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第10回ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ 議事録
日時
令和7年2月28日(金)10:00~12:00
場所
AP虎ノ門 Bルーム(東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル)
※オンラインとのハイブリッド開催
※オンラインとのハイブリッド開催
議題
- ゲノム医療推進法に基づく基本計画(案)について
- その他
資料
議事
- 議事内容
○松浦医療イノベーション推進室長
それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第10回「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、水澤先生から、30分程度遅れて御出席との御連絡をいただいております。
また、本ワーキンググループ構成員を務めていただいておりました日本難病・疾病団体協議会理事の森幸子様でございますけれども、2月21日に御逝去されましたこと、謹んで御報告申し上げます。御冥福をお祈りいたしますとともに、森構成員の御尽力にお応えできるよう、事務局としても、引き続き基本計画策定に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。資料は、厚生労働省のウェブサイトに掲載いたしております。議事次第、資料1、参考資料1~5でございますので、御確認ください。また、本ワーキンググループは公開としております。議事録については、各構成員への確認の上、後日、公開いたします。
会議の進め方について、簡単に御説明いたします。御発言がある際には、挙手をお願いいたします。オンライン出席者におかれましては、画面上の「手を挙げる」ボタンを押していただきまして、会場から御指名いたします。その後、御発言ください。御発言されない間はマイクをミュートにしていただくよう、お願いいたします。また、音声等が不安定になった場合は、一旦ビデオをオフにするなどの対応を試みていただくようお願いいたします。傍聴に際しては、携帯電話等、音の出る電子機器については、電源を切るかマナーモードにしていただければと思います。それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。以降の運営は、座長にお願いいたします。
○中釜座長
中釜です。構成員の先生方、本日もよろしくお願いいたします。本日は、基本計画の案が示されましたので、それについて皆様からの十分な御意見をいただきたいと思います。
早速、議題1、ゲノム医療推進法に基づく基本計画(案)について、議論を行いたいと思います。事務局から、資料1について、説明をお願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。資料の説明をさせていただければと思います。その前に、参考資料4で、基本計画の骨子、ホームページ上でアップロードをしたものを参考資料として添付しております。また、参考資料5として、遺伝情報による不当な差別等への対応の確保(保険分野における対応)、公表いただいておるものについて、参考資料5として添付しておりますので、御確認をお願いいたします。
それでは、資料1の説明をさせていただければと思います。1枚おめくりください。まず、目次でございます。お諮りしたとおり、全体の構成としては、「はじめに」、「第1 全体目標と分野別目標」としては、3つ、「「1.ゲノム全般についての国民の適切な理解や倫理に関する啓発等」、「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」、「3.ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」という形で記載をしてございます。「第2 分野別施策と個別目標」で、先ほどの3つの大きな枠を分けながら、それぞれの項目について記載してきているような形でございます。
次のページをおめくりください。「第3 良質かつ適切なゲノム医療を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」で、4つの項目を記載してございます。
1枚おめくりいただきまして、順次、御説明させていただきます。全体は長いので、ポイントをかいつまんで、先生方の御指摘が多かったところを中心に、御説明させていただければと思います。まず、「はじめに」でございます。これまでのゲノム医療に係る全体の枠組みを踏まえて、事務局で整理したものでございます。「はじめに」といたしまして、ヒトゲノム配列の解読結果が公開された平成15年以降、世界中でゲノム医療の実現に向けた取組が進められておりますが、我が国においても、健康・医療戦略において示されたゲノム医療の実現に向けて取り組む旨の方針の下で研究開発等が積極的に進められてまいりました。こうした成果等も踏まえて、令和元年に包括的がん遺伝子パネルの保険適用が開始となりまして、約9万症例が実現されているほか、全ゲノム解析等実行計画等、ゲノム医療の実現に係る取組が進められてきたところでございます。その一方、いまだ多くの問題が山積してございます。適切なゲノム医療を提供することができる医療機関が限られている点、また、個々人の遺伝情報を取り扱うリスク等について記載してございます。
2ページ目をおめくりください。このような状況の中、令和5年6月に良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律が成立いたしまして、法第8条の規定に基づきまして、ゲノム医療施策に関する基本的な計画を策定することとされたところでございます。このため、以下、法の理念にのっとりまして、個人の権利利益の擁護の課題に対応いたしまして、良質かつ適切なゲノム医療を安心して受けられるような取組を推進することを目標とし、ゲノム医療施策についての基本的な方針、ゲノム医療施策に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策を基本計画として定める。なお、各施策の評価に当たっては、当該施策の具体的な目標及び達成状況を適時に調査し、結果を公表するとともに、本計画の実行期間は令和7年度から令和11年度までの5年を目安とさせていただいております。
3ページ目、「第1 全体目標と分野別目標」でございます。冒頭でございますが、本基本計画で、法の理念が3つございますけれども、それらを踏まえまして、個人の権利及び利益を尊重しながらゲノム医療を推進することで国民の健康に寄与することを目指すということを全体目標として掲げてございます。また、全体目標の下に、「1.ゲノム全般についての国民の適切な理解や倫理に関する啓発等」、「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」及び「3.ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」の分野別目標を定めて、これらの3本の柱に沿ったゲノム医療を提供するための施策を推進するとさせていただいてございます。1.の太字部分、骨子のところで御議論いただいた内容となってございますけれども、「1.ゲノム全般についての国民の適切な理解や倫理に関する啓発等」として「~国民に対するゲノム医療及びゲノム医療をめぐる基礎的事項に関する適切な教育及び啓発によりゲノム医療に対する理解を促進することを通じ、生命倫理への配慮及びゲノム情報による不当な差別等への対応の確保により、ゲノム医療の更なる発展に繋げる~」とさせていただいてございます。
また、4ページ目を御覧ください。「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」も、リード文を骨子のところで御議論いただいたところでございますけれども、「~ゲノム医療の拠点となる医療機関の整備や医療機関間の連携体制の構築、相談支援体制の整備を進めるとともに、医療従事者等に対する教育・啓発や人材育成を通じ、安心かつ安全で質の高いゲノム医療を実現する~」とさせていただいております。続いて、「3.ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」といたしまして、「~研究開発のための基盤整備等を行うとともに、ゲノム情報の適切な利活用を促進する~」と記載させていただいてございます。
続きまして、5ページ目以降を御覧ください。まず、5ページ目、「第2 分野別施策と個別目標」で、リード文は先ほどの目標のところでございます。「(1)不当な差別等への適切な対応の確保」は、かなり先生方から御議論をいただいたところでございますけれども、まず、中ほどです。我が国においても、ゲノム情報やゲノム情報を推測させるような情報に基づく就職や就労、生命保険の引受け・支払い、結婚等における、偏見・差別・不快な経験に関する事例について、報告をいただいたところでございます。また、医療従事者、家族・親族、友人、職場の同僚等からの言動により傷ついた経験やインターネット上の匿名の投稿者からの誹謗中傷を経験したという報告もいただきました。これらのことから、こうした不当な差別等を防止することができるよう、社会全体のリテラシーの向上を図ることが必要であると記載させていただいております。また、これまで労働分野における不当な差別等を防止するために、ゲノム情報による不当な差別等への対応の確保(労働分野における対応)の策定、生命保険における不当な差別等を防止するため、遺伝情報による不当な差別等への対応の確保(保険分野における対応)の策定が行われてきたところでございます。これらの不当な差別等の防止に係る対策・検討を実施して、引き続き周知徹底する必要があると考えてございます。取り組むべき施策については、骨子で御議論いただいたとおりでございまして、個別目標といたしまして、国民の情報に対する理解が深まり、ゲノム情報に基づく不当な差別等が生まれないことを目指す。また、ゲノム情報を理由とした不当な差別等があった場合に対応できるよう、相談窓口や救済制度等を整備し、広く周知を図ると記載させていただいてございます。
続いて、7ページを御覧ください。「(2)生命倫理への適切な配慮の確保」として、まず、現状・課題でございます。ゲノム研究やそれらの臨床応用においては、生命倫理への適切な配慮が行われることが必須であるといった観点から、研究において人間の尊厳及び人権が守られ、研究の適正な推進が図られるよう、各種関係法令等において、研究実施に当たって遵守すべき基本的な事項が定められているところでございます。こうした関連の仕組みの適切な運用を引き続き確保するとともに、運用において生じる課題への対応について検討していく必要があると記載させていただいています。また、NIPTについては、令和3年5月に報告書が取りまとめられたところでございますけれども、適正な実施体制の確保のために、日本医学会において令和4年7月より認証制度の運用が開始されているところでございまして、引き続き適正な検査の実施方法等について検討する必要があると記載させていただいております。取り組むべき施策については、骨子のとおりでございます。個別目標について、ゲノム医療における生命倫理に関する課題を踏まえて、ゲノム医療の提供及び研究開発に当たって適切な配慮が確保されることを目指すとさせていただいてございます。
続きまして、9ページ目を御覧ください。「(3)教育及び啓発の推進」でございますけれども、現状・課題については、質の高いゲノム医療の提供のためにも、国民のゲノムリテラシーの向上を図る施策の検討が必要であるということで、初等・中等教育段階から、児童及び生徒の発達段階を踏まえながら、ゲノムや遺伝に関する啓発をしていくことが望ましい。その際、当該内容については、児童及び生徒にとって比較的難しい内容であることを踏まえ、資料や教育の在り方については工夫する必要がある。さらに、高等教育段階においても、ゲノム医療についての関心を深めるための教育・啓発が行われる必要があるとさせていただいております。個別目標といたしまして、国民全体への教育・啓発活動を年齢や発達段階に応じて推進することにより、国民のゲノムへの理解を涵養し、生命やゲノムの多様性を認め合い尊重する社会を目指すとさせていただいております。
