2022年10月7日 令和4年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会)議事録

日時

令和4年10月7日(金)17時00分~19時00分

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D
東京都千代田区内幸町2丁目2-3 日比谷国際ビル8階

出席者

構成員等
事務局

議題

  • 令和4年度診療報酬改定に係る医療技術の評価について
  • 令和6年度診療報酬改定に向けた医療技術の再評価方法について(案)
  • 医療技術の体系的な分類について


 

議事

議事内容

○福井分科会長
 定刻になりましたので、ただいまより、令和4年度第1回「診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会」を開催いたします。
 大変御多忙のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 議事に入らせていただく前に、委員の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 前回の会議後、井原委員、岩田委員、斎藤委員、真田委員、鈴木委員、西井委員、福田委員、安田委員が御退任となっております。
 今回から新たに、大屋敷委員、柏木委員、小林委員、近藤委員、西委員、野口委員、野崎委員、冨士委員、森尾委員が御就任されております。
 それでは、恐縮ですけれども、新たに御就任された委員の先生方から、簡単に御挨拶をいただきたいと思います。
 それでは、最初に大屋敷先生、お願いできますでしょうか。
○大屋敷委員
 こんにちは。大屋敷です。東京医大で血液内科を担当いたしておりました。よろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 柏木先生、お願いいたします。
○柏木委員
 東京医科歯科大学看護ケア技術開発学分野の柏木と申します。今回から委員として参加をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 小林先生、どうぞよろしくお願いします。
○小林委員
 よろしくお願いいたします。国立がん研究センター中央病院感染症部の小林でございます。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 西委員、よろしくお願いします。
○西委員
 東京医科大学産科婦人科学の西洋孝でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 野口委員、よろしくお願いします。
○野口委員
 国立循環器病研究センターの心臓内科の野口でございます。専門は心臓血管内科です。学生時代は、福井先生にいろいろ教えていただきました。ありがとうございました。よろしくお願いします。
○福井分科会長
 どうぞよろしくお願いします。
 野崎先生、よろしくお願いします。
○野崎委員
 川崎市立川崎病院で脳神経内科をやっております野崎でございます。よろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 冨士委員、よろしくお願いします。
○冨士委員
 昭和大学横浜市北部病院泌尿器科の冨士でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 森尾先生、お願いします。
○森尾委員
 東京医科歯科大学小児科の森尾と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 なお、近藤委員は、筑波大学の御所属で、医療経済学の御専門ですが、本日は御欠席となっております。
 続きまして、委員の出欠状況でございます。本日は、近藤委員のほか、植木委員、荻野委員、川村委員、眞野委員及び、矢冨委員が御欠席です。
 また、前回の会議以降、事務局に人事異動がございましたので、紹介をお願いいたします。
 事務局からお願いします。
○医療課長補佐
 それでは、事務局を御紹介させていただきます。
 眞鍋医療課長でございますが、本日、公務にて遅れての参加ということで予定させていただいております。
 続きまして、荻原保険医療企画調査室長でございます。
 続きまして、安川薬剤管理官でございます。本日、公務のため欠席させていただいております。御了承いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 最後に、当分科会を担当します医療課の課長補佐の加藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局の紹介は以上でございます。
○福井分科会長
 続きまして、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○医療課長補佐
