2024年11月11日 薬事審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録
日時
令和6年11月11日(月)18:00~
場所
厚生労働省専用第21会議室
出席者
出席委員(20名)五十音順
-
- 大隈和
- 大島まり
- 岡本吉弘
- ◎小野稔
- 川上純一
- 北澤京子
- 久保庭雅恵
- 齋藤嘉朗
- ○佐久間一郎
- 塩谷昭子
- 清水昭伸
- 末岡晶子
- 田中利洋
- 富田英
- 永井洋士
- 福山哲
- 松宮護郎
- 宮川政昭
- 三宅紀子
- 森田明夫
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(3名)五十音順-
- 河野博隆
- 宮城悦子
- 山上聡
行政機関出席者-
- 城克文 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 高江慎一 (医薬局医療機器審査管理課長)
- 野村由美子(医薬局医薬安全対策課長)
- 鈴木洋史 (医薬品医療機器総合機構審査センター長) 他
議事
○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の高江でございます。定刻になりましたので「薬事審議会医療機器・体外診断薬部会」を開催いたします。
委員の先生方におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして、また、遅い時間からの開始でございます中、大変ありがとうございます。
現時点で医療機器・体外診断薬部会委員23名のうち18名に御出席いただいておりますので、薬事審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
続きまして、議事に先立ちまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任された委員はおられませんでしたので、御報告させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。令和6年4月1日の薬事審議会にて確認された「薬事審議会の公開について」に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2については、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれますため、非公開といたします。
それに続いて、配付資料の確認をさせていただきます。会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。
また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。
Web会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクミュート、通信環境等支障がない限りカメラオンでお願いいたします。
資料3「影響企業リスト」をお開きください。
本日の審議事項に関する影響企業として、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議決に御参加できない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。
以後の進行について、小野部会長、よろしくお願いいたします。
○小野部会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特にございませんので、これより議題に入りたいと思います。
本日は、議題1が報告事項、議題2が審議事項となっております。
それでは、議題1「次世代医療機器評価指標について」に入りたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より御報告いたします。資料1を御覧ください。
本議題では、次世代医療機器評価指標としてまとめられました「脱細胞化組織利用機器の品質及び安全性に関する評価指標(案)」及び「半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)」について御報告させていただきます。
それでは、2ページを御覧ください。厚生労働省では、医療ニーズが高く新規技術を使った医療機器の開発促進を目的として、承認審査の際に評価すべき点をあらかじめ検討し、評価指標として策定してまいりました。開発者と規制側が同じ指標を共有することで治験相談等での議論が容易となることに加え、開発者の申請資料作成効率化に資することができ、承認前例のない品目であってもスムーズな審査が可能になることが期待されております。
3ページに、次世代評価指標として発出された通知一覧をお示ししております。
また、4ページの一覧は評価指標発出準備中の医療機器分野の評価指標テーマでございまして、本日はこの上二つについて評価指標(案)がまとめられますので、御報告をさせていただくものとなります。
それでは、5ページより、脱細胞化組織利用機器に関する評価指標(案)について御説明させていただきます。本邦においては、膝十字靱帯、血管など、生体を原料組織とし、脱細胞化処理と滅菌処理により、生体適合性と強度を兼ね備え、再建後に体内で自己細胞が侵入する生体由来脱細胞化組織の開発が進められております。こういった研究開発状況を踏まえ、令和4年度に調査を行った上で、令和5年度に日本バイオマテリアル学会及び日本人工臓器学会と連携して評価指標(案)をまとめました。今年の6月から7月にかけてパブコメを実施しましたので、今年度中に通知として公表する予定でございます。
6ページを御覧ください。本評価指標の策定に当たっては、主に評価指標の対象や基本的事項について議論が行われました。本評価指標の対象は、内在する生細胞を死滅させる工程及び細胞成分を除去する脱細胞化プロセスを経て得られた動物由来組織を材料として製造された医療機器全般とし、ヒト組織を利用した機器などは対象外としております。また、ウイルス不活化/除去工程などについても議論を行いまして、ウイルス不活化/除去は二つ以上の工程を実施することや組織深部のウイルスの不活化などを評価することといった留意点が記載されております。
