2024年11月6日 薬事審議会 毒物劇物部会 議事録

日時

令和6年11月6日(水) 14:00~

場所

厚生労働省 専用第22~24会議室

出席者

出席委員(9名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

他、参考人1名出席


欠席委員(0名)
 

行政機関出席者
  •  佐藤大作(大臣官房審議官)
  •  田中里依(化学物質安全対策室長) 他

議事

○事務局 ただいまより、「令和6年度第1回薬事審議会毒物劇物部会」を開催いたします。まず、事務局に人事異動がありましたので御紹介させていただきます。大臣官房審議官(医薬担当)として佐藤が着任しております。化学物質安全対策室長として田中が着任しております。また、中尾が着任しております。辻村が着任しております。
 議事に戻ります。毒物劇物部会の現在の総委員数は9名であり、定足数が過半数の5名となっております。本日はリモート参加の5名を含め、9名の先生方に御出席いただいておりますので、この会議は定足数に達していることを御報告申し上げます。石塚先生、出水先生、根本先生、松岡先生、三瀬先生におかれましては、リモートで参加されておりますことを申し添えます。なお、本会議は公開で行われ、資料及び議事録も一部を除き公開となっております。また、今回、議題1の毒物劇物の判定基準に係る審議のため、毒物劇物調査会委員でもある国立医薬品食品衛生研究所の横田先生にも参考人として御参加いただいております。
 事務局より、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。薬事審議会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。また、今回、三瀬委員より御家族の方が製薬メーカーにお勤めと御申告いただいておりますが、本日の申請企業とは関連がないため、審議品目に影響を与えるものではないものと事務局としては判断し、薬事審議会審議参加規程に照らし、全ての委員に審議、議決に加わっていただくことができることを御報告いたします。
 続いて、お手元の資料の確認をさせていただきます。まず、今回の議事次第、委員名簿、資料一覧をお配りしております。また、審議資料として、議題1に関連して資料1-1「毒物劇物の判定基準」の改定について、資料1-2「毒物劇物の判定基準」改定案、改定前資料をお配りしております。議題2の劇物の指定については、資料2として4-[2-(4-tert-ブチルフェニル)エトキシ]キナゾリン(別名フェナザキン)及びそれを含有する製剤をお配りしております。議題3に関しては、劇物からの除外についてとして、資料3の塩素酸ナトリウムを含有する製剤をお配りしております。そのほか、当日配付資料として、令和6年度第1回薬事審議会毒物劇物部会の審議物質の用途についてをお配りしております。こちらに関しては、これから御審議いただく物質に関する事業者からの申請に伴う用途一覧となっております。用途の公開については、特定の者に不当な利益若しくは不利益を与えるおそれがあるため非開示とさせていただいております。赤字で記載している用途についての御発言については御留意いただきますようお願いいたします。
 そのほか、資料3の塩素酸ナトリウムの参考資料として、爆発性に関する資料を机上配付資料としてお配りしております。オンライン参加の先生方に関しては、昨日、メール等でお送りさせていただいているものになります。こちらの資料に関しては、企業名等の記載がございますので、そちらに関する発言についてはお控えいただきますようお願いいたします。その他、参考資料として毒物劇物判定基準(最終改定:平成29年2月)のものを配付しております。お手持ちの資料に不備等がございましたら、お申し付けいただければと思います。よろしいでしょうか。
 本委員会についてはオンライン併用で実施いたしますので、注意いただきたい点について御説明させていただきます。発言以外の際には、基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。発言時以外にマイクがオンになっている場合は、事務局でミュートにさせていただく場合がありますので御了承ください。また、御発言がある場合には、まず挙手機能やコメント機能を用いて意思表示をお願いできればと思います。意思表示を頂きましたら、部会長又は事務局のほうで指名させていただきます。その後に発言を頂ければと思います。また、発言の際には最初にお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。また、質疑時間についてはカメラをオンにしていただければ幸いです。オンラインでの注意事項は以上です。
 それでは、議事に移ります。以降の議事運営は合田部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○合田部会長 どうもありがとうございました。
