令和7年2月3日 第33回社会保障審議会 議事録

1.日時

令和7年2月3日(月)18:00~19:22

2.場所

厚生労働省 省議室(9階)

3.出席者

委員

  • 50音順
伊豫委員、内堀委員、遠藤委員、岡委員、岡部委員、翁委員、小国委員、小塩委員、
角田委員、神作委員、小堀委員、新保委員、嵩委員、武田委員、田辺委員、津谷委員、
野口委員、平野委員、松田委員、松原委員、松山委員、村上委員、山本委員、吉田委員

4.議題

  1. 会長の選出について
  2. 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の進捗について
  3. 令和7年度予算案について
  4. 社会保障審議会運営規則第4条に規定する「会長の同意」の運用解釈について

5.議事

○安藤参事官(総合政策統括担当) それでは、定刻になりましたので、ただいまから第33回「社会保障審議会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、また大変遅い時間に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 開催に先立ちまして、事務的な御連絡を申し上げます。
 本日は、会場での御出席とオンラインによる御出席の併用開催とさせていただいております。オンラインで御出席の委員におかれましては、御不便があろうと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、オンラインで御出席の委員の方々に御確認させていただきます。画面の下にマイクのアイコンが出ており、今はミュートにしていただいていると思います。会議の進行中は委員の皆様のマイクを基本的にミュートとさせていただきますけれども、御発言をされる際には「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をいただくようお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。音声に不具合等ございましたら、事務局宛てにチャットにてお知らせいただければと思います。
 なお、会議は動画配信システムのライブ配信により一般公開する形とさせていただいてございます。
 本日は、多くの委員の方が改選もしくは再任されて初めての会合となります。会長を選出していただくまでの間、便宜上、私、総合政策統括担当参事官の安藤と申しますが、安藤のほうで進行を務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 各委員の御紹介につきましては、誠に恐縮ですが、時間の都合上、資料1-1の委員名簿をもちまして御紹介に代えさせていただきます。
 次に、本日の委員の皆様の出欠状況について御報告申し上げます。
 本日御欠席の委員は、菊池委員、松井委員、森戸委員となってございます。24名の委員の皆様に御出席いただいており、委員総数の3分の1を超えておりますので、会議は有効に成立しておりますことを御報告申し上げます。
 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 本日の配付資料でございますが、議事次第のほか、資料1-1「社会保障審議会委員名簿」、資料1-2「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」、資料2「『全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)』の進捗について」、資料3「令和7年度予算案の概要」、資料4「社会保障審議会運営規則第4条に規定する『会長の同意』の運用解釈について」、また、これの別添として運用解釈の案、参考資料として「令和7年度予算案の主要事項」となってございます。
 皆様、お手元にございますでしょうか。
 それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○安藤参事官(総合政策統括担当) それでは、早速でございますけれども、最初の議題に入らせていただきます。
 これから、当審議会の会長の選出を行っていただきたいと存じます。社会保障審議会令第4条では「審議会に会長を置き、委員の互選により選任する」となってございまして、選出の方法につきましては、委員の皆様に選んでいただくことになってございます。推薦等の御意見がございましたら、皆様、ぜひ御発言をお願いいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 嵩委員、お願いいたします。
○嵩委員 それでは、互選ということでありますので、会長候補として遠藤久夫委員を推薦いたします。遠藤委員は医療・介護分野をはじめ社会保障の各分野について深い造詣をお持ちであることに加え、以前にも当審議会の会長をお務めになるなど、これまでの御経歴を踏まえても適任であると考えられます。
○安藤参事官(総合政策統括担当) ありがとうございます。
 ただいま嵩委員から遠藤委員に会長をお願いしたらどうかとの御発言がございましたが、皆様、いかがでございましょうか。オンラインで御出席の委員におかれましては、よろしければカメラに向かってうなずいていただきますようお願いいたします。
(首肯する委員あり)
○安藤参事官(総合政策統括担当) ありがとうございます。
 それでは、皆様、御異議がないようですので、遠藤委員に本審議会の会長をお願いしたいと存じます。遠藤委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速で恐縮ですが、遠藤委員には以降の進行をお願いしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤会長 ただいま会長を務めるようにとのお話をいただきました遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 当審議会は、言うまでもありませんけれども、国民が安心して暮らせる社会を構築するためになくてはならない社会保障に関する審議をする審議会でございます。その重責に身が引き締まる思いでございます。
 また、委員の皆様には大変御苦労をおかけするとは存じますけれども、皆様の御協力を得て円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
 社会保障審議会令第4条第3項では「会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する」ということになっております。この定めに基づきまして、会長代理を、本日は御欠席ではありますけれども、御経験が大変豊富な菊池委員にお願いしたいと存じます。
 次に、分科会及び部会への委員の所属について御報告をいたします。
 社会保障審議会令第5条第2項及び第6条第2項では、分科会については厚生労働大臣が、部会については社会保障審議会会長がそれぞれ属する委員を指名することとなっております。この定めに基づきまして、今回改選となります何人かの委員の方々には、その専門性を踏まえて資料1-2「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」のとおり分科会・部会への所属をお願いいたしたいと思います。
 内容を御確認いただきまして、御了承いただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤会長 ありがとうございます。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 議題の2「『全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)』の進捗について」は資料2により、また議事の3「令和7年度厚生労働省予算案について」は資料3、おのおの事務局から一括して説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○安藤参事官(総合政策統括担当) 資料について御説明させていただきたいと思います。資料2の全世代型社会保障構築を目指す改革工程の進捗につきましては私から、その後、続きまして、予算案につきましては会計課長から御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、お手元にあります資料2を御覧ください。
