第2回障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会議事録

人材開発統括官付特別支援室

日時

令和7年3月11日(火)16:00~
 

場所

厚生労働省 共用第9会議室

議題

(1)障害者職業能力開発校の在り方について
(2)その他

議事

○松爲座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回「障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は、オブザーバーの社会・援護局障害保健福祉部の障害福祉課が欠席となっております。
 それでは、議題に入る前に、本日の注意事項につきまして、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○内藤特別支援室長補佐 事務局でございます。
 本日の検討会は、こちらの会場とオンラインで開催いたします。このため、皆様方からの発言についてお願いがございます。会場の方は挙手、オンラインの方は手を挙げる機能を使用いただきますようお願いいたします。座長から御発言される方を指名させていただきますので、指名された後にまずお名前を名乗っていただいて御発言をお願いいたします。発言後、オンラインの方は必ずマイクのスイッチをオフにしていただきますようお願いいたします。オンライン出席の方で操作などの質問がある場合には、事務局までチャット・メール等で御連絡いただくようお願いいたします。
 報道関係者の方々の撮影はここまでとなりますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料は、議事次第、資料1が菅沼構成員から提供いただいた資料で「東京都における障害者訓練について」、資料2が牧野構成員から提供いただいた資料で「大阪障害者職業能力開発校について」、資料3が特別支援室の資料です。
 そのほか、参考資料といたしまして参考資料1、「障害者職業能力開発校の在り方に関する課題等について」、こちらについては第1回検討会で資料4としてお示しした本検討会の課題全体を整理した資料です。
 参考資料2が「第1回障害者職業能力開発校の在り方に関する検討会における構成員意見等」ということで、こちらは第1回の検討会でいただいた御意見等を整理した資料となっておりまして、今後の取りまとめに向けて趣旨を反映させていくことを考えておりますが、本日の東京都・大阪校についての御説明ですとか、事務局説明で回答を補足できると考えているものについては下線を付しておりますので、受講生の属性に係る分析ですとか、訓練科目の見直し、指導員等の体制面などについては、本日の説明内容も踏まえまして御議論いただけますと幸いです。
 また先日、神奈川校に御視察をいただいて、実際に訓練施設を御覧いただいたということもありますので、施設整備に関する御意見等についても改めていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
 このほか、参考資料3が東京障害者校のパンフレット、参考資料4が大阪障害者校のパンフレットということでございます。
 これらの資料に不備がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。
 事務局からは以上でございます。
○松爲座長 ありがとうございました。
 それでは議事に入りたいと思います。今回の議事は職業能力開発の在り方についてですが、まず議題1、菅沼構成員のほうから、資料1「東京都における障害者職業訓練について」の御説明をよろしくお願いいたします。
○菅沼構成員 御説明をさせていただきます。
 1枚おめくりいただいて、目次のところに移っていきたいと思います。まず、今日御説明をする流れといいますか、全体像について御説明をさせていただきます。
 東京都の障害者訓練の現状につきまして御説明をさせていただきます。東京都の障害者訓練につきましては、東京障害者職業能力開発校だけでなくて、一般校における訓練も行っています。加えて障害者科目ではない、一般科目での障害者の利用の状況も含めて御説明させていただくというところでございます。その後に、東京都が抱える障害者訓練の課題について、数値をもってお示しをさせていただきながら、最後に、障害者訓練の在り方について、東京都としてはこういう形で考えていますということを述べさせていただくところでございます。
 まず、東京都が運営する障害者職業能力開発センターについての御説明でございます。
地図をお示ししていますけれども、東京都は職業訓練について、4つのブロックに分けた形の中で、それぞれ地域のニーズに沿った訓練校を配置しておりまして、現状14校の職業能力開発センターを運営しているという状況でございます。
 その中で、障害者を対象としました職業訓練校として、国立都営の障害者職業能力開発校を設置しております。もう一つ、軽度の知的障害者を対象としました訓練も3つの一般校で実務作業科として実施をしております。これは後で触れていきます。考え方だけ整理をさせていただいて、次に移りたいと思います。
 次に、東京都における障害者訓練の現状について、まず、東京障害者職業能力開発校について触れていきたいと思います。施設の概要が御覧のスライドにも表示をされていると思います。先ほどから東京障害者職業能力開発校という形で長々と述べさせていただいているのですが、私どもは東障校という言い方でこの学校を略して述べることが多く、皆様方からも東障校という言われ方をされることが多いので、ここから先は東障校という言い方で略して述べさせていただきたいと思います。
 場所につきましては、既に御承知の方が多いと思うのですけれども、国分寺駅から乗り換えて西武線の小川駅にございます。平成30年に新校舎に建て替えを行いまして、比較的新しい施設となってございます。訓練を行っている本館や寮、そしてホール棟などの主要施設については国有財産となっておりまして国立都営の施設となってございます。
 次に訓練の中身に移ります。皆様にお配りをしております東障校の入校案内がございます。こちらを御覧ください。支援の枠組みといいますか考え方を1ページ目に記載しております。東障校では訓練指導と一体で生活指導と就職支援を実施しております。訓練を実施しつつ訓練生の就職に結びつけているというところでございます。職業訓練ですので、あくまでも最終的なゴールは就職というところで考えているところでございます。
 資料1にお戻りをいただきまして、訓練を指導しますのは資料にも記載のとおりでございますけれども、職業訓練指導員が訓練指導を行うものでございます。数値は参考で定数の人数を置いております。そのほかに生活指導を行う生活指導相談員、そして、就職後の職業定着をサポートする職場定着支援員、あと、訓練生の職業相談や求職活動などへのアドバイスを行う障害者就職支援推進員、そして、看護士の資格を持つ健康管理専門員がおりまして、訓練生の訓練の受講だけではなくて、ここにお示ししておりますとおり、生活面や就職までのサポートを一体となって行っているところが支援の流れになっているところでございます。
 また、東障校では専門知識や技能の習得だけでなくて、コミュニケーションやビジネスマナーなど、就職に必要な社会生活スキルも併せて取得できる訓練を行っているところでございます。
 次に、施設の中の寮について御案内をします。寮は先般、神奈川の障害者校でも御覧になってイメージはついてらっしゃるかと思いますが、東障校にも寮がございます。寮は個室となっておりまして、男女それぞれで12室ずつございます。現在は1名が利用されておりますけれども、4月からは3名の利用を予定しているところでございます。使用料は無料となっておりますが、寝具であるとか、日用品などに要する経費は自己負担となっております。
 平成29年度以前は旧校舎の食堂で希望者に対して食事を提供しておりました。ただ、利用者が少なかったことを踏まえまして、平成30年度以降の新校舎の利用につきましては食事の提供を行っておりません。寮には電子レンジなどの簡易な調理器具を設置しておりまして、寮生は近隣にあります弁当屋、コンビニ等の店舗を利用なさっております。周囲にそういう環境が多いわけではないですが、それなりにありまして、食事については近隣に職業能力開発校もありますことから、特段こちらのほうで準備しなくても充足していると聞いております。
 続きまして、訓練について御説明をさせていきます。これは期間別で見るのが非常に分かりやすいので、そこで御説明させていただきます。まず、上から3か月訓練、6か月訓練、そして、1年訓練というスパンで訓練を実施しております。
 訓練の内容に触れていきますと時間がかかるので、今日はお配りしております入校案内を適宜御参照いただければと思います。こちらのPowerPointの資料1と見比べながら、こういう訓練があるということを御参照いただければと思います。訓練科目は12科目あります。3か月訓練の就業支援科と6か月訓練の調理・清掃サービス科、オフィスワーク科、職域開発科の4科目については募集期間が年間で4回あります。1年科目の訓練は年1回の募集となっております。また、重度視覚障害者を対象としますOA実務科は外部委託をして実施をしております。全科目の年間の定員数は合計で260人となっております。
