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第18回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録
日時
令和6年12月23日(月) 14:00~16:00
場所
厚生労働省専用第12会議室(WEB会議併用)
出席者
出席委員(五十音順)
- (会議室)
-
- ◎磯部哲
- 伊豆津健一
- ○佐藤嗣道
- 戸部依子
- 花井十伍
- (テレビ会議)
-
- 泉祐子
- 奥田真弘
- 小風暁
- 渡邉裕司
※◎委員長 ○委員長代理
行政関係出席者
- 厚生労働省
(会議室) -
- 佐々木 昌弘 危機管理・医務技術総括審議官
- 大臣官房厚生科学課
-
- 水野 嘉郎(医薬品等行政評価・監視委員会室室長)
- 江田 美沙子(医薬品等行政評価・監視委員会室室長補佐)
- 健康・生活衛生局
-
- 夏木 茜(感染症対策部予防接種課ワクチン対策専門官)
- 小塩 真史(感染症対策部予防接種課課長補佐)
- 医薬局
-
- 福田 悠平(医薬安全対策課課長補佐)
- 中矢 雄太(監視指導・麻薬対策課課長補佐)
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
-
- 近藤 恵美子(理事)
- PwCコンサルティング合同会社
-
- 山崎 学(ディレクター)
議題
- 1.委員長選任及び委員長代理の指名について
- 2.医薬品等行政評価・監視委員会の意見に係る実施状況の報告
- 3.委員の求めに応じた個別事項への対応について
- 4.医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査
- 5.医薬局からの定期報告について
- 6.その他
議事
○水野室長 お時間となりましたので、ただいまより第18回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、師走の御多用の折に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員会につきましては、ウェブ形式と併用して実施しております。会場にお越しいただいている委員の皆様と、厚生労働省外からウェブにて御参加いただいている委員の皆様方がいらっしゃいます。
また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っておりますので、事務局や担当部局からの説明、回答は、できるだけゆっくり、はっきりと御発言いただくようにお願いいたします。
また、本日、今回の会議の開会に先立ちまして、委員の改選が行われております。これから委員の皆様に委員長の選任を行っていただくまでの間、私、医薬品等行政評価・監視委員会室の室長であります水野のほうが進行を務めさせていただきますので、御了承のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
今ほど申し上げましたとおり、本年9月25日に委員の改選が行われております。その上で第3期の任期がスタートいたしましたが、第2期の委員の皆様方、引き続き全員に委員を引き受けていただくことになりました。第3期につきましても、ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
まず、委員の出席状況をお知らせさせていただきたいと思います。本日は、9名の委員の皆様全員に御出席いただいているということでありまして、委員会の開催の定足数に達しているということを御報告させていただきたいと思います。
続きまして、利益相反について御報告をさせていただきます。まず、利益相反の取扱規程に基づく、個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございますが、本日は議題3の「委員の求めに応じた個別事項の対応」につきまして、個別の医薬品の議論を行う可能性がありますことから、関連企業からの寄附金等の受取状況について、あらかじめ委員の皆様から御申告いただいております。各委員の申告書につきましては、今回の委員会の資料と併せまして、厚生労働省のウェブサイトに掲載しておりますので、詳細はそちらを御覧いただきますようにお願いいたします。
事務局におきまして確認いたしましたが、本日は「退席」や「議決に加わらない」基準に該当する委員はいらっしゃらなかったということで御報告をさせていただきます。
続きまして、議題1「委員長選任及び委員長代理の指名について」でございます。まず、本委員会の委員長の選任を行いたく存じます。本委員会の委員長につきましては、医薬品医療機器法第76条の3の11第1項におきまして、「委員の互選により選任する」こととされております。委員長の候補者につきまして、委員の皆様から、どなたか御推薦いただけますでしょうか。
○花井委員 花井と言います。
引き続き、磯部先生にお願いできたらと思います。これまでの議論も経緯を全部分かっていらっしゃいますし、今後、新たな方向に進むに当たっても先生が適任ではないかと思います。
○水野室長 ありがとうございます。
今ほど、磯部委員を委員長として御推薦いただきましたが、他の委員の皆様、御意見等ございますでしょうか。
○渡邉委員 渡邉です。賛成です。
○泉委員 泉です。賛成です。
○小風委員 小風です。賛成です。
○奥田委員 奥田です。ぜひお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○水野室長 委員の皆様から御賛同いただいたということでございますので、委員長につきましては磯部委員にお引き受けいただきたいと存じます。
それでは、磯部委員、お手数ですけれども、委員長席まで御移動いただけますでしょうか。
それでは、ここからは磯部委員長に議事の進行をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○磯部委員長 磯部です。
反対ですと言おうかと思ったのですけれども、すみません、引き続き委員長の仕事をさせていただきたいと思います。3期目でありますので、悪い意味で慣れないように、緊張感を持って、この委員会が設置された意義といったことを改めて思い致しながら、でも、委員の先生方とたくさん議論したいと思っておりますので、ぜひ引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ここから私が司会を務めることになりまして、委員長の代理を決定したいと思います。医薬品医療機器法第76条の3の11第3項において、「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」とされております。私としましては、引き続き佐藤委員に委員長代理としてお願いしたいということを考えております。すみません、事前に何も仕込んだりしていないのですけれども、佐藤先生、よろしいでしょうか。一言お願いいたします。
○佐藤委員 委員の皆様から特に反対の御意見がないようでしたら、引き続き微力ながら務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 ありがとうございます。それでは、そういうことで進めていきたいと思います。
では、議事に入りたいと思います。議題1に続いて、議題2からです。「医薬品等行政評価・監視委員会の意見に係る実施状況の報告」。
議題3が「委員の求めに応じた個別事項の対応」として「HPVワクチンについて」。
そして、議題4は「海外調査について」として、「GMP調査」と「患者・市民参画」という2つのテーマについてのお話があり、そのほかは「医薬局からの定期報告」、「その他」ということになっており、そこでは「ゾコーバ及びラゲブリオに係る投与後妊娠判明事例防止のための取組について」御報告いただくことになっております。
では、資料1、今、画面にも出ているかと思いますが、議題2「医薬品等行政評価・監視委員会の意見に係る実施状況の報告」として、令和3年12月に当委員会から発出した意見に係る施策の実施状況について御報告をいただきます。資料1について、予防接種課から御説明を5分程度ということですか。お願いいたします。
○予防接種課 ありがとうございます。予防接種課でございます。
当課からは、「予防接種データベースに関連した施策の検討状況について」、御説明させていただきます。
スライド2枚目ですが、まず予防接種データベースに係るこれまでの議論の経緯と現状について御説明させていただきます。
予防接種データベースにつきましては、匿名データベースとして令和8年度中の稼動を目指しておりまして、現在は令和7年度からの開発開始に向けた準備を進めているところでございます。
また、これまで予防接種基本方針部会や副反応検討部会をはじめ、予防接種データベースについて、その方向性や予防接種データベースを活用した安全性の評価の方向性について等、御議論を行ってきていただいたところです。現在、予防接種・ワクチン分科会の予防接種基本方針部会では、予防接種基本計画の改定について議論を進めていただいているところです。こちらでは、基本方針のうち、予防接種データベース関連の議論について御紹介させていただきます。
予防接種基本計画における記載の考え方として、予防接種事務のデジタル化の取組を進め、接種事務の効率化や、接種対象者の利便性の向上、接種率の迅速な把握等を行うこと。
有事においても的確に分析できるよう、平時からNDBと連結した予防接種データベースを活用し、有効性・安全性評価の観点で詳細な分析を行う等、一層の取組を行うこと。
安全性について、接種者と非接種者における副反応疑いとして報告される疾患等の発生率の比較を、副反応疑い報告制度に基づく評価の追加的評価として必要に応じ実施する方向性で、技術的検討を進めることを新たに記載してはどうかということをご議論いただいております。
スライド4枚目は、以前いただいた「新型コロナワクチンの安全性評価に関する意見」の抜粋でございます。
スライドの5枚目が予防接種データベースの整備イメージでございます。予防接種等の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査や研究を行えるよう、自治体が記録・保存している予防接種の実施状況に係る情報や、医師等から報告される副反応に係る情報を利活用し、予防接種データベースに格納する方向性で検討を進めることとしております。
具体的な項目については、こちらにお示しした内容を含めることを想定しております。なお、副反応疑い報告についてですけれども、予防接種データベースの導入と併せて報告様式を改定いたしまして、被保険者番号を記載していただくことで、予防接種の実施状況等の情報とひもづけられるようにすることを予定しております。
こちらに関連いたしまして、先週開催されました予防接種基本方針部会にて、予防接種データベースに格納するデータとして、格納項目について御議論いただき、了承いただいたところです。なお、副反応疑い報告情報は項目の具体的な情報の例として、接種日、副反応疑い報告を例示させていただいておりますが、具体的には前のスライドでお示ししました主たる症状やその他の症状、発生日時、ロット番号等も含めて格納することを想定しております。
続きまして、スライド7枚目が予防接種データベースを活用した予防接種の安全性に係る調査等についてでございます。こちらについては、先ほどお示ししたとおり、接種者と非接種者におけるリスクの検証を行う方向であり、研究班等における検討を行いつつ、関係の専門家の協力を得て対応することとしております。調査に当たっては、解析結果の疫学的妥当性を可能な限り担保するために、予防接種データベースに格納される接種歴やワクチンに係る情報のほか、予診票の情報等、予防接種法の規定を踏まえて収集可能な情報を活用するとしております。
また、その際には、予防接種データベースやNDBなど、連結可能なほかの公的データベースの情報の性質を念頭に置き、実施可能な分析の範囲や結果の制約を考慮するとしております。
また、連結解析するNDBの特性や副反応疑い報告基準、ワクチンの科学的知見等を踏まえ、解析対象とする疾患の範囲を定めることとしております。
スライド8枚目が基本方針部会における議論内容でございます。こちらで予防接種記録の保存期間に関する、これまでの議論を御紹介させていただきます。3月に行われました基本方針部会において、予防接種のデジタル化に併せまして、現状の5年から延長することについて了承いただいていますが、具体的な期間については、個人情報の取扱いや他の同様の制度との均衡性等の観点から、配慮すべき点もございますため、現在検討を行っているところでございます。
当課からの資料の御説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御質問、御意見があれば御発言をお願いいたします。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
これは当委員会で厚生労働大臣に意見を出させていただいた唯一の案件で、非常に重要だと思っているのですけれども、そのことの実現に向けての取組が進んでいるということを大変心強く思って伺いました。
ただ、具体的なところで幾つか教えていただきたいところがあるのですが、まず、この資料で言うと5ページ目、整備イメージというのがあるのですが、ここではNDBとの連結については全く触れられていないのですが、その理由というか、取りあえず副反応疑い報告についての情報を組み込むのが先で、NDBは後からということなのでしょうか。その辺り、スケジュールといいますか、教えていただけますでしょうか。
○予防接種課 予防接種課でございます。 NDBにつきましては、法令上は一応、連結可能なデータベースということで改正予防接種法のほうにうたっておりますので、令和8年6月予定ですけれども、改正予防接種法が施行され、同時にデータベースも構築予定ですが、そうしますと、解析していただく方のほうで、研究内容によってはNDBとの連結というのはできることになります。この絵はNDBを入れ込む形ではないですが、この外側同士で、DB同士での連結は可能ということになります。
○佐藤委員 では、この図は予防接種データベースのイメージで、それをNDBの情報とさらに連結することを想定している。
○予防接種課 そうです。NDB以外のデータベースにつきましても、ニーズであったり、それぞれの法的な整備の枠組みとかで合致するものについては、省令上で規定していくことで連結というものはできます。公的データベースはほかにもございますので、今後、さらに幅広く連結することは可能になってまいる予定でございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
そのときに、この副反応疑い報告の情報と、自治体で持っている接種の情報をどのように結びつけるかということについて教えていただきたいのですが、この人とこの人が同じであるということをどのように確認されるおつもりでしょうか。
○予防接種課 副反応疑い報告につきましては、先ほども申し上げましたとおり、今回、様式のほうを改正しまして、被保険者番号を取る仕組みといたします。これは法令に規定することで、支払基金のほうに、ID5と言って、被保険者番号でいわゆる識別子というものを取ることができるようになります。また、自治体の接種記録のほうにつきましても、一意に個人を特定できるような形の番号を基金のほうに送ることで、ID5というものを取得することができるようになります。そうすると、同じ識別子を副反応疑い報告と接種記録のほうで持つことになりますので、それが予防接種データベースの中で同じ人だということで識別できるようになりますので、そういった仕組みを考えているところでございます。
○佐藤委員 分かりました。
保険者番号ということなのですが、保険が変わり得ることについてはどのようにお考えですか。
○予防接種課 このID5というものが、最古の被保険者番号から生成される識別子ということになっておりますので、おっしゃるとおり、被保険者履歴が変わっていく方がおりますけれども、最古のもので考えていくということで個人を特定できる識別子ということでありますので、改訂があっても大丈夫です。
○佐藤委員 分かりました。
それと、今度のNDBとの連結のときにはどのようなものをお使いの予定でしょうか。
○予防接種課 NDBをはじめ、他の公的データベースでも、このID5というものを共通の識別子として用いていますので、これで同時に研究者の方が1つの申出の研究の中で、NDBと連結したいのですということであれば、同じルールで請求したID5を提供するときにお渡しすることになりますので、それで予防接種のデータベースとNDBを結びつけることができるようになります。
○佐藤委員 すみません、ID5についてよく知らないのですが、今、実は私、NDBを使った研究をさせていただいているのですが、ID5というものは提供されていないのですが、これは一般的に既に提供可能な形で整備されているのでしょうか。
○予防接種課 NDBさんのほうも、もうID5は提供していると聞いておりますが、他のデータベースとの連結の中で。
○佐藤委員 いや、NDBの中で、この人とこの人は同じ人であるかということの識別で、もしそういうID5が使えれば、それは今の問題は。実は、ID1とID2というのがあって、それだけだと、この人とこの人が同じであるか、違う人であるかの識別が難しい場合があるのですが、そこはID5であれば解決される。
○予防接種課 より精緻な識別が可能になるということでID5がございますので、見るところ、NDBは既にID5は取り扱っているはずですので、予防接種課としてはそこまでのお答えになってしまいますが。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、花井さん、どうぞ。
○花井委員 花井です。ありがとうございます。
NDBデータベースというのは使いにくいので有名なのですけれども、ゆくゆくはマイナンバーがPHR的に統合するという長期構想があると思うのですが、そうなれば新たな副反応・副作用に関するさまざまな研究もできるようになると思います。現状は、このNDBが頼りになるところもある。
一方で、今、薬機のほうでロジスティクスについて検討している辺りで、NDBが1か月遅れだということで、調剤データベースの利用も考えていますがそういうものも使うことがあり得るのかというのが1点目の質問です。
それから、もう一点目は、JIHSさんのほうにもお願いしたいのですが、国立健康危機管理研究機構なので、今後、JIHSが全体的にこういうパンデミックとか、いろいろなことが起こったときにあそこに集約して、日本のCDC的な機能を果たしていただくということなのですが、こういうデータベースがどう活用されるかは未定だとおっしゃっているのですね。すなわち、民間のアカデミアがこれを使って様々な分析をすることができるようなデータベースにするべきだということは法人準備室には申し上げていて、JIHSのほうではまだ確定的な回答は得ていませんが、今後、こういう分析が国の都合のいい分析をするのではないかとか、よくある疑いがあって、それを複数のアカデミア等が自由に同じデータベースでいろいろなリサーチクエスチョンを立てて研究できるというようなデータベースにしていただきたい。
だから、国が握って、国がこれで証明されたとかいうのを上から下ろして、だから、科学的に正しいのだみたいなことになれば、それはよくないことになるので、このデータベースが一般・民間のアカデミア等々が利用できやすいようにしていただきたいというのを強く申し上げたいと思います。
後半は意見です。
○予防接種課 予防接種課でございます。
電子処方箋の活用について、お尋ねがありました。こちらの担当は予防接種課ではなくて医薬局のほうになりますが、電子処方箋の情報というのは、先生の御指摘のとおり、NDBより早いということはおっしゃるとおりでありますけれども、まだ普及途上であるということもございまして、二次利用ができるかについては、これから検討しなければいけないというように聞いております。ですので、そういったところの検討状況を見ながら、どういった形で使えるかということは今後の検討というふうにさせていただければと思っております。
○花井委員 ありがとうございます。
医薬局のほうでは既に二次利用の検討をして、医薬品の供給状況をそれで把握できるのではないかということに利用しようということを検討されているようなので、一定程度、それを利用しようということをやっているようなので、それを見て、また使用可能であるようであれば、こちらでもよりよい形で検討されたらと思います。
以上です。
○磯部委員長 まだお答えがあるのですね。お願いします。
○予防接種課 ありがとうございます。
先ほど2点目として、研究者のほうもこのデータベースの内容を使えるようにという御意見を賜ったと認識しております。こちらですけれども、予防接種データベースについても、アカデミアの研究者等を対象とした第三者提供というのを行っていく予定でございまして、開始時期については、データベースと同時ではないという見込みではありますが、検討しておりますということをお伝えさせていただきます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
この案を出したときに、この委員会では地方自治体の台帳と連結したデータベースを強く求めたということもありましたので、それが現実、進行しているという報告を受けたことをありがたく思うと同時に、それはそれでよしとするのですが、もうコンプリートされているのか、それともコンプリートされて活用する方向性に行っているのか。それとも、まだ修正中で、今後修正があって、活用する段階にはまだ行っていないのか、いかがでしょうか。お話しください。お願いします。
○予防接種課 ありがとうございます。
まさに自治体の接種記録の台帳をデジタル化するということがあって、その先に二次利用としてのデータベースの構築がございますので、これは活用する方向で、今、準備を進めております。まず、接種記録の台帳のデジタル化というところでいきますと、先ほど申しましたとおり、改正予防接種法の施行が令和8年6月辺りを目指しておりますので、そこに向けて、その仕組みの構築を進めているところであり、そこで記録が入り始めていくと、その先にデータベースがございまして、そこでデータベースとしての情報が格納されていくことになります。
ですので、こちらのデータベースにつきましても令和8年度中に構築できるようにということで、まさに進んでおりますので、ここについては、何か構想が変わっているとか、まだ検討中であるとか、修正がかかるといったことはなく進んでいるということになります。
○泉委員 分かりました。ありがとうございました。再来年にこれが稼動する。それに向けて、今、動いているということで了解しました。ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、資料1について、そろそろと思うのですけれども、よろしいですか。
では、手短に佐藤さん。
○佐藤委員 すみません、もう一つなのですが、手短に。
研究班でNDBと連結したときの解析方法について検討中ということなのですが、この研究班に薬剤疫学の専門家というのは入っていますでしょうか。もし入っていなければ、ぜひ入れていただきたいというのが意見です。
○予防接種課 ありがとうございます。
薬剤疫学、薬剤に関して疫学の研究をされた経験がある方がいらっしゃると聞いておりますが、御指摘を踏まえまして、薬剤の知見に明るい方が入っているべきことと認識いたしました。
