- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 医政局が実施する検討会等 >
- 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 >
- 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第19回)の議事録
医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第19回)の議事録
日時
令和7年1月24日(金)14:00~16:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンター11F ホール11D
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング)
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング)
議題
1.医療用医薬品の安定供給について
2.その他
2.その他
議事
- ○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 定刻となりましたので、ただいまから第19回「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を開催いたします。
本日はお忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
内山審議官は公務のため欠席となりますので、御承知おきお願いいたします。
最初に、構成員の先生方の御出欠について報告いたします。本日、11名の構成員が会場での参加、川上構成員、関構成員、成川構成員、平川構成員、松本構成員はオンラインでの参加となっております。本間構成員におかれましては、所用により御欠席と伺っております。
また、本日は参考人として、日本製薬団体連合会安定確保委員会安定供給検討部会部会長の平澤健司様にお越しいただいております。
報告は以上となります。
以降の議事運営につきましては、座長にお願いしたいと思います。清田座長、よろしくお願いします。
○清田座長 皆様、こんにちは。清田でございます。
それでは、まず事務局から資料の確認と、議事進行における留意点に関する御説明をお願いいたします。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
本日の会議資料を確認させていただきます。会場におられる構成員の皆様のお手元に議事次第、座席表のほか、資料1、資料2、参考資料は1から4まで御準備しております。
資料の不足等がございましたらお知らせいただければと存じます。
次に、議事に入る前に、本日の会議の進め方の留意点をお知らせいたします。
オンラインで参加の先生におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言がある際には挙手機能でお知らせいただくとともに、チャット機能で発言を求める旨、お知らせ願います。
また、会場での参加の先生は、手を挙げるなどしてお知らせください。
御発言いただく際にはマイクを御利用いただき、御発言の最初にお名前をお知らせいただいた上で御発言ください。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
会議中、マイクの調子が悪くなるなど、ほかの出席者にとって聞きづらい状況が続く場合には、音声の代わりにメッセージで御意見等を御記入いただくことがあります。その際は、事務局または座長からお願いさせていただくことがございます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので事務局まで御連絡をお願いいたします。
また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局からメールで御連絡いたしますので御確認いただけますと幸いです。御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
○清田座長 それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、「1.医療用医薬品の安定供給について」「2.その他」となっております。
資料1及び参考資料につきまして、まず事務局より御説明をお願いいたします。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
資料1及び参考資料4について、まとめて御説明いたします。
まず、資料1から御覧いただければと思います。資料1「サプライチェーン調査について」を御説明したいと思います。
スライド2をお願いいたします。
スライド2で、調査の経緯を御説明いたします。経済安全保障推進法におきましては、その供給途絶が国民の生存などに甚大な影響を及ぼすことから、安定供給確保を図る必要がある物資につきましては「特定重要物資」というふうに指定した上で、民間事業者の取組に対して支援を講ずるという制度がございまして、医薬品分野につきましては安定確保医薬品のカテゴリーAを特定重要物資候補としまして、経済安全保障推進法に基づくサプライチェーンの調査を実施しております。
その結果、2022年12月に抗菌薬を特定重要物資として指定しております。
具体的には、βラクタム系抗菌薬につきましては医療上の必要性が高いにもかかわらず、その原材料のほぼ100%を中国に依存しているといった状況を踏まえまして、国産化の取組を現在進めておるところでございます。
国際情勢の変化などに伴いまして、重要な物資を取り巻く状況が変化することを踏まえ、サプライチェーンの現状と供給途絶等のリスクを不断に把握・点検することが重要でございまして、医薬品分野の調査につきましては前回実施から約2年が経過しておりますので、今般、再度調査を実施することとしたというのが経緯となります。
下のカラムには、調査の法的な根拠ということで、「法第48条第1項に基づく調査」の概要をお示ししております。
では、スライド3をお願いいたします。
サプライチェーン調査の結果をお示ししておりまして、一番上の灰色のところでございますが、安定確保医薬品のカテゴリーA(21成分、102品目)に対しまして2022年同様の調査を実施しておりまして、品目別にリスク要因の適否というものを各製造販売業者に回答いただいております。
また、これに加えまして、厚労省におきましては各事業者の回答を踏まえまして成分ごとに原薬原材料の供給国というのを整理しております。
結果でございますが、まずサプライチェーンの管理については、出荷停止や出荷減少に繋がるリスク要因として、代替供給源の存在しないことについては製造販売業者が約7割の品目で「当てはまる」という回答がありまして、またサプライチェーン管理が複雑化しているということも7割弱で製造販売業者からはリスク要因として考えられるという回答がございました。
次に原薬原材料の供給経路の調査結果でございまして、21成分の原薬原材料の供給経路につきましては8成分が「供給源が単一国」でございまして、5成分が「供給国が2か国」ですので2ルートから日本に入ってきている。8成分については供給国が3か国以上でしたので、3ルートから日本に入ってきているというものでございまして、特にリスクがあると考えられます供給国が単一のものにつきましては、具体的な供給国をスライドの一番下の※のところに書かせていただいております。
最後に、供給途絶の蓋然性について各製造販売業者に御回答いただきましたが、回答は「1年に1回」から「発生しない」までかなりばらけておりますので、やはり供給リスクの客観的な数的見積もりというのが難しいのかなというふうには考えております。
スライド4をお願いいたします。
スライド4にただいまの調査結果のまとめと、今後の対応方針案というものをまとめております。
まず1.の「供給経路の分析について」ですが、21成分のうち8成分が供給源が単一国、5成分が2か国、8成分が3か国以上という結果でございまして、特にリスクがあると考えられる単一国の成分については2.にまとめております。
供給経路が単一の8成分につきまして供給国を分析いたしますと、原材料の一部でも供給されているというものも含めますと、5成分が中国の原材料に関与しているという状況でして、うち4成分、具体的にはβラクタム系抗菌薬でございましたが、これにつきましては地政学的なリスクや過去セファゾリンの例があったように供給途絶事例というものがありましたので、既に特定重要物資に指定され、国産化が進められているところでございます。
残りの1成分につきましては特定重要物資には指定されていない成分でしたが、原材料の供給企業が特定国のみに依存するという状況もなく、また供給に現在問題もないという状況でございました。
また、当該1成分はβラクタム系抗菌薬と違いまして特別な製造技術とか、あるいは他の医薬品との混入を防ぐ意図で製造ラインを分けるといったような課題もない成分でございました。
次に中国以外が供給国であった成分は3成分ございましたが、1成分が日本、1成分が台湾、1成分はフィンランドでございました。製造時の品質トラブルにより、一時的に供給が不安定化したという事案は過去ございましたが、いずれの成分につきましても原材料の供給企業が特定国のみに存在するという状況でもなく、また原材料の外部依存を原因とした供給途絶事例というのもありませんでした。また、現在の供給状況も確認しておりますが、今のところ問題は特にないという状況です。
今般の調査結果、供給経路が単一国の成分につきましては、2022年の選定時から大きな変化はありませんでしたが、引き続き状況をよく注視しまして変化の兆しが見られた場合には直ちに対応を検討することとしてはどうかというふうに考えております。
また、供給源が海外であるか否かを問わず、供給源が単独であった場合には、品質トラブル等により安定供給の影響を受けやすいと考えられますので、3.にリスク要因の対応と書いておりますが、こういった取組を進めていく必要があるのではないかと考えています。
最後に「3.リスク要因への対応について」ですが、リスク要因に対する調査につきましては「代替供給源の不在」あるいは「サプライチェーン管理の複雑化」の両方につきまして約7割が当てはまるというふうに回答しておりました。
現在、製薬企業が代替供給源の探索を行う場合の補助事業や、供給リスク管理のためのマニュアルの作成を進めておるところですが、引き続きこうした取組を進めていく必要があるのではないかと考えております。
資料1の説明は以上となりまして、続きまして参考資料4の御説明に移りたいと思います。参考資料4をお開きいただければと思います。
「その他報告事項」としまして、医薬品の安定供給に関連した最近の状況について3点ほど御説明したいと思っております。
次のスライド2でございまして、まず1つ目がインフルエンザ薬の取組についてでございまして、次のスライド3でございます。
昨年末の急激なインフルエンザの流行によりまして、1月8日、沢井製薬がオセルタミビル塩酸塩のカプセル製剤とドライシロップ製剤を一時的に供給停止しております。
なお、一時的なものですので、現在供給再開に向けて取組を進めているというふうに聞いております。
沢井製薬が供給停止としたことで、他社も過剰な発注を防いで在庫の偏在を防ぐために限定出荷というのを実施しましたが、供給量を低下させるという意図はなかったというものと聞いております。
また、供給量を急に増やすというのも難しいため、抗インフル薬の必要な患者様に供給するためには、需要サイドである医療機関や薬局の協力も必要となりますので、1月8日と9日に医療機関、薬局に向けまして過剰な発注を控えるといったことや、代替薬の使用についても考慮すること等の協力を要請させていただいたという経緯となります。
