第31回厚生科学審議会がん登録部会(議事録)

健康・生活衛生局 がん・疾病対策課

日時

令和7年2月20日(金)14:00~16:00

場所

オンライン開催

議題

  1. (1)「全国がん登録 情報の提供マニュアル」の改訂等について【公開】
    (2)全国がん登録情報の利用・提供に係る審査【非公開】

議事

議事内容
○石川専門官 お待たせいたしました。お時間となりましたので、ただいまより第31回「厚生科学審議会がん登録部会」を開催いたします。
  委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の検討会につきましては、YouTubeにおいて配信しております。委員の皆様方におかれましては、参加中、基本的にマイクをミュートにしていただき、御発言の際には挙手ボタンで挙手いただきまして、事務局から、もしくは部会長から指名がございましたら、初めにお名前をいただいてから御意見、御発言いただくようお願いいたします。
 続いて、委員の出欠状況でございますが、本日は、坂元昇委員、中村康彦委員から御欠席の連絡をいただいております。また、黒瀨巌委員から途中退席の御連絡をいただいております。
 本日のがん登録部会における委員及び議事に関係のある臨時委員定数13名に対しまして、現在12名が参加されています。厚生科学審議会令にある、議事運営に必要な「委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数」を満たしていることを御報告申し上げます。
 本日、2名の参考人に御出席いただきます。
 国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センターセンター長 松田智大参考人です。
 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業プロトタイプ政策研究所所長・シニアパートナー弁護士 落合孝文参考人です。追っていらっしゃるかと思います。
 それでは、以後の議事進行を中山部会長にお願いいたします。
○中山部会長 それでは、皆様、本日もよろしくお願いいたします。
 まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 それでは、資料の確認をいたします。資料は委員の皆様方に事前にメールでお送りしておりますが、厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。議事次第、資料1から5、参考資料1から9がございますので御確認ください。なお、資料3から5、参考資料9は非公開資料です。資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 事務局からは以上です。
 それでは、中山部会長、議題をよろしくお願いいたします。
○中山部会長 了解しました。それでは、資料等に問題なければ、議事に入りたいと思います。皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議題の1「「全国がん登録 情報の提供マニュアル」の改訂について」に入りたいと思います。まずは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 資料1「「全国がん登録 情報の提供マニュアル」の改訂について」を御説明いたします。
 2ページを御覧ください。前回の部会において、「中間とりまとめ」を踏まえた今後の対応についてのこれまでの議論を受けて、運用の見直しを行うべき事項として、下の枠内に掲げている事項について、令和6年度末を目途に行うマニュアル改訂に盛り込むこととしておりました。
 3ページを御覧ください。こちらも前回の部会において、令和6年度末を目途に行うマニュアル改訂の内容として、マル1、「利用者用」と「提供者用」の分冊化、マル2、利用者の範囲の明確化、マル3、全国がん登録情報等の国外提供に係る運用ルールの明確化、マル4、法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに係る方針の明確化、マル5、申出文書の利便性向上の5点を挙げており、それぞれの課題と改訂方針をお示ししておりました。このうちマル5については、申出者にとって分かりやすいよう、また提供実務者の事務が効率化されるよう、細かな記載ぶりや様式について整備を行うことといたします。マル1からマル4につきましては、次のページ以降において具体的に御説明いたします。
 4ページを御覧ください。まず、マル1、「利用者用」と「提供者用」の分冊化でございます。