 1ページ目でございます。こちらは一昨年になりますけれども、全世代型社会保障の構築に向けて今後取り組むべき課題を具体化・深化させた「改革工程」として閣議決定したものでございます。時間軸ごとにそれぞれの検討すべき取組についてまとめておりまして、真ん中の「2028年度までに検討する取組」ということで掲げられている項目がございますが、こちらについては各年度の予算編成過程において翌年度実施すべき施策を検討・決定するということになっていたところでございます。
 続きまして、2ページを御覧ください。こちらは昨年の11月になりますが、現政権になってから初めての全世代型社会保障構築本部として開催されたときの資料でございます。このときには改めて「全世代型社会保障とは」について確認を行った上で、今後の目指すべき方向性として、2040年を視野に現役世代の負担軽減、社会保障制度の支え手を増やすという方向性で検討を行っていくこととなったところでございます。
 3ページでございますが、その際の総理からの御発言、御指示といたしまして、真ん中の太字になっているところがございますけれども、全世代型社会保障構築のための改革工程に掲げられた具体的な改革項目について、実現できるものから着実に実施をし、この人口減少の時代にあった、全世代が活躍できる社会保障への転換に向けて、検討を深めていただきたいとの御指示がなされたところでございます。
 これを受けまして、4ページ以降で分野ごとにこの社会保障審議会にございます各部会においての議論の状況についてまとめた資料をつけさせていただいてございます。
 まず、4ページでございますけれども、こちらは年金部会において昨年末に整理いただきました議論の整理でございます。改革工程の勤労者皆保険の実現との関係で、被用者保険の適用拡大について申し上げますと、大きくは従業員50人超の企業規模要件の撤廃あるいは106万円の賃金要件の撤廃、5人以上を使用する個人事業所における非適用業種の解消について、部会としてのおおむねの意見が一致いたしまして、その他の論点につきましても、今通常国会への法案提出に向けて現在関係者とも調整を進めさせていただいているところでございます。
 続きまして、6ページ、医療の関係でございます。これも昨年の年末になりますけれども、医療部会で取りまとめいただきました「2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」の概要でございます。多岐にわたってございますけれども、例えば左上にございます「2040年頃を見据えた新たな地域医療構想」ということで、現在の地域医療構想、御案内のとおり2025年度が終期となっていることを踏まえまして、次期地域医療構想といたしましては、2040年頃を見据えまして、入院医療だけではなく外来・在宅医療、介護との連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図る新たな地域医療構想の策定を行うこととされたところでございます。また、その右側でございますが、「医師偏在対策」につきましては、医師偏在対策の総合的な実施や全ての世代の医師へのアプローチ、僻地医療対策を超えた取組の3つの観点から実効性のある対策が必要という基本的な考え方の下で、様々具体的な取組方針の整理が行われたところでございます。
 次の7ページに具体的な新たな地域医療構想に関する取りまとめの概要、8ページに今申し上げました医師偏在対策に関する取りまとめの概要の資料をつけさせていただいているところでございます。
 続きまして、9ページを御覧ください。次は医療保険部会での御議論でございますけれども、高額療養費制度の見直しについての御議論が行われてございます。高額療養費につきましては、御案内のとおり高齢化や高額薬剤の普及等によりその総額は年々増加してきてございまして、結果として現役世代を中心とした保険料が増加している状況にございます。こうした状況を踏まえまして、セーフティーネットとしての高額療養費の役割を維持しつつ、健康な方を含めた全ての世代の被保険者の保険料負担の軽減を図るという観点から、掲げられたような方向で見直すことがまとめられたところでございます。
 具体的な見直しのイメージについては、10ページにつけさせていただいているところでございます。
 簡単でございますが、まず資料2の説明としては以上になります。
○尾崎会計課長 続きまして、来年度の予算案の概要について御説明をさせていただきます。
 会計課長の尾崎と申します。よろしくお願いいたします。
 資料3でございます。
 1枚おめくりをいただきますと、予算の全体像が出てまいります。令和7年度予算、一般会計の総額でございますが、34兆2900億円ということで、対前年度比4700億円余の増となってございます。その大半は社会保障関係費ということでございます。その下の段ですが、年金特別会計については対前年度でマイナスとなってございますが、基礎年金給付費の最近の動向を踏まえて必要な額を見込んだ結果となってございまして、制度的に何か削減したということではございません。その下の段、労働保険特別会計、さらにその下、子ども・子育て支援特別会計、それぞれプラスになってございます。こちらについては新しい給付、こちらの創設に伴うものが主な増の要因となってございます。労働保険特別会計につきましては教育訓練休暇給付金の創設がございましたし、子ども・子育て支援特別会計につきましては出生後休業支援給付金、手取り10割の給付ですとか、育児時短就業給付金、これらの創設による増ということでございます。
 2ページ、社会保障関係費の分野別の内訳になってございます。御覧いただければと思います。
 3ページ、厚生労働省の予算の柱立てでございます。厚生労働省の予算、大きく3つの柱で構成されてございます。まず、左側の青色のところでございます。こちらが保健・医療・介護の柱となってございます。真ん中、グリーンの欄でございます。こちらは雇用・労働の柱ということでございます。右側の赤い欄が主に福祉の柱、この3本の柱で予算を構成しているところでございます。
 少しトピック的なお話でございますが、3ページの下のほうに、字が小さくて恐縮ですが、2つ御紹介をさせていただければと思います。1つが薬価改定への対応でございます。薬価につきましては、国民の負担軽減の観点、創薬イノベーションの推進の観点、医薬品の安定供給の確保の観点、こちらにきめ細かく対応する観点から、品目ごとの性格に応じて対象範囲を設定することとさせていただきました。画期的な新薬や後発医薬品については対象を狭く取る一方で、後発品があるような先発品、こちらについては対象を多少広く取ると、このような内容になってございます。また、個々のルールの適用につきましても同じ考え方に基づきまして対応してございまして、例えば最低薬価の引上げなど安定供給の確保にも配慮した内容となってございます。
 もう一つ、その下でございますが、生活扶助基準の見直しでございます。現在の扶助基準につきましては、令和4年の生活保護基準部会の検証結果にお一人月額1,000円を加算するということと、それでもなお従前の基準額から減額となる世帯については従前額保障をする、こういった対応をしてきたところでございます。こちらにつきまして、一般低所得世帯の消費実態や社会経済情勢等を総合的に勘案しまして見直しを行うこととしてございます。具体的には、先ほど申し上げた加算額、こちらを1人月額1,500円に引き上げることをしてございます。また、従前額保障は継続ということで、今年の10月からの実施ということでございます。
 4ページ以降、それぞれの柱立てに沿った項目になってございます。まず、資料の見方でございますが、括弧内の数字、こちらは令和6年度当初予算になってございます。また、点線の箱書きがあると思います。この箱の中が今年度の補正予算に計上された事項になります。補正予算と来年の当初予算、こちらを併せて必要な施策を推進していくということが見てとれると思います。
