2025年1月30日 令和6年度第2回中央職業能力開発促進協議会議事録

人材開発統括官付訓練企画室

日時

令和7年1月30日(木)10:00~

場所

中央合同庁舎第5号館  専用第21会議室

議題

  1. (1)令和6年度第1回地域職業能力開発促進協議会における協議状況について
  2. (2)各地域における取組事例について
  3. (3)令和7年度全国職業訓練実施計画(案)について
  4. (4)今後の人材ニーズに関する関係省庁からの報告
  5. (5)その他

議事

○藤村座長 皆さん、おはようございます。ただいまから「令和6年度第2回中央職業能力開発促進協議会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の協議会は、対面形式とオンライン形式を組み合わせて開催いたします。また、傍聴を希望される方々には全て公開としております。本協議会冒頭の撮影を御希望の場合は、人材開発統括官からの開会挨拶までとさせていただきます。
 本日は、委員のうち、上市構成員、猪尾構成員が欠席されております。その他の委員には御出席いただいております。また、清田構成員、河原構成員、堀構成員については、オンラインにより御出席いただいております。政府からは厚生労働省に加えまして、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省が出席、オブザーバーとして4団体に出席いただいております。
 それでは、まず始めに掘井人材開発統括官から御挨拶をお願いいたします。
○堀井人材開発統括官 おはようございます。人材開発統括官の掘井でございます。声が二重に聞こえて少しやりにくいのですが、本日は委員の皆様、大変お忙しい中、この中央職業能力開発協議会に御参集を頂きましたこと、また、日頃より人材開発行政に御理解、御協力を賜っておりますこと、改めてお礼を申し上げたいと思います。
 さて、本日は令和6年度の第2回目の中央協議会ということになりますが、テーマといたしましては、昨年10月の第1回の中央協議会の後、11月に掛けまして、全国の47都道府県におきまして地域協議会が開催されました。その中で、ワーキンググループによる訓練効果の検証を踏まえた改善の促進策、こういったことが御議論をされたということですので、本日の協議会におきましては、まずその一部について資料などを基に御説明したいと思っております。また、前回の会議で御意見を頂戴いたしました全国職業訓練実施計画策定方針、これを踏まえまして来年度の方針案、計画案を用意しているところです。本日は、この計画案についての協議をお願いさせていただくということになっております。本日の会議の終了後、各地域におきまして、また協議会を開催していただきまして、前回の地域協議会における協議内容、そして、本日の皆様方による今回の中央協議会における議論、こういったことを踏まえまして、各地域におきまして来年度の地域の計画を策定していただくということになります。このような形で、各地域のニーズを踏まえた訓練が実施されるということになっていることを期待してです。
 引き続き、今後とも中央と地域の協議会、これを緊密に連携をさせて、地域における職業訓練、職業能力開発が発展していくようにしていきたいと考えております。
 また、来年度の関連で、幾つか申し上げたいと思うのですが、これは第1回目の協議会で、京都の河島構成員のほうからもちょっとお話が出たことにも絡むのですけれども、地方の交付金についてです。令和6年度の補正予算及び令和7年度の当初予算案におきまして「新しい地方経済・生活環境創生交付金」、これは「第2世代交付金」という形でも言っておりますが、この内容が盛り込まれています。そして、募集期間が1月17日から2月6日までの期間で募集をされていると承知をしています。この内容につきましては「地方創生2.0」の基本構想の5本柱というのがあるのですが、この中の1つとして、「安心して働き暮らせる地方の生活環境の創生」という柱が掲げられています。それで、1月28日に当初の政策統括官から、地方自治体の御担当の方々にも通知を発送させていただいております。これは事務連絡ということで発出させていただいているのですが、この中に地方創生A施策を推進するための取組といたしまして、人手不足企業と多様な人材のマッチング支援、地域で必要とされる人材確保のためのリスキリング支援というのが例示されているという状況になっています。地方創生施策を推進していくと、これは大変重要なのですが、地域のリスキリングの支援策、こういったものを活用して、そして本交付金の対象となり得る可能性があるということを御認識いただいて各地域で御活用していただければいいなと考えておりますので、この周知啓発を引き続き図っていきたいと考えています。
 また、前回の会議でも御報告させていただいたのですが、来年度、各都道府県におきましても様々なイベントをはじめとした周知啓発、人材開発、こういったものの意義を伝える、そういった行事もされることになると思います。そのような過程で、2028年に技能五輪の国際大会が21年ぶりに日本で開催されるということが決まったという御報告をさせていただきましたが、各都道府県におきまして、いろいろな形での展開をしていただく際に、この技能五輪、こういったことの周知、併せて技能士の知名度、社会的評価の向上、要は技能の重要性や、ものづくりなどに携わる、そういったことの意義、こういったものも併せて周知していただき、当然のことながら、今そういった仕事に就いておられる方々の処遇の改善を図っていくと。若い、特に子供たちがこういったことに目を向けて、やりがいをもって、こういった道を選んでいただくというきっかけになっていただければいいと考えています。せっかく、日本で久しぶりに開催するということが決まりましたので、こういう形で進めていきたいということにも意を用いておきたいと思います。ですので、是非、そういったことにも御協力を賜われれば有難いと思っています。
 本日は様々なお立場から、御見識から幅広い御議論を頂ければ有難いと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○藤村座長 どうもありがとうございました。それでは、議題に入ります前に、本日の注意事項につきまして事務局より御説明をお願いいたします。
○渡邉人材開発統括官付訓練企画室長補佐 まず冒頭、本日マイクトラブルがありまして申し訳ございませんでした。今、二重音声のほうも解消されたようですので、このまま進めさせていただければと思います。事務局から、事務連絡をさせていただきます。
 報道関係者の方々の撮影は、ここまでとなりますので、よろしくお願いいたします。構成員の皆様におかれましては、御発言を希望される場合は、会場内の方は挙手で、オンライン参加の方はZoomの「手を挙げる」機能により意思表示をしていただき、座長から指名された後に、会場の方はお手元のマイクのボタンを押してから御発言をお願いいたします。また、オンライン参加の方におかれては、Zoom接続、音声等に問題が生じたとき、事前送付しましたマニュアルに沿って、その旨をチャット機能か、メール若しくは電話で御連絡をお願いします。
○藤村座長 それでは、議事に入りたいと思います。まずは、議題1の「令和6年度第1回地域職業能力開発促進協議会における協議状況」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 では、資料1に基づいて御説明したいと思います。資料1をお願いいたします。資料1は、昨年10月2日の第1回中央協議会の開催の後に各地域で開催された協議会の状況をまとめたものになります。去年の10月から11月にかけて全都道府県において開催していただいております。「主な協議内容」ほかについては、次のページ以降の資料にまとめております。
 次のページは別添1-1、そして1-2と続きますが、具体的な協議内容として頂戴した意見と、その対応方針を分野ごとにまとめております。別添1-1はデジタル分野関係、別添1-2は介護分野関係とその他の形でくくっております。別添1-2の「その他」の所を御紹介します。神奈川県では、委託訓練の受講申込者数や受講者数が減少していることへの対応に関する御意見が上がっておりました。対応方針としては、訓練内容が類似の求職者支援訓練と比べて委託訓練は募集申込締切日から訓練開始までの期間が長い傾向があるので、その短縮に向けて、労働局と県が検討を進めるといったことが挙げられております。