 では、議事に入ります。以降の議事運営は、私が司会をさせていただきます。まず、資料1-1及び資料1-2について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1及び資料1-2について御説明させていただきます。まず、資料1-1を御覧ください。
 「毒物劇物の判定基準」の改定について、見直しの経緯です。近年、毒物及び劇物の指定又は除外の検討を行うに当たって、以下の問題点が顕在化してきているところです。具体的には、吸入試験・経皮毒性試験等の実施に関する要否の基準がないこと、判定基準に記載してあるベンチマーク化合物の記載が混乱を招いていること、また、最新のOECDガイドラインとの整合性を考慮して修正を行う必要があること。そういった点に関して、最新のOECDガイドラインとの比較検討を行い、資料1-2の改定案を作成いたしました。こちらの改定の妥当性について御議論を頂きたいと考えております。
 具体的な改正案に関しては、資料1-2を御覧ください。なお、改定に関して記載場所の変更等を行っておりますが、改正部分の記載変更場所まで下線を引くと大変見づらくなるため、具体的な内容の修正、追記箇所に関して下線を引いております。
 まず、1点目、判定基準の柱書きについて、なお書きを追加させていただきたいと考えております。こちらは委員の先生方向けの文章というよりは、ホームページ等でこちらを御覧になる事業者向けの記載という形で、本判断基準は薬事審議会の審議の参考にするものであるという旨を記載させていただきたいと考えております。
 続いて、動物における知見に関して、全身急性毒性と局所毒性に大きくくくりを分けています。また、判定基準値1という記載を全身急性毒性の所に追記しておりますが、こちらに関しては、後ほど御説明する判定基準2の際に御説明いたします。全身急性毒性に関して、経口、経皮、吸入のLD50、LC50を記載しておりますが、こちらは改定前のものから変更があるものではありません。
 次のページです。知見が得られている場合に参考にする判定項目について整理を行い、ホ)その他の試験で保健衛生上の有害性が認められる場合というものについて、もともと「その他」と書いてあったものを膨らませて記載しております。局所毒性に関しては、特段、大きな変更の記載はありません。
 今回、新たに追記を行いたいものとして、4ページの下の試験免除基準というものがあります。OECDのガイドラインで記載されているものを参考に、実際に試験が困難な事例などについて、審議の際にデータとして求めなくてもよいだろうというものについて記載しております。
 具体的には、まず経口毒性試験の場合、蒸気圧、溶解度、サイズ等から経口投与が実施困難な場合について記載しております。また、pH2以下又は11.5以上など、強酸性、強塩基性のものに関しては、皮膚腐食性を有しており、経口投与が実施困難な場合ということで、試験が実施困難なため試験免除対象としております。
 経皮毒性試験に関しても、蒸気圧、溶解度等から経皮投与が実施困難又は経皮吸収が極めて低い場合というものを記載しております。急性経口毒性試験のデータでLD50が2000mg/kg以上の場合に関しては、一般的に経口投与のほうが毒性が高く出やすいことから、経口で十分な毒性が確認できると考えられるため、試験免除対象と記載しております。逆に、経口投与のLD50が300mg/kgより低い場合に関しては、経口毒性により毒性の判断が可能と考えられるため、試験免除対象と記載しております。pHに関しては経口と同様の考え方になります。
 吸入ばく露試験の場合に関しては、蒸気圧、粒子径サイズ等から吸入ばく露が想定されない場合ということで除外対象としております。また、急性経口毒性又は急性経皮毒性試験において毒物相当と判定される場合に関しても、こちらで十分な判断が可能と考えられるため、試験免除対象としております。こちらに関しては、下記のOECDのガイドラインを参考に記載したものとなっております。
 続いて、製剤の除外に関する考え方について、修正する事項について説明いたします。1点目、製剤について知見がある場合です。まずは改正前の資料について御確認ください。改定前の資料の8ページ、(1)のマル1の(a)に関して、現行の判定基準においては、除外する製剤について本基準で示された劇物の最も大きい急性毒性値の10倍以上と考えられるものであることという記載があります。こちらに関しては、2桁パーセント以上の製剤を除外する場合に、原体の毒性値よりもはるかに高いLD50などの毒性値がないと除外できないという考え方になってしまい、過剰な毒性データを求めると考えられるため、改正を行いたいと思います。改正案のほうに戻ります。具体的には、経皮、経口、吸入ばく露では判定基準値1の劇物相当より毒性が低く、劇物の基準から外れたものであることという形で、LD50などのデータに基づいて知見に応じた判断を行いたいと考えております。