 がん登録部会の議論や、これまでの情報提供の実績を踏まえ、利用者用として「全国がん登録 情報の利用マニュアル(第1版)」を新規に作成し、利用申請の手続や利用期間中に必要な対応等、情報の提供を受けるに当たって必要な情報を記載してはいかがかと考えております。
 そして、提供者用として、現行のマニュアルを「全国がん登録 情報の提供マニュアル(第5版)」に改訂し、提供実務者向けに、提供に係る手続等について記載してはいかがかと考えております。
 5ページを御覧ください。次に、マル2、利用者の範囲の明確化でございます。利用マニュアル、提供マニュアル双方に、提供依頼申出者の別、申出可能な利用目的及び利用例を記載する項目を設け、民間事業者を含めた利用者の範囲や利用できる条件について明記することを考えています。
 具体的には、下の枠内に利用マニュアルにおける関係箇所の記載(案)をお示ししておりますが、主に民間事業者等による業務の成果をがん医療の質の向上に資する形で社会に還元する場合に利用が可能である旨、特定の商品、役務、顧客に資する業務のみでは認められない旨を記載してはいかがかと考えております。
 6ページを御覧ください。続いて、マル3、全国がん登録情報等の国外提供に係る運用ルールの明確化でございます。利用マニュアル、提供マニュアル双方に、これまでの部会でお示しした運用ルールを明記することを考えております。
 具体的には、本ページ以降の枠内に、利用マニュアルにおける関係箇所の記載(案)をお示ししておりますが、まず、本ページでは、匿名化された全国がん登録情報を国外提供する場合の記載(案)をお示ししております。主に提供依頼申出者は、国外の利用者における情報管理等についても共同で責任を負う必要がある旨、国外の利用者について、マル1、法第17条第1項第2号に該当する者のいずれかであること、マル2、所属機関が、外国政府又は日本が加盟している国際機関等の公的機関であることの条件を満たす必要がある旨を記載してはいかがかと考えております。
 7ページを御覧ください。匿名化された都道府県がん情報を国外提供する場合の記載(案)をお示ししております。主に、これまでに提供実績のあるCI5等の場合は、先ほどの匿名化された全国がん登録情報を国外提供する場合と同様とする旨、一方で、提供実績のない研究課題の場合、提供依頼申出者は、都道府県へ申し出ることとし、国外の利用者における情報管理等についても共同で責任を負う必要がある旨、国外の利用者について、マル1、法第18条第1項第2号に該当する者のいずれかであること、マル2、所属機関が外国政府又は日本が加盟している国際機関等の公的機関であることとの条件を満たす必要がある旨を記載してはいかがかと考えております。
 8ページを御覧ください。共同で責任を負うことについての対応として、利用マニュアルのうち、誓約書や利用規約における関係箇所の記載(案)をお示ししております。主に、誓約書や利用規約に同意するよう記載するとともに、利用規約へ、提供依頼申出者は、国外にある機関等に対して本誓約内容を遵守させる責任を負うものとし、当該機関における情報の取扱いの状況を確認するために、利用者及び利用環境等の監査等を速やかに行える体制を整えるものとするとの旨を記載してはいかがかと考えております。
 9ページから11ページは、御参考として、これまでのがん登録部会の資料のうち、国外提供に係るルールに関係する部分の抜粋でございます。
 12ページを御覧ください。最後にマル4、法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに係る方針の明確化でございます。利用マニュアルに、これまでのがん登録部会における議論を踏まえ、生存確認情報の利用例を記載するとともに、前回の部会において引き続き検討することとしていたカルテ転記や第三者提供については、一定の条件の下、認める運用とすることを考えております。
 具体的には、本ページ以降の枠内に、利用マニュアルにおける関係箇所の記載(案)をお示ししておりますが、まず、本ページでは、生存確認情報の利用例として、主に病院内で行われるがんに係る調査研究が認められる旨、多施設共同研究等による第三者への提供については、生存確認情報に一定の加工を施すことで認められる旨、カルテへの転記については、第三者へ提供可能な条件を満たす状況においては、条件を満たした情報について認められる旨を記載してはいかがかと考えております。
 次に、13ページ、14ページにおいて、法第20条の規定に基づいて提供された生存確認情報の取扱いについての記載(案)をお示ししております。
 まず、13ページの枠内において、自施設内で完結する研究利用、自施設以外への情報提供が生じる研究利用、それぞれに応じた取扱いが可能である旨をお示ししております。