続いて、「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」でございます。まず、「(1)ゲノム医療の提供の推進」でございますけれども、現状・課題といたしまして、ゲノム医療の提供の推進は発展途上にございます。関連する診療科の医師のほか、多職種の専門家を巻き込んだ体制を構築することが望ましいと記載させていただいております。また、中心的役割を担う病院等における診療体制の整備と並行して、かかりつけ医等を含めた地域の他の医療機関との連携を確保することが望ましい、さらに、遺伝カウンセリングの体制の充実も必要となってくると記載させていただいております。また、がんの遺伝子パネル検査について、治療到達率が低い等々、言及させていただいております。それらを踏まえまして、早期に治療薬につなげるためのドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロス解消に向けた取組、患者が臨床試験・治験に参加しやすくなるよう、分散型臨床試験を含めた体制の構築、未承認薬や適用外薬を使用する場合を含む患者申出療養制度や拡大治験等の適切な活用等についても検討を進めていく必要がございます。がん遺伝子パネル検査には、検査のタイミング、検査回数、エキスパートパネルの負担等の課題も挙げられていると記載させていただいております。
また、難病のゲノム医療については、その充実の観点から、遺伝学的検査の分析的妥当性、臨床的妥当性、臨床的有用性を確保しつつ、通常の診療の中で必須な遺伝学的検査が適切に行われるよう、検査の対象となる疾病をエビデンス等に基づきながら検討し、既存の難病患者をより早期に遺伝学的診断体制の構築が必要であるとさせていただいております。また、患者や市民の経験や知見を積極的に生かすことを目的とする取組について、ゲノム医療の提供においても、患者・市民パネル等の取組を通じて、その意見を反映させることが望ましいと記載させていただいております。個別目標といたしましては、ゲノム医療を必要とする患者及びその家族が、必要なときにゲノム医療にアクセスできるとともに、ゲノム医療の提供において、患者・市民の意見を適切に反映させることを目指すとさせていただいております。
続いて、13ページ目をおめくりください。「(2)検査の実施体制の整備」でございます。現状・課題といたしましては、検査を行う機関等において、検査の精度管理基準を整える等の環境整備を進めることが望ましいと記載させていただいております。個別目標としては、診療に用いられる遺伝子関連検査の精度が制度により担保されることを目指すと記載させていただいております。
14ページをおめくりください。「(3)相談支援に係る体制整備」でございます。現状・課題といたしまして、ゲノム医療は、患者本人だけではなく、その家族も相談支援の対象となるということがございます。その対象は、小児期から成人期にわたり、発症者だけではなく未発症者も含み、幅広いため、分かりやすい情報提供を行う遺伝カウンセリングが実施できるような体制が望ましく、相談支援を行う者に対する研修の充実を図ることも必要であるとさせていただいております。現在、がん領域におけるがんの相談支援センターや難病領域の相談支援機関についても言及させていただいてございます。個別目標といたしまして、患者及びその家族が、医療機関や相談支援等の窓口を通じて、ゲノム医療に関する支援につながることを目指すとさせていただいております。
続いて、16ページ目を御覧ください。「(4)ゲノム情報の適正な取扱いの確保」でございます。現状・課題といたしましては、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス、個人情報保護法、あるいは、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針について、言及させていただいてございます。その上で、個別目標といたしまして、医療従事者・研究者等が、上記の法令・指針等に基づいて、ゲノム情報の適正な取扱いができることを目指すとさせていただいてございます。
続いて、17ページ目を御覧ください。大変失礼いたしました。会場のほうのネットワークエラーのようでございました。17ページ目から、引き続き、御説明させていただければと思います。「(5)医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」でございます。現状・課題といたしまして、DTC遺伝子検査サービスについて、言及させていただいております。厚生労働省は、医師法等を所管する立場から、医行為と非臨床の消費者向け検査サービスに係る法的な課題の検討を進め、非臨床の消費者向け検査サービスの外縁の明確化に向けた取組を開始することとしているところでございます。また、経済産業分野のうち個人情報を用いた事業分野における。大変失礼いたしました。音声が途切れがちということで、少々お待ちください。大変申し訳ございません。音声がまた途切れ途切れになっているようでございましたら、一旦止めて確認をしたいと思います。17ページ目から、引き続き御説明させていただければと思います。個人情報保護委員会や経産省のガイドラインにおいて、適正な事業の実施のために事業者が遵守すべき事項が定められてございます。また、遺伝子検査ビジネス実施事業者の遵守事項には、倫理的・法的・社会的課題への対応や精度管理等の技術的課題への対応等の遵守事項が定められているところでございます。これらを踏まえまして、個別目標といたまして、医療以外の目的で行われる解析であることを消費者が理解できるよう、医療以外の目的で行われるDTC遺伝子検査サービス等の関係法令上の取扱いを整備するとさせていただいてございます。
続きまして、19ページ目を御覧ください。「(6)人材の確保」、現状・課題といたしまして、ゲノム情報を適切に解釈する人材の確保だけでなく、ゲノム情報を適切に伝えられる人材も確保する必要があるとさせていただいておりまして、医療従事者等のゲノムリテラシーの向上を図ることが必要であるとさせていただいております。また、継続的かつ実効的な教育の提供のため、大学においてゲノム医療や臨床遺伝医学を教育するための専任人材のポジションが確保されていることが望ましいとさせていただいております。個別目標といたしまして、ゲノム医療を担う人材の育成及び医療従事者のゲノム医療に関する理解の促進を通じまして、ゲノム医療を必要とする者に適切なゲノム医療が提供されることを目指すとさせていただいております。
続きまして、21ページ目を御覧ください。「3.ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」でございます。「(1)ゲノム医療の研究開発の推進」、現状・課題といたしまして、平成26年の健康・医療戦略推進法制定以来、関係府省庁及びAMEDは、健康・医療戦略推進本部の下で協力して健康長寿社会の形成を目指した研究開発を推進してきたところでございます。また、中ほどの第3期医療分野研究開発推進計画は、「令和7年○月○日」となってございますが、2月18日、本部決定されてございます。また、令和4年9月に策定された全ゲノム解析等実行計画2022等に基づいて、ゲノム解析等が進められているという状況がございます。また、最後の行、近年のAIの発展も踏まえて、ゲノム医療が各種AIツールの進歩に柔軟に対応できるような研究開発体制や情報基盤の整備が必要であるとさせていただいております。最後、個別目標といたしまして、ゲノム医療の研究開発とデータ基盤の構築を推進し、産学官による疾患の原因究明と治療法の開発を目指すとさせていただいております。
続いて、23ページ目を御覧ください。「(2)情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備」でございます。現状・課題といたしまして、これまでの既存の国内のデータベースとして、C-CAT、IRUD、MGeNDについて、御紹介してございます。また、主なバイオバンクとして、バイオバンク・ジャパン、東北メディカル・メガバンク、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク等についても記載させていただいております。また、これらのデータベースの効率的・効果的な利活用の観点から、CANNDsやバイオバンク横断検索システム等の整備と記載させていただいております。今後、データベースにおける情報の蓄積がさらに進むことを踏まえて、セキュリティーを含む管理体制、また、利活用のさらなる活性化に取り組む必要があるとさせていただいております。
また、国際間の情報共有や連携において、ゲノム情報の取扱いに係る国内や諸外国のルールに遵守した対応を進めて、必要に応じてその在り方を検討することが必要であるとさせていただいております。個別目標といたしまして、ゲノム研究のための研究用試料の適切な収集、保管がなされ、ゲノム情報が効率よく研究開発で利活用されることを目指す。また、ゲノム情報に関するデータベースの基盤整備により、研究開発が効率的に進むことによって、その成果が、患者やその家族に質の高いゲノム医療として提供されることを目指すとさせていただいております。
25ページ目を御覧ください。「(3)相談支援に係る体制の整備」として、研究への協力においては、研究対象者に対して、研究者からの事前の十分な説明を行うとともに、そのゲノム情報の研究への利用に当たっては、研究対象者が十分に内容を理解した上で自発的に意思決定を行うことが求められる。また、研究者は、研究参加者等に対して相談支援体制を整備し、ゲノム情報を取り扱う場合に当たっては、カウンセリングを実施する者やゲノム医療の専門家との連携の確保に努めるような体制が必要であるとしてございます。個別目標といたしまして、ゲノム研究対象者とその家族等が、その研究参加による影響について認識し、適切に意思決定できることを目指す、また、研究対象者とその家族が必要とするときに必要な相談支援が受けられることを目指すとさせていただいております。
続いて、26ページ目を御覧ください。「(4)ゲノム情報の適正な取り扱いの確保」といたしまして、現状・課題として、研究者の関係法令の遵守の必要性、また、ゲノム情報を取り扱うデータベースにおいて厳格な管理が求められることについて、記載してございます。個別目標といたしまして、研究者が個人情報の取扱いを遵守し、厳格にゲノム情報を管理していくことにより、国民が安心してゲノム研究に参加できる環境の整備を目指すとさせていただいてございます。
27ページを御覧ください。「(5)人材の確保」でございます。現状・課題として、AIやデータサイエンス分野の人材確保の重要性についても記載してございます。医療のところでも記載いたしましたが、継続的かつ実効的な教育の提供のため、大学においてゲノム医療や臨床遺伝学を教育するための専任人材のポジションを確保されることが望ましいとさせていただいております。個別目標といたしまして、適切にゲノム研究を推進し、研究参加者にも研究成果を還元できるよう、ゲノム研究に必要な人材の確保を目指すとさせていただいてございます。
28ページ目を御覧ください。「第3 良質かつ適切なゲノム医療を莊豪雨的かつ計画的に推進するために必要な事項」でございます。「1.関係者等の連携協力の更なる強化」といたしまして、国及び地方公共団体は、民間団体が行う良質かつ適切なゲノム医療の推進に関する活動、患者団体が行う情報交換等の活動等を支援するため、情報提供その他の必要な施策を講ずるものとし、各種協議の場に患者・市民が参画する機会を確保し、ゲノム医療施策に当事者の視点が反映されるよう努めるものとすると記載させていただいております。産官学における連携の推進とともに、国際連携を継続的に推進することとするとさせていただいております。国や地方公共団体の整備とともに、医師、医療機関その他医療関係者、並びに、研究者及び研究機関、関係学会は、国及び地方公共団体が実施する施策及びこれに関連する施策、また、その協議に協力するよう努めるものとする。国民は、今後のゲノム医療の向上に資するよう、関係者等と協力して、主体的にゲノム医療政策の議論に参画するなど、ゲノム医療の提供及び研究開発を充実させることの重要性を認識し、正しい知識・理解を得て、行動するよう努めるものとするとさせていただいてございます。また、「2.地方公共団体によるゲノム医療施策の策定及び実施」といたしまして、地方公共団体は、必要に応じて、本基本計画を参照し、既存の計画の改定等を通じて、ゲノム医療施策の策定及び実施について検討するとさせていただいております。
