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第9回ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ 議事録
日時
令和6年12月18日(水)17:00~19:00
場所
AP虎ノ門 Bルーム(東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル)
※オンラインとのハイブリッド開催
※オンラインとのハイブリッド開催
議題
- ゲノム医療推進法に基づく基本計画 骨子(案)について
- その他
資料
議事
- 議事内容
○神原専門官
それでは、定刻になりましたので、ただいまより第9回「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日、神里構成員が10分程度遅れるとの御連絡がございましたが、ほかの構成員の先生方は御出席いただいております。
続いて、資料の確認をさせていただきます。資料は、厚生労働省のウェブサイトに掲載しております。議事次第、資料1、参考資料1~4までございますので、御確認ください。また、本ワーキンググループは公開としており、議事録については、各構成員への確認の上、後日、公開いたします。
会議の進め方について簡単に御説明いたします。御発言がある際には、挙手をお願いいたします。オンライン出席者におかれては、画面上の「手を挙げる」ボタンを押していただければ、会場のほうから指名しますので、その後、御発言ください。御発言されない間は、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。また、音声等が不安定になった場合は、一旦ビデオをオフにするなどの対応を試みていただくようお願いいたします。
傍聴に際しては、携帯電話等の音の出る電子機器については、電源を切るか、マナーモードに設定してください。頭撮りはここまでとさせていただきます。以降の運営を座長にお願いいたします。
○中釜座長
構成員の先生方、座長の中釜です。本日も活発な議論をよろしくお願いいたします。では早速、本日の議題に入ります。議題1「ゲノム医療推進法に基づく基本計画 骨子(案)について」議論を行います。事務局から資料1についての説明をお願いいたします。
〇松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。それでは資料の説明をさせていただければと思います。前回のワーキンググループにおきましては、計画の構成案及び計画に盛り込むべき要素について、御議論をいただきました。今回は、これまでのワーキンググループでの御議論を踏まえまして、資料として「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の骨子(案)」を用意いたしましたので、説明をさせていただければと思います。
資料1の前に、参考資料3を御覧いただければと思いますが、参考資料3につきましては、前回の資料にいただきました御意見を踏まえまして、アップデートしたものでございます。
1ページおめくりいただいて、2ページ目でございますが、1点、生命倫理への適切な配慮につきまして、その項目の性質や重要性等々を勘案いたしまして、これまで(2)(3)に記載されておりましたが、(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」というところに文言を入れさせていただいてございます。4ページ目以降は、前回の御指摘を踏まえまして、修正をさせていただいたものでございます。
それでは、資料1の御説明をさせていただければと思います。「ゲノム医療推進法に基づく基本計画骨子(案)」でございます。序文につきましては、次回以降、ワーキングで検討させていただければと思います。まず、第1「全体目標、分野別目標」でございます。全体目標といたしまして、個人の権利及び利益を尊重しながら、ゲノム医療を推進することで国民の健康に寄与することを目指すということで、案文をつくらせていただいてございます。
「分野別目標」については、(1)(2)(3)、先ほどの目次でも御説明した(1)(2)(3)に連動したものでございますけれども、(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」といたしまして、国民に対するゲノム医療及びゲノム医療をめぐる基礎的事項に関する適切な教育及び啓発により、ゲノム医療に対する理解を促進することを通じ、生命倫理への配慮及びゲノム情報による不当な差別等への対応の確保により、ゲノム医療のさらなる発展につなげる。(2)「ゲノム医療等を提供するための体制構築」として、ゲノム医療の拠点となる医療機関の整備や医療機関間の連携体制の構築、相談支援体制の整備を進めるとともに、医療従事者等に対する教育、啓発や人材育成を通じ、安心かつ安全で、質の高いゲノム医療を実現する。(3)「ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」として、研究開発のための基盤整備を行うとともに、ゲノム情報の適正な利活用を促進する。と書かせていただいております。こちらの全体目標、分野別目標についても、今回、御意見、御指摘等をいただければと思います。
続きまして、第2「分野別施策と個別目標」でございます。(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」として、大項目としては、(差別等への適切な対応の確保)、(生命倫理への適切な配慮の確保)、(教育及び啓発の推進)と、3つ書かせていただいております。その下に、(差別等への適切な対応の確保)といたしましては、ゲノム情報による不当な差別等に関する事例を収集・共有するとともに、現状の不当な差別への対策を検討し、周知徹底を図ると。また、2つ目のポツとして、ゲノム情報による不当な差別を受けた者等が相談することができる窓口や救済制度等について、広く周知を図る。3つ目のポツとして、労働分野や保険分野におけるQ&Aについても、広く周知を図る。とさせていただいております。
(生命倫理への適切な配慮の確保)といたしまして、1つ目のポツとして、関係学会と連携し、遺伝情報改編技術等を用いた臨床研究や臨床医療に係る課題への対応や、NIPT等の出生前検査等について、引き続き検討を行う。2つ目のポツとして、ゲノム医療の研究開発及び提供における新たな技術に伴って生じ得る生命倫理に関する課題を踏まえ、関係法令等の見直し等について検討する。
(教育及び啓発の推進)といたしまして、国は、学校の児童生徒及び患者等のゲノム医療についての関心の理解を深めるため、分かりやすい啓発資料等を作成・活用し、学校現場や医療機関において、教育・啓発を図る。とさせていただいております。
続きまして、(2)「ゲノム医療等を提供するための体制の構築」といたしまして、まず1つ目の(ゲノム医療の提供の推進)として、1つ目のポツ、医療提供体制及び相談支援体制の整備等を推進する。2つ目のポツとして、エキスパートパネルの効率的かつ効果的な運用方法について継続的に検討する。3つ目のポツとして、ドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消に向けた取組を推進する。とさせていただいております。
続きまして、(検査の実施体制の整備)として、検査について、精度管理に関する検討や、検査施設の第三者認定の勧奨、アノテーションにおける人員体制の検討等を通じて、遺伝学的検査の質の向上を図る。
続いて、(相談支援に係る体制の整備)として、医療提供体制及び相談支援体制の整備等を推進する。
また、(ゲノム情報の適正な取扱いの確保)として、1つ目のポツで、ゲノム情報及び臨床情報の円滑な利活用を推進するための方策を検討する。2つ目のポツといたしまして、医療従事者等に対して、ゲノム情報を含めた診療において得られた情報の適切な取扱いの周知を図る。
続いて、(医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保)といたしまして、医療以外の目的で行われる遺伝子検査サービス等に関して、関係法令上の取扱いを整理するとともに、サービスを通じて取得したゲノム情報の取扱い方法を周知する。とさせていただいております。
続いて、(人材の確保)については、1つ目のポツ。ゲノム医療を提供する医師や遺伝カウンセリングに係る専門人材の確保を図る。2つ目のポツとして、医療従事者がゲノム医療への理解を深めるための啓発の具体化を図る。3つ目のポツといたしまして、養成課程を通じて、医療従事者の、ゲノム医療に係る知識の向上を図る。とさせていただいております。
最後、(3)「ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」といたしまして、(ゲノム医療の研究開発の推進)として、1つ目のポツのAMED研究等については、引き続き必要な支援を実施する。2つ目のポツとして、ゲノム情報を取り扱う研究には倫理的・法的・社会的課題への対応が求められることを踏まえて、その実施方法等に関する患者市民視点の意見を適切に反映させる取組を推進する。
最後、ページをおめくりいただきまして、(情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備)といたしまして、1つ目のポツ。大規模バイオバンクの構築・充実や国内の主要バイオバンクのネットワーク化等、ゲノム研究の基盤の整備を進めるとともに、データの国際的な連携を検討する。2つ目のポツとして、試料及びゲノム情報等の適切な保管、管理方法等検討するとともに、これらの利活用を促進する。
続きまして、(相談支援に係る体制の整備)として、ゲノム研究の対象者が当該研究に関する十分な説明を受けた上で、研究に対する同意を行うことができることを引き続き徹底していく。2つ目のポツといたしまして、対象者が必要な相談支援を受けることができるように、ゲノム研究者による適切な相談体制の整備を引き続き求めていく。
