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第1回障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会議事録
人材開発統括官付特別支援室
日時
令和7年1月20日(月)13:00~
場所
厚生労働省 専用第21会議室
議題
(1)障害者職業能力開発校の在り方について
(2)その他
(2)その他
議事
○内藤特別支援室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第1回「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会」を開催いたします。
座長が選出されるまで、本検討会の事務局を担当しております、厚生労働省特別支援室の内藤が議事進行を務めます。よろしくお願いいたします。
それでは、検討会の開催に当たりまして、人材開発統括官の堀井より御挨拶いたします。
○堀井人材開発統括官 御紹介いただきました、厚生労働省で人材開発統括官を務めております堀井と申します。
本日の障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会におきましては、皆様、大変お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃より人材開発行政に多大なる御理解、御協力をいただいておりますこと、まず、この場を借りてではございますが、お礼申し上げたいと思います。
さて、最近になりまして、特に民間企業における障害者の雇用者数が過去最高を記録するなど、障害者雇用は着実に進んでいると考えております。一方で、障害の多様化などによりまして、障害者の職業能力開発に求められるものにつきましても変化が見られると考えております。特に、近年、受講者数の減少という傾向が見られまして、その在り方や必要な施策についての検討といったことが必要になると考えております。
今般、このような形で有識者の皆様方にお集まりいただきまして、障害者に対する職業訓練、そして特に障害者職業能力開発校を中心とした現在の状況といったことについて状況を分析しまして、今後の在り方に係る見直しを検討すべく、本検討会を開催することに相なりました。
障害者雇用が進んでいるという今こそ、障害者の訓練を通じて、その就労に必要なスキルをきちんと身につけていただくということが、その後の安定就労、職場への定着といったことにつながっていくものと考えております。障害者訓練が今後、より障害者と企業の多様なニーズに即したものになるようにと考えております。そして、それがさらなる安定した障害者の雇用につながっていくようにと考えておりますので、皆様方の幅広い御意見をいただければと考えております。
本日以降、何回か検討会を重ねてまいりたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 本日の検討会につきましては、こちらの会場とオンラインで開催いたします。
続いて、資料の確認をさせていただきます。
本日の資料は、
議事次第
資料1 障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会開催要綱
資料2 障害者雇用に係る現状等
資料3-1 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構における障害者訓練の取組
資料3-2 障害者職業訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項(例)
資料4 障害者職業能力開発校の在り方に関する課題等について
以上でございます。これらの資料に不備等がございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。よろしいでしょうか。
続きまして、本日は第1回の開催ということになりますので、各構成員の方々と事務局を御紹介させていただきます。オンライン参加の方も含め、名簿の順に従って構成員の方々の御紹介をさせていただきます。
まず、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会会長の阿部一彦様。
一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部統括主幹の阿部博司様。
全国手をつなぐ育成会連合会副会長の大谷喜博様。
一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長の大塚晃様。
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長の小幡恭弘様。
特定非営利活動法人全国就業支援ネットワーク理事の酒井京子様。
東京都産業労働局雇用就業部能力開発課長の菅沼聡人様。
株式会社ジケイビジネスサポート代表取締役の高山昌司様。
職業能力開発総合大学校能力開発応用系准教授の深江裕忠様。
東京労働局職業安定部職業対策課長の前田信次様。
大阪障害者職業能力開発校校長の牧野豊明様。
神奈川県立保健福祉大学・東京通信大学名誉教授の松爲信雄様。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部次長の松原孝恵様。
日本労働組合総連合会労働法制局長の山脇義光様。
続きまして、事務局を紹介いたします。
人材開発統括官の堀井でございます。
大臣官房審議官の高橋でございます。
人材開発政策担当参事官の松瀬でございます。
特別支援室長の稲田でございます。
また、オブザーバーとして、職業安定局障害者雇用対策課長の西澤と、障害保健福祉部障害福祉課課長補佐の横田が出席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。まず、本検討会の運営について御説明させていただきます。資料1の開催要綱を御覧いただけますでしょうか。
まず、1の趣旨について簡単に御説明いたします。
障害者職業訓練校で訓練を受ける障害者の数は、近年、減少傾向にあり、障害のある求職者の支援ニーズ等への対応が課題となっております。
また、障害特性の変化等に対して、障害者訓練全体としてまだ十分な対応ができていない状況にもあると考えられますので、今後、障害者職業訓練について、こうした状況変化に対応した、より効果的なものとして一層推進していくために、様々な観点から見直していくことが求められていると考えていることから、今般、有識者の皆様の参集を求め、本検討会を開催させていただいたところでございます。
次に、3の協議検討事項についてでございます。本検討会では、以下の検討事項を中心に幅広く意見交換を行うものといたします。
1つ目、障害者職業能力開発の実施状況について
2つ目、障害者職業能力開発を効果的に推進するための課題について
3つ目、今後の障害者職業能力開発について
その他でございます。
4のその他の運営面についてでございます。
(2)の検討会の座長につきましては、参集者の皆様の互選により選出することといたします。
(4)は公開に係る規定でございます。本検討会は、原則として公開することとしております。ただし、個人情報などにおいては、座長が非公開が妥当であると判断した際には、非公開とすることができる。その場合には、理由を明示するとともに、議事要旨を公開することといたします。この取扱いは、厚生労働省が定める審議会等会合の公開に関する実施の考え方に規定しておりますので、御承知おきいただきますようお願いいたします。
開催要綱の説明は以上でございます。
続きまして、要綱に従いまして、座長の選任に入らせていただきたいと思います。ただいま説明いたしました要綱の4(2)より、この検討会の座長は参集者の皆様方の互選により選出することとしております。どなたか御推薦ございますでしょうか。
深江構成員、お願いいたします。
○深江構成員 学会や職業リハビリテーションの分野で様々な活躍をされていますし、また、前回の平成28年度の検討会でも座長をされた松爲先生を推薦いたしたいと思います。
○内藤特別支援室長補佐 ありがとうございます。
ただいま深江構成員より、松爲構成員を座長にという御推薦がございました。皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○内藤特別支援室長補佐 ありがとうございます。
それでは、本検討会の座長を松爲構成員にお願いいたします。座長席まで御移動いただけますでしょうか。
(松爲構成員、座長席に移動)
○内藤特別支援室長補佐 それでは、ここからの進行は松爲座長にお願いいたします。
まず、松爲座長より御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ただいま推薦いただきました松爲でございます。
推薦のお話にもありましたとおり、平成28年の前回の検討会も座長をさせていただきました。その間に労働政策審議会などで障害者雇用率、特に精神の雇用率を入れるときもちょうど立ち会っておりまして、それから大分長い間たったのですけれども、能力開発に関しましても28年から大分状況が変わってきております。今回、皆さんと一緒に新たな能力開発の在り方について検討したいと思いますので、ひとつよろしく御協力をお願いいたします。
それでは、始めたいと思います。お手元の議事次第に沿って進行させていただきます。
まず、事務局のほうから、資料2「障害者雇用に係る現状」につきまして説明をよろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 それでは、資料2により、「障害者雇用に係る現状」について御説明させていただきます。
ページ番号2ページを御覧ください。
令和6年6月1日現在の民間企業における障害者雇用の状況になります。雇用者数は67万7000人ということで、21年連続で過去最高を更新しておりまして、障害者雇用は着実に進展している状況ですけれども、法定雇用率を達成している企業の割合というのは46%ということで、いまだ半数以上の企業が未達成という状況でございます。なお、法定雇用率につきましては、令和6年4月から2.5%に引き上げられまして、令和8年7月にはさらなる引上げ、具体的には2.7%が予定されているところです。
雇用者数を障害者別ごとに見ますと、最も多いのが身体の36.9万人ということで、約54%。次に、知的が15.8万人で約23%、精神障害者が15.1万人で約22%となっておりまして、精神のほうですけれども、人数は一番少ないですが、増加率で見ますと一番高くなっているというような状況でございます。
続いて、3ページ、御覧ください。
就労系福祉サービスから一般就労への移行の状況になります。平成15年当時は1300人弱であったものが、年々増加しておりまして、令和5年では約2万7000人ということで、増加している状況になっております。
続いて、5ページを御覧ください。
障害者職業訓練の概要になります。障害者訓練につきましては、主に3つの形態で訓練を実施しております。
まず、資料の上段のほうに記載しております障害者職業能力開発校での訓練でして、こちらは職業訓練上、特別な支援を要する障害者、具体的には比較的障害が重い障害者に重点を置いた職業訓練といたしまして、全国に19校設置されており、国立のものが13校、府県立のものが6校となっております。
また、資料、中ほどに記載しております一般の職業能力開発校のほうでも、障害者向けの訓練コースを設置するなどして障害者訓練を実施しているところです。
さらに、下段のほうに記載しております障害者を対象とした委託訓練というのも実施しております。こちらのほうは、求職者のより身近な地域で、求職者とか企業のニーズを踏まえた訓練を提供するために、企業や社会福祉法人、民間教育訓練機関等に障害者向けの訓練実施を委託するというものでございます。
続いて、6ページですけれども、こちらに障害者訓練に係る予算の措置状況というのを記載させていただいております。
まず、障害者校のうち国立のものについては、一般会計と労働保険特別会計労災勘定のほうで措置しておりまして、県立校については、一般会計と雇用勘定で措置。また、障害者委託訓練につきましては、雇用勘定のほうで措置しているという状況でございます。
続きまして、7ページですけれども、こちらが各障害者訓練の実施状況になります。こちらについては、8ページ以降で、さらに長い経年での実績を載せておりますので、そちらのほうで説明させていただきます。
8ページを御覧ください。
障害者訓練の受講者数の推移と併せまして、ハローワークの求職障害者数の推移というのを記載しております。新規求職申込件数というのは、近年、大幅な増加傾向にある一方で、障害者訓練については平成22年をピークに減少傾向にありまして、特に委託訓練において大幅な減少が見られるところでございます。
その要因といたしましては、リーマンショック以降、雇用情勢の改善が続いていたということも考えられますけれども、昨今の法定雇用率の引上げペースも速くなっておりますので、企業の雇入れが進んでおり、訓練を経ずに就職していく層が増えているということですとか、さらに就労移行支援事業所とか就労継続支援A型事業所といったところの、就労系障害福祉サービス利用者が増加しているということも要因になっていると考えております。
続いて、9ページ。
障害者訓練別の就職率についてですけれども、一般校が最も高く、近年は70%以上を維持。次いで、障害者校は60~70%で推移しているという一方で、委託訓練につきましては50%程度で推移しておりまして、訓練の種別によってばらつきが見られるということでございます。
続いて、10ページ、御覧ください。
障害者訓練受講者における障害種別構成比について、こちらのほうは平成27年と令和4年を比較しております。見ていただきますと、身体・知的の構成比というのは低下している一方で、精神、その他の構成比が高くなっているというのが見てとれます。このその他の部分ですけれども、こちらのほうには、発達障害とか高次脳機能障害者というのが含まれております。
続いて、11ページ以降につきましては、各論といたしまして障害者校とか委託訓練、一般校、在職者訓練ごとの実績データを記載させていただいておりますが、時間の関係上、今回、検討会で特に御議論いただきたいと考えております障害者校と委託訓練を中心に説明させていただきます。
少し飛んで、13ページ、御覧ください。
障害者職業能力開発校の募集・入校、就職状況になります。
まず、資料、中ほどの募集定員に対する応募者数についてですけれども、一部、100%を超えているところがございますが、全体では87.7%となっておりまして、さらにその隣の列、定員に対する入校者数、いわゆる定員充足率を見ますと57.1%ということで、前年の60.2%よりもさらに低下しているというような状況でございます。
また、一番右の欄、就職率につきましては、全体で70.1%となっているものの、各校ごとに見るとばらつきが見られるところでございます。
近年、障害者が就職しやすいと言える状況にある中で、各校とも受講者の確保には相当苦労しているという話を聞いておりまして、関係機関との連携を強化したり、受講要件を緩和するといったような取組をされている訓練校もございますが、その反面、日々の訓練の実施への負担が生じたり、受講者ごとの訓練成果に差が出たりということで、就職率に影響も出てきているのではないかと、我々のほうで推測しているところです。
続いて、14ページ、障害者校のほうでは、所沢の国立機構営校と県立機構営校の兵庫校を除いて、受講者のための寮を併設しているところですけれども、入寮者数は減少しておりまして、令和5年度入寮率というのは20.4%にとどまっているところです。特に、受講生の安全面等から、入寮の対象とする障害者種別を限定している寮におきましては、入寮率7.1%と非常に低くなっております。この入寮が低調な要因といたしましては、入寮可能な障害種別の制限とか寮施設の老朽化、また遠方から入寮してまで訓練を受講しようというニーズの低下というのが考えられます。
続いて、15ページになります。
障害者校における障害種別の受講者数の推移になりますが、先ほど御説明した障害者訓練全体における障害種別の状況と同様に、以前は身体・知的が大きな割合を占めておりましたが、現在は精神とか、その他に分類している発達・高次脳機能障害などが割合として上昇しているというような状況でございます。
続いて、16ページ、御覧ください。
障害者職業能力開発校のほうでは、一般校とか障害者委託訓練のほうでは受入れが難しい、職業訓練上、特別な支援を要する障害者を重点的に受け入れることにしておりまして、具体的には、重度の身体障害者並びに精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者、重度の知的障害者などが対象になってきているというような状況ですけれども、17ページを御覧いただければと思います。この17ページに記載しておるとおり、これらの特別支援障害者の受入数というのはおおむね横ばいでして、特別支援障害者以外の障害者の受入数が減少傾向となっているということに伴いまして、この特別支援障害者の受講割合は年々上昇傾向となっているという状況でございます。
続いて、18ページ、御覧ください。
障害者校の入校率の推移になります。障害者校全体では、平成22年をピークに減少傾向となっているところです。減少の要因といたしましては、法定雇用率の引上げを背景として、訓練を経ずに就職していく層が増えているということですとか、就労系障害福祉サービス利用者が増加しているということが考えられます。
また、校種別に見ますと、近年は機構営校、県立県営校、国立県営校の順に低くなってきておりまして、国立県営校では50%程度まで低下しているというような状況でございます。
続いて、19ページになります。
障害者校の就職率の推移についてです。障害者校全体では、コロナ禍を背景といたしまして、就職活動を控える障害者というのが多く見られた令和元年から3年の3年間を除きまして、70%前後で推移しているというような状況でございます。
また、校種別に見ますと、入校率の傾向と同様に、機構営校、県立県営校、国立県営校の順に低くなっているというような状況です。
続いて、委託訓練について御説明させていただきます。資料21ページを御覧ください。
障害者委託訓練につきましては、障害の多様化が進む中で、障害への対応とか企業のニーズに対応するとか、あと、障害者校の設置されていない地域とか、障害者の居住する身近な地域において、障害者訓練機会の拡大を図るということを目的としまして、都道府県のほうから民間企業とか社会福祉法人、教育訓練機関等の訓練実施機関と委託契約を締結して実施しているというものになります。
この訓練期間につきましては、3か月以内の訓練というのを原則としておりまして、訓練コースにつきましては、資料の中ほどよりちょっと下のほうにあります、座学を中心としている知的・技能習得訓練コース、企業・現場での訓練を中心としております実践能力習得訓練コース、またe-ラーニングコース、特別支援学校早期訓練コース。在職者向けとしまして在職者訓練コースの5つで展開しているところです。
続いて、22ページ、御覧ください。
こちらは委託訓練における障害者種別受講者数の推移になります。こちらにつきましても、障害者訓練全体ですとか障害者校の傾向と同じような傾向でして、以前に比べ、身体とか知的の割合が低下する一方で、精神とか、その他の占める割合が上昇しているところが見てとれます。
続いて、23ページを御覧ください。
委託訓練の訓練開始者数の推移になります。こちらは全体では平成27年度以降、減少傾向が続いているというような状況でございます。減少の要因といたしましては、障害者校の傾向と同様でして、訓練を経ずに就職していく層の増加とか、就労系障害福祉サービスの利用者の増加等が考えられます。
また、コース別に見ますと、知識・技能習得訓練コースと特別支援早期訓練コースというのは平成27年から半減するなど、減少が顕著となっておりまして、実践能力習得コースはほぼ横ばい、e-ラーニングコースは増加傾向にあるというような状況が見てとれるかと思います。
続いて、24ページ、御覧ください。
こちらのほうが障害者委託訓練に係る就職率の推移になりますが、全体平均では50%前後で推移しているという状況である一方、コースごとではばらつきが見られます。具体的には、企業の現場を活用した実践的な訓練であります特別学校の早期訓練コースですとか、実践能力習得訓練コースの2コースでは高くなっている一方で、知的・技能習得訓練コースとかe-ラーニングコースについては、低調のまま推移しているという状況でございまして、e-ラーニングコースにつきましては、在宅勤務求人自体が多くはない状況にあるということも低調の要因と考えております。
続いて、一般校についてになります。26ページ、御覧ください。
一般校の職業能力開発校における障害者対象訓練科の設置状況についてですけれども、令和4年時点で22都道府県、28の一般校におきまして、知的障害者を対象とした訓練科を中心に33科が設置されているところでございます。
一方で、この一般校のほうでは、障害者対象訓練科を設けずに、健常者と一緒に訓練を受講するというようなケースも増えているところでございます。
それぞれの実績につきましては、27ページを御覧いただければと思うのですが、まず、一般校における受講者数につきましては、障害者対象訓練科では減少傾向にある一方、障害者対象訓練科以外の一般校における障害を有する受講者数というのは、増加傾向にあるところです。
また、就職率につきましては、障害者対象訓練科に限っておりますが、70%以上を維持しているというような状況でございます。
最後、在職者訓練になります。29ページを御覧ください。
コロナ禍以前というのは、各訓練ともに増加傾向にありましたが、令和2年のコロナ禍以降というのは、低い水準にとどまっているというような状況でございます。
資料2に係る説明については、以上となります。
○松爲座長 ありがとうございました。
続きまして、資料3-1「高齢・障害・求職者雇用支援機構における障害者訓練の取組」と、資料3-2「訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項(例)」につきまして、松原構成員のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○松原構成員 松原です。御説明させていただきます。
まず、資料3-1の2ページをお開きいただけますでしょうか。
機構営校についての概要でございます。機構営校では、全国の広範な地域から特別支援障害者を重点的に受け入れて、職業評価から訓練、職業指導までの一貫した職業リハビリテーションと先導的な職業訓練を実施しております。2校ございまして、中央校は埼玉県所沢市、吉備校は岡山県吉備中央町にございます。
機構営校の特徴としましては、職業訓練を行う障害者職業能力開発校と、職業評価や職業指導・職場適応指導などを行う広域障害者職業センター、この2つの役割を総合的に運営しているということでございます。また、両施設ともに医療リハビリテーションが併設されていまして、連携して実施しているところです。
それから、真ん中辺にありますけれども、地域障害者職業センターとも連携しておりまして、訓練修了した方についてはジョブコーチ支援などを活用しておるところです。
真ん中辺の緑のところに職業訓練とございまして、随時入所とありますけれども、令和6年度、中央校では年10回、吉備校では年に8回、入所日を設けております。そして、重度視覚障害者を対象としたコースを除いて、全ての訓練コースで障害種別を問わず応募可能となっております。
それから、役割のもう一つ大きなものとしては、下のほうにオレンジ色で書いてございますけれども、他の職業能力開発校等への指導技法等の普及推進、そして特別支援障害者等向け訓練コースの設置・運営を支援しております。これについては、詳細はまた後ほど御説明させていただきます。
資料の3ページ目、御覧いただければと思うのですけれども、これは訓練のコース設定でございます。
中央校で11、吉備校で6の科を設定しております。
そして、資料の4ページは実績になります。
先ほど室長のほうからも御説明ありましたけれども、令和5年度については213名の方に受講いただいて、就職率は85.6%でした。
次の5ページを御覧いただければと思います。
左上に特別支援障害者の重点的な受入れとありますけれども、令和5年度までは機構営校においても障害別の訓練コースを設置しておりました。発達障害、知的障害、精神障害の方向けと銘打っていたところですけれども、令和5年度からは障害種別によらず、希望と適性に応じた訓練コースにおける受入れを開始しております。そして、技能訓練だけではなくて、相談とか各種コミュニケーションに関するプログラムといった適応支援と呼ばれるものを一体的に提供することによって、特別支援障害者の方の受入れを促進しております。
それから、その下にありますけれども、先導的な職業訓練の実施。これは機構営校の役割でもございますので、様々検討しているところですけれども、例えばメカトロ系においてドローンを活用した設備点検等の訓練を実施しております。写真が4枚ありますけれども、4枚のうちの左側2枚が車椅子の方が屋外に座っている様子になりますけれども、これは屋外でドローンを活用した訓練というのをやっております。
それから、右側の写真の2枚は重度身体障害のある訓練生の方に対して、本人の障害状況に合わせて環境設定を行っております。
詳細は左下の特別支援障害者に対する職業訓練の工夫というところで記載しておりますけれども、具体的には首から下が動かない障害の方に対して、口でマウス操作を可能にするような機器を設置して、吸ったり吐いたりすることで機能させるようなものですね。それから、御本人が斜め45度にしか倒れられないということもあり、傾いて姿勢を維持するというところもありますので、御本人の作業姿勢に合わせて動かせるモニターというのを使用しております。
それから、就職率の向上に向けた取組というのも各種やっておるところです。
それから、その次のページ、6ページを御覧いただければと思います。
機構営校の役割としては、障害者職業訓練に関する指導技法等の普及ということをやっておりまして、これは大きく分けて4つやってございます。
1つが、上段になりますけれども、専門訓練コース設置・運営サポート事業。これは発達障害者・精神障害者などを対象にした訓練コースを計画している訓練校などを対象にして、機構営校において実務演習をしたり、訓練校を訪問して助言などを行うということを複数年にわたって支援するということをやっております。
実績、右側にございますけれども、近年は既に運営しているけれども、課題がいろいろあってサポートしてほしいというような御要望もいただいております。