 まず、保健・医療・介護の柱でございますが、4ページ、左側の1つ目の○ですが、有望なシーズの医薬品・医療機器の実用化の促進ということで77億円を計上してございます。また、右側でございます。上の段でございますが、医薬品の安定供給の推進ということで、こちらについては補正予算でも様々な事項を実施したところでございますが、それに加えて医薬品の供給状況把握のための体制整備など所要の予算を積んでいるところでございます。同じ右側の真ん中やや下が、医療・介護分野におけるDXの推進ということでございます。
 5ページ、左側が医療や介護の提供体制の関係でございます。医療・介護ともに同じでございますが、補正予算でそれぞれの分野、さらなる賃上げに向けた支援を実施しているところでございます。これに加えまして、来年度の当初予算、医療でいいますと地域医療構想や医師偏在対策、かかりつけ医機能の推進のために760億程度を計上してございます。介護についても地域包括ケアシステムの推進ということで、サービス提供体制の整備や介護従事者の確保、介護予防の取組の推進、保険者機能の推進、こういったもので2470億を計上しているところでございます。右側に移りまして、周産期・救急・災害医療体制の充実、真ん中ぐらいの○になりますが、国際保健への戦略的な取組の推進、さらに右下の段になりますが、次なる感染症危機に備えた体制強化ということで、それぞれ記載の予算を計上しているところでございます。
 6ページからが個別分野の対応ということになります。
 6ページ、左側でございます。1つ目の○が予防・重症化予防の推進、女性の健康づくりということで45億円、その下、法律もございますが、認知症施策の総合的な推進、その下になりますが、がん対策、循環器病対策の推進、右側に移っていただきまして、肝炎対策の推進、その下でございますが、難病・小児慢性特定疾病対策の推進、ここに移植医療の対策の推進も盛り込まれているところでございます。このほか、歯科保健医療・栄養対策・リハビリテーションの推進、食の安全・安心の確保について記載の予算を計上しているところでございます。また、右下、医療保険の関係でございます。国民健康保険に関しては低所得者対策などに必要な公費を積んでございますし、被用者保険については拠出金が過大となる被保険者の負担軽減などの予算、こういったものも含めて所要の予算を計上しているところでございます。
 7ページからが雇用・労働の柱になります。
 7ページの左側でございます。1つ目の○でございますが、賃上げに向けた中小・小規模事業主に対する支援ということで、各種助成金などを盛り込んでいるところでございます。同じ7ページの右側、こちらのリ・スキリング、ジョブ型人事、さらには成長分野への労働移動の円滑化ということで、関連の給付金なり相談支援事業などに関する予算を計上しているところでございます。
 8ページの左側、真ん中やや下ぐらいでございますが、人材確保の支援ということで、ハローワークの専門窓口の増設、これによりまして医療・介護分野への就職支援を強化するですとか、シルバー人材センター等の活用など、人材確保の支援に関して所要の予算を計上しているところでございます。右側でございますが、障害者ですとか、高齢者ですとか、若者ですとか、様々多様な人材に対する就業支援の促進などを行いまして、多様な人材に活躍をしていただく、こういった関連の予算になってございます。
 9ページ、左側でございます。こちらは仕事と育児・介護の両立支援、さらにワーク・ライフ・バランスの促進といった観点でございまして、冒頭に申し上げた新しい給付なども盛り込まれているところでございまして、金額が非常に大きくなっているということでございます。下側でございますが、カスタマーハラスメントも含めましたハラスメント防止対策、こちらに関して67億円の予算を、右側に移っていただきまして、フリーランスの就業環境の整備、こちらについても所要の予算を計上しているところでございます。右下でございますが、男女間賃金格差の是正、マザーズハローワークなどによる就職支援などの女性の活躍促進についても50億弱の予算を計上しているところでございます。
 10ページ、こちらからが福祉の関係になります。左側になりますが、1つ目の○でございます。属性を問わない相談支援など重層的支援体制の整備について予算を計上してございます。金額が増えてございますが、実施している自治体の数が増えていくことに伴う増ということでございます。その下でございますが、制度改正も行いましたが、住まい支援の強化、就労支援・家計改善支援などを含め生活困窮者自立支援の推進、その下の○になりますが、障害者支援の促進、依存症対策の推進、さらにその下、権利擁護の推進でございます。右側に移っていただきまして、困難な問題を抱える女性に対する切れ目のない支援の推進ですとか、自殺総合対策などについても所要の予算を計上しているところでございます。また、真ん中やや下でございますが、来年は戦後80年になりますので、関連の事業や現地調査、遺骨収集も含めて必要な事業を実施していきたいと思っております。また、その下が年金の制度運営に関する予算、さらには被災者や被災施設の支援等について所要の予算を計上したところでございます。これらの予算を通じまして、国民一人一人が安心して生涯活躍できる社会の実現、これに向けた施策を進めていきたいと考えてございます。
 説明は以上になります。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして、委員の皆様から御質問、御意見等をいただきたいと思いますけれども、内堀委員と村上委員からこの後の御予定が詰まっているということを伺っておりますので、内堀委員、村上委員、もし御発言の御意思があれば御発言いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
 それでは、内堀委員、村上委員の順でお願いしたいと思います。内堀委員、どうぞ。
○内堀委員 遠藤会長、ありがとうございます。
 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の進捗について4点申し上げます。
 1点目は、被用者保険の適用拡大についてです。国保被保険者のうち、一定の所得を有する方が被用者保険に異動することが想定されます。国民皆保険の最後のとりでである国民健康保険が安定した財政運営を継続することができるよう、引き続き配慮いただくとともに、今後も被用者保険の適用拡大を検討する際には、関係者とあらかじめ丁寧に協議を行い、その納得を得ながら検討を進めていただくようお願いします。
 2点目は、2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革についてです。いずれの項目も安全で質の高い医療の確保や、地方創生を進める上で極めて重要な取組です。これまでの検討に際して丁寧な対応を行っていただき、ありがとうございます。
新たな地域医療構想については、医療ニーズや医療資源が地域ごとに異なることへの配慮や国としてのグランドデザインの明確化が必要です。また、関係者の負担軽減のための制度設計や各種支援体制の確保等をお願いします。
医師偏在対策については、対策の実効性をより高めるため、取組を着実に実施していくことはもとより、医師養成過程における対策も含め、引き続き地方との協議を丁寧に進めるようお願いします。また、地方においても実効性のある対策を講じる必要があることから、地域医療介護総合確保基金の拡充などの財政支援をお願いします。
経済的インセンティブのうち、医師手当増額分の財源については、一般保険料として徴収することが示されています。被保険者にとって過大な負担とならないよう配慮いただくとともに、制度について理解が得られるよう、国による十分な周知・広報が必要であると考えます。
また、医療DX及びオンライン診療の推進、美容医療への対応については、都道府県等の新たな業務や財政負担も含まれています。各種制度の執行に当たっては、都道府県等をはじめ関係者との丁寧な調整を行うとともに、業務負担軽減に配慮した制度設計、費用負担等に対する財政的支援が必要です。
