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先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会) 議事録
日時
先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会)
令和7年2月6日(木)16:00~
先進医療会議(第140回先進医療会議)
令和7年2月6日(木)先進医療合同会議終了後~
令和7年2月6日(木)16:00~
先進医療会議(第140回先進医療会議)
令和7年2月6日(木)先進医療合同会議終了後~
場所
オンライン開催
出席者
先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会)
【構成員等】
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 黒瀨構成員 近藤構成員 近藤構成員 佐藤構成員 滝田構成員
手良向構成員 長瀬構成員 比企構成員 松山構成員 山本構成員 飛田構成員
【事務局】
審議官 医療技術評価推進室長 医療課主査 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課長補佐 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他
先進医療会議(第140回先進医療会議)
【構成員等】
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 黒瀨構成員 近藤構成員 近藤構成員 佐藤構成員 滝田構成員
手良向構成員 長瀬構成員 比企構成員 松山構成員 山本構成員 吉原技術専門委員 榎本医師(有識者)
【事務局】
審議官 医療技術評価推進室長 医療課主査 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課長補佐 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他
議題
先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会)
1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-1)(別紙1)
先進医療会議(第140回先進医療会議)
1 新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-1)(別紙1)(別紙2)
2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙3)
3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-3)(別紙4)
4 その他
1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-1)(別紙1)
先進医療会議(第140回先進医療会議)
1 新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-1)(別紙1)(別紙2)
2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙3)
3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-3)(別紙4)
4 その他
議事
先進医療合同会議
16:00開会
○新井座長
それでは、時間となりましたので、ただいまより認定臨床研究審査委員会で承認されました先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について「先進医療合同会議」を開催いたします。
まず初めに構成員の先生方の出欠状況でありますが、本日は後藤構成員、大塚技術専門委員が御欠席となっております。欠席されます構成員の先生方からは委任状の提出があり、議事決定につきましては座長に一任とされております。
また、先進医療技術審査部会から事前評価について竹内勤構成員、後藤弘子構成員、飛田英佑構成員に御評価をいただいております。
さらに、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価に係る審議のため、大塚崇技術専門委員にも御評価をいただいているところであります。
それでは、続きまして資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿と続きまして、先-1「先進資料Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」という資料がございます。こちらには、別紙1がついてございます。
資料については以上でございます。
今回の先進医療合同会議におきましては、現地及びウェブを組み合わせたハイブリッド開催で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。
発言者は、会議資料(公開資料、非公開資料)のページと、あらかじめ御発言いただきますと議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
資料等についてはよろしいでしょうか。
大丈夫なようですね。ありがとうございました。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局からよろしくお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
今回検討対象となる技術等に関しての利益相反はございません。どうぞよろしくお願いいたします。
○新井座長
ありがとうございました。
出席されている構成員、技術専門委員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
確認させていただきました。ありがとうございます。
それでは、事務局から「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○医療課主査
それでは、資料について御説明させていただきます。
今回御審議いただきます技術ですが、技術名は「ロルラチニブ耐性・不忍容ALK融合遺伝子陽性肺がんに対するギルテリチニブ療法」でございまして、適応症については「ロルラチニブ耐性・不忍容ALK融合遺伝子陽性の進行または再発の非小細胞肺がん」でございます。かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当として竹内構成員、副担当を後藤構成員、飛田構成員、大塚技術専門委員にお願いしてございまして、総評としては「適」の御評価をいただいております。
