2024年8月2日 薬事審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和6年8月2日(金)14:00~

会場

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(17名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理 



欠席委員(4名)五十音順

行政機関出席者
  •  城克文  (医薬局長)
  •  佐藤大作 (大臣官房審議官)
  •  中井清人 (医薬局医薬品審査管理課長)
  •  野村由美子(医薬局医薬安全対策課長)
  •  鈴木洋史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので「薬事審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。本会議はペーパーレスの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点がありましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日の会議における委員の出席について御説明申し上げます。浦野委員、大曲委員、中野委員、南委員より御欠席との御連絡を頂いております。そのほか、滝田委員から遅れて御参加と御連絡を頂いております。本日、現在のところ当部会委員数21名のうち、16名の委員がこの会議に御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 続きまして、事務局に人事異動がございましたので、御報告申し上げます。厚生労働省大臣官房審議官の佐藤大作でございます。医薬品医療機器総合機構執行役員新薬審査等部門担当の安川孝志でございます。同じく、審査マネジメント部長の荒木康弘です。同じく、新薬審査第四部長の柳沼宏でございます。
 続きまして、新薬審査第五部長の井口豊崇でございます。ワクチン等審査部長の松倉裕二です。それから、医薬品安全対策第二部長の前田大輔でございます。以上です。
 続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議の都度、御協力を賜り誠にありがとうございます。
 それでは、以後の進行を、清田部会長、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 皆さん、こんにちは。清田です。それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、そして委員からの申出状況について御報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~21を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは資料21に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりです。
 議題1の「ヌーカラ」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は川上委員、松下委員です。
 議題2の「フリュザクラ」、退室委員は安藤委員、松下委員、議決に参加しない委員は亀田委員、山本俊幸委員、山本昇委員です。
 議題3の「アレセンサ」、退室委員は松下委員、山口委員、山本昇委員、議決に参加しない委員は亀田委員、山本俊幸委員です。
 議題4の「タスフィゴ」、退出委員は安藤委員、山本昇委員、議決に参加しない委員は亀田委員、山本俊幸委員です。
 議題5の「ミールビックII」、退室委員は大隈委員、川上委員、議決に参加しない委員は松下委員、山口委員です。
 議題6の「希少疾病用医薬品の指定の可否」、退出委員は山本昇委員、議決に参加しない委員は亀田委員、川上委員、松下委員、山本俊幸委員です。
 議題7の「先駆的医薬品の指定の可否(ベピロビルセンナトリウム)」、退室委員は松下委員、議決に参加しない委員は亀田委員、山本昇委員です。
 議題8の「先駆的医薬品の指定の可否(Nerandomi last)」、退出委員はなし、議決に参加しない委員は亀田委員、山本昇委員です。
 また、議題9についても、各委員より寄附金・契約金等の受取りの申告を頂いておりますが、本議題は薬事審議会審議参加規程第18条の「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で申告書を公開することをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。
以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日の非公開議題は、審議事項が9議題、報告事項が6議題、その他事項が2議題となっております。それでは、審議事項の議題に移ります。審議事項議題1とその他事項議題2は関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。まず、審議事項議題1について、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、ヌーカラ皮下注100mgシリンジ及び同皮下注100mgペンの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。