 3点目は、高額療養費制度の見直しについてです。自己負担限度額の引上げに当たり、国においては被保険者等への周知・広報や保険者のシステム改修等、現場で混乱が生じることがないよう丁寧かつ十分な対応をお願いします。また、今回の見直しによる患者の受療行動への影響など、動向を注視していく必要があると考えます。
 4点目は、介護についてです。地方においては現役世代の減少に伴う担い手不足が深刻となっています。介護現場へのICT導入など、介護の生産性や質の向上に資する取組のほか、介護人材の確保・定着のため、介護職の魅力の積極的な発信やさらなる処遇改善に取り組むことが必要です。また、介護を要する方が住みなれた地域で暮らし続けるためには、訪問介護などのサービスが安定的に提供されることが不可欠です。これらを踏まえ、適切な介護報酬の設定と事業者への十分な支援をお願いします。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
 資料2、資料3、それぞれについて申し上げます。
 まず、資料2の年金部会における議論の整理について3点申し上げます。
 1点目です。議論の整理では「第3号被保険者制度をめぐる論点についての国民的な議論の場が必要であるとの認識を共有した」と記載いただきました。こうした議論の場を早急に設置いただくことをお願いいたします。
 2点目です。適用拡大に関する企業規模要件については、2030年の次期改正までに撤廃するものと理解しておりました。また、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業所における非適用業種についても2030年の次期改正までに新規、既存にかかわらず撤廃するものと理解しておりました。こうした中で、各種報道によれば、企業規模要件の撤廃時期は2035年、個人事業所は新規開業に限定するとの案も検討されているようです。政策決定にあたりましては、社会を構成する多様なステークホルダーの声を踏まえて合意形成をしていくことが重要であり、中小企業等における負担にも一定程度、配慮がなされることは理解しますが、年金部会の議論との距離を感じており、プロセスも含めてやや残念な思いをしております。
 3点目です。いわゆる106万円の壁への制度的対応として、事業主が労使折半を超えて保険料を負担する特例的、時限的な経過措置を設ける際に、事業主に対する支援を行うとしても、その財源に保険料を使うことには違和感があることを申し上げておきます。
 次に、医師偏在対策、高額療養費制度の見直しについてです。今後も医療費の増加が見込まれる一方、医療保険財源には限りがございます。公的医療保険制度の中で負担能力に応じた負担をどのように取り入れるのが妥当なのか、また保険料の使途につきましては、給付と負担の関係性や保険料と税との関係、性格の違いなども踏まえながら、納得性、公平性の確保に向けた根本的な議論が必要だと考えております。
 最後に、令和7年度予算案に関連して申し上げます。医療・介護・福祉の人材確保対策を強力に推進するようお願いします。2024年の賃金引上げに関する厚生労働省の調査では、産業別に見た賃上げの改定額、改定率ともに医療・福祉が最も低い実態となっております。介護においては新たな介護職員等処遇改善加算への移行もあまり進んでおりません。そのため、令和6年度補正予算による人材確保対策を着実に進めつつ、加算の取得促進をはじめさらなる処遇改善に向けた施策を強力に進めていただくことを要望いたします。
 以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、その他の方々からの御意見をいただきたいと思いますけれども、まずは会場の委員の方を優先させていただきたいと思います。いかがでございましょうか。
 それでは、小国委員、お願いいたします。
○小国委員 鎌倉女子大学の小国でございます。
 小児慢性特定疾病の医療費助成の予算をつけていただきまして、本当に感謝しております。自立支援事業においてもしっかりと予算をつけていただきまして、これから推進に向けてますます拍車がかかっていくといいと願っているところです。この小児慢性特定疾病の自立支援制度の実施というのは本当に地域差が大きくありまして、十分に広がっていない状況があります。でも、確実に広がりつつありまして、成果が非常に出てきているところなのです。この取組がここで終わってしまうと、せっかくの取組が無駄になってしまうということはないでしょうけれども、広がっていかないということになってしまいますので、ぜひ今後も継続した予算をつけていただきたくよろしくお願いいたします。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、山本委員、お願いいたします。
○山本委員 今回から加えていただきました地域医療機能推進機構の山本でございます。
 地域医療構想と医療DXに関連して発言をさせていただきます。
 実際に私どもの病院があるような地方に赴きますと、数字で見る以上の人口減少を本当に肌で感じます。街にほとんど人が歩いていないというところが私どもの病院には多数存在します。数字で見る以上に急激な人口減少が進んでいることに加えて、直近この1~2年、病院の経営が非常に悪化していることは皆さん御存じかと思います。この2つが合わさると何が起こるかというと、地域医療構想で想定している以上のスピードで無計画に病院あるいは医療機能が喪失しかねない事態、これが特に地方で起こり得るのではないかと強く懸念しているところです。ですから、この地域医療構想が確実に施行できる、そして本当に最低限必要な医療機能がそれぞれの地域で残るような形をぜひ考えていく必要、これは本当に早急に取り組むべき課題ではないかと考えているところでございます。
 あわせて、人口減少に関してはどうしても患者数の減少あるいは病床過剰という点に意識が向きがちですが、実際にはそれ以上に深刻なのは、医療従事者の確保困難ということであります。既にもうかなりの数の医師あるいは看護師が養成されていますが、これ以上この医療分野に人を投入することはおよそ不可能、ほかの分野でも人手不足が深刻化している中では不可能であります。従来、医療に関しては労働集約型の産業としてそれが当たり前とされてきましたし、また診療報酬においても人をつければつける分だけ報酬が上がる体制が組まれてきましたけれども、このスキームは破綻していると言わざるを得ません。ですから、より少ない人手で同等あるいはそれ以上の医療サービスをどのように提供するべきなのか、どうすればいいのかを真剣に考えなくてはいけない。その中では当然医療DXのような分野の発展が重要でありますので、この辺についても今後真剣に考えていく必要があるのではないか。そういう意味では、今回の予算で医療DXの部分がどうも前年より減額されているところは残念な思いがするところであります。
 以上でございます。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 武田委員、どうぞ。
○武田委員 ありがとうございます。
 意見を3点申し上げます。
 1点目は、全世代型社会保障の構築に関してです。全世代型社会保障構築会議に参加しておりますが、工程表が取りまとめられたことは大きな成果だと感じております。特に重要な点は、2ページ下段の「目指すべき方向性」の2つです。一点目、給付の重点化・効率化をしながら能力に応じて支える仕組みを構築することを推進していくべきと考えます。2040年を見据えますと、給付の重点化・効率化や負担に関する改革以上に、もう一段具体的な議論が求められると考えます。2点目は、社会保障制度の支え手を増やすことです。社会保障制度の支え手のみならず地域や経済の支え手、全てが不足しており、社会保障制度だけの議論ではない、大変重要な課題になっています。今回年金部会のメンバーとして検討に参加させていただきましたが、改革の基本方針として経済、地域社会、そして社会保障の支え手、こうした観点で適用拡大に関する案を委員の同意という形でまとめておりますので、これを着実に進めていただくことが極めて重要と思います。