また、先進医療会議における事前評価につきましては長瀬構成員にお願いをしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
続きまして、医政局研究開発政策課より追加の御説明がございます。
○研究開発政策課長補佐
事務局でございます。
お手元の資料、先-1の別紙1の35ページを御覧ください。
こちらは、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとしてお示ししております。
まず実施責任医師の要件として、診療科は呼吸器内科もしくは腫瘍内科が必要。
資格は、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医もしくは日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医が必要。
当該診療科の経験年数は、5年以上が必要。
当該技術の経験年数は、不要。
当該技術の経験症例数は、不要となっております。
医療機関の要件として、診療科は呼吸器内科もしくは腫瘍内科が必要。
実施診療科の医師数は、常勤医師3名以上が必要。
他診療科の医師数は、不要。
その他医療従事者の配置は、薬剤師が必要。
病床数は、400床以上が必要。
看護配置は、7対1看護以上が必要。
当直体制は、必要。
緊急手術の実施体制は、必要。
院内検査の24時間実施体制は、必要。
他の医療機関との連携体制は、必要。ただし、院内で対処可能な場合は不要。
医療機器の保守管理体制は、必要。
医療安全管理委員会の設置は、必要。
医療機関としての当該技術の実施症例数は、不要となっております。
その他の要件として、頻回の実績報告は不要となっております。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
それでは、整理番号177番でありますが、先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を竹内構成員、副担当を飛田構成員、後藤構成員、大塚技術専門委員にお願いしております。
それでは、竹内構成員より概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○竹内座長代理
竹内でございます。
それでは、全体像のロードマップの前のページ、こちらのほうが概要説明でございます。今回、ロルラチニブ耐性、または不忍容のALK融合遺伝子陽性の肺がんに対しまして、今回ギルテリチニブという、本来白血病治療薬として承認済みの薬剤、これの安全性という構成を検証する第Ⅰ相試験でございます。
前臨床データとして、この薬剤はFLT3阻害だけではなくてALK阻害作用を持つということが発見されました。これに基づきまして、今回ALK陽性の遺伝子変異を持つ肺がんを対象としてヒトの第Ⅰ相試験を実施しようとするものでございます。
右側にありますように試験デザイン、このような形で進行性のALK遺伝子陽性肺がん、これはその前の治療としてロルラチニブ不忍容、あるいは耐性の患者さんを対象といたしましてギルテリチニブ120mg/dayを投与するというものでございます。
主要評価項目は疾病等、副次評価項目はここに書いてあるとおりでございます。
研究実施体制が下にありまして、スライドの次をお願いできますでしょうか。
ロードマップです。先進医療として真ん中にオレンジの枠で囲った、ここが今回の試験になります。それまでの臨床試験としては、急性白血病に対して本剤を投与したCOMODORE試験などのヒトに対するデータがあります。また、右にありますように、その他のデータとしては本研究結果も合わせて日本肺がん学会、日本臨床腫瘍学会からの公知申請に基づいて働きかけを行うとありますが、先進医療と同時に走っております海外での状況につきまして薬事承認をされている国はありません。また、ガイドラインの記載等もございませんが、先行する臨床試験が海外で展開されております。我が国においては、肺がんに対して本薬剤を投与するのはこの試験が初めてということになります。それで、この先進医療が完遂した後には医師主導治験、あるいは先ほどの公知申請によって承認を目指していくという試験でございます。
それでは、最初のほうに戻っていただけますでしょうか。
最初の概要説明でございます。このような形で、今回先進医療の名称は「ロルラチニブ耐性・不忍容ALK融合遺伝子陽性肺がんに対するギルテリチニブ療法」というものでございまして、岡山大学病院から下のような形で医療技術の概要に示されているとおり、研究計画の提出がございました。
これに対しまして、主要評価項目は疾病等、副次評価項目は奏効割合等でございます。有効性、安全性を目標として6か月時点での様々なパラメーターを評価するということで、目標症例数は14例というふうに設定されました。
実施体制の評価は大塚先生から、また倫理的観点の評価は後藤先生から、試験計画実施等の評価については飛田先生から、ここにありますように様々な照会事項、そしてそれに基づきます修正をいただいてコメントを記載していただき、これらを踏まえまして、総合評価は「適」とさせていただきました。
ここにありますように、FLT3遺伝子変異陽性の急性白血病治療薬として既に薬事承認を受けているこのギルテリチニブフマル酸でございますが、これを新たにここにありますような適応症例の非小細胞肺がんを対象として、安全性、有効性を検証する第Ⅰ相試験であります。様々な実施体制、研究デザイン、中間評価、患者説明文書などに対して詳細なやり取りをしていただきまして、研究計画書、同意説明文書などなどの修正を含め、多岐にわたる項目に関して丁寧に回答されました。アンメットニーズの高い本疾患におきまして、我が国で初めてとなるギルテリチニブ療法の安全性・有効性を検討するもので、貴重な情報となることが期待されるというコメントで評価をさせていただきました。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
続きまして、実施体制の評価につきまして、大塚技術専門委員は本日欠席でいらっしゃいますので、事務局からその結果について代読をお願いいたします。
○研究開発政策課長補佐
事務局でございます。
別紙1の3ページを御覧ください。
技術専門委員の大塚委員からの御評価ですが、実施責任医師等の体制、実施医療機関の体制、医療技術の有用性等、いずれも「適」となっております。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
