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- 第173回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
第173回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
労働基準局安全衛生部計画課
日時
令和7年1月17日(金)14:00~16:00
場所
対面及びオンラインにより開催
会場:AP虎ノ門(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)
出席者
会場
- 公益代表委員
-
- 髙田礼子(分科会長)
- 宮内博幸
- 労働者代表委員
-
- 袈裟丸暢子
- 中村恭士
- 門﨑正樹
- 山脇義光
- 使用者代表委員
-
- 小澤達也
- 鈴木重也
- 出口和則
- 七浦広志
- 矢内美雪
(五十音順、敬称略)
- 事務局
-
- 井内努(安全衛生部長)
- 佐藤俊(計画課長)
- 安井省侍郎(安全課長)
- 佐々木孝治(労働衛生課長)
- 土井智史(化学物質対策課長)
- 船井雄一郎(主任中央労働衛生専門官)
- 藤田佳代(化学物質評価室長)
オンライン
- 公益代表委員
-
- 砂金伸治
- 新屋敷恵美子
- 中嶋義文
- 原俊之
- 労働者代表委員
-
- 佐々木弘臣
- 使用者代表委員
-
- 及川勝
- 大下英和
(五十音順、敬称略)
議題
(1)今後の労働安全衛生対策について
(2)「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」要綱等について(諮問及び報告)
(3)エックス線装置構造規格の改正について(報告)
(4)その他
(2)「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」要綱等について(諮問及び報告)
(3)エックス線装置構造規格の改正について(報告)
(4)その他
議事
- 議事内容
○髙田分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから「第173回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。
本日の出欠状況は、熊﨑委員、松尾委員、山口委員が欠席されております。本日は対面及びオンラインの併用により開催することとしておりますので、お含み置きください。カメラ撮影等については一旦ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、事務局からオンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いいたします。
○計画課長 計画課長の佐藤です。私のほうからZoomの操作方法等の御説明をさせていただきます。本日は、ハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフに設定をお願いいたします。また、オンライン参加の先生方につきましては、御発言される場合には、御発言がある旨をチャットに書き込み、分科会長から指名がありましたら、マイクをオンにしていただいて、氏名をおっしゃっていただき御発言をお願いいたします。このほか、進行中、通信トラブル等の不具合がありましたら、チャットへの書き込み、又は事務局へのメールにて御連絡をお願いいたします。
○髙田分科会長 まず、議題に入る前に、昨年11月6日の第170回安全衛生分科会において御議論いただきました「高年齢労働者の労働災害防止対策について(その3)」に係る説明資料につきまして事務局から説明がございますので、よろしくお願いいたします。
○安全課長 安全課長の安井です。資料1について御説明いたします。令和6年11月6日に行われました分科会において、高年齢労働者の労働災害防止対策について御議論いただいた際の資料に誤りがありましたので、お詫びを申し上げるとともに訂正の内容を御説明させていただきます。
まず、1ページを御覧ください。度数率のグラフです。こちらについては男女別に計算するものでして、度数率ですので分母はそれぞれの、例えば女性の度数率については女性の延べ労働時間とすべきところですが、ここに誤って男女平均の延べ労働時間を挿入して計算をしてしまいました。これに伴いまして、実際より若干低い値となっており、正しい値がこちらの1ページの値です。ただ、こちらの誤りによって、当然、平均のほうも自動的に上がりますので、「55歳以上で全年齢平均の度数率を僅かに上回り、60歳以上で加齢に応じ、顕著に上昇していく傾向」という御議論いただいた結論に何ら影響があるものではありません。
続いてもう1つ、3ページです。こちらは強度率に相当する数値ということで、令和5年の休業4日以上の数値ですが、男女平均の強度率に相当する数値に男性の数値を入れてしまい、また、男性の強度率に相当する数値に女性の数値を入れてしまいました。これに伴い、本来はこの3ページにあるように、男性のほうが強度率は高い、これは死亡が男性のほうが多いために強度率が高いことによるのですが、4ページにありますように、あたかも女性が高いような数値となっておりました。こちらも、3ページを見ていただくと分かりますように、「55歳以上で全年齢平均を僅かに上回り、60歳以上で、加齢に応じ、顕著に上昇していく傾向がある。19歳以下が千人率・度数率と比較して顕著に低い。また、度数率との傾向の違いも、60歳未満と比較して相対的に休業見込み日数が長い。」という分析に何ら影響はありませんので、御議論いただいた結論に何ら影響はございません。
こちらの誤りの原因ですが、短時間で大量の資料を限られた人員で作成する必要がありまして、いろいろなグラフを試行錯誤で作っていき、修正を繰り返す中で、データの参照の行を誤ったということです。また、資料については基本的に全部ダブルチェックを行う体制になっておりましたが、非常に大量の資料を作成した関係で、この資料についてはダブルチェックが漏れていました。再発防止対策としましては、こういった統計資料の作成を行う際には、作成者とは別の者によるダブルチェックが確実に行われるように、多数の資料を作る場合は、作成者、チェック者を割り当てるリストを作成して、それを確実に確認しながらダブルチェックが行われたかどうかを確認する仕組みを取ることにより、このようなことがないように再発防止を図りたいと思います。説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。ただいま御説明いただきました件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御質問、御意見等がある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員につきましてもチャットの書き込みはないということで、特に御質問、御意見等はないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、修正内容につきましては御了解いただけたということかと思います。事務局においては、以後、本分科会における資料等におけるデータの精査やチェックを徹底していただければと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
