2024年9月6日 薬事審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

日時

令和6年9月6日(金)16:00~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(18名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理

他参考人1名出席


欠席委員(4名)五十音順


行政機関出席者
  • 城克文  (医薬局長)
  • 佐藤大作 (大臣官房審議官)
  • 高江慎一 (医薬局医療機器審査管理課長)
  • 野村由美子(医薬局医薬安全対策課長)
  • 鈴木洋史 (医薬品医療機器総合機構審査センター長) 他

議事

○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の高江です。それでは「薬事審議会医療機器・体外診断薬部会」を開催させていただきます。委員の先生におかれましては、御多用中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本年6月の本部会開催以降の委員の異動について、御紹介させていただきます。髙松登先生におかれましては、御退任されたということをまず御報告します。また、御退任された髙松委員の後任として、日本薬剤師会副会長の原口先生に御就任いただきましたが、御所属の日本薬剤師会から薬事審議会規程第11条、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中に薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない」に該当する恐れがあるという御申告を頂きましたので、御退任いただくということになっています。以上、委員異動の御報告です。
 現時点で医療機器・体外診断薬部会委員22名のうち、15名に御出席いただいていますので、薬事審議会令に基づきます定足数を満たしていることを御報告します。また、15名のうち13名はWebで御参加、あと1名は遅れて御参加される予定です。
 次に、本日の審議に参考人として御出席いただく先生を御紹介します。議題1について、近畿大学病院医学部心臓血管センター教授栗田隆志先生に御出席いただきます。よろしくお願いいたします。
○栗田参考人 よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 続きまして、議事に先立ちまして所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告します。薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任された委員については、冒頭、御説明した以外の方はおられませんでしたので御報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、開催の都度、書面を御提出いただいていまして、御負担をお掛けしていますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続けて、本日の議題の公開、非公開の取扱いについて説明させていただきます。
○事務局 事務局です。本日、予定している全ての議題については、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開とします。会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしています。また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。Web会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクはミュート、通信環境等支障がない限り、カメラはオンでお願いいたします。
 資料6、競合品目・競合企業リスト等一覧をお開きください。本日の審議事項に関する競合企業として、委員の皆様から寄附金、契約金等の受取状況をお伺いしたところ、議決に御参加できない委員は、議題1及び2において田中利洋委員と松宮護郎委員が該当しています。この際、御退室していただく必要はありません。以上、報告します。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上です。以後の進行ですが、小野部会長がまだ御到着されていないということがありまして、現在、確認をさせていただいているところです。大変恐縮ですが、薬事審議会令に基づきまして、佐久間部会長代理に進行をお願いできればと思います。よろしくお願い申し上げます。
○佐久間部会長代理 それでは、ただいまの事務局の説明について、御意見はありませんか。では、これより議題に入ります。本日は議題1から3が審議事項、議題4及び5が報告事項となっています。
 それでは、議題1、医療機器「アヴェイルLP」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認事項一部承認の可否及び使用成績評価の要否についてに入ります。本議題について、参考人として栗田隆志先生に御出席いただいています。
 それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明します。資料1、2ページ、専門協議委員一覧を御覧ください。当審査に当たりまして、こちらの4名の専門委員から御意見を頂きました。以降の説明は、次のページ、審査報告書に基づいて御説明します。ページ番号は緑色の通し番号、黒色の審査報告書のページ番号及び左の行番号を用いて御説明します。
 はじめに、本品の概要を御説明します。資料9ページ、審査報告書7ページ、2行目から御覧ください。資料9ページ、審査報告書7ページ、2行目からです。本品「アヴェイルLP」は、徐脈の治療に使用されるリードレスペースメーカです。以降、リードレスペースメーカのことを「LP」と言います。LPは、電極及びジェネレータが一体化されており、デリバリーカテーテルによって大腿静脈を介して右心内に植え込まれます。
 本品は心室LPとして既に承認されていますが、本申請は本品の構成品として心房LPを追加することを目的とした一部変更承認申請です。心房LPが追加されることで、心房単独でのペーシング及び心房と心室両方でのペーシングが可能となります。以降、心房又は心室単独でのペーシングを「シングルチャンバペーシング」、心房と心室両方でのペーシングを「デュアルチャンバペーシング」と言います。デュアルチャンバペーシングを行うためには、心房ペーシングと心室ペーシングのタイミングが生理的な時間差をもって同期している必要があり、本品では「i2i通信」と呼ばれる本品独自の通信技術によって、心房LPと心室LPが同期します。
 また、本品でシングルチャンバペーシングを行っていたものの、病態の進行等によりデュアルチャンバペーシングが必要になった患者においては、もう一方のLPを追加的に植え込むことでデュアルチャンバペーシングモードへのアップグレードが可能となります。
 次に、開発の経緯を御説明します。資料11ページ、審査報告書9ページ、16行目から御覧ください。従来型のペースメーカでは、鎖骨下静脈を介して右心内にリード電極が植え込まれ、胸部の皮下ポケットにはリードと接続するジェネレータが植え込まれます。以降、従来型のペースメーカを「経静脈PM」と言います。経静脈PMでは、断線等のリード関連の合併症や感染等の皮下ポケット関連の合併症のリスクがあります。また、患者の解剖学的特徴や基礎疾患、既往等により、経静脈PMの植込みが困難又は望ましくない場合があります。
 LPは、そのような経静脈PMにおける課題を解決するコンセプトで開発され、本邦初のLPとしては平成29年に他社製の心室LP「Micra」が承認されましたが、デュアルチャンバペーシングが必要かつ経静脈PMが適さない患者では、やむを得ず経静脈PMによるデュアルチャンバペーシングを選択するか、心室LPによるシングルチャンバペーシングを選択するほかありませんでした。
 以上の背景を踏まえ、本品に心房LPを追加し、デュアルチャンバペーシングを可能とすることを目的とした本一変申請が行われました。
