2025年3月5日 第6回危機対応医薬品等に関する小委員会・第5回重点感染症作業班(合同開催) 議事録

健康・生活衛生局感染症対策課パンデミック対策推進室

日時

令和7年3月5日(水)17:00~19:00

場所

Web開催
事務局:厚生労働省専用第21会議室

議題

重点感染症リストの見直しについて

議事

議事内容
○時岡補佐 ただいまから「厚生科学審議会感染症部会第6回危機対応医薬品等に関する小委員会・第5回重点感染症作業班」を開催します。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
 私、本日議事進行を務めさせていただきます、健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課の時岡と申します。よろしくお願いいたします。
 なお、当課課長荒木に関しましては、別件公務のため遅れての出席となります。
 傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 なお、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 本日はウェブ会議での開催となりますので、御発言の際は挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、委員長の指名の後に御発言ください。
 なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じるかと存じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の紹介をさせていただきます。
 通信の確認も踏まえて、お名前を申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順に、岩本委員。
 岩本先生、聞こえていますでしょうか。
 ありがとうございます。
 加藤委員。
○加藤委員 加藤です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いします。
 齋藤委員。
○齋藤委員長 齋藤です。よろしくお願いします。
○時岡補佐 お願いします。
 鹿野委員。
○鹿野委員 鹿野です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 よろしくお願いします。
 長谷川委員。
○長谷川委員 長谷川です。よろしくお願いします。
○時岡補佐 よろしくお願いします。
 濵口委員。
○濵口委員 濵口です。よろしくお願いします。
○時岡補佐 お願いします。
 早川委員。
○早川委員 早川です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いいたします。
 福島委員。
○福島委員 福島です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いします。
 宮川委員。
○宮川委員 宮川でございます。よろしくお願いします。
○時岡補佐 お願いします。
 横野委員。
○横野委員 横野です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いします。
 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いします。
 続いて、重点感染症作業班委員として、中野委員。
○中野委員 中野です。よろしくお願いします。
○時岡補佐 お願いします。
 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○時岡補佐 お願いします。
 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○時岡補佐 お願いします。
 大曲委員は少し遅れて入られると伺っております。
 本日は委員15名が御出席となりましたので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立していることを御報告いたします。
 冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 資料は、議事次第、委員名簿、資料1、資料2、参考資料1になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は齋藤委員長にお願いいたします。
○齋藤委員長 ありがとうございます。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは早速、議事に入りたいと思います。
 まずは、資料1、2につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○時岡補佐 よろしくお願いします。
 では、本日の資料の説明をさせていただきます。本日は重点感染症のリストの改訂ということで、資料1がこれまでの経緯、資料2がその改訂案ということになります。
 では、資料1の重点感染症の見直しに関するこれまでの経緯となります。