それでは、議題(1)「今後の労働安全衛生対策について」です。昨年11月22日に報告案について御議論いただきました。本日は、その第171回安全衛生分科会での報告案につきまして、各委員の皆様からの御意見等を踏まえて事務局にて資料を準備いただいております。まずは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○計画課長 計画課長の佐藤です。資料2-1と、同じ中で2-2が続きのページで打っておりますが、今後の労働安全衛生対策について(報告)(案)ということで御用意させていただきました。2-1はきれいなバージョン、とけこみバージョンとなっております。15ページからが資料2-2ということで、前回お示ししたものからの修正点を見え消しで表示しております。説明はこの資料2-2のほうでさせていただければと思っております。
まず、17ページを御覧ください。個人事業者等自身による措置の所の3つ目の段落について、事業者が講じる措置に応じて個人事業者も必要な事項を遵守することを義務付けるという話と、その事業者が必要な措置を分かりやすく周知するというものについて、同じ文章の中で書いておりましたが、それぞれ場面が違っていたということですので、より正確に書き分けさせていただいたというのがこの修正箇所の所です。
ここに書いてありますとおり、まずは、その事業者の措置義務のうち、危険箇所等への立入禁止等の措置について、個人事業者についても、その事業者の措置に応じて必要な事項を遵守するということを罰則付きで義務付けることが適当。それから、その周知のほうは、同じ事業者の措置義務のうち、今度は請負人に対する必要な措置の周知について、ちゃんと伝わるように分かりやすく周知するとともに、周知した内容の徹底を図るとさせていただいております。内容については、この分科会で御議論いただいたことを書かせていただいていると思っております。
次が、19ページを御覧ください。今度は、個人事業者の業務上災害の報告制度について、報告する報告主体についての書きぶりの所です。イの所に書いてありますが、元の案ですと、「個人事業者等から見て直近上位の注文者等」となっておりましたが、この分科会でも御議論いただいたように、その場所にいる直近上位の注文者ということでして、その場所にいるという要素が元の案だと入っておりませんでしたので、それを付け加えさせていただきました。下のウの「報告者」を「報告主体」に直しているのは、ほかと表記を合わせたものです。
続きまして、少し飛びますが22ページを御覧ください。「自律的管理制度」、「危険性及び有害性」を「危険性・有害性」にしておりますが、ここは表記を統一したものです。22ページの下の(イ)の所ですが、ここは、括弧は上のSDSの通知義務について罰則を付けるとか努力義務を義務にするということを書いておりますが、そのSDSの通知義務の中での必須通知事項を追加するというのが(イ)の所です。(ア)の所で罰則をかけたものについての必須通知事項は当然罰則がかかってくるということになりますが、夏に有識者検討会でおまとめいただいた所について、有識者検討会の報告書においては、ここについて「罰則なしの義務」と記載をされていましたので、そこと取り扱いが変わってくるということを明確にさせていただくという意味でも、ここの追加をさせていただいており、必須通知事項は罰則付きの義務となる事項について追加をするのだというのを明確にさせていただいております。
次の23ページの下のほうですが、こちらは、営業秘密の部分で、成分名以外は非開示を認めないというものの事例として、性質や作用だけではなく、応急措置のようなものも非開示にはならないのだということを明確にさせていただくということで追加をさせていただいております。
少し飛びますが、26ページを御覧ください。下のほうの高齢者の所で、厚労大臣が「必要な指導、援助等」の「等」が抜けておりましたので、ここは足させていただいております。
最後、28ページを御覧ください。今度は治療と仕事の両立の所で、こちらも大臣指針を公表できるというだけではなく、前回、鈴木委員から御指摘も頂きましたが、厚生労働大臣が、ここも「必要な指導等を行うことができるようにすることが適当」ということを追加させていただいております。前回からの修正点としては以上となります。
前回も申し上げましたが、この報告書については、基本的にこの分科会で御議論いただいたものの中で法改正に関わるような部分を中心に記載をさせていただいておりますが、これに載っていなかった部分も含め、この分科会で御議論いただいたものを踏まえまして、今後、更に作業を進めさせていただきたいと思っております。説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言のある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御発言がある方は挙手をお願いいたします。山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 労働側の山脇です。今年もよろしくお願いいたします。今回示された修正点を含めまして、労働側としては前回の分科会で発言したとおり、報告書について特段の異論はありません。その上で2点ほど発言したいと思います。1つ目は、過去の分科会において、労働側から個人事業者に対する罰則適用について、個人事業者に対してしっかりと周知が行われることが大前提であって、個人事業者保護の観点から、周知が行き届くまでの間は罰則の適用猶予も含めて検討頂きたい旨、発言をいたしました。今後示されるであろう法律案要綱において、個人事業者等に対する安全衛生対策をはじめ、各項目について施行時期が示されるものと考えますが、先ほど申し上げた発言の趣旨を踏まえたものとなるよう、引き続き御検討をお願いしたいと思います。
また、今回の報告で示されている内容は、ILO第155号条約の早期批准に必要な項目や、労働施策総合推進法の改正に関する事項など、他の審議会、部局との調整が必要な事項も含まれていると認識をしています。これらについては関係部局と調整を進めていただき、早期に法律案要綱を示していただきたいと考えます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 経団連の鈴木でございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。報告書案は、これまでの議論が的確に反映されたものと受け止めており、前回の第171回からの修正箇所も含めて異論はございません。髙田分科会長、そして事務局の厚生労働省のこれまでの御骨折り、御尽力に改めて御礼申し上げます。併せて、山脇委員からもご発言がございましたILO155号条約につきましては、早期に批准手続に入れるよう、厚生労働省にはご尽力をお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、御発言はございますでしょうか。宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員 今回、特にこの高齢労働者の災害防止の対策につきましては重要なところで、今後は努力義務ということ提案で、特に重要なことと思っております。