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第7回柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループ議事要旨(2025年1月29日)
日時
令和7年1月29日(水)14:00~16:00
会議形式
ハイブリット開催
議題
柔道整復療養費のオンライン請求導入等について(その2)
議事要旨
- 議事内容
事務局から「柔道整復療養費のオンライン請求導入等について(その2)」について、説明、主な意見・要望等については以下のとおり。
基本方針、基本的事務フローについて- 現在、国保被保険者の柔整療養費については、各都道府県の国保連合会において請求受付や審査・支払いに関する何らかの事務を行っている実態があり、そのやり方については、都道府県ごとおおむね一致している部分と、その地域の実情に応じて対応している部分があるため、今後統一的なシステム構築をするのであれば十分に各連合会の意見も聴いていく必要があると考えている
- オンライン請求導入後も受領委任の仕組みを維持すること、現行の療養費の枠組みの中で検討していくこと、審査支払機関が関与できるようにすることや、協定や取扱規程に定めるという方向性に異論はない
- 療養費の支給決定という保険者が有する機能を維持することも問題はないと考えている
- 国保連の事務処理の流れを参考に検討するとしても、業務全体のフローの中で保険者の権能をどのように担保すべきかというのは、今後事務局においても検討をお願いしたい
- 被用者保険においては国保の審査事務の中身を把握していない状況で、国保も被用者保険の審査事務を把握していないため、今後事務局においては国保や被用者保険を含め、事務フローを整理していただきたい
- オンライン請求の導入については、健康保険法第87条の療養費の枠組みにおいて実施すること、法改正はしないという前提がこれまでもあるので、この前提については、最も重要な方針としてこのワーキング・グループとしても合意すべき
- オンライン請求に参加するのはあくまで保険者裁量であることが前提であり、これまで以上に質の高い審査が行えるようになるといった保険者から見てメリットのある仕組みとすることで結果的に全保険者が参加するようにしていく必要がある
- 閣議決定の中で、公的な関与の下に請求・審査・支払いが行われる仕組みを検討するとなっており、このことを勘案すると審査支払機関を療養費取扱いの中で業務主体とするための仕組みを確立する必要があると考えている
- 国保連合会が支給決定や過誤調整を行っているという業務実態等を踏まえ、オンライン請求を行うに当たっては、療養費の支給決定と過誤調整を療養の給付等と同様の仕組みにすべきではないか
- オンライン請求システムはデジタル推進を考えると当然の流れであり、また、避けては通れない仕組みだと考えているが、施術者側の費用負担、事務負担やシステム構築にかかるイニシャルコスト等はどのように考えているか
- オンライン請求の導入に向けた検討に当たって、効率的な施術の推進を目的とするならば、復委任団体を経由した一括振込・一括請求が、施術者にとっては効率的な施術の推進になると考えている
- 復委任団体を使う使わないを各施術者の判断で決めることができる環境の下で、オンライン請求を行うようにしていただきたい、あわせて確実に施術者に支払うという安全性の担保としては、その復委任団体に対しての行政管理の認可制導入についての検討が必要
- 療養費の支給・不支給の決定など、保険者が有する権能を民間会社に外部委託できないという現在の整理は維持してはどうかとの記載があるが、これは、民間会社でない主体であれば支給・不支給の決定権限まで委託するということを意味しているのか
- 審査支払機関には支払基金と国保連があるが、保険者との関係が違うのではないか、国保連は各国保保険者の事務を共同処理するための連合会であって、支払基金は被用者保険の保険者の連合会ではないという違いがあるのではないか。保険者権能との関係で国保連の事務処理の流れをそのまま被用者保険の保険者の権能との関係で参考にできるのか
- 審査業務について、支払基金は柔整療養費の審査に係るノウハウを一切有しておらず、都道府県の審査委員会事務局は定数削減あるいは地方拠点の集約で極めて小規模なものになっており、体制が脆弱な中で審査業務を担うことは極めて困難ということは従前から申し上げているとおり
