2024年11月25日 薬事審議会 血液事業部会 議事録
日時
令和6年11月25日(月)16:00~
場所
厚生労働省専用第15会議室
出席者
- 出席委員(18名)五十音順
-
- 荒戸照世
- 堺田惠美子
- 佐々木司
- 髙橋滋
- 武田飛呂城
- 館林牧子
- 田野﨑隆二
- 長村登紀子
- 野口晴子
- 野村恭一
- ○濵口功
- 人見嘉哲
- 松下正
- 松本剛史
- 水上拓郎
- ◎三谷絹子
- 山内正憲
- 脇田隆字
(注)◎部会長 ○部会長代理
-
欠席委員(2名)
- 宮川政昭
- 矢口有乃
- 日本赤十字社 血液事業本部
-
- 藤田経営企画部部長
- 早坂経営企画部次長
- 後藤技術部次長
- 行政機関出席者
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- 佐藤大作(大臣官房審議官)
- 岩崎容子(血液対策課長) 他
議事
○岩崎血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから「薬事審議会令和6年度第1回血液事業部会」を開催いたします。本日はお忙しい中御参集いただき誠にありがとうございます。
私は、4月1日に着任いたしました血液対策課長の岩崎でございます。このたびは、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用の審議とさせていただきます。また、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
次に、委員の出欠状況です。本日は宮川委員、矢口委員から御欠席との御連絡をいただいております。本日の部会は現時点で委員20名中16名に出席をいただき、定足数に達しましたので、薬事審議会令第8条により、本部会が成立いたしましたことを御報告申し上げます。なお、荒戸委員、長村委員におかれましては遅れて参加する旨御連絡いただいております。また、佐々木委員、脇田委員におかれましては、業務の都合上17時に御退席される予定です。
次に、今般、委員の交代があり、山内委員が新たに就任されましたので御紹介いたします。山内先生、御挨拶をお願いいたします。
○山内委員 日本麻酔科学会からまいりました、東北大学麻酔科、山内でございます。西脇先生の後を私が担当させていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○岩崎血液対策課長 また、本日は、日本赤十字社血液事業本部から、藤田経営企画部部長、早坂経営企画部次長、後藤技術部次長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。厚生労働省大臣官房医薬担当審議官に佐藤が着任しております。血液対策課課長補佐に金子が着任しております。同じく課長補佐に源が着任しております。同じく需給専門官に山本が着任しております。なお、佐藤審議官ですが、本日は公務のため途中での退席を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○金子課長補佐 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、濵口委員より、一部の議題について関連企業との間で審議の公平さに疑念を生じさせると考えられる特別の利害関係を有する旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。また、薬事審議会審議参加規程に基づきまして、各委員の利益相反の確認を行いましたところ、堺田委員、髙橋委員、松下委員、松本委員、三谷委員から関連企業より一定額の寄附金、契約金などの受取の報告をいただきましたので御報告いたします。
議題1に関しましては、松下委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
また、議題2に関しまして、濵口委員につきましては関連企業と特別の利害関係を有すると御報告をいただいており、また、松下委員につきましては500万円を超えた受取との御報告をいただいておりますので、本規定に基づき、ロビーのほうで待機していただきます。堺田委員、髙橋委員、松本委員、三谷委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
これらの申告につきましては、ホームページで公開させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、「1 議事次第」から「9 参考資料1」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けをお願いします。なお、「3 薬事審議会規程及び各調査会設置要綱等」を提示しておりますが、運営委員会及び各調査会につきましては、薬事分科会から薬事審議会への名称変更に伴い、設置要綱・規程の修正を行っておりますので御報告させていただきます。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。部会長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のため、まずはお名前を御発言ください。ノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した場合には、一度皆様の発言を控えさせていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は部会長からお願いする場合がございます。その場合には記入されたメッセージに応じて、部会長より発言者を御指名いただきます。
Web参加の皆様におかれましては、議事進行中に会場の音声が聞こえづらい状況が続き審議参加に支障を来す場合には、チャット等でお知らせいただきますようお願いいたします。
それでは、間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
この後の進行につきましては、三谷部会長にお願いいたします。
○三谷部会長 それでは議題に入ります。議題1は「1.令和7年度の献血の推進に関する計画(案)について(諮問)」です。本日は、令和7年度の計画(案)について、11月6日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、本部会で審議したいと思います。それでは、事務局より資料の御説明をお願いします。
○金子課長補佐 事務局です。それでは、議題1「令和7年度の献血の推進に関する計画(案)について」、資料1-1と資料1-2を用いて御説明いたします。
まず、資料1-1の1ページを御覧ください。令和7年度の献血の推進に関する計画(案)についての概要です。1.制定の趣旨です。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法第10条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされております。このため、今般、令和7年度の献血推進計画を定めるものです。
2.計画の概要です。血液法第10条第2項で計画に記載する項目が定められております。第1として、当該年度、今回は令和7年度になりますが、献血により確保すべき血液の目標量、第2として、献血に関する普及啓発その他の当該目標量を確保するために必要な措置に関する事項、第3として、その他献血の推進に関する重要事項になります。
二つ目のマルです。令和6年度の計画からの主な変更点として、上記第2の事項に関し、採血事業者が行う、献血者の利便性に配慮しつつ、安全で安心かつ効率的な採血を行うための取組が、ライフスタイルの多様化に対応するための取組であるということを明確化しました。
4.施行期日等について、今回、御審議いただき、お認めいただけましたら、令和7年の2月下旬に告示し、4月からの適用を予定しております。
資料の説明を先に進めさせていただきます。4ページから、諮問書と令和7年度の献血推進計画の案を添付しております。15ページから、計画(案)の新旧対照表を用意しておりますので、こちらで御説明いたします。
15ページを御覧ください。新旧対照表の左側が令和7年度の献血推進計画(案)です。右側の下線部が、令和6年度計画からの改正部分です。まず、「第1 令和7年度に献血により確保すべき血液の目標量」の項目です。令和7年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、赤血球製剤が前年度より1万リットル増の53万リットル、血漿製剤も1万リットル増の26万リットル、血小板製剤が前年度と同じ17万リットルの見込みで、それぞれ同じ量が製造される見込みです。
2ポツ目です。1ポツ目の輸血用血液製剤を製造・供給するため、さらには、国内分画メーカー向けとして確保されるべき原料血漿の量、これらを勘案しますと、全血採血による136万リットル、成分採血による88万リットルの、計224万リットルを献血により確保する必要があります。全体として、前年度より2万リットルの増となっております。なお、成分採血の内訳としては、血漿成分採血が59万リットル、血小板成分採血が29万リットルとなっています。これらの数字については近年の実績を参考に、医療機関の需要動向も踏まえ、日本赤十字社から届出のあったものになります。