 資料の確認をさせていただきたいと思います。
 電子媒体で配付させていただいておりますが、お手元に、議事次第、委員名簿、診療報酬調査専門組織運営要綱とありまして、続きまして、議題1の資料として、技-1から技-1参考まで、議題2の資料としまして、技-2-1と技-2-2がございます。そして、議題3の資料として、技-3「岩中委員提出資料」がございます。お手元にございますでしょうか。
 御確認をいただきましたら、こちら、資料の確認は以上となります。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 今、加藤課長補佐が触れられましたけれども、本日は、議題が3つございます。早速、第1番目の議題に入りたいと思います。
 「令和4年度診療報酬改定に係る医療技術の評価について」でございます。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 それでは、議題1の資料として、技-1、技-1参考を御準備いただければと思います。御説明は、技-1に沿って御説明させていただきたいと思いますけれども、医療技術の評価について、令和4年度診療報酬改定のなされる直前、1月になりますけれども、こちらをお示しした資料になります。資料の再掲になりますので、資料の説明は簡単にさせていただければと思います。
 まず1ページ目の「1.これまでの検討状況」から、「2.令和4年度診療報酬改定における対応等について」の(1)までのところを、令和4年度改定での医療技術評価の進め方として振り返らせていただきたいと思います。
 1.(1)令和4年度診療報酬改定に向けては、例年どおり学会等から提出された提案書に基づき、新規医療技術の評価及び既存技術の再評価を行うことに関して、令和3年2月10日の中医協にて了承されたということになっております。
 (2)にございます。その上で、令和3年11月4日の分科会において、学会等の提案のうち、分科会の評価対象にするものについて検討が行われました。
 1.(3)になりますが、その後に、評価対象になる技術につきまして、分科会委員による評価及び先進医療会議における評価を踏まえて、令和4年1月18日の分科会において、最終的な評価を取りまとめさせていただいたということになっております。
 評価の概要に関しまして、技-1参考を御覧いただけますでしょうか。
 今回は、評価の対象になった技術は733件でございまして、そのうち、令和4年度診療報酬改定において対応する優先度が高い技術は175件でございました。
 こちら概要になりますけれども、お目通しいただきながら、技-1の資料へお戻りいただきまして、2.目の(2)から、分科会においての議論をいただいた論点について、改めて、振り返らせていただきたいと思います。(2)になります。
 まず、医療技術の体系的な分類に関しましては、厚生労働行政推進調査事業「公的医療保険における外科手術等の医療技術の評価及びその活用方法等に関する研究」において、診療報酬における手術分類、Kコードについて、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)による整理がされている手術・手技の分類であるSTEM7に基づき、DPCデータを用いた解析が行われたということでございます。解析の結果や課題を踏まえ、対象となる手術や分析に係る評価項目等について、さらに分析を進めることを確認させていただいたところでございます。
 次に(3)に進みます。2ページになります。科学的根拠に基づく医療技術の評価について、マル1になります。
 令和4年度診療報酬改定においては、診療ガイドライン等に基づく質の高い医療を進める観点から、提案書において、「ガイドライン等での位置づけ」という記載を求めたところでございます。
 結果としまして、令和4年度診療報酬改定において評価対象となる技術であって、対応優先度の高いものとされたもののうち、提案書において「ガイドライン等で記載あり」とされたものは113件、未収載技術36件、既収載77件でございました。
 こちらの技術につきましては、今後、分科会として、その変化等を把握することが可能になると見込まれたとまとめていただいております。
 (3)マル2、推定でございますが、レジストリに登録され、実施された医療技術の評価ということで、直腸がん、胃がん及び食道がんに係るロボット支援下内視鏡手術について、手術成績と術者の経験症例数との関連に係る検討がNCDを用いて行われたということでございます。
 こうした研究結果を踏まえ、既に収載されているロボット支援下内視鏡手術の施設基準の見直しに活用することが考えられるとおまとめいただきました。
 技-1の資料シリーズに関しましては、基本的には報告事項でございますが、以上になります。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いいたします。
