第12回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会 議事録

日時

令和7年2月28日(金)18:00~19:00

審議方法

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)
宇都由美子委員、角田徹委員、川口陽子委員、曽根智史委員、南学正臣委員、林玲子委員、松田晋也委員

議題

  1. ICD-11準拠の統計分類案(基本・疾病・死因分類表案)について
  2. その他

議事

○事務局
 それでは、定刻を過ぎましたので、これより第12回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、かつ、遅い時間にもかかわらず、ウェブ会議による御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日、進行を務めさせていただきます、事務局の中川と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 開会に先立ちまして、本日はウェブによる開催ということで、御出席状況の確認と御発言の方法の説明をさせていただきます。
 Teamsの画面上に、ビデオ、マイクのアイコンがございます。委員の皆様におかれましては、ビデオ機能を常時オンにしてください。また、マイク機能は、御発言をされるとき以外は、オフ、ミュートでお願いいたします。アイコンをクリックして斜線が出ている状態がオフとなっています。
 御発言の際は、マイク機能をオン、ミュート解除にした上で、部会長に指名されてから、お名前を名乗っていただき、御発言をお願いいたします。
 御発言の終わりには「以上です」の一言をつけていただき、マイク機能をオフにしていただくようお願いいたします。
 Teamsには、チャットでメッセージを送る機能がございますけれども、御発言の際は、チャットではなく口頭で御発言いただきますようお願いいたします。
 チャットのメッセージは、マイクが使用できない場合や不具合を事務局にお知らせいただく場合にのみに御使用いただきますようお願いいたします。
 まずは、開催に当たりまして、厚生労働省政策統括官の森川より御挨拶を申し上げます。
○事務局
 政策統括官の森川でございます。
 本日はお忙しい中、御出席賜りまして、本当にありがとうございます。
 前回、昨年9月のICD部会におきましては、分類表に用いる和訳について確定いただき、ICD-11に準拠した疾病、傷害及び死因の統計分類の作成方針につきまして、御了承いただきました。
 本日は、前回の作成方針を踏まえまして作成いたしました、統計分類案について御審議をいただきます。
 委員の皆様方におかれましては、専門的な見地から忌憚のない御意見を賜りますとともに、円滑な審議に御協力、御尽力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○事務局
 それでは、運営要綱に従い、会の成立状況について御報告いたします。あらかじめ事務局のほうで確認させていただきましたところ、現在7名の出席をいただいております。
 現時点で、委員の3分の1を超える御出席をいただいておりますので、本会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 次に、本日の会議資料の確認をさせていただきます。事前送付いたしました会議資料を御覧ください。
 議事次第をはじめとしまして、議事次第に記載のとおり、資料1から「疾病、傷害及び死因の統計分類の改正に向けたスケジュール」。
 資料2は「前回の審議結果の要点」。
 資料3は「疾病、傷害及び死因の統計分類案の概要」。
 資料4から6は、各分類表となっております。
 参考資料1「『疾病、傷害及び死因の統計分類』告示改正の流れ」。
 参考資料2「ICD-11改訂の概要」。
 参考資料3「疾病製表用リスト」及び「死因製表用リスト」。
 参考資料4、現行のICD-10(2013年版)準拠の分類表となっております。
 参考資料5「厚生労働省設置法、社会保障審議会令、社会保障審議会運営規則」。
 参考資料6「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会運営要綱」。
 参考資料7「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会委員名簿」となっております。
 議事に入ります前に、幾つか御連絡がございます。
 まず、円滑な議事進行のため、報道機関の方は、写真撮影、画面のスクショとなりますけれども、ここまでとさせていただきます。また、議事の録音も御遠慮願います。御協力をよろしくお願いいたします。