○佐藤委員 ちょっと専門的な話になるのですけれども、いわゆる疫学と薬剤疫学の解析における注意点というのはかなり違うのですね。ですから、薬剤疫学の専門家でないと難しい面がありますので、ぜひ薬剤疫学の専門家を入れていただきたいというのがお願いです。
以上です。
○磯部委員長 では、そういうことで。
○予防接種課 御意見、承りました。ありがとうございます。
○磯部委員長 泉さんは、新たに手を挙げていらっしゃるのでしょうか。
○泉委員 簡単に。
佐藤先生と同じで、私ども薬害を経験した者からしてみたら、薬剤疫学の重要性というか、データマインドがものすごく必要だということは本当に身をもって感じましたので、ぜひそれを厚生労働省に考えていただいて、佐藤先生がおっしゃるように、薬剤疫学の専門家、統計学の専門家を中に入れていただきたいというふうに強く思いますので、よろしくお願いします。
○磯部委員長 力強くうなずいていただいたということで、ありがとうございました。
続きまして、議題3「HPVワクチンについて」の話になります。「委員の求めに応じた個別事項への対応」の1つ。前回の委員会でHPVワクチンを取り上げた際、キャッチアップ接種周知のための資材について、薬機法の広告規制に抵触するのではないかとの議論がありました。担当課からは、「御指摘の資材には個別の医薬品名が記載されていないため、薬機法上の広告には該当しない」旨の回答があったところですが、前回会議の後、泉委員より「個別の医薬品名を示してキャッチアップ接種を促すものがある」との御指摘があり、再度、取扱いの御要望をいただいたものです。
まずは、この議題に関する資料について、事務局と監視指導・麻薬対策課から御説明をお願いいたします。
○江田補佐 まず、事務局でございます。
今、資料2を映しています。資料2の1枚目にお示ししているのが、薬害オンブズパースン会議の要請書で指摘されているホームページです。前回、このホームページを確認した担当課より、「個別の医薬品名が記載されていない」という回答がなされました。このホームページの中ほどにありますリーフレットをクリックしますと、2ページ目、3ページ目のリーフレットが出てきます。
こちらのリーフレットの2ページ目、資料2で言いますと3ページ目の右上の部分に各ワクチンの名称を記載し、接種スケジュールが示されています。この点を今回、泉委員より御指摘いただきました。なお、このリーフレットは10月に改訂されており、現在、ホームページに掲載されているのは、資料2の4枚目、5枚目のものになります。
また、資料2のほかにHPV関係の資料として、参考資料6-1「薬害オンブズパースン会議の要請書」をおつけしています。これは前回の会議でもお示しした資料です。
また、参考資料6-2に「HPVワクチンの副反応疑い報告状況について」をおつけしており、これは前回の委員会後の10月25日に開催された合同部会で報告された最新の副反応件数等になります。
これらの資料も適宜御参照の上、御議論いただければと思います。
続きまして、監視指導・麻薬対策課からお願いします。
○監視指導・麻薬対策課 監視指導・麻薬対策課の中矢と申します。
今、御説明ありましたとおり、前回の当委員会において、私より、今回のこのポスター、リーフレットにつきまして医薬品名が記載されていない。すなわち、特定性がないことをもって広告ではないという答弁をさせていただいたところでございます。こちらの答弁につきまして、極めて不十分な内容でありまして、まず、修正させていただくとともにお詫びをさせていただきたいと思います。申し訳ございませんでした。
そして、改めて前回の御指摘も踏まえまして検討を行いました。前回御説明させていただきましたとおり、薬機法における広告については、特定性、顧客誘引性、一般認知性の3つの要件を満たした場合に、この該当性を総合的に判断するとしております。今回のポスターでございますが、医師等の団体や自治体が公衆衛生の観点から制度を周知する目的で作成しているものと承知しております。また、その内容のうち、このワクチンの効能等を説明する箇所につきましては、厚生労働省のリーフレット等に掲載された内容の範囲であり、あくまで国や自治体が実施する制度を周知するといった範囲にとどまっているものと考えております。
そういった事情を総合的に踏まえますと、本件ポスターにつきましては、特定の医薬品の購入・処方を促すための手段として、顧客誘引性という要件が認められず、薬機法で規制される広告とは言えず、厚生労働省が薬機法に基づきまして指導の対象にすることは難しいといった結論になっております。
前回、私から発言させていただきましたが、医薬品等の広告につきましては、今後、適正化・明確化の取組を行っていくこととしております。花井委員からは、実質、1品目1者しかないという場合の広告該当性などの指摘もございまして、そちらにつきましても検討を行っていくつもりでございます。今回のこの委員会での御指摘も踏まえまして取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、この点について御意見、御質問があればお願いいたします。
では、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
この説明には到底納得できないところですね。これは医師会が出しているポスターで、顧客誘引性と言ったときには、恐らく製薬会社だけではないと思うのです。キャッチアップ接種を行うことにより、実際に予防接種を行う医師あるいはその利益団体である医師会の利益に直結するものですから、まさにこれは顧客誘引性があるものと私は理解しますが、これは厚労省の方と幾ら話しても見解が相違するかもしれませんので、可能ならほかの委員の御意見もいただければと思います。いかがでしょうか。
○磯部委員長 この点についてということで、花井さん、どうぞ。
○花井委員 ある医薬品の過剰な広告については、当然、製販だけではなくて全ての人にかかっていると承知しています。顧客誘引性というのは、多分、薬機法の条文上はそうなっていないのかな、その辺、ちょっと確認したいのですけれども、例えば具体的に言うと、このパンフレットでは12年以上効果があると書いてあります。添付文書を見ると、持続期間は確認されていないと書いてある。つまり、12年以上というのは、添付文書のスペックから言えばちょっと過剰だとか、この辺のところはどのように薬機法上、整理されるのか。
9価ワクチンに関して言えば、効能・効果及び関連注意において、本剤の予防効果の持続期間は確立していないと書いてあるのですね。だけれども、こっちでは12年以上もちますと書いているのですけれども、ちょっと盛った表現。この辺りは抵触の可能性はまだあるのかなという気はします。なので、その誘引性という意味で言えば、ちょっと難しい問題。つまり、予防接種行政で言えば、予防接種法で勧奨を求めれば、あるワクチンを打ちましょうと言っているのだから、それは誘引性があることをすること自体が政策的に決まっているので、顧客にどんどんこの商品を使いましょうと言うこと自体は、政策上、違法にできないと思います。予防接種法とコンフリクトすると思います。
なので、そのスペック以上のことを盛るということは、薬機法上、許されないと思うのですが、その辺の誘引性という考えと、いわゆる誇大広告について、もうちょっと説明していただいて、今回の該当性というものは極めて難しい判断もあるのかもしれませんが、もう一回、そこを整理していただけますでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
広告を規制するに当たりまして、まず、薬機法の広告に該当するかどうかの要件性への該当性を行政で確認することとなります。その中で、3要件たる特定性、誘引性、一般認知性の3つに該当し、薬機法で取り締まるべき広告に当たるとした後に、虚偽広告や誇大広告、その他の規制について問題がないかの判断や行政処分等を行っていくこととなります。今回のリーフレットにつきまして、冒頭御説明させていただいたとおり、入り口である顧客誘引性たる要件を満たさないことから、誇大広告や虚偽広告の判断についても行われない。薬機法でそもそも取り締まりを行わないといったケースとなります。
○花井委員 ありがとうございます。
法律の専門家もいますので、最終的に広告かどうかを特定するための要件があり、特定された段階で、今度は広告自体を評価する手順だから、そもそも広告ではないと評価された以上はそうだという説明ですね。いや、それは、一般人はちょっと理解しにくいですが、磯部委員長、どうですか。
○磯部委員長 私の意見はまた後で。
泉さん、この点に関してですか。どうぞ。
○泉委員 中矢さんとおっしゃいましたか、この前も説明してくださった。
○磯部委員長 この前も今日も中矢さんです。
○監視指導・麻薬対策課 同じ中矢が対応しております。よろしくお願いします。
○泉委員 今、花井さんが言いましたけれども、もう一つ確認したいのは、顧客を誘引する意図と、特定医薬品の商品名が明らかにされていることと、一般人が認知できる状態である、この3つがそろっていることが違反だというふうに認識するから、その3つがそろっていなければ違反じゃないという厚生労働省のお考えなのですか。
○磯部委員長 いや、その3つがそろって広告に当たるという話です。広告に当たって、初めて法律上の権限を厚生労働省も行使できると。
○泉委員 ということですね。佐藤先生、花井先生が言われたように、私は3つとも当たっていると思います。
しかも、厚生労働省の役人の方は考えていただかないといけない。こういう厚生労働省が主導でキャッチアップの広告を出したり、あるいは説明の中で、今、被害を受けた方たちが生まれているということを念頭に置いたら、どこまで注意して、広告じゃない、パンフレットだと言われていましたけれども、こんなものは言葉の違いだけであって、一般の人が見れば広告であり、パンフレットなのです。それを見て、よかれとして、本当は選択の自由があるにもかかわらず、誘導して持っていって、それで被害者を生むような状況をつくること自体が広告違反でもあり、厚生労働省の個別の広告全体という形で考えたら違反です。違反という意識がないのかどうか、そのことをお伺いしたい。お答えください。
○磯部委員長 いかがでしょう。
○監視指導・麻薬対策課 私、委員のおっしゃることは重々理解しまして、気持ちは同意するのですが、私ども、法律を所管して、その法律に基づいて処分とか対応を行う部局としましては、先ほどから申し上げました要件該当性があって、それに合致するものについて薬機法としての対応を行うというルールそのものがある以上、そこから逸脱して処分等を行っていくということは難しく、大変申し訳ないですが。
○泉委員 いや、私に申し訳なく思ってもしようがないのです。私自身は、この広告あるいはリーフレット自体が違反だと。違反が入っていたからこそ、名前を消し込みしたものをつくらせ、直させたわけでしょう。
それと、誘引する意図というのは間違いなくあります。間違いなくあるのは、あなた方、外に出て、皆さんに聞いてみたらいい。こういうパンフレットをもらったら、学校でみんなワクチンを打つのが普通だ、当たり前だというほうに誘引しているのですよ。それを、選ぶ権利があるのに、みんなそこのところが言い出せないし、怖いなと思っても、みんなやっているから大丈夫だというような形に一般認識として認知させてしまっていること自体が違反なのです。それで被害が出ている。
9価ワクチンを進めてから、被害者が少しずつ増えていますね。少しずつなのか、多いのか、私、そこまで調べていませんけれども、これに関して、私に申し訳ないですがと言ってもしようがないのです。薬機法を改正するなり、薬機法にもう少し厳しく、ちょうど新しい薬機法が再来年ですか、できる。ぜひそれを考えて、こういうような広告、リーフレットができないような仕組みをつくっていかなければいけない。それは、佐藤先生がこの前、お伺いしたときに、誠にそう思いますということを2回、厚生労働省が言っているわけです。誠にそう思いますと言ったものを、どういうふうに実行するのですか。その実行をするために何をしたらいいのかということを考えてするのが厚生労働行政だと思っていますが、いかがですか。
ですから、実際に動かないといけない、やらないといけないという意識。謝るのは私たち委員会の委員に対してではないです。国民に対して、どういうふうに間違いない広告、あるいはそういう事実を規制していくのかということを紹介できるような形にしていかないといけないと思いますが、それに対してお答えください。
○監視指導・麻薬対策課 御指摘ありがとうございます。
広告の適正化につきましては、委員おっしゃいましたように、この薬機法の改正の中で制度部会での議論がございまして、明確化・適正化ということを図っていくこととしておりますので、いただいた御意見、その他、委員からいただいた御意見も踏まえて、適正化に努めてまいりたいと思います。
○磯部委員長 そろそろよろしいでしょうか。
○泉委員 1つだけ。佐藤先生が言われたことにごもっともであるという回答をしているのと、前向きにしっかり検討させていただきたいと言っているので、ぜひそれを実行のほうに持っていっていただきたいと思います。
以上です。すみません。
○磯部委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
皆さんの御意見をお伺いしていて、本当に難しいなと思っていて、私も医療機関で似たようなポスターを見ました。ちょっとセンセーショナルだけれども、言いたいことはすごく伝わってくる表現だなと思っております。薬なので、ゼロリスクはない中でどう伝えていくのか、メリットとデメリットをどう伝えていくのかがすごく難しいと思うので、基準を設定することが難しいと思います。
今、いろいろな情報がある中で、このワクチンについて注目してほしい、関心を持っていただけるように伝えることは、とても難しいと思います。どういう表現をしていくのが望ましいのか、プラスとマイナスがあると思うので、しっかりと議論する場が必要だなと思いました。
不具合を申し出る方が一定数おられる中で、どのような検討をしてこのような表現でポスターを作成されたのか。こういった世の中の意見というものをどう認識して、こういう表現になったのかということを知りたいです。
気になっているのが、4ページ目の左側のマル3、HPVワクチンを知ろうというところで、「がんを約9割防げる。有害事象は「心配ご無用」」と書いてあります。この表現はちょっとどういうことかと思います。これをつくる過程で多分検証していると思うのですが、どういう視点で検証して、こういうものができてきたのか。この途中過程を知りたいです。今後も、こういったリーフレットをつくるときのために、どのような考え方で何をを議論して、このような表現になったのかということを明らかにする仕組みというのがあってもいいのかなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 富山県医師会の資材ですので、どういうふうにつくったかは、厚労省はそこまでは把握していないのでしょうけれども、何か答えられることはありますか。別に自治体にどういう周知をしているのかとか、それとも全然あずかり知らない感じなのですか。
○予防接種課 予防接種課でございます。
今の御指摘については、個々の自治体がどういう考えの下、こういった資料を作成されているかということは、正直申し上げて国としては把握しておりませんので、承知していないということになります。ただ、自治体の皆様方には、こういう周知に当たってのお願いというものは、事務連絡や自治体への説明会で趣旨を含めて御説明申し上げているところですので、その結果、自治体がどういうふうになさったかということまでは把握しておりませんが、本日の御議論も踏まえて、この委員会での御意見、御指摘なども踏まえて、被接種者の冷静な判断に資するような周知を行っていただくように、今後も配慮していきたいと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございます。
ちょっと時間もあれなので締めたいですが、広告かどうかということを改めて慎重に検討していただくという有意義なプロセスだったと思いますし、解釈として当たらないというのも私は理解するので、そこの法律論は難しいなと思うのですけれども、物がワクチンなので、そこを薬機法の一般論で突っ走っていいのか。公衆衛生の役に立つとお勧めしているわけですね。そのときに本当に熟慮してやっていただけるかということについての、ワクチン固有の情報提供の在り方ということを、どこかでリーフレットをつくる際にはこんなことを留意してくださいみたいなガイドラインとかがあればいいのかなと思いつつ、でも、そんなものは誰がつくるのだろうと思ったのですけれどもね。
実は、私も学生に協力してもらって、全部の都道府県の県庁・医師会を見てみました。富山の資材をほかの自治体が転用したりしていて、いろいろな影響力はあっただろうし、中には「まずい、すぐ打たなきゃ。ぴゅーっ」と走っていくような漫画があったりして、なかなか熟慮してもらうような雰囲気じゃないものは散見されたのです。ですので、ワクチン接種を促しつつ、しかし、情報を正しく伝えていくリスクコミュニケーションの在り方ということが大きな課題であり、それは薬機法の広告に当たるか当たらないかというだけで済ませてはいけない問題だということで、今後も御検討いただきたいというふうに、今回のやり取りを通じて感じましたので、ひとつよろしくお願いいたします。
では、花井さん、1つだけ。
○花井委員 確かに今、薬機法を改正するので、薬機統制でこの問題を解決できるかというのは技術的に難しい気はしています。だけれども、結局、このワクチンに関しては、「有害事象は「心配ご無用」」というのは、一般の医薬品でやったら絶対アウトなので。あと、データもいいかげんなことをやっているところもあって。なので、健康・生活衛生局予防接種課において、もちろん予防接種法で義務化しているわけだから勧奨はしなければいけないわけですけれども、そのとき薬機法66条があって、それ直接ではないけれども、それに使われるワクチンについては、エビデンスべースドでちゃんと書くようにと。
特に医師会様に対しては、専門家集団なのだから、もし書くんだったら、一番最後に文献か何かぐらいは書くように、そのように指導という形で、今後勧奨するに当たって。つまり、この66条があるから、直接ではないけれども、そことの整合性という問題もあるので、データに基づいた、何%と書くときにはそこに留意することと。
専門家集団におかれては、9割と言ったって、ウイルス別なので、これもデータは本当かというと、9割予防も怪しいのですけれども、そういったことが公的文書として出ること自体は望ましくないので、健康・生活衛生局のほうで指導か、今、委員長のほうからガイドラインとありましたけれども、そういう形で今後は強くやっていただくほうがいいと思います。そういうことはできますね。指導というかガイドライン的なものは。
○予防接種課 予防接種課でございます。
予防接種法に基づく対応を、行っていく中で、直接的に指導という権限を有するか有さないかという1点だけで言えば、それはないのですが、いただいた御意見の趣旨は十分に理解いたしますので、そこは正確な有効性や安全性等に係る記載をしていただき、適切な理解の醸成に努めていただくよう、こういった観点で取り組んでまいりたいと思います。
○花井委員 患者は開業医の先生方は専門家と思っていますので、よろしくお願いします。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、ワクチン接種について、ぜひ冷静な意思決定が阻害されることのないようにという1点で、今後も引き続きよく検討していただければと思います。どうもありがとうございました。でも、また機会があったら議論しましょうということにさせていただいて。すみません、もう20分以上遅れているので。だから、私を委員長なんかにしないほうがいいのですよ。
議題の順番を変更して、議題6「その他」として、参考資料8を御説明いただく関係で、そちらに行きたいと思います。前回、第17回の委員会で催奇形性のある薬剤の安全対策について議論しましたが、催奇形性のある新型コロナウイルス感染症治療薬に対する対策が現状では不十分ではないかとの御指摘を委員からいただいたところです。その御指摘を踏まえて、追加の安全対策が講じられたとのことですので、参考資料8の内容について、医薬局医薬安全対策課より御説明をお願いいたします。
○医薬安全対策課 医薬安全対策課でございます。
参考資料8-1及び8-2に基づきまして、「ゾコーバ及びラゲブリオに係る投与後妊娠判明事例防止のための取組」について御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症の患者を対象としました抗ウイルス薬でございますゾコーバ及びラゲブリオにつきましては、催奇形性リスクを有することから、妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされております。しかしながら、これまでに投与後に妊娠が判明した事例が報告されておりまして、前回、第17回の本委員会において、その状況を御報告しているところでございます。
ここで改めて、従来実施してまいりましたゾコーバ及びラゲブリオに係る妊娠事例の防止のための取組について御説明させていただきます。
まず、上段ですが、RMP、リスク管理計画に基づきまして、製造販売業者が医療従事者向けの資材及び患者向けの資材を作成しまして、医療機関等に提供しております。
また、中段、資材の運用等ですけれども、ゾコーバの場合、緊急承認下では、緊急承認品目であることに加えまして、妊娠の可能性がある場合には服用できないため、医師等に申し出ること等を、同意説明文書を用いてきちんと説明した上で、患者さんに署名していただくような運用となってございました。現在ゾコーバは、通常承認に切り替わっておりますので、医療機関では、処方時に事前チェックリストを用いて、妊娠していないこと、妊娠の可能性がないことを確認すること。また、薬局におきましても、調剤時に資材を患者に手交して、再度妊娠の可能性がないことを確認するということについて、製造販売業者のほうから医療機関等に対して要請してございます。また、これについては定期的に周知してリマインドも行っております。
一方、厚生労働省におきましては、新型コロナウイルス治療薬の取扱いについて注意喚起するような事務連絡を8回発出してございます。また、一般の方向けの注意喚起としまして、厚生労働省のXのアカウントを用いた情報発信を行っております。
また、投与後に妊娠が発覚した場合には、製造販売業者が医療機関や薬局に事前チェックリストの利活用状況を確認しております。
しかしながら、こういったこれまでの取組にもかかわらず、投与後に妊娠が判明した事例が継続しているということで、こういった事例を分析しまして課題を整理しました。それが左側にお示ししているものになります。まず、そもそもRMP資材の活用が確認できない症例が存在するということ。一方で、RMP資材が活用されたにもかかわらず、服用後妊娠が判明した事例も複数存在することが確認されてございます。
この原因といたしましては、妊娠は非常にデリケートな問題でありますので、患者様が受診時に、正直に性交渉の有無を報告できなかったという可能性も考えられるところでございます。