次のスライドですが、医療機関等に対する抗インフル薬の適正な使用の協力というものをお願いさせていただきましたけれども、医療機関や薬局が抗インフル薬の正確な供給状況を把握することができなかった場合には、先々の不安を感じまして過大な発注を行うということがしばしば見られます。そして、それが需給をさらに逼迫させるおそれがありますので、厚生労働省のウェブサイトとSNSで、左下にXを挙げておりますが、こういったもので毎週抗インフル薬の在庫量等を発信しております。抗インフル薬の対応につきましては、このような形で供給量や在庫量、あとは感染者数の情報も見つつ、対応を検討しているのが現状ということになります。
次のスライドでございますが、続いて薬機法等の制度改正に関する取りまとめについての御報告です。次のスライドをお願いいたします。
この会議におきまして、昨年数回にわたりまして安定供給確保マネジメントシステムの構築ということで御議論いただいておりましたが、その進捗の御報告ということになります。
次のスライドをお願いいたします。
少し細かいスライドでございますが、医薬品医療機器法等の改正につきましては厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会において議論されておりました。それで、安定確保会議の御議論も踏まえまして、制度部会におきましても医薬品の安定供給について御議論いただいておりまして、その結果、今年の1月10日に取りまとめられておりますので、その御紹介となりまして、安定供給につきましてはその次のスライドでございます。
赤枠で囲ったところになりますが、この会議体で御議論いただいた内容が反映されておりますので、その御報告というのがこの➁でございます。
では、次のスライドをお願いいたします。
その次をお願いします。
最後は「➂令和6年度補正予算」ということで、補正予算に関連して医薬品の安定供給に関するものを幾つか我々は予算として計上しておりまして、今後予算事業として実施していく予定ですが、時間もありますし、いろいろな事業をやらせていただいておりますので、本日の説明は割愛させていただきますが、またお時間があるときに見ていただければと考えております。
資料1及び参考資料4の説明は以上となります。
○清田座長 ありがとうございました。
それでは、ここまでの御説明に対する質疑応答といたします。
まず資料1について御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。
どうぞ。
○三村構成員 青山学院大学の三村でございます。
御説明ありがとうございました。一言、サプライチェーン調査の結果についてということでコメントさせていただきます。
2年経過したということですけれども、改めて現状と、どのような改善があるのか、どういう問題があるのかということについて確認をしていただきありがとうございました。これは、御説明にもありましたように経済安全保障推進法等との連動性の中で行っていくということでありますので、これからの政策遂行の上で大変重要な意味をもつと思います。
今、安定確保医薬品の新しい見直し作業が行われているわけですけれども、A、できましたらBまで含めて、政府、厚労省と、民間企業との間で問題意識と情報共有を積極的に進めてほしい。いろいろな形での対話、コミュニケーションをしてほしいという経済安全保障法制の趣旨がございますので、ぜひこの方向でお願いしたいと思います。
それから、御留意いただきたいと感じるところが1つあるのですが、特定重要物資の指定要件というのは明らかに特定国への輸入依存、偏在ということで、医薬品に関しては原薬・原材料輸入の問題となっているのですが、もともと特定重要物資が重要視された背景には2つのディメンジョンがある感じがいたします。
1つは、例えばレアアースにあるようにもともと生産国が偏在している場合、それからもう一つは、これは半導体とか電子部品に典型的に生じているわけですけれども、もともと国内供給体制があったにもかかわらず、採算割れとか、コストの上昇とか、あるいは国際競争力の観点から、それが海外に流出する、あるいは国内供給体制が脆弱化することによる問題が意識されております。
恐らく、医薬品はむしろ後者の事例に当てはまるのではないかという感じがしております。そこで、基本的には原薬・原材料の偏在、輸入における特定国依存の問題はまず一義的にあるのですけれども、やはり国内供給体制、国内生産体制の脆弱性とか、そういう問題がこれの前提にあるということですので、そのことを踏まえた上で、これからの政策展開していただく。特にその点について目配りとか御配慮の上でお進めいただければと考えております。
以上でございます。
○清田座長 ありがとうございます。
今の御意見に対していかがでしょうか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御質問ありがとうございます。
2点あったかと思います。1つはこの調査は非常に重要なのでBもやるべきではないかということ、あとは特定重要物資の中で地政学的なリスクもありますけれども、国内供給体制の課題もありますので、そういったものも踏まえた対応が必要であるというところでございまして、どちらも御指摘のとおりかと思っております。
まず1つ目のA以外の調査のお話ですけれども、スライド3ページのところに特定重要物資の指定要件というものを書かせていただいておりまして、要件1から4まであります。この全てに該当するものが特定重要物資というところでございまして、要件4のところに「本制度による措置の必要性」と書いてございます。
医薬品の場合は、先ほど御紹介いただいたとおり、医薬品の安定確保医薬品制度というものもありますので、こういった安定供給に係る制度が存在する中でさらに特定の重要な物資につきましては経済安全保障推進法の枠組みでも対応するということになっております。そういう状況ですので、特定重要物資の候補の調査という意味ではカテゴリーAを特に優先順序が高く対応すべきではないかと考えておりまして、今回の調査はあくまでも特定重要物資の候補の調査ということですからAをやったというところでございます。
ただ、一方で御指摘のとおり、B、Cも当然安定確保医薬品ですので、そういった枠組みでのサプライチェーンの調査というのは重要だと考えておりまして、今後安定確保医薬品の見直しを行いますが、その中でサプライチェーンの状況というのも調査することとしております。
また、カテゴリーB、Cですと数も多くなってまいりますので、どういった形で調査ができるのかというのを少し我々のほうでも整理したいと考えております。
2つ目のところで、そもそも国内の供給体制の脆弱性もあるのではないかと、御指摘のとおりだと思います。いろいろな要素はあると思いまして、例えばこの資料におきましてはリスク管理のマニュアルを作成するとか、そういった取組をするというふうに書いておるところでございますが、様々な観点はあると思います。今回、補正予算の事業の御説明はしておりませんが、緊急な増産が必要な場合には、安定確保医薬品等の増産を行う企業に対して補助金をつけるというのもやらせていただいておりますし、これまでも薬価の下支えなどもさせていただいておりますので、こういったものも全て踏まえた上で安定確保医薬品制度や特定重要物資制度、こういった制度も活用して医薬品の安定確保が図られる必要は我々もあるというふうに考えております。
御指摘ありがとうございます。
○清田座長 よろしいでしょうか。
どうぞ。
○藤川構成員 藤川ですけれども、今、三村先生の御指摘のとおりで、海外にいろいろなものが流出した背景は恐らく先生が後者とおっしゃっていたほうだと私も理解しております。
それで、今回のこの調査は一応現時点でのリスクを多分分析しているはずなのですが、三村先生がおっしゃったような背景も含めてもうちょっと突っ込んで見ていただければいいかなと思います。恐らくC以下についても同じようなことで、同じような状況になっていると思いますので、その辺を見ていただければいいなと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
松本哲哉先生からお手が挙がっているようです。
○松本構成員 御説明ありがとうございます。
今回、御提案いただいているサプライチェーンの状況や原薬の海外依存について調べていただいたことは、安定供給を進める上でとても大事なことだと思います。さらにβラクタム系抗菌薬については特定重要物資に指定していただいた上で国産化を進めていただきましたので、うまくいけば今年からβラクタム原薬の国産化が実現できる見通しが立つようになり非常にありがたく、感謝しております。
その一方で、カテゴリーAに入っている薬剤でもさらに国として対応していただきたい薬剤は残っております。例えばメロペネムはカルバペネムの中で国内で9割を占めておりますが、原薬の国内での製造は10%しかなく、残りは中国に依存しております。またバンコマイシンもカテゴリーAの薬剤ですが、抗MRSA薬の中で8割を占めているにもかかわらず、原薬は中国とハンガリーで100%製造しているという状況で、かなり海外依存度が高い薬剤です。メロペネムもバンコマイシンも国内での感染症の治療を考えると非常に重要な位置付けの抗菌薬です。
海外依存度が高い全ての薬剤を全て国産化できるようにして欲しいと言いたいわけではないのですが、メロペネムやバンコマイシンのようにこれからもし途絶したらかなり大きな影響がある薬剤については、今後新たに特定重要物資という形で国産化の方向で進めていただく必要があると思っておりますが、そのような基本方針でよろしいのでしょうか。
○清田座長 いかがでしょうか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘ありがとうございます。
確かに抗菌薬として指定しているもの、βラクタム抗菌薬の4製剤ですが、先生がおっしゃる抗菌薬の2製剤もそうですし、あるいは特にカテゴリーAに該当するものの安定供給というのは我々も非常に重要だと思っておりまして、ある程度優先順序をつけてやらせていただく必要もあるというのもありますので、今回御提案させていただいたとおり、まずは現時点におきましては国産化はこの4成分でやらせていただきまして、引き続き状況を注視するというふうに考えております。
また、国産化のお話もありましたが、国産化以外の取組も重要だと考えておりまして、資料の中で供給源の複数ソース化とかリスク管理マニュアル、こういったものをやらせていただくというふうに書いておりますので、できる取組からしっかりとやっていきたいと思っております。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○松本構成員 よろしくお願いいたします。
○清田座長 カテゴリーについては、これからもう一回見直しが始まりますよね。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 はい。では、併せまして少し状況を御説明させていただこうと思いまして、前回安定確保会議で安定確保医薬品の見直し作業を始めるという御説明をさせていただいておりました。日本医学会様にも御協力いただきまして、今月に各学会様に、実際の候補の医薬品の選定作業というものをお願いさせていただいたところでございます。
併せまして、日薬連様にも安定確保医薬品に係るサプライチェーンの調査の依頼をさせていただきまして今、一緒にサプライチェーンの調査をどういうふうに進めるかということを議論させていただいている状況ということになります。
それで、具体的には年度末から年度明けくらいになるかと思いますが、具体的な品目が集まってきたら早速松本委員らに御協力いただきまして具体的な選定と、あとはカテゴリー分類をワーキングのほうで御議論をお願いしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
○清田座長 状況としては、そういうところだそうです。
ほかに御意見をどうぞ。
○蛭田構成員 蛭田でございます。
今お話に出ましたダブルソース化でございますけれども、ダブルソース化を推進すると言われて10年たちますが、未だにカテゴリーAやBにダブルソース化が進んでいないものがあり、それに対して代替供給源の探索に対して経費を支援するということでございますけれども、複数ソース化が進まない別の要因としまして、製造販売承認書に製造所を登録しておくだけで製造販売業者として製造所の製造管理・品質管理の状況を確認しなければならず、PMDAの調査を5年に1度受ける必要もあり、承認書に記載しておくだけでコストがかかるという状況もあると思います。そういうことで複数の製造所を登録することをヘジテイトする企業もあるのかもしれません。
