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第12回厚生科学審議会結核部会 議事録
日時
令和6年12月26日(木)10:00~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム(5階)
議題
(1)入国前結核スクリーニングについて
(2)「令和5年の地方からの提案等に関する対応方針」に係る感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の規定に基づく事務の対応について
(3)報告事項
・「結核医療の基準」の一部改正について
・医療DXの更なる推進と今後の対応方針について
・国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について
(2)「令和5年の地方からの提案等に関する対応方針」に係る感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の規定に基づく事務の対応について
(3)報告事項
・「結核医療の基準」の一部改正について
・医療DXの更なる推進と今後の対応方針について
・国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について
議事
- 議事内容
- ○亀谷感染症対策課長補佐 ただいまから、第12回「厚生科学審議会結核部会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
私、本日議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課課長補佐の亀谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。議事の様子をユーチューブで配信していますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
本部会は、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本部会はウェブ会議で開催することとしております。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
開会に当たりまして、鷲見感染症対策部長より御挨拶申し上げます。よろしくお願いします。
○鷲見感染症対策部長 感染症対策部長の鷲見でございます。
開会に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
委員の先生方におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃より結核対策の推進に多大なる御尽力をいただき、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
近年、皆様方の御尽力によりまして、結核の新規患者登録者数及び罹患率は減少を続けております。直近のデータであります令和5年につきまして申し上げますと、新登録患者数は1万96人、人口10万人当たりの罹患率8.1となっており、令和3年以降、長年の目標でありました結核低まん延国の水準を維持しております。
しかしながら、今なお結核は1類・2類感染症の中で唯一国内で恒常的に発生しておりまして、集団感染事例も見受けられます。結核対策は、感染症対策の中でも特に重要であることに変わりはなく、さらなる罹患率の低下に向け、一層の推進を図ることが必要です。
厚生労働省といたしましても、今年度から皆様に長年御協力いただいてきておりました「結核予防週間」を「結核・呼吸器感染症予防週間」とし、より幅広く社会全体で感染症対策に取り組むことといたしました。今後とも皆様の格別の御支援、御協力をいただければと思います。
本日は、入国前結核スクリーニング、地方分権改革に関する提案に対する対応について御審議いただく予定です。
国内の結核に関する近年の傾向として、高齢者の高い罹患率、若年層における外国生まれの結核患者の増加傾向が挙げられます。特に、入国前結核スクリーニングにつきましては、外国生まれの結核患者対策として非常に重要な施策であると考えております。
どうぞ本日はよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 鷲見部長、ありがとうございました。
なお、鷲見部長は他用務のため、ここで退席させていただきます。御了承いただければと思います。
(鷲見感染症対策部長退室)
○亀谷感染症対策課長補佐 続きまして、部会長の選出に移りたいと思います。
初めに、前部会長の加藤誠也委員が令和5年1月末をもって退任されておりますので、部会長の選出を行いたいと思います。参考資料の厚生科学審議会令第6条第3項にありますとおり、部会長は当該部会に属する本委員の互選により選任することとなっております。
本部会に所属する本委員は、味澤委員、慶長委員の2名となっておりますが、事前にお諮りいたしましたところ、慶長委員に部会長をお願いすることとなりましたので御報告いたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
本部会は平成30年2月以来の対面開催ですので、改めて委員の皆様の御紹介をさせていただきます。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お願いできればと思います。
本日は味澤委員より御欠席との御連絡を頂戴しております。
それでは、申し上げます。
国立感染症研究所ハンセン病研究センター感染制御部長、阿戸委員。
○阿戸委員 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 公益財団法人結核予防会結核研究所臨床・疫学部部長、疫学情報センター長、入国前結核スクリーニング精度管理センター長、大角委員。
○大角委員 大角です。いつもお世話になっております。よろしくお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 宮崎県立看護大学看護研究・研修センター主任、木添委員。
○木添委員 木添でございます。よろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 部会長を務めていただきます公益財団法人結核予防会結核研究所副所長、慶長委員。
○慶長部会長 僣越ではございますが、部会長を務めさせていただきます慶長です。よろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 独立行政法人国立病院機構東京病院副院長・臨床研修センター長、佐々木委員。
○佐々木委員 よろしくお願いいたします。マスクのままで失礼いたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 公益社団法人日本医師会常任理事、笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 大阪はびきの医療センター小児科医長、釣永委員。
○釣永委員 釣永です。よろしくお願いします。
徳永先生の代わりということで今回から入らせてもらいました。よろしくお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 熊本県阿蘇保健所所長、劔委員。