 また、製剤について知見がない場合についても修正を行っております。もともと製剤について知見がない場合に関しては、式に応じて除外可能な濃度について算出する形で判定基準に記載していたものです。しかしながら、記載の説明ぶりが大変分かりにくいものになっていたため、記載を見直しております。具体的には、判定基準値1の閾値、例えば、経口であれば300mg/kgと当該物質の原体の全身急性毒性値を基に判定基準値2を求める必要があるものとなっております。例えば、経口毒性の判定基準値2を求める場合、求める原体の急性毒性値が100mg/kgの場合だと、判定基準閾値には300mg/kgを適用し、分母が300×10、分子が100の100%という形で、3.3%が経口の判定基準値2という形になります。また、同様に経皮毒性についても式に当てはめて計算することになります。それぞれ判定基準値を求めた上で、最も低い判定基準値2のパーセントを適用するという形で考えております。
 以上の改正を行いたいと考えております。なお、本改正について、この部会で御了承を頂いた後は、パブリックコメントを行い、その結果とともに修正の有無について御報告し、成案とさせていただきたいと考えております。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。この判定基準の改定につきましては、毒物劇物の調査会で先に審議されまして、改定内容については了承されています。本改定案につきまして、御質問、御意見等がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。横田先生、何か付け加えることはありますか。
○横田参考人 いや、特にございません。
○合田部会長 特にないですか。どうぞ、奈良先生。
○奈良委員 1点、念のため確認させていただければと思います。1.4の試験免除基準の所で、経口毒性試験の場合、経皮毒性試験の場合ということで、それぞれ条件が書いてあるのですが、これは、あくまで試験の免除を考慮するための基準ということでしょうか。例えば経皮毒性試験の場合に、ロの所で急性経口毒性試験のデータがあって、それが「LD50が2,000mg/kg以上の場合」であったからといって、自動で免除の対象になるということではなくて、こういう場合には、ほかに何らかのエビデンスが出されるということになるのでしょうか。
○事務局 具体的な運用方法について御説明させていただきます。試験免除基準に該当する形で、事業者の方から、こちらの当該試験については試験不要ですよねという説明があった場合には、その説明内容も含めた上で申請書類を作成していただき、申請を行っていただく形になります。それに基づいて、部会等での審議資料という形でこちらで作成させていただいて、その試験免除基準に該当するものとして取り扱うことが妥当かどうかも含めて、実際に部会の場で御審議いただく形になろうかと思います。その説明ぶりが妥当だという場合も、その試験なしでほかの経口等の試験データを基に御判断いただく形になりますし、もし妥当ではないという形になれば、差し戻した上で、申請者のほうで対応について検討を頂く形になるかと思っております。以上です。
○奈良委員 御説明ありがとうございました。
○合田部会長 よろしいですか、奈良先生。非常に細かいことですが、今の4ページの所で、「LD50が300mg/kgより低い場合」ということが言われていますよね。ですから、これは「未満」と同じことですよね、「より低い場合」というのは。
○事務局 「未満」という形。
○合田部会長 でいいのですか、「以下」ですか。
○事務局 失礼しました、「以下」になります。LD50の経口の判定基準1が50~300で、300は含む形になりますので、「以下」になります。
○合田部会長 ですよね。そうすると、これは「より低い場合」でいいのかなと思って、「以下」のほうが正確なのかなと思ったのですが、これはどういう。最終的にはここで審議するので、これは一つのガイドラインという形ではあるとは思いますが。変えなくていいですか。
○横田参考人 合田先生のおっしゃるとおりで、そこは「以下」のほうが適切と思います。
○合田部会長 よろしいですか。皆さん、そちらのほうが一応、明確になるかなと思いますが。では、ここは「以下」に変えましょうか。
○事務局 こちらに関しては、「以下」で修正させていただければと思います。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに何か御質問等はありますか。どうぞ、奈良先生。
○奈良委員 その場合、もしかすると、今、御指摘のあった1つ上のロの所のLD50値も「2,000mg/kgを超える場合」になりますでしょうか。
○横田参考人 OECDのガイダンスドキュメント237の13番に記載があります。「greater than 2,000 mg/kg bw」と書いてありますので、「超える」ということになります。
○合田部会長 ここは「超える」ですね。
○横田参考人 はい。
○合田部会長 ありがとうございました。先生、御指摘ありがとうございます。「超える」ですね。