 前回といいますか、令和4年度診療報酬改定に向けたプロセスというか、そこで話し合われたことなどについての御報告でございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、御質問、御意見等ございませんようでしたら、この議題はこれで終了とさせていただきます。
 それでは、議題2に移りたいと思います。「令和6年度診療報酬改定に向けた医療技術の再評価方法について」でございます。
 事務局から提出されている資料について、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 ありがとうございます。
 それでは、議題2の資料として、技-2-1、技-2-2を御準備いただけますでしょうか。御説明は、技-2-1に沿ってさしあげたいと思います。まずは、1ページ目を御覧ください。
 「令和6年度診療報酬改定に向けた医療技術の再評価方法について(案)」とございます。
 1.令和4年度診療報酬改定における対応で、こちらは先ほど御説明した内容と重複する部分がございますので、一部省略させていただきながら、御説明させていただきます。
 (1)令和4年度診療報酬改定における評価の概要では、【評価の方法】で、前回改定における分科会の評価スキームをお示ししています。
 (2)令和4年度診療報酬改定における主な論点でございますが、先ほども御説明いたしましたとおり、既存医療技術の再評価に係る論点が2つございました。まずマル1、診療報酬ガイドライン等に基づく医療技術の評価についてですが、令和4年度診療報酬改定において、学会等が作成する「診療ガイドライン」等に基づく質の高い医療を進める観点から、提案書において、診療報酬ガイドライン等における当該医療技術の位置づけ等を明記する欄を新設し、記載をいただきました。
 技-2-2を御覧いただきますと、1ページ及び2ページ目において、令和4年度診療報酬改定における評価の結果を、そして、続きまして、3ページ目から5ページ目におきまして、該当する技術の一覧をお載せしております。御参照いただければと思います。
 続いて、技-2-1に戻らせていただきまして、マル2、レジストリに登録され、実施された医療技術の評価についてですが、令和4年度診療報酬改定において、レジストリに登録することを要件として保険適用された医療技術については、レジストリへの登録状況及び当該医療技術の実績等について、関連学会等を主体とした検証を行った上で、分科会への報告等を行うとともに、引き続き、有効性・安全性等に係る評価を行うことといたしました。
 以上の方針の下、学会等からの提案書の提出があったロボット支援下内視鏡手術に関する技術について、関連学会等によりレジストリを用いた検証がなされたものが13件ございました。
 こうした検証結果等を踏まえ、令和4年度診療報酬改定において、一部の内視鏡手術用支援機器を用いて行った手術については、評価等の見直しを行ったところでございます。
 技-2-2の資料に戻らせていただきまして、6ページ目になります。こちら、資料は再掲になりますが、前回改定で行ったロボット支援下内視鏡手術における提案の一覧、7ページ目には、レジストリに係る検証結果ということで、資料をおつけしております。8ページ目は、これまでのレジストリの登録を要件とし、保険適用された技術計35件について、一覧表としておつけしております。
 また、資料戻らせていただきまして、技-2-1になりますが、2ページ目の○にございますが、こうした中で、令和4年度診療報酬改定においては、以下、枠内の記載にございます、今後、適切に医療技術の評価・再評価を行う観点から、医療技術評価分科会における検討結果を分析するとともに、診療ガイドラインの改訂やレジストリ等のリアルワールドデータの解析結果を、当該分科会において把握できるよう、医療技術評価提案書の提出に係るプロセスを見直すとされております。
 また、その下○でございますが、令和4年度診療報酬改定における中医協答申書附帯意見としまして、医療技術の評価について、以下の枠内の指摘がございました。診療ガイドライン等に基づく質の高い医療を進める観点から、診療ガイドラインの改訂やレジストリ等のリアルワールドデータの解析結果を把握し、それを踏まえた適切な医療技術の評価・再評価を継続的に行うことができるよう、医療技術の評価のプロセスを含め引き続き検討することということでございます。
 令和4年5月18日の中医協におきまして、本分科会において検討を進めることと整理されております。
 こういった背景の下、3ページ目に移りますけれども、2.令和6年度診療報酬改定に向けた対応(案)でございます。
 1つ目の○にございますが、令和4年度診療報酬改定における中医協答申書附帯意見を踏まえ、令和6年度診療報酬改定に向けては、医療技術の再評価のプロセスについて、以下のように見直しを行うこととしてはどうかとしております。
 まず、マル1、医療技術の指定についてでございます。関係学会からの提案とは別に、分科会において指定する既存医療技術について、関係学会への報告を求め、分科会における再評価の対象としてはどうかということでございます。
