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- 第171回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
第171回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
労働基準局安全衛生部計画課
日時
令和6年11月22日(金)14:00~16:00
場所
対面及びオンラインにより開催
会場:AP虎ノ門(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)
出席者
会場
- 公益代表委員
-
- 髙田礼子(分科会長)
- 宮内博幸
- 労働者代表委員
-
- 袈裟丸暢子
- 佐々木弘臣
- 中村恭士
- 松尾慎一郎
- 門﨑正樹
- 山脇義光
- 使用者代表委員
-
- 及川勝
- 小澤達也
- 鈴木重也
- 七浦広志
(五十音順、敬称略)
- 事務局
-
- 井内努(安全衛生部長)
- 佐藤俊(計画課長)
- 安井省侍郎(安全課長)
- 佐々木孝治(労働衛生課長)
- 土井智史(化学物質対策課長)
- 船井雄一郎(主任中央労働衛生専門官)
オンライン
- 公益代表委員
-
- 砂金伸治
- 新屋敷恵美子
- 中嶋義文
- 原俊之
- 労働者代表委員
-
- 山口裕之
- 使用者代表委員
-
- 出口和則
- 矢内美雪
(五十音順、敬称略)
議題
(1)今後の労働安全衛生対策について
(2)その他
(2)その他
議事
- 議事内容
○髙田分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第171回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。本日の出欠状況は、大下委員、熊﨑委員が御欠席しております。また、中村委員が遅れて出席される旨を承っております。本日は、対面及びオンラインの併用により開催することとしておりますので、お含みおきください。
カメラ撮影等については、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。それでは、事務局からオンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いいたします。
○計画課長 計画課長の佐藤です。Zoomの操作方法の御説明をさせていただきます。本日は、ハウリング防止のため、御発言されないときには、マイクをオフに設定をお願いいたします。また、オンライン参加の委員の皆様につきましては、御発言される場合には、御発言がある旨をチャットに書き込んでいただき、髙田分科会長から指名されましたら、マイクをオンに設定の上、氏名をおっしゃっていただいて御発言をお願いできればと思います。このほか、進行中、通信トラブル等の不具合がありましたら、チャットへの書き込み又は事務局へのメールにて御連絡をお願いします。以上です。
○髙田分科会長 それでは、議事に入ります。議題(1)今後の労働安全衛生対策についてです。本議題は、前回の分科会までの議論を踏まえ、事務局から報告書(案)を示していただき、委員の皆様に更に議論を深めていただきたいというものです。事務局からは、まず資料1-1として、これまでの議論に補足が必要な事項について御説明いただいた後、資料1-2として、報告書(案)について御説明いただき、その上で皆様からの御意見等を頂ければと思います。それでは、事務局から資料について御説明をお願いいたします。
○計画課長 それでは、引き続き計画課長の佐藤から御説明をさせていただきたいと思います。まず、資料1-1ですけれども、これまでの議論の補足についてということで作成させていただきました。
1ページです。これまでの議論の補足についてですけれども、大きく2点御説明をさせていただきます。1点目は、個人事業者の関係で特別教育について、それから、治療と仕事の両立についてが2点目ということになります。
まず、1点目の個人事業者の安全衛生教育の取扱いについてですけれども、1ページを御覧ください。これまでの分科会での議論の箱に書いておりますけれども、9月まで御議論いただいていた個人事業者のところでは、個人事業者の安全衛生対策に関して、各論①として、「個人事業者等自身でコントロール可能な災害リスクへの対策」という部分で、安全衛生教育の受講に関しては、1つ目のポツ、現行、事業者に対して、労働者が危険有害作業に就く場合に特別教育の実施が義務付けられていますが、今、ここは労働者だけになっていますので、個人事業者等に対しても特別教育の受講を義務付けることを御議論いただきました。それ以外の作業主任者の技能講習、特別教育や作業主任者以外の教育については、法律上の義務ということではなく、望ましい旨をガイドラインで示すということで御議論を頂いていたところです。
今回、新たな補足といたしましては、対策の方向性の所に書いてありますけれども、現在、安全衛生法の第60条の2で、危険又は有害な業務に現に就いている方については、安全衛生教育の実施が事業者の努力義務とされています。ここは現在も労働者だけが対象になっているということで、ここについても、個人事業者等が危険又は有害な業務に現に就いている場合は、同様の教育を受けることを個人事業者等の努力義務とすることとしてはどうかと御提案させていただきたいと思います。それ以外のものについては、これまで議論をさせていただいたとおり、望ましい旨をガイドラインで示すことでいかがでしょうかということを書かせていただいております。
2ページは、今申し上げたものをなるべく分かりやすくなるように図示したものです。安全衛生関係の教育にはいろいろなものがあるのですけれども、大きく分けて2種類あると思っております。上の段が作業者の「業務内容」に着目した教育で、その作業をする人は基本的に受けていただくというものです。下の段は管理者等の「役割」に着目した教育で、こちらは、業務を行う場合ではなくて、管理者等の役割に誰かを選任する場合には、そのような教育を受けた人を選任してくださいというものでして、場面が違うというものです。下の「役割」に着目した教育については、基本的に今でも、労働者だけではなくて個人事業者等が選任される場合も、既に教育を受ける義務というのが掛かっておりまして、さらに、右側の上乗せの所の能力向上教育というものも、対象が労働者だけではなくて、個人事業者等も既に対象になっているというものです。一方で、上の段の作業者の「業務内容」に着目した教育については、赤で囲っている所、左側の危険又は有害業務に就くときに受けなければいけない特別教育は義務として掛かっています。また、真ん中の辺りにある、今回、御説明させていただきました、第60条の2に係っている現に就いている人を更にアップデートするための教育に、努力義務が掛かっている。
今、この2点が正に労働者だけが対象になっておりますので、個人事業者についても義務や努力義務を並びで掛けていくことが必要ではないかということです。なお、最後の所でも御説明させていただいたとおり、それ以外については望ましい旨をガイドラインでということを、右側の黄色の所で書かせていただいております。
3ページです。第60条の2の安全衛生教育とは具体的にどのようなものかというのが、こちらの資料です。趣旨・目的の所にありますが、危険な業務については、正に就くときに特別教育を受けることが義務になっておりますけれども、最初に受けただけでは、やはり作業の変化や新しい機械の導入などに対応がなかなか難しいということがありますので、新たな知識や技能を取得することができるようにするために、正に就いている人に対して、更に上乗せのアップデートするような教育をしていただくということが努力義務としてあります。具体的には、この下に青字に囲っておりますけれども、1~16のような作業、業務について、具体的にカリキュラムが定められています。ここについて、今、労働者だけが対象になっていますので、個人事業者等についても努力義務を掛けていくことでいかがでしょうかということです。
4ページは9月に議論していただいたときの資料ですので、説明は割愛させていただきたいと思います。以上が1点目です。
5ページが、もう一点目の治療と仕事の両立の関係の補足の説明です。こちらは、前回まで皆様に御議論を頂いてきた項目です。これまでの分科会の議論として、主に労側から、現行の制度に基づく周知啓発ということだけではなく、やはり法的な位置付けの在り方を含めて検討が必要ではないかという御意見を頂いていた一方で、使側からは、法令上の位置付けの検討について反対はしないけれども、安衛法に位置付けて検討することについては強く反対という御意見を頂いていたところです。
今回、対応の方向性として、次の所に書いていますけれども、現在、労働施策総合推進法において、こちらに書いてありますとおり、様々な治療と仕事の両立のための必要な施策を充実させることが国の施策とされていることを踏まえて、治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講じることを、事業者の努力義務として、労働施策総合推進法で新たに規定することでどうかということが1つ目です。2つ目として、厚生労働大臣が、これらの実施を図るために必要な指針を公表できるようにすることとしてはどうかということです。こちらは、前回の御議論を踏まえて、事務局から新たにこういう形でいかがでしょうかということです。以上2点が、これまでの議論の補足です。
これを踏まえて、資料1-2の今後の労働安全衛生対策についてです。4月からここまで御議論を頂いてきたものを踏まえて、事務局として報告書の案を作成させていただきました。ただいま補足説明させていただいたことも含めて、記載をさせていただいております。
中身の御説明をさせていただく前に、大体どのような方針でこれを作ったかを御説明させていただきます。基本的に、これまで非常に多くの項目を御議論してきていただきまして、それを詳細に網羅的に全部書くことは分量的に難しいというところがありますので、重要な部分、それから、今後、法改正等があることを踏まえると法律で規定することが必要な部分を中心に、いろいろとまとめさせていただきました。ここに記載がないものであっても、これまで議論したことをなくすようなことではありませんので、その辺りを踏まえて御議論を頂ければと思っております。
それでは、中身の御説明をさせていただきます。今後の労働安全衛生対策について(報告)(案)ということで作成させていただいています。