 そして、14ページの枠内でございますが、こちらに第三者提供を可能とする条件に係る記載(案)をお示ししております。
 まず、生存者の情報の場合、病院等は、診断日等と生存確認日の差から得られる期間に最終生存確認日を加工する旨、病院等から提供を受ける者は、診断日等を保有している場合、当該期間から最終生存確認日を復元できないよう、診断日等の「日」の情報を削除する旨、そして、死亡者の情報の場合、病院等は、診断日等と死亡日の差から得られる期間に死亡日を加工するとともに、原死因を「がんによる死亡」又は「がん以外の死亡」に置換する旨。病院等から提供を受ける者は、診断日等を保有している場合、当該期間から死亡日を復元できないよう、診断日等の「日」の情報を削除する旨を記載してはいかがかと考えております。
 ただし、本ページの最後に記載しておりますとおり、法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いについては、引き続き、がんに係る研究における予後情報の有用性及び研究推進による患者メリット並びに情報の保護のバランスに鑑み、実態把握等に努め、必要に応じて見直しを行うことといたします。
 15ページから20ページは、御参考として、これまでのがん登録部会の資料や、昨年末に取りまとめられた規制改革推進に関する中間答申のうち、法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに関係する部分の抜粋でございます。
 事務局からは以上です。
○中山部会長 説明どうもありがとうございました。
 ただいま、資料のうち、「「全国がん登録 情報提供マニュアル」の改訂について」の内容について説明いただきました。委員の皆様から、この場で確認が必要な点などございましたら御発言をいただきたいと思います。
 では、村本委員、お願いいたします。
○村本委員 ありがとうございます。村本です。
 私からは、3点申し上げたいと思います。
 1点目ですけれども、基本的な確認で恐縮ですけれども、前回、昨年11月の部会までの議論と本日の議論の関係について確認させていただけないでしょうか。と申しますのは、前回の議論では、資料の14枚目にありました、例えば第三者提供の死亡原因の加工に関しては、「がんによる死亡」か「がん以外による死亡」かだけでなく、当該がんなのか、それ以外なのか、がん以外による死亡も、他の疾病なのか、自殺なのかなど、もう少し細かく分けたほうがよいのではといった意見が、私も含めて複数の委員の方々から出て、事務局も意見を踏まえて、どれくらい細かくできるかは検討できればとおっしゃっていました。
 しかしながら、今回のスライドの14枚目を見た場合、下のほうにただし書きがあるものの、死亡者の情報についてを見ますと、原死因については、「がんによる死亡」又は「がん以外の死亡」に置換するというだけになっていて、前回の議論が踏まえられていない印象を受けました。前回までの議論と本日の議論の関係について説明していただきたく、お願いいたします。
 あと2点、続けてしまってよろしいでしょうか。
○中山部会長 よろしければ1点ずつ行きましょうか。ありがとうございます。
 それでは、村本委員の御質問について、事務局、いかがでしょうか。お願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 特に第三者提供における死因の加工の方法についての前回の議論との関係でございました。こちらにつきましては、以前、村本委員、その他の委員の方々からも「がんによる死亡」又は「がん以外の死亡」よりも細かく分けることができないかと御意見いただいており、こちらとしても御意見も踏まえて検討しますと申し上げていたところで、そちらにつきましては、引き続き御意見も踏まえて検討を続けているところでございます。
 今回の令和6年度末の時点では、我々事務局のほうで現時点で検討しているところですと、一旦、「がんによる死亡」又は「がん以外の死亡」という形でマニュアル改訂を行い、そこについては来年度から運用開始できればと考えているのですけれども、いただいた御意見は、こちらとしても重要だと思っておりますので、どういった形で分けることができるかについては、改めて実態を来年度以降しっかり把握して、その上で具体的な運用がどこまでできるかは検討していく必要があると考えておりますので、そこにつきましては、来年度以降、引き続き検討していこうと思っております。
 以上です。
○中山部会長 ありがとうございます。
 村本委員、この点について、いかがでしょうか。
○村本委員 ありがとうございます。
