第12回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会 議事録

健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課

日時

令和7年1月8日(水)
10:00~12:00

場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)

議題

  1. (1) 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024について
  2. (2) 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(サマリ版)の構成について
  3. (3) その他

議事

議事内容
○上地感染症対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第12回「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」を開催いたします。
 御出席の先生方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日、議事進行を務めさせていただきます、健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課の上地と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、現在まだ入室されていない先生がおられます。また、当課課長の荒木は、別の公務のため、遅れて入室いたしますことを御了承いただければと存じます。
 本日の議事は公開となります。カメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の構成員の出欠状況について御報告いたします。
 今回より、日本医師会の笹本構成員、
 国立感染症研究所の菅原構成員、宮﨑構成員、
 日本獣医師会の伏見構成員に新たに構成員として参加いただくことになりました。
 御出席の構成員につきましては、通信の確認も踏まえて、構成員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順に、浅井構成員。
○浅井構成員 浅井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 勝田構成員。
○勝田構成員 農研機構動物衛生研究部門の勝田です。本日はよろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 小林構成員。
○小林構成員 皆様、おはようございます。農研機構の小林でございます。よろしくお願いします。
○上地感染症対策課長補佐 笹本構成員。
○笹本構成員 日本医師会の笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 四宮構成員。
○四宮構成員 衛生環境研究所の四宮です。どうぞよろしくお願いします。
○上地感染症対策課長補佐 柴山構成員。
○柴山構成員 名古屋大学の柴山です。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 菅井構成員。
○菅井構成員 薬剤耐性研究センターの菅井です。よろしくお願いします。
○上地感染症対策課長補佐 菅原構成員。
○菅原構成員 感染研の菅原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 関谷構成員。
○関谷構成員 動物医薬品検査所の関谷と申します。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 田中構成員。
○田中構成員 信州大の田中と申します。よろしくお願いします。
○上地感染症対策課長補佐 伏見構成員。
○伏見構成員 日本獣医師会の伏見と申します。どうぞよろしくお願いします。
○上地感染症対策課長補佐 藤本構成員。
○藤本構成員 松田町国保診療所の藤本と申します。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 松永構成員。
○松永構成員 AMR臨床リファレンスセンターの松永です。どうぞよろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 御手洗構成員。
○御手洗構成員 結核研究所の御手洗でございます。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 宮﨑構成員。
○宮﨑構成員 感染研の宮﨑です。ハンセン病研究センターと真菌部に所属しております。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 村木構成員。
○村木構成員 おはようございます。京都薬科大学の村木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 渡邉構成員。
○渡邉座長 渡邉です。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 なお、藤井構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、参考人として、泉谷参考人。
○泉谷参考人 感染研の泉谷です。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 金森参考人
 金森参考人 金沢大学の金森です。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 山岸参考人。
○山岸参考人 感染研の薬剤耐性研究センターの山岸です。よろしくお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 よろしくお願いいたします。
 以上の御出席をいただいております。
 現在、構成員の過半数に御出席いただいておりますので、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料は、議事次第のほか、構成員名簿、座席表、資料1として「薬剤耐性ワンヘルス動向調査について」、資料2として「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台)」、資料3として「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(サマリ版、たたき台)」。
 また、参考資料として、開催要綱、2023年度版の報告書をお送りさせていただいております。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、以降の議事運営については、渡邉座長にお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。
 本日は、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024年度版。
 及び薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書のサマリ版。
 そして「その他」を議題として用意しておりますので、まずは、事務局から資料1について、簡単に御説明をお願いいたします。
○上地感染症対策課長補佐 事務局より、資料1について御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
 資料1を御覧ください。
 薬剤耐性ワンヘルス動向調査では、アクションプランの進捗状況に資する調査として、弊省並びに関係府省庁の御協力の下、様々な事業や研究において収集された薬剤耐性菌や抗菌薬使用量などのデータが収集されており、これらのデータを検討会にて取りまとめ、年次報告書として毎年発出しております。
 スライド上段には、厚生労働省関係の審議会の流れをお示ししておりますが、コロナ禍、2020年以降は、これらの審議会において、ヒト領域に係るアクションプランの進捗状況の評価が行われておりませんでしたので、今後、しっかりと実施すべく、現在検討を進めているところでございます。
 次をお願いします。
 アクションプラン2023-2027において、ワンヘルス動向調査はどのような記載がされているか、概要をまとめたものになってございます。
 アクションプランにおいても、薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会を設置する旨。
 また、動向調査検討会において技術的事項を審議し、取りまとめ、年次報告書として毎年公表することが明記されてございます。
 次をお願いいたします。
 こちらは、検討会の開催要綱を一部抜粋したものになります。
 繰り返しになりますが、本検討会では、薬剤耐性ワンヘルス動向調査に係る技術的事項について検討することを主目的としており、厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長の下、有識者の先生方に御参集いただき、検討会を開催することとしており、その検討会の資料、議事等においては公開となっております。
 次をお願いいたします。
 報告書2024の目次をお示ししております。
 目次については、例年どおり「前文」から始まり「略称」「抗菌薬の種類と略号」「要旨」「アクションプランの成果指標」等と取りまとめておりまして、巻末に参考資料として記載されております。
 今回、新たな追加項目といたしましては、薬剤耐性真菌として、カンジダ・アウリス。
 及びゲノムサーベイランスについて新たに記載しているところでございます。
 次をお願いいたします。最後のスライドになります。
 繰り返しになりますが、本検討会は、動向調査に係る技術的事項について検討することを主目的としているため、報告書の記載ぶりや、いわゆるてにをはについては、検討会後にメール等で御指摘いただき、本検討会では、アクションプランの成果指標の数値の変動についてや新規の追加項目、今年度の場合、カンジダ・アウリスやゲノムサーベイランスについて、また、議題2として挙げている新たに作成予定のサマリ版の構成などを中心に御議論いただきたく存じます。