まず、冒頭の所のパラグラフは労働災害の発生状況です。死亡につきましては、昨年、過去最少でしたけれども、今年の速報値では昨年と比べて増加している状況で、いまだ多くの人命が失われています。また、休業4日以上の死傷につきましては、平成20年度以降、増加傾向に転じていまして、令和5年には3年連続の増加となっています。こうした全体の状況です。
加えて、近年の労働安全衛生をめぐる動きとして4点挙げています。1点目が、建設アスベスト訴訟の最高裁判決で、労働者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨であるとの判断がなされたことを契機に、労働者のみならず、労働者と同じ場所で就業する個人事業者等による災害の防止を図るため、個人事業者等の安全衛生対策について、対応が必要となっている。
2点目が、 精神障害の労災支給決定件数が過去最多となっているとか、メンタルヘルス不調で連続1か月以上休業又は退職した労働者がいる事業場の割合が上昇傾向にあるなど、メンタルヘルス対策への対応が必要となっている。
3点目は、化学物質管理について、自律的管理制度に順次移行していますけれども、対象物質が拡大していく中で、円滑な施行に向けた対応が必要となっている。
4点目は、高齢化の進展に伴い、高年齢労働者に対する労働災害防止対策について、対応が必要となっている。
このような課題が生じているということで、これまで議論してきていただいた課題を挙げています。
こうした課題を踏まえて議論していただきましたけれども、さらに、「また」という所ですが、第14次労働災害防止計画も策定いただき、昨年4月からスタートしています。こういった計画を踏まえて、今、様々な施策に取り組んでいるということです。
こうした経緯、労働災害の発生状況を踏まえて、本分科会におきましては、既に公表されている様々な検討会報告書から、この分科会でもそれぞれ御報告いただきましたけれども、各検討会の報告書や中間とりまとめの内容も踏まえつつ、4月以降、今後の労働安全衛生対策について審議を行っていただきました。その検討結果は下記のとおりであり、今後の労働安全衛生対策として、下記の事項を踏まえて、法的整備を含めた所要の措置を講じることが適当であるとして、「記」以下が具体的な中身となっています。
記の次の所から各項目ごとに書いています。1が、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進です。先ほども申し上げた建設アスベスト訴訟の最高裁判決を踏まえ、労働者だけでなく、労働者と同じ場所で就業する個人事業者の災害防止を図るため、既に省令改正や健康管理ガイドライン等々を行ってきています。今回、更に安全衛生法において、労働者のみならず個人事業者等による災害の防止を図るため、個人事業者等が労働者と同じ場所で就業する場合に個人事業者等自身が講じるべき措置や、注文者等が講じるべき措置等について、以下の対応を行うことが適当であるとして(1)~(5)まで書いています。
(1)が個人事業者等の定義です。これもこの場で御議論いただきましたけれども、個人事業者を「事業を行う者で、労働者を使用しないもの」と定義し、安全衛生法に位置付けることが適当である。また、中小事業の事業主や役員については、個人事業者や労働者と類似の作業を行う実態にあることを踏まえ、個人事業者と同様に、安衛法における保護対象や義務の主体として位置付けることが適当である。「なお」書きの所では、混在作業のような場面においては、正に作業者の属性にかかわらず、個人事業者や中小事業の事業主、役員に限らず、作業に従事する全ての作業者を保護対象や義務の主体として位置付けることが適当である。ここが正に定義として、これまで御議論いただいてきたことだと思っています。
(2)から具体的な措置の内容となりますが、(2)が個人事業者等自身による措置です。アですが、安衛法第4条には、労働者の責務として「労働災害を防止するため必要な事項を守ること」等が規定されています。これを参考に、個人事業者等についても自身の災害や労働災害を防止するために必要な責務を規定することが適当である。また、安衛法第22条等に基づき、事業者には「危険箇所等への作業者の立入を禁止すること」等が義務付けられていますが、省令改正により、この対象に既に個人事業者等も含まれることとなっています。こうした事業者の措置義務に対応し、個人事業者等には、事業者が講じる措置に応じて必要な事項を遵守することを罰則付きで義務付けるとともに、事業者は必要な措置が確実に伝わるように分かりやすく周知することが適当である。このように記載しています。
イですが、機械等の安全確保について、今でも事業者には、構造規格又は安全装置を具備しない機械等の使用禁止、定期自主検査の実施といった規制が課されていますけれども、個人事業者等にも同様に、使用を禁止するとともに、定期自主検査の実施を義務付けることが適当である。
ウは、先ほどちょっと御説明させていただいた安全衛生教育について、事業者が労働者を危険又は有害な業務に就かせる際には、特別教育を実施することが義務付けられていますが、個人事業者等にも同様に、特別教育の修了を義務付けることが適当である。また、法令により修了が義務付けられているものの他にも、危険又は有害な業務に現に就いている者に対しては、その従事する業務に関する安全衛生教育を行うことが事業者の努力義務となっていますので、個人事業者等にも同様の教育を受ける努力義務を課すことが適当である。
(3)が注文者等による措置です。アですが、安衛法第3条第3項には、仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならないとの責務が定められています。この規定は、建設工事以外の注文者にも広く適用される規定ですけれども、なかなか分かりにくいということで、これを明確にすることが適当である。
「また」の所は、法律に書く部分ではありませんけれども、プラットフォーマーのところを御議論いただきましたので、そこを書いています。プラットフォーマーが注文者に該当するのは、プラットフォーマー自身が直接的に仕事を他人に請け負わせる場合とするとともに、プラットフォーマーが注文者に該当しない場合であっても、安全で衛生的な作業が行われるよう必要な配慮を行うことが望ましいことをガイドライン等で示すことが適当である。加えて、今後ともプラットフォーマーを含めた新たな働き方に対する規制を、諸外国の例も参考にしつつ検討することが適当である。
イが混在作業です。現在、建設業、造船業及び製造業の元方事業者について、元方の労働者と請負人の労働者が同一の場所で作業する場合には、連絡調整を行うことになっていますけれども、この対象に個人事業者等を加えることが適当である。
併せて、現在は3業種に限られていますけれども、これ以外にも何らかの作業が混在して行われる一の場所においても混在作業による労働災害が発生し得ることから、その場所を管理する事業者に対し、業種を限定することなく、作業間の連絡調整等の必要な措置を義務付けることが適当である。
ウですが、建設物等や化学物質の製造設備等に由来する労働災害防止について、それらの物を請負人の労働者に使用させる注文者は、労働災害を防止するため必要な措置を講じることになっていますが、ここも労働者だけでなく個人事業者等に使用させる場合にも同様の措置を講じることが適当である。
エですが、建設機械等を用いる仕事における労働災害防止について、当該仕事の注文者は、作業場所で当該仕事に従事する全ての労働者の労働災害を防止するために必要な措置を講じることになっていますが、ここも労働者だけでなく個人事業者等も対象にする。
オですが、違法な指示の禁止について、注文者は、請負人に対し、その指示に従って当該請負人の労働者を労働させたならば、安衛法違反になるような指示をしてはならないとされていますが、ここも対象に労働者だけでなく個人事業者等も含めることが適当である。
カですが、機械等のリースに伴う労働災害防止について、機械等を貸与する人は、労働災害防止のために必要な措置を講じることになっていますけれども、個人事業者が貸与を受ける場合にも同様の措置を講じることが適当である。なお、災害実態を踏まえ、「フォークリフト」等の危険性が高い機械等を規制対象に追加することが適当である。
キは、建築物(事務所や工場)の貸与です。こちらも、貸与を受けた事業者に対して、労働災害防止のために必要な措置を講じることになっていますけれども、個人事業者が貸与を受ける場合にも対象にする。この対象の建築物は、今、「事務所」及び「工場」に限定されているところですけれども、それ以外の「店舗のバックヤード」、「物流センター」、「倉庫」等々も規制対象に追加することが適当である。こういったことも併せて書いています。ここまでが(3)になります。
(4)が個人事業者等による労働基準監督署等への申告です。アは、個人事業者等が請け負った作業等に関し、安衛法違反の事実がある場合には、労働基準監督署等に対して申告し、是正を求めることができるようにする。イは、そうしたことを理由に不利益な取扱いを行ってはならない。これを今回、改めて規定するということです。
(5)が個人事業者等の業務上災害の報告制度です。アは、報告制度を創設することを書いています。イが具体的な中身ですが、休業4日以上の災害に被災した場合には、個人事業者等から見て直近上位の注文者等、当該者が存在しない場合には、災害発生場所(事業場等)を管理する事業者が報告主体となって、労働基準監督署に報告することを義務付ける。これが1点目です。2点目は、その場合において、個人事業者が災害発生の事実を伝達・報告することが可能な場合には、報告主体に対して個人事業者が報告することを義務付ける。
「ただし」ということで、個人事業者等が中小事業の事業主や役員である場合には、所属企業が報告する。併せて、休業4日未満の災害など、これらの義務の対象とならない業務上災害についても、労働基準監督署に対して情報提供することができるような仕組みとすることが適当である。このように書いています。
ウは、報告事項は現行の労働者死傷病報告の報告対象を参考とする。エは、不利益取扱いの禁止です。オが、脳・心臓疾患及び精神障害事案については、上記とは区別して報告することができる仕組みを整備する。カは、過度な負担とならないよう、電子申請システムを活用した報告を可能とするなどの環境整備に国が取り組む。こういったことを書いています。以上、長くなりましたが、ここまでが1の個人事業者の関係です。