次に、16ページを御覧ください。「第2 献血に関する普及啓発その他の第1の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」です。2 献血推進のための施策の(1)ア(ア)全国的なキャンペーン等の実施の1ポツ目で「愛の血液助け合い運動」の主たる行事として、来年度は宮城県において献血運動推進全国大会を開催する予定です。また、2ポツ目で、「近年需要が増大している免疫グロブリン製剤等の血漿分画製剤について」と、具体的な製剤名を記載しております。
続いて、17ページを御覧ください。(ウ)複数回献血の推進です。下線の部分で、「献血Web会員サービス「ラブラッド」への登録を働きかける等により」と追記しました。こちらについては、下の項目の「イ 若年層を対象とした普及啓発」の中には、既に「ラブラッド」への登録を働きかけることが記載されておりますので、「ア 国民全般を対象とした普及啓発」にも記載を追記いたしました。
次にその下の「イ 若年層を対象とした普及啓発」の中の、(エ)学校等における献血の普及啓発の部分については、今年6月に閣議決定されました骨太の方針に記載された表現ぶりと合わせることとしました。
次に、(2)採血所の環境整備等の中の「イ 献血者の利便性の向上」の3行目の所ですが、今年の4月に改定された血液法基本方針の記載ぶりと合わせ、「ライフスタイルの多様化に対応するための取組として」という記載内容を追加しております。
最後に18ページ、「第3 その他献血の推進に関する重要事項」の4については、時点修正のみとし、これまでと同様の書きぶりとしております。
続きまして、資料1-2について説明させていただきます。資料1-2「令和7年度の献血推進計画(案)に対する意見募集結果について」、御紹介いたします。今回、10月8日から11月6日まで意見募集しましたところ、6件の御意見があり、うち1件は計画(案)に直接関係のない内容でしたので、5件について紹介させていただきます。
2ページを御覧ください。まず番号1、こちらの御意見については、一つ目が、輸血のイメージが先行し、血液製剤の認知が進んでいないこと。二つ目が、目標値に達しなければ海外からの輸入の増加、感染症の増加につながる可能性もあるので、タイトに数量や目標を立てるべきではないといった御意見を頂いております。こちらは血漿分画製剤の周知に関する御意見と理解しておりますが、令和7年度の献血推進計画(案)において、「免疫グロブリン製剤等の血漿分画製剤について、献血から得られた血液を原料とすることや、多くの疾患の治療に欠かすことができないことを周知する」と記載することとしておりますので、頂いた御意見は今後の具体的な普及啓発を行うに当たっての参考とさせていただくと回答いたします。
また、タイトに数量や目標を立てるべきでないという御意見ですが、日本赤十字社から国内の製薬メーカーに供給される原料血漿の量については、血液法に基づき医療現場の需要等を踏まえ毎年度の需給計画により定めていることと、血液法の基本理念である国内自給が確保されるように、献血に関する国民の理解や協力を得るための教育及び啓発に努める旨を回答させていただく予定です。
続いて、番号2、令和7年度献血推進計画にHLA適合成分献血とその実情の啓発について追記し、使用者の理解を促進することを提案するといった御意見です。こちらの回答としましては、令和7年度の計画にもこれまでと同じ内容を記載し、企業等へ休暇取得への配慮など、進んで献血しやすい環境づくりをお願いすることとしていきたいと考えます。併せて、HLA適合成分献血のように、頻繁に献血に御協力いただく方につきましては、企業等に御理解、御協力を頂けるように、具体的な周知の方法について日本赤十字社と相談させていただくと回答いたします。なお、資料には記載しておりませんが、厚労省内でも労働関係部局などに相談しまして、企業等へ働きかけるような取組が何かできないか考えてみたいと思います。
続きまして、番号3、ラブラッドポイントで救援物資に交換して日本赤十字社に寄付できるようにしたいといった御意見です。こちらの御意見は日本赤十字社に提供しまして、今後の施策の検討に当たっての参考とさせていただきます。
次に番号4、献血時の血液検査の項目に尿酸値を追加してはどうかという御意見です。ここ何年かのパブコメでも同様の御意見を頂いております。献血者の健康管理及び利便性の向上のため、血液検査による健康管理サービスの充実という所で読めるのではないかと考えておりますが、日本赤十字社からは、試薬やシステムの改修等に費用を要するといった課題があると伺っています。御提案は日本赤十字社にも提供しまして、引き続き、導入する場合の費用対効果を踏まえ、今後の施策の検討に当たっての参考とさせていただきたいと考えております。
最後に5番の、今回の計画では、過去の停滞状況を一新するようなものを期待していますという御意見ですが、こちらについては、御意見として承りましたと回答いたします。資料1-2の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 それでは、ただ今の説明について、御意見、御質問などはありませんでしょうか。よろしいでしょうか。令和7年度の献血の推進に関する計画(案)と、パブコメの内容、そして回答について御説明いただきました。
個人的にはパブコメの2番、HLAの成分献血が頻回にわたっているドナーの方のことが少し気になるのですが、こういう方に、HLA成分献血に協力していただいているという証明書のようなものを日本赤十字社から発行していただいて、勤務先に提出していただくというようなシステムは可能ですか。
○日本赤十字社早坂次長 日本赤十字社の早坂です。御意見ありがとうございます。血液センターによっては、やはり証明書のようなものを作成している所もありますし、今後、私どもといたしましても、要望に応じて臨機応変に証明書のようなものを発行できるように各センターに周知してまいります。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございます。委員の方、御質問はありますでしょうか。
それでは、御質問、御意見等がないようですので、当部会として、令和7年度献血推進計画(案)について適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。なお、松下委員は議決には加われません。本計画(案)についていかがでしょうか。
御異議はないと認めます。それでは、議決について、御異議はなかったということにしたいと思います。ありがとうございました。
本件については、薬事審議会における確認事項に基づき、当部会の議決をもって令和7年度献血推進計画(案)について適当であると認め、薬事審議会に報告することといたします。なお、その他の取扱いにつきましては、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。また、パブリックコメントに寄せられた意見への回答につきましては、本日の御意見を踏まえて、事務局は対応をお願いいたします。
それでは、続いて、議題2に入ります。議題2は「令和7年度需給計画(案)について(諮問)」です。それでは、濵口委員、松下委員は御退席をお願いいたします。
○山本需給専門官 事務局です。議題2の「令和7年度需給計画(案)について(諮問)」です。資料2-1「令和7年度需給計画(案)について」の資料と、資料2-2の「別表」、こちらは資料2-1にある別表をページ数もそのままに抜粋して資料2-2に掲載しているものです。
それでは資料2-1から御説明いたします。1ページ、令和7年度需給計画(案)についての概要です。「1.趣旨」ですが、血液法第26条第1項において、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の需給計画を定めるものとされております。
今般、令和7年度の需給計画を定めるというものです。
「2.内容」ですが、血液法第26条第2項に基づき、第1~第5の5つの事項について来年度の計画を定めるものです。
「3.根拠法令」については、2、3ページに参考として掲載していますので、適宜御覧いただければと存じます。今後の予定ですが、本日の令和7年度の需給計画(案)についての御意見を踏まえ、次回2月の血液事業部会に再度お諮りして、「4.告示日等」に記載の、令和7年3月下旬に告示をし、4月1日から適用を予定しています。
続きまして、4ページを御覧ください。血液法第27条第4項の規定に基づき、令和5年度の需給計画実施状況について御報告いたします。製剤ごとの需給状況については6ページの別表又は資料2-2の1枚目の6ページにある別表を御覧ください。各製剤の製造輸入量の実績をマル1の欄に、そのうち国産原料から製造された量をマル2の欄に、供給量をマル3の欄に、輸出量をマル4の欄に記しており、各欄の下段が需給計画で定めた量、上段が実績、実績の右側括弧内に達成率を表示しております。