大学でもいろいろ研究がされていますが、高齢者の方はどうしても身体機能が落ちる。それに対して、作業環境、作業そのものの改善等をするということは非常に重要と思います。既に議論もあったのですが、その中で、特にICT関連の技術が高くなっています。例えば、現場の状態をウェアラブルカメラで見て、画像を処理をすることによって動きを予測するとか、いろいろな技術が今、出来上がりつつあります。センサー技術も含めて、是非、そういう新しいものを取り入れるような対策を積極的に推進していただけると有難いと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。一旦、ここで切らせていただきまして、山脇委員、鈴木委員、宮内委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○計画課長 それでは、山脇委員と鈴木委員からの御指摘に対して答えさせていただきます。まずは、本当に労使の皆様には、この間の御議論ありがとうございました。まず、個人事業者の所については、この間、連合側の委員からいろいろと御指摘を頂いているところですので、御指摘いただいた点も含めて、可能な限りそういうことも踏まえて要綱を作成した上で御提示させていただきたいと思っております。
それから、155号条約の関係もお二方から御指摘いただきましたが、正にその155号条約のなるべく早期の批准に向けて、我々としても関係部局と調整した上で今後の作業に臨みたいと思っております。いずれにしても、本日、御議論いただきましたら、その次の作業はちゃんと進めていきたいと考えております。私からは以上です。
○安全課長 宮内委員からの御発言について回答させていただきます。高年齢労働者の関係につきまして、身体機能であるとか環境の改善の重要性についてコメントを頂いております。コメントでは、ICTなどの技術を用いてこういった環境改善にいかしてほしいというところですが、通信技術などを用いて、例えば一人作業で転んでしまったときに早く検知するとか、そういった技術というのは実用化されつつありますので、直接、この高年齢労働者だけに特化した対策というのにはなりにくいと思いますが、そういったものも踏まえ、適切な措置について検討していきたいと考えております。
○髙田分科会長 ありがとうございました。山脇委員、鈴木委員、宮内委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか、会場から御発言を御希望でしたら。出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。御説明ありがとうございます。今まで回を重ね、議論を交わし作られた報告書を取りまとめていただき、ありがとうございます。この報告書には、厚生労働省、委員の皆様の安全に対する願いが込められていると思います。過去の分科会でも発言しておりますが、建設業を代表いたしまして同業他社から意見の多かった、先ほど事務局からも発言がありました作業という部分について、再度要望したく時間を頂戴して発言させていただきます。
まず、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進です。検討会から長きにわたり議論してまいりました。報告書という形ではまとまりましたが、中身を見ますと、やはり運用や詳細については、これから注力しなければならないことばかりです。特に、今後個人事業者の労働災害を減少させるためにも、検討会当初に根拠となるデータが不足して議論が円滑に進まなかったこともあり、個人事業者の業務上災害の報告制度が創設されることになりました。個人事業者の労働災害データを集約・分析を行い、災害防止に役立てていただきたいと思います。
また、今年の1月からスタートしております労働者死傷病報告の電子化に続き、個人事業者の労働災害報告システムについても、構築の際には関係者からの要望・意見を取り入れていただき、負担なく使用でき、効率的なシステムとなるようにお願いいたします。
2番目は、職場のメンタルヘルス対策の推進についてです。ストレスチェック制度の企業規模拡大については、50人未満の事業場、特に10人未満の小規模の事業場では、ストレスチェックの義務化だけでは負担が増え、実施率や効果は期待できないと考えております。早急に、産業保健総合支援センターや地域産業保健センターの体制整備、強化を実施していただき、受入体制を整えて、データ分析も事業場ごとの規模ごとに分析を行い対策を講じ、十分な支援を頂くようお願いいたします。
そして、一番要望が多かった3の化学物質による健康障害防止対策等の推進についてです。令和6年4月から取扱い事業者に対して罰則付きの省令改正が大幅に拡大されました。しかし、対策実施の前提であるラベル表示、SDSの通知内容が改善されない現状があり、建設業では負担が増大しております。多くの事業者、労働者が、施行されているのに、なぜこのような状況が続いているのかという意見が、非常に多く出てきております。具体的には、義務付けされた内容がSDSに記載されていないことが多く、この状況で事業者に対して指導を進めても進展せず、円滑なリスクアセスメントは実施されません。令和6年から、化学物質管理強調月間が2月に実施されます。このような状況です。不用意に是正勧告等、法違反として指導など行わずに、分科会でお約束いただいた丁寧な指導をお願いいたします。
また、建設業では、この期間、全国で実施されました臨検等の指導内容を統計し、丁寧な指導が実施されているのか、工事所等で、どのような問題が生じているのかを分析統計し、分科会等でも報告させていただきたいと考えております。資料については今後の対策、施策等に活用していただくようお願いいたします。
そして、5番の高年齢労働者の労働災害防止の推進について、建設業としても努力義務化を意味なく反対等はありません。業種別災害傾向の分析に基づく対策が必要であると考えております。建設業の団体で、同業他社より厚労省に災害内容、これらの高齢者の災害内容の個人情報を抜いた情報を早期に公表してほしいという要望をお願いしているが、公表されないので、いつ公表されるのかを確認してほしいという意見がありました。建設業としては、現在人手不足のために、高年齢者の方々に御活躍していただかないと成り立たないという状況もあります。しかし、建設業では危険な作業環境でもあり、高年齢者の70代で働いている方々が多いと認識しております。事業責任を前提に検討するのではなく、どうすれば高年齢の方々が安全・安心に仕事ができるのか、より高齢化社会となっていく今、真剣に議論するべきと考えます。御指導をよろしくお願いいたします。
最後に、7番の治療と仕事の両立支援対策の推進についてです。仕事と治療の両立支援については、何らかの疾患により働きながら治療を続ける方々が年々増えております。生活の安定は、仕事に就き収入を得ることが基本です。治療を受けながらでも、仕事をして安心して暮らせるようにする。これらの制度が展開され、広がることを願っております。また、治療と仕事の両立支援カードの電子化等も含めて、今後注力していただくようお願いし、より便利な制度にしていただくようお願いいたします。
建設業の代表として、意見、要望を発言させていただきました。より安全・安心に働けるように実施していただきますよう、重ねてお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの出口委員の御発言について、事務局の各担当から御回答させていただきます。