 続きまして、こちらの資料につきましては年度別の時系列で入校状況をお示ししたものになってございます。先日の厚生労働省の資料の出し方に合わせた形にさせていただいてございます。令和2年度から6年度までの内容になっておりまして、就職率につきましては若干上向き傾向がありますものの、入校の充足率について若干厳しい状況になっております。入校率については第1回で私のほうも僭越ながら御説明させていただいたと思うのですが雇用情勢との相関性が高く、完全失業率が低下すると職業訓練校への入校率も下がる傾向がありまして、こちらについては障害者校に限らず一般校でもその傾向は出ております。
 今回のグラフでお示ししている就職率につきましては、厚生労働省の算定式がベースになっております。資料の下段に東京都の公表数値を参考までに記載しております。先日の神奈川校でも御発言があったのではないかと思うのですけれども、東京都が算定する就職率は厚生労働省の公表数値よりも高めになっております。これは厚生労働省との数字の捉え方が違っていて、分母に中途退校者を含めているか否かであるとか、あと、後段の資料で御説明をさせていただきますが、都の独自の制度として3か月の訓練であります就業支援科から6か月の訓練にステップアップする連続入校という仕組みがございます。この連続入校した方については中途退校者と同様に分母に含めていない、ダブルカウントになるので含めないという整理で算定しているところが数値の違いになってございます。
 続きまして、東障校の令和5年度の入校者の状況について簡単に御説明をいたします。先日、1回目の打合せの際に、もう少し定性的な属性を御覧になりたいというお声もあったので、出せる限りのものを集めさせていただいたのがこちらになっております。年齢別の構成につきましては39歳以下の方で半数以上を超えているという状況になっております。一方で、40代の方がかなり多くなっております。
 下段のグラフは東障校を知ったきっかけになっております。校を認知したきっかけについては3分の1以上がハローワークとお答えをされております。ハローワークとの連携は切っても切れない関係になっておりまして、これは障害者校に限らず一般校においても同じでございます。
 続きまして、入校時の障害種別についてですが、平成27年度と令和5年度を比較したものがこちらになっております。これは厚生労働省の資料も多分顕著に数字が出ていたと思うのですけれども、東京都においても同じ傾向になっておりまして、身体障害者と知的障害者の構成比が低下する一方で、精神障害者や発達障害者を含むその他の構成比が上昇している状況になっております。精神・発達障害を持つ訓練生の中には、精神状態が安定していない方もいらっしゃって、訓練中の個別対応が必要になるなど、訓練の運営に若干支障を生じるケースも見受けられている状況です。
 次に、就職の状況について御説明をさせていただきます。上のグラフは令和5年度の企業別の就職状況でございますが、従業員規模で301名以上の大企業に就職する方が多い傾向にあります。具体的な就職先の企業名につきましては入校案内の17ページに記載をされておりますので、よろしければ御参照いただければと思います。17ページにいろいろな企業が載っております。公表・掲載の承諾が得られた企業様のみの掲載という形にしておりますが、非常に有名な企業が散見されまして、多くの企業に東障校の訓練生が就職していることがお分かりになるかと思います。
 また、右下のグラフを御参照いただきますと、令和4年度のアンケート結果になっておりますが、勤務先での職種は事務が多く、半数を占めているところでございます。
 訓練生の確保に向けた取組についてですが、PRをしなくてはいけないという非常に厳しい御指摘もありまして、その中で、私どもが実施しているPRの取組について参考までに御案内させていただきます。東障校におきましては、入校検討者に見学会や体験入校を実施しております。そのほかにも、先ほどハローワークがキーになっているということを申し上げましたが、ハローワークの職員を東障校に招いて、東障校の見学や意見交換を実施しております。
 そのほかに都の福祉部門であるとか、いわゆる中ポツセンターといわれる障害者就業・生活支援センターが主催する会議体であるとか、あと、大学のキャリアセンター、医療機関などと連携をしてPRを行っております。
 次は東京都独自の取組として御紹介をさせていただきます。今年度のトピックスにもなっておりまして、ちょうど紹介の時期かなと思って御案内をさせていただきます。
 今年度、昨年の7月に30年ぶりの新設校を開設しました。中央・城北職業能力開発センターにしごとセンター校というブランチ校を開設しております。その中で新たな取組として、しごとセンター校のフロア内に情報発信拠点としてキャリア・コンパス・センターという名称の施設を設置しております。この施設ではVRゴーグルで訓練を疑似体験できる取組であるとか、3Dプリンター、プログラミングみたいな簡易的な訓練体験やセミナーなどを通じて職業訓練の魅力を発信しております。
 参考までにもう一つ資料を皆様に配付していると思います。こちらの入校案内2025の41ページにキャリア・コンパス・センターという資料が出ていると思いますが、こちらの紹介でございます。東京しごとセンターという求職者が非常に多く集まる都の施設がございまして、そちらの施設の10階から12階までの最上階の3フロアを使って、職業訓練というのはどういうものかというのをお示しするような取組をしてございます。
 今日御案内しておりますPowerPointの資料については、このうちの10階のフロアになっております。真ん中に立っている方がコンシェルジュでございます。コンシェルジュが常時いて職業訓練を案内しています。右の奥のほうに出ているのがVRヘッドマウントであるとか、職業体験、先ほど申し上げた3Dプリンターなどで、いわゆる簡易的な訓練体験、プチ体験という言い方を私どもはしているのですが、それを使って訓練とはどういうものかというのをお示しさせていただいております。
 東障校の取組についてもVRゴーグルを使って、東障校で行っている訓練の風景などもこの施設でPRをする取組を行っているところでございます。これから導入になるのかなというところでございますが、いずれにしても動画を撮影してVR動画で紹介をするような取組をしております。こちらは特徴的な取組ということで御案内をさせていただきました。
 次に、訓練の中身について触れていきたいと思います。訓練生の個別対応に向けた取組でございますが、先ほど申し上げました連続入校の取組を御案内させていただきます。東障校におきましては、平成27年度より職業準備性に課題がある生徒に対する取組として連続入校の仕組みを構築しております。就業支援科についてはお配りしております東障校の入校案内の4ページに就業支援科という科目がございますので、こちらを御参照いただければと思います。3か月の短期の訓練になっておりまして、まだ毎日訓練校に通うことに自信のない方であるとか、あと、対人関係や訓練の受講に不安な方を対象として実施しております。
 特徴として、入校当初は訓練時間も短めに設定をしておりまして、徐々に長くなっていきます。訓練では就業に必要な社会生活に関するスキルを高めていきまして、企業で働く準備を整えていくという中身になっております。基本的な事務作業であるとか、清掃作業、あと、調理作業などを通じて本人の作業適性を見出していきながら、本人の適性に沿って6か月訓練でありますオフィスワーク科、調理・清掃サービス科という科目につなげていくという取組になっております。これが連続入校です。次のページで触れますが、連続入校先が令和7年度から増えます。
 あと、資料の右下に記載をしておりますが、連続入校の効果が数値上に出ていまして、連続入校者のほうが一般入校者よりも就職率が高いということが数値上に出ております。
 次のページは連続入校の続きの話になります。入校者の障害種別の紹介をさせていただきましたけれども、東障校を御利用される方のうち精神・発達障害者の割合が増加傾向になっておりまして、訓練生の適性を踏まえたより丁寧な対応が必要となってくるところでございます。そうした中で、東障校の訓練科目に精神・発達障害者を対象とした6か月訓練の職域開発科という科目があります。こちらは入校案内の5ページとなります。
 この訓練では、まず、働くために必要な生活のリズムであるとか、ビジネスコミュニケーションスキルを中心に様々な基礎学習を行っていき、その後、本人の御希望や適性を踏まえながら、事務と物流サービスのコースの2コースのどちらかに分かれて講座を受けていただいて就職につなげていくという内容になっています。
 令和7年度の入校生から、これまでの就業支援科の連続入校先に、先ほど申し上げたオフィスワーク科と調理・清掃サービス科、これに職域開発科を加えて、3つ連続入校先ができた状況になっています。
 続きまして、支援員等の配置と職場定着の支援です。東障校では専門の支援員を配置しまして、生活指導や就職支援などをきめ細かく行っています。訓練生の訓練時の情報などに基づいて適切な就職先へのマッチングを行うほか、職場定着支援による定着支援を実施しております。その結果、令和4年度の就職者の1年後の定着率は75.8%という結果になりました。
 次に、東障校の令和4年度に訓練を修了した方のアンケート結果をお伝えさせていただきます。これは訓練を受講された方へのアンケート結果になっています。訓練生の満足度については、御覧になっていただきますと分かると思うのですが、学科・実技などいずれも好評となっております。
