2024年11月26日 第73回厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会・第4回社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(合同開催) 議事録
日時
令和6年11月26日(火)16:00~18:00
場所
AP虎ノ門 C+Dルーム(11階)
議事
- 議事内容
- ○島田難病対策課長補佐 それでは定刻となりましたので、第73回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」と第4回「社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会」の合同委員会を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、本日は一部の委員の方にはオンラインにて参加いただいております。
なお、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わずに、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
オンライン参加の方は、「手を挙げる」ボタンを押していただき、御発言される場合には、まずお名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら、再びミュート状態にしていただくようお願いいたします。
本日の出席状況を御報告いたします。石原委員、倉知委員、滝田委員、錦織委員、吉川委員、和田委員、館林委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、家保委員、西村委員におかれましては遅れて参加される旨伺っております。
本日、参考人といたしまして、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会の辻常務理事に御出席いただいております。
また、本日はオブザーバーとして、保険局医療介護連携政策課データ企画室、小菅企画調整専門官、大臣官房情報化担当参事官室、等々力室長補佐が出席しております。
続きまして、健康・生活衛生局局長の大坪より御挨拶申し上げます。
○大坪健康・生活衛生局長 皆様、遅い時間にお集まりいただきましてありがとうございます。前回に引き続きまして、健康・生活衛生局長の大坪でございます。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
日頃から先生方に様々御指導いただいておりますことを、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。
本日も、御案内のとおり、議事を2つ御用意しております。
1つは、難病・小慢の医療費助成制度に関しまして、PMHを活用したオンライン化を計画しているところでございます。御案内のとおり、12月2日、現行の健康保険証の新規の発行を終了させていただくこととしておりまして、マイナ保険証のほうに移行することとしております。これは難病に限らず医療保険全般の話ではございますけれども、この機会をいただきまして改めて御説明させていただければと思っております。
さらには、小慢・難病の医療費助成制度におきましても、オンライン資格確認の導入を検討しておりますので、また具体的な進め方や費用負担などにつきましては御相談させていただければと思います。
続きまして2つ目ですが、「既存の指定難病に対する医学的知見の反映について」であります。法制定当時からの基本方針に基づきまして、最新の医学的知見を踏まえた診断基準等々につきまして、アップデートをさせていただいているところであります。
既に認定を受けられた患者の皆様にも多少影響することもございますので、本日御議論の中では、そういった方には経過措置をさせていただきたいということを提案させていただきつつ、今後の見直しのあり方についても御議論いただければと思っております。
さらに、前回委員会で御報告する予定と申し上げておりました既存の指定難病の研究進捗状況の確認に関しまして、しばらくまだ情報収集を続けたいと思っておりますので、本日は議題としておりません。次回以降にお待ちいただければと思っております。
長丁場になりますが、どうぞ本日もよろしくお願いいたします。
○島田難病対策課長補佐 それでは、以降の議事進行につきましては花島委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○花島委員長 花島でございます。
それではまず、資料の確認をお願いしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。
○島田難病対策課長補佐 それでは、皆様、お手元の資料を御覧ください。配付資料といたしまして、議事次第のほか、資料1、資料2、参考資料1~3がございます。オンラインでの参加の方も含めまして、資料の過不足等ございましたら、挙手又は御発言いただければと思います。
○花島委員長 皆様、大丈夫でございましょうか。
それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
本日の1つ目の議事である「難病・小児慢性特定疾病医療費助成制度に関するPMHによる資格確認のオンライン化について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○島田難病対策課長補佐 委員長ありがとうございます。それでは、皆様、資料1を御覧ください。資料1「難病・小児慢性特定疾病制度に関するPMHによる資格確認のオンライン化について」でございます。
次のページをお願いいたします。
テーマは2つございまして、1つ目、医療保険一般のものですけれども、本年12月2日から現行の健康保険証の新規発行が終了しまして、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行いたします。この場をかりて制度について御説明申し上げます。
2つ目、公費負担医療の分野においても同様に、オンライン資格確認を導入することを検討しております。時期や費用など一部具体案は追って御報告いたしますけれども、本日は現時点での検討状況を御説明いたします。
資料3ページ目、お願いいたします。
マイナ保険証につきまして、これまで健康保険証で行っていた資格確認をマイナンバーカードで行う仕組みです。本年12月2日に現行の健康保険証の新規発行が終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行するという形になっております。
なお、その時点で有効な健康保険証は、その後も最大1年間有効という形になっております。
メリットといたしまして、過去のレセプト情報等を使って診療情報、あるいはお薬の情報、また特定健診等の結果を医師等が確認できるようになりまして、よりよい医療を受けることができるなどを挙げております。
次のページをお願いいたします。
具体的にどのように資格確認を行うかということで、マイナンバーカードをカードリーダーにかざして、確認できた場合は、濃い青の四角のところでございます。隣のマイナンバーカードを持っていない方の場合につきましては、健康保険証、あるいは2024年12月2日以降は資格確認書による確認という形になります。
何らかの事情でオンライン資格確認を行えなかった場合には右側になりますけれども、マイナンバーカードとマイナポータルの画面や資格情報のお知らせ等を組み合わせる方法などによって確認していただくという形になります。
5ページ目以降は参考になります。実際に顔認証付カードリーダーを用いて本人確認を行うプロセスをお示ししております。
6ページ目、受付いたしまして、本人確認、こちらで顔認証、あるいは暗証番号の入力という形になります。
7ページ目、お願いいたします。
こちらで診療情報の提供について同意いたしまして、受付完了という形になっております。
8ページ目お願いいたします。
今申し上げましたことをまとめたものになっております。マイナ保険証を使うことで、顔認証や暗証番号の入力による資格確認を行うことができます。また、こちらが万が一難しい場合においては、医療機関や薬局の職員による目視での本人確認を行うということも可能になっております。
右側、マイナ保険証を保有していない方につきましては、資格確認書が申請によらず交付されますので、こちらによる資格確認を行えることになっております。
また、マイナ保険証を保有している方であっても、マイナンバーカードでの受診等が困難な要配慮者の方に関しましては、申請によって資格確認書を無償で交付することができるという形になっております。
9ページ目と10ページ目は参考になりますので、11ページ目お願いいたします。
申し上げましたとおり、資格確認書の交付対象につきましては、上の段、マイナンバーカードを取得されていない方であったり、保有していても健康保険証の登録を行っていない方等につきましては、申請によらず資格確認書が交付される予定でおります。
また、マイナンバーカードでの受診が困難な要配慮者の方で申請された方につきましては、申請により交付されるという形になっております。
こちらの取扱いにつきまして、11月14日の障害者部会、また、こども家庭審議会の障害児支援部会合同会議におきまして皆様に御説明したところで、そちらにおいても、障害者の方から、場合によっては暗証番号の入力ができない、あるいは顔認証が難しい、カードリーダーの操作も使いづらいということで、そういった方々に配慮するような仕組みであったり、取扱いをお願いしたいというような声がありました。
また、暗証番号、顔認証の代わりに医療機関の職員による目視の確認をやっていただくということにつきましても、医療機関側での職員の周知がまだまだ十分ではないということで、各医療機関であったり、職員の周知・研修等を徹底してほしいというようなお声があったところです。
さらに、こちらの資格確認書の申請につきましても、障害者の当事者等が自ら申請する場合も含めて適切に申請が行えるような取扱いを周知してほしいなどのお声があったということを御報告させていただきます。
1つ目の話題につきましては以上になります。12ページ、お願いいたします。
公費負担医療におけるオンライン資格確認の導入について、現在の検討状況を御報告申し上げます。
次のページをお願いいたします。
こちらの資料、前回10月15日の合同委員会で御説明いたしました。前回は青色の申請手続の電子化、オンライン申請等に関する部分と、緑色のデータベースを使ったデータの二次利用に関する部分を御説明申し上げました。今回、真ん中のところでございます。
今申し上げましたとおり、医療機関のほうで患者様がマイナ保険証をかざしていただくことによって、難病・小慢の医療費助成の資格確認もできるということを検討しております。また、難病・小慢に独自のものといたしまして、上限額管理を行っていたり、軽症高額該当者の判定ということもこちらの仕組みを使って効率化できるようになるのではないかと考えておりますので、そちらについても検討しているところです。
15ページお願いいたします。
全国医療情報プラットフォームの全体像のイメージということで、これまでの御報告の全体像です。左側、オンライン資格確認等システムと書かれている青いところで、こちらを使っているシステムが今申し上げました健康保険証の代わりにマイナンバーカードを使った資格確認を行うものになっております。
また、下側のピンク色のところで、二次利用基盤と書いてございまして、様々なデータベースを解析基盤で適用できるようにするという将来像が書かれておりますけれども、こちらは10月15日の仮名化情報の活用のところで御説明した部分になっております。
赤枠で囲われているところです。こちらのPMHというところ、こちらが医療機関と自治体を結ぶ仕組みになっておりまして、難病・小慢等の公費負担医療の助成のほか、母子健診であったり、予防接種等にも活用できる仕組みになっております。
次の16ページ目と17ページ目をお願いいたします。
これまでの政府文書における記載ですけれども、下線部、書いてありますとおり、公費負担医療等の助成制度につきましては、その受給者証についてマイナンバーカードと一体化することにより、マイナンバーカード一枚で医療機関を受診できる環境整備など取組を進めると記載しております。
そうした取組につきましては、2023年度末より先行実施の対象自治体において順次事業を開始するとともに、全国的な運用につきましては、2026年度以降、こちら、以降と書かれておりますので、2026年度か27年度かというところはありますけれども、順次開始すると記載しております。
19ページお願いいたします。
申し上げました自治体における先行実施、こちら、令和5年度、6年度それぞれ実施しております。赤枠で囲まれているところが難病制度、小児慢性特定疾病制度に関するところで、都道府県、市町村それぞれで行っているという形でございます。