○事務局 以上2点については修正させていただければと思います。部会終了後、修正案については共有させていただきます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等はございますか。角田先生。
○角田委員 基準の見直し自体については特段意見はないのですが、この製剤の除外に関する考え方で、今までは、より厳しい条件を課すことになると資料1-1に書いてあります。これまでも、この件について、外部からも、事業者の方からお問合せがあったのかなとも思ったのですが、そういう実態なども踏まえると、今後、この基準が見直されれば、毒劇物の指定解除というのが、これまで指定されたものの中で、より申請されるようになるとお考えかどうか、ちょっとその感触でも聞かせていただければと思います。
○合田部会長 事務局、何かありますか。
○事務局 こちらの判定基準の見直しに関しては、現在、既に指定されている物質について、厚労省側で能動的に現行の基準の見直しを行うものではありませんが、事業者から新たに申請が行われていた場合に、それが妥当かどうかということで御審議いただいて、新たに判定基準の改正に基づいて劇物製剤から除外されるという判断が行われる場合には、審議いただいて外すということはあろうかと思っております。
○角田委員 分かりました。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等はございますか。
○合田部会長 三瀬先生、ありがとうございます。よろしくお願いします。
○三瀬委員 三瀬です。先ほどの御質問とも関連することなのですが、試験免除基準の中の経皮毒性試験のロ、経口毒性試験のデータが2,000mg/kgを超える場合は除外の対象ということなのですが、先ほどの説明の中で、一般的に経口毒性のほうがばく露量が多いという説明があったかと思うのですが、ものによっては、代謝が非常に早いようなものですと、経口よりも経皮のほうがばく露量が多くなることもあり得るのではないかと思います。その辺りはどのように考えればよろしいですか。それも、申請があった時点で何か根拠となるデータを出してもらうことになるのでしょうか。
○合田部会長 事務局、何かありますか。
○事務局 そうですね。ただ、その場合であっても、経皮でLD50が1,000mg/kg以下という形になる必要がありますので。経皮の場合、皮膚バリアがあるので、OECDガイドラインにおいても、一般的に経皮よりも経口のほうが毒性が高くなるという形で、こちらの試験免除の条件が記載されているものになります。大変特殊な事例とかで、経口よりも経皮吸収のほうが圧倒的に高い場合ですとか、経皮吸収に関する特殊なデータがある場合については、別途判断という形になるとは思うのですが、一般的に、経口でLD50が2,000mg/kg以上の場合は、皮膚の経皮毒性のほうでLD50が1,000mg/kgを下回ることは考えにくいものかと思っているところです。
○合田部会長 今の説明でよろしいですね、三瀬先生。
○三瀬委員 ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等はございますか。Webの先生方もよろしいですね。それでは、本件は了承されたということです。部会でも了承されたということになります。
 では、その次の議題に入りたいと思います。事務局は、資料2について説明してください。
○事務局 資料2、4-[2-(4-tert-ブチルフェニル)エトキシ]キナゾリン(別名フェナザキン)及びこれを含有する製剤の毒物及び劇物取締法に基づく劇物の指定について、御説明させていただきます。
 経緯です。フェナザキンは、現在、毒物及び劇物としては指定されていない物質になります。本物質は、現在、農林水産省で農薬登録の手続が行われているところですが、その審査の際に提出された毒性データから劇物に該当する可能性があるものとして、農林水産省より劇物該当性の照会が来ているものになります。検討に当たっては、原体及び18.3%製剤の毒性データが提出され、その結果から、当該物質及びその製剤を劇物に指定することが適当かどうか、今回、御審議いただくものになります。
 用途は、次のページの別添1を御覧ください。フェナザキンは淡黄色固体結晶となっており、物理化学的性状については記載のとおりとなっております。
 次のページの別添2を御覧ください。原体における急性毒性試験等のデータになります。急性経口毒性試験において、ラットのLD50が135mg/kg前後となっており、劇物の範囲に当てはまるものとなっております。急性経皮毒性試験、急性吸入毒性試験の結果については、劇物の範囲よりも大きい値となっております。また、皮膚刺激性、眼刺激性についてもありません。毒物劇物の判定基準に照らし合わせて、急性経口毒性からフェナザキンの原体は劇物に該当するものかと考えております。