 お時間も限られておりますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上になります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 事務局から今お話がありましたように、報告書はトータルで200ページを超える膨大なものでありますので、要領を得たような形での進め方をしたいと思います。
 まずはアクションプランの成果指標についての御議論。
 及び続いて、今回から新しく設けられましたカンジダ・アウリスに関して。
 3番目として、ゲノムサーベイランスが新しく入りましたので、特にこの点に関して議論を進めたいと思います。
 その他の項目に関しては、後でコメント等がありましたら、またお話を伺う形にいたします。
 最後に、先ほどお話がありましたサマリ版について、皆さんからの御意見を伺うことにいたします。
 特にサマリ版に関しては、今回、事務局が2月に行われますASPIREにおいて、このサマリ版を世界に広めたいという意向を持っていますので、皆さんからのいろいろなアドバイス等をいただければ幸いと思います。
 では、まず「アクションプランの成果指標」。
 事務局、報告書の該当ページを開いていただけますか。
 皆さんからの御質問等、私のところで全部挙手等を見ることができない点もあるかと思うので、事務局のほうでサポートをよろしくお願いいたします。
 まず、12ページです。
 「アクションプランの成果指標」という形になっておりますが、これは担当された先生方から一言コメント等をいただいて、それから皆さんの御意見をいただきたいと思います。
 ヒトの分野については菅井先生。
 抗菌薬使用については松永先生。
 動物は福永先生、お願いいたします。
 まず、菅井先生からお願いいたします。
○菅井構成員 これは2016年版の成果指標ですので、基本的には左側に記載している様々な薬剤耐性菌について、2020年に、右手にその耐性率を目標値として記載されています。
 これは、JANISのデータに基づいてこの値が設定されたとお聞きしていて、各年のJANISのデータに基づいて、そこにパーセンテージが記載されているということでございます。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、ヒトの抗菌薬使用に関して、松永先生、コメントがありましたら。
○松永構成員 よろしくお願いします。
 今回の抗菌薬使用については、NDBのデータを基にDIDを出させていただいております。
 13ページの下の表が前回のアクションプラン、上が今回のアクションプランとなります。
 2016~2020年のものと、2023~2027年のものとなります。
 今回、2023年の抗菌薬使用についてアップデートさせていただきました。
 結果的には、2020年と比較して17.4%抗菌薬が増加している状況であります。
 一方で、2020年、2021年、2022年は、コロナの影響もございましたので、2019年の頃から比較しますと6.2%と、経時的には少しずつASPが進んでいるのではないかという解釈もできるのではないかと考えております。
 同様に、経口第3世代、フルオロキノロン、マクロライド、また、静注カルバペネム系の抗菌薬につきましても、2020年から増加しておりますが、経時的に見ていくと、2019年以降も緩やかに減少しているような状況が見てとれるかと存じます。
 以上となります。
○渡邉座長 続いて、福永先生、お願いします。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課福永課長補佐 農林水産省の福永でございます。
 事務局ですが、御説明させていただきます。
 まず、14ページの上段が前回のアクションプランの成果指標、3家畜の耐性率の平均値ということで載せております。
 中段にありますものが、新たなアクションプランの成果指標になっておりまして、違いとしましては、前回は3家畜平均だったものが、牛、豚、鶏とそれぞれにおいて目標値が設定されまして、今回、2022年のデータを追記しているところでございます。
 また、一番下の欄でございますが、抗菌薬使用量ということで、新たにつくられた指標ですが、2022年を追記しております。動物用抗菌薬の全体量に関しては、2020年からかなり削減されてきているところでございます。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、構成員の先生方から、現在のコメント及びここに書かれていることに関しての御質問等がありましたら、お願いいたします。
 御意見のある方は、挙手をお願いいたします。
 特にないですか。よろしいですか。
 下のところに戻ってもらえますか。
 その上です。ここです。
 ここは、2016~2020年ということで、2021年、2022年、2023年が加わっているわけですが、右の脇の「2020年(目標値)」と書いてあるところは、本来は、2020年の脇辺りに来たほうが見やすいのかなと思うのです。
 なぜかというと、ずっと下のほうに下ろしていただくと、抗菌薬の使用量とか動物の関係においても、第1期目と第2期目に分けて書かれているところがあるので、ここはどうですか。あえて2023年まで入れたほうがよろしいのですか。
 菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 それは、御指示に従います。私としては、どちらでも構わないと思います。
 多分、これも今回の議題になっていると思いますが、要するに、2014年からのデータがどうなっているかというのを一気通貫で見るという意味では、こういう形で書いておいたほうがよいのかなと思いました。
 次のページのヒトに関するアクションプランは、2023年からのアクションプランで改定されて、このように変わりました。一番上です。
 また、2027年の目標値が設定されていますので、こちらで記載されているということで、最初のアクションプランのバージョンでのデータを1ページ目というか、13ページに記載している状況です。
 ですので、それを残すかどうかも含めて御議論いただければと思います。
○渡邉座長 2023年~2027年が2期目なので、ここが重要なポイントかなと思うのですが、事務局としては、上の表として、2024年、2025年、2026年とずっと追加していく方向性ですか。この辺で御意見があれば。
 ずっと続けたほうがいいというなら、そちらとしての見方と、第2期目の表を並行にこういう形で並べていくということでもよろしいかと思いますが、何か御意見がありましたら。
○松永構成員 よろしいでしょうか。
○渡邉座長 どうぞ。
○松永構成員 AMR臨床リファレンスセンターの松永と申します。
 今回のアクションプランの指標で変わったところは、検体が絞られて、より精緻なものになったと思っております。
 一方で、年度が2020年からということで、コロナの影響を強く受けているのかなと思っておりまして、トレンドとして見るためには、まず、できれば長期的なものを全体的に見た上で、2020年からの指標を見ていくほうが、私は見やすいかなと感じました。
 その上で、もしかしたら一番上の目標値だけ削除して、言葉だけで目標値が幾つだったという形で残しておくのも一つありかなと思って、今伺っていました。
 以上となります。
○渡邉座長 そうですね。
 煩わしいというか、2023年の脇に2020年の目標値が見えるのは、見た目で煩わしいかと思うので、その辺は、事務局等も含めて検討していただければいいのかなと思います。
 ほかに御意見はありますか。
 もしないようでしたら、成果指標については、御議論。
○事務局 渡邉先生、関谷先生の手が挙がっています。
○渡邉座長 こちらから見えないので、申し訳ないです。
 事務局から、今、関谷先生の手が挙がっているというお話ですね。
 どうぞ。
○関谷構成員 すみません。関谷です。
 動物分野のほうは、アクションプランが切り替わって、より精緻な成果指標が設定されたり、あるいは新たに使用量の指標ができているので、私が考えるには、上に記載されている前回のアクションプランの表では一旦止めておくのがいいのかなと思いますが、いずれにしても事務局と相談させていただきたいと思います。
○渡邉座長 そこはちょっと気になって、動物のほうは2021年ぐらいで切ってあるのだけれども、下のほうは2023年までずっと載せてあるという齟齬があるのが気になったので、先ほど質問した次第で、動物とヒトを統一する必要があるのかは、その辺も含めて事務局と担当者の間で相談していただいたほうがいいかと思います。
 よろしくお願いいたします。
○関谷構成員 よろしくお願いします。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 では、続いて、今度は新しく加わりましたカンジダ・アウリスの件について、宮﨑先生からお願いいたします。
 ○宮﨑構成員 ありがとうございます。
 カンジダ・アウリスですが、アメリカでは既に全数把握になっている疾患で、多剤耐性であることが問題になっています。
 既にキャンディン、アゾール、アムホテリシンB全てに耐性のものも報告されている状況なので、今回、2022年のWHOのリストにもカンジダが加わったということで、本項でもここにリストアップしていただいたと考えております。
 現在感染研でも、2023年から感染研でサーベイランスを行っておりますが、我が国では、今のところ、クレードが幾つかあるのですが、高病原性とされているクレードのものは輸入例で1例あるだけで、国内発症例は報告されておりませんでした。
 しかし、ここに書いておりますが、侵襲性症例からではないのですが、耳漏から高病原性クレードに属する株も7月以降に分離されましたので、引き続き、広がることがないか、調査を継続している状況であります。
 以上です。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等がありましたら、お願いいたします。
 宮﨑先生、今回、日本で見つかった55例は、米国でいういわゆる病原性が高い株と考えてよろしいのですか。
○宮﨑構成員 55例のうち1株だけが病原性の高い株だったのですが、それ以外は、以前から日本で分離されている一般的には病原性が高くないと考えられているクレードIIと言われるものです。
○渡邉座長 クレードIの場合、それにかかった方は、特に基礎疾患がない方でも重症化する可能性があると考えられるのですか。
○宮﨑構成員 カンジダの菌血症の場合には、例えばカテーテル留置があるような方で発症するときに、重篤度の高い基礎疾患が必ずしもあるわけではないのです。