次、2が職場のメンタルヘルス対策の推進です。先ほど冒頭で申し上げた精神障害の認定件数とか、メンタルヘルス不調の人がいる職場の割合が増えている状況の中で、事業場のメンタルヘルス対策ですが、未然防止という一次予防の観点から、平成27年12月にストレスチェック制度が導入されています。一方で、メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合ですが、労働者数50人以上は義務が掛かっているということもあり、91.3%となっていますが、義務の掛かっていない、努力義務になっている50人未満の事業場においては、30~49人の事業場で 71.8%、10~29人の事業場で56.6%と、いまだ取組が低調となっています。
ストレスチェック制度ですが、医師の面接指導の実施と相まって労働者からもその効果を高く評価されていますし、職場環境改善につながった場合には労働者の心理的ストレス反応の改善等が見られるなど、一定の成果、効果を挙げていると考えています。ストレスチェック及び医師の面接指導の実施により、自身のストレスの状況への気付きを得る機会は、50人未満の事業場だけでなく全ての労働者に与えられることが望ましく、個々の労働者のストレスを低減させること、職場におけるストレスの要因そのものを低減させることなど、メンタルヘルス対策の重要性は事業場規模にかかわらないということです。ストレスチェックの実施については、制度創設当時、平成27年に導入した際、ここにも書いていますとおり、労働者のプライバシー保護等の懸念により、50人未満の事業場においては当分の間努力義務とされたところですが、現時点においては、労働者のプライバシー保護について、外部機関の活用等により対応可能な環境は一定程度整備されてきたこともありますので、こうした状況を踏まえ、小規模事業場のメンタルヘルス対策を推進するため、以下の対応を行うことが適当であるとして、ここからが具体的な中身になっています。
(1)がストレスチェックの実施及び高ストレス者に対する面接指導の実施です。アは、現在、労働者数50人未満の事業場においては努力義務となっていますけれども、事業場規模にかかわらずストレスチェックの実施を義務とすることが適当である。その際、労働者のプライバシー保護の観点から、原則として、外部委託を推奨することが適当である。また、労働基準監督署へのストレスチェック実施結果の報告については、健康診断と同様、50人未満の事業場には負担軽減の観点から課さないとすることが適当である。これらの見直しに当たっては、施行まで十分な準備期間を確保することが適当である。このように書いています。
イですが、50人未満の事業場でストレスチェックを実施するに当たっては、その円滑な施行に資するよう、国において取り組むことが2点あります。1点目は、50人未満の事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてのマニュアルの整備を行う。特に10人未満等の小規模な事業場については、その実情を考慮した取組可能な実施内容を示す。2点目ですが、今度は面接指導のほうで、無料で受けられる地域産業保健センターの体制を整備する。この2点に取り組むことで、50人未満の事業場に対する十分な支援策を講じるべきであるとしています。
(2)が集団分析の実施及び職場環境の改善です。アですが、ストレスチェック実施後の集団分析・職場環境改善については、現在、事業者の努力義務とされているところです。現在、大企業であっても試行錯誤しながら取り組んでいるところで、取組内容も極めて多様であり、現時点では、何を、どの水準まで実施したことをもって、努力義務が履行されたと判断することは難しく、それを踏まえると、事業場規模にかかわらずこれを義務とすることは時期尚早であり、義務化については引き続きの検討課題とすることが適当である。
そういった意味で、3点ありますけれども、まずは、ストレスチェック制度は集団分析及び職場環境改善まで含めた一体的な制度であることの周知、具体的な取組事例の収集・とりまとめ、取組事例を含めた研修の実施などの対策を通じて、適切な取組の普及を、国、事業者、労働者、医療関係者において計画的かつ確実に進めていくことが適当である。
イですが、集団分析を行うに当たっては、現在は努力義務になっていますけれども、労働者のプライバシー保護等の観点から、個人を特定できない方法で実施する努力義務規定とすることが適当である。以上がメンタルヘルス対策、ストレスチェックの所です。
7ページの一番下の所から化学物質の関係です。化学物質管理については、国際的な潮流などを踏まえ、基本的に個別具体的な規制から自律的管理に移行しています。こうした自律的管理制度の対象物質が順次拡大される中で、令和8年4月には約2,900物質にまで増えることが予定されています。こうした中で、化学物質を使用する事業者がリスクアセスメントを的確に実施するためには、SDSの交付が適切に行われることが前提になりますけれども、この通知義務に対応していない事業者がいまだに残っているなど、その履行確保に課題がある状況です。
また、現行の通知制度、SDSにおいては、化学物質の成分名の通知を義務付けていますけれども、自律的管理の対象物質の拡大に伴い、今後、有害性が相対的に低い化学物質であっても通知制度の対象となることから、成分名が企業の営業秘密に該当するケースが生じてきます。EU等においては既にここら辺の対応をとっていますが、そういうEUの対応等を踏まえた上で、リスクアセスメントの実施に支障がないことを前提に、営業秘密を保持できるようにする必要があります。さらに、労働者の化学物質のばく露の程度を最小限度とするためには、「個人ばく露測定」が必要になってきていますが、現行法令では、測定の精度が制度上担保されていない課題があります。こうした状況を踏まえ、SDSの交付を適切に行い、リスクアセスメントを的確に実施していただき、化学物質のばく露からの労働者保護をより十分なものとするため、以下の対応を行うことが適当であるとして、ここから具体的な中身を書いています。
(1)が、化学物質の譲渡・提供時における危険性及び有害性情報の通知制度の改善等です。いわゆるSDSの改善ということで、ここは更にア、イの2つに分かれていて、アが化学物質の危険性及び有害性情報の通知制度の履行確保です。
(ア)は、現在、通知義務違反について罰則がないので、罰則を設けることが適当である。また、その通知した事項を変更した場合の再通知については、今はまだ努力義務になっていますが、これを義務とする。(イ)は、法令で定める必須通知事項について、より的確なリスクアセスメントの実施を確保する観点から、ここに書いているCAS番号等、使用すべき呼吸用保護具の種類、含有される化学物質に応じ、保護手袋として不適当な材料・含有される成分ごとに適用される法令等を追加することが適当と書いています。(ウ)は、こうした見直しですけれども、事業者が対応するために一定の期間が必要となる、かつ、流通の各段階において化学物質を譲渡・提供する全ての事業者において対応が必要になることを踏まえ、施行までの十分な準備期間を確保するとともに、その間、通知の電子化・標準化に併せて取り組む必要があると書いています。以上がSDSの履行確保の観点です。
次、イが営業秘密との調整です。(ア)に書いていますが、先ほども申し上げたとおり、GHS改訂9版(2021年)では、企業の営業秘密情報の保持を保証するべきとされており、EU等においては既にこの通知内容の柔軟化を認める対応がとられています。こうしたGHSの考え方に基づき、EU等の仕組みを参考に、リスクアセスメントの実施に支障がない範囲で営業秘密の保持を図る必要があります。
具体的には、その下の2つのポツです。化学物質の成分名が営業秘密に該当する場合には、代替名その他の情報の通知を認めること。これが1点目です。2点目が、含有量については、代替名等の通知を認める物質についても、現行法令で認められている10%刻みでの通知を認めること。これらが適当であるというのが中身です。「その際」ということで、リスクアセスメントの実施に支障がないことを担保する観点から、1つ目のポツですが、代替名等による通知を認めるのは、ここから長くなっていますが、要は有害性が高くない物質に限定するということを書いています。2つ目のポツは、成分名以外の通知事項は非開示を認めないことが適当であるとしています。
(イ)ですが、代替名等による通知を行う場合には、1つ目のポツで、ちゃんとそれが営業秘密によるものであることを明示して通知すること。2つ目のポツが、代替名等を記録し、通知から5年保存することを義務付けることが適当である。(ウ)は、その代替名等の内容を決定するために必要な指針を大臣が公表することが適当であるとし、(エ)は、代替名等を通知した場合であっても、医師が必要があって求めたときには、直ちに開示することを書いています。ここまでが営業秘密の関係になります。
次は、(2)個人ばく露測定の精度の担保です。個人ばく露測定について、作業環境測定と同様に測定の精度を担保するため、法律上の位置付けを明確にし、有資格者でないと実施できない形にすることが適当である。この有資格者の要件については、個人ばく露測定に関する追加講習を修了した作業環境測定士等とすることが適当である。ここまでが化学物質になります。
次が、4の機械等による労働災害防止の促進等です。1つ目の段落の所ですが、危険な作業を必要とするボイラー、クレーンなどの特定機械等については、様々な検査等が義務付けられていますけれども、これらのうち、製造許可制度における技術的基準の審査に係る部分及び製造時の検査制度については、専門的で高度な知識、経験が求められるとともに、技術革新に伴う高度化・専門化に対応する必要が生じているところがあり、EU諸国をはじめとする諸外国に倣い、専門性を持つ民間機関の活用を促進して、安全を担保しながら制度の効率化を図る必要がある。また、この分科会でも御議論いただきましたが、特定自主検査や技能講習について不適切な事案が幾つかあったということで、こういう不正を防止するために、検査業者や登録教習機関に対する規制を強化する必要があること。こうした状況を踏まえて以下の対応を行うことが適当であるとして、ここから中身を書いています。
(1)が製造許可及び製造時等検査に係る民間活力の活用の促進です。アの製造許可の書面審査については、ここにありますとおり、技術的基準に適合するかどうかの審査と製造設備等が基準に適合するかどうかの審査から構成されていますが、このうち前者については、十分な専門性を有する民間の登録機関が行えるようにすることが適当である。その上で、これらの審査は、製造許可を受けた後に行われる製造時等検査と一連の流れで行われることから、同一の登録機関が行うものとすることが適当である。イの製造時等検査については、現在はボイラーと第一種圧力容器に限って民間の登録機関が行えるようになっていますけれども、これを全ての機械について行えるようにする。具体的には、移動式クレーンとゴンドラを対象に追加することが適当である。ウですが、設計に関する審査と製造時等検査を行う新たな登録機関については、基本的に現行の登録製造時等検査機関と同等の登録要件を設けるとしますが、地域区分については、複数の都道府県にまたがる地域ブロックごとに行うことにしたいと考えています。エですが、こうした登録機関による検査・検定の公正な実施を担保するため、その実施方法や合格基準を法令に規定することが適当である。ここまでが民間移管の所です。