 具体的には、これまで診療ガイドラインやレジストリの解析結果へ着目した評価を行ってきたことを踏まえ、A)令和4年度診療報酬改定において対応する優先度が高いものとされたうち、提案書の「ガイドライン等の位置づけ」の欄において、「ガイドライン等で記載あり」とされた技術(計113件)、B)に関しましては、レジストリの登録を要件として保険適用された技術(計35件)でございます。
 これらの技術を分科会において指定する技術とし、関係学会から報告を求めることとしてはどうかという提案をさせていただいてございます。
 続きまして、マル2、報告書様式の新設でございますが、マル1に関連する内容でもございますが、既存の提案書が、臨床的位置づけに基づく学会からの提案内容をその根拠ともに記載する様式となっていることから、分科会において指定した技術について、現行の診療報酬上の評価の観点から、臨床的位置づけや根拠の変化の有無を記載する報告書様式を新設してはどうかとしております。
 さらに、2つ目の○でございますが、厚生労働省行政推進調査事業「保険収載されている医療技術の再評価方法を策定するための研究」において、過去の分科会における医療技術の再評価方法について検証を行うとともに、さらなる既収載技術の再評価方法の在り方について検討を進めることとし、今後、その内容について分科会への報告を求めることとしてはどうかとさせていただいております。
 最後の3つ目の○でございますが、令和6年度診療報酬改定に向けた医療技術に係る評価方法等については、例年どおり引き続き議論を進めていくこととしてはどうかということで、提案させていただいております。
 技-2の資料シリーズに関しての御説明は、以上となります。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。
 新しく委員になった先生方には、少し情報量が多くて、御理解いただくのは大変かも分かりませんけれども、当分科会といたしましても、常に、より合理的、より効率的な評価ができないものか、意見を伺って、それに基づいて変更してきていることが毎回のようにございまして、今回も、ガイドライン関係のお話が主ですけれども、かなり大きな変化を提案しているところでございます。
 いかがでしょうか。どんなことでも結構ですので、何か気がついたことがございましたら、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 森尾先生、どうぞ。
○森尾委員
 すみません。初めての参加でありますけれども、1つ発言させてください。
 レジストリやガイドラインを活用していくという方向はよく理解いたしました。その中で、既収載の医療技術でも、NDBなどを見て、何年間も用いられてないような医療技術もあるのではないかと思います。そういうものも再評価の対象にしたらどうかなと感じるところでございます。これは、もちろん疾患の症例の数とかいろいろな状況にもよるとは思うのですけれども、一つの方向性としてそういうこともあってはいいのではないかと思っております。
 以上でございます。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 事務局から、何か御意見ございますか。
 よろしいですか。
 それは、ぜひ検討対象にしていただければと思います。
 よろしいでしょうか。
 私、個人的には、診療ガイドラインに掲載されている事柄につきまして、このような扱いをするのはいいと思います。ただ、各学会がつくっているガイドラインのクオリティーにつきましても、ぜひ評価するときに頭に置いていただきたいと思います。今、Mindsなどで診療ガイドラインの質の評価はしてきておりますけれども、残念ながら、まだクオリティーに少し凹凸があるところもございますので、ぜひ、そのことも頭に置いていただければと思います。
 ほかには、何かございませんでしょうか。
 よろしいですか。
 ほかに特に御意見、御質問等ないようでしたら、「令和6年度診療報酬改定に向けた医療技術の再評価方法について(案)」は、提出させていただいた資料のとおりに進めることとしたいと思います。御了承いただきたいと思います。よろしくお願いします。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、本案を中医協へ報告させていただきます。
 次の議題に移りたいと思います。「医療技術の体系的な分類について(案)」でございます。提出されている資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 ありがとうございます。
 それでは、資料、技-3を御説明させていただきたいと思います。1ページ目、「1.背景」でございますけれども、診療報酬上の手術分類については、イノベーションの進展に伴い、手術の多様化・高度化等が進む中で、一定の限界があるのではないかという御指摘をこれまでいただいてきたところでございます。
