2024年11月28日 令和6年度第9回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

日時

令和6年11月28日(木)13:00~15:30

厚生労働省専用第15会議室
(東京都千代田区霞が関1ー2ー2)

議題

(1)医療用医薬品の安定的な供給の確保について
(2)医療用麻薬の流通の合理化について
(3)その他の検討が必要な事項について
(4)とりまとめ骨子案について

議事

○重元総務課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「令和6年度第9回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
初めに、事務局から連絡事項を申し上げます。本日は会議室における対面形式とオンライン形式を併用して本部会を進めさせていただきます。本部会につきましては公開とさせていただきますが、一般の方の会場への入場を制限し、報道機関の方のみの入場とさせていただいております。会議の議事録は後日公開いたします。またYouTubeでの同時配信も行っております。
厚生労働省全体の取組といたしまして、審議会等のペーパーレス化を進めております。本日はペーパーレスでの開催とさせていただきますので、資料は御手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点等がございましたら、適宜、事務局がサポートいたしますのでよろしくお願いいたします。
続きまして資料の確認です。議事次第にお示しのとおり、資料1から4、参考資料、参考人提出資料がございます。Web参加委員におかれましては、事前にこれらの資料をメールにて送付しております。過不足がありましたら御連絡をいただければと思います。
最後に審議中の御意見、御質問の方法についてお知らせいたします。まず、会場にお越しになって御参加いただいている委員におかれましては挙手をしていただき、部会長から指名されましたら卓上のマイクをオンにして御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたらマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
また、オンラインで御参加いただいている委員におかれましては、御発言をしない間はミュートにしていただきますようお願いします。御発言の際はZoomの「挙手」ボタンを押していただき、その後、部会長から順に発言者を指名しますので、マイクをオンにして御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたらミュートにしていただきますようお願いいたします。また、カメラについては常時オンにしていただきますようお願いします。
続きまして、本日の委員の出席状況ですけれども、全員対面またはオンラインにて御出席をしていただいております。また、議題3に関連して、日本臨床検査薬協会の佐藤参考人に御出席をいただいております。なお、伊藤委員におかれましては、40分ほど遅れてオンラインで御出席される予定と伺っているところでございます。
それでは、冒頭のカメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。それでは、以後の議事進行を福井部会長にお願いいたします。
○福井部会長 それでは、議事次第を御覧いただきたいと思います。
ただいま、重元課長が説明されたように、本日は4つの議題が用意されております。本部会での御議論の取りまとめが近づいておりますので、委員の先生方、考えられていること、重要なことを言い忘れたということのないように、どうぞ御発言を心おきなくしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、議題の1に入りたいと思います。「医療用医薬品の安定的な供給の確保について」。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
資料1「医療用医薬品の安定的な供給の確保」に沿って御説明を申し上げます。
前回、この議題を取り上げていただいた会議におきまして、安定確保会議における議論の状況等について御報告をさせていただきました。
その後の議論の進展等も踏まえまして、制度改正に関わるところを中心に、論点の形で整理をさせていただいてございます。
2ページへお進みいただけますでしょうか。
まず、現時点の状況、令和6年10月現在、医療用医薬品の約5分の1が限定出荷・供給停止の状況になってございます。特に後発医薬品を中心に、こうした状況が数年にわたって続いている状況でございます。
4ページを御覧いただけますでしょうか。
上のほうのグラフ、これは、医薬品全体につきまして、今、申し上げました供給停止、限定出荷の状況、円グラフのほうが、その比率を表してございまして、その右、棒グラフのほうは、これを直近の時系列で追ったものということでございます。
大体4分の1程度の医薬品が限定出荷、出荷停止という状況が続いてございました。足元5分の1を切るぐらいのところまで来ておりますのが、でも、まだまだ限定出荷、出荷停止、これだけの品目で続いているという状況でございます。
2ページにお戻りいただけますでしょうか。
2つ目のポツでございますけれども、こうした状況に対応するため、1つは「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」、こうしたものを私どものほうで開催いたしまして、後発医薬品産業、ここには、少量多品目生産による生産効率低下等の課題があるのではないか、そうした課題認識のもと、個々の企業において安定供給の確保の体制を整備していただくということ、そして、安定供給確保に係るマネジメントシステムの確立が必要であること、こうしたことも含めた提言をおまとめいただいたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、3つ目のポツでございますが「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」、安定確保会議におきまして、安定供給確保のマネジメントシステムについて議論を行っていただいてまいりました。
本日御議論いただきたい事項、制度改正を念頭に置きながら、大きく4つに分けてござ
います。
1つ目が「医療用医薬品の製造販売業者における安定供給確保に向けた体制整備」。
2つ目が「供給不安の迅速な把握/報告徴収/協力要請」。
3つ目が「安定確保医薬品の供給確保策」。
そして、4つ目が「需給データを活用したモニタリングの実施」でございます。
それぞれの論点に沿って御説明を申し上げます。
まず、6ページを御覧いただけますでしょうか。
これが安定確保会議におきまして、今、私が申し上げたことを全体像としてお示ししている資料ということでございます。
左から右に平時から有事へと流れていくようなことを模式的に表してございまして、一番左の青のところ、個々の企業、個々の製薬企業において、安定供給確保に向けた体制を整備していただくということ、これが全ての出発点であろうと考えてございます。
1つ目の丸のところでございますが、手順書を整備する、あるいは、一定の在庫や生産管理等、こうした安定供給確保のための措置、こうしたものを法令上の遵守事項とするということ。
そして、2つ目のポツのところでございますが、安定供給責任者を設置するということについて法令上の義務とする。こうしたことが、個々の企業における体制整備ということになります。
続きまして、右上の緑のところを御覧いただきますと、供給不安を迅速に把握/報告徴収を受け、協力を要請する。
これは、今、供給不安報告、供給状況報告ということで、企業から報告を通知ベースで求めておりますが、これを法令に位置づけるということ。
そして、現在、厚生労働省におきましては、こういう供給不安等に対しまして、製薬企業、卸等には、供給状況に関する報告徴収を求める、あるいは製薬企業、卸、そして医療機関、薬局等に対しましては、必要な協力要請を行う、こうしたことをしておりますので、これも法令に位置づけることとするとしてございます。
そして、赤のところ、その中で特に安定確保医薬品につきましては、供給確保の要請ということが必要になってくると考えられます。
安定確保医薬品、これも法令に基づかない形で、今、指定をしてございますので、これを法令に位置づけるとともに、指定時からの状況の変化を踏まえて必要な見直しを行うということ。
その上で、この安定確保医薬品につきましては、感染症法上の感染症対策物資と同様に、生産促進等の要請、それから報告徴収、こうしたことのほかに、サプライチェーン強靱化の観点から必要な要請を行えるようにするとしてございます。
そして、一番下、オレンジのところでございますが「需給データを活用したモニタリングの実施」といたしまして、電子処方箋のシステムあるいは平時からのモニタリングのデ
ータ、こうしたものを活用しながら、もちろん費用対効果という観点も重要ですので、そうした観点も踏まえながら、供給不安の兆候、市場全体の供給状況を把握する取組を検証・実施するとしてございます。
この論点につきまして、制度改正という観点から、もう少し掘り下げて御説明を申し上げます。
11ページにお進みいただけますでしょうか。
1つ目の論点「医療用医薬品の製造販売業者における安定供給確保に向けた体制整備」でございます。
1つ目のポツ、現在、薬機法におきましては、製造販売業者に品質管理あるいは製造販売後安全管理を担う総括製造販売責任者の設置等が義務づけられてございますが、今、申し上げたような安定供給のための体制、そうしたものの管理について特段の規定はございません。
一方で、日薬連におきまして、ジェネリック医薬品の供給ガイドラインというのが定められてございまして、これに基づく形で、後発医薬品の製販業者では、安定供給管理責任者の設置ですとか、安定供給マニュアルの作成等の取組が行われてございます。
15ページから17ページにかけまして、ジェネリック医薬品供給ガイドラインということで、日薬連のほうで定められているもののポイントを抜粋してございます。
例えば、15ページを御覧いただきますと、安定供給、これは社内で各部門にまたがるということでございます。そうした社内の各部門の相互緊密な連絡調整が図れる体制を確立するとか、安定供給を管掌する安定供給管理責任者、そして実務担当者としての安定供給責任者、こうしたようなものを定め、それぞれの責務が2)と3)に書かれてございます。
16ページから17ページにかけましては、そこで安定供給マニュアルとして書くべき内容ということが書いてございます。
1)のところを御覧いただきますと、原薬の安定確保に関する手順、2)で在庫管理に関する手順、3)で生産管理に関する手順、そして4)、17ページにお進みいただきまして、他社に製剤を製造委託する場合の手順、こうしたようなことが定められている、こうしたもののガイドラインに基づいて、社内の体制が整備されているという状況でございます。
11ページにお戻りいただけますでしょうか。
以上のような現状を踏まえまして、今般、医療用医薬品の安定供給体制の確保の観点から、医療用医薬品の製造販売業者に対しまして、安定供給体制管理責任者(仮称)の設置を義務づけるということ。
そして、安定供給のための必要な措置、今、申し上げたような安定供給体制確保のための手順書(仮称)でございますが、こうしたものの作成等を薬機法18条の遵守事項として規定するとしてはどうかということが、基本的な検討の方向性でございます。
1つ目の安定供給体制管理責任者でございますが、これは、製販業者の医療用医薬品の
供給体制の管理を行う者でございますが、具体的には、安定供給体制確保のための手順書、これを遵守するための体制整備、取組、そうしたことを行うことが想定されているものでございます。
2つ目のパラグラフでございますが、この安定供給体制管理責任者に関する法律上の義務、例えば、製造販売業者への意見陳述義務、こうしたものが考えられるわけですが、こうした関係規定、これは総責、品責、安責、こうした規定も参考にしながら、今後施行に向けた議論の中で検討してまいりたいと考えてございます。
12ページにお進みいただけますでしょうか。
2つ目の安定供給のための必要な措置、遵守事項でございます。こちらにつきましては、GQP省令ですとか、先ほど申し上げましたジェネリック医薬品供給ガイドライン、こうしたものなども参考にしながら、1つは、この安定供給体制確保のための手順書、仮称でございますが、これをつくるということ。そして、ここに記載する内容としては、先ほど、現行のガイドラインを御覧いただきましたが、原薬確保、在庫管理、生産管理、他社に製剤を製造委託する場合の手順、こうしたことが想定されてございます。
そして、この手順書をつくるだけではなくて、これを遵守するための体制整備や取組、こうしたことを記載することが念頭に置かれてございます。
具体的な内容につきましては、今後施行に向けた議論の中で検討することとしたいと考えてございますが、留意点として、真ん中の辺りに三角で2つお示しをしてございます。
1つは、今、私が申し上げてまいりました、このジェネリック医薬品供給ガイドラインは、後発医薬品企業を対象としてございます。安定供給に向けた体制整備、これが求められるのは、後発医薬品企業に限られるものではございません。現に、今起きている供給不安、後発医薬品が相対的に多うございますが、当然ほかの医薬品でも起きていることでございます。
したがって、全ての医療用医薬品の企業においてということを念頭に、こうした体制を整備していくことになるわけですが、求められる対応というものは、製造する医薬品によっても異なるものと考えられます。現場の実態に即したものとなるよう、今後検討してまいりたいと考えてございます。
また、2つ目の三角のところでございますが、こうした安定供給体制の確保ということを法律上の規定とする、これは初めての試みでございますし、企業が、確実に効果的な対応を行っていただく必要があると思ってございます。
厚生労働省としても手順書のひな形を示すなど、施行に向けては丁寧に対応を行ってまいりたいと考えてございます。
こうした措置を規定するに当たり、こうした措置の執行、確認ですとか監督指導につきましては、これは薬機法の体系の中で都道府県に行っていただくということを想定してございます。
ただ、これは、都道府県に新しい事務をお願いすることになるものでございます。その
執行体制の整備にかかる期間というのも考慮いたしまして、施行までに十分な期間を確保することを検討したいと思いますし、もちろんその執行体制の整備に向けて、実務を担っていただく都道府県、これはよく御意見を伺いしながら、丁寧に準備を進めてまいりたいと考えてございます。
ただ一方で、今、足元でもこうして供給不安がある状況でございます。早期に医療用医薬品の安定供給体制の確保を図るべきだ、そうした要請は常にございますので、施行の前におきましても運用で各企業に対して、安定供給体制管理責任者の早期設置を求めていくなど、これは厚生労働省において必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。
続きまして、2つ目の論点でございます。18ページまでお進みいただけますでしょうか。
2つ目の論点「供給不安の迅速な把握/報告徴収/協力要請」でございます。