(2)が不正防止の強化です。アですが、特定自主検査の検査内容については基準を設け、これに従って検査を行うことを検査業者に義務付けるとともに、基準に違反した場合には改善命令等を行えるようにすることが適当である。イは技能講習ですが、登録教習機関が不正に技能講習修了証を交付した場合には、当該修了証の回収を命じることができるようにする。回収命令に従わない場合には登録取消し等ができるようにする。さらに、回収命令に従わない者について登録取消しを行う場合には、欠格期間を延長することが適当である。
(3)の型式検定対象機械とか技能講習対象業務については、現在、法律で全て規定されているところですけれども、技術の進歩を踏まえて、より迅速かつ適切に追加等ができるようにすることが適当であると書いています。以上が機械の関係になります。
5が高年齢労働者の労働災害防止の推進です。これも冒頭で申し上げましたが、労働者全体に占める高齢者の割合が増えている中で、労働災害における高齢者の割合はそれ以上に上がってきている状況です。高年齢労働者は若い方と比べて労働災害の発生率がどうしても高い中で、休業期間も長い傾向がありますけれども、これは、作業による労働災害リスクに、加齢による身体機能の低下等の高年齢労働者の特性に起因するリスクが付加されることで、こういったことになっていると考えられます。こうした状況を踏まえ、高年齢労働者の労働災害防止対策を推進するため、以下の対応を行うことが適当であるとして、ア、イと2つ書いています。アとして、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善、適切な作業の管理、その他の必要な措置を講じることを事業者の努力義務とすることが適当である。イとして、厚生労働大臣が必要な指針を公表できるようにすることが適当である。また、大臣は指針に従って必要な指導、援助を行うことができるようにすることが適当である。
6が一般健康診断の検査項目等の検討で、ここは大きく2つに分かれています。(1)が女性特有の健康課題への対応です。女性特有の健康課題について、一般健康診断の機会を活用して気付きを促し、必要な場合には女性の診療を専門とする医師への早期受診につながるように、厚生労働省が示している標準的な問診票である一般健康診断問診票に、女性特有の健康課題に係る質問を追加することが適当である。また、女性特有の健康課題があると回答した労働者については、健診機関が必要に応じて、女性特有の健康課題に関する情報提供や専門医への早期受診を促すことが適当である。その際、質問に対する労働者の回答は、センシティブな問題でもありますので、健診機関から事業者に提供しないこととしますが、女性特有の健康課題を抱える個々の労働者と事業者をつなぐ観点から、労働者が女性特有の健康課題で職場において困っている場合、専門医の早期受診を勧奨すること、その上で、専門医の診断書を持って事業者に相談することは可能であることなど、望ましい対応を健診機関向けマニュアルに示すことが適当である。また、労働者自らが事業者に女性特有の健康課題に関する相談を行うことは、現時点であっても可能であるとともに、その場合には、専門医による診断書等を示すことが望ましいことなどを、事業者向けガイドラインにおいて示すことが適当である。さらに、男性の更年期障害については、更なる医学的知見の集積を踏まえ、必要に応じて検討していくことが適当であるとしています。以上が女性特有の健康課題です。
(2)が一般健診の法定健診項目の歯科に関する部分です。歯科に関する項目を法定健診項目に追加することに関しては、業務起因性又は業務増悪性、就業上の措置等のエビデンスが乏しいことを踏まえると、困難である。一方で、労働者の口腔の健康の保持・増進は重要でありますので、THP指針に今でも口腔の保健指導は盛り込まれていますけれども、現状では十分とは言えないことから、今後、好事例を展開する等、普及啓発を強化することにより、歯科受診につなげる方策を検討することが適当である。また、様々な機会を捉えて、周知を強化することが適当である。
7が治療と仕事の両立支援対策の推進です。高齢者の就労の増加や、医療技術の進歩等を背景に、何らかの疾患により通院しながら働く労働者の割合が増えている状況です。こうした状況を踏まえ、治療と仕事の両立支援対策を推進し、働きながら治療を続ける方の就業環境を整備するため、以下の対応を行うことが適当であるとして、先ほど資料1-1で御説明した内容について、ア、イという形で記載しています。ウについては、前回まで御議論いただきました「治療と仕事の両立支援カード」について支援策を講じ、関係者の連携した取組を積極的に推進する、ガイドラインの普及に当たり、両立支援の取組が経営課題として位置付けられるように理解を図るとともに、労使一体となった取組について具体的な事例を示す、体制が脆弱な中小企業に対しては、産保センターによる支援を充実するということを書いています。
8は、そのほか様々御議論いただきましたけれども、こうした事項のほか、これらに伴い必要な措置、その他所要の措置を講じることが適当であるとして、ここに記載しきれなかったことも含めて8で記載している状況です。
長くなりましたが、私からの説明は以上となります。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。資料1-1の補足につきまして2点、資料1-2の今後の労働安全衛生対策についてということで、1つ目が、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進、2つ目が、職場のメンタルヘルス対策の推進、3つ目が、化学物質による健康障害防止対策等の推進、4つ目が、機械等による労働災害防止の促進等、5つ目が、高年齢労働者の労働災害防止の推進、6つ目が、一般健康診断の検査項目等の検討、7つ目が、治療と仕事の両立支援対策の推進ということで、報告書(案)をおまとめいただいております。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては、御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御発言があります方、挙手をお願いいたします。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。資料1-2につきまして、3点質問をさせていただきたいと思います。
1点目です。化学物質による健康障害防止対策等の推進につきまして、9ページの上段の(ウ)では、施行までの十分な準備期間を確保するとの記載があります。分科会の議論の基になりました、令和6年度化学物質管理に係る専門家検討会の中間とりまとめにおいては、施行まで5年程度の周知期間を置くことが提言され、当分科会でもご紹介があったと記憶しております。報告(案)の十分な準備期間とは、5年程度という理解で合っているかどうかを確認させていただきたいと思います。
2点目です。女性特有の健康課題への対応につきまして、12ページの後ろから13ページにかけて、一般健康診断問診票に質問を追加する方針が書かれています。労働安全衛生規則第43条や第44条で規定する健診項目ではなく、労働基準局長と保健局長の連名による通知の中で示される標準的な問診票に位置付けた理由について、改めて確認させていただきたいと思います。
3点目です。治療と仕事の両立支援対策の推進について、14ページのイでは、厚生労働大臣による指針の公表に関する記載があります。一方で、12ページの高年齢労働者の労働災害防止の推進のイでは、指針の公表に続く記載として、当該指針に従い、厚生労働大臣が事業者やその団体に対して必要な指導、援助等を行えるとの記載があります。両立支援対策に同様の記載がない理由をお尋ねしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの御質問につきまして、事務局からお願いいたします。
○計画課長 まず、私のほうから、化学物質の十分な準備期間というところと、両立支援のところの2点についてお答えをさせていただきたいと思います。
まず、化学物質の十分な準備期間というのは、最終的には法律の段階での施行日をどう設定するかというところで、法案要綱の諮問答申の時点で、また皆様に御議論いただくとは思っておりますけれども、鈴木委員から御指摘がありましたとおり、検討会の報告書等で5年程度ということがあったことも踏まえ、基本的にはそういう方向で検討を進めたいと考えています。
それから、高齢者のところは、その必要な指導、援助というのがある中で、治療と仕事の両立については、それが書いていないということですけれども、高齢者のところは正に安衛法でこういったことを書いていまして、そういった例がほかにもあるという中で、労働施策総合推進法でそういったものがどこまで書けるのか、ちょっとここまでは難しいかと思っていまして、そこまでの記載はされていないというところです。法律の段階で、具体的にどこまでこういったものを書くのかということも含めて、また皆様とも御相談させていただければと考えています。
○労働衛生課長 続きまして、女性特有の健康課題に関しまして、法定項目にせず、一般健診の問診票に追加するとした理由について、労働衛生課より御回答申し上げます。こちらは、検討会のほうで中間とりまとめを行ったわけです。そちらをなぞる格好になりますが、このとりまとめの中で、月経随伴症状や更年期障害等の女性特有の健康課題と業務との関係について、論文検討では夜勤やセデンタリーワーク、このセデンタリーワークというのは継続的な座位による業務のことですけれども、これらとの関係性を示唆するとの研究報告が確認できた程度であり、業務起因性又は業務増悪性を示す明らかなエビデンスがあるとまでは言えないとされた一方で、月経困難症、更年期障害等により、仕事上の困難を感じている、あるいは会社からの支援の必要性を感じている女性労働者は少なくないという研究報告がありました。こういったことから、今般、法定項目とすることは困難だけれども、一般健康診断の機会を活用し、女性労働者本人への気付きを促し、必要な場合には専門医への早期受診を勧奨し、また、女性特有の健康課題に対する配慮について申出を行いやすい職場づくりにもつながるよう、一般健診問診票に女性特有の健康課題に係る質問を追加することは適当とされたところでして、こうしたことから、このように整理をしています。