○計画課長 それでは、まず個人事業者の部分について、佐藤から回答いたします。個人事業者の所は、ここに書いてあること以外にも、いろいろと施行前に決めなければいけないことがありますので、またこの場で御議論いただいた御意見を踏まえながら、進めていきたいと思っております。
また、災害報告システムについては、なかなかどこからシステムを作り始めるかというのも難しい問題があるのですが、いずれにしてもシステムを使う、作る場合は、きちんとユーザーの皆様方の御意見を伺いながら作っていくことが必要だと思います。なるべく皆様の御意見を伺いながら作っていきたいと思っております。私からは以上です。
○労働衛生課長 労働衛生課です。私から、メンタルヘルスのお話と両立支援について回答申し上げます。まずメンタルヘルスについては、おっしゃるとおり50人未満の事業場にも対象を拡大していこうということでは、必要な配慮をしていくことが大事だと考えております。御指摘いただきました地域産業保健センターの体制の充実、並びに特に50人未満だけではなく、10人未満のより小規模な事業場にも配慮した形で、マニュアルの作成については、今後法律の改正の後になると思いますが、早急に着手して、またこの間、しっかり体制の準備なりをして、また、それに基づく周知も図りながら、円滑な実施ができるように努めてまいりたいと考えております。
もう1つは、両立支援です。働きながら治療をしていくことができる体制が全国的に増えていくことが、我々としても悲願です。そうした上で、カードの電子化については、これまでも申し上げておりますが、一応ワードの形式でホームページ上からダウンロードできる形になっております。ただ、その活用に当たっては、しっかり周知をしていくということを、関係者に行ってまいりたいと思っております。私からは以上です。
○化学物質対策課長 続いて化学物質対策です。ラベル、SDSの通知内容が不十分であるというような声が挙がっているということでした。厚生労働省としては、そうしたことがないように、事業者に対する指導に努めているところです。また、例えばモデルラベル、SDSを作成して公表し、できるだけラベル表示やSDS通知が円滑に行われるように努めているところです。化学物質管理強調月間は2月に設定しており、この機会に様々な活動を事業者において行っていただくことにより意識の啓発を図っている状況です。
それから指導についてですが、丁寧な指導をお願いしたいということでした。これは従来申し上げておりますとおり、化学物質の自律的管理が導入され、全面施行される中で、指導に当たっては丁寧に化学物質管理の内容について事業者に説明をして指導を行っているところですので、引き続きそのような対応をしていきたいと考えております。
また、統計について取りまとめていただけるということでしたが、そうしたものも踏まえて、適切な化学物質管理が行われるように努力してまいりたいと考えております。以上です。
○安全課長 高齢者の関係です。高齢者については、業種別の対策が必要であるという御指摘と、災害内容の公開についての御指摘があったということです。まず、業種別の対策については、今後、高年齢対策にて実際にどのようなものを実施すべきかという内容については、指針で詳細を検討する予定ですので、そういった場で様々な業種の方々の御意見を踏まえて、御議論をさせていただきたいと考えております。
また、災害内容の公開については、高年齢労働者に特化したものではありませんが、死傷病報告のうち4分の1を抽出して、そちらを毎年度「職場のあんぜんサイト」で公開しておりますので、そちらを御活用いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 出口委員、いかがでしょうか。
○出口委員 ありがとうございました。作業の中で問題や懸念など種々あると思いますが、有効性のあるシステム、制度づくりについて、継続的に御指導を含めてよろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、御発言はありますか。会場からはよろしいでしょうか。オンライン参加の委員についても、チャットの書き込みはないということで、御意見、御質問等はないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。本報告案の内容については、昨年4月の第161回の分科会から11回にわたり委員の皆様に御議論を頂きました。本日の御議論を踏まえ、皆様にもおおむね御了解いただけたと考えており、本分科会として報告書を取りまとめてよろしいのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、皆様、御異論がないということですので、そのように進めさせていただきます。
また、今回取りまとめをさせていただく報告書については、労働政策審議会令第6条第7項に基づき、本分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるとされております。これにより、労働政策審議会から厚生労働大臣に建議することといたしたいと思いますが、皆様よろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。では、事務局で報告と建議の鑑の配布をお願いいたします。
(鑑配布)
○髙田分科会長 皆様のお手元にありますか。よろしいでしょうか。お手元にあります報告と建議の案を御覧ください。これらに記載のとおり、安全衛生分科会長から労働政策審議会長宛てに、今後の安全衛生対策について報告し、労働政策審議会長から厚生労働大臣宛てに当該報告のとおり建議を行うこととしたいと考えますが、皆様よろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、建議をお渡ししたいと思います。
(建議を安全衛生部長に手交)
○計画課長 事務局です。ここからカメラ撮影可能といたしますので、撮影される方は回り込んでいただいて、この辺りで撮影をお願いできればと思います。そろそろよろしいでしょうか。ありがとうございました。
○髙田分科会長 それでは、ここで井内安全衛生部長から一言いただきたいと思います。
○安全衛生部長 安全衛生部長の井内です。ただいま、髙田分科会長から建議を頂きました。当分科会においては、昨年の4月から11回にわたり、熱心に御審議を頂き、本日取りまとめていただいたと思っております。この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。
建議の内容ですが、委員の皆様方も見てのとおりですが、個人事業者の安全衛生対策、職場におけるメンタルヘルス対策など、多岐にわたっております。いずれも、重要な事項と我々も考えておりますので、法的整備を含めて必要な対応を事務局としてもしてまいりたいと思っております。委員の皆様方には、これまでの御協力に重ねて御礼を申し上げますとともに、今後とも安全衛生行政をはじめとする厚生労働行政に対する一層の御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は、どうもありがとうございました。