そのようなことも勘案して、例えば承認書の記載された製造所全てについて均一に調査をしなければならないのか、といった議論、または探索費用に加えて、製造販売承認書の製造所として維持するための費用の支援をするとか、そういったことも考慮いただければと思います。よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。
これはいかがですか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございます。
予算事業に対するコメント、あるいは制度に対するコメントをいただいたところで、御意見も踏まえまして今後の対応を検討したいと思います。
○清田座長 ほかに御意見ございますか。
どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。
今、御指摘があったのは非常に重要なところで、つまり厚生労働省がどこにどのような手間暇をかけるというのは、個々の企業にある程度コストがあまりかからないような形を考えていただくということが必要です。ここはある程度の報告だけでよろしい、ここはこうだというようなことをやっていかないと、ダブルソース化も含めてですけれども、なかなか進まないところがあろうかと思います。
以前、安定供給の会議で海外の肥料と供給の話をしました。農林水産省の予算の規模と、厚生労働省の予算の規模は全然金額が違うということもあって、そういうところはやはり議員の方々の力なのかなと思って唖然としたわけです。そういうところも含めて厚生労働省がいろんな関係団体、それから関係議員のところに資料を示して、こういうことになっていますよというからくりも含めてしっかりと教えていただくということが非常に重要かなと思うわけです。
実際にリンなどは中国に90%依存しているということで、2050年には化学肥料というものを30%以上削減するというような方針も含めて出しているわけです。
しかしながら、医薬品の場合には化学肥料のように使用量を30%下げていくというようなことはできないわけですから、そういう意味でサプライチェーンの問題というものはどのように考えていくのか。三村先生から先ほどありましたように、国産化をして国内回帰をしていくものは何なのか。先ほど松本先生がおっしゃったように、原材料はどのようなものがあるのか。そういうことをもっと細かく分析をして、しっかりと把握していくことが非常に重要かなと思います。それには各企業のいろんな御協力が必要だろうと思いますけれども、そういうものの分析がまだまだ弱いですよね。つまびらかになっていないというところがありますので、しっかりと厚生労働省としてはその調査をしていただきながらどのような方策が明確にできるのかということをまたこの会議で教えていただきたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
藤井さん、これはどこまで何ができるか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございます。
今回、特定重要物資の候補の探索ということに着目しておりますので、製造販売業者に対しましてリスク要因の認識の確認を行ったりというのもありますが、大きな部分としましては原産国の供給経路というのを中心で見ているというのが今回の状況でございます。
先ほどまでも議論があったとおり、この後、安定確保医薬品の見直しの中でサプライチェーンの調査も業界様に御協力いただいて進めることにしておりますので、確かにどういった分析をすべきなのか、そういった観点も含めて今まさに調査票を考えているところですので、検討させていただきたいと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。
どうぞ。
○原構成員 日本保険薬局協会の原でございます。
今回、サプライチェーンの調査というのは非常に重要なことだと思っていますが、ただ、これは今後どの頻度でやるのかなというのは疑問に思っています。何かが起きたときにメーカーさん側から自主的に報告があるのか、やはり棚卸しするみたいに調査するのかの判断が必要かと思っています。
それで、今回は座長もおっしゃるとおりワーキングで新しく見直しますので、結局全部見直すことになると思いますので、確認すればBの中でもA寄りのBだったものが、複数ソースだったものが実は1つになっているかもしれないし、そういうことが分かってくればやらなければいけないと思うんですけれども、それをどの頻度でやはりAとBに関してはやっていくかというのも考慮する必要があるのではないかと思っています。これは意見です。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
それは、後でもんでいただくことになりますか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 はい。資料にも書かせていただいていますが、先生御指摘のとおり不断に把握点検するというのは重要ですので、Aは21成分というのがありますが、B、Cまでいきますと500を超えますので、どういうやり方ができるのか、少し考えたいとは思っています。
○清田座長 よろしいでしょうか。
それでは、次に参考資料について御質問、御意見がございましたら、どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。
事前レクでいろいろと申し上げたら、それに対していろいろと修正していただいたようでありがとうございます。既に藤井室長から大体説明いただいて、またくどいと怒られてしまうと思うのですけれども、今回資料に関しては特定重要物資指定に向けての調査という形になっていますが、これまでの質疑の中でもたびたび出てきていますけれども、元は、これはやはり安定確保医薬品なんですよね。それで、安定確保医薬品に関してはこの検討会の中でつくられたものですけれども、薬機法改正で安定確保医薬品というものを盛り込むという形になりました。
ちょっと余計なことを申し上げますと、安定確保のマネジメントシステムや安定確保医薬品に関してはどの法律で書くんだと私が申したら、そのときの御担当の方が、まだ何も決まっていないというお答えだったのですが、もう次の日に厚生科学審議会のところで薬機法の説明をしているということで、どういう話の進め方をしているのかよく分からなかったです。
それは置いておいて、いずれにしても薬機法において安定確保医薬品を定める以上は、やはりこれまで以上に安定確保医薬品をどのように選定するのか。仮にその中にサプライチェーンのリスクが含まれるのであれば、サプライチェーンのリスクの評価はどのように行われるのかということを決めていかなければいけないはずです。
先ほど原委員から質問がありましたけれども、どのタイミングで安定確保医薬品を見直すのか、こういったことも恐らく法律で決めた以上はその下の通知か何かで決めていく必要もあるのだろうと思います。
そういうことを考えていくと、今後調査をする。この調査自体は非常に重要ですし、これからも調査しなければいけない。これは異論を挟むところは全くないわけですけれども、そういった上位概念をきちんと整理しないで何か調査だけやりましたということになると、製薬企業の方に対しても要らぬ負担を強いることになるし、厚労省自体の仕事のやり方としても非効率になってしまう。そういったところで、もう少し上位概念からこのサプライチェーンの調査の在り方、あるいは具体的にどのように行うのかということについて整理をしていったほうがいいのではないかと思います。
私のほうからは以上でございます。
○清田座長 ありがとうございます。
もっと具体的に、坂巻先生から何か上位概念の御提案があればおっしゃっていただければと思います。
○坂巻構成員 特にないんですけれども、少なくとも安定確保医薬品のワーキンググループが設置されてまだこれまで一回も開催されていないんですけれども、そういったところを具体的にまず検討すべきだったのではないかと思います。
○清田座長 この点に関しまして、藤井さんいかがですか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘のとおりで、確かにおっしゃるとおり、今回は特定重要物資の観点なのでAを調べて、安定確保医薬品はB、Cもあるよという御意見をいただいたところです。
それで、どちらの調査にもまたがったような議論のお話が今ありましたけれども、確かにAの調査もあるし、B、Cの調査もありますので、重複したり非効率にならないように、全体のサプライチェーンの調査をどう調べていくのかというのは御指摘のとおり整理する必要があるなと思っています。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 医薬産業振興・医療情報企画課長です。
法改正の話が少しございましたので、まだこれにつきましては私ども法案に向けて法制的な検討を進めている段階でございます。ちょっと今、薬機法に書くこと前提のような御指摘でございましたので、私どもは今これについては法制的な検討をしている段階でございます。薬機法に書くというものもあれば医療法に規定すべきものもあると思っておりまして、そうしたことを整理している段階だということは一応付言させていただきたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
平川先生からお手が挙がっていたようです。
○平川構成員 ありがとうございます。日精協の平川です。
ちょっとこれは現場の話で申し訳ないのですけれども、このたびキシロカインの注射が止まるということで大変現場は困っているのですが、これはリドカインで安定医薬品のCに指定されていると思うのですけれども、今回こういう指定を受けていてどんな動きをされているのか、具体的に教えていただきたいと思います。申し訳ないですが、ちょっとずれているかもしれませんが。
○清田座長 個別なものの御質問ですけれども、分かりますか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 リドカインは安定確保Cというお話がありましたが、確かに安定確保A、B、Cというのを見ておりますけれども、実際のところは、個別の医薬品の供給不安があったものは、もちろん安定確保医薬品であるかを問わず、個別で医療上の必要性も見て対応しております。
キシロカインはCということもありましたけれども、当然重要な医薬品だと認識していますので、これまで対応しておりまして、昨年末に実は増産というものをメーカーに要請をさせていただいております。
また、今平川委員からコメントもございましたが、医療機関のほうにもこういう状況ですので過剰な発注は控えていただきたいと、こういったような協力をさせていただいております。
それで、今お話ししたようなお話はほかの感染症対症療法薬とか、インフル薬のお話も先ほど参考資料の中で御説明させていただきましたけれども、こういった供給サイドと需要サイド、両面の対応をやらせていただいているというところになります。
今回、参考資料に実はつけていたのですけれども、緊急的に安定供給の確保が必要な医薬品に補助をするというような制度もございますので、こういったものも組み合わせつつ、必要な対応は今後も検討していきたいと思っております。
○平川構成員 全部同じような対応をされているのですけれども、実際にその効力があるのかどうか。今回も効力がなかったような感じがするので、その辺は見直しをするとか、やはり何とかしていただかないと現場は本当に困ってしまうので、双方云々という話がありますが、もう少し具体的に効力のある方法をもっとタイムリーに手当てをしていただければと思います。よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○豊見構成員 薬剤師会の豊見でございます。