○髙田分科会長 よろしいでしょうか。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御回答ありがとうございました。1点、両立支援の指導、援助に関してコメントいたします。前回までの資料でもお示し頂いておりますが、両立支援ガイドラインについて、内容等を含め「知っている」と回答した中小企業は極めて少なく、特に50人未満では僅か5%程度にとどまります。今後、事業者の任意あるいは自主的な取組を促していくに当たり、政府の支援、援助、サポートは重要です。法技術的に難しいかもしれないというお話ですが、法律の書き方とは別に、政府には必要十分な支援を改めてお願いできればと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場からお願いいたします。袈裟丸委員、お願いいたします。
○袈裟丸委員 御説明ありがとうございました。私からは、資料1-1の1ページ以降に記載されております、安全衛生法第60条の2に基づく安全衛生教育の扱いについて、2点、発言をさせていただきたいと思います。
まず1点目、対応の方向性の1つ目の●で示されております、危険又は有害な業務に現に就いている者に対しては、個人事業者等にも努力義務を課すことが適当とされている点については、法令上の整合を図るというだけではなく、こうした取組が労働災害防止に資すると受け止めておりますので、特段異論はないということを労働側から表明しておきたいと思います。
もう一点、同じ1ページで、これまでの分科会での議論の枠の2つ目の●です。こちらの記載で、労働者の場合に作業主任者の選任が必要な作業を個人事業者等が行う場合は、作業主任者技能講習の修了等が望ましい旨をガイドラインで示すとなっております。この取扱いを変えないと受け止めております、理解しておりますけれども、第163回の分科会で、労働側委員と重なる部分もありますが、個人事業者がリーダーとなって、作業主任者の選任が必要な作業を複数の個人事業者等とともに行う場合も現に存在しているということを踏まえて、個人事業者がほかの個人事業者を統率する場合の法令のあり方につきましては、法施行後の状況を把握しながら義務化も含めて検討していただくことを、改めて要望しておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場から御発言はありますか。門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 御指名ありがとうございます。労働側の門﨑です。私からは、報告(案)の7の治療と仕事の両立支援対策の推進に関して、御用意いただいた補足説明資料1-1の5ページにあります事業者の取組やガイドラインの法的な位置付けについて触れさせていただきます。御説明いただいたように、労働施策総合推進法上に努力義務規定を設けるとともに、現行ガイドラインを法令上の指針に格上げするという考え方は、おおむね労働側が求めていた内容に合致するとともに、労働者保護に資する内容であり、賛同いたします。まずは、示された内容に沿って取組を進めるとともに、施行状況を適宜、把握していただきたいと思います。その上で、労働施策総合推進法上の規定のみで十分なのかも含めて、検証、検討を行っていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員 2つあります。1つは、8ページの下から2行目のSDSによる通知事項についての変更ということです。含有される化学物質のうち、保護手袋として不適切な材料ということが書かれておりまして、これはエッセンスとして書かれていると理解しておりますけれども、私も検討会の委員だということも踏まえて、ちょっと発言させていただきたいと思います。この理由とすると、皮膚から入る化学物質によるがん等の遅発性の健康障害を防止するということは非常に重要なことだと思っています。そのために正しい情報を伝えていくということが重要で、これは保護具全体に言えるのですけれども、例えばどんな種類の保護具を使ったらいいのかということをきちんと正確に伝えていくというのは非常に重要だと思っております。そういう中で、ネガティブだから適切でないということを伝えていくことは、もちろん重要なのですけれども、あらかじめ成分が分かり、ある程度、適切であるというものが分かっていれば、間違った材料の手袋を選択させないために情報を伝えていくということも当然重要だと思うのです。
手袋の形状や材料などによって非常に種類があって、それぞれ、使えるもの、使えないものとありますけれども、厚さとか接触時間とか接触面積によっても、大分、変わってしまうことがあります。ですから、できれば保護具のメーカーとかが、一定の作業や工程についての使用状況を踏まえて試験をし、責任を持って、使用可能時間の確認をした上で具体的な製品名等を表示するということも、1つの選択肢の中ではあっていいと思います。そういう点も是非考慮していただき、示していただければと思います。また、厚生労働省のほうでマニュアルが公表されていますし、そういう中には化学物質に対する適切な選択ができる情報がもちろん入っておりますから、そういったことも踏まえて是非こういった追加の文面を考慮してもらえればと思いました。
もう一点は、治療と仕事の両立支援のところで、13ページです。日本の労働者の人口として、高齢者が増えていく、働く方々が60~65歳で74%、65~70歳で34%と非常に増えているということで、この率がますます増えていくこと、また、治療している人たちが確か労働者の3分の1ぐらいということを踏まえると、やはり、努力義務として事業主がきちっと支援をしていかないと仕事の安定や職業の安定につながらないと思います。特にプレゼンティーズム、仕事のパフォーマンス等をどう上げていくかを踏まえると、今、このタイミングでしっかりと努力義務ということを明記していただくことは重要だと思います。「がん」ももちろんですけれども、メンタルヘルスや循環器系疾患のこともありますので、そういったことも踏まえて、労働者と経営者と行政が、是非、協力をして推進していただくことは非常に重要と思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ここで一旦切らせていただいて、袈裟丸委員、門﨑委員、宮内委員の御発言について事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。袈裟丸委員からの御指摘で、第60条の2の関係が2点ございました。それについて船井から回答させていただきます。まず1点目、現に危険又は有害業務に就いている者の教育の努力義務化ですが、これは、御指摘のとおり、単に法令上の整合性だけではなく、災害防止上も重要だということで、このような形にしております。御指摘ありがとうございます。
2点目ですが、作業主任者の技能講習等についてガイドラインで望ましい旨を示すという部分について、作業主任者が複数で働く場合で、そのうちの1人がリーダーとなり、作業主任者のごとく作業を行う場合については、今後の法制化も含めてということで御指摘を頂きました。今回、分科会の総論②で議論させていただきましたように、安衛法で個人事業者等を保護又は規制の対象にするのは、労働者と同じ場所で就業する場面とすることが適当だという御議論がありました。そういった点も踏まえて、安衛法でできるのか、やるべきなのかというところもトータルで考えた上でのことになろうとは思いますが、御指摘いただいた状況というのは、技能作業主任者の技能講習等を受講することが望ましいというものの中でも、特に望ましい状況であることは間違いないと思いますので、ガイドラインの中で、そういった趣旨が伝わるように示していきたいと。まずは、そういったところからしっかりやりたいと思います。以上です。
○計画課長 門﨑委員から、治療と仕事の両立について労推法だけでいいのかというのを、引き続き状況を見ながら検討をという御意見を頂きました。今回、労使に御議論を頂き、こういった形と考えておりますが、その後、更に何か必要かというのは、施行の状況を見ながら、また皆様と御議論させていただければと考えております。
○労働衛生課長 加えて、両立支援の関係ですが、門﨑委員からは、取組、施行状況についての把握を御指摘いただきました。今回、報告書案にもございますように、両立支援カード、これを含めたガイドラインの普及啓発の取組を含め、関係者と連携しながら取り組んでいきたい。これは、先ほどの鈴木委員からの御要請にも応えるものと思っております。また、宮内委員からも、サポーティブな御意見を頂きました。しっかり関係者間で連携して取り組んでいきたいと思っております。
○化学物質対策課長 続いて、化学物質関係です。宮内委員から、化学物質に関して正しい情報を伝えることが重要であるという観点で、保護手袋について化学物質の成分が分かっていれば製品名等を通知してもいいのではないかという御指摘を頂いたところです。これについては、化学物質に関してご審議いただいた分科会でも御説明したとおり、成分名が分かっている場合には推奨する保護手袋の材料を記載することが望ましいということで御議論いただいたところですので、そうした方向で対応していきたいと考えております。
○計画課長 そういった意味で、先ほど私からも御説明したとおり、今回、必須のところを中心に書いたということで、このような書きぶりになっておりますが、そのようなところも含めて、実際はしっかりとやっていきたいと考えております。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございます。袈裟丸委員、門﨑委員、宮内委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか、会場からお願いいたします。そうしましたら、松尾委員、山脇委員、七浦委員の順でお願いいたします。