 また、先程もご意見にございましたとおり、日本全国、どの分野でも、人手不足と労働時間の急激な縮小のひずみが出ております。医療・介護で人を増やすことができれば良いですが、大幅な増加は実現が難しい中で、医療や介護の現場においてもより少ない人数で現場を回す持続可能な体制にすることができるかは非常に重要です。まずは、DXの推進、そして将来はAIやロボティクスなどの、社会実装も見据えできるところから試行し、そこから学び、必要な制度整備をアジャイルに考えていくことがこの先必要になると思います。
 2点目、令和7年度厚労省の予算案のうち、2点目の持続的・構造的な賃上げについて言及させていただきます。現在の日本は、過去の低賃金、低価格、低付加価値という負の循環から、賃金上昇、価格転嫁、付加価値向上という正の循環にようやく変わる節目の時期に来ていると思います。今年賃上げが実現すれば3年連続になりますが、私どものアンケートによりますと、賃上げが1年で終わると思っている方の中長期的な賃金の見通しは、ほぼ0%のところが一番分布が高くなっています。つまり、一時的な賃上げと思っています。一方で、3年連続で賃上げを見込んでいる方の中長期の賃金分布の予想は、2~3%と5%の2か所に山があります。つまり、将来に対する期待所得が後者の方は上がっていくと見ています。そうなれば年金も含め社会保障の支え手にもなっていくということですから、賃上げの話だけではなく社会保障の持続性、経済の底上げに繋がるとの見方ができます。
 もう一つ重要な労働市場の変化は、AIがこの1年で急速に進化したことです。AIの急速な進化のスピードは、想定よりも早く労働市場の変化をもたらすと思います。働き方に中立な制度の確立やリ・スキリングへの取組、さらには成長分野に円滑に移動できるような仕組みを整えなければ、AIでタスク、業務が変わった方々が適応できなくなる可能性もございますので、その点も併せてお願いしたいと思います。
 3点目、創薬のイノベーションの推進は、日本の国際競争力の観点から重要なことだと思います。ただ、これを着実に成果につなげることが大切と思いますので、アウトカムを一つ一つ明確にしていただき、EBPMを回していただくようにお願いしたいと思います。
 以上3点です。ありがとうございました。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、また何かあれば会場に戻るということで、オンラインの委員の皆さんに移りたいと思います。御発言の意思のおありになる方は挙手のボタンをクリックしていただければと思います。いかがでございましょう。
 小堀委員、お願いいたします。
○小堀委員 経団連副会長の小堀でございます。本日は各施策につきまして御説明いただき、ありがとうございました。
 私からは資料2の改革の道筋の進捗について意見を述べたいと思います。
 少子高齢化、人口減少が継続的に進行していく中にあって、社会保障制度を公平公正で持続可能なものにしていくことが、我が国にとりましては大変重要な課題になってきております。これは国民に広がる将来不安や格差に対する懸念の解消及び賃金の引上げを消費に循環させ、経済の好循環を拡大していくためにも、待ったなしの課題であると思います。まずは現役世代の社会保険料の負担の増加を抑制すべく、応能負担の徹底など御説明のあった改革工程などで挙げられた改革事項を先送りすることなく着実に実現していくことが不可欠であります。
 一方で、こうした改革に加え、さらに中長期的な視点での改革の議論が不可欠であると考えます。経団連は昨年末高齢者人口がピークを迎える2040年を展望した「FUTURE DESIGN 2040」を公表いたしました。ここでは、全世代型社会保障も含め環境・エネルギー、地域経済や教育など、幅広い分野の政策提言を行っておりますが、これらの課題や施策は全て絡み合って入れ子状態をなしているという点が重要かと思います。全世代型社会保障改革は公平公正な社会づくりの基盤であるのみならず経済行動の基盤であり、我が国の財政問題そのものであると思います。とりわけ社会保障財源が現役世代への負担が大きい社会保険料に依存しており、それが年々増加している点、また現在の消費税と社会保険料では制度を十分に賄えない状況にある点は、極めて大きな問題であると思います。まずはこれまでの改革について振り返りを行い、取組が進捗した項目やその効果、一方で進展していない事項とその要因を明らかにすることが重要ではないでしょうか。その上で、今後に向け、2018年が最後となっている社会保障の給付と負担の将来見通しについてアップデートした新たな推計を早急に示すべきと考えます。その推計を前提に公正公平、持続可能の観点から税と社会保障制度を一体的に見直す検討体制を早急に構築し、国民的な議論を開始するべきだと考えております。厚生労働省のみならず政府全体として早急に対応いただくことを改めてお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 それでは、吉田委員、お願いいたします。
○吉田委員 全国町村会広島県坂町長の吉田でございます。
 我が国は現在、少子高齢化と人口減少社会という大きな変革期に直面をいたしており、国民の社会保障制度への不安は解消されておりません。石破総理の施政方針演説にもあったように、意欲のある高齢者をはじめ女性や障害者など誰もが年齢にかかわらず能力や個性を生かして支え合い、国民一人一人が安心して生活できる全世代型社会保障制度を構築し、次の世代にしっかりと引き継いでいくことが重要であり、そのためには改革工程に沿った取組を着実に進める必要があります。
 全世代型社会保障の目指すべき方向性として現役世代の負担軽減が示されていますが、この点において重要なのは、子育て世帯や若者など現役世代の安心と活力につながる少子化対策や子ども・子育て支援であります。これからは国が全国一律で行う施策と町村が地域の実情や住民ニーズを酌み取り創意工夫を凝らして行う施策が車の両輪となって組み合わさることで、大きな効果発揮をいたすものと考えております。改革工程にある各施策を着実に実施していくためにも、町村において社会保障関連の行政サービスを継続して提供できるよう、国の責任において長期的・安定的な地方財源の確保及び充実を図るようお願いをいたします。
 また、少子化対策は石破内閣が進める地方創生と表裏一体をなすものであり、町村が地方創生によって活力を取り戻し、より豊かな地域社会を築くことが、結果的に全世代型社会保障の実現や社会保障制度の持続可能性の向上につながることを強調しておきます。
 私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 それでは、翁委員、お手を挙げておられますので、よろしくお願いいたします。
○翁委員 日本総合研究所の翁でございます。今日は御説明をありがとうございました。
 私からは資料2を中心に意見を申し上げます。
 今年は団塊の世代が全員後期高齢者となり、社会保険制度を持続可能にすることが本当に最大の課題となっております。分析をしておりますと、保険料が非常に大きいということで、特に若年層の低所得世帯の負担率がOECD各国と比較してもかなり高くなっております。既に資料でも指摘されていますけれども、特にこういった低所得の若年層の世帯の負担感を考えますと、少子化にもつながりかねない重要な問題であると思っております。この点、持続的に賃金を引き上げるとともに、こういった層の保険料上昇を抑えていくことにより配意していただきたいと思っております。
 そのために、資料2でも整理されておりますけれども、医療提供体制改革などを中心にしっかりと改革を進めていっていただきたいと思っておりまして、この観点から4点ほどコメントしたいと思います。
 まず、地域医療構想の議論において病院のみならず診療所を中心とするプライマリーケア体制もしっかりその中に位置づけた上で、診療機関間の機能分化や連携も考えていっていただきたいと思います。
 第2に、皆保険を維持し価値ある医療を提供し続けるために医療保険の提供範囲はどうあるべきなのかということを、国民も巻き込んでしっかり議論をしていっていただきたいと思っております。