また、前回、患者に対して、医師の説明の理解度を確認してはどうかといった御指摘もいただきましたけれども、通常、製造販売業者が患者に対して、直接アクセスするということは行っておりません。また、服用後に妊娠が判明して困惑している患者様、もしくはその家族に対して、理解度や応答内容等を聴取するのは配慮に欠けるという面もございまして、なかなか困難な部分もございます。
これらの課題を踏まえまして対応の方向性をお示ししましたものが右側の欄になります。
まず、添付文書の8項、重要な基本的注意に、妊娠が可能な女性に対しては処方の必要性を十分に検討した上で、処方が必要な場合であっても妊娠の可能性を丁寧に確認することを新たに記載しまして、医療従事者向けに改めて注意喚起を行いたいと考えております。
それから、中段、RMP資材等の活用ですけれども、医療現場における事前チェックリスト等の活用について再度周知徹底を図りたいと考えております。特に、RMPの資材を使用せずに妊娠が発生したような医療機関に対しては、重点的に注意喚起を実施いたします。
また、中段ですが、患者様が服用するタイミングで改めて注意喚起を行うという観点で、マル1ですが、患者が手にするボトル包装、PTPシートもしくはPTPシートカバー、こういった容器や包装に、妊婦及び妊娠の可能性がある方は服用禁止である旨をきちんと表示する。
それから、マル2ですけれども、従来、医療従事者向けの資材のみに添付されていた「事前チェックリスト」を患者向けの資材にも反映したいと考えてございます。
それから、下段になりますけれども、患者さんの理解度等に係る情報収集としましては、プライバシーとか患者さんのお気持ちに十分配慮しつつ、医療機関を経由した情報収集を継続したいと考えております。また、国立成育医療研究センターに設置されました妊娠と薬情報センターでフォローアップしているような症例もございます。その妊娠と薬情報センターや製造販売業者等とも連携しまして、可能な範囲で、資材の活用状況や理解度等の情報を得ていきたいと考えてございます。
○磯部委員長 予定時間を超えているので、巻きで。
○医療安全対策課 承知しました。
こちらが先ほど御説明しました添付文書の改訂の内容となります。こちらは12月4日の安全対策調査会で御審議いただいて御了承いただいておりまして、12月17日付で添付文書の改訂を指示する通知を発出してございます。調査会の資料は、参考資料8-2として、お付けしております。
それから、こちらが先ほど申し上げた患者向けのRMP資材ですが、こういうチェックリストをつけております。こういった患者向けの資材というのは、薬局で薬剤師によって活用されていますので、この改訂により、薬剤師も事前チェックリストを用いた確認が可能となります。
それから、今回の添付文書改訂の内容や資材の活用等について、これも12月17日付で医療機関等に周知する事務連絡を発出してございます。
最後、容器包装等への表示ですけれども、まずゾコーバ錠のPTPシートカバーに、赤字ですけれども、「妊婦および妊娠している可能性のある女性は服用禁止」と記載して、これは12月17日から配布してございます。
ゾコーバのPTPシートの裏面、それからラゲブリオのボトル包装についても、同様の注意喚起を印字することを検討してございます。
御説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、委員の皆様からコメントなどをお願いいたします。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 この件は、私が前回、意見を申し上げたことに対することですので、コメントさせていただきたいと思います。
前回から非常に短い期間の中で添付文書の改訂までされたということで、迅速な対応をしていただきましたし、この添付文書において、こういう確認をきちんとすべきであることが明記されたということを、私は大変高く評価したいと思います。多分、この委員会で私、監視ではなくて評価という言葉を初めて使わせていただいたのではないか。
ただ、前回、花井委員も言われましたけれども、本当にこういう資材をせっかく作っても、医療機関で活用されないケースがあるということに関して、添付文書に幾ら書いてあったとしても活用しないところはしないのかなというところが、その懸念が残るわけですね。ですので、今後におかれましては、さらにもう一歩進めて、例えばチェックリストをある種同意書のような形にして、医療機関名と患者さんがそれぞれ署名するような形にして、それを医療機関内で保管する、保存するというところまでいくと、相当効力を発揮するのではないかなというふうに思います。
患者さん側からしても、説明を受けた、受けないで、もしその後に妊娠が判明したときに、十分な説明を受けていないと感じる場合も恐らくあると思いますので、そういうときのことも考えたときに、医療機関の中で医師と患者さんとが両方確認してチェックして署名していれば、そういう問題も恐らく大幅に減らすことができるだろうと思いますので、今後はそういうことに向けて、もう一歩進めていただければ百点満点になるのかなと思っております。
以上、お礼と意見です。ありがとうございました。
○医薬安全対策課 ありがとうございます。
医療機関に対して義務づけるというところまではなかなか難しいかもしれませんけれども、製造販売業者のほうから医療機関に対して、きちんと妊娠の有無をチェックリストを活用して確認したかどうかを記録していただけるよう、お願いするということはできると思いますので、そういった対応は取っていきたいと考えております。
以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
では、花井委員、どうぞ。
○花井委員 大変進捗したと思うのですけれども、妊娠してしまった方々が、成育医療センターにこの窓口はあるのですけれども、成育医療センターのほうもちょっと伺うと、小児とか妊娠の場合のエビデンスがないから、あまり確定的なことを情報公開できないというジレンマもあるということで、一応連絡を取ってということになります。だけれども、妊婦さんは10か月間、ああ、飲んでしまったという心配し続けるわけだから、成育医療センターのほうでその辺のフォローアップ、もし許可があれば、かかっている産院の先生に成育医療センターのほうからちょっと連絡してサポートするようなこともできれば、妊娠してしまったのにということで、ずっと私が失敗したと思って出産までいくのは大変だと思うので、成育医療センターのほうにまた協力要請をお願いできたらと思いました。
以上です。
○医薬安全対策課 今も一部の症例については成育医療研究センターのほうでフォローしていただいておりますので、引き続き成育のほうにも協力を依頼して、適切にフォローアップできればと思います。どうもありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、この参考資料8については、ここまでとしたいと思います。ありがとうございました。
続いて、参考資料7になります。議題4「医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査について」ということで、独自に海外調査を行うという取組をしております。6年度に実施した薬事制度に関する調査の一部について、今回、結果の御報告をいただくと。まず、事務局から御説明をお願いいたします。
○江田補佐 事務局でございます。
御報告に先立ちまして、この調査の背景について御説明させていただきます。参考資料7を御覧ください。こちらの資料は、本年3月の第15回監視委員会においてお示しした資料から「(案)」を取ったものになります。海外調査については、欧米の薬事制度に関する調査と、個別医薬品に関する調査の2部構成で調査を行っており、そのうち、欧米での薬事制度につきましては、2の(1)のマル2に記載のとおり、今年度、2項目の調査を行うことにしております。本日は、そのうちの1つ、「ii)GMP調査や患者・市民参画の取組に関する追加調査について」の御報告ということになります。「i)医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組について」については、次回の委員会での報告を予定しております。
事務局からは以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
2つの調査項目のうち、まずGMP調査について御説明いただいて議論して、その後、患者・市民参画の取組について御説明いただいて議論するというふうにしたいと思います。
資料3-1をお願いします。PwCコンサルティング合同会社からの調査結果の御報告です。どうぞよろしくお願いいたします。全体で10分程度ということになっています。お願いします。
○PwC PwCの山崎でございます。よろしくお願いいたします。10分程度ということですので、駆け足で説明させていただきたいと思います。
次のページになりますが、まず米国についてということで、FDAのGMP調査官についてでございます。新しい話としましては、従来、FDAのOffice of Regulatory Affairsの1組織の医薬品・たばこ製品業務室が、GMP査察について担当していたということなのですが、2022年に粉ミルクの細菌汚染、それから、その関連製品の大規模リコールによる粉ミルクの深刻な供給不足が発生したたことを受けまして、FDAの対応に改めて見直しがかけられて、業務の重複した非効率な部分を見直すための大規模な組織改変が今年の10月1日付で行われたということでございます。ORAがOIIという組織に再編されたという形になっております。
続いて、FDAのGMP調査官の役割というところでございますけれども、それぞれ要件ということで、こういったことを求めるということが出ております。一つ一つは読み上げませんけれども、こういったGMP調査官の役割ということが明確化されていることになります。
それから、GMP調査官の要件としまして、枠内にあるような、調査官になるために認定された科学的な単位を大学で専攻する、卒業することが基本的には求められるということでございまして、さらにFDAの場合、職階については、ここにありますようなBand制度が設けられておりますが、調査官の基本的なところ、Band AとかBand Bといったところについては、学士号と2年間の経験、Band Bはさらに3年間の経験といったところが要件として求められております。
Band Aの調査官に求められる要件、スキルとしましては、複雑な専門的理論、概念、原則、基準、方法を幅広く適用する知識とスキルであるとか、こういった幾つかの要件を明確化されているということになります。
さらに、その上のBand Bについては、Band Aの要件に加えて、ここに挙げているような4つの要件を習得していることが求められているということになります。
そのGMP調査官の研修方法ですけれども、初期研修、継続研修、あとは認定。認定は、製品群関連の認定ということになりますが、そういった形で分けられた記載になっておりました。
初任の調査官は、GMP規制とか調査技術、コンプライアンスの審査をカバーするFDAの体系的な研修プログラムといったものを受講することになっています。1年間の試用期間があった上で初期研修を受講して、実地研修検査などを行った上で、きちんとした調査官になるということになります。
それから、実際の研修方法ですが、どんなテキストを使っているのかといったことについてFDA当局に問合せしましたけれども、基本的に原則、一般公開はしないということでございました。ですが、一部、一般公開しているものとしては、ここに挙げておりますような「The Investigations Operations Manual」とか「Compliance Program Manual」といったものを使っているというようなことを教えていただきました。
この研修方法についてですが、それぞれのバックグラウンドに応じて、どういったところのスキルを身につけていくのかであるとか、給料がどれぐらいなのかとか、そういったものが表になっておりましたので、参考までにおつけしております。
続いて、EUのGMP調査官についてということですが、基本的にEMAが自ら査察をするということではなくて、査察の枠組みなどを提示しているということでございます。実際は加盟国の国内当局が査察官を擁しておりまして、査察を実施しているというところになります。
そういった中で、GMP調査官の要件といったものが、DirectiveとかRegulationのほうで規定されております。このDirectiveのところ、下のほうにありますけれども、適格者は次の科学分野、薬学以下、ございますが、いずれかにおいて、少なくとも4年間の理論的・実践的な研究を行う大学の課程などを経なければならないと定義されているところでございます。
2つ目のところには、その実務経験などについての定義が載っております。
あとは、GMP調査官については、対人スキルとか雰囲気づくりなどについても、こういった人材が望まれているというようなこともEMAのほうで規定しておりますのと、あとは、GMP調査官の研修方法につきましては、基礎研修について、こういった内容を習得することが求められております。
それから、追加研修として、これは具体的に何を追加研修するかというよりも、こういう考え方で追加研修を設定してくださいということを加盟国に投げかけているということでございます。
それから、継続研修についても、昨今の新しい製造技術の急速な導入であるとか、医薬品の生産・品質管理の両方での自動化・コンピュータ化等々、目覚ましい進歩がございますので、査察官についても継続的な研修を受ける必要があろうということを明示されております。
なお、こちらは当局に問合せをしたところでございますが、EUには、GMP調査官が2~3年ごとに自動的に別の職務に異動するといった一般的な規則はございませんので、調査官は基本的に特定の部署にずっといて、その知見を蓄えることが可能になっているということでございます。
参考としまして、今回、PMDAと東京都にヒアリングをさせていただきました。
PMDAにつきましては、GMP調査員の採用・教育訓練の状況ということで、中途採用、嘱託、出向などの様々なルートで確保していることであるとか、それによって多様な人材が集まっていることがプラスに働いていること。それから、GMP調査員の要件をPMDA内で独自に評価基準などを設定していて、試験なども実施しているということ。あとは、国際的な教育訓練機会も確保しているようなことをヒアリングでお伺いできております。
それから、課題のところになりますけれども、下の枠のほうになりますが、1つ目、人材の不足ということで、PMDAは相対的に給与水準が低いので、就職希望者が少ないというようなことが今、課題になっているということでございます。そういった中で、教育訓練を担う人材もだんだん少なくなってきていて、熟練者は育成と調査の両方を担うことになるということです。
それから、2つ目、現場経験や実践的な教育訓練機会の確保ということで、OJTを通じた実際の調査で課題を指摘して品質管理の質を高めていくような現場経験が一番大事だということ。この機会をどう確保していくかが課題だということでございます。
3つ目です。都道府県のGMP調査員の教育訓練支援の在り方ということで、PMDAのほうで単発で講師派遣を行っていますが、人材が足りないということの中で、どこまで講師派遣を広げていけるかといったところは非常に悩ましいところで、今後、どのようなトレーニングが実地調査スキルの向上に資するものになるのかを検討していきたいというようなお話をいただいております。
それから、PMDAでの都道府県への教育支援の状況ということで、ここの右上のところ、実地調査の支援とか、4つほど枠になっておりますが、こういったことを今、様々実施されているところでございます。
続いて、東京都のほうです。東京都については、ここにありますように、薬学や法律など多様な専門的知見が求められております。そういった中で、新規採用のみを採用ルートとしておりまして、その中から要件を満たした方をGMP調査員として認定しているところになります。
それから、PMDAと異なるところは、都道府県は違反調査も実施しておりまして、こういった違反調査のノウハウについても、関連する様々な部署での経験が積めるように計画的に異動しているということでございます。
それから、認定・教育訓練の状況ということでございますが、東京都の特徴としましては製造所が少ないということがございまして、これを補うために、首都圏を含めた地域ブロックの中で共同の研修を実施することで、東京都内に少ない製造所の種類について、他県でできるような取組をしているということでございます。
最後、GMP教育への参加状況についてになりますけれども、違反措置に関する研修の実施を重要視しているということでございました。先ほど申し上げたように、都道府県ブロックを越えて受講できる仕組みをつくっていくということ。
それから、受講しやすい環境の整備ということで、国立保健医療科学院のほうも研修をされておりますけれども、希望者の方が全員受けられるような体制であるとか環境整備といったことを要望したいというようなお話をいただきました。
駆け足で恐縮でございますが、GMP調査については以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。大変たくさんの情報を手短に御説明いただきましたけれども、委員の皆様から御質問、御意見などあれば、お願いいたします。
花井さん、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。
PMDAも苦労しているのですけれども、今後はキャリアパスですね。もうちょっと広い意味での人材育成というか。アメリカなんかは割と企業と行ったり来たりしているところもあって、日本の場合は厳しくがちがちとやっているところもあるので、そういったことも含めて、今後、多分査察官が足りなくなってくるので、そういうことをまた調べられたらいいかと思いました。ありがとうございました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
その他、いかがでしょう。
伊豆津先生、どうぞ。
○伊豆津委員 ここ数年で国内の水準がかなり上がっていると思うのですけれども、FDAなどと比べると、無菌の医薬品であったり、自動化の知識まで持っている方はどうしても限られるということで、その辺り、十分に人材育成、頑張っていただきたいなと思っています。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
よろしいですか。
どういうことを調査していただくか、事前に山崎さんとディスカッションさせていただいていて、話が済んでいるようなことがなくはないのですけれども、そういうわけではなくて、改めて、この資料をよく読み込んで、人の振り見て我が振り直せで、これでどういうふうに日本の医薬品行政その他、体制全体に反映できるのかということを、一過性じゃなくて継続的に我々も検討していかなければいけないなと思った次第です。全然違うところは違いますからね。ありがとうございました。
続きまして、患者・市民参画の取組についてということでお願いいたします。これは、まず、PwCコンサルティング合同会社から調査結果の報告をお願いし、この項目については、日本の状況の一部として、PMDAからもその取組の御説明をいただけるということになっていますので、続けて御説明いただいて、まとめて議論の時間を取ることにしたいと思います。まず、資料3-2でPwCコンサルティング合同会社からの御説明をお願いいたします。
○PwC 引き続き、PwCの山崎でございます。よろしくお願いいたします。
資料が六十数ページで、これを10分程度ということでございますので、猛烈にスピードを上げていきたいなと思いますけれども、こちらも令和4年度に患者・市民参画についての調査結果、この委員会の中で実施されております。その中での追加的な調査という位置づけでございます。
右側にありますように、令和4年度に米国での患者参画のプラットフォーム、ここに1、2、3、4、5、6とありますが、こういったプラットフォームが設置されているという御報告があったところでございますが、それぞれについて、どういった取組なのかといったところをもう一回さらうという形で調査のほうをさせていただきました。
患者代表プログラムについて、まず最初になりますが、PRPと言われているものでございます。米国では、医薬品開発に関する47の諮問委員会がございますが、ここに200名の患者代表が参画しておりまして、300を超える疾患について患者の意見を届けているというような状況でございます。この歴史的経緯といたしましては、1987年に治療や新薬開発の加速化と、それに伴う患者参加を求める抗議団体「ACT UP」といったものが設立されたのをきっかけとしまして、最初はHIV/AIDSのところなのですが、がんやその他の重大疾患に対象をどんどん拡大させてきたというような流れでございます。
患者代表プログラムについて、非常にたくさんの諮問委員会がございますので、それぞれ医薬品開発のプロセスのどこに位置づくのかというのは本当に様々でございます。上流もあれば、上市されてからといったところもございます。そういった中で様々な患者さんの声が届いていることになります。これは令和4年度の調査報告にありましたように、リスクコミュニケーション諮問委員会での参加の状況です。参加代表A・Bの意見が左にありますが、こういった内容を伝えているであるとか。
あとは、医薬品とリスクマネジメント諮問委員会などに参加しているといったところについては、資料として、前回、令和4年度の報告で既に取り上げられております。
この諮問委員会に出ている患者代表はどういった方かということで、例えばがんサバイバーの患者、Annie Ellisさんは、がん臨床研究財団の諮問委員会などに参加していて、米国のがん臨床研究協会の科学者等々のプロジェクトにも参画しているというような方。
あと、この方もがんサバイバーになりますけれども、サンディエゴ卵巣がん協会を設立して、さらにはOvarian Cancer Research Alliance、この分野での世界最大の団体になりますけれども、そこともコミュニティーパートナーになっている。そういったところの代表者の方々が参加しています。
参加する患者さんの選ばれ方になりますけれども、普通にウェブで公募がかかっておりまして、下のほうにアクセス時点で募集されている分野などございますが、ここに自身の強みとか伝達能力などについて売り込む。それによって選ばれるという形になります。
続いて、患者中心の医薬品開発(PFDD)というものがございます。これはまさに医薬品開発に当たっての患者の経験についての情報を取るということになります。当初、FDA主導の会議だったのですが、非常に効果的だということがございまして、2023年はFDA主導が1回なのに、患者団体が主導する右のほうのEL-PFDD会議は13回という形で、非常に盛んに活発に開催されているということになります。
続いて、患者のリスニングセッションというのがございまして、こちらも全米希少疾患患者協議会の協力の下で2018年から始めているものになります。FDAが特定の質問項目を用いて患者の声を吸い上げるというような取組のFDA要請型というものと、患者団体が自らの見解をFDAと共有したい場合の患者主導型といった2種類の形をもって、対話の機会、リスニングセッションを設けているというものになります。
FDA主導だけ表にしていますけれども、今まで23テーマ実施しておりまして、患者主導型については、さらに66テーマが別途議論されているということになります。
