地方課

各地方厚生(支)局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等の評価について(令和5年度)

 厚生労働省大臣官房地方課地方支分部局法令遵守室は、令和5年度の各地方厚生(支)局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、次のとおり評価を行いました。
 また、当該評価結果については、令和6年12月に外部有識者を委員とする地方支分部局法令遵守委員会の各委員に報告し、その際の意見とともに、令和7年1月14日付けで各地方厚生(支)局宛て通知しました。
 
 厚生労働省大臣官房地方課      
地方支分部局法令遵守室 
 
 令和2年11月26日付け厚生労働省大臣官房監察室長事務連絡「厚生労働省法令遵守マニュアルの周知等について」に基づく各地方厚生(支)局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、以下のとおり評価を行った。

第1 定期的な内部点検結果について

 各地方厚生(支)局における法令遵守の実施状況の定期的な内部点検は、厚生労働省法令遵守マニュアルの別添「自主点検票」を用いて、各地方厚生(支)局長が自ら点検と検証を実施し、当課に報告してきたところである。
 その報告をみると、厚生労働省法令遵守マニュアルに基づき、法令遵守の徹底についての取組が行われており、一部において適切ではない事象が発生し、是正措置等を講じることとなった例もあるが、概ね適正に実施されているものと評価される。

 
【是正措置等を講じた事例】
 1 職員の服務管理等の徹底
   ICカード乗車券の使用管理簿に記載漏れが認められた。
 2 適正な会計事務の徹底
(1)要求部門が物品購入等要求書を提出せずに業者に消耗品の発注を行い、年度末に納品されたが、執行部門はその事実を知らず、業者からの請求も出納整理期間末日にされたため、過年度支出をしなければならない事案が生じた。
(2)予算執行機関の補助者として任命されていない者が検査を実施していることが認められた。                
(3)重要物品について、物品の管理に関する計画を作成していなかった。

第2 会計事務監査指導結果について

 大臣官房会計課監査指導室による一般監査指導は、令和5年度においては、北海道厚生局、関東信越厚生局、近畿厚生局及び九州厚生局沖縄分室の3局1分室に対して実施されたところ、是正等を要するものとして指摘された件数は11件であった。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、一般監査指導が例年どおり行われなかった令和2、3年度を除く直近3か年における指摘件数は、令和元年度は16件(4局)、令和4年度は22件(5局)、令和5年度は11件(3局1分室)となった。
 指摘された内容については、各地方厚生(支)局へ共有することで、他局を含めて再度同じ指摘を受けることのないよう周知徹底を図った。

 
【主な指摘事項】
1 支出負担行為の時期について、法令に規定されている日時に行っていなかった。      
2 契約内容に適合しない給付かつ年度内に完了していないにもかかわらず、完了したとする事実とは異なる検査調書を作成していた。
  なお、本事案に関連した職員に対する処分量定については、現在、大臣官房人事課と協議中である。
3 検査調書を省略できる場合において、請求書に検査年月日や検査職員の名前が記載されていない事例があった。          
4 検査職員に任命されていない職員が検査を実施していた。
5 契約金額が200万円を超える契約において、検査調書が作成されていない事例があった。                 
6 小切手帳等に一定の期間を定めずに番号を付与していたものや、連続番号を付与していないものがあった。            
7 小切手帳等について、記載内容の確認が不十分で書損となったものや書損となった際の記載方法について不十分なものがあった。
8 官署支出官に係る証拠書類について、随意契約を適用した法令の条項が付記されていない事例があった。

第3 総括的な評価等について

 上記の第1及び第2に基づき、各地方厚生(支)局における法令遵守の徹底に係る取組について、次のように総括的に評価等を行った。
 
1 総括的な評価について
  各地方厚生(支)局における法令遵守の徹底に係る取組は、概ね適正に実施されているものと評価できるが、会計事務手続の適切な事務処理については、法令等に定められた手続き漏れの取扱いのが認められたことから、法令・通達に基づく取扱いの徹底、会計法令に関する知識の習得を行うなど、引き続き取り組むべき課題がみられた。

 
2 地方厚生(支)局に対する具体的な取組指示について
  各地方厚生(支)局においては、以下の取組を推進するとともに、地方支分部局法令遵守室として、各地方厚生(支)局における指摘事項等、その再発防止策及び好事例について、引き続き横展開を行うこととともに、地方支分部局法令遵守室員が計画的に実地にて検分することとする。
 (1) 公務員倫理、会計関係法令、行政文書の適正な保存及び管理、保有個人情報の厳正な取扱い及び漏えい防止等について、全ての職員において適正な知識の習得及び事務処理等が行われ、これらが浸透するよう継続的に取組を実施すること。
 (2) 大臣官房会計課監査指導室による会計監査指導における従前の指摘事項について、再度同じ指摘を受けることのないよう、引き続き、是正・再発防止の取組状況の確認を定期的に実施するとともに、他の厚生(支)局においても、同様の事象が生じていないか改めて確認を行うこと。

地方支分部局法令遵守委員会委員の主な意見(令和5年度)

○ 民間企業では、マニュアルや法令をAI、システムに組み込ませて学習させ、業務の効率化と改善に努めている例があり、DXの推進の取組も参考に、厚生労働省における進捗も踏まえつつ、導入について検討いただきたい。
 
○ AI、DXの推進について検討しつつ、職員へ法令遵守の知識を付与することにも努めていただきたい。
 
○ AIで機械化を図りつつ、職員に法令遵守の意識を根付かせるため、研修を継続していくことも必要と思います。

厚生労働本省の地方支分部局の職員等からの法令違反行為に関する通報対応の仕組みの運用状況(令和5年度)

 厚生労働本省の地方支分部局(都道府県労働局(労働基準監督署・公共職業安定所を含む。)及び地方厚生(支)局)の職員等からの法令違反行為に関する通報対応の仕組みの運用状況について、令和5年度は以下のとおりでした。
    通報又は入手した情報  
 調査(事実確認)に着手したもの  
事実関係が確認され、是正等措置を講じたもの
  件数 74 38
  内部窓口 64 28
外部窓口 10 10
※ 通報又は入手した情報について、法令違反行為に関する内容であって、具体的なものについては、全件、調査(事実確認)を行っています。

(厚生労働省大臣官房地方課 03-5253-1111(内線7034))