7ページが評価指標の概要となります。主に脱細胞化や製造工程残渣の評価方法、非臨床試験を中心に評価指標がまとめられております。
続きまして、半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)について御説明させていただきます。8ページを御覧ください。半月板は一度損傷するとその修復が困難な組織であり、治療としては縫合術や切除術が実施されますが、対処療法的な治療であり完全に治癒させる治療法は確立されておらず、様々な治療技術が開発されているところでございます。こういった研究開発状況を踏まえ、令和4年度に調査を行った上で、令和5年度には日本整形外科学会と連携して評価指標(案)をまとめました。本評価指標(案)につきましても今年の6月から7月にかけてパブコメを実施しましたので、今年度中に通知として公表する予定でございます。
それでは、9ページを御覧ください。本評価指標の策定に当たりましては、ここに挙げたようなポイントについて主に討議を行いました。本指標の対象としては半月板欠損部に移植され、移植後は、自家組織侵入の足場(スキャフォールド)となり徐々に組織に置換されるタイプの半月板修復再建用医療機器を想定しておりますが、これらの医療機器が使用される患者層の特徴として、若年者と中高年者があり、それぞれ病態が異なることから、そういった患者背景の違いなどを考慮することなどについても議論が行われました。
最後に、10ページが評価指標の概要となりまして、非臨床評価、臨床評価それぞれに関してまとめられております。
11ページ以降がそれぞれの評価指標(案)となります。今回策定した評価指標につきましては、今年度中に通知として公表の予定でございます。
御説明は以上となります。
○小野部会長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見・御質問等はございますでしょうか。
いかがでしょうか。「脱細胞化組織利用機器の品質及び安全性に関する評価指標(案)」、あとは、半月板に用いるということですか。その用途が特定されている、この利用に関しての評価指標になると思われます。
○塩谷委員 よろしいでしょうか。川崎医大の塩谷です。
○小野部会長 お願いいたします。
○塩谷委員 実は脱細胞化組織利用の研究を多分、当大学でも以前していたかと思いますが、この細胞組織は、今回は膝の半月板損傷に使うということですが、さらにいろいろな用途を広げていくことになるのでしょうか。
○小野部会長 事務局から御回答をお願いします。
○事務局 御質問いただきましてありがとうございます。
今、いただきました御質問は「半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)」に関する御質問と受け止めております。こちらにつきましては、あくまでも今回の指標に関しては半月板修復に使う医療機器に関する評価指標としてまとめておりまして、半月板の特徴に応じた評価指標の項目などが立てられている状況でございますけれども、もし類似の機器が出てきた場合に、これを全く参考にすることは難しいかもしれないのですが、一部の項目を参考としていただくことは可能と考えております。事務局からは以上でございます。
○小野部会長 今の御質問は、半月板以外の用途でこの脱細胞化組織を利用する場合はどうなるのですかという御質問だと思いますので、そのようにお答えください。
○事務局 ありがとうございます。失礼いたしました。
まず、脱細胞化組織利用機器の医療機器と半月板修復再建用医療機器は少し異なっておりまして、まず、脱細胞化組織利用機器といいますのは、例えば5ページに写真が載せてありますように、動物の組織を持ってきまして、それを脱細胞化や滅菌処理をすることで、それをヒトに植え込むような機器を想定しております。
一方、半月板修復再建用医療機器で今回、評価指標をつくっているものに関しては主に人工物のようなものをイメージしておりまして、対象としている製品が今回御紹介した二つの評価指標は異なるところなのですけれども、例えば脱細胞化組織利用機器に関する評価指標(案)であれば、今回は主に膝十字靱帯とか血管などをイメージしておりますが、同じように脱細胞化するような組織に関しては、この評価指標(案)が参考になるのかなと考えております。以上でお答えになっていますでしょうか。
○小野部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○塩谷委員 ありがとうございます。
取りあえず、今回に関しては、この半月板の修復ということで検討すればいいということですね。ありがとうございました。
○小野部会長 ありがとうございました。
それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。
○清水委員 清水です。説明、どうもありがとうございました。評価指標ガイドラインは、私のような工学系の人間にとっては非常に役に立つものとして拝見させていただきました。
最初のスライドではなくて、後ろの文章のほうなのですけれども、質問してもよろしいでしょうか。
○小野部会長 どうぞ。
○清水委員 一番最後の25ページから26ページにかけてなのですが「マル5 MRIを用いた評価」という項目があって、その中に出てくる用語の意味を確認できればと思って質問させていただきます。その中に「検者」という言葉と「使用者」という言葉と「解析者」という言葉と、それから「評価者」という四つの言葉があるのですが、これは意味を使い分けられておられるのでしょうか。もしそうであれば、それぞれの意味を教えていただけますでしょうか。
○小野部会長 事務局、いかがでしょうか。
岡本委員、お願いします。
○岡本委員 すみません。国立衛研の岡本です。半月板の評価指標の作成の際の事務局を担当しておりましたので、私から説明させていただきます。
今、先生が質問されたところは、25ページのMRIの。