それから、下段になりますけれども、指導技法等体験プログラムというものも設けております。これは機構営校において訓練場面を活用した指導技法の解説などを行ったり、訓練の体験をしていただいたり、意見交換をしたり、事例紹介を行うということを実施しております。
プログラムの例というのを右側に書いてございますけれども、1番の支援入門コースは精神・発達障害などの基礎的な対応を学びたい方向けに設置しておりますけれども、これはオンラインで開催もしております。ほかにもオーダーメイドで、必要があればこの体験プログラムを設定するというのも御相談に応じております。
それから、その次のページ、7ページが職業訓練実践マニュアル等を作成しております。
これは障害別をテーマにしたマニュアルの作成、また各種訓練におけるテーマ設定を行ってマニュアルにして、機構のホームページなどで、どなたでも御覧いただける形で公表しております。
それから、下段は障害者職業訓練推進交流プラザ。これは厚生労働省主催の障害者職業訓練指導員経験交流会と機構の障害者能力開発指導者交流集会を共同開催により実施しておりまして、主に指導技法の周知・解説ということをやっております。これは令和5年度、6年度も、会場と一部オンライン形式を併用して開催しているところです。交流の場になっているかと思います。
以上が機構の概要ですけれども、その次の資料3-2を御覧いただければと思います。これは「障害者職業訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項」。機構としていろいろなマニュアル、周知、技法普及をやっておりますけれども、どんなことを実際やっているか、障害者職業訓練を行うに当たって、どんなことを指導員の皆様に知っておいていただくとよいかというのをマニュアルに取りまとめておりまして、それを少し抜粋して御紹介をさせていただきます。
2ページ、3ページを御覧いただければと思うのですけれども、発達障害者のマニュアルから抜粋してきたものです。
障害特性と配慮事項ということで、2ページは職場の暗黙のルールや場の雰囲気を理解することが難しいという場面。発達障害者の方と言ってもいろいろな障害の方がいらっしゃいますので、一概には言えないというところでもありますし、マニュアルにはもう少し実際の障害・疾病別の説明は加えてありますけれども、ここでは概要だけ御説明いたします。雰囲気を理解することが難しいといった方が多いというところで、右側がそのときの配慮の方法ということで、暗黙のルールを公のルールにするという考え方がありますという御紹介です。
3ページの左側は、特性として周囲の環境刺激に過敏に反応し、注意力、集中力、判断力が続かない方もいらっしゃる。そういったときに作業環境に配慮するという、いろいろな訓練場面のこういった方法がありますというのを御紹介しております。
それから、4ページ、5ページ目を御覧いただければと思いますが、こちらは精神障害者の方の障害特性と配慮事項。
精神障害者の方もいろいろな診断名の方もいらっしゃいますけれども、基本的な考え方として御紹介している部分です。例えば、不安を感じやすく、失敗により自信を失いやすいという方については、現れ方とその対応方法の例として、不安で作業が開始できないこともあるので、そのときには作業を1つずつ段階的に指示するなどといった方法もありますというふうな御紹介です。
5ページ目のほうも同じようなもので、新しい環境に慣れるのに時間がかかる方もいらっしゃいます。そのときには、マル1としては、緊張が高く、いつも以上に疲れやすい方もいらっしゃる。そのときには、短い時間から始めて、環境に慣れたら徐々に訓練時間を伸ばすという方法もありますという御紹介です。
それから、6ページと7ページについては、高次脳機能障害者の方を取り上げたマニュアルから抜粋いたしました。
6ページのほうは、覚醒の維持、疲労に関する課題のある方がいらっしゃるということで、精神的にも肉体的にも疲れやすいという特徴もございます。
そのときには、右側の例ですけれども、ストレスを遠ざけるとか休憩が取れるよう配慮するということも、配慮としては必要です。
7ページも、同様に時間の経過により作業ペースや正解率が低下するという方もいらっしゃるところです。
そのときの対応方法としては、右側にありますけれども、作業時間を配慮し、適度な休憩を取るというやり方もあります。
ここまでが障害特性、それぞれの障害に応じたマニュアルの御紹介ですけれども、その次のページ、8ページ以降は、機構でも障害に限定しない受入れの方法をやっておりますけれども、一方的な理解だけではなくて、障害者の方お一人お一人に特性に応じた訓練を効果的に行うという考え方の下で、どういうやり方、考え方がよいかというのを、これもマニュアルに取りまとめております。少し御紹介します。
丸になっていますけれども、マル1、障害特性の理解というところは、先ほどお示ししたものが基礎的な理解になりますけれども、それだけではなくて、紫色のところになりますけれども、アセスメントとか行動観察といったことを行うことが必要という考え方です。また、オレンジ色のところになりますけれども、安定受講のための取組としては、ストレス・疲労のマネジメントの取組や、生活リズムを維持するための生活チェックシートの活用などがあります。そして、マル4として、一番上にありますけれども、対応方法を検討するということが訓練に当たっては必要になりますという整理です。
そして、次のページ、9ページを御覧いただければと思うのですけれども、職業訓練と適応支援の一体的な提供。
適応支援というのは、今、申し上げたオレンジ色の部分です。安定した訓練受講のための様々な取組の部分ですけれども、各種講座とか個別相談などをしながら技能訓練を一体的に行う。そして、技能訓練の中で学んだことをしっかり成果として活用できるかどうか確認することも必要になってきております。
資料の10ページ目を御覧いただければと思うのですが、先ほどアセスメントという言葉がありましたけれども、御本人の様子を把握するときの考え方を御紹介しております。
目に見えること、ここで例としては、気になる行動や動作ということで、作業の説明をしたときには理解できているように見えたのに、作業のペースが遅く、ミスも目立つというときには、よくある対応としては、説明をよく聞くように指導するとか、集中して作業するように指導するということがあるけれども、実は水面下に見えない背景もあるというのも考えておく必要がありますというところです。環境とか身体的な面、精神的な面、そして悩みがないか、質問の仕方が分からないかといった背景をしっかり確認するということも必要です。その背景を確認した上で、御本人と相談して対応方法について検討していくということが、訓練場面でも障害のある方にとっては必要ということで御紹介しております。
11ページは、対応法の習得サイクルの例ということで、先ほど申し上げたようなことを御紹介しております。
これはあくまで抜粋になっておりまして、実際にはこういった障害別のものですとか、テーマに沿ったマニュアルというのを設けておりますので、ぜひそういったものも活用していただきながら、障害者職業訓練を行う方々には、JEEDの様々な技法普及・育成の仕組みもございますので、活用していただきたいと思っております。
以上、御紹介させていただきました。
○松爲座長 どうもありがとうございました。
事務局からは資料2、そして松原構成員からは資料3-1と3-2について説明いただきました。この2つの資料につきまして、皆様、御意見、御質問等ございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。どうでしょうか。
どうぞ、御発言ください。
○大塚構成員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
説明ありがとうございます。概要ということでありますけれども、よく分かりました。皆さんの中においては、訓練校の状態をよく御存じということで、常識かもしれませんけれども、私、門外漢なので、常識のことを質問してちょっと恥ずかしい限りなのですけれども、幾つかあります。
1つは、訓練校に入ってくる人の属性はどのような方たちか。先ほど福祉の事業者からということも言っていましたけれども、どんなところから職業訓練校に来ているか。これは今後、連携であるとか、そういう観点からいろいろなことを議論するときには、どこから来ているか。特に、特別支援学校とか、そういうところとの関係も含めてどうかということをちょっと知りたいと思います。また、それは年齢とも関係しているかもしれません。入ってくる年齢は何歳ぐらいで、今までの職業訓練校の経年の年齢的なものはどういう変化があったのかどうか。それによっても随分異なってくるのではないかなというふうに思っています。
それから、もう一点は、入ってくる人にとって、どのような情報によって、自分で探したとか、あるいは就労の相談支援機関に紹介されたとか、あるいは福祉の相談支援機関に相談されたとか、いろいろな手続上のことです。もし、そこに十分な周知がされていないということで訓練生の減少になっているということであれば、そこの方策を考えなければならないということで、どんな手続で来ているか、あるいはその課題は何かということです。
最後に、就労した後、どこに、どのような形で就労したかというのはまだないので、パーセンテージは出ていますけれども、70%は高いと思いますけれども、全国、少し幅がありますけれども、どんなところに就労したかということと、皆さんの訓練校におけるプログラムが本当に成功して就労したのかどうか。そして、御本人たちは満足しているのかどうか。本当は行きたくなかったんだけれども、こうだったんだよということも含めて、どんな評価をなされているかということは、今後のプログラムを考えるとき、重要な観点かなと。
最後には、訓練生が訓練校を使ってよかったというアンケートとか調査結果はあるのか。よかったのかどうかということは大切な、本人たちの視点が一番重要だと思うのです。周りの者が言うより、利用した人が果たしてどういう思いで利用して、よかったとか、ここは不十分だったという意見が多様なものがあって、今後の在り方を考えるべきだと考えました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
いろいろと御質問ありましたので、事務局のほうから答えますか。よろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 御質問ありがとうございます。
大塚構成員さんからいただいた御質問、4点ありましたので、それぞれについて説明させていただきます。
まず、訓練校に入ってくる者の属性についてですけれども、統一的に調査・研究というか、分析したものはございません。しかしながら、訓練校のほうでは、入ってくるときに入校願書とか、そういうものについて属性等が記載されておりますので、もし分析するとなれば、今後、その辺を集計することになってくると思います。
2点目、入ってくる前の手続ですけれども、訓練校につきましては、主にハローワークからの受講あっせんになりますので、そこで十分な説明がなされていると考えております。もしくは、ホームページ等のほうにも詳細な手続等は載せておりますので、そちらのほうを確認いただいて手続されるような者もいるということで把握しております。
訓練修了後、どこに就労したか、就職したかということですけれども、これについては主に民間企業が多いと思います。その中でも、例えば特例子会社とか、場合によっては福祉サービスのほうに移行するというような者もいるかと見ております。
4点目のアンケート調査結果についてですけれども、こちらは全国統一的なものというのはまだ実施したことはございません。訓練校によっては、それぞれの訓練生に対して、その後のアンケートをしているというようなことは聞いております。
事務局のほうからは以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○大塚構成員 御回答いただきまして、ありがとうございます。
ただ、いろいろ細かいところを詰めていくには、御本人の立場とか、そういうところが一番重要になってくる観点から、これからもそういうところを中心に調査・研究しながら在り方を考えるべきだという意見を申しました。まだまだ未開拓の分野だと感じました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
続きまして、阿部構成員、よろしくお願いいたします。
○阿部(一)構成員 ありがとうございます。身体障害者団体連合会の阿部です。
いろいろ説明ありがとうございました。それで、私の質問は4つぐらいあるのですけれども、まず最初は、例えば資料2の10ページとか15ページなど、平成27年より令和4年でその他の方々の割合、発達障害・高次脳機能障害が増えているということの御説明でありました。
さて、まず基本的なところですけれども、訓練校の入校には、手帳の有無というのは関係するものなのかどうかということ。または、その他の方々の割合は随分増えています。発達障害の方とか高次脳機能障害の方。そのように考えると、2ページで障害者雇用の状況というところでは、分類の仕方なのかもしれませんけれども、身体・知的・精神ということで、その他の方々がこの中にどういうふうに入っているのかなというのが、まず1点です。
それから、例えば18ページ等で、雇用率の上昇に伴って、訓練を経ずに就労する方が増えているということで、多分、訓練校入校の割合が低くなっているのではないかというお話でもありました。
さて、この場合の質問が適当かどうか分かりませんけれども、私も障害がありまして、雇用率が高くて就労できるようになったということはすごく大事なことだと思いますけれども、ちょっと微妙な聞き方なのですけれども、訓練校等で御本人の障害と、その力を発揮することを身につけた人と、今度は、そのようなことを経過せずに、これはいいことだと思うのですけれども、訓練等を経ずに就職した方のいわゆる定着率というところはどう考えていったらいいかということで、これもお答えいただければありがたいと思います。
3番目は、資料3-2で障害特性と配慮事項ということで具体的に説明いただきました。これはすごく大事なことだと思います。さて、このときに発達障害の方とか高次脳機能障害の方は、御自身の障害特性についての御理解はどうなのかなと思います。これはとても大事なことで、就職してから周りとの違いということで悩まれるよりも、このような配慮があるということと、また御自身の状況。そして、自分の状況を踏まえて配慮をお願いというよりも、合理的配慮を義務化ということでもありますし、就労では、当然合理的配慮をするということでありますので、この辺のことはどうなのだろうかということが3点目と。
それから、4つ目は、資料3-1の5ページで、特別支援障害者に対する職業訓練の工夫ということで、首から下が動かない方へのマウス操作も含めて、移動困難で、ある意味全身性障害という言葉が適当かどうか分からないけれども、様々な環境を工夫することによって、その方の力を発揮することができると思っているところですけれども、これは先導的な訓練かもしれませんけれども、テレワークの実現に結びつけばいいのだと思うのですけれども、その辺について実績というか、これからの方向も含めて、少しお話しいただければありがたいなと思って、今、手を挙げさせていただいたところです。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
全部で4つございました。1番目と2番目につきましては、事務局のほうからお願いできますか。3番目と4番目に関しては、松原構成員のほうからお願いいたします。では、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 御質問いただきました、まず1点目、その他の割合のところで、訓練の受講について、手帳の有無は関係あるかにつきましては、手帳を所持していないような者についても入校の対象としております。その他の割合の中の内数につきましては、今、手元にございませんので、これについては、必要であれば第2回のほうで提示させていただこうと思っております。
続いて、訓練校等の訓練を経ずに就職した者の定着率につきましては、現時点では定着率自体は調査しておりません。と申しますのも、定着支援につきましては、訓練校だけでなくて、ハローワークとかナカポツセンター、職業センターといったものが手厚く定着支援をやっているということもありまして、訓練成果だけでは計れないというのもありまして、現時点では定着率は取っていない。しかしながら、重要な視点だと思います。かつ、訓練を経ずに就職したような者よりも定着率が優れているということであれば、訓練校のよいPR材料になると思いますので、そちらのほうについては、取得について前向きに考えていきたいと思っております。
事務局のほうから以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
では、松原構成員。
○松原構成員 ありがとうございます。
まず、3つ目の御質問、発達障害や高次脳機能障害の方の御自身の障害理解についてはいかがかというところですけれども、御指摘のとおり、図示はしておりますし、考え方をお示ししてありますけれども、ストレートに御理解いただける方ばかりではないというのは実態としてございます。訓練は結構長期間で、少人数で、指導員が顔の見える関係性を築きながらやっているところですので、丁寧に何度も訓練状況を踏まえて現実を御説明し、今後、どのような対応をしていくのがいいかというのを、御本人とも十分相談しながら、いろいろ揺れ動きながらも進めているというところでございます。
それから、4つ目の御質問いただきました重度身体障害の訓練生の方ですね。これは私どももいろいろ考えながら試行錯誤して取り組んできたというところの御紹介なのですけれども、実際にテレワークを想定して、この方はもう訓練修了して御自宅に帰っておられますけれども、就職活動の支援というのを継続的に御相談に乗っているところです。ただ、今後、こういった方々をたくさん受け入れられるかというところについては、まだ検討の途上というところでございます。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、御質問はまだ細かくあるかと思いますけれども、時間の都合もありまして、次の議題に進みたいと思います。事務局のほうから、本題といいますか、資料4「障害者職業能力開発校の在り方に関する課題等」につきまして説明してください。よろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 事務局です。資料4について説明させていただきます。
1ページ、御覧ください。
まず、障害者職業能力開発校を取り巻く現状についてですけれども、資料2のほうでも説明させていただいたとおり、近年、法定雇用率の引上げに伴いまして、職業訓練を経ずに就職に至るケースの増加とか、就労系障害福祉サービスのほうから一般就労へ移行する障害者が増えてきているということなどを背景に、障害者訓練を受ける障害者数というのは減少傾向にあるところです。
また、以前、訓練生の障害種別の主体が身体障害者であったところ、次第に知的障害者、その他、精神障害者とか発達障害者に変わってきておりまして、訓練実施に当たっての配慮事項とか手法というのも変化してきているところでございます。さらには、精神障害者・発達障害者というのは、施設面、ハード面について特段の配慮が不要ということですとか、障害はクローズドのまま訓練を受講したいという希望者もおりまして、障害者校ではなくて一般の職業訓練校とか委託訓練のほうで訓練を受講するというようなケースも増えてきております。
このように障害者訓練を取り巻く状況というのは、近年、大きく変化してきているところですけれども、これらの変化に十分に対応できているとは言えない状況となっております。そこで、この検討会では、取り巻く現状の変化に伴い、生じてきている課題等について御議論いただきたいと考えているところです。
具体的には、大きく5つの課題を挙げさせていただきました。
まず、課題1、障害者校の在り方についてになります。障害者訓練の受講者数というのが減少傾向にあることを踏まえまして、障害者訓練の在り方を改めて検討する必要があると考えております。
1点目といたしましては、就労系障害福祉サービスは、社会性とか就労準備性を身につけさせて就労につなぐことを目的としている一方で、障害者訓練というのは、専門的な職業能力を身につけさせて一般就労につなげることを目的にしているところですが、近年は、障害者訓練において障害の多様化等を踏まえまして、適応支援とか職業準備性の付与に係る比重が増していることに伴って、障害福祉サービスとの違いが曖昧になってきております。しかしながら、障害者訓練、特に施設内訓練におきましては、障害者訓練に関する専門的な知見・技術を有する訓練指導員を配置していることなど、訓練校ならではの強みというのを有しておりますので、その辺りを改めて整理した上で、今後の障害者訓練の在り方というのを御議論いただきたいと考えております。
2点目といたしまして、近年、障害者手帳を有しない、いわゆるグレーゾーンの者を含めまして、配慮が必要な者が一般の職業訓練校を希望するケースが増えてきておりますが、一般校では、それらの者の対応とか訓練に苦慮しているというような状況が続いております。今後もこのような状況が続くと予想される中で、一般校との役割分担とか連携、具体的には障害者校がこれまで蓄積してきた障害者訓練のノウハウ等を、どのように一般校に広めていくか等について御議論いただきたいと考えております。
3点目といたしましては、国立県営の障害者校ですけれども、これはもともと都道府県が設置した傷痍軍人用の施設を国有化いたしまして、また労働災害により障害を負った者というのを主として受け入れてきたという経過もありまして、障害者校の施設整備とか訓練機器の調達というのは、労働保険特別会計の労災勘定により措置してきたというような歴史的な経過がございます。しかしながら、近年、労災を理由に障害者となった受講生も少なくなってきている。また、労災勘定の財源が厳しくなってきているという中で、今後の財源とか障害者校の運営をどのように考えていくのか。
併せて、資料2のほうで御説明いたしました、利用者が非常に少なくなってきております障害者校に併設されている寮について、今後どのようにしていくのがよいかということについて御議論いただきたいと考えております。
続いて、2ページを御覧ください。
課題の2点目です。訓練科目の見直し及び障害特性に応じたクラス編成についてになります。現在、高障求機構に運営を委託しております2校では、障害種別を問わずに受け入れておりまして、個別支援に近い形で訓練を実施できているというような状況で、それ以外の障害者校のほうでも障害種別に応じた訓練科の設置を進めております。併せて、精神とか発達障害者を対象とした訓練科では、適応支援に係る比重が増しているというような状況でございます。
そのような中で、訓練科目等に関する課題の1点目といたしましては、より地域のニーズとか企業ニーズ等を踏まえた障害種別・訓練科目の設定が望まれるところ、地域ニーズを十分に吸い上げられているとは、現在、言い難いということがございますので、この地域ニーズ等をより的確に吸い上げるための方策について御議論いただきたい。また、職業訓練の目的は、専門的な職業能力を身につけさせて一般就労につなげるということになりますので、一定の専門性は維持するとともに、訓練修了後の就業に当たりましては、訓練を通じて身につけた能力とか技術を活かした上で、それらが処遇にも反映されるように雇用の質を高めていく必要があると考えておりますので、それらの方策等について御議論いただきたいと考えております。
2点目といたしましては、オンライン訓練の在り方になります。立地や障害特性から、障害者校への通所・入寮が困難な訓練受講希望者の受講促進策といたしまして、また訓練を実施する側の体制面とか経費面から見ても、オンライン訓練が今後、有効な手段になり得るのではないかと我々のほうで考えておりますが、現時点においては取組実績がございません。このため、高障求機構を中心にオンライン訓練の導入に向けた検討を現在、始めていただいているところですが、この検討会におきましてもオンライン訓練の在り方について御議論いただきたいと考えております。
3点目といたしましては、障害者校における職業訓練指導員の配置基準についてです。障害者校における職業訓練指導員の配置基準につきましては、現在、障害者校独自の基準というのは設けておりませんで、一般の職業訓練校の基準を準用し、具体的には受講生10人に対し、指導員1名ということにしております。しかしながら、近年では、障害特性の多様化に伴い、個別支援の重要性が増しておりますので、これらを踏まえて現在の基準が十分なのか。新たな基準を設けるとすると、どの程度が適切なのか。新たな基準を設けた場合には、訓練コースとか訓練科目の設定・定員をどのようにしていくのか。これらについて御議論いただきたいと考えております。
続いて、課題3になります。関連施策との連携です。障害者訓練の関連施策とか関連機関といたしましては、就労移行支援事業所とか就労継続支援のA型・B型といった就労系障害福祉サービスとか医療機関、またハローワークとか障害者就業・生活支援センターなどが挙げられますけれども、これらの施策とか機関との十分な連携が図られているかといいますと、現時点では十分とは言えない状況となっております。
そこで、これら関連施策の中で障害者訓練が担うべき役割とか的確な連携をどのようにしていくのか。本年10月からは障害者総合支援法のほうで就労選択支援サービスが開始されるということもございますので、就労を希望する障害者をアセスメントした後の支援策として、障害者職業訓練というのを明確に位置づけて、福祉事業所とか医療機関に障害者訓練に関するイメージを持っていただく、役割を十分に理解していただくことが重要でないかと考えております。
また、障害者校では、訓練はもちろん、就職支援まで主体的に実施している一方で、就職後の定着支援については、障害者校のマンパワーの問題もございまして、十分な対応ができていない。さらに、今後についても、障害者校が主体的に定着支援をすることは難しいと考えているところです。このため、定着支援に関する知見・情報を十分に有しておりますハローワークとか障害者就業・生活支援センター、これらの機関との連携を強化していくことが重要であると考えられますので、定着支援に向けた連携の在り方について御議論いただきたいと考えております。
続いて、3ページを御覧ください。
