第36回 厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会 議事録

日時

令和6年9月3日(火)15:05~16:01

場所

厚生労働省 中央合同庁舎5号館9階 省議室(オンライン併用)

出席者

委員

議題

  1. 開会
  2. 議事
    1. (1)国立研究開発法人国立国際医療研究センターの業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容(案)について
    2. (2)その他
  3. 閉会

配布資料

  1. 資料1 業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容(案)
  2. 参考資料1 現中長期目標期間の主な成果について
  3. 参考資料2 国立健康危機管理研究機構について
  4. 参考資料3 業務・組織全般の見直し及び中期目標策定スケジュール

議事

第36回 厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会

○西岡室長補佐
 大変お待たせいたしました。定刻を過ぎて申し訳ございません。それでは、ただいまから「第36回厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会」を開催いたします。委員の皆様には大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。議題に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます厚生科学課の西岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は前村委員より御欠席の連絡を頂いております。なお、出席委員に関しましては過半数を超えておりますので、会議が成立することを御報告いたします。また、本日は国立国際医療研究センターの統合後の組織である国立健康危機管理研究機構を所掌することとなる当省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課から荒木課長、同じく同課、国立健康危機管理研究機構設立準備室から渡邊室長、乙井室長補佐に御参加いただいております。続きまして本部会の開催に当たり、厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官が所用により不在となりますので、厚生科学課長の眞鍋より御挨拶申し上げます。
○眞鍋厚生科学課長
 厚生科学課長の眞鍋でございます。本日は大変お忙しい中、お時間を頂きまして、また、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、通信関係の調整に時間を要しまして、開始時間が遅れましたことをお侘びを申し上げます。今日の会の趣旨でございますけれども、国立国際医療研究センターですが、国立健康危機管理研究機構の創設のために、国立感染症研究所との統合が予定されているところでございます。そうしたことから、令和6年度が中長期目標期間の最終年度ということになります。今回の評価部会におきましては、この新法人の中期目標の策定に資するよう主務大臣が法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他、その他の業務、そして組織の全般をわたる検討を行うことに当たりまして、委員の皆様から御意見を頂くものでございます。
 こういった位置付けを踏まえまして、委員の皆様におかれましてはこのように中長期計画の途中で法人の形態が変わるという事例でありますけれども、それぞれの御専門のお立場で御意見、御助言を賜りますれば幸いです。簡単ではございますが冒頭の挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○西岡室長補佐
 ありがとうございました。続きまして、本日の会議の進め方について御説明いたします。御発言の際にはZoomサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、部会長による指名を受けた後に御発言をお願いいたします。また、御発言時以外のマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、御発言の際には冒頭にお名前を述べていただき、資料を用いて御説明される際には資料番号、該当ページ数を明言いただきますようお願いいたします。