最後、29ページ目でございます。「4.基本計画の評価・見直し」については、5年を目途として、ゲノム医療に関する状況の変化等を勘案し、法の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、本基本計画を変更する等、所要の措置を講ずるものとするとさせていただいてございます。駆け足になりましたが、資料1、全体説明は以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございました。ただいま、事務局から基本計画の骨子の項目に沿った形で非常に丁寧に説明させていただきました。ただいまの説明を踏まえて、構成員の先生方からの意見を伺い、議論に入りたいと思います。なお、前回のワーキンググループで申し上げましたが、現在議論を進めている基本計画は、各府省庁が施策を進めていく上での言わば指針のようなものとなります。構成員の先生方におかれましては、この点を踏まえて、可能な限り具体的な施策をイメージして御議論いただきたいと思います。
それでは、御意見のある方は挙手をお願いいたします。天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員
御説明をありがとうございました。天野です。私から、5点、ございます。まず、1点目が、6ページになります。いわゆる労働分野については、ゲノム情報による不当な差別等への対応の確保を厚生労働省でQ&Aという形で出していただいていまして、そのことも注釈に出ているですが、いわゆる保険分野における対応という遺伝情報による不当な差別等への対応の確保については、現状はどういう方針になっているのかについて、注記がないので、教えていただきたいということが1点目になります。
2点目が、同じくこの5ページから6ページにかけての内容になるかと思うのですが、かねてから、いわゆる差別防止に関して、法務省の啓発活動強調事項にぜひ入れていただきたいというお願いをさせていただいているところですが、一読した限り、それに関する記載が見当たらないので、その部分の対応はどうなっているのかということについて教えていただければということが2点目になります。
3点目が、7ページから8ページにかけて、NIPTの文脈のところで「ノーマライゼーション」という言葉が出てきています。ノーマライゼーション自身は、いわゆる社会福祉の領域では、障害や年齢を理由に特別視や差別をすることなく、健常者と同様な社会生活を送ることという定義があるかと思うのですが、そういった定義が十分になされることなくいきなり「ノーマライゼーション」という言葉が出てくると誤解を招くかと思うので、この部分はしっかりとした定義をあえて書いておいていただいたほうが望ましいかと思いました。
4点目が、11ページから12ページにかけてです。ゲノム医療の提供の推進について、私からの指摘を踏まえて、患者申出療養や拡大治験の適切な活用について検討を進めるということを本文で入れていただいているのですけれども、そのことが取り組むべき施策のところに十分に表れていないように感じますので、可能であれば、取り組むべき施策のところに、例えば、「ゲノム医療で推奨された」あるいは「遺伝子パネル検査等で推奨された」、「保険適用外薬を使用しやくするための方策を」、「推進」あるいは「検討」するような文言を入れていただきたいという指摘になります。
最後、5点目になりますが、17ページから18ページにかけての部分になります。「(5)医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」の部分は、必ずしも今までに十分な議論がなかったということもあるかと思うのですが、17ページで見ますと、中段移行のところで、例えば、遺伝子検査ビジネス実施事業者の遵守事項(経済産業省)には、倫理的・法的・社会的課題への対応や精度管理等の技術課題への対応等の遵守事項が定められている。これはもちろん経産省が検討してつくった遵守事項ということでいいと思うのですけれども、その後に「また、個人遺伝情報取扱事業者においては」というところがあって、個人遺伝情報を取り扱う際に生ずる可能性のある倫理的・法的・社会的課題のみならず、技術的課題も踏まえ、個人遺伝情報取扱自主基準や適正取扱認定制度を設けているという言葉が出ています。これについては、注釈がついていて、一般社団法人遺伝情報取扱協会が策定したもののように読めるのですけれども、上のほうは、確かに経産省が定めた事項ということで一定の縛りが効くかと思うのですけれども、下のほうは、一読する限り、経産省からの基準等ではないように見えるので、この部分については、経産省等において何らかの基準等があるのであれば、そこに従うようにすべきという記載にすべきではないかということが私からの意見です。この部分は初めて出てきた単語でもあるので、どういった取扱いになっているのかということについて、経産省から御説明をお願いできればと思います。私からは、以上になります。
○中釜座長
ありがとうございました。ただいま、天野構成員から5点をいただきましたが、まず、最初の視点、保険分野の方針等について、金融庁から、御意見をいただけますか。
○金融庁(保険課)
金融庁監督局保険課の佐藤と申します。ただいま、御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
保険業界におきましても、不当な差別への取組ということで、昨日になるのですが、Q&Aを公表させていただいたところでございます。今後、このQ&Aの周知徹底を図るとともに、内容につきましてもブラッシュアップをしていくことが重要と考えております。加えまして、我々、当局としても、こういった不当な差別がないようにという取組に関しまして、周知を図ることが重要と考えておりますので、我々としても、国としてどういった形で周知を図るべきかということ、今後、検討させていただきまして、対応をしっかりとしていきたいと思います。以上でございます。
○中釜座長
今のお答えでよろしいでしょうか。
○天野構成員
ありがとうございます。この法律ができる前から、保険業界の実施基準は既にあったかと思いますので、今回、法律ができたことで、より一歩進んだ形で、金融庁のほうからも、その遵守を現場にお願いするように、指導等をお願いできればと重ねてお願いします。よろしくお願いいたします。
○金融庁(保険課)
承りました。御意見をありがとうございます。
○中釜座長
お願いいたします。2点目の差別への啓発活動への記載について、法務省から、お答えいただけますか。
○法務省(人権擁護局)
法務省人権擁護局でございます。御質問いただきまして、どうもありがとうございます。啓発活動強調事項にゲノム情報に関するものを加えてもらいたいという御要望につきましては、従前からいただいておりまして、前回のこのワーキングにおきましても、どういった形になるかということを検討している状況を御報告させていただいておりました。来年度からの啓発活動強調事項を何にするかということは、実際の人権擁護活動を行う人権擁護委員の組織等々も会議をしておりまして、現在のところ、御要望もありますので、加える方向にしたいと協議中ではございます。ただ、従前から御説明しておりますように、啓発をする際に、具体的に、どういった取扱い、どういったことが不当な差別等として許されないということになるのかを、もう少し明確に、国民の皆さんに納得していただけるような形のものを具体的に示していかないと、理解が得られにくい。さらに、その前提として、ゲノム情報というものが何なのかということを国民の皆様に分かりやすく説明するといったところからまずはスタートをすると思いますので、そういった取組を進めないと、具体的なところを進めることが難しいという課題があると、法務省としては考えているところでございます。その関係で、基本計画では、6ページに、差別等の問題となっている事例の収集をした上で、対応方針は研究等を通じて検討していくということを入れていただいております。その方針に係る対策という中に我々の啓発活動も入ってくるのかなと思っております。さらに、分かりやすい教育などに使う資料なども今後はつくられていくと思いますので、厚生労働省様のそういう研究に我々法務省も積極的に協力させていただいて、今後、その成果を使って具体的なことにつなげていくようにしていきたいと考えているところでございます。説明は、以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。今の説明で、よろしいでしょうか。3点目のNIPTにおける記載の件、ノーマライゼーションの定義についての記載ですね。
○松浦医療イノベーション推進室長
厚生労働省、事務局でございます。3点目については、本文、定義等を注記する等々、記載ぶりを検討したいと思っております。4点目についてでございます。パネル検査の記載のところでございます。取り組むべき施策として、この計画のところで書くべき点なのか、あるいは、他の法に基づいた会議等での検討事項ということもございますので、基本的には現状・課題の記載の充実ということで対応させていただければと考えてございます。以上でございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。5点目のDTCに関する解析の質の確保のところで、最初の経産省の記載とその次の個人遺伝情報取扱事業者の記載に関しては、一般社団法人遺伝情報協会のホームページ等を引用していますが、これにおける経産省の基準との統一性、そご等について、御意見をいただきたいということです。経産省の基準とひもづけることが可能かということで、経産省さん、お答えいただけますでしょうか。
○経済産業省
経済産業省でございます。御質問の回答になるのですけれども、基本的に、経済産業分野のうち、個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドラインにおいては、個人情報の保護に関する法律第6条及び第9条に基づいて、個人情報を用いた事業の適正な発達及び一般消費者の利益の保護の観点から、経済産業省が所管する分野のうち、個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報の適正な取扱サービスの質の確保、適正の事業実施のために、事業者が遵守すべき事項を定めたものでございます。そのガイドラインの中に、各事業者においても、本分野における認定個人情報保護団体、個人遺伝情報取扱事業者、遺伝情報取扱事業者においては、本ガイドラインを踏まえて、各事業者の実態等に応じて、個人情報の適切な取扱いを確保するためのさらなる措置を自主的なルールとして定めることとするというものがガイドライン上に記載されておりまして、こちらを参考にしつつ、AGIさんのほうで自主的に定められたものがそちらに記載されているガイドラインになります。基本的に、書いている内容は、経済産業省のガイドラインに即した記載内容にはなっているのですけれども、それ以外にも、ほかの省庁などから出されている遺伝子検査などに係る取扱いなども参考にして、いろいろと内容を精査されているものがAGIのガイドラインになります。こちらで回答にはなっていますでしょうか。
○中釜座長
天野構成員。
○天野構成員
さらに聞きたいことが、個人遺伝情報取扱実施基準や適正取扱認定制度が経産省の考え方に準拠しているということは何となく分かったのですけれども、例えば、これに、違反という言い方が適切かどうか分かりませんが、逸脱したような場合は、経産省から何らかの指導等が入り得るという理解でよろしいのでしょうか。
○経済産業省
今のところ、そういった指導までというところを特にガイドラインの中で設けていないので、実際に違反していた場合にそういった指導などをするというところまでは定めていないということが、現状でございます。
○天野構成員