4ページに戻ります。まず、1.令和5年度に製造又は輸入された血液製剤の種類及び目標量と、製造・輸入量の実績では、人免疫グロブリン、血液凝固第VIII因子等、10製剤でほぼ目標を達成、又は目標量を上回って製造・輸入されています。
2.です。国産原料からの製造の実績では、11製剤のうち、人免疫グロブリンなど4製剤でほぼ目標を達成、または目標量を上回って製造されており、ほかは目標を下回っています。
3.供給量の実績ですが、18製剤のうち、人免疫グロブリン等14製剤でほぼ目標どおりに供給されました。
続いて5ページを御覧ください。4.輸出量の実績ですが、輸出を計画していた2製剤のうち、血液凝固第VIII因子は日本血液製剤機構のクロスエイトが世界血友病連盟へ寄付が行われましたが、血液凝固第IX因子の輸出実績はありませんでした。
全体を通して、令和5年度については、一部の製剤では製造や供給などで目標量を下回った製剤もありますが、これらを除いた他の製剤では医療需要に応じて安定供給されています。また、人免疫グロブリンについては、当初の予測を上回る需要増加に伴い、欠品リスクを回避するため需給計画を変更し、輸入目標量を増やすとともに、医療現場に御協力いただきながら、安定供給に努めてまいりました。
5.です。原料血漿の確保実績については、日本赤十字社において目標量を上回る確保ができました。
6.です。血液製剤の製造販売業者への原料血漿配分量は、各社に対して計画どおり配分となりました。配分総量は120万リットルです。
続いて、7ページを御覧ください。令和6年度需給計画の上半期(4月~9月)の実施状況の御報告です。製剤ごとの需給状況については、資料2-2の9ページの別表を御覧ください。7ページの、1.令和6年度に国内において製造又は輸入された血液製剤の種類及び目標量と製造・輸入量の実績(4月~9月)、続いて、2.国内献血由来の血液製剤の製造量の実績、3.供給量については、乾燥人フィブリノゲンなど、一部の製剤で目標量を下回っている製剤もありますが、市場欠品は生じておりません。その他の製剤に関しては、医療需要に応じ安定供給がなされており、現状、問題は生じておりません。なお、人免疫グロブリンについては、資料2-2の9ページの別表で、マル1製造・輸入量の実績は51.7%、マル2国産原料からの製造量実績は42.3%、マル3供給量実績は45.5%となっています。令和6年度需給計画において、需要見込318万本に対して、供給可能量は394万本としているところ、おおむね順調に実施されているものと考えておりますが、引き続き需給状況に注視するとともに、安定供給に努めてまいりたいと考えております。
7ページの4.です。輸出量の実績については、KMバイオロジクスが血液凝固第IX因子製剤53本を輸出しています。
続きまして、8ページを御覧ください。5.原料血漿確保実績については、目標123.0万リットルに対し、上半期で62.1万リットルを確保しています。
続いて、6.原料血漿の配分については、9月までの確保状況から、今年度も計画どおり配分ができるものと見込まれるところです。
続きまして、10ページの「血漿分画製剤の自給率の推移」を御覧ください。主な血漿分画製剤の自給率の推移を表しています。血液凝固第VIII因子製剤の国内自給率は、遺伝子組換え製剤を除き、平成6年以降は国内自給率100%を達成しています。人免疫グロブリン製剤の国内自給率は、令和5年度75.3%で、国内自給率は低下しています。令和元年度に国内献血由来の製剤が供給不足となったこと、国内メーカー各社の製造能力が限界まで達しており、現有の製造能力ではこれ以上の増産は困難であり、不足分を輸入で補填している状況ですので、輸入製剤の需要が高まり、国内自給率が低下しているものと見込んでおります。アルブミン製剤の国内自給率は、令和5年度は71.1%です。平成19年度をピークに低下から横ばいの状況が続いていましたが、令和4年度に基礎的医薬品になり、薬価が統一されたことによる影響もあるかと思いますが、徐々にですが自給率の向上が見られます。
11ページ以降は主要3製剤の供給量の推移です。11ページを御覧ください。アルブミン製剤の供給量の推移です。供給量の数値ですが、令和5年度までは実績値で、令和6年度は上半期の供給実績を事務局で1年分に換算した数値、令和7年度は各社からの供給見込を集計した数値です。以降のページも同様です。アルブミン製剤については年々供給量が減少していましたが、近年はほぼ横ばいの状況です。
12ページを御覧ください。人免疫グロブリン製剤の供給量の推移です。人免疫グロブリン製剤に関しては、近年供給量が年々増加しており、右肩上がりの状況です。令和7年度については引き続き需要が堅調であると見込んでいますので、輸入量も更なる増加を計画しております。
続いて、13ページを御覧ください。血液凝固第VIII因子製剤の供給量の推移です。平成30年度をピークに、令和元年度以降は減少傾向に転じています。
続いて15ページを御覧ください。こちらから令和7年度の需給計画(案)についてです。15ページは諮問書になります。
16ページは、令和7年度の需給計画(案)ですが、令和6年度計画からの主な変更点は、原料血漿の確保・配分量や供給見込量などの数値部分になります。これら数値部分は血漿分画製剤の需給動向により毎年度変化するものです。
17ページを御覧ください。血液法第26条第2項に規定されています本計画で定めることとされている事項について、第1から順に記載しています。第1.令和7年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量については、資料2-2の20ページの別表の(ア)の欄に、第2.令和7年度に国内において製造され又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標については、別表の(イ)の欄に、一つ飛ばして、第4.令和7年度に国内原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標は、別表(ウ)の欄に、19ページの第5の2の令和7年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量については、資料2-2の20ページの(エ)に、それぞれお示ししております。これら需要見込や目標量に関しては、血液法に基づき製造販売業者から報告される届出や、近年の供給実績も勘案し、安定的に供給されるよう算出したものです。
資料2-1の20ページの別表ですが、参考として、右から2列目に令和6年度末の在庫見込量の報告も記載しております。この在庫見込量と(イ)の製造・輸入目標量を加えて、(エ)の輸出量を差し引いたものが、一番右端の供給可能量になっています。この供給可能量が(ア)の需要見込以上であれば、安定供給が可能になることになります。供給可能量と(ア)の需要見込を比較したところ、全ての製品において供給可能量が需料見込を上回っている、あるいは同量となっておりますので、令和7年度においては、供給に支障は生じないものと考えておりますが、特に人免疫グロブリン製剤に関しては、今年度に引き続き、令和7年度も需給状況を注視していきたいと考えております。
それでは資料2-1の17ページに戻ります。第3.令和7年度に確保されるべき原料血漿の量の目標ですが、120.0万リットルを目標量としています。
18ページを御覧ください。第5.その他原料血漿の有効利用に関する重要事項、1の原料血漿の配分ですが、原料血漿の種類ごとの標準価格については、次回の血液事業部会で御審議いただくこととなりますので、今回は空欄とさせていただいております。2は、令和7年度に採血事業者である日本赤十字社から製造販売業者へ配分される原料血漿の種類ごとの配分見込量です。最近の需要動向や在庫状況などを勘案して配分していますので、年度ごとに配分量の変動はありますが、全体としては血液製剤の安定供給に必要な量の配分が可能となるよう調整しています。令和7年度においては合計120万リットルの配分を計画しております。
19ページを御覧ください。その他原料血漿の有効利用に関する重要事項の2.令和7年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量ですが、先ほども触れましたが、令和7年度の輸出見込は、血液凝固第VIII因子製剤、血液凝固第IX因子製剤が資料2-2の20ページの別表(エ)に示すとおりの輸出量となっています。なお、平成6年度計画と同様ですが、血液凝固第VIII因子製剤は、日本血液製剤機構がクロスエイトMCを世界血友病連盟への寄付を見込んでいます。血液凝固第IX因子製剤については、KMバイオロジクス社がノバクトⅯの輸出販売を見込んでいます。
資料2-1の21ページを御覧ください。令和7年度の原料血漿確保目標量(案)は、120.0万リットルとしています。2.でお示ししています、令和7年度の原料血漿配分量は、凝固因子製剤用が32.0万リットル、その他の分画製剤用は合計88.0万リットルで、合計が120.0万リットルとなっています。