○劔委員 全国所長会からの参加になります劔といいます。よろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 藤田法律事務所弁護士、藤田委員。
○藤田委員 藤田と申します。よろしくお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 川崎市健康安全研究所長、三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 株式会社宮田総研代表取締役社長、宮田委員。
○宮田委員 宮田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 公益社団法人東京都薬剤師会常務理事、和田委員。
○和田委員 和田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 以上、現在結核部会委員13名のうち12名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
続きまして、事務局を紹介させていただきます。
○荒木感染症対策課長 感染症対策課長の荒木と申します。よろしくお願いいたします。
○横田感染症情報管理室長 同じく感染症対策課感染症情報管理室長の横田でございます。よろしくお願いします。
○佐野結核対策推進室長 結核対策推進室室長の佐野と申します。よろしくお願いいたします。
○小林感染症対策課長補佐 感染症対策課課長補佐の小林と申します。よろしくお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 最後に私、同じく感染症対策課課長補佐の亀谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
それでは、議事に入る前に、事務局から資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿、資料1から5、参考資料となっております。事前にお送りしております資料に不備等がございましたら事務局までお申し出ください。
それでは、ここからの進行は慶長部会長にお願いしたいと思います。慶長先生、よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 改めまして、部会長に指名いただきました結核研究所の慶長です。前任の加藤部会長を受けてということになりますが、ぜひよろしくお願いいたします。
初めに、議事に入ります前に、部会長代理を指名させていただきたいと思います。
厚生科学審議会令の第6条第5項によりますと「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」ということになっております。部会長代理に関しましては、ぜひ佐々木委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 よろしければ、それでは、部会長代理は佐々木委員にお願いしたいと思います。国立病院機構東京病院で長く臨床をやっていらっしゃいます。
佐々木委員、ぜひ一言よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 佐々木でございます。よろしくお願いいたします。僣越ながら務めさせていただきます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の会議の進行は既にお手元にあります議事次第に沿って進めてまいりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、議題1ですが、「入国前結核スクリーニングについて」に入りたいと思います。
まずは資料1について事務局から説明をお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
先ほどの亀谷から説明をさせていただきます。「入国前結核スクリーニングについて」でございます。
次のページをお願いいたします。こちらは「結核対策について」ということでまとめたものになります。
「現状」でございますが、令和5年の新登録結核患者数は1万96人、結核罹患率は8.1となっておりまして、初めて結核低まん延国となった令和3年以降、我が国は結核低まん延国の水準を維持しておりますが、右のグラフでお示しするように、ほかの先進国における罹患率よりもまだまだ高い状況にあります。「2021年改定版ストップ結核ジャパンアクションプラン」では、2025年までに罹患率を7とすること、2035年までに罹患率を2とすることを目指しております。
「課題」としましては、まず近年では結核患者の多くを依然として高齢者の方々が占めております。令和5年の新登録結核患者においては80歳以上が4割以上を占めているという状況でございます。また、国内で新たに結核になった患者のうち、外国生まれの割合は依然として増加傾向にあります。令和5年の外国生まれ新登録結核患者数は1,619人と全体の16%を占めておりまして、これは前年度から405人増、パーセントにすると4.1ポイントの増加になっております。特に若年層においては、右の一番下のグラフにありますように、新登録結核患者数の大半を外国出生者が占めているという状況になっております。
厚生労働省として「対応」としては、従来の国内結核対策を徹底させるとともに、以下の2点を実施しております。すなわち、80歳以上の高齢者への対策強化と加えて、今回開始となります入国前結核スクリーニングとなります。我が国における結核患者数が多い国から我が国に中長期間在留しようとする方々に対し、結核を発病していないことを求めるものになります。
次のページをお願いします。「入国前結核スクリーニングの概要」でございます。
まず「入国前結核スクリーニングとは」というところを御覧いただければと思いますが、入国前の結核検査、これは胸部エックス線検査等を行うものですが、これによって結核を発病していないことの証明を求める制度であります。外国からの入国者への結核対策として、主要先進国の多くでは、条件や方法は国によって異なるものの、高まん延国からの入国例や長期滞在する者を対象とした入国前のスクリーニングを以前より実施をしております。例として、米国、カナダ、オーストラリア、英国、ニュージーランド、韓国等がございます。
「入国前結核スクリーニングに係るこれまでの経緯」でございますが、平成30年2月、厚生科学審議会結核部会におきまして、近年の外国出生結核患者の増加等を背景に、日本国内での結核患者数上位6か国からの長期滞在者を対象とした入国前結核スクリーニングを導入する方針が示されていたところでございます。令和2年3月、関係各所へ入国前結核スクリーニングの実施について通知を行い、同年7月1日以降に準備の整った対象国から順次開始予定としておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策により外国からの入国者が激減したことを受けて、開始が見送られておりました。2023年、令和5年5月8日をもって新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が終了して外国からの入国者が増加したことに伴いまして、外国生まれの患者数の増加が顕著であることから、本制度を早急に導入することが求められておりました。
以上が経緯となります。