現状はそこまで定めていないということであれば、今後、そういったことについて経産省で検討する方向性などついて追記をお願いできればよろしいのかなと思った次第です。
○中釜座長
今の御指摘はいかがでしょうか。
○経済産業省
ありがとうございます。
今、医療以外の目的で行われる遺伝子検査については、厚労省さんの医師法の観点からも、厚労省さんと連携して取り組もうと経産省でも考えていますので、そこは、厚労省さんと連携しながら、足並みをそろえて検討していければと思っております。引き続き検討はしていこうと思っております。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。
○天野構成員
ぜひその旨の追記をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○中釜座長
最初の点に関して、この経産省ガイドラインとつながっているということがもう少し分かりやすいような記載があるとよいと思いましたので、その辺もご検討をお願いいたします。
よろしいでしょうか。
続きまして、上野構成員、お願いいたします。
○上野構成員
この基本計画のタイムラインに関するコメントなのですけれども、2ページで、法第8条の規定に基づく基本計画をここに定めるということで書いていただいて、第8条によれば、ゲノム医療政策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画である、同じく第3項に、基本計画に定める施策については、原則として当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとすると書いておりまして、基本計画では、要するに、どんなことをいつ頃までに達成するという目標を示すものが計画であると理解しております。この点について、2ページの最後の段落、なお書きのところですかね。5か年計画で具体的な目標及びその達成状況を適時に調査するということは書いてあるのですけれども、3ページ以下、それぞれのところに書いていただいている施策はいつ頃の達成目標とするのかということを書いていただかないと、ざっくりと5か年計画ですということでこの計画書全体を出してもなかなかスムーズにいかないのではないかという気がいたします。その辺りを、計画として、もう少し具体的に、個別の項目についていつ頃までに達成するとか、もし個別の達成時期を今の時期に見積もることが難しいとしても、例えば、1年ごとに状況確認をしてアップデートをするとか、タイムラインについてももう少し具体性を規定していただかないと、うまく進まない、あるいは、進まないと不安になるような計画に、今、なってしまっているのではないかと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。今、上野構成員からの御指摘をいただいて、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。貴重な御指摘をありがとうございます。御指摘のとおり、本基本計画は5年を目途で定めたものでございまして、5年間の計画になってございます。したがいまして、個別の目標につきましては、5年後の目標、時期は5年後ということで考えてございますが、御指摘のとおり、そのこと自体が分かりにくい点もあろうかと思いますので、そこが分かるような形で、追記・修正等、検討したいと考えてございます。また、この状況については、結果を公表するというところで、2ページ目に記載させていただいておりますので、どういう形でということについてはこれからの検討になろうかと思いますけれども、現状の状況について、我々からも説明できるような形で体制を検討したいと考えてございます。以上でございます。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。最後の「適時に調査し、結果を公表する」をもう少し具体的に記載できないかという御指摘だと思いますが、その点も御検討いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○上野構成員
全体が5年ということだと思うのですけれども、もしその5年の中でもどれをどれぐらいまでにということがあれば、具体的に示されたほうがいいかなと思います。
○中釜座長
今の追加の御指摘に関しては。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。
また全体を通して考えまして、次回以降、御相談していきたいと思っております。
○中釜座長
御指摘をありがとうございます。上野構成員、よろしいでしょうか。
○上野構成員
ありがとうございます。
○中釜座長
吉田構成員、お願いいたします。
○吉田構成員
4点ほど質問させていただきたいのですが、その前に、ウェブ会議を開催される場合には、必要な帯域を確保していただいて、今、会場の音声が途切れ途切れにしか構成員に伝わっていないかと思うので、それでは残念ながら適切な会議が開催されているとは言えないのではないかという懸念があります。ウェブ会議が必要だということは分かりますけれども、その点、しっかりとしたネットワークの回線を会場でも確保して、ウェブの構成員が会場にいる人と比べて情報量の過不足等がないようにぜひしていただきたいと思います。松浦さんの説明でかなり聞き取れないところがありましたので、その点は、次回以降、ぜひ御留意いただければと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。事務局から、いかがですか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。会議の進行の不手際、大変申し訳ございません。引き続き御指導いただければと思います。
○吉田構成員
これについて、4点ほど、質問、コメントをお願いします。まず、8ページ、生命倫理への適切な配慮の確保について、最後のポツのところで、NIPT等の出生前検査等についてという記載をいただいておりまして、確かに、医療系のNIPT、あるいは、「等」に入っているのかもしれませんけれども、着床前遺伝子検査、PGT-Mについて、産科婦人科学会、人類遺伝学会、小児科学会で、今、スキームを組んで実施しているのですけれども、検査数も増えてきて、個別にかなり倫理的な配慮を要するということがあって、この辺りは、もちろんこども家庭庁や厚労省さんの指導の下ということではあるのですけれども、もう少し行政として体制整備を図っていただきたい。この予算関連も、産科婦人科学会、人類遺伝学会等で、今、対応しているわけですけれども、もう少し国として仕組みを整えていただいてもいいのかなと。ここを我々としてどうしていくのかとは思うのですけれども、行政的な指導がしっかりと入った体制をつくろうということが分かるよう、取り組むべき施策のところに加えていただけるといいかなということが1点目でございます。
2点目は、10ページからの「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」で、「(1)ゲノム医療提供の推進」ですが、ゲノム医療が受けられるよう、医療機関ごとの役割分担も含めた提供体制の在り方の検討が必要ということで、確かに、そのとおりだと思います。施策のところで、アクセスしやすい提供体制及び相談支援体制の整備を推進するということについても、具体的ではないのですけれども、目標として、正しいかなと思います。もう少し具体的な名称を掲げて、具体的な制度のところにも出てきますけれども、遺伝カウンセラーという職種を入れていただく等の配慮があるといいのかなということ。
14ページ目、個別目標のところで、ゲノム医療に伴う相談支援を適切にするとともにということで、ここの目標がかなり漠然としているということで、この段階では致し方ないのかもしれませんが、先ほど天野構成員からの御指摘にもあったように、なかなか我々がこうしますと言うことが難しいということであれば、せめて進捗管理の調査研究を行うということを示していただいて、今後、厚労省かAMEDという形で、進捗に関する調査を進めていただきたいと。私の音声も届いていないようなので、カメラを切ります。音声は大丈夫でしょうか。
○中釜座長
かなり途切れ途切れになっているのですが、何とか拾えていると思います。
○吉田構成員
私がお話ししたかったのは、この目標が具体的でないので、ロードマップの作成等がもし困難であるのであれば、別途、進捗管理をするための調査研究を行いながら、どの程度の医療の提供体制が整っているかということを、随時、調べることも必要なのではないかと考えています。次が、19ページですね。音声は届いていますでしょうか。
○中釜座長
大丈夫です。
○吉田構成員
ありがとうございます。「(6)人材の確保」で、先ほどもお話ししましたが、取り組むべき施策としてのゲノム医療を提供する医師や遺伝カウンセリングに係る専門人材の確保を図るということで、医師、カウンセリングに係る専門人材ということで、先ほどお話ししたように、今、遺伝カウンセラーが、医療職ではないのですけれども、全国に428名おります。日本は428名しかいないわけですけれども、その遺伝カウンセラーという職名も少し挙げていただくことで、さらに人材確保が進むような文言を入れていただきたい。実際に、支援ができて、どの程度人材が増えたかということの調査研究をするようなことを考えていただくことによって、5年間の中でどれぐらい進んだかという進捗管理ができるのではないかと考えます。私からは、以上でございます。ありがとうございました。
○中釜座長
ありがとうございます。私が聞き取れた範囲で。もし違ったら御指摘いただきたいのですけれども、最初の点が、いわゆるNIPTに関して、着床前診断などを、今、日本医学会等々を中心に議論を行っているのですが、厚労省としてその辺りをもう少し御議論していただけないかという御指摘だったかと思うのですけれども、いかがですか。
○松浦医療イノベーション推進室長
厚生労働省でございます。こども家庭庁から御回答をお願いできますでしょうか。
○中釜座長
すみません。こども家庭庁、お願いします。
○こども家庭庁(母子保健課)
こども家庭庁母子保健課でございます。先ほどの1点目を御回答させていただきます。御存じかどうか分かりませんけれども、日本産科婦人科学会といったところから、そのようなお話はいただいてはおりまして、こども家庭庁としても、そうした対話はこれまでも重ねてきているところでございます。ただ、この計画という観点でもう少し具体的な記載ができないかという御指摘ではございましたが、現時点でこども家庭庁としてこうした検討を行う予定があるわけではございませんし、そうした学会を中心にまだ御議論もされているところだと思いますので、まずはそうした状況を注視していくということなのかなと考えてございます。以上でございます。
○中釜座長
吉田構成員、今の回答でよろしいでしょうか。
○吉田構成員
ありがとうございました。私自身、認証制度の委員会等に関わっているので、もちろんこ家庁のスタンスは理解しているところではありますが、実際に、法律の制定が1か月分となって、かなりPGT-M等を希望されるカップルが増えてきているということで、国民への適切な医療の提供という観点から、学会からの判断を委ねられているというところで、どのように改善していくのかということは、向こうのということは分かりますが、ぜひ引き続き御検討いただきたいと思います。
○中釜座長
よろしくお願いします。
2点目が、相談支援の体制とその進捗管理をするための調査等々、もう少し具体的に記載できないかという御指摘だったと理解いたしますが、この点について、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。進捗管理等々については、全体の進捗管理を含めて、ご相談しながら進めていくところであろうかと思っております。全体の目標をどのように達成・確認をしてまた次回の改定等につなげていくかというところにもつながっていこうかと思いますので、上野先生からもいただいた宿題とも関連しているかと思いますので、もう少し全体を見直しながら考えていきたいと思います。
○中釜座長