 御回答内容は承知いたしましたが、せっかくの前回の皆様複数からの御意見ということもありましたので、もしも次のタイミングに先送りされてしまうとなれば、いささか残念な気はいたします。御回答内容は承知しました。
○中山部会長 非常に重要な点だと思いますので、引き続き、事務局のほうでもぜひ検討を進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、村本委員、2点目をお願いいたします。
○村本委員 ありがとうございます。
 2点目ですが、同じ14枚目に関連して、診断日等の「日」の情報についてというところです。患者に関する、私が存じ上げている重要な調査として、国立がん研究センターで実施している患者体験調査がありまして、こちらはがん登録情報を活用したものではありませんが、この調査の中で診断・治療のタイミングは重要な質問項目となっており、その選択肢の中で2週間未満や2週間以上といったものも設けられていて、実態の把握は患者視点で重要な部分だと考えています。
 一方、がん登録情報を活用して、より精緻に分析を行おうとするがん研究への利活用の際、「日」を全て削除してしまうと1日と30日が同じ扱いになってしまい、せっかくのがん登録情報が曖昧なものになってしまうと、特に診断後早期の事象の実態の把握が難しくなり、この点は患者視点においてもどうかと感じました。診断日等の「日」を全て削除するのではなく、何らかの形でずらすなどの方策があればよいのではと思いました。
 以上、2点目です。
○中山部会長 御質問ありがとうございます。
 この点について、事務局からお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。ありがとうございます。
 第三者提供における診断日等を保有している場合は「日」を削除するといったところへの懸念をお示しいただいたものかと思います。こちらにつきましては、我々のほうでは生存確認情報をできる限り活用していただく方策の一つとして、生存確認情報そのものではないような形で第三者に提供できればと、情報の保護に鑑みて、考えておりました。その中の一つとして、死亡日、または最終生存確認日を復元できないようにするといったところを踏まえて、このような方策を考えたところでございます。
 他方で、おっしゃったとおり、診断日は非常に重要な情報であるということを、こちらとしても把握しており、それにつきまして、今、御提案いただいたような、一定期間をずらすということも考え得ると思っているところですけれども、そちらについても、そのような形の処置をした場合に、ほかへの影響はどうなのかといったところは慎重に検討する必要があるかなというふうにも、我々、思っておりますので、そういったところも含めて、来年度以降、実態把握等に努めていき、その結果を踏まえて、運用を必要に応じて見直すことができればと思っております。
 以上です。
○中山部会長 ありがとうございます。
 村本委員、いかがでしょうか。
○村本委員 ありがとうございます。
 この点も1点目と併せまして、ぜひよろしくお願いいたします。
○中山部会長 患者さんにとっては、診断された直後に何が起こっているのかという情報は、気持ちが一番不安定なときで、本当に大事なことだと思います。慎重かつ、またいろいろ検討を進めていければと思います。村本委員、ありがとうございます。
 それでは、3点目、お願いいたします。
○村本委員 ありがとうございます。
 最後の3点目ですが、少し戻りまして、利用者の範囲の明確化に関する民間事業者の記載についてです。この点については、3枚目の改訂方針にあるとおり、民間事業者を含めた利活用を推進するとともに、その際の利用者の範囲や利用できる場合、いわば条件を明確化するという点では異論ありませんし、民間事業者を含めた利活用を推進することで、患者、国民への一層の成果還元を期待するものです。
 一方、特に民間事業者に関しては、事業体として営利を本質的な目的とする以上、がん登録情報の利活用に際して、公的機関以上に様々な意図や思惑が生じかねないものであり、利用マニュアルにどのように記載するかに加えて、個々の申入れに対する審査時の判断が非常に重要になってくると考えます。この点は、私がこの部会の委員に就任する前の2023年6月の第23回部会でも、患者側委員の関連の御発言があったと認識しておりますが、個々の研究目的に加えて、研究の利用の仕方によって、特定の商品、役務、顧客に資することにならないか、個別に審査・判断していくことが重要と考えています。