こちら、自治体の手挙げ式で行っておりまして、この自治体の中の一部の医療機関におきまして公費負担医療のオンライン資格確認の先行実施を行っているという形になっております。
次のページお願いいたします。
申し上げました中で、今現在行っておりますのは令和5年度の実施分ということで、小慢の医療費助成制度につきまして、愛知県の一宮市と市立一宮市民病院において先行実施を行っているものです。
上のところに「参加のきっかけ」を書いております。もともとマイナンバーカードの保有率が高かったということと、市全体でもDXに取り組む中でこの仕組みに参加することが意義あると考えられたということです。
左下に反応・メリットを書いております。患者様のほうでもアンケート答えた結果、20人のうち19人が「とても便利」、全員が「また使いたい」と回答している、自治体のほうでも、職員の事務負担が増えることなくPMH事業に参加できている、医療機関についても、レセプトコンピュータに資格情報が自動入力されることで事務負担が軽減されたと書いております。
右側に「今後の課題・懸念点」です。自治体のほうでは、先ほど申し上げました上限額管理票の電子化をどうするか、あるいは参加医療機関をどのように確保していくか、費用負担のあり方、あるいは人材の確保が課題として挙げられております。医療機関につきましては、顔認証端末の操作について、医療機関職員また患者様それぞれまだまだ周知が足りないところがあるということで、こうした課題を踏まえて引き続き運用を検討していくということでございましたので、このような先行実施自治体の取組を踏まえて制度の設計を検討していきたいと考えております。
21ページお願いいたします。
これまで御説明したもののまとめの一枚紙になっております。自治体のほうで先行実施事業を行って、医療DX推進に関する工程表に基づいて、令和8年度以降の全国展開の体制を構築しているということを書いております。
下のところで、費用負担等の具体的な進め方、あるいは実際何年度から始めることとするかにつきましては、現在、省内のほうで整理を行っているところですので、追ってまた御相談させていただければと考えております。
次のページお願いします。
自己負担上限額につきまして御説明しております。難病・小慢制度、患者様の自己負担の上限の月額がございまして、左下の「運用」のところ、受診の都度、その範囲内での医療費の自己負担を徴収しておりますが、その指定医療機関のほうで上限額管理票という票を患者様が提出いたしまして、医療機関のほうで幾ら徴収したかということを記入しております。この記入で、累積額が自己負担上限額に達した場合には指定医療機関のほうで確認いたしまして、その月の自己負担上限額を超える費用徴収は行わないといった運用をしております。
23ページ目飛ばしまして、24ページ目お願いいたします。
先ほど、先行実施自治体である一宮市のほうでも課題として挙がっておりましたけれども、マイナンバーカードを使ったオンライン化を行うということで所持する紙を減らすという観点で、上限額管理票も併せて電子化するべきというようなところが挙げられております。こちらにつきましても、PMHを活用して上限額管理を電子化できるのではないかということで、デジタル庁と連携して現在取組を進めているところです。
また、図の下側の赤字で書いてあるところ、PMHのほうに毎回の受診の医療費情報が載っかるということであれば、軽症高額の該当の方、1年間に3万3,331円以上の医療費負担が3回ある方ということで申請が可能になる方で、あなたは地方自治体のほうに申請すれば軽症高額該当として支給・認定される可能性があるということをプッシュ型で通知するといったことも可能になるのではないかと考えておりまして、そういった難病・小慢独自のこともできるように検討を続けているところでございます。
資料1の御説明は以上になります。
○花島委員長 ありがとうございます。まず、資料1全般について何か御意見とか御質問はございますか。まず、会場にいらっしゃる委員の先生、次にオンラインに参加していらっしゃる委員の方々に御発言いただければと思いますが、会場で手挙げていらっしゃる方はいらっしゃいますか。事務局、確認していただけますでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 辻参考人が挙手されております。
○花島委員長 では辻委員、お願いいたします。
○辻参考人 ありがとうございます。日本難病疾病団体協議会の辻と申します。今回も、すみません、代表の吉川に代わり、私、辻のほうで参考人として出席させていただいております。どうぞよろしくお願いします。
取組につきまして、大変ありがとうございます。JPAでは、7月に加盟団体、準加盟団体に対して紙の保険証廃止についてのアンケートを行いまして、このほど結果を発表いたしましたので、情報提供という形でお知らせさせていただければと思っております。
JPAとしては、マイナ保険証への移行については全く反対ではありませんけれども、紙の保険証発行を12月に発行を停止することについては、アンケート結果は、全体の52%が反対、どちらとも言えないが39%、賛成が9%という結果でした。
反対やどちらとも言えないとした主な理由としては、マイナンバーカードに対する不安ですとか、移行理由が不明である、高齢者、障害者へのフォローや事前準備、情報提供が不足しているのではないかということでしたので、JPAとして、紙の保険証の発行停止については時期尚早の部分があるのではないか、関係機関の体制整備や患者・家族をはじめとする国民の皆さんの不安払拭に向けた丁寧な説明に引き続き十分時間を割いていただきたい、と発表させていただきました。
難病の患者さんや家族の方は、一般の方に比べて関心や感度が高い方も多くいらっしゃると思いますので、今回、公費負担医療の分野におきましても、オンライン化、資格確認を導入することはぜひ進めていただきたいと思いますけれども、丁寧な説明、また不安を与えないようにお願いしたい。それから、様々な理由でマイナ保険証に移行できない方に対して、サービスの質などが落ちないことをぜひお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。ほかに会場で手挙げていらっしゃる方いらっしゃいますか。
○押木難病対策課長補佐 家保委員が挙手されております。
○花島委員長 どうぞ。
○家保委員 全国衛生部長会の家保です。
全体の流れとしては患者さんの負担も減るような形で進んでおりますし、あとは、都道府県の立場としては、関係する公費負担医療が一体的となって、開始時期がずれないように、厚生労働省全体として取り組んでいただきたいということが1点でございます。
それから2点目としましては、難病と小児慢性医療で言えば、前回の説明でもありましたけれども、申請手続の電子化と一体的にやっていただかないと、申請手続が非常に複雑になります。ぜひともその点は御留意いただいて、加速できるところは加速していただきたいと思います。
説明にもございましたけれども、自己負担上限額管理票とか、最後に出てまいりました多数月のところなど、患者さんにとっては非常にプラスになるところをできるだけ分かりやすく説明していただいて、患者さんの手間が省けるようにやっていただくことが大事だと思います。
それから、辻参考人がおっしゃったように、どうしても電子手続きになじまない方がいらっしゃいますので、並行して従来の紙申請が継続されるという点につきましては、患者の皆さんの理解を得られるようにしていただくことと、その間、申請を受ける立場としては、2系統が並行して動かざるを得ませんので、そこの負担軽減をぜひとも考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○花島委員長 ほかに会場からございますか。
○押木難病対策課長補佐 福島委員が挙手されております。
○花島委員長 福島委員、どうぞ。
○福島委員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
分かりやすい御説明ありがとうございました。マイナンバーカードを所持していない、あるいはマイナ保険証をまだ利用していない人たちもかなりいるということなので、指定難病とか小慢の方にとって大きなメリットが実感できるような、そんなことを丁寧に伝えていただけるといいのかなと思いました。
それから、難病等データベース等と同じく、今回のPMHシステムですかね、これについてもやはりどうしても個人情報保護について心配な部分が生じてまいりますので、ぜひとも厳格な安全管理措置等を講じていただきたいと思います。
それから、3点目は軽症高額該当者への個別の通知です。これはとても親切なことだと思いますので、ぜひとも盛り込んでいただきたいと思います。
以上です。
○花島委員長 ほかに会場で手挙がっていますでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 日下委員が挙手されております。
○花島委員長 日下委員、どうぞ。
○日下委員 千葉県立仁戸名特別支援学校校長の日下でございます。病弱教育校長会の会長をしております。
病気療養中の子供たちの教育の保障ということで対応しているところでございますが、近年、入院している子供、病気療養が必要な子供たちは、保護者を含めた家族、家庭にも支援が必要なケースというのが少なくございません。子供の教育保障ということで教育環境を保障していく上では、より福祉、それから医療との連携が非常に大切になります。その際、つなげていく、いわゆる支援を構築していく上で改めて気づくことは、支援が必要な方ほど情報を得ていない。情報弱者というか、正しい情報を必要な人が必要なときに得られるように、これまでも委員の方からも御発言ありましたが、丁寧な、分かりやすい情報の発信というのをしていただけると、ここで示されているメリットが生かされてくるのかなと改めて感じております。
また、それを実際に対応していくのが各自治体、地域になるかと思いますが、その際に、各自治体が具体的な対応ができるように、例えばスタッフの対応のモデルであるとか、そういったものを提示していただけると、より地域での対応というのも丁寧に進んでいくのかなと思っております。
PRということでのお話がございましたが、どのように情報を発信するかということを情報弱者の立場でいろいろ御配慮いただければありがたいと思います。
以上です。
○花島委員長 ほかにございますでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 柏木委員が挙手されております。
○花島委員長 柏木委員、どうぞ。
○柏木委員 有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会の柏木です。
御丁寧な説明ありがとうございました。メリットに関して、非常に魅力的な内容だと思いました。私たち難病患者は、急な体調不良等に備えて、ヘルプマークやヘルプカード、メディカルアクセサリーなど身につけるなどして対策している方も多くおられますけれども、マイナ保険証連携によって、さらなる安心・メリットを感じられる内容と思いました。これは長年の願いでしたので、大変ありがたいことと思っています。
私もパーソナルヘルスレコードのアプリを最近利用するようになりまして、マイナ連携されている自分や家族の通院履歴や処方歴、特定健診結果など、いつでも手元で確認できるようになりまして、メモをつける機能があるなどとても助かっています。これまで重たい紙の医療履歴のノートやファイルを持ち歩いていたのですけれども、そうした負担が軽減されたと感じています。
今後は、小慢や難病の医療上の資格確認、やがては自己負担上限額の管理票もマイナンバーカード一枚でカバーできるようになるというのは大変ありがたく、一日も早く全国で実現しますよう願っております。
ここからお願いになるのですけれども、今日のお話から少し外れるかもしれませんが、こうした電子化におきまして、このほかにもまだまだできることがあると思うのですけれども、例えば、皆様御承知のとおり、難病がありますと様々な理由から複数の医療機関にかかっている方が少なくないと思います。この場合、特段の理由がなければ、それぞれの診療科は定期的な連携を持たないのが通常となっているかと思います。
そこで、将来的には、診療科や医療機関の垣根を超えてそれぞれの診療内容について必要十分情報を御担当医や救急対応に当たる医療や福祉従事者の方々にも確認していただけるという仕組みも検討していただきたいです。
