第2回新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチーム 議事録

日時

令和6年11月25日(水)14:00~16:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム B101
(東京都港区新橋1-18-1)

議事

発言内容

○新平精神・障害保健課課長補佐 ただいまから第2回「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチーム」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 障害保健福祉部精神・障害保健課の新平と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 また、本日は、吉川構成員が御欠席である旨、事前に御連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとしまして、総務省自治財政局準公営企業室の齋藤課長補佐に御出席いただいております。
 続きまして、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、資料2を配付いたしておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。

○尾形座長 こんにちは。
 それでは、早速第2回の議事に入らせていただきます。
 本日の議題は「とりまとめに向けた議論」ということでございまして、資料1として「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等について(案)」が示されております。
 それでは、まず事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。

○高宮大臣官房参事官 医療提供体制改革担当の参事官です。
 本日は、前回11月6日の検討プロジェクトチームの議論も踏まえまして、取りまとめの議論をお願いしたいと考えています。前回の資料のうち、精神医療を取り巻く環境や2040年を見据えた課題、それから、新たな地域医療構想における精神医療の位置づけなどの部分について、前回いただいた御意見なども踏まえて修正して報告書案の形にしたものが資料1になります。
 資料1、1番目が「はじめに」ということです。
 1つ目の○は精神医療に関することです。精神医療については、精神障害者の退院促進、地域移行・地域生活支援などといった施策を推進することで、「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的方策の実現が図られてきた。今後、2040年頃を見据えると、高齢化の進展等に伴い、入院患者数の減少、病床利用率の低下などが見込まれることから、上記の方策に基づく精神医療提供体制の確保・整備がこれまで以上に重視される。
 2つ目の○は新たな地域医療構想の検討に関する記述です。新たな地域医療構想については、新たな地域医療構想等に関する検討会において、2040年頃を見据え、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携などを含む医療提供体制全体の地域医療構想とする方向で検討が進められているところである。
 3つ目の○です。現行の地域医療構想では精神病床は将来の病床数の必要量の推計などの対象となっていないが、本プロジェクトチームにおいて新たな地域医療構想において精神医療を位置づける場合の課題などについて検討を行ったところであり、以下のとおり報告書として取りまとめる。
 2番目が「精神医療を取り巻く環境と2040年頃を見据えた課題」です。
 (1)これまでの精神保健医療福祉施策、我が国の精神保健医療福祉については、平成16年の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が示されて以降、様々な施策が行われてきた。
 2つ目の○で、精神入院医療の在り方については、平成26年の指針などにより、精神障害者の退院促進、地域移行・地域生活支援、精神科病床における病床の適正化・機能分化などを重要な方向性として位置づけ、施策が進められてきている。
 また、精神障害者などが地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構築し、重層的な支援体制を整備することが推進されている。
 これらの方向性に基づき、精神病床の適正化・機能分化、外来医療等の体制整備などが進められてきたところであるが、精神病床の現状などを踏まえ、この方向性をさらに明確化した上で取組を進めていく必要がある。
 (2)が精神医療を取り巻く環境です。1つ目の○は入院に関する記述です。精神病床は32.4万床、総入院患者数は約28.8万人となっている。疾患別では統合失調症などが最も多いが、減少傾向である。病床利用率も低下してきている。
 2つ目の○で、1年以上の長期入院患者については約17万人であり、新たな長期入院患者は毎年約3.5万人。精神病床における高齢化が進展している。
 3つ目の○は外来になります。外来患者数は約586.1万人、疾患別では気分[感情]障害などの順に多くなっている。65歳未満の患者の割合が多い。
 精神疾患を有する患者について、気分障害、発達障害、認知症が増加するなど疾病構造の変化が見られるとともに、身体合併症を有する者も増加している。
 (3)2040年頃を見据えた課題です。2040年頃を見据えると、精神病床における高齢化の進展等に伴い、入院患者数の減少や病床利用率の低下がさらに見込まれる。精神病床の適正化を進めつつ、効率的な精神医療提供体制を確保する必要がある。
 2つ目の○で、入院患者増や疾病構造の変化が見込まれており、急性期、回復期といった精神入院医療の機能を強化するため、精神病床の機能分化・連携、一般医療との連携体制の強化を進める必要がある。
 さらに、疾病構造の変化等により、精神科外来患者が増加傾向にあることを踏まえ、救急医療を含む一般医療との連携体制の強化、外来・在宅医療提供体制の整備がこれまで以上に重視される。
 4つ目の○で、精神疾患の医療提供体制については、「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念を掲げ、多職種・多機関の有機的な連携体制の構築を重要なものとして進められてきているところ、さらなる地域移行に向けた取組を推進するため、精神医療と一般医療を合わせた医療提供体制全体の議論を進めていく必要がある。
 3ページ、3番目が「新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」になります。以下の観点から新たな地域医療構想に精神医療を位置づけることが適当であると考えられる。
 1つ目の○は新たな地域医療構想の観点になります。新たな地域医療構想においては、2040年頃を見据え、入院医療だけでなく、外来・在宅医療介護との連携などを含む医療提供体制全体の地域医療構想として、医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築するよう検討が進められている。具体的には、地域の医療提供体制全体の新たな地域医療構想として、病床機能だけでなく、医療機関機能に着目した医療提供体制の構築を進める。二次医療圏を基本とする構想区域や調整会議の在り方を見直す等の検討を行っており、地域の医療提供体制全体の中に精神医療も含めて考えることが適当である。
 2つ目の○です。精神保健医療福祉において「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念に基づき取組を進める中で、新たな地域医療構想において精神医療を位置づけることにより、以下のような意義が考えられる。
 4つ矢印を書いています。医療法の地域医療構想の対象に精神医療を追加することにより、一般医療を含めた地域の関係者が入った協議において、精神病床等の適正化・機能分化の方向性が明確化されるとともに、具体的かつ実効的な取組の推進が期待される。
 2つ目の矢印が、精神病床数の必要量を推計することにより、中長期的な精神医療の需要に基づき、計画的かつ効率的に地域の精神病床等の適正化・機能分化を進めることができる。また、病床機能報告の対象に精神病床を追加し、病床機能等を見える化することにより、データに基づく協議・検討が可能となる。
 3つ目の矢印で、精神医療に関する地域医療構想調整会議の開催、一般医療に関する地域医療構想調整会議への精神医療関係者の参画により、精神病床等の適正化・機能分化や、地域における精神・身体双方の対応が可能な病院、精神科単科の病院、診療所の役割分担の明確化と連携、精神科に係る外来医療提供体制の確保、精神科の在宅医療提供体制の確保、身体合併症患者への対応等における精神医療と一般医療との連携等の推進が期待される。
 前回のプロジェクトチームで、総合病院の精神科あるいは精神病床の重要性というような御指摘がありましたので、精神・身体双方の対応が可能な病院、精神科単科の病院、診療所の役割の明確化、連携という記載を追加しています。
 4つ目、一番下の矢印です。地域医療構想の実現に向けた財政支援や都道府県知事の権限行使により、精神病床等の適正化・機能分化を推進することが可能となる。
 4ページ、4番目、「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等」です。以下の内容について、法律改正で対応することが考えられる。
 ポツを5つ置いています。
 精神病床においても、将来の病床数の必要量を定める。
 精神病床においても、病床機能報告として病床機能の現状や今後の方向等の報告を求める。
 精神医療においても、構想区域・協議の場を設定する。
 精神医療においても、都道府県の知事の権限の対象とする。
 新たな地域医療構想において検討中の医療機関機能や外来・在宅医療の対象化などについて、精神科医療機関や精神医療も対象とする。
 2つ目の○で、上記の具体的な内容、病床数の必要量の推計方法、精神病床の機能区分、病床機能報告の事項、それから、前のページで精神医療に関する地域医療構想調整会議の開催という記述がありますが、精神医療の構想区域あるいは協議の場の範囲。参加者、それと精神科医療機関の医療機関機能などについては、法律改正後に施行に向けて、必要な関係者でより具体的に議論した上で定めることが必要であり、精神医療に係る施行には十分な期間を設けることが必要になると考えられる。
 その下、また2つ○を書いています。前回のプロジェクトチームでの御指摘も踏まえて記載をしています。
 新たな地域医療構想を各地域で検討していくに当たっては、自治体内での医療担当部局と障害福祉担当部局などの連携といった体制整備、一般医療を含めた地域の関係者が入った協議の推進などにより、精神医療を含む地域の医療提供体制について包括的な検討を行うことが重要である。
 最後の○で、精神医療について、新たな地域医療構想の対象に位置づけるに当たっても、引き続き精神障害にも対応した地域包括ケアシステムなどの考え方との整合性を取ることは重要であり、特に保健・福祉・介護分野との連携を強化していくための取組や医療の質の確保を進めていくことが重要であるとしています。
 以上になります。