○松尾委員 報告書の1の項の建設アスベスト訴訟の関係も含めて事業者等の関係でも、この間、粉じんばく露によって職業病の認定を受ける方々が、2000年以降、急速に増えた中で表記の判決となりました。多くの仲間が亡くなっております。混在する現場の中に入るのは労働者だけでなく、建設関係の場合、個人事業者等が非常に多い現場でもありますし、全体の予防のための確認、資格の関係も含めて、労働安全衛生対策の強化・確立は重要だと思います。この部分については、賛成の立場から、引き続き全体の取組が強化できるような体制をとっていただきたいと、併せて申し上げたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続いて、山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 本報告書(案)に対する労働側の受止めを改めて申し述べておきたいと思います。まずもって、この間、様々な意見がある中、建議案の取りまとめに向けて御尽力いただいた事務局の皆様に、御礼申し上げたいと思います。今日、示されております報告書(案)は、本分科会での議論も踏まえて、適切に取りまとめられたものと認識をしておりますので、本日、追加的にお示しを頂いた内容も含めて、労働側としては、特段、大きな異論はないことは申し述べておきたいと思います。
今後に向けて、事務局の皆様においては、内包の目的であります労災の未然防止、職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場形成という観点から、本報告書で示されている内容はもとより、先ほど計画課長からも口頭で補足を頂きましたが、報告書には記載されていませんが既に本分科会の中で合意をみている内容も含めて適切に反映していただけるように、詳細の検討を進めていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続いて、七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 御指名ありがとうございます。取りまとめ、本当にありがとうございます。
基本的には、今までの議論の中身ですので、特に異論のある状況ではないのですが、2の職場のメンタルヘルス対策の推進についてです。十分、難しいという記載をしていただいてはいるのですが、実際の地産保の御意見等も踏まえると、かなり工数が取れないという現実的なところがありますので、ここはかなり手を入れていただいて、十分な支援策を講じていかないといけないだろうと感じております。ここは是非お願いしたいと思います。
続いて、(2)の集団分析、職場環境改善のところです。我々も実際にいろいろな組織の中で職場改善をしているのですが、やはり、人数が50人以下の所は、ここにもお書きいただいているかと思いますが、本当に犯人探しというか、個人特定につながり、その職場全体の正しい方向性を見失う可能性は十分あるだろうと思いますので、この辺りの、特に専門家が不足している職場、事業場の中での対応というのは、かなり手を入れていかないと、現実問題としては非常に難しいだろうということは実感しております。
もう一点、化学物質のところです。我々もいろいろな企画をさせていただきながら、まずは行政の方、メーカー、ユーザー、保護具メーカー、業界団体の皆さんと法的な理解を深めて、実社会に適切に運用できるような勉強会をして、それこそ業界の垣根を越えて産業界全体で前向きに行くしかないだろうなと思いますので、是非とも厚生労働省にも今後ともいろいろな御指導を頂きながら、正しい方向というか、皆さんが健康でいられるような体制ができるといいなと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ここで一旦切らせていただき、松尾委員、山脇委員、七浦委員の御発言について事務局からお願いいたします。
○計画課長 それでは私から。松尾委員より、個人事業者を含めて建設関係はしっかり取組の強化をということでお話を頂いたかと思います。我々としても、今回のことも含めて、しっかりやっていきたいと思っております。それから、山脇委員からは、今回の報告書に書いてあるところだけではなく、これまで分科会で議論したところを含めて、しっかり実現をということでお話を頂いたかと思います。こちらについても、ここに書いてあること以外でも、これまできちんと分科会で御議論いただいたものについては、実現するために、これからしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○労働衛生課長 七浦委員からメンタルヘルス対策について2点御指摘がございました。まず1点目は、地産保の体制です。御指摘のとおり、今後、50人未満の事業場にも拡大した場合には、高ストレス者の方が増える、そのための面接指導の対応が必要になってきますので、我々も課題感を持っております。この地産保センターの体制整備の充実というのはしっかり考えてまいりたい、そのための支援策を考えてまいりたいと思っております。
2点目は、集団分析、職場環境改善、特に集団分析の過程での小規模事業場におけるプライバシーの保護について御懸念を頂きました。この点についても、50人未満、特に10人未満等の小規模な事業場について実情を考慮して、現実的で実効性のある実施体制・実施方法について、プライバシーの観点も十分考慮したマニュアル整備をしてまいりたいと思いますし、その過程では、小規模事業場の御意見も伺いながら取り組んでまいりたいと考えているところです。以上です。
○化学物質対策課長 七浦委員から化学物質管理に関してのお話がありました。産業界全体として取り組んでいきたいということで、私どもとしても、化学物質リスクアセスメント対象物が増えるにしたがい、これまで馴染みのなかった業種においても化学物質管理を行う必要があるということで、様々な支援策も講じておりますし更に強化していきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。松尾委員、山脇委員、七浦委員、追加で何かございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、大変お待たせしておりますオンライン参加の委員について、御指名させていただきたいと思います。まずは、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。御説明ありがとうございます。報告(案)に関して、おおむね異論等はございません。個々の各論等に対して、確認及び要望を発言させていただきます。
まず、(1)個人事業者等の定義ですが、個人事業者等が労働者と同じ場所で就業する場合に講じなければならない措置、注文者が講じるべき措置については、例えば第42条、第59条、このような法条文の主語等が改正されると思いますが、そのような考えでよろしいのでしょうか。また、内容が確定しましたら、現行と改正後の比較等が分かりやすく伝わるような資料の作成をお願いいたします。
そして、2つ目が、5ページの(5)個人事業者等の業務上災害の報告制度です。労働者死傷病報告については来年1月1日から義務化されるのですが、個人事業者の災害報告については、いつ頃施行される予定になるのでしょうか。また、労働者死傷病報告の電子申請と同様の形式となるのでしょうか。同様の形式等であれば、e-Gov等のアカウントの取得が必須になると思います。そこで、簡単なe-Govアカウント等の取得方法の動画や、AIを利用した問合せができるよう、厚生労働省のホームページに掲載していただくことはできるでしょうか。こちらに関しては、労働者死傷病報告の電子申請においても同様のお願いとなるのですが、中小零細事業者等に聞きますと、一番先につまずくところのようです。この部分について今までと同様の周知展開方法であれば、恐らく、経過措置に流れてしまい、実施率は上がらないと推察します。全てが電子申請になることによって初めて高い効果が生まれ、様々な検証ができると思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、3つ目が、2の職場のメンタルヘルス対策の推進です。建設業では、中小零細企業で10人未満の労働者を抱える事業者も多数おられます。その中で、50人未満で義務化をしなければならないほどストレスを感じている方々がいらっしゃったのかということで、この根拠を求める意見が多数ございました。こちらに関係して、何か根拠、データ等がありましたら教えていただきますようお願いいたします。分科会では、総論賛成、各論に対して慎重な協議をお願いいたしました。必要性を感じ、現在、積極的に実施されている事業者の良好な取組、好事例等を取りまとめていただき、幅広く周知展開して、一体的な取組を含めた指導を実施することによって、少しでもメンタルヘルスの不調を未然に防止していただくよう、お願いいたします。
そして、4つ目は、3の化学物質による健康障害防止対策等の推進です。分科会では第167回、第168回でも発言いたしましたが、労働安全衛生調査(実態調査)に化学物質に関係する調査項目の追加及び有効回答率を上げていただき、これにより、我々が検討する根拠データとして活用できるようにお願いいたします。
また、現在、全国のパトロールを実施しており、事業者、労働者等の意見交換会を設けております。その中で、圧倒的に化学物質関連の問題点が出ている状態です。これらの認識が非常に希薄で、現場職員が時間を掛けて指導しておりますが、事業者及び労働者から聞こえてくるのは、有害な物質を製造等する大元の者が、SDS等に保護具の指定をすればよいことであって、ユーザー側で時間を掛けてしなければいけないのでしょうかと。成分等の数値などの営業秘密を知りたいわけでもなく、代替名等も必要はないのだと。製造、販売する者が保護具を指摘してくれれば、購入後に即座に対応できるが、複数の物質を確認する作業に多くの時間を取られており、メーカー側で指定していただければ、その後の作業を円滑に進めることができるのですが、それはできないのでしょうかと。このような意見が圧倒的に多かったので御報告いたします。これらの課題に取り組み、目的が達成され、全ての事業者、労働者が負担なくリスクアセスメントを円滑に実施し、健康障害防止対策を講じて安全に作業を進められるよう、よろしくお願いいたします。
