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中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第233回議事録(2024年12月25日)
日時
場所
出席者
- 構成員等
-
- 安川文朗部会長
- 笠木映里委員
- 本田文子委員
- 小塩隆士委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 奥田好秀委員
- 長島公之委員
- 江澤和彦委員
- 林正純委員
- 森昌平委員
- 藤原尚也専門委員
- 石牟禮武志専門委員
- 荒川隆治専門委員
- 事務局
-
- 鹿沼保険局長
- 林医療課長
- 木下医療技術評価推進室長
- 米田保険医療企画調査室長
- 清原薬剤管理官
- 和田歯科医療管理官 他
議題
- 令和7年度薬価改定の骨子(案)について
議事
- 議事内容
○安川部会長
ただいまより、第233回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。今年最後の部会です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず委員の出欠状況について、御報告いたします。
本日は全委員御出席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。
(カメラ退室)
○安川部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「令和7年度薬価改定の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
本日は、政府側のスケジュールが遅れまして、本会の開始も遅れたことをおわび申し上げます。
また、本日は、薬剤管理官が他の業務のためこの場に出席できないため、私が代わりに御説明を申し上げます。
たった今、資料をホームページにも掲載いたしましたので、ユーチューブ配信の方も御覧いただければと思います。
資料薬-1を御覧ください。
前回の薬価専門部会等を踏まえて、令和7年度薬価改定の骨子案をまとめたものでございます。本日、この内容をお諮りいたします。
1ページ目の「第1 基本的考え方」です。令和7年度薬価改定については、平成28年の基本方針を踏まえ、今月20日の大臣合意、令和7年度薬価改定について、さらに本日の大臣折衝でまとまった事項、それらに基づいて行うこととさせていただいております。
本日の大臣折衝事項につきましては、2ページ目に薬価改定に関する部分を抜粋いたしております。
「(1)薬価改定」でございますが、前回の薬価専門部会で御議論いただいた骨子(たたき台)の記載と同様の内容となってございます。
順に具体的な内容について御紹介いたします。
2ページ目の「第2 具体的内容」「1.対象品目及び改定方式」を御説明いたします。改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、品目ごとの性格に応じて対象範囲を設定するとされています。
具体的には平均乖離率5.2%を基準として、新薬創出等加算対象品目についてはその1.0倍、新薬創出等加算対象品目以外の新薬はその0.75倍、長期収載品はその0.5倍、後発品及びその他医薬品はその1.0倍をそれぞれ超える医薬品を改定対象とするとされています。
改定方式は、市場実勢価格加重平均値調整幅方式とし、具体的には以下の算出式で算定した値を改定後薬価とするとされておりまして、算出式は通常の改定と同様となってございます。
「2.適用する算定ルール」でございます。※で書いているものは、それぞれのルールの運用の観点で留意すべき事項等を付記させていただいているものです。
「(1)基礎的医薬品」ですが、※のところで乖離率要件等を記載いたしております。
「(2)最低薬価」でございますが、最低薬価の引上げを行います。※は、現在、最低薬価の価格にある基礎的医薬品も忘れずに引き上げることを記載させていただいております。
「(3)不採算品再算定」については、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、医療上の必要性が特に高い品目として三つのポツがございますが、基礎的医薬品とされたものと組成及び剤形区分が同一である品目、安定確保医薬品のカテゴリA及びBに位置づけられている品目、昨年の10月18日及び11月7日に厚生労働大臣が増産要請を行った品目を基本に臨時・特例的に適用することとし、その際、組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬の乖離率の平均が全ての既収載品の平均乖離率5.2%を超える品目は対象外としています。
ただし、厚生労働大臣が増産要請を行った品目については、医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、乖離率要件は適用しないとするとしています。
また、現行の不採算品再算定のルールである組成、剤形区分及び規格が同一の全ての類似薬が不採算であることの規定は、大臣増産要請品目については、要請企業が限定されていることから適用せず、また、基礎的医薬品及び安定確保医薬品のカテゴリA及びBについては、一部品目が令和5年、令和6年で不採算が解消されているものもあることから、これらを除いて適用するとしています。
「(4)新薬創出・適応外薬解消等促進加算(加算及び累計額控除)」でございます。創薬イノベーションの推進と国民負担の軽減といった基本的な考え方を踏まえ、加算及び累積額控除(新薬創出等加算対象品目等を比較薬として算定した品目の取扱いも含む)を適用することとしています。
「(5)後発品等の価格帯」については、※で価格帯集約において、今回改定の対象外となるものがあることから、その留意点を記載しております。