審査報告書の32分の5ページを御覧ください。本剤は、ヒト化抗ヒトIL-5モノクローナル抗体であるメポリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とし、本邦では気管支喘息及び好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に係る効能・効果で承認されています。今般、「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。なお、本剤は2024年5月時点で、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎を含む効能・効果で米国及び欧州を含む50以上の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.20に記載の5名の委員を指名しました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に説明します。有効性につきまして、審査報告書32分の12ページ、表10を御覧ください。国際共同第III相試験が実施されており、鼻茸の大きさを評価した「NPスコア」と鼻づまりの重症度を評価した「鼻閉のVAS症状スコア」の二つがco-primary endpointとされました。プラセボ群と本剤群との対比較の結果、NPスコアではプラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差は認められなかったものの、本剤群でプラセボ群を上回る改善傾向が認められました。鼻閉のVAS症状スコアについてはプラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差が認められました。また、同じ表の右側に日本人患者の部分集団解析結果を示しています。
なお、本試験では信頼性の担保が困難であることを理由に特定の治験施設支援機関が関与した施設の被験者の成績が本申請後に除外されており、除外後の成績をお示ししています。
 本剤の有効性については、審査報告書32分の16ページから示しています表13~15及び図1に示したとおり、いずれの有効性評価項目においても本剤群でプラセボ群を上回る改善傾向が認められていることを踏まえ、機構は、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。
 また、本試験では、鼻腔内ステロイド等の併用患者が含まれていたものの、本邦で承認されている鼻腔内ステロイドは主にアレルギー性鼻炎の適応のみを有し、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に係る効能・効果は承認されていないことから、審査報告書32分の20ページから示しています、7.R.2.2項で鼻腔内ステロイド等の非併用例での有効性について検討しました。本項での検討を踏まえ、鼻腔内ステロイド等非併用例においても、一定のスコアの改善傾向が示唆されたことから、機構は鼻腔内ステロイド等の非併用例においても本剤の有効性は一定程度期待できると判断しました。
 安全性につきまして、審査報告書の32分の23ページの表21を御覧ください。現時点で本剤の既承認の効能・効果における安全性プロファイルと比較して鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者に特有な新たな安全性上の懸念は示唆されておらず、既承認効能・効果と同様の安全対策を講じることが適切と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会にて御審議いただくことが適当と判断しました。本申請は新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年とすることが適当と判断しております。薬事審議会では報告を予定しています。
以上、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございました。続きまして、その他事項議題2について、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 本品目につきましては、最適使用推進ガイドラインを作成しておりますので、その案を資料No.18-1としてお示ししております。本ガイドラインは、関係学会といたしましては日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本アレルギー学会に御協力を頂いて作成しておりまして、内容といたしましては、8ページ以降ですが、施設等の要件と本剤の投与対象となる患者に関する内容、また、投与に際して留意すべき事項等について記載をしております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。宮川先生、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。御説明ありがとうございます。鼻腔内投与のステロイドの種類の差というのは、そのバックグラウンドで記載されておりますでしょうか。例えば、鼻腔内投与の場合には水様と、それからパウダーのような形状があって、パウダーの方は鼻腔内で非常にしっかりとステロイドが定着するというようなことがありますが、そのような違いというのはあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構より回答しますが、今、手元に持ち合わせている情報ではお答えしかねます。
○宮川委員 ありがとうございます。できれば、そういう情報があると実際に本薬の有効性があったかなかったのか、有意差が出た、出なかったのか、そういうことがより分かるのではないかなと思って質問させていただきました。ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。では、もし調べがつきましたら、また教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○清田部会長 山口委員から手が挙がっています。山口先生、どうぞ。
○山口委員 議長、ありがとうございます。質問は、主要な臨床試験の主要評価項目に関して、二つあって、co-primaryということなのですが、これは確認ですけれども、両方有意差があって初めて、試験の目的が達せられたという理解でいいのかというところと、あと、そうであれば、NPスコアの方が有意差が得られなかった、試験としては失敗ということなのですが、それ以降の、何と言うのですか、それでも有効性が認められたと、承認に値したと判断するところの、その辺のロジックがよく分かっていなくて、もう一度御説明いただけると有り難いです。
○清田部会長 機構からお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えします。御理解のとおり、今回、co-primary endpointとして設定されておりますので、NPスコアと鼻閉のVAS症状スコア、両方の統計学的な有意差が確認されて初めて試験成功となります。今回、NPスコアの方はp値として統計学的な有意差が認められませんでしたが、べースラインからの変化量や、先ほど御説明させていただきました審査報告書32分の16ページ、表13の有効性評価項目のスコアの推移、17ページの表14のレスポンダー解析、その下の表15、図1に示した経口ステロイド投与又はNP除去手術を行うまでの時間が本剤投与により伸びるというような結果が確認できておりますので、これらの成績を総合的に評価して本剤の有効性は期待できると判断をさせていただいております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。山口先生、いかがでしょうか。