そして、5つ目が、7の治療と仕事の両立支援対策の推進です。こちらも分科会で発言しておりますが、雇用形態、賃金が産業によって異なり、仕事に穴をあけられない、日給、月給のために休むと収入が減るということで、治療を行ないながら仕事に従事される方が非常に増えているにもかかわらず、両立が難しいと言われております。このような方々の支援として、「治療と仕事の両立支援カード」は非常に重要な取組であると考えております。しかし、紙面での手続による以上、仕事をしながらの手続は煩雑で手間がかかり、仕事に影響が出て、非常に使い勝手が悪いのではないかという意見が、既に出てきております。これらの取組の効果を向上させるためにも、「治療と仕事の両立支援カード」の電子化に早急に取り組んでいただき、仕事をしていても、どこにいても、時と場所を選ぶことなく、生活への影響を最小限にしていただくことが肝要かと考えます。また、今後の施策等では、AI等を活用し、電子化のシステムを講じていただき、高年齢の方などのためには窓口での受付を設け、働く方々が治療と仕事を両立し、生活を守り、貴重な人材を失うことがないよう、国や厚生労働省様にはお願いいたします。以上、確認及び要望です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの出口委員の御発言につきまして、事務局から順に回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございました。個人事業者の関係について、船井から回答させていただきます。まず1点目、個人事業者の定義の部分から派生して、具体的には安衛法第42条であるとか第59条の関係、機械の関係であるとか特別教育の関係について、どのような形で条文になるのかという御指摘だったと思います。この具体の条文については、今後、今回の報告等を御審議して御了解を頂いた後に、更に法律案要綱のような形で御議論いただく際に、またお知恵を頂ければと思いますが、テクニカルな話として、主語を拡大するのか若しくは準用するのかなど、その辺については、受け手が分かりやすい形でしっかり条文にしていくように、我々の中で検討していきたいと思います。
2点目の報告制度です。これはいつ頃の施行かということですが、報告制度も場合によっては法律上の措置としてやるということも想定されますので、そういったことになると、そもそも法律としてどういう形で出せるのか、どういうふうに審議するのかというところも踏まえてということになりますので、現時点でいつということは申し上げられません。しかし、当然、一定程度の周知期間も必要ですし、報告いただいたものを災害のデータとしてまとめて公表するということも分科会で御議論いただいておりましたので、何月に施行するのか、そういうタイミングなども含めて、円滑にいくように今後しっかり考えていきたいと思います。
あと、労働者死傷病報告は、原則、電子申請義務化ということで、来年の1月から制度が変わるということで、個人事業者の災害報告制度も同じように電子申請なのかということですが、これは死傷病報告制度の仕組みを参考にしながらやらせていただきたいと思っておりますので、そのような形で想定しているところです。その際、アカウントの取得が1つのハードルになっているという御指摘でした。そういった御指摘も踏まえて、どういうアカウントで報告することができるのか、それぞれどういうふうに取得すればいいのかということをしっかり周知することも含めて、システム開発の中で関係者の意見も聴きながら、分かりやすい形でできるように検討してまいりたいと思います。以上です。
○労働衛生課長 続きまして、メンタルヘルスの関係で、特に建設業ですが、ストレスを感じている人がいるのかどうなのか、データをお求めでした。こちらにつきましては、令和5年の労働安全衛生調査(実態調査)の中で、建設業については、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は、1割を超えている、10.3%という状況で、やはり、一定程度メンタルヘルス不調に至っている方はいらっしゃると言えます。それから、令和5年の労災補償の状況ですが、精神障害の支給決定件数全数については883件となっておりますが、このうちの約1割に相当する82件が建設業ということです。こうしたことから、建設業でもしっかりメンタルヘルスを取り組んでいく必要があると思っております。
御案内のとおり、この建設業は、非常に小規模の事業所が多い業態です。私どもが把握している限りでは、事業所単位で申し上げますと、全事業所のうちほとんど、100%近くが50人未満の事業所という状況です。また、労働者の数も8割近い状況だと思っております。事業所の規模にかかわらず、気付きを持っていただいて、メンタルヘルスの不調を未然に防止するという取組は非常に重要だと思っておりますので、これは業種にかかわらず、併せてしっかりと取り組んでいく必要があると考えているところです。
○化学物質対策課長 続きまして化学物質関係です。労働安全衛生調査の項目に化学物質関係を追加してほしいという御要望がありました。以前の分科会でも御要望を頂いたところであり、化学物質関係項目が追加できるように、関係部局と調整を進めているところです。
また、保護具に関して、SDSで指定すれば良いという御意見が多数寄せられたというお話です。SDSに書く内容については、資料8ページの下の部分にも記載しているとおりですが、今回、SDSの内容を充実してできるだけ現場で適切な判断ができるように対応を進めるということで、保護具についても、先ほども御説明しましたが、推奨する製品名も含めて、できるだけ記載していただくように進めていきたいと考えております。
○労働衛生課長 1点、申し忘れました。メンタルヘルスの関係ですが、好事例の周知展開について御指摘がありましたので、これについては、特に50人未満というところも意識して取り組んでまいりたいと考えています。
あと、両立支援について、両立支援カードの電子化の御要望がありました。これについては、前回もお答えしておりますが、両立支援カードを含め、ガイドラインの各様式について、利便性の向上を図る観点から、電子的な作成や加工が可能となるよう、ワード版により厚労省のホームページから提供を行っているところですので、今後、その活用も含めて周知を図ってまいりたいと考えております。ただ、これをシステムとして、いわゆるネットワークとして運用するというところは、非常に課題があろうかと思います。プライバシーの保護も含めて、非常に課題があろうかと思います。今すぐできると申し上げられませんが、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
○安全課長 安全課長です。1月1日からの電子申請について、このままでは経過措置の書面報告が用いられ、電子化が進まないのではないかといった御意見があったところです。まず、e-Govのアカウントについては、基本的には電子メールがあれば簡単に取得できる仕組みではございます。より分かりやすくすべきという御意見につきましては、e-Gov自体は日本政府全体の制度で、厚生労働省だけでは調整できないところがございますが、そういった御要望があることはデジタル庁に伝えてまいりたいと思います。
電子申請については、帳票入力支援サービスというのがあります。そちらにアクセスしていただければ、様々なエラーチェックとかプルダウン選択肢とかを設けておりますので、e-Govから直接入力するよりも簡単に入力できて、なおかつ、そこで登録ボタンを押すと、e-Gov経由で報告もできるシステムがありますので、そちらを使っていただくように推奨しているところです。そちらの使い方については、厚生労働省で特設ページを設けておりまして、一連の使い方について説明する資料を作っております。また、説明の動画についても、11月末をめどに特設ページで公開する予定にしております。また、この支援システムはタブレットやスマホでも使えるということで、現場でも使えると考えておりますので、そちらについても、御活用いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。出口委員、ただいまの事務局からの回答につきまして、追加で御発言はありますか。
○出口委員 アカウントにつきましては、GビズやMicrosoftなどもあるのですが、一般的に広く使われているYahooであるとか、いろいろなアカンウトが使えるように、ご検討いただきたいと思います。全般的には、特に意見はありません。今後の検討協議について、よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続きまして、新屋敷委員、お願いいたします。
○新屋敷委員 御説明ありがとうございました。私からは、1点質問ともう1つお願いがありまして、発言させていただきます。4ページの個人事業者等に対する安全衛生対策の推進の中の(3)のオの所です。既に分科会で御議論いただいていたとは思いますが、私の理解が足りていなくて、「違法の指示の禁止について、注文者は、請負人に対し、その指示に従って当該請負人の労働者を労働させたならば」とあって、「請負人たる個人事業者等が作業する場合にも労働安全衛生関係法令違反となる指示を禁止することが適当である」ということですが、これは、請負人たる個人事業者等が作業する場合について、注文者が請負人に対しという理解をすればよかったのかどうかを確認させていただければと思いました。誰が誰に対してというのが、はっきりとよく分からなかったので、もう既に御議論があったかもしれませんが、もう一度確認させていただければというのが1点です。
もう1つが、質問というよりはお願いということですが、最後の13ページ以降の治療と仕事の両立支援対策の推進の部分になります。ガイドラインについて、13ページのアの所ですが、労働施策総合推進法の条文をお示しいただいているところかと思いますが、労働法をやっておりますと、仕事と治療の両立というと、労働契約法の第3条3項や第5条をパっと思い浮かべるところがあります。しかし、なぜか推進法のほうに出てくるので、どういう関係性になっているのだろうというのが、取り分け使用者や労働者にとっては分かりにくいのではないかと、法的根拠がどこにあるのかということが把握しにくいのではないだろうかということが、ちょっと心配になりました。内容としては、今日お示しいただいている報告書の内容というのは、直接は労働契約法には関係がないということだとしても、労働契約上働く者について、両立支援が漏れなくなされるように、使用者、労働者にとって分かりやすいように周知啓発をお願いしたいということを、私の意見として付け加えさせていただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。船井から回答させていただきます。1点目、4ページ目の(3)のオの違法な指示の禁止の部分ですが、これは、御指摘いただいたとおり、注文者が請負人に対しというところで、主語の関係は変わらないです。請負人が労働者を使用して作業をやるときに、例えば、特別教育などは受けずに、時間がもったいないから、すぐ作業をしろという指示を注文者から受けたときに、特別教育を受けさせないで労働者に作業をさせたら、現行法でも違法な指示の禁止になるのですが、今回、請負人の中小の事業主さんである個人事業者等も、特別教育の義務がかかりますので、これが一緒になって作業をしたら、個人事業主さんにも違反が生じるので、そういった場合もカバーできるようにしようという、そういう趣旨です。なので、誰がという部分は、注文者がというところで変わらないです。以上です。