 現在お示ししているスライドが、昨年9月にMCM小委員会で出させていただいた資料となりますが、令和4年に重点感染症の暫定リストを示したという形になります。この暫定リストに関しましては、その後の国内外の感染症の発生動向や公衆衛生危機管理に係る政策ニーズに対する情勢変化等に適切に対応する必要がありますので、客観的な判断基準を作成し、必要に応じて見直しを行っていくこととしておりました。
 2ポツ目になりますけれども、その後、昨年、WHOのリストの改訂も行われましたし、国内においては新型インフルエンザ等対策政府行動計画も示されました。国内外におけるそういった推移もございましたので、重点感染症の暫定リストに関しましても見直しが必要ではないかといった御意見を昨年9月にいただいたところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、リストの改訂を行うことになりましたが、先生方御存じのとおり、候補となる病原体は非常に多岐にわたる上に、ジャンルとしても広い範囲となりますので、重点感染症作業班をコアメンバーとした上で、各病原体の専門家の先生方を参考人という形で御協力いただいて、今回のリストの改訂の見直しを行ったという経緯となります。
 続きましての資料となりますけれども、こちらがその後の経緯となります。11月以降、第2回、第3回、第4回の重点感染症作業班で、WHOのパソジェンリスト(pathogen list)をベースに各病原体に関しまして、客観的な基準でその病原体を重点感染症の候補とするべきか、あるいはそうではないかといった御意見を専門の先生方からいただき、その上で、関連学会や製薬協等の関連の先生方に御意見いただいて、何度か見直しを行ったという形になります。
 重点感染症作業班に関しましては、扱う病原体の性質上テロ等に関連する病原体もあるため、非公表という形でやってきましたが、このたびまとまりましたので、本日その案をお示しするところとなります。
 続きましての資料は、重点感染症作業班で打ち合わせた内容に関しまして、概略部分をお示ししております。少し細かいですが、説明させていただきます。
 まず1つ目のグループ分類ですが、こちらは重点感染症の暫定リストのときにもまとめましたGroup X、A、B、C、Dというグループ分類です。こちらのグループ分類に関しましては、今回のリストの改訂におきましても変更というのはございません。一方で、Group XとGroup Aの部分に関しまして、少し境界が分かりにくいといった御意見もいただきましたので、その辺りは少し補足を加えたということになります。
 続きまして、2ポツ目になりますけれども、実際に各病原体をどのように判断したかということになります。こちらは前回の暫定リストのときにも客観的な指標を用いて評価していますが、今回も公衆衛生的な指標、並びに戦略的な指標の一部に関しまして、各病原体について専門の先生方に御意見いただき、その各項目に関しましても改めて見直しを行ってございます。その上で、各参考人の先生方に、自由記載も含めて重点感染症とするべきかどうかといったことの御意見をいただいています。
 続きまして、3ポツ目、各グループの各病原体に関して意見をいただいた部分となります。Group Xに関しましては、先ほど申したとおり、Group Xの「未知」という部分とGroup Aの「新たな」という部分が少し不明瞭という御意見をいただきましたので、Group Xの「未知の感染症」に注釈を追加したということと、あと、Group Aの「次の病原体による新たな感染症」という枠組みを設けまして、未知ではなく、Group Aに関しましては、既知の感染症が変異等で変化したということで、新たな病原体としております。
 従来「重症呼吸器症候群」としておりましたグループに関しましては「重症急性呼吸器感染症」に変更、「重症脳炎」を来す新たな病原体と記載しておりました部分は、臨床的な観点から「重症脳炎」だけではなく「重症脳炎・脳症」を来す新たな病原体としたほうが適切ではないかという御意見をいただきましたので、そのようにグループ名を変更してございます。
 あと、Group A、B両方に係る部分で「エンテロウイルス感染症」に関しましては、パンデミックを起こすという観点におきましては、呼吸器感染症で起こす可能性が高いというところがございますが、エンテロウイルスは様々な表現型があり、例えば神経症状等で重篤になることもございますので、エンテロウイルス感染症に関しましては、従来の呼吸器感染症のグループに入れるのではなく、エンテロウイルスだけ特出しして記載をしてございます。
 その次、「蚊媒介感染症」は「節足動物媒介感染症」というグループ名、「その他人獣共通感染症」に関しましては「人獣共通感染症」に変更しております。
 さらに、Group CでAMRの部分に関しましては、多数御意見いただいたところになります。対象となる病原体は非常に広く、かつ多くございますが、特にその中で多く御意見をいただいた真菌の部分に関しましては、これまで記載していたカンジダ・アウリスだけではなく、ほかの真菌も記載したほうがいいのではないかといった御意見を複数いただきました。特にアスペルギルスに関しましては、対象となる患者さんの数も比較的多いということと、治療に難渋して亡くなられる患者さんも多いということ、海外のWHOのクライテリアもクリティカルというところもありますので、カンジダ・アウリスに加えて、アスペルギルス・フミガタスを今回のリストの改訂で新たに追加したということになります。