 次に、外国における使用状況を御説明します。資料12ページ、審査報告書10ページ、表3を御覧ください。心室LPのみのシステムである既承認のVRモデルでは、日本及び欧米諸外国で約1万2,000個の販売実績があります。デュアルチャンバペーシングが可能となるDRモデルは、本年3月時点で米国にて約800個の販売実績があります。
 次に、本品の非臨床試験については、特段の問題は認められなかったため、臨床試験成績について御説明します。資料21ページ、審査報告書19ページ、2行目から御覧ください。本品の臨床試験成績として、Aveir DR i2i試験の試験成績が提出されました。また、参考資料として本臨床試験の主要評価以降の長期成績も提出されました。以降、本臨床試験を「i2i」試験と言います。i2i試験は、本品によるデュアルチャンバペーシングの有効性及び安全性を検証することを目的に、米国、欧州、カナダ及び日本で実施された前向き多施設国際共同単群試験です。i2i試験は、日本も含めた試験として計画されましたが、症例登録期間中における本邦でのCOVID-19感染症流行の情勢により、日本の参加が遅れたことから、主要評価は海外施設のみが参加した海外ピボタルコホートで実施され、国内施設は本邦外挿性を評価する目的で別途設定された日本コホートに参加しました。登録症例数は、海外ピボタルコホートで300例、日本コホートで24例でした。
 次に、i2i試験の主要評価項目について御説明します。資料23ページ、審査報告書21ページ、表8を御覧ください。i2i試験の主要評価項目は、主要有効性評価項目1及び2並びに主要安全性評価項目の3項目から構成されます。主要有効性評価項目1は、「植込み後3か月時の心房ペーシング閾値及びP波振幅に基づく複合成功率」、すなわち心房用ペースメーカからの電気信号刺激に対して適切な心臓反応があり、かつ自己心拍をペースメーカが適切に検出した被験者の割合が評価されました。主要評価項目2は、「植込み後3か月時の座位/安静時でのAV同期成功率」、すなわち心房と心室の同期成功率とされました。主要安全性評価項目は、「植込み後3か月時の治験機器又は手技に関連する重篤な有害事象(SADE)の非発生率」とされました。
 次に、i2i試験の主要有効性評価項目の結果について御説明します。資料26ページ、審査報告書24ページ、9行目から御覧ください。海外ピボタルコホートにおいて主要有効性評価項目1は90.8%であり、事前に設定された性能目標を上回りました。主要有効性評価項目2は98.2%であり、こちらも事前に設定された性能目標を上回りました。日本コホートにおいては、主要有効性評価項目1は91.7%、主要有効性評価項目2は95.7%であり、事前に設定された目的値を上回り、海外ピボタルコホートと一貫性のある試験成績でした。
 次に、i2i試験の主要安全性評価項目の結果について御説明します。資料27ページ、審査報告書25ページ、17行目から御覧ください。海外ピボタルコホートにおいて、主要安全性評価項目は90.3%であり、事前に設定された性能目標を上回りました。日本コホートの主要安全性評価項目は79.2%であり、こちらも事前に設定された目標値を上回り、海外ピボタルコホートと一貫性のある試験成績でした。
 以上の臨床成績を踏まえ、機構における審査の概要について御説明します。まず、本品の(1)臨床的位置付けについて、機構の判断を御説明します。資料32ページ、審査報告書30ページ、8行目から御覧ください。現在、心房及び心室を同期して心房及び心室の両方をペーシングする「DDDモード」と呼ばれるモードを選択可能なLPは存在しないため、本品はDDDモードを提供できるLPとして新技術となります。したがって、DDDモードの適応となる患者にとって、LPで治療を受けられることでリード断線等の経静脈PM特有の課題を回避できることは有益であり、臨床的有用性は高いと考えます。
 一方、本品は心房にLPを植え込むため、後ほど御説明しますように、心房特有の論点や心房LPの長期成績が限定的であることなどを考慮して、患者適応を適切に判断する必要があると考えます。また、心房LPの植込み個数の制限、予測電池寿命、限定的な抜去成績を踏まえると、従来のLPに対する考え方のとおり、引き続き年齢も十分に考慮した適応判断が求められると考えます。
 次に、i2i試験の試験デザインの妥当性について機構の判断を御説明します。資料33ページ、審査報告書31ページ、5行目から御覧ください。本邦におけるペースメーカによる徐脈治療が確立されており、経静脈PM及びLPを含めたペースメーカが既に複数承認され、既承認品のデータも蓄積されていることを踏まえると、適切な主要評価項目及び性能目標が設定できる場合には、単群試験により本品の有効性及び安全性を評価することは妥当と判断しました。その上で、i2i試験の主要評価項目はデュアルチャンバペーシングを行うLPの評価項目として、適切な内容であり、また、過去の臨床試験に基づく適切な根拠を基に性能目標が設定されていることから、妥当と判断しました。
 次に、本品の安全性について機構の判断を御説明します。資料35ページ、審査報告書33ページ、13行目から御覧ください。主要安全性評価項目は、事前に設定した目標を達成しましたが、本品の安全性については主要安全性評価項目とされたSADEの発生率のみではなく、心室LPと比較して心房LPに関連して、高頻度に発生した有害事象、心房LP特有に懸念されるリスク及びAV同期を司る機能であるi2i通信の不具合について、個別に評価することも重要と考え、これらについて検討しました。
 まず、心房LPに関連して高頻度に発生した有害事象である心房細動及びディスロッジについて、資料37ページ、審査報告書35ページ、7行目から御覧ください。心房細動については、1例を除いて全て手技中に発生したものであり、全例で手技中に対処でき、回復していること及び植込み後に発生した1例も投薬の変更により回復していることから、臨床上許容可能と判断しました。ディスロッジは、LPが組織から外れてしまうことを指しますが、同ページ19行目から記載のとおり、経静脈PMで心房リードを使用した際の発生率と同等であり、全例において合併症なく抜去に成功し、i2i試験の中で植込み部位を右心耳基部とすることで、よりリスク低減できることが示唆されたことから、適切な手技について市販後にも情報提供することをもって受入れ可能と判断しました。
 次に、心房LP特有に懸念されるリスクについて、資料38ページ、審査報告書36ページ、33行目から御覧ください。心房LP特有に懸念されるリスクとしては、心室壁よりも心房壁が薄いことによる心筋損傷のリスクが挙げられました。心筋損傷については、i2i試験での発生率が本品の心室LPの臨床試験成績と比較して同等であり、さらに適切な植込み手技を周知することで、再植込みの頻度を低減するという安全対策をもって、受入れ可能と判断しました。
 次に、AV同期を司る機能であるi2i通信に関する不具合について、資料46ページ、審査報告書44ページ、18行目から御覧ください。i2i通信の不具合については、海外ピボタルコホートの経験を踏まえて、ソフトウェアアップデートやi2i通信の強度が高まると期待される両LP間の距離の推奨範囲の情報提供により対策され、その対策が反映された日本コホートや海外の市販後において一定の効果が示唆されたことから、本邦での市販後も抑制されるものと期待されます。ただし、それでもなおi2i通信の不具合を生じる可能性はあるため、次のページ7行目から記載のとおり、i2i通信に関する設定、必要な通信強度の参考情報等、専門協議での議論を反映した対処方法等を十分に情報提供する必要があると判断しました。
 次に、製造販売後の安全対策について機構の判断を御説明します。資料47ページ、審査報告書45ページ、32行目から御覧ください。本品の心房LPの基本的な構造や使用方法は、本品の既承認の心室LPと同様であり、一部の安全対策は心室LPでの内容を踏襲することが可能であるものの、心房LPの導入が本邦初であり、先ほどの臨床的位置付けや安全性の論点で御説明したとおり、心房特有のリスク、推奨植込み部位、i2i通信関連の注意事項、電池寿命等、追加で考慮すべき点があります。このような本品の特徴を十分に把握した上で、患者適応を判断することは極めて重要であるため、機構は専門協議での議論も踏まえ、安全性の議論において機構が必要と判断した情報提供については、添付文書、トレーニング、学会ステートメント等を通じて実施することとし、情報収集については使用成績調査や通常の市販後不具合報告を通じて実施することとしました。また、トレーニングについては関連学会の監修を受け、学会ステートメント等の内容についても関連学会と協力し検討するよう、これを従前のとおり、引き続き承認条件として付すこととしました。