 続きまして、訓練以外のものですけれども、引き続き満足度を御紹介させていきます。求人情報の提供や就職相談、求職活動や会社訪問、面接の方法などの指導についてのアンケート結果になっています。こちらを御覧になっていただきますと、いずれも満足度が高くなっておりまして、訓練だけではなくて就業に向けた支援もニーズに対応して実施しているということがお分かりになるかと思います。
 続いて、障害者向けの訓練環境の整備の状況です。東障校では障害者のニーズに沿った訓練機器も導入をしておりまして、例えばP21の機器につきましては音声認識技術を用いて声を文字化する機器やアプリケーションになっております。聴覚障害者が対象になっておりまして、そのほかにも精神・発達障害者の中にはコミュニケーションが苦手な方もいらっしゃって、そういった方を対象にこうした先端技術を使った機器を導入しまして、きめ細かな支援を今後実施していきます。聴覚障害を持つ方も、こちらの機器を使いますとしばらく文字が投影されるので、効果的に訓練を受けることができるということです。また、自分が発した言葉が、画面上で文字化されますので、発声練習にも使うことができるというものになっております。
 東障校については以上でございまして、次が東障校以外の取組についての御案内でございます。東京都は東障校以外の一般校においても軽度の知的障害者を対象とした訓練を実施しております。現在は中央・城北職業能力開発センター板橋校と城南職業能力開発センター、そして、城東職業能力開発センターの3校で取り組んでおります。各校の細かい説明は割愛させていただきます。
 実績ですけれども、一般校の実務作業科の実績についてですが、3校合わせての定員数が60名ということで、分母は決して多くないところもございます。年度ごとの入校率はばらつきが出てしまうのですが、就職率は非常に安定して高く、令和5年度は訓練を修了した方の就職率が100%という状況でございました。
 次に、一般校の実務作業科の訓練を修了した方の満足度についての御紹介でございます。円グラフで示しておりますので、こちらを御参照いただければと思います。決して分母が多くないので参考値として御確認いただきたいのですが、学科と実技と資格取得の訓練内容は一定水準以上の満足度が確認できたという状況になっております。
 次に、就職支援についてですが、こちらも同様に満足度が高いことが分かりました。
 続いて、障害を持つ方の一般科目の入校状況です。今までは東障校と一般校における実務作業科という障害者専門の科目についての御案内だったのですが、一般校の一般科目を障害者が御利用されるケースが多くなっております。近年は東障校や一般校の実務作業科だけではなくて普通訓練を利用されるケースが多いのですけれども、入校の際の障害者手帳の提示は任意となっておりまして、スライドのデータにつきましては本人からの障害の申告を基に集計しているということだけ御留意いただければと思います。
 参考としまして、一般科目へ入校する障害者の約7割が精神・発達障害者となっておりまして、その比率は増加傾向にあるところでございます。
 続きまして、一般校においては訓練運営アドバイザーを配置しており、訓練生のメンタル面も含めた訓練生活をサポートしております。訓練運営アドバイザーは訓練現場の巡回、生徒の観察、生徒との面談などを実施しまして、精神・発達障害などに関する専門的な見地から助言を行っております。近年は相談件数が増加傾向にありまして、精神・発達障害者の割合が増えておるというところです。
 相談の事例として授業などについていけないことであるとか、訓練や就職への不安がありますが、指導員や生徒同士のトラブルに発展するなど、訓練の運営に支障を来す事例もあると現場から聞いております。
 次に、在職者向けの訓練についての御案内でございます。東障校では土曜日に都内中小企業にお勤めの障害者の方を対象とした訓練を実施しております。訓練科目はエクセルやパワーポイントが中心なっておりまして、毎年度、全講習とも定員を超える応募がございます。受講生のアンケート結果を見ますと講座の満足度は高く、非常に高い評価となっております。
 次に、課題のほうに移っていきたいと思います。こちらの資料はグラフを掲載しておりますが、現在東障校の入校者は精神・発達障害者の割合が増加しているという話をさせていただいているところです。そのうち重複して障害をお持ちの方が非常に多くいらっしゃって、よりきめ細かに個々の障害特性を見極めた訓練が必要となっております。精神・発達障害者が増加する中で、訓練の運営の方法はこれまでどおり身体障害者を対象とした集合訓練型の職業訓練をベースとした訓練が今も引き続いて行われておりまして、きめ細かな個別の対応が求められるケースが増えているところでございます。
 こちらは先ほどの一般校の一般科目における障害者の利用状況の再掲になっております。こちらも課題になっております。精神・発達障害者の比率が増加しているという御案内を先ほどさせていただいたとおりです。
 東障校で実施する在職者向け訓練についての御案内をさせていただきましたが、こちらのニーズは一定水準ありますけれども、東障校では求職者向け訓練の人員配置に基づいて訓練を実施しておりまして、在職者向け訓練に割けるマンパワーも限られており、なかなか科目数が増やせないところもございます。在職者向け訓練も精神・発達障害者の割合が高くなっておりまして、受講生からの要望に応じて、例えば座席の配置を検討することも訓練の中で行うなど、一層きめ細かな対応が必要となっているという状況でございます。
 時間の関係もありますので、障害者訓練の在り方について、これまでの説明内容を総括して要望といいますか、最後にまとめをさせていただければと思います。
 まず、障害者訓練の今後の在り方についてです。本日、東障校や一般校、そして、在職者向けの訓練のそれぞれの状況について御説明をさせていただきましたが、精神・発達障害者の割合が増加傾向にありまして、今後はよりきめ細かな対応が必要となっているというところです。
 東障校の訓練は専門性の高い訓練を行っておりますけれども、訓練生の状況が変化する中で、今後は専門性だけではなくて職業準備性も含めた訓練の方向性を検討する必要があるのではないかと思います。
 加えて、これまでの集合型の訓練を今後も継続していくと思うのですけれども、どのように集合型の訓練を継続しながらも、受講される方に寄り添った訓練ができるかということの検討が必要であると考えております。
 続いて(2)の訓練の実施体制です。今後は東障校に限らず一般校も含めた障害者訓練の実施体制、配置基準などの指針を厚生労働省からお示しいただきますと、大変ありがたいかなと思っております。また、精神・発達障害者が増加する中で、訓練生の職業適応性は一人一人差異があるところでございます。そうした状況を踏まえまして、個々の障害特性を踏まえながら訓練生一人一人に寄り添って職業準備性を付与するような新しい訓練のプログラムの実施が必要ではないかと考えております。
 加えて、職業訓練指導員ですが、1回目でお話がありましたけれども、一般校から東障校に人事異動の際に配置転換される、配置を指示されることが通常の仕組みになっておりまして、障害者訓練専用の指導員はおりません。このため、ジョブローテーションで指導員の配置が変わる中で、指導員に対する研修体制であるとか、ノウハウの技能継承が必要になってくると考えます。現在も様々な研修の提供をいただいていると思うのですけれども、今後も引き続き機構のほうからも御協力をいただけますとありがたいと思います。
 東京都からの説明は以上になっております。御清聴ありがとうございました。
○松爲座長 ありがとうございました。
 質疑応答は、この後の大阪の障害者職業能力開発校の説明が終わった後に一緒にやりたいと思いますので、続きまして、資料2の大阪障害者職業能力開発校につきまして、牧野構成員のほうから御説明をよろしくお願いいたします。
○牧野構成員 大阪障害者就業能力開発校の牧野です。どうぞよろしくお願いします。私のほうからは、お配りしております資料2に基づいて説明させていただきます。
 まず、資料の構成ですが、最初の7ページまでは概要、8ページから17ページに資料という体裁になっています。説明の途中で概要と資料を行き来することになりますが、御了承いただければと思います。基本的にはページ順に沿って御説明させていただきます。
 概要1ページの1.科目再編推移について、「設立当初 身体障害者を対象とした訓練」と記載していますが、当校の設立は昭和14年で、当初、国立傷痍軍人大阪職業補導所として、傷痍軍人に対して職業再教育を行うことを目的に、同じ大阪府の堺市内ですが、現在の当校の場所とは違う場所に設置されました。傷痍軍人に対する職業再教育を行う国立国営の施設として、身体障害者を対象とした訓練からスタートしています。
 その後、昭和23年に労働省の委託事業として大阪府が運営に当たることとなり、同時に施設名称も大阪身体障害者職業補導所に改められました。
 次に、平成4年に知的障害対象科目を開始しましたが、平成4年は、当校が現在の場所、堺市の南区城山台5丁、障害者福祉エリアの一画に移転した時でもあります。移転と同時に、知的障害対象科目として、作業実務科、現在のワークサービス科の前身の訓練科目をスタートしました。
 先ほどの東京都の資料の中で、東障校は、都有財産である施設も校内に一部あるとのことですが、大阪校の施設は全て国有財産となっております。移転して1年後の平成5年4月には、職業能力開発校の改正に伴い、施設名称は現在の大阪障害者職業能力開発校に改称しております。
 次に、平成21年度に精神障害対象科目として職域開拓科、平成23年度に発達障害科目としてJobチャレンジ科を新設しております。
