペネムを調べている医療機関がちょっと少なかったという事情があったのですけれども、現在ではメロペネムは、ほとんど医療機関がやっている、そういうことはもう調べられていますでしょうか。実際のデータが、また判定不能などというデータがたくさん上がってくるようになってしまうと困るなと思いましたので、お伺いします。
○菅井議長 ありがとうございます。
この点については、矢原さんのほうは大丈夫ですか。あるいは、厚労省のほうからお答えいただいたほうがいいですか。
○矢原参考人 メロペネムを測定している医療機関の数が非常に多くなっていることは確認しています。正確な数字は、申し訳ありませんが現時点で覚えていないのですけれども多くなっています。そういった背景が厚労省の小委員会でも繰り返し議論されて、この届出基準改定に至っているはずです。
○柴山構成員 ありがとうございます。
実際に、本当に、集計に問題が生じない、データがちゃんと集まるのであれば問題ないと思いまして、この基準を変えたことでデータにギャップができてしまうとよくないなと思ったので御質問しました。
これは、先ほどの、ちょっと戻ってしまうのですけれども、MRSAについても、これも同じように、特にこれを削除してもデータにそれほど影響がないということで、そういう理解でよろしいでしょうか。
○矢原参考人 MRSAに関しては、単にマニュアルの記載を一部カットするというだけの話で、集計には全く影響ありません。なぜかというと、JANISのほうでは、微量液体希釈法のMICデータしか集計していないためです。
○柴山構成員 分かりました。ありがとうございました。
○菅井議長 上地先生、どうぞ。
○上地課長補佐 ありがとうございます。厚生労働省の上地でございます。
AMR小委員会の際に、各メーカーの薬剤感受性プレート等々を調べたのですけれども、現在、国内メーカーの一部の感受性パネルからは、イミペネムが削除されています。矢原先生のコメントを踏まえ、イミペネムとセフメタゾールの基準がなくなっても、影響はないと認識しております。
以上でございます。
○菅井議長 上地先生、ありがとうございました。
では、このCREの基準についての変更については、お認めいただけるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
では、続けてPRSPですけれども、こちらは、従来は区別がなかったものを、今回、2案出ていますけれども、血液、髄液、胸水、腹水、その他のいわゆる無菌検体と無菌検体以外に分けて判定基準に、無菌検体以外の場合には4より大きいと。無菌検体の場合は0.125というのを追加する。ディスク法は削除と。
もう一案は、髄液と髄液以外として、髄液の場合は0.125、髄液以外の場合は8より大きいというようにして、こちらもディスクの拡散法については削除と。
案1のほうは、感染症発生動向調査届出基準に準じたもので、2のほうはCLSI基準に準じたものということで、それぞれにはそれなりの意味があるということだと思うのですけれども、矢原さん、JANIS事務局としては、どちらの案という、中での御意見というのはあるのでしょうか。
○矢原参考人 感染症発生動向調査のほうでPRSPの定義が案1になっていますので、案1のほうが従来のJANISの考え方、つまり、感染症発生動向調査の基準をCLSIの基準よりも優先するという考え方に合致していて、従来の流れを踏襲していますので望ましいのではないかと事務局のほうでは考えております。
○菅井議長 ありがとうございます。
では、ここについて皆さんの御意見をお伺いしたいと思います。
上地先生、どうぞ。
○上地課長補佐 厚労省の上地でございます。
先に、本日不参加となっています九州大学病院の清祐先生から、このPRSP感染症の案1と2についてメールで御意見をいただいておりますので、読ませていただきます。
「議題3について悩ましい選択ですが、これまでの経緯を考慮し、案1でよいかと思います。現場の臨床検査技師としては、案2のほうが解釈しやすく分かりやすい集計です。各菌種のアンチバイオグラム作成には、これまでどおりCLSI基準を用いることから、案2はそちらで参照可能です」ということで、清祐構成員からは案1ということで御意見をいただきました。
以上でございます。