 そういう方に起こりますので、クレードIの方でも、基礎疾患の重篤な方とそうでない方の両方がいらっしゃいますので、その辺りは注意して両方見ておく必要があると考えております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 そうすると、その辺の先生が今言ったクレードI、クレードIIに関する情報と、日本ではクレードIがまだ1例しか見つかっていないという情報も入れておいていただくと、なぜカンジダ・アウリスをここに加えたのか、読まれている方も分かるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○宮﨑構成員 承知いたしました。
 原稿を出しているときのデータは、昨年7月までのデータなので、12月までの分を追加して、今、渡邉先生がおっしゃったような内容を追加できればと思います。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問等がありましたら、お願いいたします。
○事務局 渡邉先生、恐れ入ります。
 山岸先生に挙手いただいております。
○渡邉座長 どうぞ。
○山岸参考人 感染研の山岸です。
 宮﨑先生と共に、カンジダ・アウリスの対応で活動させていただいています。
 多分、この55例は非常に包括的な数字になっているのですが、厳密に事務連絡のサーベイランスを開始した後で言うと、感染研のホームページでは、10月30日付で18例という数字を出しています。
 恐らく、研究のほうで集まってきた株がここに入って、55例になっていると思うのですが、表現を後で宮﨑先生とも相談させてもらって、サーベイランスと研究で集まってきたというふうにして記載していくとより正確かなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 その辺は、山岸先生と宮﨑先生で打ち合わせて、ここの項目のバージョンアップをお願いいたします。
 今回、新しくカンジダ・アウリスが加わっているということで、もっとさらにいろいろなデータが出てくることが期待できると思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、続いて、新しく加わったものとして、ゲノムサーベイランスがありますので、ここのところを少し詳しく御説明いただければと思います。
 これは、菅井先生でよろしいですか。
○菅井構成員 はい。よろしくお願いします。
 最初に「ゲノムサーベイランス」という形の項目で集まってきたものを御紹介したいと思います。
 最初に、93ページの「3.食品健康影響評価技術研究による成果」は、食品安全委員会の研究で、そこに記載がありますが、家畜、水圏、野菜、ヒトから分離された薬剤耐性菌のゲノムについて比較解析を行った結果で、株間の明確な関連性はなかったのですが、耐性遺伝子としては、blaTEM遺伝子が広く分布していることが分かったという内容が記載されています。これが1つです。
 次に、95ページに行っていただきまして。
○渡邉座長 すみません。
 先生、まず、93ページで分けて質問をお伺いしたいと思うのですが、93ページの項目について御質問等がありましたら。
 先生、菌種は何ですか。全ての菌種ですか。それとも大腸菌ですか。
○菅井構成員 これは、実際に我々のところでやったものではなくて、食品安全委員会の研究班で実施されたものですので、中身を見てみないと分からないところがありますが、実際にオブザーバーとして参加した範囲でお答えすると、大腸菌は入っていなくて、主にシトロバクターが多かったように思います。
○渡邉座長 そうすると、blaTEM遺伝子を持つ332株も、今おっしゃったように、大腸菌以外の株と。
○菅井構成員 はい。様々な菌種が入っていると思います。
○渡邉座長 もしできればその辺の情報もここに入れておいていただくほうが。どんな菌種を使ったのかが分かるといいのかなと思うのです。
 なぜかというと、次に先生がやられる三輪車のゲノムマーカーは、大腸菌ですね。
 その辺とここがどういう連関があるのかというのも、読まれる方にもう少し情報を与えたほうがいいのかなと思うのですが、いかがですか。
○菅井構成員 これは内閣府のマターですので、事務局からお願いしたいと思います。
○渡邉座長 食品安全委員会の方はいらっしゃいますか。
○内閣府食品安全委員会事務局評価第二課五島課長補佐 食品安全委員会事務局でございます。
 こちらのゲノム比較解析を行った対象の株でございますが、アンピシリン耐性株でございまして、菅井先生がおっしゃったように、大腸菌以外の菌種も一部含んではおるのですが、主に大腸菌が対象になってございます。
 以上でございます。
○渡邉座長 主に大腸菌ですね。
 分かりました。
 その辺の文章も、菌種が何であるかというのも重要なポイントだと思うので、入れておいていただければと思うのですが。
○内閣府食品安全委員会事務局評価第二課五島課長補佐 厚生労働省さんと相談の上、追加させていただきます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかによろしいですか。
○事務局 渡邉先生、恐れ入ります。
 田中先生から。
○渡邉座長 田中先生、どうぞ。
○田中構成員 どうもありがとうございました。
 これは昨年も報告いただいて、非常に興味を持ったのですが、私も、この文章の中で、いきなり「家畜」と「水圏」と「野菜」という言葉が出てきているのですが、多分、この関係を少し説明しておいたほうがいいと思うのです。
 恐らく、家畜に由来している肥料を使って野菜を作って、野菜の栽培なので、それにかけている水についても調査をしたのかなと想像したのですが、先ほど座長が言われたように、若干その間の関係を簡単に御説明していただけると、より理解が深まると思います。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、事務局と食品安全委員会で検討していただいて、もう少し読者にとって分かる情報というか、それを加えていただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
 ほかによろしいでしょうか。
 もしないようでしたら、続いて、菅井先生から95ページの「ゲノムサーベイランス」をお願いいたします。
○菅井構成員 では、よろしくお願いいたします。
 95ページを御覧ください。
 今から2つのことを御紹介しますが、一つは「ヒト由来薬剤耐性菌と食品由来、動物由来薬剤耐性菌のゲノム比較」という名目ですが、こちらは、厚生労働省の科学研究費補助金(食品の安全確保推進研究事業)の研究班で行ったものです。
 そこで扱っている菌株は、少し上に上げていただいて、表74にありますが、Salmonella spp.とCampylobacter spp.、Enterococcus spp.の3つの種類について、由来は、食品、ヒト、動物と分離された株を使ったゲノム解析であります。
 株数もそこに記載がございまして、食品については、サルモネラとカンピロバクター。
 サルモネラは、食品とヒトについては地方衛生研究所で集めていただいた株で、動物については、動物医薬品検査所で集めていただいたものです。
 カンピロバクターについては、食品は国立医薬品食品衛生研究所。
 ヒトについては、東京都健康安全研究センター。
 動物については、動薬検となっています。
 Enterococcusについては、食品は群馬大学、ヒトが国立感染症研究所となります。
 下に行っていただきまして、17行目から「non-typhoidal Salmonella spp.」についての解析の結果を記載していますが、かいつまんで申し上げます。
 これは、1,600を超える株について、コアゲノム、解析対象の全株に共通して存在する遺伝子ですので、薬剤耐性遺伝子とかそういうものをはじいた共通に存在する遺伝子を参照株に基づいて抽出して連結した塩基配列に基づいて、その一塩基多型の違いを利用して系統樹を作成して解析したものです。
 図4が98ページの上にありますが、そこに飛んでいただけますか。
 そこを見ていただければと思いますが、ヒト由来株は、感染性胃腸炎や食中毒の患者検体から分離されたもの。
 食品由来株は、主に国産・輸入の鶏肉を含む複数の食品から分離されたもの。
 そして、これは自治体の収去検査のように、食品をターゲットに分離されたものや、食中毒事例から分離されたものを含みます。
 動物由来株については、動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)で薬剤感受性検査を行って、動薬検で保存されている株となります。これは、主に全国15か所の食鳥処理場の鶏の盲腸便から取られたものとお聞きしています。
 これらについてまとめて解析した結果がこの図になりますが、まず、ゲノム解析の結果も血清型を非常によく反映していることが分かりました。
 それは、図4にありますが、一番左側のカラムですが、ヒトが赤、食品は緑、動物がブルーという状況になっています。
 血清型とそれは非常によく一致していて、左側で見ると、Schwarzengrundという赤色とInfantisというオレンジ色が上にありますが、そこでばっちりヒトと食品、動物とが分かれている様子が見られますが、中にいろいろな色が混入しているところがあります。
 特に薬剤耐性に関しては、右側に「テトラサイクリン」「トリメトプリム」などいろいろとありますが、色が濃くなっているのが、下側の赤いところに相当する部分と、上側のオレンジに相当する部分に集中していますので、要するに、薬剤耐性の遺伝子は、InfantisとSchwarzengrundがたくさん持っていることが見えてきました。
 また、ESBLとかAmpCといったβラクタマーゼの遺伝子は、真ん中辺に「ESBL又は」というカラムがありますが、非常に少ないことが分かりました。
 マクロライドの耐性遺伝子は、右側にありますが、本当に僅かですが、よく見ると、Blockleyというクラスターに含まれていることが分かりました。
 全データセットからは、血清型で見た場合に、食品由来株と動物由来株は、主要な血清型の分布が非常に類似している。
 図5に行ってください。下です。
 下の円グラフを見ると、真ん中が食品で、右側が動物で、左側がヒューマンですが、動物と食品はパターンが非常によく似ていて、左側のヒューマンは、かなりバラエティーに富んでいて、大分様相が違うことが分かりました。
 そして、下のほうへずっと行っていただきまして、図6ですが、ESBLの遺伝子を調べてみますと、ヒト由来株と食品、または動物由来株の両方で見つかったのは、CTX-M-15というESBL遺伝子だけであったということで、これは血清型のBlockleyで見つかったということです。
