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- 2024年12月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第601回議事録
2024年12月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第601回議事録
日時
場所
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 本田文子委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 安川文朗委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 髙町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 鈴木順三委員
- 長島公之委員
- 茂松茂人委員
- 江澤和彦委員
- 池端幸彦委員
- 太田圭洋委員
- 林正純委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦専門委員
- 田村文誉専門委員
- 事務局
-
- 鹿沼保険局長
- 林医療課長
- 木下医療技術評価推進室長
- 米田保険医療企画調査室長
- 清原薬剤管理官
- 和田歯科医療管理官 他
議題
- 令和7年度薬価改定の骨子(案)について
- DPC/PDPSにおける令和6年能登半島地震等を踏まえた対応について
- 中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について
議事
- 議事内容
○小塩会長
それでは、ただいまより第601回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
最初に、委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は末松委員、岡本専門委員が御欠席です。
なお、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「令和7年度薬価改定の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
本日は、薬剤管理官が他の用務により本会に出席できませんため、代わりに私から御説明を申し上げます。
資料総-1を御覧ください。
先ほど薬価専門部会において、令和7年度薬価改定の骨子案を御了承いただきました。その概要を御説明いたします。説明が重複する部分がありますことを御容赦いただきたいと思います。
1ページ目の「第1 基本的考え方」でございます。令和7年度薬価改定については、平成28年の基本方針を踏まえ、今月20日の内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣の合意事項である令和7年度薬価改定について、さらに2ページにいきまして、本日の大臣折衝でまとまった事項、それらに基づいて行うこととしております。
具体的な内容について、御説明いたします。
2ページ目の「第2 具体的内容」の「1.対象品目及び改定方式」でございます。改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、品目ごとの性格に応じて対象範囲を設定することとするとしております。
資料の①~⑤の品目ごとに、資料に記載の乖離率をそれぞれ超える医薬品を改定対象とするとしております。
また、改定方式は、市場実勢価格加重平均値調整幅方式、具体的には以下の算出式で算定した値を改定後薬価するとしておりまして、算出式は通常の改定と同様でございます。
「2.適用する算定ルール」でございます。※につきましては、それぞれのルールの運用の観点で留意すべき事項等を記載しているものでございます。
「(1)基礎的医薬品」ですが、※で乖離率要件等を記載しております。
「(2)最低薬価」ですが、最低薬価の引上げを行います。※につきましては、現在、最低薬価の価格にある基礎的医薬品も忘れずに引き上げることを明記しております。
「(3)不採算品再算定」につきましては、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、医療上の必要性が特に高い品目として三つのポツがございますが、基礎的医薬品とされたものと組成及び剤形区分が同一である品目、安定確保医薬品のカテゴリA及びBに位置づけられている品目、2023年の10月18日及び11月7日に厚生労働大臣が増産要請を行った品目を基本に臨時・特例的に適用することとし、その際、組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬の乖離率の平均が全ての既収載品の平均乖離率5.2%を超える品目は対象外としています。
ただし、厚生労働大臣が増産要請を行った品目については、医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、乖離率要件は適用しないとしています。
また、現行の不採算品再算定のルールである組成、剤形区分及び規格が同一の全ての類似薬が不採算であることの規定は、大臣増産要請品目については、要請企業が限定されていることから適用せず、また、基礎的医薬品及び安定確保医薬品のカテゴリA及びBについては、一部品目が令和5年、令和6年で不採算が解消されているものもあることから、これらを除いて適用することとしています。