○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、皆様から御意見、御質問等を承りたいと思います。
 櫻木構成員、どうぞ。

○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 短い時間でよくまとめていただいたと思って、感謝いたします。
 おおむね方向性については異論ありません。
 幾らか細かいところで確認をしたいことがありますので、お答えいただければありがたいと思います。
 1つ目ですけれども、先ほどお話があったみたいに、総合病院あるいは単科の精神科の病院、それから、精神科のクリニックの役割分担ということが必要になってくるということですけれども、例えば具体的に言うと、一般医療などだと外来機能の報告制度あるいはかかりつけ医機能の報告制度というようなことがありますけれども、精神についてもやはり同じような手法というのを考えておられるかどうか、お伺いします。
 それから、それとも関連がありますけれども、医療機関機能は親会のほうの検討会ではかなりいろいろな意見が出て、これからまとめていかれるのだと思いますけれども、精神に関する医療機関機能、4ページの1つ目の○の5番目のポツのところ、今後法律改正によって対応するというところの一番最後のところですけれども、新たな地域医療構想において検討中の医療機関機能というようなものも、精神科医療機関や精神医療を対象とすると。親会のほうでは、この間などもかなり活発にいろいろな御意見が出ていて、なかなかそれをまとめるのは大変かなと思ったのですけれども、精神についてもその対象とするということですので、どういった段階でそのことが問題になってくるのか。
 今の医療機関機能でいうと、専門等のところに精神が入るのではないかということですけれども、全体の法改正で対応していくということになると、割とそれ以外の地域ごとのあるべき問題であるとか、あるいは大学病院機能を想定した医育であるとか、あるいは医師の派遣といった2段階の構造になっていますよね。それを精神も同じように考えていくのかどうか、お伺いをします。
 それから、3つ目、これも4ページの2つ目の○のところ、精神医療に係る施行には十分な期間を設けることが必要になると考えられる。これはどのぐらいのスケジュール感で、どういうふうに進めていかれることを考えておられるのか。この前の話だとガイドラインを作っていくみたいな話も聞いたのですけれども、それについて御説明いただければと思います。
 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。
 3点ほど御質問かと思いますので、事務局、お願いいたします。