また、現在、当事者として非常に悩ましく感じていることなのですけれども、紹介状が信書扱いになっているという点です。当事者が内容を知らずに紹介先に行くとスムーズなコミュニケーションができなかったり、信頼を築きにくかったりします。よりよい医療を受けるためにも、患者が紹介元の医師の考えを読み、正しく理解し納得した上で紹介先を受診するというのは、現在の細分化された医療環境で私たちが最善の医療を受け続けるためにますます重要なものになるのではないかと思っています。また、紹介状の中身が見えないことは、小児から成人への医療移行がうまくいかない要因の一つにもなっているように感じています。このようなことから、診療情報の提供、開示のあり方についても、今後、PMH等にどのように載せていかれるか、引き続き御検討いただきたいと思っております。
以上です。
○花島委員長 ほかに会場からございますか。大丈夫でしょうか。
○押木難病対策課長補佐 会場はおりません。
○島田難病対策課長補佐 先生、一旦ここまでで、事務局からコメントというか、お返ししてもよろしいでしょうか。
○花島委員長 そうですね。お願いします。
○島田難病対策課長補佐 ありがとうございます。今、皆様から御意見、あるいはこのようにしてほしいというようなことをいただきました。全般的には、医療DX、あるいはPMHによるオンライン資格確認、それに難病・小慢独自の上限額管理の仕組み、あるいは軽症高額の仕組みをすることで、非常に負担が軽減されることで進めていただきたいというような応援のお言葉をいただいたかと思います。
一方で、皆様からその周知・広報についてきちんとメリットが分かるようにやっていただきたいということであったり、難病・小慢の方の関心も非常に高いですし、取り残されるという危険もありますので、そういった方にぜひ配慮する形で進めてほしいというような御意見もいただいたところかなと思いますので、そういった内容はきちんと取りこぼさずに進めていきたいと考えております。
また、日下先生、あるいは家保先生のほうから、自治体の負担というのも配慮してほしいというような御意見もいただいたところでありますので、関係者、自治体も含めて事務負担軽減して、取扱い、混乱することがないように進めていこうと考えております。
一旦これまでのコメントに対するお答えでございます。
○花島委員長 ありがとうございます。それでは、オンラインのほうで手を挙げていらっしゃる小国委員、お願いいたします。
○小国委員 ありがとうございます。鎌倉女子大学の小国と申します。
8ページのところに、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の推進に際して、私は推進を願っている者ですけれども、受診が困難な要配慮者という方たちに対してまだ紙の保険証を出しているというような御説明がございました。この要配慮者という方がどのような方たちなのか、具体的に把握されているのかどうかを1つ質問とさせていただきたいと思います。
どうしてかといいますと、要配慮者で、マイナ保険証ではなくて紙の保険証を必要とするということについての改善策を考えるに当たっては、どのような方がどのような理由でマイナ保険証を使えないのかという検証が絶対必要だと思うからです。
あともう一つは、先ほど、障害者の方々が要望されていることで、使いやすい仕組みをお願いしたいというお話がございましたけれども、障害者の方々が要望されている使いやすい仕組みについて、何かよいアイデアは既に持っていらっしゃるのかどうか、これからまたそのアイデアについて検討していく予定があるのかどうか、この2点をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○花島委員長 まず、紙のことに関しては事務局から御説明をお願いできますか。要配慮者の定義みたいなもの、お願いします。
○島田難病対策課長補佐 ありがとうございます。要配慮者のところですけれども、こちら、こういう方は要配慮者で、こういう方は要配慮者ではないというような一律な定義をするというわけではなくて、あくまで個々人の皆様の状況に即して受診が困難な方かということを申請していただきまして、それを保険者様のほうで確認して、資格確認書を交付する仕組みと聞いております。
○小国委員 すみません。ただ要配慮者がどのような人であるかということではなくて、何がうまくいっていないのか、マイナ保険証はなぜ使えないのかという理由を聴取していただければ、改善策のアイデアが浮かぶと思うのですね。その方たちがマイナ保険証を使えるようなアイデアが浮かぶと思いますし、また理由が分からないままメリットだけを説明していっても、不安は払拭されないと思います。何がみんなの不安を招いているのかに関して、要配慮者で実際使用に困難を感じている方たちに聞くのが一番だと思いますので、何で困難なのかということをしっかりと聞いていただきたいと思います。
○花島委員長 もう一つのご質問の、使いやすい仕組みのアイデアについてのおたずねは、これはどなたへの御質問ですか。
○小国委員 これも事務局がおっしゃっていたので、事務局に。
○花島委員長 事務局、お分かりになりますでしょうか。
○小菅オブザーバー 厚生労働省保険局医療介護連携政策課の小菅と申します。
まず、資格確認書を希望される理由ですが、資格確認書を申請に基づいて交付を受けようとされた場合に、申請をしていただく際に申請書に記載いただく必要があるのですが、その申請書について、様式上、理由を記載いただくということにはなっております。
その内容を分析・集計等するということまで今直ちに予定しているものではないのですけれども、今後、マイナ保険証自体の利用促進とともに、資格確認書を希望される方、どういう属性、理由で希望されているかというところは把握できる範囲で確認し対応していければと思っております。
2点目の障害者の方々への対応ということについては、障害者部会でもいろいろな御意見をいただいたところでございます。その中で、なるべく障害者の方々、視覚障害や身体障害、それ以外の障害をお持ちの方、いろいろいらっしゃいますけれども、なるべく少しでもマイナ保険証を使いやすいような運用の仕方を、この12月2日以降も引き続き検討して対応していきたいというところではございますが、今直ちに何か具体的な見直しがあるものではございません。
ただ、障害をお持ちの方で、カードリーダーの操作が難しい方について、事務局からの最初の説明にもありましたが、医療機関の職員の目視で資格確認できるという運用も行っているところですが、この運用改善について、来年3月にシステム改修をして、より簡便に行えるようにする予定でございます。こうしたところも引き続き周知等を図って、マイナ保険証での資格確認をなるべく簡素に行えるような仕組み、こちらも引き続き運用の中で努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○小国委員 引き続きぜひよろしくお願いいたします。使いにくさというものは当事者でないと分からないので、その当事者の使いにくさ、不便さという声をピックアップできるような仕組みもお願いします。よろしくお願いいたします。
○花島委員長 ありがとうございます。では次に、渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺です。
日本医師会のほうから、小慢の委員が私で、難病の委員が佐原がおりますので、渡辺と佐原から、申し訳ないですけれども、1つずつ質問させてください。
渡辺のほうはPMHに関してちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、20ページのところに「PMHのランニングコストの費用負担のあり方」と書いてあるのですが、事務局が考えておられる小慢・難病のPMHは、誰が管理して、どこに設置というイメージを持たれているかというのを教えていただきたいと思います。
と申し上げますのは、もし仮に都道府県とかの単位ごとにPMHのセッティングを考えておられるのであれば、自治体間の差というのが生じないようにしていただきたいし、国が持たれるのであれば、当然ランニングコストというのは均等に持たれるので、費用負担のあり方というのは別個の問題になるし、そうでなくて保険者が持つということを考えておられるのは、自治体は関係ないことになると思うので、そのPMHの概念を、お考えを教えていただきたい。
もう一つは、ほかのデータベースでもPMHの話がどんどん出てきていますので、この場合のPMH、難病・小慢のPMHのイメージというのは他のデータベースと共有するものを考えておられるのか、それとも難病・小慢のPMHという考え方を持たれているのかというところ、事務局の考えを教えていただきたい。
3つ目は、指定医療機関から例えばPMHにアクセスする場合というのは、母子健康手帳などでは専属のアプリがないとアクセスできないということで、それを購入する場合に指定医療機関の負担になるということが今示されていますけれども、この難病・小慢の場合も同様なのか、それとも国が何らかの補助をされてアクセスできるようにされるのかという3点を教えていただきたいと、まず渡辺のほうからの質問です。
あと、どうしましょう。渡辺が済んで佐原に移りましょうか。それとも。
○花島委員長 渡辺委員の御質問への回答を事務局から一旦お願いします。
○島田難病対策課長補佐 委員長先生、ありがとうございました。3点いただいたところですけれども、マル1のところ、PMH、誰が設置して、費用負担、運用等どうするのかというところですけれども、具体的なところは現在政府で調整・検討しているところでございまして、こちら、整いましたら、次回以降の難病対策委員会・小児慢性特定疾病合同委員会で御相談させていただければと考えております。
マル2のほかのデータベースとの共有というところですけれども、PMHというシステム上で、それぞれ予防接種の仕組み、あるいは母子保健の健診の仕組み、この指定難病、小慢等の公費負担医療の資格確認の仕組みというのがそれぞれあると理解しておりますので、混ざるというか、ところを懸念しているのかと思いますけれども、そういった形にはなっていないということです。
マル3のところ、指定医療機関のアクセスについて、何か費用であったり、システム改修が必要になるのかというところです。こちら、回線ということではオンライン資格確認等の回線を使いますので、新しく整備していただく必要という形ではないのですけれども、資格確認端末のほうで送られる資格情報、こちらを医療機関のレセプトコンピュータに情報連携する必要がございます。このレセプトコンピュータへの情報連携にシステム改修が必要となっておりますので、こちらにつきましては、医療機関への補助金というものを、今、先行実施自治体、あるいは医療機関に向けて補助しているところでございます。
何か補足あれば情報化担当参事官室のほうからお願いいたします。
○等々力オブザーバー 情報化担当参事官室の等々力と申します。
先ほどの1点目の質問、ランニングコストということですけれども、こちら、現状はデジタル庁のほうで管理しているという状況ですが、先ほど事務局から話がありましたけれども、最終的に、どのように運用していくかという話については、今検討・調整を進めているところですので、また追ってお知らせさせていただけたらと思います。2点目のところですけれども、他のPMH利用制度との関係についてですが、PMHという点では同じシステムではありますけれども、基本的にはそれぞれの制度ごとにシステムを運用していくことになりますので、そういう意味では御懸念に当たるということはないかと考えております。
以上です。
○花島委員長 よろしいでしょうか。
それでは、佐原委員のほうに移っていただいてよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
○佐原委員 日本医師会常任理事の佐原でございます。
医療費助成の効率化について、21ページ目の絵を見ると、PMHへの資格確認は医療機関の受付、まさにレセコンでやっている仕事なので、これはマイナンバーカードが必須ではないように思うのですがいかがでしょうか。資格確認書、あるいは保険証で受付してもこのシステムは使えるのかということをお聞きしたいと思います。
○花島委員長 これはいかがでしょうか、事務局。
○島田難病対策課長補佐 ありがとうございます。こちら、マイナ保険証を提示して、ぴっとやってオンライン資格確認システムにつながるということでございますので、こちらの接続するときにマイナンバーカードの電子証明書を使って資格確認システム、あるいはPMHについても同様に考えておりますけれども、接続するという形になりますので、マイナ保険証を使って、マイナンバーカードを使っての接続という形になります。補足ありましたらお願いいたします。
○佐原委員 この絵では医療機関がオンライン資格確認システムを使って照会しているように見えるのですけれども、そうすると、保険証、あるいは資格確認書で受付しても、先ほど質問でありましたように、レセコンとつながっていれば何かできそうな気がするのですが、そういうわけではないということですか。
○花島委員長 確かに医療機関側はできるようにも見える絵ですが、いかがでしょう、事務局。
○等々力オブザーバー すみません。情報化担当参事官室でございます。