参考資料の1つ目の「抗インフルエンザウイルス薬に係る取組」について発言させていただきたいと思います。
4ページ目で情報を発信されたということで御紹介がありましたけれども、こちらについては過剰な発注を抑制するためには非常に重要な情報ではないかと思いますので、しっかりと過剰な発注を抑制する協力依頼の際にも併せてお知らせいただくといいのではないかと思うのとともに、保有量の数値につきましてはポイントでお示しいただく以上に、この推移がどうなのかというところが過剰な発注の要因になってくるかと思いますので、そういった観点も含めてコメントいただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○原構成員 原でございます。
今、豊見先生からお話がありましたように、過剰な発注を控えるということは重要なのですけれども、今回に関してはなかなか異例な事態が起きておりまして、今回のインフル薬は今までと違う、今まで見たことのないくらい爆発的に加速していったのが医療の現場だったと思います。
まして、いきなり増えていくのが12月の末だったので、果たして発注量はどれくらいが正しいか分からない。慢性疾患ならば大体分かるのですけれども、今日10人だったものが次の週には20人になって、次の週には40人になっている。その中で年末を迎える。今回10連休とか世の中は騒いでいますけれども、一日も休まない薬局もあるし、一日も休まない医療機関もある中で卸さんは休んでしまったりしますので、それを責めるわけではないのですけれども、卸さんの納入もない。その中で多めに発注しなければいけないというときに、それが過剰なのかどうかというのは誰も判断できないくらいすごい量だった。この10年を見ても、こんな出方をしたことはない薬が出たというところで、慢性疾患ならば過剰だなと分かるのですが、これはなかなか分からないというところもあるので、その辺の判断は難しいなと思っています。
それで、お正月の休み明けも次に3連休が待っていて、また患者が増えるかもしれない。そのうちにコロナも流行ってきちゃって、ダブルキットもなくなってくる中でどうしようかというような状況での過剰な発注という定義は難しいのではないか、その判断は誰ができるのか。薬局側としては、それを言われるとつらいなと思います。
ピークアウトしてしまえば、これは過剰だったよねというのはよく分かるのですけれども、ピークアウトが見えない中では判断が厳しいですし、先ほど豊見先生がおっしゃったように日本全体がどうなっているかとか見えてくると、これはまだまだ増えているんだなとか、日本の需要では終わってきたのかなとか、もしかしたら推移を追うことによって分かるのかもしれないので、そういうことも検討すべきだなと私も思いました。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。
この資料も事前レクのときになかった資料で、私が指摘したから入れてくれたのか、ありがとうございます。
ちょっと具体的な話を申し上げますと、業界紙を読んだので正しいかどうか分からないですけれども、昨年の抗インフルエンザ薬の供給実績が約1500万人分で、今年度の備蓄は2500万人と業界紙に出ていたと思うのですが、かなり積んでいたんです。
ところが、先ほど来から話があるように今年度は非常に異常に流行が進んでいる。先日、あるテレビ番組で日本医大の北村先生と御一緒しまして、北村先生がおっしゃったのは、今シーズンはこのままのスピードでいくと2500万人から3000万人くらいになる。ということは、実際にそれが枯渇するリスクもあるのかなというくらいのスピードなんですけれども、一方で増産しなければいけないという指摘もいっぱい出てくるわけです。
ところが、実際に増産にどのくらいの時間がかかるか。東和さんも沢井さんも原薬はインドからというふうに公開されていますけれども、今日増産の意思決定をするとインドに対して発注をかけるわけです。どのくらい時間がかかるか、そこは私は存じ上げません。それで、日本に原薬が入ってきて、そこで受入れ検査をして、製剤化、品質検査、そして包装といくわけですけれども、幾つかの会社に聞いた話では、営業ベースで70日から80日くらいだそうです。つまり、今日増産の意思決定をして、それから物が出るのが4月下旬か、下手すると連休明け、その頃にはインフルエンザは下火になっているかもしれません。
こういう非常に需給バランスに大きな影響を与える病気に関して増産対応だとか、それから現場における需要の把握だとか、そういうことに対応できるか。無理ですよね。つまり、もっと予想した以上に在庫を積むとか、そういった対応が必要になってくると思うんです。
ちょうど今カナダが医薬品供給不足についてガイドラインの見直しを行っています。パブリックコメントを募集しているということで、私も情報を収集していますけれども、その中に具体的に記載されているのは、とにかく在庫を多めに持っておきなさい。在庫を多めに持つということは非常に大変なわけです。企業にとってみると、そのための負担が生じます。ですから、場合によっては先ほどの話にありましたけれども、そのための費用についての支援をどうするのか。あるいは、出荷した後の使用期限の延長について迅速に規制当局が対応する。こういったことも具体的に書かれています。
恐らく、今回かなり企業も多めに在庫を持っていたと思うのですけれども、それでも足りなくなることもあり得るわけですし、キシロカインなどは恐らくそうだと思います。あらかじめ多めに在庫を持つことができるような仕組みをどうつくるのか。そういった議論をしていかないと、恐らくこれから先もますます供給不足は継続すると思います。ちょうどこのインフルエンザについては非常にいい事例だと思いますし、ぜひそういった議論をこれからこの会議でしていただきたいと思っています。
以上です。
○清田座長 どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。
今、坂巻委員からすごく重要な御示唆をいただいたと思います。つまり、在庫の量というのは非常に重要で、今回のインフルエンザの流行による供給不足に関してはいろいろな要因があったわけです。それで、実際には感染者のカーブが急峻であったということは御指摘のとおりであります。そして、家族内感染が多かったこと、それから、施設でもある程度伝播していたという状況がありました。そういうことで、一どきに同じ地域で多くの需要量が増えたということが非常に多かった。
それからもう一つは、受験期なので予防投与も含めて家族が飲みたいということで投与しなければいけなかった。このため、カーブが急峻だったことも含めて非常に大きな薬のボリュームが必要になったということなんですね。
ですから、今、言ったように増産をかけても間に合わないという状況は十分あるということになれば、安定供給ということを考えた場合にはどのような在庫量を持つかということが非常に重要になってくる。
ところが、もう一つは供給不足の理由の一つに、先発品から後発品に置き換わる際の総量の減少があるという事実がある。これは調べてみれば分かるわけですけれども、後発品に置き換わる際に全体の需要に対する供給量を十分確保していれば、本来からすると供給不足は起こらない。在庫をどのくらい積み上げるか。総量に対する補償をどれだけ与えられるかということが重要なのです。
しかしながら、先発企業においては後発品に置き換わる際にこれらの要因を十分に配慮しているのかどうか。先発企業から後発企業に置き換わるときに、その在庫の分はどのようにバランスが取れるのかということも国としては、厚労省としてはある程度把握していかないと、これからも同じようなことが起こってくる。
だから、後発品に対して幾ら増産をかけてもそこで追いつかない。先発品が急に途絶してストップしてしまうというと、総量が全体に減っている。これは、資料を調べてみればすぐ分かることです。その辺りのところの配慮が十分でないというところがあって、その中で今回のようなオセルタミビルみたいなことが起こった。
しかしながら、世界のオセルタミビルの需要の中の75%を日本で占めているという医療の現場があります。私も処方にあたって落ち着いてくださいというふうなメッセージを出したのですが、そういうような特性がある。臨床上の特性のある薬剤に関してはある程度いろいろな配慮をしていかなければいけないということがあるので、国としては先発品から後発品に置き換わった際に総量が減少している事実を見てどのような在庫数というか、そういうものを国全体として押さえていかなければいけないのかという調整も含めて考えていただきたい。
それから、坂巻先生がおっしゃったように、どのように在庫量というものがあったときにそれに対する保証というか、そういうものを許してあげられるような仕組みをつくるのかどうか。そういうことも含めて、ある程度安定確保という形の中では大きな視野で物を見ていかなければいけないということなのだろうと思っています。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
インフルエンザに話がいってしまいまして、今回は割と特殊な状況だったと思いますけれども、これに関してはどうお考えですか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘ありがとうございます。
いろいろな議論があったと思いまして、参考資料4のほうの議論に移りまして4ページ目のところです。おっしゃるとおり、坂巻委員からコメントをいただいて資料を追加しておりまして、議論用に資料を追加したものでございます。抗インフル薬の供給量や在庫量、こういったものはこれまでも公表していたところですけれども、昨今の状況を踏まえまして一つの取組として頻度を上げて毎週出させていただいておりまして、本日も出すというのが一つ御紹介したい点でございます。
加えまして、左のところですけれども、Xで発信しております。やはり実際の供給量の見積もりが難しかったというのがあるかと思っていますので、こうした発信は我々も強化したいと思っていまして、一つ見せ方を変えたのが右下のところになります。これまで毎月のデータをお示ししておりましたが、このような形で毎週の供給量と、一番右に実際に想定されるインフルの患者数ですね。こういったものも見比べていただきまして、患者数以上の出荷が年末から年始にかけて起こっているというのはこういうのを見ていだくと分かるかなと思います。ですから、こういった発信は我々も必要だなと思っているところでございます。
また、在庫の話とかリードタイムのお話がありますが、これは全く我々も同じ意見でして、抗インフル薬に限らず、増産を要請しても、平川委員からも御意見がありましたけれども、リードタイムというのは必ずしもありますから、すぐにそれで問題が解決するというわけではありませんので、抗インフル薬の資料にも書かせていただいたとおり、医療関係者の協力というのは必須でございます。
そういう意味で、適正使用のお願いをさせていただいたというのと、坂巻委員、宮川委員から在庫のお話がありました。これもおっしゃるとおりで、供給サイドでできることとしてとはやはり在庫が重要かと思っております。
それで、一つ取組を御紹介させていただきますと、坂巻委員にも御協力いただいておりまして、リスク管理のマニュアルというものを今、検討しているところで、また相談しながら内容は進めさせていただきたいと思いますが、例えば在庫に触れるとか、そういったものもあるかと思っていますので、ぜひそちらのほうも活用して議論を進めていきたいと思っているところでございます。
○清田座長 よろしいですか。
どうぞ。
○宮川構成員 宮川ですが、先ほど申し上げたとおり先発から後発に切り替わったときの総量が必ず落ちている。今までの歴史的なものを全部私は見て回ったのです。先発から後発に置き換わったときの国の中での薬の総量というのは絶対減っているので、それがないようにしていただかないとやはり全体としては供給不足が起こってくるというところがあるので、そこはしっかりと事務局が把握していただきたいと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 業界とも少しお話をさせていただきまして、対応を検討したいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。