 続きまして、本日の議題を御説明いたします。本日は国立研究開発法人国立国際医療研究センターの業務及び組織の全般にわたる検討結果、並びに講ずる措置の内容(案)について、委員の皆様から御意見を頂きたいと存じます。今回の意見聴取は独立行政法人通則法の規定により、主務大臣が中長期目標期間終了時までに法人の業務の継続又は組織の存続の必要性、その他その業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき業務の廃止、若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講ずるとされていることを根拠とし、国立国際医療研究センターと国立感染症研究所との統合により創設される国立健康危機管理研究機構の中期目標に反映することを目的として実施するものです。
 なお、事前にお配りしている参考資料の流れのとおり、業務及び組織全般の見直しの内容は本部会での議論を踏まえ、厚生労働大臣が決定し、総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表いたします。その後は総務省独立行政法人評価制度委員会において点検が行われ、その点検結果に基づく意見を踏まえ、厚生労働省において次期中期目標案を作成することになります。議事の流れとしては、事務局から見直し案の説明を行った後、委員の皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。
 それでは、本日の会議資料の確認をお願いします。委員の皆様におかれましては議事次第、資料1、参考資料をそれぞれお手元に御準備いただいてますでしょうか。問題ないようでしたら、事務局からの説明は以上です。何か御質問等はございますでしょうか。
 では、これより議事の進行を土岐部会長にお願いしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○土岐部会長
 それでは、国立研究開発法人国立国際医療研究センターの業務及び組織全般の検討結果、並びに講ずる措置の内容の案について御意見を伺いたいと思います。はじめに、事務局から資料の説明をよろしくお願いいたします。
○原澤課長補佐
 事務局です。それでは、資料の御説明をさせていただきます。資料1の業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容を御覧ください。基本的に資料に沿って御説明をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。申し遅れました、厚生科学課の原澤と申します。よろしくお願いいたします。
 資料1の一番上の段落からです。国立研究開発法人国立国際医療研究センター(以下「国立国際医療研究センター」と申し上げます。)は、国民の健康に重大な影響のある感染症その他の疾患に係る医療並びに医療に係る国際協力に関する調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供を行うとともに、難治性・希少性疾患など取組事例の少ない分野への取組をはじめ、その時代に要請される国民的な医療課題に対応してきており、令和2年1月以降の新型コロナウイルス感染症対応にも取り組んでいただいております。
 その後、新型コロナウイルス感染症発生以降の政府の対応の整理・評価や中長期的な課題については、令和4年6月の新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議報告書において、科学的知見と根拠に基づく政策判断に資するため、政府における専門家組織を強化し、国内外の情報・データや専門知の迅速な収集、共有、分析、評価に加え国内の疫学・臨床研究を行う能力の向上といったことを図ることとされております。
 これを踏まえ、「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の方向性」において、医療対応、公衆衛生対応、危機対応、研究開発等の機能を一体的に運用するという観点で、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、感染症に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門家組織を創設するという方向性が打ち出されております。
 加えて、「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の具体策」において、その機能として、感染症等に関する科学的知見の基盤・拠点、国際保健医療協力の拠点、高度先進医療等を提供する総合病院をはじめ両機関が現在担っている事業等の着実な実施という3点が挙げられています。