 そのほか、こちらは国内における重点感染症のリストとなりますが、WHOのパソジェンリスト(pathogen list)上にない、例えば野兎病ですとか日本脳炎ですとか腸管出血性大腸菌感染症、こういったほかの病原体も含めて重点感染症の候補としてはどうかといった御意見をいただいております。
 最終的には掲載には至っておりませんが、例えば野兎病に関しましては、国内の土着のタイプは海外に比べると弱毒性であるということとか、仮にテロで使われる場合はほかのテロの病原体として想定されるペストや炭疽に比べると相対的にはリスクが低いといった御意見ですとか、日本脳炎に関しましては、予防接種法等ほかで対策を取られているということですとか、腸管出血性大腸菌感染症に関しましては、国内において問題となるのは、治療薬がないといった問題というよりは、むしろお肉の生焼け等、どちらかというと衛生管理の部分によるものになりますので、そういった意見をいただいた上で、今回は重点感染症の候補としては記載しないということに至っております。その他、各病原体に関しまして、参考人の先生方からディスカッションいただいて、最終的にまとめた結果となっております。
 最後に、今後の見直しという部分に関しまして、今回、暫定リストからの改訂ということで見直し案を、この後お示しする形になりますけれども、こちらは今後の国内外の感染症の発生動向ですとか研究開発の動向、そういったものに応じて適宜見直しする必要がございますので、今回の見直し案の後、必要に応じて今後見直ししていく、新たな改訂案を出していく必要も将来的にはあるかなと考えてございます。
 以上の意見をまとめましたのが、資料2のリスト案となります。こちらは先ほど申しました各病原体のグループ分類になりますが、暫定リストのときと同様、Group X、A、B、C、Dというグループ分類自体は変わりございません。
 重点感染症とはという一番上の部分になりますが、公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等の利用可能性を確保することが必要な感染症ということです。
 ※の部分を追記しておりますが、国内において、今回のリストに記載してある病原体以外にも重要な感染症というのはたくさんございまして、例えば肝炎ウイルスですとかHIV、結核等々、ほかにも重要な病原体はたくさんございますが、国内において既に十分な対策、ほかの取組等が行われている感染症は、今回のリスト上は記載していないということになります。
 次のスライドとなりますが、こちらは先ほど説明しました参考人の先生方にどのような項目で評価していただいたかという客観的な基準となります。こちらのスライドが公衆衛生的な指標になりますが、今回、前回の暫定リストで使ったものをベースに、さらに一部見直しを赤色部分でしております。例えば健康への影響という部分に関しましては、特に小児・妊婦への影響、次世代に及ぶ影響、そういった項目を追加してございます。
 感染性・伝播性という部分に関しましては、日本国内においてどうかといった観点です。当然、国の状況、地理、気候ですとか人口密度、そういったものが異なれば感染の伝播のしやすさというのは変わってきますので、日本国内においてどうかといった項目でも評価していただいております。
 3の発生頻度、蓋然性に関しましては、過去のテロ事例の有無ですとか、4の医療負荷に関しましては投与経路、そういったものも含めて考慮してございます。
 次のスライドがもう一つの戦略的指標という部分です。こちらも特に1の部分に関しまして、参考人の先生方に評価していただいた部分になりますけれども、既存のMCMの有無ですとか入手可能性、あと小児・妊婦に投与可能かといった部分です。
 入手可能性に関しましては、入手が困難かどうかというだけではなく、流通・保管が簡便か。具体的に申しますと、例えばマイナス何十度ではないと保管しておくのが困難である薬剤は当然流通・保管が困難になりますし、あとは点滴薬よりは錠剤薬のほうが一般的に保管は簡便ですし、あとは使用期限が短い薬剤よりは長い薬剤のほうが保管は簡便というような、そういった項目を含めて今回評価していただいています。
 こういった意見を踏まえまして、各参考人の先生方に重点感染症とするかどうかというのを各病原体に関して御意見いただいて、いただいた意見の中で意見が分かれるものに関しましては改めてディスカッションしたという形になります。
 次のスライドが本日のメインの資料となりますが、こちらが重点感染症のリスト改訂案となります。少し細かいですが、上から順番にいきます。
 Group Xに関しましては、予見不可能かつ社会的インパクトが甚大な未知の感染症ということで、対策において、Group A及びBの開発を通じた基礎研究ですとか基盤の要素技術、そういったものを使っていくといった感染症になります。こちらは科学的に特定されていない全く新たな病原体、いわゆる本来の意味での未知ということになってくるかなと思います。現時点では、未知の感染症で、該当する感染症はございません。