○山口委員 そういう回答をされるのだろうなと思って、分かりました。ただ、どうなのですかね、primary endpointの設定としてこの二つのco-primaryでよかったのかなというところは少し、これでよかったのかについて、あるいは総合的にということでしたので、別のendpointを立てた方がよかったのかなと、その辺は試験デザイン等々工夫があった方がよかったのかなと、検討の余地があったのかなと思って伺いました。すみません、以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問はありますか。よろしいですか。ないようですので、議決に入りたいと思います。なお、議題1につきましては、川上委員、松下委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
まず、議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。また、その他事項議題2につきましても、御確認いただいたものといたします。
 続きまして、議題5及び議題9に移ります。大隈委員、川上委員におかれましては、利益相反のお申出に基づきまして、議題5の審議の間、会議から御退出して、御待機いただくことといたします。大隈委員、川上委員は御退出をお願いいたします。
──大隈委員、川上委員退室──
○清田部会長 それでは、議題5と議題9は関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。まず、議題5につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、ミールビックII皮下注用の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.5のフォルダから、審査報告書のファイルをお開きください。説明中にお示しするページ数は、各ページの下段に青色で記載の35分の幾つの数字を使用します。なお、1ページにお示ししているとおり、審査報告書確定後に誤記の修正をしており、2ページ以降の審査報告書は修正を反映したものとなっております。
 本剤は、弱毒生麻しんウイルス及び弱毒生風しんウイルスを有効成分とする麻しん風しんワクチンです。以降、麻しん風しんワクチンは「MRワクチン」と呼ばせていただきます。申請者が現在製造販売しているMRワクチンであるミールビックの有効成分とは、麻しんウイルスは同一ですが、風しんウイルスが異なります。本剤に含まれる風しんウイルスは、ミールビックの製造に用いる風しんウイルス株と同一のウイルス株が用いられていますが、より安定した原材料調達とワクチンの供給を目的に、ウイルスの培養に用いる細胞をミールビックの製造で用いているウズラ胚培養細胞からヒト二倍体細胞株であるMRC-5細胞に変更して製造いたします。今般、ミールビックと同じ「麻しん及び風しんの予防」を効能・効果として製造販売承認申請されました。今後、ミールビックから本剤への置換えが予定されています。2024年8月時点で、本剤が製造販売承認されている国又は地域はありません。本品目の専門委員として、資料No.20に記載の5名の委員を指名しました。
 主な審査内容について御説明いたします。審査報告書12ページ、表5を御覧ください。実施された臨床試験の概略をお示ししています。本剤の有効性は主に、MRワクチンの定期接種第1期の対象となる生後12か月以上24か月未満の小児を対象としたL0131試験に基づき評価し、L0132試験において定期接種第2期の対象となる小児に対する免疫原性を確認しました。いずれの試験においても、現在製造販売されているミールビックを対照薬として比較が行われました。審査報告書15ページ、表11を御覧ください。L0131試験において、本剤接種後の麻しんウイルス中和抗体及び風しんウイルスHI抗体の抗体保有率は、100%又は100%に近い値を示し、対照群との比較において、いずれも事前に規定された非劣性基準を満たしました。
 次に、審査報告書16ページ、表13及び表14を御覧ください。MRワクチンの定期接種第2期の対象となる5歳以上7歳未満の小児を対象に本剤を接種した0132試験の結果、麻しんウイルス中和抗体のGMT及び風しんウイルスHI抗体のGMTは対照群と同程度であり、抗体保有率はいずれも100%を示しました。これらの成績等から、本剤の麻しん及び風しんに対する予防効果は期待できると判断しました。
 続いて、安全性について御説明いたします。審査報告書23ページの表23に、各臨床試験における有害事象の発現状況を示しています。有害事象及び副反応は本剤群と対照群とで同様の傾向であり、重症度が高度の有害事象の発現は少なく、認められた有害事象のほとんどが軽度又は中等度でした。これらの臨床試験成績より本剤の安全性に特段の懸念は認められなかったことから、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品に該当し、原体のうち新有効成分に該当する弱毒生風しんウイルス松浦/J16株及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。なお、原体のうち弱毒生麻しんウイルス田辺株は劇薬として指定済みです。薬事審議会では報告を予定しています。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。続いて、事務局から議題9につきまして、概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。資料No.9、生物学的製剤基準の一部改正について御説明いたします。資料No.9を御覧ください。改正の内容を1ページの2ポツに記載しております。今回、「ミールビックII皮下注用」の審議に際しまして、「乾燥弱毒生風しんワクチン」及び「乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン」の二つの各条を改正することとしております。具体的には、「ミールビックII」は、既に承認されている「ミールビック」から原材料の調達の安定等のために培養の基材を変更しております。これに従いまして、各条の中に「ヒト二倍体細胞株」に対応した基準を追加するものとなっております。具体的な改正内容は2ページ以降に記載しておりますので、御参照ください。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。委員の先生方から御質問等を承りたいと思いますが、ございますか。石井先生が挙手されていますので、石井先生どうぞ。