資料2の御説明については以上となります。どうぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。令和7年度の需給計画(案)について御説明いただきました。ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問など、ありますでしょうか。田野﨑委員、お願いします。
○田野﨑委員 慶應大学の田野﨑でございます。令和7年度の需給計画自体は、これまでと余り変わらないということで理解をいたしましたが、実際のところ、臨床現場におきましては、アルブミンそして免疫グロブリンは、そのときそのときでかなり足りなくなっているというような状況がこれまでございましたので、恐らく配分や何かを良くすると、うまくいくのではないかとは思いますが、臨床現場では、かなりそういうところが皆、緊迫してきているところですので、何か、より工夫をしていただくということが実際のところでは必要になるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、グロブリン製剤やアルブミン製剤は、その時々によって需給状況がひっ迫するようなことがあります。こういったものについては、必ず、まずメーカーのほうがそういった情報を非常に敏感に感じ取る形になっております。また、そういう供給不安が生じた場合に、供給不安報告というものを頂くような仕組みとなっておりますので、各血漿分画製剤のメーカーとも連携しながら、そういった需給状況のバランスといったものを注視していきたいと考えております。以上でございます。
○田野﨑委員 もう1点、伺いたいのが、結果として免疫グロブリンもアルブミンも、海外からの輸入量が一時的にかなり増加していると思いますが、今般、その価格差が、海外のいろいろな物価の高騰ということで、輸入がどんどん増えていくと、そこのしわ寄せといったものがいろいろと起こってくるのではないかと思うのですが、こちらに関してはどのような形で対応されているのでしょうか。
○山本需給専門官 事務局でございます。今の先生の御指摘のように、特にグロブリン製剤については、かなり輸入量が増えている状況です。こちらは、国内メーカーの製造能力が限界に達している、一方で医療需要が伸びているといった状況ですので、短期的には海外からの輸入で安定供給を図るほかないと考えております。
他方で、血液製剤については、血液法の基本理念で国内自給を原則とするとされております。そういったことからも、グロブリン製剤については、短期的には輸入に頼る、他方、輸入製剤を国内に入れるということは、ある意味、海外の医療需要も奪ってしまっているということですので、厚生労働省としては、血漿分画メーカーに支援をして、そういった供給体制を強化するような形の支援を模索しているところです。以上でございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ありますか。武田委員、お願いします。
○武田委員 はばたき福祉事業団の武田です。よろしくお願いします。今、御回答いただいたところで、免疫グロブリン製剤の国内自給のところは、今、70%ぎりぎりといったところから、令和7年度は3分の2を割り込むような見込みの数値も出ておりますので、きちんと国内で免疫グロブリンを作っていける体制、そのためにも、今おっしゃっていただいたように、支援策を含めて是非検討いただきたいということが、まず1点です。
もう1点は供給不安のところですが、きちんとメーカーから情報を得てというところもありますし、また、これは繰り返しお伝えしておりますが、やはり流通在庫が見えてこないと、病院のほうも疑心暗鬼になってしまうといいますか、いつまでこの状況が続くのだろうかと先が見えなくなってしまうと思いますので、流通している分も含めて、在庫が今どのようになっているのかといったことを、きちんと、しっかり見える化して示していくといった取組を是非お願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 武田委員からの御指摘、ありがとうございます。そういった短期的な需要をカバーしつつ、将来的には、中長期的にはしっかりと国内自給できるような形にしたいと考えております。また、流通在庫については、関係事業者と連携して対応していくように努力してまいりたいと思います。以上でございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。Web参加の委員からも特に御意見、御質問等、ございませんか。荒戸委員、お願いします。
○荒戸委員 本質的な話ではないと思うのですが、9ページの別表の中で、「人プロテインC」の数値は正しいのか、確認させていただきたく思います。
○山本需給専門官 ありがとうございます。9ページの「人プロテインC」、例えば、製造量が1,152で192%、この数値でしょうか。
○荒戸委員 そうです。それで、その次の列は753で、パーセンテージが出ていないようなのですけれども、これでいいのかという意味です。
○山本需給専門官 ありがとうございます。9ページの「人プロテインC」ですが、こちら、アナクトCという製剤が、令和6年度の製造予定はなかったのですが、2023年度、令和5年度に製造済みだったロットがちょっと諸事情で出荷できなくなったと聞いております。そのため、2024年度に再製造したというように聞いております。ですので、数値としては間違いないのですが、ちょっとそういった事情により、先生に御指摘いただいたとおり、数値的に疑義が生じるような記載になっております。以上でございます。
○三谷部会長 荒戸委員、よろしいでしょうか。
○荒戸委員 ありがとうございます。特に供給に問題がないようであれば、これで結構です。
○三谷部会長 ほかの委員から、御意見、御質問等はありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、事務局においては、本議題は次回の血液事業部会においても継続審議になりますので、本日頂いた御意見を踏まえ、原料血漿の配分価格と合わせて修正案の準備をお願いします。
以上で、議題2が終了しましたので、御退席いただいた濵口委員、松下委員をお呼びください。
○金子課長補佐 では、事務局より、議題3、資料3の「献血推進2025」の期間延長について説明いたします。こちらの資料の1.経緯について、献血の中期目標であります「献血推進2025」を策定した2020年当時は、新型コロナの感染拡大期であり、その影響を見通せませんでしたので、「中間年である令和5年度を目途に達成目標の実績値を確認し、必要に応じて見直す」としておりました。そのため、令和6年7月の献血推進調査会において、これまでの実績を確認して中間評価を行い、現状の把握と今後の方向性について事務局より提示させていただきました。こちらについては後ろの別紙として資料を添付しております。
今後の方向性については、調査会で御了承いただきましたので、下の2.のとおり整理をさせていただきました。2.中期目標「献血推進2025」の期間延長について、説明をさせていただきます。
マル1中期目標期間についてですが、血液法の基本方針の対象期間と、献血の中期目標期間を合わせることにより、基本方針に基づいて国や日本赤十字社、自治体等が一体となって献血推進ができるようにするために、「献血推進2025」の目標期間(2021年度から2025年度)を、2028年度までと期間を延長させていただきます。
続きまして、マル2達成目標についてですが、当面の間は、各目標についてポストコロナの人口動態の経過を見ながら、引き続き、それぞれの達成状況を確認しつつ献血推進の取組を行ってまいります。また、今後、免疫グロブリン製剤の需要動向の変化など、目標献血率に大きな影響を及ぼすような変化が起こり得る可能性もあります。したがって、引き続き血液製剤の需要予測を継続して行いながら、必要に応じて献血の中期目標値を見直すことについても合わせて検討していきたいと考えております。
簡単ですが、説明は以上になります。お願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。「献血推進2025」の期間を延長されるというお話でした。2028年度までということですが、ただいまの御説明に関して、御意見、御質問等ありますでしょうか。よろしいですか。それでは、そのようにお願いいたします。ありがとうございました。
本日の議題は以上ですが、委員の皆様から、ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。それでは事務局に議事進行をお戻しいたします。
○岩崎血液対策課長 三谷部会長、どうもありがとうございました。次回の血液事業部会の日程は別途御案内を差し上げます。また、来年1月に薬事審議会血液事業部会委員の改選が予定されております。任期満了に伴いまして、長村委員、野村委員、濵口委員、矢口委員が本日の部会をもちまして退任されます。任期中、様々な案件につきまして御指導、御鞭撻を賜りましたことに、心から御礼申し上げます。また、来期以降もお残りいただく委員におかれましては、引き続き高い見地から忌憚のない御指導、御意見を賜りますよう、お願い申し上げます。