 次に、部会運営について簡単に御説明させていただきます。
 本部会の運営については、社会保障審議会の運営に準ずること。
 会議は原則公開であること。
 議事録も原則公開されることとなっております。
 それでは、これより議事に入らせていただきます。
 ここからは、松田部会長に議事進行をお願いいたします。松田部会長、よろしくお願いいたします。
○松田部会長
 松田でございます。
 それでは、議事の1に入りたいと思います。
 「ICD-11準拠の統計分類案(基本・疾病・死因分類表案)について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
 それでは、私、清水のほうから説明させていただきます。
 まず、資料1のほうから説明させていただきます。
 こちらは、前回のICD部会で類似のようなものを説明させていただきましたが、最新の状況を加えてリバイスしたスケジュールのイメージとなっております。
 分かりやすい説明のため、下段にあります※印のほうから説明させていただきます。
 こちらに記載のとおり、世界保健機関、WHOがICD-11を2022年に発効しております。その際に、少なくとも5年の移行期間ということをうたっておりました。
 それを踏まえまして、2027年に新たな統計分類を施行したいと考えております。仮に施行を2027年、告示をその1年前の2026年に告示すると仮定した場合、こちらに記載のとおり、2025年夏には、厚生労働省から総務省に分類の変更を通知したいと思っております。
 これは、統計分類等の統計基準は、総務省が所管する統計法に位置づけられており、変更に当たっては総務省の統計委員会において承認の手続が必要になるためです。
 総務省に夏頃に渡すとした場合、中段に記載のとおり、本日、2025年2月にICD部会を開催し、その後、分類表案の確定をして、厚生労働省の社会保障審議会から厚生労働大臣への答申をするというイメージになります。
 それより上段に記載しております、2024年7月及び9月についてですが、これは既に実施済みのことを記載しております。9月にICD部会、7月にICD専門委員会を行っておりまして、本日をお示しする分類表案の作成に至るまでの必要な準備等を行っております。
 続きまして、資料2のほうに移らせていただきます。
 資料2は、前回のICD部会で決定した内容を記載させていただいております。
 赤枠で囲まれております「1.『疾病、傷害及び死因の統計分類』として告示するICD-11の範囲について」とあります。
 こちらは、ICD-11のどこからどこまでを統計分類の対象範囲とするかということです。ICD-11は1から26章、V章、X章、計28章から構成されており、前回のICD部会におきましては、WHOの製表用リストにも集計対象となっていないなどの様々な理由を踏まえて、1から25章のみを統計分類の対象範囲として決定しております。
 続いて、2ポツです。
 こちらは、統計分類の変更の作成方針です。後ほど説明しますが、疾病、死因分類については、本日、部会の委員であります林委員を研究代表者とする厚労科研の成果を活用するということで決定しました。
 最後の3につきましては、今後、ICD-11が継続的に更新されることを鑑みて、和訳決定プロセスについては、ICD専門委員会で行うという内容が決定しております。
 続きまして、資料3のほうに移らせていただきます。
 こちらは統計分類案の概要になります。統計分類案そのものについては、資料4から6に記載させていただいておりますが、何分にも膨大な量となっておりますので、資料4から6につきましては、私からの資料の詳細な説明は割愛させていただきます。
 資料3につきましては、統計分類案を簡潔に分かりやすくまとめた概要資料となっておりますので、私からは、こちらを中心に今回の統計分類の変更案について説明させていただきます。
 まず、全体の構成ですが、統計分類の変更案につきましては、基本分類表、疾病分類表、死因分類表の3つから構成されております。
 まず、基本分類表について説明させていただきます。
 基本分類といいますのは、ICD-11の死亡・疾病統計用分類、すなわちMMSから構成されております。では、このMMSは何かと申し上げますと、平たく言いますと、最小の分類単位である、おおむね3万5000個ぐらいのコードから構成されております。
 ただし、先ほど説明しましたとおり、前回の部会で統計分類の対象範囲と決定するとしましたのが1から25章となっておりまして、それが、おおむね1万7000あります。日本の基本分類表につきましては、そのMMSの約1万7000をそのまま持ってくるということも前回の部会で決まりましたので、そのとおりとしております。これが基本分類表になります。
 続きまして、疾病分類と死因分類表ですが、これは、我が国における疾病、死因の状況を概括するために作成したものとなっております。