よろしいでしょうか。3点目が、恐らく医療提供に関する人材確保のところかと思います。その辺りについても、現状を踏まえて、より具体的なプランをもう少し具体的に記載できないかという御指摘だったと理解していたしますが、そういう理解でよろしいですかね。これについて、事務局、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。3点目、ありがとうございます。ゲノム医療の提供の中で、様々な職種と連携しながらと記載させていただいているところでございます。こちらも個別にどこまで進捗管理をしていくかというところも含めてかと思いますが、現時点で細かな特定の職種についてのみ確認をする、調査研究をするという予定はございませんが、しっかりと全体を通じて体制を整えるようにしたいと思ってございます。私からは、以上でございます。
○中釜座長
吉田構成員、私が聞き取れた範囲での御質問として回答させていただきましたが、過不足がありましたら、また追加でお願いいたします。よろしいでしょうか。
○吉田構成員
中釜先生、ありがとうございました。
最後の点については、特に、多職種、遺伝カウンセラーという職種が果たす役割はかなり大きいと思いますので、そこがもし特出しできるようであれば、どこかに記載していただくということをぜひ御検討いただければと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。事務局、よろしいですかね。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。取り組むべき施策として、遺伝カウンセリングに係る専門人材の確保と、今、明示的にこちらで記載させていただているものと考えておりますが、御指摘を踏まえて、事務局でも、全体を通じて、次回以降、御紹介したいと思ってございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、佐保構成員、お願いいたします。
○佐保構成員
ありがとうございます。私からは、主に3点、質問を含め、意見をさせていただきます。まず、質問をさせてください。5ページ、「(1)不当な差別等への適切な対応の確保」に関して、現状・課題の中で、「不当な差別」と「差別」の文言の両方がありますが、この違いについて御説明いただけないでしょうか。
○中釜座長
すみません。「不当な差別」ともう1つは何でしたか。
○佐保構成員
「不当な差別」と「差別」の使い分けです。両方の文言があるのですけれども、この違いについて教えていただけますか。
○中釜座長
今の御指摘について、厚労省。
○松浦医療イノベーション推進室長
厚生労働省でございます。
御指摘、5ページ目の(1)、1段落目の「差別」というところだけ「等」がついていないという御指摘だったかと思いますが、間違いないでしょうか。
○佐保構成員
「不当な差別」と「差別」です。文章中に、「偏見・差別」となっているところなどです。
○中釜座長
(1)の第2パラグラフ、3行目のところでは「偏見・差別」で「差別」という記載なのですけれども、そのほかのところは「不当な差別」。差別に対して2通りの使い方をされている、その違いは何かという御指摘ですかね。
○佐保構成員
そういうことです。
○中釜座長
お願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
大変失礼いたしました。事務局でございます。ここは、表記揺れの部分がございますので、記載ぶりは再度検討したいと思います。御指摘をありがとうございます。
○中釜座長
1点目については、今の答えで、よろしいでしょうか。
○佐保構成員
ありがとうございます。差別にも類型があるかと思いますので、曖昧にならないよう、何をもって「不当な差別」なのかなど説明も併せて御検討いただければと思います。
次に、ゲノム情報の管理や取扱いに関しての意見です。26ページの4行目に記載があるように、ゲノム情報は慎重な取扱いが求められる情報であり、厳格な情報管理の徹底などが必要と考えます。厳格な情報管理の上で適正な取扱いを確保するものだと考えております。個別目標では「厳格にゲノム情報を管理」とありますが、取り組むべき施策においても「厳格な管理の徹底」といった文言の追加が必要ではないでしょうか。また、16ページについても、併せて記載をお願いいたします。
また、「適正」と「適切」の文言は使い分けをして記載されていると認識しておりますが、4ページの研究開発の部分では、タイトルの副題に「適切な利活用」、文章の4行目に「適切な利用」とあります。データの活用はルールに基づき行うものだと考えておりますので、「適切」というよりは「適正」という文言のほうがよろしいのではないかとも考えます。なお、18ページ、医療以外の目的における取り組むべき施策において、2行目、「ゲノム情報の取扱い方法を周知する」とありますが、ここは「適正な取扱い」と文言の追加をお願いいたします。
最後に、「安心かつ安全で質の高いゲノム医療」に関してです。この文言は、分野別目標の2つ目、「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」の副題として記載されております。しかし、文章では、例えば、4ページの3行目に「患者及びその家族が安心してゲノム医療の恩恵を」とあるように、「安心」はあるものの「安全」という文言が入っていない箇所がございます。医療の質の安全は大前提と考えますので、他の部分も含めまして、「安心」だけではなく「安心かつ安全」とセットでの記載をお願いいたします。このことは、提供体制の項目だけでなく、14ページの「(3)相談支援に係る体制整備」においても同様に重要だと考えます。例えば、取り組むべき施策の2行目、「患者がアクセスしやすい」の部分に「患者が安心・安全にアクセスしやすい」と文言を追記してはいかがかと考えております。私からは、以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。まず、最初の質問が、26ページですかね。ゲノム情報に関しては、きちんと管理するだけではなくて、利用する際でも厳格な管理が必要ですので、それを個別目標のところに記載してはどうかという御指摘でしたが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。こちらは、御指摘を踏まえて、目標の表記を検討したいと思います。
○中釜座長
それと、「適切」というよりは「適正」という表記の修正。その点、細かい行数は把握できなかったのですけれども。
3点目も記載に関するところで、「安心」と「安全」という概念をもう少しきちんと入れていただいてはどうかということですが、その点はいかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
今座長から御指摘いただいた点につきましても、全体を精査した上で、表記を検討したいと思います。貴重な御指摘を本当にありがとうございます。
○中釜座長
今の御指摘の点を少し丁寧に見させていただいて、修正をお願いいたします。よろしいでしょうか。
○佐保構成員
ありがとうございます。よろしくお願いします。
○中釜座長
深田構成員、お願いします。
○深田構成員
ありがとうございます。がん研有明の深田でございます。カメラをオフにしてお話しさせていただいたほうがよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
今回は、基本的な計画案を取りまとめていただきまして、事務局の皆様には改めて厚く感謝を申し上げます。併せて、私からは、4点、質問とコメントをさせていただければと思っております。
まず、1点目、9ページ目をお願いいたします。「(3)教育及び啓発の推進」で取り組むべき施策の部分になりますが、「分かりやすい啓発資料等を作成・活用し、学校・医療機関等において、教育・啓発を図る」と記載いただきまして、ありがとうございます。こちらは文科省様への質問になるかと思いますけれども、これまでのワーキングにおきましては、ゲノムに関する教育に関して、学習指導要領へ盛り込む必要性なども、複数の構成員から、議論が出てきたかと思っております。現行においては、そのような記載は見当たりませんが、最後の部分に「学校・医療機関等において、教育・啓発を図る」と記載していただいていますので、しっかりとそのようにやっていただけるという認識しておりますが、その理解でよろしいでしょうかという確認になります。
2点目になります。11ページ目をお願いいたします。「(1)ゲノム医療の提供の推進」の取り組むべき政策のところになります。1ポツ目の前半の部分になります。「国及び都道府県は、必要な患者等(がん患者の家族等を含む)」という記載を書いていただいています。この部分に関しましては、前回のワーキングでのコメントを踏まえて御修正いただいたと認識しております。ありがとうございます。この括弧の中の部分になりますが、例えば、3ページの「第1 全体目標と分野別目標」の中においては、「ゲノム医療を受ける患者及びその家族等が」という記載になっていますが、今回の取り組むべき施策のところにあえて括弧をして(がん患者の家族等を含む)という文言を入っているように感じました。この部分は、修正をしていただきたいというわけではなくて、あえてこの部分だけ入っているその意図をお伝えいただければという趣旨でございます。
3点目、同じくこの1ポツ目のところになりますけれども、後半の部分です。「患者がアクセスしやすい医療提供体制及び相談支援体制の整備等を推進する」という記載が書いてありますが、他の構成員の先生方も御指摘しましたが、やや漠然としているように思いました。上の課題の部分には、検査のタイミングや検査回数に関する課題も記載していただいていますので、そちらについても少し受けられるような文言の追加が可能であれば、お願いできればと思っております。検査のタイミングについては、既に第4期のがん対策推進基本計画にも記載されていると承知しておりますが、他の施策などにおける文言との兼ね合い等もあろうかと思いますが、可能であれば御検討いただければと思います。
最後、コメントの4点目になりますけれども、同じくここの2ポツ目のところです。エキスパートパネルの効率的かつ効果的な運用方法について継続的に検討するという文言は、非常に重要かと思っています。特に、私自身、患者さんにパネル検査の結果を届けている現場の医療従事者として、効率化などは非常に重要かなと思っております。コメントになりますが、このエキスパートパネルは、一度検討すれば終了というものではなくて、検討が終わった後に新たに保険承認される薬剤があったり、臨床試験や治験が始まったりすることもあります。エキスパートパネルの検討時には残念ながら推奨される治療がないという場合においても、時間がたてば患者さんに新たな治療を届けられる機会が出てくるということを一定程度経験しております。エキスパートパネルの終了後に可能性が出てきた場合にしっかりと患者に届けられるような仕組み、医療機関等へのインセンティブも含めた検討も必要なのかなと思っており、この部分も効率的・効果的な運用に含まれるのかなと認識しております。コメントをさせていただきました。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。最初の御指摘は、9ページの文科省の教育における記載の中で、指導要領等を含めた具体的な御指摘もこれまでにあったかと思うので、それを踏まえた記載と理解してよろしいかという御指摘ですが、文部科学省、いかがでしょうか。
○文部科学省(教育課程課)
教育課程課の山本と申します。よろしくお願いします。9ページには、分かりやすい啓発資料等を作成し、学校等において教育・啓発を図ると記載しておりますけれども、この話と学習指導要領に記載するという話は別と考えております。学習指導要領に記載するということは、どこかの教科や科目で必ず教えるという形になるのですけれども、小・中学校段階という面もありますので、そうではなくて、分かりやすい啓発資料の中に、取っつきやすい内容や伝えたいことをしっかりと入れていただいて、どこの授業でやるというように限定せずに、教育現場で啓発されるというところを目指して、まずは作っていくのがよいかと考えております。
○中釜座長
1点目について、今の回答で、いかがでしょうか。深田構成員。
○深田構成員
ありがとうございます。非常に柔軟に御対応いただけると認識しました。御対応、ありがとうございます。
○中釜座長