○清水委員 もう一度繰り返します。小項目のiの中に「検者内・検者間信頼性」という「検者」という言葉と、それから、項目ivの「ソフトウェア使用者」の「使用者」と、同じ項目の中に「解析者」というものがありますが、その「解析者」と、それから、一番最後の「v.評価方法」にあります「評価者」という言葉なのですが、これはそれぞれ違う意味を持っている言葉として使われているのかなと思って拝見させていただいていたのですが、意味がよく分からないところもあって、それで確認させていただきました。
○岡本委員 ありがとうございます。
「検者」は撮像する人、お医者さんとかを含めた人を想定しておりまして、あと、ソフトウェアの審査が、恐らく医師でない方が解析するときには画像処理とかを実施しているのではないかということでこのような記載にしております。最後の「評価者」が、治験とかを実施する場合は、その先生が検査というか、結果を出すのではなくて、第三者で評価をする場合とかがありますので「評価者」という言葉で、撮像した人が解析するわけではないと考えて「評価者」という言葉を使っております。
○清水委員 そうしますと、ivのところの「使用者」と「解析者」は、まず、これは同じ意味でよろしいでしょうか。
また、ivの中に「解析者」という言葉があるのですが、これは非医師、医師でない方を想定したソフトウェアの使用者と同じ意味でしょうか。
○岡本委員 すみません。ソフトウェアを使って解析する人が誰になるかまでは確定はしていないのですけれども、それを使って解析処理をする人は「解析者」という言葉を使ったと認識しております。
○清水委員 それで、同じ段落に「検者内・検者間信頼性」と書いてあるのですが、先ほどの御説明では医師が検者に相当するということで、今、決まっていない解析者が高いレベルにあることを求めていることになります。その上で、医師の信頼性を指標とするというのは何か矛盾しているような聞こえ方もするのですが、この辺り、後でも結構ですので、言葉を少し整理されたほうがいいのではないかと思われます。
同じ話が、先ほど外部の方が評価するというのはよろしいかと思うのですが、外部の方が評価することによって評価者のバイアス、その方自身のバイアスが低減する話も何かすっと入りづらい文章に感じました。この辺りのことを、文章を読まれて開発する方等が実験の計画等も立てられるかと思いますので、もう少し、この分野に、よく慣れている方はこの文章で多分分かるのだと思うのですけれども、そうでない方にも分かりやすいような表現にされるといいのかなと思いました。
私からは以上ですが、何か御回答いただけるならお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○小野部会長 いかがでしょうか。岡本先生、お願いいたします。
○岡本委員 衛研の岡本です。清水先生、ありがとうございます。
委員にも意見を聞いて、もうちょっと全体を分かりやすい感じで記載ができないかというところは検討させていただきます。
○小野部会長 ありがとうございます。
清水委員、私から少し岡本委員の回答に追加いたしますと「検者内・検者間信頼性」というものは一つの決まった用語になります。英語で言うと、要するにIntra-observerとInter-observer reliabilityという言葉になるのですが、この検者は評価者でもあり、解析者でもあり、誰でもいいのですけれども、あるソフトウェアで解析して、一人の検者が3回解析して、その3回の解析のばらつきがあるかないかというのが検者内、Intra-observerで、三人の検者がいて、三人が解析したときに三人の解析結果のばらつきが少ないのが一般的にInter-observer varianceなのですけれども、言ってしまうと、Varianceが小さいということはReliabilityが高いということなので、これは決まった用語になります。
ですので、あとは「評価者」と「解析者」がどういうことを意味するのかが明確になれば今の清水委員の疑問は解けるのではないかと感じました。
以上、追加でございます。
○清水委員 どうもありがとうございました。よく分かりました。
○小野部会長 ほかに御質問はございますでしょうか。
永井委員、お願いいたします。
○永井委員 確認です。臨床試験の部分で外部対象にすることは好ましくないとなっており、確かに外部対象にすると何が何だか分からなくなります。こうした整形外科手術の場合、ダブルブラインドにするのは難しいので、Shamではなくて、コンカレントなコントロールで現在の治療法に対する上乗せ効果を評価・証明しなさいと読めばいいのでしょうか。
○小野部会長 事務局からお答えできますか。では、岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 国立衛研の岡本です。
今、詳しいところまで私の判断で言えないのですけれども、そのように考えております。先生がおっしゃっていたような意味で捉えております。
○永井委員 分かりました。ありがとうございます。
○小野部会長 ありがとうございます。
では、ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに意見がなければ、これについては議題1を終了したいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 それでは、以後の議論は非公開とさせていただきます。
このまま非公開案件の議題の審議を進めさせていただければと思います。
部会長、よろしくお願いいたします。
○小野部会長 それでは、議題2「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」に入ります。まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題2につきまして、資料2に基づき御説明させていただきます。
既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には「いずれのクラス分類に該当するか」について、また「その保守管理に専門的な知識を要するものとして、特定保守管理医療機器に指定するか否か」について御審議いただいております。