 最後に、使用成績評価について御説明します。資料48ページ、審査報告書46ページ、表24を御覧ください。本品の本邦での使用経験が限定的であることから、製造販売後の使用成績調査において、トレーニングを含めた製造販売後安全対策及び学会ステートメントを踏まえた適応患者の適切性を確認し、必要に応じて追加のリスク低減措置を講ずることは重要であると考えます。登録対象として、デュアルチャンバの新規植込み群、心房LPのみの植込み群及びシングルチャンバからデュアルチャンバへのアップグレード群を設定することで、本品の使用パターンが網羅され、また、長期観察を目的としてi2i試験の日本コホートからの継続症例も設定されました。症例数、調査期間及び調査項目も含め、提示された計画案は妥当と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、機構は資料51ページ、審査報告書49ページ、4行目から記載している使用目的にて本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。また、使用成績評価の調査期間は5年6か月とすることが妥当と判断しました。なお、薬事審議会では報告を予定しています。機構からの報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。医療機器審査管理課長です。事務局のほうの手続に不備がありまして、大変申し訳ありません。小野部会長が今、Webで御参加いただいているということで、今後の進行について、小野部会長にお願いできればと思います。
○小野部会長 聞こえますか。遅くなりまして、大変失礼しました。重症患者の手術が急遽入りまして、間に合うと思ったのですが、時間の読みをちょっと間違えまして、急遽Webで参加とさせていただいています。
 ただいまの御説明ありがとうございました。本日、栗田隆志先生に参考人として出席をしていただいていますが、栗田先生からただいまの事務局の説明に追加で何か御説明がありましたら、よろしくお願いいたします。
○栗田参考人 ありがとうございます。近畿大学の栗田と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 先ほど機構さんから説明により、このアヴェイルLPについての特性や重要さについては、ほとんど網羅されていると思っています。このリードレスペースメーカは既にメドトロニック社のMicraが先行して販売していまして、現在、日本でもたくさん使用しています。このリードレスペースメーカは静脈のアクセスのない患者さんにとっても、これしかない、オンリーワンのデバイスということになります。また、従来のペースメーカでは非常に問題になっている感染の問題、それからリードによる静脈の閉塞の問題、いろいろなことが未解決のまま残っていたわけなのですが、このリードレスペースメーカの登場によって、それらが一気に解決されるという非常に大きな役割を持ったデバイスだと判断しています。
 しかしながら、これまでのリードレスペースメーカは心室のみに本体を植え込むということになっていまして、心室のみのペーシングになっていました。従来型は心房と心室の同期が全くできなかったのですが、メドトロニック社のMicraAVは、心房を同期して心室をペーシングすることができますが、これは電気的な活動ではなくて、心房のメカニカルな振動を感知して、心室をペーシングするというものですので、若干その点で問題があります。と言いますのは、心拍数が上がりますと、同期性が失われます。それから、洞不全症候群のような心房ペーシングが必要な患者さんには適していません。したがって、今回のアヴェイルLPについては、従来型のDDD型ペースメーカとほぼ同様の機能を有していまして、多様な患者さんの状況に合わせて、心房、心室をペーシングできるという意味では極めて画期的なものであると思っています。
 しかしながら、やはり心房にスクリューイン型のリードレスペースメーカを入れるということについて、私どももそのリスクを重大であると考えています。私自身はまだ心房のリードレスペースメーカを入れたことはないのですが、仕様を見ますとスクリューの形態が非常によく工夫されています。薄い心房筋の損傷を避け、かつ確実に固定してペーシングできる、そういうデザインがなされているということ。それから、これまでの臨床経験によって右房の右心耳の基部という所を標的として植え込むということが、ほぼ確立されて、かなりの心筋損傷のリスク及び固定性が改善された。そういうノウハウについても蓄積されているというところです。
 この心房の植え込む位置の把握については、造影をする予定になっています。恐らく推奨される方法としては右心耳にピッグテールのカテーテルを入れて、2方向で造影をしまして、右心耳の形態を明確に把握して、それを基に右心耳基部を同定し、そこをターゲットとして心房のリードレスペースメーカを植え込むという手技が推奨になると考えています。これまでも、右室のリードレスペースメーカについても同じように造影をして、解剖学的な位置を把握して植え込むということで安全性、そしてその固定性の確実性が上がる経験がありますので、同じような方法で、私たちが多少慣れている方法で入れることができると思っています。
 この心筋損傷というものを避けるためには、どうしてもそのディスロッジというものが増えてくる。これはトレードオフの関係にあります。これは従来型の心室のリードレスペースメーカでも同じでしたが、この問題の解決については、やはり十分なトレーニング、教育、それから、これから蓄積されていく経験、そういったものを基に心筋損傷を可能な限り減らし、そして確実なペーシング、固定性を獲得するということは私は可能であると思っています。したがって、若干の問題点は残っているのかもしれませんが、本品のニーズというのはその問題点をはるかに凌駕するものであると考えていますので、是非ともこの機器を日本において導入していただきたいと思っています。以上です。
○小野部会長 ありがとうございました。それでは委員の皆様方から御意見、御質問等がありますか。私からは会場の先生方が分かりませんので、事務局で教えてください。Webの先生方は挙手ボタンを押していただければ、こちらから分かりますので、よろしくお願いします。松宮委員、お願いします。
○松宮委員 リードレスでDDDモードが可能になるということで、非常に有用性が高いというのはよく理解しますし、非常に期待されるところだと思います。最後に言われた心房に損傷を増やさず、かつディスロッジメントを防ぐような工夫がなされているというお話だったのですが、従来の経静脈的心房リードに比べて構造的にどういった特徴があるのかというのを、もう少し教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構のほうから回答いたします。LPと従来のリードを比べたときには、サイズも違うところがあります。従来のリードだと先端も小さいので、右心耳の奥のほうに入れたりするのが、教科書的には一般的かと思います。その点で、本品は少し大きいというところで、基部を狙います。構造的にはスクリューの構造を取っており、回転させることで植込みをして、決して推奨されることではないのですけれども、万が一どうしても抜去の必要があれば逆回転で外れます。また、電極もスクリュー型になっております。心室と心房に比べて解剖学的な性状がちょっと違いますので、そこを工夫してしっかりと圧着されて、ペーシング閾値等も適切にコントロールできるような構造で開発されているところです。お答えになっておりますか。
○小野部会長 松宮委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○松宮委員 従来の経静脈的な心房リードに比べて、スクリューの大きさや太さなどは変わりがないと。場所を工夫して心耳の根部に入れることで、心筋損傷を防ぐという意味合いでしょうか。