続いて、患者参画諮問委員会というのがございます。これは医療機器の規制や使用に関する複雑な問題について、患者や介護者がそれぞれのニーズ・体験を共有するというような場として設定されているものでございます。これがここ7年ぐらいです。議題としては、こういうものが設定されているというところで御紹介いたしました。
さらに、この諮問委員会のフィードバックが、どのように実効性のあるものとしてFDAが実施した措置につながっているのかということも、きちんとホームページで明確化されておりまして、それを例として挙げているものでございます。
続いて、患者参画コラボレイティブです。これはFDAとデューク大学のCTTIという官民パートナーシップで行われているものでございまして、こちらも医薬品開発やその他の規制について、患者代表が参加するというような場として設定されておりますので、御覧いただければと思います。
最後、患者と介護者のコネクション、P&CCというものがございます。これはCDRHの職員と患者団体が、患者と介護者から医療機器の使用に関するフィードバックを収集することを目的として実施しているものになります。特筆すべきは、団体として自らの職員がどれぐらいの割合、患者と接する機会を設けるのかというのをきちんと目標設定している。これが非常に明確というところでございます。2017年末までに90%が職務の一環として患者と接する。いかに患者の体験を重要視しているかということが分かるかなというところでございます。
以上がFDAでございますが、続いて欧州になります。欧州の場合は、1995年にEMAが設立されておりますけれども、規制プロセスに患者や消費者を参加させる取組の一環として開始ということでございます。HIV患者さんとの対話というのがきっかけになっておりますけれども、そういったことになります。
2005年に患者と消費者団体(PCO)との交流の枠組み、EMAがどういう形で交流するのかという枠組みが設定されまして、これに基づいて2006年に患者・消費者ワーキングパーティ、いわゆるPCWPが創設されているということになります。
そういった取組をきっかけにしまして、例えば2008年ですが、PCOの代表者がEMAの活動に関与している数が、2007年の77名から、2008年は倍以上の165人に増えたこととか、2009年は213人、2010年は307人にまで増えて、しかも内容的にも非常に多岐にわたる参加をしているというような経緯が示されております。これが2010年までの歩みでございますので、その経緯というのはアニュアルレポートで出ているのですが、どんどん複雑な問題にも関与しているというところが分かるものになっています。
医薬品開発パイプライン上の参画タイミングということで、これも様々なプロセスの局面で参画していることになっています。
2017年に飛びますが、Public hearings Involving young peopleとありますけれども、2015年にPCWPと、あとは医療提供者のほうでつくっているHCPWPというものがあります。この両ワーキングパーティで特定のトピックスについて議論を行う会議体「トピックグループ」というものが設置されました。当初設定されたテーマはこういったものになるのですけれども、一番最初、EMAの活動における患者の関与の影響ということがございます。
そこの議論を踏まえて、「EMA活動への若者の関与」というものが議論されました。その結果を踏まえて、2017年にはその原理原則が示されるというようなことで、患者団体の中の特定のトピックグループの議論といったものが、こういったプリンシプルにまで落ちてくるというようなことが、この例でもお分かりになるかと思います。
マル6、2020年、時間もあれですので、飛ばしますが、今、一番新しい年報、2年に1回になりましたけれども、年報で示されている特に大事なところ、今後どういう取組をしていくかといったところが掲げられておりますので、赤字にしております。
患者の意見をより早い段階で取り入れる機会については、特に有益性と危険性の評価に関して、患者体験データイニシアチブ、こういうプロジェクトがあるようですが、それと並行して検討していきます。
医薬品やワクチンに関する情報やコミュニケーションへの関与は、特に薬剤耐性や誤報・デマへの対応に関して強化される。
EMAの業務に参加する患者代表、患者代表団の能力を向上させる上で、研修は非常に重要だと。ビッグデータ、実世界データ、リアルワールドデータですね。人工知能などの新たな複雑なトピックに焦点を当てた研修ニーズのマッピングを行う。
最後、医療従事者団体、学生団体、学術機関とのより組織的な協力体制を確立することで、次世代の医療従事者とどのように関わりを持つのが最善であるかということに焦点を当てた取組を進めるということでございます。
こちらが、先ほど来申し上げましたように、患者委員参加の機会がどうなっているか。これは令和4年のときに既にまとめられております。ここにも参画のタイミングとしまして、参画の方法と参画の場といったことで、その例を挙げさせていただいています。
最後に、先ほど申し上げました年報で、EMAが患者参画の進展を非常に事細かに、しかも統計も含めた形で公表しておりますので、そこのサマリー部分だけ改訳して載せております。非常に参考になる部分もあるかなと思いますので、お時間あるときに御覧いただければと思います。
以上でございます。
○磯部委員長 すみません、ありがとうございました。
続いて、PMDAから資料3-3についての御説明をお願いいたします。
○PMDA PMDAの近藤と申します。安全、それから技術総括担当理事をしております。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
今、コンサルさんのほうから、欧米における患者参画の取組について御報告いただきまして、それに加えてPMDAからプレゼンテーションの機会をいただきまして、ありがとうございます。今、御報告いただきました欧米の取組などと比べますと、まだPMDAの患者参画の取組、非常に歩み出したばかりというところがございます。日本の場合、PMDAのほか、厚生労働省とか、いろいろ行政に関わる組織もある中で、PMDAがどのように関わっているかということを今日は御紹介させていただければと思います。
今日、この場にいらっしゃる先生方には、PMDAの業務を改めて御説明するまでもございませんが、審査・安全・救済を3本柱としまして、私ども、いつも業務説明のときには、この真ん中に国民の皆様がいらっしゃるということで説明申し上げております。
それから、2019年にPMDAは4Fカルチャーというのを定めておりまして、Patient First、Access First、Safety First、Asia Firstという4つのFにおいて、まずPatient Firstである、臨床現場と良好なコミュニケーションを築いて、患者さんの満足度を最優先に業務を行うのだといったものを定めております。
患者参画に関しますPMDAの取組でございますけれども、患者さん向けの情報提供ということでは、ここにお示ししたような情報提供を、PMDAができた当初から取り組んできているところでございます。ただ、これは情報提供ということで、どちらかといいますと1方向性のものということが言えるかもしれません。
それから、患者さんからの情報収集ということで言いますと、患者副作用報告というものを2012年から試行しまして、2019年から制度化ということで実施しているところでございます。この患者副作用報告は、2010年の厚生労働省における薬害肝炎検証・検討委員会の最終報告に基づくものでございます。
それから、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議も厚生労働省で実施されているものでございますが、こちらでは、学会のほか、患者団体の皆様からの意見なども受け付けられているというふうに承知しております。
また、PMDAの会議体への患者さんの参加ということで、運営評議会、審査安全業務委員会、救済業務委員会などの委員会に御参加いただいているところでございます。
ただ、このようなものは、どちらかといいますと単発的といいますか、業務の一環の中で、まだまだ患者参画という意識が薄い中で実施されてきたものでございまして、第3期中期計画の初年度、現在の私どもの理事長の藤原が着任いたしまして、患者参画という欧米でも進んでいることについて、PMDAでももっと意識を持って活動すべきではないかといったような掛け声で、患者参画検討ワーキングというものを、私どものPMDAの中の組織といいますか、部門横断的に患者参画について検討していく場ということで発足しております。
現在は患者参画ワーキングに名称を変えて活動しているところでございます。先ほど申し上げましたとおり、部門横断的に医薬品・医療機器審査の担当官、安全対策の担当官、レギュラトリーサイエンスの担当官、経営企画等の管理部門の担当官など、技術系・事務系、双方の担当者が参加しまして意見交換などを中心に実施しているところでございます。
2019年に患者参画検討ワーキングが発足したときの目的でございますけれども、医薬品の審査・安全対策について、患者さんの視点による課題をPMDAで共有して、それから、患者さんとPMDAで相互にコミュニケーションを図る、そういったことを検討するといったような目的でスタートしたものでございます。
この活動を始めまして、2021年にはPMDAにおける患者参画の基本的方針(ガイダンス)というものをまとめております。これは患者さんの声・意見・要望を反映することによりまして、最初に申し上げましたPatient FirstというPMDAの取組を具現化する、また、患者さんの薬事行政や医薬品・医療機器への理解・満足度の向上を図るといったことを目指したいといった趣旨の内容で取りまとめたものでございます。
このガイダンスの概要でございますが、先ほどの説明と重複いたしますけれども、基本コンセプトといたしましては、Patient FirstというPMDAの取組を具現化するというものでございます。患者さんからの情報の収集・反映、それから患者さん向けの情報提供といったものを、そのPatient Firstを実施していくためにやっていく。双方向の関係を築いていこうというものでございます。
この患者参画ガイダンスにおける取組でございますけれども、患者さんからの情報収集、インプットと、患者さんへの情報提供・周知、アウトプットを通じて、患者さんのPMDA業務への理解を深めていただくことと、それから、PMDAの業務へ反映していこうというところでございます。
この中で、PMDAが実際に行っている活動について、幾つか御紹介させていただきたいと思います。まず、患者さんや、その家族の声を聴く場の設定と参画ということで、患者さんやその家族の方々にお話しをしていただきまして、職員がその声を聴くといったような研修を毎年実施しております。医薬品の副作用被害を受けた方、あるいはその家族の方からの講演につきましては2005年度から、それから、様々な疾患の患者さん、その家族の皆様からのお話を聴くといった取組につきましては2019年度から実施しております。
PMDAの職員が通常の業務の中で患者さんの声をじかに聴く機会というのは、実はあまり多くないので、こういった機会にじかに聴くことで、実際の審査・安全対策を実施していく中で、その背景にある患者さんがどういう点を重視しているかといったような想像力を持って業務に取り組んでいければと考えているところでございます。
それから、先ほどは全職員向けということでございますが、それよりももう少し小さな双方向のコミュニティということで、患者セミナーとかシンポジウムに、PMDAの先ほど御紹介しましたワーキングメンバーなどが参加いたしまして、意見の交換などをしているところでございます。今後も継続的に同様の活動を行っていきたいと考えております。
それから、ここに吹き出しで幾つかつけ加えておりますけれども、例えば患者さんの患者報告アウトカムと呼ばれるものにつきまして、治験相談において、患者さん自身の治療の満足度をPROとして副次的評価項目に追加できないかといったことを提案するようなケースもございます。主としまして、主要評価項目が確立していないような領域や希少疾患領域などが対象になるかと考えております。
それから、既存の患者さん向けの情報のさらなる充実や、薬事制度の理解・普及を促進する取組につきましても、さらに深めていきたいということで、先ほどの話とも若干重複しますけれども、患者セミナーとかシンポジウムなどに参加したり、あとは一般の方向けの情報発信をさらに充実させたいということで、どういった情報提供・媒体が効果的かといったことについても検討を行っているところでございます。
また、患者会との連携によります情報提供ということについても検討を行っております。これにつきましては、そもそもの問題意識といたしまして、現在、医薬品の情報提供につきましては、PMDAのウェブサイトかメディナビといったメール配信サービス、患者向け情報提供資材などの媒体を用いておりますけれども、ターゲットとなります使用者に確実に情報を伝達できているのか、あるいは、情報収集におきましても、患者さんからの情報収集、先ほど患者副作用報告について御紹介しましたけれども、質・量ともに課題があると思っております。
また、患者さんと言ったときに、その属性は極めて多岐にわたっておりまして、多様な患者さん像があるのですけれども、その全体を対象にしたアプローチというのはなかなか難しいのですが、希少疾病とか難病とか、小規模ながらネットワーク化が進んでいる患者会というものがございまして、こういった患者会と連携することで、迅速・確実な情報提供とか、効率的な情報収集が行えるのではないか、そういう可能性があるのではないかといったような課題意識の下に、患者会との連携を試行的に実施したものでございます。
具体的には、日本ライソゾーム病患者家族会協議会と共同で、分かりやすい情報提供のための資材作成を、また、治療薬使用に関します安全性情報を、患者会ネットワークを活用して収集できないかといったようなことを実施しております。
ここにお示ししたような資材を提供しまして、患者会を通じて情報提供しているものでございます。こちらはいずれも患者会との共同作業によって、患者会の要望を聴きながら作成したものでございます。資料を作成する上で患者会とやり取りすることで、患者さんの声の理解を深めるといった、職員にとってもよい経験が得られていると思っておりますし、また、こういった非常に小規模な密な患者会というネットワークがあって、こういう情報提供というものも成り立っているのではないかと考えております。
参考までに、先ほどのコンサルタントさんの資料の中でも、ライフサイクルのどの部分に患者参画が関与しているのかということがございましたので、PMDAの現状をお示ししております。内容的には、まだまだ不十分な点もあるかと思いますけれども、関連する厚労省、そのほかのステークホルダーともよく連携を取りながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
最後にまとめです。様々な関係者が患者さんとも連携していくことが必要不可欠だと考えております。PMDAの今、御紹介したような活動は、単発のアクションも多くて、全体像がまだまだつくれていない状況であり、欧米に比べて未成熟な面もあるかと思います。引き続き、患者・家族の方とのコミュニケーションの場を積極的に活用しながら、患者参画を進めてまいりたいと考えているところでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、資料3-2と3-3、併せて委員の皆様から御意見、御質問などあれば。数分しかないかもしれませんけれども、選りすぐった御意見があればお願いいたします。
花井さん、どうぞ。
○花井委員 御説明ありがとうございます。
まず、FDA、海外の場合ですけれども、これだけのことをやろうと思うと、人材というか、人がそれに要るということだと思うのです。PMDAはPMDA法で業務が決まっていまして、それをやっているということなので、遊軍もいないどころか、そこだけで人手が足りないということがあるので、その辺の人的な分厚さというのが分かれば教えてほしいというのが1つと。
それから、PMDAに関して言えば、考えてみればFDAは食品医薬品局だから、逆に日本で調べようと思ったら、PMDAだけじゃなくて、厚生労働省医薬局とPMDAを合体させて、どこに参加しているかを見ないと比較できないんだなと、今、ちょっと思ったのですけれども、そういったことについても、PMDAとして、本省との関係でどういう連携が可能かという意見があれば教えてください。
以上です。
○磯部委員長 最初の質問は山崎さん。
○PwC FDAのほうの人材がどれぐらいのボリューム感で、具体的には患者団体との取組について、どれぐらいの人を割いているかといったところまでは、まだ情報が取れておりませんので、今後、調査できる機会がありましたら、また追加したいと思います。
○PMDA 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、厚生労働省とPMDAと、それぞれの役割がございまして、例えば審議会への患者さんの参画ということであれば、厚労省の薬事審議会もございますし、またPMDAの場合には、組織の運営に関わる運営評議会みたいなものと、あと、個別の医薬品の専門協議というものがございますけれども、専門協議のような場面に患者さんがどう関わっていけるのかというのは、なかなか難しい面もあると思います。
一方で、どんなガイドラインがつくれるかというところについての関わりなどはできるかもしれませんけれども、最初に申し上げましたとおり、まだそういうところまで成熟していないところではございますけれども、医薬局、あるいは難病といったところですと厚労省のほかの部署もあるかもしれませんが、よく連携を取りながら検討してまいりたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 PMDAが患者参画の取組をされているのは大変すばらしいことだと思います。ただ、例えばPMDAのサイトが患者向けのものに特化されていない点とか、今後に向けてはいろいろ意見がありますが、今日は時間がありませんので、次回以降のこの委員会の中で、一度、PMDAの業務について、少し正面から取り上げたような検討をしてもいいのかなと思った次第です。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。御意見をいただいたということで。
そのほかはいかがでしょう。よろしいでしょうか。
すみません、司会の不手際で、もう時間もありませんので、もしまた追加で御質問などを思いついたときには、事務局を通じて、延長戦で少し伺うとかさせていただきたいと思いますが、今日の議論はここまでとさせていただきます。御説明いただいて、ありがとうございました。
続いて、議題2「医薬局からの定期報告」について、資料3-4と資料4を使ってということになります。4時は過ぎることになりそうですが、ちょっとだけお許しください。
○江田補佐 それでは、事務局から資料3-4の個別医薬品の欧米での承認状況に関する海外調査の結果と、資料4の医薬局からの定期報告について、まとめて御説明いたします。
まず、資料3-4を御覧ください。こちらは新たに承認された医薬品の成分で、国内での承認審査時に海外で承認がなかったものや、特例承認等の対象品目について、欧米での承認状況等を調査した結果をお示しするものになります。
調査品目は、資料の2ページから7ページに一覧表としてお示しております計64品目になります。
なお、今回の調査におきまして、6ページ目のR5-10 イブグリース皮下注、R5-13 ピアスカイ注、R5-16 ビロイ点滴静注、7ページに行きましてR6-10 フリュザクラカプセルについて、FDA及びEMAで通常承認されたことが明らかとなりましたので、今回の承認をもって当該品目に関する調査は終了することとなります。赤字にしておりますところが、今回、更新があった項目になります。
続きまして、資料4「医薬局からの定期報告」を御覧ください。こちらの資料では、「1 製造販売承認された医薬品の情報」、「2 国内における市販後の安全対策の措置状況」、「3 外国での新たな措置の報告状況」、いわゆる外国措置報告について、まとめております。
なお、9月の第17回監視委員会以降、緊急安全性情報や安全性速報、いわゆるイエローレターやブルーレターについて、新たな発出はされておりませんことを併せて御報告いたします。
それでは、右下のページで3ページ目の「製造販売承認された医薬品の情報」を御覧ください。こちら、前回9月の委員会で御報告した後、新たに承認されたもののうち、表紙の※1でマル1からマル4の要件に該当するものが、この監視委員会の定期報告の対象となります。今回は、要件に該当する7品目の情報が記載されております。いずれの品目も海外で未承認の品目という要件に該当し、本年9月24日に承認されたものになります。
続いて、5ページの「医薬品の使用上の注意の改訂について」を御覧ください。こちらは本年10月24日に開催された医薬品等安全対策部会で確認された内容の御報告になります。本年6月19日から10月23日までの約4か月間で行われた36件の添付文書の改訂について掲載しております。
最後に、21ページから始まります「外国での新たな措置の報告状況」を御覧ください。同じく10月24日の安全対策部会で報告された外国措置報告のうち、回収、警告、禁忌に関する添付文書の改訂など、この監視委員会の報告が要件に該当するものを抜粋して資料としております。今回、31件が報告対象になっております。個別の品目の御説明は、本日は割愛しますが、全体としまして、安全性の懸念による販売中止や不承認の報告はございませんでした。また、措置区分が回収となっておりますものは、特定のロットや特定の製造所での品質上の問題に関するものが中心となっております。
以上、外国措置報告に関する御説明といたします。御説明としては以上になります。
○磯部委員長 ありがとうございました。
今の資料について何か御意見、御質問があればお願いいたします。こちらは定期報告で、一貫してずっと独自に集め続けて、ちょっと気になる動きがあればきちんと取り上げようという趣旨ですので、改めてまた見ていただいて、もし何かあれば事務局までお知らせください。これは次回以降も引き続き、定期報告はどうぞよろしくお願いいたします。
その他、全体を通じて何かしゃべり損ねたとかがあれば。
泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
最後のほうにあったPMDAという組織に関しては、藤原委員長も先日申されていましたが、大変認識度が低いですね。トライアングルで救済業務などがあるのに、一般国民にはあまりにも知れ渡っていないということで、これを知らしめるのは厚生労働省の仕事でもあると思うので、時間もないことで、ここで話を切りますが、ぜひPMDAのどの形が認知度を上げるかというのは、厚生労働省も図ってもらいたいと思います。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。それは、そういう御意見を承ったということで。PMDAもあまり有名じゃない。我々の間では有名ですけれどもね。
花井さん。