初めに、今回、一般的名称新設に至った背景となる製品について御説明いたします。資料の2ページを御覧ください。
表の4項、使用目的又は効果の欄にございますように、本品は冠動脈バイパス術における冠動脈等の吻合において、縫合糸を結さつすることを目的とするクリップ状の医療機器でございます。
2ページの下部に外観図をお示ししておりますが、本品はおよそ1~2mmほどのチタン製のクリップとそれを留置するためのアプライヤから構成されるデバイスでございます。
それでは、資料1ページに戻りまして、今回新設する一般的名称(案)についてを御覧ください。
今回新設予定の一般的名称は「心臓・中心循環系用結さつ器」でございます。また、その定義は「心臓又は中心循環系の血管を縫合する場合に、縫合糸の結さつに用いる金属製の植込み型器具をいう(ただし、人工弁や人工弁輪を自己弁輪部に縫合する場合は除く)。器具を留置するためのアプライヤ等の器具を含む場合もある」でございます。
また、本一般的名称は、クラスIV、高度管理医療機器に分類されるものと考えております。また、特定保守管理医療機器には該当しないものと判断しております。
こちらに類似する既存の一般的名称といたしましては、下の参考にお示ししております「人工心臓弁結さつ器」がございますが、先ほど御説明いたしましたように、本品の適応対象に鑑みますと、こちらの一般的名称には該当しないものと判断いたしまして、今回、一般的名称を新設することといたしました。
御説明は以上でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○小野部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、委員の皆様方から御意見・御質問等はございますでしょうか。
○松宮委員 松宮ですが、よろしいでしょうか。
○小野部会長 お願いいたします。
○松宮委員 この「中心循環系」という言葉はあまり一般的に使われない用語だと思うのですけれども、これは何か英語のそういった名称から来ているのでしょうか。あるいは末梢循環には使わないという意味で中心循環と言っているのでしょうか。
○小野部会長 それでは、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問、どうもありがとうございます。
こちらの「中心循環系」という用語につきましては、こちらの日本の一般的名称のルールを引用しておりますGHTFで用いられている表現を用いているものでございます。御理解のとおり、末梢の血管ではなく中心循環系として、例えば心臓などの血管に用いることを意図している表現でございます。
○小野部会長 では、私から追加の質問ですが、そうすると、心臓に入る大静脈とか、心臓から出る大動脈を対象にしている。もう少し具体的に表現しますと、それが中心循環系になりますでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えいたします。
先ほど申し上げましたように、IMDRFの文章の中で中心循環系にどのような血管が含まれるかが記載されておりまして、例えば肺静脈、肺動脈、冠動脈、頸動脈、脳動脈、大動脈などが明確に書かれている状況でございます。
○小野部会長 これですと、よく分かるのではないかと思います。松宮委員、よろしいでしょうか。
○松宮委員 中心循環系の血管を結さつするのですけれども「血管」を入れたほうが分かりやすいような気がしますが、いかがでしょうか。
○小野部会長 では、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
こちらのルール上につきましては、この「中心循環系」という用語の中に、その定義の中で血管という定義の包含関係になっておりますので、一応、用語上は「中心循環系」と書くとそこに含まれる、血管も包含するものという運用としてございます。
御指摘のように、確かに「血管」という表現があったほうが分かりやすいという御指摘はごもっともかと思いますが、ほかの一般的名称との整合という観点でも、こちらの名称でいかがかと考えております。
○松宮委員 分かりました。
○小野部会長 ありがとうございます。ほかに御質問・御意見はございますでしょうか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。教えていただきたいのは、この一般名称の定義の中に「金属」と規定しているわけですけれども、非金属のものも今後想定されるのか。パーツ等を含めてですが、そのときには「非金属」という言い方でまた別枠としてつくったほうがよろしいのかということでお聞きしたのですが、それでよろしいでしょうか。
○小野部会長 では、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問、どうもありがとうございます。
現状開発されているデバイスとしては、こういった金属製のものが開発されてきているということで提示させていただいたところでございます。
一方で、御指摘のように、金属以外の原材料を使ったデバイスも今後開発される可能性は否定できないと考えております。その場合には、この一般的名称の定義を変更したりとか、そういったことで対応することを考えております。
○宮川委員 ありがとうございます。
○小野部会長 ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決を行いたいと思います。
「心臓・中心循環系用結さつ器」を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないということでよろしいでしょうか。御異議のある委員の方は挙手または御発言をお願いいたします。
特には御異議のある委員の方はいらっしゃらないということですので、そのように議決いたします。なお、本件は、審議会にて文書報告を行うこととなっております。以上で議題2を終了いたします。
本日の議題は以上となりますが、事務局より、その他連絡事項はありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 委員の先生方におかれましては、本日は御多忙の中、医療機器・体外診断薬部会に御参加いただきまして誠にありがとうございます。