 少し分かりやすく言いますと、基本分類を感染症や悪性新生物といったものにグルーピングして作成したものとなっております。例えば、肺炎というものでありましたら、大腸菌肺炎、インフルエンザ菌肺炎、肺炎球菌などいろいろなものを組み合わせております。各種統計結果が公表される際には、こちらの数値が一般の方に活用されたり、見られることが多いといった印象を個人的には受けております。
 現行ICD-10の疾病分類表というのは、ここにありますが、大分類、中分類、小分類の3つから構成されておりました。今回、厚労科研の成果を踏まえて一本化しております。
 死因分類につきましては、以前から1つのみでありましたし、今回も1つのみとさせていただいております。
 なお、青枠で囲まれたところ、こちらは、疾病製表用リスト、死亡製表用リストとありますが、これは日本の疾病分類表等に相当するWHOが作成したものです。
 個人的な見解では、日本以外の国々、加盟国全てのことを念頭に置いてあるようなところもありまして、感染症等に重きが多いような印象もあるかと思っております。
 いずれにせよ、前回の部会では、このグルーピングにつきましては、日本独自のものを使おうと決定しております。
 作成に当たっては、WHOのものを参考にしつつ、ここに書いてありますように、MMSの構造ですとか、WHOのもの、過去の分類表からの継続性、社会的影響等を総合的に勘案して、日本独自のものを作成しておりまして、疾病分類表は分類数が151、死因分類表は134となっております。
 先ほど申し上げました理由につきましては、1ポツから4ポツに記載しておりますが、こちらについては、私のほうから簡単に説明させていただきます。
 まず、1ポツにつきましてです。
 1ポツにつきましては、MMSの構造となっております。これは、どういうことかといいますと、分類表名の作成に当たりましては、まず、WHOがつくったMMSの章を飛び越えてグルーピングを作成しなかったりですとか、MMSのICD委員会部会で御了承いただきました和訳を基本的には用いて、分類表の和訳も作成したりしています。過去の分類名には過度にとらわれることはしておりません。
 また今回免疫系の疾患、睡眠・覚醒障害といった新たな章が立ち上がっております。これらは疾病及び死亡分類表案でも必ず残させていただいております。
 2つ目、WHOの製表用リストとあります。こちらは、先ほど説明したとおり、WHOがつくったものとなっております。
 こちらについても、国内及び国際的な比較のために、WHOが作成し、推薦するということになっております。私たちも分類表案を作る際には、こちらについても参考にさせていただいております。
 続きまして、3ポツのICD-10からの継続性となっております。
 ICD-11に準拠した死因及び疾病分類表については、まず、ICD-10準拠の死因分類表や疾病中分類表と同程度の粒度にしています。ICD-10準拠の疾病中分類表が148個、死因分類表が133個です。ICD-10の疾病中分類表と比較した場合、ICD-11の疾病分類表は151であり、ほぼ同等。死因分類表についても133から134個と、1個増えている程度でありまして、同程度の粒度となっておりまして、粗過ぎず、細か過ぎずということになっております。
 もちろん、先ほど説明しましたとおり、分類表案の名称をつくる際には、MMSの和訳、部会や委員会で御了承いただいたものを参考にしてつくりましたが、当然ICD-10準拠の分類表についても、一定程度参考にさせていただいております。
 その際に、当然WHOからもデータを把握するためのツールとして、10と11の参考として、マッピングテーブルのようなものがあります。
 これは、あくまでも両者の対応関係を示したものでありまして、10の概念がICD-11において、一意のコードを持たない場合があったり、疾患概念や軸、構成等が異なるため、ICD-10準拠と11準拠の分類表の厳密な比較は困難かなと考えております。
 次は、社会影響ですが、これは、そのほかに患者数や死亡者数、日本における社会的な注目度等も踏まえてつくっており、これら1ポツから4ポツまでを総合的に踏まえて、検討して、今回の疾病分類表案、死因分類表案のほうをお示しさせていただいております。
 資料4から6は、先ほど申し上げましたとおり、資料4につきましては、すごく膨大な分量となっていますので、詳細な説明は割愛させていただきますが、ここのコード番号等はICD-11と同じにしています。
 この青いところは、コードではないので、ここに分類されるということはなく、少しここは紛らわしいのですが、ブロックという形になっております。あくまでも、例えば、細菌性腸管感染症でしたら、その下に含まれるものは、この下に記載されているというものになっております。