 令和5年5月には、国立健康危機管理研究機構法が成立し、令和7年4月1日に両組織を統合した国立健康危機管理研究機構(以下「新機構」と呼びます。)が設立されることとなります。新機構は、感染症等の情報分析・研究・危機対応、人材育成、国際協力、医療提供等を一体的・包括的に行う組織となります。
 こうした経緯を前提として、新機構の中期目標については、これまでの国立国際医療研究センターの機能を維持しつつ、国際往来の増加や温暖化などによる新興・再興感染症流行リスクの増大、高齢化や生活習慣の変化に伴う生活習慣病の増加といった国民の健康・医療を取り巻く環境の変化、また、G7、G20等を通じたUHCの推進などといった国際保健課題等も勘案し、以下に申し上げる記載事項を踏まえて策定する方向としております。
 項目に沿って御説明いたします。全て読み上げていくことはいたしませんが、大枠を御理解いただければと思います。まず、第1の項目です。新機構が担うべき機構ということで、こちらの中の国立国際医療研究センターの機能強化に関連する部分ということで御紹介させていただきます。
 1つ目の情報収集・分析・リスク評価機能は、感染症危機対応における基本的な能力です。情報収集や分析、リスクコミュニケーションといった機能を総合的に強化していくということです。また、初期段階において、事例の集積を通じて病原体の病原性や感染経路等を分析し、リスク評価に基づき、感染症の拡大防止対策の内容の検討や症例定義、効果的な検査の在り方等につなげるため「First Few Hundred Studies」のように、感染症危機発生時の最初期に症例定義に合致した数百症例程度から、平時から実施しているサーベイランスでは得られない知見を迅速に収集するための臨床・疫学調査の実施などの機能を担っていくということです。
 2つ目の研究・開発機能は、シーズ開発から非臨床試験等までを戦略的かつ一気通貫に進めることができる体制、また、有事には機動的な対応ができる体制に切り替えられるような組織体系といったものを構築していくというものです。臨床試験のネットワークのハブとなるために、多数の被験者を臨床試験に登録できるローカルな支援機能も十分に整備した上で、国内の臨床試験ネットワークのヘッドクォーター機能や日本主導の国際共同治験ヘッドクォーター機能、加えて、海外主導の国際共同試験に円滑に参画するコーディネーティングセンター機能といった体制を構築してまいります。
 また、これまでも国立国際医療研究センターとして担ってきた新興・再興感染症や顧みられない熱帯病といった国際的な感染症に対する革新的な診断・治療法及びエイズ、肝炎、糖尿病・代謝性疾患、免疫疾患等に対する新たな医薬品や予防・診断・治療法等の研究・開発にも取り組んでまいります。
 3つ目の臨床機能は、いかなる感染症に対しても、適切な感染管理下に最善の治療を提供する病院であるという観点で、レベルの高い総合病院機能を維持しつつ、救急医療や集中治療、災害医療の対応力も強化していくこと、感染症発生早期から全病院的な対応が可能となるような体制を組んでいくというところです。加えて、平時から都道府県等と連携して、感染症指定医療機関等とのネットワークのハブとなれるような体制の構築、また、有事の人材派遣の調整機能等も円滑に実施していけるような準備を進めてまいります。
 これまでも国立国際医療研究センターとして担ってきた救急医療を含む高度な総合診療機能といったものを活かしながら、高度な先端医療技術の開発を進めつつ、特定感染症指定医療機関、エイズ拠点病院としての中核機能も担っていくというところです。また、国府台病院においては、肝炎・免疫疾患に関する医療や精神科救急・身体合併症・児童精神医療の機能も引き続き担っていきます。
 4つ目の人材・育成確保の観点は、それぞれの機能を強化するためにクロスアポイントメント制度等を活用し、産官学連携や国際的な人事交流を積極的に行ってまいります。ワクチン、治療薬開発を含む幅広い横断的研究分野で活躍できる人材の確保・育成に取り組んでまいります。
 内閣感染症危機管理統括庁や厚生労働省が求める知見を丁寧に研究・臨床事業を担う部門に伝えていき、得られた知見を内閣感染症危機管理統括庁や厚生労働省に対して、正確に、分かりやすく伝えられるような政府と研究・臨床事業を担う部門とのコミュニケーションを行えるような人材の育成にも取り組んでまいります。
 加えて、企業との連携調整や研究成果の活用促進に取り組むリサーチ・アドミニストレーターなど、臨床と直結した研究の実施に必要となる支援人材の育成及び確保にも取り組んでまいります。  そのほか、国立国際医療研究センターとして、これまで担ってきたグローバルヘルスに貢献する国際協力や看護に関する教育、研究も推進してまいります。
