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技能実習評価試験の整備に関する専門家会議(第86回)議事要旨
人材開発統括官海外人材育成担当参事官室
日時:令和7年2月17日(金) 10:00~11:30
場所:Web会議
出席者:市田委員、岩崎委員、漆原委員、大迫委員、後藤委員、當間委員、堀委員、花山委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(介護職種関係)シルバーサービス振興会、厚生労働省福祉基盤課、オブザーバー(特定非営利活動法人東京ケアネットワーク 小山副理事長、UAゼンセン 山﨑医療・介護・福祉部会事務局長)
(化粧品製造職種関係)日本化粧品工業会、経済産業省生物化学産業課、厚生労働省医薬産業振興・医療情報企画課
(下着類製造職種関係)日本ボディファッション協会、経済産業省生活製品課
議題
(1)介護職種の作業範囲拡大について(訪問系介護サービスの追加)
(2)化粧品製造職種(充填仕上工程管理作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
(3)下着類製造職種の試験の実施・運営状況の報告について
【概要】
(1)介護職種の作業範囲拡大について(訪問系介護サービスの追加)
○ 介護職種の作業範囲に訪問系介護サービスを追加することについて、厚生労働省福祉基盤課から説明があり、主として以下のような質疑が行われた。
・オブザーバーから、ICTの活用、特に見守りカメラの使用などについては利用者・家族への丁寧な説明をお願いしたい。訪問介護への従事にあたっての要件を高めた中で、きちんと遵守事項等が守られているかの確認をお願いしたいとの意見があった。これに対し、御意見に十分留意して対応するとの回答があった。
・オブザーバーから、利用者・家族に対し丁寧な説明していただくようにお願いしたい。緊急事態時の対応について、事後処理だけではなく、事前に避けるためのリスク管理も重要であり注視いただきたい。同行訪問を半年求めること等については、同行訪問自体は現状の介護制度でも行われているが、今回のように連続的に行われることは想定されておらず、実際には十分実施できていない実情もあるため、円滑に制度が進むように配慮いただきたい。また、サービス提供責任者の業務等も現状より増えることになるため、サービス提供責任者の処遇などは制度面において担保するとともに、実際の運営においては現場の声を踏まえて進めていただきたいとの意見があった。これに対し、訪問系介護サービスの追加について施行状況等しっかり把握し、必要な課題なども検討し、必要な対応を取っていくとの回答があった。
・実習実施者や訪問介護に従事することになる技能実習生への周知期間は十分にとって、現場が混乱することのないようにしていただきたいとの意見があった。これに対し、利用者へのサービス提供など、現場で混乱がないよう、制度の全体像を詳細に整理して、関係者へ周知し、きめ細かな対応を行うとの回答があった。
・訪問系介護サービスの追加の施行後、何年か後には、トラブルとの因果関係が薄いルール、トラブルにつながる影響が薄いルールについては緩和するなど、臨機応変に対応いただき、負担が少なく安全な介護サービスが提供できるようにしてほしいとの意見があった。これに対し、必要な課題を把握して、いい仕組み、いい制度になるように改善できるよう取り組みたいとの回答があった。
○ 検討の結果、介護職種の作業範囲拡大(訪問系介護サービスの追加)について了承された。
(2)化粧品製造職種(充填仕上工程管理作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
○ 化粧品製造職種(仕上工程管理作業)の試行試験結果について、日本化粧品工業会から説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・学科試験の試験基準の細目の中で、器工具、用具等の用途に関して求める知識レベルについて、初級は「初歩的」、専門級は「一般的」、上級は「実践的」としている。器工具、用具等の中でも保護眼鏡や安全靴など労働安全衛生に関する事項については、初級だから初歩でいいわけではなく、必然的に正しい製品を正しく着用する必要があり、その知識についても初めから実践的な知識が不可欠である。あえて3つに知識レベルを書き分けている理由は何かとの質問があった。これに対し、安全衛生に関する知識は3階級ともに「詳細」な知識を求めることを明示したかったが、知識量については、上級は人を管理することも求められるため、必要な知識量は異なる。初級だから初歩的で良く、保護眼鏡、安全靴を着用する意味合いを知らなくてもいいとは決して思っておらず、安全衛生上必ず身につける必要があることは、初級でも理解していただく。ただ、級が上がるにつれて、人を管理することになるので、なぜこれらの着用が必要なのかということを作業者に伝えられるようなレベルまで理解してもらうということを考えて、必要な知識レベルに段階をつけたとの回答があった。これに対し、そのようなことは別途ある安全衛生業務に関する試験細目で問うべきことであり、当該細目では、例えば保護具等の寿命等の知識を有し、支給された器工具、用具等がどのようなものであるかを理解することが重要である。例えば手袋については、化学物質が一定程度浸透することや劣化することもあり、使い回しは当然あってはならない。また、化学物質がどのくらいの時期に浸透するかということも知識として必要である。そのような内容について、等級ごとに区別することが妥当であるのか疑問であるとの意見があった。これに対し、上級に当たる管理者は、保護具の状態について、作業者の身につけているものをチェックする作業があるので必要な知識レベルに段階をつけていたが、初級だから知らなくても良いということではないため、働く方の安全第一を考えて運用するとの回答があった。
○ 検討の結果、化粧品製造職種(仕上工程管理作業)を移行対象職種・作業に追加することについて了承された。
(3)下着類製造職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 下着類製造職種の試験の実施・運営状況について、日本ボディファッション協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・会員と非会員の受検料の差について、第59回技能実習評価試験の整備に関する専門家会議(前回の試験の実施・運営状況の報告)において、2024年度を目途に縮小を検討する旨の説明があったが、今回の報告では2025年度から検討し、2027年度に価格設定をしたいと説明されたことについて、後ろ倒しにした理由を御説明いただきたいとの意見があった。これに対し、前回の報告で御指摘を受けてから受検料改定部会を設けて協議を継続しており、2024年度の改定部会で、段階的に格差を縮小していく方向で決定し、具体的な受検料や価格差については未だ複数の案があるが、2025年度前半に決定し、当該年度中に厚生労働省に変更申請書を提出する。受検料改定が承認されれば、第一弾として2026年度から改定した受検料で試験を実施するとの回答があった。
・本年度試験の視察に同行した委員から、視察の際に、ミシン台が移動できないものであること、交通の不便な遠隔地の実習実施者が多いこと、非会員企業や零細企業のように1回あたりの受検者が少ない場合には、非効率となることなどを感じた。試験監督者や受検者は極めて真面目に作業に取り組んでいたとの報告があった。
・技能実習生の帰国後の状況について、試験実施機関である業界団体は、それを追跡する必要はないのかとの質問があった。これに対し事務局から、外国人技能実習機構がフォローアップ調査を行っており、技能実習生全体に対して帰国後の状況を調査している。また、これまで試験実施機関に帰国後の状況を把握していただくことをお願いしたり、義務付けたりはしておらず、一義的には、監理団体や実習実施者が把握いただくべきことだと考えているとの回答があった。
○ 報告の結果、日本ボディファッション協会の技能実習評価試験について、会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(以上)