○菅井議長 ありがとうございました。
現場の臨床検査技師の意見は大事かと思います。
柴山先生、いかがでしょうか。
○柴山構成員 何度もすみません。
これは、ちなみに感染症法で4という数字に、また、これも新たにできるということですよね。今までは、多分、そういう0.125という基準だけだったように思うのですけれども。
○矢原参考人 そのとおりです。
○柴山構成員 ちなみに、御参考までに、この4という、無菌検体以外として、4以上というようにしたという、この辺の根拠をもし御存じの方がいらっしゃいましたら、ここで御紹介いただけると、より理解が進むのではないかと思いますが。
○上地課長補佐 菅井先生、よろしいでしょうか。
○菅井議長 どうぞ。
○上地課長補佐 厚生労働省の上地でございます。
AMR小委員会で御議論いただいた際には、無菌検体以外のPRSPの届出基準を8µg/mLとした場合、例えば、小児の場合だと、発生動向調査の報告数が、限りなく0に近いということが報告されておりましたので、8µg/mLでは、今後、PRSPの動向を追っていく上で不適切ではないかというような御意見だったかと思います。
以上でございます。
○菅井議長 柴山先生。
○柴山構成員 ありがとうございます。
では、そこを踏まえて、この案1、案2、どちらが適切かということになるのですけれども、清祐先生の御意見のとおり、現場的には、案2のほうが割と受け入れやすいような気がするのですが、ただ一方で、これだとほとんど検出できないということですと、サーベイランスをやる意味がないということになってしまうと思いますので、案1のほうがいいかなという気もしますが、難しいところかなと思いました。
○菅井議長 ありがとうございます。
この点、たしかAMR小委員会でも結構議論をしたところだと思います。
ほかに。
大曲先生、いかがですか。
○大曲構成員 菅井先生、ありがとうございます。
僕も案1で賛成です。小委員会の議論も、実際、参加して聞かせていただきましたし、そこの中で出てきたポイントは、先ほど上地さんからもお話しされたとおりでありました。
あとは、現場との調整という観点では、学会の意見、臨床微生物学会の意見も聞かれていて、できると。つまり、新しい、ここで示された案1の基準であっても、ちゃんと現場としては運用ができるということに関しては、学会からも意見を伺っていると聞いていますので、その辺、全体を合わせると、私も案1でいいのではないかと思っておりました。
以上です。
○菅井議長 ありがとうございます。
荒川先生、どうぞ。
○荒川構成員 私も案1でいいと思います。案2にしてしまうと、髄液以外というように一括でくくってしまうと、血液分離株と喀たん分離株みたいなものと一緒の扱いになるので、それでは粗っぽいかなという気がしますので、案1で、通常、無菌的であるべき検体とそれ以外というように分けたほうが妥当で、しかも、無菌検体以外で、ペニシリンGのMICが4、あるいはそれ以上とするほうが、幅広く、そういう菌が病院の中で広がったりするということもあったりするとまずいので、感染対策、感染制御上も4ぐらいにしておくほうが今の時点では妥当かなという気はします。
○菅井議長 ありがとうございます。
ほかに御意見はございますでしょうか。
山岸先生、どうぞ。
○山岸構成員 これは全体に関するというか、3つの変更に関することになりますけれども、今回、JANISがこの判定基準、3項目を変更することによって、例えば、ほかのいろいろなアクションプランの目標値とか、そういうところの評価に、この変更が影響を及ぼすということはないと考えてよろしいですか。確認です。
○菅井議長 上地先生、どうぞ。
○上地課長補佐 厚生労働省の上地でございます。
基本的に、アクションプランへの影響はないものと思います。第2期アクションプランでは、PRSP等は成果指標からも削除されています。
○山岸構成員 ほかの2つに関しても、特に問題はないというか影響はないということになりますか。
○上地課長補佐 はい。そのとおりでございます。
○山岸構成員 ありがとうございます。
○上地課長補佐 ちなみに、その根拠としては、成果指標のところ、目標値に関しましては、JANISのアンチバイオグラムとかMICデータを用いて算出しておりますので、JANISの特定の耐性菌分離患者数が変わっても影響はないといったことでございます。