○石井委員 2点質問させていただきたいと思います。まず、今回臨床試験を経て、新有効成分含有医薬品として申請がなされていますけれども、これまでの新型コロナウイルスやインフルエンザのワクチンですと、株の変更は成分の変更ではなく、製法の変更として扱われていたと思います。今回は、株は変わらず、製法が変更されていますが、あえて新有効成分医薬品として申請された背景などありましたら、教えていただけますでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 石井先生、御質問ありがとうございます。先生の御理解のとおり、製造に用いるウイルス株の由来は、ミールビックと同じものになります。ミールビックの製造に用いるマスターシードをMRC-5細胞で継代したものを本剤のマスターシードとしており、マスターシードが異なるということで別成分としております。その背景としては、ウイルスを異なる培養基材で培養した場合には、ウイルスの性質が同一ではないと考えられる、具体的には、ウイルスの増殖性や、風しんウイルスはエンベロープウイルスであるので脂質構成が同じではないと考えられますので、別の成分、新有効成分含有医薬品として今回評価をしております。
○清田部会長 石井先生、よろしいでしょうか。
○石井委員 分かりました。生ワクチンであるために、慎重に評価するために別製品としたという理解でよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御理解のとおりでございます。
○石井委員 ありがとうございます。2点目は、添付文書の方に「松浦株はヒト二倍体細胞で増殖させ」という記載になっているのですけれども、MRC-5と書かずに、ヒト二倍体細胞と書く必要性というか、理由を教えていただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 申請者が用いているヒト二倍体細胞は、申請者が製造販売している水痘ワクチンの水痘ウイルスの培養に使っている細胞と同じものを使っておりまして、水痘ワクチンの添付文書の記載と同じように記載をしているということになりますので、特段こだわりをもって書いているというわけではございません。
○石井委員 分かりました。細胞培養で製造する場合に、株を書いている例が多いと思いますので、どちらかというと、MRC-5を入れていただく方にそろえていただく方がいいのかと個人的には思いましたので、コメントさせていただきました。ありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 石井先生ありがとうございます。機構より回答いたします。石井先生の御指摘は、御指摘のとおりかと思いますので、申請者とも調整しまして、具体的な細胞株の名前を書くことを検討したいと思います。どうもありがとうございました。
○石井委員 ありがとうございました。
○清田部会長 ほかに御質問はございますか。よろしいでしょうか。ないようです。ありがとうございました。
それでは、議決に入りたいと思います。松下委員、山口委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。まず、議題5につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 続いて、議題9につきまして、改正を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、改正を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。それでは、ロビーで御待機されている大隈委員、川上委員をお呼びください。
──大隈委員、川上委員 入室──
○清田部会長 それでは、続いて議題2に移ります。松下委員におかれましては利益相反に関するお申出に基づきまして、議題2及び議題3の審議の間、会議から御退室して御待機いただくこととします。また、安藤委員におかれましては、審議参加規程第5条に基づきまして、議題2の審議の間、会議から御退室して御待機いただくことといたします。安藤委員、松下委員は御退室をお願いいたします。
──安藤委員、松下委員 退室──
○清田部会長 議題2につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品フリュザクラカプセル1mg他の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。
本剤の有効成分であるフルキンチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、VEGFRシグナル伝達経路を阻害し、腫瘍における血管新生を阻害することにより腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられています。
 今般、本剤は、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果として承認申請されました。令和6年6月時点において、本剤は米国、欧州を含む5の国又は地域で承認されています。本品目の専門協議には、8人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料No.20を御覧ください。以降、臨床試験成績を中心に審査の概要を御説明いたします。
 今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象とした国際共同第III相試験であるFRESCO-2試験が提出されました。有効性については、審査報告書34ページの表25及び図1を御覧ください。FRESCO-2試験において、主要評価項目とされた全生存期間(OS)について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。この結果などから、FRESCO-2試験の対象患者に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