 それぞれの塩基の相同性が非常に細かく見える手法を使って見ると、図6の上に「A cluster」と書いてありますが、Blockleyの中で同じようなタイプの耐性遺伝子を持っている株があって、これは恐らく、この耐性遺伝子blaCTX-M-15が、ヒト由来株は、食品由来株の伝播による可能性が示唆されたことが結論づけられています。
 それから、図6の下の「B cluster」ですが、こちらは数も少ないのですが「Agona」という株の中に、ホスホマイシンの耐性遺伝子であるfosA7.2が両方に見つかっているということで、これも恐らく、食品由来株からヒト由来株の関連性があると判断されました。
 次に、図7に行ってください。
 こちらはSchwarzengrundで、図8がInfantisですが、これは薬剤耐性ではなくて、両方の株を見たときに、ヒト由来株と食品由来株がかなり交じっている、系統樹上で隣接していることが見えてきまして、これは恐らく、それぞれヒト由来株と食品、あるいは動物由来株とが同じ起源に基づくものだと考えられるということが分かりました。
 今回の結果から、Schwarzengrund株とInfantis株でも、非常に似通ったクラスターがたくさん見つかってきましたので、これらの株については、基本的に動物、食品を介してヒトに伝播した可能性が高いと推定されたと書かれています。
 続いて、103ページに飛んでください。
 こちらはカンピロバクターですが、カンピロバクターは、Campylobacter spp.682株で、食品由来株が57株。これは主に首都圏で流通している鶏肉由来です。
 動物由来株は、屠畜場の牛と豚の直腸便、及び食鳥処理場の鶏の盲腸便由来ということで、364株。
 ヒト由来株が261株で、Campylobacter jejuniが635株。
 Campylobacter coliが47株です。
 これらの解析の結果では、C. jejuniで最も多いのはClonal Complex、系統ではST-21というComplexが一番多い。
 C. coliでは、ST-828 Complexが一番多いことが分かりました。
 図11、104ページを見ていただきますと、C. jejuniのホストは豚以外のヒト、鶏、牛ということが分かりまして、その次のページに行きまして、C. coliのホストは豚が過半数であったということです。
 C. coliC. jejuniもテトラサイクリン耐性に寄与する遺伝子やマクロライド耐性に寄与する変異、アミノグリコシド耐性に寄与する遺伝子の保有割合が図15です。
 円グラフがたくさんあるものがあると思うのですが、ずっと先に行って、ここです。
 右と左を見ていただきますと分かりますが、左側がjejuniで、右側がcoliですが、coliのほうが耐性遺伝子の保有割合が多いということが見えてきたということです。
 また、これらの株の解析の結果は、ヒトと食品由来株を比較する上では、ペアでもある株が見つかってきてはいるのですが、そのSNPの数は、サルモネラほど少ないものが見つかってこなかったということで、あまり強い関係性とは言えないという結果でしたが、それでも、jejuniについては、ST-21 Complex、ST-48 Complex、ST-22でそういう株がヒトと食品のペアで見つかってきたということで、ST-22は、ギラン・バレー症候群の発症のリスクが高いことで知られているクローンということで、これは注目することがあるかと思っています。
 以上が、カンピロバクターで、次に、最後ですが、109ページに行っていただけますでしょうか。
 Enterococcusですが、Enterococcusは、食品から取られたEnterococcus spp.38株と、国立感染症研究所で、別のサーベイランスで集まってきたバンコマイシン耐性の腸球菌34株のゲノムデータを併せて、同じように解析した結果であります。
 御覧になってお分かりのように「host」は赤がヒトで、非常にきれいな緑が食品となります。
 Clonal Complexが系統樹のCCと表されていますが、ヒトのCCは、CC17に限定されていまして、左側に「Species」がありますが、上の紫がE.faecium、下側がE.faecalisということで、きれいに分かれています。
 なおかつ、その中でヒトの系統、食品の系統は、明らかに異なるMLSTを有することが見えてきまして、結局、Enterococcusでは、VREは、ヒトの世界のVREと食品の世界から出てくるVREは、全く系統的には違うものだということが分かりました。
 以上が、ヒト、食品、動物のサルモネラ、カンピロバクター、Enterococcusに関するゲノム解析の結果から分かったことです。
 もう一つは、110ページに行ってください。
 これは、WHOのプロトコルに基づいたワンヘルスサーベイランスで、三輪車プロジェクトがございます。
 これはAMED研究で行ったものですが、それの結果をここに記載しています。
 112ページに行っていただけますでしょうか。
 これは、大腸菌に占めるESBL産生大腸菌の割合を明らかにするというのが基本的なコンセプトになっているサーベイランスです。
 ここに様々なセクターから集めてこられた大腸菌に占めるESBL産生大腸菌の割合を表しています。
 左側から、ある大学病院での血液培養。
 その次が、JANISのデータ。
 その次が、妊婦さんの直腸スワブ。
 そして、飲食店の従業員のふん便検体のサーベイランスから取られたもの。
 その次が、食鳥盲腸。
 右に行くと、河川水が2つあって、下水流入水がありまして、一番右側が屠畜場排水の流入水ということで、右側は3%以下ぐらいの値で、飲食店の従業員の方、あるいは妊婦直腸スワブで5~10%ぐらい。
 そして、血培からの分離株で20~30%という値が取れました。
 これが一つで、その次のページの図22は、環境、ヒト、食品でのそれぞれのESBL産生大腸菌の系統を表したものです。
 そうすると、見ていただくと分かるように、環境とヒトはかなり共通点があるというのが見えますが、食鳥との関係性は、比較的というか、かなり低いことが分かります。
 これは多分、日本の特徴だと思いますが、そういう結果が得られましたというのが三輪車サーベイランスの結果であります。
 そこで、これは私からの提案なのですが、事務局のほうで目次を見せていただけますか。
 今は「日本における耐性菌の現状」ということで、6番で「ヒト」「動物」「食品」「環境」となっています。
 7番が「日本における抗菌薬使用量の現状」となっていますが、中身を考えた上で、もうちょっと上に戻っていただけますか。
 そうです。ストップしてください。
 「日本における耐性菌の現状」にゲノムを入れてしまうと、例えば個々の環境だけを取ったゲノムの解析などもされていますので、私からの提案なのですが「日本における耐性菌の現状」と「日本における抗菌薬使用量の現状」の間に「日本における耐性菌のゲノム比較から見たセクター間の関連性」あるいは「日本における耐性菌のゲノムの比較から見たヒト、動物、食品、環境の関連性」というような項目を別項目で立てて、その中にゲノムのデータとして、今御紹介した食品班のデータの解析の結果とAMED研究の三輪車の結果、それから「環境」の一番下の3.に書いてあります、先ほど御議論いただいた食品健康影響評価技術研究も、様々なセクターからの株を集めた解析ですので、この3つをそこに入れて、新たな項立てをしてはどうかと考えています。その点について、先生方の御意見を賜れればと思っています。
 以上です。長くなりましてすみません。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 新しい項目で、非常に詳細な解析がなされたということです。今までの報告書ではないような点が明らかになってきたと思います。
 最初に、今、菅井先生から提案がありましたゲノムサーベイランスを「日本における耐性菌の現状」の中に入れ込まないで、別項目を設けたほうが分かりやすいのではないかというお話がありましたが、この提案に関して、皆さんの御意見をお願いいたします。
○事務局 渡邉先生、浅井先生、関谷先生に挙手いただいております。
○渡邉座長 では、浅井先生、関谷先生、お願いいたします。
○浅井構成員 よろしいですか。
○渡邉座長 どうぞ。
○浅井構成員 私も賛成です。今の状況だと、情報量にかなり差がありそうなので、そのようなまとめ方をするのは賛成です。
 あと、個別でやっているゲノム解析については、各セクションに入れていくような形というイメージでよろしいのでしょうかというのが逆に質問です。
 例えば動物だけでやっているゲノム解析であったり、そういうものは各セクションに入れていく。「耐性菌の現状」の「動物」の「家畜由来細菌」とかの中に入れ込むというイメージを考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。
○菅井構成員 はい。
 ゲノムサーベイランスという言葉が片仮名言葉で、一般の方々にとってはあまりなじみがない言葉なので、この言葉は避けたほうがいいのではないかと考えました。それで、先ほど申し上げたように、例ですが「日本における耐性菌のゲノム比較から見た」云々というのを作りました。
 個々の「ヒト」「動物」「食品」「環境」等で出てきたゲノム解析の結果は、そこにまた付随していく形でもいいのかなと思っています。
○浅井構成員 ありがとうございます。
 ただ、先ほど菅井先生が提案されたタイトルは長過ぎるなと思って聞いていたのですが。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 あとは、関谷先生ですか。
○関谷構成員 ありがとうございます。
 私も、菅井委員の御提案に賛成いたします。
 「サーベイランス」と言うと、内容的に本当にサーベイランスという用語が適切なのかというところもあるでしょうし、具体的な題名については、また御相談させていただきながら決めていければいいかと思います。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生はどうでしょうか。
 ヒト、動物、環境全体が関わった上での相互関係を見たゲノム解析になると思うのですが、ヒトのほうで何か。
 松永先生あたりはどうですか。何かコメントはありますか。
○松永構成員 ありがとうございます。
 私も賛成です。
 浅井先生がおっしゃったとおりで、ヒトのゲノムサーベイランスはすばらしいデータがあって、日本の中での地域差があったり、そこも含めて非常に注目されているものですので、来年度以降、そちらのデータも追加していただいて、整理していただくといいのかなと思っております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生、いかがですか。