続きまして、倫理的観点からの評価につきましては後藤構成員からいただいておりますが、本日御欠席ということでありますので、これも事務局より代読をお願いいたします。
○研究開発政策課長補佐
事務局でございます。
同じく別紙1の3ページを御覧ください。
副担当の後藤構成員からの御評価ですが、同意に係る手続、同意文書、補償内容ともに「適」となっております。
コメントとしましては、「患者さんの研究参加時の状態によって、その後の対応が異なることから、全員共通の説明同意文書における説明がわかりにくくなっていた。スケジュールが一覧表になっているが、必ずしもスケジュールと文章での説明が一致していないところもあり、どのくらいの研究参加期間か、その期間何をどうすればよいのかわかりにくかった。さらに、入院での薬剤投与ではなく、自宅での投与期間も予定されていることで、自宅投与期間においての安全性の確保も必要となる。以上の点等についてやり取りをしたところ、適切に変更されたことから、両方の点につき、適と判断した。」とございます。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
続きまして、飛田構成員より試験実施計画書等の評価をお願いしております。飛田構成員、よろしくお願いいたします。
○飛田構成員
よろしくお願いします。飛田です。
私の評価に関しては、3ページ目のところから御確認いただければ幸いです。
本試験に関しては、先ほど竹内先生から御説明があったとおり、岡山大学単施設、非盲検の単群の第Ⅰ相試験的な要素の強い臨床試験で対象者は14例で、急性白血病に対して既承認の医薬品をドラッグリポジショニングで検討する計画となっています。
今回の対象疾患患者には投与された経験がないということで、登録初期の安全性、試験継続の可否を判断するための、中間評価が初期登録例6例の段階で実施されるという計画になっています。
この中間評価を実施する時期についてですが、目標症例数が14例での初期6例という時期が適切かについて検討させていただいきました。通常のがんの第Ⅰ相試験などDLTを評価する場合であれば初期3例くらいで中間評価を行うということが一般的ですが、今回は既承認の急性白血病の用法・用量と変わらないこと、3例での評価では不確実性が高いという懸念があり、研究者側は6例のタイミングで実施するという説明がなされています。
それに加えて、6例未満のより早期の段階で安全性の懸念が生じた場合においても、今回の6例の中間評価と同様の効果安全性評価委員会での評価を行うことが計画書の中でも記載されており、より初期の安全性の懸念に対しても対応できるとの説明がなされたことで、いずれも「適」とさせていただいております。
以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
それでは、竹内構成員に改めて現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめをお願いしたく存じます。よろしくお願いします。
○竹内座長代理
ありがとうございます。
先ほど説明してしまいましたが、総合評価としてはただいまの御意見を踏まえまして「適」とさせていただきました。
コメントは先ほど申し上げたとおりでございます。よろしくお願いいたします。
○新井座長
ありがとうございました。
続きまして、先進医療会議における事前評価については長瀬隆英構成員にお願いをしてございます。長瀬構成員より評価結果等についての御説明をお願いいたします。
○長瀬構成員
別紙の23ページに記載しております。
先生方からもお話しがあったように、これは非常にアンメットの領域に切り込む意欲的な研究であろうかと思います。それで、倫理的な問題はもちろん問題ないと思います。
ただ、この普及率ですね。これは当然ながら普及性に関しては誰も行っていないわけですから普及していないということになります。
効率についてですけれども、いずれも期待されるところですが、ちょっとやってみなければ分からない。やや効率的ということで、Bという評価にいたしました。これはAであることを期待しますけれども、現時点ではBということにいたしました。
それで、保険における必要性は「適」ですけれども、これはこういった抗がん薬のときに決まった警告があるわけですね。これを使うところのギルテリチニブにもそのような警告はありますし、ロルラチニブにも警告がありますけれども、同様の警告は必要であろうということであります。
総評でありますけれども、「適」とさせていただきました。特にアイデアが日本における基礎的な研究成果をベースとしてこれを臨床に応用しようというもので、非常に高く評価されると思います。また、ALK肺がんですけれども、これはファーストラインはアレクチニブ、セカンドラインがロルラチニブということであろうと思いますが、その次のサードラインというところが現時点では定まっていないわけですが、この研究の成果によってはギルテリチニブがサードラインになるということが期待されるということであります。
以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
説明は以上でありますが、これまでの説明について何か御質問等ございますでしょうか。
では、よろしくお願いいたします。
○山本構成員
山本です。
教えてください。どなたに聞いていいかはあれですけれども、この試験の根幹に関わる「主要評価項目」というのは「疾病等」と書いてあるのですが、どうやって評価するのかなと思っているのですけれども、どうなのでしょうか。
○竹内座長代理
それでは、竹内ですが、お答えいたします。
事務局の方は、研究計画書を提示していただけますでしょうか。評価のところで、「主要評価項目:疾病等」のその次の括弧でございます。
ここに「疾病等」と書いてございまして、主に安全性評価の観点からは骨髄抑制のレベル、それから心毒性を評価するということでQT間隔の延長、合併症として心膜炎、心不全心貯留など、肝機能障害など、腎障害、消化管穿孔、間接性肺疾患などなどの主な有害事象が主要評価項目の項目として含まれています。副次的評価項目として奏功割合、病勢コントロール割合、それから2)として6か月時点の無増悪生存期間、それから無増悪生存期間並び全生存期間、全生存割合などなどの副次的評価項目です。したがいまして、主要評価項目は安全性の観点から、副次的評価項目につきましては有効性の観点から、それぞれ評価するものでございます。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
今のお答えでよろしいでしょうか。
○山本構成員
山本です。