 続きまして、Group Aの部分です。パンデミック及び大規模流行のおそれがあり、社会的インパクトが甚大ですが比較的予見困難な新たな感染症ということで、こちらはGroup Xとの違いとしては、Group Aはいわゆる既知の病原体がダイナミックに変異等でがらっと性格が変わった、そういったものが含まれるかなと思います。いわゆる既知の病原体の変異等をイメージしております。
 重症急性呼吸器感染症を来す病原体として、変異等を来した新たなインフルエンザですとか新たなコロナウイルス、あとは先ほど申しましたとおり、エンテロウイルスに関しましては様々な表現型がございますので、呼吸器感染症を主病態とはしますが、それ以外の表現型に関しましても記載するために特出しした形となっております。ウイルス性出血熱を来す新たな病原体としては、フィロウイルス、アレナウイルス、ブニヤウイルス、あとはそれ以外の新たに発見される病原体もあるかと思いますので、などとしております。重症脳炎・脳症を来す新たな病原体としては、パラミクソウイルスなど。
 あとは遺伝子操作等を加えた新たな病原体による感染症ですとか、根絶された感染症ではありますが、テロ等に使用されるおそれのある天然痘をGroup Aとしてございます。
 続きまして、Group Bです。定期的または突発的に国内外で一定レベル以上の流行を起こす既知の感染症で、Group Aの予備軍的な位置にある病原体たちになるかと思います。
 呼吸器感染症としては、COVID-19、SARS、MERS、季節性及び動物由来インフルエンザ、RSウイルス感染症です。
 あと、エンテロウイルス感染症に関しましては、重篤化が知られているA71、D68を含んだエンテロウイルス感染症全体ということを記載しております。
 あとは出血傾向を来す感染症として、SFTS、エボラ出血熱、ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱を記載しております。少し補足しますが、エボラ出血熱、ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱はいずれも1類感染症になりますけれども、あと南米出血熱も1類感染症ではございますが、南米出血熱に関しましては、日本国内においてどうかという観点におきまして、参考人の先生方から、ほかの出血熱に比べると発生規模が相対的には小さいということと、あと、その起こった当該国から外に出ているリスクが低いということから、日本においてという観点においては、重点感染症候補にしなくていいのではないかという御意見をいただいたので、今回、南米出血熱に関しましては記載していないところとなります。
 あとは節足動物媒介感染症として、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱。
 人獣共通感染症として、エムポックス、ニパウイルス感染症を記載してございます。
 続きまして、Group CのAMRに関しましては、薬剤耐性の発生を抑えるために抗菌薬の適正使用が必要であることから、仮にAMRの薬剤を製薬会社さんが研究開発して製造された場合も、どうしても使用の機会が制限されるということで、いわゆる研究開発のインセンティブが働きにくい領域になるかと思います。とはいえ非常に重要な領域ですので、こういった部分に関しましては、国がサポートしていくことが重要というふうに考えてございます。
 具体的な病原体に関しましては、薬剤耐性結核ですとか多剤耐性アシネトバクター、多剤耐性緑膿菌ほか、そちらに記載してある病原体になりますが、冒頭申しましたとおり、真菌の部分に関しましては、カンジダ・アウリスに加えて、患者数の比較的多いアスペルギルス・フミガタスも今回新規に追加したということになります。こちらに関しましては、今後の国内での発生動向を踏まえまして、新たに追加していくような病原体があれば、また考慮していくことになるかと思います。
 一番下の部分です。Group D、国内において発生はまれですが、一定の頻度がある輸入感染症ですとか希少感染症、生物毒。こちらに関しましては、前回の暫定リストのときと変更はございませんが、狂犬病、マラリア、炭疽、ボツリヌス、ペスト、ヘビ毒、クモ毒を記載してございます。
 本日お示しするこちらが改訂のリスト案となりますので、また後で御意見ある先生方から御意見を伺えればというふうに考えてございます。
 最後のスライドとなりますけれども、こちらは以前お示ししたスライドになりますが、MCMのエコシステムです。上流の部分で重点感染症の指定を行いまして、だんだん下流のほうへ流れていくといった形になります。
 スライドの中段下の部分、MCM小委員会での今後の検討事項となりますが、今回、最上流の部分の重点感染症の見直しの検討というのを本日御提示させていただいていることになります。令和7年以降のMCM小委員会におきましては、この少し下流の部分、MCMの研究開発支援の方向性ですとか、あとはMCMの備蓄(確保)、未承認薬の導入です。あとはさらに、このエコシステムのモニタリングでPDCAを回すといった部分に関しまして、先生方からの御意見を伺えればと考えております。