参考までに本事業の法的根拠になりますが、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第1号が法的根拠となっております。
次のページをお願いいたします。こちらは参考までに外国生まれ新登録結核患者を出生国別にまとめたグラフになっております。3つグラフがありますが、一番下のグラフに着目いただければと思っております。赤い点線で囲われたところでございますが、こちらが上位6か国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、中国ですね。これらが我が国における外国生まれ新登録結核患者数の上位6か国になっております。この6か国が7位以下の国に比べるとかなり数として多いことが御覧いただけるかと思います。
次のページをお願いいたします。「入国前結核スクリーニングの対象国、対象者及び申請の流れ」について御説明をいたします。
まず「対象国」でございますが、日本における新登録結核患者数のうち、外国生まれの患者数の8割を占めているフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、中国の6か国から制度を導入する方向で進めており、調整のついた国から開始することとしておりましたが、調整のつきましたフィリピン、ベトナム、ネパールの3か国につきまして、今年度中から制度を順次開始することとしております。
「対象者」としましては、対象国の国籍を有し、中長期在留者並びに特定活動告示第53号及び同第54号として我が国に入国または在留しようとする者としております。ただし、例外として、居住国の滞在許可証等により、現在の居住地が対象国以外の国または地域であることが確認された場合は対象外となります。中長期在留者については、下の注のところにお示ししているとおり、入管法第19条の3に定める者となっております。こちらは本邦に在留資格をもって在留する外国人のうち①、②、③、④以外の者が中長期在留者に当てはまります。
「申請の流れ」としては、右のフローチャートを御覧いただければと思います。まず、入国前結核スクリーニング対象国からの中長期在留希望者は、指定健診医療機関を受診していただきます。この医療機関はそれぞれの国にあるものになります。ここで問診、身体検査及び胸部レントゲン検査を受検いただきます。結核の疑いがない場合は、そのまま結核非発病証明書の交付に移ります。結核の疑いがあると判断された場合は、喀痰検査を行いまして、発病がない場合、結核非発病証明書の交付に移ります。発病していると判断された場合は、そのまま治療に入っていただき、結核非発病証明書は交付がされないということになっております。この結核非発病証明書は、在留資格認定証明書の申請ですとか、査証の申請のときに提出が義務づけられるものになっております。以上が申請の流れとなっております。
次のページをお願いいたします。「入国前結核スクリーニングに係る今後のスケジュール」でありますが、本日結核部会への報告を行っておりますが、この終了後制度開始の公表となります。まず、今年度末の来年3月にフィリピン、ネパールにおける健診の受付を開始いたしまして、そこから2か月空けて、令和7年度の5月にベトナムにおける健診受付が開始となります。ベトナムだけ1か国遅れておりますが、こちらは取り扱う数がフィリピン、ネパールに比べると多いことから、混乱を避けるため、ベトナム1か国のみ2か月遅らせるものとなっております。フィリピン、ネパールにおける健診受付開始から3か月後の令和7年6月に、フィリピン人、ネパール人からの在留資格認定証明書交付申請時または査証申請時における結核非発病証明書の提出義務づけの開始を予定しております。ベトナムに関しては健診受付開始の5月から4か月後に、同様に提出の義務づけを開始することを予定しております。時期は未定でございますが、残り3か国、インドネシア、ミャンマー、中国の制度開始公表は、引き続き調整を進めていきたいと考えております。
以上、説明となります。最後のスライドは参考程度でございます。
事務局からは以上でございます。
○慶長部会長 詳細な御説明をありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明に対しまして、何か御意見や御質問等はございますでしょうか。
コロナ禍がありまして、実際の運用が変更になって現在の時期に至りましたが、皆さん待っておられたものではないかと思います。もし御質問などがある場合は、手挙げ機能を使って指示いただければ指名させていただきます。よろしいでしょうか。
問題ございませんようでしたらば、特に意見がありませんでしたら、この議事1の内容について特に御異議はありませんでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 それでは、議事1につきましては、部会として了承したということで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
では、続いて議題の2に移りたいと思います。「『令和5年の地方からの提案等に関する対応方針』に係る感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の規定に基づく事務の対応について」に移ります。
それでは、資料2について事務局からまた説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
資料2について御説明をさしあげます。「『令和5年の地方からの提案等に関する対応方針』に係る感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の規定に基づく事務の対応について」でございます。
次のページをお願いいたします。こちら、毎年内閣府におきまして、地方公共団体の現場における支障の解決を図るとともに、住民サービスの向上につなげるため、地方分権改革に関する提案募集がされております。令和5年に提出された結核関係の提案事項としましては2点ございまして、それぞれに対する厚生労働省としての対応方針の大枠は既に閣議決定がなされております。今回それぞれについて具体的な対応方針を当省にて検討したため、御審議いただきたいと考えております。
1点目でございますが、結核患者の入退院に係る届出でございます。
いただいた提案としては、感染症法第53条の11に基づきまして、病院管理者は、結核患者が入退院したときは、7日以内に保健所長宛てに届け出ることとされております。一方、保健所においては、随時患者の受療状況が確認できることから、結核患者の状況を把握する手段としての意義及び必要性が低下しており、この届出の廃止を求めるというものでございます。
本件につきましては、患者の入退院に応じまして、病院が実施主体となる「院内DOTS」から保健所が実施主体となる「地域DOTS」への円滑で切れ目のない移行が重要だと考えております。また、当該届出は「地域DOTS」の移行に当たって必要となる患者情報を保健所が医療機関から収集するための法的根拠を持つ重要な手段であります。そのため、届出の廃止は行わないこととしたいと考えております。その一方で、当該届出については、当該届出の負担を軽減する観点から、電子メール等を用いることができることを自治体宛て周知することとしたいと考えております。
次、お願いいたします。こちらは参考程度なので割愛をさせていただきます。
次、お願いいたします。こちらも割愛をさせていただきます。
そのまま2点目の説明に移りたいと思います。こちらは結核定期健康診断の報告頻度及び報告期限になっております。