続きまして、(ゲノム情報の適正な取扱いの確保)については、再掲とさせていただいております。
最後、(人材の確保)につきましては、ゲノム研究に係る専門人材の確保のための方策を検討する。とさせていただいております。
第3の「その他必要な事項」については、次回以降のワーキングで御検討をいただきたいと考えております。事務局から、資料1に係る説明は以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの説明を踏まえて、議論に移ります。なお、現在、議論を進めている基本計画は、各府省庁が施策を進めていく上でのいわば指針のようなものとなります。委員各位におかれましては、この点を踏まえて、各府省庁における取組として、追記・修正を要するものがないか、可能な限り具体的な施策をイメージして御議論いただきたいと思います。それでは、御意見のある方から手を上げて、お願いいたします。それでは、佐保構成員お願いいたします。
○佐保構成員
ありがとうございます。私からは、これまでも発言してきた内容もございますが、5点ほど質問を含め、意見を申し上げたいと思います。まず、2ページの(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」についてです。当計画におけるゲノム情報の定義や範囲を明確にした上で、その規制のあり方やゲノムデータ、ゲノム情報、遺伝情報など、表現にかかわらず、センシティブな個人情報であること、また、安易にその提供などに同意すべきでないことなど、国民の適切な理解促進に向け、分かりやすく記載する必要があると考えます。序文に入れ込むことも想定されますが、どのようなイメージかお聞きいたします。
2点目です。差別、生命倫理等への適切な対応の確保について、1つ目のポツでは、ゲノム情報による不当な差別等への対応方針を検討し、その防止に係る対策を実施するとありますが、3つ目のポツ、労働分野や保険分野のQ&Aは、広く周知を図るとなっております。既に民間検査機関によるゲノム解析や遺伝子検査が広く実施されていることを踏まえれば、現在の基本的な考え方のQ&Aの記載を充実させた上で、単に厚労省など省庁のホームページに掲載するのみでなく、例えば、これから就職活動などを行う学生などを対象にした、より効果的な周知・広報をお願いいたします。
3点目、以前、ヒアリングで、難病相談支援センターへ病気や症状など医療に関連することだけでなく、就労や生活など幅広い相談が寄せられていたという説明もございました。特に個人情報保護などに関するトラブルが発生した場合にも対応できるよう、関係する省庁が責任を持って相談窓口を設置、運営することに加え、窓口に寄せられた相談内容や対応の妥当性について、省庁間で共有し、協議できる体制も必要ではないかと考えます。
次に、(2)「ゲノム医療等を提供するための体制構築」、(3)「ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」の双方に記載がある、3ページ、4ページのゲノム情報の適正な取扱いの確保についてです。1つ目、情報が流出し、差別が起こることがないよう、厳格な情報管理、運営対策が不可欠と考えます。(2)の2つ目の適切な取扱いの周知に関する一文を、(3)にも入れるだけでなく、(2)(3)とも、きちんとした対策についても明記すべきだと考えます。2点目、これは質問でございますが、個人情報保護法との兼ね合い、整合性については、どこで検討されるのでしょうか。何かしら記載が必要だと考えます。ゲノムデータを含めたゲノムの個人情報保護については、情報の安全管理や組織内部における利用部門の制限、個人情報の再識別に対する規制の強化など、情報の漏えいや不正利用に対するデータガバナンスの強化等、これらを事前に予防するための仕組みが不可欠であると考えます。私からは以上です。よろしくお願いします。
○中釜座長
ありがとうございます。以上、大きく5点御指摘ありましたが、事務局からよろしいでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御質問ありがとうございます。1点目の定義につきましては、法律でも、ゲノム医療、ゲノム情報の定義が記載ございますけれども、それらを踏まえまして、先ほど、序文の流れというような御指摘がございましたけれども、こめ(※)にするのか、序文にするのか、ちょっと記載ぶりを検討いたしまして、また、このワーキングの場で御相談させていただきたいかと思いますけれども、これまでも御指摘いただいているとおり、しっかりと定義が分かるような書きぶりにさせていただきたいと考えてございます。
2点目の周知、厚生労働省のホームページだけではなくてという御指摘でございました。まさにおっしゃるとおりかと思っておりますので、この周知の方法等については、関係省庁とよく連携しながら、しっかりと国民の方に届けられるように、方策は検討したいと考えてございます。
3点目の窓口でいろいろな情報の共有化、関係省庁間でという御指摘かと思います。こちらにつきましても、しっかりと我々受け止めたいと考えてございます。
周知について、(2)だけでなく、(3)にもと、こちらの御指摘については、いただいた御意見を踏まえて、次回以降、御相談をさせていただければと考えております。
個人情報保護法上の取扱いの御指摘かと思いました。そちらについて、一義的には、個人情報保護法の解釈の中で御検討いただいていると考えてございますが、私どもも個人情報委員会にも御相談させていただいた上で、検討を進めたいと思っておりますので、引き続き御指導をいただければと思います。私から、回答は以上でございます。
○中釜座長
以上の回答でよろしいでしょうか。
○佐保構成員
御回答ありがとうございました。よろしくお願いします。
○中釜座長
続きまして、天野構成員お願いします。
○天野構成員
ありがとうございます。私からは5点意見を申し述べたいと思います。まず、1点目ですが、2ページで最初のポツで、「差別等への適切な対応の確保」について、国の施策を書いていただいていますが、こちらにつきまして、法務省に改めて確認申し上げたいところですが、いわゆる法務省においての啓発活動強調事項に追記いただくことを御検討いただいているのかということについて、御回答いただければということを確認したいと思います。
2点目ですが、先ほども構成員から御指摘があった、厚生労働省の労働分野における対応並びに金融庁の保険分野における対応のQ&Aについてですが、今まで、こういった文書が全くなかった状態で、今回、省庁からは公式の見解という形でQ&Aを公開していただいたことは大変ありがたいことだと感じておりますが、一方で、今回のQ&Aは、あくまでも基本的な原則あるいは方針を提示していただいているものと存じます。今後、様々な議論あるいは社会情勢等の変化によって、このQ&Aの内容に加筆あるいは修正等が生じることもあり得るかと思いますので、現在、周知を図るという文末でとめていただいていますが、周知を図るとともに「引き続き検討を行う」という一文を加えていただきたいと考えております。
3点目になります。3点目が教育の部分でございます。こちらについては、文部科学省に確認したいのですが、いわゆる文部科学省の学習指導要領がまもなく改訂の時期を迎えると承知しております。いわゆる○○教育については、様々な分野から様々な要望が上がっているので、入れるのはなかなか難しいと聞いておりますが、ゲノム医療あるいはゲノムに関する知識は、今後、若い世代がいわゆるゲノム医療やゲノムに関わる時代を生きていく中で、必須の知識ではないかと感じておりますが、今後、啓発資料を作成して、啓発を図るのに加えて、学習指導要領等に加えていただくことは御検討いただけるかということについて、可能であれば、文部科学省から見解をいただければと思います。
4点目になります。2ページの一番下の部分で、ドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消に向けた取組を推進すると書いていただいています。これ自体はもちろん非常に重要な課題ですが、ただ、ドラッグ・ラグ及びドラッグ・ロスの解消という文言でとどめてしまうと、かなり広い内容を包含しているかと思います。
特にゲノム医療においては、遺伝子パネル検査に基づいて、未承認薬あるいは適応外薬が推奨された場合に、それを現状使うに当たって、様々な障壁が存在すると。例えば、患者申出療養が使いづらい、あるいは拡大治験はなかなか企業が応諾していただけないという現状がありますので、この部分については、未承認薬あるいは適応外薬等が使いやすくするための方策を検討するなどの文言を入れることを御検討いただければと思います。
最後、5点目になります。3ページで、(人材の確保)について様々な項目を入れていただいていますが、以前も、私のほうから申し上げた2点ですね。認定遺伝カウンセラーに関しての身分保障あるいは職務権限を明確化していただくこと。また、ゲノム医療診療科などのゲノム医療に係る診療科を標榜診療科としていただくことで、患者さんはそういった専門の医療職、あるいは専門の診療科医にアクセスしやすくなるような体制を御検討いただきたいということで、認定遺伝カウンセラーに関して、あるいはゲノム医療に係る診療科を標榜診療科とすることについての文言の追記を御検討いただきたいと思います。私からは、以上5点となります。よろしくお願いいたします。
○中釜座長
ありがとうございます。一応5点について、順次、お願いできますでしょうか。最初の点について、法務省からの御回答はありますでしょうか。
○法務省(人権擁護局)
法務省の人権擁護局でございます。御質問ありがとうございました。従前から、この問題に関して、啓発活動強調事項に入れてもらいたいという御要望をいただいておりまして、この点については、現在、厚生労働省とも協議の上、検討しているところでございます。