 今回、ヒアリングの際にも、やはりこのリストの中で特に国内においてどこの部分が足りていて、どこの部分が足りていないのかといった部分、治療薬が足りないのか、ワクチンが足りないのか、どこの部分が必要なのかといったような部分もより分かりやすく提示してもらえると非常に使いやすいといった御意見もいただきましたので、そういった部分を踏まえまして、先生方と今後、令和7年以降、相談していければというふうに事務局としては考えてございます。
 事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いします。
○齋藤委員長 御説明どうもありがとうございました。
 今お話がありましたように、重点感染症のリスト等の見直しということで、作業班を設置して議論を進めてきたところで、そのまとめをお話しいただきましたが、今回この作業班長を務めていただきました大曲先生から、もしよろしければ補足等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○大曲委員 齋藤委員長、ありがとうございます。国際医療研究センターの大曲です。
 実はもう今、時岡さんにしっかり説明していただきましたので、大きな補足等はございません。今回は参考人の先生方、各分野の先生方に入っていただいて、かなりしっかりと議論をしていただきました。特に作業班で意見が割れたところに関しては、改めて参考人の先生方にしっかり意見をいただいて、まとめるということを大分繰り返させていただきましたけれども、それで我々としても納得のいく結論が得られたと思っております。
 ということで、御審議をいただければと思います。ありがとうございます。
○齋藤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、以上の説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。結構内容も盛りだくさんではありますので、あれですが。
 では、森川委員、お願いいたします。
○森川委員 Group Xで、※1「科学的に特定されていない全く新たな病原体による感染症」という記載になっているのですけれども、これに異議があるわけではないのですが、例えば今、物すごく多くの種類の、人には感染するかどうか分からないウイルスというのが動物とか植物、鳥とかから見つかっています。ですから、本当に科学的に全く似たウイルスがいないものが急に出てきて人に感染症を起こすということは考えにくいので、そういう意味では、人には全く感染することが分からなかったけれども、例えば鳥とか、あるいは昆虫とか、動物とか、場合によっては植物で知られていたウイルスに近いようなウイルスでパンデミックを起こすような人の感染症が起きたときは、Group Xということでよろしいのでしょうか。
○齋藤委員長 御質問ありがとうございます。
 この点、事務局、いかがでしょうか。
○時岡補佐 先生、ありがとうございます。
 それはいわゆる既知の病原体ではなく、人間においては未知という扱いという認識ですね。であれば、先生おっしゃるようにGroup Xという形になるかと思います。
○森川委員 ありがとうございます。
○齋藤委員長 そのほかいかがでしょうか。
 岩本委員、お願いいたします。
○岩本委員 聞こえますか。マイクがすごく調子が悪くてすみません。出だしもちょっと別のヘッドセットでマイクが全然伝わらなくてすみません。お話は聞こえているのですけれども、失礼しました。
 私はずっと申し上げてきたので、今さらあまり大きな枠組みをいじるべきだということを言うつもりはありません。とはいうもののやはりもう少し分かりやすく、例えば感染症法との関係を位置づけるとか、した方がが国民には分かりやすいのではないかなということを思います。
 Group Xの議論ですけれども、これはWHOがDisease Xを2018年に取り入れた時の記事を見ると、Disease Xはプレースホルダーコンセプトだという書き方をしてあります。要するに何か分からないものが来たときにぽっと入れて、はっきりしてきたら、それは別の場所に移すようなカテゴリーとしてがDisease Xを位置づけているようです。日本の場合にちょっと分かりにくいのは、Group Xに新しいウイルスが来た場合、それが全く新しいものだったらGroup Xのままそのフォルダーに残るのか、いずれAなりBに移すのか、その辺の考え方がちょっと分かりにくいなと思います。
 それから、もう一点、感染症法と合わせたほうがいいと申し上げた理由の1つは、現在では感染症のリストと言っていますが、特にAで病原体の名前と感染症の名称が混ざっていて、あまりビューティフルではないなという感じがします。病原体のリストか、感染症のリストとして統一したほうがいいのかなということが2点目です。
 それから、3点目は、未知のインフルエンザウイルスとか未知のコロナウイルスを「新たな」に直していただいたのですけれども、H5N1はどうなるの、H7N9はどうなるのみたいな個別例がないと、「新たなインフルエンザウイルス」って何なんだというふうに、僕はインフルエンザウイルスの専門家ではないですけれども、ちょっとはっきりしないなと思いました。