 一方で、臨床的な観点から、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)により整理されている手術・手技の分類として、外保連手術試案の手術の基幹コード(STEM7)がございます。こちらは、平成30年診療報酬改定において、データ提出加算により提出を求めているデータについて、KコードにSTEM7を併記することとさせていただいております。
 また、令和2年度診療報酬改定におきまして、DPCデータの抽出や検証等を通じまして、体系的な分類方法の検討、課題の抽出、特定の診療分野における試行的な導入等について、令和2年度中を目途として検討することとされておりました。
 次の○でございますが、令和4年度改定に向けては、厚生労働省行政推進調査事業の「公的医療保険における外科手術等の医療技術の評価及びその活用方法等に関する研究」において、一部のKコードとSTEM7の組み合わせについて、DPCデータの麻酔時間に着目した検証が行われたところでございます。
 検証結果において、1つのKコードに対して、手術部位ごとにSTEM7が分類されている整形外科領域の一部の術式においては、手術部位によって麻酔時間の分布が異なっていた一方で、他の術式については、麻酔時間が「540分以上」となる術式が多数存在する等の評価方法に係る課題が見られたところでございました。こうした検証結果や課題等を踏まえた上で、対象となる手術や分析に係る評価項目等について、さらに分析を進めることとされております。
 こうした背景において、「2.今後の対応について(案)」でございますが、令和4年度診療報酬改定において、KコードとSTEM7の対応関係に係る一定の評価結果と課題が得られることを踏まえ、厚生労働省行政推進調査事業「リアルワールドデータに基づく外科手術等の高度化・多様化する医療技術の評価及びリアルワールドデータの資する研究」において、以下のような方針で検討を進めてはどうかとまとめていただいてございます。
 マル1「体系化の対象とする術式の選択について」でございますが、ここにございますとおり、1つのKコードに対して、手術部位ごとにSTEM7が分類されている整形外科領域の一部の術式について体系化が可能と考えられたことも踏まえ、整形外科領域の同様の術式についても検証を進めるとともに、関係団体等とも連携しつつ、令和6年度診療報酬改定において検証結果に基づくKコードの体系化を検討してはどうかとさせていただいております。
 マル2、次にございますが、「評価方法の検討について」に関しまして、DPCデータの麻酔時間を用いた現状の評価方法については、既に一定の限界も存在するという御指摘もございますので、関係学会の保有するデータベースを補完的に利用する等、関係学会等とも連携しつつ、さらなる評価方法について検討を進めてはどうかということでまとめさせていただいております。
 技-3の資料の御説明は、以上となります。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 関連しまして、岩中委員より資料が提出されております。岩中委員より御説明をお願いいたします。
○岩中委員
 岩中でございます。この分科会の分科会長代理をさせていただいております。同時に、先ほどから事務局がおっしゃっております外保連の会長も務めさせていただいておりまして、今回、この体系的な分類についての厚生労働省の主任研究者を拝命しております。
 今回、新しく入られた委員がかなりたくさんいらっしゃいますので、少し基本的なことも含めまして、私の資料でもう少し詳細に御説明したいと思います。私の提出しました資料のページを1枚めくっていただきまして、背景と目的のところでございますが、これは先ほど、事務局からお話がありましたように、今のKコード分類では、イノベーションの進展になかなかついていけなくなってきている、限界が来ているということがございまして、もう少しKコードを見直してはどうかというのが、この研究班の主題でございます。
 ここにございますように、平成30年度から、DPCの技術のときにSTEM7という外保連コードを併記していただくことになっています。STEM7といいますのは、7桁のコードでございまして、操作対象部位、いわゆる対象臓器です。例えば手術の場合、肝臓であったり、肺であったり、心臓であったりという対象臓器が3桁の記号がついています。その後、2桁、基本操作コードと申しまして、切除であったり止血であったり修復であったり、再建であったりという、そういうふうな実際の手術操作が2桁ございます。次の1桁が到達法でございまして、例えば従来の開腹手術のようにオープンサージェリーであったり、内視鏡を使うものであったり、経皮的であったり、自然口、口から入れるあるいは肛門から入れるような自然の穴から入れる経口的というものであったりというのが1桁コードでございまして、さらに最後にもう一桁、アプローチのために使う補助機械、例えば内視鏡であったりロボットであったりそういうものを1桁つけました。合わせて7桁のコードで分類をしております。