いただいた御提案としては、各健診実施主体が行う結核定期健康診断の報告頻度及び報告期限につきまして、感染症法施行規則第27条の5第1項中、毎月取りまとめて翌月の10日までとなっているところ、集計業務が非効率な状況となっている現状を鑑み「当該年度分を取りまとめ、翌年度の4月10日まで」とするなど年1回の報告に改めるよう求めるというものになっております。
次のページをお願いいたします。本件につきましては、当省において各自治体に対してアンケート調査を行いまして、提案どおりの報告及び期限とすることを求める回答が大多数でございました。結核定期健康診断の報告頻度及び報告期限については、過去健康診断の結果を速やかに把握する必要があったことから毎月1回の報告を求めていたものと思料されます。しかし、罹患率の大きな低下に伴いまして、毎月の報告を求める意義は薄れているものと思料されます。一方で、定期健康診断に係る統計的情報は引き続き重要であることから、この自治体へのアンケート結果を踏まえ、提案どおり「当該年度分を取りまとめ、翌年度の4月10日まで」とすることとして、施行規則を改正することとしたいと考えております。
後のスライドは参考とさせていただきます。
事務局からの説明は以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
2つの点について御連絡、御報告をいただきましたけれども、この点に関しましてそれぞれ何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
2つとも御説明いただいたことは非常に理にかなっているのではないかと私も感じております。入退院に関しての届出等に関しましても、今後いろいろ議論がされるところと存じます。
藤田委員、どうぞお願いいたします。
○藤田委員 ありがとうございます。
反対ということではなくて、1点確認といいますか、教えていただきたいのですけれども、提案事項2点目で現行のままがいい、むしろ提案に反対をするという御意見を出されている自治体が5自治体あるということですので、そこの意見、どういった理由で反対をされているのかは確認をしておいたほうがいいのかと思って、教えていただければと思います。
○慶長部会長 事務局からいかがでしょうか。
○亀谷感染症対策課長補佐 御質問いただいてありがとうございます。事務局でございます。
先ほどお示ししましたように大多数、97%ぐらいだと思いますが、自治体様から提案どおりでよいということで御意見を頂戴しておりますが、御指摘いただきましたとおり5つの自治体においては現行のままでよいだろうと御回答をいただいている状況でございます。
こちらの内容といたしましては、簡単に申し上げますと、特段業務に支障がないとしている自治体様、また統計的情報の把握に時間を要するためとされている方、また報告漏れの事業者さんがいらっしゃった場合にその督促がしにくくなるのではという御懸念を示された自治体様がいらっしゃいました。
しかしながら、アンケート結果を見る限り、極めて大多数の自治体様が現行ではなく毎年1回の取りまとめでよいとお考えということなので、厚生労働省としましては、この御提案どおり改正とさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○慶長部会長 藤田委員、いかがでしょうか。
○藤田委員 理解できました。どうもありがとうございました。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 それでは、議題2について、その2点ですけれども、部会として了承したということでまとめたいと思います。ありがとうございます。
では、議題の3に移ります。これは報告事項になっていきますが、資料3について事務局からの報告をお願いいたします。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
資料3でございますが、「『結核医療の基準』の一部改正について」の御報告となっておりますので、御説明をさしあげます。
次のページをお願いいたします。こちらは「結核医療の基準」から硫酸エンビオマイシンを削除することについての御報告となっております。
「背景」としましては、「結核医療の基準」において、抗結核薬として「EVM 硫酸エンビオマイシン」が挙げられておりますが、今般、硫酸エンビオマイシンを製造販売している旭化成ファーマ株式会社様から、本剤の製造販売を終了する旨連絡がありました。理由としては、医療現場での当製剤の使用実績がほとんどないこと、製造設備が老朽化し新たな設備投資が必要となり製造継続が困難である等いただいております。この告示にて定めております「EVM 硫酸エンビオマイシン」の商品として存在するのは、旭化成ファーマ株式会社において製薬している「ツベラクチン筋注用1g」のみであります。本剤においては今後製造販売の終了と併せて薬価削除されることから、告示からも「EVM 硫酸エンビオマイシン」の記載を削除する必要があるものとなっております。
「これまでの経緯及び今後の予定」については、記載のとおりでございます。
「改正内容」といたしましては、告示第2の2(1)を改正し、「(ケ)EVM 硫酸エンビオマイシン」を削除することとする、その他、告示から硫酸エンビオマイシンに係る記載を削除する、これを令和7年4月1日から施行することとしております。
次のページをお願いいたします。こちらは参考データなので割愛をさせていただきます。
こちらも割愛をさせていただきます。
「結核医療の基準」の改正案でございますが、こちらに赤でお示ししておりますように「第2 化学療法」「2 薬剤の種類及び使用方法」「(1)抗結核薬」の「ア 抗結核薬の種類は、次に掲げるとおりとする」となっているところの「(ケ)EVM 硫酸エンビオマイシン」を削除したいと思っております。その下でございますが、「イ 抗結核薬の選定における留意事項は、次に掲げるとおりとする」と。このうちの(イ)でございますが、「SM、KM及びEVMは、これらのうち2剤以上を併用して使用してはならない」となっているところ、エンビオマイシンに係る事項を削除、その下の(ウ)につきましては、丸ごと削除としたいと思っております。
その下に行きまして「3 肺結核の化学療法」の「(1)薬剤選択の基本的な考え方」「イ 薬剤感受性検査判明時の薬剤選択」の(ウ)でございますが、ここにありますとおり、4行目にありますが、「EVM」と書いてあるところを削除したいと考えております。
こちらは報告となっております。以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
報告事項でございますけれども、今の御説明に関して何かコメントや御質問などはございますでしょうか。
「結核医療の基準」は非常に大事なもので、時代に合わせた薬が載っていくものと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、特別にございませんでしたら、続いて資料4について事務局からまた報告をお願いいたします。
○小林感染症対策課長補佐 資料4につきまして、引き続き報告事項として御報告させていただきます。「医療DXの更なる推進と今後の対応方針について」ということでございます。
1枚めくっていただきます。「現行の感染症法における課題・論点」と書かせていただいておりまして、政府を挙げまして、現在、医療DXの推進に向けた取組が進んでおります。そうした中において、感染症法における課題や論点を整理してございます。