○山岸構成員 ありがとうございました。承知しました。
○菅井議長 ありがとうございます。
ほかに御意見、あるいは御質問はありますでしょうか。
よろしいですか。
荒川先生。
○荒川構成員 荒川ですけれども、この基準を、時代の流れというか、環境の変化に伴って変えていくのは重要なことだと思いますけれども、このトレンドを見ていく上で、基準が変わると、トレンドが、そこで不連続的になったりすることがあるので、基準を変えた後は、3年ぐらいは、旧基準と新基準の両方の収集結果を参考データとして両方とも公開していかれるといいかなという気がします。手間はちょっと増えますけれども、いかがでしょうか。
○矢原参考人 お答え差し上げます。
大変重要な御指摘と思います。可能であれば事務局としてもそうしたいところなのですけれども、2つの指標を併記しようと思うと、JANISのレポートのレイアウトを変更しなければなりません。レポートのレイアウトだけではなくて、内部の集計プログラムも改修する必要がありまして、ざっと数百万円ぐらいかかります。
JANISの場合は、システムが、国のシステムに完全に登録されていて、新規のシステム改修をしようと思ったときに、デジタル庁へ予算要求というのをして、その予算要求のいろいろな手続を経て、予算が確保できた場合にシステム改修は可能になるのですけれども、そのタイミングというのが、今まさに、次の次の年度の予算要求をしている段階なのです。ですので、来年度、届出基準の改定に伴ってJANISのシステムを改修しようと思ったときに予算がないというのが実情です。
したがいまして、大変貴重な御意見で、事務局としても、できることならばそうしたほうがいいと思いますけれども、予算の制約上、実現はできないという回答になります。
○荒川構成員 確かに予算的なことは大事なことなので。
このJANISのデータは、これは届出をされていれば、JANISのサーバーにしばらく残っていますよね。
○矢原参考人 もちろん残っています。
○荒川構成員 だから、予算が取れてから、もう一回集計し直して、その予算が確保できた時点で、数年間、情報のデータ、両方のデータが分かるように、JANIS事業でやるのかAMRセンターの事業でやるのか、研究班ベースでやるのかは別にして、予算が確保できた段階で、データが残っていればそういう集計をしてみる価値はあると思うのです。
○矢原参考人 御意見、ありがとうございます。
JANIS事業としては、デジタル庁の予算の制約がございますので、研究班で2つの指標の算出をして、両方のトレンドをしばらく見ていくというのは重要な課題になろうかと思います。
○菅井議長 分かりました。
では、その方向で考えていくということで、元に戻りまして。
○矢原参考人 1つだけ補足差し上げます。
JANISのほうで、いつ、この基準、変更への対応を行うかなのですけれども、現在、2024年年報のデータのチェックと集計、作成作業を行っています。検査部門の2024年年報がリリースできるのが夏頃になります。2024年年報の公開情報と、あと、各医療機関への還元情報の年報がリリースが終わった段階で切り換えたいと思っています。したがいまして、今年の夏か秋に切替えを実施したいと思っています。
既に作成済みの検査部門の還元情報の月報に関しては、全て4月に遡って作り直すのはサーバーの負荷上、無理になりますので、遡っての再生成はしないという方針とさせていただきたいと思います。
以上です。
○菅井議長 ありがとうございます。
ただいまの点についてもよろしいでしょうか。
では、PRSPについてですけれども、皆さんの御意見を総合しまして、案1で行くということでお認めいただいたというようにしたいと思います。ありがとうございます。
改めまして、これでMRSAとCRE、PRSPについての判定基準の変更をお認めいただいたということにさせていただきます。ありがとうございます。
では、続きまして4番目の議題ですけれども、「JANIS検査部門における外来部門の還元情報の追加について」ということで、矢原先生のほうからお願いいたします。
○矢原参考人 本日、最後の議題になります。