今、図としては簡略化していますけれども、実際にこちら、資格情報を入手するというのは医療機関にある資格確認用の顔認証カードリーダーのところにマイナ保険証をかざして、患者の方がデータを入手して、これを医療機関に提供してよいかを確認する仕組みになっております。若干、図的には、医療機関が直接入手するという形に見えるかもしれないですけれども、そのような、患者の側が実際にこの資格情報というのを医療機関に提出するというのに同意するという仕組みになっております。
すみません、ちょっとお答えになっているか分かりませんが、以上のような状況でございます。
○佐原委員 オンライン資格確認システム自体は、保険証あるいは資格確認書で番号入れて確認することはできるので、だけど、このPMHはマイナカードがないとできないということなのですね。
○等々力オブザーバー 現状の仕組みについては、マイナンバーカードを前提とした仕組みになっているところでございます。公費のPMHのオンライン資格確認についてはそういう状況でございます。
○佐原委員 分かりました。誤解を招かないように、そこが分かるような絵にされたほうがよろしいかと思いますので、、よろしくお願いします。
○等々力オブザーバー ありがとうございます。
○花島委員長 それでは、盛一委員、よろしくお願いします。
○盛一委員 成育の盛一と申します。よろしくお願いいたします。
なかなか難しい取組をやっていただけるということで、ぜひこのまま進めていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。
幾つかあるのですけれども、まず、皆様がおっしゃっていたように、この方向性というのは、恐らくは手続の簡素化ですね。患者さんの手続の簡素化につながるような仕組みが増えていけばどんどん使われるようになるのではないかなと感じますので、それに向けた形で少しビジョンをつくって機能を少しずつつけ加えていただければいいのかなと思っているところです。
それで、現状でメリットがあるもの何かというのはなかなか難しいのかもしれないのですけれども、スライドにもちょっとあったと思いますが、マイナ保険証のメリットとして、高額療養費の事前申請だとか一時立替払いとかがこれを使うとなくなるとか、そういうところというのは、多分難病とか小慢を抱えている方にとってはすごい大きなメリットの一つになるのではないかなと思うので、これは直近ですぐに享受できるメリットなのかなと思いますので、ここら辺を宣伝していただくのもいいのかなと思いました。
また、長期的なことになるかなと思いますけれども、最後に簡単に事例説明みたいなのがスライド24のほうであったと思います。軽症高額該当するかどうかみたいな連絡が来るとかおっしゃっていたのですけれども、もうちょっと進めて、申請主義であることは分かっているのですけれども、手続をしますかみたいなぐらいまで、オーケーしたら手続始まってしまうぐらいのところまで進めてくれるような形であればすごい使いやすいものになっていくのではないかとちょっと思ったので、簡単に感想的なことで発言させていただきました。
あと、幾つか補足説明をされたほうがいいかなと思っていたところがありまして、事前の説明の際にも聞いていたのですけれども、資格確認書ですね。これはマイナ保険証を持っている方は希望すれば的な感じで読み込めてしまうのですけれども、実際のところは希望すれば全員もらえるわけではないと説明があったので、この辺、どうしても欲しい人はどうしたらいいのかみたいな話が出てくるかなと思いましたので、ちょっとここをつけ加えたほうがいいかなという気がいたしました。
あとは、スライドの15ページ目でしょうか、一応この情報プラットフォームというのがいろんなところで使えるような雰囲気で絵が出ているのですけれども、小慢だったり難病だったりを持っている方々というのは、別に医療だけが必要というわけではなくて、ほかの公共サービスも必要な方はたくさんいらっしゃると思いますが、現状はこれ、医療に関係する部分だけしか使えないというか、この構想がどこまでの範囲で使えて、どこから先使えないのか。説明では、ハローワークとか、今使えませんとおっしゃっていたはずですけれども、そういった形で、今後は拡充されていくとは思うのですけれども、現状でどこまでこれが使えますよというのも併せて情報提供していただけるとありがたいかなと思っています。
あとは、最後、感想みたいな感じですが、上限額の紙ですね。あれがオンライン化されるのはすごいうれしいのですけれども、相当大変な壁を乗り越えなければいけないかなと思いますが、途中でめげないように、ぜひ頑張っていただければなと思いました。
以上です。
○花島委員長 事務局、何か少し補足でお答えすることありますか。希望すれば全員もらえるのかという辺りを明確にというようなお話でしたけれども、基本的に望んだらもらえるという理解で合っていますか。
○小菅オブザーバー 厚生労働省保険局医療介護連携政策課でございます。
資格確認書につきましては、法令上、電子資格確認、いわゆるオンライン資格確認を受けられる状況にない、そのような方に対して交付することができるという仕組みになっていますので、その要件として、マイナ保険証をそもそも持っていない方に加えて、高齢者の方、障害者の方のような配慮が必要な方などを想定して資格確認書の交付の対象としているところでございます。
そういう点では誰しも資格確認書の申請をすれば交付を受けられるということではないのですけれども、今、マイナ保険証の利用登録につきましては、従来は登録をすればそれきりということになっていたのですが、10月末から利用登録の解除ということも保険者で受付をする形になっておりまして、資格確認書がどうしてもという場合であれば、一度お持ちのマイナ保険証の利用登録の解除申請をすることで、資格確認書の交付が受けられるような形に今の運用だとなっているところでございます。
○花島委員長 よろしいでしょうか。そこら辺の情報をもう少し明確に提示するという御意見だったのかなとは思います。
あと、丸山委員、よろしくお願いします。
○丸山委員 上智大学の丸山です。よろしくお願いします。
スライドの19枚目のところです。PMHの意義は非常によく分かりますし、先行実施事業が現在進んでいるということも分かるのですけれども、例えば都道府県の場合も、22都道府県が参加していながら、難病・小児慢性ともに22という数字にはなっておりませんし、市町村の場合にはもっとかなり数が少ない状況です。こうした要因には、手挙げをしなかった、それから、手挙げしたけれども実施ができなかった、そして手挙げをしてやってみたというそれぞれ3つのパターンがあるかと思いますけれども、そうした自治体からヒアリングなどをして、何がPMHを進めていく上での障害とか負担になっているのかといったようなことの分析などが進んでいらっしゃるのかどうかお伺いできればと思いました。
○花島委員長 事務局、お願いいたします。
○島田難病対策課長補佐 先生、ありがとうございます。申し上げましたとおりでございますけれども、先行実施事業、令和5年度分と令和6年度分がございまして、令和5年度分で行われていますのが愛知県一宮市という形で、ほか、令和6年度分、これからという形になってございます。おっしゃっているとおり、やったときの課題で、手を挙げなかったけれどもできなかったというところがもしあればそういうところも含めて、どういうところがボトルネックになるのか、あるいはやっていくインセンティブになるのかということは引き続きヒアリング等々は行っていきたいと考えております。
○花島委員長 よろしいでしょうか。
それでは、小倉委員、お願いいたします。
○小倉委員 ありがとうございます。分かりやすい御説明ありがとうございました。全国保健所長会から出席しております、倉吉保健所の小倉です。
13ページ「医療DXによる難病・小児医療費助成の将来像」のマル1の申請手続の電子化のマル7番、支給認定/資格情報登録のところは保健所等の地方自治体が事務を担っているところです。診断書等がオンラインで手続できるという点では、患者様の手続の簡素化や利便性に非常に大きく関わっているありがたい取組だと思いますが、その一方で、マイナ保険証になった場合に、保険証の情報も、受給者証の発行、支給認定の際に必要になってくるのですが、これを確認するために結果的に資格確認書や、あるいは御本人さんに資格情報のお知らせの情報を印刷して持ってきていただくなどの手続を必要とすることがございます。
このことについても、電子化されていくことで、結果的に目標とされているような患者様の利便性を図るというところにつながると思いますので、引き続き御検討いただきたい部分と思いまして発言させていただきました。
以上です。
○花島委員長 事務局、いかがでしょうか。
○島田難病対策課長補佐 ありがとうございます。難病・小慢医療費助成の申請について保健所、保健の情報を使うということでございます。マイナンバーを使った情報連携という形でやっていただくということもあると思いますし、御指摘のようなところの資格確認書だったり、お知らせするというところもあるかと思いますので、こちらについても、どういうやり方がいいのかということはお示ししていきたいと考えております。
○花島委員長 ありがとうございます。それでは、最後に竹内委員、お願いいたします。
○竹内委員 ありがとうございます。埼玉医科大学の竹内でございます。
大変すばらしい取組で、メリットをやはり皆さんにお知らせしたほうがいいと思いました。これはデジタル化することによりまして、そこに関わる人たちのご負担を減らせますし、患者さんの待ち時間、患者さんご自身の手続きの効率化にもすごく役立つと思いました。
1点質問なのですけれども、22ページの図を見ますと、マイナ保険証を提示し、デジタル化で例えば資格確認がオンラインで即座に確認できる、これまでの手続に比べてはるかに簡便であるということはよく分かりました。先ほどちょっと御質問あったと思いますが、例えば患者さんがある県からほかの県に移動したときに、この患者さん、医療機関、自治体という形のこの構図が崩れるわけですけれども、これは各自治体間で情報共有、あるいは医療機関間で情報共有してこういうシステムが可能になるという理解でよろしいのでしょうか。
○花島委員長 事務局、いかがでしょう。
○島田難病対策課長補佐 ありがとうございます。PMHというシステムでございますけれども、各県ごとに閉じているというわけではなくて、クラウドで全ての自治体のほうで情報を上げて、医療機関からそこにアクセスして、全ての自治体の方の情報が取れるようになると。当然、そこの自治体がPMHに接続しているということが条件になりますし、政府として全国展開ということでございますので、全ての自治体に参加していただきたいというように進めさせていただく、どのようにしていけばいいのかというのは考えなければいけないところでございますけれども、県をまたいだから使えなくなるとか、そのようなものを目指しているものではないということでございます。
○竹内委員 ありがとうございます。そういう意味で、逆にこのシステムをそのような形でアピールすることによって、これまでハードルが高かった患者さんの県をまたぐ転居のときとか、あるいは医療機関が別の県に所在していて、そこに通院するときのいろいろなハードルをクリアーすることができると思えますので、その辺りもきちんとアピールしたらいかがかと思うます。これを日本全体の自治体に広めていくことによって、患者さんが受けられるメリット、また医療機関側のメリットも大きいと思いますので、ぜひデジタル化のメリットをアピールしていただければと思います。ありがとうございました。
○花島委員長 ありがとうございます。
ほかにないようでしたら、議事を進めさせていただきたいと思います。おおむねメリットのアピールをもうちょっとしたほうがいいという御意見だったかなと思います。
それでは、本日の2つ目の議事である「既存の指定難病に対する医学的知見の反映について」、事務局より御説明をお願いいたします。
○島田難病対策課長補佐 事務局でございます。
資料2「既存の指定難病に対する医学的知見の反映について」を開いていただければと思います。
次のページお願いいたします。
平成31年の第32回指定難病検討委員会での指摘を受けまして、指定難病に係る診断基準及び重症度分類につきまして、研究班を中心として最新の医学的知見を踏まえてアップデートを順次行っているところでありまして、指定難病検討委員会のほうにおいて御了承いただいてきたところでございます。
今般、最新の医学的知見に基づくこうしたアップデートによりまして、一部の疾患について、既認定の方のうち新たな診断基準等に該当しない患者様が生ずる場合あることが明らかになっております。このような患者様につきましては、引き続きでございますけれども、アップデート前の診断基準等によって更新の申請を行うことができることといたしまして、その知見の安定性、あるいはその影響を注視することとしたいと考えておりまして、その最新の医学的知見の反映のあり方につきましては、もう少し中長期になりますけれども、次の難病法の5年後見直しに向けた議論として難病対策委員会においても検討することとしたいということを御提案させていただいております。