 その後、平成30年度には、身体障害者を対象とした訓練科目を障害の種別を問わない科目に変更して現在に至っています。
 再編に至った経緯の中で一番大きいものは、平成30年度の募集対象者を身体障害から障害のある方へ変更したことです。法定雇用率の引き上げと、特に障害者雇用義務の対象として従来の身体障害及び知的障害に加えまして、新たに精神障害のある方が含まれるようになったこと、さらに、身体障害の方を対象とした訓練に、身体障害以外の障害を有する方からも受講希望が増えていたということもあり、新たに障害の種別を問わない科目に変更したものです。
 ただ、このように変更したことによって、障害の種別を問わない科目に、身体障害のある方の他、精神・発達障害のある方や重複障害のある方の入校生が増えてきたために、訓練時間中でも障害特性に応じた個別対応を必要とする状況が増えてきたということで、令和5年度に訓練時間数を減らして、訓練時間とは別に障害特性に応じた個別対応ができる時間を確保して現在に至っています。
 2.訓練科目については、障害種別を問わない科目が4科目、知的障害、精神障害、発達障害のそれぞれの障害種別に特化した専門科目が1科ずつの合計7科目です。
 訓練期間は、障害種別を問わない4科目と知的障害の科目が1年、精神障害及び発達障害のある方を対象とした専門2科目が6か月訓練としています。
 訓練時間につきまして、1年制訓練と職域開拓科、Jobチャレンジ科で開始時間や1日当たりの訓練時間に差を設けています。これは精神障害や発達障害をお持ちの方には、満員電車が苦手といったような障害特性があることや、訓練生の負担軽減を図る目的で、差を設けているものです。。
 3.近年の実績については【資料-1】に基づいて説明します。応募者数について、合計の欄ですが、令和2年度は新型コロナウィルス感染症の拡大期にあったということで令和元年度から減り、令和3年度に一旦盛り返したものの、コロナが収束していった令和5年度以降、応募者数が減ってきている状況になっています。
 それに伴いまして、令和5年度、令和6年度と合格者数も2年続けて減ってきております。
 合格者数に関しての補足説明ですが、不問科目のCAD技術科のように、募集定員が平成30年から15人となっているのに、平成30年の合格者は16人と定員より多い合格者数となっているときがあります。これは試験に合格されてから入校されるまでの間に、入校を辞退される方が一定数発生することを見越して、不合格者の中から補欠合格者を確保し、実際に合格者の中から入校辞退者が生じたときに、補欠合格者を繰り上げ合格者にした結果ということで御理解願います。
 また、知的障害科目の令和3年、令和4年はコロナ感染症対策のため、一時的に定員を25名から30名にしています。コロナ禍の中、定員を増やしていることに、疑問に思われるかもしれませんが、知的障害科目のワークサービス科の入校者は府立支援学校の新規卒業者が多く占めており、コロナ禍のときに府立支援学校側から、府では教育委員会のことを教育庁と言いますが、府の教育庁に対して、就職を希望していた生徒が就職できずに新卒後の連絡先が決まらないといった状況に陥ったときの対応策を検討してほしいという要請がありました。
 それを受けた府教育庁から、当校を所管する商工労働部に対して、救済措置として知的障害対象科目のワークサービス科の受講機会を拡大するよう依頼があり、コロナ禍なので、一定の距離の確保といった物理的な感染症防止対策が取れる範囲で、5名の定員増というものを一時的に行ったものです。
 この措置は、令和5年5月に感染症法上の位置づけが、2類相当が5類に変更されることが決まっており、コロナ対策も緩和されていたことから、令和5年度には元の25名の定員に戻しました。
 次に、入校者数ですが、選考試験に合格したものの、入校を辞退される方は毎年一定数発生しており、それを全て補欠合格者で補うことはできませんので、募集定員を充足できていない結果になっています。
 【概要-3】、就職率について、先ほど東京都からも御説明ありましたとおり、記載の数値は国の算定のルールに基づいた率であり、大阪府の就職率の算定方法と異なっております。大阪府の公表数値のほうが、東京都と同じように国の数値より高くなっております。
 次に、障害種別の入校状況について、【資料-3】の障害種別入校状況ですが、右側のグラフのとおり、特に障害種別、(不問科目のみ)に関しては、精神障害及び発達障害のある方の入校生が増えているところです。
 【概要-3】、4.受講者確保に向けた取組について、受講者確保に向けた取組で最も力を入れているのはオープンキャンパス、入校見学会の実施です。オープンキャンパスの実施につきましては、あらかじめ実施日時を決めて参加者を募集しているものと個別対応で実施しているものがあります。79回実施していますが、そのうち、あらかじめ実施日時を決めて参加者を募集していますのは37回、残りの42回は個別対応での実施となっております。
 特に精神障害科目の16回に関しましては、あらかじめ日時を決めて実施したのは体験入校つきで行いました1回のみで、原則基本的には個別対応で実施しております。また、来年度につきましては、発達障害の科目についても原則個別対応で実施することを考えています。当校の訓練を受講するに当たり、オープンキャンパスの参加を義務づけているものではありませんが、訓練内容について受講希望者が科目名から抱いているイメージと実際の訓練内容にミスマッチが生じることをできる限り防ぐために、ハローワークにお願いし、ハローワークでの職業相談時に担当職員の方から受講希望者に対して、オープンキャンパスに参加することを強くお願いしていただいております。その結果、オープンキャンパスに参加された方が受験されているという形になっています。
 また、オープンキャンパスでは、受講希望者が希望する訓練科目のみの説明と見学で終わるのではなく、特に障害種別を問わない4科目のいずれか1科目の受講を希望される方には、その1科目だけではなくて4科目全部の説明と見学を実施しています。そして、受講希望者の方の障害種別が知的障害、精神障害、発達障害という場合におきましては、これら障害種別に特化した専門3科目の訓練についても説明し、受講希望者の障害の程度や特性から障害種別を問わない4科目より、障害に特化した専門科目の訓練が適していると感じた場合は、これら専門科目の受講検討も受講希望者に勧めており、できる限りミスマッチが生じないように取り組んでおります。
 選考試験を受けられた方は全てオープンキャンパスに参加された方ですが、265名からハローワーク職員など、その他の参加者22名を除いた243名のうち、受験につながったのは121名と約半分程度となっています。ここは、力を入れていかないと受講に結びつかないので、丁寧に対応しているところです。
 【概要-4】、その他の広報について、関係機関への広報物の郵送、ハローワークや障害者職業生活支援センター、堺市基幹相談支援センターや支援学校を訪問して入校勧奨などを実施しています。また、支援学校校長会での周知や3部局連携会議においては、当校だけでなく本庁所管課においても広報活動に協力いただいております。
 特に今年度取り組んだ事項については、福祉関係機関を訪問しての訓練内容の説明及び入校勧奨です。入校勧奨の実施に当たりましては、可能な限り管理職ではなく、現場の生の声を伝えることと、現場職員同士の関係を深める目的で、日常の訓練業務はあるものの、担当者レベルでの入校勧奨を中心に行いました。
 即効的な効果は難しいですけれども、地道に広報活動を継続し、特に福祉関係機関に対しても当校の訓練内容や取組を理解してもらうことが、ひいては障害のある方本人にとっても適した選択肢を選ぶ参考になると考えていますので、引き続き努力していきたいと思っています。
 【概要-5】、5.個別対応に係る状況(指導員の体制)につきまして、職業訓練指導員職としては、表の技術の欄に記載の副校長、訓練指導課長、訓練指導課の技術職員で15名、訓練指導課非常勤職員12名、指導援助担当技術職員2名のうちの1名の計30名です。表の訓練指導課非常勤職員11名が実際は12名というのは、この表が令和6年4月1日時点の状況であり、年度途中に1名追加雇用していることから差が生じているものです。
 また、職業訓練指導職以外の職員としましては、訓練支援担当課長、指導援助担当の技術職員の2名のうちの1名、非常勤職員のうちの1名の計3名の社会福祉職のほか、精神保健福祉士と看護師がおります。
 表の上部に職場相談員(職場開拓)という職員を記載していますが、この職員はハローワークのOB職員です。ハローワークの障害者を対象とした求人票の内容を吟味し、訓練生や訓練科目とのミスマッチが起こらないように、その求人がどの訓練科目に適しているかという仕分けを行うとともに、ハローワーク等に対する広報活動においても助言等いただくなどに携わっています。
 また、当校は寮も併設しており、土曜日及び日曜日、夜間における寮の管理運営職員として非常勤の舎監を6名、男女それぞれ3名を雇用しております。
 続きまして、【概要-6】、6.訓練生の受講前の属性について、【資料-4】のとおり、属性に関しましては全体的に取っているものはありません。当校が取っているのは、支援学校の卒業生が多い、比較的若年層の入校が多い、知的障害、ワークサービス科のみですので、それを参考にお示ししています。
 新高卒の方が5年間の合計でも一番多くなっております。新高卒の内訳も、合計的には支援学校が一番多いですけれども、ここ最近は普通高校も多くなっています。これはエンパワーメントスクールなどの位置づけになっている普通高校からの入校が主です。