次のページをお願いいたします。この資料ですけれども、12月12日に開催されました社会保障審議会医療保険部会において示された資料でございます。マイナンバーカードで医療費助成を受けられる仕組みについて図でお示ししてございます。左側の患者さんでございますけれども、医療機関の受付に行かれまして、マイナ保険証の読み取りをしていただきますと、右側の青色のオンライン資格確認等システムに資格の照会がなされまして、御本人の保険関係の情報が回答として返ってくるということでございます。こちらがマイナ保険証の現行の仕組みということでございます。
今般御報告させていただきます内容でございますけれども、オンライン資格確認等システムの下にオレンジ色のシステムがございますが、このPMH医療費助成システムというところに併せて資格の照会を行いまして、その患者様の公費負担医療の関係の資格情報を回答していただくということを考えてございます。これによりまして、マイナンバーカード1枚で保険証だけでなく公費負担医療の受給者証としての役割も果たすことができまして、こうした仕組みを活用していただけるようになっていくということでございます。
上の箱囲みの2つ目のチェックのところを御覧いただきたいと思いますが、スケジュール感が示されてございます。政府の工程表等に従いまして、参加の自治体を今後拡大させていきつつ、令和8年度以降に全国展開の体制を構築すると書かれてございます。現在、国では9年4月を念頭に全国展開の体制整備を図っていくということでございます。
次のページをお願いいたします。こちらの資料も12月12日の医療保険部会でお示しさせていただいておる資料でございます。先ほど申し上げましたマイナンバーカード1枚で医療費助成を受けられる仕組みを導入する公費負担医療制度の一覧ということでございます。赤枠で囲ってございますけれども、感染症法に規定する公費負担医療につきましても、この仕組みを導入する方針でございます。結核の外来医療に加えまして、新型インフルエンザ等感染症の外出自粛対象者、そして新感染症の外出自粛対象者の医療につきましても併せて対象にしていきたいと考えております。
また、表の欄外でございますけれども、法律に根拠のない予算事業として行っております公費負担医療もございます。このうち感染症対策課で所管しております先天性血液凝固因子障害等治療研究事業、いわゆる血友病の患者様等々でございますけれども、そちらにつきましても同様の仕組みを導入していきたいと考えてございます。
次のページをお願いいたします。先ほど図で解説がございましたけれども、マイナンバーカード1枚で保険証、そして受給者証としても活用いただけるという仕組みでございますが、今般こうした仕組みが導入されてまいりますと、患者様だけでなくて自治体、医療機関あるいは薬局においても同様にメリットがあると考えております。自治体におかれましては正確な情報に基づく医療機関からの請求が行われてくることに伴う事務負担の軽減が考えられますし、医療機関におきましても受給者証の情報の手動の入力負荷等が軽減されていくというような事務負担の軽減が期待できるといったことが考えられます。
最後に、少し資料を飛ばして恐縮ですが、11ページを御覧いただけますでしょうか。このPMH連携の公費負担医療のオンライン資格確認の仕組みでございますけれども、先行実施ということで、令和5年度からデジタル庁が主催をする形で手挙げ式で各自治体に先行実施に参加していただいております。結核の医療につきましても4つの都道府県、そして3つの保健所設置市に参加をいただいております。群馬県、岡山県、佐賀県、熊本県、そして山梨県の甲府市、愛知県の一宮市、そして兵庫県の西宮市に参加をいただいております。
先ほど申しました全国展開の方向性でございますが、12月12日の医療保険部会の後、12月18日に医療部会で最終的な方向性をお示しさせていただきまして、部会の意見が取りまとめられてございます。昨日、公表されておりますけれども、今御説明をさしあげたような内容で法制度を含めて整備をしていくべきであるといった御意見が出されてございます。今後はこういった御意見を踏まえながら、必要な整備を行っていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○慶長部会長 御説明ありがとうございました。
これは大きないろいろな部会に関わることで報告をいただいたと思いますが、何かこれに関しましての御質問等はございますでしょうか。
宮田委員、どうぞ。
○宮田委員 これはとてもいい制度であって、皆さんのお手数が減るし、受給者に対しても迅速にサービスできるということで非常にいいと思うのですけれども、一方で、このような公的補助制度が本当にワークしているのかみたいな政策評価をするために、このデータを蓄積して利用することができないかみたいなことを将来御検討する可能性はあるのでしょうか。それを確認させていただきたいと思っております。
○慶長部会長 事務局からいかがでしょうか。
○小林感染症対策課長補佐 宮田委員、御質問ありがとうございます。
現在、PMHの連携を進めていく中において、先ほど申し上げた法制度の改正を含めて検討していくべきという大きな方向性の中には、医療等情報の2次利用ということで、様々な医療データの利活用を進めていく方向性はございます。ただ、今回のPMHの連携に伴うオンライン資格確認の導入という部分におきましては、必ずしもデータの利活用という観点から進めていくという部分ではございませんけれども、まず先行して実施をいただいております自治体の実施の状況等を含めまして、今年度までの先行実施の検証についてはなされていくと。また、その内容につきましては、7年度以降多くの自治体に参加をいただくために共有していくという方向性は確認されております。
また、先生のおっしゃったような政府全般の政策評価等にこうしたデータを活用していくことはEBPM等の観点からも非常に重要だと考えておりますので、医療DXが政府工程表に基づき進む中においてどのようなデータをどう活用していくかということは、広く検討してまいりたいと考えております。ありがとうございます。
○宮田委員 御説明ありがとうございました。了解いたしました。
○慶長部会長 ありがとうございます。
それでは、劔委員からよろしくお願いいたします。
○劔委員 少し今の説明からはずれてしまうかもしれないのですけれども、医療DXという観点から一言意見を申したいと思います。
公費負担医療制度のことがいろいろDX化されるということで、保健所もすごく助かる部分もあると思うのですけれども、保健所で活動していますと、1人の結核患者さんにかかる書面がたくさんありまして、公費負担のことだけではなく患者情報のこと等、たくさん同じような情報をいろいろな書面やデータのシステムに入力しなくてはいけない状況が起こっていますので、こういったものを一元化できるようなDX化をより一層進めていただけると保健所の業務負担軽減にもつながると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○慶長部会長 この点について事務局からコメントできることはありますでしょうか。
○小林感染症対策課長補佐 劔先生、ありがとうございます。
まさに医療DXを進めていく目的の大きな一つとしては、現場の医療従事者の方々の様々な御負担の軽減という観点がございます。今日御報告させていただきましたPMHの連携だけでなくて、政府の医療DXの工程表の中には、例えば関係事務の手続のデジタル化を含めまして、様々な観点から事務負担等の軽減、あるいは軽減されるだけでなくてデータ化されたものの利活用ですとか、そういったことを総合的に考えていく方向で進めてございます。