こちらのワーキングにおいて、どういった事例が不当な差別として挙げられるのかと、アンケート等で御提示いただきましたので、それも踏まえまして、その上で、不当な差別に該当するのがどういった事例なのかということを明確にしていかないと、一般の方に対しての啓発を行うのはなかなか難しいという点がございますので、どのような形でそれを明確にできるのかということを、厚生労働省と協議をしているところでございまして、今、検討しているところでございます。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御回答で、天野構成員、1点目についてはよろしいですか。
○天野構成員
大丈夫です。おっしゃるとおり、どういったものが不当な差別に該当するかというのは、今後、検討の余地があると承知していますので、本ワーキングで、今後、啓発活動強調事項に掲載する方向性を示していただくだけでも十分かと考えております。ありがとうございます。
○中釜座長
では、2点目についてお願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。2点目と4点目と5点目について、私のほうから回答させていただければと思います。2点目の「引き続き検討を」という文言を追記できないかという御指摘だったかと思います。事務局のほうで検討したいと思います。御指摘ありがとうございます。また、4点目、5点目についても、文言の追記の御指摘だったかと思います。これを記載可能か、あるいは国の施策でございますので、国として取り組むべき事項としてあるかどうかという観点も踏まえて、記載できるか、4点目、5点目についても、検討した上で、次回以降、案の形で、また、改めて御相談をさせていただければと思います。
私からは、以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。では、3点目の教育に関して、ゲノム医療という文言の指導要領等への記載について、文部科学省にお願いできますでしょうか。
○文部科学省(教育課程課)
文部科学省の教育課程課で、課長補佐をしております山本と申します。御質問いただいた学習指導要領の件でございますが、学習指導要領自体は、様々な分野の有識者から御意見をいただきながら、中央教育審議会において議論をしていくことになっております。その時期につきましては、まだ決まってはおりません。その上で申し上げたいのは、まず学校教育の中で行われる授業等の時間は限られております。限られた授業時間の中で、内容を追加していくということになると、既存の内容を場合によっては、扱いを軽くしたりとか、場合によってはなくしたりすることも考えないといけないということで、何を教えていくのか、何を教える内容にするのかというのはかなり難しい問題でございます。
その上で、昨今、課題になっている、東日本大震災の影響を受けた放射線に関する教育、薬害被害の問題、あるいは情報技術が発展をしていく中での必要な内容等が重要だとご意見をいただいています。さらには、高齢化が進む中、平和教育について語り部の方がお亡くなりになったりする中で、「平和教育をより一層充実していく必要がある」、「伝統文化についてもしっかりと学校で教え、日本の文化を引き継いでいかないといけない」など、ありとあらゆることについてあらゆる分野からこういったご意見をいただいているところでございます。
ただ、ゲノムの分野は非常に大事だということは、御意見として受け止めておりますので、まずは、厚生労働省がしっかりとした教材、周知の資料をいろいろな方々と相談されながら作成されると思いますので、そういったものを活用しながら、学校教育でも子供たちが学ぶことにつながるように、私どもも厚生労働省と連携して、しっかり取り組んでいきたいということを考えております。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。この回答でよろしいでしょうか。
○天野構成員
ありがとうございます。生物の分野で一部取り入れられていると思いますので、その部分での重要性も含めて御検討いただけるものと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○中釜座長
ありがとうございます。では、続きまして、横野構成員お願いいたします。
○横野構成員
ありがとうございます。私からも3点ほど申し上げたいと思っております。まず1つ目として、今回、(1)の「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」というところに、生命倫理のへ適切な配慮の確保を大きな項目として入れていただいたのは、適切な変更だと考えております。といいますのは、この法律2条において、ゲノム医療についての定義があります。そして、ゲノム研究については、「ゲノム医療の研究開発」という形で扱われており、ゲノム医療は、個人のゲノム情報に応じて当該個人に対して行う医療と、比較的狭く定義されております。法律の定める「ゲノム医療」に該当しない場合でも含め、ゲノム情報を使って医療介入等を行う場合は、ここに挙げていただいている様々な倫理的な問題を検討する必要がある場合がありますので、より幅広い観点から検討するという意味で適切だと思っております。
もう一つ、できれば、「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」の中に入れることを検討していただくのがいいのではないかと思うこととして、次回以降、「その他必要な事項」のところに、関係者等の連携協力という項目として検討対象に入る可能性がある事項かなと思っておりますけれども、この分野の施策自体に対して、患者・市民の視点を反映させるような取り組みが必要であることが重要だと思っております。この(1)の中にも関連する事項を入れていただくことも御検討をいただければと思っております。
それから、もう一点ですけれども、人材確保に関する項目が、(2)ゲノム医療、それから、(3)ゲノム研究にそれぞれに含まれております。特に研究に関する人材確保については、これは、今、具体的にどういった分野をという記載はありませんけれども、やはりAIとかデータサイエンスの分野の人材が重要になってくると思いますので、そうしたことを書いていただく必要があるのではないかということが1つです。
それと、もう一つは、この人材の確保のところに入れていただくのがいいのかなと思っているのですが、この人材の養成課程において、この法律の第14条から第16条にあります、倫理的・社会的な観点に関する教育項目、具体的には、生命倫理への適切な配慮、ゲノム情報の適正な取扱い、それから、差別の防止といった項目に関しましても、教育内容の中に含めていただくことが望ましいのではないかと考えております。
特に、研究に係る人材で、必ずしも医療のバックグラウンドを持っていない方、データサイエンス等々のバックグラウンドの方が対象になる場合もあると思いますので、そうした方の場合は、それまでの教育の中で、こうした問題に触れる機会があまりない方も多いかと思いますので、こういった項目を入れていただくことが重要ではないかと思っております。
あともう一点ですけれども、先ほど来御指摘のあった労働分野、保険分野におけるQ&Aの周知に関してですけれども、様々な周知方法、例えば公共広告のようなものも含めて検討していただくことが重要だと思うのと、周知されるだけではなくて、事業者ごと、あるいは業界、団体ごとの具体的な対応方針を検討し、また、それを公開していただくといったようなことについても、できれば、この中で明確にしていただくことが重要かと思っておりますので、ぜひ御検討いただければと思っております。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。以上、大きくは3点かと思いますが、今の御指摘に関してよろしくお願いします。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。御指摘いただいた3点ですね。患者や市民の視点と、人材の確保の中でAIやデータサイエンス等の人材を書き込めないか、あるいは医師養成課程の中でしっかりと倫理のところを書き込めないか。また、そのFAQの周知のところかと思います。3点とも貴重な御指摘かと考えておりますので、事務局として、関係省庁とよく相談して、次回以降、修正したものを出したいと思っております。
○横野構成員
よろしくお願いいたします。
○中釜座長
ありがとうございます。では続きまして、深田構成員お願いいたします。
○深田構成員
がん治療医の深田です。これまでの議論を踏まえて、骨子案を取りまとめていただきまして、事務局の皆様に厚く御礼を申し上げます。コメントと質問を一つずつさせていただければと思っております。
1点目になりますが、2ページ目の(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」の1つ目のポツでありますが、先ほど、構成員の先生方からも御指摘やコメントがありましたとおり、この文言、この不当な差別などに関する事例を収集・共有するとともに、対応方針の検討などというところは非常に重要な取組でありまして、記載をいただきまして、誠にありがとうございます。ぜひとも実効性を持った取組を進めていただけることを期待しております。こちらはコメントでございます。
2点目になります、2ページの(2)「ゲノム医療等を提供するための体制構築」というところの1ポツ目になります。現行の記載ですと、必要な患者へゲノム医療を提供できるようという記載になっておりますけれども、これまでの議論からも、ゲノム医療の対象者につきまして、可能であれば、患者と限定することなく、例えば必要な患者や家族というような記載ぶりを御検討いただければと考えております。可能であれば、御検討いただければと思います。以上でございます。
○中釜座長
それでは、患者・家族の記載についてですが、事務局お願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。必要な患者のところ、どういう形で書けるかということを、事務局のほうで検討したいと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。では続きまして、吉田構成員お願いします。