1つ目の箱は、現在の状況が書いてございますが、現在、この限定出荷・供給停止等の状況になった場合、厚生労働省に対しまして供給状況報告等の提出を求めてございますが、これは通知により求めているというのが、今の状況でございます。
私どもといたしましては、こうした報告によりまして事案を把握するということになります。そうした上で、全体への影響なども考えながら、代替薬の製造販売業者あるいは卸売販売業者に対しまして、報告徴収、具体的には、生産、在庫状況の確認などを行わせていただき、そうした上で、供給不足のおそれがあるという場合には、製造販売業者に対して増産の協力要請をする。そして、卸売販売業者や医療機関等に対しまして、適正な供給・使用、例えば、過剰な買い込みをしないでいただきたい、長期処方を控えていただきたい、こうしたことを協力の要請という形で行っているというのが、今の実情でございます。
一方で、この供給状況報告、様々なこうした私どもの取組の言わば契機となる、トリガーとなるものでございますが、一部、まだ供給状況報告をタイムリーにお出しいただけていない、そういう製造販売業者があるのも事実でございます。
こうした中で、検討の方向性というところでございますが、医療用医薬品の安定供給に係るこのような対応を徹底するという観点から、以下のような内容を法令上規定してはどうかと考えてございます。
1つ目が、医療用医薬品の製造販売業者に対しまして、供給状況報告・供給不安報告、こうしたものを厚生労働大臣に届け出ていただくということを義務化するということ。
2つ目、製造販売業者、卸売販売業者に対して、厚生労働大臣は、製造販売等の状況の報告を求めることができるという規定。
そして3つ目、製造販売業者、卸売販売業者、医療機関、薬局等に対して、厚生労働大臣は必要な協力の要請ができる、こうした規定を置くことを案としてはどうかというものでございます。
こうした協力の要請、今でも協力の要請という形で様々な関係者に御理解、御協力をいただいてございます。
こうしたことについて、今回法律で規定するに当たって、罰則をかけてということまで
は考えてございませんが、2つ目のポツのところを御覧いただきまして、この製造販売業者から供給状況報告を届け出ていただく、これは、外形的にこの届け出ていただく場合も、そして届出をいただく内容も明らかなものでございますから、そして、先ほども申し上げたとおり、これは厚生労働省、私どもが様々な措置を取る対応の契機となる出発点となる非常に重要なものでございます。
こうしたことにつきましては、例えば、提出をしないだとか、そうしたことに対しましては、罰則を含めた対応を検討することとしてはどうかとしてございます。
お進みいただきまして、3つ目の論点でございます。24ページまでお進みいただけますでしょうか。
論点の3つ目「安定確保医薬品の供給確保策」でございます。
現在「医療上必要不可欠であって、汎用され安定確保が求められる医薬品」、これを安定確保医薬品といたしまして、506成分、具体的にはカテゴリーのA、B、Cにそれぞれ分ける形で506成分が指定されてございます。
また、2つ目のポツでございますが、経済安全保障上の特定重要物資といたしまして、この安定確保医薬品のカテゴリーAの中からセファゾリン等が指定されてございます。こうしたもの、サプライチェーン上の課題等もございます。安定供給確保の取組が強く求められているという状況でございます。
また、少し違った視点になりますが、感染症対策物資につきましては、令和4年の感染症法改正におきまして、供給不足となる蓋然性が高く、国民の生命、健康に重大な影響を与えるおそれがある場合、こうした場合には、生産計画の提出・変更指示、それに従って生産を行っていない場合の公表、こうしたことが法律上の事項として規定されてございます。
以上を踏まえまして、検討の方向性でございますけれども、安定供給確保医薬品、これは仮称でございますが、これについて、法令上の位置づけを与える。具体的には、専門家の意見を聞いた上で厚生労働大臣が指定する。こうしたようなこととしてはどうかとしてございます。
その上で、この安定供給確保医薬品につきましては、医療上の必要性が高いということ、そしてサプライチェーン上の課題もあるということを踏まえまして、先ほど申し上げました、感染症法上の感染症対策物資と同様の規定を設けることとしてはどうかとしてございます。
具体的には、生産の促進、そして生産促進だけではなくて、その他の安定的な供給の確保のために必要な措置の要請、これは、イメージとしては、現行の安定確保医薬品のカテゴリーA、B相当を念頭に置いてございます。
2つ目、需給状況の把握のための製造販売業者に対する報告徴収、これは、カテゴリーのA、B、C相当を想定してございます。
こうしたことを、法令上の事項として規定をしてはどうかというものでございます。
最後、4点目の論点でございます。29ページにお進みいただけますでしょうか。
4点目「需給データを活用したモニタリングの実施」でございます。
今、様々な医療用医薬品で供給不足の問題が生じてございますが、市場全体の供給状況あるいは現場における需給状況、こうしたものをビッグデータとして把握するような仕組みというのは、残念ながら整備をされてございません。
私どもとして、供給状況報告等をいただき、個別にメーカーあるいは卸、そうしたところにお問い合わせをしながら状況を把握しているというのが、今の実情でございます。
メーカー、製造販売業者にとりましても、自社の生産計画、見通しはあるわけですが、市場全体としてどうなっているか、そうしたことを必ずしも把握するすべがなくて、それが適時適切な増産ということの1つの妨げになっているという指摘もございます。
逆に、こうしたデータを把握することができれば、市場の全体状況を把握することが可能となる、そうしたメリットが考えられます。
もちろん厚生労働省といたしましても、この供給不足の兆候をいち早く把握することが、迅速な対応につながっていくと考えてございます。
つきましては、検討の方向性(案)というところでございますが、現在、支払基金が管理をしております電子処方箋の管理システム、NDBのデータはレセプトベースのデータということで、1か月半程度遅れたデータということにどうしてもなってしまいますが、この電子処方箋管理システム上のデータ、これは薬局等における調剤データが迅速に格納されるということでございますので、こうしたデータにつきまして、医療用医薬品の需給状況の把握の観点から、厚生労働大臣が調査・分析できる、そうした旨の規定を設けることで、モニタリングの取組に活用することとしてはどうかということでございます。
これは、言わば、川下における需給状況の把握のために、法令上の根拠規定を整備して、こうしたものの活用を検討するためのものということでございます。
ちなみに川上のところ、すなわち製造販売業者からの医薬品の需給状況についての報告を求める、これは平時モニタリングということになりますが、感染症対策物資につきましては、既に感染症法上規定の整備がございます。
また、安定供給確保医薬品につきましては、先ほど3番目の論点で申し上げた措置を実施すれば、必要な規定が整備されるということでございますので、個々の企業のそうした生産に関わるデータを、私どものほうで報告を徴収し、それを何らかの形で、集積した形でフィードバックをするということが、川上のほうでも適切な生産につながるということの根拠となることでございます。
以上、駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ございましたら御発言をお願いしたいのですけれども、順番に行きたいと思いますので、最初に「医療用医薬品の製造販売業者における安定供給確保に向けた体制整備」、1番目ですね、この点につきまして、
何か御意見、御質問等ございませんでしょうか。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
医療用医薬品の安定的な供給の確保は、非常に重要だと思っています。一昨日だと思いますが、朝のテレビで東京都内の薬局において、まだまだ解熱鎮静薬、鎮咳去痰薬がほとんど入ってこないという報道もありました。
その上で、11ページの検討の方向性については異論ありません。その中で気になる点ですが、これまで、日薬連のガイドラインが定められていて、安定供給責任者の設置、マニュアルの作成の取組が進められておりますが、各企業での取組がどうなっていたのかというのが少し気になっているところです。
安定供給責任者の設置、手順書を作成していたのであれば、なぜ機能していなかったのか、また、安定供給責任者の設置等への取組が進んでいなかったのであれば、なぜ取り組んでいなかったのか、事務局で分かる範囲で教えていただければと思います。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
私どもとして、この日薬連で出していただいているガイドラインに基づいて、具体的に、安定供給に係る体制整備がどうなっているかという状況につきまして、私どもの研究事業の中で少し調査をしたものがございます。
その時点の調査で見ますと、おおむね90%以上の後発医薬品企業におきまして、安定供給に向けた体制整備を行っていただいているということでございます。
ただ、今、森委員が御指摘になられましたとおり、体制が整備されていても、現にこうした供給不安の問題が生じているということでございます。
1つは、こうした体制整備が、この調査自体は、ガイドラインに沿ったものが十分に整備をされているか、整備されているが課題はある、それか整備していない、こうした選択肢でアンケート調査を取っているものということでございまして、実際に企業においてきちんと実効あるような体制ができているかどうか、そうしたところまでは、残念ながら確認できているものではございません。
そうしたことは、もし、今回、制度的な枠組みを整備していくことになれば、きちんとそうしたことを求めていきたいと思いますし、また、個々の企業の安定供給に向けた体制整備だけではなく、まさにある企業で品質上の問題が発生し、そうしたものをカバーするようなキャパシティというものが、必ずしも他の後発医薬品企業にない、こうしたことというのは、少量多品目構造といった後発医薬品産業の根底に関わる問題もございます。
また、今日御議論いただいているような安定供給確保のマネジメントシステムみたいなことを、きちんと法令上のルールとして位置づけていく、そうした様々な取組が相まう形で進めていかないといけないと思ってございまして、この安定供給の体制整備、これは、個々の企業にやっていただくことが出発点だと思ってございますが、全ての解決策ではな
いという前提のもとで、しかし、これを徹底してやっていくということが重要だと考えてございます。
○福井部会長 どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
幾ら法令に規定しても、きちんと運用されなければ何もならないと思っております。きちんと機能するような運用をお願いしたいと思います。
もう一点、安全供給責任者ですが、先ほどガイドラインの中でも、多くの部署に関連することになるということが書いてありました。13ページ目に、企業の安定供給責任者の設置例が出ていましたが、安定供給責任者をどこに位置づけるのか、また、その義務、権限、そして総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者との関係を整理することが必要だと考えております。
最終的には、総責が安定供給を含めて全て管理して、最終的な責任は企業が負うことを明確化すべきだと考えます。
あと1点、12ページ目の最後の記載ですが、都道府県の準備期間が必要であり、準備期間を踏まえて施行するということは理解します。ただ、各企業には施行を待たずに、すぐに安定供給責任者の設置などを求めていくべきだと考えますし、各企業は設置等をしていくべきだと考えます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。御指摘どうもありがとうございます。
まず、1点目の安定供給管理責任者でございます。これは、実際にどういう形で各企業に置かれているか、これは、実態は様々だと思いますが、一般的には、生産計画の策定を行うような生産本部、この生産本部という名前になっているか、サプライチェーンマネジメント部みたいな名前になっているか、名称は様々でございますが、そうした本部長が担っていることが多いと思います。
ただ、安定供給体制の確保、ガイドラインにも書かれているとおり、様々な部署にまたがることが多いと、そうしたものをきちんと、この生産計画の策定を統括する部署で、責任者として束ねていただく、そういう体制が重要だと思ってございます。
こうした方向性をお認めいただければ、具体的なもの、ひな形を示していく中で、きちんとそうしたことをお示ししてまいりたいと思ってございます。
それから、この施行に向けて、これは実務を担っていただく都道府県との関係がございます。ここは、都道府県の御意見も丁寧に伺いながら、やはりきちんと体制整備に必要な時間を確保しながら取り組んでいきたいと考えてございますが、資料にも記載したとおり、施行前においても、これだけ供給不安の状況が続いているわけですから、各企業には前倒しで、こうした安定供給体制管理責任者の早期設置など、必要な対応をお願いしたいと考
えてございます。
これは、企業側でもそうしたことを受け止めていただけると、私どもは思っておりますので、厚生労働省としても必要な調整を進めてまいりたいと考えております。
○福井部会長 ありがとうございます。
ほかには、いかがでしょうか。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 花井です。ありがとうございます。
今回、かなり踏み込んだ法改正をすると認識しているのですけれども、ジェネリックを中心に、こういった問題を想起しているのですが、かつて昔話になりますけれども、グローバルで供給が滞ったときに、この国内法人もグローバル本社に安定供給を求めるのですけれども、そのときに国によって供給の優先度が決まっていて、それへの対応というのが、国内の法人が、いろいろ対応で頑張ってもらうとか、そういうことがあったのですけれども、そういった、いわゆる工場が海外にある、世界で取り合いになるみたいなときに、安定供給というのは、今回の改正の中で何らか読み込んでいる部分があるのでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
今回のこうした一連の義務等につきましては、これは製造販売業者に対して課すということにしますので、その意味において一義的な責任を負うのは、そこということになります。
一方で、今、花井委員が御指摘になったとおり、今、医薬品のサプライチェーン、これは海外も含めまして、非常に多岐にわたっている。そうした中で、そこが一部でもストップしてしまえば、そうした供給上の問題が起きるということ。
そうした意味において、私どもサプライチェーン調査といった形で、各企業の各医薬品のサプライチェーンに脆弱性がないかどうか、そうしたものを自己点検していただくとともに御報告していただく、そうした取組をしてございますし、そうした中で私どもとしては、原薬を複数ソース化して、仮に1個で何か支障がある状況が起きたとしても、そうしたものを代替、カバーできるような体制、そうしたものも求めているところでございます。