○渡邉座長 柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 柴山です。
 今回、三輪車プロジェクトがこの報告書に盛り込まれると。これはすごく大事なデータだと思います。
 ちょっと細かいことなのですが、三輪車プロジェクトの図19、カラーで耐性率が比較してあるのですが、河川水の上流や下流とか、結構細かい、いろいろなところのデータがあるのですが、多分、数が記載されていないと思うので、数、あるいは分母の数をお示しいただけるといいかなと思いました。
 ひょっとしてこれはすごく分母が少ないものとかがあるのではないかという気がしましたので、以上です。
○菅原構成員 ありがとうございます。
 このプロジェクトは、WHOのプロトコルに従っていますので、最低幾つ取らなくてはいけないと書いてあって、たしか200だったと思いますが、分母が200になっていて、その中に占める分子がESBL産生大腸菌の数ということで、それは共通してそろえてあります。
 以上です。
○柴山構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 その数は、どこかに書いたほうがいいということですね。
○柴山構成員 はい。
 私は、数があったほうがより分かりやすいかなと思いましたので、コメントさせていただきました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 その辺は、菅井先生、どこかに加えられれば、加えていただければと思います。
 その前に、今の表題ですね。
 もう一回目次に戻ってもらえますか。
 事務局、目次に戻ってもらえますか。
 7番でしたか、サーベイランス。5番か。
 皆さんの御意見は「ゲノムサーベイランス」という言葉は使わないほうがいいだろうということですが、そうすると「日本における耐性菌の現状」が6で、7番として、例えば「日本におけるゲノム解析から見た耐性菌の現状」とか、何か適切なタイトルをつけて、8番として「日本における抗菌薬使用量の現状」ということで、1つ大きい項目を増やすということでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 では、田中先生、どうぞ。
 今、この項目を増やすかどうかという考え。
○田中構成員 私は今、流れから言ったときに、7番の使用量についての話と、耐性菌の現状という視点から見たときの分類を束ねられるような情報になっているかどうかはよく分からなかったのです。
 7番のゲノムサーベイランスというよりは、まさにこれは今、ワンヘルスの評価をやっていて、総合の評価をやっている意味なので、もしそういうことであれば、今のままの位置の中でタイトルを変えたほうがいいのかなと。
 もし抗菌薬の使用量的な問題まで含めた総合化をやるのであれば、1項目上にすべきかなと。
 だから、その辺は今どちらなのか、確認の意味で意見させていただきました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 田中先生、ありがとうございます。
 これらのサーベイランスで、コアのサーベイランスが今私が御紹介したもので、プラスアルファで、例えば抗菌薬の使用量との関係も含めて、まさにワンヘルスで行うことになると。要するに、例えば6があって、7があって、さらにその後に来るものだと思います。その点で、抗菌薬も含めた議論をそこに入れ込むのであれば、その後ろに来るのではないかと思っています。
 翻って、耐性菌の現状ということになると、それは(5)で「セクター間での比較」という項目立てでもいいのかもしれません。
 それは皆さん方の御意見に従いたいと思いますが、私が思ったのは「日本における耐性菌の現状」は、全部個別の「ヒト」「動物」「食品」「環境」という羅列でしたので、それとは違った切り口で、これは全部感受性データが主ですので、それとは別にゲノムのデータを使ったセクター間の比較ということで、新しく6と7の間にもう一個大きい項目を立ててはどうかと思った次第です。
 でも、田中先生が言われたこともよく分かります。
○渡邉座長 ほかに御意見はありますか。
○渡邉座長 藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 この項目立てからいくと、耐性菌のところは菌に関するもの。
 その次の抗菌薬のところは、それの治療に用いる抗菌薬、その対策という形でできているので、大きな枠としては「耐性菌の現状」の中でもいいのではないかと感じます。
 ただ、ここは何をやっているかというと、ゲノムから見たワンヘルス、環境、動物、ヒトの関連を見ているので、そのようなタイトルで、ここまで個々のことを挙げたけれども、ゲノムから見ると、こういう関連が見えますよというようなことでいいのではないかと私は考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 分けたほうがいいという意見と、分けなくても、ここに入れ込んでもいいという御意見が出たのかなと思いますが、ほかの先生、いかがですか。
○渡邉座長 四宮先生、どうぞ。
○四宮構成員 6、7の間に、大項目としてゲノムのことを入れるという菅井先生の御提案ももっともと思うところもありますし、文量が多いということもあると思うのです。
 ただ、薬剤感受性試験と耐性遺伝子等を含むゲノム解析は相互補完的に、全体としては大項目の「6.日本における耐性菌の現状」に関することと思いますので、現在、6の中で「(5)ゲノムサーベイランス」となっているのをより適当な名称に変えるとしても、位置づけとしては、田中先生が言われたように、大項目としては6に含まれるような内容ではないかと思いました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 大体半々ぐらいの御意見だと思うのですが、ほかの先生、いかがでしょうか。
○渡邉座長 関谷先生、どうぞ。
○関谷構成員 先ほど大項目でもいいかなということで発言させていただきましたが、田中先生の御提案がしっくりくるのではないかと私も思い直しました。その方向に賛成いたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 そうすると、いろいろと皆さんの御意見等がある程度集約されてきたかと思うのですが、ゲノム解析を行ったものは、ヒト、動物、食品、環境由来の株を用いて行ってきたと。
 そして、それがある意味においては、日本の解析の現状をゲノムレベルからも把握しているという観点からすると、5でもいいのではないかと。
 そこに「ゲノムサーベイランス」という言葉というよりも「ゲノム解析から見た耐性菌の現状」また「連関性」というように、ヒト、動物、食品、環境を網羅した解析結果という形が分かるような言葉にしていただいたほうがいいというのが皆さんの御意見かなと思うのですが、その方向でよろしいでしょうか。
 もしその方向で皆さんがよろしいようでしたら、5の「ゲノムサーベイランス」という言葉をもうちょっと変えていただくということで、菅井先生と事務局のほうで検討していただければと思うのですが、菅井先生、それでよろしいですか。
○菅井構成員 承りました。ありがとうございます。
○渡邉座長 そして、その中に、小項目として、もうちょっと幾つかに分けて、例えば三輪車プロジェクトとか、ほかの食品の解析ですか。食品というか、これはどこかのプロジェクトに。
○菅井構成員 食品班ですね。
 食品班のゲノム比較のデータと、三輪車と、最初にやりました食品健康影響評価技術研究の成果の3つがそこに入るのではないかと思います。
○渡邉座長 そうですね。その辺をアレンジしていただければと思います。
 よろしくお願いします。
 ほかに御意見は。
 「ゲノムサーベイランス」の中身に関して御意見があれば、お願いいたします。95ページ辺りからですか。
○渡邉座長 まず、藤本先生、それから田中先生、どうぞ。
 あと、事務局、96ページ以降を表示してもらえますか。
 どうぞ。
○藤本構成員 全般的なことなのですが、今、菅井先生のお話を聞いたらよく分かったのですが、この文章と図だけを見ていると、その辺の細かい意図がよく分からないところが結構あったのです。
 それで、提案なのですが、サマリ版にも同じような感じでたくさん図が出ているので、図のところに一言、これはこういうことを示そうとしている図なのだという意図が分かるような言葉を入れていただけるといいかと思います。
 解釈についても、もうちょっと踏み込んでいただいたほうがいいような気がしていまして、例えば私も昔やったEnterococcusのところを見ると、これはゲノムから見ると、株はみんな別だということです。
 ただ、これを知らない人が見てしまうと、関係がないのだと取られかねないのです。
 ですので、Enterococcusの場合には、トランスポーター[A1] とかプラスミドといった動く遺伝子が問題になっているのでというようなことを一言入れていただいたほうが、一般のリーダーには分かりやすいのではないかと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 田中先生、どうぞ。
○田中構成員 どうもありがとうございます。
 まず、三輪車サーベイランスは、まさにこれまで議論していた各セクターの話を横断的に見るので、非常に有効であると私も思います。
 ただし、まだ限界性が感じられて、一つは、河川とか下水の流入水については、ある特定の流域しかできていないと。
 これは文章の中で書く必要はないと思うのですが、これをもう少し継続的に広げる努力が必要で、そのモデルに一つなり得るのが、ちょうど昨年もこの会議の終わり頃に少し言葉が出たのですが、下水サーベイランスを使って、新型コロナと同じようなことができないかという話が出たのですが、今年度から下水サーベイランスが新型コロナへの利用、あるいは新型インフルエンザへの対策にも広げられることが厚生労働省等の主導で広がってきたので、そういう視点からこういうものと連携すべきなのではないかと。
 その際に重要なのは、下水を見ることと、下水、あるいはほかの排水を処理した後、環境に出るところを見るということは、多分、違う意味があって、最初の下水を見るのは、下水のエリアに含まれているヒト、あるいはひょっとしたら動物系のものも入るかもしれませんが、そういうものが、今回の場合だったら、実際はどれぐらいのESBL産生大腸菌の割合になっていて、これまでのヒトのサーベイランスのデータとどうかという意味と、まさに環境に出るときの出口側としてどういう形になっているかという2つの視点があると思うのです。