 また、18.3%製剤につきましても毒性データが提出されております。なお、農薬取締法上、パッケージの表示濃度から一定の濃度範囲に関しましては、製品での濃度のばらつきが認められる管理濃度という範囲が定められております。本製剤の場合に関しましては、±6%の範囲が管理濃度の範囲となっております。そのため、本製剤の濃度範囲としましては、表示は18.3%になりますが、6%を足した19.4%が製品としての濃度上限となっており、今回の試験報告書に用いられた濃度に関しましても、この管理濃度の幅に含まれているものとなっております。
 製剤に関しましては、いずれのデータも劇物の範囲を超えているものとなっております。また、現行の毒物劇物の判定基準では、製剤の知見がある場合でも原体の最も大きい急性毒性の10倍以上のLD50が求められているところで、これに当てはめると、急性毒性について2,000mg/kg以下となっているため、製剤の除外ができないとなるところですけれども、先ほど、その旨を削除する改正に御了承いただいたところであり、当該記載を適用せずに、当該製剤を劇物に該当するものではないものとして取り扱いたいと考えているところになります。
 1ページにお戻りください。以上のことから、事務局案としましては、フェナザキン及びこれを含有する製剤を「劇物」に指定することとする。ただし、19.4%以下の製剤については、この範囲から除外することとしたいと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。この物質につきましては、事前に毒物劇物調査会で、原体については急性経口毒性のデータから劇物としての指定が妥当であると判断されています。また、18.3%以下の製剤については、毒性データからは劇物としての範囲から外れているものです。
 それで、今回のフェナザキンの劇物としての新規指定につきまして、御質問、御意見等がある方はいらっしゃいますか。Webの先生方もよろしいですか。
 では、私から、非常にマイナーなことなのですが、2ページの安定性の所で、57~98℃で融解(81℃でピーク)と書いてある、これはどういう物理的現象なのですか。これは、融解するときに、普通は81℃で融解するということですか。
○事務局 審請事業者にも確認したいとは思いますけれども、融解については81℃で、ある程度融解して、完全に融解するのが98℃という形になるかと思っております。
○合田部会長 そういうことなのかな。でも、では、何で57℃で融解するのかなとかと。これは、ものとしては構造として結構しっかりしていますよね。出水先生、これについて何か分かりますか。
○出水委員 ありがとうございます。出水です。そうですね、あまり見慣れない表現かなと思いましたけれど、今の合田先生と事務局とのやり取りのとおり、恐らく81℃で多くが融解していくのかなとは思いました。
○合田部会長 結晶系で違うのですかね。そういうわけでもなさそう、これは何かなとか思って、単純に興味を覚えましたけれども。毒性の話とは少し違うので、分からなければ、それで仕方ないなと。もしも申請者が知っていたら、情報として教えていただければと思います。
○事務局 承知しました。後ほど、申請事業者にも確認した上で御回答させていただければと思います。
○合田部会長 どうもありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。よろしいですか。オンラインの三瀬先生が手を挙げられていらっしゃいます。   三瀬先生、お願いします。
○三瀬委員 三瀬です。製剤のところで確認なのですけれども。試験されている濃度というのは、19.4%なのですか。それとも18.3なのですか。
○事務局 試験された際のデータの実測値としては、18.9%という形で聞いております。
○三瀬委員 そこで除外の濃度を19.4にするというのは、これまでも農薬に関してはやられていることなのでしょうか。
○事務局 これまでに関しまして申し上げますと、過去、管理濃度について正確に考慮した上で除外されていないような製品もありまして、時々、現場からの照会などで、実際の表示濃度として販売されているものが除外濃度ぎりぎりという形になっていて、当然、製品としてのばらつきがありますので、それより上のものについて、毒劇法上、どう取り扱うのかみたいな照会が来ることがあります。そういったこともありますので、今回に関しましては、この管理濃度について考慮した上で除外範囲として設定させていただきたいというものです。
○三瀬委員 そこは、実験をやっていない濃度を除外することというのは、どうなのでしょうかね。農薬だけこれが認められて、ほかの化学物質は認められないということになりますよね。
○事務局 そこに関しましては、実際に販売等をされる製品の濃度を踏まえてということになるかとは考えております。毒劇法上の法律の読み方としては、基本的に、この管理濃度という考え方を含めて、濃度の実際の表示値のみで判断するというのはあまり適切なやり方ではないと思っておりますので、今後に関しましては、実際の表示値よりもばらつきがあるものについては、そこを考慮した上で除外範囲について定めさせていただきたいと考えているところです。