今回の法令上の措置におきましても、24ページ、3番目の論点のところにおいて、安定確保医薬品の供給確保策というところにおきまして、検討の方向性、2つ目のポツの1つ目の三角のところですが、特にこうした、今、花井委員がおっしゃったような確保の必要性が高い、安定確保医薬品のA、B相当につきましては、生産の促進その他の安定供給の確保のために必要な措置の要請、その他の安定的な供給の確保のために必要な措置ということは、今のこのサプライチェーン上の課題、例えば複数ソース化をするだとか、そうしたことも含めて念頭に置いておるものでございますので、もちろん現象としての供給不足の物に対応するほか、サプライチェーン上の課題につきましても、本当に必要な医薬品については、きちんと対応を求めていく、そうしたことも、法令上の対応としてできるよう
にする、そうしたことも念頭に御提案をさせていただいてございます。
○福井部会長 それ以外には、いかがでしょうか。
中島委員。
○中島委員 東京都の中島です。
12ページの一番下のポツのところの記載で、確認、監督指導は都道府県で行うという部分について、3点意見をさせていただきたいと思います。
まず、1点目ですけれども、現在、都道府県では医薬品の品質確保等に向けて、監視指導を行っておりますけれども、もし供給量の確保を所管することになれば、供給に支障が出る品質問題が生じたときに、品質確保と供給量確保の板挟みとなってしまいまして、品質確保のための適切な措置ができないおそれも考えられます。
そのため、都道府県が担うのは、企業の体制整備の確認に限定としまして、供給量の把握や調整等の業務は所管しない形にしていただきたいと思います。
また、国の所管につきましても、都道府県が関わる体制整備の部分は、供給調整を担う医政局ではなくて、事業者への指導等を行う医薬局、監麻課さん等にしていただきたいと考えております。
次に、2点目ですけれども、実効性の確保についてでして、責任者や手順書の整備等ができた段階で、許可の取得、更新を認めるなど、実効性を確保するために必要な運用方法を取っていただきたいと考えております。
最後に、施行までの期間についてなのですけれども、業務内容を考慮しますと、都道府県では人員確保や体制整備のための準備時間が必要になると考えております。
各都道府県の状況や、また、過去の法改正時の対応も考慮して、施行までには十分な期間を設けていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 お願いします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 どうもありがとうございます。
御指摘いただいたとおり、供給不足そのものに対する対応ということ、これは、今回御提案させていただいている、例えば供給状況の報告、これは厚生労働大臣にいただくこととしてございますし、それに基づいて必要な協力の要請をする、これも厚生労働大臣がすることができると。つまり、一元的に厚生労働大臣を中心とした形で、こうした対応を図っていくことを念頭に置いている体系でございます。
そうした中で、都道府県におかれましては、今、申し上げました、個々の企業における安定供給の体制の整備、こうしたことについて確認、監督指導を行っていただく、そうした役割分担をお願いしたいと考えているものでございます。
また、そうしたことで、今回、薬機法何条でということも論点の中でお示しをさせていただきましたが、薬機法というものが、品質、有効性、安全性が確保された医薬品を国民にお届けするための法律である、これは大前提でございますので、この安定供給をするからといって、こうしたものをないがしろにしていいと私どもは考えてございません。それ
は改めて申し上げたいと思います。
また、所管について御指摘がございました。私どもが今回検討している安定供給に係る規定、これらは一体として私の課、すなわち医薬産業振興・医療情報企画課が所管することを想定してございますが、都道府県にお願いする具体的な事務の詳細につきましては、薬事監視指導要領等で都道府県にお示しすることを想定してございます。
具体の監視指導業務につきましては、監視指導麻薬対策課、安全対策課、そうしたところの主導のもとに実施していくことになるということでございます。
それから、実際の運用に当たって、実効性の確保ということ、これは御指摘のとおりだと思いますので、実務を担当される都道府県とよく意見交換をさせていただきながら進めていきたいと思います。
それから、施行までの時期については、これまでも繰り返し申し上げてきたとおりでございます。よく御相談しながら進めてまいります。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか、オンラインでの委員の先生方もよろしいでしょうか。
私も個人的に都道府県が関わると、結構凹凸がございまして、その対応の仕方、いろいろな手の打ち方が、随分違うなということを違う分野のことで経験したことがございますので、ぜひ考慮いただければと思います。
それでは、2つ目の論点に行きたいと思います。「供給不安の迅速な把握/報告徴収/協力要請」。資料は、18ページからでしたでしょうか、この点につきまして、何か御意見、御質問等ございませんでしょうか。
林委員、オンラインでどうぞ。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
この安定供給問題に関しましては、安定確保会議等でしっかりと取り組んでいただき、先ほどもございましたけれども、法的枠組みを踏まえて検討いただいているということ、感謝いたします。しっかりと実効性が上がるように対応していただきたいと思っております。
加えまして、18ページの、いわゆる供給状況の報告のところなのですけれども、歯科の汎用の抗生物質等の薬に関しましては、まだまだ現場で入手が困難だということでございます。
特に零細な歯科医療機関の院内処方に関しては、極めて困難さが目立っているということで、院外処方で出すと、まだ何とか対応していただいているという実情がございます。
製販業者に関しての聞き取りもそうなのですけれども、しっかりと卸や流通の問題も含めて聞き取りをしていただいて、今後、協力要請をお願いしたいと思っております。
私からは以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
何かございますか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
抗生剤につきましては、今、一定の状況のもとで、少し供給が不足しているという状況がございます。
そうした中で、今、林委員から御指摘がありましたとおり、歯科につきまして、特にそうした状況が生じていないか、これは、歯科の場合には、卸、流通の構造に少し歯科特有の構造もございますので、そうした点、よく意を用いながら我々としても、歯科の卸、流通の実態などもよく状況を把握させていただきながら、必要な対応を進めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
供給状況の報告に関しては非常に重要なことなので、義務化には賛成です。
その上で供給状況報告を出していない製薬企業があることに、正直驚いています。そうした中、厚生労働省として通知といえども、もっと早く強い対応を求めるべきだったのではないかと考えます。
以上です。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
この供給状況報告を徹底するということ、これを今年の4月からスタートいたしました。それで、私ども供給状況報告は、まさに先ほど申し上げた日薬連の調査結果、これは月に1回のアンケート調査結果でございまして、1か月半遅れぐらいでやっとその状況が出てくる、こうしたことでは供給不安の状況に対して、あまりにもデータとして不適切ではないかということで、このリアルタイムで出していただける供給状況報告、この状況は、私どもの部下が毎日状況を更新してホームページに掲載してございます。ですので、適切に報告をいただければ、それがリアルタイムでの供給状況を表すデータということになるので、これまでも徹底を求めてまいりました。
一方で、日薬連の調査結果と、この厚生労働省に報告いただいているものとの間のそごということにつきましても、私ども整理をして、これまで安定確保会議でお示しをしてまいりました。
実際に4月に制度がスタートしたときよりは、報告漏れのようなことは減ってきてはいるのですが、まだ一定数存在するというのは、森委員御指摘のとおりでございます。
私どもとして、関係団体を通じまして周知を行っているところでございます。私どもは、日薬連と連携をする形で毎月、特に限定出荷の解除も含めまして、説明会を開催して企業に対して取組を促しております。そうした中で、本件についても取り上げながら、周知を
しているところでございますが、引き続き、これが、私が先ほど申し上げたとおり、様々な取組の出発点になるところということでございますので、徹底するよう企業に促してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
茂松委員、どうぞ。
○茂松委員 ありがとうございます。
以前、供給側から、医薬品の供給量についてはある程度足りているという報告が出ていますが、我々日本医師会には医療機関から、地域によっては全く供給がされていないという情報が報告されています。そこにかなり齟齬があるということと、地域差がかなりあるという事実がございますので、そこのところに少し注意をしていただければなと思います。
○福井部会長 何かございますでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
私どもとして、この供給不足の問題に対応する、これは供給を増やす、需要を適正化する、配分を適正化する、この3つを組み合わせてやるというのが、今あるリソースを関係者に御協力いただきながら可能な限り対応していくという方法だと思ってございます。
今、メーカーのほうに供給を増やすということ、それから需要側のほうでは足りない場合に、この処方について適切な形でお願いする、買い込みを控える、こうしたこともお願いしておりますし、そして、最後の配分の適正化、これは、卸が今、そうした機能を担っていただいてございます。卸のほうも入ってくる量が少ない中でやりくりをしていただいているという状況があるわけでございますが、一方で、例えば解熱鎮痛剤等につきましては、厚生労働省に110番を設けまして、どうしても自分の医療機関、薬局に回ってこないということ、厚生労働省にお問い合わせをいただければ、そこの地域の卸と連携をしながら何とかそこに回るようにする、そうした取組をしてございます。
ここは、茂松委員がおっしゃったとおり、配分の適正化の中で、必要な対応を引き続き徹底してまいりたいと考えてございます。
○福井部会長 これは、責任者を設置することが求められる会社の数というのは、どれくらいあるのですか、日本全体で。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御指摘ありがとうございます。
今、お示しをしているのは、医療用医薬品ということで示しをしてございます。
一方で、医療用医薬品と申しましたときに、具体的に外延をどこに取るのかということ、これは少し論点があると思ってございまして、例えば、体外診断用医薬品、医療用医薬品といったときに外形的には入るかもしれませんが、現実には、医療関係者の方であれば、むしろ医療機器と並びで体外診断用医薬品などは考えていただいていると思います。
そうした意味におきまして、今、私のほうで医療用医薬品の外延を、まだきちんと決めきれていないところがございますので、今、御質問いただいた点についても答えを持ち合
わせておらないのですが、引き続きそこは、現場の状況、今回のような対応措置を講ずる必要性というのは、こうした供給不安の状況が構造的にずっと続いている、これに対応する必要がある範囲が厳密にどこまでなのかということを、実際の施行に向けた準備の中で確定しまいりたいと考えてございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
今、課長のほうから供給状況の報告が、安定供給を確保する上での出発点となるというお話がありました。これは、非常に重要なことだと思いますので、しっかりと運用されるようにお願いしたいと思います。
以上です。
○福井部会長 よろしくお願いします。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。それでは、3番目の「安定確保医薬品の供給確保策」、資料では24ページが主として説明の対象になった部分だと思いますが、この部分につきましては、いかがでしょうか、何か御質問、御意見をお願いしたいと思います。
それでは、先に、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。方向性に賛成です。
先ほど花井委員からも指摘のあったところについて、同じような問題意識を持っております。
それについて、水谷課長からも御説明のあったところですけれども、検討の方向性にある「必要な措置の要請」で済まない薬剤については、平時からの対応が極めて重要と考えています。
先ほど水谷課長から御説明のあったように、ぜひ、事前に必要な対応ができる枠組みになるよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○福井部会長 よろしくお願いしますということで、よろしいですか。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
安定供給確保医薬品について、法令に位置づけること、それから安定供給確保のために必要な措置の要請等ができるようにすることは重要なことであり賛成です。
その上で、現在、安定供給確保医薬品の選定が改めて行われているようですが、現在、A、Bに含まれていない医薬品で、供給不足に伴って現場で入手ができず、医師とも協議した結果、代替が非常に難しかったということを何回か経験しています。どのような医薬品を安定供給確保医薬品に位置付けるかのみならず、どのような医薬品をA、B分類にするかということも含めて検討いただければと思います。
以上です。
○福井部会長 よろしくお願いいたします。
ほかには、いかがでしょうか。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 半分興味本位なのですけれども、生産計画とかを出すときに、国内の工場だと大体キャパシティというのが分かるのだと思うのですけれども、例えば、輸入している場合に、海外の工場の生産計画というのは、そもそも見られるものなのかということと、あとキャパシティが、海外の場合は、少しそこが隠されていたりする場合もあるのですけれども、その辺の情報の開示具合というのは、実態としてはどんな感じなのでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
ここは、一概にお答えすることは難しいかと思いますが、製造販売業者のほうにおきまして、海外から、例えば原薬を輸入しているのか、あるいは最終製剤を輸入しているのか、そういうことによっても状況が異なるかもしれません。