 続く静岡県については、ハロートレーニングの一層の広報を図ることについて、そして香川県については、四国4県と比べて障害者訓練の受講人数が少なく、ニーズを把握して適切に対応してほしいこと。そして、地域計画の本部には、障害者訓練についての記載はあるものの、計画の別添にしている計画表の中に示されていないことから、文章だけでなく訓練計画数をほかの種類の訓練と同じように表で示してほしいといった御意見を頂戴しております。これを受けて、しかるべく追記する方向で検討対応することとなっております。
 続く別添2と別添3-1、別添3-3については、協議会の下に設けられたワーキンググループについてまとめたものになります。この別添2の上に掲げた「目的」の所にあるように、ワーキンググループは効果的な訓練実施のため、個別の訓練コースについて訓練修了者等へのヒアリングを行って、訓練効果を把握・検証して改善につなげていくためのものです。このページでは、今年度の実施状況を各地域が選定した対象分野ごとにまとめたものになります。
 ページの半分から下には、中央と地域の協議会、そしてワーキンググループの関係を時系列にまとめております。本日のような、年始めの中央協議会を受けて開催いただく各地域の協議会において、翌年度の訓練実施計画の策定がなされるとともに、ワーキンググループで行う効果検証の対象となる訓練分野が選定されることになります。そして、年度が開けて翌年度の前半に、ワーキンググループにおいては、ヒアリングや改善促進策の検討が行われて、そして、秋の地域協議会に報告を行う。それを当該年度2回目の中央協議会に報告する、そういった流れとなっております。
 地域からの報告の概要をまとめたものが、別添3-1以降の資料になります。幾つかピックアップして御紹介しますと、別添3-1は、デジタル分野のヒアリングのうち、ページ上段の「訓練実施機関」から福島県のものを取り上げてみると、発達障害やメンタル的な疾患のある方の対応に苦慮しており、支援のネットワーク形成が不十分であるといったものがありました。これを受けた改善策が右側になります。このようなケースでは、一般的にハローワークが自治体の福祉部門と連携していることが多いので、ハローワークから訓練実施機関へ、障害者の支援機関を案内して、その当該機関と相談しながら対処する、そういったこととされております。
 ページの中段の「訓練修了生採用企業」から石川県を取上げますと、求人応募するときに、訓練カリキュラムを提示するよう、受講者に指導したらどうかと、そういった御意見を頂戴しております。これを受けて右側ですが、ハローワークなどから、その旨を受講者へ勧奨することとされました。
 なお、念のために申し上げますが、今回の資料をピックアップいたしました訓練修了生へのヒアリングの回答には、障害者であることをオープンにしている方は含まれておりません。
 このページの下段の「訓練修了者」からは、山形県の例として、デジタル分野の訓練について行けなかった、講義と実習のバランスが悪いといった御意見を頂ました。改善案としては、詳細な訓練情報をハローワークで行う説明会などに盛り込むこととされております。
 続いて、別添3-2においては、こちらは介護・医療・福祉分野のヒアリング結果です。幾つか御紹介いたしますと、「実施機関」の御意見として、群馬県では、「定住外国人に特化した介護訓練コース」のニーズがあるのではと、そういった御意見がありました。その対応として、上から2番目の箱にありますように、ニーズを踏まえて実施を検討することとなっております。「訓練修了生採用企業」からの意見としては、鹿児島県の例を取上げると、介護の訓練や授業と現場とでは温度感が大きく異なることから、受講生に対して現場の様子を伝えることの重要性についての御意見を頂戴しております。改善案として、介護事業者による説明会などで介護業界のイメージアップ、現場の仕事理解を促すとあります。
 これについて、中央協議会の事務当局としては、業界のイメージアップももちろん大切ですけれども、プラスアルファの取組として、介護分野の訓練はカリキュラムに職場見学や実習を盛り込むことを、奨励金や委託費の上乗せを行うことで進めているところです。訓練を通じて、仕事の第一線を知ることができるような取組を通じて進めていくことが重要だというふうに考えております。
 次のページ、別添3-3は、営業・販売・事務分野についてです。「訓練実施機関」へのヒアリングで3番目の愛媛県では、疾患や障害特性などによって就職が困難な方が増えております。このために地域若者サポートステーションや難病の就労支援窓口からの情報提供があれば有り難いとの御意見を頂戴しております。対応としては、ハローワークで本人の御了解を得つつ、障害特性や配慮が必要な事項、御本人を支援する機関に関する情報を訓練機関にも共有すること。そして、支援機関と連携して訓練の受講や就職活動を支援する方向で対応することとされております。
 訓練修了者に対するヒアリングでは、一番下の茨城県からですが、年齢と経験不足による不採用が続いたので、訓練実施機関による習得スキルの証明があればよかったと、そういう御回答、御意見を頂戴しております。その対応として、茨城県では、ハローワークから受講者本人に対して、ジョブ・カードの活用によるメリットを説明して、ジョブ・カードを応募書類として活用していただくといった方向とされております。
 こちらについて、中央協議会事務局としては、これに加えて、ジョブ・カードの活用についてハローワークから訓練実施機関に対する働きかけを行うことも有効だと考えております。具体的には、実施機関が行うキャリコンでのジョブ・カードの活用はもちろんのこと、職業紹介を行える訓練実施機関の場合には、ジョブ・カードで整理した内容を当該実施機関から求人事業主へアピールしていただくことなどにも取り組んでいただくようお願いしたいところです。
 続く別添4の資料です。こちらは各関係機関から地域協議会の場で情報共有がなされた例をピックアップしております。地方自治体の各部局から、地域の大学から、そして、その他の職業紹介機関から、能力開発のニーズや課題に関することや、リカレント教育という、より幅広い教育訓練に関する情報の共有をしていただいております。議題1に関する御説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○藤村座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について御質問、御意見をお願いしたいと思います。一番多かったのは、デジタル分野ということですね。よろしいでしょうかね。
 では、次の議題に行きたいと思います。議題2の「各地域における取組事例」についてです。まずは、河島構成員に、京都での取組事例について御説明いただきまして、次に、事務局から京都以外の取組事例について御説明いただくという順番で進めていきたいと思います。それでは、河島構成員、よろしくお願いします。
○河島構成員 藤村座長、ありがとうございます。それから、冒頭おっしゃっていただきました第2世代の交付金の関係、本当にありがとうございます。
 それでは、資料2に基づき、京都府の取組について御紹介をさせていただきたいと思います。まず、京都府においては、令和4年12月に京都府全体の総合計画を改定しまして、「安心」「温もり」「ゆめ実現」の3つのテーマで、具体的には8つのビジョンを動かしているところです。今回関係していますのは、8つのビジョンの1つである「誰もが活躍できる生涯現役・共生京都の実現」です。キーワードで申しますと、生涯現役、いわゆる全世代、それから共生京都、いわゆるダイバシティー、これをそれぞれ施策のベースに置きながらいろいろな取組を進めているということを最初に御説明します。その上で、まず左の「現状」と「課題」、それから「取組」という形で整理していますので御覧いただければと思います。
 まず、京都府の現状ですけれども、やはり「製造業」の割合が全国に比べて高いということ。それから、中小零細の事業所が占める割合も高い、この辺が非常に大きな特徴になっているかと思っています。それから、これは全国的な傾向かと思いますけれども、やはりこの間の人手不足、あるいは訓練のニーズの低下がありまして、京都では4つの高等技術専門校を中心に職業訓練を行っていますけれども、充足率が低下傾向にあります。また、昨今はリスキリング、リカレントといった観点から、いわゆる公的職業訓練の枠(フレーム)にとらわれない、もう少し幅広の訓練が必要ではないかと、そういう状況が出てきています。