その下のところに具体的な取扱いについて書いておりまして、既に令和6年度のアップデートについては公表しておりまして、現在、令和6年度中においてはどちらの診断基準を用いてもよいというような形になっております。令和7年の4月1日、令和7年度以降でございますけれども、新規申請の患者様につきましては、最新の診断基準を使っていただく。マル2のところ、更新の申請の患者につきましては、アップデート前の診断基準及びアップデート後の診断基準のいずれかを適用していただく。ただし、診断基準等は最新のものから順に適用するということを書いております。
アップデートにつきましては、令和8年度の分もございますので、そちらも同様に、新規の申請の患者様につきましては最新のもので、更新の申請の患者につきましては、どちらもいずれも適用可能ということで考えております。
次のページ、お願いいたします。
今申し上げました内容につきまして図にしたものでございます。令和7年度アップデート、令和8年度アップデートそれぞれにつきまして、既に申請して認定を受けている方と、新規の認定の方で取扱いを違うようにすると書いております。また、疾患の中には、令和7年度と令和8年度両方のアップデートがある疾患もございますので、そちらにつきましても、考え方は同じでございますけれども、初めて認定を受けたタイミングによって使える診断基準等々が変わってくるということを図示しております。
局長通知になりますので、こうした内容でよろしければ、年度内に発出して、自治体、あるいは医療機関に対して周知していきたいと考えております。
3ページ目以降でございますけれども、こちらのほうで対象に変化があり得る疾患例を掲載しております。詳細につきまして課長補佐の安藤より御説明申し上げます。
○安藤難病対策課長補佐 それでは、こちらの疾患に関する内容を申し上げます。少し長くなりますけれども、お手元にあります参考資料1のほうに各疾患の新旧診断基準及び重症度分類、また臨個票についてもつけておりますので、そちらのほうもお手元に御準備いただけますと幸いです。
まず、1つ目の全身性エリテマトーデスにつきまして御説明をさせていただきます。全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫性疾患で、症状は治療により軽快するものの、寛解と増悪を繰り返して慢性の経過を取ることが多い疾患でございます。
症状としては、全身症状としまして、全身倦怠感、易疲労感、また発熱などの症状を先行して認めることが多く、そのほかに皮膚粘膜症状ですとか、あるいは筋肉・関節症状、また腎臓の症状、心血管症状等、全身性に症状を認めるものでございます。
治療法としては、NSAIDsと呼ばれます非ステロイド系の消炎鎮痛剤又はステロイド免疫抑制薬などが使用されるものでございます。
こちらにつきまして、旧診断基準においては抗核抗体を含めました11の項目のうち4項目以上を満たす場合を全身性エリテマトーデスとしておりました。今回、新診断基準においては、抗核抗体80倍以上というものをエントリー基準にすることとして変更いたしております。
旧診断基準につきましては、1997年に改定されました米国リューマチ学会から提唱されたSLE分類基準を参考にしておりましたが、2019年には、欧州リューマチ学会と米国リューマチ学会のほうから新たなSLEの分類基準、こちら、新SLE分類基準になりますけれども、そちらが発表されまして、そちらを受け、新診断基準を策定しております。
こちらの新SLE分類基準ですが、日本においても感度・特異度を検証した結果、旧SLE分類基準と同等以上の感度・特異度を確認しており、日本におけるSLEの診断基準にも利用できると判断され、このたび反映されたというところでございます。
続きまして、2つ目の下垂体性プロラクチン分泌亢進症について御説明させていただきます。こちらは、下垂体から分泌されますプロラクチンホルモンの分泌亢進によりまして多彩な症状を呈する疾患でございます。女性では月経不順や不妊、また乳汁分泌などの症状を認め、男性では性欲低下ですとか、あるいは女性化乳房、乳汁分泌などの症状を認めることがあるとされております。また、男女関係なく、頭痛や視力、視野障害を認めることがございます。また、検査所見では血中プロラクチンの上昇を認めるとされております。
治療法について、マトバミン作動薬が使用されてございます。こちらにつきまして、旧診断基準では、血中プロラクチンの濃度につきまして20ng/ml以上を確認するとしていたところ、新診断基準においては、血中プロラクチンが施設基準値以上であるということとさせていただいております。
こちら、施設によって使用する検査の会社が異なりますので、施設基準値も異なる可能性がございます。場合によっては施設基準の正常値に20ng/mlが含まれることもありまして、その場合には、新診断基準の中の血中プロラクチン濃度の上昇には該当しないことがあると考えております。
例えばある検査会社においては、男性が3.6~12.8ng/ml、女性では6.1~30.57ng/mlまでは正常値となっておりますけれども、別の検査会社におきましては、男性が4.29~19.4ng/ml、女性が5.18~26.53ng/mlとなっておりまして、このように検査会社によって異なる数値が用いられているところでございます。
なお、こちらの変更につきましては、2011年に、国際的な学会でございますエンドクラインソサエティのほうから発表されているガイドラインを参考に改定されたものでございます。
続きまして、3つ目の巨細胞性動脈炎につきまして御説明させていただきます。こちら、大型、中型の動脈に巨細胞を伴う肉芽腫を形成する動脈炎でございまして、大動脈とその分枝、特に外顎動脈ですとか、あるいは浅側頭動脈を障害することが多いとされております。
症状としましては、約3分の2の症例で側頭部の頭痛を認め、顎跛行と言いまして、ものを噛んでいるときの顎の痛みですとか、あるいは血管炎による血流低下、消失による虚血性の視神経障害が出ることがあるというところで、発症初期に視力・視野障害を呈し、視力の完全又は部分性の消失を来すことがあるとされております。そのほか全身症状としまして、発熱ですとか、あるいは倦怠感、神経障害などを認めることもございます。
治療法としまして、ステロイドあるいは免疫抑制薬が使用されることがございます。こちらになりますけれども、下肢又は上肢の虚血性病変、あるいは胸部、腹部大動脈瘤、また大動脈閉鎖不全症等を確認することで重症と診断しておりますけれども、眼の病変につきまして、旧重症度分類のほうでは、重症度分類において3度以上というものが認定対象となってまいりましたけれども、重症度分類の5に当てはまらない視力障害が存在する場合には、重症度分類で3度と認定されていた、つまり認定対象となっていたところ、新重症度分類においては、良好なほうの眼の矯正視力が0.3未満の場合には重症と判断することに変更されましたので、視力障害が軽度の場合には重症と判断されなくなったというところでございます。
こちらの変更につきましては、同じく指定難病として指定されております顕微鏡的多発性血管炎、多発血管性炎、多発血管炎性肉芽腫瘍症、また好酸球性多発血管炎肉芽腫症の3つの血管炎合わせまして、アンカ関連血管炎と呼びますけれども、こちらのアンカ関連血管炎と巨細胞性動脈炎、同じく血管炎に分類されるところで、今まで両者での重症度分類における眼の障害の記載に違いがあったところでございますけれども、このたび、アンカ関連血管炎のほうで具体的に矯正視力が0.3未満という記載があったところに合わせまして、具体的に記載したというところでございます。
最後になりますが、4つ目の自己免疫性肝炎について御説明をさせていただきます。こちら、肝細胞障害の成立に自己免疫機序が関与していると考えられる慢性に経過する肝炎でございます。こちら、治療に際し免疫抑制剤あるいはステロイド療法が用いられるものでございますが、新重症度分類のほうでは、自己免疫性肝炎診療ガイドライン2021年版の重症度判定を用いて、中等症以上、あるいは組織学的、あるいは臨床的に肝硬変と診断される症例について重症と判断しております。
ただし、前者のガイドラインにつきまして、旧重症度分類のほうでは2013年版を採用していたというところで、画像検査所見において肝実質の不均質化のみで重症と判断できるようになっていたところ、新重症度分類のほうで採用しました2021年版では、当該所見のみでは重症とは判断できないようになっておりまして、そのような場合に対象から外れる可能性があると考えております。
なお、肝実質の不均質化ですけれども、こちらは、ほとんどの場合、急性肝不全まで進行した自己免疫性肝炎で見られる所見でございまして、新重症度分類の中に記載のございます臨床検査所見の異常ですとか、あるいは肝性脳症などが存在せず、こちらの所見のみが存在することはほとんど想定されないというところで、実際に影響を受ける患者数は非常に少ないと考えております。
説明は以上でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。それでは、この資料2について何か御意見がございましたらお願いいたします。会場のほう、いかがでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 辻参考人が挙手されております。
○花島委員長 どうぞ。
○辻参考人 ありがとうございます。質問と意見があるのですけれども、まず質問からでよろしいでしょうか。
○花島委員長 どうぞ。
○辻参考人 今回、狭まらないとされていたものが、3ページ目の記載によりますと、自治体から範囲が狭まるのではないか、という指摘があったということかと思います。診断基準が変更になって、狭まる、ということは、既に認定されている患者さんにとりましては、自分はこの病気ではないかもしれない、という不安を非常に与えることになるかと思います。
そういう点では、私どももちょっと見過ごしてしまっていたので、取り上げていただいて大変ありがたいと思っているのですが、まず質問ですが、今回のアップデートで、最後の重症度分類のところでは非常に少ないというようなお話があったのですけれども、具体的に、例えばSLE、全身性エリテマトーデスのところで、既存の受給証所持者の中で、今の基準に照らし合わせるとSLEではないかもしれない、と考えられる方は何%ぐらい、あるいは何人ぐらいいらっしゃると考えられるのか、その根拠はどうしてなのか。またそれを研究班のほうから、狭まるものではない、と報告を受けていたと思うのですけれども、その報告が狭まるものではないと報告した理由は何と考えられるのか、原因ですね、そこをちょっと教えていただきたいと思っております。
○花島委員長 この御質問に対して、事務局、お返事大丈夫でしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
今、御指摘いただいたとおり、令和5年11月時点において、事務連絡におきまして、アップデートにおいて、指定認定範囲が広がることはあるけれども狭まることはないと回答させていただいておりました。その時点では、我々事務局である難病対策課としましても、そういった診断基準等のアップデートにより認定対象が狭まることはないと考えておりました。このたび自治体さんのほうからの御連絡をいただきまして、狭まるということがはっきりと可能性あるものが出てきたというところで、改めて研究班のほうにもいろいろとお尋ねさせていただいたところでございますけれども、実際に何%の方が対象になるのか、あるいは何人の方が対象になるのかというところが、例えばSLEの例ですと、抗核抗体の値というものを今まで記載していなかったというところもございまして、具体的なその推計値というのを出すことがなかなか難しいというところでございます。ですので、そちらの根拠というところも、これからどういった患者さん方に影響するのか、そういったところも含めて調査が必要ではないかと考えております。
○辻参考人 研究班が狭まらないと報告をして、実際は狭まっていた原因というのはどこにあるのでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
研究班のほうにおいて、実際に抗核抗体の値がそれぞれの患者さんにどれぐらいなのかというところの把握というところがスキームとしてないというところがございますので、今まで臨個票の中でそういった値も書いてきていないというところがございます。これから、そういったところに該当する患者さんがどれぐらいいらっしゃるのかというところを改めて調査する必要があるのではないかと考えております。
○花島委員長 調査するということですね。
○辻参考人 意見のほうが幾つかあるのですけれども、いかがしましょうか。よろしいでしょうか。
○花島委員長 では続けてどうぞ。