私どもとしては、製造販売業者である以上、そこは、海外からどういうスケジュールで、どのように原薬なり、充填前の最終的な製剤であるとか、そういうものが入ってくるのかということは、ある程度スケジュールをもって把握されているのではないかと思いますが、もしメーカーの委員のほうから、何か補足等があれば、ぜひいただければありがたいと思います。
○福井部会長 いかがでしょうか。
中濱委員、お願いします。
○中濱委員 ありがとうございます。エーザイの中濱でございます。
今、水谷課長からおっしゃっていただいたように、状況によって変わるのですが、基本的に一定期間前に、どれぐらいの物量で生産するか、余裕を持って把握しているのが現状でございますし、生産計画というのは、実際の消費物量を見通して、タイムリーに変更を協議しております。
以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。それでは、4番目の「需給データを活用したモニタリングの実施」については、いかがでしょうか。資料の29ページについての説明が主でしたけれども、山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
この方向性については賛成なのですけれども、1つ確認しておきたいことがございます。
29ページの検討の方向性、このモニタリングの方法として「電子処方箋管理システム」と書いてあるのですけれども、電子処方箋管理システムということは、電子処方箋だけではなくて、紙処方箋の場合に薬局で電子化したデータも使うという解釈でよろしいのでし
ょうか。
というのも、今、電子処方箋システムは始まっていますけれども、発行している医療機関はまだとても少なくて、一方、薬局は電子処方箋のシステムは、かなり多くのところが導入していると思いますので、その電子処方箋の処方箋と紙処方箋の電子化したデータの両方使えるのであれば、早期の実効性があると思ったのですけれども、そこの確認だけお願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御質問ありがとうございます。
ここは電子処方箋管理システム上に搭載されているデータという趣旨で書いてございますので、山口委員御指摘のとおり、もともと電子処方箋として発行されたデータの部分と、それから紙処方箋のデータを入れ込んだ部分と両方が含まれるということでございます。
電子処方箋につきましては、まだまだ普及が進んでいないという状況の中で、こうした川下の状況をトレンドとして見るときにどういう管理ができるのかという論点はあろうかと思います。もちろん私どもとして、電子処方箋の普及は、引き続き医療現場の御協力もいただきながら進めてまいりますが、一方で、電子処方箋を入れている医療機関、薬局、そこに対する卸からの納入量と、それから調剤として出ていったもの、そうしたものを比較することによって、トレンドとして川下において、トレンドが需給の緩む方向に向かって行くのか、タイトな方向に向かっているのか、そうしたことが把握できないかというのが基本的なコンセプトでございます。
ただ、もちろんベースとしてカバーしている範囲が少なければ、当然そうしたデータに対する信頼性も揺らいできますので、引き続き、電子処方箋の普及に努めながら、また、データにしっかりと対応できるように整備してまいりたいと思ってございます。
以上です。
○山口委員 ありがとうございます。
そうであれば、比較的早くに実効性のあるモニタリングになるのではないかなと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
今、たしか薬局での電子処方箋の受入れ体制が50%を少し超えたのではないかと思っています。
重要なことは、今、電子、紙を問わず、電子処方箋の受入れ体制ができている薬局に関しては、速やかに調剤情報を上げるようにしています。
そうしたことで、今日ここにあるような形のことも把握できるのですけれども、もしかしたら、このデータを使うことによって、例えば感染症の発生状況というのも把握できるのではないかと思いますので、ぜひ有効に使っていくべきだと考えます。
以上です。
○福井部会長 よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、オンラインで、伊藤委員、よろしくお願いします。
○伊藤委員 御説明ありがとうございます。2点ほど質問させていただきます。
まず、これを使うことによって、どれぐらい迅速な把握をしようと計画されているのかということと、主に、これは誰を対象として示すデータベースなのかということの2点の確認です。
レセプトだと1か月半ぐらいかかるのが、電子処方箋であれば、リアルタイムで分かるということですが、そもそも紙のものを電子化したのがあるので、処理する時間などもかかるかと思います。
あと、今回2つのデータセットが必要で、製造販売業者からの報告というのは、どの程度タイムラグがあるものなのか。そのタイムラグを合わせて分析するとなると、結局どのぐらいのアイドルタイムがあるのかということについて確認させてください。
2点目は、誰に向けたデータベースなのかということで、基本は、国が情報を把握するということなのですけれども、結局のところ、供給調整をするために、製造販売業者に何かしらアクションを求めるのであるとすると、例えば、都道府県で赤とか青とかマッピングしたとしても、恐らく製造販売業者は、薬局や卸さんからの情報で、ここが足りないという情報は、もっとこのデータベースより前に分かっているのではないかと。
そうであるとすると、この青とか赤とかの32ページのマップというのは、基本、誰のためにつくっているものなのかという点を確認させてください。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。どうぞ。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
すみません、私が詳細に御説明していなかったものですから、資料の31ページを御覧いただけますでしょうか。
私ども申し上げていることは、2つのことがございまして、1つは、いわゆる川上、製造の段階における、つまりメーカーのほうがより情報を多く把握することによって、より適切に増産等の対応を取っていただけるようにするということでございます。
具体的には、31ページでございますけれども、製造販売業者それぞれが持っている生産の計画、生産量、在庫量、出荷量、こうした情報をお出しいただき、それを私どものほうで取りまとめてフィードバックをする。そうすると、各社では個社の生産量であったり、生産計画であったり、在庫であったり、そうしたことをそれぞれが把握しているだけなのですが、市場全体として、もちろんこれは個別の個社の情報というよりは、アグリゲートした情報ということでございますが、そうした情報をフィードバックすることで、市場全体における状況をモニタリングするとともに、市場全体としてどれだけ足りないのか、そうしたものも見ながら増産できるようにするということで、この需給の状況、その成分における市場全体の状況を把握しながら、より適切に生産をしていただけるようにすること
ができないかという発想でございます。
それから、32ページのほう、こちらは川下の状況でございまして、これは個別の成分ごとに、実際に需給のバランスがどうなっているかということでございます。これは川下でございますので、電子処方箋のデータに基づきまして、薬局のほうから、どれぐらいそのお薬の調剤量が出ているのかという、その出のほうと、当該薬局にその成分の薬がどれぐらい入っているか、これは、卸からの出荷情報で把握することが、論理的には可能でございますので、そこの卸から当該薬局への出の量と、それから薬局からの調剤という形での出の量、そこの比較をすることによって、要はヒートマップ的に、そうした需給の状況が見られるのではないか、そうした発想でございます。
ただ、これは、まだこうしたことが考えられるのではないか、すなわち、今、それぞれの流通に関わる主体が持っておられるデータ、そうしたものをつなぎ合わせて比較することによって、可能なものがあるのではないか、そうした観点から、今申し上げたような御提案をさせていただき、その中で電子処方箋については、法令上の根拠が必要なものですから今回御提案をさせていただいてございます。
一方で、具体的にどういう形で制度設計、システム設計あるいはそれが費用対効果の観点から首肯し得るものであるかどうか、そうしたことというのは、引き続き検証しながら進めてまいりたいと考えてございますので、今、先生がおっしゃられたような、どの範囲を対象として、どういうデータベースになるかということ、こうしたことについては、この設計をしていく中で、また検討をさせていただきたいと考えてございます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございました。
伊藤先生、どうぞ。
○伊藤委員 御説明ありがとうございました。
そうであれば、現時点ではタイムラグがどれぐらいとか、そこまで具体化されているものではないということを承知いたしました。
このように電子処方箋のデータを活用するということは、先ほど森委員もおっしゃいましたけれども、とても大事なことだと思います。
ただ一方で、むやみやたらにデータベースと、フィードバックのためのシステム設計とか、事務とかが増えて、たくさんのデータベースが乱立して、結局どれを使ったらいいかよく分からないというような形になってしまっては、DXの投資が無駄になってしまうと思いますので、うまく有効活用して、いろいろな目的のために汎用性を高く使えるようにしていただきたいということと、いわゆる川上の業者さん、それから川下の薬局さんの状況であれば、恐らく当事者、卸さんなどを通じて、より詳細な情報をもっと、自分たちの商売に関わっているわけですから、遵守できているのだと思っておりますので、その辺りで、本当は薬を探しているユーザーに向けて、きちんと情報が伝達されることが、本来の電子化の意味だと思いますので、将来的には、そういう方向性も検討していただきたいと思い
ました。
以上です。ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 産経新聞の佐藤です。御説明ありがとうございます。
方向性について賛成です。
今回お示しいただいたものは、供給不安、供給不足に対応してのものと理解しています。
その上で、少し長期的な希望的なことを申し上げたいと思います。調査対象の品目ですけれども、費用対効果の観点も踏まえてと明記してあります。その辺りは、もちろんだと思っておりますが、「同一の薬効・成分」でくくれるものについては、ゆくゆくは、把握する対象を増やしていけるといいのではないかと思っています。
また、把握のタイミングについてですけれども、7が卸売販売業者の出荷量、8が薬局等の処方量と、ワーキンググループの資料には書いてありました。
7と8の間になるのかもしれませんが、例えば、構想区域単位当たりの薬効成分ごとの量であるとか、あるいは薬剤師会単位になるのか、すみません、市町村単位になるのか、よく分かりませんけれども、都道府県では少し大き過ぎるような気がしますので、ある一定区域における同一薬効成分単位での薬剤の把握ができるのかどうか、できるようになるといいと思っています。
以上、希望です。よろしくお願いします。
○福井部会長 水谷課長、いかがでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
これは、実際にこのデータを集めるということ、そして、その中でそれをどういう形でお示しをすればいいかということ、そこもまた必要な議論の点だと思ってございます。これは、安定確保会議のワーキンググループで御議論いただいたときにも、先ほどの伊藤委員の御指摘にも少し関わるのですが、それこそ、まさに個々の患者さんが、どこに行けば、このお薬が手に入るか分からないのだから、そういう情報が分かるようにすべきだ、一番ミクロの状態を想定するということも考えられます。
一方で、そうしたことについては、やはりデータを出す側からしても、どこにどれだけのお薬がどれだけあるのかということを明らかにするということについては、やはり現場の混乱を招いてしまうのではないかという御指摘もございました。
そうした中で、では、どの地域でどれぐらいの状況にあるのかということを見える化するときに、今、佐藤委員がおっしゃったとおり、都道府県単位がいいのか、もう少し二次医療圏単位なのか、もう少し狭い単位なのかということ、これは、今、申し上げた、一方でミクロになればなるほど、また、逆に無用の混乱を招きかねないという御指摘とのバランスの中で、どのように考えていくかを検討してまいりたいと考えてございます。
○福井部会長 よろしくお願いします。
ほかにはいかがでしょうか。
久芳委員、どうぞ。
○久芳委員 ありがとうございます。
資料1全体についてなのですけれども、発言してよろしいでしょうか。
○福井部会長 はい、お願いします。
○久芳委員 ありがとうございます。
改めまして、医機連の久芳でございます。
安定供給の確保に関しては、医療機器、体外診断用医薬品の産業界の立場でも、大変重要な取組であると捉えているところです。
現状は、中医協の材料専門部会でも業界から申し上げましたように、医療保険制度のもとでのスキームで取り組んでいるという状況でございまして、これまでに大規模な供給不安は起こしたことがないと理解しております。
したがって、今回の提案は、医療機器や体外診断用医薬品については対象外であると理解しておりますが、そのような理解でよいかどうかについて、念のため確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御指摘どうもありがとうございます。
今回、医療用医薬品について議論をしていただいているのは、後発医薬品産業における構造的課題を背景に、3年以上の長期にわたって、数千品目の製品に供給不安が生じており、社会的にも大きな影響が出ている、こうしたことを踏まえたものでございます。
一方で、医療機器、それから私が先ほど申し上げたとおり、体外診断用医薬品、こうしたものについては、もちろん特定の個社の事情により一部製品で一時的に安定供給に支障が生じた例ですとか、あるいは新型コロナの拡大によりまして、抗原検査キット等に一時的に供給不安が生じた、こうした事例はございますが、産業における構造的課題等を背景として、長期間、複数の製品にまたがるような大規模な供給不安は生じておらず、今、申し上げた医療用医薬品とは状況が異なると考えてございます。
このため、本部会においては、医療用医薬品を射程とする形で御議論いただいているというものでございます。
以上です。
○久芳委員 ありがとうございました。承知いたしました。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
オンラインで、北澤委員、どうぞ。
○北澤委員 北澤です。
データベースをつくって需給のモニタリングしようというアイデアを伺っておりますと、参加される行政ももちろん、各企業の方、卸の方、それから医療機関、薬局など全員が性善説に立ってつくり上げるシステムのような印象を受けました。
お尋ねしたいのは、データベースをつくって、逆によくないことが起こる可能性というのはあるのでしょうか。例えば、今、薬が足りなくなっていることがわかって、生産して少し需給がよくなってきた、逆に余りそうになってきた、そうしたらもっと営業をかけようとか、本来の目的とは違う意図で利用されることはないのか、説明を伺っていて少し気になったので、全く的外れのことを聞いているのかもしれないのですけれどもお尋ねしたいと思います。