 安全性については、審査報告書46ページ、「7.R.3  安全性について」の項を御覧ください。本剤投与時に特に注意すべき有害事象は、高血圧、皮膚障害、蛋白尿・ネフローゼ症候群、出血、消化管穿孔、可逆性後白質脳症症候群、動脈解離、静脈血栓塞栓症、動脈血栓塞栓症及び創傷治癒遅延であり、これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理、本剤の用量調節などの適切な対応により、忍容可能と判断しました。
 また、臨床試験や海外製造販売後の情報などから確認された本剤の安全性プロファイルは、既承認のほかのVEGF又はVEGFR阻害作用を有する薬剤と類似していると判断したこと、既承認のVEGF又はVEGFR阻害作用を有する薬剤は複数承認され、一定の使用実績があり、日本人患者に対する安全性プロファイルは明らかになっていることなどを踏まえると、本剤の製造販売後調査について、承認取得後直ちに実施する必要性は低く、市販直後調査及び通常の安全性監視活動において、本剤投与時に特に注意を要する有害事象に関する情報収集、安全性情報の収集、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断しました。以上のような審査の結果、機構は、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断しました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品には該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会には報告を予定しています。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問を承りたいと思いますが、御質問はございますか。よろしいですか。
ないようですので、それでは議決に入りたいと思います。議題2につきましては、亀田委員、山本俊幸委員、山本昇委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。議題2につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。それでは、ロビーで御待機されている安藤委員をお呼びください。
──安藤委員 入室──
○清田部会長 続いて、議題3に移ります。山口委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議題3の審議の間、会議から御退出して御待機いただくこととします。また、山本昇委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題3、議題4及び議題6の審議の間、会議から御退出して御待機いただくことといたします。山口委員、山本昇委員は御退出をお願いいたします。
──山口委員、山本昇委員 退室──
○清田部会長 それでは議題3につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品アレセンサカプセル150mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.3、審査報告書44分の5ページを御覧ください。
 本剤の有効成分であるアレクチニブ塩酸塩は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、ALKのリン酸化を阻害することにより腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。現在、本剤は、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)等の効能・効果で承認されており、今般、「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」に係る効能・効果及び用法・用量を追加する承認申請が行われました。
令和6年6月時点において、本剤は、ALK融合遺伝子陽性のNSCLCにおける術後補助療法に係る効能・効果で、7の国又は地域で承認されています。なお、本剤は、令和5年11月の当部会における審議を経て、「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されています。本品目の専門協議には4人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料20を御覧ください。
 以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明します。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、病理病期IB(腫瘍径4cm以上)~IIIAのALK融合遺伝子陽性のNSCLCの術後患者を対象とした国際共同第III相試験であるALINA試験の成績が提出されました。
 有効性については、審査報告書13ページの表5及び図2を御覧ください。ALINA試験において、主要評価項目とされた無病生存期間(DFS)について、対照群である化学療法に対する本剤群の優越性が検証されました。この結果等から、当該患者に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
 安全性については、審査報告書19ページの「7.R.3  安全性について」の項を御覧ください。本剤の使用時において特に注意すべき有害事象は、既承認の効能・効果に対する審査時に注意が必要と判断された事象に加え、腎機能障害及び溶血性貧血であると判断しました。これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって有害事象の観察や管理、本剤の用量調節等の適切な対応により、忍容可能と判断しました。