 課題はいろいろ山積しているわけですけれども、簡単に次の3点に集約しています。1つは、京都を支える「ものづくり」、これを人材育成するという観点でいきますと、早め早めの取組が必要だということが1つです。それから2つめは、リカレントやリスキリングに代表されますように、やはり在職中の方々の訓練、先ほど生涯現役という話をしましたけれども、全世代にわたって訓練をし続ける、そういう必要性が出てきています。それから3つめは、京都府域全体での職業訓練体制の整備ということで、京都では訓練経費が約16億で、年間16,000人ほどの人材育成を図っております。数字の多寡は別にしまして、京都の就業人口は約130万人おりますので、ほんの数パーセントということです。何が言いたかったかといいますと、京都府だけではできない、いろいろなステークホルダーに関わっていただいて職業訓練全体の体系を見直す必要があるだろうと、これが大きく3つの課題です。
 その下にKPIと書いています。府立高等技術専門校、生涯現役クリエイティブセンター、京都ジョブパークと、主な訓練機関を書いていますけれども、一番下の京都ジョブパークは、基礎的な教育を施す、社会人の基礎力を身に付けていただくような非常に短期的な研修を担っているところです。それから、中ほどの生涯現役クリエイティブセンターは令和3年に立ち上げました、いわゆる初級的な基礎力を身に付けていただく、大体20時間程度の訓練をしていただくような初級対応の機関です。府立高等技術専門校は、いわゆる中級クラスの、短期であれば委託訓練等は3か月、長期でも2年間といった形で、その段階や熟度に応じて、こういった施設で訓練を実施しているという構成で行っています。
 先ほど申しました3つの課題に対しまして、具体的にどういう取組を京都全体でやっているかということで、右側です。まず1つ目、やはり早期の人材育成が必要だということで、この間非常に、小中学生から若い方に向けての周知広報の取組を強化してきています。上の所ですが、小中学生の「ものづくり体験教室」は、どこでも大規模商業施設などを活用してやっていただいているという辺りはあまり変わらないと思いますけれども、高校生のところに、「京都探求エキスポ」という、少し耳慣れないイベントを書いています。実は、京都府と京都市の府市連携事業で今年度、正に昨年12月に初めて行った事業です。説明書きをそこに書いてありますけれども、高校生たちが自ら探求の事例を研究して発表していくということで、当日、高校生は500人程度だったのですけれども、企業の方や学校関係者といった方々にも参加していただいて、延べ1,200人の方に御参加いただきました。高校生が働く、あるいは仕事という部分に触れる非常に良い機会ができたと思っていまして、是非、次年度も続けていきたいイベントだと、中では話しています。
 それから、先ほど冒頭、人材開発統括官からも話がありましたけれども、伝統産業の職人さんがたくさんいらっしゃる地域でもあり、やはり技能士の方々の評価、社会的な部分での認識向上という部分が、やはり京都も非常に大きな課題でございます。その下に、「京都ものづくりフェア2024」と書いてありますけれども、実は昭和56年度から毎年実施していまして、今年度が44回になります。畳職人さん、室内装飾、あるいは管工事、左官の方、あるいは塗装の関係、技能士を中心に職人さんの仕事を小さいお子さんたちも体験して学べる機会ということで、非常に地味な取組ではあるのですけれども、私も前から参加させていただいて、いつも感心するのですけれども、本当に小さいお子さんたちが目を輝かせながら学校教育だけでは味わえない異空間の体験をされているというのは、本当にとても良い機会だと思っています。課題としては、そのときの熱い気持ちがどれだけ継続して与え続けられるかなというところかなと思っています。
 その下に、「京都学びフェスタ2024」と書かせていただいております。先ほどの「京都ものづくりフェア」と、どう違うのだというところはあるかもしれませんけれども、雑駁な説明をしますと、「ものづくりフェア」は、これまでの職人さん、技能士さん、あるいは伝統工芸の枠と若い人たちをつなぎ合わせるというイベントであることに対して、「学びフェスタ」というのは、今どきの「ものづくり」の体験もあるのですけれども、ITやDX、あるいはAR、VRといった新しい今どきの体験もしていただけるという立て付けです。これは昨年度から実施していまして、今年度も5,000人の方にお越しいただいたということです。いずれにしましても、ものづくりフェア、学びフェスタなどのイベントなどを行いながら、早い段階から仕事や、その中身について関心を持っていただく取組を進めているところです。
 2つ目、いわゆる在職者訓練です。これも、いろいろな自治体が実施していますように、オーダーメイド型の在職者訓練や実施計画数を増やすなどの取組は当然のことながらしています。最近、特に力を入れていますのは、デジタルコンテンツを活用した学びなおしの推進という形で、やはり在職者の方は時間的にも、場所的な制約も非常に多いので気軽に空き時間を通じて学びなおしをしてもらえるように、少し入門的な研修ということで、KYO育tv.というオンラインコンテンツを提供しているところです。少し在職者の方の学びという部分の入口のハードルを下げる1つの方法として、こういう取組をしています。
 それから、リカレント、リスキリングを京都全体で進めるという形で、現在約70の様々なステークホルダーに入っていただいて「京都府リカレント教育推進機構」というのを設置しています。地元の訓練機関の労働局、機構や大学等にも参加していただいたところですけれども、ここを中心に、学びなおしの取組を京都全体に波及させていくという取組も進めているところです。
 次は、ある意味、一番時間もかかる中長期的な課題の職業訓練体制の整備です。今、様々なカリキュラムの改善なども絶えず見直しを行いながら進めているところです。在職者訓練に向けてできること、この会議の場でも何度か話に加わりましたけれども、求職者の方に訓練の中身をしっかりと御説明するには、やはりそれを御案内する窓口職員の理解、あるいは知識を絶えずリバイスしていかなければいけないといった観点で、私どもも、労働局や機構と連携させていただいて、毎月1回程度、絶えずいろいろな訓練の中身について意見交換、あるいは学ぶ研修会などを実施し、そういった窓口の充実、適切な訓練への誘導という部分での能力を高めていこうと考えているところです。いろいろなセクターが、いろいろな訓練を実施されています。この2つ目に、「情報を集約し、提供できる仕組みを構築」と書いているのですけれども、これは何かと言いますと、いろいろなステークホルダーが、いろいろな訓練を実施されていますので、これを一元的に集めたポータルサイトを作っています。我々は「リカレントナビ」としていますけれども、まだまだ今は公的な機関を中心の情報提供にとどまっていますが、33団体に、1,373ぐらいの講座をここで御覧になっていただくという形で、民間の機関、教育訓練機関も含めて少し大きな枠組みの中で訓練ということを捉えていく、そういう試みも進めているところです。
 いずれにしましても、京都だけではないのですけれども、全体的に人材確保、定着に向けての取組が非常に重要ですし、一方で、それぞれの持ち合わせのリソースというのは限界がございます。それぞれが、それぞれに縦割り別々にやるのではなくて、そういうリソースを修練させて、ワンストップで取組を推進していくための、京都ではそういったような、場合によっては組織的な、統合的な推進母体というものも検討していくべしという話になっています。ここに、労働局や機構にも御参画いただいて、大きなフレームの中で、中長期的な課題ではありますけれども、中長期的な部分に関しては、そういった組織の改編も見据えて取組を進めているところです。雑駁な説明でございましたけれども、京都府からは以上です。
○藤村座長 ありがとうございました。では、京都府以外の取組をお願いいたします。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 続きまして、私からは、青森と秋田の例を御紹介いたします。まず青森につきましては、訓練修了者の就職希望地を調べることで、求人の賃金水準の改善への取組につなげたいという取組をまとめております。図の左側には、今申し上げた訓練終了者に対する調査の結果を載せてあります。調査結果としては、県外就職を希望する理由に、「仕事内容」に次いで「賃金」が挙がっています。補足になりますが、このときの調査で、県外就職を希望した方の割合は、全体の2割でした。また、県内就職希望者につきましても、県内の標準的な賃金ライン以上の額を希望していることが判明いたしました。この結果を用いて、労働局から事業主に対して、賃金設定の重要性を説明し、関連求人の賃金水準の改善をアピールできたという効果は得られたとするものです。
 右側は、営業・販売・事務に係る従業員を採用するときに重視する技能について、企業に対してアンケートを行い、把握した取組になります。結果としては、ほぼ全ての業種においてパソコン技能が必要との回答が得られたとのことです。本結果を基に、当該分野への受講あっせんを積極的に進めることができたとの報告をいただいております。