これは今、御説明くださった竹内先生に対してというわけではなくて大変恐縮なのですが、今の内容ですと結局評価する、調べる項目はそうなのですけれども、ではどういう基準であったらこの治療が最初から第Ⅰ相試験と書いてありますが、安全なのかとか、安全ではないのかとか、次に進んでいいのかという基準は全く書かれていないと思うんです。それで、研究計画書を拝見しますと、評価方法は25章を参照とあるので25章を拝見しますと、こういうものを調べますとは書いてあるのですが、どういう基準であれば安全とみなすのか、どこを超えたら安全とみなせないのかということは書いていないので、ちょっと失礼な言い方なんですけれども、後づけでいかようにでも判断できるように受け止められてしまうと思うんです。
しかし、安全性評価試験というのは通常、一定のスレッシュホールドを超えたら安全ではないとか、そういう基準が必ずつくられているはずで、それで安全と分かれば後の第Ⅱ相とか、次のことを考えるための基準としてつくられているはずなので、それが記載されていないように思うのですが、そこは大きな懸念があります。
以上です。
○新井座長
ありがとうございます。
飛田先生、何かコメントございますでしょうか。
○飛田構成員
ありがとうございます。
先生の御意見はごもっともですけれども、この薬剤は既に急性骨髄白血病で承認されていて、ある程度の使用実績がある中で、本疾患に対して有害事象の発現割合に対する閾値を設定して、それとの比較をどこまで本試験内で検討ができるかという限界もあろうかと思われます。この点に関しては研究者にも問合せをさせていただきたいとは思います。
○山本構成員
山本です。
ありがとうございます。
○竹内座長代理
山本先生、加えまして私のほうも、これは例えば何らかのコントロールを設定して、それに対して安全性、あるいは有効性を比較するべきだという意見が技術審査部会の中ではございました。
ただ、それが今ない現状で、先行している世界の研究も同時進行で、そうすると比較対象は何かというと、急性白血病の安全性のデータというのは唯一日本人で比較可能なデータということになります。この辺りも含めて研究責任者とやりとりをさせていただきました。そのデータを主に参考データとして本試験の有効性、あるいは安全性について検討する方法は、対象疾患が異なるため直接比較が難しい、ここは一例、一例積み重ねていく中で現在の肺がんに対しての安全性というのを考えていただくしかないという状況との判断と記憶しております。
これは日本人で初めてですので、この辺りは慎重に一例、一例の評価をしていただきたいということを研究責任者には申し上げて、したがって14例のうちの中間評価6例までは1例ずつ安全性を評価した上で2例目、3例目と進んでいただくというようなことを紹介事項の中でやりとりをさせていただきました。
科学的に評価をするという観点で、研究責任者と協議し進めていきたいと考えております。
○新井座長
飛田先生、よろしいでしょうか。
○飛田構成員
竹内先生がおっしゃっているように、今回は一例、一例の安全性を評価しながらということですけれども、要はこの試験が終わった後に次に進めるどうかという意思決定について、その安全性の評価をどうするのがいいのかというところに関しては、山本先生がおっしゃられていることはすごくごもっともだと思いますので、次の試験に移行できるのかどうかということの判断に関して、研究者のほうには意見を求めたいと考えております。
○新井座長
ありがとうございました。
そういたしますと、今の飛田構成員のお話のように、今、疑義のあった点につきまして申請者に一度これを問い合わせて、その結果をここでまた改めて皆様に開示をして審議をさせていただくということで、もしよろしければ継続審議という形にさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。何か御異論があればよろしくお願いいたします。
山本先生、お願いします。
○山本構成員
今の提案に異存はないのですけれども、これをこのままやると将来、例えば適応追加とか何とか言われていたと思うのですが、最初の基準が決まっていないのにずるずるとⅠ相試験を始めてⅡ相にいっても、先行き厳しいかもしれないですよね。基準が決まっていない試験をやって適応追加とか、正直厳しいのではないかと心配する面もありますし、症例を重ねていっているのはそうなのですけれども、では何例やればいいんですかということになってきて、うまくいかなかったからあともう一例、もう一例と、それは症例の数字は決められていると思うのですが、あらかじめ基準を決めておかないと、ちょっと研究者にそんなことを言っては失礼なのですけれども、後で研究者側でいかようにでもできるので、できればではなくて基準が決まっていない試験というのはないと思います。それで、がん種が違っていたら、対象が違っていたら設定できないということもないと思います。
ですから、その辺りはこの会議体がどういう位置づけかは最後にお任せするものではありますが、しっかりそこは研究者側に言っていただいて、そういったものに患者さんに参加いただくほうが、参加いただく患者さんにもいいのではないかと私は考えます。
以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
今いただいた御意見も踏まえて、先ほど申し上げたように本件については継続審議という形にさせていただいて、また飛田構成員のほうから研究者に問合せをいただくというようなことでよろしいでしょうか。
○飛田構成員
追加で発言させていただきます。
○新井座長
よろしくお願いいたします。
○飛田構成員
全く現時点でその基準がないというわけではなくて、プロトコールの中間評価の中では効果安全性評価委員会を開催して、その中で薬剤性の肺障害、QTの延長、グレード3の疾病等、4週間以上の休薬を有するような疾病等が6例中2例以上発現した場合には、この試験の継続に関しては中止もしくはプロトコール用量の変更等の勧告が行われるような最低限の基準というのは設けられているようなデザインにはなっていると思いますので、その辺に関してももう一度研究者のほうには詳細に説明していただきたいと思っています。
○新井座長
ありがとうございます。
それも含めて研究者に確認ということで、繰り返しになりますけれども、本件については継続審議という形にさせていただきたく思います。
○長瀬構成員
すみません。長瀬ですけれども、ちょっとよろしいでしょうか。
○新井座長
よろしくお願いします。
○長瀬構成員
このALK肺がんに対してですけれども、例えば我々が使っているところのアレクチニブ、あるいはロルラチニブというのはほとんど血液毒性がない薬物なので、非常にある意味で安心して使えるといったところがあります。それで、この商品名は「ゾスパタ」というのでしょうか。血液疾患に使うわけですけれども、この添付文書を拝見しますと、この薬剤の休薬、減量、または中止基準の目安というのが明記されていますね。QT間隔延長とか、そのほかの非血液毒性と、この既に市販されている薬物の基準というのがあるのであればこれを準用するということで、これは問題ないんじゃないかと私は思ったのです。