○栗田参考人 これについては栗田のほうから御説明させていただきます。従来の経静脈型のスクリューインリードの形状と、今回のアヴェイルのスクリューの形態は多少違っております。どちらかと言うとスクリューの距離と言いますか、長さを比較的短距離に作っております。なおかつ、心房のリードレスペースメーカには、スクリューが二つ付いております。外側のスクリューの形状についてはカッティングエッジが心室と逆方向になっており、心筋の損傷ができるだけ起こらないように、デザインが工夫されています。なおかつ、電極そのものもスクリューなので、接触型ではなく、電極そのものが心筋に楔入されます。そういった意味でも安全性と確実性というものを考慮したデザインになっていると考えております。
○松宮委員 分かりました。ありがとうございます。
○小野部会長 ありがとうございました。それでは北澤委員、よろしくお願いします。
○北澤委員 北澤です。資料の29ページの表13についてお尋ねします。日本のコホートの結果を見て、安全性を見ているのですけれども、○○○1件、○○○○1件というのがありました。これが違う人なのか同じ人なのかは分からないのですが、表12の海外コホートでは、○○○○や○○○は見られませんでした。審査の上で、この○○○や○○○○のケースについて、検討されたのかどうか、結局、この方はどうなったのかを教えていただければと思います。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 まず、この患者様においては、原因となったLPは既承認の心室LPでした。その心室LPのほうでペーシング閾値、つまりペーシングをするために必要な電圧が上昇してしまったために、ペーシングがうまくできない状態になっていたということです。日本コホートの患者さんは海外のコホートに比べて、高齢の患者さんが集まっており、平均で8歳くらい高いのです。これが起きた患者さんも、高齢の患者さんで、もともとの病態で○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○になるような患者さんでした。そのような患者様においてペーシング不全が起きてしまったがゆえに、○○といった症状が出たりということだったので、対処としては心室LPの交換をもって対処されたものです。以上です。
○北澤委員 では、この方については、今回の新たな心房LPを追加したデュアルLPの審査とは直接関係しないと考えてよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 心房LPの審査という観点では、直接的でないところではあったかと思います。ただ、この試験の中ではデュアルどちらのLPで起きた事象も拾ってくるという設計の臨床試験であったために、このような形になっているというところです。
○北澤委員 ありがとうございました。
○小野部会長 ありがとうございます。それでは永井委員、よろしくお願いいたします。
○永井委員 臨床試験成績と市販後調査について、一つずつ御質問します。まず、臨床試験成績についてです。審査報告書で言いますと、32ページ辺りに書いてあることです。有効性能評価項目については、海外と日本コホートを3か月で比較しているのですが、6か月後の成績が海外のものはあるが、日本では評価資料としてはなく、総合的な評価から6か月後の成績も推定可能という論調になっています。実際には、日本での6か月後と1年後の成績は、参考資料として提出されています。なぜ日本での6か月後の有効性の成績が評価資料ではなく、参考資料になったのかの事情を教えていただきたいというのが1点です。
 それと、市販後については単純で、審査報告書の46ページ辺りですね。この製品は新しいものなので、全例調査をするのかと思っているのですけれども、調査計画を見ますと、全例なのかどうなかが分からないので、そこを教えていただければと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 まず、臨床試験で日本コホートのほうが3か月で、それ以降が参考資料であった経緯について御説明します。もともと国際共同試験ということで、日本コホートは設定する予定がなくて、日本もピボタルに入る予定だったのです。しかし、試験実施当時、COVID-19の影響があって、海外からの指導医がどうしても来られない状況で、日本の参加が遅れて海外だけで必要症例数に達してしまったために、海外コホートと日本コホートで時間差が付いてしまったというのが、まず前提としてあります。
 それを踏まえて、申請者としてはこの画期的な製品をいち速く導入するという観点で、海外6か月、日本3か月というところで申請をして審査を開始し、審査途中で参考資料として、それ以降を提示することでどうかという立案がありました。我々としては、この審査報告書にも書かせていただいたとおり、その時点で、審査の中で海外での3か月から6か月への推移であったり、その過程で追加されるイベントの内容であったり、日本コホートの3か月の内容などを精査して、このパッケージで受入れ可能と判断させていただいたところです。実際に参考として出てきた長期成績も、予想どおり申し分のない成績でした。PMSに関しては全例ではなくて、通常の市販と並行して登録していくということになります。御回答は以上です。
○永井委員 ありがとうございます。臨床試験のほうは非常によく分かりました。市販後については、連続で194例全部登録して評価するほうがいいような気がするのです。全例調査と抽出調査とをどのように使い分けているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 市販前の成績で、どれくらい重大なことが確認されているかにもよります。本品に関しては市販前の臨床試験において、そこまで何か重大な懸念が見付かっていないこともあり、通常の施設拡大と並行して、PMS施設も契約していただいた所から実施していきます。並行しての本邦導入は特に問題ないだろうと考え、特段全例を課すことはせずとも、問題ないのではないかと判断させていただきました。
○永井委員 分かりました。その判断基準が特に決まっているわけではなく、機構で総合的に判断して都度決めているということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね。個別に専門協議等において、専門委員の先生やそれぞれの方の御指導や御意見を頂きながら、慎重に判断させていただいているということです。
○永井委員 ありがとうございました。
○小野部会長 ありがとうございました。それでは松宮委員、お願いします。
○松宮委員 使用安全性評価項目がやや低い値で、その主な理由がi2i通信の不具合という御説明だったと思うのです。そのi2i通信というものが体位によって変わるとか、心房と心臓の距離や角度で変わるというのが、経静脈リードと大分違うところだと思います。まず、通信障害というのは基本的に同期が一時的に失われるといった類いのもので、危険性は高くないものであるという理解でよろしいのでしょうか。
 体位、臥位で同期に関する通信障害が起こりやすいということが書いてあったと思います。ということは、夜間睡眠時などに同期が失われたり、そういったことで心不全が発症したりすることがないのかが心配になります。それはいかがですか。
 あと、心房と心室のリードの距離を取ったほうがいいという説明があったと思います。そもそも植え込む位置がある程度決まっているのに、距離や角度をコントロールして、通信障害が発生しにくくするということが、実際にどの程度可能なのか。この3点について教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 まず、i2iの通信不良が起きたときの危険性というところですが、基本的には連続で発生するものではなくて、単発と言いましょうか、100回中何回成功したかという観点では、90何パーセントという数字があるので、時折飛ぶということになるかと思います。一応、安全機構として万が一通信エラーが連続して発生した場合には、審査報告書の41ページの前段のほうにも記載しているように、それを感知すると安全モードに移行して、命であったり心臓のポンプの機能に一番寄与している、心室のペーシングを優先し、同期を切るとか、次の周期でi2i通信を試して成功すれば、また元に戻るといったように、安全モードへうまく退避して、問題がなければまた通常モードに戻ってということを自動でやっております。ですから、仮に通信失敗が10%あったとしても、臨床的にそれが問題に直結するかというと、そういうことではないというのが一つあります。