○高宮大臣官房参事官 1点目の御質問が、精神医療についても外来機能報告あるいはかかりつけ医機能報告などの対象になるかというような御質問でした。
 まず、精神医療を新たな地域医療構想に位置づけるとした場合には、精神病床についても病床機能報告の対象になるということだと考えています。現行の制度ですと、病床機能報告の対象になる医療機関については、外来機能報告も行うこととなっています。また、新たな地域医療構想では、外来も含めた医療提供体制全体を対象として検討しているということから、基本的に精神医療を新たな地域医療構想に位置づけるという場合には、精神病床を有する医療機関についても外来機能報告の対象に含めるというようなことが基本になってくると考えています。
 かかりつけ医機能報告は、報告する対象の医療機関は特定機能病院を除いた、あと、歯科の医療機関を除いた医療機関は報告の対象になるというような内容ですので、地域医療構想の対象にするかしないかにかかわらず、精神医療機関もかかりつけ医機能報告の対象にはなっていると考えています。
 それから、精神科医療機関の医療機関機能の区分についての御質問でした。医療機関機能を報告する医療機関についても、基本的には病床機能報告を行う医療機関が報告をするというようなことを考えています。ですので、精神医療を新たな地域医療構想に位置づけて、精神病床を有する医療機関が病床機能報告を行うということになれば、精神科医療機関についても医療機関機能の報告を行っていただくということになろうかと考えています。ですので、新たな地域医療構想に精神医療を位置づける、精神病床が病床機能報告の対象になるということとセットで精神科医療機関の医療機関機能の報告も行っていただくということかなと考えています。
 ということで、精神医療を新たな地域医療構想に位置づける具体的な施行に向けた議論を行う際に、精神科医療機関の医療機関機能の区分をどうするかということも具体的に検討していこうということかと考えています。今、一般医療のほうで検討中の医療機関機能とはまた議論、検討するスケジュールがまた変わってくると考えています。
 その上で、精神医療を新たな地域医療構想に位置づける施行の時期です。こちらについては、報告書のほうにも書いてあるとおりに新しく検討しなければいけない事項がかなり多くなっています。なので、施行に向けて十分に時間を確保した上で検討ができるようなスケジュールを考えたいと考えています。現時点でいつになるかというものを申し上げられるものはないということです。
 以上です。

○尾形座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。

○櫻木構成員 ありがとうございました。
 かかりつけ医機能の報告制度とか外来機能の報告制度については、精神に対しても十分な周知をお願いしたいと思います。今の段階では対象になるのかならないのか全くはっきりしないという部分がありましたので、今の段階ではなかなか難しいのかなと思います。周知をお願いします。

○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、北村構成員、どうぞ。

○北村構成員 公的病院精神科協会の北村です。
 今ほどのかかりつけ医機能の報告ですけれども、僕もこれは前から不思議というか、報告したらいいのか悪いのかと思っていたのですが、報告しなければいけないということで分かりました。
 それはいいのですが、もう一方で、かかりつけ精神科医という言葉が、もう一つの在り方検討会などでも話をしておりまして、いわゆる一般科のかかりつけ医と精神科かかりつけ医というのはニュアンスがちょっと違うと思うので、精神科のほうは名前を変えていただくか、さらに一般科よりもより広い意味で福祉とか保健とか介護とかの連携が必要になって、患者さんを中心としていろいろな多職種が集まる中核となるようなかかりつけ医というふうに思っていますので、何という名称がいいのかよく分からないのですけれども、その辺も混乱しないようにぜひ検討していただきたいと思います。
 今言うべきことか分からないのですけれども、そういうかかりつけ精神科医みたいなものができると、当然地域の中で後方支援の役割が必要なわけで、そこが特に単科の精神科病院などの役割になるのではないかなと思います。そのときに、各論の話になってしまいますが、今年から新設された精神科地ケア病棟はそういう意味では非常に使い勝手がいいというか、再入院とかも自由にできるし、イメージとしては介護保険制度の地域密着型サービスの小規模多機能施設みたいな形でそれが生かせれば、その病院から訪問看護に行ったり、その病院のデイケアに通所したり、あるいは調子を崩したときにショートステイ的にしばらく入院するみたいにして、地域にそういう病棟があれば、当然、入院の形態もそういう場合は任意になりますから、ほとんど非同意入院ではなくても、病状が深刻に悪化する以前に任意入院して短期間で退院できるみたいな非常にいい取組になるのではないかなと思っているのですが、そういうふうにして考えたときには、精神科の圏域が、今、ほとんどの場合、精神科救急医療は石川県でも全県1区になっておりますけれども、こういう地ケア病棟などを中心として考えたときにはもっと小さい単位で、でも、精神科の病院は偏在しておりますから、二次医療圏に単純に当てはめるという話にもならないような気もしますので、その辺りも含めて、今後は、精神科救急は今の体制の維持でいいと思うのですけれども、より「にも包括」に密着したかかりつけ精神科医を中心とした後方支援病棟としての地ケア病棟みたいなものを考えたときには、その圏域も少し細かく考えるようにしたら、そういうのを各県で協議すればいいのではないかなと思います。
 そうしますと、全体の一般医療の中でそういう話までできませんから、ここにも書いてありますけれども、精神は精神でまとめて、保健も福祉も入れた調整会議みたいなものが要るのかなと思います。
 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。
 御意見ということですが、何か事務局のほうでコメントがあれば。