○吉田構成員
ありがとうございます。骨子(案)の御提示ありがとうございました。ここまで構成員の先生方から幾つかコメントがありましたので、一部重なるところは省略させていただき、2点御意見を伺いたいと思います。これは、厚生労働省だけではなくて、こども家庭庁あるいは文部科学省の方々からも御意見いただきたいです。(1)「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」という部分に「関係学会と連携し、遺伝情報関連技術を用いた臨床研究や臨床に係る課題の対応あるいはNIPT等への出生前検査等について、引き続き検討を行う」という記載があります。現在、こども家庭庁では、NIPT認証制度委員会などの研究が実施されているところですが、ゲノム医療推進法の制定に合わせてさらに新たな調査研究が必要なのではないでしょうか。
また、次のところで、「ゲノム医療の研究開発推進における新たな技術に伴って生じ得る生命倫理に関する課題」という記載があり、これは、いわゆるELSIを指すものと思いますが、これについて、先ほど横野構成員も指摘された患者・市民の視点も非常に重要なので、それについて新たな調査研究等が必要ではないでしょうか。この基本計画骨子案が出た後に、それぞれの省庁で御検討いただきたいと思います。
さらに(2)の部分で、ゲノム専門職は医療従事者以外も含まれる可能性があるので、最後の部分の書きぶりについて、いわゆる医療従事者以外の知識の向上も必要ではないでしょうか。私からは、以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。大きくは3点かと思います。まず、1点目は、最初の生命倫理に関してNIPTを含めたことについて、検討とともに調査研究の必要性についての御質問ですが、これに関しては、まず、厚生労働省からよろしいですかね。
○松浦医療イノベーション推進室長
厚生労働省でございます。御指摘ありがとうございます。その課題ごとに必要に応じて、もちろん研究等も御相談していくということだろうと思っております。
○中釜座長
この点について、こども家庭庁及び文部科学省から、追加で御発言ございますでしょうか。
○こども家庭庁(成育局母子保健課)
こども家庭庁母子保健課でございます。今、NIPTの点についても御指摘と御案内をいただきましたけれども、NIPTに関しましては、現在、専門委員会のほうで継続的に議論を行っているところでございます。調査研究の必要性といったところも、この専門委員会の中で議論をする中で、そういった必要性が出てくれば、必要に応じて検討するということかと思います。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。文部科学省から何かございますか。
○文部科学省
文部科学省のライフサイエンス課の廣瀨と申します。ELSIに関する調査研究は、各省で分担して実施しておりまして、恐らくNIPTのように特定の治療法等に伴う倫理問題に関するところは、厚生労働省やこども家庭庁が扱うかと思いますが、一方、文部科学省のほうでは、ゲノムに関する研究を推進することに伴う、ELSI課題に関する研究というものはしっかり取り組んできておりまして、文部科学省のほうで、バイオバンクの構築等を行う事業の一環として、ELSIに関する研究課題も採択をして、支援し続けております。直接的ではございませんけれども、文部科学省の立場から、ゲノムに関する研究を推進することに伴いまして、ELSIに関することもしっかり目配せをしながら、研究を進めていくように取り組みたいと思っております。文部科学省からは、以上でございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。
○吉田構成員
ありがとうございます。
○中釜座長
生命倫理等に関する課題に関して、追加的な調査研究、さらには患者・市民の視点を盛り込むということの御指摘ですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。2点目の御指摘ありがとうございます。横野構成員からも御指摘いただいた、患者・市民に係るような文言をどういうふうに記載するかということにつきましては、事務局のほうでよく検討いたしまして、次回以降、追記分として相談させていただければと考えてございます。調査研究につきましては、先ほどと同様でございますけれども、現状の課題を踏まえまして、研究等については御相談させていきたいと考えてございます。
○中釜座長
いかがでしょうか。3点目の指摘は、ゲノム医療の提供に関して、専門職、医療職だけでなく、医療従事者、その他の医療従事者等も含めた視点が必要ではないかという御指摘だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。少し音声が乱れてしまって、御質問の趣旨が間違っていたら大変恐縮でございますが、おっしゃるとおり、医師、遺伝カウンセリング、医療従事者ではない、いわゆる国家資格を持っていない方もいらっしゃるということも踏まえて、文言等については精査をしていきたいと考えてございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。
○吉田構成員
ありがとうございました。
○中釜座長
続きまして、角山構成員お願いいたします。
○角山構成員
経団連の角山でございます。取りまとめありがとうございました。まず第1の全体目標、分野別目標に関してですけれども、研究開発の推進を目標に入れていただきまして、誠にありがとうございます。民間企業における利活用も視野に入れていただいていると理解しております。ぜひ、想定される利活用者のニーズを吸い上げるような機会を十分に設けていただきまして、それらを踏まえて、基盤整備などの実行等、適切な利活用の推進、あるいはその利活用者が安心して使えるような環境づくりを行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それから、第2の(2)におきまして、ゲノム医療等を提供するための体制構築に関して述べられております。それで、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの解消というところまで記載があるわけですけれども、そもそもその前の遺伝子関連検査や診断法へのアクセス性の改善の検討が必要だと思われます。天野構成員や大沢構成員からも以前にそのようなお話があったと記憶しております。つまり、そのタイミングとか回数を見直すことも重要と思いました。
例えば標準治療を義務づけることなくがんと診断された後に、適切なタイミングでがん遺伝子パネル検査、さらには、全ゲノム解析を公的保険で受けられるようにすることでしたり、現在は回数に上限がございますが、必要な場合は複数回検査を受けられることも検討されるべきではないでしょうか。
また、局所進行または転移が認められる固形がん患者に限定されておりますが、そういったものにかかわらず、全ての固形がん患者を対象にすることなどが挙げられます。今申し上げましたのは例ですけれども、こういったことが引き続き御協議いただけるようお願いいたします。
さらに、健康診断でのゲノム解析の有用性といったものが今後出てきます場合には、それに関する議論も含まれてしかるべきかと思いました。せっかく各項目が、「国は」という言葉を主語にして記載していただいておりますので、関係省庁と十分に連携されるものと期待しております。
次に、(3)でございますけれども、こちらは、先ほど個人情報保護法の名前を挙げていただきましたが、個人情報保護法だけでなく、生命科学、ゲノム医療推進法など、関係法令等を見直すことが適切な利活用につながるため、追記をお願いいたします。
それと、ゲノム解析やオミックス解析技術の進歩が非常に目覚ましいので、必要な支援を実施していただきたいと思っております。また、今回、データ数の議論がほぼないと理解しておりますが、ゲノムデータはそもそも日本人とかアジア人の数が、他のデータベースで少ないということがございますので、ゲノムデータの数の充実も明記いただければと思います。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。以上、厚生労働省、4点お願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。様々の御指摘ありがとうございます。これまでいただいた御指摘も含めまして、追記等、可能な範囲で事務局として関係省庁と御相談しながら、追記とさせていただきたいと思っております。
また、指針の見直しもコメントをいただきました。生命倫理への適正範囲の確保という項目がございますので、全体の中でどのように書いていくかということも含めて、検討したいと思います。御指摘、本当にありがとうございます。
○角山構成員
よろしくお願いいたします。
○中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、大沢構成員お願いいたします。
○大沢構成員
よろしくお願いします。第2のところの(1)の生命倫理のところに関わると思うのですけれども、着床前診断についても、もっと議論が進むことを希望しています。遺伝性腫瘍の若い患者さんと話していると、これから出産を考えるときや、これから結婚を考えるときに、自分のこどもに自分の遺伝性の病気を受け継がせたくないという思いを話されることはやはりあります。着床前診断については様々な御意見があるのは理解できますがこうした診断が選択肢として提示され、希望した方が利用できる仕組みがつくられてくるのも大事かと思います。海外では着床前診断を利用する人も増えてきていると聞いています。日本では、議論が十分になされていないということなどで、日本産婦人科学会で指針を定め審査も担っています。日産婦だけが審査や基準作りを担う段階を超えている、国による関与が欠かせないという意見も報道されています。選択肢が広がると、結婚や出産の前に悩みを抱える若い患者さんの安心につながると思うので、議論がより進むのを希望します。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘について、こども家庭庁お願いいたします。