 あと、完全にペースメーカ依存している患者さんであればというのはあるのですけれども、徐脈の状態も、患者さんによって様々です。ある程度の自己心拍もあるけれど、ある程度ない時もあるという患者さんであれば、ちょうど自己心拍がなく、かつ通信に失敗したときは、本当に飛ぶことになります。しかし、自己心拍があるタイミングであれば、それをもって心拍が行われますので、結果的に臨床的に問題になるというのは、通信失敗がよほど起きないとないですし、起きたとしても心室ペーシングが必ず保たれるという安全機構が働いております。
 臥位のときのお話ですけれども、まず先ほどのとおり、通信エラーがあれば最大限心室ペーシングはしっかりと担保するというところで、致死性のようなものは回避できます。その上で審査報告書にも記載させていただいたのですが、経時的に改善していく傾向が見られております。なので、まずはしっかりと植込み時に高いスループットを確保するというのも一つですが、どうしてもそこが不十分な状態で手技を終了した場合には、専門協議でも対処法として立案したように、細かなフォローアップをしっかりしていきます。それで徐々に経時的な改善を期待していくというのが重要になってくると考えますが、先ほどの安全機構があるとおり、特に睡眠時にすごく危険というわけではないと考えます。
 続いて、両LP間の推奨距離をどうコントロールできるかというところです。確かに御指摘のように右心房のほうは狭かったり、今回は右心耳基部という限定的な推奨を出しているので、そこのコントロールは一定の限界があるとは思います。一方で心室のほうは、そこのマージンと言いましょうか、候補になるこの部位は多少広くありますので、その辺りでコントロールしていきます。そもそもこの推奨範囲に絶対に入らないと駄目なのかというと、そういうわけではありません。この推奨距離範囲内のほうが、問題のない症例の割合が高かったというところで、もしこの距離内に収められなくても、植込み時に問題のないスループットが出ているようであれば、特段問題はないですし、そういった症例も実際に多くあったわけです。お答えになっていればと思いますが、いかがでしょうか。
○松宮委員 分かりました。
○栗田参考人 少し追加いたします。例えば、夜間の睡眠中に通信が途切れた場合、基本的にVVIのペーシングモードになります。それがずっと継続しているわけではなく、一時的なものということになります。
 それから、かなり古い論文になりますけれども、VVIとDDDのペースメーカの患者さんの予後を比較した臨床試験においては、心不全の発生率は基本的に余り変わりません。一番多いのは心房細動の発生率で、DDDのほうが少ないということは、ある程度確立されたエビデンスとしてありますので、例えば通常のペースメーカの適用のある患者さんが夜間、時々通信モードがなくなっても、まず大きな影響はないと考えていいと思います。
 心房と心室の距離については、70mm以内ということが手技的に推奨されています。7cmですから、心房と心室の距離を考えると、ほとんどの場合、7cm以内に両心房のボタンの距離を縮めることは、まず大丈夫ではないかと思っております。
○小野部会長 追加でのコメント、ありがとうございました。ほかに委員の先生方から御意見、御質問はありますか。
○医療機器審査管理課長 会場から宮川委員が御発言されます。
○小野部会長 お願いします。
○宮川委員 宮川です。2点伺いたいと思います。両方とも30ページになるかと思います。その中の14~17行目にかけてです。実際に心房LPですから、そこに植え込むという形でお話があるのですが、17行目にいろいろなリスクがあるという形で、「患者適応を適切に判断する必要がある」と書いてあります。この「患者適応を適切に」というのは、どういう意味合いなのか、どういう形の患者適応なのかを教えていただきたいというのが一つです。
 それから、20~25行目に書いてありますけれども、実際には予測電池寿命というのが海外コホートで5.7年、日本でも5.8年という形で、デュアルチャンバモードであれば、ある程度の年数で替えなければいけません。短い場合はどのぐらい最短でこういうことが起こる可能性があるのか。また、この場合は、25行目に「抜去成績は限られること」と書いてあるのですが、抜去して再挿入することも含めて考えて、もう一つ入れるという形になると、2個目を入れることになります。心房内はある程度空間が限られているわけですから、先ほどの最適な所というのが心耳に入るわけです。そこから今、栗田参考人がおっしゃったように、多分短い距離になるのかなというように考えます。いわゆる70mm以内になってくる、あるいは少し手前になるはずなので、そうすると少し性能というか、マッチングに関して問題が起こってくる。いわゆる2回目のほうが、最初の臨床成績よりも悪くなる可能性があるのかどうか、その辺について御説明を頂きたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目は、適応の適切な判断というところで御指摘を頂いたかと存じます。これについては審査報告書の中でも述べています。やはり本品の有用性というのは、先ほど来栗田先生からも御説明いただいたとおり、非常に高い有用性を持っており、本品にしかできないものがあります。その一方でコンフリクションと言いますか、課題もあります。安全性のパートで御説明したような、心房特有のリスクであったり、御指摘いただいたような植込み個数、電池寿命、抜去成績が限られるといったところがあるので、そこは患者さんごとに、その患者さんの年齢であったり、どれくらいLPでないとできないのか、つまり経静脈ペースメーカにすることが、どれだけ困難かという総合的な判断と、そういったリスク、メリットとデメリット、技術的なリミテーションをしっかりインフォームドコンセントして、最終的には患者さんの希望もしっかりと確認して判断していく。そういったところが総合的、かつ慎重な適応判断になってくるだろうと考えております。
○宮川委員 まず、書いてある所についてもう少しお聞きします。そうすると、非常に具体的ではない。つまり施設要件や患者要件を、どのように設定するのかについて教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 本品は、かなりQOLに直結するデバイスでもありますので、厳密にこういう患者と薬事上明確に決めてしまうことには、難しい部分があるかと思います。ただ、本品の性質や限界を踏まえたときに、一つ明確に言える特に高いニーズとしては、経静脈ペースメーカが不可、かつ心房ペーシングを要する高齢者になってくるかと思います。施設に関しては、従来のLPの施設要件どおりで対応可能と考えております。
○宮川委員 はい、了解しました。2点目をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 2点目は、2個入れたときですか。
○宮川委員 2点目は、デュアルチャンバモードであれば海外なら5.7年、日本なら5.8年といった幅がありますが、もう少し短くなることも想定されるわけです。25行目に書いてあるように、心房LPの抜去成績が限られているという中で、二つ目を入れるときにどういう判断をするのか、どういう手技が行われるのか。そして2台目を入れるとすると、除去しないでもう一つ入れる場合も考えられるわけです。その場合、先ほどの距離的な問題も含めて、一つ目は右心耳に入れるという形で最適な所に入れます。2回目は、どうしても最適ではない所に入れなければいけない可能性もある。そうすると、1台目からどのくらい離れていたほうが安全かという知見があるのか。それとも1台目を全部除去しないと、2台目は入れられないのかということについて、御説明を頂ければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 電池の寿命に関しては、多少の幅があるところです。こちらは設定等によって変わってくる部分もあります。ただ、本品は植込みのときにプログラマーを使って、この設定で行ったときにどのくらいの寿命かというのは確認することができますので、そういったところから実際に出てきた予測電池寿命を踏まえて、本当に使うかどうかを判断していきます。