続きまして、11ページ、最初の記載のところで、取り組むべき施策ですかね。「患者等」のここのところだけ括弧をして(がん患者の家族等を含む)となっています。前段、4ページの記載と少し記載法が違うという点について、いかがでしょうかという御指摘です。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。事務局でございます。構成員からもコメントがございましたが、まさに、いただいた御指摘を踏まえて、明示的に明記したという趣旨でございます。
○中釜座長
3点目の御指摘は、1ポツ目のところで、患者のアクセスしやすいところは、このページの上段ではタイミングなどの記載もあるのですけれども、その辺について含むのかどうかという点について、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。取り組むべき施策について、骨子として取りまとめたところを記載してございますので、そこを踏まえた上で現状・課題を前段のところで書かせていただいている状況でございます。それらを踏まえた目標でございます。修文等については、関係部局とも相談いたしまして、また検討したいと思います。
○中釜座長
4点目は、エキスパートパネルのところで、現状では1回ということになっているのですけれども、それ以後も、エキスパートパネル後も議論が必要で、それに対する医療機関側のインセンティブに関する考慮、患者さんに届けるための仕組み、その辺りの御指摘については、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
がん・疾病対策課から、何かコメントがあれば、お願いできますでしょうか。
○中釜座長
がん・疾病対策課、聞こえていますでしょうか。
○深田構成員
4点目のコメントにつきましては、もし今は難しければ、大丈夫です。ありがとうございました。
○中釜座長
御指摘の点はまた検討させていただきたいと思います。
○松浦医療イノベーション推進室長
大変失礼いたしました。関係部局としっかりと共有いたします。
○中釜座長
深田構成員、以上、4点、よろしいですかね。
○深田構成員
ありがとうございます。
○中釜座長
続きまして、角山構成員ですか。お願いいたします。
○角山構成員
よろしくお願いいたします。経団連の角山でございます。まず、冒頭、全体目標の中に、企業が利活用の促進に入っているということを明記していただきまして、ありがとうございました。国民の皆様がこちらを読まれたときに最初に誤解が生じないように明記していただけたということには、大変感謝を申し上げます。ありがとうございます。
それに対しまして、コメントは22ページに関してでございます。22ページは、反対に、企業の活用がはっきりとは分からないような表記になっているように感じましたので、何か文章を変えていただければと思います。前回も申し上げましたけれども、こういう利活用の促進に法制度の整備がまだ必要だと思っております。個人情報保護法や倫理指針の影響を受けて、利活用の促進が行われないのではないかと考えております。具体的には、取り組むべき施策の1ポツ目、後ろに、例えばですけれども、「さらに、医療機関・研究機関・企業等のデータ利活用に必要な法制度整備についても検討する」という一文を入れていただけるとよいのかなと思いました。産官学の連携、産官学によるという単語がございまして、この3者が一体となることは非常に重要だと思います。一方において、利活用においては、企業単独で行うということもお願いしておりますし、それに向けた施策もぜひ行っていただきたいという要望があるということをここでコメントとして残させていただきたいと思います。
最後ですけれども、先ほどから5か年計画の中身についていろいろと構成員の先生方からコメントが続いております。繰り返しますが、今後、どれくらいのデータ量をためていくのかを目標とされるのか、量的な観点での計画も含めていただきたいと思います。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。以上、3点をいただきました。まず、22ページ、利活用をしやすいような法整備の必要性についての記載、この点は、いかがですか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。この計画の中で法整備を目指すという御指摘いただいたような文言を記載することは難しいと考えてございますが、追記ぶりについては、企業利用に係る課題があるという御指摘だったと理解いたしましたので、現状・課題の記載について、検討したいと思ってございます。
○中釜座長
2点目、3点目に関しては、企業単独での利活用も可能となるような整備あるいは具体的なデータの量の記載等に関しての御指摘ですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。企業の単独利用については、先ほどの私からの回答と同様でございますけれども、従前より御指摘いただいている課題だと考えてございますので、その点を踏まえた記載になろうかと思います。
また、データの量という点は、恐らく各プロジェクトごとに目標を定めて検討しているところであろうかと思いますので、個別の記載のこの計画への記載は難しいかと考えております。私からは、以上でございます。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。
○角山構成員
基本的な計画と銘打っている文章ですので、5か年の中でどのように進むのかという、具体的な数値というか、骨子となるような計画と進捗を見えるようにすべきだということは、多分ほかの構成員の先生方からも御指摘があったと思いますので、そちらはぜひ真摯に御対応いただければと思います。
○中釜座長
御指摘をありがとうございます。続きまして、横野構成員、お願いいたします。
○横野構成員
ありがとうございます。取りまとめに感謝いたします。私から、4点ほど、質問及びコメントを出させていただきたいと思います。該当箇所を最初に申し上げますと、5ページ、7ページ、16ページ、25ページという順番でコメントをさせていただきたいと思います。
まず、5ページの最後のところなのですけれども、今回、参考資料として出していただいております参考資料5、「遺伝情報による不当な差別等への対応の確保(保険分野における対応)」という文書についての御紹介があります。これは公開されたばかりということで、私も本日初めて拝見しましたが、ここでの記載において、この文書の位置づけが明確ではないように思います。まず、労働分野における対応に関しては、厚生労働省で厚生労働省としての整理をお示しいただいたものと理解しております。一方で、生命保険、保険分野における対応に関しては、それぞれの生命保険なり損害保険なりの業界団体で整理されたものと考えてよろしいのでしょうか。今の計画案の書き方ですと、労働分野のものと並列的に書かれていて、先ほど類似の御指摘が天野構成員からもありましたけれども、行政として整理したもののように読めるのですが、生命保険協会や損害保険協会のウェブサイト等を拝見しますと、それぞれに異なった名前で文書が掲載されているという状況があります。生命保険協会のほうで「生命保険の引受・支払における遺伝情報の取扱に関するQ&A」ということで、損害保険協会のほうでは、ほぼ文章としては同じなのですけれども、「生命保険」が「損害保険」となったような形での文書が公表されており、計画案の記載では文書の名称及び対象、作成主体が必ずしも明確ではないように思いますので、この文書の位置づけや作成主体、どの範囲で適用されるものなのかということについては、明確にお示しいただくことが必要かと思っております。それが1点です。
次、7ページをお願いいたします。生命倫理に関する言及がございます。最初のところですけれども、「患者及びその家族は、ゲノム情報が明らかになることにより、疾患発症リスク等の遺伝的特徴に関する情報を知ることになり、その結果として、生命倫理上の課題が生じる可能性があることから」という説明がございます。これに関しては、もちろんそうだと思うのですけれども、この法律自体は、基本理念の中で、生命倫理に関する部分としては、「子孫に受け継ぎ得る遺伝子の操作を伴うものその他人の尊厳の保持に重大な影響を与える可能性があるものが含まれることに鑑み」として、かなり幅広い視点から生命倫理の問題を捉えています。今の計画案の説明の仕方ですと、法律上の生命倫理に対するスタンスが反映し切れていないように思います。一方で、8ページで遺伝子の改変ということにも若干触れていただいているのですけれども、全体としての問題意識にそれが反映される必要があると思いますし、もう1つ、これは研究と医療の両方に関する部分だと思うのですけれども、研究に関しては、古いものになりますが、「ヒトゲノム研究に関する基本原則」の中でも、ヒトゲノムの研究に関する倫理的な課題として、例えば、「それ自体が人の生命の根源に科学的に迫るがゆえに、その進展につれて、人間や生命についての考え方を変容させ」るといったことなど、幅広い倫理的課題について触れられていますので、そういったものも踏まえた記載にしていただくとよいのではないかと思います。
次に、16ページです。情報の取扱いに関する部分ですけれども、個人情報保護法との関係で、5行目辺りにゲノムデータの一部は個人識別符号に該当するものという御説明があります。ただ、ここでは、ゲノムデータの取扱いについてしか書かれていないため、個人情報保護上で、例えば、遺伝学的検査の結果が要配慮個人情報として取り扱われるとか、実際の個人情報保護法上の取扱いについて、もう少し記載を拡充していただいたほうが、実態を反映させることができるのではないかと思います。
次に、25ページをお願いいたします。研究に関する相談支援体制という部分に特に多くあるのですけれども、「研究参加者」という表現と「研究対象者」という表現が混在していますので、この文章全体として、特に使い分けているのでなければ、いずれかに統一していただいたほうがいいのではないかということが1つ。先ほど角山構成員からも少し関連する御指摘があったかと思うのですけれども、ゲノム研究について、「研究対象者が十分に内容を理解した上で自発的に意思決定を行うことが求められている」、また、取り組むべき施策のところに、「十分な説明を受けた上で研究に対する同意を行うことができることを引き続き徹底していく」という記載がございます。1つは、取り組むべき施策のところで、同意を行うということだけではなくて、同意を行うか行わないかというところも含めて、十分な情報提供を受けた上で意思決定をすることが確保されることが重要であるという趣旨がもう少し表れたほうがいいかなということ。もちろん同意を得た上で利用することは一つの適正な利用の仕方であるとは思うのですけれども、現状、オプトアウト等で研究のために情報を利用するということもございますし、今、個人情報保護法に関しても、見直しの検討等も行われていると思いますので、同意だけに偏った記載にならない形を検討していただくことがよいかと思っています。同意だけではなくて、そのほかの様々な手段で御本人の意思を尊重し、また、ゲノム情報の適正な取扱いを実現していくことが重要かと思っております。ここは相談支援に関する部分ですので、同意が強調されることは理解できるのですけれども、ゲノム研究全体に係る部分かと思いますので、その辺りは記載の上で配慮いただけるほうがいいのかなと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。最初の点は、5ページ目の最後の文だと思います。私が十分に理解していないかもしれませんけれども、不当な差別に対する労働分野における対応など、この辺りのいろいろなものに関する位置づけ、生命保険における不当な差別等を防止する対応が、実際に業界団体からの発出のものであることから、全体としての位置づけを明確にする必要があるのではないかという御指摘だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○横野構成員
特に、行政側として、どのような関わりを持たれているのか、持たれていないのかということをお伺いしたいです。
○中釜座長