(3)番の安定確保医薬品を決めていくという作業についてもそうなのですけれども、安定確保医薬品の成分に選ばれたら生産に責任が生じると同時に、ある意味、いろいろな補助金ですとか、そういったところで優遇される制度になっているので、特定の成分を安定確保医薬品に選んでもらうような活動といいますか、制度を本来の目的とは違う目的で使われることがないのか、お尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 ありがとうございます。お願いします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御指摘どうもありがとうございます。
まず、私どもとして、今回のモニタリングの仕組み、あるいは2点目で御指摘いただきました安定確保医薬品の仕組み、これが、こうしたものを目的としたものだということ。それは、改めてきちんと周知をしながら、当然、実施に向けて議論していきたいということを大前提に申し上げます。
その上で、このモニタリングの仕組みにつきましては、これは、ある意味、情報がきちんと整理されて共有されていないことによって、市場における各プレイヤーの行動が必ずしも合理的になっていない状況があるのではないか。それについて、適切な行動を促すために必要な情報を、我々が費用対効果の観点からも十分首肯し得る形で提供できるのであれば、そうした関係を提示させていただきたいというものでございます。
今、おっしゃっていただいた点、悪用するという観点は、例えば独禁法上、競争政策上問題があるような点があれば、それは当然排除したような形にしなくてはいけないですし、これは、もしそういうような懸念がある論点があれば、私どもは、きちんと競争政策当局とも議論をしながら進めてまいりますので、そうした懸念は起こらないような形でやっていくと考えてございます。
また、安定確保医薬品の選定、これはもちろん、安定確保医薬品に選ばれたほうがということは、お考えになる方はいらっしゃるかもしれません。実際にお薬というのは、全てが重要なお薬ですから、全てが安定確保医薬品にという思いがあられるかもしれません。
一方で、この安定確保医薬品の選定につきましては、日本医学会の協力のもとで、実際に学会から安定確保医薬品として選定をする必要性につきまして、優先順位をつけた形で推薦をいただき、それにさらに実臨床、臨床現場での実情も考慮しながら、必要な医薬品というのを選定し、さらにA、B、Cの分類をしていく、そうした作業を、ある意味科学的かつ実務的に行っていくということを考えてございます。
そうした御懸念を抱かれるようなことのないよう、プロセスも、そして内容もしっかり
としたものとなるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○北澤委員 ありがとうございます。
すみません、その選定に関して、WHOのエッセンシャルドラッグとか、そういった観点も含まれているのでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御指摘ありがとうございます。
今、私は説明で省略をしてしまいましたが、安定確保医薬品の見直しの方針、これは安定確保会議で御議論いただいた際に、まさに先生おっしゃっていただいたような御指摘がございましたので、WHOのエッセンシャルメディスンリストですとか、JMATの携行医薬品リスト、こうしたものとも突き合わせた上で検討を行うということを明記してございますので、そうした観点も配慮して取り組んでまいります。
以上です。
○北澤委員 ありがとうございました。
○福井部会長 川上委員、どうぞ。
○川上委員 川上です。2点、お話しさせてください。
1点目は、先ほどの医療機器・体外診断用医薬品に関してです。現在起こっている医薬品の供給不足が、必ずしもジェネリック医薬品の産業構造に依存する問題だけではなくて、実際には、新薬、長期収載品、局方品や、バイオ医薬品とかバイオシミラーなど、様々な分野の医薬品においても、一定程度、供給不足等が生じているのも実情です。
また、医療機器や体外診断用医薬品といえども、供給が不足すると、現場で使っておられる患者さんや医療関係者が大変困る状況になるのは、医薬品と同様かと思います。
そういった観点においては、例えば供給不足のときの報告徴収や、必要に応じて安定供給体制管理責任者を置くなど、今回の医療用医薬品と同じような考え方で、施策を考えていただきたいと思います。
2点目は、全般的な話になるのですが、本年6月の第3回制度部会のときには、報告徴収の制度や、安定供給体制管理責任者の設置などについては、今回の法令改正では、対応することにまだ後ろ向きだったように覚えております。それが、今回の第9回に至っては、資料1の4つの項目について、皆さんに御議論いただいて、おおむねその方向で進めようとなったことは大変うれしく思います。
法令改正で対応していただくことは大変ありがたいのですけれども、それは決して終わりではないと思います。その後、本当に医薬品の供給不足が解消に向かっていくのか、きちんとした安定供給体制が各企業において確保されるのか、その手順書が遵守されているのかなど、行政の皆様には、その後もフォローしていただくことを、ぜひお願いしたいと思います。
以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか、水谷課長。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 ありがとうございます。
私が申し上げた、医療機器、体外診断用医薬品について、供給不足の問題が生じていないとか、あるいは軽んじているということではなくて、等しく重要な問題だと思ってございます。
ただ、3年以上の長期にわたって医療用医薬品のように数千品目の供給不足が続いているという状況とは少し異なるかなと思っておりまして、現在、医療保険制度のもとで、一時的に安定供給に支障が出るような事例、これは、川上委員御指摘のとおり多々ございますので、そうした中で、安定供給に関する報告制度を設けまして、製販業者の責務として、安定供給に支障が生じ、臨床現場への影響が大きいと判断した場合、これは速やかに国に御報告いただいて、製品ごとに私ども必要な取組をさせていただいてございます。
また、コロナの関係では、一定の確保対策を講じた医療機器、体外診断用医薬品等につきましては、令和4年の感染症法改正におきまして、報告徴収あるいは生産促進要請、先ほども説明申し上げたような感染症対策物資の一環として、そうした取組を講じておりますので、ここは引き続き、そうした取組を徹底して進めてまいりたいと考えてございます。
それから、2点目に御指摘いただいた論点、まさにそのとおりだと思います。安定供給のマネジメントシステムをつくる、あるいは後発医薬品の産業構造改革をする、それというのは、今、医療現場で安定供給の問題でいろいろ御苦労されている方々、そして、実際にお薬の問題で御不安を抱えておられる患者の皆様にとっては、まるであさっての議論をしているように聞こえるかもしれません。
そうしたこと、私どもとしては、ルート・コーズに対応するためには必要な対応だと思っておりますので、こうして御議論をいただいておりますが、一方で、足元の供給不足の状況を早く改善させていくということ、これも重要な取組だと思ってございます。
先ほど、供給不足の品目数、5分の1を切る状況ということを御報告申し上げました。今、私どもはメーカーに対しまして、漫然と限定出荷ということを続けていないか、そうしたことの点検を求めながら、できる限り限定出荷を解除してほしい、そうしたことを御協力いただきながら取組を進めております。引き続き、そうした足元の取組と、そして、こうした制度的な対応と、両輪でしっかり進めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
○川上委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○福井部会長 よろしくお願いします。最終アウトカムである供給不足が解決されるかどうかというところに、常に視点を置きながらお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
申し訳ありません、随分時間を取ってしまいましたので、よろしければ次に進みたいと思います。
この議題につきましては、基本的には4つの切り口での御議論をいただいて、検討の方向性につきましては、ほぼ委員の皆様方からの賛同が得られたと思いますので、その方向で、ただ幾つかいろいろな御意見がございましたので、そこにも配慮をしていただくということで進めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、議題の2「医療用麻薬の流通の合理化について」に入りたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。
○小園監視指導・麻薬対策課長 資料2につきまして、監視指導・麻薬対策課から御説明をさせていただきます。
医療用麻薬の流通の合理化につきましては、7月25日の制度部会で御議論いただいたところです。
スライドの2ページですけれども、その際の資料をベースにしたものですが、背景・課題を書かせていただいております。
麻薬は、がん性疼痛等に有用である一方で、濫用により濫用者本人のみならず社会に対しても悪影響を及ぼすおそれがあるということで、①、②にありますように、原則として都道府県単位、一方通行ということで、流通を厳格に管理しているところでございます。
他方で、例えば、県境付近に所在する麻薬卸売業者であっても、同一県内の麻薬小売業者等にしか譲り渡すことができないといった状況ですとか、麻薬小売業者が麻薬処方箋の所持者以外に麻薬を譲り渡すこと等が原則として禁止をされている
、医療用麻薬が有効に活用されることなく、不動在庫が廃棄をされているといった状況が、医療用麻薬の効率的な流通等の観点から課題といった指摘もあるところでございます。
そうした中で、既に薬局間譲渡という仕組みがございますけれども、令和3年の施行規則の改正におきまして、譲渡要件の緩和等を行ってきたということです。
加えて、近年、医療用医薬品の安定確保が重要な課題と位置づけられておりまして、医療上必要不可欠であって、汎用され、安定確保が求められる医薬品につきましては、その対策が議論されているという状況もございます。
7月の制度部会では、主な御意見としまして、隣接する都道府県間での医療用麻薬の流通について検討するのであれば、厳格、適正な管理が形骸化することのないよう慎重に対応することが必要であるといった御意見ですとか、県境を越えた麻薬卸売業者の麻薬の譲渡について検討していただきたいといったような御意見があったところでございます。
その後、私どものほうで関係団体、学会等の皆様からニーズ等のヒアリングを行いまして、主な御意見を整理したものがスライドの3ページでございます。
1つ目、麻薬卸売業者による都道府県を越えた麻薬小売業者等への譲渡についてということですが、4つほど御意見を書かせていただいておりますけれども、麻薬卸売業者が都道府県を越えて麻薬の取扱いをするということに異論はないけれども、混乱や麻薬の供給
能力が低下することは避けてほしいといった御意見ですとか、現行の譲渡の仕組みでも支障はないけれども、県境付近の施設ですとか、使用量が少なく卸売業者に在庫のないものなどについては、流通の改善が期待できるかもしれない、あるいは、もう少し流通の実態について調査をした上で取り組んではどうか、あるいは、都道府県をまたぐことで麻薬事故への対応に温度差が出ることに対して懸念があるといった御意見をいただいたところです。
②の麻薬の不動在庫の解消等につきましては、麻薬診療施設を含めた譲渡が可能になっても、譲渡可能なところは限られるということで、不動在庫の減少はあまり期待できないのではないかといった御意見ですとか、特定の患者に継続処方されるような麻薬であれば、転院先に譲渡交渉が行いやすいということで、不動在庫の減少が期待できるのではないか、一方で、それ以外であれば、少しリスクも懸念されるのではないかといった御意見もありました。
それから、不動在庫の影響というのは、廃棄の手間というところにあって、行政も立会いによる負担が大きいのではないかといった御指摘ですとか、麻薬の使用頻度が少ない診療施設では、麻薬の廃棄を減少させることができるのではないか、あるいは、今、麻薬の流通が一方通行で返品できないということになっておりますけれども、ぜひ返品ができるようにしていただきたいといった御意見をいただいたところです。
賛成の御意見ですとか、慎重な御意見、様々な御意見がございまして、こういった御意見ですとか、今回の見直しというのが、薬機法がメインであるといったこと等々も踏まえまして、4ページで検討の方向性案ということで2点、お示しをしてございます。
4ページを御覧いただければと思いますが、医療用麻薬の安定的な供給及び流通の合理化の観点から、以下の方向で検討することとしてはどうかとしておりまして、1点目ですが、医療用麻薬の安定的な供給の確保を図るため、一定の場合に限定して、麻薬卸売業者は、隣接する都道府県の区域内にある麻薬卸売業者、麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者、麻薬研究施設の設置者に対して、麻薬の譲渡を行うことができることとする方向で検討することとしてはどうかということでございます。
一定の場に限定してとしてございますが、自由に認めるということを念頭に置いているわけではございませんで、今後、法制的な検討等は必要になるわけですが、例えば、災害などで麻薬の供給が不足している場合ですとか、安定供給のための大臣の協力要請がある場合ですとか、そのほか、隣接都道府県の卸から譲渡を受けないと事業を行うことができないといったような限定した場合にすることを念頭に置いているところでございます。
2点目ですが、他の医薬品と同様の経路での回収等を行えるようにするため、麻薬元卸売業者、麻薬卸売業者、麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者、麻薬研究施設の設置者は、麻薬を譲り渡した者等に対して、当該麻薬の回収等のための譲渡を行うことができることとする方向で検討することとしてはどうかということでございます。
こちらは、現行は回収、リコールの場合には、個別に大臣許可を取得して回収のための
譲渡を認めるということが基本になるわけでございますけれども、現場の負担の軽減ですとか、迅速な対応といった観点から、あらかじめ譲渡できることにしておいてはどうかというものです。
小売業者等から卸を通じて返す場合と、直接メーカーが回収する場合といったことが考えられますけれども、麻薬を譲り渡した者等に対してということで、どちらも対応できるようにすることを想定したものでございます。
それから、回収に準じたような、製品に何らか問題があるような場合の譲渡を想定して回収等としてございます。
5ページ、6ページは、今、御説明をした2つの御提案のそれぞれについてイメージ化したものでございます。
事務局からの説明は以上です。