 続いて、第2の業務全般・組織に関する事項です。1つ目は法人の長のリーダーシップを発揮できるマネジメント体制の確保です。新機構が危機管理組織であるということを踏まえた機動性の高い組織の構築に取り組むとともに、統合による業務の増大といったことを見据えて、職員のコンプライアンス意識を向上させるための取組、内部統制等に関するトップマネジメントを強化してまいります。
 続いて、2の業務運営の効率化です。統合後の組織の定着を進めていくとともに、新機構が果たすべき役割等を勘案し、中期目標期間を通じて適切な組織・人員体制の構築を進めてまいります。共同調達や後発医薬品の使用促進を通じた経費の合理化に積極的に取り組んでまいります。また、タスク・シフト/シェアの推進、労働時間の確実かつ効果的な把握・管理を行い、効率的な業務の実施に引き続き取り組んでまいります。
 3つ目、情報セキュリティ対策の強化の所、医療機関や研究機関を対象としたサイバー攻撃の脅威が増しているという状況を踏まえ、情報セキュリティ対策の強化を含めた研究セキュリティ・インテグリティの強化といったものが必要となっております。「政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群」等を踏まえた関連規程の定義の改定、職員への周知・訓練の実施など、情報セキュリティの徹底に努めてまいります。また、国立研究開発法人の機能強化に向けた取組といったものに基づく研究セキュリティ・インテグリティに関する取組の必要性も十分に考慮した体制を構築してまいります。
 4つ目、財務内容の改善に関する事項です。感染症その他の疾患及び国際保健医療協力に関する医療政策を牽引していく拠点という役割をしっかり果たしていくために、引き続き、運営費交付金以外の外部資金の積極的な導入に努めてまいります。具体的には、企業等の治験連携事務局との連携強化、患者レジストリの充実によって、治験・臨床研究体制を強化していくとともに、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)等の競争的資金や企業治験等の外部資金の獲得を引き続き進めてまいります。
 最後に、国立高度専門医療研究センター等の連携という観点で、令和2年4月に立ち上げた国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部について、新機構と国立高度専門医療研究センター5法人との連携に必要な体制を構築してまいります。長くなりましたが、事務局からの資料の説明は以上です。
○土岐部会長
 ただいまの御説明、そして参考資料も含めて、御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。花井委員、どうぞ。
○花井委員
 意見もありますので、最初のときに音が聞こえずに、この文章は具体的にどのように使用されるのかを、もう1回説明していただけますか。
○原澤課長補佐
 花井委員、失礼いたしました。事務局です。御質問の趣旨は、この文章がどういった位置付けのものかということでよろしいですか。
○花井委員
 そのとおりです。ここに書かれた内容が、どこにどう反映するという理解なのでしょうか。中期計画などに反映するというイメージなのですか。
○和田室長
 お答えいたします。参考資料3を御覧ください。こちらの左端になりますが、今般、NCGMの中長期目標期間が終了ということで、一番左端の業務・組織全般の見直し内容の作成という厚生労働省の資料が、今提示している資料になっております。その上の厚生労働省国立研究開発法人審議会の所で意見聴取とありますので、今回こちらで意見聴取をさせていただいているところです。今後の流れなのですが、頂いた意見を踏まえて、必要に応じて見直し内容案の修正をさせていただき、見直し内容の公表と通知という形で、下の総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知させていただきます。それを踏まえて、総務省の評価制度委員会で内容の点検が行われ、こちらにまた意見が出てきますので、それを踏まえた形で今度はNCGMだけではなく、国立感染症研究所も併せたJIHS全体の中期目標の作成に活かしていきます。
 その後の流れですが、上のほうの国立研究開発法人審議会に掛けるのですが、こちらはNC部会ではなく、また新たに立ち上げる予定の部会に掛けて意見を頂き、それを踏まえて修正という形で、最終的にJIHSの中期目標を策定していくという流れになっております。本評価部会の意見については、まずは中期目標のベースになる御意見を頂くといった位置付けになるかと思います。