感染症周りで申し上げますと、例えば感染症法に基づく発生届の届出も保健所の御協力をいただいて現在実施しておりますけれども、こうしたものにつきましても、できるだけ入力や報告の負担を軽減する方向について医療DXの観点から検討を進めてございます。
様々な部分で医療DXのメリットを患者さんだけでなくて医療従事者あるいは自治体の方にも感じていただけるように、総合的な観点から進めてまいりたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ぜひよろしくお願いいたします。
藤田委員、よろしくお願いいたします。
○藤田委員 1点教えていただきたいのですけれども、この医療費助成、公費負担、いろいろな性質といいますか、いろいろな種類のものがあって、これをある診療について医療機関で公費負担の資格を確認するためにPMHの情報を取得するときに、その分野のその医療の公費負担の情報だけが来るのか、それともそれ以外の、仮に同じ人が複数の公費負担や医療費助成を受けているときにという前提ですけれども、その場合にどこの範囲の情報が医療機関にわたるのか、逆に自治体が登録するときにその方の診療情報が自治体に行くのか、行くとするとどの範囲のものが行くのかが資料からはよく分からなくて、方向性として反対ということでは決してないのですけれども、仮に進めるにしても患者のどの情報がどの範囲でどこの機関に提供されるのかは明確にしておく必要があるのではないかと思いますが、その辺りはどのようになっているのでしょうか。
○慶長部会長 重要な問題だと思いますが、どの辺りまで進んでおりますでしょうか。事務局からどうぞ。
○小林感染症対策課長補佐 ありがとうございます。
今、まさに先生がおっしゃった部分については、2ページの図でお示ししたところを御覧いただきたいと思いますけれども、自治体からPMHの助成システムにアクセスをする内容は、基本的には御本人様の公費負担医療の資格の情報を御登録いただくという事務になっております。右下に自治体等がございますけれども、自治体からPMHのシステムにアクセスをする内容は、基本的には日次で毎日ということで、その日の公費負担医療の対象者の情報をPMHシステムに連携させていくということになってまいります。その結果として、何か自治体に医療情報、御本人の診療の情報が流れていくといったことではないということでございます。また、御本人が医療機関の窓口でマイナ保険証の仕組みとまさに同じように券面の情報を医療機関にお示しをする際に、データという形でお示しをするということになってまいりますので、その際も御本人の同意の確認がなされまして、その同意の確認を経た上で、御本人が同意した場合のみPMHの助成システムへの照会、そして回答が医療機関にも表示される仕組みとなってございます。
複数の公費負担医療の対象者については、同意の確認が医療機関の読み取り機の場面でどういった仕組みになっているのかをつぶさに把握はしておりませんけれども、御本人の資格情報を医療機関に共有する部分につきましては、現行のマイナ保険証と同じように同意確認というフェーズがございますので、同意確認がなされたものについて表示がされるとは理解しております。複数の資格が1度に同意確認の対象になっているのか、それぞれ同意確認を行っているのかは、この場でつぶさに承知しておりません。
○慶長部会長 藤田委員、いかがでしょうか。
○藤田委員 ありがとうございます。
診療情報の同意をしたときには、たしか個人で限定することはできなくて、基本的に登録されている診療情報は全部開示されると理解をしているのですね。そのこと自体は適切な医療という面から考えると必要なことなのだろうと思うのですけれども、一方で、患者としての自己情報のコントロールを考えたときに果たしてそれが適切と言えるのかというのは議論はあるところだと思っているのですが、ただ、医療情報は今はそういう状況であるとして、公費助成はまたそれとは性質の違う部分も含まれていると思いますので、そこが医療情報と同じように同意をすれば全部伝わってしまうことが適切なのかに対しては、非常に疑問を感じているところです。御検討いただければと思います。
○慶長部会長 基本的に今回の資料に関しましては報告事項ということですが、今後運用面でいろいろと考えていただけるときに、こういった意見を反映させていただければ非常にありがたいと思います。
○小林感染症対策課長補佐 ありがとうございます。
藤田先生の御意見につきましては承りましたので、中でまた検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
また、結核に関して絞って言いますと、例えば外国出生者の問題は難しいですから、そういった意味合いでいろいろなまだまだ細かい複雑な状況がありますので、そういったことを整理していただけると非常にありがたいと考えております。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、この件に関しまして御質問は出そろったということで、続いて資料5についての事務局からの報告をお願いいたします。
○荒木感染症対策課長 事務局でございます。
資料5「国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について」を御報告させていただきます。
1枚目でございます。所要の整備ということで、令和7年4月に国立感染症研究所と国立国際医療研究センター(NCGM)を統合いたしまして、国立健康危機管理研究機構を設立するということになっております。これに伴いまして、感染症法におきまして、機構に対する厚生労働大臣の事務の委任規定及び権限の委任規定を設けたところでございます。そうすると、中には機構職員が質問等を行う際の身分証の様式、あるいはその実施に関し必要な事項を省令に規定したいと思っています。
それとともに、今回大きなもう一つの点が、既存の感染症の予防及び感染症の患者の医療に関する法律、感染症法に基づきまして、各種告示というものが定められております。その各種告示の中の内容について、そこに例えば「国」とか、「国立感染症研究所」とか、あるいは先ほど申した「国立国際医療研究センター」と書いてある部分につきまして、そのまま整理したいと思っております。
真ん中にございますように「改正対象の告示」ということでございます。まずはいわゆる基本指針ですね。感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針ということがございます。それ以外にも各種特定感染症予防指針ということで、結核につきましても赤にしておりますように、結核に関する特定感染症予防指針というものがございます。
これが対象になるのですが、では、何をするのかが先ほど申し述べました「改正の主な内容」になります。既存で「国立感染症研究所」あるいは「国立国際医療研究センター」という記載になっておるものにつきましては、「国立健康危機管理研究機構」と記載を変更するということ。そして、主語が「国」となっているものの中には「国立感染症研究所」を意味して、それが実施した内容も含まれておりますので、そちらにつきましては「国立健康危機管理研究機構」を主語に明記したいと思っております。その他、機構と地方衛生研究所等との連携に係る地域保健法の改正等を踏まえた所要の改正も併せて行いたいと思っております。