5ページの「(4)新薬創出・適応外薬解消等促進加算(加算及び累計額控除)」でございます。創薬イノベーションの推進と国民負担の軽減といった基本的な考え方を踏まえ、加算及び累積額控除(新薬創出等加算対象品目等を比較薬として算定した品目の取扱いも含む)ことを適用することとしています。
「(5)後発品等の価格帯」については、※で価格帯集約において、今回改定の対象外となるものがあることから、その留意点を記載しております。
「(6)既収載品の外国平均価格調整」及び「(7)既収載品の薬価改定時の加算」については、令和6年度薬価制度改革を踏まえた考え方に基づくルールを適用することとしています。
(8)では、令和7年度改定においては、適用しない算定ルールを付記しております。
「3.その他の取扱い」の「(1)規格間の価格逆転防止」、「(2)今年度の薬価調査において、取引が確認されなかった品目」、「(3)『薬価改定』を区切りとして品目を選定する規定の取扱い」及び「(4)薬価改定時の加算等の取扱い」をお示ししております。
最後に「第3 その他」として、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった基本的な考え方を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、令和8年度薬価制度改革に向けて検討を行う旨を記載しております。
資料の御説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。飯塚委員、お手が挙がっています。お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
最低薬価について引き上げるというケースがありますが、これはどのような発想で、どういう情報に基づいて行うお考えなのか、もし現時点でありましたら、お願いします。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
現行の物価の情勢等を勘案しつつ、引上げ幅等については、今後検討していきたいと考えております。
○小塩会長
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
今後検討するということで承知しました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「DPC/PDPSにおける令和6年能登半島地震等を踏まえた対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
資料総-2を御覧ください。「DPC/PDPSにおける令和6年能登半島地震等を踏まえた対応について」でございます。
医療機関別係数(機能評価係数Ⅱ)を毎年度改定しておりまして、令和7年度における医療機関別係数の改定については、令和7年6月1日を予定しております。これは毎年行っている対応でございます。その際、令和5年10月から令和6年9月までの12か月分の診療実績データを使用して改定を実施する予定でございます。
この期間内に、令和6年能登半島地震をはじめとする複数の災害が発生したことから、医療機関別係数の改定においては、これまで被災した病院等について一定の配慮を行っていることを踏まえまして、今回の対応についてお諮りするものでございます。
2の対応方針案でございますが、診療実績に基づく指数につきましては、過去の事例も踏まえ、この期間に発生した以下の災害に被災した地域に所在する病院においては、通常の取扱いとした場合と、以下に定める対象期間の診療実績データを、それ以外の月の診療実績データの平均値に置き換えて算出した場合の両方で算出した値を比較して、より高い値に基づき算出することとしてはどうかとさせていただいております。
災害の名称、対象期間、対象地域については、下に記載するとおりでございますけれども、対象期間につきましては1か月としているものが多くございますが、能登半島地震につきましては、被害が甚大であったことから、能登中部医療圏については3か月、そして、能登北部の二次医療圏につきましては、令和6年1月以降の全期間とすることとさせていただいて、お諮りをさせていただきます。
資料の説明は以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
今年も多くの災害がありました。地震、大雨、台風などの影響により、大きな影響を受けた地域が多数に及びます。これら災害により病院が直接被害を受けたことによる影響だけではなく、地域の患者さんが受けた被害や交通インフラが受けた被害などにより、病院の診療実績が通常時と大幅に変化した医療機関も多数発生いたしました。DPC支払い制度における機能評価係数Ⅱの指数の算出において、提案された災害、対象期間、対象地域において配慮を行うことは妥当であると考えます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御発言等はございますでしょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
事務局からお示しいただきました対応方針案に異論はございません。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
総-3「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について」を御説明させていただきます。
総-3参考に大臣折衝事項の内容をお示ししておりますけれども、こうした内容を踏まえまして、中間年改定の年ではございますけれども、緊急に対応をすべきもの、また、対応が重要だと考えられるものについてお諮りするものでございます。