 資料5は疾病分類表案となって、死因分類表案も類似の構造であり、こちらを用いて死因分類表案も併せて説明させていただきますが、疾病分類表案や死因分類表案には、上位概念、中位概念とありまして、例えば、0100「特定の感染症又は寄生虫症」というのが上位でありまして、下に、結核、ウイルス性肝炎、真菌症とありまして、これらが全部包含されているとお考えいただければと思っております。
 資料6については、死因分類表案ですが、おおむね同じような形となっております。
 私からの資料についての説明は、少し駆け足で申し訳ございませんでしたが、以上となります。
○松田部会長
 ありがとうございました。
 今回の分類表は、厚労科研の林先生の成果を活用させていただきましたので、林先生より、もし追加で何か御説明がありましたら、お願いします。
○林委員
 今、御説明いただいたとおりなのですけれども、この資料のところの細かい字で書いてある5ページのところですけれども、そこに今回の大きな変更箇所ということで書いてあります。新たな章が入ったこと。それから、脳血管疾患やインフルエンザなどが章を超えたところに移動してしまったこと。それから疾患概念が変化したということで、大腸の悪性新生物や、気分障害、躁鬱病、坐骨神経痛などといったものが変わっている。それから、分類軸が変わったということで、悪性リンパ腫、白血病が、今度はリンパ系新生物だとか、骨髄系新生物といったものに変わっていること。それから、リウマチ性心疾患なども弁膜症というような形で、かなり大きな変更となっております。
 ですので、やはり直接ICD-10がICD-11に対応するというものではなく、以前、ICD-10に移行したのが1995年でして、それから、もう20年もたっている中で、医療がいろいろ変わっている中で、より細かいというのもありますが、そういう新たな医療の成果も反映させたというものになっているので、そういった意味で、すぐに対応をということではなく、この新しいICD-11のよさを日本の医療の中に少しずつ取り込んでいくことが必要かと思っていますし、それについては、時間もかかるかもしれないと思いました。
 私も最初は、分類するだけ増えて、どうなるのだろうと思ったのですけれども、やはり、細かいところを見ていくと、いろいろな進歩が見えるかなというのが、新しいICD-11ということだと思います。
 それから、分類表につきましては、昔は、疾病については、大、中、小という形であったのですが、今は、e-Statで非常に細かい統計表が公表されるようになっていて、例えば、患者調査の基本分類、現状でも基本分類の一番細かい形で全て公表されていますので、中間の段階としての疾病分類表や死因分類表というものは、あくまでも本当に細か過ぎないところで、でも、粗過ぎないと、先ほど清水室長がおっしゃったとおりのものということで、逆に臨床のほうですと、この基本分類というところが、オンラインでe-Statでダウンロードして使っていただくという、そういう使い方に、これからはなっていくのだろうなと思っております。
 私のほうからは以上です。
○松田部会長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの事務局の説明、それから林先生の御説明に対して、御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 御意見、御質問のある方は、画面上で手を挙げていただければ、こちらのほうで御指名いたします。
 よろしいでしょうか。何もないみたいですけれども、大丈夫ですか。
 よろしいでしょうか、すみません、では、資料について御了承いただけたということで、今後、資料に記載された方針に沿って、告示改正の作業を事務局に進めていただき、まとまりましたら、また次回の部会で御審議いただきたいと思います。
 それでは、議事のほうは、以上で終了となるのですけれども、最後に何か事務局のほうから連絡あるいは何か付け足すようなことがありましたら、よろしくお願いします。
○事務局
 ありがとうございます。
 事務局からは、部会長からも御説明がありましたとおり、資料については御了承いただけたということで、今後、資料に記載された方針に沿って、パブコメ等の告示改正の作業を事務局にて進めてまいります。
 本部会の次回開催ですけれども、議事案などがまとまりましたら、また、御連絡させていただきますので、先生方におかれましては、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○松田部会長
 ちょっと想定外の事態でございまして、こんなに短時間で終わると思わなかったので、すみません。
 では、第12回「社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会」を閉会いたしたいと思います。
 本日は、どうもありがとうございました。