 また、関連して、民間事業者を加えて利活用を推進する基本的考え方に立ちつつも、民間事業者の本質的な特性を鑑み、がん登録情報を相当な公益性を有する目的以外のことに使用しない旨の誓約書などをお示しし、または審査後の認定時に提出してもらうことも1つの方策ではないかと思いました。この点はマニュアルに記載すべきか、それとも運用上、行っていくべきか、判断がつきませんが、意見として申し上げます。
 長くなりましたが、私からは以上です。
○中山部会長 村本委員、どうもありがとうございました。
 それでは、3点目について、事務局からお願いいたします。
○石川専門官
 民間事業者に関する範囲の明確化についての御意見をいただきまして、ありがとうございます。我々のほうでもできる限り多くの方に利用していただくということで、そのためにこのマニュアル上でも、こういった場合は利用可能であるというところをお示しできればと考えて、このような記載を考えているところでございます。
 まさにおっしゃったとおり、実際に個別にこういったことが相当の公益性、がん医療の質の向上に資する形で社会に還元されるものなのかについては、それぞれ個別の判断が大事だと考えております。定の商品、役務、顧客に資する業務のみとなりますと、それは社会全体に還元されることとは反するところがありますので、そういったことがないように留意しながら、個別に審査時に判断していくというような形で運用できればと思います。
 以上です。
○中山部会長 村本委員、いかがでしょうか。
○村本委員 ありがとうございます。
 相当の公益性を有するもの以外に使用しないなどの誓約書などは、純粋にそのように思っている企業については、書くのもそんなに手間はかかりませんし、そうではない企業に対しては意識づけになるのではないかというふうに思いますので、誓約書を出してもらうなども検討いただいてはいかがかなと思いました。
 以上です。
○中山部会長 どうもありがとうございました。村本委員から非常に重要な御指摘と御提言をいただいたかと思います。事務局のほうも、引き続き真摯に検討を進めていただきたいと思います。お願いいたします。
 それでは、西野委員、お願いいたします。
○西野委員 御説明ありがとうございます。
 私から2点、御質問させていただきます。
 最初の点ですが、国外提供に係る運用ルールに関して、匿名化された全国がん登録情報、都道府県がん情報の運用ルールについて御説明いただきましたけれども、これとは別に、集計された後の情報、集計値を国外の研究者と共有することについて、運用ルールを定めることを考えられているかをお尋ねしたいと思います。その場合、ルールを定める場合には、個人情報保護に留意することを前提として、可能な限り研究を促進するような形で作成いただくことをお願いしたいと考えております。まず、この点についてお伺いいたします。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、1点目について、事務局からお願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 国外提供に関することでございましたが、申し訳ございません、御確認なのですけれども、いただいた御質問は、国外提供した後の情報の利用の仕方といったことでございましたでしょうか。
○西野委員 必ずしも匿名化情報の提供ではなくて、一般に国内の研究者と国外の研究者が集計した後の表とか集計値の情報を共有するようなことについて、ルール化を考えられているかをお伺いしたかったのですが。
○石川専門官 ありがとうございます。
 集計値の提供といったところは、すみません、今回、触れられていなかったのですけれども、マニュアルで記載して運用上で明確にできればいったところにつきましては、あくまで匿名化される情報について国外のCI5ですとか、既に行われているものがありますけれども、そういったものに対して提供できるということは明確にして、そして匿名化されたがん登録の情報を生かせるようにするといったことを考えていたところでございました。
○西野委員 今後、そのような事例についても出てくるかと思いますので、そういう集計値データとか表を国内の研究者と国外の研究者が共有することについても、今後のルール化等を検討いただければと考えております。
○中山部会長 ありがとうございます。
 これも今後の検討課題ということで、事務局のほうで何か追加ありますか。
○事務局 少し補足的に説明させていただきます。基本的に、現状、集計値に関しましては、国内の申出提供利用者のほうで公表に係る手続をしていただいた上で、国外に提供していただくという形がスキームとしてもございますので、そういった形で利用するのが第1選択なのかなというふうに承知しているところでございます。他方で、先生の御趣旨としては、直接国外の研究者に対して集計値として提供するスキームを新たに検討してはどうかというような御趣旨でしょうか。