課題の4になります。障害者委託訓練の活性化についてです。障害者訓練につきましては、資料2の御説明のとおり、受講者数の減少に加えて、就職率についても訓練コースとか訓練実施機関によってばらつきが見られるところでございます。障害者の多様化も進む中で、障害者の居住する身近な地域で障害者の対応とか企業ニーズに対応するとともに、障害者校が設置されていない地域における障害者の訓練機会を確保するという意味でも、障害者委託訓練の活性化を図ることが重要だと考えておりまして、そのためには、訓練コースとか訓練科目の設定をどうしていくのか。
また、障害者委託訓練は、原則、ハローワークからの受講あっせんを経ることとなりますけれども、ハローワークに的確な受講あっせんをしていただくためには、どのように連携していく必要があるのか。これらについて御議論いただきたいと考えております。
最後に、課題5、その他といたしまして在職者訓練を上げさせていただきました。改正障害者雇用促進法で、職業能力の開発及び向上に関する措置を行うことというのが事業主の責務とされました。また、訓練を経ずに就職するケースが増加するにつれまして、就労しながらスキルアップを図りたいという障害者とか、図っていただきたいというような企業のニーズが高くなっていると推測される一方で、現時点における実績というのは低調な状況となっております。雇用の質を高めるとともに、雇用継続の観点からも、この在職者訓練の充実とか活用促進というのが必要と考えられますので、どのように対応していくべきか、これらについて御議論いただきたいと考えております。
広範にわたる課題につきまして御議論をお願いすることとなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
今、お聞きになりましたとおり、非常に課題が広いです。それぞれの課題につきましてもサブテーマでたくさんありますので、効率よく議論を進めていくためにも、順番に課題1からやっていきたいと思います。なおかつ、皆さんが事前に説明を受けていらっしゃると思いますので、課題について、それぞれの要望あるいは御意見等を系統的に順次出していただきたいと思います。出てきた課題に対してディスカッションするということには、時間的にいきません。そういった意味では、まず、皆さんが事前に資料を伺った上でのそれぞれの課題についての提言、御意見等を順次お伺いしていきたいと思います。
まず、課題1につきまして、皆さん、どうでしょうか。御意見、御発言等、どんなことでも結構です。マル1からマル4までありますけれども、どうですか。丸の番号には特にこだわりませんけれども、何か御意見等は。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 私、仕事で指導員の方に研修を行っているのですが、何の研修を行っているかといいますと、グレーゾーンの方向けの対応等、あるいは障害者職業訓練校の指導員の方が障害について学ぶ研修とかをやっております。そこの中でのあくまで感覚的な判断ではありますけれども、グレーゾーンの者などの対応については、実は一般校だけじゃなくて、障害者校も非常に課題になっています。いわゆる知的障害の方向けの訓練で、そのうちの3分の1とか半分ぐらいの方々が発達障害も重複しているのではないかといった感触を持っている受講者の方々の話をよく聞いて、そのために私のグレーゾーン向けの研修を受講しているということもあります。
なので、こういった精神・発達の方向けへの対応については、特殊な方法、一般的なやり方をただ単に組み合わせればいいわけじゃなくて、本当に本人を深く理解した上で対応を考えなければいけませんので、そういった部分を学んでいかないとなかなか難しいのではないかと思います。であるからこそ、この一般校との役割分担についてなのですけれども、障害者校のほうで学べる場、もしくはいろいろとアドバイスいただく場を用意するというのも必要なのかなと思います。
○松爲座長 障害者校であることの特性を生かした固有のカリキュラムは考えられますか。一般校とは違う。一般校ではできなくて、障害者校であるがゆえに特別な訓練の在り方、中身というのは考えられますか。
○深江構成員 まず、一般校の場合ですと集合訓練がメインですので、一番簡単な例でいきますと、休憩時間も何時から何時となります。しかし、障害者校ですと、個別に対応する個別支援が基本となりますので、やろうと思えばそれぞれの人ごとに合わせた休憩時間が可能なはずです。実際、それは国リハのほうでやっています。ですので、そういう集合訓練の枠から外れて、本当に個別支援として訓練を実施するというやり方も可能だと思います。
○松爲座長 聞いていると、個別支援を中心にして、松原構成員が言われるような、いろいろな障害特性に応じたカリキュラムのつくり方みたいなものが考えられるのではないかということですかね。分かりました。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 お世話になります。育成会の大谷です。
ちょっと気になるのがグレーゾーンの方々ですけれども、働くという次の段階に行くときに、グレーゾーンというのは何を意味しているかというと、手帳を持っていないときに、雇用率のほうの数値には現時点では入らないわけですので、その場合にどう捉えるかということがあって。働くとなれば、通常の企業への就職ということになるわけですので、訓練校で技術的なものを習って行けるのかどうかという、それに合わせた訓練があるのかどうか。ここの部分をもう少し精査しないと、現時点の規定においては手帳というのが大事ですので、それがないグレーの方々に対しては、次へのステップがなかなか難しくなるということもあり得るので、その辺の部分とのすみ分けをしていくか。
もう一つは、ハローワークとの連携がちょっと少ないというのを感じますので、その辺ももうちょっとつくっていかないといけないということと。
それと、通常、訓練校等に行こうとする場合に、中学、軽度の方が地域の学校で学びながら、次へのステップとしたときに、どちらに行くかというときに訓練を受けて就職をという一般就労を考えた場合に、そこを学校サイド、教育委員会がどの程度把握しているのか。一番大きな部分は、次へステップさせるための情報提供をどれぐらいしているか。そういうものをもう少し確立していかないと、ちょっと難しいのではないかなと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
では、大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 ありがとうございます。
今までの議論の中で、例えば発達障害の方が増えているということで、それに対していろいろな方策をしていただくというのは非常にうれしい限りでございます。ただ、教育分野も含めて、体系的に、あるいはシステマティックに、発達障害の方に対する支援というのがどこの分野においてもできていないということがあると思っています。例えば、職業訓練校において、職業訓練校の誰が、どのような資格を持ってやるのか。あるいは、人材として、どのような研修の中で体系的に研修をしていただいて学んでいただいて、こういうカリキュラムでやっていくのか。そして、その人に対して、またスーパーバイズをきちんとモニタリングしながら、適時、指導員の能力をはかりながらやっていくか。
研修をしていただければいいということだけではなくて、システマティックにきちんとずっと続くように、そういう体系をつくっていただきたいと。そうじゃないと、結局、あと10年しても、発達障害についての研修はやったけれども、何も残らないことになっているという状況を危惧します。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。訓練校だけの問題じゃなくて、全体の社会システムそのものの問題をむしろ御指摘されていらっしゃいますね。
ほかにどなたか。何かございますでしょうか。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 研修をやっている立場からの情報提供ですが、システマティックに支援を検討して考えていくというのは、実は私の研修でやっていまして、機構では、10年ぐらい前には対応が難しかった一般校でのケースについてはある程度解消して、今、本当に難しいケースがより悩みとなっています。一方で課題もありまして、組織的に運営を始めたのはいいのですけれども、数年で消えてしまうようなところもあって、そこをどうするのかというのを検討しております。また、スーパーバイザーみたいな立場の方も今、いないので、そういったところも課題ということで、確かに課題が幾つかありますが、システマティックに支援するというのは、今、走り出しているところであります。
○松爲座長 スーパーバイザーとかマネジメントをやれるような人間とか、どういう体制ができているかどうかがちょっと不明かもしれませんね。
ほかに何かございますでしょうか。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 全国就業支援ネットワークの酒井です。
全国就業支援ネットワークは、国公立の19校以外に民間で職業訓練をやっている施設が11施設ございまして、そこが連絡会というのを立ち上げてスタートしたNPOになります。寮の件ですけれども、職業訓練は専門的な知識・技能の付与というところをベースにして、それは先ほど来出ていますように、それ以外の適応支援とか就労準備ピラミッドの変化、土台のところをまずしっかりと固めた上で職業準備を進めていくという要素が今、非常に強くなっていまして、私どもの民間の訓練施設でも、全寮制にして、職業訓練だけじゃなくて生活訓練もセットでやっているところ。長崎は昨年度末に閉められたのですけれども、あります。
ですから、見方を全く変えて、寮を重要な社会資源という位置づけで、生活訓練をする機能をそこで得るということも大事かなと思いますし、実際、私のところの施設でも、今、52名、訓練生がいるのですけれども、25名が療育手帳、知的障害を持っている人で、年に2回ぐらいショートステイということで、1週間丸々、グループホームから通ってきてもらって、その間、就職後の自立した生活を見据えた支援ということも行っておりますので、そういった機能として使うということも1つの資源として考えられると思いました。
○松爲座長 ありがとうございました。
ということで、よく分かりましたけれども、最後にもう一つ皆さんにお聞きしたいのは、マル3の今後の財源とか運営校に関しての御意見、もしございましたら。
どうぞ。
○小幡構成員 3番の前に意見があるのですけれども、訓練校の対象者をどういうふうにしていくのかという部分を、手帳所持者じゃない方たちも利用できるというのがポイントでもあると思うので、そこは障害福祉サービスと全然違うところを確保しながら想定することと。
労災の事業との関係が非常に影響を受けているということで、今、メンタルヘルス、結構不調になってしまって休職になって、職場復帰していくような方たち向けにも、科目、プログラムができないか。地域柄もあるけれども、そういう再度、職場復帰していく人たちの門戸をレールに乗せてあげられるようにしたい。今、各企業での再教育だったり、再雇用のプロセスだけになってしまっていて、うまくいく人は再就職にそのまま行けますけれども、意外と少なくない方たちが結果的に退職になっているということを考えたときに、例えば訓練校のサポートを受ければ、同じ職場でなくても同じような技術を生かしてやれるというところを少し対象に入れることができれば、もうちょっと労災の兼ね合いとの関係性がイメージできるのかなと思います。
○松爲座長 リスキリングとかリラーニングみたいな場面をもっと担保するという感じですね。
○小幡構成員 新たに技術を身につけるというよりは、土台の部分を再構築する中で、もう一回ステージに乗っていくという後押しができるプログラムも、後の課題になるけれども、いいのではないか。
○松爲座長 そうすると、労災勘定ももうちょっと担保してもいいのではないかという話になるね。ありがとうございました。
ほか、どうですか。
どうぞ、山脇構成員。
○山脇構成員 ありがとうございます。連合の山脇でございます。
初回の発言ということもありますので、障害者の職業能力開発に関する連合の考え方も含めて発言させていただきたいと思っています。
障害者雇用施策の推進に当たっては、まず、ノーマライゼーションの意義に沿って、障害者福祉など、関連施策ともしっかり連携を取る中で、障害者雇用の促進と雇用の質の向上を両輪として取り組んでいくことが重要だと考えます。
その上で、特に今回の検討会が対象とすべき雇用の質の向上については、まず1つは、労働者個々人の適性や希望を勘案した上で、適切な職業訓練の受講を可能とすることは当然として、障害者個々人の特性をよく知る訓練機関が就労支援までを一体的に提供できるようにしていくことが望ましいと考えています。そうした観点からは、障害者校あるいは委託訓練機関が担うべき役割は従来以上に重要性を増していると思っているところです。
また、今後、検討を進めるに当たって、前提としてもらいたいことが2点ございます。1つは、これまで訓練校だからこそ実現できている質の高い訓練と就職支援、こういった強みが後退することがないようにしていただきたいということです。
2つ目は、入寮希望者を含めて、訓練校での受講を希望している者が、引き続き訓練校に入校できるような体制を維持することを前提に、重点化などを議論していただきたいと思います。
併せて、マル2に関連するものとして、個別配慮が必要な者が一般校を希望する場合が多くなっているということですので、これまで障害者校で蓄積してきた指導法とか、優位にある点を一般校にも提供できるようにしていくことで、能力開発の全体の底上げにつなげていくことが重要ではないかと思っています。
以上です。
○松爲座長 なるほど、分かりました。
ほか、どうですか。
次のテーマといろいろ関連することがありますので、2番目のテーマに入っていきましょうか。前後しても構いませんけれども、中心の議題の2番目の訓練科目の見直し、そして障害特性に応じたクラス編成の在り方、科目の中身になってきますね。マル1からマル3、3つの課題として挙げられておりますけれども、どんなことでも結構ですから、まず御意見、伺いたいと思いますけれども、どうでしょうか。
どうぞ、小幡構成員のほうから。
○小幡構成員 1つは、オンライン訓練の在り方で、現在、e-ラーニングだとIT技術関連のところに偏重している。それをほかの科目にまで、どうやったら広げられるのか。予備校で言えば、分校だと、今やネットでつながっていますけれども、障害特性やいろいろな対象があるので一概には言えないですが、オンライン訓練の活用方法を、一般の授業とのすり合わせでどこまで再現化できるのかというところをやることはお願いしたいなと思うところです。
それと、各校、一定の人数を集めてやらなければ費用対効果も含めて難しいということで、訓練科目を設定されているかと思う、先ほどのJEEDのお話にあるように、どちらかというと個別の障害特性にどう対応すれば、そのことを身につけていただけるかという観点から見たときに、一定数確保しての訓練科目のほかに、個別のカスタマイズができるような科目の設定ということができないのか。そのときに、1校では難しいけれども、全校集めると何人かいるから、そのときはオンラインを使ってやろうという発想も必要なのではないかなと考えたところです。
○松爲座長 e-ラーニングであれば、ほかの学校と併せて、各専門科の下にグループをつくってやっていくことも可能ということですね。
○小幡構成員 サイドには、サポートする者が何人かいれば、専門性のところはオンラインでカバーできるのではないか。
○松爲座長 分かりました。
では、酒井構成員。
○酒井構成員 私がふだんいる大阪市職業リハビリテーションセンターは、先ほど申しましたように民間の職業訓練の施設で、5年前から1年間のオンラインのコースをやっております。コロナの少し前で、もともとは移動が困難な重度の身体障害の人を想定してスタートしたのですが、コース自体は障害を問わずにしましたら、精神の方の応募者がすごく多くて、5名枠のところ、初年度は全体で20名の希望者で、2年目は40名の希望者で、今もほかのコースは2倍までいかない希望者ですが、このコースだけはコンスタントに20名ぐらいは応募者が必ずいるという状況で、ニーズはすごくあるのだろうなと思います。
1つは、皆さん、電車の通勤がネックで働くことができないというのが最大の理由なのですが、あと、たくさんの人と関わるところで、緊張して自分の力をなかなか発揮できないとか、様々な人がいます。新しい働き方、今までなかなか就労できなかった人が就労できる新しい選択肢かと思いますので、ここは拡充していきたいなと私たちも思っているのですが、同じ5人でも、通所の訓練に比べたらマンパワーは1.5倍ぐらい必要になる。オンラインだから簡単にできるということではなくて、オンラインのほうが相当マンパワー、オンデマンドとかでなく、常に双方向で訓練を行っていますので、ここの拡充をどうするかというのは私どもの課題でもあるのですけれどもね。
もう一つは、国公立と民間は職業訓練の時間数の設定が違うと思うのですか、民間の場合は半年で700時間、1年間で1400時間という規定がありまして、毎日9時半から5時まで、皆さん、訓練を受けているのですが、一方で多様な働き方で短時間雇用ということで、10時間から雇用率のカウント対象になっているということで、在宅を希望する方は短時間しか働けない方のほうが多いので、短時間の訓練コースの設定があってもいいのかなと思っています。委託訓練は、訓練時間の弾力化というところがあるのですけれども、そもそも重度の身体の方とか精神の方で、週20時間ぐらいの訓練コースがあってもいいのではないかなと感じております。
以上です。
○松爲座長 1つ聞きたいのだけれども、オンラインでやる科目は何ですか。というのは、例えばオンラインだけでやっていくのか、それとも実際に演習を面対でやるような科目も組み合わせないとできないような科目なのか、そこをちょっと。
○酒井構成員 私どもが今やっているのは、月1回、通所日を設定して、1回だけ来ていただきまして、それ以外は基本、全部オンラインで、今はZoomを使っていますので、双方向で常に顔が見える状態で。
○松爲座長 科目の中身は何をやっていらっしゃるのですか。
○酒井構成員 アプリケーションソフト、Word、Excel、PowerPointのようなものとか、ホームページをつくる。あと、会計コース、簿記の資格取得をしたりというスキルの部分と、あと、例えば文章力アップ講座と言って、いかに分かりやすく伝えるかであるとか。あと、自己管理能力というのはすごく大事になってくるので、自己管理できるような力とかアサーティブ、アサーション的な科目等々です。
○松爲座長 特に、オンライン在宅ですとセルフコントロールできないと。
ほか、どうでしょうか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 ちょうど訓練時間の制度的な話が出たのですが、今、障害者訓練のほうは、普通訓練の規定を基に柔軟にとなっていると思います。それが実際、私、研修なんかでいろいろ話をしてみますと、確かに柔軟なのですけれども、どこまで許されるかというのはなかなかやりにくい。いわゆる訓練校としてやろうと思っても、議会とかで根拠を問われるので、根拠がないことによってやりたくてもやれないという実態があるそうです。
実際、訓練時間ではなくて、私、そこでよく聞いていますのは、ちょうどマル3の議題になっていますけれども、指導員の数が今の普通、一般校での基準に基づいて
いるので、増やしているところはありますけれども、これを増やそうとしても根拠がない、基準がないからやりにくいというところがあるそうです。
私、過去にやった調査研究がありまして、職業大の基盤センターでやったのですけれども、こちらのほうでは、現在、指導員1人につき訓練生10名というのが基準なのですけれども、ではなくて、指導員1人につき訓練生5名という体制が望ましいというアンケート結果が出ております。ですので、柔軟性を高めましょうと考えたときには、ある程度の何らかの指針みたいなものを用意しないと、実際にそれを実現するのは難しいのかなと思います。
○松爲座長 そういう点で、最後、マル3の人員配置の問題は結構大きいかもしれませんね。
ほか、どうでしょうか。皆さん、何か御意見ございましたら。大丈夫ですか。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 ありがとうございます。
1、2、3、それぞれ少しコメントさせていただければと思います。
まず、1番目については、地域のニーズを吸い上げる機能として、すでに地域職業能力開発促進協議会があります。その中で障害者の訓練についても議題として取り上げることで活発化を図っていくことができるのではないかと思っています。
また、マル1の後段に書いてあります雇用の質を高めるという観点については、求人企業のほうに理解してもらうことが重要ではないかと思っています。訓練生がどのような技能を身につけているのかを理解してもらうことはもとより、一番重要なのは、身につけた技能がしっかりと活かせる職種に就職できるようにすることだと思います。この点、支援の強化が必要と考えます。聞くところによると、訓練校では訓練生の個別プロフィールを作成して、丁寧に就職支援を行っていただいている事例もあるということですので、こうした好事例を積極的に水平展開していただくことが、今、申し上げたようなことにつながるのではないかと思います。
2点目は、マル2、オンライン訓練の在り方についてです。今回の見直しの中で最も重要なポイントの一つではないかと思っています。従来から、立地的に特定の学校に通うことが難しいという人も少なくなかったと理解していますので、事務系訓練などを中心に積極的に推進していくことが、組織再編などともセットで議論されるべきと考えます。
最後、マル3に関しては、先ほど深江先生からも発言がありましたけれども、少なくとも現在の一般の職業訓練よりも手厚い配置としていくということは必要と思いますので、適正な配置の在り方というのは、この中でしっかり議論させてもらいたいと思います。
以上です。
○松爲座長 2番、3番のほうは分かりました。
1番目に関して言うと、まだ議論が少ないのですけれども、広報活動が本当に足りないような気がしますね。御指摘のあった地域の協議会の中においても、障害者訓練校とか訓練校の情報がどこまで行き届いているかどうかがよく分からないですね。例えば、委託訓練事業所の中では、委託訓練の成果発表会を地域の中小企業の人たちを集めてやっているところがあったりしますね。そういった自分たちの成果を、訓練校を含めて、もっと地域に発表するような広報活動的なものを本格的に進めていかなければという気がするのですね。それは、後のほうで出てきます課題3の障害福祉サービスとの関係で言うと、今、聞いていると、どこまで訓練校のネットワークが拡大されているかどうかにつながるような気がいたしますね。
ほか、何か。もしくは、これに関して御意見等ございましたら。どうぞ。
○深江構成員 今のPRについてですけれども、私、それぞれの訓練校に出向いて出張研修するために、行くときにホームページを確認したりしているのです。そうすると、障害者校自身は、訓練内容をきちんとホームページで情報発信されていますけれども、一般校の中での障害者向けのコースというのはあまり。中には書かれていないこともあります。
○松爲座長 そうですね。前の検討会のときも出た話ですね。
○深江構成員 オンラインになっていくにつれて、ホームページ上での情報発信あるいはSNSでの情報発信が大事になってきますので、その辺は議論されたほうがいいと思います。
○松爲座長 これはすごく大事だと思うのは、私、文科省のほうで久里浜の特支教育総合研究所の理事を長い間やっていて、あそこでいつも問題になってくるのは、特別支援教育のカリキュラムとか、そういったものは、一般校へもっと伝達普及させなければいけないのだけれども、それがなかなか広がっていかないというのはすごく大きな課題だったのですね。ですから、私はそういった広報活動に関しては、もっと本気になってやっていくべきかなという気がいたしますね。
ほかに、何かこれに関して御意見等ございましたら。ここはよろしいですか。
続きまして、議題3に行きましょうか。関連施策との連携につきまして、今、少し話題にはなりましたけれども、これに関して、皆さん、御意見、御質問等ございましたら、、どうでしょうか。
どうぞ、酒井構成員。
○酒井構成員 地域の中で、この職業訓練があまり認識されていないというのは確かにそうで、例えば福祉サービスの出発点は相談支援事業所ですけれども、相談支援事業所からも全く認識されていない。ハードルがすごく高いと感じられているような気がします。
あと、地域の中には就労移行支援事業所があって、全国に3000弱。一方、職業訓練は国公立19と我々民間11で、たった30で、1%しかないのですけれども、明らかに質の高い職業訓練を提供できているというのもそのとおり。ですので、逆に地域に広く就労移行がありますけれども、就労移行の質も様々です。大阪だと、単に資格を取ったらいいというところとか、様々なので、逆にそういう地域の就労移行、例えば職業訓練校とかがスーパーバイズするような役割を持つとかいうところでネットワークをつくっていけないかなというふうに思っております。
○松爲座長 そうですね。地域のいろいろなネットワークの中にもっと入り込むべきだという気がしますね。
阿部構成員、どうぞ。
○阿部(一)構成員 ありがとうございます。
細かいことですけれども、障害者総合支援法のサービスの中の訓練等給付で、もちろん移行支援とかA型・B型もあるのですけれども、自立訓練事業の中の生活訓練では高次脳機能障害の方々に関わっています。人生の途中で高次脳機能障害になる場合には、障害受容も多分難しくて、生活訓練は2年間という限定なのですけれども、こことうまくつながることが大切なのかなというふうに思いながら発言させていただきました。
例えば、障害でも、私、子供の頃だから受容はできているけれども、働いている中での障害受容というのは厳しいだろうし、そのときに確かに生活訓練、精神の方もですけれども、高次脳機能障害の方々、その次にというと、2年間だから、次は年齢も踏まえて、結局、介護保険サービスにと勧められることがあるのですけれども、働く機会があればありがたいのではないか。まずは、障害になったばかりのときには職場復帰を考えるのだけれども、現状、なかなか難しいので、例えば自立訓練事業の中の生活訓練事業とのつながりというのも大事かなと思って、これはなかなか知られていないように思うので、御検討をお願いします。
以上です。