○福井部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明について、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
検討の方向性については異論ありません。
その上で2点、1つは次期改正に向けて対応いただきたいこと。それから、法改正事項ではないのですが、今回、現場の実態等を踏まえて対応いただきたいことがあります。
まず、次期改正に向けて対応いただきたいことですが、外来、在宅を含めて麻薬の使用が進んでいます。
休日、夜間に医療用麻薬の調剤を求められるケースが増加していますが、時間外、土日、それから年末年始等は、卸から医療用麻薬を購入することが難しく、また最近は、平日でもその日に納入されないことや、納品まで三、四日の時間を要することがあります。
そのため、薬局では、早めに次回分等を準備していますが、御存じのように痛みの変化等に応じて、投与量の調節であったり、薬剤の変更が頻繁に行われるため、結果、準備していた麻薬を薬局で使うことなく、そのまま不動在庫・廃棄となってしまうことが少なくありません。このことは、麻薬を取り扱っているほぼ全ての薬局で経験していることだと思います。
そのため、薬局から麻薬を卸売業者に返品できるようにしてほしいとの声が、たびたび日薬にも寄せられています。
今後も在宅医療の場で医療用麻薬の使用はさらに進むと考えます。患者が必要なときに、医療用麻薬にアクセスできるよう、医薬品卸の協力が、まずは必要になります。
その上で、薬局に過度な負担とならないように、麻薬卸売業者へ返品できるように検討いただきたいと思います。これが1点です。
それから、法改正事項ではないのですが、今回対応いただきたいことが幾つかあります。
先ほど事務局のほうからも、麻薬小売業者間での譲渡、譲受ができるようになったというご説明ありました。
そうした麻薬小売業者間での譲渡許可、患者宅等からの医療用麻薬の回収等について、実態を踏まえた運用の見直しをお願いしたいと思っています。
麻薬小売業者間の譲渡譲受許可に係る麻薬小売業者間の移動に要する時間ですが、都道府県によって許可手続の運用が異なり、もう少し柔軟な運用をお願いしたいと思っております。
また、譲り渡される麻薬の経過期間が、今、麻向法施行規則上90日となっていますが、使用しなくなった時点で、譲り渡せるように変更をしていただきたいと思っています。
それから、3点目、以前この検討会でお話ししましたが、患者宅からの麻薬の回収において、患者宅のみならず、施設からの回収や、患者宅から患者家族以外の者、例えば在宅医療に関わるサービス提供者が、家族から依頼をされて薬局に持ち込むケースもあります。
こうしたことに関して、QA等で明確に整理して、現場が困らないようにしていただきたいと思っております。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか、課長から。
○小園監視指導・麻薬対策課長 ありがとうございます。
今、現場の実態、問題を含めて、様々な御指摘をいただいたと思っております。よく御意見を伺いながら、引き続き対応を検討していきたいと思いますし、必要な流通管理を行いつつ、運用面でどういった改善ができるのかといったことも含めて考えていきたいと思います。
また、特に薬局間譲渡についても御指摘をいただきましたけれども、不動在庫への対応という意味では、これにどのように対応していくか、制度をどう活用していくかということは重要かなと考えておりますので、課題をお伺いしながら運用改善等々、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○福井部会長 今後ともさらに詰めていくということですね、森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
本当に麻薬の使用実態が変わってきた中で、厳格、適正な管理というのは非常に重要なことになっています。それを踏まえた上で、現場が困らないような対応をお願いしたいと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
小口委員から、お願いします。
○小口委員 ありがとうございます。卸連の小口でございます。
今回、各関係団体等からの聞き取り、丁寧にしていただきまして、まず、感謝を申し上げます。
それと、当制度改正に対して、この場でできることが限られていることは十分承知しております。
その上で、私のほうからも今後というお話で、少しお願いをさせていただきたいと思います。
引き続き必要な規制は残したまま、麻薬の適正流通に向けて、現状に合った適切な取扱いが実現するように検討を続けていただきたいと思っております。
麻向法というか、麻薬取締法が公布されてから約70年です。私が麻薬を取り扱うようになっても40年近くたっておりますけれども、その中で、免許の期間が延びた、あと、小売業者間の緩和がなされたということはあるのですけれども、それ以外の手順に関しましては、多分、かなり何十年も前の、その状況に合った制度となっていると認識しておりますので、アイテム数、取扱量、また、医薬分業が推進する中で、取扱者が増える中で、どういった形での安定供給、規制を守った上での安定供給ができるか、やはり検討の場を、これからも引き続き設けていただきたいと、お願いになりますけれども、よろしくお願いいたします。
○福井部会長 よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
そのほか、いかがでしょうか。
中島委員、どうぞ。
○中島委員 東京都の中島です。
今、隣接県への譲渡につきましては、限定的な運用を想定しているとの御説明をいただきましたけれども、自治体のほうで免許事務、あと指導、取締りを適切に実施できるように譲渡を認める要件については、明確な規定を設けていただきたいと考えております。
また、県をまたいでの対応が必要になりますけれども、免許事務、また、指導、取締りの具体的な方法ですとか、施行期日については、自治体の意見も反映していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 よろしいでしょうか。
○小園監視指導・麻薬対策課長 御意見ありがとうございました。
一定の場合というところにつきましては、先ほど御説明申し上げましたけれども、今後、法制的な検討等を行っていく必要がありますので、そういった中で、今、いただいた御意見も踏まえながら検討してまいりたいと思いますし、都道府県を越えた譲渡の場合の具体的な事務等々につきましても、今後、これも法制的な検討を踏まえてということになりますが、さらに検討していく必要がございますので、都道府県の皆様とも御相談しながら検討してまいりたいと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。
三澤委員、どうぞ。
○三澤委員 三澤です。
全般的に賛成ですが、1つだけ質問がございます。資料の6ページですけれども、上から黒い矢印で示されている譲渡に関しては、下にある麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者、研究施設の設置者は、麻薬卸売業者からのみ譲渡を受けられるということになっていますが、回収のためには、その三者は、麻薬卸売業者に回収のために譲渡するというだけではなくて、極端な場合、直接麻薬製造業者に譲渡できるようになっていますが、これは、なぜこういう、矢印の向きが譲渡の場合の流れを飛び越えているようなものをつくっていらっしゃいますが、この理由というか、どういう考え方なのかというのを御説明いただけるとありがたいと思います。
○小園監視指導・麻薬対策課長 ありがとうございます。
回収の場合、実際の場面を考えますと、小売業者等々から卸を通じて回収する、順にメーカーまで回収していくという場合と、直接メーカーが小売業者等から回収するという場合と両方想定されるだろうと考えておりまして、いずれも今回の対応で譲渡可能としてはどうかということで、このような図にしてございます。
○三澤委員 はい、承知しました。分かりました。
○福井部会長 そのほか、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、方向性としては、皆様、賛成されていると思いますけれども、まだ、たくさん細かいところ、詰めるところがあるようですので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議題の3に移りたいと思います。
まず、医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品に係る次期制度改正に向けた検討事項の整理について、事務局から説明をお願いいたします。
○高江医療機器審査管理課長 事務局でございます。
皆様、資料3の2ページのほうを御覧いただければと思います。
背景でございますが、これまで皆様方、計8回にわたりまして本部会において、検討いただいてきたところでございます。
この中で、資料上、医薬品以外の医療機器等が制度改正の対象であるのかどうかが明確になっていなかったものもございまして、部会の委員からも医療機器の位置づけが明確になっていないという御指摘をいただいたところです。今般、これまで御議論いただきました承認関係のテーマにつきまして、次表で、医療機器等に関してどういう対応関係にあるかということについて、比較の表をつくらせていただきました。
3ページを御覧いただければと思います。
こちらは、承認関係で医薬品の議論として行ったテーマを4つ挙げてございます。
条件付き早期承認制度の見直し、リアルワールドデータによる承認申請が可能であることの明確化、海外代替品等の迅速の導入の仕組み、製造方法等の中リスクの変更カテゴリ
ーの追加でございます。
こちら医薬品は○となっておりまして、制度改正のほうを検討させていただいているということですが、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品についてはどうかというのを明示させていただいたものが、この図になります。
条件付き早期承認制度の見直しにつきましては、医療機器と体外診断用医薬品は○とさせていただいておりますが、再生医療等製品はバーとさせていただいておりまして、この趣旨、下の注書きにございますが、再生医療等製品においては、現行法で上限及び期限付き承認制度というものが既にございますので、こちらの検討の対象から外しているということでございます。
リアルワールドデータ、また、海外代替品につきましては、こちらは医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品3つとも係るという整理でございます。
製造方法等の中リスクの変更カテゴリーの追加につきましては、再生医療等製品については○とさせていただいておりますが、医療機器、体外診断用医薬品については×とさせていただいておりまして、その理由でございますが、注2といたしまして、国際整合の観点から医療機器及び体外診断用医薬品において、医薬品と同様の改正は不要ということにさせていただいてございます。
アメリカ等で、医療機器、体外診断用医薬品について、中リスクのカテゴリーの変更という枠はあるのでございますが、米国と我が国において申請時に必要とされるデータの種類、また量が異なってございまして、日本の申請においては必要がない資料について、アメリカでは中リスクの変更カテゴリーの追加がなされているということがございますので、今回、国際整合の観点から、こちらのほうは該当しないということにさせていただいております。
簡単でございますが、以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
中濱委員、どうぞ。
○中濱委員 ありがとうございます。エーザイの中濱でございます。
事務局に1点御確認をさせていただきたいのですけれども、今回の整理と逆パターンとなりますが、7月25日の制度部会の医療機器パートで、保管のみを扱う生物由来製品の製造所における製造管理者要件について、検討の方向が示されていましたが、これには医薬品も含まれるという理解で正しいでしょうか。
○高江医療機器審査管理課長 その理解で結構でございます。
○中濱委員 ありがとうございます。
○福井部会長 そのほか、いかがでしょうか。
久芳委員、どうぞ。
○久芳委員 ありがとうございます。
御説明いただいた内容については、我々も同様の認識をしておりますので、それ自体についてコメントはございません。
その上で、ここには挙がっていない、継続的に議論が必要な内容ですとか、それから、法改正までは必要がないけれども、運用の改善に絡むものといったものが、いろいろあると認識しております。
そういったものについても、現在でもいろいろ意見交換をさせていただいておりますが、引き続き、ぜひ、丁寧に議論をさせていただければありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○高江医療機器審査管理課長 承知いたしました。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。それでは、次に進みたいと思います。
第7回の制度部会で積み残しとなりました、体外診断用医薬品の製造管理者等の要件に関連しまして、本日、日本臨床検査薬協会の佐藤参考人に御出席いただいておりますので、まず、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○佐藤参考人 臨薬協から参りました、佐藤です。
本日は、説明の機会をいただき、誠にありがとうございます。
まず、現在、体外診断用医薬品におきましても、総括製造販売責任者及び製造管理者の要件として、薬剤師資格を有することが法律で定められていることについて、産業界の認識を述べさせていただきます。
医療用医薬品と同様、体外診断用医薬品においても、国家資格である薬剤師は、その製造や供給等をつかさどることで、公衆衛生の向上、増進に寄与しており、体外診断薬企業内の様々な活動においても、今後も変わりなく薬剤師の知識やスキルは必須であると理解しております。
よって、医療資格を有する薬剤師が総括製造販売責任者及び製造管理者を務めることが基本と考えております。
そのため、各社一定数の薬剤師を確保、育成するように努めている状況は、医療用医薬品と同様です。
では、資料の2ページ目を御覧ください。
それでは、前回の制度部会で御質問いただきました、総括製造販売責任者及び製造管理者の採用状況の実態について説明いたします。
2018年実施の業態管理者に関するアンケート、2024年7月実施のガバナンスに関する実態調査及び同年10月実施の責任者の採用状況に関する調査で得られた結果を基に分析いたしました。
次のページを御覧ください。
まず、製造販売責任者、以下、総責と申します。その職位と年齢についてです。
総責の職位について、2024年の結果を2018年と比較しますと、役員、部門長クラスの割合は減少し、部長、課長クラスの割合が増加していることが分かります。
これは、総責の定年退職に伴い、部下である部長職、課長職への交代が進んでいると考えられます。
最初に御説明しましたように、各社一定数の薬剤師を確保、育成する努力を継続していることの表れだと考えております。
一方、総責の年齢割合を見ますと、50代以上が以前8割を占めるという傾向は変わっておりません。