○合田部会長 これは、結構クリティカルな問題ですよね、確かに。毒性の御専門の方は、このぐらいの差異について、どうお考えなのですか。平林先生、何か御意見がありますか。
○平林委員 平林です。化審法などでも、確かに製剤の場合に何パーセント含有というような表示がされることがあります。そのときに、かなり幅があるというような製品もあります。試験された物質についてはきっちりパーセンテージが出ますけれども、製品中の濃度のばらつきについては、この範囲で作っていますということであれば、代表的なもので毒性を見て、そこの範囲は目をつぶると言ってはおかしいのですけれども、その上限で試験をしていないから、試験をした濃度より高濃度は、駄目というような判断はしてこなかったように思います。
○合田部会長 なるほど、どうもありがとうございます。横田先生、何かありますか。ここは横田先生には関係ないのかな、この部分については。そのために出られているのか、ちょっとよく分からないけれど。
○横田参考人 今の平林先生の言葉以上はあり得ません。
○合田部会長 ほかに御専門の先生方、Webの先生方もいらっしゃいますよね。何か御意見のある方はいらっしゃいますか。
 要するに、毒性的にこのぐらいのパーセントの差だったらあまり関係ないという話であれば、実行可能性のあるところで、こういうルールは作るのが適切かなとは思います。多分、数パーセントの差というか、上下の5%ぐらいの差のところだったら、十分、許容範囲のような気もしますけれど。医薬品などの含量で普通95~105ぐらいの製剤、きついものは98~102とかになりますけれど、そういう感じで上下5%ぐらい認めているから、ぎりぎり妥当なところかなとも思ったりはしました。20%だったら±2を考えればいいので、そのようなところかなとは思いましたけれど。
○平林委員 平林です。試験ごとに多少の振れもありますし、動物の感受性ですとか、vitroの試験にしても多少の幅があるということもありますので、そういった誤差も考慮しますと、そこまできっちり数字を出すことに意味があるかということになるかと思います。
○合田部会長 それもありますし、大体、固体で製剤まで出たら固体の均一性は結構調べるのが難しいから、そこにどのぐらいの有効数字というか桁数があるかというのは、ちょっと分からないから、こんなものかなという感覚はあります。
 では、皆さん、今、委員の先生方でこういう議論をしましたけれど、特にそれに異論がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。特に異論がある方、いらっしゃいませんね。では、今のところ、今回、事務局が決めた数字は特に問題がない。一応、管理濃度で出している数字だということですけれども、そういう形で市販されているわけですよね。だから、そういうものの数字を、一応、上限としているということについて、問題がないという形にさせていただこうかと思います。よろしいですね。では、特に御異議がないと思いますので、本件についても御了承いただいたものとさせていただきます。このものにつきまして、劇物への指定を認めるという形になります。
 その次です。資料3について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料3、塩素酸ナトリウムを含有する製剤の毒物及び劇物取締法に基づく劇物からの除外について、御説明させていただきます。
 経緯になります。塩素酸ナトリウムは、現在、毒物及び劇物指定令第2条第18号の「塩素酸塩類及びこれを含有する製剤。ただし、爆発薬を除く。」に該当し、劇物に指定されている物質になります。本物質は、事業者からの毒性データ等が提出され、その結果から劇物から除外することが適当かどうか、今回御審議いただくものです。
 次のページの別添1を御覧ください。塩素酸ナトリウムは淡黄色固体結晶となっており、物理化学的性状は記載のとおりになります。反応性及びその他の欄を御覧ください。塩素酸ナトリウムは、強い酸化性、爆発性を有している物質になります。しかしながら、今回の製剤の組成のものについては、大量燃焼試験・鉄管試験の試験結果から、燃焼性・爆発性がないことが確認されているものになります。
 次のページの別添2を御覧ください。原体における急性毒性試験等のデータになります。原体の試験データからは、毒性が低く、劇物の基準からは全て外れているものとなっております。また、50%製剤のデータについても御確認いただければと思います。こちらに関しても、同様に劇物としての範囲から外れているものになります。