次回の部会でございますが、12月25日水曜日18時からを予定しておりますが、詳細につきましては後日、またメールで御連絡をさせていただきます。年の瀬が迫った中、お手数でございますけれども、よろしくお願い申し上げます。
連絡事項は以上でございます。
○小野部会長 それでは、これをもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会いたします。本日はありがとうございました。今年度最短でございます。
委員の先生方におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして、また、遅い時間からの開始でございます中、大変ありがとうございます。
現時点で医療機器・体外診断薬部会委員23名のうち18名に御出席いただいておりますので、薬事審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
続きまして、議事に先立ちまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任された委員はおられませんでしたので、御報告させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。令和6年4月1日の薬事審議会にて確認された「薬事審議会の公開について」に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2については、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれますため、非公開といたします。
それに続いて、配付資料の確認をさせていただきます。会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。
また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。
Web会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクミュート、通信環境等支障がない限りカメラオンでお願いいたします。
資料3「影響企業リスト」をお開きください。
本日の審議事項に関する影響企業として、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議決に御参加できない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。
以後の進行について、小野部会長、よろしくお願いいたします。
○小野部会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特にございませんので、これより議題に入りたいと思います。
本日は、議題1が報告事項、議題2が審議事項となっております。
それでは、議題1「次世代医療機器評価指標について」に入りたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より御報告いたします。資料1を御覧ください。
本議題では、次世代医療機器評価指標としてまとめられました「脱細胞化組織利用機器の品質及び安全性に関する評価指標(案)」及び「半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)」について御報告させていただきます。
それでは、2ページを御覧ください。厚生労働省では、医療ニーズが高く新規技術を使った医療機器の開発促進を目的として、承認審査の際に評価すべき点をあらかじめ検討し、評価指標として策定してまいりました。開発者と規制側が同じ指標を共有することで治験相談等での議論が容易となることに加え、開発者の申請資料作成効率化に資することができ、承認前例のない品目であってもスムーズな審査が可能になることが期待されております。
3ページに、次世代評価指標として発出された通知一覧をお示ししております。
また、4ページの一覧は評価指標発出準備中の医療機器分野の評価指標テーマでございまして、本日はこの上二つについて評価指標(案)がまとめられますので、御報告をさせていただくものとなります。
それでは、5ページより、脱細胞化組織利用機器に関する評価指標(案)について御説明させていただきます。本邦においては、膝十字靱帯、血管など、生体を原料組織とし、脱細胞化処理と滅菌処理により、生体適合性と強度を兼ね備え、再建後に体内で自己細胞が侵入する生体由来脱細胞化組織の開発が進められております。こういった研究開発状況を踏まえ、令和4年度に調査を行った上で、令和5年度に日本バイオマテリアル学会及び日本人工臓器学会と連携して評価指標(案)をまとめました。今年の6月から7月にかけてパブコメを実施しましたので、今年度中に通知として公表する予定でございます。
6ページを御覧ください。本評価指標の策定に当たっては、主に評価指標の対象や基本的事項について議論が行われました。本評価指標の対象は、内在する生細胞を死滅させる工程及び細胞成分を除去する脱細胞化プロセスを経て得られた動物由来組織を材料として製造された医療機器全般とし、ヒト組織を利用した機器などは対象外としております。また、ウイルス不活化/除去工程などについても議論を行いまして、ウイルス不活化/除去は二つ以上の工程を実施することや組織深部のウイルスの不活化などを評価することといった留意点が記載されております。
7ページが評価指標の概要となります。主に脱細胞化や製造工程残渣の評価方法、非臨床試験を中心に評価指標がまとめられております。
続きまして、半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)について御説明させていただきます。8ページを御覧ください。半月板は一度損傷するとその修復が困難な組織であり、治療としては縫合術や切除術が実施されますが、対処療法的な治療であり完全に治癒させる治療法は確立されておらず、様々な治療技術が開発されているところでございます。こういった研究開発状況を踏まえ、令和4年度に調査を行った上で、令和5年度には日本整形外科学会と連携して評価指標(案)をまとめました。本評価指標(案)につきましても今年の6月から7月にかけてパブコメを実施しましたので、今年度中に通知として公表する予定でございます。