そうですね。その点について、お願いします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。先生の御指摘のとおり、労働分野のほうは厚生労働省のホームページから公表された、行政から出した文書ですので、行政の文書そのものでございます。
金融の分野について、すみませんが、金融庁から御説明いただけますでしょうか。
○金融庁(保険課)
横野先生、御意見、御質問をいただきまして、ありがとうございます。御意見をいただきましたとおり、労働分野と保険分野、2つ、立てつけが違うものとなっております。保険分野につきましては、実務等を踏まえたところで、生保協会並びに損害保険協会、さらに、少額短期保険協会と様々な業界があるのですけれども、そこで協働してつくられたものという位置づけになっています。国として、金融庁としての関与という部分ですけれども、こういった業界におけるこのような取組、QAがしっかりと現場に周知されていくことが重要と考えておりますので、先ほども触れさせていただきましたとおり、こういった業界団体の取組をしっかりと周知できるように、金融庁としても取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。
○横野構成員
その際に、この立てつけというか、位置づけを明確にした上で周知等をしていただければと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。
○金融庁(保険課)
御意見をありがとうございます。承ります。以上でございます。
○中釜座長
2点目は、7ページ目の生命倫理に関する記載です。冒頭の記載では、遺伝子的特徴に関する情報を知ることによる生命倫理の課題と書いていますが、実際には、横野構成員の御指摘では、生命倫理に関する考え方、スタンスは、もう少し広い枠組みであることから、少し限定し過ぎではないか、その辺りをもう少し網羅するような書きぶりが必要ではないかという御指摘と理解いたしましたが、横野構成員、そういう理解でよろしいですか。この点については、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。御指摘を踏まえて、また、法の条文を踏まえまして、改めて記載について精査したいと思います。
○横野構成員
よろしくお願いします。
○中釜座長
3点目が、16ページ、ゲノムデータの一部は個人識別符号に該当すると書かれているのですが、この辺りはもう少し細かく詳しい記載が必要ではないかという御指摘ですけれども、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。こちらも、御指摘を踏まえて、記載の充実について検討したいと思います。御指摘、本当にありがとうございます。
○横野構成員
よろしくお願いします。
○中釜座長
4点目は、25ページになるのですかね。「研究参加者」、「研究対象者」という文言の統一に関して、同意に関して、十分な説明を行って同意を得るということを少しきちんと書いてはどうかということと、一方で、同意だけではなくてオプトアウトのことを想定したような書きぶりも必要ではないかという御指摘ですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。「対象者」と「参加者」については、「対象者」の中に実際に参加されている方がいるという趣旨で書き分けてございますけれども、改めて精査いたしまして、修文の必要がないかどうか、確認させていただければと思います。
また、同意のところは、オプトアウト等もあるいう御指摘はおっしゃるとおりだと思います。記載ぶりは、こちらの修文等を検討したいと思います。
○横野構成員
よろしくお願いいたします。
○中釜座長
御指摘について、よろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、五十嵐構成員、お願いいたします。
○五十嵐構成員
どうもありがとうございました。1点、お願いです。10ページの下のほうですが、下から3行目あるいは2行目に比べまして、下から5行目と4行目の「早期に治療薬につながるためのドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消に向けた取組」という記載が、少しアバウトというか、具体的な記載がないことが気になりました。PMDAでは、既に未承認薬データベースを公表しているわけですけれども、その中の一つは、現行の条件付き承認制度の対象薬を増やすことを検討されています。これが1点です。もう1つは、欧米で承認されている希少疾患薬については、日本で改めて治験を行わなくても承認できる可能性についても検討すると表明しておりますので、この2点について、もしできましたら具体的に書いていただくことを検討していただきたいと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘の点はいかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘、本当にありがとうございます。いただいた御指摘を踏まえて、追記・修文の検討をさせていただければと思います。
○中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、神里構成員、お願いいたします。
○神里構成員
ありがとうございます。まず、事務局におかれましては、関係省庁と調整の上で、大部にわたる計画案をまとめてくださったことに感謝を申し上げます。既にほかの構成員から出ているところもあるのですけれども、私からは、5点、コメントをさせていただきます。
1点目が、6ページになります。取り組むべき施策の2ポツにおいては、最後のところで「広く周知を図る」と記載がなされています。以前、法務省から人権相談体制について御紹介いただきましたけれども、ゲノム情報に基づく不当な差別や人権侵害に関しましては、特殊性、専門性を要するところですので、真に対応できる窓口の設置に向けた整備をお願いしたいと思います。ここに「周知」のみならず「整備」も入れていただければと思います。個別目標のところには入っているのですが、取り組むべき施策にも入れていただければと思います。
2点目が、次のページでございます。先ほど横野構成員からもありましたけれども、生命倫理への適切な配慮は、法の基本理念に入っているものでありまして、法の第3条では子孫に受け継がれ得る遺伝子の操作を伴うものを例として筆頭に上げています。それがこちらの現状・課題に入っていないということになりますので、それを入れていただきたいということ。一方で、8ページに飛びますけれども、8ページの2ポツ目には、遺伝情報改変技術等ということで法の話が入ってくるわけです。ここでは、体細胞のゲノム編集も入るのか。恐らく、法としては、次世代に引き継ぎ得るものなので、受精胚や生殖細胞だと考えていますけれども、一見、これだと体細胞も入るように読めますが、それでいいのかということです。その後に「ヒト胚」と入っていますけれども、その前の文が長いので、それがどこにかかるのかも不明瞭です。少し明瞭にしたほうがよろしいかなと考えております。
3点目に関しましては、少し戻りますが、7ページ目の一番下のところになります。取り組むべき施策の最終行で、生命倫理に関する課題を踏まえ、必要に応じて関係法令等を見直すという話なのですが、もしできましたら、「生命倫理に関する課題について、調査研究を実施するとともに、必要」ということで、まずは、ゲノム情報に関しての生命倫理の調査研究をするということも入れていただければと思います。
4点目に関しましては、また8ページ目になります。先ほどの吉田構成員からの御指摘の際に、こども家庭庁様から、着床前診断については、庁として、今、議題に上っていないというお話がありました。しかしながら、生命倫理に関わるゲノム医療となれば、着床前診断のことは入ってきますので、この5年間の中で対応できるかということは分かりませんが、ぜひとも検討課題のリストにはこども家庭庁さんのほうで入れていただきたいと考えております。
最後の5点目は、9ページになります。取り組むべき施策のところで「学校・医療機関等において、教育・啓発を図る」とあります。恐らく「等」でかなり幅広にお考えだとは思いますけれども、とはいえ、学校や医療機関に関わっていない方、関係していない方もたくさんいらっしゃると思いますので、例えば、国や地方公共団体が主催で行うセミナーといったものでも、このテーマについて扱って、教育・啓発を全国民に対して行っていただければと思います。以上になります。
○中釜座長
ありがとうございます。まず、最初の御指摘が、6ページ目の不当な差別等に関して、専門性を要することから、「周知」だけではなくて窓口の設置に対する「整備」という文言を入れてほしいということですが、この点については、よろしいですかね。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。事務局でございます。御指摘のとおり、この窓口等について、まさにゲノムに関わるような啓発に対応できる形は重要だと考えております。新たに、新規で、このためだけに窓口をつくるというところについては、現時点では難しいと考えてございますが、それにつながるような、既存の窓口等で適切な対応ができるような形で推進することについては、非常に重要だと考えてございますので、そのような形で進められるように考えていきたいと思います。記載については、改めて確認させていただければと思います。
○中釜座長
2点目は、7ページの生命倫理に関する最初のパラグラフの記載は法に書いてある記載との整合性を図れないかということですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。
こちらについては、改めて記載ぶりを検討したいと思います。
○中釜座長
同じページの下のほう、取り組むべき施策のところで、生命倫理に関する課題について、調査研究を行うとともに、必要に応じてという記載の追記に関してですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。ここの取り組むべき施策について、個別の一つの研究課題の必要性について言及することについては、現時点では、考えてございません。必要性については、御指摘いただいたと考えてございますので、上段の現状・課題等での追記を含めて、改めて全体を通して検討したいと思います。
○中釜座長
続きまして、8ページの上段、遺伝情報改変技術のところで、体細胞変異を含むのか含まないのかという御指摘ですが、これは体細胞ですか。生殖細胞のことですか。私が聞き違えているかもしれません。神里構成員。
○神里構成員
そのとおりです。体細胞もこのゲノム編集技術として扱うものに含むのかという話です。
○中釜座長
生殖細胞ではなくて、体細胞という記載ですかね。
○神里構成員
何も書いていないので、これだと体細胞もと見えてしまうという話です。
○中釜座長
明確にしてほしいということですね。すみません。
この点は、いかがですか。
○松浦医療イノベーション推進室長 事務局でございます。
御質問をありがとうございます。厚生科学課から、回答いただけますでしょうか。
○中釜座長
厚生科学課、聞こえていますでしょうか。届いていないようですので、これについてはまた事務局で検討いただきたいと思います。
○松浦医療イノベーション推進室長
この場で御回答できず、大変申し訳ございません。
○中釜座長
同じ8ページで、「ヒト胚」と書いているのですが、先ほど来、着床前の検査に関しては、今のところ、議題に入っていないということですが、この5年のうちには恐らく論点に入ってくる可能性があるのではないかという御指摘ですが、この点はいかがでしょうか。こども家庭庁、お願いいたします。
○こども家庭庁(母子保健課)
こども家庭庁でございます。御指摘の点については、先ほども回答したとおりではございますが、今御指摘いただいた点も含めて、御要望として、承りました。
○中釜座長