○こども家庭庁
こども家庭庁でございます。今の点については、御要望ということだと承りました。
○中釜座長
よろしいでしょうか、大沢構成員。それでは続きまして、森構成員お願いいたします。
○森構成員
ありがとうございます。これまでの皆様の御意見と重なるところが多いのですけれども、5点ほどお願いします。まずは、基本計画の最初に、ゲノム全般について、差別、それから、生命倫理等への適切な対応の確保を挙げていただきまして、非常にありがたく思っています。国民の適切な理解と周知につきましても、何を理解し、どのように周知するのか、患者の思いとかけ離れたものになってしまうと、新たな差別を生みかねないものでもあると思います。
(3)のゲノム医療の研究開発の推進のところには、ここはPPIからだと思うのですけれども、はっきりと患者・市民視点の意見を適切に反映させる取組を促進すると記載がありますけれども、研究促進だけではなく、ゲノム医療全般にかけても、大前提として、患者の意見を取り入れることが必要で、その機会なく決まることがないようにしていただきたいと思います。これも先ほど御意見いただいていたとおりかと思います。
また、差別等への適切な対応の確保について、患者・家族は、今も、遺伝に関する不当な扱いや差別で苦しんでおりまして、ここに、ゲノム情報による不当な差別等への防止に係る対応とありますけれども、この中に、患者・家族が今求めている法規制は入っているのかどうか。生命倫理のほうの適切な対応のほうで挙げていただいているポツの最後のほうには、新たな技術に伴って生じる生命倫理に関する課題、関係法令等の見直し等について検討とありますけれども、現在起こっている問題への早急な法整備の取組はやはり必要だと思います。
最初に天野構成員がお話しされましたところで、法務省のほうから、現在、協議中であることであるとか、それから、差別の事例等の検討が必要だというところを御答弁いただいておりますので、ぜひ、早くに進めていただきたいなと思います。
それから次に、教育及び啓発の推進についてのところですけれども、学校の児童生徒及び患者等とありますけれども、この生徒の範囲を教えてください。例えば高校生とか大学生などの学生の取組についても、ここは必要だと思っています。
また、これも学校以外のことになりますけれども、教育、啓発で労働の現場についてもやはり必要ではないでしょうか。患者にとって、働くということは非常に生きる上でも必要なことでもありますし、患者の就労を考えるときに、現在は、難病は働けないだろうとか、常勤は無理だろうと勝手に決めつけられて、病名で落とされたという相談も多くありまして、これらの不当な扱いや差別によって、そもそも病気があることを開示できない患者さんもおられます。雇用主や就労の担当者によって、本人の能力を検討することなく、就労の機会を失うことがあってはならないと思います。病名についても、ゲノム情報を含む重要なものであり、適切な理解がやはり必要だと思います。治療と仕事の両立ができてこそ就労継続が可能なことですし、能力を発揮できることです。国民の理解を得るためにも、身近なところで働いている、その働く場での教育、啓発は有効かと思っています。
また、ゲノム医療についての関心と理解とともに、差別に関する教育も大変重要だと思います。国民の理解や患者の安心と積極的な関わりのためには、ゲノム医療、そして、遺伝と差別問題は、ともに取組が進まないとゲノム医療の推進も成り立たないと思っています。
(2)の医療提供体制や相談支援体制の整備についてですけれども、患者の視点や実態ニーズと乖離しないようにしていただきたいです。また、地域格差が起こってしまう問題にも対応が必要だと思います。ゲノム医療にかかる前から、患者の身近なところで相談ができて、医療を受けることが望まれます。国のほうは、それらを可能とする資源の確保が必要だと思います。
それと、3ページの(人材の確保)ですけれども、患者は様々な体験を積み重ねてきており、病気についてその体験から得る知識を持っている、いわば専門家だと言えます。これら患者の体験的知識や患者視点を有効に活用するために、医療の促進を望んでおり、体験を役立てたいと思っている患者も多くいますし、それらの患者に対して、この学びの機会とか、また、その支援が必要かと思います。
最初に発言しましたけれども、ゲノム医療において、あらゆる場面において、患者の意見を反映させることは、基本計画全体において必要なことだと思いますので、それらのことについて記載をいただきたいです。差別問題を抱えている患者の意見を取り入れる体制にするということは、推進の計画を遅らせるというものではなくて、患者が誰よりも差別なく医療を受け、日常生活を安心して送れる環境となることを望んでおり、その実現のために、ゲノム医療に大きな期待を寄せているものですので、ぜひお願いしたいと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。森構成員から、それぞれの項目に関してのコメント、御指摘をいただきました。全体として、患者の視点が重要だということでありますが、厚生労働省からよろしいでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。様々な本当に御指摘をありがとうございます。患者視点についての記載を、全体にしっかりと関わるように書くことが一番重要な御指摘だったかと思います。改めて、全体を見直しまして、記載ぶりを検討したいと思います。本当に御指摘ありがとうございます。また、差別への対応で、今、必要な法規制等々についての御指摘もございました。まさに今般、労働部局のほうで、現下の法制度の解釈を示していったということかと思っております。まさに、このワーキングの場での細かな具体の御指摘いただきながら、必要な対応をとっていきたいと思っておりますので、引き続き御指導いただければと考えております。
また、普及啓発のところで、労働現場での啓発の御指摘もございました。そちらについては、(1)のまさに労働分野のFAQにどのように啓発していくかということと連動していくだろうと思ってございますので、しっかりと関係部局とも連携をとって、まさに本日様々御指摘をいただいている啓発のあり方と、しっかり啓発していくという御指摘かと思いますので、よくよくやり方 を検討してまいりたいと思っております。また、地域格差等々についても御指摘いただいたかと思います。ゲノム医療を提供できるような医療提供体制を整えている文言にさせていただいておりますけれども、また、本文を書いていく中で、文言を膨らませていきたいと考えてございます。
人材についても、貴重な御指摘いただいたかと考えておりますので、いただいた御意見を踏まえて、しっかり検討したいと思ってございます。私のほうからは、以上でございます。
○中釜座長
もう一点は、教育における生徒の範囲について、これは文部科学省にお願いいたします。
○文部科学省(ライフサイエンス課)
こちらは、文部科学省の言葉遣いとしましては、児童は小学生まで、中学生・高校生が生徒で、大学以降は学生となっているのが一般的かと思いますので、児童生徒については、文言としては高校まで含むかと思いますけれども、実際に、どういった教材をどういった方を対象に作成されていくかというところが重要かと思いますので、厚生労働省と御相談しながら、この表現をどうするかというところだけでなく、実際、誰に配るかというところを、厚生労働省と連携しながら考えていきたいと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。今の回答で、それぞれよろしかったでしょうか、森構成員。
○森構成員
ありがとうございます。生徒についても、例えば学生なんかも含めていただけると、広くなるかなと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
続きまして、菅野構成員お願いいたします。
○菅野構成員
2点ありまして、1つは体制構築のところの医療提供の推進及び検査実施体制の整備というところですけれども、エキスパートパネルもありますけれども、今は、ゲノム医療の進歩がすごく早くて、全体に分かっている人はほとんどいないという状態になって、もうちょっとすると、人間が駄目で、もうAIに聞かないと、実態、本当のところが分からないみたいな状況が起きかねないかなと考えております。
下の検査体制も、いろいろな検査法が出てくる可能性があって、それぞれについて制度みたいなことが言われますけれども、そういうところも全部AI管理されて、一気通貫で、アノテーションまで行ってしまうような検査体制ができてくる可能性があって、結構具体的なことが書いてありますけれども、そういう具体的な施策が進歩に合わなくて、かえって、より使いやすいAIツールみたいなものが出てきたときに、それの活用を妨げるみたいなことがちょっと起こる可能性があるかなという気がしております。
ですので、比較的早めの改定といいますか、見直しといいますか、施策としてはあまり望ましいことではないのかもしれないのですけれども、こういったところでは、例えばAIなどの進歩に伴う管理体制の見直しとか整備みたいなものを文言として少し入れておいていただくと、実態に追随していけるかなと考えるというのが最初の点です。
2番目は、データベースでは、先ほど、企業のほうが使いやすいデータの整備をお願いしたいという話がありましたけれども、もう既にデータを出す主体は、今、企業に移ってきつつあるのですね。種別データはもうほとんど外注でシーケンスしていますので、一時的には企業がそれを持っている。それから、いろいろな検査も企業がやっている。カルテ情報みたいなものがそれとくっついているということで、ある意味国がゲノム研究をすることと、それから、医療の現場で大量のゲノム関連の情報が出ているということが、今はくっきり分かれて考えられていますが、実際は、医療の現場で大量に出てくるゲノムデータが非常に研究にとって大切な状況になりそうです。