それもまた議論を続けるということで、それは了解しましたけれども、重大な疑念という点では既に市販されている薬であるというのは事実であるということは一言述べたいと思います。
以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
それを踏まえて、これは多分次回になりますか。次回のこの会議で申請者が回答いただいた上で、また皆様に御意見を賜りたいと思います。
貴重な意見をたくさんいただきましてありがとうございます。それでは、本件は以上といたしまして、これをもちまして先進医療合同会議を終了させていただきます。
事務局、よろしくお願いします。
○医療課主査
事務局でございます。
準備が整い次第、先進医療会議を開催させていただきます。御参加いただきました先進医療技術審査部会の構成員、技術専門委員の先生方のうち、先進医療会議の構成員、技術専門委員でない先生方は御退席をお願いいたします。
御協力いただきまして、ありがとうございました。
先進医療会議
先進医療合同会議終了後開会
○新井座長
それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
構成員の先生方の出欠状況でありますが、本日は全員御出席ということになっております。
先進医療Aに係る新規技術の科学的評価に係る再審議のため、吉原弘祐技術専門委員、有識者として榎本隆之先生に御出席をいただいております。
なお、吉原技術専門委員、有識者である榎本先生におかれましては、議題2「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の技術審議が終了した時点で御退席をお願い申し上げます。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿に続きまして、議題1「新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として(先-1)の資料がございます。こちらには、(別紙1)及び(別紙2)がついてございます。
議題2「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」として(先-2)及び(別紙3)の資料がございます。
議題3「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」として(先-3)及び(別紙4)の資料がございます。
今回の先進医療会議におきましては、現地及びウェブを組み合わせたハイブリッド開催で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。
発言者は、会議資料(公開資料、非公開資料)のページと、あらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
資料等についてはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
確認させていただきました。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から報告をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
松山構成員より、「新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」における「受理番号174」の技術について報告がございました。
松山構成員におかれましては、検討対象技術において自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
また、比企構成員及び吉原技術専門委員より「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の技術について報告がございました。
比企構成員及び吉原技術専門委員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの治療額が500万円以下でありましたので、当規定に基づき当該技術に関する検討に加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
このほか、出席されている構成員におかれましては利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
確認させていただきました。ありがとうございました。
それでは、先-1「新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」、2件の資料が提出されておりますので、まず1件目について事務局から御説明をお願いいたします。
なお、先ほど御説明しましたとおり、松山構成員は当該技術に関する検討に加わらないことになっておりますので、大変申し訳ありませんが、御退室をよろしくお願いいたします。
(松山構成員 退室)
○新井座長
それでは、事務局お願いいたします。
○医療課主査
それでは、1件目について御説明をさせていただきます。
先-1の資料に基づき、御説明をさせていただきます。
1件目の技術は受理番号174番、技術名は「切除不能進行または再発大腸癌における血中循環腫瘍DNAを用いた逐次的がん遺伝子パネル検査」でございます。
適応症につきましては、「切除不能進行または再発大腸癌」でございます。
今回、東京大学医学部附属病院から申請がございました。かかる費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。
別紙1にお移りいただきまして、1ページ目を御覧いただければと思います。
(先進性)(概要)(効果)(先進医療にかかる費用)がございます。
(概要)ですが、全身化学療法未試行の(あるいは周術期化学療法から24週以降経過した)切除不能大腸がんを対象とした前向き観察研究である。適格症例の登録後、一次化学療法開始前と病勢増悪確認後に血液検体を採取し、Guardant360 CDxを用いたがん遺伝子パネル検査を実施する。保険診療で実施されるがん遺伝子パネル検査と同様に、各共同研究機関にてエキスパートパネルを実施し、被験者への結果説明は各共同研究機関のエキスパートパネル運用方法に従って行う。Guadant360 CDxの測定結果、各共同研究機関でのエキスパートパネルの結果及び診療データを収集して解析を行う。主要評価項目はお示しのとおりでございます。登録期間は1年で、登録症例数は200例を予定しております。