○西野委員 共同研究として、国内の研究者と国外の研究者が共に全国がん登録に関する分析を行う際に、匿名化データは国外には提供しないけれども、データを分析し集計した結果を国内と国外の研究者が見て、それを今後の分析に生かしていくことについてのルール化等をお考えかどうかお伺いしたかったのですけれども。
○事務局 ありがとうございます。
 現状としては、我々のほうでそういったことは検討しておりませんで、基本的には公表の手続というものを国内でしていただいた上で、海外のほうに提供していただくものと承知しております。
○西野委員 現時点での方針については了解いたしましたので、今後、御検討いただければと思っております。お願いいたします。
○中山部会長 ありがとうございます。
○西野委員 二点目ですが、これは先ほど村本委員からの御発言にもありましたように、14ページにあるいわゆる20条提供情報の第三者提供について、村本委員の御指摘と全く同じような内容になるのですけれども、1つは、診断日等の「日」の情報を削除することは、医療の質の評価等における重要な情報を失わせることにもなりますので、可能でしたら、そういう「日」の情報を削除せずに提供できるような加工方法を併せて示すことができればいいのではないかと考えているのが1点。
 もう1点については、死因の情報についても、私も以前発言しましたように、複数のがんに罹患している方については、どのがんで亡くなったのかという情報が医療の評価では非常に重要だと考えておりますので、今後の検討になるという先程の御回答だったかと思いますけれども、当該がんによる死亡といった形で提供できるようにということをお願いしたいところです。
 以上です。
○中山部会長 西野委員、どうもありがとうございました。この点につきましては、先ほどの村本委員の御意見と同じで、重要な点だと思いますので、事務局もぜひ引き続き協議を続けていただきたいと思います。お願いいたします。
 では、東委員、お願いいたします。
○東委員 ありがとうございます。
 今の西野委員と村本委員の意見とかぶるところもあるので、少し提案です。多分決められないと思うのですが、診断日、起算日となる「日」を削除するという方針としては、今のところ致し方ないのかなと思うのですが、既に持っているものを全て削除するのではなくて、新たにそういった提供データの中からは削除して、その提供データと元のものを混ぜないという運用が許されるのであれば、村本委員、西野委員の懸念されている、もともとあったはずの診断日、また診断日周りの日数を医療の質として考えるということが両立するのではないか、と思いました。
 今、書いてある書きぶりですと、持っているものを削除しなければいけないと書いてあるので、そこは別と考えるというふうにしていただいて、持っていても構わないけれども、絶対にリンクはしないというふうな運用で道を開いてはどうかと思いました。
 まず、それはいかがでしょうということです。
○中山部会長 ありがとうございます。何とか活用の道を開きたいというような御意見だと思いますけれども、事務局のほう、現時点ではいかがでしょうか。
○鶴田課長 がん・疾病対策課長の鶴田です。私のほうから回答させていただければと存じます。
 前回の部会でも、がん登録法の情報を有効活用して、患者さんのためにがんの医療を高めるためにしっかりと活用できる世界をつくっていきたいというのが、この部会の皆様方の意見だというふうに我々、受け止めております。
 今回、論点になった20条のところですけれども、この20条に関しましては、それこそA病院で治療されていた方がB病院、もしくはCの診療所に移られて、最終的に何らかの原因で亡くなったという情報を、A病院ががん登録法に基づいてがん登録データベースから死因情報を病院がもらうということになるわけですけれども、これは患者さんの同意なく、そういった死因情報を得ていることになりますので、この情報についてはとても機微性の高い情報であり、がん登録法の中でも厳しい法規定が整備されているところで、今まで運用されてきているところであります。
 ですので、そのありのままの情報を第三者提供したり、カルテにそのまま記載するのは難しいということは、これは皆様方にもこれまでも御説明させてきていただいたところですし、そこについては一定の御理解を得ているのかなと思っております。