しかも、それの産生に企業が大きく関わってくる。今後は、極端なことを言うと、GAFAみたいなところがそういうデータを持っているという状況が出てくるということで、逆に、そういう企業が手持ちの持っているデータを、オープンサイエンスみたいな形でアカデミーの研究者が利用できるような体制構築も、ゲノム医療の研究を推進する上で必要になってくるのかなという気がしております。
そこのところをどこに書くべきかというのはちょっと分からないのですけれども、逆方向ですね、今考えられているここで想定している方向とは逆の方向でのゲノム情報の動きをある程度考慮に入れた情報の取扱法確保みたいなことも何か入れ込んでいただけるといいのかなという気がしております。長くなりました。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。まず最初に、新しい技術に伴ういろいろな施策の変更や、実態に合わなくなったときの改定、見直し等についての考えですが、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。改定につきましては、第3「その他必要な事項」について、どう変えていくかという中で御相談させていただければと考えておりますけれども、ここの記載ぶりが進歩について行けないようなことにならないようにという御指摘もございましたので、そのあたり、よく文言精査をしていきたいと思いますし、また、次回以降も忌憚ない御指摘をいただければと思っております。ありがとうございます。
○中釜座長
2点目のゲノムデータ生産主体に関して、企業等々に関する記載の箇所は、(2)のゲノム情報の取扱いの確保、このあたりなのかなと思いますが、そのあたり、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。民間データについてということの記載をという御指摘かと承りました。以前から御指摘ございましたけれども、また、記載場所、記載文言も含めて、事務局のほうで検討したいと思います。御指摘ありがとうございます。
○中釜座長
ありがとうございました。続きまして、上野構成員お願いいたします。
○上野構成員
いろいろ議論をしていただいたのを盛り込んでいただく過程で、対応いただけるかもしれませんが、ちょっと気がついた点で、2ページの第2の(1)の(生命倫理への適切な配慮の確保)をせっかく加えていただいて、あと、基本方針ということですので、国としてどういう視点でどういう方向に向かっていくということを、ハイレベルにはなるかもしれませんが、書いていただきたいところ、ちょっとここの書き方が、ほかと比べても非常に抽象的になっているので、もうちょっと視点とか方向性を出していただきたいなと思いました。
例えば差別のほうですと、差別に適切に対応を確保するために、事例を収集・共有して、方針検討をして、周知徹底を図るということを書いていただいているわけですが、生命倫理のほうで、1ポツ目は、課題への対応とか、NIPT等に関しては、それについて検討を行うという、非常に漠然とした書き方になっていますので、例えば課題の抽出から始めて、把握した課題に対応するとか、出生前検査等についても、どういう視点で検討を行うのか。例えばその利用の利便性と生命倫理への配慮がきちんとバランスをとれるように実施が行われる方向を目指して検討するとか、何かそういったもう少し視点とか方向性を書いていただきたいと思います。
○中釜座長
すみません。声が途切れているのですけれども、上野構成員大丈夫ですか。
○上野構成員
私のほうは聞こえていますが。大丈夫ですか。
○中釜座長
今、1点だけ御指摘があった、その1点でよろしいですかね。
○上野構成員
はい。
○中釜座長
ありがとうございます。では、今の御指摘に関していかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。生命倫理のところの書き方の御指摘だったかと思います。今いただいた御指摘も含めまして、本文になってくると、また、少し分厚い表現になってくるかと思いますので、そのあたりも含めて、次回以降、しっかり御相談できるようにしたいと思っております。貴重な御指摘、どうもありがとうございます。
○中釜座長
先ほど、生命倫理に関して、調査研究の記載もありましたから、そこから課題抽出する、全ての方向性ということの記載かなと理解しましたが、そういう理解でよろしいですかね。
○上野構成員
はい。視点の方向性を加えていただきたいということです。
○中釜座長 ありがとうございます。
続きまして、水澤構成員お願いいたします。
○水澤構成員
ありがとうございます。私のほうからは、教育及び啓発の推進のところの1点だけ、今の御議論の延長で、ちょっとお聞きしたいと思っています。
先ほど、学校の児童・生徒・学生でしょうか、そういうところの教育で、いわゆる指導要領を変えるのは大変時間もかかるし、難しいというお話があって、それは大変よく分かりました。ゲノムリテラシーを国全体で上げていくことは、とても重要なことで、ある程度スピード感を持ってやらないといけないと思いますので、私も、それにこだわらずに、それと並行して、できるだけ早くそういう教育ができるといいなと思っております。
今、お話を伺っていて少し分かったのは、啓発、指導資材等をまず厚生労働省がつくって、それを活用するというお話があったように思うのですけれども、指導要領を変えないでもできる教育というか、それはできるわけですよね。できるものとして理解してよろしいのでしょうか。それは、ぜひ進めてほしいと思っているのですけれども、その点、ちょっと教えていただければと思います。
○中釜座長
まず最初の質問に対して、文部科学省にお願いします。
○文部科学省
ある意味、御質問いただいたとおりで、学習指導要領を変えなくても、そういった教育はできることになっております。
要は、学校の中で、例えば総合的な学習の時間など、その時間の中でいろいろな分野を探究的に学習するという時間もあります。その時間では、学校あるいは児童生徒がテーマを選んで決めることができます。そのような形で実施していただくことは、ほかの○○教育の分野でも行われているところですので、まずは、よりよい教材や周知できるものを、厚生労働省の方で、関係機関の方々と連携してしっかりと作っていただくものと考えております。
○水澤構成員
ありがとうございます。両方必要だと思いますので、ぜひ、両方進めていただければと思います。
あと、これはコメントですが、この1行目ですね、今は文章出てないですけれども、「国は、国民全体だけでなく、学校の児童生徒及び患者等の」ということで、対象が3群に分けられているのですけれども、学校の児童生徒はもちろん国民全体に入りますので、まずは、患者さんたちのことが来て、それから、国民全体というふうに文章を並べ替えたほうがいいのではないかなと思いますので、後で、少し検討していただければと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。
今の御指摘、よろしくお願いいたします。では続きまして、神里構成員ですね。
○神里構成員
ありがとうございます。骨子のおまとめ、大変だったと思います。どうもありがとうございます。私からは、5点ほどコメントをさせていただければと思います。
今回、この骨子に関しては、基本計画を、法に基づいて、私たちは、今、ワーキングで検討しているわけですけれども、その法の中で、第9条から第21条は、国あるいは地方公共団体に課されている責務が規定されていて、その基本施策を進めなければならないということになっています。ですので、今回も、基本計画をつくるに当たっては、これらの施策も念頭に置いて、カバーできる基本計画であるべきではないかと考えます。
これを前提としたときに、この法で規定されている第9条から第21条を見てみると、研究開発あるいはゲノム医療の提供、あるいは医療目的以外のということで、3つの場面に分けて、それぞれ規定がなされていって、重複している規定もあるということになります。
今回の骨子を拝見するに、どうも、漏れているものもあるようにお見受けしますので、計画をつくるに当たっては、法自体は一応カバーできる形で計画をつくるべきではないかというのが1点目になります。
2点目としましては、次の2ページ目の(1)の「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」のところでございます。これは、最初のところですけれども、今回、「不当な差別等に関する事例を収集・共有する」ということを入れていただきました。こちら、とても大切な点なので、ここについて全く異論はないのですけれども、収集・共有するだけではなくて、何が不当な差別に当たるのかということを、積極的に研究をしていき、そして、それに事例を併せる形で対応を検討していくことが必要ではないかと思いますので、研究も入れてはどうかかと考えます。
3つ目の点としましては、その下の(生命倫理への適切な配慮の確保)でございます。先ほども、着床前診断について御指摘が構成員からありましたけれども、私も、引き続き検討を行うということに関しては、着床前診断は入りませんので、新たに、着床前診断、特にPGT-Mについての検討も加えていただきたいと思います。
というのも、令和5年に、学術会議から日産婦の改革に頼るということではなく、国がルールをつくるべきということを提言されていますし、日産婦からも一学会が担うものではないということを、度々そういったお話も出ています。ですので、これを国が検討できるのかできないのかというところからで結構ですので、俎上に載せていただきたいというのが3点目です。
