2024年12月4日 中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会 第60回議事録

日時

令和6年12月4日(水) 薬価専門部会終了後~

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階

出席者

構成員等
事務局

議題

  • 第25回医療経済実態調査について

議事

議事内容
○本田小委員長
 ただいまより、第60回「中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、江澤委員が御欠席です。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○本田小委員長
 それでは、議事に入ります。
 本日は、前回の議論を踏まえ、事務局から資料が提出されていますので、事務局から説明をお願いいたします。
○米田保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 資料の実-1を御覧ください。
 第25回の医療経済実態調査(医療機関等調査)について、前回の調査実施小委でいただいた御意見を踏まえて、具体的な調査項目等について、論点を整理いたしました。
 まず、2ページを御覧ください。
 こちらは、前回もお出しした資料で、検討すべき事項(案)でございます。
 続いて3ページ、調査項目の1つ目、新型コロナ関連の項目についてでございます。
 前回の調査実施小委では、今回の調査時期でもコロナが流行していることを踏まえ、引き続き、把握すべきといった御意見がありました。
 このため、下のピンクの色がついている箱が論点となりますけれども、今回の調査でも、コロナの影響について前回同様の項目で把握してはどうか。
 その際、細かいところながら、コロナ関連の補助金の慰労金については、もう不要な文言であるということで、これを削除してはどうかと考えております。
 4ページから6ページにかけては、前回の調査票のうち、コロナ関連の調査項目の関連部分を抜粋したものでございます。
 次に、7ページを御覧ください。
 物価高騰に係る項目についてです。
 前回、歯科技工委託費の影響を把握することについて御提案をいただきました。
 このため、歯科診療所調査票の委託費に係る調査項目として、歯科技工委託費を追加することについて、どのように考えるか。
 一方で、食品に関する支出については、前回同様の項目で調査してはどうか、御意見をいただければと思います。
 8ページ、賃上げに係る項目についてでございます。
 前回様々な御意見を頂戴いたしました。特に、賃上げ状況の把握につきましては、これまで主に医療機関等の経営状況を把握する医療経済実態調査では、該当する項目がなかったこともありまして、調査票の分量が大きく増えるなど、調査の回答への負担といったものも鑑み、見送ることとしたいと考えております。
 一方で、看護処遇改善評価料と同様に、前回、当方から提案いたしました、ベースアップ評価料の届出の有無、これに加えまして、御提案いただきました賃上げ促進税制の活用の有無を把握することで、損益状況や給与年額の集計を行ってはどうかと考えております。
 続いて、11ページを御覧ください。
 薬局の機能に応じた経営状況の把握についてです。
 前回、いわゆる同一敷地内薬局について、特有の経費が増加している可能性があることから、その状況を的確に把握できる調査・分析としてほしいとの御意見をいただきました。
 このため、特別調剤基本料Aの届出の有無別に集計し、また、敷地内薬局特有の費用等についても調査してはどうか。
 また、同一敷地内薬局については、抽出率を上げ、その代わりとして前回悉皆調査といたしました専門医療機関連携薬局の抽出率については、元に戻してはどうか。
 関連して、地域支援体制加算や在宅薬学総合体制加算の算定の有無についても調査してはどうか、こうした論点につきまして、御意見をいただければと思います。
 続いて、14ページ、調査項目の簡素化についてです。
 前回、簡素化自体については、おおむね御賛同をいただいたと考えております。
 今回は、それぞれの調査票について、相対的に活用度が低いと考えられる下線を引いた項目について、簡素化の観点から削除してはどうかと考えております。
 具体的には、まず、病院調査票では、損益のその他の収益の内訳、看護職員等処遇改善事業補助金、設備投資額のうち、調剤用機器の内訳のリース分、一般診療所調査票では、同じく、調剤用機器の内訳、リース分、保険薬局調査票では、医療機器、調剤用機器、医療情報システム用機器のそれぞれの内訳のリース分、これらについて削除してはどうかと考えております。
 また、15ページは、歯科診療所調査票についてです。
 基本データのうち、在宅療養歯科診療所の施設基準の届出状況。
 また、損益のうち、歯科材料費の内訳、特定保険医療材料費、委託費の内訳、人材委託費、さらにその内訳の紹介手数料、減価償却費の内訳、建物減価償却費、その他の医療・介護費用の内訳、土地賃借料を削除してはどうか。
 また、給与については、職種別に現在記載をいただいておりますけれども、このうち、薬剤師について削除し、代わって歯科業務補助者を追加してはどうか。
 設備投資額のうち、医療機器の内訳、リース分、調剤用機器と、その内訳のリース分、医療情報システム用機器の内訳、リース分を削除してはどうかと考えております。
 16ページからは、前回の調査票の関係部分を抜粋し、見直しを行う部分について、赤枠で囲むなどをしておりますので御覧いただければと思います。