 以上です。失礼しました。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
 今3点御質問いただきましたが、この点、事務局からいかがでしょうか。
○時岡補佐 ありがとうございます。
 まず1点目、感染症法の分類もあって、こちらの分類もあって、いろいろなものがあると、特に国民の皆様に分かりにくいといった部分です。御指摘の部分はあるかなと思います。少し観点が異なる部分があるので、こちらのグループ分類にしているというところはありますが、先生おっしゃられるように、一般の方が見られたときにどういう違いがあるのかという部分を分かりやすく示せるように、こちらとしては努力していく必要があるかなというふうに考えております。
 2点目の感染症なのか病原体なのかという部分に関しましては、一応全部、次の病原体による新たな感染症とか、何とかの感染症という形で、感染症くくりという形では記載してございますが、確かに先生おっしゃられるように病原体名と感染症名が一部混ざっているように見える部分に関しましては、ビューティフルではないという部分はあるかなと思いますが、事務局としては感染症くくりという形にしているという認識でございます。
 「新たな」というのが少し分かりにくいという部分に関しましては、こちらはどうしてもいつまでも議論に残ってしまう部分になりますけれども、特に先生がおっしゃられるような具体例をこちらの表のほうに記載することはできなかったわけですが、そういった示し方は、また今後、事務局のほうでも検討させていただければと考えております。
 事務局からは以上となりますが、グループ分類の部分、もし齋藤先生から補足があればお願いできればと思います。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
 まだ重点感染症という言葉だけが独り歩きをしていて、Group A、B、Cのコンセプトというのはなかなか理解され切れていない部分もありますので、ここはいろいろとコミュニケーションを続けていく必要があるかなと思っています。
 先ほどGroup XからA、Bに変わっていくのか、新しいものが出てきたときにどういう置き方をするのかという議論は作業班のほうでもあったところですけれども、基本的に感染症に対するMCMの置かれた状況によってかなり変わってくるのだろうなと思っております。
 あと、当然、Group Xとして、最初は全く新しいものとして出てきたものも、だんだんと一定レベルの感染症に落ち着いていき、一定程度の発生のものに落ち着いていき、そしてワクチンとか薬剤というのがある程度供給、開発されたものが出てくると、それはこの中のカテゴリーでいえばGroup Bというふうに変わっていくというようなことがあるのだろうなと思っています。当初、そもそも研究開発を一から始めるところからスタートするのであれば、Group Xというようなくくりでスタートしていくのかなというイメージを持っております。
 そのほか御意見、御質問等いかがでしょうか。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 Group Bの呼吸器感染症なのですけれども、インフルエンザのほうは季節性及び動物由来インフルエンザとなっているのですが、その上の新型コロナウイルスは新型という名前が残っていて、統一するのだったら、動物由来コロナウイルス感染症としたほうが、新型というのがずっと新型のままになってしまうという弊害が考えられるのかなと思って、インフルエンザの場合でも、古くなっても新型インフルエンザという名前が残ってしまうようなこともありますので、動物由来としたほうがインフルエンザとコロナの整合性が取れるのかなと思ったのがまず1点です。
 あともう一つは、Group Aのところで、新たなインフルエンザウイルス、新たなコロナウイルスなのですけれども、これは新たに人に病気を起こすインフルエンザウイルスとかコロナウイルスのことを指すのかなと思うのですが、その点、どうでしょうかというのが1つです。
 最後に、Group Xのところで、※の「科学的に特定されていない全く新たな病原体による感染症」というのは、私が受けた印象は、森川先生は新たなウイルスという表現をされていたのだけれども、全く新たな病原体というのは、ウイルスでもなく、細菌でもなく新たな病原体なのかなという印象を受けるのですけれども、いかがでしょうか。
○齋藤委員長 御質問ありがとうございます。
 確かに「新たな」が新たな病原体に係ると今のような印象に、ウイルスでもない、細菌でもないというように確かに聞こえるところはあると思いますが、ここはちょっと検討事項かなと思います。
 新型コロナウイルス感染症は、ここで言うとSARS、MERSと並んでいるように、あくまで今はやっているSARS-CoV-2による感染症という意味でここに書いてあるので、動物由来コロナとかを言っているものではない。
○長谷川委員 そうしたら、SARS-CoV-2という表現のほうがいいのではないでしょうか。
○齋藤委員長 COVID-19と書いてあることで、これはSARS-CoV-2による感染症という意味になるかなと思います。現在流行しているCOVID-19とかSARS-CoV-2による感染症としてはやっているものは、まだ今、新型コロナウイルス感染症という名前で扱われているので。