それでは、9ページを御覧ください。本評価指標の策定に当たりましては、ここに挙げたようなポイントについて主に討議を行いました。本指標の対象としては半月板欠損部に移植され、移植後は、自家組織侵入の足場(スキャフォールド)となり徐々に組織に置換されるタイプの半月板修復再建用医療機器を想定しておりますが、これらの医療機器が使用される患者層の特徴として、若年者と中高年者があり、それぞれ病態が異なることから、そういった患者背景の違いなどを考慮することなどについても議論が行われました。
最後に、10ページが評価指標の概要となりまして、非臨床評価、臨床評価それぞれに関してまとめられております。
11ページ以降がそれぞれの評価指標(案)となります。今回策定した評価指標につきましては、今年度中に通知として公表の予定でございます。
御説明は以上となります。
○小野部会長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見・御質問等はございますでしょうか。
いかがでしょうか。「脱細胞化組織利用機器の品質及び安全性に関する評価指標(案)」、あとは、半月板に用いるということですか。その用途が特定されている、この利用に関しての評価指標になると思われます。
○塩谷委員 よろしいでしょうか。川崎医大の塩谷です。
○小野部会長 お願いいたします。
○塩谷委員 実は脱細胞化組織利用の研究を多分、当大学でも以前していたかと思いますが、この細胞組織は、今回は膝の半月板損傷に使うということですが、さらにいろいろな用途を広げていくことになるのでしょうか。
○小野部会長 事務局から御回答をお願いします。
○事務局 御質問いただきましてありがとうございます。
今、いただきました御質問は「半月板修復再建用医療機器に関する評価指標(案)」に関する御質問と受け止めております。こちらにつきましては、あくまでも今回の指標に関しては半月板修復に使う医療機器に関する評価指標としてまとめておりまして、半月板の特徴に応じた評価指標の項目などが立てられている状況でございますけれども、もし類似の機器が出てきた場合に、これを全く参考にすることは難しいかもしれないのですが、一部の項目を参考としていただくことは可能と考えております。事務局からは以上でございます。
○小野部会長 今の御質問は、半月板以外の用途でこの脱細胞化組織を利用する場合はどうなるのですかという御質問だと思いますので、そのようにお答えください。
○事務局 ありがとうございます。失礼いたしました。
まず、脱細胞化組織利用機器の医療機器と半月板修復再建用医療機器は少し異なっておりまして、まず、脱細胞化組織利用機器といいますのは、例えば5ページに写真が載せてありますように、動物の組織を持ってきまして、それを脱細胞化や滅菌処理をすることで、それをヒトに植え込むような機器を想定しております。
一方、半月板修復再建用医療機器で今回、評価指標をつくっているものに関しては主に人工物のようなものをイメージしておりまして、対象としている製品が今回御紹介した二つの評価指標は異なるところなのですけれども、例えば脱細胞化組織利用機器に関する評価指標(案)であれば、今回は主に膝十字靱帯とか血管などをイメージしておりますが、同じように脱細胞化するような組織に関しては、この評価指標(案)が参考になるのかなと考えております。以上でお答えになっていますでしょうか。
○小野部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○塩谷委員 ありがとうございます。
取りあえず、今回に関しては、この半月板の修復ということで検討すればいいということですね。ありがとうございました。
○小野部会長 ありがとうございました。
それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。
○清水委員 清水です。説明、どうもありがとうございました。評価指標ガイドラインは、私のような工学系の人間にとっては非常に役に立つものとして拝見させていただきました。
最初のスライドではなくて、後ろの文章のほうなのですけれども、質問してもよろしいでしょうか。
○小野部会長 どうぞ。
○清水委員 一番最後の25ページから26ページにかけてなのですが「マル5 MRIを用いた評価」という項目があって、その中に出てくる用語の意味を確認できればと思って質問させていただきます。その中に「検者」という言葉と「使用者」という言葉と「解析者」という言葉と、それから「評価者」という四つの言葉があるのですが、これは意味を使い分けられておられるのでしょうか。もしそうであれば、それぞれの意味を教えていただけますでしょうか。
○小野部会長 事務局、いかがでしょうか。
岡本委員、お願いします。
○岡本委員 すみません。国立衛研の岡本です。半月板の評価指標の作成の際の事務局を担当しておりましたので、私から説明させていただきます。
今、先生が質問されたところは、25ページのMRIの。
○清水委員 もう一度繰り返します。小項目のiの中に「検者内・検者間信頼性」という「検者」という言葉と、それから、項目ivの「ソフトウェア使用者」の「使用者」と、同じ項目の中に「解析者」というものがありますが、その「解析者」と、それから、一番最後の「v.評価方法」にあります「評価者」という言葉なのですが、これはそれぞれ違う意味を持っている言葉として使われているのかなと思って拝見させていただいていたのですが、意味がよく分からないところもあって、それで確認させていただきました。
○岡本委員 ありがとうございます。
「検者」は撮像する人、お医者さんとかを含めた人を想定しておりまして、あと、ソフトウェアの審査が、恐らく医師でない方が解析するときには画像処理とかを実施しているのではないかということでこのような記載にしております。最後の「評価者」が、治験とかを実施する場合は、その先生が検査というか、結果を出すのではなくて、第三者で評価をする場合とかがありますので「評価者」という言葉で、撮像した人が解析するわけではないと考えて「評価者」という言葉を使っております。