○松爲座長 まさにそのとおりですね。ほかの制度とのつながりというのを、あまり理解してくださらないところがありますね。それだけ能力開発に関しての情報が、恐らく福祉とかの人たちに伝達していないのではないかと思うのですね。まして、これから先、就労選択支援が始まるでしょう。就労選択支援の一つの選択として、能力開発というのは、ほかの例えば移行A・Bとの違いをもっと明確に出すとか、今、伺っていると、そういった意味での広報活動が本当に必要な気がしますね。それでもって、今、言った自立に関しての制度設計、つくり方のモデルなんかも出していくべきですね。そういった幅広い広報活動がもっと必要かなという気がしますね。
ほかは皆さん、どうですか。
山脇構成員。
○山脇構成員 ありがとうございます。
マル1、マル2、マル3に共通して、関連施策との連携強化が必要だということについては異論がないところです。その上で、先ほど大塚構成員や阿部構成員からも発言がありました定着支援の関係について発言させてもらいたいと思います。既に人材開発分科会あるいは障害者雇用分科会の中でも、定着支援をどう図っていくのかというのが課題とされています。定着支援という観点から政策を考える場合に、就職率や定着率に関するデータを詳細に把握して分析を行うことが重要ではないかと思います。
例えば、就職率と一口に言っても、その先が雇用保険適用の就職なのか、あるいはA型事業所への就職なのか、現状、こういった内訳も分からない状況にあります。また、入職のルートも、訓練機関からなのか、福祉サービスからなのか、医療サービスからなのかを把握し、入職のルートごとに就職率とか定着率がどのように違うのかということを分析することで、訓練校の果たすべき役割がよく分かるのではないかと思っています。そして、詳細な分析がこのタイミングでできるのかどうかは別としても、今後に向けて検討していただくことが極めて重要ではないかなと思います。
併せて、定着支援に関して言うと、単に定着という点だけではなくて、障害者あるいは企業に両方アプローチできることと少し長いスパンで見ていくということからすると、能力開発とか処遇改善の観点も含めて、今後、活用できるような形でデータを整備していくことが重要ではないかと思います。
○松爲座長 本当におっしゃるとおりだと思います。定着支援の実態のデータが必要と言われながら、あまり詳しいデータがないという感じですね。特に能力開発に関しては、訓練校を修了したのはいいけれども、修了した後、データがどうなっているか。就職した後の状況とか定着とか。この辺りのデータを見ていかないと、定着の在り方とか訓練校の能力開発の成果というのはよく見えてこないところがありますね。そういった意味では、まさに山脇構成員おっしゃるように、データをこれからもう少し整備したほうがいいかなという感じがいたしますね。
ほかは皆さん、どうですか。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 1つだけ事例を紹介いたします。3番についてですけれども、障害者就業・生活支援センターとの連携について、岐阜の障害者校が先進的なことをやっていまして、同じ建物内にセンターと訓練校が一緒に共存して、さらに訓練生は全員登録しているという話を聞いたことがあります。せっかくですので、その辺も参考に見るのがいいかなと思います。
○松爲座長 訓練校が職業センターとつながっているかというと、あまりつながっている気がしないのだけれども、そこは松原さん、その辺り、知っていますか。
○松原構成員 御要望いただければ、地域障害者職業センター、全国にありますけれども、定着支援、特にジョブコーチ支援をするというのはあるかと思います。ただ、各校の動き方によっても違うのかなというところで、押しなべてやっているかというと、そうでもないなというところがあります。
○松爲座長 私が知っているところでもそうですけれども、訓練校は結構独自にやっているのだけれども、全国の障害者職業センターが訓練校に対して、例えば就業センターの利用者をあっせんとは言わないけれども、紹介して、こういった訓練科目がありますよということを積極的に紹介するとか、そういう感じのような気がしますね。それから、今、言った地域の推進協議会でも、障害者の訓練校に関してあまり情報を出していないのではないかという気がするのです。基本的に言うと、1つの社会資源として、もうちょっと認知させなければという感じがすごくしますけれどもね。
ほかはどうですか。菅沼構成員、どうぞ。
○菅沼構成員 今、定着支援の話が出ましたので、東京都の障害者校で例示させていただきますと、職場定着支援員という専門の方を置いて、就職後の定着に向けた支援をしており、約75%が定着に結びついているというデータがあります。また発表の機会がありましたら、その辺は御説明させていただければというところでございます。
あとは、東京都には障害者校だけではなくて、ほかに一般校が13校ありますが、入校率は非常に厳しいです。7割切ってしまっているケースもあります。今の雇用の売り手市場といいますか、それと非常に大きく連動するところがあって、全般的に入校率が厳しいというところが傾向として言えるかなと思います。今日は障害者校だけの話でしたが、一般校の話も簡単に触れておきますと、そのような状況になっているということです。
○松爲座長 今、障害者雇用に関しては、企業にとっては売り手市場のような気がするけれども、それがどうして訓練校から行かないのだろうと思って。
○菅沼構成員 売り手市場なので、訓練校を通過せずに。
○松爲座長 ダイレクトに。
○菅沼構成員 高校等を卒業したら、すぐ就職されるケースが多いと聞いています。
○松爲座長 ありがとうございました。
牧野構成員、どうぞ。
○牧野構成員 大阪校の状況を話させていただきますと、今、話に出ていました定着支援に関しては、希望者に限って最高3年という形で、3人の支援員が就職した企業に定期的に訪問したり、一方で、本人から直接相談を受けたら、それに応じています。企業に訪問するときは指導員も同席している場合もあります。定着率という部分で言えば、3年間で希望者に限っては9割ぐらい行っています。ただ、希望されない方も当然おられるので、全体の修了生の割合というのはデータがないのですけれども、そういった取組はやっております。
今までいろいろお聞きしていて、訓練指導員の質の高い障害者訓練の提供というところで、私は行政職で指導員職ではないのですけれども、研修していただいていて、本校も積極的に研修参加させてもらっていて、すごく助かるのですけれども、それを基に、また伝達研修もしていますけれども、結局は障害特性は本当に千差万別で、先ほども議論があった中で、突き詰めていったら個人的な個別対応というところに行きついてしまう。そう言っても、訓練校は集合訓練でやっていますので、その運営は非常に難しい。
指導員の資格、採用に当たっても、正直、希望者が少ないという別の問題がある。あと、専門的な訓練をするということで、免許がかなり細分化されている。これは一般校のほうですけれども、その免許で採用するものですから、障害の経験という部分に関しては、一般校の訓練指導員も含めて、かなり少ない。それと、障害者訓練校は、免許の部分はどちらかといえば専門的な免許を必要とする科目もあるけれども、そうでない科目については、そこは自由が利くということで、免許外の指導をしていただくことになるのですけれども、専門的なことを教えようとして指導員になられる方がほとんどだと思います。
ですので、正直、障害者の訓練というのは、国立・府営が大阪府にあるというものの、指導員にとって意識が少ないというか、低いというか。そこで障害者校に異動したら、先に不安が勝ってしまう。そこのところが何とかできないかなというのは、正直、あります。
○松爲座長 まさにそのとおりですね。
ちょっとお聞きしますけれども、指導員は、普通の一般校と障害者訓練校、同じ県内で異動していく。異動の資格か何かがあったりというわけじゃない。通常の異動ですか。
○牧野構成員 一般校は専門課程ですから、当然、免許を持っておられる指導員を優先的に入れていかないといけない。障害者校もCAD科とかウェブというふうに専門科目はありますけれども、それ以外の発達障害・知的の部分についてはそうでもない。そういった方々は、一般校で経験された方が異動してきたりという形です。
○松爲座長 例えば、今の専門的な科目ならともかくとして、それ以外の生活支援とか一般的な発達障害に関する普遍的なコミュニケーションスキルとか、その辺りは非常勤の福祉の人たちとか教育関係の人たちが援用してやるという体制はでき上がっていないのですか。
○牧野構成員 福祉関係につきましては、大阪府の社会福祉職の正職の人を福祉部から、定数で言ったら2名配置いただいて送っていただいています。今年からは、もともと大阪府の社会福祉職で障害者校で退職を迎えた方なのですけれども、指導員のフォローとか、訓練指導には直接入らないですけれども、指導員ないし訓練生への橋渡し、その辺りのアドバイスをしていただく人を今年から1人、非常勤ですけれども、配置しておりまして、こういう方々の力は非常に大きいと思っております。
○松爲座長 先ほどの松原構成員のところじゃないけれども、国のほうとしては指導員の研修はやるけれども、多分、足りないかもしれないという気がしますね。
それと、所沢にしたって、障害者の職業カウンセラーが入っていて、訓練とは別にいろいろなサポートができる体制になっているじゃないですか。そこをバックアップするような体制がないと、普通の訓練校から移っていく人たちがやったら難しいかなという気がちょっといたします。
○牧野構成員 皆さん、一生懸命、真面目な方ばかりなので、それこそ先ほどありましたけれども、試行錯誤しながらですけれども、ベテラン職員の技術・技能を借りながら、その中で本当に試行錯誤しながらされています。
先ほど一般校の話が出ていましたけれども、私は、訓練校の一般校にこの前、居てまして、先ほど菅沼構成員からもありましたように、一般校は確かにもっと集まりが悪い状況になってきています。グレーゾーンのところに戻って申し訳ないですけれども、一般校に行かれる方で手帳を持っておられる方が増えているのは事実です。ただ、これは皆さん、クローズにされます。それは一般の職業訓練というか、一般の方と同じ土俵で勝負しようと思われている方が多い。
グレーゾーンの部分が、正直、何をもってグレーゾーンと言うのかというのは、難しいところはあるのですけれども、一般校に2年間行かせてもらった経験則から言いますと、親も含めて本人は自認していない方が多いのではないか。こちらも手帳も何も持っていない中で決めつけられませんけれども、行動を見ていたらそうじゃないかなというところがあっても、そういう扱いをしたら別の問題があります。決めつけたら別の問題がありますので、ある意味こわごわやっている。一般校と障害者校での人事交流で、障害者校の出身の指導員さん、科目は違えど、そういった方々の助けを借りながら一般校では対応を試行錯誤しながらやっているのが実態です。
○松爲座長 まさにおっしゃるとおり、人事の問題と受入れの訓練の体制まで、いろいろ問題があるかもしれませんね。
それでは、時間があまりなくなりましたので、最後の課題の4と5につきまして、何か御意見等ございましたら。どうでしょうか。
どうぞ。
○山脇構成員 ありがとうございます。
まず、課題4に関しては、資料2の7ページを見るとよく分かるのですが、令和4年度段階で、障害者校と比べても20%ポイント以上就職率が低いということは、手を加えていく必要があるのではないかと思っています。障害者校は本当によくやっていただいていると思っていまして、好事例についてしっかり委託訓練機関にも水平展開していただくことが、まずは必要ではないかと思います。その上で、現行の継続要件の厳格化も含めて、次のステップとして障害者委託訓練機関の質の担保についても検討を行う必要があると思っているところです。
また、e-ラーニングの就職率が資料2の24ページにあるように低い状況について。一般の求職者向けの場合のe-ラーニングは、育児とか介護など特段の必要がある方への対応として設定された側面もあると考えます。改めて障害者におけるe-ラーニングの在り方について、検討が必要ではないかと思っているところです。
さらに、課題5も少し触れさせていただきます。障害者雇用においては、一般の労働者と同等あるいはそれ以上にキャリア形成支援が重要と認識しております。先ほども少し触れましたけれども、雇用率達成に向けて、採用したものの、障害者のキャリア形成に十分取り組めていない企業も少なくないのではないかと思っております。しっかりと人材育成方針の策定を行うことを含め、企業に対するサポートや、相談体制の整備と充実、ジョブコーチの派遣など、個社ごとの状況に合わせた寄り添い型の支援の拡充をしていくことが重要ではでしょうか。
最後、論点は別なのですけれども、資料2の16ページに特別支援障害者の範囲が規定されています。難病患者については、現行、基準に入っていないところもありますので、この在り方というのも、今後、この中で結論が出るかどうかは別として、検討する課題ではないかと思っております。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
最後のキャリアパスに関して言うと、障害者に対するキャリアという考え方は今までなかったですね。処遇ではやっていても。でも、これから先、まさにインクルージングとかダイバーシティを考えたときに、障害を持った人たちにとってもキャリアパスを考えなければいけない。それは支援者自身がもっと考えなければいけないということがありますけれどもね。
ほかはどうですか。
酒井構成員から行きましょうか。
○酒井構成員 委託訓練ですけれども、委託訓練は障害者自立支援法のずっと前に始まったので、当時は47都道府県のうち17の県しか職業訓練がなくて、残りの30県でも、全都道府県で身近な地域で職業訓練を受けることができるようにと始まったと記憶していますが、その後、就労移行が全国にできて、全国で格差はあるにせよ、委託訓練としての役割はある意味終えているかなというふうに私は感じます。
一方で、在職者訓練のニーズはすごく高まっていて、私どもも在職者訓練をしていますけれども、長く働いている在職者の訓練のニーズというのはすごく高いなと感じていますので、課題5にもつながりますが、委託訓練も在職者訓練、もしくは実践能力習得コースにシフトしていくべきかなと思っております。
○松爲座長 ありがとうございます。
では、小幡構成員。
○小幡構成員 議題4、5そのものではないのですけれども、在職者を含めて、現代の名工とかを含めたようなスキルアップをしているところを、何かの形で示すというところにつなげていくような道筋や、あとは、障害者訓練校で言うとJEEDのアビリンピック、そういったものも併用していく中で、ただ単に自分が科目を修得していくということではなく、箔がつくような状況を企業に持って帰れる仕組みが何かできたらいいなと思っています。
それで、少し前の課題に戻ますが、雇用率の未達成企業、特に中小企業は、そもそもそこに関心がないところはまた別ですが、求めているのに雇用できないというところでは、訓練校と積極的にこういう人材がいますよということでのコミュニケーションをつくる場みたいなものもあっていいのではないか。大手企業はそれなりにやっていると思うので、中小企業のほうが訓練校の地域、地域に比較的近いところであるのではないか。そういうコミュニケーション協議会というか、意見交換の場があってもいいのかなと思います。
以上です。
○松爲座長 訓練校にしたって、学園祭があるのだから、学園祭のときに中小企業を集めればいいのにと思いますね。それくらい派手にやってもいいのかなという気がします。
ほかはどうですか、皆さん。
どうぞ、牧野構成員。
○牧野構成員 この会議全般的な部分で、私は大阪の校長ということで、皆さん、メンバー的には地方の方々でない方が主になっていると思うのですけれども、大阪と地方、国立障害者校というのは地方にもありますけれども、地方と実情というのが大分異なっているのではないか。地方のことはそこまで承知していないのですけれども、大阪はこうですよと言ったことが全ていいように捉えられるのか、悪いようになるのか、ちょっと分からないですけれども、地方の実情というものを一定念頭に置いてまとめていかないことには、地方自身が、そんな社会資源もないし、そんな状況でもないし、そこまで言われてもとなるようなことにはすべきでないのかなと。
差し出がましいですけれども、そこはちょっと思っておりまして、その辺り、どういうふうに逆に反映できていくのかなというところが。
○松爲座長 地方のニーズを十分吸い取っていない訓練科目の在り方はあるのかな。そこはどうなのだろう。
○牧野構成員 訓練ニーズの吸い上げというのも、実はなかなか難しいと思います。先ほども話に出ていたのですけれども、訓練校、これは一般校も一緒なのですけれども、知られていないというのがありまして、我々障害者校、大阪は特に今年からは福祉事業所、支援学校さんがやっておられるような合同説明会にも参加させてもらうという形で、福祉関係にもいわば顔を売っている。酒井構成員がおっしゃっていたように、数は多いのですけれども、知ってもらって連携してもらって助かるという福祉機関も当然ありますし、そこは大事なのかなというところで、これからも取り組んでいこうかなと思っております。ただ、地方にそこまで社会資源がいっぱいあるのかどうかというところがまた分からないので。
○松爲座長 どうですか、高山構成員、今までお話伺っていて、どんなことでも。
○高山構成員 僕は特例子会社で、どちらかというと訓練生を受けるほうの立場で聞いていますので、訓練校の先生方、本当に大変な思いで送っていただいているのだなというのが感想なのですが、その中で、障害者委託訓練でうちはたくさん来ているのです。今、60人の障害者を雇っているのですけれども、定着率が一番高いです。入職した子で辞めた子は1人だけ。定着率がすごく高いというのが1つ。
それと、議題が前のほうの絡みになってしまうのですが、これだけのことをやっていて、広報はもったいないなという印象はすごく持ちます。実は、ジケイビジネスサポートの母体は、学校法人滋慶学園という専門学校を日本各地に持っていまして、今、学生数で言うと4万人を超えているのです。その中でも約1.2%の子がさっきのグレーゾーン。何をもってグレーゾーンと言うかというと、要は手帳を持っていなくて、確実に手帳が取れるだろうという子になります。そういう人たちをどこに相談を持っていったらいいか。そこで一番の課題になってくるのが家族、周りがそこに正直、一歩出られない。
○松爲座長 家族が。
○高山構成員 どこかで気づいているのですけれども、学校の担任からは、あなたは障害を持っていますよというのは言えないので、そのときにどこに相談を持っていったらいいかということで、ここのネットワークでハローワークというのは全国組織でありますから、そういったところに少し橋渡しできて、そこで相談業務ができて職業訓練のほうに行けるという流れをつくれたらいいなというふうに、今、実は考えています。そういう相談窓口を1つつくっていただくだけでも、すごくいい方向につながっていくのではないかと思います。
○松爲座長 情報が伝わっていないような気がする。
○高山構成員 今、18歳から入ってくるのですが、大学にも発達障害がすごく増えていまして、高校とか、もっと若年層に向けて、少し先生方に、こういった場合はこういったところに相談すればいいよという広報があるといいなというふうに思います。
これはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、高校もコロナ禍になってから通信の学校から来る学生さんがすごく増えてきているのですね。通学経験のない学生さんは、なかなか仕事にうまく結びつかないので、こういう子こそ、訓練校でもう少し学んでから来られるとすごくプラスになるかなというのが私の意見です。
○松爲座長 おっしゃるとおりで、私も同意だけれども、発達障害だからといって、ほかの学生と同じように18、22で就職しなければならないと考える必要ないじゃないですか。高等学校、大学まで普通教育を受けて、それから就職と考えるときに訓練校に行って包括的な技術訓練をやって、24、25になって就職したっておかしくないでしょう。そういった社会的な通念ができるといいなと思うのです。それだけ長い人生をかけて、じっくり学ぶ場面をつくっていいじゃないですかという。親御さんたちがそういうおおらかな意識を持っていただけるとありがたいけれども、自分が発達障害をずっといろいろ支援していて、親御さんに対してそう思ったりしますね。ありがとうございます。
阿部博司構成員、もしよければ何か。
○阿部(博)構成員 経団連の阿部です。
ここ最近、障害者の雇用の質をどう高めるかということが大きなテーマとなっています。訓練を受ければスキルを身につけて、動機づけにもなるということで、雇用の質は当然高まっていくものだろうと思うのですが、今日、皆さんのご意見をお伺いして、その中でも様々な課題があるということが理解できました。私も一つ一つ勉強しながら、訓練に当たっての財源の問題も含めて考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○松爲座長 それでは、前田さん、よろしくお願いいたします。
○前田構成員 お疲れさまです。
訓練科目について、委託訓練とか、それ以外の障害者雇用の訓練科目もそうですけれども、科目についてもいろいろ検討の余地はあると思うのですが、科目以外で、いわゆる入校の時期とか入校の手続によってハードルがちょっと高くて、受講者が増えないという面もハローワークの現場では聞いておりますので、科目の設定に併せて、そうした入校の時期とか手続。特に、診断書が必要だったり、主治医の意見書が必要であったり、そうしたものが重複して必要だったり、金銭的な負担がかかる面もありますので、そうしたことが負担で入校をためらうようなケースがある。あるいは、そうしたことが大変なので、一般校にクローズで申し込むというケースもあると聞いておりますので、そうした手続等についても併せて検討いただければなと考えております。
○松爲座長 ありがとうございました。
一応、5番まで行ったのですけれども、改めて1番から5番まで全部含めて、あと、フリーでどんなことでも構いません。どうぞ。
○菅沼構成員 一通り皆さんの貴重な意見で、なるほどと思うことも多かったのですけれども、この課題を追いつつ、解決しようとしていくと、障害者訓練の全方位的な解決が必要になってくるので、抜本的な見直しが必要になると思います。
先程牧野構成員からもお話が出ましたけれども、体制の問題、人の配置の問題など課題はいろいろとあります。結局、指導員は職業訓練指導員であって、障害者訓練専門指導員ではありません。それが東京都の場合は2年から3年に1回という形で、人事異動の過程の中で、職業訓練指導員が障害者訓練を担当することとなります。それをサポートするにはどうすればいいか、そのほか寮の問題など、いろいろな課題があって、解決するには体制の問題、資金の問題は切っても切れない問題だと思いますので、どこまで、どのように解決に向けて取り組んでいくのかということは、現実的な話も含めて御検討いただけるとありがたいと思います。
○松爲座長 今回は幅広く問題点を提示して、事務局から出された課題も非常に幅広いですから、その幅広い議題の中で皆さんが考えている現実的な話を出して、これを例えば検討会の報告書の中で、どう優先順位を決めてやっていくかというのは、これから先の皆さんの議論の流れになるかと思いますね。
○菅沼構成員 大事な議論だということは前提で。
○松爲座長 だから、今回は好きなだけ幅広く議論したほうがいいという感じがしますね。
そのついでに言いますと、考えてみたら、障害者のための資格認定を持った訓練指導員はいないですね。そういう制度はないですね。それでいて障害者をやりましょうというのも何か変な話だという気もするし、聞いているといろいろな思いがありますね。
フリートーキングで結構ですけれども、今回の議論を踏まえた上でどうですか。どうぞ。
○酒井構成員 今の話に関係して、厚生労働省内で雇用と福祉の連携強化で、障害福祉課と職業安定局障害者雇用対策課のほうで連携して様々進められて、今の人材の話もそうですけれども、就労支援を担う人材ということで、障害者職業能力開発に従事する人たちも障害者の職業支援を担う重要な人材だと思うのですが、そういう議論の中でもなかなか入っていなかったように思うのです。だから、その枠の中でしっかりと存在感を示していければなと思います。
○松爲座長 そう思います。先ほどの話もそうだけれども、地域の社会資源の一つとしてネットワークを考えたときに、障害者関係の訓練機能というのはあまり出てこないですね。本来なら、能力開発がもっと前面に出てこなければおかしいと思う。どうぞ。
○深江構成員 ここでの議論じゃないのかもしれないですけれども、雇用率が上がっていくにつれて、従業員数が少ない企業のほうで障害のある方を雇うという流れになってきます。そうすると、従業員数が少ないところですと余裕がないですから、障害者を支援する人材を企業の中で育てるというのは難しくなると思います。では、それはどこが育てるのかというのは、今のところよく分かっていない状況ですので、ひょっとしたら、そこが障害者校での在職訓練で、障害の方と担当する方が一緒になって訓練を受けるとか、新しい仕組みづくりなんかもできるのではないかと思います。
○松爲座長 中小企業なんかで本人の訓練ができない場合の受け皿。同時に、能力開発職業センターにしても就業・生活支援センターにしても、経済支援に対する外側のサポートがあるじゃないですか。そういったいろいろな物資が組み合わさっていかないと、特に中小企業はものすごくつらい。まして障害者を雇うときに。そういったいろいろなことが複雑に絡んでくる話かなという気が、聞いていてちょっといたしますね。
さて、最後はぼやきと、いろいろ好き勝手なことを言って申し訳ありませんけれども、そういう話になりましたので、今回の説明、意見交換の中で、各障害者校の状況について御発言がありました。それを受けて、皆さん、神奈川障害者職業能力開発校の視察を行うということが事務局から御案内があったと思います。
また、次回検討会では、大阪の能力開発校の取組、東京の能力開発校の取組について、お二方、よろしくお願いいたします。それらを踏まえまして、第2回目の議論をさらに進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、時間となりましたので、本日の検討会はこれまでといたします。最後に何か御質問、御意見等ございましたら。大丈夫ですかね。ということで、おしまいにいたしたいと思います。
では、事務局のほうへ司会をお渡しいたしますので、よろしくお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 松爲座長、ありがとうございました。