○小林精神・障害保健課長 今、北村構成員のほうから何点か御指摘いただいたところでございます。これまで精神医療の領域で課題となってきた論点であると認識していますが、今回のプロジェクトチームは、まずは制度化することの必要性をお認めをいただいて、また、各論については、4ページの2つ目の○にございますように、様々な論点について今後議論が必要なところかと考えてございます。
 二次医療圏か全県単位でいいのかどうかという点もございましたけれども、これは精神医療の構想区域の範囲ですとか、また、協議の場でもどういった方々に入っていただくかという点も論点になってまいりましょうし、病床の機能とか外来との関係、役割についてもいずれも重要な論点だということで、今後具体化する段階においてまた議論を深めていければと考えてございます。ありがとうございました。

○尾形座長 北村構成員、よろしいでしょうか。

○北村構成員 どこかにちらっと書いておいてくれればよろしいので、そんな方向で話が進んでいけばいいかなと考えております。
 以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 家保構成員、どうぞ。

○家保構成員 衛生部長会のほうから来ました家保です。
 大筋の流れとして非常によくまとまっておりますし、医療政策全体の中で従来から触れてこなかった精神等についても、統括的に都道府県知事の立場で全体調整しようというのは非常にいい考え方だと思います。
 ただ、地域の医療提供体制全体を考えるというときに、3ページの2つ目の○の3つ目の矢印のところで、一般医療に関する地域医療構想調整会議への精神医療関係者の参画という文言と、精神医療に関する地域医療構想調整会議の開催ということで、全体をまとめる割には縦割りだなと正直感じてございます。
 今までのところでも、県全体の調整会議、それから、二次医療圏ごとの調整会議、また、広いところになりますと、それにもう少し区分をかけたような調整会議ということで、都道府県がおのおのの状況に応じて調整会議の在り方をかなり工夫しております。
 ですので、4ページの1つ目の○の3つ目のポツですかね。精神医療においても構想区域とか協議の場を設定する。これは大事なことだと思いますけれども、どういう在り方をするのかというのは、正直都道府県のほうにお任せいただいて、全体として一本の地域医療調整推進会議というのを法律上立地していただいた上で、おのおの分科会のような形で地方に任せていただくほうがやりやすいような気がいたします。
 正直、北海道のような広大な地域と首都圏のようなところでは運営の仕方が大分違ってきますので、この報告書の時点で精神医療に関する地域医療構想調整会議の開催といいますと、設置するということが多分都道府県のほうに明示するような情報に流れていってしまって、後々いろいろなところでいろいろ疑問が出てくるところがありますので、その辺りが、全体としての中で議論をして分科会の設置とかそういうような記載のほうに変えていただければ、こちらとしてもありがたいと思います。
 国として2つの調整会議を法律上つくるという方針であるのだったら、それに対してまた法制のときに地方側としてもきちんと意見を言わせていただきたいなとは思います。
 以上でございます。

○尾形座長 今の御指摘についてはいかがでしょうか。事務局、お願いします。

○高宮大臣官房参事官 新たな地域医療構想の検討会の中でも、調整会議、協議の場について、現行の二次医療圏を中心とした協議の場のほかに都道府県全体の会議体のようなもの、それから、在宅医療に関してはより狭い区域での協議をする場というようなものを考えたほうがいいのではないかというような議論を行っているところです。
 今回の精神医療に関する協議をする場については、その中で県全体の協議をする場があって、その下に二次医療圏を中心とする一般医療の調整会議、協議の場があって、また、精神医療に関する協議をする場を設定するのかなと考えています。特に精神医療に関する精神病床の機能分化などの議論をする際には、一般医療とはまた異なる関係者も入れて協議をする必要があるのかなと考えますので、このように精神医療に関する調整会議の開催というような協議の場というものも必要かというような記載にしています。ただ、そこの都道府県が柔軟に設定できるような工夫というのは考えられるかなと考えています。

○尾形座長 家保構成員、どうぞ。

○家保構成員 精神医療に関しての関係者が集まって、特に入院の適正化とか病床機能の分化ということで議論するというのは非常に大事なことだと思います。ただ、それがそのまま県全体の構想会議に当てはまるのかというと、やはりちょっと違って、一般医科も踏まえて、県全体の構想会議は市町村の方とかいろいろな方が入っておられますので、それを踏まえて、きちんと県としての方向をつくるような段取りをするのが適当かなと思いますので、私のイメージとしては全体を取りまとめるための構想会議ということですので、できるだけその辺りは細かく丁寧に書いていただいて、どうしても単語が出てきますと、それで動いてしまうのではないかと。ただ、現状、都道府県は会議がすごく多いですし、来ていただいている先生方は重複している方がいっぱいいらっしゃいますので、できるだけ統合したり、整理したりしていますので、そういう点が動きやすいような、あまりここで方針を決めるような書きぶりはできたら避けていただきたいというのがお願いでございます。
 以上です。