 ベン図の中では、あの中で「環境」と言っている意味は、恐らく、環境にいきなり出るものも入っているのかもしれませんが、環境に入る前の情報としての部分が入ってしまっているので、ヒトと環境はかなり密着な関係があるのではないかという話は、恐らく、下水に入っているものがかなり大きなイメージとして出てきているので、それを反映しているのかなという想像なのです。
 だから、そこの部分をこの文章の中でどう書くかは難しいのですが、少し区別するべきことと、将来的にデータを集めていく広がりをどのように連携していくかということを少しお考えいただけるとありがたいと思うのです。
 特に広げていくほうについては、下水道の所管が環境省でもなく、国土交通省になっているので、厚生労働省と国土交通省は、新型コロナについては既に下水サーベイランスの連携が始まっているのですが、そういうスキームと類似のものも考えていただければありがたいと思います。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 確かに一言で「環境」と言っても、取る場所によっていろいろなファクターが絡まってくるのだと思うのですが、この辺に関して、菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 ありがとうございます。
 田中先生、ありがとうございます。
 2019年から感染研で三輪車サーベイランスを始めていますが、今回、ここにお出ししたのは1地点だけなのですが、実際には全国で、北海道から広島までなのですが、数地点でのデータを取っておりまして、それを出すことも可能です。
 ただ、全国的にというところまでは、例えば九州地方は入っていないとかいう問題点があることは重々承知した上で、マンパワーという点と、このサーベイランスは生菌を取ってくるサーベイランスで、PCRとかで解析するわけではなく、かなりの手間がかかりますので、例えば自治体でやっていただくことになると、かなりの負担がかかるということで、現在は関係するアカデミアとの連携で行っている状況にあります。
 環境についてのコメントですが、これはWHOのプロトコルに全くそのとおりに従っているものでして、流入水しか扱っておりません。
 放流水については扱っていないのと、地方自治体の下水道局にお話しするときに、放流水もやるとすると、非常にセンシティブというか、ナーバスになられて禁止されることが多いということで、流入水しか扱っていないという状況であります。
 継続的に行うという点は、今後もできれば継続していきたいと思っております。
 文言については、その辺のことがもう少し加わるようにしてみたいと思っています。
 ありがとうございました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 環境は、そういう意味では非常に大きい問題というか、いろいろな省庁等も絡んでくるので、その辺のネゴシエーション等ももちろん必要になってくるのだと思うのですが、今、菅井先生からお話がありましたように、今回のものはWHOのプロトコルに基づいて行っているところを強調していただいて、ほかの点についても今後は考慮していく必要があるだろうというような一文を加えていただければ、今回のところはこれでいいのかなと思うのですが、田中先生、それでよろしいでしょうか。
○田中構成員 はい。それで結構です。
 環境サイドも、ようやく基準を大腸菌に変えたので、下水道については、来年度になってから放流水質基準も大腸菌に変えます。
 したがって、うまく連携していけば、分析は、実際にはコロニーはもうカウントすることになるはずなので、そことの連携をやっていけば、ここの情報もさらにうまく取れるのかなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○菅井構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 将来の大きな方向性が見えてくるのではないかと思いますので、その辺の観点も含めた形で少し加えていただければと思います。
 あと、先ほど藤本先生から言われた、各表についてどういうことを言おうとしているのかということが分かるようなコメントを入れていただいたほうが、一般の方は分かりやすいのではないかということなのですが、その辺はいかがでしょうか。
 菅井先生、お願いします。
○菅井構成員 ちょっと考えてみます。それでまた藤本先生に御相談させていただきたいと思います。
○渡邉座長 非常に情報量が多いので、多分、あまり慣れていない人がこれを見たときに、何が言いたいのかというのが分かりにくいということなのかなと思うのですが、その辺は考慮をお願いいたします。
 ほかに御質問等がありましたら、お願いします。
○渡邉座長 伏見先生、どうぞ。
○伏見構成員 今、渡邉先生からまとめていただいて、私は今回初めて参加して、すごく違和感があったのは、95ページの「ゲノムサーベイランス」という話で、今までの議論の中で修正することになったのですが、今、はっきり違和感があって分かったのは「耐性菌の現状」の中でずっと流れを追って、(5)のときに違和感があったのは、95ページの「ゲノムサーベイランス」の書きぶりです。
 今まで報告してきているのは、要するに、薬剤耐性データからは分からないと真ん中辺りに書いてあって、だからゲノム塩基配列データを比較することによって探ったと言うと、今までの(1)~(4)までは何だったのだろうと思うので、既に藤本先生がおっしゃっているように、タイトルは変わりますが、なぜゲノムサーベイランスをやるのか、簡単でいいですから明確にしていただいた上で、これをやったと。そうすれば、大きな項目を設けなくても、(5)の中に入っていても全く違和感なく読めるのではないかと。
 私がもやもやしていたのはそこが原因なので、そこは既に菅井先生と渡邉先生、厚生労働省で調整するとおっしゃっているので、分かるように書いていただければと思いました。
 以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 今、伏見先生から言われたように、突然これが出てくると違和感があるということで、どうしてこれをやるのかということをもうちょっと丁寧に書いていただければと思いますので、そこは菅井先生、よろしくお願いいたします。
○菅井構成員 ありがとうございます。
 全く同感で、流れを最初に書く必要があるかと思います。そのようにしたいと思います。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかの先生、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 もしもさらにコメントがあるようでしたら、ここはどうだという細かい点も含めて記載したものを事務局に後で送っていただければと思います。
 では、続いて、時間も限られていて申し訳ないのですが、目次を下に下ろしてもらえますか。サマリのところです。
 要旨も重要だと思うので、要旨のところでコメントをいただければと思うのですが。
 訂正とか、ここでさらに加えたほうがいいとか、何か御意見があればお願いいたします。
 特にないでしょうか。
 もしないようでしたら、私から。
 9ページの10からお願いします。
 今、お話があったゲノムサーベイランスの点ですが「ゲノムサーベイランス」という言葉でなく、多分「耐性菌のゲノム解析から得られたデータ」というような形に書き換えることになると思うのですが、この辺の文章はよく分かりにくいところがあるので、お聞きしていきますと、ゲノムサーベイランスでは、感染性腸炎や食中毒の患者から分離されたヒト由来株は、基本的に動物・食品を介してヒトに伝播した可能性が高いと考えられるが、耐性遺伝子を保有した株が食品からヒトへ伝播していることを示唆する結果は得られなかったと。
 これは、このように言い切ってしまっていいのですか。
 先ほどのあれだと、幾つかのものに関しては、食品からヒトへ、例えばblaCTX-M-15に関して、ある血清型においては、96ページの一番下辺りに「blaCTX-M-15保有のヒト由来株が食品由来株の伝播による可能性が強く示唆された」という言葉が出ているのです。
 そうすると、この要旨の書き方は違和感があるので「ヒトへ伝播していることを示唆する結果ではなかった」と言い切ってしまっていいのかどうか。まず、ここの点を書かれた先生にお願いします。
○菅井構成員 すみません。私が書いたわけではないのですが、ここの部分は、確かに実際のあれと正確ではないと思いますので、そこはそのように修正をかけたいと思います。
 「なかった」と言い切るのではなくて。
○渡邉座長 言い切るのではなくて、多分、むしろポジティブに言ったほうが。
 例えば「その一部では、耐性遺伝子を保有した株が食品からヒトへ伝播していることが示唆された」とか、ポジティブな書き方のほうがいいかと思うのです。
 ちょっと御検討願います。本文と合うようにしていただいたほうがいいと思うのです。
○菅井構成員 分かりました。
○渡邉座長 その次に、Enterococcus spp.においては、ヒト由来VREと食品由来VREは系統的に分離しており、E. faecalisも、ヒト由来と食品の株が系統的に分離していることが分かったと。
 これは、Enterococcus spp.の中にE. faecalisも入るのではないですか。なぜ分けて書かなくてはいけないのか。これはいかがですか。
○菅井構成員 これは、Enterococcus spp.の中に、faecalisfaeciumがありますが、faeciumだけではなくて、faecalisでもヒト由来と食品由来株が分離していることが分かったという意味だと思います。
○渡邉座長 ですね。
 ということは、Enterococcus spp.においては、ヒト由来株と食品由来株は系統的に分離していたと。それ以下は、重複してしまうのではないかと思うのです。
○菅井構成員 分かりました。
○渡邉座長 続いて、三輪車プロジェクトと書いてあるところは、大腸菌のESBL-Ecを用いてということですね。
○菅井構成員 はい。
○渡邉座長 だから、それが分かるように書いていただかないと、何の株なのかがよく分からないというのが一つです。
 あと、食品由来株、ヒト由来株に共通するSTは少なく、一方では、環境由来株、ヒト由来株で多く全体の28.2%を占めることが分かったという書き方なのですが、先ほどの図20からすると、必ずしもないわけではないので、これは入れていただいたほうがいいのかなと思うのです。