また、本日、御参加の皆様におかれましては、長時間にわたり、ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、皆様に御確認いただいた後で、資料とともに厚生労働省のホームページで公開することとしております。
また、次回以降の開催につきましては、別途、事務局から御連絡させていただきます。
本日は、ありがとうございました。
○松爲座長 ありがとうございました。お疲れさまでした。
座長が選出されるまで、本検討会の事務局を担当しております、厚生労働省特別支援室の内藤が議事進行を務めます。よろしくお願いいたします。
それでは、検討会の開催に当たりまして、人材開発統括官の堀井より御挨拶いたします。
○堀井人材開発統括官 御紹介いただきました、厚生労働省で人材開発統括官を務めております堀井と申します。
本日の障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会におきましては、皆様、大変お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃より人材開発行政に多大なる御理解、御協力をいただいておりますこと、まず、この場を借りてではございますが、お礼申し上げたいと思います。
さて、最近になりまして、特に民間企業における障害者の雇用者数が過去最高を記録するなど、障害者雇用は着実に進んでいると考えております。一方で、障害の多様化などによりまして、障害者の職業能力開発に求められるものにつきましても変化が見られると考えております。特に、近年、受講者数の減少という傾向が見られまして、その在り方や必要な施策についての検討といったことが必要になると考えております。
今般、このような形で有識者の皆様方にお集まりいただきまして、障害者に対する職業訓練、そして特に障害者職業能力開発校を中心とした現在の状況といったことについて状況を分析しまして、今後の在り方に係る見直しを検討すべく、本検討会を開催することに相なりました。
障害者雇用が進んでいるという今こそ、障害者の訓練を通じて、その就労に必要なスキルをきちんと身につけていただくということが、その後の安定就労、職場への定着といったことにつながっていくものと考えております。障害者訓練が今後、より障害者と企業の多様なニーズに即したものになるようにと考えております。そして、それがさらなる安定した障害者の雇用につながっていくようにと考えておりますので、皆様方の幅広い御意見をいただければと考えております。
本日以降、何回か検討会を重ねてまいりたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 本日の検討会につきましては、こちらの会場とオンラインで開催いたします。
続いて、資料の確認をさせていただきます。
本日の資料は、
議事次第
資料1 障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会開催要綱
資料2 障害者雇用に係る現状等
資料3-1 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構における障害者訓練の取組
資料3-2 障害者職業訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項(例)
資料4 障害者職業能力開発校の在り方に関する課題等について
以上でございます。これらの資料に不備等がございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。よろしいでしょうか。
続きまして、本日は第1回の開催ということになりますので、各構成員の方々と事務局を御紹介させていただきます。オンライン参加の方も含め、名簿の順に従って構成員の方々の御紹介をさせていただきます。
まず、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会会長の阿部一彦様。
一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部統括主幹の阿部博司様。
全国手をつなぐ育成会連合会副会長の大谷喜博様。
一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長の大塚晃様。
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長の小幡恭弘様。
特定非営利活動法人全国就業支援ネットワーク理事の酒井京子様。
東京都産業労働局雇用就業部能力開発課長の菅沼聡人様。
株式会社ジケイビジネスサポート代表取締役の高山昌司様。
職業能力開発総合大学校能力開発応用系准教授の深江裕忠様。
東京労働局職業安定部職業対策課長の前田信次様。
大阪障害者職業能力開発校校長の牧野豊明様。
神奈川県立保健福祉大学・東京通信大学名誉教授の松爲信雄様。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部次長の松原孝恵様。
日本労働組合総連合会労働法制局長の山脇義光様。
続きまして、事務局を紹介いたします。
人材開発統括官の堀井でございます。
大臣官房審議官の高橋でございます。
人材開発政策担当参事官の松瀬でございます。
特別支援室長の稲田でございます。
また、オブザーバーとして、職業安定局障害者雇用対策課長の西澤と、障害保健福祉部障害福祉課課長補佐の横田が出席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。まず、本検討会の運営について御説明させていただきます。資料1の開催要綱を御覧いただけますでしょうか。
まず、1の趣旨について簡単に御説明いたします。
障害者職業訓練校で訓練を受ける障害者の数は、近年、減少傾向にあり、障害のある求職者の支援ニーズ等への対応が課題となっております。
また、障害特性の変化等に対して、障害者訓練全体としてまだ十分な対応ができていない状況にもあると考えられますので、今後、障害者職業訓練について、こうした状況変化に対応した、より効果的なものとして一層推進していくために、様々な観点から見直していくことが求められていると考えていることから、今般、有識者の皆様の参集を求め、本検討会を開催させていただいたところでございます。
次に、3の協議検討事項についてでございます。本検討会では、以下の検討事項を中心に幅広く意見交換を行うものといたします。
1つ目、障害者職業能力開発の実施状況について
2つ目、障害者職業能力開発を効果的に推進するための課題について
3つ目、今後の障害者職業能力開発について
その他でございます。
4のその他の運営面についてでございます。
(2)の検討会の座長につきましては、参集者の皆様の互選により選出することといたします。
(4)は公開に係る規定でございます。本検討会は、原則として公開することとしております。ただし、個人情報などにおいては、座長が非公開が妥当であると判断した際には、非公開とすることができる。その場合には、理由を明示するとともに、議事要旨を公開することといたします。この取扱いは、厚生労働省が定める審議会等会合の公開に関する実施の考え方に規定しておりますので、御承知おきいただきますようお願いいたします。
開催要綱の説明は以上でございます。
続きまして、要綱に従いまして、座長の選任に入らせていただきたいと思います。ただいま説明いたしました要綱の4(2)より、この検討会の座長は参集者の皆様方の互選により選出することとしております。どなたか御推薦ございますでしょうか。
深江構成員、お願いいたします。
○深江構成員 学会や職業リハビリテーションの分野で様々な活躍をされていますし、また、前回の平成28年度の検討会でも座長をされた松爲先生を推薦いたしたいと思います。
○内藤特別支援室長補佐 ありがとうございます。
ただいま深江構成員より、松爲構成員を座長にという御推薦がございました。皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○内藤特別支援室長補佐 ありがとうございます。
それでは、本検討会の座長を松爲構成員にお願いいたします。座長席まで御移動いただけますでしょうか。
(松爲構成員、座長席に移動)
○内藤特別支援室長補佐 それでは、ここからの進行は松爲座長にお願いいたします。
まず、松爲座長より御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ただいま推薦いただきました松爲でございます。
推薦のお話にもありましたとおり、平成28年の前回の検討会も座長をさせていただきました。その間に労働政策審議会などで障害者雇用率、特に精神の雇用率を入れるときもちょうど立ち会っておりまして、それから大分長い間たったのですけれども、能力開発に関しましても28年から大分状況が変わってきております。今回、皆さんと一緒に新たな能力開発の在り方について検討したいと思いますので、ひとつよろしく御協力をお願いいたします。
それでは、始めたいと思います。お手元の議事次第に沿って進行させていただきます。
まず、事務局のほうから、資料2「障害者雇用に係る現状」につきまして説明をよろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 それでは、資料2により、「障害者雇用に係る現状」について御説明させていただきます。
ページ番号2ページを御覧ください。
令和6年6月1日現在の民間企業における障害者雇用の状況になります。雇用者数は67万7000人ということで、21年連続で過去最高を更新しておりまして、障害者雇用は着実に進展している状況ですけれども、法定雇用率を達成している企業の割合というのは46%ということで、いまだ半数以上の企業が未達成という状況でございます。なお、法定雇用率につきましては、令和6年4月から2.5%に引き上げられまして、令和8年7月にはさらなる引上げ、具体的には2.7%が予定されているところです。
雇用者数を障害者別ごとに見ますと、最も多いのが身体の36.9万人ということで、約54%。次に、知的が15.8万人で約23%、精神障害者が15.1万人で約22%となっておりまして、精神のほうですけれども、人数は一番少ないですが、増加率で見ますと一番高くなっているというような状況でございます。
続いて、3ページ、御覧ください。
就労系福祉サービスから一般就労への移行の状況になります。平成15年当時は1300人弱であったものが、年々増加しておりまして、令和5年では約2万7000人ということで、増加している状況になっております。
続いて、5ページを御覧ください。
障害者職業訓練の概要になります。障害者訓練につきましては、主に3つの形態で訓練を実施しております。
まず、資料の上段のほうに記載しております障害者職業能力開発校での訓練でして、こちらは職業訓練上、特別な支援を要する障害者、具体的には比較的障害が重い障害者に重点を置いた職業訓練といたしまして、全国に19校設置されており、国立のものが13校、府県立のものが6校となっております。
また、資料、中ほどに記載しております一般の職業能力開発校のほうでも、障害者向けの訓練コースを設置するなどして障害者訓練を実施しているところです。
さらに、下段のほうに記載しております障害者を対象とした委託訓練というのも実施しております。こちらのほうは、求職者のより身近な地域で、求職者とか企業のニーズを踏まえた訓練を提供するために、企業や社会福祉法人、民間教育訓練機関等に障害者向けの訓練実施を委託するというものでございます。
続いて、6ページですけれども、こちらに障害者訓練に係る予算の措置状況というのを記載させていただいております。
まず、障害者校のうち国立のものについては、一般会計と労働保険特別会計労災勘定のほうで措置しておりまして、県立校については、一般会計と雇用勘定で措置。また、障害者委託訓練につきましては、雇用勘定のほうで措置しているという状況でございます。
続きまして、7ページですけれども、こちらが各障害者訓練の実施状況になります。こちらについては、8ページ以降で、さらに長い経年での実績を載せておりますので、そちらのほうで説明させていただきます。
8ページを御覧ください。
障害者訓練の受講者数の推移と併せまして、ハローワークの求職障害者数の推移というのを記載しております。新規求職申込件数というのは、近年、大幅な増加傾向にある一方で、障害者訓練については平成22年をピークに減少傾向にありまして、特に委託訓練において大幅な減少が見られるところでございます。
その要因といたしましては、リーマンショック以降、雇用情勢の改善が続いていたということも考えられますけれども、昨今の法定雇用率の引上げペースも速くなっておりますので、企業の雇入れが進んでおり、訓練を経ずに就職していく層が増えているということですとか、さらに就労移行支援事業所とか就労継続支援A型事業所といったところの、就労系障害福祉サービス利用者が増加しているということも要因になっていると考えております。
続いて、9ページ。
障害者訓練別の就職率についてですけれども、一般校が最も高く、近年は70%以上を維持。次いで、障害者校は60~70%で推移しているという一方で、委託訓練につきましては50%程度で推移しておりまして、訓練の種別によってばらつきが見られるということでございます。
続いて、10ページ、御覧ください。
障害者訓練受講者における障害種別構成比について、こちらのほうは平成27年と令和4年を比較しております。見ていただきますと、身体・知的の構成比というのは低下している一方で、精神、その他の構成比が高くなっているというのが見てとれます。このその他の部分ですけれども、こちらのほうには、発達障害とか高次脳機能障害者というのが含まれております。
続いて、11ページ以降につきましては、各論といたしまして障害者校とか委託訓練、一般校、在職者訓練ごとの実績データを記載させていただいておりますが、時間の関係上、今回、検討会で特に御議論いただきたいと考えております障害者校と委託訓練を中心に説明させていただきます。
少し飛んで、13ページ、御覧ください。
障害者職業能力開発校の募集・入校、就職状況になります。
まず、資料、中ほどの募集定員に対する応募者数についてですけれども、一部、100%を超えているところがございますが、全体では87.7%となっておりまして、さらにその隣の列、定員に対する入校者数、いわゆる定員充足率を見ますと57.1%ということで、前年の60.2%よりもさらに低下しているというような状況でございます。
また、一番右の欄、就職率につきましては、全体で70.1%となっているものの、各校ごとに見るとばらつきが見られるところでございます。
近年、障害者が就職しやすいと言える状況にある中で、各校とも受講者の確保には相当苦労しているという話を聞いておりまして、関係機関との連携を強化したり、受講要件を緩和するといったような取組をされている訓練校もございますが、その反面、日々の訓練の実施への負担が生じたり、受講者ごとの訓練成果に差が出たりということで、就職率に影響も出てきているのではないかと、我々のほうで推測しているところです。
続いて、14ページ、障害者校のほうでは、所沢の国立機構営校と県立機構営校の兵庫校を除いて、受講者のための寮を併設しているところですけれども、入寮者数は減少しておりまして、令和5年度入寮率というのは20.4%にとどまっているところです。特に、受講生の安全面等から、入寮の対象とする障害者種別を限定している寮におきましては、入寮率7.1%と非常に低くなっております。この入寮が低調な要因といたしましては、入寮可能な障害種別の制限とか寮施設の老朽化、また遠方から入寮してまで訓練を受講しようというニーズの低下というのが考えられます。
続いて、15ページになります。
障害者校における障害種別の受講者数の推移になりますが、先ほど御説明した障害者訓練全体における障害種別の状況と同様に、以前は身体・知的が大きな割合を占めておりましたが、現在は精神とか、その他に分類している発達・高次脳機能障害などが割合として上昇しているというような状況でございます。
続いて、16ページ、御覧ください。
障害者職業能力開発校のほうでは、一般校とか障害者委託訓練のほうでは受入れが難しい、職業訓練上、特別な支援を要する障害者を重点的に受け入れることにしておりまして、具体的には、重度の身体障害者並びに精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者、重度の知的障害者などが対象になってきているというような状況ですけれども、17ページを御覧いただければと思います。この17ページに記載しておるとおり、これらの特別支援障害者の受入数というのはおおむね横ばいでして、特別支援障害者以外の障害者の受入数が減少傾向となっているということに伴いまして、この特別支援障害者の受講割合は年々上昇傾向となっているという状況でございます。
続いて、18ページ、御覧ください。
障害者校の入校率の推移になります。障害者校全体では、平成22年をピークに減少傾向となっているところです。減少の要因といたしましては、法定雇用率の引上げを背景として、訓練を経ずに就職していく層が増えているということですとか、就労系障害福祉サービス利用者が増加しているということが考えられます。
また、校種別に見ますと、近年は機構営校、県立県営校、国立県営校の順に低くなってきておりまして、国立県営校では50%程度まで低下しているというような状況でございます。
続いて、19ページになります。
障害者校の就職率の推移についてです。障害者校全体では、コロナ禍を背景といたしまして、就職活動を控える障害者というのが多く見られた令和元年から3年の3年間を除きまして、70%前後で推移しているというような状況でございます。
また、校種別に見ますと、入校率の傾向と同様に、機構営校、県立県営校、国立県営校の順に低くなっているというような状況です。
続いて、委託訓練について御説明させていただきます。資料21ページを御覧ください。
障害者委託訓練につきましては、障害の多様化が進む中で、障害への対応とか企業のニーズに対応するとか、あと、障害者校の設置されていない地域とか、障害者の居住する身近な地域において、障害者訓練機会の拡大を図るということを目的としまして、都道府県のほうから民間企業とか社会福祉法人、教育訓練機関等の訓練実施機関と委託契約を締結して実施しているというものになります。
この訓練期間につきましては、3か月以内の訓練というのを原則としておりまして、訓練コースにつきましては、資料の中ほどよりちょっと下のほうにあります、座学を中心としている知的・技能習得訓練コース、企業・現場での訓練を中心としております実践能力習得訓練コース、またe-ラーニングコース、特別支援学校早期訓練コース。在職者向けとしまして在職者訓練コースの5つで展開しているところです。
続いて、22ページ、御覧ください。
こちらは委託訓練における障害者種別受講者数の推移になります。こちらにつきましても、障害者訓練全体ですとか障害者校の傾向と同じような傾向でして、以前に比べ、身体とか知的の割合が低下する一方で、精神とか、その他の占める割合が上昇しているところが見てとれます。
続いて、23ページを御覧ください。
委託訓練の訓練開始者数の推移になります。こちらは全体では平成27年度以降、減少傾向が続いているというような状況でございます。減少の要因といたしましては、障害者校の傾向と同様でして、訓練を経ずに就職していく層の増加とか、就労系障害福祉サービスの利用者の増加等が考えられます。
また、コース別に見ますと、知識・技能習得訓練コースと特別支援早期訓練コースというのは平成27年から半減するなど、減少が顕著となっておりまして、実践能力習得コースはほぼ横ばい、e-ラーニングコースは増加傾向にあるというような状況が見てとれるかと思います。
続いて、24ページ、御覧ください。
こちらのほうが障害者委託訓練に係る就職率の推移になりますが、全体平均では50%前後で推移しているという状況である一方、コースごとではばらつきが見られます。具体的には、企業の現場を活用した実践的な訓練であります特別学校の早期訓練コースですとか、実践能力習得訓練コースの2コースでは高くなっている一方で、知的・技能習得訓練コースとかe-ラーニングコースについては、低調のまま推移しているという状況でございまして、e-ラーニングコースにつきましては、在宅勤務求人自体が多くはない状況にあるということも低調の要因と考えております。
続いて、一般校についてになります。26ページ、御覧ください。
一般校の職業能力開発校における障害者対象訓練科の設置状況についてですけれども、令和4年時点で22都道府県、28の一般校におきまして、知的障害者を対象とした訓練科を中心に33科が設置されているところでございます。
一方で、この一般校のほうでは、障害者対象訓練科を設けずに、健常者と一緒に訓練を受講するというようなケースも増えているところでございます。
それぞれの実績につきましては、27ページを御覧いただければと思うのですが、まず、一般校における受講者数につきましては、障害者対象訓練科では減少傾向にある一方、障害者対象訓練科以外の一般校における障害を有する受講者数というのは、増加傾向にあるところです。
また、就職率につきましては、障害者対象訓練科に限っておりますが、70%以上を維持しているというような状況でございます。
最後、在職者訓練になります。29ページを御覧ください。
コロナ禍以前というのは、各訓練ともに増加傾向にありましたが、令和2年のコロナ禍以降というのは、低い水準にとどまっているというような状況でございます。
資料2に係る説明については、以上となります。
○松爲座長 ありがとうございました。
続きまして、資料3-1「高齢・障害・求職者雇用支援機構における障害者訓練の取組」と、資料3-2「訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項(例)」につきまして、松原構成員のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○松原構成員 松原です。御説明させていただきます。
まず、資料3-1の2ページをお開きいただけますでしょうか。
機構営校についての概要でございます。機構営校では、全国の広範な地域から特別支援障害者を重点的に受け入れて、職業評価から訓練、職業指導までの一貫した職業リハビリテーションと先導的な職業訓練を実施しております。2校ございまして、中央校は埼玉県所沢市、吉備校は岡山県吉備中央町にございます。
機構営校の特徴としましては、職業訓練を行う障害者職業能力開発校と、職業評価や職業指導・職場適応指導などを行う広域障害者職業センター、この2つの役割を総合的に運営しているということでございます。また、両施設ともに医療リハビリテーションが併設されていまして、連携して実施しているところです。
それから、真ん中辺にありますけれども、地域障害者職業センターとも連携しておりまして、訓練修了した方についてはジョブコーチ支援などを活用しておるところです。
真ん中辺の緑のところに職業訓練とございまして、随時入所とありますけれども、令和6年度、中央校では年10回、吉備校では年に8回、入所日を設けております。そして、重度視覚障害者を対象としたコースを除いて、全ての訓練コースで障害種別を問わず応募可能となっております。
それから、役割のもう一つ大きなものとしては、下のほうにオレンジ色で書いてございますけれども、他の職業能力開発校等への指導技法等の普及推進、そして特別支援障害者等向け訓練コースの設置・運営を支援しております。これについては、詳細はまた後ほど御説明させていただきます。
資料の3ページ目、御覧いただければと思うのですけれども、これは訓練のコース設定でございます。
中央校で11、吉備校で6の科を設定しております。
そして、資料の4ページは実績になります。
先ほど室長のほうからも御説明ありましたけれども、令和5年度については213名の方に受講いただいて、就職率は85.6%でした。
次の5ページを御覧いただければと思います。
左上に特別支援障害者の重点的な受入れとありますけれども、令和5年度までは機構営校においても障害別の訓練コースを設置しておりました。発達障害、知的障害、精神障害の方向けと銘打っていたところですけれども、令和5年度からは障害種別によらず、希望と適性に応じた訓練コースにおける受入れを開始しております。そして、技能訓練だけではなくて、相談とか各種コミュニケーションに関するプログラムといった適応支援と呼ばれるものを一体的に提供することによって、特別支援障害者の方の受入れを促進しております。
それから、その下にありますけれども、先導的な職業訓練の実施。これは機構営校の役割でもございますので、様々検討しているところですけれども、例えばメカトロ系においてドローンを活用した設備点検等の訓練を実施しております。写真が4枚ありますけれども、4枚のうちの左側2枚が車椅子の方が屋外に座っている様子になりますけれども、これは屋外でドローンを活用した訓練というのをやっております。
それから、右側の写真の2枚は重度身体障害のある訓練生の方に対して、本人の障害状況に合わせて環境設定を行っております。
詳細は左下の特別支援障害者に対する職業訓練の工夫というところで記載しておりますけれども、具体的には首から下が動かない障害の方に対して、口でマウス操作を可能にするような機器を設置して、吸ったり吐いたりすることで機能させるようなものですね。それから、御本人が斜め45度にしか倒れられないということもあり、傾いて姿勢を維持するというところもありますので、御本人の作業姿勢に合わせて動かせるモニターというのを使用しております。
それから、就職率の向上に向けた取組というのも各種やっておるところです。
それから、その次のページ、6ページを御覧いただければと思います。
機構営校の役割としては、障害者職業訓練に関する指導技法等の普及ということをやっておりまして、これは大きく分けて4つやってございます。
1つが、上段になりますけれども、専門訓練コース設置・運営サポート事業。これは発達障害者・精神障害者などを対象にした訓練コースを計画している訓練校などを対象にして、機構営校において実務演習をしたり、訓練校を訪問して助言などを行うということを複数年にわたって支援するということをやっております。
実績、右側にございますけれども、近年は既に運営しているけれども、課題がいろいろあってサポートしてほしいというような御要望もいただいております。
それから、下段になりますけれども、指導技法等体験プログラムというものも設けております。これは機構営校において訓練場面を活用した指導技法の解説などを行ったり、訓練の体験をしていただいたり、意見交換をしたり、事例紹介を行うということを実施しております。