○花井委員
 分かりました。意見ですが、1つ気になったのは、私の立場もあるのでしょうが、3の臨床機能の最後の所なのですが、「特定感染症指定医療機関及びエイズ拠点病院としての中核機能を担う」と書いているのですが、やはりエイズ治療・研究開発センターというものがセンター病院に設置されており、このことはきちんと明記すべきで、しかもこの病院は、もちろん日本のエイズブロック拠点病院。エイズブロック拠点病院というのは全国8か所にあるのですが、それとこのエイズ治療・研究開発センターを中心に、1990年代半ば以降、日本のエイズ診療を牽引してきたわけです。そういう観点からいくと、エイズ拠点病院としての中核機能というと、言葉の使い方からしても拠点病院は300か所以上あって、拠点病院の中核機能は中核拠点病院というものが各県にありますし、その各ブロックにブロック拠点病院があって、その上にエイズ治療・研究開発センターがあるわけですから、表現としてもいかがなものかと思います。
 それから、趣旨として、やはりエイズ治療・研究開発センターは、薬害エイズの被害者の救済というミッションが課せられているわけで、これは私の立場からになってしまうのですが、やはり国際は薬害エイズの被害者を救済するという機能においては圧倒的な役割を果たしてきているのです。ある意味、薬害という事件そのものは、いろいろあったのですが、これ自体はパンデミックまではいかなくても国民の健康の重大なものであって、薬害という概念もモデルコアカリキュラムであるとか、いろいろな形でオーソライズされてきて、国として再発防止を医薬局中心に進めてきているのだから、やはり薬害の救済を担ってきたということは、正に新しいJIHSにおいても非常に重要な役割を果たすことになるのではないかと。
 もう1つ私見も述べさせていただければ、パンデミック等の対応ではワクチンをはじめとして治療薬も含めて、緊急承認等、通常の医薬品の評価とは違うラインで医薬品を投入することが必要になるわけです。そうしたことは、やはり国家の当然の機能なのですが、結果としてそれは副作用等で、つまり薬害的とは言わないのですが、ある種評価が不十分な医薬品も導入せざるを得ない危機的な状況の中で、当然それで救われる患者さんもたくさんいると思うのです。逆に、早期の導入によって、いろいろなことが起こることになったときに、まず常にそういう患者さんたちは行き場がなくなっているのです。エイズのときも行き場がなかったわけですが、そういうときに、この薬害に対して対応するというのも、ある意味JIHSのミッションに入れてもいいぐらいだと、私は個人的に思うのです。
 そこまでは、意見として申し上げて、このように反映してほしいのだけれども、なかなか「うん」とは言わないのかもしれませんが、少なくともエイズセンターの位置付けは薬害被害者の救済をやってきたということと、それからやはり全国のブロック体制というものがこの記述では全く表現されていないので、やはりエイズ治療・研究開発センターという名称はきちんと位置付けて書いてほしいと思いました。以上です。
○土岐部会長
 ただいまの花井委員の御意見に対して、厚労省からお答え等はありますか。
○和田室長
 御意見ありがとうございます。詳細については、中期目標に掲げる部分もあるかと思いますが、今頂いた意見を踏まえて、ACCの関係の記述も入れる形で、少し検討をさせていただければと思います。
○花井委員
 はい。多分私は何か1人ですが、被害者グループとかが見たら、この表現は激怒すると思いますが。以上です。
○土岐部会長
 ほかに、いかがでしょうか。では、私から。この資料1の2ページの一番最初に、「新機構が担うべき機能(国立国際医療研究センターの機能強化に関する部分)」となっております。これが、国立感染症研究所という名前ではなくて、国立国際医療研究センターの機能強化に関する部分となっていますが、この説明がよく分からなかったのですが。これは、感染症研究所と一緒になることにより、国立国際医療研究センターの機能が強化されるという理解でよろしいのでしょうか。
○和田室長
 お答えいたします。本評価部会の趣旨としては、これまでの国立国際医療研究センターの業務運営の内容を踏まえた見直しですので、NCGMに関する機能強化の所のみに限って記載させていただいているところです。当然、中期目標を作成する際には、国立感染研の業務運営も踏まえた書きぶりにはなります。
○土岐部会長
 今、ちょっと説明が分からなかったのですが、国立国際医療研究センターの機能強化をするために一緒になるというようにこの文章が見えるのですが、そういうことでよろしいのですか。ちょっと、この括弧付きが、あえて付いているのがなかなか意味付けが分かりにくかったので、聞かせていただきました。