 食品由来株及び環境と共通するSTは、それぞれ7.3%と5.2%であったが、一方で、ヒト由来株と環境由来株は、共通のSTは28.2%と多くを占めることが分かったというように、もうちょっと比較がある程度分かるような書き方にしておいていただいたほうが、ここを読んだ場合に分かりやすいのではないかと思うのですが。
○菅井構成員 そこも含めて修正します。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ゲノムサーベイランスのまとめ、10~16行目は、もう一回リバイズしていただければと思います。
 ほかによろしいでしょうか。
 ○渡邉座長 藤本先生、お願いします。
○藤本構成員 10ページの8行目の愛玩動物のところで、去年も同じ書きぶりだったのを見落としていたのですが「疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫)と比較して」ということで、健康な愛玩動物からの分離菌についての耐性率について述べているところなのですが、健康な愛玩動物からの分離菌は、抗菌薬による選択圧を基本的に受けていなくて、疾病に罹患した愛玩動物は治療中、あるいは以前に治療された動物からの分離の可能性があるので、これ自体、比較することがどうなのかということが残りますので、ここの「疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫と)比較して」はなくして、とにかく健康な愛玩動物から分離された菌は、おおむね感受性が維持されていることが分かるようにすればいいのではないかと考えました。
 細かいことで申し訳ございません。
○渡邉座長 動物関係の先生方、よろしいですか。
 今の藤本先生のコメントに関して、何か。
○渡邉座長 関谷先生、どうぞ。
○関谷構成員 ありがとうございます。
 御指摘のとおりに修正させていただければと思います。
 ○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに手を挙げている先生はいらっしゃいますか。
 もしいらっしゃらないようでしたら、続いて、全体的にコメントをいただければと思います。
 今議論されてこなかったほかの場所でも結構ですので。
○渡邉座長 藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 度々すみません。
 この中で、最初と最後の「今後の展望」で、抗菌薬の安定供給の話がないと、そもそも適正使用も成り立たないということが述べられているのですが、このことについて、今後、安定供給について何か指標をつくってこの中に取り込んでいくのか、あるいは別の形で、要するに、行政的な別の枠でそれをしていくのかということを伺いたいと思います。
 恐らく、日本医師会様などでは、安定供給についてのアンケートなどをされているのではないかと思うのですが、その点ももし何か情報がありましたら、教えてください。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 伏見先生と松永先生、いかがでしょうか。
○松永構成員 AMRの松永です。
 藤本先生のおっしゃるとおり、抗菌薬を適正使用する上で、特に抗菌薬の安定供給は非常に重要なことと私も認識しております。
 この報告書の中のどこに入れ込むかというところは、今いただいたところで、親和性があるかというところの判断が今の時点ではできないというのが現状となっております。
 また、ここはベースラインとして挙げていただいて、その上の小委員会とか、そういうところでお話がある際に、参考資料としてつけていただいて、そこで議論していただくのも一つなのかなと思って聞いていました。
 以上です。
○渡邉座長 先ほど間違えました。
 日本医師会の笹本先生、いかがでしょうか。
○笹本構成員 日本医師会の笹本でございます。
 ありがとうございます。
 ただいま御指摘いただきましたように、安定供給に関しましては、日本医師会のほうで国の審議会における意見、それから、製薬会社等にも供給をお願いしておりますが、現状として医療現場の声としては、今もやや不足気味のところは変わらない状況ですので、今後、日本医師会としましても、皆様と共に安定供給に努めるように、皆様の協力の下、国に対して要請していくつもりでございます。
 以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○事務局 事務局からも発言をよろしいでしょうか。
○渡邉座長 どうぞ。
○佐野エイズ対策推進室長 すみません。感染症対策課の佐野と申します。よろしくお願いいたします。
 確かに先生方がおっしゃるように、抗菌剤の安定供給についての問題点は、我々としても非常に重要な問題点であると考えております。
 ただ、この中に記載するのかどうするのかというところは、所管を超える話になってしまいますので、我々のほうでも担当部署とお話をさせていただきながら、少し検討させていただければと思います。
 すみません。よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 よろしくお願いします。
 藤本先生、そういうことでよろしいですか。
○藤本構成員 はい。
 私は現場の医師でもあるので、大変困っておりますので、この辺のこともいい方向に進んで、適正使用が順調に進むようにと願っておりますので、よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、ほかの先生、何か御質問、コメントはありますか。
○松永構成員 AMRの松永です。
 一つ提案なのですが、現在、医療関係の抗菌薬の使用量についてなのですが、医療全体としてまとめているのですが、今後、抗微生物薬の適正使用の手引も歯科版に広がるとなっておりますので、もしよければ、次回から全体と、医科と歯科とを分けて出させていただくのはいかがでしょうか。
 以上となります。
○渡邉座長 歯科関係のものもここに加えるということですね。
○松永構成員 はい。おっしゃるとおりです。
○渡邉座長 いかがでしょうか。
 事務局はいかがですか。
○上地感染症対策課長補佐 事務局です。上地です。
 歯科版の抗菌薬使用に関しては、今後、入れていけたらいいのではないかと考えておりますので、先生方と御検討させていただきたいと思います。以上です。
○渡邉座長 今回ではなくて、今後ということでよろしくお願いいたします。
 ほかに御質問等がありましたら。
 特にないでしょうか。
 なければ、後でまたコメントがありましたら、言っていただければと思います。
 では、議題2に移らせていただきます。
 サマリ版ということで、サマリ版のほうを出していただけますか。
 これは、最初に言いましたが、厚労省としては、サマリ版を2月に行われるASPIREで出したいという意向ですので、なるべく早くこれをまとめていかなければいけないので、できれば今日、いろいろな御意見をいただければと思います。
 サマリ版を少し流してもらえますか。
 今、皆さんから発表がありました内容をアクションプランの成果指標の形で、こういう形。
 そして、先ほどの耐性菌の表をもっと分かりやすく、グラフ、フィギュアに描き換えたということで、非常に分かりやすくなっているのだと思います。
 あと、先ほどのお話では「ゲノムサーベイランス」という言葉を変えたほうがいいのかどうかも御議論いただくということで、このような形で、図にした形で、見た目でも非常に分かりやすくなったということで、これをほかの国々、例えばオランダやデンマークとかが出している報告書等も、こういうグラフで出していて、非常に分かりやすいのですが、このサマリ版を作ることに関して、皆さんからコメント等がありましたら、お願いいたします。
○渡邉座長 藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 最初に伺いたいのですが、これのリーダーは、どんな人に見てもらうことを想定して作っているのか、伺いたいと思います。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○上地感染症対策課長補佐 御質問ありがとうございます。
 ワンヘルス動向調査報告書、本体のほうは150ページを超える非常に膨大な量になっておりまして、文字と表のみで構成されているものでございますので、素人の方と言うと語弊がありますが、若手研究者であったり、AMRに入ってこられるような方々にとっては取っつきにくいものになるのかなと考えておりまして、今後、サマリ版を作成することで、ビジュアル的にも大変見やすいものになるかと思っております。
 ですので、今後、ワンヘルス動向調査の本体を見ていただくために、その入門としてこちらを御参照いただくように、若手研究者であったり、臨床の先生方、政策に関わる方々に見ていただきたいと考えております。
 以上です。
○渡邉座長 これは、2024年だけでなくて、今後もサマリ版を作っていくという方向ですね。
○上地感染症対策課長補佐 はい。そのつもりでおります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○藤本構成員 そうすると、これを拝見すると、もうちょっと工夫すると、学部の学生、あるいは高校生、中学生のプロジェクトでも十分に参照、理解してもらえるものではないかと思いました。
 その場合には、例えば図とか表の略語、あるいは英語名が図のほうについていて、日本語で本文が記載されているとか、そういうところを統一して、あるいは注釈をつけていくことが必要なのではないか。
 それから、誤解を招くような図はなるべく省いていく、あるいは十分な説明を脚注でつけることが必要ではないかと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 もう一回ゆっくりとスクロールしてもらえますか。
 例えば「アクションプランの成果指標」などはいかがですか。
 私が見ていると、専門家の一部という形で、分かりやすいかなと思うのだけれども、これは一般の人が見たときに、もう少し説明を加えたほうがいいですか。
 「DID」という言葉も、なかなか分かりにくいといえば分かりにくいかなと思うのだけれども、これも1,000人当たり1日使用量と、一応日本語でも書いてありますが、藤本先生、どうですか。
○藤本構成員 略語については、後ろに簡単でいいので、本体にあるようなものをつけたらいいのではないかと思います。
 ただ、このページは割合いいかなと私は思っていたのですが。
○渡邉座長 先生は、具体的にどの辺をおっしゃっていますか。
○藤本構成員 例えば19ページに動物などのグラフがあります。