私がコントラバーシャルな言い方をしたところを宮川先生は物すごく冷静に話を一般化していただいて大変感謝しておりますけれども、まさにそのとおりで、特にバイオ医薬品などはそうなのですが、参入する会社数が少なくて、国が例えば80%という目標を出したとしても、到底そんな量を供給できるような状況ではないんです。そうすると、そもそもこれからのジェネリック医薬品の使用促進とかの目標値だって見直さなければいけないという話になってしまいますし、いわゆる供給力、供給量というところは非常に重要なキーワードだと思いますので、そこをぜひ調査をしていただきたいと思います。
ちょっと余計なことを1つだけ言いますと、やはりリードタイムがあるので、処方箋情報か電子処方箋情報をリアルタイムでデータを把握したところで、それが供給不足につながることは全くないということだけ申し上げておきたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
それでは、次もありますので、次も絡めて御議論をということで資料2に進ませていただきたいと思います。日本製薬団体連合会の平澤先生、よろしくお願いいたします。
○梶山構成員 お時間をいただきましてありがとうございます。日薬連より御説明申し上げます。
まず、前回の関係者会議では自主点検の実施の速報値として3,796品目が相違であったということにつきまして御報告させていただきました。これだけ多くの相違が判明したのは今回の点検におきまして、1つには品質問題が関係する供給不安の発生を防ぐということを目的に、過去の点検では未実施であった試験方法に関する点検を実施したこと、製造試験現場担当者へのヒアリングも実施したこと、統一した点検手順を示した上でLine By Lineによる点検を徹底したこと、または実施期間中の継続したQ&A対応や説明会を実施し、相違の有無判断につきまして自己解釈で相違なしとしないことなどを徹底したことも影響したと考えております。
この相違件数につきましては、前回3回目の一斉点検でありながらこの件数の多さはいかがなものなのか。軽微ならばそれでよいとの考えがあるのではないか。技術力の低下があるのではないか。発生した内容だけでなく、その原因、要因分析をしっかりと行い、再発しない対応を徹底してほしい。そして、これらの解消なくしては安心して処方調剤することはできないとの御意見をいただいたところでございます。
まず私どもが前回、軽微と申し上げたことについてですが、処方調剤いただき、患者さんに服薬いただく上で問題となる内容の相違報告ではなかったという点につきましてお伝えしたかったところでございますが、軽微だからよいとの意味ではなかったというところでございます。私どものいたしました表現が軽率でありましたことを反省し、まずもっておわび申し上げたいと思います。
日薬連として、今回の点検のゴールは該当する相違の解消だけではなく、主だった要因を掘り下げ、相違を発生させない手順を確立させることと考えております。この2か月間におきまして厚労省、PMDAにも御協力を仰ぎながら、今回の自主点検実施企業に対して詳細なアンケート調査を実施いたしました。そのことから、どのような背景から相違が発生したのか、今後発生させないためには何が必要となるのかにつきまして分析と検討を行ってきた次第でございます。
本日は、その内容につきまして自主点検プロジェクトのリーダーであります平澤より御説明させていただきます。
○平澤参考人 自主点検プロジェクトの平澤でございます。
2ページを御覧ください。
繰り返しになりますが、今回の「自主点検の経緯」となります。昨今、発生が続きます後発医薬品製造販売業者に対する行政処分を受けて、2024年4月、厚生労働省から後発医薬品製造販売業者に対する自主点検の実施が求められました。日薬連としましては、全ての対象事業者・品目で自主点検を完了するよう相談窓口の設置、事業者に対する説明会を行い、自主点検の推進活動を実施してまいりました。
この結果に関しましては、前回この会議の中で速報を公表したところでございます。
今後さらなる相違の詳細分析を行い、結果を公表すること、行政とともに連携し、必要な対応を検討するとしていたところでございました。
次ページをお願いいたします。
本資料は、前回の抜粋になります。今回の概要です。対象は全ての後発医薬品、承認書の実態を手順書とLine By Lineで比較しました。さらに、隠れた相違を検出するために作業者のヒアリングの実施を指示しております。加えて、実施期間中の可視化及び点検とともに承認書の安定したメンテナンスのための体制づくりを進めてまいりました。
次ページをお願いいたします。
前回、速報でお伝えしましたとおり、先ほど梶山委員長からもありましたが、172社の自主点検は終了いたしました。そして、品質有効性、安全性に懸念があり、回収の可能性があるか否かという観点で重大な相違とするものはゼロであったと申し上げましたが、43%の品目で相違報告があったことにつきましては厳しく御指摘をいただき、団体としてもこの解消と再発防止は継続すべき最重要課題であると考え、行政とも連携し、調査分析、対策案の検討を続けてまいりましたところでございます。
次ページをお願いいたします。
こちらも、前回の資料です。私どもはここで代表的な事例を挙げ、今回の調査は非常に詳細にわたった微細な差異も承認書の相違としたため、品目数が増加したということを発表させていただきましたが、皆様からは厳しい御指摘を受けたところでございます。
今後、相違の程度との感覚が続けば大きな問題につながるというリスクもあるがゆえに、相違があるものを漏らさずに原因を集計、要因を分析した上で各企業における対策につなげることが大切であると考えました。
我々日薬連としては今回、前回に対して詳細な調査を行いました。小規模業者2社を除くほぼ全社から回答を得ました。今回は、その調査のサマリーを御報告させていただきたいと思っております。
次ページをお願いいたします。
まず今回の相違の分析です。皆様御存じのとおり、承認書の記載内容というのは実際の製造方法、試験方法の全てを記載するものではなく、重要部分であるそのエッセンス、サマリーを余すことなく記載するものでございます。各社から報告された相違事案の分析を行った結果、我々は承認書と手順書の相違は以下の(1)(2)の観点で相違が分類できると考えました。すなわち、製造方法、試験方法の相違に共通する観点としては➀承認書、関連文書との間で矛盾がある事例、異なる操作等の記載がある事例としてこれを表記の不一致とさせていただきました。
一方、➁では承認書と手順書の間に矛盾はないが、承認書の記載を超えた内容が手順書に記載されている、あるいは承認書の記載に省略された内容が手順書に記載されていた事例として追加・省略という項目にしました。
➂として、承認書と手順書は一致しているが、個々の操作において文書化されていない微調整作業がある。この事例を「口頭伝承等」といたしました。
➃に関しましては、転記ミスでございます。
また、「(2)試験方法の相違に特有な観点」といたしまして、試験方法そのものではなく、これに使用する試薬が公定書に規定された規格を適合しているかどうか確認できない事例として、「試薬の適合性の未確認」を設定し、各社の相違分類を行ったところでございます。
なお、相違の考え方の事務連が厚労省から自主点検の完了期限の直前に出ましたことから、一部報告案件への反映が間に合わず、再提出したいという要望があり、再度これを踏まえまして全社で相違事案を整理し、再報告を受けた結果、相違事案は前回報告の3,796から3,281件に変更になっていることをお伝えいたします。
次ページをお願いいたします。
今回の分類別件数をまとめたものになります。1品目で複数の相違分類が該当する事案もございますため、割合を足しても100%にならないことを御了解ください。各分類での相違件数をここに示したものとなりました。私どもは承認書の追加削除が最も多いと想定しておりましたが、表記の不一致が予想外に多く、今回提出された相違には深刻なものが含まれているのではないかという懸念もございました。
また、試験方法における試薬の適合性の未確認もQ&Aで多くのコメントがあり、これも多い傾向を示しました。
我々は、口頭伝承等はゼロに近いものと考えておりましたが、件数は少ないものの、数%あるという結果となってしまいました。
次ページをお願いいたします。
ここからは、相違分類の事例とその要因を記載してまいります。
まず表現の不一致につきまして、各社からその相違事例が出されました。ここの中で私どもが懸念していましたような承認書と手順書の製造手順が根本原理から違うといった致命的な欠陥事例はほとんどなく、ここで事例として紹介いたしましたように承認書の手順書でパラメーター値が違う、品質試験の操作が承認書と手順書で異なるところがあるといった非常に詳細な手順の乖離状態がほとんどでございました。
さらに、主な要因としましては、製造方法等の変更時における承認書記載整備の失念、製造販売業者・製造業者間で、あるいは社内部署間、例えば承認を得るときの開発部署とこれを維持する製造部門、この間での情報の伝達不足などが挙げられました。こうした事例の対応策は、後ほど示しますマネジメントシステム構築の重要性を示唆しております。
さらに「承認書からの追加・省略事例」ですが、これも製造試験において根本原理や製造の大きな手順の違いを示すものではなく、承認書にない手順が手順書に存在する、あるいは承認書にある手順が手順書に存在しないなどがございました。この主な要因としましては、差異には気づいていたが、GMPに従い適切に運用していれば承認書への記載は不要であり、相違は該当すると考えていなかったや、確認体制が不十分で詳細な確認がされていなかったなどが挙げられました。
また、昨今、行政より、承認書のエッセンス部分にこれまで以上に詳細な記載を求められる傾向に対して、承認を取得した年代により承認書に求められる記載の粒度が異なることがあるため、承認書間の記載内容にギャップが生じていることといったコメントも多く見られたところです。本件は、行政と業界の連携の必要性を示唆しております。
加えて、やはり本件におきましても社内情報共有不足等で薬事手続が適切に行われなかったや、GMPや薬事に関する教育が不十分で差異の重要性が理解できていなかったといったコメントがあり、これも後述いたしますマネジメント構築の中、コンプライアンス強化としての教育、人材確保、ガバナンス強化といった部分の重要性が挙げられました。
次ページをお願いいたします。
少数ではありますが、「口頭伝承の事例」でございます。製造方法の変更、原料を篩過する網目の口径が違っていたが現場のみで管理されていたや、品質試験において操作が異なる、例えば「30分」のところが「翌日」といったところですね。こういったものがありました。
今回の調査前におきまして、私どもは手順書と大幅に逸脱した問題のある製造実態、試験実態というものがないかを懸念し、直接作業者へのヒアリングの実施を指示したわけでございますが、いわゆる承認されていない手順や不文律化した誤った試験方法を繰り返すといった悪質な事例は確認されず、今回検出されたものは詳細な手順試験方法の承認書またはGMP文書への反映が適切に行われていないケースでございました。
今回、これらの相違につきまして報告があったこともまた昨今の品質問題を受けて各社がいわゆる品質文化、クオリティーカルチャーの醸成を進め、手順のない製造、試験方法の行えない風土が強く醸成されてきている表れだと私どもは考えておりますが、口頭伝承は何かのアクシデントに伴って伝わらなかったり、誤って伝わるリスクもあり、非常に深刻な問題であると思います。こうした事例を含め、手順書をしっかり整備することで相違を解消するように進めてまいります。
また、(4)の転記のミスに関しましては、その要因として確認体制の不十分や記載された製造方法・試験方法に関する理解不足などが挙げられました。これらの詳細な手順の反映、手順を正確に理解することも品質文化の大切な要素であり、私ども団体としましてもこの解消に向けた対応を進めてまいりたいと考えております。
次ページを御覧ください。