 そうしますと、DPCのKコードとSTEM7を見合わせてみますと、一つのKコードの中に、対象臓器が違うもの、あるいはちょっと操作が違うものなどいろいろなものがちょっと混じっているということが分かりました。それゆえ、違う臓器に対する技術が、同じ一つのKコードに入っていますと、当然、その中は技術も違うわけですし、使用する診療材料であったり、特定保険医療材料も違いますので、このあたりはもう少し精緻化したほうがいいのではないかと。一方で、一つのSTEM7コードに複数のKコードが関連しているものもございまして、このあたり、もう少しきちんと検討すべきではないかということで、昨年度の医療技術評価分科会に提出させていただいたところでございます。
 めくっていただきまして、グラフがあります。この検討という結果のところを見ていただきたいのですが、まず一つ目のポツでございますが、整形外科領域において、一つのKコードに対して、手術部位ごとにSTEM7が分類されている手術症例がそれなりの数ございます。
 例えば、右側のK0821という人工関節置換術というこの術式は、肩関節、股関節、膝関節、みんなひとまとめになっています。そうしますと、当然、術式は違いますし、使う人工関節も違います。それをDPCデータで評価しますと、DPCデータのEファイルの中に麻酔時間が入っていますので、技術の違いを検討するために、麻酔時間でヒストグラムをつくってみますと、一番上のグラフが肩関節です。真ん中が股関節、一番下が膝関節ですが、微妙にこのヒストグラムが違います。中央値の場所も違います。そうしますと、これは、診療報酬上は別の手術として扱ったほうがいいのではないかということで、これはもう少し精緻化したほうがよかろうという判断ができます。
 お隣の骨折観血的手術というのをK0461という手術でございますが、これも肩甲骨の骨折、上腕骨の骨折、大腿骨の骨折が1つのKコードの中に入っていますので、このヒストグラムを見ていただいてわかりますように、手術操作方法、手術の技術度あるいは時間が明らかに違うのではないかというのが推測されるわけです。
 ですから、こういうものを対象に、もう少しアカデミックな形のKコードの整理できるのではないかというのが1点目でございます。
 一方で、2つ目のポツでございます。実は、心臓血管外科領域にもいろいろございまして、例えばK5541は弁形成術ですが、これは一弁のもの、二弁形成をするものに分かれていますが、心臓の弁の中には、先生方御存じのように、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁という4つの弁がございまして、それぞれの弁形成は全部アプローチが違いますし、技術も全く違います。
 ですから、これもやはり分けるべきではないかと思って、これも分類してみたのですが、実はEファイルの麻酔時間の中で「540分以上」という中に入るものが非常にたくさんございまして、ただ、この弁形成、一弁の形成に9時間かかっているような手術が本当にそんなにあるのかということで、これに関しましては、そこにありますように、ちょっと評価が困難であったと。これは、例えば心臓血管外科領域が持っているような、違う手術データベース等を使って分析したほうがいいのではないか。このような方法も考えたいと、そういうふうなところを、前回の医療技術評価分科会に向けてまとめさせていただいたところでございます。
 最後のページになりますが、この研究班といたしましては、今申し上げましたように、整形外科領域を対象に、整形外科には、一つのKコードに複数の関数の関節が入っていたり、複数の部位が入っているものはかなりたくさんございますので、これを、引き続き、全ての領域といいますか、整形外科のそういう手術を一通り全部洗い直す必要があるのではないかと。
 これに関しましては、この研究班がやるデータはつくりますが、こういうものを整理するものには、関連学会の先生方といろいろと検討をしながら進めさせていただく必要があると思いますので、これに関しましては、できれば、関係団体いわゆる外保連の加盟団体等にお諮りしていきながら、こういう科学的根拠の下に少し整理をしていければと考えているところでございます。
 2番目のこの評価法は、先ほど心臓で申し上げましたように、関係学会のデータベースを少し補完的に利用しないと、できないものに関しましては、DPCデータを基本にして、さらに補完的なデータベースを用いながら、もう少し詳細なデータを検討して、令和6年度改定というよりは、さらにもう少し先の改定になるかもかもしれませんが、このような手術に関しても、やはり同様に検討を進めていくべきではないかと思っているところでございます。