○辻参考人 3点ほどあるのですけれども、1点目の意見は、今回、狭まるのではないかという危惧があるということで、研究班のほうは、狭まるのではないと報告を一回しているということですので、周知期間を設けるというのはちょっと本末転倒ではないかなと思っております。というのは、旧基準から新基準に変更して、狭まる場合には、しっかりと研究班で、そうではなかったのだというところを考えていただいて、そのまま、その診断基準でよいのかどうかというのを再検討していただくのが筋ではないのかなと思うわけです。
ですので、令和8年度のものについては周知期間、要するに患者側に1年間の期間を与えると、また令和7年度は今周知期間中ということですけれども、それより前に、研究班のほうでしっかりと、この基準が狭まるものとなったということを受けて、このままでよいのか検討していただく必要があるのではないかと思うのですが、という意見でございます。
それから2点目なのですが、今回このようなことが発生したのは、これは憶測で申し訳ないのですけれども、研究班に患者の範囲が狭まるという意識が本当にあったのかどうか、低かったのではないかというような懸念も生まれてきてしまいます。あるいは、そのように取られないように、それを防止するような意味でも、SLEの先ほどの国際基準の策定などについては、患者や患者会が入っていることが必須になっていると聞いておりまして、日本の患者会の方も参加していると聞いております。
難病対策課でも、前回の難病対策委員会で患者や患者会の意見などは研究班において把握・集約していくべきと考えている、とおっしゃっていただいておりますので、研究班や指定難病検討委員会に当事者や負担者である一般市民が入って、こういうことが発生しにくくなるような仕組みづくりも必要なのではないかなと思っております。
特に診断基準もそうですけれども、重症度分類を検討する場合においても、患者や患者会の意見も含めて、生活の状況に直結するわけですから、十分に検討していただきたいと思っておりますが、その仕組みができているのかどうか、ちょっと疑問に思っております。
3点目なのですが、既存の受給証所持者も新しい基準でまず当てはめてみることとして、そうでない方を一旦外した上で、旧基準で救済するようにもちょっと見えるのですが、これも既存の認定の患者や患者会に不安を与える要因になるのではないかと思っております。
例えばSLEを例に挙げますと、先ほど診断基準とおっしゃっていましたけれども、基本的には分類基準ではないかと思っています。当然、難病ですので、分類基準の精度が100%というのは無理で、今回も感度96、特異度93と聞いているのですけれども、このような100%ではない過去の診断を、例えば抗核抗体のところ、チェックが入っていないということで、過去の診断を変えるというのは、それ自体がまだ100%ではない基準をもって判断することでいいのかどうかが非常に疑問に思います。
そういう意味でも、新しい診断基準で見逃しや誤診の可能性が当然ありますから、過去の方の診断時の記録などを見て、これは違う疾患であろう、とすることは非常に危険なのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
以上となります。
○花島委員長 なかなか難しい部分もあると思いますが、事務局はいかがでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
今、3点御質問いただいたかと思いますので、一つ一つ回答させていただければと思います。
まず、今回のアップデートにおいて認定対象者が狭まるのではないかというところで、研究班のほうで再度診断基準を検討したほうがよいのではないかという御意見だったかと思います。こちら、SLEのところを例に取って御説明いただきましたけれども、先ほど説明させていただいたとおり、最新の医学的な知見を反映した診断基準になっております。最新のものが2019年に欧州リューマチ学会及びアメリカのリューマチ学会のほうから出された分類基準を用いておりまして、そちらは1997年にもともと用いておりましたアメリカの分類基準よりも感度・特異度というものが同等以上であると、特に感度のほうはかなり上がっていると認識しておりますので、そういったところから新しい基準を適用していくというところは妥当であると考えております。
一方で、当時アップデートしたときに認定の対象から外れる方がいらしたというところをこちらの対策委員会のほうで御報告差し上げていなかったというところにつきましては、こちらとしても、これから最新のアップデートに伴う影響調査等を行うことによって、こちらのほうで議論させていただきたいなと思っております。
2つ目の問題でございますけれども、研究班のほうに患者の対象者が狭まるという意識がなかったのではないかというところの御指摘でございました。研究班のほうに患者様が入られているところもなかなか多くはないというところの御指摘かと思いますけれども、こちら、前回の見直しの対策委員会のほうでも議論させていただいたとおり、研究班の中で積極的に、その研究者、医学の研究者と患者団体さんとの連携を取っていただいて、療養生活も含めていろんな情報もキャッチしていただく、そういった仕組みをこれからしっかり整えていく必要があるだろうと思っております。
3つ目ですね。既存の患者さんに新しい基準を当てはめるということについて、どういうことになっていますかというところですけれども、新しい基準は、先ほど申し上げたとおり、旧基準よりも感度が特に上がっている、特異度も同程度というところで、一番最新のもので、かつ妥当な評価の基準だと思っております。
遡って、救済するというところを先ほどおっしゃいましたけれども、我々としては、その新基準からまずは当てはめさせていただきまして、そこで当てはまらない方は、旧基準を一旦適用とすると、一方で、それに伴って、アップデートに伴う新たな知見、あるいは影響調査等をまた踏まえて、その後、既存の患者さんに対してどういった対応をさせていただくのかというのは引き続き議論させていただきたいと思っております。
○花島委員長 いかがでしょう。影響調査をされるということかと思います。
○辻参考人 ぜひそのようなことは必ずしていただきたいと思うのですけれども、感度につきましては確かに上がっているという報告は患者会からも聞いたのですが、特異度につきましては同等もしくは下がっていると聞いておりまして、日本人の方なのか国際的なところなのかよく分かりませんけれども、特異度93.4%ということは、6%ぐらいは誤診するという意味かと思います。これが前回の基準では、私も専門家ではないのでどのように数値を扱っていいのか分かりませんけれども、96%程度と聞いております。ですので、誤診の可能性としては若干上がってしまっていると考えます。この基準で既存の方を判断するというのは非常に危険なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○花島委員長 事務局、どうでしょう。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
今おっしゃっていただいたポイントですね、特異度につきまして、日本の患者さんを対象にしました厚労科研、我々回しておりますけれども、そちらの結果を拝見しますと、特異度については同程度というところで、0.86という数字で変わりがないというところを確認しております。ですので、過去の基準に比べてミスが増えるかというとそういう訳ではないというところをこちらからお伝えさせていただければと思います。
また、感度・特異度ですけれども、どんな検査でも100%の感度・特異度というものはございませんので、できる限り新しい基準で妥当なものを我々として採用していくというところが適切な対応かと思っております。
○花島委員長 ありがとうございます。会場はほかにお手挙げている方はいらっしゃいませんか。
○押木難病対策課長補佐 坂上委員が挙手されております。
○花島委員長 それでは、坂上委員、お願いします。
○坂上委員 すみません。読売新聞の坂上です。
診断基準などを決めている指定難病検討委員会ですか、こちらの直近の討議資料を見ると、パブリックコメントがなかったと書かれています。これは、患者さんらに情報がしっかり届いていれば、全く意見がないというのも何か解せないので、もう少し厚労省さんも、患者さん、国民と情報をしっかり発信していただき、連携を取るような形をぜひ取ってもらいたいと思います。
もう一点、今回の討議内容からは外れてしまうことなのですけれども、来年が難病法及び改正児童福祉法の施行の10年という節目なので、ぜひとも国民、患者さん、家族みんなを巻き込んだ、何か難病の現状を知ってもらうきっかけになることをしっかりと発信していただければなという要望です。
以上です。
○花島委員長 パブコメを取っていないではないかという件に関しては、大体必ず取ると思うのですけれども、いかがですか。事務局、把握していらっしゃいますか。
○坂上委員 パブコメは取っていたのですけれども、意見がなかったということなのです。
○花島委員長 事務局、何かこれに関する情報をお持ちでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。今、パブリックコメントに関する御質問ございましたけれども、こちら、今議論させていただいております令和7年度適用分に関するパブリックコメントは、令和5年4月27日から5月26日にかけて実施させていただいたと。その中で、パブリックコメントを経て幾つか意見はこちらに届いておりまして、恐らく今おっしゃっていただいた分につきましては、新規疾病の追加に関するパブリックコメントではないかと思っております。いただいたアップデートに関するパブリックコメントについては、こちらにおいても適切に処理させていただいておるところでございます。
また、当時、そういったパブリックコメントの開始につきましては、患者団体様含めてこちらからの周知はさせていただいていたところではございますけれども、今後そういった周知のあり方というところを再度見直す、いいきっかけかなと思っております。
もう一つ、来年が節目というところで、国民、家族を巻き込むようなきっかけになればというお話でございますけれども、こちらとしても、ぜひそういった機会というのを大事にさせていただきたいなと思っております。
以上でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。それでは、会場でお手が挙がっていないでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 辻参考人が挙手されています。
○花島委員長 どうぞ。
○辻参考人 申し訳ございません。もう一点、お聞きしたいのですけれども、SLEだけではなくて難病全体の問題かと思うのですが、登録者証、先ほど出ておりましたが、対象者については更新不要で発行されまして、33,331円を超えると通知されるということで、非常に良いと思っているのですが、その場合、過去に診断されたけれども、実は診断基準がアップデートされてしまっていて、いつの間にか、その病気でないことになってしまっていて申請できなくなる、というような現象も当然発生しうると思いますので、ぜひ御考慮いただければと思っております。
以上です。
○花島委員長 ほかに手挙がっていらっしゃいますでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 会場は大丈夫です。
○花島委員長 それでは、オンラインのほうの竹内委員、お願いできますか。
○竹内委員 ありがとうございます。
私、もともとSLEや関節リウマチの専門家といいますか、それを専門としている者でございまして、今の議論の中で、かなり誤解があって、共通認識になっていない部分があるので、少しコメントさせていただきたいと思います。
まず、分類基準についてですけれども、感度と特異度というのは両方とも100%ということはありませんで、特異度を上げると感度が下がり、感度を上げると特異度が下がります。したがって、先程の感度96%、特異度93%というのはかなり優れた分類基準だということをまず1つ申し上げておきたいと思います。
それから、2番目ですけれども、この資料の3ページの一番上のところ、各年度のアップデート前に認定を受けた既認定者については、まずはアップデート後の最新分類基準、診断基準を当てはめて、該当しない場合はアップデート以前の診断基準、臨個票を使用可能ということは、既診断者、既に診断を受けている人というのはその病気であるということが確定しているわけです。なので、新しい分類基準に当てはまらないからといって、その病気ではないということはないので、この文言がついたと私は理解しています。
行政側が適用範囲が狭まると考えた理由というのは、既認定者を新しい分類基準、診断基準に当てはめて、例えば抗核抗体80倍ないから適用範囲が狭まるのではないかと思ったのではないかと思います。ここに誤解があって、実はそうではないということをこの2行目に明確に書いてあります。