 続いて、21ページでございます。
 調査設計のうち、サンプル数が少ないと予想される集計への対応についてでございます。
 前回、引き続き、有効回答率の向上を図ることが必要といった御意見に加え、サンプル数が少ないと予想される診療科に関する学会や医会と連携することについて、御提案をいただきました。
 また、加えて、医療法人の経営情報データベースを活用することについても御意見をいただきました。
 このため、引き続き、診療側団体への協力依頼を行うほか、あわせて学会や医会を通じた協力依頼を行うこととしてはどうか。
 また、医療法人の経営情報データベース、いわゆるMCDBについては、今後、初めて詳細な集計や分析が行われることを踏まえまして、当面、医療経済実態調査を補完するものとしての有用性を検討してはどうかと考えております。
 22ページは、御参考として、MCDBの概要資料でございます。
 昨年8月1日から制度が始まりまして、医療法人の経営情報の収集が行われております。
対象は、原則全ての医療法人ということになっております。
 23ページは、MCDBの調査・分析の対象項目でございます。
 黄色く塗られた部分にありますとおり、病院、診療所ごとに経営情報等を報告すると。そして、分析することとされております。
 24ページは、医療経済実態調査とMCDBの比較を表でまとめたものでございます。
 25ページからが、有効回答率の向上についてでございます。
 前回の御意見を踏まえ、26ページで、今回の対応案をお示ししております。
 まず、回答に御協力いただいた施設に対するフィードバックの内容を見直してはどうか。
 また、電子調査票の御利用ガイドについて、引き続き活用してはどうか。
 特に、電子調査票のうち、ウェブ版については様々なメリットもありますので、これらを明記することで、その利用促進を図ってはどうか。
 保険薬局については、前回、本社・本部を通じた働きかけを行うことで、回答率が向上いたしましたので、こうした取組を引き続き行うこととしてはどうかなどといった点について、御意見をいただければと思います。
 27ページ以降は、有効回答率の向上に関する参考資料でございます。
 資料実-1については以上でございますが、これに基づいて、資料実-2、医療機関等調査の実施案。また、実-3、調査項目の変更点をそれぞれ作成しておりますので、こちらも併せて御参照いただければと思います。
 説明は以上でございます。
○本田小委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を踏まえ、次回調査について御審議いただきたいと思います。御意見などがありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 今回示された各論点に対する対応案につきましては、これまでの議論を踏まえたものでありますので、異論ございません。
 私からは以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 歯科の立場から前回発言させていただきました、歯科技工委託費等の項目の追加や、調査項目の簡素化をお諮りいただき、今回提示いただきました、対応案に関しましては、異論はございません。
 特に、簡素化していただいた部分につきましては、施策に反映し得るかどうか等を御考慮いただいたものと理解しております。
 今後、調査結果として生かせるよう、日本歯科医師会といたしましても会員への周知等もしっかりと行っていき、有効回答率の向上に努めたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
 また、歯科診療所は8割弱が個人立の歯科診療所であり、個人立だと管理者を含めてマンパワーが限られますので、できるだけ小規模歯科診療所のデータも収集できるよう、引き続き、御検討をよろしくお願いしたいと思っております。
 私からは以上でございます。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 前回発言しました敷地内薬局に関して、的確に把握できるような調査にしていただき、ありがとうございました。また、同一敷地内薬局に関しては、現在、600施設ということですので、抽出率を上げることに関しては必要性があると思います。
 以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 事務局の御提案に異論はございませんけれども、資料の8ページにございます、賃上げに係る項目についてでございますが、これは、前回の改定で非常に大きな論点にもなっており、しっかり調査、検証すべき事項であるにもかかわらず、回答への負担というのが主な理由で、詳細な調査を行わないことは大変遺憾に感じております。
 事務局には、ベースアップ評価料に伴う実績報告や、ほかのデータを組み合わせて可能な限り詳細な分析を要望いたします。
 また、22ページ以降の医療法人の経営情報データベースについて、直ちに医療経済実態調査を代替できるものでないことは理解をしておりますが、少なくとも医療法人については、原則全ての医療機関が対象であり、補完的に活用する可能性は十分にあると考えております。
 24ページに示されております、対象数を単純に比較いたしますと、MCDBのほうが実態調査の標本数を既に上回っております。そういうことからも、試行的に医療法人のデータを医療経済実態調査と比較する等、将来的な活用の可能性について、事務局においては、具体的な検討を、ぜひ進めていただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 事務局の提案については異論がないことを述べた上で、8ページの賃上げに係る項目についてですが、まず、賃上げ促進税制の項目を追加していただき、ありがとうございます。