(効果)でございます。現在の保険診療では、切除不能大腸がんに対して生涯に1度しかがん遺伝子パネル検査が実施できず、ある時点での遺伝子プロファイルしか評価できない。このため、切除不能大腸がんの治療過程で変化する遺伝子異常や耐性変化を評価できず、遺伝子プロファイルに基づいた治療に十分につなげられていないと考えられる。逐次的ながん遺伝子パネル検査を実施することで獲得耐性としての遺伝子異常に基づく薬物療法の選択につながることが期待される、というものでございます。
ページをおめくりいただきまして、2ページ目から3ページ目のところでございますけれども、本技術は未承認の医療機器等の使用を伴わない医療技術となってございます。
一方で先-1にお戻りいただきまして、本技術は資料、先-1の下方の備考の「4 医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」に該当すると考えられましたため、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
1件目の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。
特にないようです。
ありがとうございました。それでは、受理番号174の技術については先進医療Bとして振り分けたいと思います。
それでは、松山構成員にお戻りいただいて結構でございます。よろしくお願いいたします。
(松山構成員 入室)
○新井座長
それでは、2件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
2件目について御説明させていただきます。
2件目の技術は受理番号175番、技術名は「網膜色素上皮不全症に対する同種iPS細胞由来網膜色素上皮細胞凝集紐移植」でございます。
適応症につきましては、「網膜色素上皮不全症に該当する網膜変性疾患」でございます。
今回、神戸市立神戸アイセンター病院から申請がございました。
費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙2にお移りいただきまして、1から3ページ目を御覧いただければと思います。(先進性)(概要)(効果)(先進医療にかかる費用)がございます。
まず(概要)でございます。
「1 手術」ですが、「手術は局所麻酔又は全身麻酔下に行う。硝子体手術により、2乳頭大の面積のRPE異常領域あたり最大2本相当量の同種iPS細胞由来RPE細胞凝集紐を、全体のRPE異常領域の広さに応じて1眼球あたり合計で最大4本相当量まで網膜下へ移植し、シリコーンオイルまたは気体による眼内タンポナーデを行う。投与量は病変部位の状態により、研究責任医師または研究分担医師が判断する。」
「2 観察期間・追跡機関」についてはお示しのとおりでございます。
「3 主な併用薬・併用療法」ですが、「ステロイド点眼、抗菌剤点眼 シクロスポリン免疫抑制剤、ステロイド全身投与、又はトリアムシノロン結膜テノン下投与または硝子体腔投与」。
「4 評価項目」ですが、主要評価項目は「移植された同種iPS細胞由来RPE細胞の生着によるRPE異常領域面積の減少に対する24週の効果判定」でございます。
次の3ページ目、(効果)にお進みいただきまして、途中からお読みをいたしますが、「これらの知見を踏まえ、本研究において遺伝性疾患と非遺伝性疾患の両方に共通して網膜変性を引き起こす原因であるRPEの進行性萎縮に対しRPEの再建及び機能回復を目指した同種iPS細胞由来RPE移植を実施することで、RPE異常の改善、視機能の改善・維持および視機能低下の進行抑制が期待される。また、移植したRPE細胞の生着を客観的に評価可能な眼科画像診断を有効性評価項目とすることで、同種iPS細胞由来RPE移植の有効性と安全性が客観的に検証され、RPE不全症に含まれる他の網膜変性疾患へのRPE移植の実用化を目指した知見の蓄積が期待される。」とございます。
続きまして、ページをおめくりいただきまして4から5ページ目のところでございますが、2-1の③にございますとおり、本技術で使用する再生医療等製品は、未承認に該当することとなってございます。
先-1にお戻りいただきまして、本技術は資料、先-1、下方の備考の「3 未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術」に該当すると考えられましたため、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
2件目の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について何か御質問、御意見はございますでしょうか。
特にないようでしょうか。
ありがとうございました。それでは、受理番号175の技術につきましては先進医療Bとして振り分けたく存じます。ありがとうございました。
続きまして、先-2「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
それでは、先-2に基づきまして御説明をさせていただきます。
先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号354番「腹腔鏡下卵巣癌・卵管癌・腹膜癌根治術」でございます。
適応症につきましては、「摘出可能と判断される卵巣癌および術前治療を行った後、摘出可能と判断される卵巣癌」となってございまして、かかる費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
大分大学医学部附属病院より申請がございました。
なお、本技術は令和6年9月5日、第135回先進医療会議で御審議いただき、「適」となった技術でございます。
申請者である大分大学医学部附属病院より申請があり、先進医療実施可能とする医療機関の要件の変更を御審議いただくものでございます。
こちらの事前評価につきましては、松山構成員及び有識者として榎本先生にお願いしてございまして、松山構成員より「適」、榎本先生より「適」の御評価をいただいております。
続きまして、別紙3の5ページ目を御覧いただければと思います。
こちらには、当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。
まず実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、または婦人科が必要。
資格は、婦人科腫瘍専門医が必要。
当該診療科の経験年数は、7年以上が必要。
当該技術の経験年数は、不要。
当該技術の経験症例数につきましては、3例以上が必要。