資料をおめくりいただいて3ページでございます。入院時の食事の基準の見直しにつきましては、令和6年度診療報酬改定で食事療養費640円から670円ということで、30円引き上げたということでございます。
4ページは、入院時食事療養費保険給付分と自己負担分の仕組みをお示ししております。
5ページは、これまでの食事療養費等の変遷をお示ししております。
6ページは、入院時の食事をめぐる状況ということでございますけれども、近年の消費者物価指数や家計調査の食料指数の伸びをお示ししているところでございます。
消費者物価指数、いわゆるCPIの伸びでございますが、2018年と比較すると、2024年の1~10月の平均ではプラス19.5%といった伸びを示しているところでございます。
7ページは、給食管理に携わる管理栄養士・栄養士が行っている対策・工夫として、アンケート調査が行われた結果を御紹介しておりますけれども、安価な食材を紹介してもらうであるとか、価格の変動の少ない食材の使用頻度を増やす、冷凍食材や加工食品を増やすといったように、食事の内容を変更するといった回答がかなり増えているところでございます。
8ページは、本件に関する参照条文でございます。
9ページがお諮りする内容でございますが、入院時の食費について、令和6年度診療報酬改定において、1食当たり30円の引上げを行ったが、食材費等の高騰はさらに続いている。医療の一環として提供されるべき食事の質を確保する観点から、さらに1食当たり20円引き上げるという案でございます。
これによりまして、1の(1)ですと、現行の670円が690円になります。
次に②の歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト、手間への評価の見直しについてです。
11ページ、12ページにお示ししておりますように、令和6年度診療報酬改定では、歯科衛生士及び歯科技工士の業務等に関する評価を新設いたしました。
13ページでございます。つい先日公表されました令和5年の患者調査の結果において、高齢化の進展により、歯科診療所を受診する高齢者の患者数やその割合は増加していることが示され、高齢者が質の高い生活を営む上で必要な、かむ、食べる等の口腔機能を維持するための指導や、義歯等の様々な補綴物のニーズがさらに高まっているところでございます。
実際にこれらのニーズに対して、小規模である歯科診療所の歯科医師だけで業務を行うことは難しく、専門的業務を行う歯科衛生士や歯科技工士と適切に分担をしていくことが必要と考えております。
なお、歯科衛生士及び歯科技工士の状況でございますが、グラフでお示しをしておりますように、歯科診療所に従事する歯科衛生士数の伸びの鈍化、また、歯科診療所に従事する歯科技工士数の減少などが示されているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、歯科医療機関等で専門的業務を行う歯科衛生士・歯科技工士が今後不足することも予想されるため、こうした人材の定着・確保が急務であると考えています。
また、上段の二つ目の○のところでございますけれども、こうした背景もありまして、直近の骨太の方針2024において、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保の必要性を踏まえた対応といったことも記載されているところでございます。
こうした背景等を踏まえまして、14ページがお諮りする内容でございます。専門性の高い歯科衛生士や歯科技工士の業務に関する評価を、それぞれ資料に記載のとおり引き上げることで、歯科医療現場における歯科衛生士や歯科技工士の定着や確保につなげていくものでございます。
15ページからが保険薬局に関するもので、長期収載品の選定療養化や医薬品供給不安に伴う服薬指導の評価の見直しについてです。
16ページ目は、本年10月から施行されております、長期収載品の選定療養費制度についての御説明です。制度施行に伴い、保険薬局の薬剤師は特別な料金が生じること等について、患者に十分な説明を行った上で、患者の希望を確認する対応が必要となっております。
17ページは、令和6年度改定において、服薬指導の評価のめり張りに関する項目として、長期収載品の選定療養に関する説明や、医薬品の供給上の問題により別の銘柄の医薬品に変更が必要となった患者に対する説明など、特に患者に対して重点的に丁寧な説明を行った場合の評価として、特定薬剤管理指導加算3の評価を新設しております。
主な算定要件の(3)のところ、これは「□」に見えますが、「ロ」でございますけれども、ロのほうでの評価を新設しているところでございます。
18ページ、制度施行後の薬局における長期収載品の選定療養に関する患者への評価については、約9割の薬局が負担感を訴えています。
また、患者への説明に長時間を要する場合があるほか、業務に支障が出た等の対応困難事例が関係団体による調査結果により公表されています。
19ページは、医療用医薬品の供給状況でございますけれども、依然として供給停止・限定出荷が継続をしているという内容でございます。
こうしたことから、20ページがお諮りする内容でございます。さらなる後発医薬品の使用促進のための長期収載品選定療養費制度の対応を行うこと、また、保険薬局の現場の負担が増加していることなどを踏まえまして、こうした丁寧な服薬指導を実施した場合の評価について、記載のとおり、見直すこととしてはどうかと考えているところでございます。
資料の御説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
今回、大臣折衝事項で示された入院時の食事の基準の見直しは、現状を踏まえ、必要な対応であると考えております。