 続いて、秋田の例です。こちらは、求職者及び介護施設等事業所にアンケートを行い、介護関係の訓練を高齢の方が受講することの意義について把握したものであります。全国で最も人口減少や高齢化率が高い県であることから、介護分野の求人ニーズが高いとの意見を地域協議会で頂いておりました。これを受けて、未経験の方の当該分野への就業可能性や、高齢の求職者の就業可能性につきまして、求職者と介護施設側の意識を調べるためにアンケートを行うに至ったとのお話です。求職者への調査結果といたしまして、50歳以上の介護職未経験の方の約半数の回答が、短時間パートが可能であれば就職先として介護関係の仕事を検討するとのことでした。企業調査の結果では、65%以上の事業所からは、60歳以上の未経験者でも訓練終了後ならば介護職での採用可能性ありという回答を頂きました。また、8割以上の事業所は60歳以上の未敬験者でも、個々の能力や体力によっては採用可能性ありという回答を頂いたところです。これを踏まえて、シルバー人材センターと連携しながら、当該分野の訓練受講に取り組むこと。また、令和7年度には、職場実習を含む訓練を進めていくこと。介護分野の幅広い職務内容を学べるコース設定を検討すること。また、ハローワークの介護人材確保事業と連携しながら、秋田県の認証を受けた事業所からロールモデルとなる事例を収集し、介護分野のイメージアップを進めていく等、更なる取組を御検討いただいているところです。
 議題2の説明は以上になりますが、この場を借りて1つ申し上げさせていただきたいことがあります。前回の中央協議会におきまして、各地域で行われる訓練の評価などを数字的なエビデンスを活用して実施していただけるように、本省のほうから分析事例を地方へお示しするつもりであるとお伝えしておりました。各地域において、積極的に取り組んでいだけるように分析事例のみではなく、その分析の過程におけるデータの扱い方などをチュートリアル的にまとめたものを現在は作成中で、もうすぐお示しできると考えております。以上、第1回中央協議会での宿題になっていたことについての現状を、この場を借りて申し上げさせていだきました。以上になります。よろしくお願いします。
○藤村座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 私から、河島さんにお伺いしたいのですが、京都は、日本海側と、いわゆる京都市を中心とした南部とはだいぶ状況が違うように思うのですが、その辺りの地域差はいかがですか。
○河島構成員 これは、いろいろな見方があろうかなと思います。私の個人的な感覚ということで、お断りさせていただければ大変有り難いのですが。実は、私も北部の舞鶴という所の出身で、ある程度、北部の状況は分かっているつもりです。京都市内の産業構造上は、例えば観光関連産業、今時ですと半導体関連のいろいろな素材産業等が中心です。それに対して北部は、いわゆる自動車の部品製造系などの会社などが集積している部分があります。例えば今どきの話でいきますと、技能実習生などの外国人の数も、地域の人口にして割合が高くなってきています。これは、南部の市町村などでも一部見られる傾向ではあるのですが、産業構造上、その割合の部分はあるにせよ、例えば北部であれば観光業も当然、宮津という所に天橋立という日本三景の1つがありますし、今、京都にはどんどんインバウンドの方がたくさん来られております。京都市内だけでなく、もう少し足を伸ばして京都の北部に行かれる方々を吸収するための観光産業というものもあって、ロット感はもちろん違うのですが、産業構造的にはそれほど大きな違いがあるのかなというのは個人的な部分で思っております。
○藤村座長 ありがとうございます。各都道府県、県庁所在地と、それ以外との地域差は相当あるように思いますので、その辺りをどういうふうに勘案しながら、この取組をやっていらっしゃるかという、それぞれに非常に参考になる部分もあるかと思います。よろしいですか。山脇さん、どうぞ。
○山脇構成員 連合の山脇です。それぞれの地域の事例を御紹介いただきありがとうございます。各地域で、工夫されて取り組まれていることが改めてよく分かりました。この議題2を設けていることの意義としては、各地域の好事例や、改善促進策を地方で紹介することを通じて、他の地域にも水平展開してもらいたいということだと思います。そういう意味では、大変いい事例も多いので、事例を紹介して終わりとするのではなく、いかに各地域に落とし込んでいただけるかが重要と考えます。それぞれの地域が持っている課題が違うことはありますが、やはり先ほど藤村先生からあったように、同じ県の中でも、場合によっては地域ごとに差もあろうかと思いますので、県の中でも特殊な地域については、他県の事例が参考になることも多いのではないでしょうか。是非、各地域でも、好事例として今、御紹介いただいたものも含めて、自分の組織にどう展開できるのかということを深掘りして是非検討していただきたいと思います。例えば、各地域協議会において、好事例を必ず取り込むことではなく、取り込めるのかどうかを検討してもらってはどうでしょうか。検討を行い、それをどう反映したということを中央に報告してもらうことも1つの手立てだと思いますので、今後に向けて検討いただけないかと思います。以上です。
○藤村座長 事例を集めて、地方にパッと示して終わりではなくてということですね。そこから、どういうことを各地方で学べて、こういうふうに活かしたというところまで持っていっていただければ一番いいという。これは、多分に担当者の熱意というところがありますよね。分かりました。ありがとうございます。そのほか、ございますか。平田さん、どうぞ。
○平田構成員 御説明ありがとうございました。今の山脇さんの意見と似ているところもあるのですが、御紹介いただいた各地域の取組を見ると、例えば、秋田の高齢化という事例は、ほかの地域でも使えるのかもしれません。それから、新潟でDX人材に有効とされているものが明らかになったといっても、新潟特有のDXではなく、全国的に有効なものなのかなと思っております。
 滋賀での、バスを使ったPRは全国で参考にできるのではないか。全国共通の課題であるということであれば、こちら側からの発信もあってもいいのかなと思います。
 青森の事例で、結果的に募集賃金が低いからマッチングしないという話のような気はするのですが、これは別に、この取組がなくても、もしかしたらハローワークが把握していたのではないでしょうか。そういう意味では、人材開発行政と、職業安定行政との連携も必要なのではないかなと思いますので、回答は特に求めませんが、意見として申し上げておきたいと思います。以上です。
○藤村座長 分かりました。回答は求めないということですが、事務局から何かありますか。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 アドバイスありがとうございます。御意見頂戴いたしましたように、今回取りまとめた事例について、この場で紹介して終わりではなく、これを参考にしながら、各地域がそれぞれ紹介して、自分たちの取組として進めていただくのは非常に大事だと思っております。我々としましても、様々なレベルで、労働局、例えば現地に行って視察したり、ヒアリングしたり、来月には労働局長会議、職業安定部長会議等の場もありますので、あらゆる機会を使い、今お話いただいたようなことを伝えて、地域で自分の血と肉として扱っていただいて取り組んでいただけるように進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○藤村座長 そのほか、ありますか。北村さん、どうぞ。
○北村構成員 全産能連の北村です。今のお話のように、私自身も、このせっかくの好事例の所を活用の方法はないのかなと、中央で具体例としてペーパーベース議事録が出るだけではなくてという気がしております。是非、今の河島委員のような御説明を聞いていますと、ハローワークはやはり少しばらつきがあったり、そんなことは多分ないようにいろんな研修をされているのですが、御指摘のような一番最後にあった職員の質の向上を図って、月1、2回定期的な研修をされていると。こういったところの事例も共有されながら、今御説明いただいただけでも、かなり、そうなんだと納得ができたりしますので、中央の委員会で御報告いただくこともそうですし、ペーパー議事録で出すこともそうですが、今の時代ですので、できればWebで報告いただいて全国で共有できたりしますので、そんなメインのイベントを企画いただいて組み入れていただくことができると、全国の好事例を共有できて、かつ、また展開できていくと思います。是非、よろしくお願いします。