○和田室長
 国立国際医療研究センターの機能強化のために一緒になるという話ではないのですが、今回の評価部会では新機構のうち、NCGMがこれまで担ってきた部分に関して意見を頂くため、こうした記述になっております。頂いた意見は最終的に、JIHS全体の中期目標に反映させられるものになります。
○土岐部会長
 はい、分かりました。深見委員、どうぞ。
○深見委員
 国際医療研究センターが感染研と合併したことによって、いろいろと機能強化すると書いてあるのですが、感染研との合併ということで、感染症危機に対しての機能合併というのは非常によくなることが期待できるのですが、もともと国際医療研究センターは感染症以外にも糖尿病であったり、ほかの疾患にも対応していたと思うのです。そういったことが、今後機能としてきちんと維持されるのか、その辺りの今後の将来性が何も書かれていません。病原体や病原性や感染のことはみんな書いてあるのですが、それ以外のことについてのものがどうなるのかというのが、この記載から見ると非常に不安なように感じます。
 また、同じように、感染症以外にもいろいろな国際的な国際協力を非常に行ってきていますが、そういったものもきちんと維持できるのか、その辺りがどうなるのか。見通しとして何か明記する必要はないのかどうか、その辺りをお伺いしたいと思います。以上です。
○渡邊室長
 JIHSの準備室長です。お声は届いておりますか。今御指摘いただいた点は、非常に重要な所だと思っております。花井先生からも頂いたACCの機能が維持されるかということとも関連をしているかと思います。お示ししている資料1の1ページの下から6行目ぐらいを御覧ください。「(同年9月2日同対策本部決定)では、その機能として」と続いております。そこにマル3とあり、「総合病院をはじめ両機関が現在担っている事業等の着実な実施」が、JIHSの基本的な方針です。これに基づき、2ページの第1以降の部分では、今回、感染症危機対応をしっかりやるということですので、感染症有事にこれこれのことができるように、平時からこういうことをしておくのだということがいろいろと記載しております。
 一方で、着実にやる部分も明記をしております。例えば、3ページの上から6行目を見ていただきますと、これまでもNCGMとして担ってきたエイズ、肝炎、糖尿病、代謝性疾患といったようなことや、次の臨床機能の所においても、一番最後の○で国際がやってきた救急医療等、それから指定医療機関及びエイズ拠点病院としての機能、国府台病院の機能というものを記載しております。
 それから、先生に今御指摘いただいた国際協力については、4ページの5の上から3分の1ぐらいの所ですが、グローバルヘルスに貢献する国際協力、また、看護大学校もありますので、こういうものは引き続き対応するということで、着実にNCGMの今の機能を引き継いでいけるように取り組んでいたいと思っております。長くなりましたが、以上です。
○深見委員
 一応ちょっと書いてありますが、感染症、感染症と、そこのところが余りに大きすぎて、やはり心配だとは感じました。以上です。
○土岐部会長
 ほかにありませんか。藤川委員、どうぞ。
○藤川委員
 藤川です。御説明ありがとうございます。3点あるのですが。1点目は今、深見先生がおっしゃった話とも一定の関係があることとは思うのですが、やはりもともと国際医療センターのときも非常に業務が広くて、国際医療センターという名前が果たしてやっている業務とマッチしているかというと、なかなか疑問もあったところです。今度の国立健康危機管理研究機構という名称も、先ほどおっしゃったような感染症のようなことにすごく着目をした部分があるので、今までの国際医療センターが持っていた機能を更に拡大することになる、この業務内容とマッチするのかというと、やはり疑問符がなきにしもあらずという中で、非常に国民にとって身近な課題や重要な課題を解決していかなければいけないという役割を担うことになることからすると、業務の内容についても法人名についても、国民の認知度を上げるような努力を一層していただきたいと思いました。
 2点目は、2ページの情報収集・分析リスク評価機能です。情報収集において、正確な情報を効率的に収集するということが、なかなか今回のコロナ禍において難しかったということが、入り口の段階で非常に重要なことだけれども、うまくいかない部分があったかと思うのです。ここにおいては、DX対応が非常に重要なのかと、生半可な程度ではなくて、かなりレベルを高めてやっていかなければいけないかと思うのですが、現場は相当DX対応ができていないという中で、この情報収集におけるかなり高度なDX対応をするというようなことも、新機構の業務の中に含まれているのか。それは政府がやることで、新機構はそういうことは政府が敷いた仕組みに乗って情報収集をするということなのか、どうなのかと疑問を感じましたので、そこを教えていただけたらと思いました。