○花井委員 この前、理事長と面談したときには、救済でPMDAが電話をかけて医療機関にお願いしようと思ったら、「あんた、誰ですか」「PMDAです」「何ですか、それ」というふうに対応されることによって、救済業務も極めて滞っているということです。医療機関ですら、そういうことのようです。なので、アメリカのFDAはニュースとかに次々と出るのですけれども、日本の場合は、そういう案件があっても「厚生労働省は」の主語で報道されるから、国民はほとんど知らないというのが実情だと思います。今後、委員会としていろいろ調査した結果、幾つか提言をまとめる段階で、そういったことも含めて考えていくことが大事かなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
その他、よろしいでしょうか。
それでは、これで本日の委員会は終了ということにさせていただきます。
事務局から何かありますか。
○水野室長 ありがとうございます。
次回の委員会の日程や議題につきましては、委員の皆様と御相談させていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、本日の委員会はこれで終了します。ありがとうございました。
委員の皆様には、師走の御多用の折に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員会につきましては、ウェブ形式と併用して実施しております。会場にお越しいただいている委員の皆様と、厚生労働省外からウェブにて御参加いただいている委員の皆様方がいらっしゃいます。
また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っておりますので、事務局や担当部局からの説明、回答は、できるだけゆっくり、はっきりと御発言いただくようにお願いいたします。
また、本日、今回の会議の開会に先立ちまして、委員の改選が行われております。これから委員の皆様に委員長の選任を行っていただくまでの間、私、医薬品等行政評価・監視委員会室の室長であります水野のほうが進行を務めさせていただきますので、御了承のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
今ほど申し上げましたとおり、本年9月25日に委員の改選が行われております。その上で第3期の任期がスタートいたしましたが、第2期の委員の皆様方、引き続き全員に委員を引き受けていただくことになりました。第3期につきましても、ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
まず、委員の出席状況をお知らせさせていただきたいと思います。本日は、9名の委員の皆様全員に御出席いただいているということでありまして、委員会の開催の定足数に達しているということを御報告させていただきたいと思います。
続きまして、利益相反について御報告をさせていただきます。まず、利益相反の取扱規程に基づく、個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございますが、本日は議題3の「委員の求めに応じた個別事項の対応」につきまして、個別の医薬品の議論を行う可能性がありますことから、関連企業からの寄附金等の受取状況について、あらかじめ委員の皆様から御申告いただいております。各委員の申告書につきましては、今回の委員会の資料と併せまして、厚生労働省のウェブサイトに掲載しておりますので、詳細はそちらを御覧いただきますようにお願いいたします。
事務局におきまして確認いたしましたが、本日は「退席」や「議決に加わらない」基準に該当する委員はいらっしゃらなかったということで御報告をさせていただきます。
続きまして、議題1「委員長選任及び委員長代理の指名について」でございます。まず、本委員会の委員長の選任を行いたく存じます。本委員会の委員長につきましては、医薬品医療機器法第76条の3の11第1項におきまして、「委員の互選により選任する」こととされております。委員長の候補者につきまして、委員の皆様から、どなたか御推薦いただけますでしょうか。
○花井委員 花井と言います。
引き続き、磯部先生にお願いできたらと思います。これまでの議論も経緯を全部分かっていらっしゃいますし、今後、新たな方向に進むに当たっても先生が適任ではないかと思います。
○水野室長 ありがとうございます。
今ほど、磯部委員を委員長として御推薦いただきましたが、他の委員の皆様、御意見等ございますでしょうか。
○渡邉委員 渡邉です。賛成です。
○泉委員 泉です。賛成です。
○小風委員 小風です。賛成です。
○奥田委員 奥田です。ぜひお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○水野室長 委員の皆様から御賛同いただいたということでございますので、委員長につきましては磯部委員にお引き受けいただきたいと存じます。
それでは、磯部委員、お手数ですけれども、委員長席まで御移動いただけますでしょうか。
それでは、ここからは磯部委員長に議事の進行をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○磯部委員長 磯部です。
反対ですと言おうかと思ったのですけれども、すみません、引き続き委員長の仕事をさせていただきたいと思います。3期目でありますので、悪い意味で慣れないように、緊張感を持って、この委員会が設置された意義といったことを改めて思い致しながら、でも、委員の先生方とたくさん議論したいと思っておりますので、ぜひ引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ここから私が司会を務めることになりまして、委員長の代理を決定したいと思います。医薬品医療機器法第76条の3の11第3項において、「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」とされております。私としましては、引き続き佐藤委員に委員長代理としてお願いしたいということを考えております。すみません、事前に何も仕込んだりしていないのですけれども、佐藤先生、よろしいでしょうか。一言お願いいたします。
○佐藤委員 委員の皆様から特に反対の御意見がないようでしたら、引き続き微力ながら務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 ありがとうございます。それでは、そういうことで進めていきたいと思います。
では、議事に入りたいと思います。議題1に続いて、議題2からです。「医薬品等行政評価・監視委員会の意見に係る実施状況の報告」。
議題3が「委員の求めに応じた個別事項の対応」として「HPVワクチンについて」。
そして、議題4は「海外調査について」として、「GMP調査」と「患者・市民参画」という2つのテーマについてのお話があり、そのほかは「医薬局からの定期報告」、「その他」ということになっており、そこでは「ゾコーバ及びラゲブリオに係る投与後妊娠判明事例防止のための取組について」御報告いただくことになっております。
では、資料1、今、画面にも出ているかと思いますが、議題2「医薬品等行政評価・監視委員会の意見に係る実施状況の報告」として、令和3年12月に当委員会から発出した意見に係る施策の実施状況について御報告をいただきます。資料1について、予防接種課から御説明を5分程度ということですか。お願いいたします。
○予防接種課 ありがとうございます。予防接種課でございます。
当課からは、「予防接種データベースに関連した施策の検討状況について」、御説明させていただきます。
スライド2枚目ですが、まず予防接種データベースに係るこれまでの議論の経緯と現状について御説明させていただきます。
予防接種データベースにつきましては、匿名データベースとして令和8年度中の稼動を目指しておりまして、現在は令和7年度からの開発開始に向けた準備を進めているところでございます。
また、これまで予防接種基本方針部会や副反応検討部会をはじめ、予防接種データベースについて、その方向性や予防接種データベースを活用した安全性の評価の方向性について等、御議論を行ってきていただいたところです。現在、予防接種・ワクチン分科会の予防接種基本方針部会では、予防接種基本計画の改定について議論を進めていただいているところです。こちらでは、基本方針のうち、予防接種データベース関連の議論について御紹介させていただきます。
予防接種基本計画における記載の考え方として、予防接種事務のデジタル化の取組を進め、接種事務の効率化や、接種対象者の利便性の向上、接種率の迅速な把握等を行うこと。
有事においても的確に分析できるよう、平時からNDBと連結した予防接種データベースを活用し、有効性・安全性評価の観点で詳細な分析を行う等、一層の取組を行うこと。
安全性について、接種者と非接種者における副反応疑いとして報告される疾患等の発生率の比較を、副反応疑い報告制度に基づく評価の追加的評価として必要に応じ実施する方向性で、技術的検討を進めることを新たに記載してはどうかということをご議論いただいております。
スライド4枚目は、以前いただいた「新型コロナワクチンの安全性評価に関する意見」の抜粋でございます。
スライドの5枚目が予防接種データベースの整備イメージでございます。予防接種等の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査や研究を行えるよう、自治体が記録・保存している予防接種の実施状況に係る情報や、医師等から報告される副反応に係る情報を利活用し、予防接種データベースに格納する方向性で検討を進めることとしております。
具体的な項目については、こちらにお示しした内容を含めることを想定しております。なお、副反応疑い報告についてですけれども、予防接種データベースの導入と併せて報告様式を改定いたしまして、被保険者番号を記載していただくことで、予防接種の実施状況等の情報とひもづけられるようにすることを予定しております。
こちらに関連いたしまして、先週開催されました予防接種基本方針部会にて、予防接種データベースに格納するデータとして、格納項目について御議論いただき、了承いただいたところです。なお、副反応疑い報告情報は項目の具体的な情報の例として、接種日、副反応疑い報告を例示させていただいておりますが、具体的には前のスライドでお示ししました主たる症状やその他の症状、発生日時、ロット番号等も含めて格納することを想定しております。
続きまして、スライド7枚目が予防接種データベースを活用した予防接種の安全性に係る調査等についてでございます。こちらについては、先ほどお示ししたとおり、接種者と非接種者におけるリスクの検証を行う方向であり、研究班等における検討を行いつつ、関係の専門家の協力を得て対応することとしております。調査に当たっては、解析結果の疫学的妥当性を可能な限り担保するために、予防接種データベースに格納される接種歴やワクチンに係る情報のほか、予診票の情報等、予防接種法の規定を踏まえて収集可能な情報を活用するとしております。
また、その際には、予防接種データベースやNDBなど、連結可能なほかの公的データベースの情報の性質を念頭に置き、実施可能な分析の範囲や結果の制約を考慮するとしております。
また、連結解析するNDBの特性や副反応疑い報告基準、ワクチンの科学的知見等を踏まえ、解析対象とする疾患の範囲を定めることとしております。
スライド8枚目が基本方針部会における議論内容でございます。こちらで予防接種記録の保存期間に関する、これまでの議論を御紹介させていただきます。3月に行われました基本方針部会において、予防接種のデジタル化に併せまして、現状の5年から延長することについて了承いただいていますが、具体的な期間については、個人情報の取扱いや他の同様の制度との均衡性等の観点から、配慮すべき点もございますため、現在検討を行っているところでございます。
当課からの資料の御説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御質問、御意見があれば御発言をお願いいたします。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
これは当委員会で厚生労働大臣に意見を出させていただいた唯一の案件で、非常に重要だと思っているのですけれども、そのことの実現に向けての取組が進んでいるということを大変心強く思って伺いました。
ただ、具体的なところで幾つか教えていただきたいところがあるのですが、まず、この資料で言うと5ページ目、整備イメージというのがあるのですが、ここではNDBとの連結については全く触れられていないのですが、その理由というか、取りあえず副反応疑い報告についての情報を組み込むのが先で、NDBは後からということなのでしょうか。その辺り、スケジュールといいますか、教えていただけますでしょうか。
○予防接種課 予防接種課でございます。 NDBにつきましては、法令上は一応、連結可能なデータベースということで改正予防接種法のほうにうたっておりますので、令和8年6月予定ですけれども、改正予防接種法が施行され、同時にデータベースも構築予定ですが、そうしますと、解析していただく方のほうで、研究内容によってはNDBとの連結というのはできることになります。この絵はNDBを入れ込む形ではないですが、この外側同士で、DB同士での連結は可能ということになります。
○佐藤委員 では、この図は予防接種データベースのイメージで、それをNDBの情報とさらに連結することを想定している。
○予防接種課 そうです。NDB以外のデータベースにつきましても、ニーズであったり、それぞれの法的な整備の枠組みとかで合致するものについては、省令上で規定していくことで連結というものはできます。公的データベースはほかにもございますので、今後、さらに幅広く連結することは可能になってまいる予定でございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
そのときに、この副反応疑い報告の情報と、自治体で持っている接種の情報をどのように結びつけるかということについて教えていただきたいのですが、この人とこの人が同じであるということをどのように確認されるおつもりでしょうか。
○予防接種課 副反応疑い報告につきましては、先ほども申し上げましたとおり、今回、様式のほうを改正しまして、被保険者番号を取る仕組みといたします。これは法令に規定することで、支払基金のほうに、ID5と言って、被保険者番号でいわゆる識別子というものを取ることができるようになります。また、自治体の接種記録のほうにつきましても、一意に個人を特定できるような形の番号を基金のほうに送ることで、ID5というものを取得することができるようになります。そうすると、同じ識別子を副反応疑い報告と接種記録のほうで持つことになりますので、それが予防接種データベースの中で同じ人だということで識別できるようになりますので、そういった仕組みを考えているところでございます。
○佐藤委員 分かりました。
保険者番号ということなのですが、保険が変わり得ることについてはどのようにお考えですか。
○予防接種課 このID5というものが、最古の被保険者番号から生成される識別子ということになっておりますので、おっしゃるとおり、被保険者履歴が変わっていく方がおりますけれども、最古のもので考えていくということで個人を特定できる識別子ということでありますので、改訂があっても大丈夫です。
○佐藤委員 分かりました。
それと、今度のNDBとの連結のときにはどのようなものをお使いの予定でしょうか。
○予防接種課 NDBをはじめ、他の公的データベースでも、このID5というものを共通の識別子として用いていますので、これで同時に研究者の方が1つの申出の研究の中で、NDBと連結したいのですということであれば、同じルールで請求したID5を提供するときにお渡しすることになりますので、それで予防接種のデータベースとNDBを結びつけることができるようになります。
○佐藤委員 すみません、ID5についてよく知らないのですが、今、実は私、NDBを使った研究をさせていただいているのですが、ID5というものは提供されていないのですが、これは一般的に既に提供可能な形で整備されているのでしょうか。
○予防接種課 NDBさんのほうも、もうID5は提供していると聞いておりますが、他のデータベースとの連結の中で。
○佐藤委員 いや、NDBの中で、この人とこの人は同じ人であるかということの識別で、もしそういうID5が使えれば、それは今の問題は。実は、ID1とID2というのがあって、それだけだと、この人とこの人が同じであるか、違う人であるかの識別が難しい場合があるのですが、そこはID5であれば解決される。
○予防接種課 より精緻な識別が可能になるということでID5がございますので、見るところ、NDBは既にID5は取り扱っているはずですので、予防接種課としてはそこまでのお答えになってしまいますが。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、花井さん、どうぞ。
○花井委員 花井です。ありがとうございます。
NDBデータベースというのは使いにくいので有名なのですけれども、ゆくゆくはマイナンバーがPHR的に統合するという長期構想があると思うのですが、そうなれば新たな副反応・副作用に関するさまざまな研究もできるようになると思います。現状は、このNDBが頼りになるところもある。
一方で、今、薬機のほうでロジスティクスについて検討している辺りで、NDBが1か月遅れだということで、調剤データベースの利用も考えていますがそういうものも使うことがあり得るのかというのが1点目の質問です。
それから、もう一点目は、JIHSさんのほうにもお願いしたいのですが、国立健康危機管理研究機構なので、今後、JIHSが全体的にこういうパンデミックとか、いろいろなことが起こったときにあそこに集約して、日本のCDC的な機能を果たしていただくということなのですが、こういうデータベースがどう活用されるかは未定だとおっしゃっているのですね。すなわち、民間のアカデミアがこれを使って様々な分析をすることができるようなデータベースにするべきだということは法人準備室には申し上げていて、JIHSのほうではまだ確定的な回答は得ていませんが、今後、こういう分析が国の都合のいい分析をするのではないかとか、よくある疑いがあって、それを複数のアカデミア等が自由に同じデータベースでいろいろなリサーチクエスチョンを立てて研究できるというようなデータベースにしていただきたい。
だから、国が握って、国がこれで証明されたとかいうのを上から下ろして、だから、科学的に正しいのだみたいなことになれば、それはよくないことになるので、このデータベースが一般・民間のアカデミア等々が利用できやすいようにしていただきたいというのを強く申し上げたいと思います。
後半は意見です。
○予防接種課 予防接種課でございます。
電子処方箋の活用について、お尋ねがありました。こちらの担当は予防接種課ではなくて医薬局のほうになりますが、電子処方箋の情報というのは、先生の御指摘のとおり、NDBより早いということはおっしゃるとおりでありますけれども、まだ普及途上であるということもございまして、二次利用ができるかについては、これから検討しなければいけないというように聞いております。ですので、そういったところの検討状況を見ながら、どういった形で使えるかということは今後の検討というふうにさせていただければと思っております。
○花井委員 ありがとうございます。
医薬局のほうでは既に二次利用の検討をして、医薬品の供給状況をそれで把握できるのではないかということに利用しようということを検討されているようなので、一定程度、それを利用しようということをやっているようなので、それを見て、また使用可能であるようであれば、こちらでもよりよい形で検討されたらと思います。
以上です。
○磯部委員長 まだお答えがあるのですね。お願いします。
○予防接種課 ありがとうございます。
先ほど2点目として、研究者のほうもこのデータベースの内容を使えるようにという御意見を賜ったと認識しております。こちらですけれども、予防接種データベースについても、アカデミアの研究者等を対象とした第三者提供というのを行っていく予定でございまして、開始時期については、データベースと同時ではないという見込みではありますが、検討しておりますということをお伝えさせていただきます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
この案を出したときに、この委員会では地方自治体の台帳と連結したデータベースを強く求めたということもありましたので、それが現実、進行しているという報告を受けたことをありがたく思うと同時に、それはそれでよしとするのですが、もうコンプリートされているのか、それともコンプリートされて活用する方向性に行っているのか。それとも、まだ修正中で、今後修正があって、活用する段階にはまだ行っていないのか、いかがでしょうか。お話しください。お願いします。
○予防接種課 ありがとうございます。
まさに自治体の接種記録の台帳をデジタル化するということがあって、その先に二次利用としてのデータベースの構築がございますので、これは活用する方向で、今、準備を進めております。まず、接種記録の台帳のデジタル化というところでいきますと、先ほど申しましたとおり、改正予防接種法の施行が令和8年6月辺りを目指しておりますので、そこに向けて、その仕組みの構築を進めているところであり、そこで記録が入り始めていくと、その先にデータベースがございまして、そこでデータベースとしての情報が格納されていくことになります。
ですので、こちらのデータベースにつきましても令和8年度中に構築できるようにということで、まさに進んでおりますので、ここについては、何か構想が変わっているとか、まだ検討中であるとか、修正がかかるといったことはなく進んでいるということになります。
○泉委員 分かりました。ありがとうございました。再来年にこれが稼動する。それに向けて、今、動いているということで了解しました。ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、資料1について、そろそろと思うのですけれども、よろしいですか。
では、手短に佐藤さん。
○佐藤委員 すみません、もう一つなのですが、手短に。
研究班でNDBと連結したときの解析方法について検討中ということなのですが、この研究班に薬剤疫学の専門家というのは入っていますでしょうか。もし入っていなければ、ぜひ入れていただきたいというのが意見です。
○予防接種課 ありがとうございます。
薬剤疫学、薬剤に関して疫学の研究をされた経験がある方がいらっしゃると聞いておりますが、御指摘を踏まえまして、薬剤の知見に明るい方が入っているべきことと認識いたしました。
○佐藤委員 ちょっと専門的な話になるのですけれども、いわゆる疫学と薬剤疫学の解析における注意点というのはかなり違うのですね。ですから、薬剤疫学の専門家でないと難しい面がありますので、ぜひ薬剤疫学の専門家を入れていただきたいというのがお願いです。
以上です。
○磯部委員長 では、そういうことで。
○予防接種課 御意見、承りました。ありがとうございます。
○磯部委員長 泉さんは、新たに手を挙げていらっしゃるのでしょうか。
○泉委員 簡単に。
佐藤先生と同じで、私ども薬害を経験した者からしてみたら、薬剤疫学の重要性というか、データマインドがものすごく必要だということは本当に身をもって感じましたので、ぜひそれを厚生労働省に考えていただいて、佐藤先生がおっしゃるように、薬剤疫学の専門家、統計学の専門家を中に入れていただきたいというふうに強く思いますので、よろしくお願いします。
○磯部委員長 力強くうなずいていただいたということで、ありがとうございました。