また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科あるいは婦人科を有する、かつ病理診断科及び麻酔科であることが必要。
実施診療科の医師数は、実施責任医師を含む2名以上、うち常勤の日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医1名以上が必要。
その他の医療従事者の配置は、病理診断科、麻酔科医師がおのおの1名以上必要。
病床数は、100床以上が必要。
看護配置は、10対1看護以上は必要。
当直体制は、必要。
緊急手術の実施体制は、必要。
院内検査(24時間実施体制)は、必要。
他の医療機関との連携体制は、必要。連携の具体的内容で、有害事象発生時、他急変時の受入れ、ただし自施設で対応可能な場合は不要。
医療機器の保守管理体制は、必要。
倫理委員会による審査体制は、審査開催の条件で、臨床研究の倫理指針において倫理審査委員会の運営に関して定められた細則を遵守すること。
医療安全管理委員会の設置は、必要。
医療機関としての当該技術の実施症例数は、3例以上必要。
その他は、日本産科婦人科学会の当該技術に関する指針を遵守することとしております。
前回御審議いただいた先進医療会議における、当該技術の医療機関の要件からの変更点は、大きく2点です。
実施責任医師の要件、実施診療科の医師数の、「実施責任医師を含む2名以上、うち常勤の日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医1名以上が必要」。医療機関の要件、その他の「日本産科婦人科学会の当該技術に関する指針を遵守すること」でございます。
事務局からの御説明は以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
この整理番号354の技術については、事前評価を松山構成員、榎本先生にお願いをしております。
まず松山構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○松山構成員
別紙3を御覧ください。
本医療技術は先ほど御説明がありましたように、摘出可能と判断される卵巣がん、あるいは術前化学療法によって手術適用となった症例を対象に卵巣根治術を腹腔鏡下で行うものでありまして、術式としては既に保険適用されています早期の子宮体がん、子宮頸がんで行われている術式とほぼ同等なものであります。
この試験の目的としましては、この腹腔鏡下手術の実施可能性、主には安全性を同時期に行われた開腹手術と比較することが目的となります。
先進技術としての適格性に関しましては、前回の評価から変わりません。
総評といたしましては、開腹手術と比較して長期の有効性に関しては主要評価項目が安全性でございますので、有効性に関しては本試験からは判断できませんが、症例選択に当然バイアスが入りますのでそれがどの程度補正できるかは分かりませんけれども、この腹腔鏡下手術の安全性に関する一定程度のエビデンスは得られるものと考えます。
今回の変更点に関しましては、医療機関の要件の変更になります。今回の術式の中には、日本産科婦人科学会が定める高難度新規医療技術に該当するものがあったために、先進医療を開始する術者と、施設にそれ相応の基準を設けたほうがよいという判断で変更が申請されました。
変更前は、実施責任医師要件が実施責任医師を含む2名以上というものであったのですけれども、それを先ほど御説明がありましたように「実施説明責任医師を含む2名以上、うち常勤の日本産科婦人科内視鏡学会認定腹腔鏡技術認定医1名以上」、及び医療機関の要件として「日本産科婦人科学会の当該技術に関する指針を遵守すること」に変更がなされました。このことは妥当と判断いたします。
私からは以上です。
○新井座長
ありがとうございました。
続きまして、榎本先生より評価結果について御説明をお願いいたします。
○榎本医師(有識者)
榎本でございます。
私は、実はこの第135回の先進医療会議のときに、この技術につきまして技術専門委員として参加させていただきました。
それで、今回の変更点につきましてはいわゆる施設要件ですね。様式第9号の変更の申請でありまして、その変更した理由としまして、申請者によりますと先進医療会議で当該技術が適当と判断された後で、日本産婦人科学会を含む関連学会、すなわち日本婦人科腫瘍学会及び日本産科婦人科内視鏡学会と協議して、本技術の普及を図るための指針を作成したということです。
その指針では、より安全にこの技術を施行するために、当該手術は常勤の日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医、これはもともと実施責任医師要件に入っていたのですけれども、それに加えて実施診療科の医師に日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医1名以上を加え、それらの医師の協力体制で行うことし、よりのこの技術を行う医師の資格を厳密にしたということでございます。
それで、本来腹腔鏡下の手術というのは婦人科腫瘍及び内視鏡手術に精通した医師で構成されたチームで行うべき手術と考えられるために、この変更は極めて妥当な変更だと考えております。
また、この変更後は医療機関の要件、その他として「日本産科婦人科学会の当該技術に関する指針を遵守すること」という一文が加えられております。それで、この指針においては「卵巣癌に対する先進医療として開始する腹腔鏡手術についての指針」として、卵巣がんに対する開腹手術及び腹腔鏡手術の前例の前向き登録、それから協力体制をしっかりつくること、それから患者へのインフォームドコンセントにつきましてもしっかり詳しく記載されております。すなわち、学会が主導の下に先進医療を行うという姿勢が示されておりまして、ここの先進医療技術は適当というふうに考えます。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。
特にないようでございます。
ありがとうございました。それでは、先ほど御説明申し上げたとおり、比企構成員及び吉原技術専門委員は当該技術に関する議事の取りまとめには加わらないことになっておりますので、大変恐縮でありますけれども、御退室をよろしくお願いいたします。
(比企構成員、吉原技術専門委員 退室)
○新井座長
それでは、評価の結果を取りまとめたいと思います。
特に御意見はないようですので、構成員の評価結果どおりに決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
特に異議はないということでございます。ありがとうございました。
それでは、比企構成員、吉原技術専門委員はお戻りください。