 第3に、医療・介護政策の基盤となり、国民が医療機関の医療の質や介護の質も評価できるような国際比較可能な保健医療統計の整備と、医療・介護サービスを可視化する事業者データの情報開示も進めていっていただきたいと思います。
 第4に、今まで皆様から言及がございましたけれども、まさに人手不足クライシスとなっております。これに対応してしっかりとしたDXの促進や規制改革なども含め生産性を上げていくことをぜひお願いしたいと思います。
 このように、医療・介護関連の改革に関しましては、単に給付の増加を抑制することだけでなく、医療の質の向上、現場のサービスの生産性向上やイノベーションの向上、ひいてはそこで働く医療・介護従事者の処遇改善や満足度の向上にも結びつくような改革を実現していただきたいと思います。
 最後に、応能負担をより進めていくことは重要だと思っております。年齢だけでなく負担能力で考えていく。若年層と高齢者の資産格差、また高齢者間の資産格差などは非常に大きいものがございますので、所得だけでなく資産も併せて考える。なかなかやり方は難しいわけでございますけれども、こういったことを考えてフェアな負担もぜひ実現していっていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
 オンラインの委員でお手を挙げておられますのが、松田委員、お願いいたします。
○松田委員 松田でございます。
 今の翁委員の御指摘にも関係するのですけれども、負担と給付の関係について国民を巻き込んでしっかりと議論しなければいけない時期に来ていると思います。ちょうど今、日本が置かれている状況は、1980年代後半から1990年代のヨーロッパの状況によく似ています。フランスでは例えばいわゆる労働所得に対してだけ掛けていた保険料では間に合わないという議論がありました。富裕層はどちらかというと資産収入が多いということで、全所得に対して保険料を一般福祉税として掛けるという仕組みを当時の首相であるアランジュペ氏が導入しました。企業が負担する部分と国民が負担する部分で、国民の負担に関してはその人がどのくらい収入があるのか、全収入に対して保険料を掛けるということをやりました。現在、全収入に対して掛ける保険料は9.2%ぐらいになっています。日本も、こういうことをやらなければいけない時期に来ているのではないかと思います。
 もう一つは、給付の範囲ですけれども、現行の医療保障の仕組みでは実はもう医療技術の革新についていけなくなってきています。その結果、何が起こっているかというと、諸外国で開発された薬や医療材料が日本に入ってこなくなっているといういわゆるドラッグラグ、デバイスラグが顕在化しています。この問題をどうするのか。例えば手術糸や縫合器という手術のときに使う機器ですけれども、そういうものがなかなか入らなくなってきている。では、手術の糸は日本で作れないかというと、日本は材料もあるし作る技術もあります。何ができないかというと、そういうものを使った治験ができないのですね。ワクチンでもこの問題は大きな問題になりましたけれども、そうすると、こういうこともできるような形にするための国民的な議論をしなければいけない範囲に来ているのかと思います。
 それと、OTCで手に入る薬と処方しなければ絶対にもらえない薬と同じような評価でいいのか。こういうことも少し考えなければいけなくなってきているのではないかと思います。そういう意味で、少しこういうものも考え直さなければいけないのかと思います。
 あと、介護労働や訪問系のサービスがこれから増えるわけですけれども、私たちは地域で訪問系のサービスをやっている人の労働時間の調査をやったことがあります。そうすると、8時間働いているうちの実際にお金になる直接サービスというのは、大体そのうちの6割ぐらいしかしていないのですね。残りは実は移動時間と事務作業です。例えばオランダでは事務作業を共同するバックオフィスをつくって1人の介護労働者が直接サービスをできる時間を延ばす作業をしています。それをやることによって介護労働者の方たち、看護の人たちも含めですけれども、賃金の改善が進んでいることが実例としてあります。こういう働き方の見直しみたいなものを少し考えていかないといけないのではないかと思います。
 いわゆる医療・介護の世界は、見ていると、ほかの産業界でやっている生産性の向上につながるような改革が少し遅いですね。それは小規模な事業者が多いこともあるのですけれども、そういうところは少し構造を見直していかないと、少ない人数で多くの人たちを見なければいけない事態になりますので、生産性の向上にはつながらないのではないかと思います。そういう意味で、もう少し医療を産業として見て、そこでどのような工夫ができるかという視点での議論も必要なのではないのかと思います。このような視点での規制改革は必要だと思います。これは事例がいろいろとあります。あと、医療・介護のところで、例えば診療報酬、介護報酬というところでいろいろと定めている算定要件に関する項目が、いわゆる現場の働きにくさにつながっているところもあります。医療の質や介護の質に配慮しながら緩和できる規制は少し緩和していく形で、一人一人の介護労働者や医療労働者が提供できるサービスの量を増やすという視点での診療報酬、介護報酬の見直しも必要ではないかと思います。
 以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 それでは、岡委員からお願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。岡でございます。
 私のほうは医師の偏在対策と医療DXについて少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 今回医療偏在対策については、若手医師を対象とした医師養成過程中心の対策から中堅・シニア世代も含めた全世代的という方針を記載いただいており、私もこれは非常に大事なことだと思っています。若手医師だけということにしてしまいますと、例えば専門医制度の外の流れていく医師とか、非常に難しい課題がありますし、また若手医師は総合的な研修を受ける必要がありますので、必ずしも医師少数地域での医療がそれにプラスに働くとは限らないという課題があると思っています。そういう意味で全世代的なアプローチが必要かと思います。
 マッチング機能ということも記載いただいておりますけれども、私が非常に思いますのは、対象として医師少数圏の本当に医師の少ない地域だけでなくて、その中核となる医療機関も対象として考えていただく必要があるのではないかと思っています。私自身は小児科ですけれども、小児医療の医師少数地域の医療を今後考えていくときに、中核的なそうした県の小児医療施設を支援することによってその県全体を支援していくことが非常に重要だと考えていますので、そういう意味で対象として必ずしも医師少数地域ではなくて、県内の医師少数地域に限定せずに、その中核施設を含めた支援を考えていく必要があるかと思っています。
 2番目として、DXに関しては、私自身も病院の現場におりまして、本当に喫緊の課題でともかく早くやっていきたい、進めていきたい、それによって省力化を、人を少なく有効に使えるようにしたいと思っておりますけれども、非常に手間がかかる、費用がかかる、本当に医療現場としては焦りながらもなかなか進められないという現状があります。また、それを十分にサポートしてもらえるようなDXの環境にもまだ十分になっていないと考えています。そういう意味で、今、非常に各病院は厳しい財政状況に置かれていますので、十分これに全ての病院がついていけるのかどうかと、そういう非常に厳しい状況にあることは非常に危惧しているところです。ぜひ有効に進めること、これは非常に大事ですので、費用負担も含めて国は重点的に進めていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせいたしました。津谷委員、お願いいたします。
○津谷委員 ありがとうございます。慶應義塾大学の津谷でございます。
 資料2の「全世代型社会保障の構築」、特に労働市場や雇用について、一言申し上げたいと思います。