続きまして、議題3「HPVワクチンについて」の話になります。「委員の求めに応じた個別事項への対応」の1つ。前回の委員会でHPVワクチンを取り上げた際、キャッチアップ接種周知のための資材について、薬機法の広告規制に抵触するのではないかとの議論がありました。担当課からは、「御指摘の資材には個別の医薬品名が記載されていないため、薬機法上の広告には該当しない」旨の回答があったところですが、前回会議の後、泉委員より「個別の医薬品名を示してキャッチアップ接種を促すものがある」との御指摘があり、再度、取扱いの御要望をいただいたものです。
まずは、この議題に関する資料について、事務局と監視指導・麻薬対策課から御説明をお願いいたします。
○江田補佐 まず、事務局でございます。
今、資料2を映しています。資料2の1枚目にお示ししているのが、薬害オンブズパースン会議の要請書で指摘されているホームページです。前回、このホームページを確認した担当課より、「個別の医薬品名が記載されていない」という回答がなされました。このホームページの中ほどにありますリーフレットをクリックしますと、2ページ目、3ページ目のリーフレットが出てきます。
こちらのリーフレットの2ページ目、資料2で言いますと3ページ目の右上の部分に各ワクチンの名称を記載し、接種スケジュールが示されています。この点を今回、泉委員より御指摘いただきました。なお、このリーフレットは10月に改訂されており、現在、ホームページに掲載されているのは、資料2の4枚目、5枚目のものになります。
また、資料2のほかにHPV関係の資料として、参考資料6-1「薬害オンブズパースン会議の要請書」をおつけしています。これは前回の会議でもお示しした資料です。
また、参考資料6-2に「HPVワクチンの副反応疑い報告状況について」をおつけしており、これは前回の委員会後の10月25日に開催された合同部会で報告された最新の副反応件数等になります。
これらの資料も適宜御参照の上、御議論いただければと思います。
続きまして、監視指導・麻薬対策課からお願いします。
○監視指導・麻薬対策課 監視指導・麻薬対策課の中矢と申します。
今、御説明ありましたとおり、前回の当委員会において、私より、今回のこのポスター、リーフレットにつきまして医薬品名が記載されていない。すなわち、特定性がないことをもって広告ではないという答弁をさせていただいたところでございます。こちらの答弁につきまして、極めて不十分な内容でありまして、まず、修正させていただくとともにお詫びをさせていただきたいと思います。申し訳ございませんでした。
そして、改めて前回の御指摘も踏まえまして検討を行いました。前回御説明させていただきましたとおり、薬機法における広告については、特定性、顧客誘引性、一般認知性の3つの要件を満たした場合に、この該当性を総合的に判断するとしております。今回のポスターでございますが、医師等の団体や自治体が公衆衛生の観点から制度を周知する目的で作成しているものと承知しております。また、その内容のうち、このワクチンの効能等を説明する箇所につきましては、厚生労働省のリーフレット等に掲載された内容の範囲であり、あくまで国や自治体が実施する制度を周知するといった範囲にとどまっているものと考えております。
そういった事情を総合的に踏まえますと、本件ポスターにつきましては、特定の医薬品の購入・処方を促すための手段として、顧客誘引性という要件が認められず、薬機法で規制される広告とは言えず、厚生労働省が薬機法に基づきまして指導の対象にすることは難しいといった結論になっております。
前回、私から発言させていただきましたが、医薬品等の広告につきましては、今後、適正化・明確化の取組を行っていくこととしております。花井委員からは、実質、1品目1者しかないという場合の広告該当性などの指摘もございまして、そちらにつきましても検討を行っていくつもりでございます。今回のこの委員会での御指摘も踏まえまして取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、この点について御意見、御質問があればお願いいたします。
では、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
この説明には到底納得できないところですね。これは医師会が出しているポスターで、顧客誘引性と言ったときには、恐らく製薬会社だけではないと思うのです。キャッチアップ接種を行うことにより、実際に予防接種を行う医師あるいはその利益団体である医師会の利益に直結するものですから、まさにこれは顧客誘引性があるものと私は理解しますが、これは厚労省の方と幾ら話しても見解が相違するかもしれませんので、可能ならほかの委員の御意見もいただければと思います。いかがでしょうか。
○磯部委員長 この点についてということで、花井さん、どうぞ。
○花井委員 ある医薬品の過剰な広告については、当然、製販だけではなくて全ての人にかかっていると承知しています。顧客誘引性というのは、多分、薬機法の条文上はそうなっていないのかな、その辺、ちょっと確認したいのですけれども、例えば具体的に言うと、このパンフレットでは12年以上効果があると書いてあります。添付文書を見ると、持続期間は確認されていないと書いてある。つまり、12年以上というのは、添付文書のスペックから言えばちょっと過剰だとか、この辺のところはどのように薬機法上、整理されるのか。
9価ワクチンに関して言えば、効能・効果及び関連注意において、本剤の予防効果の持続期間は確立していないと書いてあるのですね。だけれども、こっちでは12年以上もちますと書いているのですけれども、ちょっと盛った表現。この辺りは抵触の可能性はまだあるのかなという気はします。なので、その誘引性という意味で言えば、ちょっと難しい問題。つまり、予防接種行政で言えば、予防接種法で勧奨を求めれば、あるワクチンを打ちましょうと言っているのだから、それは誘引性があることをすること自体が政策的に決まっているので、顧客にどんどんこの商品を使いましょうと言うこと自体は、政策上、違法にできないと思います。予防接種法とコンフリクトすると思います。
なので、そのスペック以上のことを盛るということは、薬機法上、許されないと思うのですが、その辺の誘引性という考えと、いわゆる誇大広告について、もうちょっと説明していただいて、今回の該当性というものは極めて難しい判断もあるのかもしれませんが、もう一回、そこを整理していただけますでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
広告を規制するに当たりまして、まず、薬機法の広告に該当するかどうかの要件性への該当性を行政で確認することとなります。その中で、3要件たる特定性、誘引性、一般認知性の3つに該当し、薬機法で取り締まるべき広告に当たるとした後に、虚偽広告や誇大広告、その他の規制について問題がないかの判断や行政処分等を行っていくこととなります。今回のリーフレットにつきまして、冒頭御説明させていただいたとおり、入り口である顧客誘引性たる要件を満たさないことから、誇大広告や虚偽広告の判断についても行われない。薬機法でそもそも取り締まりを行わないといったケースとなります。
○花井委員 ありがとうございます。
法律の専門家もいますので、最終的に広告かどうかを特定するための要件があり、特定された段階で、今度は広告自体を評価する手順だから、そもそも広告ではないと評価された以上はそうだという説明ですね。いや、それは、一般人はちょっと理解しにくいですが、磯部委員長、どうですか。
○磯部委員長 私の意見はまた後で。
泉さん、この点に関してですか。どうぞ。
○泉委員 中矢さんとおっしゃいましたか、この前も説明してくださった。
○磯部委員長 この前も今日も中矢さんです。
○監視指導・麻薬対策課 同じ中矢が対応しております。よろしくお願いします。
○泉委員 今、花井さんが言いましたけれども、もう一つ確認したいのは、顧客を誘引する意図と、特定医薬品の商品名が明らかにされていることと、一般人が認知できる状態である、この3つがそろっていることが違反だというふうに認識するから、その3つがそろっていなければ違反じゃないという厚生労働省のお考えなのですか。
○磯部委員長 いや、その3つがそろって広告に当たるという話です。広告に当たって、初めて法律上の権限を厚生労働省も行使できると。
○泉委員 ということですね。佐藤先生、花井先生が言われたように、私は3つとも当たっていると思います。
しかも、厚生労働省の役人の方は考えていただかないといけない。こういう厚生労働省が主導でキャッチアップの広告を出したり、あるいは説明の中で、今、被害を受けた方たちが生まれているということを念頭に置いたら、どこまで注意して、広告じゃない、パンフレットだと言われていましたけれども、こんなものは言葉の違いだけであって、一般の人が見れば広告であり、パンフレットなのです。それを見て、よかれとして、本当は選択の自由があるにもかかわらず、誘導して持っていって、それで被害者を生むような状況をつくること自体が広告違反でもあり、厚生労働省の個別の広告全体という形で考えたら違反です。違反という意識がないのかどうか、そのことをお伺いしたい。お答えください。
○磯部委員長 いかがでしょう。
○監視指導・麻薬対策課 私、委員のおっしゃることは重々理解しまして、気持ちは同意するのですが、私ども、法律を所管して、その法律に基づいて処分とか対応を行う部局としましては、先ほどから申し上げました要件該当性があって、それに合致するものについて薬機法としての対応を行うというルールそのものがある以上、そこから逸脱して処分等を行っていくということは難しく、大変申し訳ないですが。
○泉委員 いや、私に申し訳なく思ってもしようがないのです。私自身は、この広告あるいはリーフレット自体が違反だと。違反が入っていたからこそ、名前を消し込みしたものをつくらせ、直させたわけでしょう。
それと、誘引する意図というのは間違いなくあります。間違いなくあるのは、あなた方、外に出て、皆さんに聞いてみたらいい。こういうパンフレットをもらったら、学校でみんなワクチンを打つのが普通だ、当たり前だというほうに誘引しているのですよ。それを、選ぶ権利があるのに、みんなそこのところが言い出せないし、怖いなと思っても、みんなやっているから大丈夫だというような形に一般認識として認知させてしまっていること自体が違反なのです。それで被害が出ている。
9価ワクチンを進めてから、被害者が少しずつ増えていますね。少しずつなのか、多いのか、私、そこまで調べていませんけれども、これに関して、私に申し訳ないですがと言ってもしようがないのです。薬機法を改正するなり、薬機法にもう少し厳しく、ちょうど新しい薬機法が再来年ですか、できる。ぜひそれを考えて、こういうような広告、リーフレットができないような仕組みをつくっていかなければいけない。それは、佐藤先生がこの前、お伺いしたときに、誠にそう思いますということを2回、厚生労働省が言っているわけです。誠にそう思いますと言ったものを、どういうふうに実行するのですか。その実行をするために何をしたらいいのかということを考えてするのが厚生労働行政だと思っていますが、いかがですか。
ですから、実際に動かないといけない、やらないといけないという意識。謝るのは私たち委員会の委員に対してではないです。国民に対して、どういうふうに間違いない広告、あるいはそういう事実を規制していくのかということを紹介できるような形にしていかないといけないと思いますが、それに対してお答えください。
○監視指導・麻薬対策課 御指摘ありがとうございます。
広告の適正化につきましては、委員おっしゃいましたように、この薬機法の改正の中で制度部会での議論がございまして、明確化・適正化ということを図っていくこととしておりますので、いただいた御意見、その他、委員からいただいた御意見も踏まえて、適正化に努めてまいりたいと思います。
○磯部委員長 そろそろよろしいでしょうか。
○泉委員 1つだけ。佐藤先生が言われたことにごもっともであるという回答をしているのと、前向きにしっかり検討させていただきたいと言っているので、ぜひそれを実行のほうに持っていっていただきたいと思います。
以上です。すみません。
○磯部委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
皆さんの御意見をお伺いしていて、本当に難しいなと思っていて、私も医療機関で似たようなポスターを見ました。ちょっとセンセーショナルだけれども、言いたいことはすごく伝わってくる表現だなと思っております。薬なので、ゼロリスクはない中でどう伝えていくのか、メリットとデメリットをどう伝えていくのかがすごく難しいと思うので、基準を設定することが難しいと思います。
今、いろいろな情報がある中で、このワクチンについて注目してほしい、関心を持っていただけるように伝えることは、とても難しいと思います。どういう表現をしていくのが望ましいのか、プラスとマイナスがあると思うので、しっかりと議論する場が必要だなと思いました。
不具合を申し出る方が一定数おられる中で、どのような検討をしてこのような表現でポスターを作成されたのか。こういった世の中の意見というものをどう認識して、こういう表現になったのかということを知りたいです。
気になっているのが、4ページ目の左側のマル3、HPVワクチンを知ろうというところで、「がんを約9割防げる。有害事象は「心配ご無用」」と書いてあります。この表現はちょっとどういうことかと思います。これをつくる過程で多分検証していると思うのですが、どういう視点で検証して、こういうものができてきたのか。この途中過程を知りたいです。今後も、こういったリーフレットをつくるときのために、どのような考え方で何をを議論して、このような表現になったのかということを明らかにする仕組みというのがあってもいいのかなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 富山県医師会の資材ですので、どういうふうにつくったかは、厚労省はそこまでは把握していないのでしょうけれども、何か答えられることはありますか。別に自治体にどういう周知をしているのかとか、それとも全然あずかり知らない感じなのですか。
○予防接種課 予防接種課でございます。
今の御指摘については、個々の自治体がどういう考えの下、こういった資料を作成されているかということは、正直申し上げて国としては把握しておりませんので、承知していないということになります。ただ、自治体の皆様方には、こういう周知に当たってのお願いというものは、事務連絡や自治体への説明会で趣旨を含めて御説明申し上げているところですので、その結果、自治体がどういうふうになさったかということまでは把握しておりませんが、本日の御議論も踏まえて、この委員会での御意見、御指摘なども踏まえて、被接種者の冷静な判断に資するような周知を行っていただくように、今後も配慮していきたいと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございます。
ちょっと時間もあれなので締めたいですが、広告かどうかということを改めて慎重に検討していただくという有意義なプロセスだったと思いますし、解釈として当たらないというのも私は理解するので、そこの法律論は難しいなと思うのですけれども、物がワクチンなので、そこを薬機法の一般論で突っ走っていいのか。公衆衛生の役に立つとお勧めしているわけですね。そのときに本当に熟慮してやっていただけるかということについての、ワクチン固有の情報提供の在り方ということを、どこかでリーフレットをつくる際にはこんなことを留意してくださいみたいなガイドラインとかがあればいいのかなと思いつつ、でも、そんなものは誰がつくるのだろうと思ったのですけれどもね。
実は、私も学生に協力してもらって、全部の都道府県の県庁・医師会を見てみました。富山の資材をほかの自治体が転用したりしていて、いろいろな影響力はあっただろうし、中には「まずい、すぐ打たなきゃ。ぴゅーっ」と走っていくような漫画があったりして、なかなか熟慮してもらうような雰囲気じゃないものは散見されたのです。ですので、ワクチン接種を促しつつ、しかし、情報を正しく伝えていくリスクコミュニケーションの在り方ということが大きな課題であり、それは薬機法の広告に当たるか当たらないかというだけで済ませてはいけない問題だということで、今後も御検討いただきたいというふうに、今回のやり取りを通じて感じましたので、ひとつよろしくお願いいたします。
では、花井さん、1つだけ。
○花井委員 確かに今、薬機法を改正するので、薬機統制でこの問題を解決できるかというのは技術的に難しい気はしています。だけれども、結局、このワクチンに関しては、「有害事象は「心配ご無用」」というのは、一般の医薬品でやったら絶対アウトなので。あと、データもいいかげんなことをやっているところもあって。なので、健康・生活衛生局予防接種課において、もちろん予防接種法で義務化しているわけだから勧奨はしなければいけないわけですけれども、そのとき薬機法66条があって、それ直接ではないけれども、それに使われるワクチンについては、エビデンスべースドでちゃんと書くようにと。
特に医師会様に対しては、専門家集団なのだから、もし書くんだったら、一番最後に文献か何かぐらいは書くように、そのように指導という形で、今後勧奨するに当たって。つまり、この66条があるから、直接ではないけれども、そことの整合性という問題もあるので、データに基づいた、何%と書くときにはそこに留意することと。
専門家集団におかれては、9割と言ったって、ウイルス別なので、これもデータは本当かというと、9割予防も怪しいのですけれども、そういったことが公的文書として出ること自体は望ましくないので、健康・生活衛生局のほうで指導か、今、委員長のほうからガイドラインとありましたけれども、そういう形で今後は強くやっていただくほうがいいと思います。そういうことはできますね。指導というかガイドライン的なものは。
○予防接種課 予防接種課でございます。
予防接種法に基づく対応を、行っていく中で、直接的に指導という権限を有するか有さないかという1点だけで言えば、それはないのですが、いただいた御意見の趣旨は十分に理解いたしますので、そこは正確な有効性や安全性等に係る記載をしていただき、適切な理解の醸成に努めていただくよう、こういった観点で取り組んでまいりたいと思います。
○花井委員 患者は開業医の先生方は専門家と思っていますので、よろしくお願いします。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、ワクチン接種について、ぜひ冷静な意思決定が阻害されることのないようにという1点で、今後も引き続きよく検討していただければと思います。どうもありがとうございました。でも、また機会があったら議論しましょうということにさせていただいて。すみません、もう20分以上遅れているので。だから、私を委員長なんかにしないほうがいいのですよ。
議題の順番を変更して、議題6「その他」として、参考資料8を御説明いただく関係で、そちらに行きたいと思います。前回、第17回の委員会で催奇形性のある薬剤の安全対策について議論しましたが、催奇形性のある新型コロナウイルス感染症治療薬に対する対策が現状では不十分ではないかとの御指摘を委員からいただいたところです。その御指摘を踏まえて、追加の安全対策が講じられたとのことですので、参考資料8の内容について、医薬局医薬安全対策課より御説明をお願いいたします。
○医薬安全対策課 医薬安全対策課でございます。
参考資料8-1及び8-2に基づきまして、「ゾコーバ及びラゲブリオに係る投与後妊娠判明事例防止のための取組」について御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症の患者を対象としました抗ウイルス薬でございますゾコーバ及びラゲブリオにつきましては、催奇形性リスクを有することから、妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされております。しかしながら、これまでに投与後に妊娠が判明した事例が報告されておりまして、前回、第17回の本委員会において、その状況を御報告しているところでございます。
ここで改めて、従来実施してまいりましたゾコーバ及びラゲブリオに係る妊娠事例の防止のための取組について御説明させていただきます。
まず、上段ですが、RMP、リスク管理計画に基づきまして、製造販売業者が医療従事者向けの資材及び患者向けの資材を作成しまして、医療機関等に提供しております。
また、中段、資材の運用等ですけれども、ゾコーバの場合、緊急承認下では、緊急承認品目であることに加えまして、妊娠の可能性がある場合には服用できないため、医師等に申し出ること等を、同意説明文書を用いてきちんと説明した上で、患者さんに署名していただくような運用となってございました。現在ゾコーバは、通常承認に切り替わっておりますので、医療機関では、処方時に事前チェックリストを用いて、妊娠していないこと、妊娠の可能性がないことを確認すること。また、薬局におきましても、調剤時に資材を患者に手交して、再度妊娠の可能性がないことを確認するということについて、製造販売業者のほうから医療機関等に対して要請してございます。また、これについては定期的に周知してリマインドも行っております。
一方、厚生労働省におきましては、新型コロナウイルス治療薬の取扱いについて注意喚起するような事務連絡を8回発出してございます。また、一般の方向けの注意喚起としまして、厚生労働省のXのアカウントを用いた情報発信を行っております。
また、投与後に妊娠が発覚した場合には、製造販売業者が医療機関や薬局に事前チェックリストの利活用状況を確認しております。
しかしながら、こういったこれまでの取組にもかかわらず、投与後に妊娠が判明した事例が継続しているということで、こういった事例を分析しまして課題を整理しました。それが左側にお示ししているものになります。まず、そもそもRMP資材の活用が確認できない症例が存在するということ。一方で、RMP資材が活用されたにもかかわらず、服用後妊娠が判明した事例も複数存在することが確認されてございます。
この原因といたしましては、妊娠は非常にデリケートな問題でありますので、患者様が受診時に、正直に性交渉の有無を報告できなかったという可能性も考えられるところでございます。
また、前回、患者に対して、医師の説明の理解度を確認してはどうかといった御指摘もいただきましたけれども、通常、製造販売業者が患者に対して、直接アクセスするということは行っておりません。また、服用後に妊娠が判明して困惑している患者様、もしくはその家族に対して、理解度や応答内容等を聴取するのは配慮に欠けるという面もございまして、なかなか困難な部分もございます。
これらの課題を踏まえまして対応の方向性をお示ししましたものが右側の欄になります。
まず、添付文書の8項、重要な基本的注意に、妊娠が可能な女性に対しては処方の必要性を十分に検討した上で、処方が必要な場合であっても妊娠の可能性を丁寧に確認することを新たに記載しまして、医療従事者向けに改めて注意喚起を行いたいと考えております。
それから、中段、RMP資材等の活用ですけれども、医療現場における事前チェックリスト等の活用について再度周知徹底を図りたいと考えております。特に、RMPの資材を使用せずに妊娠が発生したような医療機関に対しては、重点的に注意喚起を実施いたします。