○髙田分科会長 ありがとうございました。カメラ撮影等はここまでといたしますので、御協力をお願いいたします。それでは、議題(1)は以上となります。
続いて、議題(2)「「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」要綱等について(諮問及び報告)」に移ります。事務局から資料について御説明をお願いいたします。
○化学物質評価室長 化学物質評価室長の藤田でございます。よろしくお願いいたします。資料3-1と3-2があります。こちらは今回、御意見を頂く要綱案です。今回、資料3-3と3-4を付けています。内容については資料3-3と3-4に従って御説明させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、資料3-3を御覧ください。括弧の中にあるとおり、ラベル表示・SDS交付等の義務対象物質の追加に関する政令案と省令案の改正の御説明です。次ページです。改正の前提となる化学物質規制の制度概要です。化学物質規制については、化学物質ごとの具体的な法令による規制から、事業者等による自律的な管理を基軸とする規制に見直しが行われています。新たな化学物質規制として、国が行う化学品の分類、すなわちGHSに基づく化学品の分類方法に定める方法による化学物質の危険性及び有害性の分類の結果、危険性又は有害性があるものと区分された全ての化学物質を、ラベル表示及びSDS交付等の義務対象物質とすることにしています。令和6年4月以降、順次追加されています。
下の三角形を御覧ください。SDS交付対象物質は、ここにあるように順次、令和6年から追加されていますが、一番下に(以降も順次追加等の見直しを行う)と記載されております。今回の改正は、三角形の一番下にあるこの部分に該当するもので、従来の考え方に従って物質を追加するといった内容となっております。
3ページです。改正の趣旨です。ラベル・SDSの交付対象物質は、今御説明したとおり、国が行う化学品の分類の結果、危険性又は有害性があるものとして分類された物ですが、これまでのところ、令和2年度までに区分された物のうち、厚生労働省で定める旨を規定しております。下の図を御覧いただいて、緑の部分の1,654物質がこれまで定められているところです。今般、化学物質の危険性及び有害性に係る新たな知見を基に、令和5年度までに国が行った化学品の分類を踏まえて、ラベル・SDSの交付対象物質の範囲を変更したいと考えております。
下の図です。令和3年から5年までの部分が赤く表示されています。この令和3年から5年までに、新たに国が行う化学品の分類の結果、危険性又は有害性が確認された物質が155物質ありますが、こちらを今回、追加することにしたいと思っております。また、その下の行を見ていただくと、ちょっとはみ出た部分に「※他2物質削除」というものがあります。こちらについては、既にラベル・SDS交付対象物質となっているもののうち、危険性又は有害性がないと再分類されたものを削除することとしております。
次ページです。こちらは政令案です。政令のほうは、割とあっさりと書いております。政令第18条第2号において、「国が行う化学品の分類の結果、危険性又は有害性があるものと令和3年3月31日までに区分された物」と規定されているものを、「令和6年3月31日までに区分された物」とさせていただければと思います。具体的な物質名は、次に説明する厚生労働省令で定めると規定されております。交付日については、お認めいただければ令和7年2月下旬を予定しています。ここでお認めいただきましたら、施行日については、周知や準備に一定の期間を要することが考えられることから、およそ2年後の令和9年4月1日を考えております。なお、4番にあるように、経過措置として、新たにラベル・SDS交付対象物質追加される物質のうち、施行日において現に存在するものについては、既にラベルが貼付されたものが在庫や流通過程にあると想定されるために、ラベル・SDS交付対象物質に追加後1年間はラベル表示に係る法第57条第1項の規定を適用しないという経過措置を考えております。
次ページは、省令案の概要です。6ページです。改正の趣旨ですが、先ほど御説明したとおり、ラベル・SDS交付対象物質の具体的な物質は、労働安全衛生法施行令に、別表第2として記載されております。今般、ラベル・SDS交付対象物質について、令和3年3月31日から令和6年3月31日に改正される場合には、追加された物質を列挙されている表に追加することになるものです。改正の概要ですが、次ページを御覧ください。7ページから11ページまで物質名が記載されており、最後の物質の155番までの物質名が並んでおりますが、こちらの155物質を則別表第2に追加することとしたいと考えております。
6ページの(2)ですが、「則別表第2より削除する」と書いております。12ページを御覧ください。2つの物質が記載されていますが、先ほど説明したように、危険有害性の区分がなくなったということですので、こちらから削除することにしたいと思います。また、その他所要の改正を行うこととさせていただきたいと思います。公布日については、政令と同様です。
続いて、資料3-4です。こちらは、今の政省令改正に関連して変更する必要のある告示の改正の御報告です。2件あります。2ページを御覧ください。改正の趣旨ですが、先ほど御説明したように、ラベル・SDSの交付対象物質を追加することになっていますが、先ほどは単一の物質でしたけれども、これを含有する混合物については、その含有量が厚生労働大臣の定める基準未満の場合には、ラベル表示・SDS交付の義務対象とならないこととされています。この厚生労働大臣の定める基準を「裾切値」と言いますが、この裾切値が本告示で規定されています。
下から3行目ぐらいを見ていただくと、別表1から3に規定されていると書いてありますが、改正令で追加される物質は、当該時点までに国が行った化学品の分類の結果を踏まえ、原則として別表3の有害性区分に応じた裾切値が設定されることとなります。別表3については、6ページです。6ページには、裾切値の考え方が記載されております。こちらにあるように、例えば急性毒性でしたら1%、皮膚腐食性/皮膚刺激性でしたら1%といったように、有害性のクラスや区分に応じてパーセンテージが示されています。これが基本的な考え方です。
2ページです。このように基本的な考え方が示されていますが、複数の物質をまとめた名称として規定されているもののうち、物質ごとに裾切値を分けて設定する必要がある物質があります。こちらが次ページからの別表2です。例えば、ジクロロエチレンですが、異性体が幾つかあります。そのうち、1,1-ジクロロエチレンに限るというように、幾つか異性体があるもののうち、これだけですよといったものについては、特出しをして裾切値を設定することとしております。これが今回の別表2に追加する内容です。その他、化学品の分類の結果を踏まえて、所要の改正を行うこととしております。公布日等については、政省令改正と同様です。これが御報告の1つ目です。