 1ページにお戻りください。今回データが提出されている製剤の組成としては、表の範囲のものになります。塩素酸ナトリウムに関しては、含有量の横に農薬としての管理濃度幅、今回、±5%になりますので、そちらを踏まえた範囲を記載しています。また、炭酸水素ナトリウムに関しては、下限は同様に管理濃度幅を、また、上限については、製造時の加熱により分解しやすいことから、製剤時の投与量から算出した上限について記載しています。こちらを除外範囲として定めることとし、事務局案としては、塩素酸ナトリウムを含有する製剤のうち、塩素酸ナトリウム47.5%以上52.5%以下かつ炭酸水素ナトリウム27%以上37%以下を含有するものについては、劇物から除外したいと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。この物質については、現在、原体及び製剤が劇物に指定されています。今回、事業者から提出された50%粒剤の物理化学的データ及び毒性データより、毒物劇物調査会において、当該製剤の範囲を劇物から除外することが妥当と判断されたことから、これを劇物から除外するものです。本件につきまして、御質問、御意見等はありますか。炭酸水素ナトリウムの範囲は上側に大きく数字が振れていますが、これは分解をするし、逆に、これで今までの爆発性とかそういうものを抑えていくものですから、上側に振れるということは特に問題がないかとは思いますが。よろしいですか。角田先生、お願いします。
○角田委員 角田です。この塩素酸ナトリウムを原料とする物質が、今、農薬取締法に基づいて農薬として登録されておりまして、調べてみましたら、確かに50%と補助成分30%のものが実際に3剤登録されておりますが、今回、これによってそれらが劇物から除外されるということでよろしいのでしょうか。
○事務局 こちらの製剤組成を満たす製剤について、現在、3社が販売されているという形で承知しております。いずれの製剤に関しても、塩素酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの条件を満たすものに当てはまるものと考えておりまして、それらの製剤全てが除外される、現在、劇物製剤として取り扱われているものが、改正後、非劇物として取り扱われることになるものと考えております。
○角田委員 ありがとうございます。実際、使用者の人たちは、これを管理するときに厳しく管理していると思いますが、使用者からすると、これが外れることでより管理がしやすくなるのかなとも思います。了解いたしました。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等がある方はいらっしゃいますか。三瀬先生、よろしくお願いします。
○三瀬委員 三瀬です。後から爆発性の参考資料を配っていただいたと思いますが、それを見ますと、粒度分布を大きくしたから、爆発性が低下したようにも読めたのですが、それは合っていますか。
○事務局 事業者から伺っている内容としては、今回、炭酸水素ナトリウムが配合されていますが、燃焼等をさせた際に炭酸水素ナトリウムから発生する二酸化炭素によって、この塩素酸ナトリウム自体の爆発性が抑えられるという形で伺っています。
○三瀬委員 分かりました。それであれば、今回の提案でいいと思います。その粒度分布が影響してくるのなら、成分の量だけでは規定できないのかなと思ったのですが。
○合田部会長 同じようなことを今思いました。この写真を見ますと、大きなもののほうが、主になっているほうがよいのですよね。多分、こちらのほうが均一性が出やすいかと思ったりするので、そういうこともあるかもしれないと思ったりします。ただ、これもまた結構クリティカルなのです。現行の製剤をこちらでおやりになるならというのはあるかもしれませんが。こういうことについては、何か業者から情報は得られていますか。
○事務局 粒度に関してという形で情報は得られていないのですが、粉末上にした場合にどうなるかというところまでは回答はもらっていないのですが、現在販売されている3製品については、粒剤という形で販売されているということで、それ以外の形態では販売されていないと伺っております。
○合田部会長 なるほど。これも結構、ケミストリーから考えると、ちょっと。この製剤を変えて、結果は変わっているのですよね。
○事務局 それぞれの製剤ごとで爆発性の試験自体は行われているという形になっております。
○合田部会長 これはどうしますか。爆発性だから試験を。でも、安全性を考えるときには、非常に粒径のことも問題かもしれないですが、だからと言って、粒度によって差が出たかどうかということについては明確ではないのですよね。明確だと考えてよろしいのですか。
○三瀬委員 どうですかね。参考資料の1番目の所を見ますと、粒度分布を変更したという記載になっているので、そうなのかなと思ったのですが。炭酸ナトリウムの含有量自体は、これまでの製剤と比べて増やしてあるということなのですか。
○事務局 古いものに関して、細かい製剤データをもらっていなかったので、そちらの炭酸水素ナトリウム等の量とか含有量は、こちらでデータとしては持ち合わせていないという形になります。
○三瀬委員 組成が変わって爆発性が変わっているのならいいかなと思ったのですが、もし変わっていなくて、大きさだけ変えているのでしたら、この書きぶりだと駄目なのかなという気はしますが。