 今回の議論の中の論点は、ありのままの情報ではなく、一定の加工を加えた上で研究の利活用に使える情報としては、どういった加工の仕方があり得るのかということで、これまで議論させていただき、まずここまでであれば大丈夫だろうということを今回提案させていただいているところでありますが、もちろん、これだけではなく、もっと踏み込んだことができるのではないかというところについては、今回で議論を閉ざすわけではなく、あくまでも今後、研究等でどのようなニーズがあるのか、また、どういう加工の仕方があるのか、それがありのままの情報を復元することのない加工の仕方を整理することができるのか、ここについては、研究・検討を続ける必要があるというふうに思っております。
 すぐにこういういい方法があるという結論は、なかなか出せるものでもないなと思っていますので、確実に機微性のある情報、この加工であれば復元ができないという考え方を、今回、一旦お示しをさせていただき、それをマニュアルに反映させていただき、そういった機微性のある情報が復元できないような形で研究の利活用がさらに進むという第一歩を踏み出せていると思っていますが、ここからさらに踏み出せるかどうかは、より慎重な議論、検討が必要だと思っています。ただ、そこに関しても、今回でそれを閉ざすわけではなく、あくまでもどういった加工の仕方があるのかということを引き続き研究、またニーズの把握、また実際そのフィージビリティも含めて整理させていただきたいなというふうに事務局としては考えているところです。
 私からは以上です。
○中山部会長 ありがとうございます。
 東委員、いかがでしょうか。
○東委員 ありがとうございます。
 引き続き検討ということで、私の発言も、こんなことがあるかもという、今後につなげたいという思いだというふうに理解いただければと思います。
 別の点も併せてよろしいですか。
○中山部会長 どうぞ、お願いいたします。
○東委員 すみません。
 国外提供に関するところで、8枚目のスライドにあったのですけれども、国内の提供依頼申出者となった者が監査を行うとか、そういった体制を整えるというふうに書いてあるのですけれども、具体的に監査を行う体制というのは、どういうものを想定されているのかというのをちょっとお伺いしたいと思ったのですが。言うのは割と簡単ですけれども、やるのはとても難しいので、どこまで考えている、もしくは実効性を確保するのかというのは、どのようにお考えでしょうか。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、その点について、事務局、いかがでしょうか。
○石川専門官 ありがとうございます。
 こちらの国外提供に関するところのうち、共同で責任を負うことというところについての具体的な方法の御質問と理解しております。こちらにつきましては、監査等を速やかに行える体制と書いてありますが、実際に提供依頼申出者になる国内の者が、必要に応じて国外の者に対して、何かあった際に速やかに連絡が取れるとか、どういった形の利用状況になっているかということが速やかに把握できるような形を、こちらとしては念頭に置いているものでございまして、そこに対して契約等といった形で規定するというようなことを念頭に置いているものでございます。
 以上です。
○東委員 ありがとうございます。
 だから、契約があれば、それでいいということなのですね。監査の実績とか計画は求めないということですか。
○石川専門官 すみません、そういった細かいところは明確に議論できていないということではあるのですけれども、まずはどこまで求めるかというよりは、何かあったときにどういった利用状況であったかといったところを把握できるというようなことを考えているところでございます。
 以上です。
○東委員 なるほど。本来であれば、国外提供を始める前にその点については詰めるべきだということになるかと思うのですが、既に国外提供がされていると理解していますけれども、実際に監査の実績とかがあるのかということはお伺いしてもいいですか。
○中山部会長 事務局、いかがでしょうか。
○石川専門官 ありがとうございます。
 まだ議論できていないところがありましたので、そういった監査の実績等、どういった形で把握するか、求めるかといったところについては、今後、必要に応じて議論と考えております。
 以上です。
○東委員 ありがとうございます。
 あと1点だけ、国外提供は国際情勢に鑑みて、かなり気になるところです。基本的には国際機関もしくは外国政府というふうに書いてあって、国の法人もしくは個人の利益を害さないことというふうに注意書きが書いてあるのは、慎重でいいと思うのですけれども、9枚目のスライドに書いてあるCI5、CONCORDについてはというふうに例示されています。これは実績があるということではいいのかもしれないですけれども、確かにこの2つは世界的に信用のあるものだということで、既に行っていることについては、私は問題はあまりないと思っているのですが、ただ、このCONCORDというのは、基本的には国際機関でも政府でもないというふうに私は理解しています。確かにWHOとかOECDみたいなところからエンドースされているというふうにホームページにも書いてあるので、身元はしっかりしている。けれども、国際機関でも政府でもない。なので、そこが今後のほかの団体に対して単純に道を開くことになるとまずいのではないか。慎重に考えるということをどこかで確保する必要があるのではないかと思ったので、ちょっと指摘させていただきました。