 【資料-5】、年代別(入校時)としては、令和2年から令和6年までの過去5年間を総合的に示しています。全科目で見た場合、20代が一番多く、そのあとは10代、40代、30代となっています。今年度の状況、平均年齢を参考までに申し上げますと、OAビジネス科の平均年齢が49.1歳、Webデザイン科が43.4歳、オフィス実践科が39.8歳、CAD技術科が33.1歳、障害種別を問わないこれら4科目については比較的年齢増が高く、精神障害のある方を対象とした職域開拓科も39歳と年齢層が高くなっております。
 一方、ワークサービス科は10代が多く、平均年齢は21.6歳、Jobチャレンジ科も25.3歳と、かなり若手中心という状況になっております。
 【概要-6】、8.定着支援について、会計年度任用職員の職業相談員1名、それと、職場定着員3名の計4名が主に中心となって、希望者に限ってですが、定着支援、職場訪問等を実施しています。職場定着員の3名につきましては訓練科目別に担当を割り振っています。職業相談員の方につきましては個別の担当ではなく全ての訓練科目を網羅しております。
 職場訪問、定着支援につきましては、職業訓練指導員は日常の訓練業務がありますので、職場定着員及び職場相談員が主となって職場訪問することが多いですが、ケースによっては担当科目の指導員も同行をしています。1年ごとの定着率は取っておらず、3年間の定着率しかありませんが、コロナ禍の時期は落ちたものの、希望者に限ってではありますが、9割程度の定着率を継続しています。
 9.就職について、【資料-6】のとおり、4年間の状況を業種別と職種別で表にまとめています。就職先分類に関して、一番多いのは、一般企業の障害者雇用枠が7割を占めており、その次に特例子会社、就労支援継続A型事業所という順番になっています。就職先分類の中に就労支援継続B型事業所に行かれた方の人数も記載していますが、これらの方は、就職率に含めておりません。修了後の進路先として、実際に就労支援継続B型事業所に御本人も望んで行かれた方もおられますので、参考に示しております。
 訓練生の就職支援に当たりましては、日常の訓練実施と並行しまして、職場実習や企業合同面接会への参加などの就職活動も行っています。就職者数の中には、特に1年の訓練科目に多いのですが、訓練の修了を待たずに途中で就職が決まって中途退校された訓練生も一定数含まれています。
 令和6年度の状況についてですが、1年訓練5科目に入校された76名のうち、約3分の1の25名が訓練期間の途中で就職が決まり、修了を待たずに中途退校をされされ、既に働いています。最も早い方では4月30日付けで就職が決まり退校された方がおります。
 【概要-7】、10.在職者訓練について、大阪府においては一般校における在職者訓練と障害者校が行う在職者訓練を総称してテクノ講座として、職業に関する気づき、または応用的な知識や技能資格取得などに関する講座を実施しています。
 テクノ講座には、各職業能力開発校が講座内容を企画立案・実施するレディメイド講座と、社員教育のために事業主や団体等の御要望に合わせた独自のカリキュラムを設定するオーダーメイド講座2種類ありますが、当校が行っているテクノ講座は、全てレディメイド講座で、オーダーメイド講座の実績は今のところありません。
 レディメイド講座の実施日時は東京都と一緒で土曜日、講座時間数はいずれも5時間×3日の15時間、所定の講座時間の8割以上出席した者が修了者となっています。
 【資料-7】以降が過去の実施状況、参加実績ですが、東京都と違って、大阪府はテクノ講座の受講生がなかなか集まっていない状況です。【概要-7】の表のとおり、受講率は75.6%、直近5年で一番高いのですが、100%には至っていません。このテクノ講座につきましては、いずれも障害種別は問うておらず、障害種別に特化した専門的な講座は行っておりません。
 資料として添付していませんが、今年度のテクノ講座の受講者の状況は、初めて受講された方が4割程度、6割の方が複数回受講されているということで、新規の方への浸透度が低いということが課題として捉えています。在職者訓練ですので認知度を高めることに関しては、受講生よりも企業に対しても行わなければならないこと、併せて、在職者訓練に対して企業が求めているニーズをつかむために、企業へのアンケート調査を毎年行っており、令和5年度と令和6年度の状況を【資料-10】から【資料-17】にまとめています。
 【資料-10】から【資料-12】は令和5年度の調査内容です。【資料-12】のとおり、50企業の中の30、6割という回答ですが、当校の訓練生の雇用実績があり、比較的当校とのつながりのある企業を対象に行ったことで、6割から回答をいただきました。
 【資料-16】、令和6年度の企業アンケートは、当校とつながりの薄い企業にもテクノ講座を知ってもらおうとして行ったものですが、回答率はかなり低くなっています。回答率が低い中で、「テクノ講座は御存じですか」という項目の回答で、8割弱が「知らない」、知らない理由についても、「本校そのものを知らない」が半分程度を占めています。このことから、テクノ講座というものをもっと知らしめていくということも必要ですが、それ以前に、障害者校の存在を企業にアピールしていくことが必要と考えています。
 以上で説明を終わらせていただきます。
○松爲座長 御丁寧な説明をありがとうございました。
 では、皆さんの御質問等をお伺いいたします。全体的に質問いただきますのでよろしくお願いいたします。どうでしょうか。
 山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 連合の山脇でございます。東京・大阪それぞれの障害者校のお取組に改めて敬意を表したいと思います。
 東京への質問が1点と、東京・大阪共通してお二方に質問が1点ございます。
 最初に、東京都ですが、パワーポイントの資料の19~20ページを見ると、修了生の満足度が全般的に高いことがよく分かりました。中でも20ページの上の2つ、就職相談や求職活動、会社訪問・面接といった就職支援関連の割合のうち、「とても役立った」とする割合が19ページの訓練そのものよりも全般的に高い傾向が見て取れます。そういった意味で、障害者校の優れた点は、質の高い訓練の提供は当然ですが、就職支援にあることを改めて理解できたところです。
 その上で、今回質問したいのは、実際の就職先が本人の満足がいった就職だったのか、あるいは、訓練を通じて得た技能が十分に生かせる就職だったのかということを、何らか把握されているのかどうか。また、定着支援そのものに対する満足度について、アンケート等で把握されているところがあれば伺いたいと思います。
 また、両校に質問させてもらいたいのは、特に1年訓練に関して、培ったスキルは特定の職種への就職に生かすというのが1年訓練の目的ではないかと理解しています。1年訓練の成果が、あるいは、得た知識を生かせる就職先に就職できたのかというのが何割程度と想定されているのか、具体的にないようであれば肌感でも結構ですので教えていただきたいと思います。
 以上です。
○菅沼構成員 2点の質問で一部回答が重複するところが出てしまって本当に恐縮ですけれども、満足度についてはお示ししているとおりで、今、山脇構成員のほうから高い評価をいただいて非常にありがたいところであります。本人が満足したかどうかというのは、就職先との関係の中で、満足したところに本人も進むというところもあって、行きたいところに行けたということがおそらくこのような成果になっているかなというところが一般的な回答なってしまって恐縮ですが、述べられるかと思います。
 今おっしゃった中で、訓練がいろいろありますけれども、その中で1年訓練でということでもありましたけれども、訓練内容の延長線に就職先があるかどうかという趣旨で回答させていただきますと、いわゆる関連就職という捉え方を私どもは任意で捉えていて、関連就職の定義が曖昧なところはあるのですけれども、一応本人からの申告であるとか、その辺も踏まえると大体8割ぐらいの方が関連就職という数値が令和5年度については出ています。
 あと、正社員、いわゆる雇用保険の対象になるような就職をなさった方、要は週の所定労働時間が20時間以上の雇用契約を結んでいる方の割合がかなり高いです。9割4分とか、おそらくそのぐらいの数値が今のところ出ているところでございます。肌感覚に近いものはありますが、一応そういう定量的な数値を私どもで捉えているところでございます。
○松爲座長 ありがとうございます。牧野構成員、どうぞ。
○牧野構成員 培ったスキルが就職に活かされているかどうかについてですが、障害種別を問わない科目は、科目名からどの分野に進むかというところが結構明確にイメージできます。訓練生は初心者の方が多く、イメージで入校したけれども、自分には向いていない訓練科目だなと思われる方、指導してもスキルの習得が難しい方は一定数おられます。
 これらの訓練生に対しましては、例えばWebデザインでもデザイナーを目指すだけではなく、御本人と相談して、事務系の職を目指していくといったような軌道修正を行っています。Webデザイン科で培ったスキルを100%活かされているとは言えませんが、個別に話をしながら軌道修正を図り、就職先も押し付けることはできませんので、御本人、家族の方も御納得いただいたうえで進めています。
○松爲座長 ありがとうございました。では、小幡構成員、お願いいたします。
○小幡構成員 全国精神保健福祉会連合会の小幡です。