 先ほどから複数の委員の方々がおっしゃったように、急速な人口減少と超高齢化が進むなかで、15歳から64歳の生産年齢人口の減少の速度は総人口の減少より急速で、この傾向は今後しばらく加速して続いていくであろうという将来推計が出ております。つまり、生産年齢人口というパイの規模が小さくなっていく中で、昨今社会的注目を集めている賃上げを含む最低賃金その他の見直し、そして課税基準の見直しといったような労働市場と雇用をめぐる事項が重要な政策的課題への取り組みが急務となっています。先ほど多様なステークホルダーという表現が出ましたが、ここには労働者、つまり雇用者に加えて雇用主、そして政府、それも中央政府と地方自治体という複数のステークホルダーがいらっしゃいます。そして、これらのステークホルダーの間で要望や利害が往々にして衝突する、相反するということが出てくるのではないかと思いますが、しわ寄せがどこかに極端に集まることがないように、できる限り政策支援の無駄を極力省いて効率を上げることが必要となります。これは言うは易しいのですが、行うは大変難しいかと思いますが、知恵をしぼって対応していかなくてはなりません。先ほどからDX化というお話が出ておりますけれども、労働生産性を上げていくためには、DX化はもちろん重要ですが、それに加えてAIの利活用なども含めた多様かつ柔軟な対応が求められていると思います。これには課題も多いと思いますが、とにかく今、相当な覚悟を決めて取り組まないと状況は厳しくなるばかりであろうと思います。政策的な御支援と御配慮をお願い致します。
 以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 オンラインの委員の方で何か御発言の御意思のある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 それでは、会場でいかがでございましょう。
 それでは、松原委員、お願いいたします。
○松原委員 ありがとうございます。
社会保障の話となると、社会保障費抑制が前提で議論されていると思うのですけれども、地域で医療や介護・福祉が提供できない状態になれば、経済も回らなくなります。抑制だけではなく、いかに提供体制を確保し地域を支えるかという意味で、財源確保が重要です。高所得者への課税などのほか、消費税。高いといわれる日本の消費税率は中国やフィリピンよりも低いですし、日本の社会保障費の負担が他国と比べていわれているほど本当に高いのか、一方、質でいえば例えば重粒子線の治療に公的保険が利くという国はほとんどないですが、そもそも高所得国でさえ重粒子線治療施設がない国が多い中で日本には複数あるなど、事実をもっと伝えていく必要があると思います。そして医療は規制に守られており規制緩和が必要という話が多いのですが、逆にもっと計画的に規制強化を行うことによって最適な資源配分を考えていく必要があるのではないかと考えます。
 また、国民や企業に負担をお願いするばかりではなくて、もっと医療・介護・福祉事業者がまちをつくっていく、まちづくりを実践する担い手として活躍していく必要があると思います。人口が激減していく地域、まだ当面は増えていく地域、高齢者がもう既に減少している地域というように、地域によってニーズはかなり違います。また、同じ市であっても、例えば青森市を例に取ってみても、駅前の状態と八甲田山に近いほうでは全く見える景色が違っております。こういう中でどうやってまちをつくっていくのかというときに、医療・介護・福祉分野というのはかなり重要な地域の資源だと思います。医療・介護・福祉の資源をまちづくりにもっと地域で活用していく、そのための後押しが求められます。面白い例として、愛知県の中山間地域に足助病院という病院があります。中山間地域で病院や福祉施設は最も大きなエネルギー消費施設かつ若者がいる施設ですが、こちらの名誉院長先生は「三河の山里コミュニティパワー」という会社をおこし、地域で再生エネルギーをつくる、市のクリーンエネルギーを売電する等で得た利益を地域の福祉に使うといった仕組みづくりに取りかかっていらっしゃいます。地域のお金を外に出すのではなくて地域経済を回すようにする仕組みの中核を医療・介護・福祉分野がもっと担うことが可能ではないかと思っています。
 以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 それでは、嵩委員、お願いいたします。
○嵩委員 東北大学の嵩でございます。
 私からは2点になります。
 まず、今日御説明いただきましたように、令和4年の年末に取りまとめられた全世代型社会保障構築会議の報告書におきまして、働き方に中立的な社会保障制度の構築が改革の方向性の1つとして掲げられていまして、例えば短時間労働者への適用拡大における企業規模要件の撤廃については早期に実現を図るべきとされまして、それを受けて、私も参加しておりますが、年金部会等で検討が進められまして、昨年度末に今日御紹介いただきましたように議論の整理がなされました。ただ、企業規模要件撤廃の実施時期については、中小企業への配慮の観点から当初予定より少し先送りになる見込みという報道にも接しております。まだ法律が成立していないので不確定ではありますけれども、当初より先送りになりますと、早急な実現からやや後退してしまいます。もし、先送りとなってしまった場合には、そのスケジュールの中で確実に実施できるよう、引き続き法改正の前後においても制度についての丁寧な説明と、それによってその制度への理解と信頼を得ていくということと、着実にその実施というか適用が可能となるよう日本年金機構等の運営機関との連携が必要だと思っております。
 2点目は雑駁な意見になるのですけれども、制度への理解ということでいいますと、社会保障制度がとても複雑だということも理解を妨げる要因となって、不正確な理解に基づく批判や意見を引き起こすおそれも大きいのではないかと危惧しております。どうしても社会保障制度は公正さということで、構築会議の言葉で言うと能力に応じた負担ということになるかもしれませんが、その実現を個々の制度ごとに追求する傾向にありまして、それにより個々の制度が複雑化していく面もあろうかと思います。どうしても制度ごとに独立して検討することが多いので、個々の制度において公正性を担保するために精緻な仕組みとなってしまうことがあるかと思いますが、制度間の役割分担を意識して、例えばここまでは年金制度の役割、その先は雇用政策に委ねるというすみ分けをすることで、制度を簡潔にして広く理解と信頼を得る制度にしていく発想も必要ではないかと思っております。ただ、これも抽象的に言うのはたやすくて、実際の政策検討の局面でそのような方針に沿った具体的な見直しが簡単にできるとは思っておりませんけれども、制度の分かりやすさは社会保障制度への信頼のベースかと思いますので、そういった点についても今後配慮して検討していただきたいと思っております。
 以上になります。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 野口委員がオンラインでお手を挙げておられます。野口委員、お願いいたします。
○野口委員 どうもありがとうございます。
 皆さんから非常に重要な意見が出ておりますが、私からは1点、高額療養費制度の見直しについて、昨今いろいろな患者さんたちと話す機会がありましたので、そのことについて触れさせていただきたいと思います。
 高額療養費制度は、生産年齢人口で例えばがんにかかった方などの命の支えになっている、生活の支えになっているということであります。とにかくトレードオフがありますから、どこかから財源を確保しなければいけないというのは分かるのですけれども、高額療養費制度を今回ドラスチックに改革されて非常に高額にした、患者の負担を重くしたということは、患者さんたちにとっては非常に突然という感じがあり、コンセンサスがあまり得られていないような印象を受けました。あくまでもこれは印象です。