○清水委員 そうしますと、ivのところの「使用者」と「解析者」は、まず、これは同じ意味でよろしいでしょうか。
また、ivの中に「解析者」という言葉があるのですが、これは非医師、医師でない方を想定したソフトウェアの使用者と同じ意味でしょうか。
○岡本委員 すみません。ソフトウェアを使って解析する人が誰になるかまでは確定はしていないのですけれども、それを使って解析処理をする人は「解析者」という言葉を使ったと認識しております。
○清水委員 それで、同じ段落に「検者内・検者間信頼性」と書いてあるのですが、先ほどの御説明では医師が検者に相当するということで、今、決まっていない解析者が高いレベルにあることを求めていることになります。その上で、医師の信頼性を指標とするというのは何か矛盾しているような聞こえ方もするのですが、この辺り、後でも結構ですので、言葉を少し整理されたほうがいいのではないかと思われます。
同じ話が、先ほど外部の方が評価するというのはよろしいかと思うのですが、外部の方が評価することによって評価者のバイアス、その方自身のバイアスが低減する話も何かすっと入りづらい文章に感じました。この辺りのことを、文章を読まれて開発する方等が実験の計画等も立てられるかと思いますので、もう少し、この分野に、よく慣れている方はこの文章で多分分かるのだと思うのですけれども、そうでない方にも分かりやすいような表現にされるといいのかなと思いました。
私からは以上ですが、何か御回答いただけるならお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○小野部会長 いかがでしょうか。岡本先生、お願いいたします。
○岡本委員 衛研の岡本です。清水先生、ありがとうございます。
委員にも意見を聞いて、もうちょっと全体を分かりやすい感じで記載ができないかというところは検討させていただきます。
○小野部会長 ありがとうございます。
清水委員、私から少し岡本委員の回答に追加いたしますと「検者内・検者間信頼性」というものは一つの決まった用語になります。英語で言うと、要するにIntra-observerとInter-observer reliabilityという言葉になるのですが、この検者は評価者でもあり、解析者でもあり、誰でもいいのですけれども、あるソフトウェアで解析して、一人の検者が3回解析して、その3回の解析のばらつきがあるかないかというのが検者内、Intra-observerで、三人の検者がいて、三人が解析したときに三人の解析結果のばらつきが少ないのが一般的にInter-observer varianceなのですけれども、言ってしまうと、Varianceが小さいということはReliabilityが高いということなので、これは決まった用語になります。
ですので、あとは「評価者」と「解析者」がどういうことを意味するのかが明確になれば今の清水委員の疑問は解けるのではないかと感じました。
以上、追加でございます。
○清水委員 どうもありがとうございました。よく分かりました。
○小野部会長 ほかに御質問はございますでしょうか。
永井委員、お願いいたします。
○永井委員 確認です。臨床試験の部分で外部対象にすることは好ましくないとなっており、確かに外部対象にすると何が何だか分からなくなります。こうした整形外科手術の場合、ダブルブラインドにするのは難しいので、Shamではなくて、コンカレントなコントロールで現在の治療法に対する上乗せ効果を評価・証明しなさいと読めばいいのでしょうか。
○小野部会長 事務局からお答えできますか。では、岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 国立衛研の岡本です。
今、詳しいところまで私の判断で言えないのですけれども、そのように考えております。先生がおっしゃっていたような意味で捉えております。
○永井委員 分かりました。ありがとうございます。
○小野部会長 ありがとうございます。
では、ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに意見がなければ、これについては議題1を終了したいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 それでは、以後の議論は非公開とさせていただきます。
このまま非公開案件の議題の審議を進めさせていただければと思います。
部会長、よろしくお願いいたします。
○小野部会長 それでは、議題2「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」に入ります。まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題2につきまして、資料2に基づき御説明させていただきます。
既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には「いずれのクラス分類に該当するか」について、また「その保守管理に専門的な知識を要するものとして、特定保守管理医療機器に指定するか否か」について御審議いただいております。
初めに、今回、一般的名称新設に至った背景となる製品について御説明いたします。資料の2ページを御覧ください。
表の4項、使用目的又は効果の欄にございますように、本品は冠動脈バイパス術における冠動脈等の吻合において、縫合糸を結さつすることを目的とするクリップ状の医療機器でございます。
2ページの下部に外観図をお示ししておりますが、本品はおよそ1~2mmほどのチタン製のクリップとそれを留置するためのアプライヤから構成されるデバイスでございます。
それでは、資料1ページに戻りまして、今回新設する一般的名称(案)についてを御覧ください。
今回新設予定の一般的名称は「心臓・中心循環系用結さつ器」でございます。また、その定義は「心臓又は中心循環系の血管を縫合する場合に、縫合糸の結さつに用いる金属製の植込み型器具をいう(ただし、人工弁や人工弁輪を自己弁輪部に縫合する場合は除く)。器具を留置するためのアプライヤ等の器具を含む場合もある」でございます。