よろしいでしょうか。最後が、9ページの教育・啓発に関して、「学校・医療機関等」と書いているのですが、それ以外の国と都道府県で行うセミナーの場や機会等も含めていただけないかということですが、この点については、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。国民全体へのということは、全くおっしゃるとおりだと思います。本文の中でも、国民のゲノムリテラシーの向上を図る施策が必要だという記載、あるいは、国民全体の理解を深めるための資料の作成をするという記載をさせていただいております。その中で、特に具体的に「学校・医療現場等において」ということで記載させていただいたという趣旨でございますので、御指摘は全くそのとおりだと思いますので、しっかりと施策については検討してまいりたいと思います。
○神里構成員
ありがとうございました。
○中釜座長
以上、御指摘の5点については、回答させていただきました。以上でよろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、小崎構成員、お願いいたします。
○小崎構成員
小崎でございます。大変すばらしい取りまとめをありがとうございます。私から、4点ほど、指摘させていただきたいと思います。
1つは、10ページから始まる「2.ゲノム医療等を提供するための体制構築」でございます。法律のもともとの名前が「ゲノム医療推進法」ですから、最も重要な部分と考えております。その上で、現状・課題の認識があった後に取り組むべき施策があるわけですが、最初に、現状・課題にゲノム医療はほぼ全ての診療領域に関係するため、診療体制の整備が難しいとあるのですが、これは診療科横断的な診療体制の整備が難しいということだと思いますので、ぜひそういう文言の追記をいただきたいと思います。
その上で、取り組むべき施策を読んでみますと、国は多職種の専門家による検討会(エキスパートパネル)という、ある意味、全体の議論からいうと、少し小さめのサイズのことが書いてあるのですが、先ほど申し上げたような診療科横断的な診療体制に取り組むということを取り組むべき施策にきちんと書いていただきたいと思います。少し議論のレベルが小さくなりますが、がんの領域ではエキスパートパネルという考え方が普及しておりますが、難病ではまた異なる考え方が必要だということを、前回、五十嵐構成員に御指摘いただきましたので、それについても修正をお願いしたいと思います。
次の点でございますが、2.(1)に人材が不足しているという記載がございます。人材が不足している中で、全国で速やかにゲノム医療を普及させるためには、現状・課題に書いてある第4段落、特に地方部への遠隔医療の技術の活用も含めた体制の検討をしていくことが必要であると書いてあるのです。この「検討」という意味は5年をかけて検討するのかどうか分かりませんが、可能であればこれを「整備」という言葉に代えていただいて、しかも取り組むべき施策に含めることが可能かどうか、教えていただきたいと思います。IT技術の進展は非常に早いので、IT技術が足りなくて実施できないということではないと思いますので、これをぜひお願いしたいと思います。
「診療科横断的」というキーワードと「遠隔医療」という言葉について、質問と指摘をさせていただきました。
次に、いわゆるDTCに関わることでございます。17ページを御覧いただきたいと思います。先ほど天野構成員からも指摘があった項目でございます。私がこれを読んでおりまして、17ページ、(5)の段落の中で重要なキーワードは、第2段落にあります、結果として検査の信憑性に問題があった場合の行政側の関与が難しいという問題の指摘がございます。この「信憑性」は極めて重要な単語でありまして、DTCで行われた検査の生データの質を確保することと、結果をどのように信憑性を持って解釈して消費者に返すかということは別のことでございます。そういった視点で考えた場合に、第3段落、個人遺伝情報取扱事業者においては云々というところについて、経済産業省からも説明がありましたが、この部分については、検査の信憑性に関わる議論ではないと、先ほどの天野構成員との質疑応答で理解いたしました。検査の信憑性についてはどなたがどのように担保する予定なのか、それについて取り組むべき施策がどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。以上、4点でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。まず、最初の指摘が10ページですかね。ゲノム医療提供体制の記載のところですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘をありがとうございます。こちらは、先生の御指摘を踏まえて、記載ぶりを検討したいと思います。
○中釜座長
次のページのエキスパートパネルの記載は、非常に細かくなり過ぎているので、先ほど御指摘の診療科横断的な取組とか、難病においては異なる考え方があるということで、この点についての記載の修正が必要ではないかという御指摘ですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。こちらは、がんと難病、疾病対策のところとも関係してくるかと思いますので、関係部局と相談しながら、記載ぶりを検討したいと思います。
○中釜座長
3点目も、医療技術ですかね。ページ数を把握していなかったのですけれども、「検討」をするという記載ではなくて「整備」をする、遠隔医療に関してということですが、3点目は何ページですか。
○小崎構成員
10ページになります。
○中釜座長
10ページの遠隔に関しては、検討を進めていく必要があるということではなくて、整備をするという、より具体的な記載はどうか、IT技術の進歩を考えると、遠隔的な取組もかなり急速に進歩すると考えるということですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。こちらも、国の施策としてどのように書けるかというところとも関連するかと思いますので、記載ぶりを、関係部局と調整とした上で、検討したいと思います。
○中釜座長
4点目が、最後、17ページの下で、DTC遺伝子検査に関しては、検査の信憑性に加えて解釈の信憑性も課題がある、後段のほうでは、個人遺伝情報取扱事業者の部分は、検査の信憑性ということではないと理解したのですが、検査の信憑性に関してはどのように担保するのかという2点かと理解しましたが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘をありがとうございます。事務局でございます。構成員が御指摘の点について、まさに課題として御指摘いただいているところかと思います。現時点で基本計画の中で記載させていただいているものは、その次の段に書かせていただいているとおり、医行為と非臨床の消費者向け検査サービスに係る法的な課題のまずは検討というところから記載させていただいております。今回、基本計画を定めまして、まさに御指摘の点も明確化されているところでございますので、御指摘の点を含めて、引き続き検討していきたい点だろうと考えてございます。以上でございます。
○小崎構成員
ありがとうございました。
○中釜座長
よろしいですか。ありがとうございます。続きまして、菅野構成員。
○菅野構成員
研究のところで、「ゲノム情報」という言葉が出てくるのですけれども、研究者の中で見ると、この用語は結構曖昧な使われ方をしていて、例えば、医療情報、臨床情報、さらには、ある意味、オミックス情報も含んだ形で使われる場合と、もう1つ、厳密にゲノム配列の情報という意味で使われる場合と、結構幅を持って使うことが多いのですね。研究者の中では、そういう言い方で、コンテクストごとにどういう理解なのかなと。例えば、情報基盤を整備して企業と一緒に利活用できるようにしたほうがいいというときには、多分ゲノム配列情報だけではなくてもっと広くいろいろな臨床情報とかも含んだ形の全体を「ゲノム情報」と言っていたりするということなのです。この中の全体でこの言葉がどれぐらい厳密に使われているのか気になったので、その辺り、どのように言葉遣いを考えるか、検討していただいてもいいのかなと思ったのです。作業量を増やしてしまうかもしれませんけれども、用語集や脚注みたいな形で、そういう言葉遣いの揺れを記述するという手もあるかなと思った次第です。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。重要な御指摘かと思いますけれども、今の「ゲノム情報」という意味合いには少し幅があるという御指摘ですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。「ゲノム情報」については、3ページ目、一番下段の脚注3に、ゲノム情報の定義について、法の条文を引用しながら、当該情報が子孫へ受け継がれるかどうかを問わず、塩基配列の文字列だけではなく、疾患へのかかりやすさ等、塩基配列に解釈を加えた医学的な意味を有する情報を含むという形で定義させていただいております。御指摘を踏まえて、全体を通して改めて確認いたしまして、当該定義と齟齬がないかどうかということは確認をしたいと思います。貴重な御指摘を本当にありがとうございます。
○菅野構成員
ありがとうございます。よろしくお願いします。
○中釜座長
よろしいでしょうか。三木構成員、お願いいたします。
○三木構成員
よろしくお願いします。これは指摘というより希望なのですが、10ページの「(1)ゲノム医療の提供の推進」という項目の中に、ゲノム医療の提供の推進は発展途上であるという言葉があります。その体制、現行の体制については、非常に適切なまとめがされていると思うのですが、それに加えて新しいゲノム医療の実装化を推進していくという文言があればと感じました。例えば、柱3の研究推進あるいは全ゲノム解析計画の中から出てきた成果を、既に出てきていると思うのですが、適切かつ慎重に評価して、新たなゲノム医療の実装化を推進するという文章がどこかに入っていればと思います。ただ、柱3の研究の推進の部分で、22ページですが、全ゲノム解析の成果の患者への還元のための事業実施組織が2025年度に設立されるという記載があるのですが、これがいわゆるゲノム医療の実装化の推進に当たる具体的な例だと思います。全ゲノム解析だけではなくて、全般的にこういう形で新しいものを実装化する、推進していくという意味の文章があってもよいのかなと感じました。以上です。
○中釜座長
重要な御指摘をありがとうございます。今の御指摘に関して、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。貴重な御指摘をありがとうございます。いただいた御指摘も非常に重要な点かと思いますので、記載ぶりについて、検討したいと思います。御指摘をありがとうございます。
○三木構成員
よろしくお願いします。
○中釜座長
ありがとうございます。ほかに御意見はございますでしょうか。多くの構成員の先生方から非常にたくさんの御意見をいただきました。ありがとうございます。ちょうど想定されていた時間が近づいてまいりましたが、全体を通して、何か改めて御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、御意見をいただきまして、本日示しました基本計画の案については、修正をさせていただきながら、取り組ませていただきます。
本ワーキンググループで計画案を取りまとめて、今後、閣議決定まで、施策の実施ができないということはないと思いますけれども、最終的には閣議決定を待つ必要がありますので、その間に、質問に関して取り組んでいきたいと思います。
本日のワーキンググループにおきましては、初めて基本計画案の議論を行っていただいたわけですけれども、引き続き、内容については議論をしていきたいと思います。
事務局におきましては、必要に応じて各構成員とも相談しつつ、本日の資料を御修正いただいて、次回ワーキンググループにおいて改めて提示いただきたいと思います。
議題2、その他について、事務局より、お願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。次回の運営につきましては、座長と相談の上、後ほど御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○中釜座長
それでは、構成員の先生方におかれましては、スムーズな議事の進行に御協力いただき、誠にありがとうございました。それでは、以上をもちまして、本日の会議は終了させていただきます。