 また、本品はそのまま抜去せずに永久留置で置いた後、普通のリード型のペースメーカに切り替えるということも可能ではあります。もちろん、患者さんの解剖的な部分などにもよりますけれども、もし可能な患者さんであればそういった対処法であったり、中には実際にCRTに治療を変えた患者さんもいらっしゃるので、そういったところは一応可能です。
 2個目が部位として最適かというところで、必ずしもそうならない場合があるのではないかということについては、もちろん可能性としては否定できないと考えます。ただ、こちらも植込みのときにねじをスクリューで入れる前に、電気的パラメーターを測定できるというのが本品の強みなので、そこでかなり高い期待をもって、変えるときにはペースメーカとして、必要なパラメーターが得られるポイントを探せる可能性があると考えます。右心耳基部を推奨していますけれども、絶対でもないので、そこは適宜の判断で、どうしてもどこにもないということであれば、患者さんの状況にもよりますが、リードも視野に入れるというところになってくるかと考えております。
○宮川委員 それでは、2台目も入れることは可能と考えてよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そのとおりです。実際の動物試験でも、隣接というレベルで隣に置いて、問題なく留置できています。動物ですけれども、特段有害事象は起きていないというデータも得られているところです。
○宮川委員 ありがとうございます。
○小野部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はありますか。それでは私から、栗田先生に教えていただきたいのですが。この心房用のアヴェイルLPのスクリューインタイプは、右心耳の付け根をバイプレインの造影で同定して、そこに植えるということですけれども、右心耳の付け根の部分も、言ってしまうと立体構造と言いますか、やはり直角にうまくスクリューインしないと、いわゆるディスロッジの危険が出ます。また、ディスロッジを恐れて余り深く入れると、パーフォレーションという二律相反的なところがどうしても起こり得るのです。その辺のトレーニングは、学会としてはどのような進め方を予定されているのか、教えていただけますか。
○栗田参考人 トレーニングについては今、企業とも相談しながら学会で進めているところです。やはりシミュレーションというものが、一つあると思います。しかし、シミュレーションは、完全に生体の状況や肌感を再現できるわけではありませんので、当初はプロクターを、きちんとした経験のあるドクターを、場合によっては海外から招聘し、日本での経験を積むことで日本の中でプロクター等を育成し、プロクター指導の下に広げていくことになると考えております。したがって、初めての患者さんに経験のない医師が植え込みをする、誰も監督なしでやるということは、まずないと考えていいと思います。
 登録試験においても、15施設を最初に行うことになりました。いわゆる最初の15施設というのはハイボリュームセンターで、たくさんのリードレスペースメーカの経験がある施設がまず参加して、そこでしっかりとした技術を習得した先生方が、各地で指導医として健全なアヴェイルLPの使用を広げていくようになると考えております。学会のステートメント、あるいはトレーニングについてはまだ検討中なので、細かいことはここでは少し申し上げにくいところがあります。
○小野部会長 そうすると、こちらの部会で承認して、今後、保険償還などに行くような場合には、トレーニングシステムが先に確立され、場合によっては海外等からプロクターの方に少し御指導いただくという形で、その辺のトレーニングシステムと今後の施設拡大のプロトコルをお作りいただくというように理解いたしました。ありがとうございました。
 ほかに委員の先生方から御質問、御意見はよろしいでしょうか。それでは議決に入りたいと思います。医療機器「アヴェイルLP」について、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品及び特定生物由来製品としては指定しないということでよろしいでしょうか。これは該当しないということになります。また、使用成績評価については194例と出ておりましたが、期間を5年6か月と指定することでよろしいでしょうか。御異議のある委員の先生方は挙手、あるいは御発言をお願いいたします。ありがとうございます。御異議はないようですので、そのように議決をしたいと思います。なお、本件は審議会にて報告を行うことになっております。以上をもちまして議題1の審議を終了いたします。栗田先生、御出席どうもありがとうございました。
○栗田参考人 どうもありがとうございました。
――栗田参考人退室――
○小野部会長 それでは、議題2、医療機器「FARAWAVEカテーテル」及び「FARASTARコンソール」の使用成績評価の要否についてに入ります。それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より議題2について御説明をいたします。資料2を御用意ください。はじめに、表紙のページが諮問書になります。次の2ページが、今回の使用成績評価の指定について御審議いただく品目の概要です。今回御審議いただく品目は、医療機器「FARAWAVEカテーテル」及び「FARASTARコンソール」の2製品です。申請者はボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。
 品目の概要欄を御覧ください。本品は、薬剤抵抗性症候性の発作性心房細動の治療におきまして、心臓組織のパルスフィールドアブレーション手技に使用するカテーテル及び出力発生装置です。同様の原理のシステムとして、既に「VARIPULSEパルスフィールドアブレーションカテーテル」及び「TRUPULSEジェネレータ」が昨年12月の部会審議を経て承認されており、本システムとこれらのシステムとで適応となる対象は同等です。
 また、本年2月の部会におきまして、同様の原理を有する医療機器につきましても、既承認品と同様の考え方に基づき、使用成績評価を指定するということで、議決いただいております。
 したがって、本品の使用成績評価の調査期間につきましても、既承認品と同様の考え方に基づき、計4年とすることが妥当と考えております。御説明は以上でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○小野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の皆様方から御意見、御質問等ございますでしょうか。Webの方は挙手ボタンでお願いします。会場の方は挙手をしていただき、事務局から教えてください。既に2機種、VARIPULSEとTRUPULSEジェネレータ、いずれも他社のものですが、既に承認され、同様の再審査期間といいますか、使用成績評価期間が4年と決まって、今回のFARAWAVEとFARASTARについても前期の2機種と同等の機能を有する不整脈の治療デバイスとパルスジェネレータということになります。よろしいでしょうか。特に意見等はございませんようですので、議決に入りたいと思います。それでは、医療機器「FARAWAVEカテーテル」及び「FARASTARコンソール」について、本部会として使用成績評価期間を4年として指定するということでよろしいでしょうか。御異議のある方は挙手ボタン、あるいは御発言をお願いします。ありがとうございました。特に御異議がないようですので、そのように議決をいたします。なお、本件は審議会にて報告を行うことになっております。以上をもちまして、議題2を終了いたします。
 それでは、議題3、医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否についてに移りたいと思います。それでは、まず事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題3につきまして、資料3に基づき御説明させていただきます。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器がありまして、新たに一般的名称を新設する際には、「いずれのクラス分類に該当するかについて」、また、「その保守管理に専門的な知識を要するものとして、特定保守管理医療機器に指定するか否か」について御審議いただいております。