 動物でいきなり50%や67%とか大きい数字が出ているところがあるのですが、母数がみんな2とか3なのです。
 本体のほうには母数が書いてあるのですが、こういうものに母数をつけないで、50.0と、御丁寧に小数点以下、0までつけてグラフを出すのは、純粋な例えば高校生が見ると、ええ、こんなにいるのと思ってしまったりして、一般の人にはいけない。とても貴重なデータだと思うので、データは生かして、母数をつけるという工夫がもう少し必要かなと思いました。
 あとは、例えば21ページの環境からのメタゲノムですが、これも上ではサルファ剤と書いてあって、我々が見ればスルホンアミド[A2] だと分かるわけですが、もうちょっと一般のリーダー、先ほど厚労省の方から括弧つきで素人という話がありましたが、そういう方に見ていただくにはいけないかなと思いました。
 あと、菅井先生のところから来ている図は、どれもたくさんあって、きちんと注釈をつけていただかないと、先ほどの本文のほうのリーダーでさえもなかなか大変だと思うので、この辺はしっかりと注釈をつけてほしいと感じました。そんなところです。
 それと、もしこれを本体に結びつけるのであれば、これの最後に本体の目次をつけておくと、本体を見にいくと、こんなことが書いてあるぞということが分かっていいかなと少し思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 確かに、どの人たちをターゲットにするかによって書き方が非常に難しくなるのだと思うのですが、今回、報告書でまとめた図等が入っていると、かなり専門性がある方が中心になるのかなと見ることもできるかと思うので、もし高校生や中学生とかに教科書の補助版という形で利用してもらう意図が厚労省にあるのでしたら、多分、もっと簡単な形のものをもう一つ作ることも考えたほうがいいのかなと私も思いましたが、今回のものだと、大学か、ある程度その辺の入門的知識がある人にとっては有益なのかなと思えるところです。
 ほかに何か御質問はありますか。
○上地感染症対策課長補佐 渡邉先生、事務局でございます。
 発言させていただいてもよろしいでしょうか。
○渡邉座長 どうぞ。
○上地感染症対策課長補佐 事務局としましても、サマリ版におきましては、まだ第1回のミーティングが終わったばかりで、検討会の後に第2回のミーティングをさせていただく予定となってございます。
 今から日程調整に入るのですが、その際に、各項目の内容については、今後、さらなるブラッシュアップがまだまだ必要と感じておりますので、中身については、今後の検討内容とさせていただいて、今いただいている御意見については、重々考慮に入れていきたいと考えております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございました。
 取りあえずは、ASPIREか何かのときに配るということですね。
○上地感染症対策課長補佐 はい。
 配るというか、そこを目指しているような段階でございます。
○渡邉座長 ですね。
 でも、ASPIREの人だと、専門家だからこのぐらいでもいいのかなと。
 200ページの報告書を全部読むのはしんどいから、この辺で見ていただくのも一つかなと思うので。
 ASPIREの目的と、もう一つ、もうちょっと国民をターゲットにした、いわゆるコミュニケーションという形で載ったものは、時期をずらして考えていただくのも一つかなと思います。
 サマリ版に関して、ほかに何か御意見はありますか。
○事務局 先生、村木先生と藤本先生に挙手いただいております。
○渡邉座長 どうぞ。
○村木構成員 33ページを見ていただいてもよろしいでしょうか。
 これからまたブラッシュアップされるということですので、またその中で御検討いただければと思うのですが、「ヒトへの抗菌薬使用状況」のB1.1とB1.2は「ヒト用抗菌薬」というようにB1に基づいたタイトルになっています。一方、B1.3以降は「医療機関」と、タイトルの話が変わっており、結局、基本的にはヒトへの抗菌薬の使用になると思いますので、統一したほうが読み手には分かりやすいかと思いました。
 また33ページに「ヒト用抗菌薬の使用割合」とありますが、そこの文章を見ていただくと、削減目標が40%とか30%と書いてあります。少し読者が混乱するかと思いますので「2024年の削減目標となっている経口3世代セファロスポリン」みたいに、もう少し読者にこの使用割合がどうなのかといったわかりやすい日本語での変更を御検討いただきたいと思っております。
 また、その円グラフも、数字が示されており、DIDと割合だと思いますが判例が示されていないのと、足すと文章の68.1%にならず、69%になっっており、整合性が取れていないところがありますので、この辺を見直す必要があるかと思いました。
 あと、B1.2のヒト用抗菌薬は注射も、内服も含めた全体に対する使用割合を示した結果です。34ページにB1.3の経口薬と注射薬が示されていますが、書かれている文章の書きぶりがB1.2と同じようになっているため、読者にB1.1とB1.2は全体の使用で、B1.3には経口薬と注射薬の状況が書かれているというのが伝わるような内容がよろしいのではないかと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 あと、誰が手を挙げていましたか。
○渡邉座長 藤本先生。
○藤本構成員 海外の会議に持っていってということであれば、専門家の会議であれば、今の状態のものでも、英訳して持っていって、こういうことをこんなにやっているのだよというのでいいかと思います。
 渡邉座長がおっしゃったとおり、その後、またこれを有効利用するということで、学部生以下の人たちに分かるようなものを作っていくということで、もう一回練り直すのでもいいかと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
○渡邉座長 柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 柴山です。
 今回、こういうサマリを作っていただいて、これはすごく分かりやすくて、大変だったと思うのですが、非常にいいと思います。大学の講義でもぜひこれを使わせていただきたいと思います。
 ただ、このサマリは、事実をそのまま載せてあるというか、そういう感じが結構するのです。
 例えば10ページの「グラム陽性菌」のStaphylococcus aureusでいいますと、例えばMRSAの割合は、200床以上の医療機関と200床未満の医療機関を比較したデータが載せてあるのですが、これだけをぱっと見ると、200床未満の小規模の医療機関のほうがMRSAが多いのだと取れてしまうと思うのですが、これはもともと分母がかなり違うので、質的に違うものなので、一概に小規模の病院のほうがMRSAが多いという結論にはならないと思うのです。
 あるいは、そのすぐ下の腸球菌のデータでも、faeciumなどが2020年ぐらいからばっと急速的にすごく増えているのですが、これは多分、地域的なアウトブレークがたくさんあって、それが全国平均を押し上げているという要因が多いと思うので、事実を事実として記載していただくのはすごく大事だと思うのですが、その辺のそういう解釈をもうちょっと丁寧に。これからブラッシュアップされるということですので、その辺を丁寧にしていただけるといいのかなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 コメントありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 もしないようでしたら、サマリ版に関しては、これから何回かまたブラッシュアップのために会議が開かれるということですので、その過程で、今、先生方からいただいたコメントを考えて、いろいろとブラッシュアップをお願いしたいと思います。
 そして、最初に申し上げましたように、ASPIREのときに、日本もこういう形でサーベイランスをちゃんとやって、それによってこういうことが分かってきたのだということをぜひ各国にアピールしていただいて、そのデータとしてサマリ版を活用していただくのは非常に意義があることであると思いますので、その辺はよろしくお願いします。
 藤本先生がおっしゃいましたように、これをもし国民向けで、もうちょっと専門以外の方に、こういう日本が行っているサーベイランスのことを知っていただくことについては、それはそれなりのまとめ方がまたあるのかなと思うので、その辺も、今後、考えていただければと思います。
 では、時間もほとんどなくなってきておりますので、議題1、議題2全体を通して何かコメントがあれば、お願いいたします。
○渡邉座長 藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 細かいところで幾つかあるのですが、これはいつ頃までに事務局に送ればよろしいですか。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○藤本構成員 書きぶりなどです。
○上地感染症対策課長補佐 御質問ありがとうございます。
 できれば1~2週間程度をめどにと考えておりますが、〆切に関してはまだ明確に決めていないところもありますので、改めて御連絡させていただきたいと考えております。
 以上です。
○藤本構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかの先生方、いかがでしょうか。
 特にないようでしたら、今、藤本先生から小さなコメント等というか、書きぶり等でのコメントがあるということですので、ほかの先生も、もしそういう書きぶり等、または語彙等の問題でのコメントがありましたら、後で事務局から連絡が行くと思いますので、事務局に具体的に僕はどういうことと記載の上、送っていただければと思います。
 では、本日の議題は以上ということで、事務局にお返しいたします。
○上地感染症対策課長補佐 ありがとうございました。
 報告書及びサマリ版につきましては、本日いただいた御意見を踏まえまして、事務局で今後取りまとめさせていただきたいと考えております。
 また座長、構成員の先生方に御協力をお願いすることになるかと思いますが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、長時間にわたり御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 これをもちまして終了とさせていただきます。

 [A1]トランスポゾン
 [A2]“Sulfonamide”