- 審査以外の請求受付・支払い業務に関しては、支払基金と医療機関がオンラインでやり取りしている情報基盤を活用できる余地があるのではないか
- 療養の給付は支払基金に決定権限があるのと比べて、療養費はそのような法的な整理にはなっておらず、療養の給付と療養費の業務フローを同じようにするのは、今の法体系の下では困難ではないか
- 療養費では支給決定に当たって患者照会を保険者権能の一環としてやっているが、療養の給付において支払基金ではやっていないので、各保険に加入されている人への照会業務まで支払基金で行うのは難しい
- 施術者側としては、受診抑制につながる不適切な外部委託業者は問題があると考えているので、オンライン請求導入の際には、保険者の指導・監督の行き届かない外部委託は禁止とし、保険者個々が適切に患者照会をする仕組み、あるいは審査支払機関が関与した患者照会にしてはどうか
- 患者照会の審査支払機関への委託については、やむを得ないかどうかという判断を保険者がする際に患者照会をすると思っているので、このやむを得ないという判断権限まで審査支払機関に委託できるのか、法的な整理が必要ではないか
- 平成14年の大阪地裁の裁決において、保険者の裁量権を広範なものとする趣旨のものとまでは解されず、その規定の趣旨に照らし合わせて合理性が認められる限度において保険者に裁量権を付与したものにすぎないとされていて、保険者の決定を取り消されているという事例もあるので、オンライン請求において効果的な業務が遂行されるためには支払基金に委託をしてもらうなどの権限も少し考えた方が良いのではないか
審査のあり方について- 国保連が引き続きこの国保被保険者に係る柔整療養費の請求受付・審査・支払い事務、これを行っていくことは、国保保険者との関係から自然なものと考えており、審査委員会が継続されることも違和感はないと考えている
- 現行は紙の申請書にて審査委員会を実施しており、今後紙から電子化での審査となる中で、電子化ならではの効率的な審査システム構築を行っていただきたい
- 柔整療養費の分野でオンラインデータを用いての全国統一的なシステムを構築すれば、審査の質の向上のための各種点検、コンピュータチェックの導入、審査結果に不服がある場合の再審査、審査データを共有し活用していく仕組みなど、いずれも療養の給付の分野で行われていることであるという意味で、検討の方向性として大きな違和感、唐突感があるものではないが、その仕組みや基準の構築、運用などに当たっては、厚生労働省が責任を持って主体的に関与していただきたい
- 形式や内容、縦覧点検、多部位、頻回、施術所単位の傾向審査も含めて不正や不当な請求に対してコンピュータチェックで事前に審査を行うという方向性については妥当である
- 全国の審査結果のデータを共有する仕組みはぜひとも進めていただきたい
- 再審査の在り方はシステムの構築も含めて実際に現在の運用状況のヒアリングなどをしながら、今後の在り方を検討してもいいのではないか
- 国保連の審査会は継続し、協会けんぽの審査会は在り方を検討するというのは、どういう趣旨で書いているのか、協会けんぽの審査会の在り方を見直すこと自体を反対している趣旨ではないが、審査会という意味では同じことをやっているにもかかわらず、国保連のほうは審査会を継続し、協会のほうの審査会は在り方を検討するというのが、どのような趣旨なのか
- オンライン請求導入後の請求・審査・給付の決定・支払いまでの一連の流れが具体的に見えてきた前提で、どこでどのような審査を行って、どのような方法で給付の決定まで行うのかを確立すべき
- 療養の給付とは異なって、コンピュータチェックの審査だけでは見えない不適切な請求が行われているのが療養費の1つの特徴なので、人の目を介した審査や保険者が行っているような患者照会、医師照会、こういったものも必要となる
- 健保組合の柔整審査会の委任は以前から減る傾向にあり、多くの健保組合は委託していない状況の中、この柔整審査委員会の審査の質がどのくらい保たれているのか、現状どのような審査をやられているのかがあまり見えていない中で、現行の審査委員会を継続するといった判断を今の時点ではできない
- スキーム上、再審査はあるが、そもそもきちんと再審査として機能しているのかといったことや、審査の質がなかなか現行では見えない中では判断がしにくい