また、中段ですが、患者様が服用するタイミングで改めて注意喚起を行うという観点で、マル1ですが、患者が手にするボトル包装、PTPシートもしくはPTPシートカバー、こういった容器や包装に、妊婦及び妊娠の可能性がある方は服用禁止である旨をきちんと表示する。
それから、マル2ですけれども、従来、医療従事者向けの資材のみに添付されていた「事前チェックリスト」を患者向けの資材にも反映したいと考えてございます。
それから、下段になりますけれども、患者さんの理解度等に係る情報収集としましては、プライバシーとか患者さんのお気持ちに十分配慮しつつ、医療機関を経由した情報収集を継続したいと考えております。また、国立成育医療研究センターに設置されました妊娠と薬情報センターでフォローアップしているような症例もございます。その妊娠と薬情報センターや製造販売業者等とも連携しまして、可能な範囲で、資材の活用状況や理解度等の情報を得ていきたいと考えてございます。
○磯部委員長 予定時間を超えているので、巻きで。
○医療安全対策課 承知しました。
こちらが先ほど御説明しました添付文書の改訂の内容となります。こちらは12月4日の安全対策調査会で御審議いただいて御了承いただいておりまして、12月17日付で添付文書の改訂を指示する通知を発出してございます。調査会の資料は、参考資料8-2として、お付けしております。
それから、こちらが先ほど申し上げた患者向けのRMP資材ですが、こういうチェックリストをつけております。こういった患者向けの資材というのは、薬局で薬剤師によって活用されていますので、この改訂により、薬剤師も事前チェックリストを用いた確認が可能となります。
それから、今回の添付文書改訂の内容や資材の活用等について、これも12月17日付で医療機関等に周知する事務連絡を発出してございます。
最後、容器包装等への表示ですけれども、まずゾコーバ錠のPTPシートカバーに、赤字ですけれども、「妊婦および妊娠している可能性のある女性は服用禁止」と記載して、これは12月17日から配布してございます。
ゾコーバのPTPシートの裏面、それからラゲブリオのボトル包装についても、同様の注意喚起を印字することを検討してございます。
御説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、委員の皆様からコメントなどをお願いいたします。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 この件は、私が前回、意見を申し上げたことに対することですので、コメントさせていただきたいと思います。
前回から非常に短い期間の中で添付文書の改訂までされたということで、迅速な対応をしていただきましたし、この添付文書において、こういう確認をきちんとすべきであることが明記されたということを、私は大変高く評価したいと思います。多分、この委員会で私、監視ではなくて評価という言葉を初めて使わせていただいたのではないか。
ただ、前回、花井委員も言われましたけれども、本当にこういう資材をせっかく作っても、医療機関で活用されないケースがあるということに関して、添付文書に幾ら書いてあったとしても活用しないところはしないのかなというところが、その懸念が残るわけですね。ですので、今後におかれましては、さらにもう一歩進めて、例えばチェックリストをある種同意書のような形にして、医療機関名と患者さんがそれぞれ署名するような形にして、それを医療機関内で保管する、保存するというところまでいくと、相当効力を発揮するのではないかなというふうに思います。
患者さん側からしても、説明を受けた、受けないで、もしその後に妊娠が判明したときに、十分な説明を受けていないと感じる場合も恐らくあると思いますので、そういうときのことも考えたときに、医療機関の中で医師と患者さんとが両方確認してチェックして署名していれば、そういう問題も恐らく大幅に減らすことができるだろうと思いますので、今後はそういうことに向けて、もう一歩進めていただければ百点満点になるのかなと思っております。
以上、お礼と意見です。ありがとうございました。
○医薬安全対策課 ありがとうございます。
医療機関に対して義務づけるというところまではなかなか難しいかもしれませんけれども、製造販売業者のほうから医療機関に対して、きちんと妊娠の有無をチェックリストを活用して確認したかどうかを記録していただけるよう、お願いするということはできると思いますので、そういった対応は取っていきたいと考えております。
以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
では、花井委員、どうぞ。
○花井委員 大変進捗したと思うのですけれども、妊娠してしまった方々が、成育医療センターにこの窓口はあるのですけれども、成育医療センターのほうもちょっと伺うと、小児とか妊娠の場合のエビデンスがないから、あまり確定的なことを情報公開できないというジレンマもあるということで、一応連絡を取ってということになります。だけれども、妊婦さんは10か月間、ああ、飲んでしまったという心配し続けるわけだから、成育医療センターのほうでその辺のフォローアップ、もし許可があれば、かかっている産院の先生に成育医療センターのほうからちょっと連絡してサポートするようなこともできれば、妊娠してしまったのにということで、ずっと私が失敗したと思って出産までいくのは大変だと思うので、成育医療センターのほうにまた協力要請をお願いできたらと思いました。
以上です。
○医薬安全対策課 今も一部の症例については成育医療研究センターのほうでフォローしていただいておりますので、引き続き成育のほうにも協力を依頼して、適切にフォローアップできればと思います。どうもありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、この参考資料8については、ここまでとしたいと思います。ありがとうございました。
続いて、参考資料7になります。議題4「医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査について」ということで、独自に海外調査を行うという取組をしております。6年度に実施した薬事制度に関する調査の一部について、今回、結果の御報告をいただくと。まず、事務局から御説明をお願いいたします。
○江田補佐 事務局でございます。
御報告に先立ちまして、この調査の背景について御説明させていただきます。参考資料7を御覧ください。こちらの資料は、本年3月の第15回監視委員会においてお示しした資料から「(案)」を取ったものになります。海外調査については、欧米の薬事制度に関する調査と、個別医薬品に関する調査の2部構成で調査を行っており、そのうち、欧米での薬事制度につきましては、2の(1)のマル2に記載のとおり、今年度、2項目の調査を行うことにしております。本日は、そのうちの1つ、「ii)GMP調査や患者・市民参画の取組に関する追加調査について」の御報告ということになります。「i)医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組について」については、次回の委員会での報告を予定しております。
事務局からは以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
2つの調査項目のうち、まずGMP調査について御説明いただいて議論して、その後、患者・市民参画の取組について御説明いただいて議論するというふうにしたいと思います。
資料3-1をお願いします。PwCコンサルティング合同会社からの調査結果の御報告です。どうぞよろしくお願いいたします。全体で10分程度ということになっています。お願いします。
○PwC PwCの山崎でございます。よろしくお願いいたします。10分程度ということですので、駆け足で説明させていただきたいと思います。
次のページになりますが、まず米国についてということで、FDAのGMP調査官についてでございます。新しい話としましては、従来、FDAのOffice of Regulatory Affairsの1組織の医薬品・たばこ製品業務室が、GMP査察について担当していたということなのですが、2022年に粉ミルクの細菌汚染、それから、その関連製品の大規模リコールによる粉ミルクの深刻な供給不足が発生したたことを受けまして、FDAの対応に改めて見直しがかけられて、業務の重複した非効率な部分を見直すための大規模な組織改変が今年の10月1日付で行われたということでございます。ORAがOIIという組織に再編されたという形になっております。
続いて、FDAのGMP調査官の役割というところでございますけれども、それぞれ要件ということで、こういったことを求めるということが出ております。一つ一つは読み上げませんけれども、こういったGMP調査官の役割ということが明確化されていることになります。
それから、GMP調査官の要件としまして、枠内にあるような、調査官になるために認定された科学的な単位を大学で専攻する、卒業することが基本的には求められるということでございまして、さらにFDAの場合、職階については、ここにありますようなBand制度が設けられておりますが、調査官の基本的なところ、Band AとかBand Bといったところについては、学士号と2年間の経験、Band Bはさらに3年間の経験といったところが要件として求められております。
Band Aの調査官に求められる要件、スキルとしましては、複雑な専門的理論、概念、原則、基準、方法を幅広く適用する知識とスキルであるとか、こういった幾つかの要件を明確化されているということになります。
さらに、その上のBand Bについては、Band Aの要件に加えて、ここに挙げているような4つの要件を習得していることが求められているということになります。
そのGMP調査官の研修方法ですけれども、初期研修、継続研修、あとは認定。認定は、製品群関連の認定ということになりますが、そういった形で分けられた記載になっておりました。
初任の調査官は、GMP規制とか調査技術、コンプライアンスの審査をカバーするFDAの体系的な研修プログラムといったものを受講することになっています。1年間の試用期間があった上で初期研修を受講して、実地研修検査などを行った上で、きちんとした調査官になるということになります。
それから、実際の研修方法ですが、どんなテキストを使っているのかといったことについてFDA当局に問合せしましたけれども、基本的に原則、一般公開はしないということでございました。ですが、一部、一般公開しているものとしては、ここに挙げておりますような「The Investigations Operations Manual」とか「Compliance Program Manual」といったものを使っているというようなことを教えていただきました。
この研修方法についてですが、それぞれのバックグラウンドに応じて、どういったところのスキルを身につけていくのかであるとか、給料がどれぐらいなのかとか、そういったものが表になっておりましたので、参考までにおつけしております。
続いて、EUのGMP調査官についてということですが、基本的にEMAが自ら査察をするということではなくて、査察の枠組みなどを提示しているということでございます。実際は加盟国の国内当局が査察官を擁しておりまして、査察を実施しているというところになります。
そういった中で、GMP調査官の要件といったものが、DirectiveとかRegulationのほうで規定されております。このDirectiveのところ、下のほうにありますけれども、適格者は次の科学分野、薬学以下、ございますが、いずれかにおいて、少なくとも4年間の理論的・実践的な研究を行う大学の課程などを経なければならないと定義されているところでございます。
2つ目のところには、その実務経験などについての定義が載っております。
あとは、GMP調査官については、対人スキルとか雰囲気づくりなどについても、こういった人材が望まれているというようなこともEMAのほうで規定しておりますのと、あとは、GMP調査官の研修方法につきましては、基礎研修について、こういった内容を習得することが求められております。
それから、追加研修として、これは具体的に何を追加研修するかというよりも、こういう考え方で追加研修を設定してくださいということを加盟国に投げかけているということでございます。
それから、継続研修についても、昨今の新しい製造技術の急速な導入であるとか、医薬品の生産・品質管理の両方での自動化・コンピュータ化等々、目覚ましい進歩がございますので、査察官についても継続的な研修を受ける必要があろうということを明示されております。
なお、こちらは当局に問合せをしたところでございますが、EUには、GMP調査官が2~3年ごとに自動的に別の職務に異動するといった一般的な規則はございませんので、調査官は基本的に特定の部署にずっといて、その知見を蓄えることが可能になっているということでございます。
参考としまして、今回、PMDAと東京都にヒアリングをさせていただきました。
PMDAにつきましては、GMP調査員の採用・教育訓練の状況ということで、中途採用、嘱託、出向などの様々なルートで確保していることであるとか、それによって多様な人材が集まっていることがプラスに働いていること。それから、GMP調査員の要件をPMDA内で独自に評価基準などを設定していて、試験なども実施しているということ。あとは、国際的な教育訓練機会も確保しているようなことをヒアリングでお伺いできております。
それから、課題のところになりますけれども、下の枠のほうになりますが、1つ目、人材の不足ということで、PMDAは相対的に給与水準が低いので、就職希望者が少ないというようなことが今、課題になっているということでございます。そういった中で、教育訓練を担う人材もだんだん少なくなってきていて、熟練者は育成と調査の両方を担うことになるということです。
それから、2つ目、現場経験や実践的な教育訓練機会の確保ということで、OJTを通じた実際の調査で課題を指摘して品質管理の質を高めていくような現場経験が一番大事だということ。この機会をどう確保していくかが課題だということでございます。
3つ目です。都道府県のGMP調査員の教育訓練支援の在り方ということで、PMDAのほうで単発で講師派遣を行っていますが、人材が足りないということの中で、どこまで講師派遣を広げていけるかといったところは非常に悩ましいところで、今後、どのようなトレーニングが実地調査スキルの向上に資するものになるのかを検討していきたいというようなお話をいただいております。
それから、PMDAでの都道府県への教育支援の状況ということで、ここの右上のところ、実地調査の支援とか、4つほど枠になっておりますが、こういったことを今、様々実施されているところでございます。
続いて、東京都のほうです。東京都については、ここにありますように、薬学や法律など多様な専門的知見が求められております。そういった中で、新規採用のみを採用ルートとしておりまして、その中から要件を満たした方をGMP調査員として認定しているところになります。
それから、PMDAと異なるところは、都道府県は違反調査も実施しておりまして、こういった違反調査のノウハウについても、関連する様々な部署での経験が積めるように計画的に異動しているということでございます。
それから、認定・教育訓練の状況ということでございますが、東京都の特徴としましては製造所が少ないということがございまして、これを補うために、首都圏を含めた地域ブロックの中で共同の研修を実施することで、東京都内に少ない製造所の種類について、他県でできるような取組をしているということでございます。
最後、GMP教育への参加状況についてになりますけれども、違反措置に関する研修の実施を重要視しているということでございました。先ほど申し上げたように、都道府県ブロックを越えて受講できる仕組みをつくっていくということ。
それから、受講しやすい環境の整備ということで、国立保健医療科学院のほうも研修をされておりますけれども、希望者の方が全員受けられるような体制であるとか環境整備といったことを要望したいというようなお話をいただきました。
駆け足で恐縮でございますが、GMP調査については以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。大変たくさんの情報を手短に御説明いただきましたけれども、委員の皆様から御質問、御意見などあれば、お願いいたします。
花井さん、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。
PMDAも苦労しているのですけれども、今後はキャリアパスですね。もうちょっと広い意味での人材育成というか。アメリカなんかは割と企業と行ったり来たりしているところもあって、日本の場合は厳しくがちがちとやっているところもあるので、そういったことも含めて、今後、多分査察官が足りなくなってくるので、そういうことをまた調べられたらいいかと思いました。ありがとうございました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
その他、いかがでしょう。
伊豆津先生、どうぞ。
○伊豆津委員 ここ数年で国内の水準がかなり上がっていると思うのですけれども、FDAなどと比べると、無菌の医薬品であったり、自動化の知識まで持っている方はどうしても限られるということで、その辺り、十分に人材育成、頑張っていただきたいなと思っています。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
よろしいですか。
どういうことを調査していただくか、事前に山崎さんとディスカッションさせていただいていて、話が済んでいるようなことがなくはないのですけれども、そういうわけではなくて、改めて、この資料をよく読み込んで、人の振り見て我が振り直せで、これでどういうふうに日本の医薬品行政その他、体制全体に反映できるのかということを、一過性じゃなくて継続的に我々も検討していかなければいけないなと思った次第です。全然違うところは違いますからね。ありがとうございました。
続きまして、患者・市民参画の取組についてということでお願いいたします。これは、まず、PwCコンサルティング合同会社から調査結果の報告をお願いし、この項目については、日本の状況の一部として、PMDAからもその取組の御説明をいただけるということになっていますので、続けて御説明いただいて、まとめて議論の時間を取ることにしたいと思います。まず、資料3-2でPwCコンサルティング合同会社からの御説明をお願いいたします。
○PwC 引き続き、PwCの山崎でございます。よろしくお願いいたします。
資料が六十数ページで、これを10分程度ということでございますので、猛烈にスピードを上げていきたいなと思いますけれども、こちらも令和4年度に患者・市民参画についての調査結果、この委員会の中で実施されております。その中での追加的な調査という位置づけでございます。
右側にありますように、令和4年度に米国での患者参画のプラットフォーム、ここに1、2、3、4、5、6とありますが、こういったプラットフォームが設置されているという御報告があったところでございますが、それぞれについて、どういった取組なのかといったところをもう一回さらうという形で調査のほうをさせていただきました。
患者代表プログラムについて、まず最初になりますが、PRPと言われているものでございます。米国では、医薬品開発に関する47の諮問委員会がございますが、ここに200名の患者代表が参画しておりまして、300を超える疾患について患者の意見を届けているというような状況でございます。この歴史的経緯といたしましては、1987年に治療や新薬開発の加速化と、それに伴う患者参加を求める抗議団体「ACT UP」といったものが設立されたのをきっかけとしまして、最初はHIV/AIDSのところなのですが、がんやその他の重大疾患に対象をどんどん拡大させてきたというような流れでございます。
患者代表プログラムについて、非常にたくさんの諮問委員会がございますので、それぞれ医薬品開発のプロセスのどこに位置づくのかというのは本当に様々でございます。上流もあれば、上市されてからといったところもございます。そういった中で様々な患者さんの声が届いていることになります。これは令和4年度の調査報告にありましたように、リスクコミュニケーション諮問委員会での参加の状況です。参加代表A・Bの意見が左にありますが、こういった内容を伝えているであるとか。
あとは、医薬品とリスクマネジメント諮問委員会などに参加しているといったところについては、資料として、前回、令和4年度の報告で既に取り上げられております。
この諮問委員会に出ている患者代表はどういった方かということで、例えばがんサバイバーの患者、Annie Ellisさんは、がん臨床研究財団の諮問委員会などに参加していて、米国のがん臨床研究協会の科学者等々のプロジェクトにも参画しているというような方。
あと、この方もがんサバイバーになりますけれども、サンディエゴ卵巣がん協会を設立して、さらにはOvarian Cancer Research Alliance、この分野での世界最大の団体になりますけれども、そこともコミュニティーパートナーになっている。そういったところの代表者の方々が参加しています。
参加する患者さんの選ばれ方になりますけれども、普通にウェブで公募がかかっておりまして、下のほうにアクセス時点で募集されている分野などございますが、ここに自身の強みとか伝達能力などについて売り込む。それによって選ばれるという形になります。
続いて、患者中心の医薬品開発(PFDD)というものがございます。これはまさに医薬品開発に当たっての患者の経験についての情報を取るということになります。当初、FDA主導の会議だったのですが、非常に効果的だということがございまして、2023年はFDA主導が1回なのに、患者団体が主導する右のほうのEL-PFDD会議は13回という形で、非常に盛んに活発に開催されているということになります。
続いて、患者のリスニングセッションというのがございまして、こちらも全米希少疾患患者協議会の協力の下で2018年から始めているものになります。FDAが特定の質問項目を用いて患者の声を吸い上げるというような取組のFDA要請型というものと、患者団体が自らの見解をFDAと共有したい場合の患者主導型といった2種類の形をもって、対話の機会、リスニングセッションを設けているというものになります。
FDA主導だけ表にしていますけれども、今まで23テーマ実施しておりまして、患者主導型については、さらに66テーマが別途議論されているということになります。
続いて、患者参画諮問委員会というのがございます。これは医療機器の規制や使用に関する複雑な問題について、患者や介護者がそれぞれのニーズ・体験を共有するというような場として設定されているものでございます。これがここ7年ぐらいです。議題としては、こういうものが設定されているというところで御紹介いたしました。
さらに、この諮問委員会のフィードバックが、どのように実効性のあるものとしてFDAが実施した措置につながっているのかということも、きちんとホームページで明確化されておりまして、それを例として挙げているものでございます。
続いて、患者参画コラボレイティブです。これはFDAとデューク大学のCTTIという官民パートナーシップで行われているものでございまして、こちらも医薬品開発やその他の規制について、患者代表が参加するというような場として設定されておりますので、御覧いただければと思います。