4つ目としては、その下の「国は、ゲノム医療の研究開発及び提供における」というところですけれども、こちらの法を見てみますと、第14条には、もうちょっと幅広に書いておりまして、ゲノム医療の研究開発及び提供の各段階において、生命倫理への適切な配慮がなされることを確保するため、医師等及び研究者等が遵守すべき事項に関する指針の策定ということが規定されております。とするならば、ここに今回書いてくださっているものでは、少し範囲が限られているのではないかということを思いますので、考えていただければと思います。
また、同時に、法の第17条2項においては、こちらは、研究でも医療でもないという場面を想定しての規定になっております。今、ここでお書きいただいている骨子の2つ目のポツは、研究開発及び提供を受けるということで、文言を区切られておりますので、それ以外の場合も法的にも検討が求められているところですので、こちらも加えていただければと思います。以上です。
○中釜座長
御指摘ありがとうございます。今の御指摘に関して、特に骨子、法を踏まえた十分なカバーがなされているか。これは骨子の項目立てにも少し影響するかと思うのですが、今の御指摘に関していかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。条文の中で、現状、記載がないという御指摘について、恐らく、具体的には20条、21条については、現時点では記載がないという理解かなと思っております。こちらについては、第3「その他必要な事項」のところで、改めて、次回以降、御相談をさせていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。その他、記載漏れ等もしあれば、御指摘をいただけると、大変ありがたく思っております。また、2点目のサービスに係る研究等については、先ほど吉田構成員からもいただきましたが、記載については、事務局のほうでよく検討をしたいと思っております。
4点目の指針の策定のところにつきましては、現状ある様々な関連法令等の中で対応できる部分というところもあるかと思いますので、そのあたりも踏まえて、我々としてはしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。17条2項について、ここの部分が研究と、提供以外の部分もあるという御指摘については、記載ぶりをよく検討したいと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。今の回答、よろしいでしょうか。確認ですけれども、骨子としては、今の形の中で記載をカバーする部分としては、「その他必要事項」で少し触れるという理解でよろしいですか。それとも、骨子の中に新たに書き込んでいくという形でしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
「その他必要な事項」の中で、記載をさせていただければと思います。
○中釜座長
はい。今の回答でよろしいでしょうか、神里構成員。
○神里構成員
結構ですけれども、例えば11条がバイオバンクの話に関連してきますけれども、今、骨子の中だと、研究開発の推進のところに入っています。なので、法的には、研究開発の推進の話のみならずということで書かれていると思いますので、そのあたりが、もしかしたら、医療提供などの前のほうに持ってきたほうがいいのかもしれませんし、ちょっとそこをもう一度確認をしていただければと思います。場面ごとに骨子の中に入っているかというのを確認していただければと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。どういうふうに医療を捉えるかですけれども、健康ということに対する情報提供もカバーできる形としてよいかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。事務局のほうで、再度、中身をよく検討したいと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
ありがとうございます。続きまして、山田構成員よろしいですか。
○山田構成員
ありがとうございます。資料の取りまとめ、ありがとうございます。私が申し上げようと思っていたことは、かなりもう既に皆様おっしゃっていただいているところもありますので、私からは1点だけです。
3ページ、4ページ、いずれにも記載がございます人材確保のところでございます。もちろん医師の方々とか、遺伝カウンセラーが、患者の方々と直接接するのはこういう方々かと思うのですけれども、趣旨に鑑みれば、研究者の人材育成という部分が、確保という部分も重要かと思いますので、それに関する記述、特に例えばドライサイドと私どもは呼んでいますけれども、バイオインフォマティクスの専門家の研究家の方とか、バイオインフォマティシャンと呼ばれる方とかが重要になってくるかなと思っていますので、そういったことを何か記載できるといいかなと思います。先ほど、AI、データサイエンスということをおっしゃっていただいた方もありまして、共通する部分もありますけれども、事、生命に関わる部分ですので、そういった遺伝学のところのバイオインフォマティシャンとかそういったことを追記できればいいかなと思いました。私からは、以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘に関して、いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。貴重な御指摘ありがとうございます。(3)の研究開発の推進のところで、人材育成の確保、このあたりはもう少し分厚くするようなという御指摘かと思いまして、事務局のほうで検討したいと思います。
○山田構成員
誠にありがとうございます。
○中釜座長
ありがとうございます。では、続きまして、小崎構成員お願いいたします。
○小崎構成員
今、山田構成員の御発言にも関わることですが、第19条には、「人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずる」と記載されております。第8回までの具体的な議論については、お配りいただいた参考資料3に書かれていると思いますが、私、人材確保に関しては、8ページにありますとおりに、ポジションを確保することを明示しなければならないと思っておりまして、教育のプログラムの施行と、それから、そのためのポジションの確保は車の両輪でございます。
今回、骨子に書かれていることと、それから、前回までの参考資料3については、具体的に書きやすいことと書きにくいことがあって、特にポジションという言葉を削られた可能性があるのかなと拝察いたしますが、ここは極めて重要だと考えております。その背景といたしまして、菅野構成員がおっしゃったように、AIに依存する場面が出てくるやにしれませんが、これはゲノム医療に専従する者がいてこそ、AIをうまく使うという意味合いがありまして、AIを使うことを逆に前提とするならば、そういう専任のポジションが必要ではないかと考えます。
それから、もう一点でございます。骨子の(2)「ゲノム医療等を提供するための体制構築」の4ポツ目、3ページ目の頭に、(検査の実施体制の整備)ということがございます。これを整備するのは、ここに書かれているのは質の向上のみに限られているわけでございますが、当然ですが、医療体制を整備するということは、量の整備も必要なわけでございまして、そのほかには、先ほど来申し上げている人員の確保が必要で、それで、専従するためのポジションも必要と、このように考えましたので、可能な範囲で記載いただければと思いました。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。以上2点の御指摘について、お願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。貴重な御指摘ありがとうございます。参考資料のほうで記載させていただいた、これまでのいただいた意見につきましては、これから骨子をつくる中で、端的なものをまとめているわけでございますけれども、本文を具体的に書いている中で、こちらのいただいた御意見も踏まえて、しっかり文章を書いていきたいと思っております。いただいたポジション、人材の観点も含めて、文章を検討したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。私からは、以上でございます。
○小崎構成員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、三木構成員お願いできますか。
○三木構成員
よろしくお願いいたします。私は、研究の推進という点で1つ申し上げたいというか、コメントですが、骨子の中では、横断的研究の推進のために、研究推進のための基盤、あるいは情報基盤ですね、これは保存基盤あるいは利用基盤、そして、検体については、これも同じく保存の基盤あるいは利用の基盤、そして、情報の国際連携ですね。そして、人材確保、主だったものが網羅されていると思います。これは非常にありがたいと思うのですが、ただ、先ほども意見が出ましたけれども、特に情報基盤、これは利用するにしても、保存するにしても、例えば誰の情報を誰が使うのかということは、非常に速いスピードで変わっていく、状況が変わっていくと、そういうふうに認識しております。したがって、そういう状況に併せて、研究体制あるいはその基盤構築ができるような文言にしていただければと思います。
それから、もう一点です。ゲノム医療の提供に関してですが、これまでもいろいろな方々が、現在のゲノム医療、がんゲノム医療が多いかもしれませんが、その課題を御指摘になったと思います。この中で、ドラッグ・ラグあるいはドラッグ・ロスという言葉が出てきているわけですが、これと同じように、ゲノム医療提供のタイミングとか、あるいは回数も非常に重要な課題だと思います。