○尾形座長 4ページの今御指摘の一番上の○の3つ目のところですが、これは協議の場を設けるという法律上の表現を書いているわけですね。具体的に各都道府県においてどういう形にするかというのは法律事項ではないという理解でよろしいですか。

○高宮大臣官房参事官 法律の条文の書き方になりますが、協議の場の具体的な設定については下位法令に記載する、規定するというような方法もあるかなと考えています。

○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 小阪構成員、どうぞ。

○小阪構成員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪です。
 当事者の立場から言葉を紡ぎたいと思います。
 新たな地域医療構想において精神科医療を位置づけるということについては、私たちの中で反対の意見はなく、賛成の意見なのですが、まさに本検討プロジェクトチームの名称にも取り入れられている「課題等に関する検討」という点で、資料1についてはいささか不十分な箇所もあるように思っており、追記いただきたいと考えていることがあります。
 まず1点目、2ページ目の(2)精神医療を取り巻く環境においての箇所に、精神入院医療における半数の患者は非同意入院による入院となっている等の文言を付け加えていただき、精神医療は単純に他科の医療と同一の基準で推し量れるべきものではないという点を示すべきだと思います。これについては、精神科医療の在り方を問うという目的ではなく、様々な社会的背景を基に現状はそうなっているという問題意識、課題意識の共有という趣意になります。
 2点目は、前回、精神科医療の質、言い換えればユーザーの満足度を考慮すべきものであるという点を私のほうから申し上げましたが、構成員の方々からは賛同いただく言葉はあれども、反対の御意見はなかったように思います。精神科医療の質を表すときに、現状でも様々な指標があることは存じ上げていますが、その中にユーザーの満足度も付け加えるべきものと考えます。
 その理由は大きく2つあります。
 1つ目は、前段でも申し上げましたが、様々な歴史的要因、社会的要因や偏見など、複合的理由によって非同意入院が5割となっている現状は国民医療としては望ましい姿ではないと思います。その中でも、よりよい精神科医療を提供しようとしている精神科病院とそうでない病院の病床を同一化しては、正しく資源として分析できないのではないかと考えます。
 2つ目は、精神科医療の場合、寛解することもあるかと思いますが、多くの場合、かなりの期間、精神科医療を受け続ければならないですし、一生付き合っていく方もいらっしゃると思います。つまり、他科と違って、治療を終えるという分かりやすい目標を得づらいと思います。だからこそ、精神科医療においてはユーザーの満足度という指標はとても重要で、この機会に具体的に取り入れることを検討すべきだと思います。
 以上を踏まえて、4ページ目の「4.新たな地域医療構想において精神科医療を位置付ける場合の課題等」の○の後に続いている黒ポツ2点目に記載のある「診療実績等を見える化し」の箇所について、以下のように修正いただきたいと思います。「診療実績や精神病床を取り巻く環境から、ユーザーの満足度等を見える化」と修正いただくことを御検討いただきたいと思います。
 また、最後の○に記載のある医療の質の確保は、特出しで別の○で記載いただきたいと思います。多くの精神医療機関や精神科医の方々、看護士の方々は、患者さんのために医療を提供している。そういった医療を目指していらっしゃると思っています。患者さんから感謝される精神科医療や精神科医療従事者の方は、とても多くいらっしゃると思います。そのことに触れつつも、医療の質、私はここではユーザーの満足度という点を強調したいのですが、その確保も併せて進めていくべきという文言を入れ込むことが、将来の我が国の精神科医療の在り方を考える際に非常に有効だと考えます。
 以上になります。

○尾形座長 ありがとうございました。
 修文について幾つか具体的な御提案がありましたけれども、これにつきまして事務局の見解はいかがでしょうか。

○小林精神・障害保健課長 質の件について御指摘いただいたところでございまして、現行は4ページの一番最後のところに質のところも触れて、医療の質の確保を進めていくことが重要だということを記載させていただいているところでございます。それに関して、さらに項目を変えるべきだという御指摘だと認識をしてございます。
 あと、ユーザーの満足度といったところも御指摘いただきましたけれども、これは広い意味では質の話かなと思いますけれども、全体の扱いについては、構成員の御指摘を踏まえてもう一度検討させていただければと思ってございます。

○尾形座長 よろしいでしょうか。
 それでは、藤井構成員、どうぞ。

○藤井構成員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
 私のほうからは、全体的なところでは賛同させていただきます。この短い時間に意見をほとんど入れ込んでいただいて、非常にきれいにまとめていただいていると思いました。
 ちょっと気になるところというか、質問が幾つかあるのですけれども、前回も意見として申し上げました、身体合併症といいますか、身体と精神と両方に対応する必要がある患者さんに関して、3ページのところにも精神・身体双方の対応が可能な病院ということで入れ込んでいただいて、ありがとうございます。
 ここのところなのですけれども、精神・身体双方の対応が可能な病院や単科の病院、診療所の役割の明確化と連携となっているのですけれども、身体・精神の双方に対応が可能な病床に関しては、その前の精神病床等の「等」に入っていくのでしょうか。というのは、いわゆる総合病院の精神科の病床が今かなり減ってきていて、地域ではそのような方への対応がなかなか難しい状況というのがあるかと思うのですけれども、そのような状況を鑑みると、精神・身体の双方の対応が可能な病床に関しても適正化をしていくということが必要になってくるかと思いますので、この精神病床等の中にそのような病床も入っているのかどうか。もし入っているのであれば、明示的に書いていただいたほうがよろしいのではないかなと思いまして、その点のお伺いです。
 もう一つ、先ほど小阪構成員がおっしゃった医療の質の点に関しては、法律のところに書き込むのは難しいかと思うのですけれども、4ページの最後の○に医療の質の確保とせっかく書いていただいているので、そのときに当事者の視点から見た医療の質ということも書いていただけるといいのかなと思いました。というのは、今まで多くの場合、医療の質というのは医療提供者側から見た医療の質を評価することが多かったわけですけれども、前回、北村構成員からもお話がありましたように、当事者側から見た医療の質を確保しようという動きが進んできていますので、医療の質というのをもう一歩進めていただいて、当事者側から見たというようなことも将来的な課題として入れ込んでいただくといいのかなと思いました。
 以上です。