(比企構成員、吉原技術専門委員 入室)
○新井座長
それでは、御参加いただきました榎本先生、吉原技術専門委員におかれましては御退席をお願いいたします。御協力、誠にありがとうございました。
(榎本医師(有識者)、吉原技術専門委員 退席)
○新井座長
続きまして、先-3「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
それでは、先-3に基づきまして御説明をさせていただきます。
今回、御審議いただきます技術でございますが、整理番号178番「脊髄髄膜瘤胎児手術」でございます。
こちらは、適応症が「脊髄髄膜瘤」となってございます。
申請医療機関につきましては大阪大学医学部附属病院でございまして、費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
事前評価につきましては、近藤晴彦構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
事務局からの説明は以上でございます。
○新井座長
ありがとうございます。
それでは、この整理番号178の技術につきましては事前評価を近藤晴彦構成員にお願いしておりますので、近藤構成員より技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○近藤(晴)構成員
近藤でございます。よろしくお願いいたします。
別紙の4をお願いいたします。
まずこの技術の概要につきましてですが、30ページをお願いできますでしょうか。
脊髄髄膜瘤というのは先天性奇形ですが、神経管の閉鎖不全が原因で脊髄が皮膚や筋肉、脊椎に覆われずに外表に露出しているという奇形でございます。そのためにいろいろな神経障害などが起こるということが言われております。
こういう先天的な奇形に対して通常は出生後1日目か2日目くらいに、すぐに背中に露出している脊髄髄膜瘤を皮膚で覆う閉鎖手術が行われます。これは主に髄膜炎の発生を防ぐためでありまして、その後の神経機能は十分保持されないということが起こると言われております。
そのような背景下で、現在は胎児の段階でこの疾患があることが分かりますので、胎児の段階で行う出生前手術は有用なのではないかという観点でアメリカのほうでMOMS試験という前向き臨床研究が行われて、その結果では実際のそういう神経学的予後の改善効果がある可能性が示唆されております。
そのことを踏まえまして、英国でガイドライン的にもこの胎児手術が選択肢の一つであるという形が書かれておりますが、本邦ではまだほとんど行われていないというのが実情でございます。
今回申請されております大阪大学のほうでは先行研究として今まで15例のパイロット研究が行われまして、MOMS試験とほぼ同等の成績であろうということが確認されたということで、今回先進医療の申請が出ているということでございます。
次の31ページをお願いいたします。
これが、保険収載までのロードマップとして出されたものであります。今、申しましたように、海外では一応保険適用になっている米国、ほか各国でなっておりましてガイドラインにも記載されているということでございます。
ただ、この技術につきましては胎児手術全般に関わることですが、被験者が出産前は母体になるのですけれども、出生後は母体と新生児の両方になるという形で、その辺りをどういうふうに同意を取るかとか、倫理的な問題とか、そういったものについても議論された上で今回挙がってきたと理解しております。
最初のページに戻っていただけますでしょうか。
ここにございますように一応倫理的問題はないと我々は判断いたしましたが、母体とともに胎児に手術を行うわけですが、母体の方に対して同意を得る形になっております。と申しますのは、母体のほうが侵襲を受けるという形になりますので、そちらの同意を主にして行うべきであろうというような議論がされておりました。
ただし、出生後はそのお子様、新生児のことに関わってくることでありますので、パートナーの同意も必要であろうという形で議論がされたうえで、本研究が計画されているということで、私としても倫理的問題はないというように判断させていただきました。
それから、現時点での普及性については、罹患率、有病率から勘案して普及していないと判定し、 効果については、やや効果的であろうというふうに書くことでBと判定しております。
将来の保険収載の必要性については、将来的に保険収載を行うことは妥当であろうと思います。
ただし、出生前手術ということに関しては、先ほど申しましたようにこの技術がまだ日本で習熟している医師はわずかという状況です。今回の研究では、習熟して海外での研修を行った医師が担当するということになっておりますが、今後保険収載についてはその術者の条件というものをもう少し厳密に行う必要があろうかと考えております。
さらに、実際母体のほうについてはその子宮に切開を入れると侵襲が加わる影響で前期破水、あるいは出産時の子宮裂開などのadvance effectが報告されておりますので、それとのバランスという形で今後検討がされるべきであろうと考えております。
総合的な判定としましては「適」で、胎児脊髄髄膜瘤閉鎖術は米国での前向きランダム化試験において標準治療である新生児期での髄膜瘤閉鎖術に比し、脳室腹腔シャント率減少、キアリⅡ型奇形の合併率の減少など、そういう神経予後の改善が報告されておりますので、今後は海外同様に本邦でも治療の選択肢の一つとなっていくことが想定されると判断いたしました。
以上でございます。
○新井座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。
特にないようでございます。
それでは、評価結果を取りまとめたいと存じます。構成員の評価の結果どおりといたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
確認をさせていただきました。それでは、そのようにさせていただきます。
本日の議題の残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○医療課主査
事務局からは、特にございません。
○新井座長
構成員の先生方から、何かございますでしょうか。
特にないようです。
それでは、次回の開催について事務局から御説明をお願いいたします。
○医療課主査
事務局でございます。
次回の開催については、令和7年3月6日木曜日16時からを予定しております。場所については別途御連絡させていただきます。
○新井座長
ありがとうございました。
それでは、これをもって第140回「先進医療会議」を終了といたします。皆様の御協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。