各企業が法令遵守体制の整備、強化、維持に努めるため、マネジメント職であり、経験豊かな社員を総責として任命していることが分かります。
しかしながら、企業年数が短い30代も一定数総責として任命されています。これは職位が高くなくても薬剤師資格を持つ社員を総責として任命せざるを得ない状況もあることを示唆していると考えます。
次のページを御覧ください。
続いて、製造管理者の職位と年齢についてです。
2024年の結果を2018年と比較しますと、部門運営を行わない職位の割合が7%増加しております。
また、年齢は50代以上から40代に10%程度若返っており、責任者育成の取組による成果だと考えております。
ただし、総責と同様、企業年数の短い20代、30代が15%を占めており、職位は高くなくても薬剤師の資格を持つ社員を製造管理者として任命せざるを得ない状況が示唆されています。
また、部門運営を行わない職位の割合が増加しているとともに、50代の割合は半数以上を占めております。現在は各社の企業努力により、薬剤師資格を持つ社員を確保しておりますが、今後、現在の管理者が定年退職を迎えるときには、管理者が不足する可能性が大きく、その前兆として、薬剤師資格を有する若い社員を管理者として任命する状況が見えていると考えております。
次のページを御覧ください。
総責及び製造管理者の職位、年齢は、2018年に比べ2024年で低下していることにつきましては、希望した要件の薬剤師を採用できなかった企業が46%を占めていることから、体外診断薬業界においては、薬剤師の採用のために様々な取組を行っているものの、条件に合致した者の採用には苦慮しているということが伺えます。
次のページを御覧ください。
医薬品と同様、例外規定は、予期しない退職等により、総責として必要な能力と経験を
有する薬剤師が不在となった場合にのみ適用されておりますので、その運用数は多くなく、1社のみの事例がございました。
この1社の事例では、行政通知に従い、必要な知識、業務経験を有した職位の高いものが配置されておりました。学部は農学部、職位は部長職となっております。
なお、この会社では薬剤師の総責を配置できるよう、候補者の選定育成を進め、現在では、既に薬剤師の総責が配置されております。
次のページを御覧ください。
一方で、各社薬剤師の確保に努めているにもかかわらず、医薬品製造販売業、製造業の従事薬剤師数は減少傾向にあります。
こちらのスライドは、先日の制度部会で日薬連より示されたスライドを引用したものです。
年々、医薬品製造業に従事する薬剤師数の割合は減少しており、特に右のグラフに示すように、若手の薬剤師の確保が難しい状況にあります。
医療用医薬品企業でも、このような状況であり、体外診断用医薬品企業に就職する薬剤師の割合はさらに低く、より困難な状況にあると言わざるを得ません。
次のスライドを御覧ください。
少し変わりまして、製造管理者の育成について、一般的な事例を御紹介いたします。
入社後、まず製造、分析、品質保証等の実務を担当し、マネジメント職を経て製造管理者になるというスキームがあります。
また、入社当初は開発業務等の部門で、業界や製品に関する知識を習得した後、製造、分析、品質保証等の実務を経験し、マネジメント職を経て、製造管理者になるというスキームも考えられます。
社員育成は機会均等の原則にのっとり、学歴や資格により異なる育成方法を採用しておりませんが、薬剤師の資格を有する社員は、特に専門性の観点から競争優位性を持つと考えております。
採用に関しては、体外診断薬企業も薬学性向け各種イベント開催や、各大学薬学部に足を運ぶなど、地道な努力を行っておりますが、現状として、特に地方の製造所では、薬剤師の確保が困難な状況があると聞いております。
最後になりますが、以上から、体外診断用医薬品の総括製造販売責任者同様に、製造管理者として、企業年数の長い経験豊かな薬剤師資格を持つ社員を任命することが著しく困難な場合に、薬剤師以外の者を任命できる制度を要望させていただきたく存じます。
今までも各企業が計画的な薬剤師の確保、それから管理者としての育成に努めてまいりました。しかしながら、現状として、両管理者の50代の割合が非常に高いという現状と、人材の採用、維持、育成の難しさが大変大きな課題となっております。
今回の要望が、結果的に企業でのガバナンスの低下を未然に防ぐことにつながり、体外診断用医薬品の有効性及び安全性の確保、さらには安定供給の確保にも大きく貢献できる
と考えております。
引き続き、関係ステークホルダーの皆様からの御支援をよろしくお願いいたします。
以上となります。
○福井部会長 ありがとうございます。
ただいまの佐藤参考人からの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 御説明ありがとうございました。
薬剤師のなり手がいないというで、なかなか若い人に魅力的な職種と位置づけてもらえていないのかもしれないのですけれども、ただ、そこには理由はあると思うのですが、どうしてなり手が少ないのでしょうか。また、他学部の薬剤師以外の要件にしたときに、なり手になる人の可能性が高まるのかどうか、その辺りは、どのようにお考えなのでしょうか。
○佐藤参考人 御質問ありがとうございます。
まず、私どもも薬剤師が、この管理者に適切だという考えは全く変わっておりませんが、若い方たちにどのように映っているのかというところは、やはり、まだまだ業界としての活動が足りないのかなと思っているところです。
また、薬剤師会の先生方や、いろいろな薬学教育をされている先生方にも、いろいろと御意見お伺いしまして、まだまだ業界で気がついていないところも多くあるなという気づきが今回ございました。
そういったところから、また、これから先、いろいろと薬剤師の採用に関して、さらに育成に関して、維持に関して、いろいろな課題を検討していかなくてはいけないと思っております。
あと、化学あるいはほかの学部に関してどうなのかというところでございますが、そこは、私どもも薬剤師以外に必要な要件を持っている方の間口を広げて、とにかく人数を増やさないと恐らく維持ができないだろうということで、苦肉の策として、今、ほかの学部でもできるのではないか、臨時の場合にということを、今、提案しておりますので、薬剤師が管理者になるという考えは、基本として変わっておりません。
以上です。
○山口委員 ありがとうございます。
恐らく、薬剤師として採用できないというだけではなくて、問題としては、一定年数継続して働かないと、この責任者になれない、なるだけの能力が身につかないというところに問題があるではないか思っているのですけれども、今、要望されているのは、可能性として人材を増やして、そういう人たちを育成していくということで確保したいという御要望と受け止めてよろしいでしょうか。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
今回は、そういう薬剤師が採用できない、ある一定期間のみ臨時の場合に、薬剤師以外の人が総括あるいは製造管理者に立つことができるように、総責は、今、ルールがあるのですけれども、製造管理者においても同じなので、その一定期間限られた条件において、可能性を広げて、間口を広げて考えていただければという要望になっております。
○福井部会長 ありがとうございます。
川上委員、どうぞ。
○川上委員 資料の2ページ目について質問させてください。
今年の7月と10月に実施された回答率が68%です。こういったガバナンス実態や総括製造販売責任者などの重要なことを調査されても、貴協会所属企業の3社に1社が回答していないという実態はどうお考えなのですか。
○佐藤参考人 御質問ありがとうございます。
今回の調査ですと、実は、本当に短い期間での調査になりまして、事務局からは精一杯の働きかけをして、この回答率になりました。回答率が少ないという点につきましては、そのとおりと思います。申し訳ございません。
○川上委員 そうすると、回答しなかった3社に1社の実態というのは、今回得られた回答よりも、管理実態はよろしくないということなのでしょうか。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
そのようには考えておりません。実は、本当に2日、3日のアンケートだったという状態がございまして、これは、もう本当に言い訳になってしまいますが、そういったときには、適切な回答者のところに社内で情報が行き届かない可能性も、もしかしたらあったのかもしれないということで、そこの連携のメールの伝達のタイミングと、それから、この企業としての品質や、こういった体制のマネジメント、ガバナンスとは別と考えております。
恐らく臨薬協の中で活動しておりまして、私たちがこのチームとしてまとめた回答は、ほぼ平均的な、典型的なデータを反映していると考えております。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
三澤委員、どうぞ。
○三澤委員 御説明ありがとうございました。
状況は、ある程度理解しているつもりではございます。
私は薬学部の教員ですので、その立場から少し質問をさせていただきます。
薬学部は6年制ですけれども、普通の農学部、工学部、理学部などの4年制の学部学生さんと何か区別をして採用活動をされていますか、これは、今、お伺いしてもいろいろな会社があると思いますけれども、一般的にはどうでしょうか。薬剤師の採用をある程度確保したいという意思のある企業さんは、どのようにされているのかなというのを、ちょっとお伺いしたいのですが。
○佐藤参考人 現状の法規制の中では、薬剤師資格を持った者が管理者になるということですので、やはり薬剤師の資格要件を持てる人の採用を優先的にしているという状況ですが、知識としましては、私ども4年制の薬学部を出た人間ですので、その人間が企業の内外でいろいろな経験を積みながら学んできたものが、今、総括あるいは製造管理者として役立っていると考えておりますので、6年制、4年制、恐らく薬学教育を受けた方という状態であればいいのかなと思っています。
追加された2年というのは、やはり臨床に重きを置くということで追加された2年と理解しておりますので、企業で働く方は、その2年を、もしかしたら企業のほうの活動に参加していただくことで、より企業での活躍の場という訓練になるのかなとも思っております。
○三澤委員 すみません、私の質問がよくなくて、すみませんでした。
直裁に聞かせていただきますけれども、薬学部の学生さんは、ちょうど就活の時期に実務実習というものがございまして、普通の4年制の他学部の学生さんに比べて、圧倒的に不利な状態にあります。
ですから、ある意味、同じ時期に同じ選考をされると、薬学部の学生は就職活動がしにくい、もしくは学校によっては、してはいけないみたいな状態になっておりますので、そこは何か配慮をされていらっしゃいますか。これは、体診の会社だけではなくて、医薬品全ての会社に関してですが、一般的に、何らかの対応をしていただいているのか、いただいていないのかというのは非常に大きくて、私としては、薬剤師を採用したいのならば、ほかの4年制の学部の学生さんとは別に、何らかの別の就職採用のスキームをつくってやっていただかないと、とてもとても薬剤師、薬学部の6年制の学生は、一般企業には就職しにくいという状況になっているのを御理解いただき、その上で御対応いただきたいなと思っております。
質問というか、私の話になってしまいましたけれども、これは医薬品業界に対しても、私は言いたいところです。薬剤師免許をもつ従業員を、その会社の中で必須とする一般企業に関しては、就職採用時の配慮を、薬学部の教員としては強く求めたいと思っています。
○佐藤参考人 御意見ありがとうございます。
個社それぞれが活動もしていると思うのですけれども、業界として、そういった視点をもっと取り組んで、今後の採用活動の大きな動き、勉強させていただきます。そして検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○福井部会長 オンラインで、村島先生、お願いします。
○村島委員 御説明ありがとうございました。
今まで勤めてきた病院ですと、検査は全て臨床検査技師さんがやってくださいまして、薬剤師さんは、薬物濃度などを測定されており、薬剤師さんがオールマイティーにできるというのはよく分かるのですが、例えば、コロナの診断薬をはじめ、体外診断薬は、薬剤師さんの資格がなくてもできる、化学や生物学の知識をお持ちで経験があればできるので
はないかと、思ってまいりました。
厚労省の方々への質問かもしれませんが、この体外診断薬の総括販売責任者とか製造責任者という資格要件を決めたときは、まだ、臨床検査技師さんという職種が、社会に浸透していない時期に決められたものかと思っているのですが、その辺はいかがでしょうか。もしもそうであれば、時代が変わってきたので、もう少々柔軟に変えていってもよいのではないかと思います。その辺りのことを、お聞きしたいと思います。
○福井部会長 佐藤審議官から、お願いします。
○佐藤大臣官房審議官 村島先生、御質問いただきましてありがとうございます。
臨床検査技師の資格ができた時期等々との関係については、私も詳細は存じ上げておりませんが、薬剤師資格は、本当に明治時代からある、非常にエスタブリッシュされた資格であるということには変わりないと思っています。
あと、これは薬事制度との関係ということになりますが、体外診断用医薬品というもの自体が医薬品の分類に入っているものでございまして、体内診断薬という、例えば造影に使うような医薬品とか、注射で使うようなものとか、そういう体内に入れるような医薬品というのも一方であって、あくまで医薬品という当初の考え方からすれば、体外で使おうと、体内で使おうと医薬品には変わりないという、そういう疾病の治療、診断、予防の手段のうちの1つとして使うという観点では、医薬品ということには変わりないという考え方から、これは薬剤師が管理者になるという形で設定されてきたものであります。そういう観点からすると、やはり医療の中で治療、診断、予防に資するものとして供給されるということからすれば、やはり薬剤師というものが適切だという考え方に立って、私ども管理者の設定をしてきているということでございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
○村島委員 分かりました。
その方針はそのまま、今回、特定の限局した範囲でということで、一歩前進だと思うのですが、今後それが拡大していく可能性を含め、方向性としてはいかがでしょうか。
○佐藤大臣官房審議官 すみません、大臣官房審議官の佐藤でございます。
今の御質問ですが、今回、例外規定について製造管理者についても御要望いただいて、対応していくことになるだろうということでありますが、そういう例外規定を置く中での運用状況等を見ながら、こういった資格要件については、引き続きその適切性について考えていくことになろうかと思いますので、今の段階で将来どうなるということを申し上げることではないと考えてございます。
○村島委員 ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。
森委員、どうぞ。
○森委員 佐藤参考人、御説明ありがとうございました。
1点確認ですけれども、今、川上委員から指摘があった回答率について、幾つか課題は
あったのですけれども、総責に関しては、あくまで薬剤師が原則で、人材の確保、育成に努めて、それでも薬剤師を設置することが著しく困難なときのみ、ほかの者にしているということでよろしいですか。