というのは、一旦診断された患者さんがまたその分類基準に合致しないからその病気ではないということは決してあり得ませんで、私たち医師は、それは新しい分類基準に当てはまらなくても、例えば数年前に診断されていた患者さんはその診断をずっとそのまま続けるわけです。最新の治療をしますと、抗核抗体は陽性だった方が80倍を切って基準では陰性化することがあります。それは常識ですので、そんなことは皆さん御存じのことなので、ここで今さら議論する必要もないぐらいのことだと思います。その点、逆に事務局に伺いたいのですけれども、行政から適用範囲が狭まるのではないかと言ったその根拠はどこなのでしょうか。
○花島委員長 事務局、お願いします。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。先生どうもありがとうございます。
こちら、疾患にもよるのですけれども、更新時に診断基準を確認するというところがある疾患がございます。今回、SLEについては、過去を遡って、抗核抗体80倍以上あるかどうかというところを1つ、そちらの要件に該当するかどうかの判断基準とさせていただいているというところがございます。ですので、今先生がおっしゃったとおり、実運用臨床現場において、そちらの基準を満たさない方に対する治療方法のあり方というところと、我々が難病法に基づいた制度において医療助成の対象とする方のあり方というのは少し差異があるかもしれません。
ただ、今申し上げたとおり、現状、診断基準のアップデートに伴って、新しい診断基準に基づいて、過去を遡って80倍以上ある方、そういった方々は引き続き医療費助成の対象とするといったところでございます。今こちらにも書かせていただいているとおり、その基準を満たさない方については、旧基準も引き続き適用可能であるとさせていただいているところです。
○竹内委員 いや、そこが混乱を呼ぶところで、基本的には、新基準を満たさない方は旧基準でその病気を認めるということですね。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。そちらが、今回の資料の一番最初に書かせていただいているところでございますけれども、今後そういったアップデートに伴う影響等の、あるいは知見の安定性ですね、そういったものを確認するまでは旧基準の採用というものを引き続き継続していきますということで書かせていただいております。したがいまして、我々事務局としましても、そういった新しい診断基準の安定性というところをしっかり確認させていただきたいと思っております。
○竹内委員 いや、それはやってはいけないことで、もう治療されている人たちを新しい基準を当てはめて合致するかどうかを検証してはいけないです。科学的に。というのは、先ほどお話ししたように、強力な免疫抑制薬を投与されますと、抗核抗体が陰性化することがあります。その診断されたときに既に治療が入っている方、あるいはそれに近いような方たちというのは分からないわけですので、その登録時点が本当に発症時点かどうか分からないからです。したがって、それをやると危険な科学的な検証になります。
ですので、もう診断された方は、その後の治療も含めて、そこで病気ではないですよと言ってあげると大変なことになりますので、ここは慎重に御判断いただいたほうがいいと思います。これは訴訟の対象にもなるのではと思います。
○安藤難病対策課長補佐 先生、ありがとうございます。1点だけちょっとこちらのほうから説明を追加させていただきますと、80倍以上というのは治療開始前の状況も含めての全ての段階において一番高い値の、それが満たすかどうかというところの視点でございます。ですので、治療後の時点で、例えば今年の時点でどうだったのかというところを見ているわけではなくて、過去に遡って一番高い値がどうだったのかというところを遡れるかという問題かと思っております。
一方で、そういったデータが医療機関のほうでしっかり把握されているかですとか、そういったところの問題が新たにあるかと思いますので、そういったところについては引き続き議論をさせていただきたいと思っております。
○竹内委員 それはやってはいけないというのは、改めてですけれども、その検査法が、例えば10年前と今とでは感度も違うのです。なので、そのときの検査と今やっている検査法の感度も違うし検査法も違う可能性がある。同じ検査ではないものを、ただ単に基準値だけ、カットオフだけで過去に遡ってそれを適用するというのはとても危険です。なので、それはやってはいけない、科学的にやってはいけないということを申し上げていて、2019年のACR/EULARの分類基準というのはその時点から決まったわけです。過去に遡ってはいけないのです。これは大原則です。過去に診断した人たちは、2019年の分類基準がないときに診断しています。これはナンセンスですので、そこのところは間違いないようにしていただきたいと思います。その方たちは全て1997年分類基準に当てはめて分類していますので、それはやってはいけないことだと思います。科学的に。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。先生の御意見として、こちら、承りました。今後、そういったところ、御指摘も含めてどのようにあるべきかというところを議論していただくというところで、今回、影響調査と書かせていただいておりますけれども、引き続き議論をさせていただきたいというところを御提示させていただいたところでございます。
先生が今おっしゃっていただいたとおり、過去に遡ったそのときの基準と今の基準というものの捉え方が異なるというところも当然のことと思っておりますので、そういったところも含めて、今後、旧基準のあり方というところをまた引き続きこちらで議論させていただきたいと思っております。
○花島委員長 ありがとうございます。私は、新基準で当てはまらない人は旧基準でずっと認めるのかと思ったのですが、そういうわけではないのですね。いずれ認めなくなる場合もあるということですか。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。今こちらの文書に書かせていただいているとおり、知見の安定性ですとか影響というものを調査すると書かせていただいておりますけれども、そういった調査がしっかり終わるまでは、つまりは、当分の間につきましてこちらの運用を継続させていただくというところでございます。今、竹内先生から御意見いただいた内容を踏まえて、今後どうあるべきかというところを検討させていただくと、一つの案としまして、そういった旧基準を継続的に認めないといけないようなものも出てくるかもしれませんので、そういったところを引き続き議論させていただきたいというところでございます。
○花島委員長 よろしいでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 会場から、家保委員が挙手されております。
○花島委員長 どうぞ。
○家保委員 全国衛生部長会の家保です。
都道府県の立場から言わせていただきます。お話のように、科学的基準である診断基準が変われば新規の判断について適用するというのは、科学に基づく行政としては当然のことだと思います。一定期日を決めて、それ以降の申請者に対しては新基準を適用するのが適切と思います。
ただ、処分庁という立場、認定した立場で言いますと、過去に認定したところを遡って新しい基準を適用するというのは行政的には非常に違和感を覚えます。それは、前の判断は一体何なのかと。少なくとも継続している間はその判断が続くべきものだと考えておりますので、経過措置というのは基本的にそういうものだと思っています。治療によって病状が変わるし、病状が軽くなれば、それは望ましいことですので、そうなったから新しい基準とかいう話はないと思います。
それから、先ほどの話ですが、過去のデータを調べてという話は避けていただきたいです。膨大な作業を事務方に、医療機関にも求めることになりますし、行政機関としても非常に負担があります。あくまでも一定基準の間で認定された方には旧基準のままできちっと治療していただいて、改善すれば、それは改善された難病の患者さんという理解であると思っています。
以上です。
○花島委員長 新規だけに適用がいいのではないかという御意見で、もっともかなという気もいたしますが、それでは、盛一委員、どうぞ。
ちょっとお声が遠いようです。
私はちょっと遠いですけれども、皆さん聞こえますか。聞こえない。
もうちょっと近づけていただいてもいいですか。大きい声でお話しください。
○盛一委員 今はどうですか。
○花島委員長 今は大丈夫です。よくなりました。
○盛一委員 大変申し訳ありません。
確認と意見みたいなものですけれども、今の御発言に近いものがあるのですが、スライドで新規と継続と書いてあったのですけれども、断続的に認定を取られている患者さんいらっしゃると思うのですが、一回空間があいてしまったときに、次に出すときは継続という理解で大丈夫なのですかね。行政的にはそれは新規になってしまう可能性があるかなとちょっと思ったのですけれども、その辺をちょっと確認したかったのが1点と、あと、どうしても医学が進歩していて知見がたまっていくと、診断の基準の精度を皆さん上げようとしますので、新しい項目が増えたりとか、基準が少し厳しくなってきたりして、どうしても診断基準が時代とともに変わるはずなのですね。これは全ての疾患に言えるのではないかと思うのですけれども、なので、今回、いい機会と言ったら変ですけれども、こうやって知見がたまって、より精度の高い診断基準が出た場合に、現在対象となっている方々をどうやって落とさないように守っていけるかというのも併せて議論していただけるといいかなと思いました。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。継続かどうか、一旦途切れた場合どうするかという御質問だったと思いますが。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。御質問くださりありがとうございます。
1点目、断続的なときにはどうなるのかという御質問でございますけれども、断続ということは、一回医療費助成の対象から外れたというところを意図されているかと思いますので、そちら、改めて申請される際には新規申請になるのではないかと思っております。
もう一つ、新たな項目が増えるということで、時代とともに変わるということはおっしゃるとおりでございまして、そちらが、今まで認定されていた方々をどうするのかという議論は、前回の議論の中でも出させていただきました指定難病の見直しに関する議論ともリンクするところになるかと思っておりますので、冒頭のスライドのほうでもお示しさせていただきましたけれども、難病法の5年後の見直しに向けた議論の中で、そもそも制度がどうあるべきなのかというところも含めて今後御議論いただくのではないかなと思っております。
○花島委員長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。
○押木難病対策課長補佐 会場から、辻参考人が挙手されております。
○花島委員長 どうぞ。
○辻参考人 ありがとうございます。先ほどのお話の中で当面の間は、というような御発言があったのですけれども、当面の間ということは、行く行くは過去に遡って80倍以上の方を探して、もしそれが可能であれば、その人を外していく、このような意味かとも取れるのですが、そうしますと、先ほど竹内先生おっしゃったことと全く矛盾する話になるかと思いますし、一般の考え方としても、過去に遡って適用していくという、探し出して適用していくような犯人探しみたいなことは余り好ましくないのではないと思うのですが、いかがでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。御意見くださり、ありがとうございます。
まず、誤解ないようにお伝えさせていただきますと、当分の間とお伝えさせていただきましたけれども、それは別に終わりがどこまでという期限が示されているものではございませんで、こちらのところで、先ほど竹内先生からいただいたような御意見ですとか家保先生からいただいた御意見ですとか、そういったところを踏まえてどういう運用あるべきかというところをまず御議論いただきたいという趣旨でございます。そういったところを受けて今後どうあるべきなのかという結論をこれからこちらの委員会のほうで出していくことになろうかと思っております。
○辻参考人 ということは、そういう可能性もあるということですね。過去に遡って探していくと。
○大坪健康・生活衛生局長 すみません。健康・生活衛生局長の大坪でございます。
竹内先生、御無沙汰しております。