 そのため、今回、厚生労働省保険局に、全領域、全Kコード×STEM7の組み合わせのDPCデータを申請しているところでございまして、11月頃にデータが届く予定でございますので、この秋から来年の春にかけて、精力的に検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
○福井分科会長
 大変詳しく御説明いただきまして、ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
○前原委員
 医科歯科大学の脳神経外科の前原ですけれども、よろしいでしょうか。
○福井分科会長
 どうぞ。
○前原委員
 岩中先生の説明は、非常によく分かりました。
 ただ、確かに脳神経科外科では、STEM7の理解がちょっと浅くて、ちょっと見当違いのことを言うと申し訳ないのですけれども、先生が言われたように、各団体ごとのデータベースがありまして、そうすると、多分、麻酔時間とか手術時間とか、どちらかといえば手術時間の評価になるのかなと思って聞いていたのですけれども、先生が言われたように、今持っている、我々の脳神経外科のデータベースで何をやっているかとか、あるいは、最低限何を入れるべきかとか、そういうことを一回議論するような場が設けられるという、そういう御理解でよろしいでしょうか。
○岩中委員
 岩中が答えてよろしいでしょうか。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
○岩中委員
 このSTEM7に関しましては、外保連にありまして、各領域学会がいろいろなデータベースをお持ちだと思います。私自身、National Clinical Databaseの外科系のデータベースの代表理事を務めていたこともありまして、いわゆる日本外科学会系の一般外科領域、心臓外科とか呼吸外科も含みますが、その辺に関しましては、例えば手術時間から始まって出血量、術後の合併症と、かなり詳細な150項目、場合によっては200項目を超えるようなデータベースがございます。各領域学会が持っていらっしゃるデータベースの中は、その各学会が必要と思われる項目が非常にたくさん入っていますので、非常に参考になるとは思うのですが、そのデータベースの信頼度とかそういうことも含めまして、基本的には、行政の施策に展開するということもございますので、保険局が持っているDPCデータを基幹データベースとして検討をしながら、DPCはなかなか詳細なデータが検討できない部分がございますので、それに関しましては、各領域学会にお願いをしたいなと思っています。
 ただ、今現在、私どもが進めておりますのは、整形外科領域で、適切な精緻化ができるかどうかというのがまず1点。もう一つありますのは、同様に、少し整理したほうがいい領域の手術がそれなりに複数ございます。ですから、そういうものに関しましては、今、先生が御指摘のように、例えば脳神経外科学会が、うちの術式も、STEM7を含めて少し整理してみてはどうかというふうに、例えば手を挙げていただけるのであれば、私ども研究班としましては、令和6年にはなかなか難しいですが、例えば令和8年改定あるいはその先の改定に向けたKコードの整理にお手伝いできるのではないかと思っているところです。
 以上です。
○前原委員
 どうもありがとうございました。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。必ずしもDPCデータだけではなくて、ほかの評価の仕方も当然考えられるということで、よろしいでしょうか。
 それから、整形外科領域以外の領域についての術式分類についても、その検討を開始しということですので、それは体系化に向けて、順次進めていただけるということで、岩中先生、よろしいでしょうか。
○岩中委員
 私自身、この研究班の主任研究者ですが、その研究班として、各領域学会に協力をお願いすることはできますが、これはKコードの整理という行政の事業の一部を担う形になる可能性がありますので、例えば、この医療技術評価分科会で、令和6年改定にはなかなか時間的に難しいかもしれないけれども、それ以降に向けて、例えば整理をしたい、あるいは整理をすべき領域があるのであれば、私、外保連の会長もしておりますので、外保連から各加盟学会に、整理をしませんかという協力の要請をいたしまして、進められるものなら進めていきたいと考えているところです。
○福井分科会長
 かなりの事務量、作業量になる研究班の仕事の内容だと思うのですけれども、先生、どういう体制でされているのでしょう。
○岩中委員
 これがなかなか大変な体制で、私自身のこの班会議の中に、疫学といいますか、公衆衛生に詳しいデータベースを扱っている人間がおりますので、その人間がDPCを中心に分析をしながらやっているところですが、領域を広げるとなりますと、各領域の学会の先生方に相当お手伝いをしていただかないと不可能だと思っていますので、できましたら、この医療技術評価部会で、この機会に、少し時間を置いて、8年改定、10年改定、未来の改定に向けて、精力的に各学会に頑張ってくださいねというふうな提案をしていただけますと、私どもとしましても、外保連から協力要請をしやすいので、その形で進めていただければと思っています。