プログラムの例というのを右側に書いてございますけれども、1番の支援入門コースは精神・発達障害などの基礎的な対応を学びたい方向けに設置しておりますけれども、これはオンラインで開催もしております。ほかにもオーダーメイドで、必要があればこの体験プログラムを設定するというのも御相談に応じております。
それから、その次のページ、7ページが職業訓練実践マニュアル等を作成しております。
これは障害別をテーマにしたマニュアルの作成、また各種訓練におけるテーマ設定を行ってマニュアルにして、機構のホームページなどで、どなたでも御覧いただける形で公表しております。
それから、下段は障害者職業訓練推進交流プラザ。これは厚生労働省主催の障害者職業訓練指導員経験交流会と機構の障害者能力開発指導者交流集会を共同開催により実施しておりまして、主に指導技法の周知・解説ということをやっております。これは令和5年度、6年度も、会場と一部オンライン形式を併用して開催しているところです。交流の場になっているかと思います。
以上が機構の概要ですけれども、その次の資料3-2を御覧いただければと思います。これは「障害者職業訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項」。機構としていろいろなマニュアル、周知、技法普及をやっておりますけれども、どんなことを実際やっているか、障害者職業訓練を行うに当たって、どんなことを指導員の皆様に知っておいていただくとよいかというのをマニュアルに取りまとめておりまして、それを少し抜粋して御紹介をさせていただきます。
2ページ、3ページを御覧いただければと思うのですけれども、発達障害者のマニュアルから抜粋してきたものです。
障害特性と配慮事項ということで、2ページは職場の暗黙のルールや場の雰囲気を理解することが難しいという場面。発達障害者の方と言ってもいろいろな障害の方がいらっしゃいますので、一概には言えないというところでもありますし、マニュアルにはもう少し実際の障害・疾病別の説明は加えてありますけれども、ここでは概要だけ御説明いたします。雰囲気を理解することが難しいといった方が多いというところで、右側がそのときの配慮の方法ということで、暗黙のルールを公のルールにするという考え方がありますという御紹介です。
3ページの左側は、特性として周囲の環境刺激に過敏に反応し、注意力、集中力、判断力が続かない方もいらっしゃる。そういったときに作業環境に配慮するという、いろいろな訓練場面のこういった方法がありますというのを御紹介しております。
それから、4ページ、5ページ目を御覧いただければと思いますが、こちらは精神障害者の方の障害特性と配慮事項。
精神障害者の方もいろいろな診断名の方もいらっしゃいますけれども、基本的な考え方として御紹介している部分です。例えば、不安を感じやすく、失敗により自信を失いやすいという方については、現れ方とその対応方法の例として、不安で作業が開始できないこともあるので、そのときには作業を1つずつ段階的に指示するなどといった方法もありますというふうな御紹介です。
5ページ目のほうも同じようなもので、新しい環境に慣れるのに時間がかかる方もいらっしゃいます。そのときには、マル1としては、緊張が高く、いつも以上に疲れやすい方もいらっしゃる。そのときには、短い時間から始めて、環境に慣れたら徐々に訓練時間を伸ばすという方法もありますという御紹介です。
それから、6ページと7ページについては、高次脳機能障害者の方を取り上げたマニュアルから抜粋いたしました。
6ページのほうは、覚醒の維持、疲労に関する課題のある方がいらっしゃるということで、精神的にも肉体的にも疲れやすいという特徴もございます。
そのときには、右側の例ですけれども、ストレスを遠ざけるとか休憩が取れるよう配慮するということも、配慮としては必要です。
7ページも、同様に時間の経過により作業ペースや正解率が低下するという方もいらっしゃるところです。
そのときの対応方法としては、右側にありますけれども、作業時間を配慮し、適度な休憩を取るというやり方もあります。
ここまでが障害特性、それぞれの障害に応じたマニュアルの御紹介ですけれども、その次のページ、8ページ以降は、機構でも障害に限定しない受入れの方法をやっておりますけれども、一方的な理解だけではなくて、障害者の方お一人お一人に特性に応じた訓練を効果的に行うという考え方の下で、どういうやり方、考え方がよいかというのを、これもマニュアルに取りまとめております。少し御紹介します。
丸になっていますけれども、マル1、障害特性の理解というところは、先ほどお示ししたものが基礎的な理解になりますけれども、それだけではなくて、紫色のところになりますけれども、アセスメントとか行動観察といったことを行うことが必要という考え方です。また、オレンジ色のところになりますけれども、安定受講のための取組としては、ストレス・疲労のマネジメントの取組や、生活リズムを維持するための生活チェックシートの活用などがあります。そして、マル4として、一番上にありますけれども、対応方法を検討するということが訓練に当たっては必要になりますという整理です。
そして、次のページ、9ページを御覧いただければと思うのですけれども、職業訓練と適応支援の一体的な提供。
適応支援というのは、今、申し上げたオレンジ色の部分です。安定した訓練受講のための様々な取組の部分ですけれども、各種講座とか個別相談などをしながら技能訓練を一体的に行う。そして、技能訓練の中で学んだことをしっかり成果として活用できるかどうか確認することも必要になってきております。
資料の10ページ目を御覧いただければと思うのですが、先ほどアセスメントという言葉がありましたけれども、御本人の様子を把握するときの考え方を御紹介しております。
目に見えること、ここで例としては、気になる行動や動作ということで、作業の説明をしたときには理解できているように見えたのに、作業のペースが遅く、ミスも目立つというときには、よくある対応としては、説明をよく聞くように指導するとか、集中して作業するように指導するということがあるけれども、実は水面下に見えない背景もあるというのも考えておく必要がありますというところです。環境とか身体的な面、精神的な面、そして悩みがないか、質問の仕方が分からないかといった背景をしっかり確認するということも必要です。その背景を確認した上で、御本人と相談して対応方法について検討していくということが、訓練場面でも障害のある方にとっては必要ということで御紹介しております。
11ページは、対応法の習得サイクルの例ということで、先ほど申し上げたようなことを御紹介しております。
これはあくまで抜粋になっておりまして、実際にはこういった障害別のものですとか、テーマに沿ったマニュアルというのを設けておりますので、ぜひそういったものも活用していただきながら、障害者職業訓練を行う方々には、JEEDの様々な技法普及・育成の仕組みもございますので、活用していただきたいと思っております。
以上、御紹介させていただきました。
○松爲座長 どうもありがとうございました。
事務局からは資料2、そして松原構成員からは資料3-1と3-2について説明いただきました。この2つの資料につきまして、皆様、御意見、御質問等ございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。どうでしょうか。
どうぞ、御発言ください。
○大塚構成員 日本発達障害ネットワークの大塚です。
説明ありがとうございます。概要ということでありますけれども、よく分かりました。皆さんの中においては、訓練校の状態をよく御存じということで、常識かもしれませんけれども、私、門外漢なので、常識のことを質問してちょっと恥ずかしい限りなのですけれども、幾つかあります。
1つは、訓練校に入ってくる人の属性はどのような方たちか。先ほど福祉の事業者からということも言っていましたけれども、どんなところから職業訓練校に来ているか。これは今後、連携であるとか、そういう観点からいろいろなことを議論するときには、どこから来ているか。特に、特別支援学校とか、そういうところとの関係も含めてどうかということをちょっと知りたいと思います。また、それは年齢とも関係しているかもしれません。入ってくる年齢は何歳ぐらいで、今までの職業訓練校の経年の年齢的なものはどういう変化があったのかどうか。それによっても随分異なってくるのではないかなというふうに思っています。
それから、もう一点は、入ってくる人にとって、どのような情報によって、自分で探したとか、あるいは就労の相談支援機関に紹介されたとか、あるいは福祉の相談支援機関に相談されたとか、いろいろな手続上のことです。もし、そこに十分な周知がされていないということで訓練生の減少になっているということであれば、そこの方策を考えなければならないということで、どんな手続で来ているか、あるいはその課題は何かということです。
最後に、就労した後、どこに、どのような形で就労したかというのはまだないので、パーセンテージは出ていますけれども、70%は高いと思いますけれども、全国、少し幅がありますけれども、どんなところに就労したかということと、皆さんの訓練校におけるプログラムが本当に成功して就労したのかどうか。そして、御本人たちは満足しているのかどうか。本当は行きたくなかったんだけれども、こうだったんだよということも含めて、どんな評価をなされているかということは、今後のプログラムを考えるとき、重要な観点かなと。
最後には、訓練生が訓練校を使ってよかったというアンケートとか調査結果はあるのか。よかったのかどうかということは大切な、本人たちの視点が一番重要だと思うのです。周りの者が言うより、利用した人が果たしてどういう思いで利用して、よかったとか、ここは不十分だったという意見が多様なものがあって、今後の在り方を考えるべきだと考えました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
いろいろと御質問ありましたので、事務局のほうから答えますか。よろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 御質問ありがとうございます。
大塚構成員さんからいただいた御質問、4点ありましたので、それぞれについて説明させていただきます。
まず、訓練校に入ってくる者の属性についてですけれども、統一的に調査・研究というか、分析したものはございません。しかしながら、訓練校のほうでは、入ってくるときに入校願書とか、そういうものについて属性等が記載されておりますので、もし分析するとなれば、今後、その辺を集計することになってくると思います。
2点目、入ってくる前の手続ですけれども、訓練校につきましては、主にハローワークからの受講あっせんになりますので、そこで十分な説明がなされていると考えております。もしくは、ホームページ等のほうにも詳細な手続等は載せておりますので、そちらのほうを確認いただいて手続されるような者もいるということで把握しております。
訓練修了後、どこに就労したか、就職したかということですけれども、これについては主に民間企業が多いと思います。その中でも、例えば特例子会社とか、場合によっては福祉サービスのほうに移行するというような者もいるかと見ております。
4点目のアンケート調査結果についてですけれども、こちらは全国統一的なものというのはまだ実施したことはございません。訓練校によっては、それぞれの訓練生に対して、その後のアンケートをしているというようなことは聞いております。
事務局のほうからは以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○大塚構成員 御回答いただきまして、ありがとうございます。
ただ、いろいろ細かいところを詰めていくには、御本人の立場とか、そういうところが一番重要になってくる観点から、これからもそういうところを中心に調査・研究しながら在り方を考えるべきだという意見を申しました。まだまだ未開拓の分野だと感じました。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
続きまして、阿部構成員、よろしくお願いいたします。
○阿部(一)構成員 ありがとうございます。身体障害者団体連合会の阿部です。
いろいろ説明ありがとうございました。それで、私の質問は4つぐらいあるのですけれども、まず最初は、例えば資料2の10ページとか15ページなど、平成27年より令和4年でその他の方々の割合、発達障害・高次脳機能障害が増えているということの御説明でありました。
さて、まず基本的なところですけれども、訓練校の入校には、手帳の有無というのは関係するものなのかどうかということ。または、その他の方々の割合は随分増えています。発達障害の方とか高次脳機能障害の方。そのように考えると、2ページで障害者雇用の状況というところでは、分類の仕方なのかもしれませんけれども、身体・知的・精神ということで、その他の方々がこの中にどういうふうに入っているのかなというのが、まず1点です。
それから、例えば18ページ等で、雇用率の上昇に伴って、訓練を経ずに就労する方が増えているということで、多分、訓練校入校の割合が低くなっているのではないかというお話でもありました。
さて、この場合の質問が適当かどうか分かりませんけれども、私も障害がありまして、雇用率が高くて就労できるようになったということはすごく大事なことだと思いますけれども、ちょっと微妙な聞き方なのですけれども、訓練校等で御本人の障害と、その力を発揮することを身につけた人と、今度は、そのようなことを経過せずに、これはいいことだと思うのですけれども、訓練等を経ずに就職した方のいわゆる定着率というところはどう考えていったらいいかということで、これもお答えいただければありがたいと思います。
3番目は、資料3-2で障害特性と配慮事項ということで具体的に説明いただきました。これはすごく大事なことだと思います。さて、このときに発達障害の方とか高次脳機能障害の方は、御自身の障害特性についての御理解はどうなのかなと思います。これはとても大事なことで、就職してから周りとの違いということで悩まれるよりも、このような配慮があるということと、また御自身の状況。そして、自分の状況を踏まえて配慮をお願いというよりも、合理的配慮を義務化ということでもありますし、就労では、当然合理的配慮をするということでありますので、この辺のことはどうなのだろうかということが3点目と。
それから、4つ目は、資料3-1の5ページで、特別支援障害者に対する職業訓練の工夫ということで、首から下が動かない方へのマウス操作も含めて、移動困難で、ある意味全身性障害という言葉が適当かどうか分からないけれども、様々な環境を工夫することによって、その方の力を発揮することができると思っているところですけれども、これは先導的な訓練かもしれませんけれども、テレワークの実現に結びつけばいいのだと思うのですけれども、その辺について実績というか、これからの方向も含めて、少しお話しいただければありがたいなと思って、今、手を挙げさせていただいたところです。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
全部で4つございました。1番目と2番目につきましては、事務局のほうからお願いできますか。3番目と4番目に関しては、松原構成員のほうからお願いいたします。では、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 御質問いただきました、まず1点目、その他の割合のところで、訓練の受講について、手帳の有無は関係あるかにつきましては、手帳を所持していないような者についても入校の対象としております。その他の割合の中の内数につきましては、今、手元にございませんので、これについては、必要であれば第2回のほうで提示させていただこうと思っております。
続いて、訓練校等の訓練を経ずに就職した者の定着率につきましては、現時点では定着率自体は調査しておりません。と申しますのも、定着支援につきましては、訓練校だけでなくて、ハローワークとかナカポツセンター、職業センターといったものが手厚く定着支援をやっているということもありまして、訓練成果だけでは計れないというのもありまして、現時点では定着率は取っていない。しかしながら、重要な視点だと思います。かつ、訓練を経ずに就職したような者よりも定着率が優れているということであれば、訓練校のよいPR材料になると思いますので、そちらのほうについては、取得について前向きに考えていきたいと思っております。
事務局のほうから以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
では、松原構成員。
○松原構成員 ありがとうございます。
まず、3つ目の御質問、発達障害や高次脳機能障害の方の御自身の障害理解についてはいかがかというところですけれども、御指摘のとおり、図示はしておりますし、考え方をお示ししてありますけれども、ストレートに御理解いただける方ばかりではないというのは実態としてございます。訓練は結構長期間で、少人数で、指導員が顔の見える関係性を築きながらやっているところですので、丁寧に何度も訓練状況を踏まえて現実を御説明し、今後、どのような対応をしていくのがいいかというのを、御本人とも十分相談しながら、いろいろ揺れ動きながらも進めているというところでございます。
それから、4つ目の御質問いただきました重度身体障害の訓練生の方ですね。これは私どももいろいろ考えながら試行錯誤して取り組んできたというところの御紹介なのですけれども、実際にテレワークを想定して、この方はもう訓練修了して御自宅に帰っておられますけれども、就職活動の支援というのを継続的に御相談に乗っているところです。ただ、今後、こういった方々をたくさん受け入れられるかというところについては、まだ検討の途上というところでございます。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
それでは、御質問はまだ細かくあるかと思いますけれども、時間の都合もありまして、次の議題に進みたいと思います。事務局のほうから、本題といいますか、資料4「障害者職業能力開発校の在り方に関する課題等」につきまして説明してください。よろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 事務局です。資料4について説明させていただきます。
1ページ、御覧ください。
まず、障害者職業能力開発校を取り巻く現状についてですけれども、資料2のほうでも説明させていただいたとおり、近年、法定雇用率の引上げに伴いまして、職業訓練を経ずに就職に至るケースの増加とか、就労系障害福祉サービスのほうから一般就労へ移行する障害者が増えてきているということなどを背景に、障害者訓練を受ける障害者数というのは減少傾向にあるところです。
また、以前、訓練生の障害種別の主体が身体障害者であったところ、次第に知的障害者、その他、精神障害者とか発達障害者に変わってきておりまして、訓練実施に当たっての配慮事項とか手法というのも変化してきているところでございます。さらには、精神障害者・発達障害者というのは、施設面、ハード面について特段の配慮が不要ということですとか、障害はクローズドのまま訓練を受講したいという希望者もおりまして、障害者校ではなくて一般の職業訓練校とか委託訓練のほうで訓練を受講するというようなケースも増えてきております。
このように障害者訓練を取り巻く状況というのは、近年、大きく変化してきているところですけれども、これらの変化に十分に対応できているとは言えない状況となっております。そこで、この検討会では、取り巻く現状の変化に伴い、生じてきている課題等について御議論いただきたいと考えているところです。
具体的には、大きく5つの課題を挙げさせていただきました。
まず、課題1、障害者校の在り方についてになります。障害者訓練の受講者数というのが減少傾向にあることを踏まえまして、障害者訓練の在り方を改めて検討する必要があると考えております。
1点目といたしましては、就労系障害福祉サービスは、社会性とか就労準備性を身につけさせて就労につなぐことを目的としている一方で、障害者訓練というのは、専門的な職業能力を身につけさせて一般就労につなげることを目的にしているところですが、近年は、障害者訓練において障害の多様化等を踏まえまして、適応支援とか職業準備性の付与に係る比重が増していることに伴って、障害福祉サービスとの違いが曖昧になってきております。しかしながら、障害者訓練、特に施設内訓練におきましては、障害者訓練に関する専門的な知見・技術を有する訓練指導員を配置していることなど、訓練校ならではの強みというのを有しておりますので、その辺りを改めて整理した上で、今後の障害者訓練の在り方というのを御議論いただきたいと考えております。
2点目といたしまして、近年、障害者手帳を有しない、いわゆるグレーゾーンの者を含めまして、配慮が必要な者が一般の職業訓練校を希望するケースが増えてきておりますが、一般校では、それらの者の対応とか訓練に苦慮しているというような状況が続いております。今後もこのような状況が続くと予想される中で、一般校との役割分担とか連携、具体的には障害者校がこれまで蓄積してきた障害者訓練のノウハウ等を、どのように一般校に広めていくか等について御議論いただきたいと考えております。
3点目といたしましては、国立県営の障害者校ですけれども、これはもともと都道府県が設置した傷痍軍人用の施設を国有化いたしまして、また労働災害により障害を負った者というのを主として受け入れてきたという経過もありまして、障害者校の施設整備とか訓練機器の調達というのは、労働保険特別会計の労災勘定により措置してきたというような歴史的な経過がございます。しかしながら、近年、労災を理由に障害者となった受講生も少なくなってきている。また、労災勘定の財源が厳しくなってきているという中で、今後の財源とか障害者校の運営をどのように考えていくのか。
併せて、資料2のほうで御説明いたしました、利用者が非常に少なくなってきております障害者校に併設されている寮について、今後どのようにしていくのがよいかということについて御議論いただきたいと考えております。
続いて、2ページを御覧ください。
課題の2点目です。訓練科目の見直し及び障害特性に応じたクラス編成についてになります。現在、高障求機構に運営を委託しております2校では、障害種別を問わずに受け入れておりまして、個別支援に近い形で訓練を実施できているというような状況で、それ以外の障害者校のほうでも障害種別に応じた訓練科の設置を進めております。併せて、精神とか発達障害者を対象とした訓練科では、適応支援に係る比重が増しているというような状況でございます。
そのような中で、訓練科目等に関する課題の1点目といたしましては、より地域のニーズとか企業ニーズ等を踏まえた障害種別・訓練科目の設定が望まれるところ、地域ニーズを十分に吸い上げられているとは、現在、言い難いということがございますので、この地域ニーズ等をより的確に吸い上げるための方策について御議論いただきたい。また、職業訓練の目的は、専門的な職業能力を身につけさせて一般就労につなげるということになりますので、一定の専門性は維持するとともに、訓練修了後の就業に当たりましては、訓練を通じて身につけた能力とか技術を活かした上で、それらが処遇にも反映されるように雇用の質を高めていく必要があると考えておりますので、それらの方策等について御議論いただきたいと考えております。
2点目といたしましては、オンライン訓練の在り方になります。立地や障害特性から、障害者校への通所・入寮が困難な訓練受講希望者の受講促進策といたしまして、また訓練を実施する側の体制面とか経費面から見ても、オンライン訓練が今後、有効な手段になり得るのではないかと我々のほうで考えておりますが、現時点においては取組実績がございません。このため、高障求機構を中心にオンライン訓練の導入に向けた検討を現在、始めていただいているところですが、この検討会におきましてもオンライン訓練の在り方について御議論いただきたいと考えております。
3点目といたしましては、障害者校における職業訓練指導員の配置基準についてです。障害者校における職業訓練指導員の配置基準につきましては、現在、障害者校独自の基準というのは設けておりませんで、一般の職業訓練校の基準を準用し、具体的には受講生10人に対し、指導員1名ということにしております。しかしながら、近年では、障害特性の多様化に伴い、個別支援の重要性が増しておりますので、これらを踏まえて現在の基準が十分なのか。新たな基準を設けるとすると、どの程度が適切なのか。新たな基準を設けた場合には、訓練コースとか訓練科目の設定・定員をどのようにしていくのか。これらについて御議論いただきたいと考えております。
続いて、課題3になります。関連施策との連携です。障害者訓練の関連施策とか関連機関といたしましては、就労移行支援事業所とか就労継続支援のA型・B型といった就労系障害福祉サービスとか医療機関、またハローワークとか障害者就業・生活支援センターなどが挙げられますけれども、これらの施策とか機関との十分な連携が図られているかといいますと、現時点では十分とは言えない状況となっております。
そこで、これら関連施策の中で障害者訓練が担うべき役割とか的確な連携をどのようにしていくのか。本年10月からは障害者総合支援法のほうで就労選択支援サービスが開始されるということもございますので、就労を希望する障害者をアセスメントした後の支援策として、障害者職業訓練というのを明確に位置づけて、福祉事業所とか医療機関に障害者訓練に関するイメージを持っていただく、役割を十分に理解していただくことが重要でないかと考えております。
また、障害者校では、訓練はもちろん、就職支援まで主体的に実施している一方で、就職後の定着支援については、障害者校のマンパワーの問題もございまして、十分な対応ができていない。さらに、今後についても、障害者校が主体的に定着支援をすることは難しいと考えているところです。このため、定着支援に関する知見・情報を十分に有しておりますハローワークとか障害者就業・生活支援センター、これらの機関との連携を強化していくことが重要であると考えられますので、定着支援に向けた連携の在り方について御議論いただきたいと考えております。
続いて、3ページを御覧ください。
課題の4になります。障害者委託訓練の活性化についてです。障害者訓練につきましては、資料2の御説明のとおり、受講者数の減少に加えて、就職率についても訓練コースとか訓練実施機関によってばらつきが見られるところでございます。障害者の多様化も進む中で、障害者の居住する身近な地域で障害者の対応とか企業ニーズに対応するとともに、障害者校が設置されていない地域における障害者の訓練機会を確保するという意味でも、障害者委託訓練の活性化を図ることが重要だと考えておりまして、そのためには、訓練コースとか訓練科目の設定をどうしていくのか。