最後、患者と介護者のコネクション、P&CCというものがございます。これはCDRHの職員と患者団体が、患者と介護者から医療機器の使用に関するフィードバックを収集することを目的として実施しているものになります。特筆すべきは、団体として自らの職員がどれぐらいの割合、患者と接する機会を設けるのかというのをきちんと目標設定している。これが非常に明確というところでございます。2017年末までに90%が職務の一環として患者と接する。いかに患者の体験を重要視しているかということが分かるかなというところでございます。
以上がFDAでございますが、続いて欧州になります。欧州の場合は、1995年にEMAが設立されておりますけれども、規制プロセスに患者や消費者を参加させる取組の一環として開始ということでございます。HIV患者さんとの対話というのがきっかけになっておりますけれども、そういったことになります。
2005年に患者と消費者団体(PCO)との交流の枠組み、EMAがどういう形で交流するのかという枠組みが設定されまして、これに基づいて2006年に患者・消費者ワーキングパーティ、いわゆるPCWPが創設されているということになります。
そういった取組をきっかけにしまして、例えば2008年ですが、PCOの代表者がEMAの活動に関与している数が、2007年の77名から、2008年は倍以上の165人に増えたこととか、2009年は213人、2010年は307人にまで増えて、しかも内容的にも非常に多岐にわたる参加をしているというような経緯が示されております。これが2010年までの歩みでございますので、その経緯というのはアニュアルレポートで出ているのですが、どんどん複雑な問題にも関与しているというところが分かるものになっています。
医薬品開発パイプライン上の参画タイミングということで、これも様々なプロセスの局面で参画していることになっています。
2017年に飛びますが、Public hearings Involving young peopleとありますけれども、2015年にPCWPと、あとは医療提供者のほうでつくっているHCPWPというものがあります。この両ワーキングパーティで特定のトピックスについて議論を行う会議体「トピックグループ」というものが設置されました。当初設定されたテーマはこういったものになるのですけれども、一番最初、EMAの活動における患者の関与の影響ということがございます。
そこの議論を踏まえて、「EMA活動への若者の関与」というものが議論されました。その結果を踏まえて、2017年にはその原理原則が示されるというようなことで、患者団体の中の特定のトピックグループの議論といったものが、こういったプリンシプルにまで落ちてくるというようなことが、この例でもお分かりになるかと思います。
マル6、2020年、時間もあれですので、飛ばしますが、今、一番新しい年報、2年に1回になりましたけれども、年報で示されている特に大事なところ、今後どういう取組をしていくかといったところが掲げられておりますので、赤字にしております。
患者の意見をより早い段階で取り入れる機会については、特に有益性と危険性の評価に関して、患者体験データイニシアチブ、こういうプロジェクトがあるようですが、それと並行して検討していきます。
医薬品やワクチンに関する情報やコミュニケーションへの関与は、特に薬剤耐性や誤報・デマへの対応に関して強化される。
EMAの業務に参加する患者代表、患者代表団の能力を向上させる上で、研修は非常に重要だと。ビッグデータ、実世界データ、リアルワールドデータですね。人工知能などの新たな複雑なトピックに焦点を当てた研修ニーズのマッピングを行う。
最後、医療従事者団体、学生団体、学術機関とのより組織的な協力体制を確立することで、次世代の医療従事者とどのように関わりを持つのが最善であるかということに焦点を当てた取組を進めるということでございます。
こちらが、先ほど来申し上げましたように、患者委員参加の機会がどうなっているか。これは令和4年のときに既にまとめられております。ここにも参画のタイミングとしまして、参画の方法と参画の場といったことで、その例を挙げさせていただいています。
最後に、先ほど申し上げました年報で、EMAが患者参画の進展を非常に事細かに、しかも統計も含めた形で公表しておりますので、そこのサマリー部分だけ改訳して載せております。非常に参考になる部分もあるかなと思いますので、お時間あるときに御覧いただければと思います。
以上でございます。
○磯部委員長 すみません、ありがとうございました。
続いて、PMDAから資料3-3についての御説明をお願いいたします。
○PMDA PMDAの近藤と申します。安全、それから技術総括担当理事をしております。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
今、コンサルさんのほうから、欧米における患者参画の取組について御報告いただきまして、それに加えてPMDAからプレゼンテーションの機会をいただきまして、ありがとうございます。今、御報告いただきました欧米の取組などと比べますと、まだPMDAの患者参画の取組、非常に歩み出したばかりというところがございます。日本の場合、PMDAのほか、厚生労働省とか、いろいろ行政に関わる組織もある中で、PMDAがどのように関わっているかということを今日は御紹介させていただければと思います。
今日、この場にいらっしゃる先生方には、PMDAの業務を改めて御説明するまでもございませんが、審査・安全・救済を3本柱としまして、私ども、いつも業務説明のときには、この真ん中に国民の皆様がいらっしゃるということで説明申し上げております。
それから、2019年にPMDAは4Fカルチャーというのを定めておりまして、Patient First、Access First、Safety First、Asia Firstという4つのFにおいて、まずPatient Firstである、臨床現場と良好なコミュニケーションを築いて、患者さんの満足度を最優先に業務を行うのだといったものを定めております。
患者参画に関しますPMDAの取組でございますけれども、患者さん向けの情報提供ということでは、ここにお示ししたような情報提供を、PMDAができた当初から取り組んできているところでございます。ただ、これは情報提供ということで、どちらかといいますと1方向性のものということが言えるかもしれません。
それから、患者さんからの情報収集ということで言いますと、患者副作用報告というものを2012年から試行しまして、2019年から制度化ということで実施しているところでございます。この患者副作用報告は、2010年の厚生労働省における薬害肝炎検証・検討委員会の最終報告に基づくものでございます。
それから、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議も厚生労働省で実施されているものでございますが、こちらでは、学会のほか、患者団体の皆様からの意見なども受け付けられているというふうに承知しております。
また、PMDAの会議体への患者さんの参加ということで、運営評議会、審査安全業務委員会、救済業務委員会などの委員会に御参加いただいているところでございます。
ただ、このようなものは、どちらかといいますと単発的といいますか、業務の一環の中で、まだまだ患者参画という意識が薄い中で実施されてきたものでございまして、第3期中期計画の初年度、現在の私どもの理事長の藤原が着任いたしまして、患者参画という欧米でも進んでいることについて、PMDAでももっと意識を持って活動すべきではないかといったような掛け声で、患者参画検討ワーキングというものを、私どものPMDAの中の組織といいますか、部門横断的に患者参画について検討していく場ということで発足しております。
現在は患者参画ワーキングに名称を変えて活動しているところでございます。先ほど申し上げましたとおり、部門横断的に医薬品・医療機器審査の担当官、安全対策の担当官、レギュラトリーサイエンスの担当官、経営企画等の管理部門の担当官など、技術系・事務系、双方の担当者が参加しまして意見交換などを中心に実施しているところでございます。
2019年に患者参画検討ワーキングが発足したときの目的でございますけれども、医薬品の審査・安全対策について、患者さんの視点による課題をPMDAで共有して、それから、患者さんとPMDAで相互にコミュニケーションを図る、そういったことを検討するといったような目的でスタートしたものでございます。
この活動を始めまして、2021年にはPMDAにおける患者参画の基本的方針(ガイダンス)というものをまとめております。これは患者さんの声・意見・要望を反映することによりまして、最初に申し上げましたPatient FirstというPMDAの取組を具現化する、また、患者さんの薬事行政や医薬品・医療機器への理解・満足度の向上を図るといったことを目指したいといった趣旨の内容で取りまとめたものでございます。
このガイダンスの概要でございますが、先ほどの説明と重複いたしますけれども、基本コンセプトといたしましては、Patient FirstというPMDAの取組を具現化するというものでございます。患者さんからの情報の収集・反映、それから患者さん向けの情報提供といったものを、そのPatient Firstを実施していくためにやっていく。双方向の関係を築いていこうというものでございます。
この患者参画ガイダンスにおける取組でございますけれども、患者さんからの情報収集、インプットと、患者さんへの情報提供・周知、アウトプットを通じて、患者さんのPMDA業務への理解を深めていただくことと、それから、PMDAの業務へ反映していこうというところでございます。
この中で、PMDAが実際に行っている活動について、幾つか御紹介させていただきたいと思います。まず、患者さんや、その家族の声を聴く場の設定と参画ということで、患者さんやその家族の方々にお話しをしていただきまして、職員がその声を聴くといったような研修を毎年実施しております。医薬品の副作用被害を受けた方、あるいはその家族の方からの講演につきましては2005年度から、それから、様々な疾患の患者さん、その家族の皆様からのお話を聴くといった取組につきましては2019年度から実施しております。
PMDAの職員が通常の業務の中で患者さんの声をじかに聴く機会というのは、実はあまり多くないので、こういった機会にじかに聴くことで、実際の審査・安全対策を実施していく中で、その背景にある患者さんがどういう点を重視しているかといったような想像力を持って業務に取り組んでいければと考えているところでございます。
それから、先ほどは全職員向けということでございますが、それよりももう少し小さな双方向のコミュニティということで、患者セミナーとかシンポジウムに、PMDAの先ほど御紹介しましたワーキングメンバーなどが参加いたしまして、意見の交換などをしているところでございます。今後も継続的に同様の活動を行っていきたいと考えております。
それから、ここに吹き出しで幾つかつけ加えておりますけれども、例えば患者さんの患者報告アウトカムと呼ばれるものにつきまして、治験相談において、患者さん自身の治療の満足度をPROとして副次的評価項目に追加できないかといったことを提案するようなケースもございます。主としまして、主要評価項目が確立していないような領域や希少疾患領域などが対象になるかと考えております。
それから、既存の患者さん向けの情報のさらなる充実や、薬事制度の理解・普及を促進する取組につきましても、さらに深めていきたいということで、先ほどの話とも若干重複しますけれども、患者セミナーとかシンポジウムなどに参加したり、あとは一般の方向けの情報発信をさらに充実させたいということで、どういった情報提供・媒体が効果的かといったことについても検討を行っているところでございます。
また、患者会との連携によります情報提供ということについても検討を行っております。これにつきましては、そもそもの問題意識といたしまして、現在、医薬品の情報提供につきましては、PMDAのウェブサイトかメディナビといったメール配信サービス、患者向け情報提供資材などの媒体を用いておりますけれども、ターゲットとなります使用者に確実に情報を伝達できているのか、あるいは、情報収集におきましても、患者さんからの情報収集、先ほど患者副作用報告について御紹介しましたけれども、質・量ともに課題があると思っております。
また、患者さんと言ったときに、その属性は極めて多岐にわたっておりまして、多様な患者さん像があるのですけれども、その全体を対象にしたアプローチというのはなかなか難しいのですが、希少疾病とか難病とか、小規模ながらネットワーク化が進んでいる患者会というものがございまして、こういった患者会と連携することで、迅速・確実な情報提供とか、効率的な情報収集が行えるのではないか、そういう可能性があるのではないかといったような課題意識の下に、患者会との連携を試行的に実施したものでございます。
具体的には、日本ライソゾーム病患者家族会協議会と共同で、分かりやすい情報提供のための資材作成を、また、治療薬使用に関します安全性情報を、患者会ネットワークを活用して収集できないかといったようなことを実施しております。
ここにお示ししたような資材を提供しまして、患者会を通じて情報提供しているものでございます。こちらはいずれも患者会との共同作業によって、患者会の要望を聴きながら作成したものでございます。資料を作成する上で患者会とやり取りすることで、患者さんの声の理解を深めるといった、職員にとってもよい経験が得られていると思っておりますし、また、こういった非常に小規模な密な患者会というネットワークがあって、こういう情報提供というものも成り立っているのではないかと考えております。
参考までに、先ほどのコンサルタントさんの資料の中でも、ライフサイクルのどの部分に患者参画が関与しているのかということがございましたので、PMDAの現状をお示ししております。内容的には、まだまだ不十分な点もあるかと思いますけれども、関連する厚労省、そのほかのステークホルダーともよく連携を取りながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
最後にまとめです。様々な関係者が患者さんとも連携していくことが必要不可欠だと考えております。PMDAの今、御紹介したような活動は、単発のアクションも多くて、全体像がまだまだつくれていない状況であり、欧米に比べて未成熟な面もあるかと思います。引き続き、患者・家族の方とのコミュニケーションの場を積極的に活用しながら、患者参画を進めてまいりたいと考えているところでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、資料3-2と3-3、併せて委員の皆様から御意見、御質問などあれば。数分しかないかもしれませんけれども、選りすぐった御意見があればお願いいたします。
花井さん、どうぞ。
○花井委員 御説明ありがとうございます。
まず、FDA、海外の場合ですけれども、これだけのことをやろうと思うと、人材というか、人がそれに要るということだと思うのです。PMDAはPMDA法で業務が決まっていまして、それをやっているということなので、遊軍もいないどころか、そこだけで人手が足りないということがあるので、その辺の人的な分厚さというのが分かれば教えてほしいというのが1つと。
それから、PMDAに関して言えば、考えてみればFDAは食品医薬品局だから、逆に日本で調べようと思ったら、PMDAだけじゃなくて、厚生労働省医薬局とPMDAを合体させて、どこに参加しているかを見ないと比較できないんだなと、今、ちょっと思ったのですけれども、そういったことについても、PMDAとして、本省との関係でどういう連携が可能かという意見があれば教えてください。
以上です。
○磯部委員長 最初の質問は山崎さん。
○PwC FDAのほうの人材がどれぐらいのボリューム感で、具体的には患者団体との取組について、どれぐらいの人を割いているかといったところまでは、まだ情報が取れておりませんので、今後、調査できる機会がありましたら、また追加したいと思います。
○PMDA 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、厚生労働省とPMDAと、それぞれの役割がございまして、例えば審議会への患者さんの参画ということであれば、厚労省の薬事審議会もございますし、またPMDAの場合には、組織の運営に関わる運営評議会みたいなものと、あと、個別の医薬品の専門協議というものがございますけれども、専門協議のような場面に患者さんがどう関わっていけるのかというのは、なかなか難しい面もあると思います。
一方で、どんなガイドラインがつくれるかというところについての関わりなどはできるかもしれませんけれども、最初に申し上げましたとおり、まだそういうところまで成熟していないところではございますけれども、医薬局、あるいは難病といったところですと厚労省のほかの部署もあるかもしれませんが、よく連携を取りながら検討してまいりたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 PMDAが患者参画の取組をされているのは大変すばらしいことだと思います。ただ、例えばPMDAのサイトが患者向けのものに特化されていない点とか、今後に向けてはいろいろ意見がありますが、今日は時間がありませんので、次回以降のこの委員会の中で、一度、PMDAの業務について、少し正面から取り上げたような検討をしてもいいのかなと思った次第です。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。御意見をいただいたということで。
そのほかはいかがでしょう。よろしいでしょうか。
すみません、司会の不手際で、もう時間もありませんので、もしまた追加で御質問などを思いついたときには、事務局を通じて、延長戦で少し伺うとかさせていただきたいと思いますが、今日の議論はここまでとさせていただきます。御説明いただいて、ありがとうございました。
続いて、議題2「医薬局からの定期報告」について、資料3-4と資料4を使ってということになります。4時は過ぎることになりそうですが、ちょっとだけお許しください。
○江田補佐 それでは、事務局から資料3-4の個別医薬品の欧米での承認状況に関する海外調査の結果と、資料4の医薬局からの定期報告について、まとめて御説明いたします。
まず、資料3-4を御覧ください。こちらは新たに承認された医薬品の成分で、国内での承認審査時に海外で承認がなかったものや、特例承認等の対象品目について、欧米での承認状況等を調査した結果をお示しするものになります。
調査品目は、資料の2ページから7ページに一覧表としてお示しております計64品目になります。
なお、今回の調査におきまして、6ページ目のR5-10 イブグリース皮下注、R5-13 ピアスカイ注、R5-16 ビロイ点滴静注、7ページに行きましてR6-10 フリュザクラカプセルについて、FDA及びEMAで通常承認されたことが明らかとなりましたので、今回の承認をもって当該品目に関する調査は終了することとなります。赤字にしておりますところが、今回、更新があった項目になります。
続きまして、資料4「医薬局からの定期報告」を御覧ください。こちらの資料では、「1 製造販売承認された医薬品の情報」、「2 国内における市販後の安全対策の措置状況」、「3 外国での新たな措置の報告状況」、いわゆる外国措置報告について、まとめております。
なお、9月の第17回監視委員会以降、緊急安全性情報や安全性速報、いわゆるイエローレターやブルーレターについて、新たな発出はされておりませんことを併せて御報告いたします。
それでは、右下のページで3ページ目の「製造販売承認された医薬品の情報」を御覧ください。こちら、前回9月の委員会で御報告した後、新たに承認されたもののうち、表紙の※1でマル1からマル4の要件に該当するものが、この監視委員会の定期報告の対象となります。今回は、要件に該当する7品目の情報が記載されております。いずれの品目も海外で未承認の品目という要件に該当し、本年9月24日に承認されたものになります。
続いて、5ページの「医薬品の使用上の注意の改訂について」を御覧ください。こちらは本年10月24日に開催された医薬品等安全対策部会で確認された内容の御報告になります。本年6月19日から10月23日までの約4か月間で行われた36件の添付文書の改訂について掲載しております。
最後に、21ページから始まります「外国での新たな措置の報告状況」を御覧ください。同じく10月24日の安全対策部会で報告された外国措置報告のうち、回収、警告、禁忌に関する添付文書の改訂など、この監視委員会の報告が要件に該当するものを抜粋して資料としております。今回、31件が報告対象になっております。個別の品目の御説明は、本日は割愛しますが、全体としまして、安全性の懸念による販売中止や不承認の報告はございませんでした。また、措置区分が回収となっておりますものは、特定のロットや特定の製造所での品質上の問題に関するものが中心となっております。
以上、外国措置報告に関する御説明といたします。御説明としては以上になります。
○磯部委員長 ありがとうございました。
今の資料について何か御意見、御質問があればお願いいたします。こちらは定期報告で、一貫してずっと独自に集め続けて、ちょっと気になる動きがあればきちんと取り上げようという趣旨ですので、改めてまた見ていただいて、もし何かあれば事務局までお知らせください。これは次回以降も引き続き、定期報告はどうぞよろしくお願いいたします。
その他、全体を通じて何かしゃべり損ねたとかがあれば。
泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
最後のほうにあったPMDAという組織に関しては、藤原委員長も先日申されていましたが、大変認識度が低いですね。トライアングルで救済業務などがあるのに、一般国民にはあまりにも知れ渡っていないということで、これを知らしめるのは厚生労働省の仕事でもあると思うので、時間もないことで、ここで話を切りますが、ぜひPMDAのどの形が認知度を上げるかというのは、厚生労働省も図ってもらいたいと思います。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。それは、そういう御意見を承ったということで。PMDAもあまり有名じゃない。我々の間では有名ですけれどもね。
花井さん。
○花井委員 この前、理事長と面談したときには、救済でPMDAが電話をかけて医療機関にお願いしようと思ったら、「あんた、誰ですか」「PMDAです」「何ですか、それ」というふうに対応されることによって、救済業務も極めて滞っているということです。医療機関ですら、そういうことのようです。なので、アメリカのFDAはニュースとかに次々と出るのですけれども、日本の場合は、そういう案件があっても「厚生労働省は」の主語で報道されるから、国民はほとんど知らないというのが実情だと思います。今後、委員会としていろいろ調査した結果、幾つか提言をまとめる段階で、そういったことも含めて考えていくことが大事かなと思いました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
その他、よろしいでしょうか。
それでは、これで本日の委員会は終了ということにさせていただきます。
事務局から何かありますか。
○水野室長 ありがとうございます。
次回の委員会の日程や議題につきましては、委員の皆様と御相談させていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、本日の委員会はこれで終了します。ありがとうございました。