 一つは、体験入校的な東京校のお話があって、その後に連続したカリキュラムにつながっていくとかというのはいい取組だと思いました。大阪校も含めて、事前の体験を積むというところが知的や精神の人たちの一定の層にとってはイメージをつくり上げるというところがいいなと思いました。
 在校している間に、これは神奈川校の見学に行ったときとかにも聞いたところで、一部今日も報告があったかとは思うのですが、満期というか、カリキュラムを全部修了しないうちに就職が決まって退校してしまうような例というお話もありました。満足度が一定数ある人たちの中でも、カリキュラムが修了しないまでに就職が決まっていくというような例というのは、東京・大阪ではどんなような状況があるのか。それは途中で自分にマッチングしないということで止めるのとはケースが違うと思うのですけれども、その数がどれぐらいあるかということ。
 あと、今日は深く報告がなかったと思うのですが、入寮されている方が定員からすればかなり少ない中で、そこの継続性といいますか、利用者がいれば、そこを担保していただきたいということはあると思うのですが、これから先を考えたときに、そこをどのように維持していくのかというところでは、どういう困難さといいますか、改善の手だてを必要とされているのかというところについて御意見があればお聞きしたいです。
 最後に、一般就労で一定時間勤務できる体力を訓練校でつけていくということになっていると思います。精神の場合などでは特に短時間労働での就労をそもそも希望する方もいらっしゃるかと思うのですが、その就労先のフルタイムの方と短時間やパート的な位置づけで就労する人たちの特徴みたいなものや、就労支援をするときの配慮の仕方というのは、その辺も含まれてされているかどうかをお聞きしたいと思います。
 以上です。
○松爲座長 ありがとうございます。東京のほうからどうぞ。
○菅沼構成員 東京のほうから述べさせていただきます。3点の御質問がありました。
 まず1点目、神奈川校を視察に行ったときに、中途退校されて就職されるケースに対しての捉え方ですけれども、もちろん中途退校されて就職される方はいらっしゃって、ここは訓練を提供する側からすると、訓練生が校を離れていくのは寂しい反面、それが就職という目的ではなくて、ただ単純に訓練が難しいのでフェードアウトするというか、訓練を辞めてしまうということではなくて、きちんと就職に結びつくということであれば、それは一つのゴールとして捉えられると思っております。
 もちろん本人の希望といいますか、いろいろ話を聞いた中で、本人がどうしても今は訓練ではなくて就職をしたい、それは御両親であるとか、御家族と話し合っての結果だと思いますので、それはそういう選択でいいのかなというところでございます。
 また、入寮者につきましては確かにおっしゃるとおりでございまして、これについてはこの在り方検討の中で他県の取組、東京校は身体障害者だけを対象にしていますけれども、その辺の今後の展開については、他県ではそうではない県もあったりするので、今後の対応については、全体の状況を踏まえながら厚生労働省とも御相談をさせていただきつつ、運営の方法を考えていくことになろうかと思います。
 最後の御質問ですけれども、これは先ほどお答えさせていただいた回答にも近いのかなというところですが、雇用保険の対象になる方が結構多いということであります。あとは御本人がどういう就職を希望されるかということなのかなと思っていまして、その中で、本人の希望を踏まえて就職先とうまくマッチングさせていくということに尽きるのかなということです。あまり恣意的にこちらから正規ではなければ駄目だとか、もちろんそんなことはなくて、体力の問題など、おっしゃるとおりいろいろあると思いますので、そこは本人の状況を踏まえながら訓練を通じて適性を踏まえながら話し合って、それで本人が望むところを提示していく。最終的に決めるのは御本人かなと思っています。
○松爲座長 ありがとうございます。大阪のほうはどうでしょうか。
○小幡構成員 途中で就労してしまうというような状況のことで、カリキュラムを全うしないまでも一定力になったところがあるかと思います。
○牧野構成員 途中で就労する状況については、一番早い人で4月30日に就職退校された方がいたことを御案内させていただきました。職業訓練のゴールは就職していただくことですので、訓練途中で就労されるケースは当然あります。
 入校される方の入校される動機として、就職活動も同時並行で行っているけれども、就職がなかなか決まらないから、就職が決まるまで訓練も受けて、スキルを上げたいという方もおられます。指導員側としては、半年ないし1年の訓練でスキルを身に着けてほしい気持ちを強く持っていますが、訓練生が訓練途中でも就職したいと希望されれば、その希望に沿っていくことになります。
訓練途中でも就職を希望される方は結構多く、また、職場実習に行ったときに、企業側からできれば今でも採用したいと言われる場合もあり、御本人も就職をしたいとなれば、マッチングしていきますので、中途退校は生じます。
 入寮に関しては、大阪校では今年度は男性、女性含めて合計15名で始まりました。大阪校の場合、障害の種別は入寮条件には含めておらず、移動困難な方、ないし同じ大阪府内でお住まいの方でも通校に1時間半以上かかる方を入寮対象としています。一方で、車通校も条件に合致すれば認めていますので、移動困難の方は入寮するよりも車で通校される方が増えてきています。
 寮の課題・問題としては、どこの寮も同様なのかもしれませんが、共同炊事場、共同トイレ、共同浴場や、部屋も今は個室として使っていますが、前提としては共同部屋ですので、生活の環境としては、現状と少し乖離があると思います。この点を改善していかなければ、入寮希望者は減っていくものと考えています。
 また、就労の関係、短時間労働か否かについては、御本人、ないし家族の意向を前提に決めており、特に精神障害の方の場合、ドクターからいきなりフルタイム労働は難しいということを言われたりすることもありますので、拘束時間も含めてどの程度マッチしているかどうかを踏まえて、個々個別に決めています。
 以上です。
○松爲座長 ありがとうございました。
 あと、お二方の質疑があります。お二方の質疑が終わった後、次にもう一つ議題がありますので、そちらに入りたいと思います。
 阿部構成員、どうぞ。
○阿部(一)構成員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
 私自身は下肢の障害で子供の頃からの障害なので、障害受容ということは自分自身はできていたところですけれども、精神障害・発達障害の方々が希望される方が多くなっているということ、そして、精神障害の方の発症は青年期が多いということとか、そして、受講する方自身も年齢が高くなってからの入校が多いということを考えると、一度就職してから、また訓練校を利用される方も多いのかなと思いながらですが、障害受容と障害理解についてお聞きします。
 この障害受容の点で、訓練校の場合は、専門職の配置などがあって、とてもよいなという前提の下の質問になりますが、障害受容というところでの問題は結構あるのかなと思いながら質問します。
 また、発達障害の方は手帳を取得する場合には、精神障害者保健福祉手帳と思いますが、手帳の取得関係について障害受容との関係からお話しいただきたいということ。
 あとは障害理解ということで、障害のある御本人の理解を企業で進めていただくとともに、御本人自身の自己理解はどうなのかということも、訓練校を利用して、また、一般校を利用している場合もあるということで、その辺のところのお話を伺いたいです。
 もう1点ですが、先ほどもお話ししましたけれども、訓練校には専門職の方が配置されていて、これはとても大きな特徴だと思います。しかし、多くの場合は会計年度内職員ということで、継続性はどうなのかなということです。これは予算の関係からそうなっているのかもしれません。専門の方の経験は大事だと思うのですけれども、職業訓練指導員の方は正職ですが、そのほかの方々の継続性についてということでお話を伺えればと思って挙手したところです。よろしくお願いします。
○松爲座長 牧野構成員、簡潔にお願いいたします。
○牧野構成員 障害の受容に関しては、個人差が物凄くあります。特に専門科目においては、障害を自認するところから始まる方が多く、そこから取り組んでいます。
精神障害の方の発症も青年期が多いということに関してですが、特に障害種別を問わない科目の訓練を受講されている精神障害の方は、昔の成功体験というものを根強く持っており、なかなか障害を自認されにくいため、対応に苦慮している場面が結構あります。
 発達障害の方と手帳の取得関係については、障害者校としては承知していないところです。
 会計年度職員に関しましては、御指摘のとおり、継続性という問題が確かにあります。同じ職員を継続して雇用するにしても、また公募して採用という手続を踏まないといけませんので、結果的には同じ職員に長く勤めていただいていますが、御指摘のあった問題点は常にはらんでいます。
○松爲座長 ありがとうございます。菅沼構成員、どうぞ。
〇菅沼構成員 東障校のほうですけれども、障害受容と障害の理解というお話があって、この辺は先ほど御説明をしました入口の支援であります就業支援科で、慣れていきながら訓練を受講していく仕組みが東障校にはあって、この辺で御自身の障害を認識していただいたり、あと、認識していただくための適応作業の実習を行ったりと、その辺は丁寧に本人とキャッチボールをしながら訓練を進める中で、障害受容や理解を進めていくというところなのかなというのが回答になろうかと思います。