「(6)既収載品の外国平均価格調整」及び「(7)既収載品の薬価改定時の加算」については、令和6年度薬価制度改革を踏まえた考え方に基づくルールを適用することとしています。
(8)では、令和7年度改定においては、適用しない算定ルールについて付記しております。
「3.その他の取扱い」の「(1)規格間の価格逆転防止」、「(2)今年度の薬価調査において、取引が確認されなかった品目」、「(3)『薬価改定』を区切りとして品目を選定する規定の取扱い」及び「(4)薬価改定時の加算等の取扱い」をお示ししております。
最後に「第3 その他」として、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、令和8年度薬価制度改革に向けて検討するということを記載しております。
資料の御説明は以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関して、御質問等ございましたら、お願いいたします。長島委員、お願いします。
○長島委員
ありがとうございます。
本日提案された骨子(案)は、これまでの議論を踏まえた内容となっており、異論ございません。
国民が必要な医療をいつでも受けられるよう関係者が努力し、いまだ満たされていないニーズのある疾患の治療に資する新薬が開発されることを願うとともに、薬価改定実施による今後の供給面への影響を、注意深く、見守る必要があることを申し述べたいと思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかにございますか。林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
本日示されました骨子案は、今までの議論を踏まえたものでございまして、異論はございません。
その上で引き続き足元の医薬品の安定供給問題に関し、その影響をしっかりと精査しながら、問題解決に向けて御配慮を歯科からもよろしくお願いしたく思っております。
以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
続いて、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございました。
事務局におかれましては、骨子案を取りまとめいただき、ありがとうございました。
本骨子案につきましては、これまでの議論を踏まえたものと理解しており、異論はありません。
国民負担の軽減と医療の質の向上を同時に実現すること、つまりコストを下げて医療の質の向上を実現することは非常に難しく、中間年改定が医療の質の向上となるのか、どうすれば質の向上となるのか、引き続き大きな課題だと考えます。
国民や薬局、医療機関が恩恵を受けられる中間年改定、医療の質の向上に結びつく中間年改定とすべきであり、令和7年度薬価改定が薬局、医療機関、製薬企業、医薬品卸など、関係者の経営実態、ドラッグラグ・ロス、安定供給問題、地域の医薬品提供体制にどのような影響を与えたのか、医療の質の向上に結びついたのかなど、しっかりとフォローし、今後の対応を検討していく必要があると考えます。
以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかによろしいですか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
示されました骨子案につきましては、前回までの議論を反映したものであり、異論はございません。 その上で3点コメントしたいと思います。
まず市場実勢価改定につきまして、今回、カテゴリー別にめり張りをつける考え方は、診療報酬改定のある年の薬価改定も含めまして、今後の実勢価改定を検討する上で非常に重要な論点になると考えております。
次期薬価制度改革に向けて、これまで議論が深まらなかった課題についても、早い段階で議論を始めるための準備を事務局にはお願いをしたいと思います。
次に、新薬創出等加算品目の改定範囲を狭めることについては、前回のこの部会で薬剤管理官から、後発品が上市された際の控除額を抑制することも含めてイノベーションの評価であるという説明がございました。
政府の判断は尊重いたしますが、先発品メーカーにおかれましては、開発方針の意思決定だけではなく、早期に実際の投資や研究開発につなげ、より多くの革新的な新薬を患者へ届けていただきたく、さらに特許が切れた後は、速やかに後発品に市場を譲ることを徹底していただきたいと思います。
最後でございますが、安定供給の確保につきましては、依然として後発品をはじめとする医薬品の供給不足が続いており、不採算品再算定だけでなく、薬価上の措置そのものがすぐに効果が出るものではないと感じております。
一方で、産業構造の見直しには時間がかかります。既に医療現場で様々な努力がなされていると思いますけれども、限られた医薬品をどのように使うのか、全体を最適化する取組も並行して進めていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
これまでも発言してきたことですが、安定供給に向けて人材確保、賃上げが重要だと考えております。
今回の内容は、大臣合意に基づいたものとして受け止め、異論はありませんが、今後に向けては、中間年改定の在り方を含め、さらにしっかり検討する必要があると考えます。
私から以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。ほかに御意見等がないようでしたら、本案を総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○安川部会長
ありがとうございます。それでは、そのようにいたします。
それでは、本件の議論はここまでといたします。
本日の薬価部会の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をいたします。
それでは、本日の「薬価専門部会」はこれにて閉会といたします。1年間、どうもありがとうございました。