○尾形座長 1点御質問と1点御意見かと思いますが、事務局、いかがでしょうか。

○高宮大臣官房参事官 身体合併症の対応を行う精神・身体双方の対応が可能な精神病床のことを御質問されたのでよろしいでしょうか。

○藤井構成員 精神病床等の適正化と書いていただいているのですが、この精神病床等の中には精神・身体双方に対応可能な病床のことも入っているのかどうかという質問です。

○高宮大臣官房参事官 精神病床には身体合併症への対応ができる精神病床も当然定義からは入るものだと考えています。その際、全て適正化ということではなくて、機能分化を行っていくというような趣旨で、ここは適正化・機能分化というので記載をしていますという趣旨です。

○藤井構成員 ありがとうございます。
 量的なところで、精神と身体と双方に対応できる病床の数自体が非常に減ってきているという状況があるので、量的なところも適正化ということに含まれるという理解でよろしいでしょうか。

○小林精神・障害保健課長 今、3ページの下から2つ目の矢印のところの上から2行目の精神病床等の適正化・機能分化についての御指摘かと考えてございますけれども、病床の在り方について、精神病床等の適正化と機能分化の論点がございまして、機能分化に関する論点として、身体合併症を持つ方に対する治療は重要であるという認識で記載しているところでございます。
 それから、この後の地域における精神・身体双方の対応が可能な病院というのは分かりにくい部分もございますけれども、その後の精神科単科の病院の対義語といたしまして、いわゆる総合病院のことを指して記載しているものですが、総合病院は行政用語ではございませんので、意味するところは精神疾患と身体疾患の両方を診ることができる病院ということですので、藤井構成員がおっしゃっているところの総合病院の重要性はここでもしっかりと問題認識として記載していますので御理解いただければと思います。

○藤井構成員 ありがとうございます。
 そこは読み取ろうと思えば読み取れるけれども、まだまだ明示的に書かれていないところがあるので、もう少し分かりやすくしていただけると、後から読み返したときにここに総合病院の精神科のことが言われているのだということを誰が読んでも分かるように書いていただいたほうがいいのかなと思いました。
 あと、細かいところなのですけれども、同じ3つ目の矢印で、身体合併症患者への対応等という表現につきまして、身体合併症というのは精神の側から見たときに身体合併症と言うわけなのですけれども、実際には身体科に入院している方で、身体科では対応し切れないような精神症状を呈する方がいらっしゃった場合に、精神のほうで一緒に対応するということが行われています。それが総合病院精神科の中だけではなくて、精神科病院からの対診のような形で対応したりということも実際に行われているので、しない合併症患者というと精神の患者さんが身体疾患を合併した場合のみという印象を与えるので、そこは精神の患者さんがしない疾患を合併した場合だけではないということが分かるように書いていただけるといいのかなと思いました。