これにて、令和6年度第1回血液事業部会を終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。
私は、4月1日に着任いたしました血液対策課長の岩崎でございます。このたびは、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用の審議とさせていただきます。また、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
次に、委員の出欠状況です。本日は宮川委員、矢口委員から御欠席との御連絡をいただいております。本日の部会は現時点で委員20名中16名に出席をいただき、定足数に達しましたので、薬事審議会令第8条により、本部会が成立いたしましたことを御報告申し上げます。なお、荒戸委員、長村委員におかれましては遅れて参加する旨御連絡いただいております。また、佐々木委員、脇田委員におかれましては、業務の都合上17時に御退席される予定です。
次に、今般、委員の交代があり、山内委員が新たに就任されましたので御紹介いたします。山内先生、御挨拶をお願いいたします。
○山内委員 日本麻酔科学会からまいりました、東北大学麻酔科、山内でございます。西脇先生の後を私が担当させていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○岩崎血液対策課長 また、本日は、日本赤十字社血液事業本部から、藤田経営企画部部長、早坂経営企画部次長、後藤技術部次長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。厚生労働省大臣官房医薬担当審議官に佐藤が着任しております。血液対策課課長補佐に金子が着任しております。同じく課長補佐に源が着任しております。同じく需給専門官に山本が着任しております。なお、佐藤審議官ですが、本日は公務のため途中での退席を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○金子課長補佐 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、濵口委員より、一部の議題について関連企業との間で審議の公平さに疑念を生じさせると考えられる特別の利害関係を有する旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。また、薬事審議会審議参加規程に基づきまして、各委員の利益相反の確認を行いましたところ、堺田委員、髙橋委員、松下委員、松本委員、三谷委員から関連企業より一定額の寄附金、契約金などの受取の報告をいただきましたので御報告いたします。
議題1に関しましては、松下委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
また、議題2に関しまして、濵口委員につきましては関連企業と特別の利害関係を有すると御報告をいただいており、また、松下委員につきましては500万円を超えた受取との御報告をいただいておりますので、本規定に基づき、ロビーのほうで待機していただきます。堺田委員、髙橋委員、松本委員、三谷委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
これらの申告につきましては、ホームページで公開させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、「1 議事次第」から「9 参考資料1」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けをお願いします。なお、「3 薬事審議会規程及び各調査会設置要綱等」を提示しておりますが、運営委員会及び各調査会につきましては、薬事分科会から薬事審議会への名称変更に伴い、設置要綱・規程の修正を行っておりますので御報告させていただきます。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。部会長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のため、まずはお名前を御発言ください。ノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した場合には、一度皆様の発言を控えさせていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は部会長からお願いする場合がございます。その場合には記入されたメッセージに応じて、部会長より発言者を御指名いただきます。
Web参加の皆様におかれましては、議事進行中に会場の音声が聞こえづらい状況が続き審議参加に支障を来す場合には、チャット等でお知らせいただきますようお願いいたします。
それでは、間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
この後の進行につきましては、三谷部会長にお願いいたします。
○三谷部会長 それでは議題に入ります。議題1は「1.令和7年度の献血の推進に関する計画(案)について(諮問)」です。本日は、令和7年度の計画(案)について、11月6日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、本部会で審議したいと思います。それでは、事務局より資料の御説明をお願いします。
○金子課長補佐 事務局です。それでは、議題1「令和7年度の献血の推進に関する計画(案)について」、資料1-1と資料1-2を用いて御説明いたします。
まず、資料1-1の1ページを御覧ください。令和7年度の献血の推進に関する計画(案)についての概要です。1.制定の趣旨です。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法第10条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされております。このため、今般、令和7年度の献血推進計画を定めるものです。
2.計画の概要です。血液法第10条第2項で計画に記載する項目が定められております。第1として、当該年度、今回は令和7年度になりますが、献血により確保すべき血液の目標量、第2として、献血に関する普及啓発その他の当該目標量を確保するために必要な措置に関する事項、第3として、その他献血の推進に関する重要事項になります。
二つ目のマルです。令和6年度の計画からの主な変更点として、上記第2の事項に関し、採血事業者が行う、献血者の利便性に配慮しつつ、安全で安心かつ効率的な採血を行うための取組が、ライフスタイルの多様化に対応するための取組であるということを明確化しました。
4.施行期日等について、今回、御審議いただき、お認めいただけましたら、令和7年の2月下旬に告示し、4月からの適用を予定しております。
資料の説明を先に進めさせていただきます。4ページから、諮問書と令和7年度の献血推進計画の案を添付しております。15ページから、計画(案)の新旧対照表を用意しておりますので、こちらで御説明いたします。
15ページを御覧ください。新旧対照表の左側が令和7年度の献血推進計画(案)です。右側の下線部が、令和6年度計画からの改正部分です。まず、「第1 令和7年度に献血により確保すべき血液の目標量」の項目です。令和7年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、赤血球製剤が前年度より1万リットル増の53万リットル、血漿製剤も1万リットル増の26万リットル、血小板製剤が前年度と同じ17万リットルの見込みで、それぞれ同じ量が製造される見込みです。
2ポツ目です。1ポツ目の輸血用血液製剤を製造・供給するため、さらには、国内分画メーカー向けとして確保されるべき原料血漿の量、これらを勘案しますと、全血採血による136万リットル、成分採血による88万リットルの、計224万リットルを献血により確保する必要があります。全体として、前年度より2万リットルの増となっております。なお、成分採血の内訳としては、血漿成分採血が59万リットル、血小板成分採血が29万リットルとなっています。これらの数字については近年の実績を参考に、医療機関の需要動向も踏まえ、日本赤十字社から届出のあったものになります。
次に、16ページを御覧ください。「第2 献血に関する普及啓発その他の第1の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」です。2 献血推進のための施策の(1)ア(ア)全国的なキャンペーン等の実施の1ポツ目で「愛の血液助け合い運動」の主たる行事として、来年度は宮城県において献血運動推進全国大会を開催する予定です。また、2ポツ目で、「近年需要が増大している免疫グロブリン製剤等の血漿分画製剤について」と、具体的な製剤名を記載しております。