 片や、これは非常に線引きが難しいのですけれども、ローバリューな医療、低価値医療も我々は考えていかなければいけないと。東大の宮脇先生たちがやられた研究だと、その低価値医療について1000億以上の規模で、日本の医療保障制度の中で非常に重い負担となっているというところで、線引きは非常に難しいのですけれども、その辺りを率直に申し上げて保険収載からどうするのかというところも我々は考えていかないと、今後例えば特にがん治療に関して、高額な医療、高額な最先端の薬剤治療法等々がどんどん公的な医療保障制度の中で保険収載されていくだろうことが予想されているわけですけれども、オーダーメード治療みたいなことも言われていて、そのような中で低価値医療で使われなくなった医療を抜本的に見直していく。何かを得たら何かを捨てなければいけないわけですから、その辺りを考慮に入れて考えていく必要があるのではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
 大体時間に近づいておりますけれども、ほかにどなたかいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 本日は本当に多様な視点から貴重な御意見を頂戴することができました。今後のそれぞれの審議の中で非常に有益になると思いました。ありがとうございます。
 それでは、最後の議題、議題の4でございます。「社会保障審議会運営規則第4条に規定する『会長の同意』の運用解釈について」でございます。
 事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
○安藤参事官(総合政策統括担当) 御説明申し上げます。お手元の資料4を御覧ください。
 2ページ、まず現状と課題について簡単に御説明いたします。厚生労働省が保有する匿名医療保険等関連情報データベース、いわゆるNDBデータでございますけれども、こちらについては、匿名化したレセプト等のデータについてあらかじめ社会保障審議会の意見を聴いた上で、第三者である申請された研究者の方々等に対して提供させていただいているところでございます。その際、審議会の意見を聴く手順、手続といたしましては、まず社会保障審議会の医療保険部会の下の専門委員会で審議及び議決を行った上で、医療保険部会長の同意を得て、専門委員会の議決を同部会の議決とした上で、さらに社会保障審議会会長の同意を得て、同部会の議決を審議会の議決としているところでございます。
 こうした中で、このNDBデータの取扱いについて、昨年6月16日に閣議決定いたしました「規制改革実施計画」において、解析用に処理したNDBデータ、こちらについて補足しますと、もともとNDBデータについては氏名等の個人識別情報については削除してございますが、こういった削除に加えまして、地域情報の粒度を粗くすることや頻度の少ない疾患を削除することを行いまして、情報の安全性をさらに高める加工を行ったデータのことを、こちらでは解析用に処理したNDBデータと申し上げておりますけれども、このデータにつきまして、専門委員会による審査の効率化などを行って、利用申請から申請者が実際にデータの利用を開始し得るまでに要する期間、これは現状390日程度かかっているわけですけれども、これを原則7日とすること、そのためにこの医療保険部会の下に設置されております専門委員会につきましては当面月1回を開催することといたしますけれども、今後申請件数が増えれば複数回設定するというような閣議決定がなされたところでございます。
 これを受けまして、昨年11月以降、先ほど申し上げましたあらかじめ解析用に処理したNDBデータにつきましては、利用申請から7日間で実際に提供できる体制を整えているところでございますが、併せて先ほど審議会の意見を聴く手順について申し上げましたけれども、短期間の間に会長の同意をいただく必要性も生じているところでございます。
 こうした事態に対しまして、2番の「対応方針案」でございますけれども、別添としてこの社会保障審議会の運営規則の運用解釈の案をお示しさせていただいてございますが、そういった運用解釈を定めることにより、技術的・軽微な事案であって、かつ短期間で繰り返し会長の同意が必要となる事項につきまして審議会が定めた事項については、特段の事情がない限り、「会長の同意」を得たものとして取り扱うことができるようにしてはどうかという御提案をさせていただくものでございます。こちらの審議会が定めた事項につきまして、この事項を追加する際には、あらかじめ、その都度、審議会に諮ることを要することとさせていただきたいと考えているところでございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
 御説明は以上です。
○遠藤会長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局からの御説明ですけれども、御質問、御意見等あればいただきたいと思いますが、まず会場の委員から何かあればいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
 それでは、考えておられる間にオンラインでお考えの方があれば御意見いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、特段の御意見がないということでよろしゅうございますね。
 それでは、事務局からの提案でございますので、これはこの審議会で決定をしなければならないということになりますので、私もこういうものはやったことがないのですが、採決を採らなければならないということになりますので、採決をさせていただければと思います。
 それでは、まず会場にて御出席の委員の方々で本原案に対して賛成の委員は挙手をお願いしたいと思います。いかがでございましょう。
(挙手多数あり)
○遠藤会長 では、事務局、確認してください。よろしいですね。
 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで御出席の委員におかれましては、賛成の委員は挙手のボタンをクリックしていただきたいと思います。
(挙手多数あり)
○遠藤会長 それでは、事務局、確認中ですね。
 集計をいただきました。会議に御出席の委員が22名いらっしゃいますけれども、そのうち賛成をされた委員が19名ということになりますので、委員の過半数ということになりますので、原案は了承されたとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、本日用意したアジェンダは以上のとおりでございますけれども、事務局、何かコメントはございますか。
○朝川政策統括官(総合政策担当) 政策統括官です。ありがとうございます。
 今日いただきました意見、多数の先生方から共通した意見もございました。特に給付と負担の見直しを制度の持続可能性の観点からしっかり取り組んでいくべきという御意見を多数いただきました。こちらについては工程表にのっとって取り組んでいくということと、少し中長期的な視点に立った検討、議論をしていく必要が私どももあると考えています。
 その際、負担の公平性の観点から現役世代への負担軽減、あるいはどういったところに配慮がより必要なのか細かく見ていく必要性、そういった御指摘もいただきましたし、賦課ベースをもっと広げて考えていくべきではないかという御意見もいただきました。そういったことも含めて我々は検討していく必要があると思っています。
 また、その検討の議論の前提となる基本的なデータの整理、こういったことも取り組んでいきたいと思います。
 さらには、人材不足がより著しい状況になってきていますので、これまでの取組に加えてしっかり取り組むようにというDX、生産性の向上、そういったことで御指摘をたくさんいただいたと思っています。こちらについても我々は同様に考えています。
 そのほか、個別テーマについても御指摘をたくさんいただきました。貴重な御意見をありがとうございます。今後の施策に生かしていきたいと考えております。
 ありがとうございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
 ただいま統括官からお話がありましたように、大変今後の議論に非常に有益ないろいろなお話を承れたと思います。本日は長時間にわたりまして、かつ大変御多用のところを御参加いただきまして、どうもありがとうございました。
 これにて審議会を終了したいと思います。ありがとうございました。