8ページです。報告の2つ目です。表題にあるとおり、がん原性があるものとして厚生労働大臣が定めるものの一部を改正する告示案となっております。改正の趣旨ですが、労働安全衛生規則において、がん原性があるものとして厚生労働省が定めるものを「がん原性物質」と言いますが、こちらについては、作業記録及び健康診断の結果等について、30年間保存しなければならないとされております。がん原性物質はどのような物かというと、国が行う化学品の分類の結果、発がん性の区分が区分一に該当する物であって、令和3年3月31日までの間において当該区分に該当するものと定められております。令和3年3月31日とありますので、先ほどの政省令の改正と併せて、令和6年3月31日と改正させていただきたいと考えています。公布日等については、これまでと同様です。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。資料3-3に基づいて、政省令の改正の概要を説明いただき、資料3-4で告示案について報告いただきました。本件について質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については、御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。まずは、会場の委員からお願いいたします。中村委員、お願いいたします。
○中村委員 労働側委員の中村です。よろしくお願いします。本件については、国が行ったGHS分類の結果に基づき有害性があると区分された化学物質について、デジタルに追加するものと承知していますので、特に異論はありません。資料にもあるとおり、自律的管理制度の対象物質、令和8年度には2,900物質に拡大されることになります。化学物質を取り扱う労働者が安心・安全に働けるよう、政府として中小企業をはじめとする全ての事業者に対して周知を行うとともに、必要な支援を行っていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、会場の委員で御発言はございますか。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ただいまの中村委員からの御発言と重なる部分もありますが、一言申し上げます。諮問内容には異論ございません。資料3-3の3ページを拝見し、自律的管理制度の対象物質が桁違いに増えていくことを改めて認識したところです。今後は、本日お示しいただいた155物質を含めて、ラベル表示・SDS交付対象物質、すなわち、リスクアセスメント対象物質が増えていきますので、化学物質を扱う全ての事業者が、施行日までに改正内容をしっかりと認識できる状況にしておくことが重要です。厚生労働省には、現場に対する前広かつ丁寧な周知啓発、広報をいただきますよう、私からもお願い申し上げます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続いて七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 七浦でございます。今、中村委員、鈴木委員からも御発言がありましたように、現場ではかなり混乱しているというか、戸惑っているというのが現実かなと思っております。以前、昨年11月に皆さんに知っていただくような形で、いろいろな部署の方に御協力いただきながら、実際に少しひもといた形で実施したのですが、この辺りもかなりの御質問があったり、これから先どうなるのだろうというような、現場からは不安の声も非常にあり、この辺りが実際に企業、それから従業員、もちろん人の安全・安心のためにやらなければいけないというのは十分承知の上でではあるのですが、より丁寧な対応であったり、時間を掛けて実際には余裕を持たれてというか、2年ありますけれども、実際には余裕はなかなかないのだろうなと思っております。実際にこの辺りを何度か繰り返しながらやる、そして、裾野を広げていきながら皆さんが理解して、安全・安心に実施できるように目指さないといけないなと思っております。
我々もお手伝いできるようなことを何らかの形で、いろいろなことを考えながら実施していくつもりでおりますので、是非いろいろな業界、もちろん厚生労働省さん、経団連の方、自工会もそうかもしれませんし、何においても化学物質の業界の方と一緒に協力しながらやっていく必要性があるのだろうなと。2,900を目指していくとなると、かなり骨が折れるだろうなと思っております。周知も含めていろいろな形でお手伝いできること、あるいは御教授いただくことがたくさんあるなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ここで一旦切らせていただいて、中村委員、鈴木委員、七浦委員の御発言について、事務局からお願いいたします。
○化学物質評価室長 事務局です。中村委員、鈴木委員、七浦委員、どうも御意見をありがとうございます。本件については、個別管理から自律的管理へという大転換が行われたところです。こういった内容が現場に浸透していくには、やはり相当の時間が掛かるものと考えております。厚生労働省もなるべく周知に努めているところですが、新たにこの対象になった事業者様などは、厚生労働省がやっていることすら把握されていないのが現状ではないかと思います。我々としても、周知の対象をなるべく広めに頑張っているところではありますが、先ほど七浦委員からもありましたように、事業者様、業界団体の御協力を得ながら、なるべくいろいろな方に情報が届くようにしていきたいと思います。厚生労働省はもちろん周知に努めますが、皆様の御協力を得て進めていきたいと思いますので、今後とも是非よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。中村委員、鈴木委員、七浦委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、オンラインで及川委員が御発言を御希望ということなので、お願いいたします。
○及川委員 及川です。ありがとうございます。皆様方と同意見ですが、特に中小、小規模事業者への周知、施行、運営については、これまで以上に支援が必要かと思います。私どももメッキとか塗装、印刷など、地方には小零細のそういった業種がございます。中小企業の観点から、この施策についてどう推進していくのかという観点から、引き続き御支援、御指導いただきたいと思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、オンラインで御発言を御希望の委員はいらっしゃらないということでよろしいでしょうか。そうしましたら、会場に戻りまして、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 各委員皆様の発言に同意いたします。少し確認させていただきたいのですが、資料3-4の8ページです。改正の趣旨の所で、がん原性物質の作業記録、健康診断の結果等については30年間保管しないといけません。これは分科会で、先ほど中小企業支援対策でお話が出たと思うのですが、中小企業も倒産します。これらの作業記録を30年保管間バックアップ、倒産した企業の記録をどういう形で保管するかお考えになっておられるでしょうか。建設業では、じん肺の粉じん等の作業記録を、厚労省様が建災防に委託されている事業があります。規模の小さい中小企業が倒産した場合、これらの作業記録、健康診断の30年間の保存も含めて、何らかの公的に近い機関を設けて保管する必要性が出てくると分科会でも発言させていただきました。この点については今後、どのような進め方をしていただくのか、お考え、計画等がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。及川委員と出口委員の御発言について、事務局からお願いいたします。