- 「突合点検等の新たなコンピュータチェックを導入し、多部位への施術や長期・頻回施術に関する審査、施術所単位の傾向審査、他制度給付等との併給審査等」とあるが、この併給というのは他の制度、例えば医療助成などか、それとも医科との併給のことなのか
- 保険者の権能のうち決定権は当然保険者にあるが、審査機能については審査委員会にも権限を委託してもらうと大きな成果が出てくると考えている
- コンピュータチェックで挙げられたもの、例えば部位が増えたとか、繰り返しの施術があるとかということだけをもって不当であるという決めつけは問題がある
- 現状の審査委員会では特定の団体の委員が委嘱されたり、学識経験者も特定の団体から輩出されたりしているので、公平公正な委員で構成された審査会で行うべき
- 審査の在り方については、個々の申請内容ではなく施術所単位の傾向審査に重点を置くべき、個々の申請においては当然突出した多部位や長期・頻回の施術はあるので、全体としての傾向審査をしていただきたい
- コンピュータチェックをする場合、機械的に数値だけで審査するのではなく、患者個々の状態によって通院頻度や部位、長期・頻回が異なることは実態としてあるので、そこに人の目を入れ総合的な傾向審査を行うことが重要であると考える
- 以前に参考資料として柔整審査委員会の委員構成などの材料があったが、今後議論するに当たり、最新の調査結果をどこかにつけていただくと合理的な差異の議論がしやすいのではないか
オンライン請求システムの構築、紙請求の取扱いについて- オンライン請求の回線はオンライン資格確認システムと同様のインターネット回線を使用していただきたい。また、紙請求からオンライン請求へのスムーズな移行のためには、関係者へ猶予期間を与えるなど十分な準備期間が必要ではないか
- 新たなシステム構築に当たっては、分かりやすいシステムを目指し、また既存のシステムも活用可能ならば活用するということについて、異存はない
- システム構築に当たっては、審査支払機関の意見を十分に聴き、また無理のないスケジュールで構築していただきたい
- 紙請求や媒体請求が少しでも残っていると、業務的にダブルトラックとなり、効率的な業務推進に当たって大きな支障となるので、オンラインを前提とした新たなシステムが施行される時点においては、絶対に紙請求との併存はしないということをこのワーキングとしての合意事項にしていただきたい
- 高齢の施術者、手書きの請求をしている施術者、廃止を考えている施術者、弱視のある施術者など、ある一定数の紙請求は残るものと思っており、不利益となるのは国民であると思っているので、そうならないためにも、復委任団体に関わらせていただきたい
- インターネット回線選定について、費用対効果を考えるとオープン系で暗号化をかければ十分なのではないか。高価なクローズド系を使うこともあり得るが、極めて高度な攻撃者を想定した場合のみ有効。本システムの場合一番問題になるのは、施術所のパソコン管理を徹底することになると思料。パソコンからネットワークに接続できるため、どんなにクローズド系を使ったとしても施術所のパソコンへの物理的管理をセキュアにしない限り、人が侵入して直接パソコンに触ったり、パスワードが漏洩する可能性も高い。施術所の人にセキュリティーの教育をしないといけないが徹底は難しい。クローズド系にするというのは高い投資になるのではないか
- システム障害などのときに業務が継続できるような体制をつくる必要があり、資料では事務処理要領を考えることと記載してあるが、それで事務処理が流れるのであれば紙なしにしてもいいが、移行期間中は大体並行でやったほうがうまくいくのではないか
- 支払基金のオンラインでつながっている情報基盤は、つながっている医療機関の端末あるいは回線もセキュリティー上の観点も踏まえた基準、要件を求めている。審査・支払システムは閉域網で運営されているが、ここから侵入されると、場合によってはシステムがダウンしてしまうなどのリスクもある。簡素で分かりやすいシステムに加えて、セキュリティー上もしっかりしたシステムという要件も付け加えたほうがいいのではないか
電子請求様式等、電子申請書(請求書)管理について- 資料上、技術的な部分や申請書の保管・管理についてのみ言及されているが、今後業務フローやどのような観点でシステムチェックを導入するかにより、電子申請書の中身自体も当然に検討しなければいけないので、今後の整理事項としていただきたい