 はじめに、一般的名称の新設に至った背景となる製品について御説明いたします。資料2ページを御覧ください。表の4項、「使用目的又は効果」の欄にありますように、本品は、運動負荷の適応がある患者に対して、汗から乳酸性代謝閾値を計測・表示することで適切な運動負荷量の設定を補助することを目的とする医療機器です。
 具体的には、心臓リハビリテーションにおいて用いることを意図しておりまして、汗中の乳酸濃度を経時的に測定することで、適切な運動負荷量の設定を補助することを目的としております。表5項、「構造・原理」の概要にありますように、本品は、センサチップ、センサデバイス、データ表示プログラム、スマートフォン及び付属品から構成されます。
 資料2ページ下部に外観図を提示しておりますが、左側の画像のようなセンサチップ及びセンサデバイスを、右下にありますように患者さんの頭部に装着しまして、その装着をしたまま運動負荷を行います。本品により計測した乳酸濃度は、Bluetooth通信を介してスマートフォン上のプログラムで経時的に確認ができます。
 また、表5項に戻りまして、2行目から記載がありますように、本品の測定原理としましては、汗中の乳酸とセンサチップ上の乳酸オキシダーゼが反応して発生した電流値を測定するというものです。
 それでは、資料1ページに戻りまして、「新設する一般的名称(案)について」を御覧ください。新設予定の一般的名称は「汗乳酸モニタリングシステム」、その定義は「心肺運動負荷試験時に汗中の乳酸濃度の経時変化を観測する目的で使用されるモニタリングシステムであり、患者に取り付けたセンサ上の乳酸オキシダーゼが汗中の乳酸と反応して発生した電流値を測定する。心臓リハビリテーション等の運動処方の支援に用いる」です。また、本一般的名称は、クラスII、管理医療機器に指定されるべきものと考えておりまして、加えて、特定保守管理医療機器の指定を行うことが妥当と考えております。
 類似する既存の一般的名称としましては、「ラクテート分析装置」及び「肺運動負荷モニタリングシステム」の二つがありますが、本品の測定原理等に鑑みまして、これらの一般的名称には該当しないものと判断し、一般的名称を新設することといたしました。議題3についての御説明は以上でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○小野部会長 ありがとうございました。私の声は聞こえますか。途中1~1分半ほど音声が途絶えていました。委員の先生方、Webの先生方で改めて説明が必要な方はいらっしゃいますか。もし、いらっしゃれば、もう一度御説明いただきますが、挙手あるいは御発言していただくなど、よろしいでしょうか。内容は、今供覧している資料に書かれている内容を、そのまま読んだということになりますので、よろしいでしょうか。それでは、委員の先生方から御質問あるいは御意見等はございますか。Webの先生は挙手ボタンをお願いします。会場の先生方は挙手をしていただいて、事務局で御指名ください。
○医療機器審査管理課長 部会長、宮川委員から御意見がございます。
○小野部会長 宮川先生、お願いします。
○宮川委員 教えていただきたいのですけれども、乳酸は普通、血液等で測ることが多く、それで測定していくという形になるわけです。これは汗の所から直接反応を見るという形で、それが普通、そういう血中の濃度の上がり方と、汗の上がり方を含めてですけれども、少しカーブが書いてありますが、パラレルなのかどうか。パラレルであるからこそ、そういう意味では心臓のリハビリに使われるのだろうと思いますが、そのタイムラグとか、そういう血中濃度の上がり方との差異がどのようになっているか、何か報告とかあるのでしょうか。お願いします。
○事務局 御質問ありがとうございます。今回御質問いただきました血中との相関という直接の回答ではございませんけれども、現在こちらの製品は機構において審査中です。実際に性能の評価としまして、こちらの参考にあります「肺運動負荷モニタリングシステム」、つまり、呼気中の測定システムとの相関性というところでの評価は行っておりまして、そちらで同等の評価が行えるというところは評価しております。あと、血中につきましては、今すぐにお答えできる知見を持ち合わせておらず、申し訳ございません。
○宮川委員 ありがとうございます。運動する場合に、よくマスクをしてその中で乳酸等を含めてやっているわけですけれども、それとはある程度パラレルに相関しているというか、そういう形で理解してよろしいわけですね。ありがとうございます。
○事務局 はい、ありがとうございます。
○小野部会長 ありがとうございます。ほかに委員の先生方から御質問や御意見等はございますか。
○医療機器審査管理課長 部会長、佐久間先生からご意見がございます。
○小野部会長 佐久間先生、お願いします。
○佐久間部会長代理 これは特定保守管理医療機器となっていますが、何となくこのシステムの構成を見ると、スマートフォンにつなげて使うといったイメージになっていて、この場合、これは心肺運動負荷試験とか、そういう医療上で使うときは、こういう形で使う。ただ、これは場合によると普通、運動とかそういうところで使うというイメージがあるように思えたのですけれども、その辺りこれはどういう取扱いになるのでしょうか。どのように想定しておけばよろしいですか。
○事務局 御質問ありがとうございます。御質問の意図としては、実際に現場で使われるときのイメージという形でしょうか。
○佐久間部会長代理 管理ということから言うと、どのようにこれが使われるのかなということが、何となくスマホにつながってというイメージでいくと、使用者が自由に使ってしまって、管理ということがどこまでいけるかなと、ちょっと気になったことがあったものですから。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。デバイス自体は資料2ページにありますとおり、このセンサチップはディスポーザブルになります。こちらは医療機関で保管されて、その使用の都度取り出してデバイスに付けていただくと。デバイス自体も、これは医療機関での使用に限られますので、医療機関において適切にスマートフォンと一緒に保管いただくという形になります。
○佐久間部会長代理 分かりました。ということで、医療機関でまずは使われることが想定されているということ。了解いたしました。
○小野部会長 ありがとうございました。私もこれを見て、いわゆるアスリートのトレーニングのプログラミングでも多分使えるデバイスだと思っています。ですので、今後そういう適応というか、使用の範囲が広まっていく可能性があるのかなということと、先ほど言った心肺運動負荷試験の呼気ガス分析で、あれは結構やはり患者さんは大変なのですね、マスクをぴったり付けて。ですので、先ほど言われた心肺運動負荷試験との間の、いわゆる相関率があるのかという、その相関データというのは多分機構に提出されていると思いますけれども、いわゆる相関係数というか、RあるいはR2乗というのはどのぐらいか御存じですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。現在、審査中のところでもありますので、その詳細なところは控えさせていただこうと思いますが、評価に関しては御理解のとおり、既存の呼気ガス分析のCPX検査での値、運動負荷設定値とこの本品による運動負荷の設定値の相関性を臨床試験にて確認しているところです。
○小野部会長 審査中ですので、確かに難しいとは思いますけれども、分かりました。ありがとうございます。ほかに委員の先生方から、御意見や御質問はございますか。ありがとうございました。それでは、御意見がございませんので、議決を行いたいと思います。「汗(あせ)乳酸モニタリングシステム」を管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としても指定するということでよろしいでしょうか。御異議のある委員の方は挙手あるいは挙手ボタン、発言をお願いいたします。特に御異議はないようですので、そのように議決いたします。なお、本件は、審議会で文書報告を行うことになっております。以上で、議題3を終了いたします。