○長谷川委員 そうすると、だから、その次のSARS、MERSはSARS、MERSなのに、ここがCOVID-19になっているのはちょっと。
○齋藤委員長 COVID-19は今、正式名称というか、行政的な名称は使われていましたでしょうか。
○時岡補佐 事務局からすみません。
 先生御指摘のとおり、新型という表現がいつまで使われるかは分からないのですが、感染症法上の取扱いの感染症名と合わさないといけないという部分もございますので、現時点では、感染症法上は新型コロナウイルス感染症と記載しております。ただ一方で、医学的な確かさという部分も、あとは見た人の分かりやすさという部分もございますので、今回に関しましては新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という記載にしております。
 同様に、エボラ出血熱(エボラウイルス病)と記載している部分もございます。ここに関しましても、感染症法上はエボラ出血熱なので、エボラ出血熱と書いておりますが、ただ、現在、昔言われていたほどは出血傾向がエボラは高くないということが知られており、学術的にはエボラウイルス病と一般的に使われているということで、ここに関しましては感染症法上の取扱いの方法と、あと、学術的な内容並びに見た人の分かりやすさという部分の全体を取ってこういう形になっておりますので、新型コロナウイルス感染症に関しましても、同様のものというふうに考えていただければと事務局としては考えております。
○佐野エイズ対策推進室長 事務局でございます。追加でお話しさせてください。
 資料1の3ページ目の一番下のところを見ていただければと思いますが、重点感染症につきましては、国内外の感染症発生動向ですとか研究開発の動向、公衆衛生危機管理に係る情勢変化等に適切に対応する必要性がありますので、必要に応じて見直しを行っていく予定でございます。言語のところとか、確かに先生方おっしゃられますように、統一感が出ないというのはなかなか難しいところがあるかもしれませんが、現状の言語を使って記載しているというふうに御理解いただければと思います。
 私からは以上でございます。
○齋藤委員長 これでお答えできていますでしょうか。よろしいでしょうか。
○長谷川委員 あと、新たなインフルエンザは。
○時岡補佐 新たなインフルエンザ、新たなコロナウイルス、Group Aの新たなという部分に関しましては、既知の病原体が変異等でダイナミックに変異して、がらっと性質を変えたようなものというのを意味している「新たな」というふうな記載になります。
○長谷川委員 これは、でも、動物由来になってしまうと思うのですけれども。
○佐野室長 先生、ありがとうございます。
 そちらにつきましては、下のほうは恐らく現段階で分かっている動物由来インフルエンザということで、上のほうは新たに分かってきて人に感染するようになってきたインフルというところで、ちょっと想定の範囲外、現在分かっている動物由来インフルエンザよりも想定外のものであると考えていただければと思います。
○長谷川委員 ですから、先ほど申し上げたとおり、新たに人で疾患を起こすインフルエンザという理解ですね。新たなという意味は、新たに人で。
○佐野室長 基本的には先生の御理解で大丈夫だと思います。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
 森川委員、先ほど手を挙げられていましたか。
○森川委員 いや、新たなインフルエンザのところが、インフルエンザは全て動物由来なのでと思ったのですが、例えばH4N6みたいなものが出てきたら、多分このGroup Aの新たなインフルエンザという理解でいいと思うのですけれども、長谷川さんが言うまで分からなかったのですが、ちょっと区別がしにくいなと。新たなコロナウイルスは、例えば今、武漢の研究所で新たにコウモリから見つかったメルベコウイルスでACE2をレセプターにするウイルスが見つかって、人に感染できるというのが見つかったのですが、それによる新しい感染症が出てきたら、Group Aの新たなコロナウイルスになるのかなという理解でいいと思うのですけれども、インフルエンザに関しては、動物由来と新たなインフルエンザが、あれっと思う人がいるかなと思ったので、場合によっては何か米印で解説がついてもいいのかなと。
○齋藤委員長 どちらかというとイメージとしては、Group Bに入っているものは、既に散発的に動物から人への感染が見られているようなものがまずGroup Bに入ってきて、組換えとかを起こして人に感染するものが出てきたというのがGroup Aというようなイメージになるかなと思います。コロナとその辺りは、かなりコロナよりも境界がはっきりはしていない部分があると思うのですけれども。
 よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。
 横野委員、お願いいたします。