○藤村座長 ありがとうございます。具体的なやり方を御提案いただき、ありがとうございます。そのほか、よろしいですか。堀さん、どうぞ。
○堀構成員 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。地域の協議会につきましては活発な取組が進んでいるようで、今いろんな御意見も出ましたが、法定化した効果がだんだん表れてきているのではないかなと思います。河島委員に教えていただきたいのですが、京都府は、大変様々な取組があるわけですが、先ほど御紹介いただきました京都府リカレント教育推進機構と、この地域の協議会は、また異なるものなのでしょうか。教えていただければ有り難いと存じます。よろしくお願いいたします。
○藤村座長 河島さん、聞こえましたか。
○河島構成員 地域の協議会と、リカレント教育推進機構との関係性ですか。
○堀構成員 はい。これは、また協議会とは別に設置されているように見えるのですが、どのような違いがあるのかということについて教えていただけますか。
○河島構成員 京都におきましては、地域協議会は、主に公的職業訓練のフレームの中で議論をしております。その枠に収まらない部分も含めて、リカレント教育推進機構で話をしております。こんな言い方をしたら、もしかしたら語弊があるかもしれませんが、例えば労働局にしても機構にしても、いずれも両方の会議に入っていただいていますし、私自身も参加しております。全く別のものが別々の思いで動いているというわけではなく、相互に補完し合いながら、それぞれの検討をさせていただいている相互補完的な関係性を持っております。
○堀構成員 ありがとうございました。
○藤村座長 そのほか、ございますか。よろしいでしょうか。
 では、次の議題3に行きたいと思います。「令和7年度全国職業訓練実施計画(案)」について、まずは事務局から説明をお願いいたします。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 議題(3)について御説明申し上げます。まず、令和7年度全国職業訓練実施計画(案)そのものの御説明の前に、参考資料を使って、この計画の策定に向けた方針について確認させていただきたいと思います。参考資料4です。通しページは101ページです。
 この資料は、昨年10月開催の第1回中央協議会にて御説明したものです。ということで、おさらいですが、資料の2ページに、令和7年度計画策定方針を示しております。この資料は、左側に現在の課題である4つの課題を並べて、右側にそれぞれの課題に対する現状を踏まえた来年度の実施方針を並べております。
 まず、1つ目の課題としては、応募倍率が低くて就職率が高い訓練分野がありました。具体的には、「介護・医療・福祉分野」です。右側ですが、こちらの来年度の公共職業訓練の実施方針ですが、Aとして、令和6年度計画に引き続き、訓練コースの内容や効果を踏まえた受講勧奨の強化を行っていくということが1つあります。もう1つは、委託訓練についての書きぶりですが、下のほうのDです。こちらも併せて実施とありますが、Dを見ると、今年度に引き続いて開講時期の柔軟化、受講を申し込んでから受講が開始される日までの期間の短縮、効果的な周知広報等、受講者数増加に向けた取組を行っていくことを、第1の課題への対応としております。
 2つ目の課題は、応募倍率が高くて就職率が低い分野として、「IT分野・デザイン分野」の訓練があるということです。こちらの実施方針としては、右側のBですが、今年度に引き続いて、求人ニーズに即した効果的な訓練内容であるかどうかの検討を行うことです。次の取組として、今年度に引き続いて、就職率向上のために、受講希望者のニーズに沿った適切な訓練を勧奨できるよう、ハローワーク窓口職員の知識の向上を図ったり、見学会の機会確保等を行うということです。また、訓練修了者の就職の機会の拡大に資するように、関連求人を取ってくるといった取組を引き続き行うこととしておりました。
 3つ目の課題としては、委託訓練の計画数と実績に乖離ありというところです。こちらについては、先ほど申し上げたDの取組に加えて、来年度は新たな取組として、就職率に加えて、訓練関連職種に就職した場合の賃金等の処遇といった観点も踏まえた求職者の希望に応じた受講あっせんを強化していくという取組をすることとしておりました。
 4つ目の課題としては、デジタル人材が質・量とも不足、都市圏偏在が課題といったところです。こちらについては、引き続きデジタル分野への重点を進め一層の設定促進が必要となっておりました。
 これらを踏まえて、次年度の実施計画(案)を、資料3-1に取りまとめています。資料3-1の構成と見直し内容を順に御説明いたします。まず、16ページの第1の総則です。第1の総則については、時期の修正を機械的に行いました。機械的に行ったのは、2の計画期間です。この計画期間以外は、現行の計画と同じ内容です。
 第2の労働市場の動向、課題等については、次ページの2です。直近の公的職業訓練をめぐる状況を含めて、機械的な時点修正を行ったところです。第3章の令和7年度の公的職業訓練の実施方針が、先ほど参考資料を利用しておさらいした内容を反映させた箇所です。資料の17ページの下段から次ページの上段にかけて、4つの課題を丸数字で並べています。現行の令和6年度計画は、この丸数字だけを並べたものでしたが、次年度の計画には、各丸数字の下にポツで現状を追記しております。
 18ページの中段以降に、上で並べた課題への対応を同じ丸数字で記載しております。内容については、先ほど参考資料にて確認した対応方針に沿ったものです。これに加えて、このページの中段ですが、「②については」の段落です。ここは、応募倍率が高くて就職率が低い「IT分野」や「デザイン分野」への対応の箇所ですが、策定方針として、今確認したものに加えて、この段落の最後に、事業主等に対して、訓練で習得できるスキル等の訓練効果の周知を行って就職機会の拡大を図るといった内容を新たに盛り込んでいます。これは、各地域の取組として、事業主へのアプローチが比較的少ないといった実態を踏まえたものです。③は委託訓練の記載です。2行目ですが、「就職率に加えて」から始まる部分について、新たに追記しています。こちらも先ほど参考資料で確認した内容です。ハローワーク窓口でのあっせんのときに、訓練関連職種に就職した後の処遇を含めた情報を提供することで、訓練マッチングや、その後の就職定着を図っていくといったことを進めていく取組です。
 最後の章の第4では、離職者・在職者・学卒者等と障害者別に項立てをして、それぞれの訓練の対象者数、目標、達成に向けた留意事項等を記載しています。構成自体は現行の計画と一緒です。それぞれの主な変更点については、資料3-2を利用して御説明いたします。
 資料3-2については、これまで御説明した部分も含めて、来年度の計画(案)における現行計画からの主な変更点を記載したものです。第4の1の離職者に対する公的職業訓練については、(1)の公共職業訓練、(2)の求職者支援訓練ともに、対象者数を変更しています。これは、最近の実績を反映させたものです。
 2の在職者に対する訓練の箇所については、生産性向上支援訓練の対象者について、3,000人分を追加する予算案を反映させた数字に変更しています。また、離職者訓練と同じように、事業主に対する訓練効果を周知する取組を在職者訓練に対しても行って、在職者訓練等の受講促進につなげることを追記しております。
 3の学卒者等の訓練については、(1)の対象者数について、総数は変えないものの専門課程と応用課程の規模を変更しています。こちらは18歳の人口動態や、応用課程への進学希望者が増加傾向であることを反映させたものです。また、(2)にあるように、「社会人の入校促進を図る」との一文を盛り込んでおります。社会人の入校促進自体は、平成10年、当時の文部省との合意等に基づいて、かねてより進めている取組で、これを明記したものです。
 4の障害者等に対する公共職業訓練の箇所については、昨年秋に試行的取組として導入した障害者委託訓練におけるPDCA評価に基づいた評価を基に訓練を計画するといった新規の取組を記載しています。加えて、「障害者職業能力開発校の在り方に関する研究会」を今月立ち上げたところですので、今後その取りまとめがなされた際には、内容に留意しつつ、取組を推進することも追記しております。以上が、来年度の実施計画の御説明です。