 3点目は、ネットワークやヘッドクォーター機能、ハブなど、いろいろな所の組織と組織の間をつないでいく機能がとても大事な役割になっていくのかということも踏まえて、そういう人材を育成することも業務の1つに入ってくると読みました。ただ、そもそもそういう専門家が現状どれだけいるのかということがよく分からないのですが、日本の中に決してそういうとても重要な人材だけれども、そういった人がいないのではないかと。そうすると、理想とするモデルがどこかにあるのか、それをどうやって養成するのかと、言うは易し、行うは相当難しだということを感じました。その辺りはとても重要なことかと思いましたので、簡単に文章ですと1文になってしまうのですが、もう少しハードルがしっかり分かるような書き込みが必要なのではないかと思いました。以上です。
○荒木感染症対策課長
 事務局の感染症対策課の荒木です。大きく3点御指摘を頂きました。1点目については、業務の幅が更に広がった際に、これまでの機能についても引き続きとともに、国民の認知度が薄いようなところもあると思いますので、そこはしっかりと対応したいと思っております。
 2点目は、やはりDX対応が必要だと。これは、新しい組織、NCGMから昇格するJIHSがするのか、政府がするのかということですが、これは政府、厚生労働省としてもこの感染症分野のDXを進めており、その情報がこのNCGMが変わるJIHSに集まるようにするということも、スケジュールを組んでやっております。そういう意味では、国主導でもDXを進めると。それを、しっかりと情報を集めて、あるいはNCGMの研究者のネットワークを通じて情報も収集することによって、その情報のハブになるということを1つの大きな理想としておりますので、その方向で進めたいと思っております。
 最後にネットワークやハブ、あるいはヘッドクォーター機能ということで、正に人材育成をするに際しても重要なポイントだと思っております。人材育成については、既に感染症対策部から委託事業として、リーダーシップの人材育成事業をさせていただいておりますし、NCGMと合併する感染研のほうでは、いわゆるFETPの研修ということで、なかなか感染症分野にそもそも人材が少ない部分ではありますが、それぞれ人材育成事業のチェックを今やっておりますし、それを引き続き新しい所でも拡大してできればと思っております。御意見いただき、ありがとうございます。
○土岐部会長
 花井委員、どうぞ。
○花井委員
 今までの意見の中で共通するのは、立て付けの分かりにくさというか、すなわち令和4年6月17日でいっているのは、感染症に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門組織を作ろうというので始まったと。しかしながら、法律設定の段階では、新機構は感染症等の情報分析と「等」が加わっていて、「等」はどこに反映しているかと見てみると、例えば2ページの一番上には「国際往来の増加や温暖化による新興・再興感染症流行のリスクの増大、高齢化や生活習慣の変化に伴う生活習慣病の増加」うんぬん、それから「G7、G20等を通じたUHC」と書いていますよね。国際保健課題等も勘案してやっていて、もともと日本語は、CDCはDisease Control and Preventionなので、疾病センターなわけですよね。CDCは必ずしも感染症センターではなかったはずで、いわゆるMMWRのようなある種感染症以外の疾病の蔓延などをサーベイして出すということをやっていると思うのですが、そういう位置付けなのか、もう感染症に特化して、あとはおまけなのかと、今一分からなくなるので、ちょっと整理が分からなくなっているかと思います。
 ですので、そこの文脈というか、それをきちんと整理した形にしないと、国際の今までの最大の機能は、総合病院、センター病院と国府台という診療機能がすごくリッチなわけですよね。通常考えれば、そういった国民的なパンデミックの感染症のみならず、ある種の疾病蔓延というときに、ここが先端的なことをやり、更に臨床に近いということでトランスレーショナルリサーチや臨床研究的なことも今後やっていくと。一方、感染研は基礎系の研究のリソースが大きいわけだから、これをやっていくという役割分担が求められる機能の中でどう配分するかという思考があれば、この文章自体がそれに乗るはずなのですが、この文章は現状からスタートして、合併したらこの部分をもっと強化したらという文脈になっているので、先ほどから先生方が指摘されているような所が非常に明示的でなく分かりにくくなっていると思うのです。