○小林精神・障害保健課長 御指摘の点、書きぶりについては検討させていただきます。

○尾形座長 よろしいでしょうか。
 岩上構成員、どうぞ。

○岩上構成員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。
 先ほど小阪構成員がユーザーの満足度と質の問題を書いてほしいと言ったときに、歴史的背景もあるのでという話があって、そこは非常に重要ではないかなと思います。ユーザーの満足度と言ったら幅が広いので、なかなか書きづらい文言だと思いますから、そこは御検討いただきながら、質の確保のところにやはり当事者としてのというのは入れていただくといいかなと私も思います。
 というのも、小阪構成員と今日ここで会ったときに、検討会も随分何回もいろいろ出てきたけれども、もっといろいろ対立することが多いのかと思っていたけれども、みんなで良質なことを目指していけるのだということが分かったという発言をされていたときに、やはり精神科医療の課題はまだまだ国と病院が悪いということを背負ってきているのが大いにあるのです。その中で、当事者としてここに出るに当たっても非常にプレッシャーも大きくて、その中で、国の中に入ると御用ユーザーみたいなことを言われたり、これは事実としてありまして、そんなことがある中で同じ方向を見てやっていけるというのは非常に重要で、それは地域の医療の在り方の中でも同様のことが言えると思います。そういった背景の中での発言ではないかと思うので、私も賛同したいと思っています。
 今回、精神障害にも対応した包括ケアシステムの考え方との整合性という話も入れていただきましたので、それはかなり国としても力を入れていただいていて、その包括ケアシステムの中でも協議の場がありまして、家保構成員がおっしゃったように、様々な協議の場があるので、国のほうでも医療計画をどう作成しているのかとか、どういう審議会でやっているのかという都道府県の状況も確認をしていただけるといいと思っています。
 今回、地域医療構想に入るに当たり、精神医療を位置づける課題ということでのプロジェクトチームになりますけれども、ここ数年、やはり厚生労働省がしっかり様々な課題に対して対応してきていただいたことを私は評価したいと思っています。先ほど北村構成員からもありましたように、地域ケア病棟とか、あるいは市町村で精神保健を位置づけるであるとか、外来機能の強化であるとか、入退院支援加算とか診療報酬上も様々評価をしていただいていることがあり、この地域医療構想に乗せることへの弾みになると思っています。
 1点、特に取りまとめということではないのですが、最後の保健福祉介護分野との連携強化の中で、保健は市町村にしっかり位置づけて今後も推進できると思っています。福祉は障害福祉分野がしっかり基幹相談支援センター、地域生活支援拠点等、そして協議会ということを法律上も位置づけていただきましたので進むと思うのですが、私が懸念しているのは、社会・援護局でやっている重層的支援体制整備事業との連動性が非常に悪いということです。福祉で物事を解決しようというスタンスで進んでいるので、その基盤として保健と医療との位置づけが、社会・援護局でも検討会を進めていると思うのですが、どうもそこが隠れてしまっています。重層的支援体制整備事業で困難事例に当たるのは精神障害領域が6割、7割という統計が出ているのです。にもかかわらず、そちらのほうでは精神保健をベースとしたという議論が全く進んでない。これについてはしっかり障害保健福祉部として取り組んで、社会・援護局と調整をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 以上です。

○尾形座長 これは御要望として承りますが、何か事務局のほうでありますか。

○小林精神・障害保健課長 御指摘を踏まえて、しっかり対応していきたいと考えてございます。

○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、どうぞ。

○江澤構成員 ありがとうございます。
 本日の取りまとめ案につきましては賛成でございます。
 特に4ページの課題については、今後、時間をかけた丁寧な議論が必要だと思います。
 本日の資料でもありますように、精神病床数は経年的に減少傾向で、病床利用率も低下傾向、平均在院日数も短くなってきております。精神科の病院数自体は微減しています。一方で、精神科の診療所は近年増加傾向で、特に関東、関西の支部においては、人口当たりの精神病床数は少ない一方で、人口当たりの精神診療所の数はかなり増えてきているのが実態であります。
 要は、各地域においてかなり既存の社会資源が異なっていますから、そういった既存の精神分野の医療機関において、どういった患者さんがどういう治療をどこでどう受けているかという実態を把握することからまず始めるのが重要であって、特に地域包括ケアシステムの考え方においても、まずは既存の社会資源を有効活用するということが基本になりますので、しっかりと十分に時間をかけるということですので、じっくりと丁寧な議論を今後期待しております。
 また、精神医療の特性として、構想区域についても、先ほど御意見がありましたようにより弾力的に設定することが必要ではないかと思います。
 また、基準病床数の算定式に用いられている政策効果に関する係数についても、今後、実態を踏まえて、見直しが必要かどうかの検討も必要性があるかと思います。
 最後に、一般の新たな地域医療構想と同様に、現在、各医療機関は大変厳しい経営状況下に置かれております。医療機関が倒れては提供体制はなくなってしまいますので、しっかりと一般の新たな地域医療構想と同様に、健全経営の担保も踏まえた議論もしていくべきだと思っております。
 いずれにせよ、今後の丁寧な議論が必要と思っておりますし、そこには期待をしているところでございます。
 以上でございます。

○尾形座長 どうもありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 小阪構成員、どうぞ。

○小阪構成員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
 岩上構成員から御用聞きユーザーみたいなお話があったのですが、僕も当事者の仲間から教えてもらってびっくりして、そんな批判を受けるのだなと思って、名誉のために発言したいと思うのですけれども、当事者を優先しないで、例えば精神障害保健課の方たちに慮って発言をしないなんてことは決してなくて、議論の仕方として対立構造はなるべく避けていますけれども、言うべきことは言ってきたと思っているので、そこは改めて申し上げておきたいなと思いました。
 医療の質の確保について藤井構成員と岩上構成員からお言葉をいただきまして、ありがとうございます。私、医療の質の確保という言葉の使い方に違和感を覚えているのです。つまり、これだとやはり責任を負うのが精神科医療機関ではないかというふうに読んだ人に誤解を与えるのではないかと思っているのです。僕は決して精神科医療機関にだけ努力を求めるという話をしたいわけではないのです。今でも未治療の方は精神領域ではたくさんいらっしゃるのです。何でかというと、精神科だけには行きたくない。あるいは精神科に行ったけれども医療中断して、もう二度と精神科に行きたくない。こう思わせているのは何か。別に精神科医療機関だけが悪い話ではなくて、社会的ないろいろな要素があって、やはり当事者の声、先ほど申し上げましたけれども、寛解しづらくって一生付き合っていかなくてはいけない病気であるというところで、医療従事者も患者側も目標設定がしづらい中で、最も有効な指標になり得るのがユーザーとして利用している気持ち、満足度なのではないかと思うのですよね。それをきちんと聞くべきだと思うのです。そういったことを申し上げたかったということを付け加えさせていただければと思います。
 以上になります。