 それでは、議題4、部会報告品目についてに移ります。まずは事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より議題4について説明させていただきます。資料4、横向きの資料を御覧ください。こちらの資料では、令和5年11月1日~令和6年4月末までの6か月間に承認された品目のうち、クラスIVの医療機器、臨床評価が必要な医療機器、承認基準外の体外診断用医薬品など、本部会への報告対象となっている品目の概要を記載しております。医療機器については、91品目が該当しております。まず、1ページからは「臨床試験の試験成績が提出され、審査し、承認した医療機器」14品目について、それらの一般的名称・販売名・クラス分類などとともに概要をお示ししており、8ページまで続いております。
次に、9ページからは、臨床試験成績を必要とせず、審査・承認した77品目の一覧で、79ページまで続いております。最後に、80ページから該当する体外診断用医薬品21品目をお示ししております。これらの報告品目につきましては、事前送付をもって報告とさせていただいておりますので、これまでの個別の説明は割愛させていただきます。議題4につきましては、以上でございます。
○小野部会長 ありがとうございました。たくさんありますので、個々に触れることはできませんが、委員の先生方も、これはなかなか重荷だと思いながら御覧いただいたのだと私も存じておりますが、結構、多くのものがこのような形で承認されているということを、改めてここでよく理解できたと思われます。何か御意見や御質問、あるいは御確認はございますか。委員の先生方の御協力等で、新しいデバイスが多くこのような形で承認されていることが、私どもの活動の一端がここにまとまっているようにも見ることができると思います。よろしいでしょうか。特に御意見がありませんので、議題4を終了したいと思います。
 それでは、議題5、プログラム医療機器調査会における審議結果についてに移りたいと思います。まずは事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より、先月8月15日に開催されましたプログラム医療機器調査会における審議結果について御報告いたします。資料5-1を御覧ください。プログラム医療機器「ヘムサイト解析プログラム」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否についてです。本品は、組み合わせて使用する体外診断用医薬品等により得られた塩基配列情報を入力することで、その解析結果の表示及び出力を行います。本品は造血器腫瘍及び類縁疾患患者を対象とし、腫瘍等の包括的なゲノムプロファイルを取得するプログラムです。
 プログラム医療機器調査会における主な御意見の一つとして、「本品による検査を実施する施設の要件と、それを今後どのようにしていくか」という点について質問がありました。施設要件としては、「がんゲノム中核拠点病院等」としており、まずは既承認の固形がんを対象としたがんゲノムプロファイリング検査と同様の枠組みで開始し、状況を見て拡充する方向で検討する予定である旨の回答をしております。
 また、Fast-track対象遺伝子異常の追加に係るIDATEN申請に関して、達成基準の設定根拠及び取扱いについての御質問がありました。達成基準については、既承認の類似製品の基準等を参考に設定したこと。取扱いとしては、新しい遺伝子が追加されるたびに、その遺伝子のみに対して評価をする旨の回答をしております。本品は、審議の結果、プログラム医療機器として承認することが適当との審議結果を頂きました。
 続きまして、項目2、医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否についてです。今回、新設の御審議を頂きました一般的名称は「家庭用体動情報解析プログラム」「家庭用聴力検査プログラム」「家庭用補聴フィッティングプログラム」の三つです。プログラム医療機器調査会における主な御意見の一つとして、当該一般的名称に該当する家庭用医療機器プログラムが罹患の可能性を示すことについて、使用者に不安等を与えることへの懸念等について御質問がありました。本品の使用に当たっての位置付けや罹患の兆候が検出された際の対応方法等について、製造販売業者等から情報提供を行うことで混乱がないように市販後対策を取る予定である旨の回答をしております。
 また、家庭用聴力検査プログラムに該当する家庭用医療機器プログラムについては、その判定結果が、そのまま医師による診断結果と同義となるわけではないことが明確に分かるような販売名とするよう御指摘いただきました。御意見を踏まえまして、審査において適切な販売名を検討させる旨の回答をしております。それぞれの一般的名称については、クラスIIの管理医療機器に指定し、特定保守管理医療機器には指定しないことが適当との審議結果を頂きました。プログラム医療機器調査会における審議結果についての御報告は以上となります。
○小野部会長 ありがとうございます。それでは、委員の皆様方から何か御意見や御質問等はございますか。佐久間先生、プログラム医療機器調査会の座長をお務めだったと思いますけれども、追加でそのときの御議論の内容について何かここで御発言はございますか。
○佐久間部会長代理 特に内容についてはないと思います。ただ、議論の中で、IDATENのところで、委員の中でもどのように使われるかということに対して、例えばAIを主に研究されている先生方から言うと、同じ対象に対してデータが増えることがあるといったような話とか、新しい遺伝子が見付かったら、それに対して突合するといったようなことがあって、その辺り、いろいろな類型があるというか、そういうことがあるということで、その辺り少し混乱がありましたので、そこを整理しながら議論しました。以上です。
○小野部会長 御追加ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問や御意見はございますか。よろしいでしょうか。これからこのプログラム医療機器関係の、いわゆる承認事項はどんどん増えてくると思いますので、なかなかこの辺のところの判断の基準というか、非常に難しいというか、慣れないというところが結構あるのかなというのが、私も折々感じているところです。
○佐久間部会長代理 すみません、佐久間ですが。
○小野部会長 お願いします。
○佐久間部会長代理 追加ですけれども、ここについて、やはり説明があったとおり、これが一般に広く使われる可能性があって、そのときに、これが適正に使われるようにどうするかということの重要性が議論されました。これは多分、社会もそうですし、医療側もこれをどうやって使っていくかということで、この辺りは名称も含めて気を付けていくべきだろうという議論があって、先ほどお話があったとおり、販売名とかそういうところで誤解がないようにという、そういうことを少し注意しましょうということの議論がありました。これも重複になりますが、追加でございます。
○小野部会長 ありがとうございます。この名称というのが意外に重要で、同じ名称でもそこからどういった内容を連想するかというのがエンドユーザーによって少し違うところがあったり、また、それぞれのバックグラウンドなどによっても少し違うというところがあるので、そこは、言ってしまうと、かなり慎重を期して決めていく必要があるのかと私も感じているところです。ほかに委員の先生方から何か御質問や御意見はございますか。ありがとうございます。では、よろしければ、以上で議題5について終了したいと思います。
 本日、用意した議題は以上でございますが、事務局から何かほかの連絡事項等はございますか。
○医療機器審査管理課長 事務局でございます。委員の先生方におかれましては、本日も御多忙の中、医療機器・体外診断薬部会に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。また、本日、事務的な過誤によりまして、部会の進行に不手際が生じてしまいまして、部会長はじめ、皆様方におかれまして御迷惑をお掛けいたしますことを、誠に申し訳ございません。おわび申し上げます。
 次回の部会ですが、10月7日(月)の17時30分から予定しておりますが、詳細については、また後日、メールで御連絡させていただきます。連絡事項は以上でございます。
○小野部会長 それでは、以上をもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会させていただきます。本日は、長い時間ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 富田(内線4226)