 最後に、資料3-3についてです。前回の協議会でお示しした速報値の実績を、確報値にしたものです。大きく変更になった所は特にありませんでしたが、数値で最も多く動いた所だけ申し上げます。28ページの左側、公共職業訓練の施設内訓練の受講者数の合計です。速報値では5,573でしたが、確報値では10少なくなり、5,563です。これが数値としては一番大きく動いた所です。以上が議題(3)の説明です。よろしくお願いいたします。
○藤村座長 ありがとうございました。ただいまの説明に対して、御質問、御意見をお願いしたいと思います。山脇さん、どうぞ。
○山脇構成員 御説明ありがとうございます。何点か発言させていただきます。1つ目は、資料の18ページで、先ほども御説明いただきましたが、IT分野、デザイン分野における就職率の向上に向けた対策の強化という点で修正がなされており、この点は大変重要だと思っております。これはIT分野、デザイン分野に限りませんが、訓練生への就職支援という観点からは、求職者個々人の特性をよく理解している訓練機関が果たすべき役割が大変大きいと思っております。
 当然、訓練機関は訓練を提供することが中心になっていることは承知しておりますが、就職支援まで一体的に行っていただくことが、より高い就職率につながるのではないかと考えております。訓練校の中には、訓練生個々人のプロフィールなどを作成しながら、個々人に合わせた最適な就職先につなげるという取組をしている所も多くあると聞いておりますので、こうした好事例の収集と、この点については委託訓練にも同様に反映できるように水平展開を御検討いただきたいと思います。
 2点目は、20ページに、介護の関係について職場実習を更に拡充していくという旨が記載されています。先に御説明いただいた別添3-2の中でも、例えば鹿児島県からは、現場の様子を積極的に伝え、カルチャーショックを軽減することが大切という意見が寄せられています。職場実習を組み込むことで、その後のミスマッチを防ぐ効果が高いというのは明らかであろうかと思いますので、介護だけではなくて他の分野にも同様に、デュアルシステムとまでは言いませんが、1日でも2日でも実習を組み込めるよう、そういったものが、より多くなるように検討いただきたいと思います。
 3点目も、先ほど御説明いただきましたが、23ページの障害者の委託訓練については、PDCAサイクルに基づいた評価を行うことが記載されており、大変よい取組であると思います。PDCAサイクルを使った評価の有用性に関しては、障害者訓練だけに限ったものではありませんので、一般の委託訓練においても同様に導入することを今後検討いただきたいと考えています。
 最後になりますが、先ほど別添3-3のヒアリングの中で、大分県の企業から、公的職業訓練の認知度が低いということで、職業訓練をしたことが求職者へのアピールにつながらないという意見がありました。これに関してですが、公共職業訓練の認知度を向上させる取組について、今回の計画にないのは構わないのですが、中央として具体的にどう取組をしていくのか考え方をお伺いしたいと思います。以上です。
○藤村座長 以上、4点ありましたが、いかがでしょうか。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 順に御回答申し上げます。まず、IT、デザイン分野に限らないけれども、訓練機関が就職支援まで行うことで、より効果的に御本人の就職活動に資するのではないかという御意見でした。こちらについては好事例の収集を行うとともに、委託訓練も含めて、まだまだ不十分な所も含めて水平展開して、より全体の底上げにつなげていきたいと思っております。
 2番目についてです。介護のみならず職場実習が非常に効果的ではないかという御意見を頂戴しております。今、介護分野の実習については、インセンティブを与えて行えるようにして進めているところですが、ほかの分野について、どこまで適用できるかという現実的な話もありますけれども、そちらについては頂いた御意見も踏まえて、ほかの分野の実習を行うことはどういうことかも含めて考えてまいりたいと思っております。
 障害者のPDCAサイクルの部分についてですが、ほかの一般の委託訓練についても行うのはどうかという御意見でした。今、障害者のPDCAサイクルとは全く形の違うものですが、地域協議会の中で訓練効果の検証で次の取組につなげるという、大まかなPDCAサイクルといった形で、委託訓練も含めて現在、地域の訓練を進めているところです。チェックの部分がどこまで機能できているかというような、恐らくそういうところも念頭に置いた御意見だったと思います。制度化されて3年度目になっておりますので、こちらとしてもチェックの部分をどこまでできるかを考えてまいりたいと思います。
 あとは、大分の事例を引いて、訓練の認知度の向上についての取組を、本省としてどう考えるかという御質問を頂戴しております。実は今、ハロートレーニングのポータルサイト、紹介サイト的なものを、我が室でも立ち上げているところですが、正直、具体的にうまく活用できていないのが実際のところです。せっかくそういうサイトも設けておりますので、まずはそういうサイトを使いながら、どのような形で広報できるかを考えてまいりたいと思います。以上です。
○藤村座長 山脇さん、よろしいですか。
○山脇構成員 全体的にはご検討いただけるということでしたので、よろしくお願いしたいと思います。1点だけ、実習の関係は、上乗せの関係で予算が必要だという趣旨だと受け止めたのですが、上乗せでやるのか、あるいは訓練機関の質の向上という観点から、たとえば、継続要件を引き上げることも含めて、単に予算化することだけが解ではないと思いますので、今後に向けて、ご検討いただければと思います。以上です。
○藤村座長 そのほか、いかがでしょうか。渡辺さんですね、どうぞ。
○渡辺構成員 資料の御説明などありがとうございました。私からは3点、意見などを申し上げさせていただきたいと思います。1点目が、デジタル分野についてです。改善傾向は見られておりますが、デジタル分野の訓練コース及び定員数に増加傾向はありますが、依然として不足している状況と思います。政府が実施する職業訓練は、全国どの地域においても受講できるよう、安定的・持続的な職業訓練機能の充実・強化を図るべきと考えており、引き続きこのような取組を着実に進めていただければと思います。
 2点目が、在職者に対する公共職業訓練等についてです。新たに、事業主に対し在職者訓練等の受講による従業員のスキル向上及び生産性向上等の訓練効果を広く周知し、在職者訓練等の受講促進を図ることを明記されるとなっているかと思います。こちらについては異存はありませんが、中小・小規模事業所は、一人が1日不在とするだけで事業活動に影響が出ることもあります。つきましては、23ページに記載されております生産性向上人材育成支援センターにおいては、幅広い分野の事業主からのデジタル人材や生産性向上に関する相談等に対応するとともに課題の解消に向けた適切な職業訓練のコーディネート等の事業主支援を実施するという点については、厚労省を中心とした他の施策・助成金の提案等も含めて、一層の充実を図っていただくようお願いしたいと思います。
 最後、3点目は全体のこととして申し上げたいと思います。中小企業における従業員の高齢化や、若年者の確保難による人手不足は、建設業や製造業、あるいは運輸業をはじめ幅広い業種に及んでおります。業界の存続に関わる大きな経営の課題ともなっております。加えて、原材料高騰等により経営が悪化する中、賃上げや労働環境の改善の余裕がない事業者も多い状況です。このような状況の中、特定の分野について一定のスキルを持つことが保証された職業訓練修了生の就職あっせんや、中小企業の従業員の能力開発の機会となるハロートレーニング(公共職業訓練)に対しては強い期待を持っておりますので、引き続き御尽力のほど、お願いいたします。以上です。
○藤村座長 ありがとうございました。3点について、いかがですか。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 まず、デジタル分野の訓練について、もっとやっていくべきだろうという御意見を頂戴しております。こちらについては、政府の目標としても一定数の目標を掲げられておりますので、その目標の達成に向けて、各地域においてデジタル分野の、事業主が実際に求める人材を排出できるような訓練の確保も重要になってくると思います。その点も踏まえた訓練コースの確保等も進めてまいりたいと思っております。
 在職者訓練については、JEEDさんから、よろしいですか。
○姫野構成員 JEEDの求職者支援訓練部の姫野でございます。よろしくお願いいたします。JEEDにおいては、全国の施設に設置しております生産性向上人材育成支援センターにおいて、事業主及び事業主団体の皆様が行います人材育成をワンストップで御支援させていただいております。具体的には、従業員の方々の能力開発に係る御相談、在職者訓練、生産性向上支援訓練の御提案、その実施、また職業訓練指導員の派遣や施設設備の貸与などを行っております。