○計画課長 さらに、治療と仕事の両立の関係で、労働契約法との関係の御質問を頂いたかと思います。労働契約法自体は、正に民法の特例ですので、民事法という位置付けだと思いますので、行政がというよりは、事業者と労働者の権利関係を規定している法律だと思います。治療と仕事の両立は、正に治療のきっかけが労働者の私傷病、私病ということがほとんどの場合であると考えますと、その両立支援というのが労働契約の中に入ってくるかどうかで、労働契約法の安全配慮義務になるかどうか。少なくとも、当然に入ってくるものではない。入ってくる場合があり得るかもしれませんが、当然に入ってくるものではないと考えております。
一方で、今回はこの取組をどうやって進めるかということを、正に皆様に御議論を頂いたという中で、行政法的なところでどういう位置付けにして施策を進めていくかという観点で御議論を頂くと、今ある労働施策総合推進法を更に拡充する形で、今は国の施策しか書いておりませんが、事業者の努力義務という形で位置付けて、正に事業者について取組を促していくというやり方がいいのではないかと。そういう形で御議論を頂いたのが、今回のことかなと考えております。
いずれにしても、どういう形でどういうものがあるかというのは、現行のガイドラインでも確かに労働契約法の安全配慮義務に一部触れている部分もあると理解しておりますので、そういったことも含めて、今の御指摘を踏まえて、ガイドラインのときにどうするかというのは、しっかり考えていきたいと考えております。
○労働衛生課長 1点補足をさせていただきます。労働衛生課です。今、計画課長が申し上げたように、現行のガイドラインとマニュアルというのもあります。企業・医療機関連携マニュアルというものですが、御指摘のとおり、労働契約の安全配慮義務の考え方について、有用であることから、実は、このマニュアルの中で労働契約法のことも言及させていただいております。当然、そのガイドライン、マニュアル、これらに含まれる両立支援カード、この普及啓発にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○髙田分科会長 ありがとうございました。新屋敷委員、いかがですか。
○新屋敷委員 ありがとうございます。もちろん労契法は直接は関係ない話だと思いますが、適切に対応いただいているということで、大変安心いたしました。ありがとうございます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、矢内委員が御発言を御希望ということで、よろしいでしょうか。お願いいたします。
○矢内委員 矢内です。今回、御丁寧な取りまとめをありがとうございます。内容については、賛同しております。
また重ねての意見、確認となってしまいますが、報告書の2番のメンタルヘルス対策についてです。50人未満の小規模事業所への義務化についてになります。七浦委員からもありましたが、施行までの十分な準備期間を取っていただいている中で、やはり、安全で効果的な実施が担保される仕組み・体制を整えていただきたいと思います。地産保ももちろんですが、外部委託業者もかなり増えてきているので、業者の質の担保も重要になるかと思います。また、根本的なところで一番大切なのは、各事業所、事業主がその目的や成果を理解することだと思います。法制化されて、やることありきという形ではなく、十分な理解と対応とともに実施ができるよう、体制づくりをお願いしたいです。
加えて、ストレスチェックはメンタル対策の一部であり、1つの切り口と考えますので、この機会を切り口に、メンタルヘルス対策全般についても、継続的に評価、検討を進めていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、オンラインで御発言希望の委員はいらっしゃらないということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、矢内委員の御発言について、事務局から回答をお願いいたします。
○労働衛生課長 メンタルヘルスでございます。正に法案が通ったらということになりますが、施行までの期間を十分に置いて、実施義務の対象となる50人未満の事業場で取り組んでいただけるような種々の方策をしてまいりたいと考えております。特に、言及がありました安全で効果的な仕組みとして、外部委託が原則推奨される中で、適切性を求めていく点は大変大事だと考えています。我々といたしましても、今回の中間とりまとめに当たりまして、いろいろな事前の調査をし、そちらを御報告させていただいたところですが、今後、マニュアルの整備等を行う中で、引き続き実態を把握しながら、また、小規模事業場の御意見も伺いながら、こうしたマニュアルの整備等を図ってまいりたいと考えています。
また、ストレスチェックは、確かに一次予防ということで大変重要な位置付けではあります。ただ、これだけによらず、メンタルヘルス対策全般についても、今後ともフォローアップさせていただきながら、もし取組状況が不足している部分があれば、それを手当てしていくということも引き続き検討課題としてまいりたいと思っています。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。矢内委員、いかがでしょうか。
○矢内委員 ありがとうございます。大丈夫です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。それでは、及川委員、お願いいたします。
○及川委員 及川です。この度の報告書は、近時の諸課題に対応してまとめたものとして、なおかつ、7テーマ、7分野を幅広くタイムリーに取りまとめたものとして、大変評価をしたいと思います。
その中で、メンタルヘルスなのですが、今後として、50人未満をまるっと、ひとくくりにすることなく、報告書でも「特に10人未満」と書いていただきまして、大変有り難く思っています。一方で、50人とか10人とかという規模にかかわらず実施をするということも理解しつつ、この分野には、生業の域とする小規模事業者がありまして、その方たちは一家の生計を立てていることを目的に事業をしています。実態は家計と経営は分離をされていない、一体となって、一家の生計を目的に事業を営んでいる方です。このような生業とする事業者は、単なる50人未満とか10人とかという規模とともに、労働者の管理の意味や質というのが全く違う分野であると思います。是非、生業とするこの層をどうするのかということについて、また引き続き議論を深めていただき、実効あるストレスチェックあるいはメンタルヘルスにしていただきますようお願い申し上げます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、小澤委員、お願いいたします。
○小澤委員 私から1点だけ、14ページで、治療と仕事の両立支援の取組を経営課題へというところなのですが、これを経営課題にするために、どうしようかと考えたときに、なかなか幹部を説得するのが難しいと思っております。労使一体となった取組について、具体的な事例を示していただけるということなのですが、それだけではなく、人材確保や生産性向上につながった事例やデータなど、いろいろ頂けるといいと思います。もっと言うと、両立支援の取組が、取り組んでいる、取り組んでいない、○か×かだけではなく、取組度合いを示す指標みたいなものがあると、会社の業績指標を掲げて、経営課題に持ち上げられるのかなというのがありますので、いろいろなデータ、事例を頂きたいということを要望します。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そういたしましたら、及川委員と小澤委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○労働衛生課長 まず、及川委員のメンタルヘルスの50人未満の取組、特に10人未満についての生業をしていただいている所への配慮ということで、御指摘を頂いたと思います。御案内のとおり、中間とりまとめの中でも、特に10人未満等の小規模な事業場については、その実情を考慮した取組可能な実施内容を示す必要があると。マニュアル作成の中で、このような言及もありまして、この度の報告書(案)にも反映しております。繰り返しになりますが、50人未満ということで十把一絡げにするということではなく、10人未満だとか、生業を中心に組み立てていただいている事業所にも思いを致して、マニュアルの作成に際しては、御意見を伺いながら取り組んでまいりたいと考えております。
小澤委員から、両立支援、経営判断に資するデータの提供について、御要望がありました。取組事例を収集する中で、効果的なものをお示しするというのは、1つの手立てと思っています。加えて、もし何かできるのであれば、指標若しくはそれに資するようなデータ的なものを考えたいと思っています。今回、メンタルヘルスの検討会の中では、ストレスの低減の効果があったという文献調査の結果を提示しておりますが、そのような全体的な効果検証のデータも含めて、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。及川委員、小澤委員、追加で御発言はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか、会場で御発言を御希望の委員はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
委員の皆様から様々な御意見を頂きました、この報告書(案)につきましては、先ほど御説明しましたとおり、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進、職場のメンタルヘルス対策の推進、化学物質による健康障害防止対策等の推進、機械等による労働災害防止の促進、高年齢労働者の労働災害防止の推進、一般健康診断の検査項目等の検討、治療と仕事の両立支援対策の推進といった多くの項目、内容を含んだものとなっています。本日、初めて皆様に御議論いただいたということでございますので、本議題につきましては、次回も引き続き御議論させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、ここまでの議題以外で、何か御発言はありますか。よろしいでしょうか。
本日の議題は全て終了いたしました。本日の分科会はこれにて終了いたします。本日もお忙しい中、ありがとうございました。