JANISのほうでは医療機関の皆様からデータをアップロードしていただいているのですけれども、入院と外来のデータ、両方をアップロードしていただいています。長らく入院のデータのみを集計している状況が続いてきたのですけれども、外来についても、データを集計して、外来の年報というのを作成して公開するに至っています。ただ、医療機関の皆様にお返ししているフィードバックである還元情報に関しては、入院のデータのみを集計した還元情報を作っている状況です。
そのような中で、外来についてもデータを出しているので、還元情報をダウンロードできるようにしてほしいという御要望を医療機関の皆様からちらほらといただくようになってきております。それに対応しまして、還元情報のPDFを、入院バージョンと外来バージョンの両方を作成しまして、これを医療機関の皆様でダウンロードしていただけるようにしたいという内容です。
先ほど少し話題になりました、デジタル庁への新規システム機能追加の予算要求をしまして、認められれば、次の次の年度以降に機能追加改修が可能になる見込みです。
以上です。
○菅井議長 ありがとうございます。
JANISは本来、院内感染対策ですので、病院内のデータを収集するということですが、外来のデータも、現在、それに加えて発表しているところですが、それについて、還元情報についても追加をするということを、リクエストがあったということに対応する形で追加していきたいというお話でした。
この点について、お認めいただけますでしょうか。
柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 これはPDFということで、CSVはなくてPDFだけでということになりますでしょうか。
○矢原参考人 予算がどれぐらい確保できるかとの兼ね合いでもあります。いろいろな制約がある中で、可能なようでしたらCSVもある程度追加したいと思っています。
○柴山構成員 分かりました。ありがとうございます。
○矢原参考人 少なくとも、PDFに関しては追加したいというのが現時点での御提案になります。
○柴山構成員 ありがとうございました。
○菅井議長 荒川先生、どうぞ。
○荒川構成員 この外来は重要だと思うのですけれども、A群連鎖球菌とか、あるいは肺炎球菌なども、外来のほうが重要な菌だと思うのですが、先ほどのセフトリアキソン非感性、その菌の集計結果も、この外来検体の中に追加して出していくという理解でいいですか。
○矢原参考人 現在のシステムの仕様としては、このスライドにも示している、特定の耐性菌の分離患者数というのを数えるときに、対象となっているのは、この画面でリストアップされているものです。ですので、A群溶連菌等々は入っておりません。
ですので、実現までに少し時間がかかる話ですので、外来の還元情報を追加するに当たって、特定の耐性菌を増やしたほうがよいという御意見があるようでしたら、今後対応していきたいと思っています。現時点では、入院と外来で場合分けする仕様にはなっておりません。
○菅井議長 ありがとうございます。
では、実際には、特定の耐性菌を加えるというのをこれから議論していただいて、次回の運営委員会で諮るということになりますか。
○矢原参考人 はい。
○菅井議長 荒川先生、いかがですか。
○荒川構成員 今、件数はそんなに多くないみたいなので、緊急にやらなくてはいけないということはないと思うので、次回の小委員会かそういうので検討していただいて、どうするか決めていただければと思います。
○菅井議長 承りました。ありがとうございます。
では、この第4の、JANIS検査部門における外来部門の還元情報のPDFを追加ということに関して、ほかに御意見はございますでしょうか。なければ、お認めいただいたということにしたいと思いますが、いかがですか。
(首肯する構成員あり)
○菅井議長 ありがとうございました。
では、本日の議題は以上となります。事務局のほうにお返しいたします。
○上地課長補佐 厚生労働省、上地でございます。
本日の委員、参考人の先生方の御意見を踏まえまして、今後、適宜進めさせていただきたいと思います。また、次回については事務局より改めて御連絡をさせていただきます。
本日は、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
○菅井議長 長い時間、皆さんありがとうございました。
では、また次回、お目にかかりたいと思います。