○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、私から1点質問なのですけれども、2ページの(3)の2040年頃を見据えた課題の2つ目の○のところですが、そこの2行目に「精神科病院の構造改革」と書いてあるのですけれども、これはどういう中身なのでしょうか。私、この辺は素人なのでよく分からないのですが、かなり強い言葉が書かれているように思うのです。これはどういう内容なのでしょうか。
 

○小林精神・障害保健課長 事務局でございます。
 資料2を御覧いただければと考えてございますけれども、資料2の17ページをお開きください。
 これは平成16年に、当時、厚生労働大臣を本部長といたします精神保健福祉本部という省内の会議体がございました。報告書案の中でも「入院医療中心から地域生活中心へ」という言葉が「はじめに」のところで、あるいは2章で出てきてございますけれども、この概念は改革ビジョンの中で提唱されましたが、国民の理解が必要である。それから精神医療の改革をしていく。あるいは地域生活支援を強化していく、地域の福祉サービスの基盤を強化していくという考え方に立ったものでございます。
 この精神医療の改革については、平成16年の議論を踏まえ、次の18ページは平成26年当時の資料でございますけれども、構造改革によって実現される病院の将来像ということで、急性期と回復期、慢性期といった役割分担、機能分化を進めていく。できるだけ早期に退院していけるような医療体制を構築していく。マンパワーとか資源の選択と集中を図っていくというような考え方で当時使われていた用語でございます。この考え方をさらに一層進めていくという認識で記載しているところでございます。

○尾形座長 分かりました。構造改革と呼んでいるわけですね。ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 ほかに御意見がないようですので、そろそろまとめに入りたいと思います。
 本日は様々な御意見をいただきました。事務局からお示しいただいた案については、何点か文章の修正ということについて御意見、御要望を頂戴いたしましたけれども、全体として大きな異論はなかったのではないかと思います。
 本日の御意見を踏まえた具体的な文言の修正につきましては、事務局と相談し、所要の修正を行いたいと思いますが、最終的には私、座長預かりという形にさせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(構成員首肯)

○尾形座長 ありがとうございます。それでは、そのように取り扱わせていただきたいと思います。
 なお、本検討プロジェクトチームの検討結果につきましては、新たな地域医療構想等に関する検討会のほうに報告をさせていただきたいと思います。
 本日の議論は以上でございます。
 最後に事務局のほうから何かございますか。

○新平精神・障害保健課課長補佐 本日はありがとうございました。
 最後に、野村障害保健福祉部長から御挨拶させていただければと思います。

○野村障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の野村でございます。
 本日はお忙しい中、御参集いただきましてどうもありがとうございました。
 おかげさまで、先般の第1回に続きまして、この検討プロジェクトチームということで、時間的制約もある中ではございましたけれども、参加の構成員の方々からは真摯かつ多様な観点からの御意見を、いただけました。
 今回、地域医療構想の中で精神医療をどのように位置づけて、そして、どういう課題を整理していくのかということに併せて、さらに御意見の中では、実際に医療構想の中に入れるとなった後にどういうことを考えていかなくてはいけないのかということも含めて、いろいろな御提案といいましょうか観点といったものを御提供いただいたのかなと考えております。
 そうした議論を経まして、今し方、尾形座長御一任ということでおまとめいただきましたこと、誠にありがとうございます。
 先ほど尾形座長からも御紹介がありましたように、おまとめいただきました報告書につきまして、新たな地域医療構想に関する検討会のほうに御報告をさせていただいた上で、今回の地域医療構想についてどのように見直しをしていくかと。これ以外にもいろいろ論点がございますから、そういった中で御議論をして、成案といいましょうか、法改正案といったところへ行きたいと思います。
 さらに言えば、この1回目、2回目いずれの議論でも構成員の皆様方から御指摘がありましたように、法律という大きな枠組みをどうするかということに加えて、その後どう実行していくのか。協議の持ち方から、さらには具体的な中身としてどうするのか。さらに言えば、地域医療構想で全てのものが完結するわけでは恐らくないというのは精神の世界でもそうだと思いますが、そうすると、地域医療構想というものを回しながら、一方で関連する施策としてどうするのか。私ども、障害のほうで在り方検討会というものをやっていますけれども、こういった中で一体どういった施策を組み合わせて地域の姿をつくっていくのかということも考えていかなくてはいけない点かなと思いますので、少なくとも今回のこの地域医療構想の精神医療を位置づけるに当たって課題については、今回整理していただきました課題報告書を基に、さらに法改正の中身を検討するとともに、その後どのような形で地域医療構想を回していくのかということについて、事務局としても知恵を絞っていきたいなと。そして、また丁寧に検討していきたいなと考えております。
 構成員の皆様方におかれましては、本当にお忙しい中、お時間を割いていただきまして、また、それぞれ多種多様な御経験豊富な観点から様々な御意見、留意点をいただきましたことに改めて心より感謝を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

○尾形座長 本日の議論は以上でございますが、2回という非常に限られた時間ではございましたけれども、皆様大変前向きに捉えていただいて、積極的な御意見を多々頂戴したことを座長として感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 本日の議論は以上でございます。
 皆さん、大変御多用の中、御参集いただきまして、熱心な御議論いただきまして、ありがとうございました。
 これをもちまして、第2回のプロジェクトチームを閉会といたしたいと思います。