以上のような審査の結果、機構は、「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」を効能・効果として本剤を承認することは可能と判断しました。本剤は、「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されていることから、今回追加する効能・効果に対する再審査期間は10年とすることが適当と判断しました。薬事審議会には報告を予定しています。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等がございましたら承ります。いかがでしょうか。よろしいですか。
ないようですので、議決に入りたいと思います。議題3につきましては、亀田委員、山本俊幸委員におかれましては利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。それでは、ロビーで御待機されています松下委員、山口委員をお呼びください。
──松下委員、山口委員 入室──
○清田部会長 それでは、続いて議題4に移ります。安藤委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題4の審議の間、会議から御退出して御待機いただくことといたします。安藤委員は御退出をお願いいたします。
──安藤委員 退室──
○清田部会長 それでは議題4につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、医薬品タスフィゴ錠35mgの製造販売承認の可否等について機構より御説明いたします。
本剤の有効成分であるタスルグラチニブコハク酸塩は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR2)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、FGFR2のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、FGFR2融合遺伝子を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられております。
 今般、本剤は、「がん化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌」を効能・効果として承認申請されました。なお、本剤は、令和3年1月の当部会における審議を経て、FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道癌を予定効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されております。令和6年4月時点において、本剤が承認されている国又は地域はございません。本品目の専門協議には8人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料No.20を御覧ください。
 以降、臨床試験成績を中心に、審査の概要を御説明いたします。審査報告書34ページを御覧ください。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆管癌患者を対象とした国際共同第II相試験である201試験が提出されました。
 有効性については、35ページの表22を御覧ください。201試験において、主要評価項目とされた独立画像評価判定による奏効率は30.2%で、90%信頼区間の下限値(20.7%)は設定された閾値奏効率(15%)を上回りました。当該成績に加え、FGFR2融合遺伝子は癌のドライバーであること等を考慮すると、化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆管癌患者に対する本剤の一定の有効性は示されたと判断いたしました。
 続いて、安全性についてです。37ページの「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与時に特に注意すべき有害事象は、高リン血症、網膜剥離、眼障害、爪障害、手掌・足底発赤知覚不全症候群で、これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による観察や管理、本剤の用量調節等の適切な対応により、忍容可能と判断いたしました。ただし、海外を含め、本剤の製造販売後の使用経験及び安全性情報は得られていないこと等を踏まえ、製造販売後には使用成績調査の実施が必要であると判断しております。
 以上のような審査の結果、機構は、「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品にはいずれも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事審議会には報告を予定しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等がございましたら承ります。いかがでしょうか。ございませんでしょうか。
ありがとうございます。それでは、議決に入りたいと思います。議題4については、亀田委員、山本俊幸委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。ロビーで御待機されている安藤委員をお呼びください。
──安藤委員 入室──
○清田部会長 それでは、続いて議題6に移ります。議題6について、事務局から概要の御説明をお願いたします。
○事務局 それでは、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。資料としては一つ目の資料にまとめた表を付けております。個別の品目ごとに、まず、資料No.6-2から御覧ください。「フェドラチニブ塩酸塩水和物」です。予定される効能・効果は「骨髄線維症」です。患者数は約2,000人と推定されております。
 医療上の必要性についてですが、骨髄線維症については、高リスクで同種造血幹細胞移植の適応とならない骨髄線維症患者及び中間リスク又は低リスクで脾腫や全身症候を伴うMF患者に対しては、ルキソリチニブリン酸塩が推奨されておりますが、しかしながら、当該治療を行った場合であっても長期生存率は低く、依然として予後は不良であるとされております。海外第III相試験、海外第II相試験の結果より本剤の有用性が一定程度期待されると考えております。また、これらの試験に加えて、国内第I/II相試験が実施されており、近日中に承認申請が計画されております。