 在職者訓練及び生産性向上支援訓練の実施に当たっては、JEEDの施設での実施だけではなくて、事業主様の希望に応じて、事業主様の事務所で実施することも可能です。在職者訓練、生産性向上支援訓練において、人材開発支援助成金の対象となる場合もありますので、そうした助成制度についても併せて御案内させていただいております。そういう形でサービスを行っておりますので、是非、御活用いただければと思っております。以上です。
○藤村座長 よろしいでしょうか。では、オンライン参加の河原さん、どうぞ。
○河原構成員 全専各連の河原です。資料3-2の第4の3の「学卒者等に対する公共職業訓練」の所で、どうしても気になったことがあります。よろしいでしょうか。専門学校の立場から申し上げますと、公共職業訓練において専門学校と同様趣旨の事業を展開されており、その意味では官民競合と言ってもよい状況だと思います。官民が上手に役割分担というか、すみ分けができれば、お互いを阻害することなく発展を目指すことができますので、国としてもそちらのほうがより望ましい状態ではないかと思います。
 その観点から拝見しますと、来年度の計画では、特に専門学校と競合する専門課程については3,800人ということで、今年度よりも100人削減していただき、さらに、学卒者のみならず社会人の入校促進を図るという注書きも明記していただいて、御配慮いただいているというのは認識いたしました。その上で、今後どういう方向をお考えなのか、その辺りを何点か伺いたいと思います。
 まず、今回の削減は、再来年度以降も含めて複数年度にまたがる削減目標の一部と考えてもよいのでしょうか。つまり、今後も毎年削減される計画と考えてよいかという質問です。もう1つは、ここに挙がっている専門課程3,800人という数字は、国が実施している事業の対象者だけだと思いますが、これ以外に都道府県が実施している事業で学卒者等の訓練もあると思いますので、それは来年度、どの程度の規模を目標として設定し、国の事業と同様に、今後どのように削減を進めていこうとされているのでしょうか。
 最後に、もう1つ質問があります。官民が競合回避しながら、お互い強みとなる領域で人材育成に注力できればと思うのですが、専門学校は御存じのように、大学と並んで高校進学者の進路として広く認知されている学校種です。ですので、高校の先生とのつながりもあって、進路を検討している高校生の方々には、専門学校の情報を案内しやすい状況があります。ですが、離職者・在職者となると、専門学校からアプローチできる手段がなかなかありません。むしろ、離職者・在職者の方々は、ハローワークを頼られるでしょうから、国や都道府県での事業では、離職者・在職者訓練に専念していただけると、ちょうど我々専門学校と競合をうまく回避し、すみ分けできるように思います。専門学校が学卒者、公共職業訓練が離職者・在職者という形で分担できると、官民の競合回避であるだけでなく、国及び都道府県でも離職者・在職者訓練に予算配分的にも人員的にも一層注力できるように思います。漏れのない職業訓練を広く実現できるように思います。
 もちろん、離職者・在職者訓練の規模拡大に伴う民間委託については、専門学校は今後も協力させていただく所存です。今後、そのように国、都道府県におかれましては、学卒者訓練から段階的に離職者・在職者訓練に集中する方向に進めていくことを御検討いただけないでしょうか。以上、3つの質問です。よろしくお願いいたします。
○藤村座長 分かりました。事務局、いかがでしょうか。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 まず、資料3-2の23ページ、学卒者等に対する職業訓練の専門課程3,800人、これは100人減らしていますが、今後の方針といった御質問だったと思います。こちらについては、まだ特定の計画に基づいて順々に減らしていくものではありませんので、また状況を踏まえつつ、再来年度以降の計画数を考えていくものと考えております。
 次に、都道府県の行う学卒者等の訓練の規模の御質問だったと思います。こちらについては、国の訓練と併せて、来年度の規模については、予算規模ですが、約2.1万人ということで、今年度の規模と同じ規模です。3番目についてですが、専修学校等が学卒者等の訓練を、それ以外の在職者、離職者については、国なり都道府県がというお話だったと思います。こちらについては、公共職業訓練はセーフティネットの役割を果たすということで設けているという役割もありますので、その役割を踏まえつつ、それぞれの機関が適切な対象者に対して訓練を行うことを進めていくのが重要だと思っております。この役割分担の下、適切な機関が適切な訓練を行っていくことを引き続き続けてまいりたいと思っております。以上です。
○藤村座長 河原さん、いかがですか。よろしいですか。
○河原構成員 競合を回避しつつ、学卒者・離職者・在職者の育成を支える役割分担の在り方を今後も検討していただけることを強く要望いたします。以上です。
○藤村座長 分かりました。そのほかございますか。河島さん、どうぞ。
○河島構成員 私からは1つです。18ページだと思うのですが、委託訓練の計画数と実績についての乖離の部分は、その面も含めてしっかり御指示いただいているなということで感謝申し上げます。ですが、ちょっとしつこいかもしれませんけれども、この会議の場でも申しましたが、委託訓練の関係でいきますと、どうしても求職者訓練との関連性、令和4年の法改正に伴って地方で何が起きているかという部分については、既に話をさせていただいたので避けますけれども、今回の検討に当たっても、いわゆる委託訓練と求職者訓練の関係性等について、御議論なり検討していただいた経過があるかどうかを確認させていただきたかったのが1つです。
 もう1つ、当然のことながら、この計画に基づいて、各地域レベルで地域の計画を作っていく形になるのですが、かねてより申していますように、京都府は委託訓練と求職者訓練の在り方も含めて、地元の労働局といろいろ議論をさせていただいています。この間、この話をさせていただいている中で、求職者支援訓練の関係の計画定員は国から下りてきているけれども、この数字はびた一文、数字を修正することはかなわないという話を局のほうからは言われております。恐らく違うと思うのですが、そこは地域の事情に応じた柔軟な対応が、しかるべしだと思うのですが、その辺の確認です。申し訳ございませんが、2つよろしくお願いいたします。
○藤村座長 お願いいたします。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 1点目です。正直に申し上げて、具体的にはっきりとピンポイントで求職者支援訓練と委託訓練の役割など、その辺りについての議論はありませんでした。ただ、広い意味で、ハローワークの窓口で、訓練を希望する方に対して適切な受講あっせんを図るべきだということについては、議論としては当然あって、その中で適切に割り振っていくべきものと考えております。
 2点目については、我々のほうでお示しした計画数は、あくまでも上限値ですので、それを上限に、あとは各地域で割り振って考えていただくというのは可能です。以上です。
○藤村座長 そのほかにございますか。よろしいですか。いろいろ御意見を頂きましてありがとうございました。基本的に、ここは駄目だ、修正しなさいというのはなかったように思います。ですから、この計画(案)について、本協議会からは、特に修正意見はなしということでまとめておきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 では、議題(4)です。「今後の人材ニーズに関する関係省庁からの報告」についてです。文部科学省より御報告いただき、意見交換をしたいと思います。お願いいたします。
○文部科学省中安総合教育政策局生涯学習推進課長 藤村座長、お時間を頂きましてありがとうございます。また、堀井統括官をはじめ、厚生労働省の方々、日頃、文科省と御協力いただいて、御連携いただいてどうもありがとうございます。資料に基づいて御説明させていただきます。
 文科省で、リカレント教育等ということで、社会人の学び直しの機会の充実を進めさせていただいている施策を30ページに列挙させていただいております。予算で申しますと、大きい所で3つぐらいあります。
 ①です。「リカレント教育エコシステム構築支援事業」ということで書かせていただいております。大学・大学院等が経営者を含む地域や産業界の人材育成ニーズを踏まえたリカレント教育プログラムを開発するということ、また産学連携ということで、もう少し最先端の分野でも、そういう取組をやっていくということで、補正予算の形でありますけれども概算で21億円の予算を頂いて、今年度、補正で進めていきたいと考えております。