前回改定では、食材費等が高騰していることを踏まえ、入院時の食費の基準が約30年ぶりに引き上げられましたが、資料に示されたように、その後もさらに高騰が続いている状況にあることが配慮されたものと理解しております。
食事療養は治療の一環として非常に重要なものであり、主治医の指示の下、管理栄養士が患者さんお一人一人の栄養管理を行い、回復を目指すものであります。しかし、現場では、食材費を抑えるため、冷凍食品や加工食品でやりくりするなどの工夫を強いられ、新鮮な食材を使えないばかりか、光熱費等の物価高騰も経営を非常に厳しくしており、医療の質を確保することが難しい状況となっております。こうしたことを踏まえ、医療の質の維持・向上のために、時宜に即した評価と受け止めております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
私も資料総-3の①入院時の食費の基準の見直しに関して、発言させていただきます。
令和6年改定では、食材費等が高騰していることを踏まえ、入院時の食費の基準を30円引き上げていただきました。しかし、資料の6ページに関連物価の上昇の状況が示されているとおり、食材費、調理員などの賃金上昇を受け、現在、多くの病院が給食委託業者からの委託費、食材費の値上げを要請され、コスト増を受け入れざるを得ない状況となっています。
7ページに示されているとおり、病院の現場では、より安価な食材への変更や仕入先の工夫、メニューの変更など、様々な対策を実施しております。最近では、米の価格の上昇を受け、より安価な米国産米への切替えを検討し、探し回った病院もありましたが、流通量が少なく、確保できなかったということもございました。
病院は様々な対策を実施しておりますが、対応にも限界があり、入院時の食事提供コストの上昇を許容せざるを得ない状況となっており、病院の経営状況の悪化の一因となっております。病院において、治療の一環として提供される食事の質を確保するためにも、食費の基準の適正な水準への引上げは重要であります。ぜひとも御対応いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員がオンラインでお手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も長島委員、太田委員と同じように、今回、食材費を上げることに対して意見を言わせていただきます。
両委員がおっしゃったとおり、今、病院は、食材費高騰、光熱費高騰によって治療食を提供できかねないという声が現場から悲鳴のように聞こえてきています。
また、委託業者も、同じ状況において、人材確保が難しい、しかも、食材費や光熱費が高騰して、ここまで上げてもらえないと、もう引き揚げるという、そういう脅しに近いようなことで、非常に困っている病院の声もよく聞きます。
それくらい現場が逼迫している状況で、今回、大変な御努力で各関係者の御配慮もあって、こういう御提案をいただいたかと思いますので、ぜひお認めいただくことを切に願って、御礼申し上げたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長 ありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト、手間への評価に関してでございますが、総-3の14ページに示されております評価案について発言させていただきます。
令和6年度の診療報酬改定では、現下の雇用情勢も踏まえた人材確保、働き方改革等の推進ということで、歯科におきましても、歯科医療従事者、特に専門職の他業種への転職防止や人材確保は喫緊の課題と捉えていただき、対応いただきました。
多くの小規模な個人立歯科診療所では、なかなか歯科医療専門職の確保・定着が難しい中、日々、歯科医療提供を行っております。歯科衛生士・歯科技工士に関わる項目を引き上げるということで、今後はより魅力があり、働きがいがある職場への一助となり、このことはこれら職種の確保のみならず、定着や人材育成に重要と考えております。
特に今回示されている項目は、新設された項目ではありますが、歯科衛生士の診療の肝となる歯科衛生実地指導の口腔機能向上部分と、質の高い技工物製作のための歯科技工士との連携部分であり、これらの職種、いわゆるデンタルファミリーの活用やスキルアップとして、患者・国民にとっても非常に有用な部分であると認識しております。
今回の御提案に賛同し、事務局におかれましては、この方向で進めていただきたく、よろしくお願いしたく思っております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
長期収載品の選定療養化などに伴う服薬指導の評価の見直しについて、コメントさせていただきます。
資料の18ページ目に示されているとおり、ほぼ全ての薬局が長期収載品の選定療養化への対応について負担感を訴えています。特に説明に時間がかかり、業務への支障が出ていることや特別な料金が発生することに御理解をいただけないことなど、現場は大変苦労しています。
これまで大きなトラブルが報じられることなく、長期収載品の選定療養化への対応が着実に進んでいることは、後発医薬品の使用促進の重要性を理解し、10月以前から現場で対応をしてくださっている医師、薬剤師、そして、医療事務などの尽力のおかげであると主張させていただきます。
長期収載品の選定療養化などに伴う服薬指導の評価については、医療現場にとって非常に負荷となっていることを踏まえ、見直しが必要であると考えています。