 続いて、2品目目は資料No.6-3を御覧ください。「TM5614」です。予定される効能・効果は、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な悪性黒色腫」です。患者数は約1,400人と推定しております。本疾患に対しては抗PD-1抗体の単独及び抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体との併用投与等が推奨されておりますが、当該治療後に増悪又は再発した場合の治療選択肢はあるものの、その効果は限定的であり、予後不良な疾患です。本剤は、PAI-1を阻害することで、腫瘍細胞のPA-L1の発現が低下し、抗PD-1抗体の腫瘍増殖抑制作用を増強させると考えられ、作用機序は既承認薬と異なるものです。国内第II相試験の中間解析において、有用性が一定程度期待されているものです。また、現在、国内第III相試験が計画されております。
 続いて、資料No.6-4、「ベランタマブマホドチン」です。予定される効能・効果は、「多発性骨髄腫」です。患者数は約2万9,000人と報告されております。医療上の必要性についてですが、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する治療は、プロテアソーム阻害剤等を組み合わせた多剤併用化学療法等が実施されますが、一度寛解が得られても再発を繰り返すことから、治癒困難な疾患です。本剤については、国際共同第III相試験が実施され、中間解析の結果、優越性が検証されているなど、一定の結果が得られているところです。こういった試験成績等に基づき、承認申請をする予定となっているものです。
 最後の品目です。資料No.6-5を御覧ください。「zipalertinib」です。予定される効能・効果は、「EGFRエクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」です。患者数は約6,500人と推測しております。医療上の必要性については、本疾患は予後不良であり、本疾患に関する効能・効果で承認された抗悪性腫瘍剤はありません。現在、国際共同第III相試験が実施中で、開発の可能性も認められると考えております。
以上の品目について、以上から、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等ございましたらお受けいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、議決に入ります。亀田委員、川上委員、松下委員、山本俊幸委員におかれましては、利益相反の申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。それでは、ロビーで御待機されています山本昇委員をお呼びください。
──山本昇委員 入室──
○清田部会長 それでは、続いて議題7に移ります。松下委員におかれましては、利益相反の申出に基づき、議題7の審議の間、会議から御退出して御待機いただくものといたします。松下委員は御退出をお願いいたします。
──松下委員 退室──
○清田部会長 議題7について、事務局から概要の御説明をお願いいたしします。
○事務局 資料No.7を御覧ください。ベピロビルセンナトリウムを先駆的医薬品として指定することの可否について御説明いたします。予定される効能・効果は「核酸アナログによる治療中でHBs抗原量が3000IU/mL以下のB型肝炎ウイルス持続感染患者(肝硬変を除く)における治療」となっております。
 まず、要件一つ目「治療薬の画期性」についてです。本剤は、B型肝炎ウイルス由来のmRNAを標的とするRNA分解型アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、HBs抗原も含めたHBVタンパク質の発現抑制によりB型肝炎の寛解が期待される新作用機序の薬剤であり、要件を満たすと考えております。
 二つ目、「対象疾患の重篤性」についてですが、「ウイルスが活動性を有するB型肝炎ウイルス持続感染」は疾患進行により、肝硬変に移行し、慢性肝不全、肝細胞癌等の生命を脅かす合併症を生じる場合があることから、生命に重大な影響のある重篤な疾患として要件を満たすと考えております。
 また、三つ目の要件ですが、既存の治療薬として核酸アナログ製剤及びインターフェロン製剤が存在しますが、本剤は国際共同第II相試験において、機能的治癒(HBs抗原陰性化)を指標として、現時点では既存の治療薬に比べて有効性の大幅な改善が期待されていることから、要件を満たすこととなっております。
 最後、要件四つ目です。「世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思・体制」については、世界と同時に承認申請を行うと説明されていることから、満たすと考えております。
御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ないようですので、議決に入りたいと思います。亀田委員、山本昇委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。それでは、ロビーで待機されています松下委員をお呼びください。
──松下委員 入室──
○事務局 それでは、資料No.8を御覧ください。「Nerandomilast」を先駆的医薬品として指定することの可否について御説明いたします。予定される効能・効果は「特発性肺線維症」です。指定要件のまず一つ目、画期性については、本剤は肺等に高発現するとの報告があるホスホジエステラーゼ4Bを選択的に阻害する新作用機序の薬剤であるため、指定要件1を満たすと考えております。
 また、要件二つ目、対象疾患の重篤性についてですが、「特発性肺線維症」は難病指定されている特発性間質性肺炎の一つであり、診断確定後の平均生存期間は3~5年間と生命に重大な影響がある重篤な疾患として指定要件2を満たすと考えております。
 また、極めて高い有効性については、既存の抗線維化薬として、疾患進行速度を遅らせるピルフェニドン及びニンテダニブエタンスルホン酸塩が存在しますが、本剤は国際共同第II相試験において、肺機能の低下抑制について、現時点では既存の治療薬に比べて有効性の大幅な改善が見込まれ、要件を満たすと考えております。また、本剤については、世界と同時に本邦で申請を行うと説明されており、四つ目の要件も満たすと考えております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。御質問を委員の先生方から承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは議決に入りたいと思います。亀田委員、山本昇委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続いて、報告事項及びその他事項に移ります。事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 部会長、失礼しました。審議事項5のミールビックIIについて、少し補足をさせていただきたい事項があり、この場で御説明させていただいてもよろしいでしょうか。