 ②です。こちらは専門学校の関係です。いわゆるエッセンシャルワーカーというところの人材養成を専門学校で進めていただいておりますけれども、そういったところでも、いろいろな省庁のいらっしゃる中で少しおこがましいですが、例えば自動車整備でも、昔ながらの自動車整備ではなくて、例えば電気自動車の普及など、そういったことも踏まえた対応も必要だという状況もありますので、そういったところへのリカレント教育及びリスキリングの事業を進めさせていただいております。
 ③は放送大学です。生涯学習とリカレントを厳密に区別する意味はないのですが、どちらかと言うと、社会のニーズに応じたリスキリング、リカレントという生涯学習的な側面が強い大学ではありますが、そういったところにもリカレント、リスキリングを進めていくということをさせていただいております。
 その下日四角い黒い囲みで、非予算です。国家資格の出るようなプログラムについては、別途、教育訓練給付金の対象にしていくような仕組みを古くから設けていただいておりますけれども、短期のプログラムで大学や専門学校が行っているものについても、文科大臣が認定した上で、一定の要件を満たせば教育訓練給付金の対象にしていただいているという仕組みで、職業実践力育成プログラム等の取組を進めております。大学では、173大学が参加させていただいておりまして、397課程、文科省で認定させていただいている状況です。
 次のページです。リカレント教育エコシステム構築支援事業ということで、補正予算であります。「骨太2024」で、2029年までに約5,000人の経営者等の能力構築に取り組むなど、2025年度中に、最先端の知識や戦略的思考を身に付けるリスキリングプログラムを創設して、3,000人の参加を目指すことを踏まえ、メニュー①、②ということで分けています。地方創生の分野と、産業成長の分野で、それぞれ産業や金融機関等も含めて連携していく中で教育プログラムを開発していただくということを進めようと思っています。
 その次は、ポータルサイト「マナパス」です。こちらは大学等が提供するプログラムに関して、ポータルを作っております。こちらは補正と書いていますけれども、左下のほうに赤い字で、「サイト連携の強化」ということで、いわゆるAPI連携のようなことをやって、自動化を図り、最新のプログラムの情報を提供されるようにしていきたいと思っています。
 少し飛んで36ページ、専修学校の関係の予算です。全体としては、幾つか新規の事業ということで、地域産業を支えるような人材育成をしている専門学校に対する支援の新規事業や、職業訓練ではなくて18歳で入ってくるような学生向けですけれども、右下のほうにありますが、いわゆる高等教育の修学支援など、そういった取組を進めていきたいと考えています。
 37ページ、地域の職業人材を確保するための専修学校振興プログラムということで、委託費的なことです。上にずらずらと書いておりますけれども、専門学校は地元定着の方が多いのですが、一方で、専門学校と言えども、右端のほうにありますように、東京、大阪、福岡辺りに行ってしまうケースが結構あるものですから、できればそういったケースを、なかなか難しい話ではありますが、少しでも抑えていけるような取組として各地方の取組を応援していきたいと考えております。
 どういうことをやっていくのかということですが、例えばAIや遠隔授業を活用していただいて、離島等でも専門学校がありますので、そういった所に、東京や大阪の先生に、遠隔地から教師として参加いただきながら、教育の質を確保しつつ、学校も維持していくというような取組をなさっている実例がありますので、例えばそういったものの普及を図っていくということを応援したいと考えております。
 その次は、高等専修学校におけるDXです。文科省全体で高校段階におけるDXを進めているのですが、この分野で、高等専修だけ出遅れがありましたので、そこを補正で措置をしていくというようなことをさせていただいております。
 40ページです。こちらは、地方のリカレントに取り組んでいる大学、去年も補正でやらせていただいたので、その補正予算を取っていただいてということです。横に河島委員がいらっしゃいますが、先ほど御紹介がありましたように、そういった取組、地方団体あるいは大学に、連携して取り組んでいただいているものの事例を並べさせていただいております。こういったことは、幾つかの委員会でもお話がありましたけれども、今は点でやっている面もあるかと思いますが、今後は特に取組について、面で広げていけるような、具体的に申しますと、例えば愛媛などでは、橋梁などのインフラ整備に関して大学が御支援申し上げているというような取組があります。それはどこで御紹介しても、「いい取組だね」と言っていただけるので、それを愛媛だけに限る理由はありませんから、そういったことを、ほかの地域にも広げていくということを今年度以降、やっていきたいと思っております。以上です。
○藤村座長 ありがとうございました。ただいまの文部科学省の説明について、何か御意見、御質問はございますか。
 私、東京の地域協議会に出ているのですけれども、東京女子大か日本女子大か忘れましたが、最近、出産・育児を機に辞めない女性が増えているのですが、でも、やはり辞める方もいらっしゃる。10年ぐらい働くという状態から離れて、もう一度戻るというときに、いろいろ不安がある。それを、女子大ですから、女性に特化して、最新のIT機器の使い方をはじめとして、世の中の状況などを短期間で学んでもらって、再び労働市場で活躍できるようにという非常によい取組だなと思って見ておりました。
○文部科学省中安総合教育政策局生涯学習推進課長 ありがとうございます。お金を国で付けることができて、少し取り組んでいただいている部分については、こういうところは大学の組織の中に、もう少し、リカレントのようなものを本腰で作ってもらって、持続的になるようにということでやっております。一方で、正に先生におっしゃっていただいたように、いろいろなニーズに対するようなところについては、個別の予算は付けられないのですが、先ほどの職業実践力育成プログラムなど御紹介申し上げましたけれども、そういったところを認定させていただいて、厚労省様との連携、御支援も頂きながら、受講者の方々の御支援等をしております。今後とも、そういうことをしっかりと大学の応援をしていきたいと思っています。
○藤村座長 大学もいろいろな資源を持っておりまして、18歳人口が減っていく中で、いわゆる社会人と言いますか、そういう人たち向けに様々なプログラムを開発し、実施しています。ただ、やはり資金的には大部厳しいのですよね。その辺は国の補助金なり、あるいは都道府県レベルでの補助金もあると思いますが、そういうものを活用して、正にリカレント教育にいかしていただければと思います。
 そのほか、ございますか。よろしいですかね。では、最後の議題になります。議題の(5)「その他」となっておりますが、事務局から何かありますでしょうか。
○大塚人材開発統括官付訓練企画室長 1点だけ御説明いたします。参考資料の一番最後、参考資料6についてです。民間教育訓練実施機関からの主な御意見・御要望に対する回答をまとめさせていただいております。こちらは令和6年4月1日から同年9月30日までに寄せられたものについて、内容ごとにまとめたもの、結局、まとめますと10件になります。それぞれ、御意見、御要望の要旨と回答をまとめさせていただいております。こちらについては、ホームページに掲載予定ですので、この場を借りて御報告申し上げます。以上になります。
○藤村座長 ありがとうございます。この資料も含めまして、最後に、全体を通して何か御質問、御意見あればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
 では、本日の議題は以上です。これをもちまして「令和6年度第2回中央職業能力開発促進協議会」を終了いたします。事務局にお返しします。どうぞ。
○渡邉人材開発統括官付訓練企画室長補佐 藤村座長、ありがとうございました。また、御参加の皆様におかれましては、長時間ありがとうございました。本日の御意見を踏まえて、全国職業訓練実施計画の策定作業を進めてまいります。本日の議事につきましては、構成員の皆様の確認を経た後、資料とともに厚生労働省ホームページで公開することとし、合わせて本日の資料と協議内容は地域で開催される協議会でも情報共有します。
 次回の開催につきましては、本年9月頃を予定しており、別途、事務局から御連絡させていただきます。どうもありがとうございました。