○化学物質評価室長 まず、及川委員からの周知がこれまで以上に必要ということで、中小企業に是非支援、周知をということですが、先ほどと同様、努めてまいりたいと思います。御協力等をよろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。まず、及川委員、いかがでしょうか。
○及川委員 是非、倍旧の御支援をよろしくお願い申し上げます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。
○化学物質対策課長 今の出口委員への回答について、労働基準監督署への届出の制度は、特化物に関するもので、30年保存についてどうしていくべきかというお話は、行政内部でどういった形があり得るかという検討を正に進めようとしているところです。どういう形になるか分かりませんが、形が出来上がりましたら周知を図っていきたいと思っております。以上です。
○髙田分科会長 出口委員、お願いいたします。
○出口委員 これらを管理監督する化学物質管理者、保護具着用管理責任者については、規模にかかわらず各事業者が選任されるべきシステム、制度になっております。元請は各事業者の作業記録は保管しますが、健康診断等の30年保管やリスクアセスメント記録等は、元請としては保管する義務はございません。何とか中小零細企業の方々の健康を守るためにも作業記録等が紛失しないように厚労省様で何か対策を立てていただくよう重ねてお願いいたします。
○髙田分科会長 事務局、よろしいでしょうか。引き続き検討をよろしくお願いいたします。そのほか、会場から御発言を御希望の委員はいらっしゃいますか。小澤委員、お願いいたします。
○小澤委員 小澤です。委員の皆様の御意見と同じなのですが、弊社、あとはグループ会社、同業他社の一部の現状はどういった状況なのかを、お伝えだけしておきたいと思います。当初は混乱、不安はかなりあったのですが、その後、勉強会などが大分進み、認識も浸透していって、今はかなり前向きに取り組んでいるところです。とにかく化学物質を取り扱う全ての人の安全のためだということで、前向きに取り組んでいるところです。確かに不安はまだ残っているのですが、分からないことは誰に聞けばいいというところも分かってきているので、弊社及びグループ会社一丸となってやっているところです。ですので、これからも我々としても敏感に新たな情報を取り込んでいって、管理をしていこうと思っていると、そんな状況であるということを一旦、お伝えだけしておきます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。事務局からは特によろしいでしょうか。情報を頂き、ありがとうございました。そのほか、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議題(2)「「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」要綱等について(諮問及び報告)」のうち、諮問された「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いいたします。
次に、議題(3)「エックス線装置構造規格の改正について(報告)」に関して、事務局から説明をお願いいたします。
○労働衛生課長 労働衛生課です。資料4、「エックス線装置構造規格の改正について」ということで、御報告とさせていただきます。1.改正の趣旨を御覧ください。今般の改正は、歯科診療用のエックス線装置の構造規格に関するものです。現状がどうなっているかを申し上げます。一定以上の出力のエックス線装置については、放射線による健康障害の危険があるため、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡・貸与・設置してはならないというように、安全衛生法上規定されています。その具体的な構造規格については、労働省告示であるエックス線装置構造規格に定められております。このうち医療用のX線装置については、実は国際規格があり、IEC(国際電気標準会議)が定めており、これに準拠する形で国内法に適用しているという状況です。今般、新しい事由として、歯科診療用のエックス線装置の手持ち式について、IECにおいて従来とは異なる基準を設ける改正がなされたことから、国内法令に反映するため、告示を改正しようというものです。
最後のなお書きにありますように、こちらも厚生労働省告示ですけれども、歯科診療用のエックス線装置については医療機器として、いわゆる薬機法で定める基準のほうで先行して改正が行われております。そういうわけで今回の改正は、同じ内容の改正を行うもので、告示の適用期日は、改正医療用エックス線装置基準の適用日と同日としたいと考えております。
2ページを開いてください。具体的なエックス線装置のイメージが書いてあります。手持ち式の歯科診療用のエックス線装置で、在宅で用いられるものです。
そして、最後に申し上げた告示日等です。告示は本年2月中旬を予定しており、適用期日は令和7年4月1日として、薬機法と合わせたいと考えているところです。簡単ですが、以上です。
○髙田分科会長 資料4に基づいて御報告いただきました。本件について質問や意見等のある方は、会場の委員は挙手を、オンライン参加の委員は御発言がある旨、チャットに書込みをお願いいたします。まず会場の委員からありますか。門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 労働側の門﨑です。御説明、ありがとうございました。今回の改正は、国際規格の基準が改正されたことに伴い、国内法令に反映するものと承知しており、特段の異論はありません。その上で、1点申し述べます。医療従事者の被ばく防護はもとより、患者の健康障害防止のためには、エックス線装置が適切に取り扱われることが重要であることは言うまでもありません。取り分け今回の改正に係るエックス線装置は、これまでにないタイプの装置であるため、関係者が不適切な使用により被ばくすることのないよう、改正内容の周知はもとより研修等の実施など、必要な支援に取り組んでいただきたいと考えます。以上です。
○髙田分科会長 そのほかに会場の委員で御発言はありますか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員で御発言はありますか。チャットの書込みは、今のところないということでよろしいでしょうか。それでは、門﨑委員からの御発言について、事務局からお願いいたします。