 そもそも、この感染症等と、いきなり「等」が増えた理由、この「等」は何を指しているか、一応聞いておきます。霞が関文学なので、一応この「等」の部分を聞いておくことは1つかと思うのですが。やはり、感染症だけではないというのは含意しているように思えるのですが、そうですか。
○渡邊室長
 花井先生、ありがとうございます。感染症だけではないというのは、そのとおりです。国際医療センターの総合病院機能は感染症だけではありませんので、その部分を含意をしております。
 今日の資料1が、若干構成が分かりにくいということで御指摘を頂いております。改めて申し上げますと、第1の所に「新機構が担うべき機能」と書いてありますが、この中には文脈上、感染研部分で担当をしていくようなものも含まれております。さらに、ここで表現されていない感染研部分の仕事も、もちろんあります。JIHSとして完成形ができましたらもう少し分かりやすくなるのですが、どうしてもこちらの部会がNCGMの評価を頂いていたということもあり、感染研の部分を十分記載するような資料にはならないものですから、なかなかNCGM関係の部分だけ書いてあって、若干全体が分かりにくいということだと思っております。
 JIHSになれば、先ほど花井先生からありましたように、感染研の基礎研究部分からNCGMの臨床対応まで、また公衆衛生研究までということで一気通貫になるという全体像が見えやすくなるかと思いますが、その議論はJIHSの在り方の議論の中でさせていただきたいと思っております。
○花井委員
 まあ一応分かりました。そういうところの分かりにくさがあるということですね。
○土岐部会長
 中野委員、どうぞ。
○中野委員
 中野です。御説明ありがとうございます。今日御説明いただいた資料は、私たちがこれまで拝見してきたNCの機能や評価項目に網羅されている項目が、ほとんど全て網羅されている資料かと拝察いたしました。
 私が質問申し上げたいことは、例えば国立国際医療研究センターと感染研、それぞれの機能を見ますと、基礎研究と臨床研究のどちらが主体かで少し側面は違いますが、研究や疫学的な事項など、共通する要素もたくさんあります。しかし、先ほどからお話が出ているように、恐らく診療は国立国際医療研究センターだけでしょうし、今日は主に国立国際医療研究センターの内容が書いてあるかと思いますが、逆に感染研だけが担っている地方衛生研究所とのネットワークや、ワクチンの検定など、ほかのものもたくさんあると思うのです。
 お尋ね申し上げたいことは、2つの施設を合体して1つにするという中で、今の時点でどの機能はもう他の施設に移行するとか、これに関しては今後受け持たないということは、持続性、サステナビリティーという意味では、今の時点で多分コメントは難しいと思うのですが、現状では両施設が持っている機能はそのまま維持したまま、新機構は機能を開始するという理解でよろしいのでしょうか。ということを、今日の資料を拝見して、まずお尋ねしたいと思いました。以上です。
○渡邊室長
 先生、ありがとうございます。JIHSの準備室長です。最後におっしゃっていただいたとおり、基本的に感染研とNCGMがそれぞれ持っている機能をもって、JIHSに移行していただくということが基本です。一部、ワクチンの検定はPMDAとの連携の中で少し変わる部分がありますが、そうした例外を除いては基本的に両機関の事業をそのまま引き継いで、更に感染症危機対応がうまくできるように機能強化を図っていくということです。
○中野委員
 ありがとうございます。
○土岐部会長
 よろしいでしょうか。特に御意見がこれ以上ないようであれば、見直し案の意見聴取は以上とさせていただきます。以上で、本日の議事を終了いたします。事務局から連絡をよろしくお願いいたします。
○西岡室長補佐
 事務局です。冒頭で説明したとおり、本日御議論いただきました業務・組織全般の見直しについては、本部会における御意見等を踏まえて、厚生労働大臣が決定し、総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表いたします。決定した内容については、また後日、委員の皆様にもお送りいたします。事務局からは以上です。
○土岐部会長
 それでは、本日は以上といたします。御参加、どうもありがとうございました。事務局、試運転をきちんとよろしくお願いいたします。
○眞鍋厚生科学課長
 事務局の眞鍋です。今日は音響その他、事務局まわりで若干準備が整っていなかったことをお詫び申し上げます。今日は、どういうところがこういう音響になったのか分析いたしまして、次からはきちんと改善したいと思います。以上です。