したがって、今回、提供されているゲノム医療の問題点あるいは課題を網羅できるような表現を考えていただいて、それを改善していくということも、少し加えていただけないかなと考えます。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘に関して、事務局いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。貴重な御指摘ありがとうございます。これまでも御指摘いただきましたとおり、この状況がかなり急速に変わっていく中で、どういう表現で書いていくか、あるいは課題をどういうふうにしっかりと書くか、かなり難しい宿題をいただいたと思っておりますけれども、事務局のほうでよく検討して、次回以降、また、御相談をさせていただければと思います。御指摘、本当にありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。
○三木構成員
よろしくお願いします。
○中釜座長
菅野構成員から手が挙がっていますが、お願いいたします。
○菅野構成員
先ほど、データを企業の方が持っているという話をして、それも使えるようにしたいという話ですけれども、例えば海外の企業が、日本でそういうデータをたくさん集めて、それを例えば公開しようというか、提供しないというときに、罰則を科することがこの法律ではできないのかなという気もしているので、これは安全保障問題みたいなのと絡んでくるような気もするので、少し考えておいていいのかなと思います。
例えば中国は、中国のDNA情報を海外に出してはいけないという法律があって、例えば日本人が中国に行って、DNAを採って研究することは、基本的にできない。基本的にではなくて、全然できない。例えばそういう国の企業が日本にやってきて、日本でデータを取って、それで、それについて研究を展開するということが、安全保障上、どういう問題を提起するかということについても少し考慮しておく必要があるかなと。これまでのオープンサイエンスの方向性とは、今、国際情勢も含めて、ちょっと変わりつつありますので、そこら辺、ちょっと気になっております。コメントあるいは質問か、すみませんけれども、そういうことでございます。
○中釜座長
ありがとうございます。先ほどの質問にも関連して、(2)の医療提供の中での(ゲノム情報の適正な取扱いの確保)にも関わるのかなと、お聞きして思ったのですが、事務局いかがでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。本当に貴重な御指摘ありがとうございます。委員御指摘のとおり、この法律は、罰則等々を求めているものではございません。国としての基本計画をどう書いていくという形での御相談をしているところでございます。本日いただいた意見を踏まえて、また、次回以降、御相談していきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。それでは、おおむね構成員の先生方からそれぞれ御意見をいただきましたが、まだ御意見いただいていない五十嵐構成員、何かコメントがございましたら、お願いいたします。
○五十嵐構成員
エキスパートパネルのことを、実は事前に事務局とディスカッションして伺ったのですが、これは主にがんのエキスパートパネルのことを言っているのだと伺ったのですが、各疾患、例えば希少疾患等の遺伝情報を評価するときに、同じようにエキスパートパネルという言葉を使っていたのですけれども、今後は、このゲノム医療等を使う医療のことを扱う場合に、エキスパートパネルというのは、がんのエキスパートパネルに限ると考えたほうがいいのでしょうか。特に小崎先生にお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
○中釜座長
まず、厚生労働省からいかがですかね。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。表現については、不正確な部分ございましたら、よく状況を確認させていただいて、修正をしたいと思っております。御指摘ありがとうございます。
○中釜座長
もしよろしければ、小崎構成員から、このエキスパートパネル、例えば難病領域での使い方に関してはいかがでしょうか。
○小崎構成員
ありがとうございます。症例ベースでは、多職種というよりは複数の専門家による検討が必要な場合は多いと思いますが、がんにおけるような治療方針を決めるということとは趣が違いますので、五十嵐構成員がおっしゃったように、同じ用語を使って同じような体制を想定するということが適切かどうかについては、検討の余地があると考えております。以上です。
○中釜座長
貴重な御意見ありがとうございました。では、事務局よろしくお願いいたします。小谷構成員、何かコメントがございましたら、お願いいたします。
○小谷構成員
明治安田生命の小谷でございます。コメントになりますけれども、本日は、保険分野におけるQ&Aについて、資料に記載されておりますが、こちらは、今、生命保険業界各社から広くゲノムに関する事例などを集めまして、それを踏まえてQ&Aを作成中でございますので、改めて、早々に作成した上で、また、関係省庁とも御相談の上、準備をしてまいりたいと思っております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございました。以上で、御参加いただいている全ての構成員の方々から、御意見・コメントをいただきましたが、改めて、追加での御発言等はございますでしょうか。横野構成員、お願いいたします。
○横野構成員
まず、(2)の「ゲノム医療等を提供するための体制構築」の中に、次のページになりますけれども、(ゲノム情報の適正な取扱いの確保)という項目がございます。その1つ目のところに、ゲノム情報・臨床情報を円滑に利活用と書かれておりまして、もちろんこれは重要なことだと思いますが、ここは、患者さんの診療におけるいわゆる一次利用をまずは確保する、有効な活用を確保することが重要かと思いますので、そのあたりを意識した書き方にしていただくのがよいのではないかなと思います。利活用と言いました場合に、研究開発等、いわゆる二次的な利活用が想起されやすいかと思うのですけれども、ゲノム医療が法律の大きな目的になっていますので、患者さん御自身の診療に適切かつ有効に情報が活用されるということについて、改めて確認しておくことが重要ではないかなと思います。
それとの関係で、(3)のところには、これは11条に基づく部分ですけれども、情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備、あるいはゲノム情報の適正な取扱いの確保といった規定もございます。これは、基本的には、恐らく二次利活用、研究開発目的の活用ということを想定されていると思うのですが、それとの関係で、厚生労働省のほうで、医療等情報の二次利用に係る対応方針を最近検討されておりまして、11月末に、今後の方針について、社会保障審議会の医療部会で議論されていると認識をしております。様々な公的データベースの情報の利活用等の方針、また、今後の必要な法改正等も含めた検討がなされていると承知をしております。その中で、私が理解している範囲では、ゲノム解析データ、ゲノムデータを直接扱うことはほとんど議論されていないように思うのですけれども、ゲノム情報の利活用が、現在、検討されている医療等情報の二次利用に係る厚生労働省の方針との関係でどういうふうに位置づけられるのかということと、この中で、ゲノムデータを扱えるかどうかということ、あるいはゲノムデータそのものを扱わないにしても、診断名等の情報は扱われることになると思いますので、その場合のこの法律に基づいた対応等については、どういうふうに御検討をされていくのかということについて、今すぐに回答いただきたいということではないのですけれども、ちょっと御検討をいただければと思っております。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘の2点について、現時点でお答えできることがあればお願いいたします。
○松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。1点目の御指摘については、一次利用について、もう少し明確に書いていくような、そういう御指摘だったかと思いますので、文言についてはよく精査をしたいと思っております。2点目については、御指摘として承りましたので、引き続き御指導いただければと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。ほかに御発言ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。本日は、構成員の先生方から様々な御意見いただき、ありがとうございました。骨子案の全体の構成については、先ほど神里委員のご指摘で、法を踏まえた全体をカバーできているかということを改めて少し見直すということに関しては、その他の項目で対応可能ではないかという本日の回答でした。その点を踏まえて、骨子(案)については、一応大きな改訂に関する御意見ではなかったのかなと思いますので、本日ご指摘いただいたものに関しては、御意見を踏まえながら修正を加えるとともに、事務局と相談しながら、最終的な骨子(案)については、座長預かりとさせていただきたいと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。
特に、神里構成員、よろしいですかね。この骨子(案)の中で対応可能かということは検討し、もし何か課題があれば、また、そのときに相談させていだきたいと思いますが、よろしいですかね。
(反対意見なし)
○中釜座長
ありがとうございます。それでは、続きまして、議題2「その他」について、事務局からお願いしたいと思います。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。次回の運営につきましては、座長と御相談の上、後ほど、御連絡をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
○中釜座長
ありがとうございました。構成員の先生方には、スムーズな議事進行に御協力いただき、ありがとうございました。それでは、以上をもちまして、本日の会議は終了させていただきます。