○合田部会長 確かに。これは、一旦保留にしますか。この問題は、要するに、今の状態だと、化学的にどちらかという回答が得られないのですよね。粒度に影響がないということについて、データが出ていない。新旧製剤の見かけの比重、水中崩壊性、崩壊性、水分及びpHは、明確な差は見られなかったと言っているけれども、粒度については明確な差がある。このものの粒度の分布は、要するに、非常に甘い試験が一つ付いていて、実際には、ふるいをするとどうなるかというだけの話ですが、目で見ると、明確に形の形状は違うのですよね。それで、こちらの粒度についてはちょっと面倒な議論になりますね。付いている拡大写真も、何か格好が、片方はそろっていて、片方はそろっていなくて不ぞろいなので、こういうことはどうなのかなと。現実問題として、見かけの比重もちょっと違うのですが、このぐらいの差があると言うべきか、差がないと言うべきかとか、その辺が分からないのです。
○事務局 粒度に関しては事業者のほうにも確認させていただいた上で、その結果について御報告させていただいて、御判断いただくという形でもよろしいですか。
○合田部会長 それが一番良いと思います。要するに、明確に粒度の影響がないということが言えるのでしたら、全然問題はないと思いますが、ちょうど今、写真が来ていて、そこにある製剤の形が、これは何か、誰でもAとBが区別できるぐらいの見た目の形なので。ほかの物理的性質がほぼ同一という判断だったとしても、形状はやや違う。形状が違うということが一つの要因であったとすると、そこをコントロールしなければいけなくなりますよね。だから、そのことで説明ができるという話だったら、一応ここで了承という話を今決めてしまって、もしも駄目だったら、そのことについては、もう一回何かデータを出していただいて、それでもう一回審議という形でいいのですか。だけど、これは調査会で一旦通ってしまっているから、調査会のものが、我々はここで意見を言うだけなのですか。このスタイルはどういう感じなのですか。
○事務局 審議事項ですので、ここで。
○合田部会長 ここで一旦差戻しはできるのですよね。
○事務局 はい、それ自体は可能です。
○合田部会長 それは可能ですね。では、今のように、一応、粒度のことについて、特に影響がないというサイエンティフィックな説明というかデータとか、そういうのが出てくれば、そのことについては認めて、これは劇物から除外が適当という形にしたいと思いますが、それが出てこなかった場合には、そのことについて、追実験なのか、どうなのか知りませんが、そういうことを説明するような化学的データを添えていただいて、出されたときにもう一回審議をし直す、保留という形で、ここで一旦結論したいと思います。よろしいですね。今、出水先生からも、うなずいていただきましたが、ほかの先生方もよろしいですか。Webの先生方もよろしいですね。会場の先生方もよろしいですね。それでは、そのようにしたいと思います。
 本日の議題はこれで終わりますが、委員の先生方から何か御意見等はありますか。よろしいですか。審議官、何かありますか。よろしいですか。それでは、事務局から何かありますか。
○事務局 ありがとうございます。本日御審議いただいたフェナザキンに関しては、御了承いただいたものとして、今後の改正手続を進めさせていただきたいと考えております。また、塩素酸ナトリウムに関しては、先ほどの粒度に関するところを事業者にも確認させていただいて。
○合田部会長 粒度というか、一つ形状ですよね。荒っぽく粒度のところについてやっていますが、しかし、どのサイズのものが何粒ぐらいとかということについて言っているわけではないのですよね、この話は。そこの形状というか、細かくその部分について何かより具体的に化学的な知見に基づいて述べることができるかどうかによって、どうするかという形になるだろうと思います。
○事務局 まずは、そこのデータについて事業者にも確認させていただきまして、まずはメールのほうで御連絡させていただいて、今後の審議の進め方について御相談させていただきたいと思います。
○合田部会長 こういうのは、メーカーさんがそのものの形でずっと作り続けるということで、基本的には同じ形が保たれるかもしれませんが、先ほどの話だと複数のメーカーさんが作られているようなので、そうすると、作り方が当然違うから、そこのことについてコントロールしなければいけないかもしれないですね。その点もありましたので、先ほどのように一旦保留という形にさせていただきます。そのような追加説明です。
○事務局 ありがとうございます。また、一つ目の審議品目であった判定基準に関しては、以下とか以上の所の修正を行った上でパブリックコメントを行わせていただきたいと考えております。
○合田部会長 ありがとうございます。本日の部会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬品審査管理課

化学物質安全対策室 衛生専門官 池上(内線2426)