また、障害者委託訓練は、原則、ハローワークからの受講あっせんを経ることとなりますけれども、ハローワークに的確な受講あっせんをしていただくためには、どのように連携していく必要があるのか。これらについて御議論いただきたいと考えております。
最後に、課題5、その他といたしまして在職者訓練を上げさせていただきました。改正障害者雇用促進法で、職業能力の開発及び向上に関する措置を行うことというのが事業主の責務とされました。また、訓練を経ずに就職するケースが増加するにつれまして、就労しながらスキルアップを図りたいという障害者とか、図っていただきたいというような企業のニーズが高くなっていると推測される一方で、現時点における実績というのは低調な状況となっております。雇用の質を高めるとともに、雇用継続の観点からも、この在職者訓練の充実とか活用促進というのが必要と考えられますので、どのように対応していくべきか、これらについて御議論いただきたいと考えております。
広範にわたる課題につきまして御議論をお願いすることとなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。
今、お聞きになりましたとおり、非常に課題が広いです。それぞれの課題につきましてもサブテーマでたくさんありますので、効率よく議論を進めていくためにも、順番に課題1からやっていきたいと思います。なおかつ、皆さんが事前に説明を受けていらっしゃると思いますので、課題について、それぞれの要望あるいは御意見等を系統的に順次出していただきたいと思います。出てきた課題に対してディスカッションするということには、時間的にいきません。そういった意味では、まず、皆さんが事前に資料を伺った上でのそれぞれの課題についての提言、御意見等を順次お伺いしていきたいと思います。
まず、課題1につきまして、皆さん、どうでしょうか。御意見、御発言等、どんなことでも結構です。マル1からマル4までありますけれども、どうですか。丸の番号には特にこだわりませんけれども、何か御意見等は。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 私、仕事で指導員の方に研修を行っているのですが、何の研修を行っているかといいますと、グレーゾーンの方向けの対応等、あるいは障害者職業訓練校の指導員の方が障害について学ぶ研修とかをやっております。そこの中でのあくまで感覚的な判断ではありますけれども、グレーゾーンの者などの対応については、実は一般校だけじゃなくて、障害者校も非常に課題になっています。いわゆる知的障害の方向けの訓練で、そのうちの3分の1とか半分ぐらいの方々が発達障害も重複しているのではないかといった感触を持っている受講者の方々の話をよく聞いて、そのために私のグレーゾーン向けの研修を受講しているということもあります。
なので、こういった精神・発達の方向けへの対応については、特殊な方法、一般的なやり方をただ単に組み合わせればいいわけじゃなくて、本当に本人を深く理解した上で対応を考えなければいけませんので、そういった部分を学んでいかないとなかなか難しいのではないかと思います。であるからこそ、この一般校との役割分担についてなのですけれども、障害者校のほうで学べる場、もしくはいろいろとアドバイスいただく場を用意するというのも必要なのかなと思います。
○松爲座長 障害者校であることの特性を生かした固有のカリキュラムは考えられますか。一般校とは違う。一般校ではできなくて、障害者校であるがゆえに特別な訓練の在り方、中身というのは考えられますか。
○深江構成員 まず、一般校の場合ですと集合訓練がメインですので、一番簡単な例でいきますと、休憩時間も何時から何時となります。しかし、障害者校ですと、個別に対応する個別支援が基本となりますので、やろうと思えばそれぞれの人ごとに合わせた休憩時間が可能なはずです。実際、それは国リハのほうでやっています。ですので、そういう集合訓練の枠から外れて、本当に個別支援として訓練を実施するというやり方も可能だと思います。
○松爲座長 聞いていると、個別支援を中心にして、松原構成員が言われるような、いろいろな障害特性に応じたカリキュラムのつくり方みたいなものが考えられるのではないかということですかね。分かりました。
大谷構成員、どうぞ。
○大谷構成員 お世話になります。育成会の大谷です。
ちょっと気になるのがグレーゾーンの方々ですけれども、働くという次の段階に行くときに、グレーゾーンというのは何を意味しているかというと、手帳を持っていないときに、雇用率のほうの数値には現時点では入らないわけですので、その場合にどう捉えるかということがあって。働くとなれば、通常の企業への就職ということになるわけですので、訓練校で技術的なものを習って行けるのかどうかという、それに合わせた訓練があるのかどうか。ここの部分をもう少し精査しないと、現時点の規定においては手帳というのが大事ですので、それがないグレーの方々に対しては、次へのステップがなかなか難しくなるということもあり得るので、その辺の部分とのすみ分けをしていくか。
もう一つは、ハローワークとの連携がちょっと少ないというのを感じますので、その辺ももうちょっとつくっていかないといけないということと。
それと、通常、訓練校等に行こうとする場合に、中学、軽度の方が地域の学校で学びながら、次へのステップとしたときに、どちらに行くかというときに訓練を受けて就職をという一般就労を考えた場合に、そこを学校サイド、教育委員会がどの程度把握しているのか。一番大きな部分は、次へステップさせるための情報提供をどれぐらいしているか。そういうものをもう少し確立していかないと、ちょっと難しいのではないかなと思います。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
では、大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 ありがとうございます。
今までの議論の中で、例えば発達障害の方が増えているということで、それに対していろいろな方策をしていただくというのは非常にうれしい限りでございます。ただ、教育分野も含めて、体系的に、あるいはシステマティックに、発達障害の方に対する支援というのがどこの分野においてもできていないということがあると思っています。例えば、職業訓練校において、職業訓練校の誰が、どのような資格を持ってやるのか。あるいは、人材として、どのような研修の中で体系的に研修をしていただいて学んでいただいて、こういうカリキュラムでやっていくのか。そして、その人に対して、またスーパーバイズをきちんとモニタリングしながら、適時、指導員の能力をはかりながらやっていくか。
研修をしていただければいいということだけではなくて、システマティックにきちんとずっと続くように、そういう体系をつくっていただきたいと。そうじゃないと、結局、あと10年しても、発達障害についての研修はやったけれども、何も残らないことになっているという状況を危惧します。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。訓練校だけの問題じゃなくて、全体の社会システムそのものの問題をむしろ御指摘されていらっしゃいますね。
ほかにどなたか。何かございますでしょうか。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 研修をやっている立場からの情報提供ですが、システマティックに支援を検討して考えていくというのは、実は私の研修でやっていまして、機構では、10年ぐらい前には対応が難しかった一般校でのケースについてはある程度解消して、今、本当に難しいケースがより悩みとなっています。一方で課題もありまして、組織的に運営を始めたのはいいのですけれども、数年で消えてしまうようなところもあって、そこをどうするのかというのを検討しております。また、スーパーバイザーみたいな立場の方も今、いないので、そういったところも課題ということで、確かに課題が幾つかありますが、システマティックに支援するというのは、今、走り出しているところであります。
○松爲座長 スーパーバイザーとかマネジメントをやれるような人間とか、どういう体制ができているかどうかがちょっと不明かもしれませんね。
ほかに何かございますでしょうか。
酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 全国就業支援ネットワークの酒井です。
全国就業支援ネットワークは、国公立の19校以外に民間で職業訓練をやっている施設が11施設ございまして、そこが連絡会というのを立ち上げてスタートしたNPOになります。寮の件ですけれども、職業訓練は専門的な知識・技能の付与というところをベースにして、それは先ほど来出ていますように、それ以外の適応支援とか就労準備ピラミッドの変化、土台のところをまずしっかりと固めた上で職業準備を進めていくという要素が今、非常に強くなっていまして、私どもの民間の訓練施設でも、全寮制にして、職業訓練だけじゃなくて生活訓練もセットでやっているところ。長崎は昨年度末に閉められたのですけれども、あります。
ですから、見方を全く変えて、寮を重要な社会資源という位置づけで、生活訓練をする機能をそこで得るということも大事かなと思いますし、実際、私のところの施設でも、今、52名、訓練生がいるのですけれども、25名が療育手帳、知的障害を持っている人で、年に2回ぐらいショートステイということで、1週間丸々、グループホームから通ってきてもらって、その間、就職後の自立した生活を見据えた支援ということも行っておりますので、そういった機能として使うということも1つの資源として考えられると思いました。
○松爲座長 ありがとうございました。
ということで、よく分かりましたけれども、最後にもう一つ皆さんにお聞きしたいのは、マル3の今後の財源とか運営校に関しての御意見、もしございましたら。
どうぞ。
○小幡構成員 3番の前に意見があるのですけれども、訓練校の対象者をどういうふうにしていくのかという部分を、手帳所持者じゃない方たちも利用できるというのがポイントでもあると思うので、そこは障害福祉サービスと全然違うところを確保しながら想定することと。
労災の事業との関係が非常に影響を受けているということで、今、メンタルヘルス、結構不調になってしまって休職になって、職場復帰していくような方たち向けにも、科目、プログラムができないか。地域柄もあるけれども、そういう再度、職場復帰していく人たちの門戸をレールに乗せてあげられるようにしたい。今、各企業での再教育だったり、再雇用のプロセスだけになってしまっていて、うまくいく人は再就職にそのまま行けますけれども、意外と少なくない方たちが結果的に退職になっているということを考えたときに、例えば訓練校のサポートを受ければ、同じ職場でなくても同じような技術を生かしてやれるというところを少し対象に入れることができれば、もうちょっと労災の兼ね合いとの関係性がイメージできるのかなと思います。
○松爲座長 リスキリングとかリラーニングみたいな場面をもっと担保するという感じですね。
○小幡構成員 新たに技術を身につけるというよりは、土台の部分を再構築する中で、もう一回ステージに乗っていくという後押しができるプログラムも、後の課題になるけれども、いいのではないか。
○松爲座長 そうすると、労災勘定ももうちょっと担保してもいいのではないかという話になるね。ありがとうございました。
ほか、どうですか。
どうぞ、山脇構成員。
○山脇構成員 ありがとうございます。連合の山脇でございます。
初回の発言ということもありますので、障害者の職業能力開発に関する連合の考え方も含めて発言させていただきたいと思っています。
障害者雇用施策の推進に当たっては、まず、ノーマライゼーションの意義に沿って、障害者福祉など、関連施策ともしっかり連携を取る中で、障害者雇用の促進と雇用の質の向上を両輪として取り組んでいくことが重要だと考えます。
その上で、特に今回の検討会が対象とすべき雇用の質の向上については、まず1つは、労働者個々人の適性や希望を勘案した上で、適切な職業訓練の受講を可能とすることは当然として、障害者個々人の特性をよく知る訓練機関が就労支援までを一体的に提供できるようにしていくことが望ましいと考えています。そうした観点からは、障害者校あるいは委託訓練機関が担うべき役割は従来以上に重要性を増していると思っているところです。
また、今後、検討を進めるに当たって、前提としてもらいたいことが2点ございます。1つは、これまで訓練校だからこそ実現できている質の高い訓練と就職支援、こういった強みが後退することがないようにしていただきたいということです。
2つ目は、入寮希望者を含めて、訓練校での受講を希望している者が、引き続き訓練校に入校できるような体制を維持することを前提に、重点化などを議論していただきたいと思います。
併せて、マル2に関連するものとして、個別配慮が必要な者が一般校を希望する場合が多くなっているということですので、これまで障害者校で蓄積してきた指導法とか、優位にある点を一般校にも提供できるようにしていくことで、能力開発の全体の底上げにつなげていくことが重要ではないかと思っています。
以上です。
○松爲座長 なるほど、分かりました。
ほか、どうですか。
次のテーマといろいろ関連することがありますので、2番目のテーマに入っていきましょうか。前後しても構いませんけれども、中心の議題の2番目の訓練科目の見直し、そして障害特性に応じたクラス編成の在り方、科目の中身になってきますね。マル1からマル3、3つの課題として挙げられておりますけれども、どんなことでも結構ですから、まず御意見、伺いたいと思いますけれども、どうでしょうか。
どうぞ、小幡構成員のほうから。
○小幡構成員 1つは、オンライン訓練の在り方で、現在、e-ラーニングだとIT技術関連のところに偏重している。それをほかの科目にまで、どうやったら広げられるのか。予備校で言えば、分校だと、今やネットでつながっていますけれども、障害特性やいろいろな対象があるので一概には言えないですが、オンライン訓練の活用方法を、一般の授業とのすり合わせでどこまで再現化できるのかというところをやることはお願いしたいなと思うところです。
それと、各校、一定の人数を集めてやらなければ費用対効果も含めて難しいということで、訓練科目を設定されているかと思う、先ほどのJEEDのお話にあるように、どちらかというと個別の障害特性にどう対応すれば、そのことを身につけていただけるかという観点から見たときに、一定数確保しての訓練科目のほかに、個別のカスタマイズができるような科目の設定ということができないのか。そのときに、1校では難しいけれども、全校集めると何人かいるから、そのときはオンラインを使ってやろうという発想も必要なのではないかなと考えたところです。
○松爲座長 e-ラーニングであれば、ほかの学校と併せて、各専門科の下にグループをつくってやっていくことも可能ということですね。
○小幡構成員 サイドには、サポートする者が何人かいれば、専門性のところはオンラインでカバーできるのではないか。
○松爲座長 分かりました。
では、酒井構成員。
○酒井構成員 私がふだんいる大阪市職業リハビリテーションセンターは、先ほど申しましたように民間の職業訓練の施設で、5年前から1年間のオンラインのコースをやっております。コロナの少し前で、もともとは移動が困難な重度の身体障害の人を想定してスタートしたのですが、コース自体は障害を問わずにしましたら、精神の方の応募者がすごく多くて、5名枠のところ、初年度は全体で20名の希望者で、2年目は40名の希望者で、今もほかのコースは2倍までいかない希望者ですが、このコースだけはコンスタントに20名ぐらいは応募者が必ずいるという状況で、ニーズはすごくあるのだろうなと思います。
1つは、皆さん、電車の通勤がネックで働くことができないというのが最大の理由なのですが、あと、たくさんの人と関わるところで、緊張して自分の力をなかなか発揮できないとか、様々な人がいます。新しい働き方、今までなかなか就労できなかった人が就労できる新しい選択肢かと思いますので、ここは拡充していきたいなと私たちも思っているのですが、同じ5人でも、通所の訓練に比べたらマンパワーは1.5倍ぐらい必要になる。オンラインだから簡単にできるということではなくて、オンラインのほうが相当マンパワー、オンデマンドとかでなく、常に双方向で訓練を行っていますので、ここの拡充をどうするかというのは私どもの課題でもあるのですけれどもね。
もう一つは、国公立と民間は職業訓練の時間数の設定が違うと思うのですか、民間の場合は半年で700時間、1年間で1400時間という規定がありまして、毎日9時半から5時まで、皆さん、訓練を受けているのですが、一方で多様な働き方で短時間雇用ということで、10時間から雇用率のカウント対象になっているということで、在宅を希望する方は短時間しか働けない方のほうが多いので、短時間の訓練コースの設定があってもいいのかなと思っています。委託訓練は、訓練時間の弾力化というところがあるのですけれども、そもそも重度の身体の方とか精神の方で、週20時間ぐらいの訓練コースがあってもいいのではないかなと感じております。
以上です。
○松爲座長 1つ聞きたいのだけれども、オンラインでやる科目は何ですか。というのは、例えばオンラインだけでやっていくのか、それとも実際に演習を面対でやるような科目も組み合わせないとできないような科目なのか、そこをちょっと。
○酒井構成員 私どもが今やっているのは、月1回、通所日を設定して、1回だけ来ていただきまして、それ以外は基本、全部オンラインで、今はZoomを使っていますので、双方向で常に顔が見える状態で。
○松爲座長 科目の中身は何をやっていらっしゃるのですか。
○酒井構成員 アプリケーションソフト、Word、Excel、PowerPointのようなものとか、ホームページをつくる。あと、会計コース、簿記の資格取得をしたりというスキルの部分と、あと、例えば文章力アップ講座と言って、いかに分かりやすく伝えるかであるとか。あと、自己管理能力というのはすごく大事になってくるので、自己管理できるような力とかアサーティブ、アサーション的な科目等々です。
○松爲座長 特に、オンライン在宅ですとセルフコントロールできないと。
ほか、どうでしょうか。
深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 ちょうど訓練時間の制度的な話が出たのですが、今、障害者訓練のほうは、普通訓練の規定を基に柔軟にとなっていると思います。それが実際、私、研修なんかでいろいろ話をしてみますと、確かに柔軟なのですけれども、どこまで許されるかというのはなかなかやりにくい。いわゆる訓練校としてやろうと思っても、議会とかで根拠を問われるので、根拠がないことによってやりたくてもやれないという実態があるそうです。
実際、訓練時間ではなくて、私、そこでよく聞いていますのは、ちょうどマル3の議題になっていますけれども、指導員の数が今の普通、一般校での基準に基づいて
いるので、増やしているところはありますけれども、これを増やそうとしても根拠がない、基準がないからやりにくいというところがあるそうです。
私、過去にやった調査研究がありまして、職業大の基盤センターでやったのですけれども、こちらのほうでは、現在、指導員1人につき訓練生10名というのが基準なのですけれども、ではなくて、指導員1人につき訓練生5名という体制が望ましいというアンケート結果が出ております。ですので、柔軟性を高めましょうと考えたときには、ある程度の何らかの指針みたいなものを用意しないと、実際にそれを実現するのは難しいのかなと思います。
○松爲座長 そういう点で、最後、マル3の人員配置の問題は結構大きいかもしれませんね。
ほか、どうでしょうか。皆さん、何か御意見ございましたら。大丈夫ですか。
山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 ありがとうございます。
1、2、3、それぞれ少しコメントさせていただければと思います。
まず、1番目については、地域のニーズを吸い上げる機能として、すでに地域職業能力開発促進協議会があります。その中で障害者の訓練についても議題として取り上げることで活発化を図っていくことができるのではないかと思っています。
また、マル1の後段に書いてあります雇用の質を高めるという観点については、求人企業のほうに理解してもらうことが重要ではないかと思っています。訓練生がどのような技能を身につけているのかを理解してもらうことはもとより、一番重要なのは、身につけた技能がしっかりと活かせる職種に就職できるようにすることだと思います。この点、支援の強化が必要と考えます。聞くところによると、訓練校では訓練生の個別プロフィールを作成して、丁寧に就職支援を行っていただいている事例もあるということですので、こうした好事例を積極的に水平展開していただくことが、今、申し上げたようなことにつながるのではないかと思います。
2点目は、マル2、オンライン訓練の在り方についてです。今回の見直しの中で最も重要なポイントの一つではないかと思っています。従来から、立地的に特定の学校に通うことが難しいという人も少なくなかったと理解していますので、事務系訓練などを中心に積極的に推進していくことが、組織再編などともセットで議論されるべきと考えます。
最後、マル3に関しては、先ほど深江先生からも発言がありましたけれども、少なくとも現在の一般の職業訓練よりも手厚い配置としていくということは必要と思いますので、適正な配置の在り方というのは、この中でしっかり議論させてもらいたいと思います。
以上です。
○松爲座長 2番、3番のほうは分かりました。
1番目に関して言うと、まだ議論が少ないのですけれども、広報活動が本当に足りないような気がしますね。御指摘のあった地域の協議会の中においても、障害者訓練校とか訓練校の情報がどこまで行き届いているかどうかがよく分からないですね。例えば、委託訓練事業所の中では、委託訓練の成果発表会を地域の中小企業の人たちを集めてやっているところがあったりしますね。そういった自分たちの成果を、訓練校を含めて、もっと地域に発表するような広報活動的なものを本格的に進めていかなければという気がするのですね。それは、後のほうで出てきます課題3の障害福祉サービスとの関係で言うと、今、聞いていると、どこまで訓練校のネットワークが拡大されているかどうかにつながるような気がいたしますね。
ほか、何か。もしくは、これに関して御意見等ございましたら。どうぞ。
○深江構成員 今のPRについてですけれども、私、それぞれの訓練校に出向いて出張研修するために、行くときにホームページを確認したりしているのです。そうすると、障害者校自身は、訓練内容をきちんとホームページで情報発信されていますけれども、一般校の中での障害者向けのコースというのはあまり。中には書かれていないこともあります。
○松爲座長 そうですね。前の検討会のときも出た話ですね。
○深江構成員 オンラインになっていくにつれて、ホームページ上での情報発信あるいはSNSでの情報発信が大事になってきますので、その辺は議論されたほうがいいと思います。
○松爲座長 これはすごく大事だと思うのは、私、文科省のほうで久里浜の特支教育総合研究所の理事を長い間やっていて、あそこでいつも問題になってくるのは、特別支援教育のカリキュラムとか、そういったものは、一般校へもっと伝達普及させなければいけないのだけれども、それがなかなか広がっていかないというのはすごく大きな課題だったのですね。ですから、私はそういった広報活動に関しては、もっと本気になってやっていくべきかなという気がいたしますね。
ほかに、何かこれに関して御意見等ございましたら。ここはよろしいですか。
続きまして、議題3に行きましょうか。関連施策との連携につきまして、今、少し話題にはなりましたけれども、これに関して、皆さん、御意見、御質問等ございましたら、、どうでしょうか。
どうぞ、酒井構成員。
○酒井構成員 地域の中で、この職業訓練があまり認識されていないというのは確かにそうで、例えば福祉サービスの出発点は相談支援事業所ですけれども、相談支援事業所からも全く認識されていない。ハードルがすごく高いと感じられているような気がします。
あと、地域の中には就労移行支援事業所があって、全国に3000弱。一方、職業訓練は国公立19と我々民間11で、たった30で、1%しかないのですけれども、明らかに質の高い職業訓練を提供できているというのもそのとおり。ですので、逆に地域に広く就労移行がありますけれども、就労移行の質も様々です。大阪だと、単に資格を取ったらいいというところとか、様々なので、逆にそういう地域の就労移行、例えば職業訓練校とかがスーパーバイズするような役割を持つとかいうところでネットワークをつくっていけないかなというふうに思っております。
○松爲座長 そうですね。地域のいろいろなネットワークの中にもっと入り込むべきだという気がしますね。
阿部構成員、どうぞ。
○阿部(一)構成員 ありがとうございます。
細かいことですけれども、障害者総合支援法のサービスの中の訓練等給付で、もちろん移行支援とかA型・B型もあるのですけれども、自立訓練事業の中の生活訓練では高次脳機能障害の方々に関わっています。人生の途中で高次脳機能障害になる場合には、障害受容も多分難しくて、生活訓練は2年間という限定なのですけれども、こことうまくつながることが大切なのかなというふうに思いながら発言させていただきました。
例えば、障害でも、私、子供の頃だから受容はできているけれども、働いている中での障害受容というのは厳しいだろうし、そのときに確かに生活訓練、精神の方もですけれども、高次脳機能障害の方々、その次にというと、2年間だから、次は年齢も踏まえて、結局、介護保険サービスにと勧められることがあるのですけれども、働く機会があればありがたいのではないか。まずは、障害になったばかりのときには職場復帰を考えるのだけれども、現状、なかなか難しいので、例えば自立訓練事業の中の生活訓練事業とのつながりというのも大事かなと思って、これはなかなか知られていないように思うので、御検討をお願いします。
以上です。
○松爲座長 まさにそのとおりですね。ほかの制度とのつながりというのを、あまり理解してくださらないところがありますね。それだけ能力開発に関しての情報が、恐らく福祉とかの人たちに伝達していないのではないかと思うのですね。まして、これから先、就労選択支援が始まるでしょう。就労選択支援の一つの選択として、能力開発というのは、ほかの例えば移行A・Bとの違いをもっと明確に出すとか、今、伺っていると、そういった意味での広報活動が本当に必要な気がしますね。それでもって、今、言った自立に関しての制度設計、つくり方のモデルなんかも出していくべきですね。そういった幅広い広報活動がもっと必要かなという気がしますね。