「(5)試薬の適合性の未確認事例」としましては、公定書規格の試薬が販売されていない、公定書規格に規定されているJIS規格が実は廃止されている、海外製造所で試薬が入手できないなどの事例がありました。
要因としては、公定書試薬・試液規格の更新が試薬の流通実態に合わせて行われていないということが挙げられました。本件は、今後の行政との協議の中で対応してまいりたいと考えております。
また、「(6)その他の事例」に関しましては記載したような内容でございました。
次ページをお願いいたします。
今回の調査結果を受けて、日薬連としての対応になります。
「➀適宜適切な薬事手続きや、関連文書の更新が行われていない」。これはこの後出てまいりますが、いわゆる変更時、相違発見時の対応の手順化が十分ではなかった事例だと思います。今後も、この対応についてモニタリングをしてまいります。
「➁企業内の部署間、製造販売業者・製造業者間の情報共有の不備」に関しては、いわゆる承認書の内容の変更といった製造販売業者として適切な対応を行うため、必須の条件が適切に共有されていなかったことが、相違が生じた要因と考えられます。業界団体としては、社内はもとより委受託関係先もしっかりと意識して必要な関係者に必要な情報を提供するため、適切な手順をもって手順書を反映させる対応を求めてまいります。
「➂相違の検出体制の不備」でございます。確認体制が不十分であったことから見つけられなかったという事例がありました。業界としては、今回実施に当たって私どもが整理しましたLine By Lineを点検に準拠した点検項目の標準化や手順化を進めてまいりたいと考えております。
次ページをお願いいたします。
ここが非常に重要なポイントでありますが、「人員の教育・確保が不十分」だという部分であります。人員の教育・確保が不十分であることが、承認書の相違や転記ミスを生じたと考えられる事例がありました。私ども業界団体としては各社においてコンプライアンス教育、これはいわゆるGMP教育も含むわけですが、また薬事の承認書の教育も含まれます。こういったことを含んだガバナンス体制を充実させること、これをもって対応を求めてまいります。今後とも、こういった対応を進めていきたいと考えております。
「➄行政との連携の強化」です。相違の考え方が今回の自主点検に当たって厚労省から示されましたが、さらなる明確化が必要と考えます。
承認書に記載すべき事項と、GMPに従い適切に運用されれば記載しなくてもよい事項との線引きが明確でないことが要因になり、薬事手続の未実施等が生じておりました。業界団体として行政と意見交換することを通じ、承認書の記載範囲がより明確となりますよう協力させていただきたいと考えております。
また、公定書規格に関する試薬の流通に関しても連携を強化してまいります。
「➅業界団体としての関与の強化」です。今まで申し上げたとおり、実施すべき、またはモニタリングすべき内容を実施し、承認書の整合性が安定して保持できるよう、体制づくりを推進してまいりたいと考えております。
次ページをお願いいたします。
ここに示しました対策6策は、4月の自主点検実施時、ウェブ説明会及び今回のアンケートにおきましてもこの6策の重要性を各製造販売業者に伝えております。ここに示しましたものの重要性が今回のアンケートの中でも明らかになりました。この対応を今後も進めてまいりたいと考えております。
14ページを御確認ください。
行政との対応の強化となります。相違の考え方に関しましては、この調査の後もさらに行政と協議を続けておりまして、1月20日には相違の考え方事務連の改正を発出していただくことになりました。今後も承認書に記載すべき事項に関する検討を行政の皆様と協議し、各社があるべき承認書記載に到達できるよう、業界団体として引き続き努力してまいりたいと思っております。
最後になります。今回検出いたしました相違に関しましては、引き続き業界団体としてフォローしてまいり、全社の相違解消に向けて鋭意努力をしてまいります。
本日の発表は以上となります。御清聴ありがとうございました。
○清田座長 ありがとうございました。
いろいろな問題点を解析していただいて、今後の対策に役立てていただけそうなデータでした。
では、どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。
小さなミスの裏に大きなミスが隠れている。ハインリッヒの法則と言うんです。医療現場ではヒヤリハットということで、調査結果を見て、言葉の使い方に気をつけなければいけないですね。微細なと言うと怒られてしまうのでしょうか。今は言葉の使い方が悪くて芸能界追放などということも起きてしまうので、使い方は気をつけたほうがいいですけれども、正直言ってやや感情的な反応、4割もという見方もできるのではないかと考えてきた部分があります。今日は、精緻な分析をしていただきましてありがとうございます。
ただ、やはりここまで手順書や、あるいは承認書に書き込まなければいけないのかというか、逆にここまで規定できるものなのか。曖昧な部分が結構多かったんだろうと思います。そこで今回の企業の調査の中でも、これも言い方は悪いですけれども、取りあえず報告はしておこうということもあったろうし、あるいは恐らくかなりの問合せもきっとあったのだろうと思います。
ちょっと話はそれますけれども、日薬連が毎月出荷状況の調査をしているわけですが、2023年の6月からでしたか、限定出荷の原因が調査項目に含まれていますよね。それを見ていると、品質製造問題というのが数百品目あって全く減っていないわけです。何で減っていないんだと、ずっと見てきたわけですけれども、例えば1つは薬価が低いから手順書にそんなに手間をかけるのは大変なんだという論文を書いたこともあるのですけれども、恐らく今回の調査を見るとあまりにも手順書そのものが曖昧であったり、それからジェネリック医薬品はもう承認されて時間がたっていて、そんなものと言うのも問題発言ですね。対応するのが非常に困難であるようなものまで含まれていて、結局手順書やその承認書の在り方自体問題があって、その結果として製造トラブルに陥って、そのままずっと限定出荷が続いているというものが結構ある。
つまり、今の手順書や承認書の在り方自体に問題はないのか。そういった観点でこの調査結果をもう一回見直す必要があるのだろう。今回それの見直しをしていただいたわけですけれども、繰り返し言いますが、確かにこれから企業がクオリティーカルチャーを醸成する。そのために人材の育成も必要だ。この取組は引き続き継続してぜひやっていただきたいと思う。
だけれども、本当に今回の目的は安定確保や信頼確保だったわけですが、安定確保ということを考えることにおいて一番今回の調査で我々が次のステップとしてやらなければいけないことは何かというと、やはり手順書やその承認書の在り方の見直しですよ。それはこの資料の中でも規制当局とのコミュニケーションを強化してということは書いてあるんだけれども、私はもう一度厚労省側に、隣に審査管理課がいらっしゃっていますけれども、審査管理課が所管だと思いますが、いつまでにこのジェネリック医薬品の手順書や承認書の在り方を見直すのか。そのスケジュール感をむしろはっきりと示していただくべきだと私は思っています。
今日は企業の方にはお疲れさまと言うだけですけれども、本当の目的として安定確保や信頼確保ということであれば、まずそこを考え直すべきだと私は思います。
○清田座長 ありがとうございます。
それでは、厚労省から。
○宮坂医薬品審査管理課課長補佐 医薬品審査管理課でございます。御質問ありがとうございます。
今、坂巻先生からいただいた、品質確保の観点から承認書で規定すべき事項と、あるいは承認書ではなく現場で管理すべき内容、手順書で管理すべき内容を整理するということは重要と考えておりまして、この整理については以前から業界と様々な場を通じて議論、検討を進めているところでございます。
ただ、いつまでに何をするか、整理すべきかという宿題については、今この場でそのお答えはできないのですが、鋭意進めていくというところでございます。
また、この一助として、昨年の9月に製造方法の記載方法及び変更手続について基本的な考え方の取りまとめ案の通知をしているところでございます。いわゆる0210通知というものがあるのですけれども、それの改定をしているというところです。
今後も業界と連携しながら、よりよい承認書の在り方について議論を進めるとともに、また現場でもきちんと浸透するよう、周知の方策についても併せて検討してまいりたいと思います。
以上です。
○清田座長 坂巻先生、よろしいでしょうか。
では、どうぞ。
○蛭田構成員 熊本保健科学大学の蛭田でございます。
今の坂巻先生のお話、また宮坂補佐のお話に関連してですけれども、私も少し違和感を感じているのが承認事項と差異があったが、品質への影響が全くなかった製品が三千品目以上あったということですね。承認書に何が記載されるかというと、基本的には品質への影響が想定されるパラメーターについて品質を担保するために、その許容範囲を定めるのが承認事項だと思います。その観点から見ると、本来承認書に定めるべきではないようなことが実際に記載されているのではないかと考えられると思います。
それで、1つはご説明のございました制度の問題、承認書の書きこむレベルについては見直されているということですので、その検討の結果を期待しているところではございますけれども、もう一つは運用の問題があるのかなと思っています。
先ほど日薬連からの発表の中でも触れられていましたけれども、審査の段階で承認事項を見て審査の方が審査するわけですが、結局審査をされる方がそのプロセスを理解するために承認書に細かいことを記載させて、それがそのまま承認事項になってしまう。すなわち、品質に影響するパラメーターを書くのではなくて、もうそのプロセスを理解するための全てのパラメーターが書かれているような承認書になっているのではないかと、思っているわけです。ですので、制度を見直すことと併せて、運用が適切かどうかということもぜひ見直していただければと思っております。
以上です。
○清田座長 一條さん、どうぞ。
○一條構成員 医薬品卸連合会の一條でございます。
この内容を見せていただきますと、ジェネリックを80%に伸ばしていく。急激な伸長をしていって、今のところ選定療養になりまして、大変多くジェネリックのほうに流れております。長期収載品から選定療養でジェネリック、そういうものが大変今多く出て、出荷調整その他というものが多くなっています。物がない上に選定療養でそれに拍車がかかっているという形です。
それで、我々は毎日出荷調整をやっているのですけれども、その中でこれを見ていきますと、莫大にジェネリックが出ていくときの速度に今、蛭田さんがおっしゃったとおり現場の運用がついていけなかったのではないか。そこまでのレベルじゃなかったのに増え過ぎたので教育、それから情報のところが大変遅れてしまったのかな、バランスが悪くなったのではないかと考えております。
ですので、このアンケートをまた定期的に取って、これに対してのフィードバックと、それをオープンにして、これで教育をするときにどういうふうな教育をしていったらいいのかということを皆さんで考えて、国もはじめ、厚生労働省も、それから日薬連も考えていただいて、教育をしてレベルを上げていかないと多分これはずっと続いていくだろうと思います。
では、教育はどうやってするのかというのが大変難しいところで、多分ジェネリック協会としても考えているのですが、今のところはぱんぱんで人の手配ができないという形も聞いておりますので、ぜひ教育をどうやっていくか。現場のレベルを上げていく。この供給量に合わせて現場のレベルを上げていくということは大変だと思います。すぐにできるとは思いませんが、きっちりやってこのアンケートを続けていただいて、それをオープン化していく。そうすると、多分これは教育になると思いますので、ぜひ続けていってほしい。
具体的にいつ、どこでやるんだというものも公表してほしいと思います。1回やったら終わりではなくて、毎年やっていくとか、そういうことをしていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。
当然、1回で終わりではないですよね。
○平澤参考人 もちろんです。まずは今回の相違の部分を解消するということを確認してまいります。