 以上です。
○中山部会長 ありがとうございます。
 この点、事務局のほうはいかがでしょうか。
○鶴田課長 がん・疾病対策課長の鶴田です。
 海外提供について慎重に検討する必要があるということは、東先生の御指摘のとおりだと我々、認識しております。今までCONCORDとか、国際的にも信頼できるものについて、海外への提供というところを実績としているところですが、ここからどこまで広げるのかというところは、本当に一つ一つの事例ごとに慎重に検討が必要だと思っています。今回、これによってなし崩し的に海外に提供するということは、事務局としては全く考えていないです。あくまでも出てきたものを一つ一つ慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
 私から以上です。
○中山部会長 ありがとうございました。
 東先生、よろしいでしょうか。
○東委員 ありがとうございます。
 そういった点からも、先ほど西野委員がおっしゃったような集計値などもきちんとルールに基づいて共同で見るというのを整備するのは大事だと思いますので、併せてそのところもよろしくお願いします。
 私は以上です。
○中山部会長 東委員、重要な御指摘どうもありがとうございました。
 それでは、ほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。非常に重要な御提案、御指摘、いろいろいただいたかと思います。
 法第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに係る方針については、事務局におかれては、委員の御指摘も踏まえて、第三者提供の加工方法等について、今後、実態把握などを行い、引き続き検討いただければと思います。
 他方、令和6年度末を目途に行う、「全国がん登録情報の提供マニュアルの改訂」については、事務局におかれては、資料1で示された案のとおり改訂を進めていただければと思います。本日の議論を踏まえつつ、文言の細部につきましては、部会長に御一任いただければと思います。先ほど課長からもお話ありましたように、これで議論が終わるわけでは決してないと思いますので、引き続き委員の皆様からぜひいろいろ御提言いただければと願っております。そのような方向でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○中山部会長 どうもありがとうございました。それでは、そのように進めさせていただきます。
 それでは、議題1のもう1点の資料、「医療法等の一部を改正する法律案の概要について(報告)」に入りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 資料2「医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について(報告)」を御説明いたします。
 2ページを御覧ください。医療法等の一部を改正する法律案が2月14日に閣議決定されました。こちらの概要のうち、前回の部会において、がん登録推進法の規定を整備するとしていた事項がございましたけれども、そちらにつきましては、いずれも「3.医療DXの推進」に含まれているものになります。
 3ページを御覧ください。「3.医療DXの推進」のうち、主な改正事項として、公的DBにおける仮名化情報の利用・提供が上げられており、がんのデータベースについてもこちらに含まれているものになります。
 本法律案は、今後、国会で審議されることとなり、法律が成立すれば、施行に向けて詳細を決定していくといったような流れとなります。
 簡単ですけれども、事務局から、以上、御報告でございます。
○中山部会長 御報告どうもありがとうございました。
 これについては、御報告ということでさせていただければと思います。
 それでは、次の議題に移りたいと思いますが、次の議題は非公開となりますので、事務局のほう、御対応をお願いいたします。
○石川専門官 それでは、これより非公開の議事となりますので、YouTubeを切断させていただきます。
 
 

照会先

健康・生活衛生局 がん・疾病対策課

代表03-5253-1111(内線 8306)