次のページでございます。こちらのページは、実は国立健康危機管理研究機構の法改正につきまして議論いただいたほぼ2年前になります感染症部会での資料で、参考としてつけさせていただいております。この際に、先ほど申し上げました国立感染症研究所が現に行っている事務等を新機構に委任することができること、あるいは新機構と地方衛生研究所等との連携の強化ということで、これは地域保健法の改正で対応しているということでございます。ですから、感染症法の改正とともにインフル特措法あるいは地域保健法の改正も併せて新しく国立健康危機管理研究機構の法律をつくったときに改正をしておりますが、その中の最後の改正の部分ということで、感染症法の中の告示に係る「国立感染症研究所」あるいは「国立国際医療研究センター」という名称につきまして置き換えるということを進めたいと思っています。
報告は以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
基本的には置き換えということになると思いますが、その点に関して何か御質問やコメントはございますでしょうか。よろしいですかね。
報告事項ということですので、その点に関しては粛々と進めていただくことになろうかと存じます。
これで資料5まで進行いたしましたが、特に発言し損ねたことなど、この際にありますでしょうか。それぞれの委員の先生方、いかがでしょうか。
木添委員、どうぞ。
○木添委員 最後になったのですけれども、入国前スクリーニングのことに関してなのですが、これが行われることについてはとてもいいことだと思っています。そこで患者さんが発見できることになれば、日本に入ってくる人も少なくなることはいいことだと思うのですが、逆にまたそこで発見されなくて、入国後に感染を発症してしまう方もいらっしゃるのではないかと思うのです。
感染を広げないためには、早期発見が私はとても重要になってくるのではないかと考えております。そこで、事業主さんたちに結核についての知識を深めてもらうための取組を、現場としては入国前、入国後を考えてやっていかなければならないのかと考えているところです。今後、外国人の方々に対しての取組を強化していかなければならないのかと思っていますので、そこら辺の取組をまたどうぞよろしくお願いしたいと思います。
○慶長部会長 木添委員、ありがとうございます。
これに関してはどうしましょうか。事務局あるいは大角委員から現状についてお話しいただけることがありますでしょうか。
○大角委員 では、大角から一言。木添先生、御意見ありがとうございます。
おっしゃるように、これはスクリーニングですので、スクリーニングは網目によって、どのぐらいの網目を張ってそこで結核患者さんを診断するかに依存しますので、当然そこで明らかに発病している方々は診断していただきたいと思っているのですが、そのときに例えば感染をもうしていて、だけれども発病していないという方は、入国した後に発病してくるわけですね。そういうことは当然ありますので、入国した後の外国生まれの方々の早期発見、早期治療、適切な治療を強化することは当然のこととして継続して、また強化していかなくてはならない課題として残っていると思います。
おっしゃるように、例えば日本語学校や研修先もしくは職場の方々の理解、結核は早期発見、早期治療、適切な治療が非常に重要なのだということを周知していく必要はこれからもあろうかと思っています。厚労省としてもそこら辺は恐らく強化しようという方針であることは私も理解しています。
以上です。
○慶長部会長 大角委員は結核研究所の中でこの入国前スクリーニングの精度管理センター長をしておりまして、厚労省からの委託を受けて、入国してからの発病の方にどのように対応していくかということの検討を進めております。
佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 医療DXの推進、非常にありがたいことだと思っているのですが、現在は医師偏在、それから非常に厳しい経済状況の中で、医療が危機に瀕していることは御存じだと思います。様々な機器の配置や医療機関という情報の秘匿を行わなければならない場所においてかなりコストがかさんでしまう現状がありますので、現場の状況を踏まえた補助のことについても今後御一考いただきたいと思います。
もう一つ、ここで話すことではないかもしれませんけれども、医師の興味が結核から薄れてしまわないように、今後も御尽力を賜れればと思っております。慶長先生も御存じのように、今は感染症に従事する医師の数はあまり多いとは言えませんので、先ほどお話がありました患者さんの発見の遅れをもたらさないように、今後も結核についての施策について、医師の教育も含めて御助力いただければと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ここで1回事務局から何かございますでしょうか。そのまま続けていきましょうか。
そうしましたら、はびきのセンターの釣永委員、どうぞ。
○釣永委員 よろしくお願いします。
入国前スクリーニングのことで、今の統計のことを教えてもらいたいのですけれども、外国人患者さんが入国して何年後に発症したとか、いつから日本に来たという統計は今は取っているのでしょうか。それから、これが有効だったかどうかを取るためには、いつ日本に来た方が発症したかというところを取らないと、同じベトナムの人が発症したワンカウントでも、入国前スクリーニングをすり抜けるというか終わった後に来た人なのか、もっと前から現時点で日本にいる人が発症したのかが分かるようなデータ取りをしておいたほうがいいのではないかと思うのですけれども、その辺を教えてもらってよろしいですか。
○慶長部会長 これに関しても大角委員から少しコメントをいただけますか。
○大角委員 結核の統計を毎年厚労省と一緒に予防会が出してはいるのですけれども、そこに先生が今おっしゃった質問の情報は出ています。外国生まれ結核患者さんの中で入国して何年後に結核を発病して登録されたかという数字は出ています。詳しいところの情報、国ごとの情報はどうですかということがありましたら、お問い合わせいただければ情報を出すことができます。
2番目、この入国前結核スクリーニングを開始した後、入国前結核健診を受けてきた人の中で、そのときに結核として診断されて治療を終えてまた入ってきた人、2種類の方々がおられますね。いずれにしても、そういう方々が入国した後にどうだったかということですね。結核はまれな疾患ですので、コホートとしてそういう方々が数年後に発病してくることは当然あるわけですね。ですけれども、先生がおっしゃったようにこのスクリーニングで恐らく私たちが期待しているのは、もう入国するときに発病しているであろう方々をスクリーニングで診断させていただいて、そこで入国する前に治療を終えていただいて入ってくると。だから、今まではそれはなかったわけなので、そういう方々がこのスクリーニングをすると、少なくとも開始した対象国、これから3か国に関しては減ってくれるであろうと。つまり、入国間もなく結核を発病して登録されてくる方がより減ってくることを期待するわけですね。では、何年以内の方々が減っているかは統計を取らなければ分からないのですけれども、そういうことになりますね。
だから、もう一つの先ほど木添先生がおっしゃったのかな。国内にいる方の中で感染が起こって、そして発病してくるという方、これは当然入国前スクリーニングの対象外ですので、それは日本国内での早期発見、早期治療、適切な治療に結びつけるための施策強化ということになりますので、当然そこも念頭に置いた対策は国としては必要だということは思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