また、本一般的名称は、クラスIV、高度管理医療機器に分類されるものと考えております。また、特定保守管理医療機器には該当しないものと判断しております。
こちらに類似する既存の一般的名称といたしましては、下の参考にお示ししております「人工心臓弁結さつ器」がございますが、先ほど御説明いたしましたように、本品の適応対象に鑑みますと、こちらの一般的名称には該当しないものと判断いたしまして、今回、一般的名称を新設することといたしました。
御説明は以上でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○小野部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、委員の皆様方から御意見・御質問等はございますでしょうか。
○松宮委員 松宮ですが、よろしいでしょうか。
○小野部会長 お願いいたします。
○松宮委員 この「中心循環系」という言葉はあまり一般的に使われない用語だと思うのですけれども、これは何か英語のそういった名称から来ているのでしょうか。あるいは末梢循環には使わないという意味で中心循環と言っているのでしょうか。
○小野部会長 それでは、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問、どうもありがとうございます。
こちらの「中心循環系」という用語につきましては、こちらの日本の一般的名称のルールを引用しておりますGHTFで用いられている表現を用いているものでございます。御理解のとおり、末梢の血管ではなく中心循環系として、例えば心臓などの血管に用いることを意図している表現でございます。
○小野部会長 では、私から追加の質問ですが、そうすると、心臓に入る大静脈とか、心臓から出る大動脈を対象にしている。もう少し具体的に表現しますと、それが中心循環系になりますでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えいたします。
先ほど申し上げましたように、IMDRFの文章の中で中心循環系にどのような血管が含まれるかが記載されておりまして、例えば肺静脈、肺動脈、冠動脈、頸動脈、脳動脈、大動脈などが明確に書かれている状況でございます。
○小野部会長 これですと、よく分かるのではないかと思います。松宮委員、よろしいでしょうか。
○松宮委員 中心循環系の血管を結さつするのですけれども「血管」を入れたほうが分かりやすいような気がしますが、いかがでしょうか。
○小野部会長 では、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
こちらのルール上につきましては、この「中心循環系」という用語の中に、その定義の中で血管という定義の包含関係になっておりますので、一応、用語上は「中心循環系」と書くとそこに含まれる、血管も包含するものという運用としてございます。
御指摘のように、確かに「血管」という表現があったほうが分かりやすいという御指摘はごもっともかと思いますが、ほかの一般的名称との整合という観点でも、こちらの名称でいかがかと考えております。
○松宮委員 分かりました。
○小野部会長 ありがとうございます。ほかに御質問・御意見はございますでしょうか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。教えていただきたいのは、この一般名称の定義の中に「金属」と規定しているわけですけれども、非金属のものも今後想定されるのか。パーツ等を含めてですが、そのときには「非金属」という言い方でまた別枠としてつくったほうがよろしいのかということでお聞きしたのですが、それでよろしいでしょうか。
○小野部会長 では、事務局からお願いいたします。
○事務局 御質問、どうもありがとうございます。
現状開発されているデバイスとしては、こういった金属製のものが開発されてきているということで提示させていただいたところでございます。
一方で、御指摘のように、金属以外の原材料を使ったデバイスも今後開発される可能性は否定できないと考えております。その場合には、この一般的名称の定義を変更したりとか、そういったことで対応することを考えております。
○宮川委員 ありがとうございます。
○小野部会長 ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決を行いたいと思います。
「心臓・中心循環系用結さつ器」を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないということでよろしいでしょうか。御異議のある委員の方は挙手または御発言をお願いいたします。
特には御異議のある委員の方はいらっしゃらないということですので、そのように議決いたします。なお、本件は、審議会にて文書報告を行うこととなっております。以上で議題2を終了いたします。
本日の議題は以上となりますが、事務局より、その他連絡事項はありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 委員の先生方におかれましては、本日は御多忙の中、医療機器・体外診断薬部会に御参加いただきまして誠にありがとうございます。
次回の部会でございますが、12月25日水曜日18時からを予定しておりますが、詳細につきましては後日、またメールで御連絡をさせていただきます。年の瀬が迫った中、お手数でございますけれども、よろしくお願い申し上げます。
連絡事項は以上でございます。
○小野部会長 それでは、これをもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会いたします。本日はありがとうございました。今年度最短でございます。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。
照会先
医薬局
医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 冨田(内線4226)