○福井分科会長
 そうですね。仕事量も、それから関連分野も非常に大きく、広がりますので、確かに事務局とも十分相談して進めたほうがいいのではないかと、私個人的に思いますが、いかがでしょうか。
○医療課長補佐
 ありがとうございます。
 事務局としましても、今、岩中先生が御説明いただきましたとおり、各学会が保有しているデータベースがどのようなものであるかということも十分把握してない部分もございますので、今回、御提案させていただいたものは、先ほど御説明がありましたとおり、あくまで公的なDPCデータでの評価に対して、補完的にどのように各学会の保有するデータベースが活用できるか、その評価の方法について、まずは御検討させていただけたらなと。また、各学会からも御協力いただかないといけない部分があるかとは思いますけれども。そのように事務局としても考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○岩中委員
 岩中ですけれども、少し追加をよろしいでしょうか。
○福井分科会長
 お願いします。
○岩中委員
 今、おっしゃっていただいたように、例えば、整形外科がKレコードとSTEM7のばらつきが一番多い領域だと思っていますので、令和6年改定に向けて、整形外科領域でまずしっかりと検討したいなと思っています。そのためには、例えば日本整形外科学会のみならず、いろいろな学会がございますので、サブの学会がございますから、そのあたりからも委員の先生にぜひお願いしたいと思っています。
 同時に、行政の事業といいますか、施策に関係する案件でございますので、当然、この研究班のみで進めるのではなくて、厚生労働省の担当の方々にこの議論の中にしっかりと関わっていただきたいと思っていますので、併せて事務局に、その点、どうぞよろしくお願いしたいということをお願い申し上げます。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 いずれにしても、診療報酬というフレームワークの中で、事実と違うというか、より望ましい形に持っていける部分があれば、そこからスタートして、全く構わない話だと思いますので、一どきに全てを改定できるわけではないと思いますので、できるところからお願いするという方針でやってはいかがかと思います。よろしくお願いいたします。
○岩中委員
 おっしゃるとおりでございます。
○福井分科会長
 ほかにはいかがでしょうか。
 外科以外の分野で、こういうふうな見直しをしたらどうかというところももしかしてあるかもわかりませんので、そういうところにもし気がつく点がございましたら、また、御発言いただければと思います。
 いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、もし、ほかに御意見ないようでしたら、医療技術の体系的な分類については、基本的には、資料のとおりに進めていくということで、中医協へ報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
 岩中先生、モディファイしたほうがいいようなところがもしございましたら、また、御指摘いただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。先生の御報告が主になると思いますが。
○岩中委員
 ありがとうございます。とりあえず、この方針どおりで進めさせていただいて、どういうふうなプロセス、やってみていろいろな課題が出てくるかもしれませんので、また、そのときは、厚生労働省の関係者ともよく相談をしながら、適切な方向で修正をしながらやっていきたいと思っています。
○福井分科会長
 ありがとうございます。
 青木先生、よろしくお願いします。
○青木委員
 青木でございます。
 放射線領域のIVRですね、Interventional Radiologyの血管塞栓術などは、恐らく部位によって違いがあって、整理する必要があると考えますので、また、御相談させていただければと思いました。
○福井分科会長
 よろしくお願いします。
 ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、本案は中医協へ報告させていただきたいと思います。
 本日予定された議題は、以上でございますが、その他として、事務局から何かございますでしょうか。
 よろしいですか。
 もし、ないようでしたら、次回の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
 次回の会議開催日程に関しましては、また、先生方の御予定を伺いながら、検討したいと思います。よろしくお願いいたします。
○福井分科会長
 それでは、本日の診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。