この件に関しましては、感染症対策課と私どもの結核研究所、密接に連絡を取りながら、どう進めていこうかということで実際の研究面でも行っているところでありますが、事務局から何か追加はございますか。
○亀谷感染症対策課長補佐 入国前スクリーニングでございますが、御意見いただきましてありがとうございます。また、大角先生、御解説をいただいてありがとうございます。
御指摘のように、本事業でございますが、当然のことながら100%全ての対象の方を引っかけられるわけではないかもしれませんけれども、実行可能性や継続性などを鑑みながら、引き続きこれはより実効性の高い策にできるようにブラッシュアップしていきたいと思っております。
手元にある資料ですと、外国生まれの新登録結核患者数で入国してから5年以内に発症される方が、2023年だと大体5割強といったところでしょうか。そういったデータは手元にあります。これ以上細かいデータはないのですけれども、また結核の統計などを御覧いただければと思っております。
結核は依然として国内で1万人を超える方々が年間で発症または感染をされていることが分かっていますし、決して過去の病気とは言えないと考えております。委員の先生からもありましたように、感染症並びに結核の診療、またはその対策に従事する方々は必ずしも多くないという現状があります。厚生労働省としましても、入国前結核スクリーニングもさることながら、従来の結核対策についても引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。今後とも御指導のほどよろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これは今後の感染症の予防指針の改正にも関わる話だと思いますので、また審議がなされていくことと存じます。
それでは、ほかにはよろしいでしょうか。
どうぞ。
○小林感染症対策課長補佐 事務局でございます。
先ほど佐々木委員から、医師偏在等もある中で現場を担っていただいている医療機関のDX化の推進に向けて様々な支援が必要だという御意見だったかと思います。その点につきまして少し補足をさせていただきます。
本日御報告をさせていただきましたマイナンバーカードを活用した医療費助成の効率化の関係でございますけれども、先日成立いたしました令和6年度の補正予算におきまして、自治体と医療機関あるいは薬局のシステムの改修を支援する経費は計上してございます。本日御報告させていただいた資料の2ページ、先ほど患者さんなどの図がありましたけれども、大変見にくくて恐縮なのですが、一番下の*のところに少し書かせていただいておりますが、令和6年度の補正予算案の中で30.5億円とございます。8年度の全国展開の体制の構築に向けて、まさにおっしゃっていただいたような支援策をセットで用意していくことは非常に重要だと考えておりますので、引き続きこうしたものをしっかりと御活用いただけるように我々としても御用意をしていきたいと考えております。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
釣永委員、どうぞ。
○釣永委員 事務局へのお願いなのですけれども、先ほど見せていただいたスライドの中で、もし可能であれば医療機関から自治体への矢印を引いておいていただけると、検討されているということだと思うのですけれども、なかなか発生届や公費負担申請書は医療機関としてはそれなりの負担があって、ここに矢印があってダイレクトに医療機関からデータが行っていると入ったらいいかと。もちろん検討しているということだと思いますけれども、せっかくの図なので、そこの矢印も引いていただけるとありがたいかと、現場の医療機関としてコメントさせてもらいます。ありがとうございます。
○小林感染症対策課長補佐 釣永先生、ありがとうございます。
9ページを投映いただけますか。説明の関係ではしょってしまいましたけれども、政府工程表の中で矢羽根を引いてございます。赤で囲っておりますけれども、自治体・医療機関間の連携もDX化のまさに重要な対象分野と考えております。先生にまさにおっしゃっていただいた発生届なども、赤で囲んでおります矢羽根の一番右側のところ、自治体・医療機関間の中でDX化を進めていくべしと書かれているものの中に書かせていただいております。先ほどの2ページの図のところで医療機関と自治体を結ぶ矢印はございませんでしたけれども、公費負担医療の関係では直接そういったやり取りがないため矢印がございませんが、まさに政府工程表の中において医療機関と自治体の間を結ぶシステム構築は重要な分野の一つと考えておりまして、御指摘をいただきました発生届等々の書類につきましてもその射程に入っているということでございます。補足をさせていただきます。
○釣永委員 ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。実質上はそういった形ができているということで理解いたしました。
ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日予定していた全ての議題に関しましては終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきたいとは思いますが、何か事務局から補足すべきこと等はありますでしょうか。
○荒木感染症対策課長 事務局でございます。
本当に貴重な御意見、活発な御意見、御助言をいただき、ありがとうございます。
この結核部会自体、持ち回りが途中ではございましたけれども、平成30年の2月以降6年ぶりの開催ということでございますが、当時平成30年2月にこの入国前結核スクリーニングを入れるという方針を示していただきました貴重な部会でございますので、佐々木委員からもございましたように、結核に対応する医療機関、それに対する人材の育成の話、さらにまだ地域保健、保健所等の自治体におきましては、この結核の例えば接触者健診等も非常に大きな業務の一つと認識しておりますので、全体としてはどんどん新規発生者が減ってはいるところでございますが、新たな課題もございますので、ぜひ部会の先生方に貴重な御提案をいただきながら、我々は政策を進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○慶長部会長 事務局からはほかにはよろしいでしょうか。
○亀谷感染症対策課長補佐 委員の皆様、活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
本日の委員の皆様方の御意見を踏まえまして、進めさせていただきたいと考えております。
この後、事務局で記者様へのブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
また、次回の開催につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日はお忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
○慶長部会長 ありがとうございます。
皆様の御協力をもちまして円滑に議事が進行いたしまして、時間内に終わりました。
それでは、これをもちまして第12回「厚生科学審議会結核部会」を終了させていただきます。本日は誠にありがとうございました。