続いて、17ページを御覧ください。(ウ)複数回献血の推進です。下線の部分で、「献血Web会員サービス「ラブラッド」への登録を働きかける等により」と追記しました。こちらについては、下の項目の「イ 若年層を対象とした普及啓発」の中には、既に「ラブラッド」への登録を働きかけることが記載されておりますので、「ア 国民全般を対象とした普及啓発」にも記載を追記いたしました。
次にその下の「イ 若年層を対象とした普及啓発」の中の、(エ)学校等における献血の普及啓発の部分については、今年6月に閣議決定されました骨太の方針に記載された表現ぶりと合わせることとしました。
次に、(2)採血所の環境整備等の中の「イ 献血者の利便性の向上」の3行目の所ですが、今年の4月に改定された血液法基本方針の記載ぶりと合わせ、「ライフスタイルの多様化に対応するための取組として」という記載内容を追加しております。
最後に18ページ、「第3 その他献血の推進に関する重要事項」の4については、時点修正のみとし、これまでと同様の書きぶりとしております。
続きまして、資料1-2について説明させていただきます。資料1-2「令和7年度の献血推進計画(案)に対する意見募集結果について」、御紹介いたします。今回、10月8日から11月6日まで意見募集しましたところ、6件の御意見があり、うち1件は計画(案)に直接関係のない内容でしたので、5件について紹介させていただきます。
2ページを御覧ください。まず番号1、こちらの御意見については、一つ目が、輸血のイメージが先行し、血液製剤の認知が進んでいないこと。二つ目が、目標値に達しなければ海外からの輸入の増加、感染症の増加につながる可能性もあるので、タイトに数量や目標を立てるべきではないといった御意見を頂いております。こちらは血漿分画製剤の周知に関する御意見と理解しておりますが、令和7年度の献血推進計画(案)において、「免疫グロブリン製剤等の血漿分画製剤について、献血から得られた血液を原料とすることや、多くの疾患の治療に欠かすことができないことを周知する」と記載することとしておりますので、頂いた御意見は今後の具体的な普及啓発を行うに当たっての参考とさせていただくと回答いたします。
また、タイトに数量や目標を立てるべきでないという御意見ですが、日本赤十字社から国内の製薬メーカーに供給される原料血漿の量については、血液法に基づき医療現場の需要等を踏まえ毎年度の需給計画により定めていることと、血液法の基本理念である国内自給が確保されるように、献血に関する国民の理解や協力を得るための教育及び啓発に努める旨を回答させていただく予定です。
続いて、番号2、令和7年度献血推進計画にHLA適合成分献血とその実情の啓発について追記し、使用者の理解を促進することを提案するといった御意見です。こちらの回答としましては、令和7年度の計画にもこれまでと同じ内容を記載し、企業等へ休暇取得への配慮など、進んで献血しやすい環境づくりをお願いすることとしていきたいと考えます。併せて、HLA適合成分献血のように、頻繁に献血に御協力いただく方につきましては、企業等に御理解、御協力を頂けるように、具体的な周知の方法について日本赤十字社と相談させていただくと回答いたします。なお、資料には記載しておりませんが、厚労省内でも労働関係部局などに相談しまして、企業等へ働きかけるような取組が何かできないか考えてみたいと思います。
続きまして、番号3、ラブラッドポイントで救援物資に交換して日本赤十字社に寄付できるようにしたいといった御意見です。こちらの御意見は日本赤十字社に提供しまして、今後の施策の検討に当たっての参考とさせていただきます。
次に番号4、献血時の血液検査の項目に尿酸値を追加してはどうかという御意見です。ここ何年かのパブコメでも同様の御意見を頂いております。献血者の健康管理及び利便性の向上のため、血液検査による健康管理サービスの充実という所で読めるのではないかと考えておりますが、日本赤十字社からは、試薬やシステムの改修等に費用を要するといった課題があると伺っています。御提案は日本赤十字社にも提供しまして、引き続き、導入する場合の費用対効果を踏まえ、今後の施策の検討に当たっての参考とさせていただきたいと考えております。
最後に5番の、今回の計画では、過去の停滞状況を一新するようなものを期待していますという御意見ですが、こちらについては、御意見として承りましたと回答いたします。資料1-2の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 それでは、ただ今の説明について、御意見、御質問などはありませんでしょうか。よろしいでしょうか。令和7年度の献血の推進に関する計画(案)と、パブコメの内容、そして回答について御説明いただきました。
個人的にはパブコメの2番、HLAの成分献血が頻回にわたっているドナーの方のことが少し気になるのですが、こういう方に、HLA成分献血に協力していただいているという証明書のようなものを日本赤十字社から発行していただいて、勤務先に提出していただくというようなシステムは可能ですか。
○日本赤十字社早坂次長 日本赤十字社の早坂です。御意見ありがとうございます。血液センターによっては、やはり証明書のようなものを作成している所もありますし、今後、私どもといたしましても、要望に応じて臨機応変に証明書のようなものを発行できるように各センターに周知してまいります。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございます。委員の方、御質問はありますでしょうか。
それでは、御質問、御意見等がないようですので、当部会として、令和7年度献血推進計画(案)について適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。なお、松下委員は議決には加われません。本計画(案)についていかがでしょうか。
御異議はないと認めます。それでは、議決について、御異議はなかったということにしたいと思います。ありがとうございました。
本件については、薬事審議会における確認事項に基づき、当部会の議決をもって令和7年度献血推進計画(案)について適当であると認め、薬事審議会に報告することといたします。なお、その他の取扱いにつきましては、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。また、パブリックコメントに寄せられた意見への回答につきましては、本日の御意見を踏まえて、事務局は対応をお願いいたします。
それでは、続いて、議題2に入ります。議題2は「令和7年度需給計画(案)について(諮問)」です。それでは、濵口委員、松下委員は御退席をお願いいたします。
(濵口委員、松下委員退室)
○三谷部会長 本日は、令和7年度の計画(案)について、10月18日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、令和5年度需給計画の実施状況の報告を聴取した上で、令和7年度需給計画(案)について御意見を頂きたいと思います。では、事務局から、資料について御説明をお願いします。○山本需給専門官 事務局です。議題2の「令和7年度需給計画(案)について(諮問)」です。資料2-1「令和7年度需給計画(案)について」の資料と、資料2-2の「別表」、こちらは資料2-1にある別表をページ数もそのままに抜粋して資料2-2に掲載しているものです。
それでは資料2-1から御説明いたします。1ページ、令和7年度需給計画(案)についての概要です。「1.趣旨」ですが、血液法第26条第1項において、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の需給計画を定めるものとされております。
今般、令和7年度の需給計画を定めるというものです。
「2.内容」ですが、血液法第26条第2項に基づき、第1~第5の5つの事項について来年度の計画を定めるものです。
「3.根拠法令」については、2、3ページに参考として掲載していますので、適宜御覧いただければと存じます。今後の予定ですが、本日の令和7年度の需給計画(案)についての御意見を踏まえ、次回2月の血液事業部会に再度お諮りして、「4.告示日等」に記載の、令和7年3月下旬に告示をし、4月1日から適用を予定しています。
続きまして、4ページを御覧ください。血液法第27条第4項の規定に基づき、令和5年度の需給計画実施状況について御報告いたします。製剤ごとの需給状況については6ページの別表又は資料2-2の1枚目の6ページにある別表を御覧ください。各製剤の製造輸入量の実績をマル1の欄に、そのうち国産原料から製造された量をマル2の欄に、供給量をマル3の欄に、輸出量をマル4の欄に記しており、各欄の下段が需給計画で定めた量、上段が実績、実績の右側括弧内に達成率を表示しております。
4ページに戻ります。まず、1.令和5年度に製造又は輸入された血液製剤の種類及び目標量と、製造・輸入量の実績では、人免疫グロブリン、血液凝固第VIII因子等、10製剤でほぼ目標を達成、又は目標量を上回って製造・輸入されています。
2.です。国産原料からの製造の実績では、11製剤のうち、人免疫グロブリンなど4製剤でほぼ目標を達成、または目標量を上回って製造されており、ほかは目標を下回っています。