ほかは皆さん、どうですか。
山脇構成員。
○山脇構成員 ありがとうございます。
マル1、マル2、マル3に共通して、関連施策との連携強化が必要だということについては異論がないところです。その上で、先ほど大塚構成員や阿部構成員からも発言がありました定着支援の関係について発言させてもらいたいと思います。既に人材開発分科会あるいは障害者雇用分科会の中でも、定着支援をどう図っていくのかというのが課題とされています。定着支援という観点から政策を考える場合に、就職率や定着率に関するデータを詳細に把握して分析を行うことが重要ではないかと思います。
例えば、就職率と一口に言っても、その先が雇用保険適用の就職なのか、あるいはA型事業所への就職なのか、現状、こういった内訳も分からない状況にあります。また、入職のルートも、訓練機関からなのか、福祉サービスからなのか、医療サービスからなのかを把握し、入職のルートごとに就職率とか定着率がどのように違うのかということを分析することで、訓練校の果たすべき役割がよく分かるのではないかと思っています。そして、詳細な分析がこのタイミングでできるのかどうかは別としても、今後に向けて検討していただくことが極めて重要ではないかなと思います。
併せて、定着支援に関して言うと、単に定着という点だけではなくて、障害者あるいは企業に両方アプローチできることと少し長いスパンで見ていくということからすると、能力開発とか処遇改善の観点も含めて、今後、活用できるような形でデータを整備していくことが重要ではないかと思います。
○松爲座長 本当におっしゃるとおりだと思います。定着支援の実態のデータが必要と言われながら、あまり詳しいデータがないという感じですね。特に能力開発に関しては、訓練校を修了したのはいいけれども、修了した後、データがどうなっているか。就職した後の状況とか定着とか。この辺りのデータを見ていかないと、定着の在り方とか訓練校の能力開発の成果というのはよく見えてこないところがありますね。そういった意味では、まさに山脇構成員おっしゃるように、データをこれからもう少し整備したほうがいいかなという感じがいたしますね。
ほかは皆さん、どうですか。
どうぞ、深江構成員。
○深江構成員 1つだけ事例を紹介いたします。3番についてですけれども、障害者就業・生活支援センターとの連携について、岐阜の障害者校が先進的なことをやっていまして、同じ建物内にセンターと訓練校が一緒に共存して、さらに訓練生は全員登録しているという話を聞いたことがあります。せっかくですので、その辺も参考に見るのがいいかなと思います。
○松爲座長 訓練校が職業センターとつながっているかというと、あまりつながっている気がしないのだけれども、そこは松原さん、その辺り、知っていますか。
○松原構成員 御要望いただければ、地域障害者職業センター、全国にありますけれども、定着支援、特にジョブコーチ支援をするというのはあるかと思います。ただ、各校の動き方によっても違うのかなというところで、押しなべてやっているかというと、そうでもないなというところがあります。
○松爲座長 私が知っているところでもそうですけれども、訓練校は結構独自にやっているのだけれども、全国の障害者職業センターが訓練校に対して、例えば就業センターの利用者をあっせんとは言わないけれども、紹介して、こういった訓練科目がありますよということを積極的に紹介するとか、そういう感じのような気がしますね。それから、今、言った地域の推進協議会でも、障害者の訓練校に関してあまり情報を出していないのではないかという気がするのです。基本的に言うと、1つの社会資源として、もうちょっと認知させなければという感じがすごくしますけれどもね。
ほかはどうですか。菅沼構成員、どうぞ。
○菅沼構成員 今、定着支援の話が出ましたので、東京都の障害者校で例示させていただきますと、職場定着支援員という専門の方を置いて、就職後の定着に向けた支援をしており、約75%が定着に結びついているというデータがあります。また発表の機会がありましたら、その辺は御説明させていただければというところでございます。
あとは、東京都には障害者校だけではなくて、ほかに一般校が13校ありますが、入校率は非常に厳しいです。7割切ってしまっているケースもあります。今の雇用の売り手市場といいますか、それと非常に大きく連動するところがあって、全般的に入校率が厳しいというところが傾向として言えるかなと思います。今日は障害者校だけの話でしたが、一般校の話も簡単に触れておきますと、そのような状況になっているということです。
○松爲座長 今、障害者雇用に関しては、企業にとっては売り手市場のような気がするけれども、それがどうして訓練校から行かないのだろうと思って。
○菅沼構成員 売り手市場なので、訓練校を通過せずに。
○松爲座長 ダイレクトに。
○菅沼構成員 高校等を卒業したら、すぐ就職されるケースが多いと聞いています。
○松爲座長 ありがとうございました。
牧野構成員、どうぞ。
○牧野構成員 大阪校の状況を話させていただきますと、今、話に出ていました定着支援に関しては、希望者に限って最高3年という形で、3人の支援員が就職した企業に定期的に訪問したり、一方で、本人から直接相談を受けたら、それに応じています。企業に訪問するときは指導員も同席している場合もあります。定着率という部分で言えば、3年間で希望者に限っては9割ぐらい行っています。ただ、希望されない方も当然おられるので、全体の修了生の割合というのはデータがないのですけれども、そういった取組はやっております。
今までいろいろお聞きしていて、訓練指導員の質の高い障害者訓練の提供というところで、私は行政職で指導員職ではないのですけれども、研修していただいていて、本校も積極的に研修参加させてもらっていて、すごく助かるのですけれども、それを基に、また伝達研修もしていますけれども、結局は障害特性は本当に千差万別で、先ほども議論があった中で、突き詰めていったら個人的な個別対応というところに行きついてしまう。そう言っても、訓練校は集合訓練でやっていますので、その運営は非常に難しい。
指導員の資格、採用に当たっても、正直、希望者が少ないという別の問題がある。あと、専門的な訓練をするということで、免許がかなり細分化されている。これは一般校のほうですけれども、その免許で採用するものですから、障害の経験という部分に関しては、一般校の訓練指導員も含めて、かなり少ない。それと、障害者訓練校は、免許の部分はどちらかといえば専門的な免許を必要とする科目もあるけれども、そうでない科目については、そこは自由が利くということで、免許外の指導をしていただくことになるのですけれども、専門的なことを教えようとして指導員になられる方がほとんどだと思います。
ですので、正直、障害者の訓練というのは、国立・府営が大阪府にあるというものの、指導員にとって意識が少ないというか、低いというか。そこで障害者校に異動したら、先に不安が勝ってしまう。そこのところが何とかできないかなというのは、正直、あります。
○松爲座長 まさにそのとおりですね。
ちょっとお聞きしますけれども、指導員は、普通の一般校と障害者訓練校、同じ県内で異動していく。異動の資格か何かがあったりというわけじゃない。通常の異動ですか。
○牧野構成員 一般校は専門課程ですから、当然、免許を持っておられる指導員を優先的に入れていかないといけない。障害者校もCAD科とかウェブというふうに専門科目はありますけれども、それ以外の発達障害・知的の部分についてはそうでもない。そういった方々は、一般校で経験された方が異動してきたりという形です。
○松爲座長 例えば、今の専門的な科目ならともかくとして、それ以外の生活支援とか一般的な発達障害に関する普遍的なコミュニケーションスキルとか、その辺りは非常勤の福祉の人たちとか教育関係の人たちが援用してやるという体制はでき上がっていないのですか。
○牧野構成員 福祉関係につきましては、大阪府の社会福祉職の正職の人を福祉部から、定数で言ったら2名配置いただいて送っていただいています。今年からは、もともと大阪府の社会福祉職で障害者校で退職を迎えた方なのですけれども、指導員のフォローとか、訓練指導には直接入らないですけれども、指導員ないし訓練生への橋渡し、その辺りのアドバイスをしていただく人を今年から1人、非常勤ですけれども、配置しておりまして、こういう方々の力は非常に大きいと思っております。
○松爲座長 先ほどの松原構成員のところじゃないけれども、国のほうとしては指導員の研修はやるけれども、多分、足りないかもしれないという気がしますね。
それと、所沢にしたって、障害者の職業カウンセラーが入っていて、訓練とは別にいろいろなサポートができる体制になっているじゃないですか。そこをバックアップするような体制がないと、普通の訓練校から移っていく人たちがやったら難しいかなという気がちょっといたします。
○牧野構成員 皆さん、一生懸命、真面目な方ばかりなので、それこそ先ほどありましたけれども、試行錯誤しながらですけれども、ベテラン職員の技術・技能を借りながら、その中で本当に試行錯誤しながらされています。
先ほど一般校の話が出ていましたけれども、私は、訓練校の一般校にこの前、居てまして、先ほど菅沼構成員からもありましたように、一般校は確かにもっと集まりが悪い状況になってきています。グレーゾーンのところに戻って申し訳ないですけれども、一般校に行かれる方で手帳を持っておられる方が増えているのは事実です。ただ、これは皆さん、クローズにされます。それは一般の職業訓練というか、一般の方と同じ土俵で勝負しようと思われている方が多い。
グレーゾーンの部分が、正直、何をもってグレーゾーンと言うのかというのは、難しいところはあるのですけれども、一般校に2年間行かせてもらった経験則から言いますと、親も含めて本人は自認していない方が多いのではないか。こちらも手帳も何も持っていない中で決めつけられませんけれども、行動を見ていたらそうじゃないかなというところがあっても、そういう扱いをしたら別の問題があります。決めつけたら別の問題がありますので、ある意味こわごわやっている。一般校と障害者校での人事交流で、障害者校の出身の指導員さん、科目は違えど、そういった方々の助けを借りながら一般校では対応を試行錯誤しながらやっているのが実態です。
○松爲座長 まさにおっしゃるとおり、人事の問題と受入れの訓練の体制まで、いろいろ問題があるかもしれませんね。
それでは、時間があまりなくなりましたので、最後の課題の4と5につきまして、何か御意見等ございましたら。どうでしょうか。
どうぞ。
○山脇構成員 ありがとうございます。
まず、課題4に関しては、資料2の7ページを見るとよく分かるのですが、令和4年度段階で、障害者校と比べても20%ポイント以上就職率が低いということは、手を加えていく必要があるのではないかと思っています。障害者校は本当によくやっていただいていると思っていまして、好事例についてしっかり委託訓練機関にも水平展開していただくことが、まずは必要ではないかと思います。その上で、現行の継続要件の厳格化も含めて、次のステップとして障害者委託訓練機関の質の担保についても検討を行う必要があると思っているところです。
また、e-ラーニングの就職率が資料2の24ページにあるように低い状況について。一般の求職者向けの場合のe-ラーニングは、育児とか介護など特段の必要がある方への対応として設定された側面もあると考えます。改めて障害者におけるe-ラーニングの在り方について、検討が必要ではないかと思っているところです。
さらに、課題5も少し触れさせていただきます。障害者雇用においては、一般の労働者と同等あるいはそれ以上にキャリア形成支援が重要と認識しております。先ほども少し触れましたけれども、雇用率達成に向けて、採用したものの、障害者のキャリア形成に十分取り組めていない企業も少なくないのではないかと思っております。しっかりと人材育成方針の策定を行うことを含め、企業に対するサポートや、相談体制の整備と充実、ジョブコーチの派遣など、個社ごとの状況に合わせた寄り添い型の支援の拡充をしていくことが重要ではでしょうか。
最後、論点は別なのですけれども、資料2の16ページに特別支援障害者の範囲が規定されています。難病患者については、現行、基準に入っていないところもありますので、この在り方というのも、今後、この中で結論が出るかどうかは別として、検討する課題ではないかと思っております。
以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
最後のキャリアパスに関して言うと、障害者に対するキャリアという考え方は今までなかったですね。処遇ではやっていても。でも、これから先、まさにインクルージングとかダイバーシティを考えたときに、障害を持った人たちにとってもキャリアパスを考えなければいけない。それは支援者自身がもっと考えなければいけないということがありますけれどもね。
ほかはどうですか。
酒井構成員から行きましょうか。
○酒井構成員 委託訓練ですけれども、委託訓練は障害者自立支援法のずっと前に始まったので、当時は47都道府県のうち17の県しか職業訓練がなくて、残りの30県でも、全都道府県で身近な地域で職業訓練を受けることができるようにと始まったと記憶していますが、その後、就労移行が全国にできて、全国で格差はあるにせよ、委託訓練としての役割はある意味終えているかなというふうに私は感じます。
一方で、在職者訓練のニーズはすごく高まっていて、私どもも在職者訓練をしていますけれども、長く働いている在職者の訓練のニーズというのはすごく高いなと感じていますので、課題5にもつながりますが、委託訓練も在職者訓練、もしくは実践能力習得コースにシフトしていくべきかなと思っております。
○松爲座長 ありがとうございます。
では、小幡構成員。
○小幡構成員 議題4、5そのものではないのですけれども、在職者を含めて、現代の名工とかを含めたようなスキルアップをしているところを、何かの形で示すというところにつなげていくような道筋や、あとは、障害者訓練校で言うとJEEDのアビリンピック、そういったものも併用していく中で、ただ単に自分が科目を修得していくということではなく、箔がつくような状況を企業に持って帰れる仕組みが何かできたらいいなと思っています。
それで、少し前の課題に戻ますが、雇用率の未達成企業、特に中小企業は、そもそもそこに関心がないところはまた別ですが、求めているのに雇用できないというところでは、訓練校と積極的にこういう人材がいますよということでのコミュニケーションをつくる場みたいなものもあっていいのではないか。大手企業はそれなりにやっていると思うので、中小企業のほうが訓練校の地域、地域に比較的近いところであるのではないか。そういうコミュニケーション協議会というか、意見交換の場があってもいいのかなと思います。
以上です。
○松爲座長 訓練校にしたって、学園祭があるのだから、学園祭のときに中小企業を集めればいいのにと思いますね。それくらい派手にやってもいいのかなという気がします。
ほかはどうですか、皆さん。
どうぞ、牧野構成員。
○牧野構成員 この会議全般的な部分で、私は大阪の校長ということで、皆さん、メンバー的には地方の方々でない方が主になっていると思うのですけれども、大阪と地方、国立障害者校というのは地方にもありますけれども、地方と実情というのが大分異なっているのではないか。地方のことはそこまで承知していないのですけれども、大阪はこうですよと言ったことが全ていいように捉えられるのか、悪いようになるのか、ちょっと分からないですけれども、地方の実情というものを一定念頭に置いてまとめていかないことには、地方自身が、そんな社会資源もないし、そんな状況でもないし、そこまで言われてもとなるようなことにはすべきでないのかなと。
差し出がましいですけれども、そこはちょっと思っておりまして、その辺り、どういうふうに逆に反映できていくのかなというところが。
○松爲座長 地方のニーズを十分吸い取っていない訓練科目の在り方はあるのかな。そこはどうなのだろう。
○牧野構成員 訓練ニーズの吸い上げというのも、実はなかなか難しいと思います。先ほども話に出ていたのですけれども、訓練校、これは一般校も一緒なのですけれども、知られていないというのがありまして、我々障害者校、大阪は特に今年からは福祉事業所、支援学校さんがやっておられるような合同説明会にも参加させてもらうという形で、福祉関係にもいわば顔を売っている。酒井構成員がおっしゃっていたように、数は多いのですけれども、知ってもらって連携してもらって助かるという福祉機関も当然ありますし、そこは大事なのかなというところで、これからも取り組んでいこうかなと思っております。ただ、地方にそこまで社会資源がいっぱいあるのかどうかというところがまた分からないので。
○松爲座長 どうですか、高山構成員、今までお話伺っていて、どんなことでも。
○高山構成員 僕は特例子会社で、どちらかというと訓練生を受けるほうの立場で聞いていますので、訓練校の先生方、本当に大変な思いで送っていただいているのだなというのが感想なのですが、その中で、障害者委託訓練でうちはたくさん来ているのです。今、60人の障害者を雇っているのですけれども、定着率が一番高いです。入職した子で辞めた子は1人だけ。定着率がすごく高いというのが1つ。
それと、議題が前のほうの絡みになってしまうのですが、これだけのことをやっていて、広報はもったいないなという印象はすごく持ちます。実は、ジケイビジネスサポートの母体は、学校法人滋慶学園という専門学校を日本各地に持っていまして、今、学生数で言うと4万人を超えているのです。その中でも約1.2%の子がさっきのグレーゾーン。何をもってグレーゾーンと言うかというと、要は手帳を持っていなくて、確実に手帳が取れるだろうという子になります。そういう人たちをどこに相談を持っていったらいいか。そこで一番の課題になってくるのが家族、周りがそこに正直、一歩出られない。
○松爲座長 家族が。
○高山構成員 どこかで気づいているのですけれども、学校の担任からは、あなたは障害を持っていますよというのは言えないので、そのときにどこに相談を持っていったらいいかということで、ここのネットワークでハローワークというのは全国組織でありますから、そういったところに少し橋渡しできて、そこで相談業務ができて職業訓練のほうに行けるという流れをつくれたらいいなというふうに、今、実は考えています。そういう相談窓口を1つつくっていただくだけでも、すごくいい方向につながっていくのではないかと思います。
○松爲座長 情報が伝わっていないような気がする。
○高山構成員 今、18歳から入ってくるのですが、大学にも発達障害がすごく増えていまして、高校とか、もっと若年層に向けて、少し先生方に、こういった場合はこういったところに相談すればいいよという広報があるといいなというふうに思います。
これはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、高校もコロナ禍になってから通信の学校から来る学生さんがすごく増えてきているのですね。通学経験のない学生さんは、なかなか仕事にうまく結びつかないので、こういう子こそ、訓練校でもう少し学んでから来られるとすごくプラスになるかなというのが私の意見です。
○松爲座長 おっしゃるとおりで、私も同意だけれども、発達障害だからといって、ほかの学生と同じように18、22で就職しなければならないと考える必要ないじゃないですか。高等学校、大学まで普通教育を受けて、それから就職と考えるときに訓練校に行って包括的な技術訓練をやって、24、25になって就職したっておかしくないでしょう。そういった社会的な通念ができるといいなと思うのです。それだけ長い人生をかけて、じっくり学ぶ場面をつくっていいじゃないですかという。親御さんたちがそういうおおらかな意識を持っていただけるとありがたいけれども、自分が発達障害をずっといろいろ支援していて、親御さんに対してそう思ったりしますね。ありがとうございます。
阿部博司構成員、もしよければ何か。
○阿部(博)構成員 経団連の阿部です。
ここ最近、障害者の雇用の質をどう高めるかということが大きなテーマとなっています。訓練を受ければスキルを身につけて、動機づけにもなるということで、雇用の質は当然高まっていくものだろうと思うのですが、今日、皆さんのご意見をお伺いして、その中でも様々な課題があるということが理解できました。私も一つ一つ勉強しながら、訓練に当たっての財源の問題も含めて考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○松爲座長 それでは、前田さん、よろしくお願いいたします。
○前田構成員 お疲れさまです。
訓練科目について、委託訓練とか、それ以外の障害者雇用の訓練科目もそうですけれども、科目についてもいろいろ検討の余地はあると思うのですが、科目以外で、いわゆる入校の時期とか入校の手続によってハードルがちょっと高くて、受講者が増えないという面もハローワークの現場では聞いておりますので、科目の設定に併せて、そうした入校の時期とか手続。特に、診断書が必要だったり、主治医の意見書が必要であったり、そうしたものが重複して必要だったり、金銭的な負担がかかる面もありますので、そうしたことが負担で入校をためらうようなケースがある。あるいは、そうしたことが大変なので、一般校にクローズで申し込むというケースもあると聞いておりますので、そうした手続等についても併せて検討いただければなと考えております。
○松爲座長 ありがとうございました。
一応、5番まで行ったのですけれども、改めて1番から5番まで全部含めて、あと、フリーでどんなことでも構いません。どうぞ。
○菅沼構成員 一通り皆さんの貴重な意見で、なるほどと思うことも多かったのですけれども、この課題を追いつつ、解決しようとしていくと、障害者訓練の全方位的な解決が必要になってくるので、抜本的な見直しが必要になると思います。
先程牧野構成員からもお話が出ましたけれども、体制の問題、人の配置の問題など課題はいろいろとあります。結局、指導員は職業訓練指導員であって、障害者訓練専門指導員ではありません。それが東京都の場合は2年から3年に1回という形で、人事異動の過程の中で、職業訓練指導員が障害者訓練を担当することとなります。それをサポートするにはどうすればいいか、そのほか寮の問題など、いろいろな課題があって、解決するには体制の問題、資金の問題は切っても切れない問題だと思いますので、どこまで、どのように解決に向けて取り組んでいくのかということは、現実的な話も含めて御検討いただけるとありがたいと思います。
○松爲座長 今回は幅広く問題点を提示して、事務局から出された課題も非常に幅広いですから、その幅広い議題の中で皆さんが考えている現実的な話を出して、これを例えば検討会の報告書の中で、どう優先順位を決めてやっていくかというのは、これから先の皆さんの議論の流れになるかと思いますね。
○菅沼構成員 大事な議論だということは前提で。
○松爲座長 だから、今回は好きなだけ幅広く議論したほうがいいという感じがしますね。
そのついでに言いますと、考えてみたら、障害者のための資格認定を持った訓練指導員はいないですね。そういう制度はないですね。それでいて障害者をやりましょうというのも何か変な話だという気もするし、聞いているといろいろな思いがありますね。
フリートーキングで結構ですけれども、今回の議論を踏まえた上でどうですか。どうぞ。
○酒井構成員 今の話に関係して、厚生労働省内で雇用と福祉の連携強化で、障害福祉課と職業安定局障害者雇用対策課のほうで連携して様々進められて、今の人材の話もそうですけれども、就労支援を担う人材ということで、障害者職業能力開発に従事する人たちも障害者の職業支援を担う重要な人材だと思うのですが、そういう議論の中でもなかなか入っていなかったように思うのです。だから、その枠の中でしっかりと存在感を示していければなと思います。
○松爲座長 そう思います。先ほどの話もそうだけれども、地域の社会資源の一つとしてネットワークを考えたときに、障害者関係の訓練機能というのはあまり出てこないですね。本来なら、能力開発がもっと前面に出てこなければおかしいと思う。どうぞ。
○深江構成員 ここでの議論じゃないのかもしれないですけれども、雇用率が上がっていくにつれて、従業員数が少ない企業のほうで障害のある方を雇うという流れになってきます。そうすると、従業員数が少ないところですと余裕がないですから、障害者を支援する人材を企業の中で育てるというのは難しくなると思います。では、それはどこが育てるのかというのは、今のところよく分かっていない状況ですので、ひょっとしたら、そこが障害者校での在職訓練で、障害の方と担当する方が一緒になって訓練を受けるとか、新しい仕組みづくりなんかもできるのではないかと思います。
○松爲座長 中小企業なんかで本人の訓練ができない場合の受け皿。同時に、能力開発職業センターにしても就業・生活支援センターにしても、経済支援に対する外側のサポートがあるじゃないですか。そういったいろいろな物資が組み合わさっていかないと、特に中小企業はものすごくつらい。まして障害者を雇うときに。そういったいろいろなことが複雑に絡んでくる話かなという気が、聞いていてちょっといたしますね。
さて、最後はぼやきと、いろいろ好き勝手なことを言って申し訳ありませんけれども、そういう話になりましたので、今回の説明、意見交換の中で、各障害者校の状況について御発言がありました。それを受けて、皆さん、神奈川障害者職業能力開発校の視察を行うということが事務局から御案内があったと思います。
また、次回検討会では、大阪の能力開発校の取組、東京の能力開発校の取組について、お二方、よろしくお願いいたします。それらを踏まえまして、第2回目の議論をさらに進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、時間となりましたので、本日の検討会はこれまでといたします。最後に何か御質問、御意見等ございましたら。大丈夫ですかね。ということで、おしまいにいたしたいと思います。
では、事務局のほうへ司会をお渡しいたしますので、よろしくお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 松爲座長、ありがとうございました。
また、本日、御参加の皆様におかれましては、長時間にわたり、ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、皆様に御確認いただいた後で、資料とともに厚生労働省のホームページで公開することとしております。
また、次回以降の開催につきましては、別途、事務局から御連絡させていただきます。
本日は、ありがとうございました。
○松爲座長 ありがとうございました。お疲れさまでした。