 ただ、40歳未満の勤務医師や事務職員などの方や、非常勤や派遣で働く方については、この調査で把握することは難しいとのことで、今後の議論に向けては、他の調査とも組み合わせながら、想定どおりベースアップできているのかどうか、ベースアップ評価料も含めて、しっかり分析し、お示しいただきたいと考えます。
 私からは以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 池端委員から、お手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。池端です。
 私もこの概要案については、特に異論はありません。
 その上で、ベースアップ評価料の評価に対してどうかという御意見がありましたけれども、これは、既に診療報酬を算定する段階で、年度末にきちんと、医療従事者に行き渡っているかどうかを報告する実績報告書が求められますので、そこで十分担保できるのではないかということで、この実調からは外していただいても問題ないかと思っています。
 一方、病院団体としても回答率を上げるためにしっかり努力することを、ここでお約束していただきたいと思います。
 以上です。よろしくお願いします。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 次に、奥田委員、お手が挙がっております。お願いいたします。
○奥田委員
 ありがとうございます。
 常々申し上げておりますけれども、診療報酬改定を議論していく上では、エビデンスに基づく議論が重要であります。
 その意味では、この医療経済実態調査は、非常に重要なツールであり、皆さんから意見が出ておりますけれども、ぜひ有効回答の向上に努めていただきたいと思います。
 もう一つ、先ほど松本委員からもありましたけれども、今回22、23ページに参考として上がっております。MCDBは、全ての医療法人を対象としているなど、非常に有益なデータだと考えております。
 せっかくこうしたデータがあるのであれば、医療経済実態調査だけでなく、こうしたMCDBなどの活用をより一層積極的に進めていくべきと考えております。
 私からは以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 資料の21ページに、今後、MCDBを活用していくことを検討するという記述がございまして、こちらは全数のデータですので、ぜひそのように進めていただくようにお願いしたいと思います。
 それから、23ページには、MCDBにおいては、職種別の給与、人数は任意であるという記述がありまして、昨今、人手の不足が深刻化しているという状況がありますので、こういった情報は非常に働き改革等も含めまして不可欠の情報だと思いますので、ぜひ、必須項目として把握するように、省内での調整をお願いしたいと思います。
 以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 あと、永瀬委員、お手が挙がっております。お願いいたします。
○永瀬委員
 私も全数調査のMCDBの活用を考えるべきだと思います。
 また、その中で任意項目であるところを、私もなるべくデータが得られるようにしていただきたいと思います。それを申し上げた上で、まずは、今年得られたデータの中で、任意項目でも回答があると思いますので、ベースアップの状況ですとか、それから職種別の給料の状況などについての分析を中医協に対して併せてお示しいただきたいと思っております。
 以上でございます。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 今、委員の方々から、コメント、御意見をいただきましたけれども、事務局のほうから何かございますか。
○米田保険医療企画調査室長
 いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 まず、賃上げの状況について御意見いただきまして、我々としても、今後ベースアップ評価料の実績報告書などを踏まえまして、今後、その状況の把握というものに努めていきたいと思っております。
 また、MCDBの活用についてですけれども、先ほど私からも申し上げたとおり、今後初めて詳細な集計・分析が行われるととなっております。
 その際には、様々なデータが出てくると思いますので、私どものほうでも確認した上で、今後の取扱いについて検討を進めていきたいと考えております。
 また、調査票そのものにつきましては、今日いただいた御意見を踏まえて、また、次回に具体的な調査票案として、お出しできるように作業を進めたいと思っております。
 以上です。
○本田小委員長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見などがないようでしたら、本日の審議は、このあたりで終了したいと思います。
 次回の小委員会は、本日の委員の皆様の御意見などを踏まえ、調査票、記入要領の案などについて事務局に作成いただき、審議を進めてまいりたいと思います。
 本日の議論は以上です。次回の日程については、追って事務局から連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。
 「調査実施小委員会」は、これにて閉会といたします。
 どうもありがとうございました。