○横野委員 資料2の考慮事項について何点かお伺いしたいのですけれども、公衆衛生的指標と戦略的指標に分けられていて、その中で1つは公衆衛生的指標の3の「発生頻度・可能性/蓋然性」というところで、赤字で追加されたところとして「過去のテロ事例の有無」というのがあるのですけれども、これと戦略的指標の一番下の行にあります「テロ事例、生物剤・生物兵器として製造使用された例があるか、人為的発生の蓋然性」というのは、基本的には同じ観点というふうに考えてもいいものでしょうか。
 それから、もう一つは、公衆衛生的指標の4として医療への負荷というところで、ちょっと私はこの辺りの理解が十分ではなくて申し訳ないのですけれども、2つ目の点で、「予防及び治療の対応策があるか」、後半のところに「投与経路等による医療負荷」とあるのですけれども、この「投与経路等による医療負荷」ということの具体的内容について、もう少し説明をお伺いできるとありがたいと思いました。
 戦略的指標のほうを拝見していると、1の入手可能性というところで3点くらい要素が挙げられていて、大体これと同じようなことになるのかどうかということを含めてお伺いできればと思います。
 以上2点です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
 では、事務局から2点、御回答をお願いいたします。
○時岡補佐 ありがとうございます。
 1点目の公衆衛生的指標の過去のテロ事例という部分と戦略的指標の一番下の部分です。こちらは先生おっしゃられるとおり、テロに関しては両方の観点があるかなと思います。先ほどこちらからの説明を一部はしょった部分もあるのですが、今回、参考人の先生に特に各病原体で評価していただいた項目、この公衆衛生的指標全部と、あと戦略的指標の一部と言ったのは、特に戦略的指標の1のMCMの有無とか入手可能性の観点で評価していただいたところがメインとなってきますので、項目としてちょっと重なりますが、基本的には同じ観点。ただ、見方が異なるといった話になるかなと思います。
 2点目の投与経路等による医療負荷という部分に関しましては、細かいものから広いものまでいろいろありますけれども、コロナのときのワクチンとかに関して言いますと、例えば1人分が1つのバイヤルに入っているようなものと、1つのバイヤルに複数人分入っているようなものであれば、例えば1つのバイヤルを使おうと思うと複数人まとめないといけないですとか、あとはもっとシンプルなものだと、飲み薬なのか点滴なのかといったことで医療者にかかる負担は変わってきますし、あとは短時間で投与できる薬剤とか、長時間かかる薬剤とか、モニタリングしながら投与しないといけない薬剤ですとか、項目に関しましてはいろいろありますが、基本的にひゅっと渡してひゅっと飲んでもらってあまり問題が起きないのは医療負荷が軽いですし、いろいろ医療者がしっかり観察しないといけないようなものは医療負荷が大きくなるといった項目になります。そういったものの総合的な判断というふうになります。
 事務局からは以上となります。
○横野委員 ありがとうございます。今の御説明で理解できました。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。特にこの改訂、それから考慮すべき事項等の改訂、そしてリストの改訂について、この方向性で進めていただくということでよろしいでしょうか。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
 今のお話にあったように、投与経路という言い方が正しいのか、投与法という言い方が正しいのか、どのように経路というのと投与法というのと、確かに今、横野委員がおっしゃったように不明的なところがあるので、その辺のところの表現の仕方も臨床現場においてはどのように理解するのかということがありますので、明らかにしていただきたいなと思った次第です。
 以上です。
○齋藤委員長 御意見ありがとうございます。
 確かに1回投与で済むか、それから7日間連続投与なのかというような点も含めると、投与方法というのはより包括的な言葉かとは思いますが、この点、事務局、いかがでしょうか。
○時岡補佐 ありがとうございます。
 先生方からいただいた御意見、なるほどと思う部分になりますので、こちらはまた事務局並びに作業班で相談した上で記載の方法は考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○齋藤委員長 貴重な御意見をありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 まだ時間は少々ございますが、特にないようであれば、皆さん、どうも多数の御意見をありがとうございました。本日報告いただいた方向で対応を進めていただくということでお願いしたいと思います。
 それでは、本日の議題は以上となりますので、最後に事務局から連絡事項があればお願いいたします。
○時岡補佐 本日は活発な御議論をいただき、大変ありがとうございました。
 委員の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 今後に関しましては、厚生科学審議会感染症部会のほうにも、本日いただいた御意見を踏まえまして出させていただく予定となっております。
 次回日程については、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。