3.供給量の実績ですが、18製剤のうち、人免疫グロブリン等14製剤でほぼ目標どおりに供給されました。
続いて5ページを御覧ください。4.輸出量の実績ですが、輸出を計画していた2製剤のうち、血液凝固第VIII因子は日本血液製剤機構のクロスエイトが世界血友病連盟へ寄付が行われましたが、血液凝固第IX因子の輸出実績はありませんでした。
全体を通して、令和5年度については、一部の製剤では製造や供給などで目標量を下回った製剤もありますが、これらを除いた他の製剤では医療需要に応じて安定供給されています。また、人免疫グロブリンについては、当初の予測を上回る需要増加に伴い、欠品リスクを回避するため需給計画を変更し、輸入目標量を増やすとともに、医療現場に御協力いただきながら、安定供給に努めてまいりました。
5.です。原料血漿の確保実績については、日本赤十字社において目標量を上回る確保ができました。
6.です。血液製剤の製造販売業者への原料血漿配分量は、各社に対して計画どおり配分となりました。配分総量は120万リットルです。
続いて、7ページを御覧ください。令和6年度需給計画の上半期(4月~9月)の実施状況の御報告です。製剤ごとの需給状況については、資料2-2の9ページの別表を御覧ください。7ページの、1.令和6年度に国内において製造又は輸入された血液製剤の種類及び目標量と製造・輸入量の実績(4月~9月)、続いて、2.国内献血由来の血液製剤の製造量の実績、3.供給量については、乾燥人フィブリノゲンなど、一部の製剤で目標量を下回っている製剤もありますが、市場欠品は生じておりません。その他の製剤に関しては、医療需要に応じ安定供給がなされており、現状、問題は生じておりません。なお、人免疫グロブリンについては、資料2-2の9ページの別表で、マル1製造・輸入量の実績は51.7%、マル2国産原料からの製造量実績は42.3%、マル3供給量実績は45.5%となっています。令和6年度需給計画において、需要見込318万本に対して、供給可能量は394万本としているところ、おおむね順調に実施されているものと考えておりますが、引き続き需給状況に注視するとともに、安定供給に努めてまいりたいと考えております。
7ページの4.です。輸出量の実績については、KMバイオロジクスが血液凝固第IX因子製剤53本を輸出しています。
続きまして、8ページを御覧ください。5.原料血漿確保実績については、目標123.0万リットルに対し、上半期で62.1万リットルを確保しています。
続いて、6.原料血漿の配分については、9月までの確保状況から、今年度も計画どおり配分ができるものと見込まれるところです。
続きまして、10ページの「血漿分画製剤の自給率の推移」を御覧ください。主な血漿分画製剤の自給率の推移を表しています。血液凝固第VIII因子製剤の国内自給率は、遺伝子組換え製剤を除き、平成6年以降は国内自給率100%を達成しています。人免疫グロブリン製剤の国内自給率は、令和5年度75.3%で、国内自給率は低下しています。令和元年度に国内献血由来の製剤が供給不足となったこと、国内メーカー各社の製造能力が限界まで達しており、現有の製造能力ではこれ以上の増産は困難であり、不足分を輸入で補填している状況ですので、輸入製剤の需要が高まり、国内自給率が低下しているものと見込んでおります。アルブミン製剤の国内自給率は、令和5年度は71.1%です。平成19年度をピークに低下から横ばいの状況が続いていましたが、令和4年度に基礎的医薬品になり、薬価が統一されたことによる影響もあるかと思いますが、徐々にですが自給率の向上が見られます。
11ページ以降は主要3製剤の供給量の推移です。11ページを御覧ください。アルブミン製剤の供給量の推移です。供給量の数値ですが、令和5年度までは実績値で、令和6年度は上半期の供給実績を事務局で1年分に換算した数値、令和7年度は各社からの供給見込を集計した数値です。以降のページも同様です。アルブミン製剤については年々供給量が減少していましたが、近年はほぼ横ばいの状況です。
12ページを御覧ください。人免疫グロブリン製剤の供給量の推移です。人免疫グロブリン製剤に関しては、近年供給量が年々増加しており、右肩上がりの状況です。令和7年度については引き続き需要が堅調であると見込んでいますので、輸入量も更なる増加を計画しております。
続いて、13ページを御覧ください。血液凝固第VIII因子製剤の供給量の推移です。平成30年度をピークに、令和元年度以降は減少傾向に転じています。
続いて15ページを御覧ください。こちらから令和7年度の需給計画(案)についてです。15ページは諮問書になります。
16ページは、令和7年度の需給計画(案)ですが、令和6年度計画からの主な変更点は、原料血漿の確保・配分量や供給見込量などの数値部分になります。これら数値部分は血漿分画製剤の需給動向により毎年度変化するものです。
17ページを御覧ください。血液法第26条第2項に規定されています本計画で定めることとされている事項について、第1から順に記載しています。第1.令和7年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量については、資料2-2の20ページの別表の(ア)の欄に、第2.令和7年度に国内において製造され又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標については、別表の(イ)の欄に、一つ飛ばして、第4.令和7年度に国内原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標は、別表(ウ)の欄に、19ページの第5の2の令和7年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量については、資料2-2の20ページの(エ)に、それぞれお示ししております。これら需要見込や目標量に関しては、血液法に基づき製造販売業者から報告される届出や、近年の供給実績も勘案し、安定的に供給されるよう算出したものです。
資料2-1の20ページの別表ですが、参考として、右から2列目に令和6年度末の在庫見込量の報告も記載しております。この在庫見込量と(イ)の製造・輸入目標量を加えて、(エ)の輸出量を差し引いたものが、一番右端の供給可能量になっています。この供給可能量が(ア)の需要見込以上であれば、安定供給が可能になることになります。供給可能量と(ア)の需要見込を比較したところ、全ての製品において供給可能量が需料見込を上回っている、あるいは同量となっておりますので、令和7年度においては、供給に支障は生じないものと考えておりますが、特に人免疫グロブリン製剤に関しては、今年度に引き続き、令和7年度も需給状況を注視していきたいと考えております。
それでは資料2-1の17ページに戻ります。第3.令和7年度に確保されるべき原料血漿の量の目標ですが、120.0万リットルを目標量としています。
18ページを御覧ください。第5.その他原料血漿の有効利用に関する重要事項、1の原料血漿の配分ですが、原料血漿の種類ごとの標準価格については、次回の血液事業部会で御審議いただくこととなりますので、今回は空欄とさせていただいております。2は、令和7年度に採血事業者である日本赤十字社から製造販売業者へ配分される原料血漿の種類ごとの配分見込量です。最近の需要動向や在庫状況などを勘案して配分していますので、年度ごとに配分量の変動はありますが、全体としては血液製剤の安定供給に必要な量の配分が可能となるよう調整しています。令和7年度においては合計120万リットルの配分を計画しております。
19ページを御覧ください。その他原料血漿の有効利用に関する重要事項の2.令和7年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量ですが、先ほども触れましたが、令和7年度の輸出見込は、血液凝固第VIII因子製剤、血液凝固第IX因子製剤が資料2-2の20ページの別表(エ)に示すとおりの輸出量となっています。なお、平成6年度計画と同様ですが、血液凝固第VIII因子製剤は、日本血液製剤機構がクロスエイトMCを世界血友病連盟への寄付を見込んでいます。血液凝固第IX因子製剤については、KMバイオロジクス社がノバクトⅯの輸出販売を見込んでいます。
資料2-1の21ページを御覧ください。令和7年度の原料血漿確保目標量(案)は、120.0万リットルとしています。2.でお示ししています、令和7年度の原料血漿配分量は、凝固因子製剤用が32.0万リットル、その他の分画製剤用は合計88.0万リットルで、合計が120.0万リットルとなっています。
資料2の御説明については以上となります。どうぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。令和7年度の需給計画(案)について御説明いただきました。ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問など、ありますでしょうか。田野﨑委員、お願いします。