 また、会計年度任用職員の話でございますが、先ほど説明をさせていただいたとおり、会計年度任用職員は多いですが、ルールとしては年限があって、その年限の範囲で雇用契約を締結して、年度更新をするというルールになっています。一定の年数が経つと継続更新ができなくなりますけれども、再度公募した中で手を挙げていただいたら、その方がきちんと職種にマッチした最良の方であれば選定をさせていただいて、引き続いての雇用が続くということをさせていただいています。数は具体的には申し上げられないですが、継続される方は結構いらっしゃいますので、そこがノウハウの継続といいますか、蓄積になっているところもあるかと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。では、最後になりましたけれども、大谷構成員、よろしくお願いいたします。
○大谷構成員 育成会の大谷です。
 まず1点、東京校の説明の中で、12ページのところでグラフ上では身体・知的の割合が減って精神の割合が一気に増えてと、令和5年度までにかなり変わってきているのですけれども、この部分について、多分大阪もそうだと思うのですが、全体的に何が一番原因なのか、身体の方とかが受講しなくなってきている要因をある程度把握されているのか、ただ単にこのような数字になっていると思われているのか、その辺をお聞きしたいです。
 それと、就職による中途退校の方が多いということ、これは言われたように、ある意味で悪いことではないと思います。ただ、その中で実習先から来てくださいという形があるということ、それ意外にどのような状況で就労されていくのか。通常ハローワークから言われてどうですかということで働いていくわけですけれども、中途の方は実習だけでそうなるのではなしに、ほかの方もいると思いますので、そのような場合は何があるのかということです。
 もう1点、寮生活のことですが、今、私たち知的のほうでもグループホームの中の1人ずつの部屋というのが当たり前になっている時代です。それと、食事というのが弁当食事で、そこはかなり大きなネックになるのではないか。せめて近くの仕出屋とか何かが幾つかの弁当を作ってくれるとか、何らかの形がないと、食事のバランス等もあるし、皆さんも自分が入った場合にどうかと考えていただけると、食事面とかは大事なことだと思いますので、そういうものが変われば入寮される方も増えてくるのではないかと思います。
 簡単ですけれども、以上です。
○松爲座長 菅沼構成員、お願いします。
〇菅沼構成員 1点目の御質問にどうお答えしていいのか分からないのですけれども、難しいところもあって、この数字の動きは東京だけでもないし、大阪も同じで全国的に傾向は同じだと思います。私がこの場でこの傾向はなぜ起きるのかということについてお話しするのは難しいところもあって、現状として、お申し込みをいただく方の傾向が変わってきているというのは、ニーズの変化、障害の位置づけの変化、あるいは障害の認識の変化なのか分かりませんが、これが起きているのだなということを推測するしかないかなというところにとどまると思います。
 2点目、中途退校が多いというか、就労については入校案内の就職支援について、東障校の入校案内の19ページにも載っているのですが、活動の準備から始まって、これは面接の指導とか個別の指導も含めて、マッチング、企業研究、フォローアップといったいろいろな形で就職支援を実施しています。この辺がうまく機能して就職の実績が出ているのかなというところです。
 また、寮の食事の話ですけれども、食事については、私どももいろいろと実施しており、平成30年度の新しい施設に改修されるまでの間を含めて食事の提供もしていました。ただ、先ほど御説明したとおりですが、なかなかニーズがなくて業者が対応するのが難しい、いわゆる調理をしていただく業者が続けるのが難しいという話になります。あと、直近で実際に仕出しのお弁当も提供していた時期があったと聞いています。しかし、実際に発注をいただかないケースが多くて、そうすると、業者が止めさせていただくということで、つまり、こちら側が何らか準備をして御提供するものについては、東京の場合、近隣に食事を提供する場所がある以上、御本人たちが選択される余地があるということなのかなということが今答えとして受け止めており、そのような形の認識でおります。
○松爲座長 では、牧野構成員、お願いします。
○牧野構成員身体障害の方の入校が減っているのは、大阪校は身体障害の科目を障害種別を問わない科目に変更したことも大きいと思います。
 就職先については、訓練生自身がハローワーク求人を見て選ばれる場合もあり、訓練生主導の場合は、その意思に沿って就職先を決めていくことになります。訓練生から「私の就職先はどこが適しているのですか。」という相談があれば、それを受け止めて対応していくことになるので、人によって違ってきます。
 寮の食事についてですが、大阪校の場所は泉北ニュータウンの中にあり、近所にスーパーはあるもののコンビニはありません。食事の提供は仕出弁当を本業にしている業者に継続して実施していただいており、食材を当校に持ち込んで、朝昼晩、昼食については通校している訓練生で希望する方も含めて作っていただいています。
一番の問題は、食事の要る・要らないが訓練生の意思に委ねられるので、日によって量が変わってくるということで、業者の負担がかなり大きくなっています。さりとて、当校の近所にスーパーはあるが、コンビニのように気軽に利用できるところがないので、今は当校の厨房に食材を持ち込んで食事をつくって提供していただくことができています。
 部屋に関しては、御指摘いただいたとおり、今の時代に合った形の部屋にはなっておらず、1人部屋として使ってはいるものの、中の造作等はそういう構造になっておらず、老朽化も含めて古さを感じているところです。
 以上です。
○松爲座長 詳細な説明いただきましてありがとうございました。
 まだ資料が残っておりますので、議題を先に進ませていただきます。
 事務局のほうから、資料3の特別支援室の資料につきまして説明をよろしくお願いいたします。
○稲田特別支援室長 事務局です。時間の関係もありますので要点を絞って説明させていただきます。
 2ページ、先ほど東障校のほうから、東障校を知ったきっかけについての説明がありましたけれども、機構営校のほうでも令和5年4月以降、来校経路を取っていただいていますので資料にまとめています。こちらは受講生全数ではなくて、アンケートに回答があった範囲となっています。
 所沢、吉備のほうを合わせたものが右側の資料になりますので、そちらを御覧ください。東障校と同じように職業安定機関、つまりハローワークがきっかけになったという回答が半数近くを占めております。
 その他としましても、地域障害者職業センターとか、教育機関、就労支援機関からの紹介がきっかけという回答もそれぞれは少ないですが、合計すると半数程度を占めていますので、関係機関へしっかり周知していくことが入校希望者を増やすことにつながるのではないかと考えています。
 3ページ、こちらは職業能力大学校基盤整備センターが令和2年の調査において、障害者訓練を実施するに当たって訓練指導員は最低限訓練生何人に1人が望ましいかというアンケートを実施しています。このアンケートの対象は、国立県営の障害者校と障害者を対象とした訓練を実施している一般校の合計48校となっています。、結果としては、受講生5人に1人が望ましいとする施設が22校で最多、次いで現行の配置基準である受講生10人に1人とする施設が14校となっています。しかしながら、10人に1人が望ましいと回答した14校に対して身体障害者向け以外のコースにおける望ましい指導員数を確認したところ、受講生5人に1人や、3人に1人といった現行の配置基準よりも手厚い指導員の配置が望ましいと回答する施設が多数を占めていることが見て取れます。
 5ページ、職業大での障害者支援等の研修についてです。深江構成員から提供いただいたものであり、障害者訓練を担当する者の育成ツールとしては、前回、高障求機構から紹介があった専門訓練コース設置運営サポート事業や指導技法等体験プログラム、職業訓練実施マニュアルといったもののほか、職業能力開発総合大学校による研修を実施しているところです。
 こちらの研修につきましては受講対象者ごとの体系的なものとなっていて、研修内容についても6ページに記載のとおり、適宜アップデートした上で実施しています。
 駆け足になりましたけれども、事務局からの説明は以上となります。
○松爲座長 ありがとうございました。
 それでは、今までの資料1、2、3を合わせた形で、皆さんの御意見・御質問等を伺いたいと思います。
 大塚構成員、どうぞ。
○大塚構成員 東京都と大阪府、詳細な説明をありがとうございます。
 私のほうからは職業訓練指導員の専門性という観点から考えて、近年、精神だとか、あるいは発達の方たち支援のニーズが高まったということで、東京も大阪も個別の支援ということの対応を図っている。そういうところに現れていると思っています。もちろん職業訓練指導員の方の精神・発達の方への理解だとか、あるいは仕事内容そのものも変わってきたとは思っています。
 ただ、特に東京都のようにそれだけではなくて、生活指導相談員だとか、就職支援担当職員、それから、定着支援担当職員と、ほかの専門職も含めて配置されていて個別の支援をしてきた。そういう観点の中においては、職業訓練指導員という方の仕事は根本的に異なるようになったのかどうか。それとも従来の仕事、集団での教えるという訓練的なことは続けながら新たな個別の対応もされてきたのか。