○労働衛生課長 今回は手持ち式ということで、機器と使用する方がより近いものです。これについては当然、透過写真撮影の業務に該当することから、労働安全衛生法第59条第3項に基づき、事業者は当該業務に従事する労働者に特別教育を行わなければならないとされているので、この適用を受けるという格好になっています。また、実際にこの機械を使うのは医療従事者です。医療法のほうでも過去に使用したことのない、実績のない新しい医療機器を導入して使用する際には、医療機器を使用する予定の者に対する研修を行うこととしております。そういうわけで、それぞれの規定もありますけれども、同じ厚労省内の関係部局とも連携しながら、今回の改正内容の周知や研修をしっかりと実施するように努めたいと考えております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。門﨑委員、よろしいでしょうか。そのほかによろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、事務局から説明のあった方針で進めていただくことにしたいと思います。ここまでの議題以外で、何か御発言はありますか。鈴木委員よりお願いいたします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。補正予算の関係で質問させていただきたいと思います。昨年12月17日の労災保険部会でも議論されたと承知していますが、先般成立した令和6年度の補正予算において、労災病院の施設整備費として約7億円が措置されています。また、これとは別に補正予算の項目である独立行政法人労働者健康安全機構施設整備費に、令和7年度以降の追加支出として約74億円が措置されています。こちらの支出は、労災病院の施設整備費と理解してよろしいでしょうか。それから、令和7年度以降というのは、具体的にいつまでの支出を念頭に置かれているのでしょうか。以上2点について、事務局に確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○髙田分科会長 それでは事務局からお願いいたします。
○計画課長 ただいま鈴木委員から、2点の御質問を頂きました。まず今年度の補正の健康安全機構への補助金のうち、令和6年度分で約7億円、令和7年度以降分として約74億円ということで、これらは全て労災病院です。令和7年度以降というのがいつまでかという2点目の御質問ですけれども、一応令和7年度と令和8年度までと考えております。
○髙田分科会長 ありがとうございます。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御回答ありがとうございました。令和6~8年度にかけて、都合81億円の支出をするということで理解をいたしました。
ここからはコメントになります。労災病院については独立行政法人化されて以降、予算措置は行われてこなかったと認識しています。労災病院の経営が厳しいことが理由だと伺っていますが本来は労災病院自身が、不断の収支改善努力を行うべきであり、今回の措置は、あくまでも特例的な措置と位置付けるべきだと考えております。このような理解でよろしいのか、改めて事務局にお尋ねしたいと思います。
○髙田分科会長 事務局からお願いいたします。
○計画課長 鈴木委員から御指摘いただいた労災病院については、御指摘のとおり、平成16年に独法化して以降、経過措置分を除くと、運営費も施設整備費も基本的には予算措置をしていないという状況です。今の労災病院の状況ですが、労災病院に限らず、コロナ後に患者が戻っていないというのは多分、どこの病院もそうなっていると思います。労災病院もそういう状況で、昨年度ぐらいから収支のバランスが非常に厳しい状況になっており、今年度は更にその悪化が見込まれるという状況です。
鈴木委員からも御意見を頂いたとおり、当然のことながら、まずは機構で自助努力ということで、病床利用率の改善などで収入を増やしたり、経費節減で支出を減らしたりといった収支改善の努力はするように、我々からも伝えております。しかし一方で、労災病院自体には地域医療を支える部分がありますので、地域医療を支える存在としての病院システムの更新のような、どうしても必要不可欠な経費があるのも事実です。今回はそういった必要不可欠な部分に限って、補助をするということで考えております。そういった意味で鈴木委員からも御確認ということで御意見を頂きましたけれども、正に今回の措置は、あくまでも労災病院の現在の経営状況を踏まえた特例的な措置なので、今回の予算措置を継続的に行うことは考えていないということです。
○髙田分科会長 鈴木委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。出口委員、お願いいたします。
○出口委員 1点だけ確認させていただきたいと思います。今般、事務局の方で各団体に熱中症対策の強化ということで、検討を進めておられると思いますが、今後どのような予定なのか、もしお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○髙田分科会長 事務局からお願いいたします。
○労働衛生課長 労働衛生課です。熱中症対策については、この分科会でも委員の方から、この次の夏に向けてしっかりと取り組むように、御指摘を頂いたかと思っております。我々も一つ規制改正も念頭に置いて取り組む必要があるかと考えております。令和5年のデータでは、熱中症の死亡者が30名に達しているという状況なので、やはり今やっている取組以上の取組をお願いしていくことが肝要かと思っており、現在、事務局で考えている構想について、専門家の御意見もいただきながら関係の団体、あるいは関係の業界にも御意見を頂いているところです。次の夏に間に合わせようと思うと、なるべく早めに分科会にもお諮りして御意見を頂きたいと思っているところです。ちょっともたついておりますけれども、関係者等に御理解を頂きながら、資料が整いましたらできるだけ速やかに、この分科会にお諮りしたいと思っております。日程感については、予断を持って申し上げられませんが、事務局としてはそのように、なるべく早めに改めてこちらでお伺いいただきたいと思っているところです。以上です。
○髙田分科会長 出口委員、よろしいでしょうか。そのほかに何かありますか。山脇委員、お願いたします。
○山脇委員 労働側の山脇です。今ほど出口委員より発言があった熱中症対策について、昨年の夏も相当数の方が熱中症により亡くなっているという状況もありますので、是非とも今年の夏に間に合うように、事務局には検討していただきたいと思います。
また、この間、14次防の重点項目の中でも、法改正に関わるものを議論してきましたが、腰痛や転倒対策など、14次防の重点項目でありながら、本分科会でまだ取り扱っていない事項もあります。その点も含めてしっかりと事務局のほうで検討をいただき、早急に分科会に諮り、労働者保護の観点からしっかり議論をしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。事務局からお願いいたします。
○計画課長 熱中症については、先ほど佐々木課長から御説明したとおりです。引き続き皆様とも御相談しながら、なるべく早くこの場で御議論いただくようにしたいと思っております。それ以外の14次防の項目についても、我々としても何が必要かを検討した上で、必要があればこの分科会で御議論を頂きたいと考えております。以上です。
○髙田分科会長 山脇委員、よろしいでしょうか。そのほかに御発言はありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
本日の議題は、全て終了いたしました。本日の分科会はこれで終了いたします。事務局におかれましては、本日の建議に基づき本分科会に諮問していただく法律案要綱の作成作業を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。本日もお忙しい中、ありがとうございました。