○佐藤参考人 はい、そのとおりです。
○森委員 同様に、製造管理者にしても、人材の確保、育成に努めて、それでも困難な場合のみ例外的なケースを設けたいという理解でよろしいですか。
○佐藤参考人 はい、御指摘のとおりです。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで、山家委員、どうぞ。
○山家委員 私も先ほどの村島委員と同じく、今、やはり社会状況が変わってきている、それから、臨床、体外診断薬というものの位置づけということを考えると、特に現状で薬剤師が最適であるというところの状況から、しかしながら、人材育成とか採用の段階で難しさがあるというところにおいて、一時的に薬剤師以外の方というのが担当なさるというのは、状況に応じて必要ではないかと考えます。
村島委員がおっしゃったように、社会状況がまた変わってきているという部分も含めて、そこの社会的性というのは、もちろん将来的にどうするか分からない部分もありますけれども、そこの必要性というのも、もしかすると、ここの対応から見えてくることもあるのかなと考えます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。今、まとめていただいたようなところもございますので、それでは、どうもありがとうございました。
最後に、議題4に入りたいと思います。
これは「取りまとめ骨子案について」ということで、事務局から説明をお願いします。
○重元総務課長 資料の4、取りまとめ骨子案を御覧いただければと思います。
本日のこれまでの議論をもちまして、全てのテーマにつきまして検討の方向性も含めて、一通り御議論をいただいたと理解をしております。
次回12月の制度部会におきましては、この取りまとめ案をお示しする予定でございまして、本日は、それに先立ちまして、その骨子案を資料4として御提示をさせていただきまして、これまで扱ってきました論点を漏れなく列挙できているかについて、御確認をいただきたいと考えてございます。
4月の制度部会から提示してまいりました、4つの大きなテーマにつきましては、これまでの議論も踏まえまして、取りまとめの骨子案では改めて整理をし直し、テーマ名も若干変更してございます。
具体的には、1つ目の柱が、資料4の第2の部分「医薬品等の品質確保及び安全対策の強化について」。
2つ目が第3の部分「品質の確保された医療用医薬品の供給について」。
3つ目が第4の部分「ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備について」。
4本目の柱が、第5の部分「医薬品へのアクセスの向上及び医薬品の適正使用の推進について」ということで、この4本を取りまとめ骨子案の4つの柱としてございます。
それぞれの柱につきましては、その構成につきましては、まずは「基本的な考え方」という部分で、背景や課題を整理することを予定してございます。
その上で、2とあります「具体的な方向性」という部分におきまして、これまで事務局からお示ししてまいりました検討の方向性の案や、各委員からこの場でいただきました御意見も踏まえまして、制度見直しの方向性を示すことを予定してございます。
今日は「具体的な方向性」で列挙しております項目の一つ一つの改めての御紹介は、時間の関係もありますので省略させていただきますけれども、それぞれの柱に盛り込まれております両括弧数字レベルでの項目を御紹介いたしますと、まず、1つ目の柱につきましては、第2の「(1)製造販売業者等による品質保証責任の明確化等」「(2)医薬品安全管理責任者の設置その他の製造販売後安全管理」「(3)GMP適合性調査の見直し」「(4)輸入確認制度の合理化」「(5)国家検定制度の合理化」「(6)感染症定期報告制度の見直し」という中身にしております。
2本目の柱につきましては、第3の2の「(1)医療用医薬品の製造販売業者における安定供給確保に向けた体制整備」「(2)医療用医薬品の供給不安の迅速な把握、報告徴収及び協力要請等」「(3)安定供給確保医薬品の供給確保策」「(4)医薬品等の供給不足時の海外代替品へのアクセス改善」「(5)製造方法等の中リスクの変更カテゴリの追加等」。
2ページ目に参りまして「(6)医療用医薬品の需給データを活用したモニタリングの実施」という中身にしております。
3つ目の柱が、第4の2の(1)から(8)までございますけれども「(1)小児用医薬品のドラッグ・ロス解消に向けた開発計画策定の促進」「(2)希少・重篤な疾患に対する医薬品等に係る条件付き承認の見直し」「(3)リアルワールドデータの薬事申請への利活用の明確化」「(4)再生医療等製品の特性を踏まえた授与等の例外的許容」「(5)体外診断用医薬品の特性を踏まえた性能評価等の見直し」「(6)医薬品製造管理者等の要件の見直し」「(7)登録認証制度の安定的な運用に向けた見直し」「(8)医薬品の臨床試験の実施の基準に関する見直し」としております。
4本目の柱が第5の2の(1)から(6)までで「(1)デジタル技術を活用した薬剤師等の遠隔管理による医薬品販売」「(2)調剤業務の一部外部委託の制度化」「(3)薬局の機能等のあり方の見直し」「(4)薬局機能情報提供制度の見直し」「(5)医薬品の販売区分及び販売方法の見直し」。最後に「(6)処方箋等の保存期間の見直し」でございます。
以上が全体の項目の柱でございますけれども、これらの項目につきましては、特に法改正等による制度改正が必要と考えられるものを中心に取りまとめをしたものでございます。
細かい運用改善に関する項目につきましては、取りまとめで詳細な記載をすることはしない予定でございますけれども、この柱立てで大きな論点は網羅しているのではないかと考えているところでございます。
この骨子案を御確認いただきまして、この方向性でよろしければ、次回の制度部会におきましては、これに本文を追記した取りまとめ案を御提示させていただき、御議論いただきたいと考えているところでございます。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
ただいま委員の方々に求めましたのは、両括弧の数字で示した項目などが適切かどうかということの御意見を伺いたいということでよろしいですか。
○重元総務課長 はい。
○福井部会長 いかがでしょうか、この資料4の、今、説明で読まれたところですけれども、こういうところが足りないとか、この文言は、こうしたほうがいいのではないかと、そういう御意見が、もしございましたら、お願いしたいと思います。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。
骨子案については異論ありません。その上で、2点だけコメントをさせていただきたいと思います。
まず、第3の「品質の確保された医療用薬の供給について」、それから第5「医薬品へのアクセスの向上及び医薬品の適正使用の推進について」の「(3)薬局の機能等のあり方の見直し」に関連することですけれども、今後、人口減少社会を迎える中、人口構造、医療需要医療提供体制が変化をします。
そうした中、各地域の実情に合わせて、医薬品提供体制を確保する必要があり、薬局薬剤師の機能強化等に関する検討会でも、在宅、離島・僻地等における薬剤提供の在り方について検討がされています。
地域での医薬品提供計画については、これまでも何回か発言していますが、地域医療計画等の各種関連計画との整合性を踏まえつつ、地域のニーズを把握し、医薬品提供体制を構築できるための方策を薬機法に規定する必要があると思います。
2つ目です。
第5の2の「③ 濫用等のおそれのある医薬品の販売方法の厳格化」についてです。
現状の濫用の状況を見ると、しっかり実効性を持って進めていくことが必要です。そのためには、専門家による確実な関与、購入者の状況確認と販売可否の判断が必要になり、手の届かないところへの陳列は、万引き等の不適切な入手への対策にもなります。
特に、大容量製品や、濫用に使用されやすい等の注意すべき品目については、各店舗で
不適切な入手等への対策に追加的に取り組んでいくべきだと考えます。
そして、専門家による確実な関与により、濫用対策の実効性が確保されるように、法令上での担保や薬事監視の徹底が必要だと考えます。
この濫用防止対策に向けては、我々もしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
○福井部会長 大原企画官、どうぞ。
○大原薬事企画官 総務課薬事企画官でございます。
地域での医薬品の提供計画について、コメントをいただきました。
この地域における医薬品の提供体制でございますが、医療法に基づく第8次の医療計画の策定に際しても議論がなされたところでございまして、この第8次の医療計画には、例えば、在宅医療に必要な医薬品等の提供体制の確保ですとか、あるいは地域における薬剤師の確保といったところも盛り込まれております。
その地域での計画策定の際には、都道府県の薬務主管課、それから医務主管課が連携するといった取組を記載されておりまして、現実、各地域でも取組が進んできているものというところでございます。
こうした地域医療の中での全体的な動きにつきましては、引き続き、医療法を所管しております医政局とも連携しながら進めていきたいと思っておりますのは、これまでも申し上げているところでございます。
一方で、今、御指摘いただいたように、昨今の薬局の機能、役割の在り方の議論の中でも、こうした地域医療の動き等も踏まえまして、例えば、行政機関ですとか、ほかの薬局、ほかの施設といった薬局が受皿として果たす役割というのも整理させていただいたところでございますので、この薬局の機能の在り方の項目に係る所要の見直しの中で、この役割がより明確になるように、法令上の整理も含めて検討させていただきたいと考えているところでございます。
また、濫用対策関係につきましては、この部会において鋭意精力的に御議論いただきました。専門家の関与につきまして、法令上実効性を担保すべきという総意があったかと思いますので、そうした点、心して私どもとしても進めさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
そのほか、三澤委員、どうぞ。
○三澤委員 第4のところの枕詞ですけれども「ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備について」ということで、この書き方をされると、ここに列挙されていることが、全てこのドラッグ・ロスやドラッグ・ラグに結びつくような規制である的な見え方をしてしまいまして、先ほどの議論にもありました、例えば「(6)医薬品製造管理者等の要件の見直し」等は、何か管理者要件がドラッグ・ラグやドラッグ・
ロスの原因の1つにでもなっているように見えてしまうのは、僕はあまりよくないと思うのです。
どうしてこの枕詞が、このようなものが必要なのかというのが、私は少し引っかかります、いかがでしょうか、その辺り。
○福井部会長 いかがでしょうか。
○重元総務課長 第4の柱につきましては、ここは、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けたということで、いわゆるドラッグ・ロスといった問題を含めた承認制度周り、あるいはそういった部分の主に承認規制制度周りのものを集めたものが、この第4の柱に入っているものと考えております。
ただいま、三澤先生から御指摘いただきました点も含めて、この表題のつけ方に関しましては、また、御指摘の内容も含めまして考えてまいりたいと思います。
このそれぞれの柱のどこに、その各論の項目を入れ込むかという部分もありますので、より適切な場所に移すことも含めて、考えて検討したいと思っています。
以上でございます。
○福井部会長 佐藤審議官から、よろしいですか。
○佐藤大臣官房審議官 同様でございます。ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。
オンラインで、先に北澤委員から挙手されておりますので、お願いします。
○北澤委員 北澤です。
この取りまとめは、基本的には薬機法改正に向けた取りまとめになっているかと思うのですけれども、薬機法は非常に大きな法律で、いろいろなことが含まれているので、もしできましたら、私のような薬機法に詳しくない者もおりますので、ここに書かれていることが、薬機法の何条に関係することなのかというのを入れていただくと大変助かります。御検討願えれば幸いです。
それと、先ほど森先生のお話にもあったのですけれども、薬機法だけではない法律、薬機法以外の法律とも関係している部分あるいは並行して考えなくてはいけない部分もあるかと思いますので、そういったどの本文が、どの法律に関係しているところなのか、また、法律ではなくて、法律までは行かないけれども、こういったところも議論して取りまとめたということなのか、その辺りも明確化していただくと非常に助かります。御検討をお願いいたします。
○福井部会長 それでは、事務局からよろしいですか。
○重元総務課長 ただいまの点につきましては、例えば参考としましては、本日も資料としてお配りしております、参考資料のこれまでの議論で出された主な意見という資料を出しておりますけれども、その中に、一番右側に法律改正との関連性というところに、それぞれの項目ごとに関係条文も掲載しておりますので、こういったものも御参考にしていただきながら、見ていただくということもあるのかなと考えております。
以上でございます。
○北澤委員 私もそこのところを考えておりました。この条文に関係するというところが明確になればいいと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、川上委員、どうぞ。
○川上委員 川上です。
先ほどの三澤委員の御指摘は、私も同様に思います。別の例を挙げますと、例えば、第5の「(2)調剤業務の一部外部委託の制度化」です。部会で議論したときは、多数の委員から懐疑的な発言があったかと思うのですけれども、あたかも調剤業務を一部外部委託すると、アクセスの向上や医薬品適正使用の推進につながるようにも、読み取れると思います。こういったテーマの柱立て自体が重要かと思います。まだ検討の余地があるのでしたら、ぜひ再考していただけると幸いです。
○福井部会長 よろしくお願いします。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。もしないようでしたら、様々な御意見をありがとうございました。本日の議論は、ここまでとさせていただきます。
9月の会議で論点の整理を行いまして、10月以降、三度にわたって個別の論点について議論していただきました。本日で個別の論点についての議論は、最後となる予定になっております。
先ほど事務局から説明がありましたように、次回は取りまとめ案についての御議論をお願いしたいと思います。引き続き、御協力をお願いいたします。
最後に、事務局から連絡事項等がございましたら、お願いいたします。
○重元総務課長 次回の第10回制度部会の日程につきましては、12月26日に開催予定でございます。詳細については、事務局から御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井部会長 それでは、長い時間、大変お疲れさまでした。以上をもちまして「令和6年度第9回医薬品医療機器制度部会」を閉会といたします。
御協力、誠にありがとうございました。