我々といたしましては、この制度の安定性といいますか、公平・公正な制度というものを維持するという責任も行政としてあるわけであります。これは法律が制定されましたときに策定されました基本方針、ここにも、今申し上げたような業務というものは明確に書かれておりまして、今後のこの制度を守るための取組の方向性という中で、科学的な知見に基づいて、そのために情報収集をこの研究班の中で行い、それを反映して、疾病が置かれた状況を踏まえ、要件の適合性ですとか重症度分類、また診断基準について更新し、随時見直しをすることと。それは先生方皆様でこれをつくっていただいた基本的な方針の中にあるものだと思っております。
対象者を落とさないようにするための制度であるとか、落とすようにするための制度であるとかいうことではなく、希少難病というものをより多く情報収集して、診断を高めていき、医療の質を上げて、治療薬を開発すると、こういったことがこの制度の趣旨でありますので、単に福祉的な意味ということよりも、医学の進歩ということに寄与する制度だと思っております。
先ほど竹内先生がおっしゃったことも、研究班とよく相談しなくてはいけないとは思っておりますけれども、全ての疾病について、このデータを確認することが難しいのかとか、遡って行政が確認することが難しい情報なのかとか、個別疾患により事情が違うようにも思います。ですので、ここで一般論としてどう扱うかということを決めるということではなく、今回、研究班からこういうことが回答として挙がっている。それを踏まえて、今後行政の影響もあろうかと思いますし、患者様への影響もあろうかと思います。予算事業からこれが法定事業になったときにも、やはり3年間の経過措置を設けて影響調査というのをやったと思いますけれども、そういう個別様々事情は違うようにも思いますので、この回答を一旦皆様方にお示しをした上で、当面の間は、その安定性、この知見が安定しているかどうかということもあろうかと思いますので、そこら辺を判断させていただく時間をいただきたいと今日は御提案しているものであります。
○花島委員長 それでは、御意見はある程度もうよろしいでしょうか。
これで、この資料2について了承していいかどうかという御議論になるわけですが、このままで。
○大坪健康・生活衛生局長 事務局ですけれども、先ほど申し上げましたように、今日何かを決まるというよりも、当面の間のあり方については今後御相談ということになろうかと思いますけれども、本日、研究班から挙がってきました最新の情報を開陳するとともに、今後個別の事情の影響についてまた御相談するということになろうと思っております。
○花島委員長 では今回は、これは今のような御意見をいただいて、またまとめて今後練っていくということでよろしいですか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。はい、そのような運用とさせていただければと思います。
○花島委員長 では、いろいろご意見が出たと思いますので。
○押木難病対策課長補佐 会場から、すみません、委員長。家保委員から挙手があります。
○花島委員長 どうぞ。
○家保委員 すみません。全国衛生部長会の家保です。
少なくとも都道府県の立場で言いますと、アップデートされた診断基準で、7年度から新規については確実にその判断基準でやるという部分だけは決めていただかないと困ります。もうあと数か月で次の更新申請が出てきますし、更新はいろいろ御意見が多分あるかと思いますので継続して議論するのがよいですが、新規については、科学的知見がきちっと定まったものであれば、それを適用してやることが必要だと思いますので、その点だけはぜひとも決めていただきたいと思います。
○花島委員長 事務局、いかがでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 ありがとうございます。事務局としましても、新規の患者さんに対して新基準で認定をしていきますというところについてはお認めをいただきたいなと思っております。
○花島委員長 更新には違う申請書を使うのでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
更新時の申請書をどうするのかについて、そういった細々とした内容については、現在こちらでも検討しているところですので、またそちらの整理がつき次第御報告させていただこうかと思います。
○花島委員長 更新で違う申請書になるかもしれないということになるのかなと思いますが、それで大丈夫でしょうか。
○押木難病対策課長補佐 委員長、すみません。辻参考人から挙手があります。
○花島委員長 ではどうぞ。
○辻参考人 先ほども申し上げましたとおり、研究班のほうから、これは狭まるものではないと報告を受けたものが実際には狭まるものになっているという点につきまして、やはりこれは研究班のほうに、差し戻しと言ったらちょっと失礼かもしれませんけれども、もう一度このままでいいのかというところを検討していただいて報告していただくのが筋のような気もいたしますが、いかがでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
新規の患者さんにつきましては、一番最新の診断基準というものを研究班としても策定されましてお示しされているところでございますので、そちらについては新規の診断基準のほうを採用されるのがよろしいかと思っております。
○辻参考人 でも、それが研究班の思っていたとおりのものではないと、批判ではないですけれども、御指摘を受けているわけですよね。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
研究班としましては、アップデートの目的たる最新の医学的知見を反映するというところをもとに最新の診断基準をつくられていると認識しておりますので、その中で、認定の対象が狭まるかどうかというところを視点として持ってアップデートしているというよりは、最新の知見がどういったものかというところ、国際的な知見ももとに議論されてきたのだと理解しております。
○辻参考人 ということは、その視点を持っていないでアップデートしてきたということになりますので、それはちょっとおかしい話になるのではないかと思いますが。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
そういったところについては、患者団体の方々に新しい診断基準というものがどういうものなのかというところを研究班と一緒に我々もお伝えさせていただくと、そういった周知活動をすることが大事だと思っております。
○花島委員長 本当に狭まるかどうかも分からないですね。80だったら狭まるのではないかという御意見をいただいたということですか。それは本当に何かデータがあって狭まるだろうというようなことが提示されたのでしょうか。感度が上がったということは、本来だったら拾い上げる人がもうちょっと増えることになると思うのですが。。
○安藤難病対策課長補佐 どうもありがとうございます。事務局でございます。
個別の症例についてこちらで言及させていただくのはちょっと控えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、抗核抗体、遡って取れない方もいらっしゃるかもしれませんので、そういったいろいろな状況を勘案しますと、本当にその方が抗核抗体が80倍以上でなかったのかと、そういったところもしっかり確認をしないといけないかなと思っておりますので、こちらに挙げさせていただいたものはあくまでも可能性というところでお考えいただければと思います。
○花島委員長 ほかに御意見はございますでしょうか。
○押木難病対策課長補佐 会場からすみません。辻参考人から挙手がありますです。
○花島委員長 どうぞ。
○辻参考人 たびたび申し訳ございません。旧基準でいきますと、抗核抗体陽性にチェックが入るというところは、抗核抗体の陽性基準が40倍もしくは80倍以上ということになっているかと思いますが、今回は80倍以上ということでエントリー基準が決まったということは確実に狭めていると思いますが、いかがでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
先ほど申し上げたとおり、臨個票のほうにそういった抗核抗体の値自体を書くところがまずございませんというところと、あと、場合によって、ほかの11項目中4項目以上を満たした場合には、そちらを満たすと判断してきていたと思いますので、抗核抗体のところのチェックをしていないというものもあるかもしれないと考えております。ですので、そちらについては具体的にその症例で本当に対象から外れてしまったのかどうかというところを検証が一つ一つ必要なところなのかなと思っております。
○辻参考人 違います、違います。新規の方です。新規の方の判断するところで当然それは狭まった基準になっていると考えますが。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
文字のところを御覧いただきますと、新規の患者さん、新規の診断基準というものは、旧診断基準と比べますと、抗核抗体のエントリー基準が出たというところ、そこについては狭まる可能性があると思っております。
○辻参考人 ありがとうございます。
○竹内委員 すみません。竹内です。
○花島委員長 どうぞ。
○竹内委員 その点に関しても、数字の上ではこれまで40倍も80倍も認めていたのに、今回、80倍カットオフになって、感覚的には当然範囲が狭まるのではないかという御意見だったと思いますが、この間に、この10年間、20年間の間に抗核抗体の倍数の検査の感度が上がっています。ですので、10年前に行った抗核抗体の40倍の検査は、今の検査で行うと80倍以上になる可能性もありまして、最近はこの抗核抗体の感度が非常に上がっていて、正常と異常の間のカットオフの設定が難しいという背景があります。ですので、今回80倍という数字が決定された背景は、抗核抗体検査そのものの感度向上というのがあります。したがって、数字が上がったからといって即範囲が狭まるという認識ではありませんので、その辺りは本当に科学的に検証する必要があるということを改めてお話を申し上げておきたいと思います。
その上で、2019年基準というのは世界で決められた基準で、その基準設定の中には患者さんも入っていますし、行政の方も入っています。そして、WHOはこの基準をもって全身性エリテマトーデスの世界の疫学調査をしていますので、日本だけそうでないということはあり得ないと思いますので、この新しい基準を使ってこの全身性エリテマトーデスを分類し診断していくということは全く妥当かなと思いますし、先ほどの資料3の、改めて言いますけれども、既認定者が新しい分類基準を使って満たさない場合は、その前の分類基準を使って認定すると書いてありますので、この文言どおりに読めば、今回の御提案は適切かなあと判断いたします。ありがとうございます。
○花島委員長 ありがとうございます。ほかにないでしょうか。
それでは、いろいろいただいた御意見を踏まえて、事務局と私と相談させていただいて、また新しく練り直していただくというような方針でよろしいでしょうか。
事務局、何か追加事項がございましたらお願いできますでしょうか。
○安藤難病対策課長補佐 事務局でございます。
先生方、いろいろと御議論くださいましてありがとうございました。今、竹内先生もおっしゃったとおり、最新の医学的知見、こちら、国際的にも使用されているものであって、昔よりもかなり感度高くなっているものでございますので、新規の疾患について、マイスリーだけではないですけれども、そういったものが予想されます。したがいまして、新規の患者さんにつきましては、新規の診断基準で診ていくと。一方で、既認定の患者さんについては、旧基準というところを用いることを当面の間とさせていただきたいと。その当面の間というものに区切りがあるかどうか、そういったところにつきましては、それぞれ個別の疾患で事情があるかと思いますので、そういったところも含めて引き続き議論とさせていただきたいと、そのように考えております。
以上でございます。
○花島委員長 まとめていただいてありがとうございます。このような方針でよろしいでしょうか。
それでは、事務局にお返しいたします。
○島田難病対策課長補佐 先生、ありがとうございます。また、委員の皆様も御議論いただきまして誠にありがとうございました。局長から冒頭申し上げましたように、前回の難病対策委員会におきまして、指定難病の研究進捗状況の確認、その検討状況につきまして、本来であれば11月頃に難病対策委員会のほうに御報告するというようなことをお示ししていたところでございます。こちらにつきましては、引き続き事務局において情報を整理しているところですので、追ってお諮りさせていただければと考えております。
また、次回の委員会の日程につきましては、現時点でございますけれども、12月12日の木曜日17時からを予定しております。こちらも最終的な決定次第、改めて御案内申し上げます。
事務局からは以上でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
本日は以上で終了いたします。ありがとうございました。