先ほど事務局からも説明がありましたけれども、18ページ目に薬局における長期収載品の選定療養化の対応状況がありますが、事前にポスターの掲示、チラシの配布、患者への説明など、取り組んでいたにもかかわらず、約9割以上の薬局が負担感を伝えており、約7割の薬局で患者に対する説明に想像以上に時間がかかり、業務に支障が出ているとの結果になっています。
長期収載品の選定療養化への対応は、新たなアプローチで後発品の使用促進を行うためのものです。後発品の使用を進めるためにも、現場の苦労や努力に応えられるよう、関係する報酬上の評価については前向きな見直しが必要です。
また、長期収載品の選定療養への対応に当たっては、国や保険者からもきちんと国民に理解が得られるような周知が必要不可欠ですが、クレーム対応を含め、患者さんに御理解いただくための説明や対応を行っているのは、現場の薬局や医療機関が引き受けている状況であることも御理解いただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
大臣折衝事項を重く受け止めまして、緊急的に対応すべき事項として、事務局の提案を了承いたします。
その上で、議論の進め方と対応の内容については、それぞれコメントいたします。
まず議論の進め方についてでございますが、中医協の役割として、緊急的に対応すべき課題が明らかになった場合には、政府の決定を待つのではなく、まずは議論の俎上にのせ、丁寧に議論に入るべきだと考えます。
また、今回の対応は、資料にも示されているとおり、いずれも令和6年度改定で対応したばかりの項目です。特に歯科と調剤は技術料の改定そのものであり、改定の効果を検証した上で、見直しの必要性を判断することが本来の流れだと考えます。今後、この基本的なサイクルを崩すことがないよう、事務局にはくれぐれもお願いしたいと思います。
続いて、対応の内容についてですが、まず入院時の食費については、資料の6ページを拝見しますと、令和6年度改定の際に根拠とした2022年の数字から、食料支出が足元でさらに上昇しているということが分かります。したがって、実態を踏まえ、基準額を引き上げる必要性は十分理解できます。
一方で、給食の管理に関する工夫も示されておりますが、医療現場の努力が既に限界に達しているということであれば、引き続き可能な限りの経費の節約に御努力いただきつつ、今回の引上げを踏まえ、食事の質の低下を招かないようにしていただき、患者に納得できるよう丁寧な説明もお願いしたいと思います。
次に歯科衛生士や歯科技工士の評価については、資料の13ページを見てみますと、ニーズの増加に専門職の配置が追いついていないということかもしれませんが、歯科衛生士や歯科技工士はベースアップ評価料の対象職種でもありますので、今後しっかりとした検証が必要ということを強く主張いたします。
ただし、今回の措置は、特に専門的なスキルに対する評価の充実ということで、現状においても不足している歯科衛生士や歯科技工士の離職を防ぐ緊急的措置と理解いたします。
最後に服薬指導の評価については、10月施行から極めて短期間で見直しを決めることになります。資料の18ページに現場の負担感が強いというデータが示されており、移行期における対応ということで、やむを得ない側面もございますが、一方、健保組合にも加入者から実際の金額の計算方法まで問合せが来ております。関係者それぞれが苦労をしているということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
さらにそもそも令和6年度改定で、この加算の3のロを新設する議論の中で、長収品から後発品に切り替わらなかった場合も算定できること、つまり成果報酬ではないことについて疑問があるという指摘をさせていただきました。導入時を経た後の令和8年度の改定に向けて、長期収載品の選定療養の基準と併せて、この加算の立てつけについて議論すべきと考えます。
事務局におかれましては、実態を把握しつつ、議論の準備をお進めいただきますよう、よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
提案については、異論はございませんが、先ほど松本委員が発言したとおり、診療報酬は原則2年ごとの改正ですから、期中における対応というのは、あくまでも緊急的かつ特例的なものであるべきと考えます。
また、長期収載品の選定療養化に関しては、そもそも患者の理解を得られていない、情報が行き届いていない状況と受け止めます。改めて国からしっかり周知する必要があると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
先ほど松本委員、佐保委員から、事務局に対する御要望をいただきましたけれども、現時点で御対応していただくようなことはございますでしょうか。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
御意見ありがとうございます。
長期収載品の選定療養につきましては、今後、データをお示ししながら、令和8年度に向けての御議論をしていただこうと思っております。
また、国からのさらなる周知ということも承りましたので、対応を進めていきたいと思っております。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ほかに特に御質問等がないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、御要望も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。本日が年内最後ということです。1年間どうもありがとうございました。皆様、よい年をお迎えください。
それでは、本日の「総会」はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。