○田野﨑委員 慶應大学の田野﨑でございます。令和7年度の需給計画自体は、これまでと余り変わらないということで理解をいたしましたが、実際のところ、臨床現場におきましては、アルブミンそして免疫グロブリンは、そのときそのときでかなり足りなくなっているというような状況がこれまでございましたので、恐らく配分や何かを良くすると、うまくいくのではないかとは思いますが、臨床現場では、かなりそういうところが皆、緊迫してきているところですので、何か、より工夫をしていただくということが実際のところでは必要になるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、グロブリン製剤やアルブミン製剤は、その時々によって需給状況がひっ迫するようなことがあります。こういったものについては、必ず、まずメーカーのほうがそういった情報を非常に敏感に感じ取る形になっております。また、そういう供給不安が生じた場合に、供給不安報告というものを頂くような仕組みとなっておりますので、各血漿分画製剤のメーカーとも連携しながら、そういった需給状況のバランスといったものを注視していきたいと考えております。以上でございます。
○田野﨑委員 もう1点、伺いたいのが、結果として免疫グロブリンもアルブミンも、海外からの輸入量が一時的にかなり増加していると思いますが、今般、その価格差が、海外のいろいろな物価の高騰ということで、輸入がどんどん増えていくと、そこのしわ寄せといったものがいろいろと起こってくるのではないかと思うのですが、こちらに関してはどのような形で対応されているのでしょうか。
○山本需給専門官 事務局でございます。今の先生の御指摘のように、特にグロブリン製剤については、かなり輸入量が増えている状況です。こちらは、国内メーカーの製造能力が限界に達している、一方で医療需要が伸びているといった状況ですので、短期的には海外からの輸入で安定供給を図るほかないと考えております。
他方で、血液製剤については、血液法の基本理念で国内自給を原則とするとされております。そういったことからも、グロブリン製剤については、短期的には輸入に頼る、他方、輸入製剤を国内に入れるということは、ある意味、海外の医療需要も奪ってしまっているということですので、厚生労働省としては、血漿分画メーカーに支援をして、そういった供給体制を強化するような形の支援を模索しているところです。以上でございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ありますか。武田委員、お願いします。
○武田委員 はばたき福祉事業団の武田です。よろしくお願いします。今、御回答いただいたところで、免疫グロブリン製剤の国内自給のところは、今、70%ぎりぎりといったところから、令和7年度は3分の2を割り込むような見込みの数値も出ておりますので、きちんと国内で免疫グロブリンを作っていける体制、そのためにも、今おっしゃっていただいたように、支援策を含めて是非検討いただきたいということが、まず1点です。
もう1点は供給不安のところですが、きちんとメーカーから情報を得てというところもありますし、また、これは繰り返しお伝えしておりますが、やはり流通在庫が見えてこないと、病院のほうも疑心暗鬼になってしまうといいますか、いつまでこの状況が続くのだろうかと先が見えなくなってしまうと思いますので、流通している分も含めて、在庫が今どのようになっているのかといったことを、きちんと、しっかり見える化して示していくといった取組を是非お願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 武田委員からの御指摘、ありがとうございます。そういった短期的な需要をカバーしつつ、将来的には、中長期的にはしっかりと国内自給できるような形にしたいと考えております。また、流通在庫については、関係事業者と連携して対応していくように努力してまいりたいと思います。以上でございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。Web参加の委員からも特に御意見、御質問等、ございませんか。荒戸委員、お願いします。
○荒戸委員 本質的な話ではないと思うのですが、9ページの別表の中で、「人プロテインC」の数値は正しいのか、確認させていただきたく思います。
○山本需給専門官 ありがとうございます。9ページの「人プロテインC」、例えば、製造量が1,152で192%、この数値でしょうか。
○荒戸委員 そうです。それで、その次の列は753で、パーセンテージが出ていないようなのですけれども、これでいいのかという意味です。
○山本需給専門官 ありがとうございます。9ページの「人プロテインC」ですが、こちら、アナクトCという製剤が、令和6年度の製造予定はなかったのですが、2023年度、令和5年度に製造済みだったロットがちょっと諸事情で出荷できなくなったと聞いております。そのため、2024年度に再製造したというように聞いております。ですので、数値としては間違いないのですが、ちょっとそういった事情により、先生に御指摘いただいたとおり、数値的に疑義が生じるような記載になっております。以上でございます。
○三谷部会長 荒戸委員、よろしいでしょうか。
○荒戸委員 ありがとうございます。特に供給に問題がないようであれば、これで結構です。
○三谷部会長 ほかの委員から、御意見、御質問等はありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、事務局においては、本議題は次回の血液事業部会においても継続審議になりますので、本日頂いた御意見を踏まえ、原料血漿の配分価格と合わせて修正案の準備をお願いします。
以上で、議題2が終了しましたので、御退席いただいた濵口委員、松下委員をお呼びください。
(濵口委員・松下委員 入室)
○三谷部会長 それでは、濵口委員、松下委員にお戻りいただきましたので、最後に議題3「その他」について、事務局から御説明をお願いします。○金子課長補佐 では、事務局より、議題3、資料3の「献血推進2025」の期間延長について説明いたします。こちらの資料の1.経緯について、献血の中期目標であります「献血推進2025」を策定した2020年当時は、新型コロナの感染拡大期であり、その影響を見通せませんでしたので、「中間年である令和5年度を目途に達成目標の実績値を確認し、必要に応じて見直す」としておりました。そのため、令和6年7月の献血推進調査会において、これまでの実績を確認して中間評価を行い、現状の把握と今後の方向性について事務局より提示させていただきました。こちらについては後ろの別紙として資料を添付しております。
今後の方向性については、調査会で御了承いただきましたので、下の2.のとおり整理をさせていただきました。2.中期目標「献血推進2025」の期間延長について、説明をさせていただきます。
マル1中期目標期間についてですが、血液法の基本方針の対象期間と、献血の中期目標期間を合わせることにより、基本方針に基づいて国や日本赤十字社、自治体等が一体となって献血推進ができるようにするために、「献血推進2025」の目標期間(2021年度から2025年度)を、2028年度までと期間を延長させていただきます。
続きまして、マル2達成目標についてですが、当面の間は、各目標についてポストコロナの人口動態の経過を見ながら、引き続き、それぞれの達成状況を確認しつつ献血推進の取組を行ってまいります。また、今後、免疫グロブリン製剤の需要動向の変化など、目標献血率に大きな影響を及ぼすような変化が起こり得る可能性もあります。したがって、引き続き血液製剤の需要予測を継続して行いながら、必要に応じて献血の中期目標値を見直すことについても合わせて検討していきたいと考えております。
簡単ですが、説明は以上になります。お願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。「献血推進2025」の期間を延長されるというお話でした。2028年度までということですが、ただいまの御説明に関して、御意見、御質問等ありますでしょうか。よろしいですか。それでは、そのようにお願いいたします。ありがとうございました。
本日の議題は以上ですが、委員の皆様から、ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。それでは事務局に議事進行をお戻しいたします。
○岩崎血液対策課長 三谷部会長、どうもありがとうございました。次回の血液事業部会の日程は別途御案内を差し上げます。また、来年1月に薬事審議会血液事業部会委員の改選が予定されております。任期満了に伴いまして、長村委員、野村委員、濵口委員、矢口委員が本日の部会をもちまして退任されます。任期中、様々な案件につきまして御指導、御鞭撻を賜りましたことに、心から御礼申し上げます。また、来期以降もお残りいただく委員におかれましては、引き続き高い見地から忌憚のない御指導、御意見を賜りますよう、お願い申し上げます。
これにて、令和6年度第1回血液事業部会を終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。
(了)
- 備考
- 本部会は、公開で開催された。
照会先
医薬局
血液対策課 課長補佐 金子(2909)