○清田座長 ですから、このパーセンテージが低くなるわけですよね。
○平澤参考人 そして、その上でシステムとして各6策ということをお伝えしておりますが、これがしっかりと運用されていくことをこの後も追っていくということになるかと思います。
○清田座長 ウェブのほうで松本先生と平川先生がずっと前から手を挙げているものですから、先に松本先生どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。
いろいろこの点に関してはマスコミでも取り上げられましたし、大きなインパクトがありましたので、改めて確認させていただきたいのですけれども、基本的にいわゆる手順書と違うつくり方をしたとしても、明らかに質に影響を与えることはなかったということは確認できているのでしょうか。
○清田座長 どうぞ。
○平澤参考人 相違があったということをもって品質に影響を大きく与えるものはなかったという報告を受けているという言い方にさせていただきます。
○清田座長 その証明はできていないわけですね。そういうことです。
○松本構成員 ということは、そこまでの確認はされていないということですね。了解しました。
○清田座長 そうですね。それでいいんですよね。
○平澤参考人 いえ、どういう表現がよろしいでしょうか。
○清田座長 そのジャッジメントをアンケートの中で会社のほうからジャッジしてよこしたということですよね。
○平澤参考人 はい。あとは、相違案件があったものについて、これが品質に与える影響については相違案件が大きなものについては確認をしていただいていますし、それをもって品質に大きな影響がないというところは確認しているということになります。
○清田座長 でも、相違が大きいものはなかったんですよね。ゼロですよね。
○平澤参考人 今回は、回収の可能性があるようなものはなかったというふうに理解しております。
○清田座長 だそうです。よろしいでしょうか。
○松本構成員 回収までいくようなものが出てくると、それは大ごとだと思うのですけれども、何らかの影響はあり得たという解釈でよろしいのでしょうか。全く同じものができるわけはないのだろうと思いますので。
○清田座長 別のものが出来上がったということはないですよね。
○平澤参考人 別のものが出来上がったというものはないです。適切にGMPをもって運用してつくっているものというふうに御理解ください。
○松本構成員 了解しました。失礼します。
○坂巻構成員 蛭田先生のほうがいいかもしれませんが、一応私も大学は製剤学だったのですけれども、品質的な同等性というか、溶け方とか、そういった製剤学的な品質特性において統計学的に有意差がないわけです。それをもって全く同じものなんてもちろん統計学的にはあり得ないわけだけれども、ではそれが臨床に影響を与えるかというと、まずは与えないし、もしそこまで要求されるのであれば今までの薬事承認の在り方を実は根本的に変えなければいけないわけです。そういったふうに理解していただくほうがいいと思いますけれども。
○清田座長 それでよろしいでしょうか。
それでは、次に平川先生、ずっと前から手を挙げてくださっていますので。
○平川構成員 ありがとうございます。平川です。
私は現場でジェネリックも長期収載品も変わらないからということで患者さんに説明をして、最近自己負担もあるのでかなり厳しく、なるべくジェネリックを使うようにということを臨床の現場ではやっておりますが、このまま患者さんに見せて1万5000くらいある医薬品の中で3,300は問題があったということだと20%ですから、かなりの頻度で問題があったということになってしまいます。
ただ、一方で、有効成分はそのまま原末を買ってそれを製剤といいますか、丸めて薬を作っていく過程となると、逆に品質といいますか、原末自体の効果は変わらないわけですから、品質は変わらないという表現になってくるかと思うのですが、このままエンドユーザーの患者さんたちに出すと、そんな薬は飲みたくないということになりかねないと思うのですが、製造されている皆さんは単なる製剤業務だけをしているので大したことはないと、口約束だけで話を進めればいいんだという認識を持っている文化があるのかというのがちょっと心配なのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
○平澤参考人 平澤でございます。
そういったことは全くございません。製薬を作るということは非常に倫理観を持ってやっております。私は製造の立場、品質保証の立場の人間でありますが、今回は承認書との齟齬があったということであって、品質の悪いものを作っていてよしとしているという意味では全くございません。
今回は承認書との相違があったけれども、品質としてちゃんとしたものを出しております。また、製剤というのは原薬を丸めて作るというものではなく、製剤特性というものをもってそれぞれの特性の合ったものを作って出しております。そして、それは必ず試験をし、必ず調査をし、その作り方の照査もして出しております。そういった物づくりというところに関して悪いものがあったということをお伝えしたいのではなく、こういった承認書とのずれがあったが、それは大きな問題を起こさない。
ただ、微細という言い方は前回間違っておりました。これをしっかりと直して我々は作り続けますということをお伝えしているというふうに御理解いただければと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。そう御理解いただければと思います。
川上先生、お手が挙がっていました。
○川上構成員 ウェブからです。どうもありがとうございます。
前回ヒアリングの際に自分から、こういった相違があることの原因や背景をきちんと調査しないと再発防止や今後の対策につながらないのではないかと申し上げました。今回、それを実際に御報告いただきまして、どうもありがとうございます。その上で、3点申し上げたいと思います。
まず1点は行政との連携についてです。例えば8ページ目の下から4つ目の矢じりのところ、「承認を取得した年代により、承認書に求められる記載の粒度が異なることがあるため、承認書間で記載内容にギャップが生じていること」のところで、少しおっしゃっていましたけれども、もし例えば、規制当局から何か過度に様々な内容の記載が承認書等に求められているとか、行政の規制と現場の実態が仮に合っていないことがあるのであれば、今回は「行政との連携」という表現は使われましたけれども、規制当局と業界団体とでよく対話していただいて、実際の運用ルール等が現実に合ったものを作っていくことは重要かと思います。
ただし、このことを指摘されるタイミングが1回、周回遅れだと思うのです。昨年4月に「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」が取りまとめを出しています。例えばですけれども、全ジェネリック医薬品の自主点検をやって、相違がこれだけ見つかったから言い訳のようにそれを言われても、やはり何かおかしいようにしか聞こえない。できれば、相違が見つかる前に、本当に苦労しているのだったら業界団体側からそういった内容をもっと報告書に反映していくとか、先に手を打つべきだったのではないかと思いました。
それから、2つ目が口頭伝承です。承認書にある手順が手順書に存在しないとか、承認書にない手順が手順書にあるということもそれに似ていると思います。特に口頭伝承においては、実際にどういうことが実施されたのか、実施したことが正しいのか、あるいは正しくないのかを、判断のしようがないと思うのです。そのためには、製造に関する記録をどこまで丁寧につけられているのかが重要かと思います。
例えば医療であれば、医師は患者さんを診たら診療録を書くとか、薬剤師も患者さんを指導したら薬剤管理指導の記録を書くなど、自分達が行った医療が適切であったかということを唯一証明してくれるのが記録なんですよね。
それと同様に、製造のプロセスにおいても人が関わっているのであれば、どういう製造をしたのかという記録をきちんと作っておき、今後はそういった記録を管理したり、時々調査することも重要かと思って伺いました。
3点目は、想定される要因をいろいろ挙げておられます。その背景として少量多品種であったり、ジェネリックの急激な大量生産等があるということは理解するのですが、要因の内容そのものにはジェネリック特有のものではなくて、長期収載品や局方品でも起こり得るかとも思うのです。
ジェネリック医薬品を製造されている全社で相違がないことを目標にされるということですけれども、全ての医薬品において相違がないことを日薬連としての目標にしていただきたいことを3点目に申し上げたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
これはよろしいでしょうか。
どうぞ。
○平澤参考人 まず行政との連携がエクスキューズのように言われるというところですが、私どもこれをする前から関係各部署であるべき姿というところのお話はさせていただいているのですが、今後もそれを続けていくというところで対応してまいりたいと思います。これがまず1つ目です。
2つ目の記録に関しましては、全くここは私どもGMPという範囲の中では製造の記録をつけるというのは第一義としてございます。そして、製造を逐一チェックした上で、これを第三者が必ず照査をして、その内容をチェックして出すというところは私どものGMPの第一義でございまして、必ずやっているものであるというふうに御理解いただければと思います。
○梶山構成員 3つ目の御指摘についてとなります。
今回は特に優先度が高いという意味で、後発医薬品に焦点を当てて点検を実施させていただいており、またその解消に向けても集中した対応を行っている最中でございます。そのようなことから、まずはこの問題を解決して信頼回復につなげたいと思っております。
その上で、今回発生したような事例等につきましては、我々全ての医薬品が関わる日薬連でございますので、その中でこのような分析があったということをまずしっかり共有をかけて、関係の各社にも知っていただくという対応をしていきたいと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○藤川構成員 藤川ですけれども、先ほどの坂巻先生とか蛭田先生の承認書の範囲等についての補足なのですが、私も承認書は当然エッセンスのみで、細かいところは手順書とか現場のGMPということが正しいかなと思っていて、GMPは当然作っている側ですね。製剤メーカーとか原薬メーカーが皆さんGMPを運用しているわけですけれども、GMPは当然日々の製造の中で製造方法なり管理方法なりどんどん改善していくのですが、それが全部承認書に縛られたりすると、そちらの改善のほうができなくなっていくということがもしあったとすればそれは本末転倒になると思いますので、やはりそこはある程度はGMPに任せるほうがいいのではないかと思っています。
あとは、承認書の内容はどこまでがエッセンスなのか、どこまで書くべきかというのが恐らく規制側とつくり手側はちょっと考え方が違うという面も恐らくあって、それは審査の中で綱引きというか、多分決めていくものだと思うのですけれども、実際に審査するのは実は審査管理課さんではなくてPMDAの担当官だったりするので、最終的には恐らくそことのコミュニケーションで決まるものが実は実務的なのかなと思っています。
だから、これは言っていいのか分からないですけれども、多分つくり手側というか、承認をもらう側としてはここまで書かないと多分承認が下りなければ書いてしまうとか、そういったこともあるのだろうと想像できますので、そこも含めていい機会なのでいろいろとざっくばらんな話をしていただいてお互いに現状を分かっていただいたり、進めていただければいいかなと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
では、どうぞ。
○豊見構成員 薬剤師会の豊見です。