○清田部会長 審議事項5。
○事務局 審議事項5のミールビックIIに関するものです。
○清田部会長 はい、どうぞ。
○事務局 では、機構からよろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構より発言させていただきます。先ほど、議題5、ミールビックIIで石井先生から御質問を頂いた所の回答で誤りがありましたので、訂正をさせていただきます。風しんウイルスの培養基材に用いているMRC-5細胞の細胞名を添付文書に書いていない理由を聞かれたときに、同じ細胞を製造に使っている水痘ワクチンの添付文書と同じ記載をしていますと回答を差し上げたのですが、水痘ワクチンの添付文書において、ヒト二倍体細胞(MRC-5細胞)と記載がありました。ですので、水痘ワクチンの添付文書と同じ記載になるように、ミールビックIIの添付文書の記載を修正するということで対応させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。石井先生、よろしいでしょうか。
○石井委員 はい、承知しました。ありがとうございます。
○清田部会長 それでは、議題8の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。失礼いたしました。それでは、報告事項の御説明をいたします。資料No.10を御覧ください。まず、製造販売承認及び製造販売承認事項一部変更承認についての報告事項、議題1~5についてです。議題1、対象品目は「キイトルーダ点滴静注」、申請者は「MSD株式会社」で、申請の概要は、「非小細胞肺癌における術前・術後補助療法に係る効能・効果及び用法・用量の追加」です。また、本議題と合わせ、最適使用推進ガイドラインの改正も予定しております。資料No.18-2に記載のとおり、ペムブロリズマブの最適使用推進ガイドラインを改正する案をお示ししているところです。
 続いて、お戻りいただき、議題2、資料No.12、「アリムタ注射用」です。こちらは、先ほどのキイトルーダと併用するものですが、申請の概要としては、「扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法に係る効能・効果、用法・用量を追加する」というものです。
 同様に、議題3、資料No.13関係ですが、「ペメトレキセド点滴静注用」、こちらも同様に「扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法に係る効能・効果、用法・用量を追加する」というものです。
 議題4、資料No.14関係です。「ツルバダ配合錠」です。こちらは「HIV-1感染症の曝露前予防に係る効能・効果、用法・用量を追加する」というものです。こちらは、公知申請に関する事前評価が済んでいるものです。
 最後、議題5、「プレベナー20水性懸濁注」です。こちらの申請概要は、「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられるものについて、効能・効果及び用法・用量に追加する」というものです。
これらの品目については、機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。
 続いて、医療用医薬品の再審査の結果についてです。本日、御報告する品目は、こちらに記載のとおり、「コセンティクス皮下注」、「アクテムラ点滴静注用」、「ファムビル錠」、「ボノサップパック」、「ボノピオンパック」、「アバスチン点滴静注用」です。これらの品目については、製造販売後調査等の結果に基づき、再審査の申請が行われ、審査の結果、いずれの品目もカテゴリ1、すなわち、効能・効果、用法・用量の変更の必要のないものとして評価しております。
 続いて、その他事項です。資料No.17を御覧ください。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における公知申請への該当性に関する報告書を御報告いたします。資料No.17を御覧ください。まず、1ページです。対象品目は、「アダリムマブ(遺伝子組換え)」です。対象の適応については、「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」の効能・効果の追加についてです。これは日本脊椎関節炎学会、日本リウマチ学会、日本AS友の会から要望が出されたものです。今回の品目は、医療上の必要性に関しては既に該当性ありとされており、これらの設定根拠について、国内外の診療ガイドライン、教科書、公表文献等の記載内容等を踏まえ、医学薬学上公知であると判断しております。
 続いて、資料No.18-3を御覧ください。最適使用推進ガイドラインの対象となる医薬品の選定についてです。こちらに記載した品目は、「デュピクセント皮下注」ですが、この下線を引いている「慢性閉塞性肺疾患」に関する適応を追加する承認申請が行われており、本疾患についての最適使用推進ガイドラインを作成する予定としておりますので御報告いたします。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から、ただいまの御報告に御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。大分駆け足で御説明いただいたのですが、ないようですので、報告事項及びその他事項については御確認いただいたものといたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会は、令和6年8月30日(金)午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。お疲れさまでした。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)