 私の観点はそれだけではなくて、これだけほかの専門職が増えてきたということは、チームにおける支援でのそういう新しい局面が出てきたのではないかと推測しており、むしろ、そちらのほうが今後重要で、従来の職業指導員としての専門性とともに、チームの中の一員としてどのようにそれをまとめるか、マネジメントが重要になってきているかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 以上です。
○松爲座長 どうですか。
○菅沼構成員 もともと指導員が中心になってチームマネジメントをしていくというのは、東京都の職業訓練校でいいますと、先ほど入校案内の1ページ目で絵をお示ししたと思うのですけれども、訓練をしながら生活支援、あと、就職支援を一体となって実施していくスタイルですので、指導員が支援全体をまとめているかと思います。
 ただ一方で、大切になってくるのは、先ほど申し上げた障害を重複して持つ方や、精神・発達障害者が増えているという中で、どうやって個別のニーズに応えていくかということなのだと思うのです。集合型の訓練で今まで実施していたものをどうやって一人一人に寄り添ってカスタマイズしていくかというところが、結構相反する流れの中でそれをうまく組み合わせることができるか、というところが一つポイントなのかなと思っています。ここはまだできていないのですけれども、これから先の話です。
○大塚構成員 ありがとうございます。
 個々のニーズをきちんと評価して、その人に合ったカリキュラムをきちんとつくってやっていける、そういう能力が必要だということでいいですか。
〇菅沼構成員 そうです。ただ、100%カスタマイズは難しく、マンパワーがどうしても限られてきますので、その限られたマンパワーを個別のカスタマイズできる余地を持ちながらどうやって対応していくかというところがポイントなのかなと思います。そこは最後に私どもが御意見させていただいた本質のところなのかなと思っております。
○大塚構成員 工夫かもしれないですね。
〇菅沼構成員 工夫と何らかのノウハウみたいなものがあって、その辺をこれから先は厚生労働省や機構の方からいろいろなアドバイスをいただきながら、そういった新しい訓練のやり方を先導していただきながら、そこをキャッチアップしていくということなのかなと思っております。
○大塚構成員 ありがとうございます。
○松爲座長 ほかに何かございますでしょうか。酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 全国就業支援ネットワークの酒井です。
 先ほど事務局から資料3で経路の御説明をいただきました。所沢と吉備ということで国立の訓練校という特性もあるかとは思うのですけれども、労働関係で完結しているなという印象があって、福祉機関が1%しかないのですけれども、それはA型とかB型である程度、先ほどの東京都の前段の3か月の訓練のように、就労準備を整えた上で次のステップとして職業訓練の位置づけはあるかと思うのです。そこの福祉から労働につながるところがまだまだ薄いのだなというのは、この経路を見ても感じました。
 前回も申し上げましたが、雇用と福祉の連携強化というか、福祉から雇用へつなぐときの重要な役割を果たす職業訓練という位置づけを改めて考える必要があるのではないかなと思いました。
○松爲座長 事務局、何かありますか。
○稲田特別支援室長 その点につきましては、例えば今年の10月から就労選択支援が始まりますので、そこできちんとアセスメントをした上で必要な機関につないでいただく。その機関先として職業訓練をきちんと位置づけてもらうのが重要だと思います。その辺は関係部署とも調整して明確にしていきたいと思っています。
○松爲座長 そこに対する広報活動を丁寧にやってもらうといいですね。
 山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 先日、神奈川校を見せていただいて、寮も拝見しましたけれども、今日御紹介いただいた2校とは、老朽化というか、かなり設備に違いがあり、同じ入寮希望者でも場所によってかなり差があるのだなというのは率直な感想です。先ほど東京校さんからもお話がありましたが、同じ県営の一般校と統合して建物とか敷地を共有している例があると思うのですけれども、その具体について次回少し資料か何かで御説明いただけると理解が深まるではないかと思います。次回に向けてということでお願いします。
○稲田特別支援室長 資料につきましては次回示させていただきたいと思います。一般校との合築の例としては、県立県営校にはなりますが、京都府立の障害者校が一般校と合築で運営をしているところです。その京都障害者校に合築に伴うメリットをヒアリングしたところ、何点かございました。
 1点目としては、障害者校と一般校の訓練担当者同士が日頃から連携することで、障害者訓練のノウハウや情報を一般校にも共有することが容易となった。その結果、一般校において障害をクローズしている訓練生やグレーゾーンの訓練生に対する的確な対応が可能になった。
 2点目としては、一般の訓練生が同施設内にいることは、実際に働き始めた後の環境に近いものがあるため、訓練期間を通じてそういった環境に慣れることが可能になった。
 3点目としては、庶務部門などを統合することが可能になるので、スケールメリットを生かした人員体制の効率化が図られたというようなことをメリットとして挙げていました。
 また、京都障害者校のほうではそこまでの取組には至っていないということですが、それ以外に期待されるメリットとしては、障害者校の訓練指導員が研修等で不在になる際、訓練体制の維持というのが課題として以前から挙げられていたのですが障害者訓練のノウハウを会得した一般校の訓練指導員によるサポートが容易になるのではないか。
 また、一般校のほうは比較的に交通至便な場所に設置されているケースが多いため、通所による訓練受講が容易になるといったようなメリットも期待できるのではないかと我々のほうでは考えています。
○松爲座長 ありがとうございます。小幡構成員、どうですか。
○小幡構成員 今回、東京校、大阪校、見学は神奈川校ということで、比較的首都圏に近いところの状況を見せていただきました。1回目の資料では地方部ももちろんあったと思うのですが、私たちの印象が少しそちらの交通の便とかも含めていいところに引っ張られがちかと思いますので、次回以降、地方部のところの例えば宿泊の利用状況だとかを含めて資料提供いただけたら議論がさらによくなるのかなと思いました。
 人員のところで言うと、専門に当たる相談のところと、技能を教える人の役割分担みたいなものも工夫されて取組はされているのですが、人員など、また、施設の統廃合や共用などについても多岐にわたりますので、この検討会の中で議論できることと、次の課題になるものについても改めて整理していただけると、私たちもどの点について議論を深めたらいいのかが分かるかと思います。よろしくお願いいたします。
○松爲座長 ありがとうございました。事務局、よろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますか。もし、ないようでしたら、議題の1につきましては、これにて終了とさせていただきます。
 本日の議題を踏まえまして、事務局において整理を進めさせていただきます。そして、次回の検討会でも報告書の取りまとめに向けて議論を深めていきたいと思います。今回幾つか宿題もありましたので、それも含めて事務局から報告をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の検討会はここまでといたしますが、最後に何かありましたら全体を通じて追加的な質問がございましたらどうぞ。
○阿部(博)構成員 参考資料1の前回示された御議論いただきたい課題等の課題1の1ページのマル3のところで、「今後の財源や障害校の運営をどうするか」とあるのですが、前回示された予算関連の資料というのは1ページ分しかございませんので、課題を検討するに当たっての全体像や現状が現段階では分かりづらいかと思います。事務局とも相談させていただきますが、次回もう少し詳しい資料を提供いただければと思います。
○松爲座長 特に予算に関して、次回よろしくお願いいたします。
 深江構成員、どうぞ。
○深江構成員 今回の議論の中で、前回ありましたPR関連のところがあります。ここで次回に向けての提言ですが、今日の東京都と大阪府の報告を聞きますと、それぞれでいろいろ工夫をされている。それが果たしてそれぞれの障害者校同士で情報共有できているのかどうか、いわゆる好事例の共有をする場がないのではないかというところがありますので、次回、そういう共有する場をつくれないか、あるいは既存のものでそういったことが可能かどうかというのを資料か何かで整理していただければと思います。
○松爲座長 ありがとうございます。
 事務局に対する要望が結構多いですけれども、ほかに何かありますか。よろしいですか。
 では、ないようでしたら、本日の検討会はここで終了させていただきたいと思います。
 事務局のほうで最後の手続をよろしくお願いします。
○内藤特別支援室長補佐 松爲座長、ありがとうございました。
 また、本日御参加の皆様におかれましては、長時間にわたりありがとうございました。
 本日の議事録につきましては構成員の皆様に御確認いただいた後、資料とともにホームページで公開することとしています。
 また、次回の開催につきましては別途、事務局から御連絡をさせていただきます。本日はありがとうございました。