2つほどございまして、8ページに「相違事案の分析」というものを書いていただいているところですが、承認書に書かれているものの追加、省略事例というのが挙げられています。承認書、手順書の在り方について詳しく存じ上げているわけではありませんけれども、承認書にないものが手順書に加わっているというのはその位置づけから想定されると思うのですが、その承認書にあるものが削除されてしまうというものは、これは追加されている場合とは原因や取るべき対策というのは違うのではないかと、これを一読したときに思ったところでございます。
例えば、ここに挙げられている製造上必須となる手順の記載がないとなると、この作業はされていたのかどうかという話になるのかなというところがございます。こういったところからも、手順書が形骸化しているのではないかと邪推をしてしまうところでございますので、追加にしても削除にしてもやはり承認書、手順書といったものの理解ですとか、そういったものがしっかりとされていないというのが要因の一つにもなっているかなと思いますので、対応の方向性の4番として挙げられています人員の教育・確保についてはしっかりとその重要性を伝えるということを行っていただきたいと思いますし、その教育の中では法的なものだけではなくて、医薬品を製造しているという倫理的な観点も含めてしっかりと進めていただきたいと思いました。
もう一つ、この調査は日薬連の会員ではない企業も含めて厚労省の通知に基づいて調査をされたという御説明を前回お伺いしたと思うのですけれども、結果の数値の43.5%が0%になっていくところの報告については、同じように厚労省の通知に基づいて日薬連さんが行われるという理解でよろしいのでしょうか。それとも、厚労省、PMDAが行うという形になるのでしょうか。
○清田座長 どうぞ。
○平澤参考人 まず追加と削除の部分についてお話しいたします。
御指摘のところは、つまり承認書よりも手順書のほうが細かいんだから、追加の部分はあるでしょう。
ただ、承認書に書いてあることが削除されているとはどういうことですかという御指摘だと思います。
これらにつきまして、ざっくりと資料を確認しました。今、見ている中では、例えばありますのは、減圧をしながら蒸発乾固させなさいと承認書には書いているのですが、実は減圧しなくても乾固するというのがあって、減圧をやめているとかというものがございました。
あとは、精製した試薬を使ってやりなさいと書いてある精製の部分もやっていない。つまり、試薬はもう既に精製度が高いからというようなところもありました。
ただ、おっしゃるとおり承認書に記載すべきこと、やるべきことというのは、これは行政との約束でもありますので、本来こういったものは調整し、検証し、不要であれば消すという作業をしっかりやるということは大事な部分だと思います。ですので、この部分はやはり直していくということをきっちりとやっていただく。そして、そのための教育をきっちりやっていただくということが大事だと思いますし、多くの企業は承認書に記載されている内容は手順書の中に下線を入れて、ここは承認書に書いているよということがちゃんと分かるようにしているところが多いかなと思います。
2つ目のゼロになるまでの継続的な調査ですが、これは先ほど申し上げたとおり、1月20日の段階で新しい考え方の事務連が出ました。これを受けて、まず私どもが確認してまいります。そして、日薬連外のところもやってまいります。そして、大体月1で考えておりますが、いわゆる相違の考え方を変わったところも含めてその相違数がどう変わっていくか。それから、今PMDAのほうではGFN相談という新しい相談窓口を開いていただいて、この後発医薬品の承認書点検で見つかったものの承認書を直す相談をしていただくようになっておりまして、そういったものの流れを受けること、または審査管理課でも今回見つかったことでの一変に対して実施する内容について御説明をいただいていますので、これらがどう進んできているのかということを我々が追っていくということをやっていこうと思っております。
○清田座長 よろしいですか。
○豊見構成員 ありがとうございます。
○清田座長 とても分かりやすい御説明です。
どうぞ。
○原構成員 皆さんのお話を聞いていて、6ページにあるいろいろな問題があった中で、行政の問題とメーカーさんの問題と両方あったので、そこに関してはよくよく話し合っていただいて、9月末に出した通知が間に合わなかったりした部分もあると思いますので、これから正しいもの、製造承認書に基づくというのは、製造承認書がおかしかったらどうにもならなくなるので、そこについてはこれからたくさん変更があって大変だと思うのですけれども、しっかりやっていただきたいと思います。
その上で、先ほどから口頭伝承についてはかなりメーカーさん側からも厳しい意見だったので、よくよく分かっていると思いますけれども、口頭伝承というのはいわゆる口伝ですよね。私が口伝という言葉を覚えているのは小学生の頃読んだ小説で、剣の達人が奥義を授けるというときに口伝だったり、密教の高僧が次世代にというとき口伝だったり、要は人に聞かれたらいけないようなことをやる場合であって、ここにおける口伝というのは、それは悪事ですよねという印象しか残らないので、この言葉を使っている以上、各メーカーさんに相当印象悪いよ、ということをお伝えいただいて、次回こういうことがないようにしていただきたいということは思っています。
これは一條委員が指摘したような研修で、口伝は駄目だよと伝えていただきたいですし、人は一生同じ仕事をしているわけではないので、次の方に替わるときがあったり、人員交代したときに口伝では駄目ですよということは必ず入れていただきたいと思っています。
あとは視点が変わるのですけれども、8ページ目にあった(1)承認書の記載と不一致のときに【想定される主な要因】の2番目ですけれども、製造販売業者と製造業者間や社内部署間の情報伝達不足とあるのですが、社内の場合はどちらであれ社内の法人格が責任を取るのですけれども、製造業者と製販が違う会社になる場合では、言った言わないの責任になりますからこれこそ口伝では困るので、ここに関しては文化も違うし、しっかりとした伝達をしないとこれの不安の解消は大変だと思っていますので、これは別枠でちゃんとしっかり捉えられるようにメーカーさんのほうでも努力をお願いしたいと思っています。
以上です。
○清田座長 どうぞ、宮川先生。
○宮川構成員 お答えになってからでいいです。
○清田座長 では、どうぞ。
○平澤参考人 すみません。ちょっと飛んでしまいました。
○梶山構成員 御指摘ありがとうございます。
口伝につきましてはおっしゃるとおりと認識しておりまして、こちらについては駄目だということをきっちりと文書として残していく。それを伝えて、人が替わっても同じことができるということが大事なんだということにつきましては、今後に予定しております説明会等におきましても対応してみんなに伝えていきたいと思っております。
また、社外との場合ということにつきましても、御指摘のとおり非常に大事なことであり、また、陥りがちなポイントだと思っております。そこにつきまして、ある意味、今回こういった点検をさせていただいたこと、そこで非常に大事なポイントになったということにつきまして社外の関係者とも認識を共有し、そのようなことが起こらないような対応が進むよう、ある意味、今回を機会にして進めていきたいと思っているところでございます。ありがとうございます。
○清田座長 では、宮川先生どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。
冒頭で梶山さんが、軽微であるといったことに対して強く前回言いましたので、かなり全部言い訳をしていただいて本当にありがとうございます。
しかしながら、今ずっといろいろな議論をしてきた中で、本当にこの自主点検が有効であったか。有効であったから問題点が出てきたのですけれども、それを解消できる方向に進むかどうか、私はまだ疑念を持っています。口伝のような報告だけで済んでいるようなところ、これは絶対なくすべきであるということは当然のことだろうと思うのです。
それから、途中で平澤さんがGMPの文書、記録第一であるというようなことで、記録するということをかなり強くおっしゃっていたわけですけれども、そうであればそういうような承認書と手順書、様々なことがあって、御指摘のあったように不一致があるということの中でいろいろな報告が行われていなかったということは非常に重要な問題である。
これだけの違いがあるというのは、これだけのものが出来ていないのだから、企業がしっかりと厚労省に報告しなければいけなかったわけじゃないですか。それさえも出来ていなかったわけです。それが軽微であると言っていいのかどうか。これは、はっきりと企業の体質そのものは悪いです。
こういうものが出来ていなかったので、自主点検は1回目やって不十分、2回目やって不十分、3回目やってこの結果です。だからこそ全企業にやってくださいとお願いして、厚労省がしっかりとハンドリングを取りながら日薬連にお願いしてやって、やっとこれができた。これは3回目ですよ。それでこの程度ですよ。
もしできないのだったら、企業からこういう手順書、こういうことがあります。手順書と承認書でこういうものがあります。こういうことを改善するというか、GMPのところに持っていきたいのだ、しっかりと直していきたいということを言わなきゃいけないじゃないですか。言っていなくて、これで違っていました。それで、これは報告ですか。違いますよね。
そこのところもしっかりと対応していただかなければいけない。企業はそういう意味では、私から言えばまだまだ十分ではない。だからこのような問題が起きているので、もう少ししっかりとした対応を各企業がやっていただきたい。そうしていかないと、先ほど平川構成員がおっしゃっていましたけれども、これはそのまま文書が世に出ていったら皆さんが作っている薬を誰もが拒絶します。医療現場で薬局の先生方も医師も、こういう薬を飲みましょうと患者へ言ったときに、「これは大丈夫ですか」と一々言われなければいけない。薬局の先生方も薬剤師の先生方も医師も、全部その説明に時間を費やさなければいけない。それを軽微だとか、報告ができていなかったとか、それから教育ができていなかった。
先ほど平澤さんが、一番重要なところが教育なのですという話をしたけれども、とんでもない話です。これまで、人材の確保や、教育ができていなかった、コンプライアンスがどうとか、そんなことを世の中に言っていいんですか。それは大変なことです。そうしたら、「そういうものを作っている会社に任せられないね」「日本の薬は飲めないね」と言われてしまいます。
私が最初に、これは軽微でないですよねと言ったのはそういうところも含めてなのです。そこのところをもう少し理解していただいて、しっかりと対応を取っていただいて、厚労省とともに安心・安全な薬が国民の手に届くようにぜひ襟を正してやっていただきたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。宮川先生に締めていただい形になりますけれども、厚労省もぜひこれを是正する方向で検討していただきたいと思います。
どうぞ。
○坂巻構成員 すみません。宮川先生が締めていただいた後に蛇足で。
○清田座長 また締めてください。
○坂巻構成員 私は締められなくて申し訳ないですけれども、薬事規制の会議でもう議論されたからということで今、様々な指摘の話がありましたが、これに関してはやはりきちんといつまでやるのか、タイムリーにアジリティーという言葉のほうがいいのでしょうけれども、きちんとアジリティーをもって対応していただきたいと思います。それは製薬企業のほうもまだ残っていて、製造品質問題に関しては600品目あったか、数百品目まだずっと解決されないまま残っているんですよね。これに関しては、いつまでに回収していくのかということについての議論はこれからも進めていただきたいと思います。
まとまらなくてすみません。
○清田座長 いえ、まとめていただきました。ありがとうございます。
この辺でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、事務局からの御連絡をお願いいたします。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございました。
次回の日程等につきましては、メール等にて御連絡させていただきます。
○清田座長 ありがとうございます。
それでは、これで終了といたします。お疲れさまでした。